JP6819276B2 - 強化繊維基材および繊維強化プラスチック - Google Patents

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本発明は、強化繊維をシート状に製織した後、その表面に粒子を付着させた強化繊維基材の改良、および該強化繊維基材を用いて作製した繊維強化プラスチックに関する。
近年、炭素繊維に代表される強化繊維をマトリックス樹脂に内包して一体硬化する繊維強化プラスチックが、鉄やアルミ合金などの金属材料に代わる軽量かつ高剛性な新しい材料として航空機や自動車、および建材などの様々な大型構造物に採用されつつある。
上記大型構造物のように高い構造強度が要求される用途に供される繊維強化プラスチックの原料としては、半硬化状態のマトリックス樹脂の内部に強化繊維の長繊維を内包したプリプレグが主流である。プリプレグは、積層した後に一度だけ加熱および加圧をするだけで簡単に繊維強化プラスチックが得られる半面、上記加熱および加圧を実施するために必要なオートクレーブと呼ばれる設備が非常に高価であること、半硬化状態のマトリックス樹脂の自然硬化を抑制するために冷凍保管が必要であること、さらに、半硬化状態のマトリックス樹脂の粘性が高いことからプリプレグのドレープ性が悪く、プリプレグを湾曲や凹凸などの複雑な形状に追従して積層することが困難であることなどの欠点を有する。
上記プリプレグの欠点を解消する繊維強化プラスチックの原料として、液状のマトリックス樹脂と、強化繊維のシートとの組み合わせが、新たに注目されている。これらの原料を用いる際は、予め積層した強化繊維のシートに対してマトリックス樹脂を注入して繊維強化プラスチックを得る方法が採用される。この方法によれば、マトリックス樹脂が液状なので、小さい圧力でマトリックス樹脂が注入可能であり、オートクレーブのような大規模な加圧設備が不要である。さらに、マトリックス樹脂が含まれない強化繊維のシートは自然硬化の心配が無いため、冷凍保管が不要であり、且つ、プリプレグと比較してドレープ性が良いため複雑形状への追従も容易である。
マトリックス樹脂を注入して繊維強化プラスチックを得る方法では、強化繊維のシート全体にマトリックス樹脂を含浸させるために、低粘度の組成を持つマトリックス樹脂を採用する必要がある。しかし、一般的に低粘度な樹脂は硬化後の強度が低いことから、この方法で作製された繊維強化プラスチックを、航空機一次構造部材や自動車の構造材、および建材などの高い構造強度が要求される用途に供するためには、バインダーと呼ばれる樹脂材料を強化繊維のシートの表面に適用する技術が用いられる。バインダーの適用形態は粒子形態が主流であり、他には短繊維、単一方向に引き揃えた連続繊維、編み物、織物、不織布、または穴あきフィルムも存在する。マトリックス樹脂が硬化する際にバインダーが分解および拡散して、マトリックス樹脂の強度を向上させる仕組みである。この技術によって、最近では、マトリックス樹脂を注入して繊維強化プラスチックを得る方法を用いて航空機の尾翼や主翼などの大型の航空機一次構造部材を試作する事例も出てきている。
強度向上の他にバインダーに期待される機能として、接着性が挙げられる。強化繊維基材を複雑形状にドレープさせた後、その位置を保持するためには、積層された強化繊維基材同士を接着固定することが必要となる。一般的には、バインダーを直接的もしくは間接的に加熱、加圧、もしくは加熱と加圧を組み合わせて適用することでバインダーを軟化させ、強化繊維基材を互いに接着する方法が多く用いられる。
航空機一次構造部材などの大型構造物は、構造全体の強度を確保するため、少なくとも部分的に8mm以上の大きな厚みを有するように設計される。このように、強化繊維のシートが8mm以上の厚みにわたって積層されることになると、多くの場合多数枚積層となり、積層枚数が増えるに従ってマトリックス樹脂の厚み方向の流動抵抗が増して、構造物全体にマトリックス樹脂を含浸させることが困難になる。
かかる問題を解決するため、強化繊維基材の厚み方向の樹脂の流動抵抗を抑制する方法として、下記の公知技術が挙げられる。
特許文献1や特許文献2、および特許文献4に記載の発明は、製織後の強化繊維基材に対して強化繊維の繊維方向に沿った切り込みや貫通穴などの後加工を施して機械的な空隙を形成する技術である。これらの方法では、強化繊維を局所的に寸断することで、繊維の連続性が損なわれてしまい、硬化後の繊維強化プラスチックの強度低下を招く可能性があることから、大型構造部材のような、高い構造強度が求められる用途には適用しづらいものの、複雑な形状に対する優れた追従性を有しており、このような賦形性が求められる用途に好適に用いられる。
