JP2001114915A - プリプレグ及び繊維強化複合材料 - Google Patents

プリプレグ及び繊維強化複合材料

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JP2001114915A JP29099499A JP29099499A JP2001114915A JP 2001114915 A JP2001114915 A JP 2001114915A JP 29099499 A JP29099499 A JP 29099499A JP 29099499 A JP29099499 A JP 29099499A JP 2001114915 A JP2001114915 A JP 2001114915A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、特に湿熱環境下で高度の物性が要求
される用途に好適に用いうる引張強度、耐層間剥離強
度、耐衝撃強度に優れた繊維強化複合材料、及びその繊
維強化複合材料の製造に好適に用いうる取り扱い性に優
れたプリプレグを提供すること。 【解決手段】種類と配合比が特定されるエポキシ樹脂、
及び、平均粒径が特定され、樹脂組成物中、エポキシ樹
脂に実質的に不溶な微粒子を含んでなるエポキシ樹脂組
成物が、強化繊維に含浸されてなるプリプレグ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリプレグ及び繊
維強化複合材料に関するものである。詳細には、先進複
合材料として、圧縮・引張強度、引張・曲げ弾性率、さ
らには、これらを比重で除した比強度、比弾性率の大な
ることを要求される構造体の製造に好適に用いられるプ
リプレグ及び繊維強化複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維強化複合材料は、強化繊維とマトリ
ックス樹脂を必須の構成要素とする不均一材料であり、
このため繊維軸方向の物性とそれ以外の方向の物性に大
きな差が存在する。例えば、落錘衝撃に対する抵抗性
は、層間の板端剥離強度等で定量される、層間剥離強度
によって支配されるため、強化繊維の強度を向上させる
のみでは、抜本的な改良に結びつかないことが知られて
いる。特に、熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂とする繊
維強化複合材料は、マトリックス樹脂の低い靭性を反映
し、繊維軸方向以外の応力に対し、破壊され易い性質を
持っている。このため、繊維軸方向以外の複合材料物性
の改良を目的に、種々の技術が提案されている。
【0003】熱硬化性樹脂自体の高靭性化手法として、
エポキシ樹脂にポリスルフォン樹脂を添加する手法が特
開昭60−243113号公報に、また、エポキシ樹脂
に芳香族オリゴマを添加する手法が特開昭61−228
016号公報に開示されており、これら手法によれば、
繊維強化複合材料の耐衝撃強度も改良されるとしてい
る。
【0004】また、米国特許第3,472,730号公報(19
69年)では、繊維強化シートの片面又は両面にエラス
トマーで改質した熱硬化性樹脂からなる独立外層フィル
ム(セパレートエクステリアフィルム、Separate Exter
ior film)を配することにより、耐層間剥離力の改善が
なされることが開示されている。また、特開昭51−5
8484号公報では、エポキシ樹脂を含んでなるプリプ
レグの表面に、ポリエーテルスルフォンフィルムを存在
させることで、成型性及び曲げ強度の改善がなされるこ
とが開示されている。また、特開昭60−63229号
公報では、プリプレグを積層して複合材料を製造する際
に、エラストマーで改質したエポキシ樹脂フィルムを積
層間に介在させることにより、層間剥離強度の改善がな
されることが開示されている。また、米国特許第4,539,
253号公報(特開昭60−231738号公報)では、
プリプレグを積層して複合材料を製造する際に、軽量繊
維を基材とする、不織布、織布、マット、キャリアーに
エラストマーで改質したエポキシ樹脂を含浸させたフィ
ルムを積層間に介在させることにより、層間剥離強度の
改善がなされることが開示されている。また、米国特許
第4,604,319号公報(特開昭60−231738号公
報)では、プリプレグを積層して複合材料を製造する際
に、熱可塑性樹脂フィルムを積層間に介在させることに
より、層間剥離強度の改善がなされることが開示されて
いる。
【0005】しかし、これらの手法では、層間剥離強度
等の改善効果が不十分なばかりでなく、それぞれに欠点
を有する。
【0006】ポリスルフォン等の熱可塑性樹脂の添加に
よる樹脂の高靭性化手法によれば、樹脂粘度の増加が避
けられず、繊維への含浸性が不足し、切断時に繊維が飛
散することがあり、またプリプレグとした際にドレープ
性が不足する等取り扱い性に劣ったものとなる。また、
熱可塑性樹脂が多く含まれると硬化物の耐溶剤性が低下
してしまう。また、エラストマーで改質した熱硬化性樹
脂を含むフィルムを介在させる手法によれば、エラスト
マーの含有量を増すと、得られる複合材料の耐熱性が大
きく低下し、逆にエラストマーの含有量を減らすと、層
間剥離強度の改善効果が著しく低下してしまう。また、
熱可塑性樹脂フィルムを用いる手法によれば、耐熱性の
良好なものを用いることにより、得られる複合材料にお