特許文献3に記載の発明は、目付(g/m)が一定の範囲に限定された強化繊維シートの内部において、任意の積層構成における適切な厚み方向の空隙率が得られるように、隣り合う強化繊維の繊維束同士の間隔をコントロールする技術である。しかし、バインダーの付着量の影響が考慮されていないため、バインダーの付着量が一定量を越えると、強化繊維基材の表面がバインダーによって被覆されて、厚み方向の空隙が閉塞する現象が生じることがあり、マトリックス樹脂の厚み方向の流動抵抗が増大する可能性があるという課題を生じさせるおそれがあった。特許文献5に記載の発明においても、樹脂の流動中に実質的にマトリックス樹脂に不溶のバインダーを用いた技術でも、同様な課題を生じさせるおそれがあることが知られている。
このような流動抵抗が増大する問題を解決する手段としては、特許文献6、特許文献7、または特許文献8に記載の発明のように、バインダーの付着量をコントロールする技術が開示されている。
特許文献6に記載の発明は、常温で粘着性を有するバインダーを用いる前提で、強化繊維基材の表面にドット状にバインダーを付着させて、そのドットピッチやドット径を一定の範囲にコントロールすることで、マトリックス樹脂の流動抵抗を抑える技術である。しかし、強化繊維基材の表面にバインダーを規則的なドット状に付着させるには高コストなプロッターが必要であるうえ、強化繊維基材表面全体にドットを付着させるのに長時間を要するという問題があった。このため、現在でもバインダーの適用方法としては繊維基材の表面にバインダーをランダム散布するのが依然として主流であり、ランダム散布した場合のバインダーのドットピッチやドット径をコントロールする技術は存在しないのが現状である。
特許文献7に記載の発明は、積層体の厚み方向にバインダーの付着量を傾斜的に変動させることで、マトリックス樹脂の流動抵抗を抑える技術である。この場合、付着量を変動させた複数品種の基材を準備し、それを決められた順番に積層することで、多品種化による材料製造コスや積層にかかる作業コストは増える可能性があるものの、構造的に流動提供を制御可能にできるものである。
その他、特許文献8に記載の発明のように、強化繊維基材の目付(g/m)を基準とした重量比率でバインダーの付着重量を決定する技術が多数存在するが、強化繊維基材の表面積は強化繊維基材の目付に関わらずほぼ一定なので、この方法によると、強化繊維基材の目付が大きくなると相対的にバインダーの付着量の下限が増加してしまい、バインダーの付着重量が明細書に記載の重量比率を満たした場合でも、マトリックス樹脂の流動抵抗が過大になる場合が多数存在することが明らかになった。
特開2013−82229号公報 特開2006−138031号公報 特許第4304948号 特開2008−132650号公報 特開2005−29781号公報 特開2009−235182号公報 特開2013−249441号公報 特開2009−235175号公報
本発明の目的は、かかる従来技術の背景に鑑み、マトリックス樹脂を注入して繊維強化プラスチックを得る方法を用いて厚みの大きな繊維強化プラスチックを作製する場合に用いる強化繊維基材に関して、下記(1)から(4)いずれかの要件を少なくとも満たす強化繊維基材を提供することにある。これによって、強化繊維基材の接着性およびマトリックス樹脂硬化後の構造強度を損なうことなく、マトリックス樹脂の含浸性に優れた強化繊維基材が実現できる。
(1)バインダー付着後の強化繊維基材に後加工を施すことの無い技術であること。
(2)発明の効果を得るために複数品種の基材を準備する必要の無い技術であること。
(3)バインダーを強化繊維基材の表面にランダム散布した場合を対象とした、バインダー量のコントロール技術であること。
(4)強化繊維基材の目付(g/m)に依存しない、バインダー量のコントロール技術であること。
本発明は、かかる課題を解決するために次のような手段を採用するものである。
強化繊維からなるシート状織物基材の表面に粒子を付着させた強化繊維基材であり、粒子の直径r(μm)、粒子目付A(g/m)、粒子の密度D(g/cm)、および粒子の体積頻度分布関数V(r)(%)を用いた(1)式からなるカバーファクターCが0.1以上2.4以下であるとともに、30μm以下の直径の前記粒子が、体積比3%以下の存在比率で含まれることを特徴とする強化繊維基材。
前記粒子がマトリックス樹脂に溶融しないことを特徴とする、強化繊維基材。
前記粒子目付Aが5〜50g/mであることを特徴とする、強化繊維基材。