いて、耐熱性と層間剥離強度の改善効果は或る程度両立
するものの、熱硬化性樹脂の利点であるタック性(粘着
性)やドレープ性が失われ、耐溶剤性に劣るという熱可
塑性樹脂の一般的欠点が繊維強化複合材料に露呈してし
まう。
【0007】これら欠点を解消する試みとして、その表
面に樹脂微粒子を分散させたプリプレグが提案されてい
る。
【0008】例えば、米国特許第5,028,478号公報(特
開昭63−162732号公報、特開昭63−1704
27号公報、特開昭63−170428、特開平1−1
04624号公報、特開昭1−104625号公報)で
は、ナイロン等熱可塑性樹脂からなる微粒子を用いて、
耐熱性の良好な高靭性複合材料を与える技術が開示され
ている。また、特開平3−26750号公報には、ポリ
スルフォンオリゴマ添加により靭性が改良されたマトリ
ックス樹脂と熱硬化性樹脂からなる微粒子との組み合わ
せによって、複合材料に高度の靭性を発現させる技術が
開示されている。
【0009】ところが、米国特許第5,028,478号公報開
示の方法では、熱可塑性樹脂自体の靭性に大きく依存す
るため、複合材料を長期間の疲労環境下に曝した場合、
熱可塑性樹脂からなる微粒子とバルクの樹脂との親和性
が良好でない場合は、バルクの樹脂/微粒子間の界面剥
離を引き起こして層間における靭性が大きく低下する懸
念がある。
【0010】特開平3−26750号公報開示の方法で
は、マトリックス樹脂の靭性は高く確保されているが、
上記した特開昭60−243113号公報や特開昭61
−228016号公報開示の手法と同様、熱可塑性樹脂
の大量添加によるプリプレグの取り扱い性の低下は免れ
得ず、併せて硬化物の耐溶剤性等も低下する。
【0011】また、特公平2−311538号公報、特
公平3−197559号公報、欧州公開特許第3771
94号公報及び欧州公開特許第392348号公報に
は、ポリイミドやポリエーテルスルフォン等の熱可塑性
樹脂微粒子を用いて、耐熱性と靭性に優れた複合材料を
提供する技術が開示されている。このとき用いた微粒子
は、プリプレグの硬化時にバルクの樹脂に溶解して、熱
可塑性樹脂層を形成し、これにより複合材料の靭性が高
まるとしている。しかし、これら技術によれば、熱可塑
性樹脂微粒子をバルクの樹脂に溶解させる手法を用いる
ことから、最終的に形成される繊維強化複合材料の内部
形態、特にフリプレグ等からなる複合材料層の間に形成
される層間の厚さが、圧力や昇温速度等成型条件の変動
に大きく影響され、得られる複合材料の物性が不安定と
なるといった欠点がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特に湿熱環
境下で高度の物性が要求される用途に好適に用いうる引
張強度、耐層間剥離強度、耐衝撃強度に優れた繊維強化
複合材料、及びその繊維強化複合材料の製造に好適に用
いうる取り扱い性に優れたプリプレグを提供せんとする
ものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のプリプレグは上
記課題を解決するために次の構成を有する。即ち、次の
構成要素[A]、[B]、[C]、及び硬化剤を含んで
なるエポキシ樹脂組成物が、強化繊維に含浸されてなる
プリプレグであって、該樹脂組成物中エポキシ樹脂の全
量100重量部に対して、それぞれ前記構成要素[A]
の含有量が5〜35重量部、前記構成要素[B]の含有
量が50〜95重量部であるプリプレグである。 [A]3官能エポキシ樹脂及び/又は4官能エポキシ樹
脂 [B]2官能エポキシ樹脂 [C]平均粒径が10〜70μmであり、前記樹脂組成
物中のエポキシ樹脂に実質的に不溶な微粒子 また、本発明の繊維強化複合材料は上記課題を解決する
ために次の構成を有する。即ち、強化繊維と、引張破壊
歪みが8%以上である熱硬化性樹脂の硬化物よりなる複
合材料層が複数積層されてなる繊維強化複合材料であっ
て、前記複合材料層の間に形成される層間の厚さが10
〜70μmである繊維強化複合材料である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者らは、種類と配合比が特
定されるエポキシ樹脂、及び、平均粒径が特定され、樹
脂組成物中、エポキシ樹脂に実質的に不溶な微粒子を含
んでなるエポキシ樹脂組成物が、強化繊維に含浸されて
なるプリプレグ、及び、強化繊維と、その硬化物の引張
破壊歪みが或る値以上である熱硬化性樹脂組成物よりな
る複合材料層(単層)が複数積層されてなる繊維強化複
合材料であって、前記複合材料層の間に形成される層間
の厚さが特定される範囲内にある繊維強化複合材料によ
って、前記した課題を一挙に解決することを究明したも
のである。
【0015】繊維強化複合材料の繊維方向における引張
強度(以下、0゜引張強度と略記)は、一般に強化繊維
自体の引張強度に依存する所が大きいが、0゜引張強度
は、強化繊維自体の引張強度から理論計算される計算値
よりも低い値となる。
【0016】ところが、本発明者らは、本発明による樹
脂組成物をプリプレグや複合材料のマトリックス樹脂と
して用いることにより、強化繊維の強度特性が存分に引
き出されると共に、得られる複合材料において、0゜引
張強度等、強度特性が著しく向上することを見いだし
た。
【0017】本発明で用いる強化繊維は、耐熱性及び0
゜引張強度の良好な強化繊維である。具体的には、炭素
繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アル
ミナ繊維、ボロン繊維、又はこれらの混成繊維が挙げら
れる。中でも、比強度、比弾性率が良好で、得られる複
合材料の軽量化に大きく寄与することから、炭素繊維や
黒鉛繊維が好ましい。
【0018】本発明では、用いる炭素繊維や黒鉛繊維に
特に制限はないが、より高物性を有する複合材料を得る
観点から、0゜引張強度4.4GPa、引張伸度1.6
%以上の高強度、高伸度炭素繊維を用いるのが好まし
い。
【0019】強化繊維は、連続繊維からなるものが良
く、その繊維長は5cm以上であるのが好ましい。5cm未
満であると、強化繊維の強度特性を繊維強化複合材料に
十分に反映させるのが困難となることがある。
【0020】また、強化繊維の形状や配列は特に限定さ
れず、例えば、単一方向、ランダム方向、シート状、マ
ット状、織物状、組み紐状いずれでも採用可能である。
また、特に、比強度、比弾性率が高いことを要求される
用途には、強化繊維が単一方向に引き揃えられた配列の
ものが好適であるが、取り扱い性が容易であることか
ら、クロス(織物)状のものでも良い。
【0021】本発明において、構成要素[A]及び
[B]は、熱、光、電子線等外部からのエネルギーによ
り重合し、硬化して、三次元架橋構造を形成するエポキ
シ樹脂である。
【0022】本発明において、構成要素[A]は、3官
能エポキシ樹脂及び/又は4官能エポキシ樹脂である。
構成要素[A]は、樹脂組成物中、エポキシ樹脂の全量
100重量部に対して5〜35重量部であることが必要
であり、好ましくは8〜30重量部であるのが良い。5
重量部未満であると、得られる複合材料において、湿熱
環境下での耐久性が低下することがあり、35重量部を
越えると、0゜引張強度や層間の板端剥離強度(以下、
EDSと略記)が低下することがある。
【0023】本発明において、構成要素[B]は、2官
能エポキシ樹脂である。構成要素[B]は、樹脂組成物
中、エポキシ樹脂の全量100重量部に対して50〜9
5重量部であることが必要であり、好ましくは60〜9
0重量部であるのが良い。50重量部未満であると、得
られる複合材料において、0゜引張強度やEDSが低下
することがあり、95重量部を越えると湿熱環境下での
耐久性が低下することがある。
【0024】構成要素[A]の具体例としては、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニル
メタン、トリグリシジルアミノフェノール、トリグリシ
ジルアミノクレゾールのようなグリシジルアミン型エポ
キシ樹脂、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エ
タンやトリス(グリシジルオキシ)メタンのようなグリ
シジルエーテル型エポキシ樹脂等、又はこれらの組み合
わせが挙げられる。
【0025】構成要素[B]の具体例としては、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキ
シ樹脂等のビルフェノール化合物、ビフェニル型エポキ
シ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジ
エン型エポキシ樹脂、ジフェニルフルオレン型エポキシ
樹脂等、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0026】本発明においては、得られる複合材料の物
性をさらに高めるため、ビスフェノール化合物を、樹脂
組成物中、エポキシ樹脂の全量100重量部に対して、
1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部、樹脂組成
物に配合するのが良い。1重量部未満であると、0゜引
張強度やEDSを高める効果が小さくなることがあり、
20重量部を越えると、得られる複合材料において、耐
熱性や圧縮強度が不足することもあり、中間基材として
プリプレグを経由する場合は、そのタック性等、取り扱
い性が低下することがある。
【0027】ビスフェノール化合物の具体例としては、
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノール
S、ビスフェノールAD、ビスフェノールZ、ビスフェ
ノールフルオレン、ジヒドロキシビフェニル等が挙げら
れ、またそれらのアルキル置換体やハロゲン化物も好適
に使用できる。また、ジヒドロキシナフタレンやジヒド
ロキシアントラセン等も使用できる。中でもビスフェノ
ールSは、樹脂組成物の硬化物(以下、樹脂硬化物と略
記)、即ち、得られる複合材料においてはマトリックス
樹脂に、より高度の靭性、伸度、耐熱性を発現させる観
点から好ましく用いられる。
【0028】本発明においては、上記構成要素[A]や
[B]の他、得られる複合材料の耐熱性を損なわない範
囲で分子内にエポキシ基を1個有する単官能エポキシを
樹脂組成物に配合することができる。
【0029】本発明においては、エポキシ樹脂の他、熱
硬化性樹脂として、ポリマレイミド樹脂、シアン酸エス
テル末端を有する樹脂を樹脂硬化物の靭性を大きく損な
わない範囲で樹脂組成物に混合して使用できる。
【0030】ポリマレイミド樹脂は、末端にマレイミド
基を平均2個以上有する化合物であり、ジアミンを不飽
和ジカルボン酸無水物との反応による従来公知の方法に