前記粒子の密度Dが0.9〜2.6g/cmであることを特徴とする、強化繊維基材。
強化繊維の繊維束同士の間隔が0.17mm以上2mm以下であることを特徴とする、強化繊維基材。
前記強化繊維の繊維束の幅が2mm以上10mm以下であることを特徴とする、強化繊維基材。
前記強化繊維の繊維径が1μm以上10μm以下であることを特徴とする、強化繊維基材。
注入開始時点の初期粘度が1mPa・s以上150mPa・s以下である前記マトリックス樹脂と上記のいずれかに記載の強化繊維基材とを用いることを特徴とする、繊維強化プラスチック。
ポットライフが0分を超え60分以下である前記マトリックス樹脂と上記のいずれかに記載の強化繊維基材とを用いることを特徴とする、繊維強化プラスチック。
本発明の強化繊維基材は接着性に優れるため、湾曲や凹凸などの複雑な形状に対しても、適切な接着手段を用いることで容易にシワ無く強化繊維基材を追従、固定することができる。
体積頻度分布関数V(r)(%)の例を示した模式図である。 カバーファクターCの計算例を示した表である。 粒子を付着させた強化繊維基材の模式図である。 実施例における体積頻度分布関数V(r)(%)およびカバーファクターCの計算結果である。 比較例1における体積頻度分布関数V(r)(%)およびカバーファクターCの計算結果である。 比較例2における体積頻度分布関数V(r)(%)およびカバーファクターCの計算結果である。
以下に、本発明の望ましい実施の形態に関して説明する。
本発明に用いる強化繊維には、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、金属繊維、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、あるいはこれらを組み合わせたものが挙げられる。航空機用途として高い強度を要求される強化繊維としては炭素繊維が好ましく適用される。
強化繊維をシート状に製織した強化繊維基材が好ましく適用される。強化繊維基材の形態としては、一方向織(NCF)、平織、綾織、または朱子織が挙げられる。また、複数方向に配向させた強化繊維の繊維束をステッチして一体化したものでもよい。ここで、強化繊維の繊維束とは、複数本の強化繊維が決められた範囲の本数で一束になったものを指す。
強化繊維基材を複数枚積層したものに対して、マトリックス樹脂を注入した後に硬化させて繊維強化プラスチックを作製する。このときの成形方法は限定されず、VaRTM成形法、RTM成形法、および引抜き成形法など、マトリックス樹脂を注入して繊維強化プラスチックを得る方法であれば任意に適用可能である。
マトリックス樹脂の種類は限定されず、作製された繊維強化プラスチックに期待される機械的物性を満たすものであれば任意に適用可能である。たとえば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂、さらにはこれらの混合樹脂等を使用できる。
特に厚みの大きい繊維強化プラスチックの作製においては、マトリックス樹脂が流動性に優れることが必要である。具体的には、マトリックス樹脂の初期粘度が1mPa・s以上150mPa・s以下であること、または、マトリックス樹脂のポットライフが0分を超え60分以下であること、およびこれらの両方の特性を備えることが好ましい。マトリックス樹脂に熱制御を加えながら注入する場合も同様であり、このような熱制御の条件下における初期粘度およびポットライフが上記の範囲を満たしていることが好ましい。
マトリックス樹脂の粘度上昇は含浸時間マトリックス樹脂の初期粘度が150mPa・sを越える、と、特に厚肉かつ大型の構造物を含浸させるときに樹脂の含浸を促進するための副資材が過剰に必要になるなどの問題が生じる。初期粘度の下限については特に制約は無いが、一般的な樹脂材料の初期粘度として1mPa・s以上であることが好ましい。
マトリックス樹脂のポットライフが60分を越えると、硬化が長期化してタクトタイムが延びることで、生産効率が低下するなどの問題が生じる。ポットライフの下限については特に制約は無いが、速硬化樹脂も考慮してポットライフは0分を超えるものであることが好ましい。
本発明において、マトリックス樹脂の硬化とは、用いられる樹脂が熱硬化性樹脂の場合は、熱硬化性樹脂を硬化反応させること、用いられる樹脂が熱可塑性樹脂の場合は、加熱された熱可塑性樹脂を冷却すること、または、注入される熱可塑性樹脂として、そのモノマーやオリゴマーが用いられる場合は、当該モノマーやオリゴマーを重合し、冷却することを意味するものとする。