より製造されるものである。
【0031】シアン酸エステル末端を有する樹脂として
は、ビスフェノールAに代表される多価フェノールのシ
アン酸エステル化合物が挙げられる。
【0032】本発明においては、熱可塑性樹脂やエラス
トマー、いわゆる反応性希釈剤等の改質剤も樹脂硬化物
の耐熱性を損なわない範囲で樹脂組成物に配合すること
もできる。
【0033】熱可塑性樹脂を配合することにより、プリ
プレグ等の取り扱い性がさらに向上する。これにより、
熱可塑性樹脂の硬化物が備える靭性が効果的に反映さ
れ、より高度な複合材料物性が得られると共に、オート
クレーブ等による低圧条件によっても複合材料が容易に
安定に成型できるようになる。
【0034】熱可塑性樹脂としては、主鎖に炭素炭素結
合、アミド結合、イミド結合、エステル結合、エーテル
結合、シロキサン結合、カーボネート結合、ウレタン結
合、尿素結合、チオエーテル結合、スルフォン結合、イ
ミダゾール結合、及びカルボニル結合からなる群から選
ばれる化学結合を有する熱可塑性樹脂が挙げられる。さ
らに具体的には、ポリアミド、ポリカーボナート、ポリ
アセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレン
スルフィド、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミ
ドイミド、ポリエーテルイミド、ポリシロキサン、ポリ
スルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエ
ーテルケトン、ポリアラミド、ポリベンズイミダゾー
ル、ポリアクリレート、ポリスチレン等が挙げられる。
中でも、得られる複合材料にさらに高度の耐熱性、耐衝
撃強度、及び強化繊維との接着性が実現される観点か
ら、スルフォン結合を有する熱可塑性樹脂、例えばポリ
エーテルスルホンを用いるのが好ましい。
【0035】また、熱可塑性樹脂は、比較的低分子量
の、いわゆるオリゴマーでも良い。オリゴマーは、その
数平均分子量が3、000〜10、000、好ましくは
3、000〜7、000のものが良い。3、000未満
であると、得られる複合材料において、耐衝撃強度の向
上効果が不足することがあり、10、000を越える
と、複合材料を製造する際に樹脂組成物の粘度が過大と
なって複合材料の成型性が低下することがある。かかる
オリゴマーは、複合材料物性をより高める観点から、熱
硬化性樹脂と反応し得る官能基を末端又は分子鎖中に有
しているのが好ましい。
【0036】また、本発明で用いられるエラストマーと
しては、ブタジエンアクリロニトリルゴム、スチレンブ
タジエンゴム、ブチルアクリレート等が挙げられる。
【0037】本発明において、構成要素[C]は、平均
粒径が10〜70μmの範囲にある微粒子である。ま
た、構成要素[C]の平均粒径は、好ましくは25〜6
0μm、より好ましくは35〜60μmの範囲内である
のが良い。10μm未満であると、マトリックス樹脂が
有する剛性を繊維強化複合材料の圧縮強度の発現に反映
させながら、同時に繊維強化複合材料における層間を高
靭性化せしめる効果が不足することがある。70μmを
越えると、強化繊維の配列が乱れ、複合材料物性が低下
することがある。
【0038】構成要素[C]の形態は、球状体であるの
が好ましく、樹脂塊を粉砕した微粉状の不定形状や、ス
プレードライ法、再沈殿法で得られるような複雑な形態
のものでも良い。また、多孔質のものでも良いし、フィ
ラー形状のものでも良い。
【0039】また、構成要素[C]は、複合材料を成型
する過程で、構成要素[A]及び[B]を含む、樹脂組
成物中のエポキシ樹脂に実質的に不溶であることが必要
である。ここで、「実質的に不溶」とは、室温25℃か
らエポキシ樹脂が硬化する温度の範囲で、前記構成要素
[A]及び[B]を含む、樹脂組成物中のエポキシ樹脂
が均一に混合されてなる流動性を有する樹脂組成物中に
溶出する成分が、構成要素[C]の全量100重量%に
対して10重量%未満、好ましくは5重量%未満、より
好ましくは2重量%未満であることを意味する。
【0040】構成要素[C]の微粒子は、樹脂組成物に
配合する前に平均粒径が10〜70μmの範囲内のもの
が好適に使用できるが、複合材料を成型する過程で膨潤
したり、表面の極少量がバルクの樹脂に溶解することに
より、その平均粒径が10〜70μmの範囲内で残存す
るものであれば使用することができる。
【0041】構成要素[C]は、樹脂組成物中のエポキ
シ樹脂に実質的に不溶である限り、有機物からなる有機
微粒子であっても、金属や無機物からなる無機微粒子で
も良いが、バルクの樹脂との親和性の観点から、有機微
粒子が好ましい。
【0042】有機微粒子としては、樹脂微粒子が用いら
れる。樹脂微粒子は熱可塑性樹脂微粒子と熱硬化性樹脂
微粒子に大別される。
【0043】熱可塑性樹脂微粒子としては、主鎖に、炭
素炭素結合、アミド結合、イミド結合、シロキサン結
合、エステル結合、エーテル結合、シロキサン結合、カ
ーボネート結合、ウレタン結合、尿素結合、チオエーテ
ル結合、スルフォン結合、イミダゾール結合、カルボニ
ル結合から選ばれる結合を有する熱可塑性樹脂からなる
ものが好ましく、具体的には、ポリアミド、ポリカーボ
ナート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポ
リフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリエステ
ル、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリシロ
キサン、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポ
リエーテルエーテルケトン、ポリアラミド、ポリベンズ
イミダゾール、ポリアクリレート、ポリスチレン等が挙
げられる。
【0044】熱可塑性樹脂微粒子は、少なくとも部分的
に結晶構造及び/又は架橋構造を有するものが好まし
い。これによりバルクの樹脂への溶解性が低下し、その
形態が複合材料におけるマトリックス樹脂中で維持され
易くなる。
【0045】また、熱硬化性樹脂微粒子の具体例として
は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポ
リイミド樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、フラ
ン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の微粒子
が挙げられる。中でも、エポキシ樹脂微粒子は、バルク
の樹脂との親和性に優れることから、フェノール樹脂微
粒子は耐熱性が高いことから、それぞれ好ましい。
【0046】一方、無機微粒子としては、微粉末状シリ
カが挙げられる。微粉末状シリカは、得られる複合材料
の靭性、引張伸度を損なわない範囲で樹脂組成物に配合
するのが好ましい。
【0047】本発明において、構成要素[C]は、前記
構成要素[A]及び[B]の合計量100重量%に対し
て、1〜15重量%、好ましくは3〜12重量%の範囲
で樹脂組成物中に配合するのが良い。かかる範囲から外
れると、得られる複合材料において、EDS、耐衝撃強
度の向上効果が不足することがあり、樹脂組成物中にお
ける微粒子の分散性が低下したり、プリプレグを経る場
合は、そのタック性、ドレープ性等の取り扱い性が低下
することがある。
【0048】構成要素[C]の配合量は、通常、プリプ
レグ等から定量することができる。即ち、微粒子が実質
的に不溶で、エポキシ樹脂が充分に溶解する適当な溶媒
を用いて、室温25℃から熱硬化性樹脂が硬化する温度
の範囲で、一定量のプリプレグから樹脂組成物を溶出さ
せた溶液を微粒子の大きさに対応した目開きの濾過器に
より濾過することで、微粒子を分別して定量できる。
【0049】本発明においては、プリプレグや繊維強化
複合材料の製造に当たり、上記配合物に加え、樹脂組成
物に硬化剤を配合することが必要であり、また、適当な
硬化触媒を配合するのが好ましい。
【0050】硬化剤としては、エポキシ基と反応し得る
活性基を有する化合物を用いることができる。具体的に
は、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルス
ルホンのような芳香族アミン、脂肪族アミン、イミダゾ
ール誘導体、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジ
ン、チオ尿素付加アミン、メチルヘキサヒドロフタル酸
無水物のようなカルボン酸無水物、カルボン酸ヒドラジ
ド、カルボン酸アミド、ポリフェノール化合物、ノボラ
ック樹脂、ポリメルカプタン又はこれらの混合物が挙げ
られる。また、三フッ化ホウ素エチルアミン錯体のよう
なルイス酸錯体等は硬化触媒として好適である。さら
に、これら硬化剤や硬化触媒をマイクロカプセル化した
ものは、プリプレグの保存安定性を高める硬化があるこ
とから好適に用いられる。
【0051】これら硬化剤には、熱硬化性樹脂の硬化活
性を高めるために適当な硬化促進剤を組み合わせること
ができる。例えば、ジシアンジアミドに、3-(3,4-
ジクロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素(DCMU)
等の尿素誘導体又はイミダゾール誘導体を組み合わせる
例、カルボン酸無水物やノボラック樹脂に第三アミンを
組み合わせる例等が挙げられる。
【0052】本発明では、前記したようなエポキシ樹脂
とこれら硬化剤、又はそれらを部分的に予備反応させた
化合物を樹脂組成物中に配合すると、樹脂組成物の粘度
調節や保存安定性をより高めるのに効果的であり、好ま
しい。
【0053】樹脂組成物の硬化条件は用いる樹脂、硬化
剤、硬化助剤に応じて適宜選択されるが、ジシアンジア
ミドに適当な硬化助剤を組み合わせた場合は130℃で
2時間、ジアミノジフェニルスルホンを単独で用いた場
合には180℃で2時間とする。
【0054】本発明のプリプレグは、特開平1−266
51号公報、特開昭63−170427号公報、特開昭
63−170428号公報に開示されているような、強
化繊維とマトリックス樹脂からなるプリプレグの表面に
構成要素[C]を微粒子の形態のまま塗布する方法、マ
トリックス樹脂中に微粒子を均一に混合して樹脂組成物
を調整し、強化繊維に含浸させる過程で強化繊維で侵入
を遮断せしめてプリプレグの表面に局在化させる方法、
又は、予め樹脂組成物を強化繊維に含浸させてプリプレ
グを作製しておき、プリプレグ表面に、微粒子を高濃度
で包含する樹脂フィルムを貼付する方法等で容易に製造
できる。
【0055】本発明のプリプレグにおいては、微粒子に
富む層、即ち、その断面を観察したときに、構成要素