強化繊維基材の表面には粒子が付着されることが重要である。粒子は、熱可塑性樹脂を主成分とすることが好ましく、中でも、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルホルマールやポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂が好ましい。粒子の密度Dは、上記の成分およびそれらの組み合わせであれば0.9〜2.6g/cmであることが好ましい。
粒子の成分として部分的に熱硬化性樹脂が含まれていてもよい。ただし、粒子の融点は20℃を超えることが好ましい。粒子の融点が20℃以下の場合、強化繊維同士が意図せず結着するなど取り扱い性が悪く、常温で粒子が流れてマトリックス樹脂の流動を阻害するなどの弊害が生じる。
粒子は、マトリックス樹脂が強化繊維基材に注入され始めてから硬化を開始するまでの間に、マトリックス樹脂に対して溶融しないものであることが好ましい。ここで「溶融しない」とは、実質的に溶融しない状態を含み、具体的には、粒子の成分の一部であれば、マトリックス樹脂の注入中にマトリックス樹脂と溶解や溶融、または分解を呈するものであってもよい。樹脂が硬化を始めて以降は、粒子の全体および一部がマトリックス樹脂中で溶解や溶融、もしくは分解を呈するものであってもよい。
粒子を強化繊維基材の表面に付着させる形態は、強化繊維基材の片面に付着させたもの、および両面に付着させたもののいずれも好適に使用できる。粒子目付A(g/m)は、強化繊維基材上に付着させた粒子の単位面積あたりの重量で定義する。
粒子目付A(g/m)の範囲は、5〜50g/mであることが好ましい。粒子はバインダーとしての機能(接着性確保あるいは強度向上)を期待して付着させるものであり、粒子目付が5g/m以下の場合、十分な層間の接着性が確保できない、あるいは層間の粒子成分が少なすぎて層間強度向上の機能が期待できないなどの問題が生じる。一方、粒子目付が50g/m以上の場合、層間に粒子成分が過剰となり、マトリックス樹脂の硬化後まで層間の粒子成分が偏在して界面を形成し、そこから界面剥離を生じやすくしてしまうことで、やはり層間強度向上の機能が期待できなくなる。
粒子目付A(g/m)の計測方法は限定されない。例えば、付着時に供給した材料の重量変化から計算する方法や、付着後の基材から粒子を抽出して重量測定する方法などを用いることができる。
粒子の直径とは、粒子を球形とみなした場合の直径を指す。ただし、実際の粒子は多くの場合球形ではなく不定形であるため、粒子の直径の定義としては、粒子表面に外接する球の直径、内接する球の直径、もしくはこれらの平均直径などを用いることができる。
粒子の体積頻度分布関数V(r)(%)は計測により定義するが、その計測方法は限定されない。例えば、レーザーを用いた計測法、画像処理による計測法、および篩を用いた分級と重量測定を併用した計測法などの方法を用いることができる。また、粒子の個数頻度分布関数f(r)(%)を(2)式で換算することでV(r)(%)を定義してもよい。
ただし、(2)式を用いてV(r)(%)を算出した場合は、
となるように換算したものを新たにV(r)(%)と定義する。πは円周率である。
粒子の体積頻度分布関数V(r)(%)を計測するタイミングは、粒子を強化繊維基材に付着させる前に計測したもの、および粒子を強化繊維基材に付着させた後に計測したもののいずれも対象である。
図1に、体積頻度分布関数V(r)(%)の例を示す。V(r)(%)に従う分布を持つ粒子群のうち、単位面積あたりに存在する全粒子の表面積を積分したものを、カバーファクターCと定義する。すなわち、
となる。式(2)を式(4)に代入すれば、
を得る。ここで、
である。なお、式(4)における(1/100)は、粒子目付A(g/m)と粒子の密度D(g/cm)との長さの単位を合わせるための定数である。(1)式、(4)式、(5)式、および(6)式の積分計算においては、V(r)(%)が 0.01(%)未満となるrの頻度はすべてゼロ(%)としてカバーファクターCを計算する。
図2は、図1の体積頻度分布関数V(r)(%)を対象として、粒子目付A=12(g/m)、粒子の密度D=0.12(g/cm)としたときの計算例である。このときのカバーファクターCは0.452となる。
図3は、粒子を付着させた強化繊維基材の模式図である。強化繊維の繊維束001を一方向に引きそろえて、経糸003と緯糸004で製織した一方向織(NCF)の表面に粒子002を付着させた強化繊維基材005の表面を例示すれば、カバーファクターCが大きい強化繊維基材の表面006、およびカバーファクターCが小さい強化繊維基材の表面007は、それぞれ図3のようになる。すなわち、カバーファクターCの大きさは、強化繊維基材の表面が粒子で覆われている度合いの大きさ、という物理現象を表している。
強化繊維基材の表面の粒子はバインダーとしての機能(接着性確保あるいは強度向上)を期待して付着させるものである。粒子が付着した強化繊維基材を複数枚積層した後、加熱、加圧、もしくは加熱と加圧を組み合わせて実施することで、粒子同士が接着、あるいは粒子と強化繊維が接着し、積層した強化繊維基材同士を層間で接着一体化することができる。粒子同士の接着力は粒子間の化学的結合力に起因しており、粒子と強化繊維との接着力は、いわゆる面ファスナーのように、粒子が強化繊維同士の隙間に埋没することによる機械的な結合力に起因している。この機械的な結合力は、強化繊維の繊維径が細いほど強くなる。本発明の粒子形態において強化繊維基材の十分な接着性を得るためには、強化繊維の繊維径が1μm以上10μm以下であることが望ましい。
強化繊維の繊維径が1μm未満の場合、強化繊維の毛羽が発生しやすくなり、作業性が低下するという問題が生じる。強化繊維の繊維径が10μmを超える場合、上記機械的な結合力が弱くなりすぎて強化繊維基材の接着性が損なわれる。
なお、ここでの粒子と強化繊維との接着とは、加熱、加圧、もしくは加熱と加圧との組み合わせを一回あたり10分以下の短時間で適用するもの、および一回あたり10分を超える長時間で適用するものの両方を指す。
鋭意研究の結果、強化繊維基材の接着性については、カバーファクターCが0.1以上4以下であることが好ましいことを見出した。カバーファクターCが0.1以上0.7未満であれば、強化繊維基材の層間の接着力のうち、粒子同士の接着力の寄与よりも粒子と強化繊維との接着力の寄与が大きくなり、強化繊維同士を重ねた状態で暫く置いておくだけで自然に接着するなど、接着性が格段に向上する。しかし、カバーファクターCが0.1未満であると、接着性を確保するのに十分な量の粒子が強化繊維基材の表面に存在しなくなるため、十分な接着力が確保できなくなる。一方、カバーファクターCが4を超えると、粒子と強化繊維との接着力の寄与がほぼ無くなるため、より高い温度で加熱したり、より大きな圧力で加圧したりしなければ強化繊維基材同士の接着が達成できなくなるなど、強化繊維基材同士を接着する工程の制約が大きくなってしまう。カバーファクターCが0.7以上4未満の場合は、現実的な温度範囲と圧力範囲で、良好な強化繊維基材の接着性が得られる。
粒子によって互いに接着された強化繊維基材には、強化繊維プラスチックを作製するためにマトリックス樹脂が注入される。マトリックス樹脂が強化繊維基材の内部に含浸する際、マトリックス樹脂は粒子同士が形成する隙間を流路として通過する。一般的に、マトリックス樹脂の含浸のし易さは含浸係数(Permeability)で表現される。含浸係数の値が大きいほど含浸し易いことを表す。含浸係数の大きさは、樹脂の流路の大きさに反比例することが知られている。樹脂の流路の大きさは、樹脂が含浸する方向に対して垂直な面上の空隙の総面積で定義される。よって、カバーファクターCが大きい強化繊維基材の表面006の含浸係数は小さく、カバーファクターCが小さい強化繊維基材の表面007の含浸係数は大きいことになる。
カバーファクターCの増加は粒子の表面積の増加に他ならないため、マトリックス樹脂がカバーファクターCの小さい強化繊維基材の表面を通過する際に、マトリックス樹脂はカバーファクターCの大きい強化繊維基材の表面を通過する場合よりも多くの粒子表面に接触する。マトリックス樹脂が強化繊維基材に注入され始めてから硬化を開始するまでの間に、粒子の成分の一部もしくは全部がマトリックス樹脂と溶解や溶融、もしくは分解を呈するものである場合、マトリックス樹脂が流動とともにより多くの粒子表面に触れるほど、マトリックス樹脂の粘度がより大きく上昇する現象が生じる。これもカバーファクターCが大きい強化繊維基材の含浸性を悪化させる重要な一因であり、上記樹脂の流路の理論からは独立した現象である。マトリックス樹脂と粒子がこのような現象を生じる組み合わせである場合、より好適に本発明の効果が得られる。
鋭意研究の結果、強化繊維基材の含浸性については、カバーファクターCが0.1以上2.4以下であることが重要であることを見出した。カバーファクターCが2を超えると、含浸係数が過小となり、含浸性が十分でなくなる。特に、強化繊維基材を40枚以上積層した場合や、硬化後の繊維強化プラスチックの厚みが8mm以上の場合に、厚み方向の含浸性が致命的に不足する。一方、カバーファクターCが0.1未満であると、含浸性は十分であるが、粒子のバインダーとしての機能のうち、強度向上の機能を確保するのに十分な量の粒子が強化繊維基材の表面に存在しなくなるため、材料強度の点で好ましくない。