[C]が偏在して存在している状態が明瞭に確認しうる
層(以下、微粒子層と略記)がプリプレグの表面付近に
形成されていることが好ましい。これにより、プリプレ
グを積層して樹脂を硬化せしめて複合材料とした場合
は、プリプレグ層、即ち複合材料層の間で層間が形成さ
れ易く、それにより、複合材料層相互の接着性や密着性
が高められ、得られる複合材料に高度のEDSや耐衝撃
強度が発現されるようになる。
【0056】かかる観点から、前記微粒子層は、プリプ
レグの厚さ100%に対して、プリプレグの表面から、
表面を起点として20%、好ましくは10%の深さの範
囲内に存在しているのが良い。また、かかる微粒子層
は、複合材料製造時の利便性向上の観点から、プリプレ
グの表裏両面に存在するのが好ましい。
【0057】さらに、微粒子層内に存在する構成要素
[C]の存在率は、プリプレグ中、構成要素[C]の全
量100重量%に対して90〜100重量%、好ましく
は95〜100重量%であるのが良い。
【0058】本発明の繊維強化複合材料は、上述したよ
うな、本発明のプリプレグを所定の形態で積層し、加圧
・加熱して樹脂を硬化せしめる方法を一例として製造す
ることができる。
【0059】本発明の繊維強化複合材料は、強化繊維
と、前記熱硬化性樹脂よりなる複合材料層が複数積層さ
れてなるものであり、前記複合材料層の間に形成される
層間の厚さが10〜70μmのものである。10μm未
満であると、マトリックス樹脂が有する剛性を繊維強化
複合材料の圧縮強度の発現に寄与させながら、同時に繊
維強化複合材料の層間を高靭性化する効果が不足するこ
とがある。70μmを越えると、繊維含有率の低下によ
り、得られる複合材料において、比強度や比弾性率が低
下し、併せてEDSや耐衝撃強度の向上効果が不足する
ことがある。
【0060】本発明において、プリプレグや複合材料の
マトリックス樹脂となる樹脂組成物の硬化物は、その引
張破壊歪みが8%以上であることが必要であり、好まし
くは10%以上、より好ましくは12%以上であるのが
良い。引張破壊歪みが8%未満であると、得られる複合
材料において、プリプレグ等からなる複合材料層の間に
層間が形成されても、0゜引張強度、EDS、耐衝撃強
度の向上効果が不足することがある。
【0061】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。各実施例、比較例においては、樹脂硬化物、
複合材料の物性の測定は次に示すとおりとした。 <樹脂硬化物(マトリックス樹脂)の引張破壊歪み>1
80℃で2時間、0.59MPaの圧力下で樹脂組成物
を硬化させ、樹脂硬化物から、厚さ2mmの樹脂硬化物
板を作製し、これよりJIS K7113記載の方法に
従ってダンベル型試験片加工機で試験片を作製する。次
に、試験片に歪みゲージを付着し、速度1mm/分で引
張試験を行い、引張破壊歪み(%)を求める。 <プリプレグの厚さ>プリプレグを2枚の表面の平滑な
テフロン板間に挟持して密着させ、7日間かけて徐々に
150℃迄温度を上昇させてゲル化、硬化させて板状の
樹脂硬化物を作製する。
【0062】硬化後、密着面と垂直な方向から切断し、
その断面を研磨後、光学顕微鏡で200倍以上に拡大し
プリプレグの上下面が視野内に納まるようにして写真撮
影する。
【0063】同様な操作により、断面写真の横方向の5
ヵ所でテフロン板間の間隔を測定し、その平均値(n=
5)をプリプレグの厚さとする。 <微粒子の平均粒径>プリプレグを、室温25℃下、N
−メチルピロリドン溶媒に24時間浸漬し、樹脂を溶出
させる。次に、溶出液を適当な目開きのフィルターで濾
過して、微粒子を分別する。さらに、N−メチルピロリ
ドンを充分量注入して微粒子を洗浄する。その後、走査
型電子顕微鏡にて微粒子を1000倍以上に拡大し写真
撮影し、無作為に微粒子を選び、その粒径の平均値(n
=50)を微粒子の平均粒径とする。 <微粒子の存在率>プリプレグの両面について、プリプ
レグの表面から、厚さの20%深さ位置にプリプレグの
表面と平行な線を2本引く。
【0064】次に、プリプレグの表面と上記線との間に
存在する微粒子の合計面積と、プリプレグの厚みに渡っ
て存在する微粒子の合計面積を求め、プリプレグの厚さ
100%に対して、プリプレグの表面から20%の深さ
の範囲に存在する微粒子の存在率を計算する。
【0065】ここで、微粒子の合計面積は、断面写真か
ら微粒子部分を刳り抜き、その重量から換算して求め
る。
【0066】マトリックス樹脂中に分散する微粒子の写
真撮影後の判別が困難な場合は、微粒子を染色する手段
も採用できる。 <積層体(複合材料)の0゜引張強度>プリプレグを繊
維方向を揃え、6プライ積層し、オートクレーブにて1
80℃で2時間、0.59MPaの圧力下、昇温速度
1.5℃/分で成型して積層体を作製する。
【0067】この積層体について、JIS K7073
に従い、0゜引張強度(MPa)を求める。 <積層体の圧縮強度CHW(吸水後)>上記積層体を7
1℃の温水中に2週間浸漬し、充分に吸水させた後、J
ISK7076に従い、82℃の環境下で繊維方向から
圧縮負荷することにより、圧縮強度CHW(MPa)を
求める。 <積層体(複合材料)の板端剥離強度EDS>プリプレ
グを(+45°/0°/−45°/90°)3s構成で、擬似等方的に
24枚積層し、オートクレーブにて、180℃で2時
間、0.59MPaの圧力下、昇温速度1.5℃/分で