上記より、カバーファクターCを0.1以上2.4以下とすれば、強化繊維基材の接着性と含浸性が両立した好適な強化繊維基材が得られる。このとき、必ずしも常温で強化繊維基材が接着するものでなくても、強化繊維基材の良好な含浸性が得られるのが特徴である。
カバーファクターCを目的の範囲内にコントロールするためには、例えば、図1に例示される粒子の体積頻度分布関数V(r)(%)を基に、特定の開口径を有するメッシュ材を用いて粒子をふるい分けして、所望の体積頻度分布関数V(r)(%)に調整する方法が使用できる。カバーファクターCは単位面積あたりに存在する全粒子の表面積を積分したものであるため、粒径が比較的小さい粒子の存在比率が大きいほど、決められた粒子目付A(g/m)を達成するためにより多くの粒子を強化繊維基材の表面に付着させなければならないため、カバーファクターCは大きくなる。粒子目付Aが5〜50g/mの範囲であれば、30μm以下の直径の粒子を、体積比3%以下の存在比率に抑えるようにふるい分けすることで、カバーファクターCの増大を抑制した好適な粒子の体積頻度分布関数V(r)(%)が好ましく得られる。ここで、体積比3%以下の存在比率とは、30μm以下のすべての直径の粒子の体積の累積値の、全粒子の体積の累積値に対する比率が3%以下であることを指す。なお、ふるい分けの方法は上記メッシュ材を用いた方法に限定されず、目的のカバーファクターCが得られればよい。粒子の平均粒径が30μmに近いほど、ふるい分けが容易であることから、粒子の平均粒径が100μm未満であれば、本発明が最も効果的となる。平均粒径は、例えば体積頻度分布関数V(r)(%)における50%粒径で定義されるが、その他一般的な平均粒径の定義によって計算されたものでもよい。
カバーファクターCが十分に小さい場合でも、強化繊維の繊維束同士の間隔008、および強化繊維の繊維束001の幅によって、強化繊維基材の厚み方向の含浸性は変化する。強化繊維の繊維束同士の間隔008は、一方向織(NCF)の場合、図3のように、同一層内で隣り合う強化繊維の繊維束001同士の間隔で定義されるが、平織、綾織、または朱子織の形態であっても、同様に定義される。マトリックス樹脂を注入して繊維強化プラスチックを得る方法に使用される強化繊維基材は、繊維強化プラスチックの厚み方向に樹脂を含浸させる必要性から、強化繊維の繊維束同士の間隔008を一定以上確保するのが一般的である。強化繊維の繊維束001の幅については、硬化後の繊維強化プラスチックが所望の強度を実現できるだけの強化繊維の目付(g/m)を満たす範囲で、できるだけ小さい幅であることが好ましい。これは、強化繊維の繊維束001の幅が小さいほど、単位面積あたりの強化繊維の繊維束同士の間隔008の個数が増えるため、強化繊維基材の厚み方向の含浸係数の増大が期待できることによる。
強化繊維の繊維束001の幅が10mm以下、強化繊維の繊維束同士の間隔008が0.17mm以上、もしくはこれらの両方が満たされる場合、粒子が表面に付着していない場合でも強化繊維基材の厚み方向の含浸係数が大きくなり、特に、強化繊維基材を40枚以上積層した場合や、硬化後の繊維強化プラスチックの厚みが8mm以上の場合など、厚みの大きい繊維強化プラスチックでも安定してマトリックス樹脂を含浸することが可能となるため、好ましい。ただし、粒子が表面に付着していない場合の強化繊維基材の厚み方向の含浸係数が小さい基材、すなわち、強化繊維の繊維束001の幅が2mm以上10mm以下、強化繊維の繊維束同士の間隔008が0.17mm以上2mm以下、もしくはこれらの両方が満たされる場合でも、本発明の効果は十分に得られる。
強化繊維の繊維束001の幅が2mm未満である場合、もしくは10mmを超える場合であっても、硬化後の繊維強化プラスチックが所望の強度を実現できるだけの強化繊維の目付(g/m)を満たせれば問題は無いが、いずれも製織の難易度が上がるため、基材製造時のコストが増加するなどの問題が生じる。
強化繊維の繊維束同士の間隔008が2mmを超える場合であっても、硬化後の繊維強化プラスチックが所望の強度を実現できるだけの強化繊維の目付(g/m)を満たせれば問題は無いが、強化繊維の繊維束同士の間隔008が大きくなるほど強化繊維基材の形状保持性が下がるため、作業性が著しく低下するなどの問題が生じる。強化繊維の繊維束同士の間隔008が0.17mm未満の場合、繊維束同士の間隔が実質的に閉塞されてマトリックス樹脂の含浸経路としての機能を果たさなくなるため、含浸性が低下するなどの問題が生じる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、特にこれに限定されるものではない。
<強化繊維基材の製造>
実施例および比較例で用いた強化繊維基材は以下のように作製した。
炭素繊維T800S−24K−10E(東レ(株)製)をタテ糸とし、ヨコ糸をガラス繊維として実質的に炭素繊維が一方向に配列された平織組織の織物を作製した。織物の炭素繊維目付は192g/m、炭素繊維の繊維束の幅は4.7mm、炭素繊維の繊維径は5〜7μm、炭素繊維の繊維束同士の間隔の平均値は0.5mmであった。
<マトリックス樹脂の製造>
実施例および比較例で用いたマトリックス樹脂は以下の組成で作製した。尚、組成比の単位「部」は、特に注釈のない限り重量部を意味する。
・“アラルダイト”(登録商標)MY721CH(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、分子量:450、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ製):30部
・“jER”(登録商標)630(N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、分子量:277、三菱化学(株)製):15部
・“EPON”(登録商標)825(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱化学(株)製):20部
・GAN(N,N−ジグリシジルアニリン、分子量:205、日本化薬(株)製):25部
・“カネエース”(登録商標)MX416((株)カネカ製):10部
・“jERキュア”(登録商標)W(ジエチルトルエンジアミン、三菱化学(株)製):27部
・3,3’−DAS(3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、小西化学工業(株)製):8部
・“セイカキュア”(登録商標)S(4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、和歌山精化工業(株)製):4部
・DIC−TBC(t−ブチルカテコール、DIC(株)製):1部。
このエポキシ樹脂組成物の70℃での初期粘度をE型粘度計にて測定したところ、125mPa・sであった。また、このエポキシ樹脂組成物のポットライフは47分であった。なお、ポットライフは70℃に加熱開始してから粘度が200mPa・sに到達するまでの時間(分)で定義した。
<粒子の製造>
実施例でおよび比較例で用いた粒子は以下のように作製した。尚、組成比の単位「部」は、特に注釈のない限り重量部を意味する。
ポリエーテルスルホン(“スミカエクセル”PES5003P、登録商標:住友化学(株)製)60部、トリグリシジルイソシアヌレート(TEPIC−S、日産化学工業(株)製)4部、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂(“エピコート”806、登録商標:三菱化学(株)製)23部およびフェノールアラルキル型エポキシ樹脂(NC−3000、日本化薬(株)製)13部を2軸押出機にて210℃で混練して得られたペレットを凍結粉砕して粒子を得た。粒子の密度は1.2g/cm、強化繊維基材に付着後の粒子目付は27.5g/mであった。この粒子は、マトリックス樹脂が強化繊維基材に注入され始めてから硬化を開始するまでの間に、マトリックス樹脂に実質的に溶融しないものである。
<含浸性テストの方法>
以下、実施例および比較例の含浸性テストの方法を記す。繊維の長手方向を0°とした強化繊維基材を[+45°/90°/−45°/0°]を基本として6.25回繰り返したものを対称に積層した積層体を得た。積層数は50層であった。
得られた積層体はゲージ圧−100kPaを超える真空度を付与しつつ73.3℃に加熱しながら最長306分保持した後に一旦冷却した。その後、該積層体を再び72.0〜73.5℃に加熱して、そこに63.6〜66.7℃に加熱したマトリックス樹脂を注入含浸して、注入開始時点から裏面に含浸開始するまで時間を計測した。樹脂の注入にはVaRTM成形法を用いた。該裏面に含浸開始するまでの時間は、基材の積層数とマトリックス樹脂のポットライフを考慮して、16分以下であれば含浸性が良い、と定義した。