成型して積層体を作製する。
【0068】この積層体について、JIS K7073
に従い、引張試験を行った後、板端剥離が生じる強度を
測定して板端剥離強度EDS(MPa)とする。 <積層体(複合材料)の衝撃後圧縮強度CAI>プリプ
レグを(±25°/±25°/90°)s構成で、擬似等方的に1
0枚積層し、オートクレーブにて、180℃で2時間、
0.59MPaの圧力下、昇温速度の影響観察のため、
昇温速度0.5℃/分と1.5℃/分の2条件で樹脂を
硬化せしめて積層体を作製する。
【0069】これら積層体から、縦150mm、横100
mm大のサンプルを切り出し、ASTM D695に従
い、サンプルの中心部に640kJ/mの落錘衝撃を与
え、衝撃後の圧縮強度CAI(MPa)を求める。 <複合材料層(単層)の厚さ>上記積層体について、積
層面と垂直に積層体を切断し、その断面を研磨後、光学
顕微鏡で200倍以上に拡大して、3層以上の複合材料
層が視野内に納まるようにして断面写真を撮影する。
【0070】この断面写真について、繊維軸が横方向に
ある1つの複合材料層を選び、基準0゜層とする。基準
0゜層の上下の複合材料層間に、繊維軸と平行に中心線
を引き、この2本の中心線の間隔を測定する。本操作を
少なくとも積層体の5ヶ所について行い、その平均値
(n=5)を複合材料層(単層)の厚さとする。 <層間の厚さ>上記断面写真において、基準0゜層の上
下の層間において、0°繊維軸と垂直に19本等間隔に
線を引く(設定範囲内)。これら複数の線について、基
準0°層の上下の層における強化繊維と基準0゜層の強
化繊維との間に生じる線分の長さの平均値(n=38)
を層間部の厚さとする(図1の断面模式図参照)。 <層間の状態>プリプレグを(+45°/0°/−45°/90°)
3s構成で、擬似等方的に24枚積層した後、オートクレ
ーブにて、180℃で2時間、0.59MPaの圧力
下、昇温速度1.5℃/分で成型して積層体を作製す
る。その断面を光学顕微鏡で観察することにより、積層
体の層間での微粒子の状態を確認する。 (実施例1〜4、比較例1〜3)次の原料樹脂を表1に
示す組成によりニーダーで混練して樹脂組成物を調整し
た。次に、実施例1〜4、比較例1、3では、この樹脂
組成物を炭素繊維に含浸せしめてテープ状にし、その片
面から微粒子を均一に所定の厚さに塗布せしめてプリプ
レグを得た。また、比較例2では、予めニーダー中で、
フェノール樹脂微粒子を含む樹脂組成物を混練した後、
強化繊維に含浸させ、含浸過程で強化繊維で侵入を遮断
せしめてプリプレグの表面に局在化させてプリプレグを
得た。 [原料樹脂] ・テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、MY7
20(チバガイギー社製、型番) ・ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エピコート825
(油化シェルエポキシ(株)製、登録商標) ・ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エピクロン830
(大日本インキ化学工業(株)製、登録商標) ・ビフェニル型エポキシ樹脂、エピコートYX4000H(油
化シェルエホ゜キシ(株)製、登録商標) ・ポリエーテルスルホン、Victrex100P(住友化学
工業(株)製、登録商標) ・ポリエーテルイミド、ウルテム1000(GEフ゜ラスチッ
クスシ゛ャハ゜ン社製、登録商標) ・ビスフェノールS(小西化学(株)製) ・3,3'−ジアミノジフェニルスルフォン(和歌山精化工
業(株)製) ・4,4'−ジアミノジフェニルスルフォン、スミキュアS
(住友化学工業(株)製、登録商標) [微粒子] ・架橋ポリスチレン樹脂微粒子、SPG-70C(綜研化学
(株)製、型番) ・架橋PMMA微粒子、テクポリマMBX-50(積水化成品
工業(株)製、商品名) ・ポリエーテルイミド微粒子、ウルテム1000(GEフ゜ラス
チックスシ゛ャハ゜ン社製、微粒子化物、登録商標) ・フェノール樹脂微粒子、ユニベックスGCP-50H(ユニ
チカ(株)製、登録商標、型番) ここで、ビスフェノールSを配合する場合は、ニーダー
中でビスフェノールSをエポキシ樹脂組成物に均一に溶
解させた後、150℃で2時間混練し予備反応させ、7
0℃まで冷却後、樹脂組成物中で3,3'-ジアミノジフェ
ニルスルフォンを分散させた。
【0071】樹脂硬化物板は、上記樹脂組成物を、適当
な離型処理を施した型枠に注入し、180℃で2時間、
オーブン中で硬化させて作製した。
【0072】各実施例、比較例においては、強化繊維と
して、東レ(株)製、炭素繊維“トレカ”T800H-12K-40
B(登録商標、型番)を用い、上記樹脂組成物を含浸さ
せてプリプレグを作製した。
【0073】積層体は、測定する物性に対応して、前述
の方法に従って作製した。
【0074】各実施例、比較例の内容は、表1に纏めて
示した。
【0075】実施例1〜4、比較例1では、得られた積
層体において、その断面写真より層間が明瞭に形成さ
れ、層間に微粒子層の存在が明瞭に確認できた。
【0076】ところが、比較例2では、微粒子が積層体
全体に分散されており、層間の厚さが8μmと薄かっ
た。
【0077】また、比較例3では、層間の厚さが6μm
と薄く、層間に微粒子そのものも殆ど確認できず、かろ
うじて確認が可能な粒子状物もその平均粒径が約5μm
と小さなものであり、成型の段階で微粒子がバルクの樹
脂に溶解していることが認められた。
【0078】
【表1】
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、特に湿熱環境下で高度
の物性が要求される用途に好適に用いうる、引張強度、
耐層間剥離強度、耐衝撃強度に優れた繊維強化複合材
料、及び、その繊維強化複合材料の製造に好適に用いう
る、取り扱い性に優れたプリプレグが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層体の断面模式図(部分)
【符号の説明】
1:線分 2:層間 3:複合材料層の厚さ 4:基準0゜層 5:設定範囲
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 61/06 C08L 61/06 63/00 63/00 A 101/16 101/00 Fターム(参考) 4F072 AA02 AA07 AB06 AB08 AB10 AB24 AB28 AB29 AD23 AD25 AD26 AD27 AD28 AD30 AD31 AE03 AE04 AG03 AH02 AH21 AK14 AL09 4F100 AH02A AK01A AK33A AK53A AL05A BA01 CA02A DE01A DH01A JA11A JA20A JB11A JB12A JB13A JB16A YY00A 4J002 AA003 BC033 BG053 CC033 CC034 CD003 CD012 CD031 CD051 CD062 CD072 CD132 CM043 DK006 EF106 EJ016 EN076 EP016 ER006 ER026 ET016 EU116 EV026 EV216 FA083 FD144 FD146 FD150 4J036 AA01 AA02 AA05 AB01 AB02 AB03 AC01 AC02 AC03 AD07 AD08 AD21 AF06 AF08 AH18 AJ08 AJ14 DA01 DB21 DC06 DC10 DC13 DC21 DC25 DC31 DC41 FB03 FB04 FB05 FB07 FB09 FB11 FB12 FB13 FB14 FB15 FB16 GA20 JA11

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の構成要素[A]、[B]、[C]、及
    び硬化剤を含んでなるエポキシ樹脂組成物が、強化繊維
    に含浸されてなるプリプレグであって、該樹脂組成物中
    エポキシ樹脂の全量100重量部に対して、それぞれ前
    記構成要素[A]の含有量が5〜35重量部、前記構成
    要素[B]の含有量が50〜95重量部であるプリプレ
    グ。 [A]3官能エポキシ樹脂及び/又は4官能エポキシ樹
    脂 [B]2官能エポキシ樹脂 [C]平均粒径が10〜70μmであり、前記樹脂組成
    物中のエポキシ樹脂に実質的に不溶な微粒子
  2. 【請求項2】前記エポキシ樹脂組成物が、ビスフェノー
    ル化合物を含んでなり、該ビスフェノール化合物の含有
    量が、該樹脂組成物中エポキシ樹脂の全量100重量部
    に対して、1〜20重量部である請求項1記載のプリプ
    レグ。
  3. 【請求項3】前記構成要素[C]に富む層が、プリプレ
    グの厚さ100%に対して、プリプレグの表面から20
    %の深さの範囲内に存在しており、かつ前記層に含まれ
    る構成要素[C]の比率が、プリプレグ中、構成要素
    [C]の全量100重量%に対して90〜100重量%
    である請求項1又は2記載のプリプレグ。
  4. 【請求項4】前記構成要素[C]が、熱可塑性樹脂微粒
    子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載のプリプレグ。
  5. 【請求項5】前記構成要素[C]が、結晶構造及び/又
    は架橋構造を有するものである請求項4記載のプリプレ
    グ。
  6. 【請求項6】前記構成要素[C]が、熱硬化性樹脂微粒
    子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載のプリプレグ。
  7. 【請求項7】前記熱硬化性樹脂微粒子が、フェノール樹
    脂からなるものである請求項6記載のプリプレグ。
  8. 【請求項8】前記熱硬化性樹脂微粒子が、エポキシ樹脂
    からなるものである請求項6記載のプリプレグ。
  9. 【請求項9】前記エポキシ樹脂組成物において、その硬
    化物の引張破壊歪みが8%以上である請求項1〜8のい
    ずれかに記載のプリプレグ。
  10. 【請求項10】強化繊維と、引張破壊歪みが8%以上で
    ある熱硬化性樹脂の硬化物よりなる複合材料層が複数積
    層されてなる繊維強化複合材料であって、前記複合材料
    層の間に形成される層間の厚さが10〜70μmである
    繊維強化複合材料。
  11. 【請求項11】前記層間において、熱可塑性樹脂微粒子
    の層が形成されてなる請求項10記載の繊維強化複合材
    料。
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