なお、含浸性テスト後、マトリックス樹脂を加熱硬化した後の厚みは10mmであった。
<接着性テスト1の方法>
以下、実施例および比較例の接着性テスト1の方法を記す。繊維を同一方向に揃えた状態で強化繊維基材を4層積層し、その上に80℃に加熱したおもりを載せて20秒間保持した後、おもりを取り外した。おもりは、加圧力が3.9kPaになるように接触面積と重量を調整した。
おもりを取り外した後、最上層の強化繊維基材をピンセットで持ち上げ、自重で剥がれれば「接着せず」、剥がれなければ「接着する」と定義した。
<接着性テスト2の方法>
以下、実施例および比較例の接着性テスト2の方法を記す。繊維を同一方向に揃えた状態で強化繊維基材を4層積層し、湿度が40%以下にコントロールされた環境において、常温で12時間以上放置した。その後、最上層の強化繊維基材をピンセットで持ち上げ、自重で剥がれれば「接着せず」、剥がれなければ「接着する」と定義した。
<実施例>
図4に示す体積頻度分布関数V(r)(%)、およびカバーファクターCになるように粉砕した粒子を両面にランダム散布して強化繊維基材を得た。この強化繊維基材を用いて含浸性テストを実施したところ、注入開始時点から裏面に含浸開始するまで時間は11分であった。接着性テスト1および2の結果は、どちらも「接着する」であった。
<比較例1>
図5に示す体積頻度分布関数V(r)(%)、およびカバーファクターCになるように粉砕した粒子を両面にランダム散布して強化繊維基材を得た。この強化繊維基材を用いて含浸性テストを実施したところ、注入開始時点から裏面に含浸開始するまで時間は13分であった。接着性テスト1の結果は「接着する」であったが、接着テスト2の結果は「接着せず」であった。
<比較例2>
図6に示す体積頻度分布関数V(r)(%)、およびカバーファクターCになるように粉砕した粒子を両面にランダム散布して強化繊維基材を得た。この強化繊維基材を用いて含浸性テストを実施したところ、注入開始時点から裏面に含浸開始するまで時間は18分であり、流動抵抗の増加による含浸性の低下が見られた。接着性テスト1の結果は「接着する」であったが、接着テスト2の結果は「接着せず」であった。
001 強化繊維の繊維束
002 粒子
003 経糸
004 緯糸
005 強化繊維基材
006 カバーファクターCが大きい強化繊維基材の表面
007 カバーファクターCが小さい強化繊維基材の表面
008 強化繊維の繊維束同士の間隔

Claims (9)

  1. 強化繊維からなるシート状織物基材の表面に粒子を付着させた強化繊維基材であり、粒子の直径r(μm)、粒子目付A(g/m)、粒子の密度D(g/cm)、および粒子の体積頻度分布関数V(r)(%)を用いた(1)式からなるカバーファクターCが0.1以上2.4以下であるとともに、30μm以下の直径の前記粒子が、体積比3%以下の存在比率で含まれることを特徴とする強化繊維基材。
  2. 前記粒子がマトリックス樹脂に溶融しないことを特徴とする、請求項1に記載の強化繊維基材。
  3. 前記粒子目付Aが5〜50g/mであることを特徴とする、請求項1または2に記載の強化繊維基材。
  4. 前記粒子の密度Dが0.9〜2.6g/cmであることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の強化繊維基材。
  5. 強化繊維の繊維束同士の間隔が0.17mm以上2mm以下であることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の強化繊維基材。
  6. 前記強化繊維の繊維束の幅が2mm以上10mm以下であることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の強化繊維基材。
  7. 前記強化繊維の繊維径が1μm以上10μm以下であることを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の強化繊維基材。
  8. 注入開始時点の初期粘度が1mPa・s以上150mPa・s以下である前記マトリックス樹脂と請求項1〜のいずれかに記載の強化繊維基材とを用いることを特徴とする、繊維強化プラスチック。
  9. ポットライフが0分を超え60分以下である前記マトリックス樹脂と請求項1〜のいずれかに記載の強化繊維基材とを用いることを特徴とする、繊維強化プラスチック。
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