JP3812960B2 - コルゲート管の継手 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、コルゲート管の継手であって、繊維強化熱可塑性樹脂シートの積層体で作製される継手及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
土中に埋設される下水管や暗渠管は近年樹脂管が圧倒的に多く用いられるようになり、又、建設規模も大面積に亘り管径も約1mに達する大型管が用いられるようになった。それと共に、土中での土圧による圧縮力に抗すべくコルゲート型の管が普及してきている。
【0003】
コルゲート管は管表面が山谷を有する蛇腹状に形成されているため、その継手は一般円管に比べて構造が複雑になりやすい。小口径の継手は射出成形などで作られていたが、大口径品は製造する装置及び金型も巨大となるため、現状では金属加工品又はジシクロペンタジエン等のRIM成形品による継手が用いられている。
【0004】
また、下水や暗渠排水に用いられる大口径の土中埋設管は長さ数mの直管を継ぎ合わせて、全長数kmに及ぶので、その設置に際しては継手を用いて緊締が行なわれる。このため緊締部及び継手本体に多大の応力がかかり破損しやすい。また、緊締部は一般にボルトとナットを用いて緊締されるので、この部分に応力が集中しやすい。
【0005】
しかしながら、上記継手については、射出成形品は金型及び成形装置面が巨大となり、成形しにくいという欠点を有している。又、金属類では土中で錆びて耐久性の点で欠点を有する。
【0006】
また、金属製品における防錆等の耐久性の問題を解決するため、継手全体の樹脂化が進んでいる。その場合、大口径継手を如何に成形するかという成形加工性の点では、低圧成形が可能なRIM成形が用いられている。しかしながら、RIM成形品は強度の面で問題を有している。例えば、ジシクロペンタジエン品は低圧でRIM成形で行なうことができるが、コルゲート管に緊締する際の強度が不足しており、破損する等の問題を有する。更に最近、熱可塑性樹脂に短繊維を40%程度含有したスタンパフルシート等が用いられるようになってきたが、成形圧力が100kg/cm2 程の高圧を有することから設備、型が巨大になり、また、繊維と樹脂の分離・不均一部が生じ易いという射出成形と同様の欠点を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、上記問題点を解決することにあり、また、強度的に従来品を上まわり、水密性が良好な継手とその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者達は上記目的を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至ったものである。即ち、本発明に係るコルゲート管の継手は、一方向に配列された連続する強化繊維を容積含有率で30%以上85%以下の範囲で含有する繊維強化熱可塑性樹脂シートを複数枚積層し一体化して成るプリプレグ積層体により作製され、接続すべき2本のコルゲート管の端部近くの外周面に被せるよう構成された半円筒状の一対の継手分割体から成り、各継手分割体には、接続すべき2本のコルゲート管のそれぞれの少なくとも一つの凹溝にそれぞれ嵌入して水密が保てるよう少なくとも2条の凹溝が形成されたことを特徴とするものである。
【0010】
本発明の望ましい実施例においては、上記繊維強化熱可塑性樹脂シートの強化繊維をガラス繊維とし、熱可塑性樹脂をポリオレフィン系樹脂とする場合がある。
【0011】
複数枚の繊維強化熱可塑性樹脂シートを積層、一体化して成る上記プリプレグ積層体は、継手分割体の軸方向を0°、円周方向を90°としたとき、プリプレグ積層体の厚みの中央部分に強化繊維の配列方向が0°の繊維強化熱可塑性樹脂シートを設けたものが好適である。
即ち、例えば、上記プリプレグ積層体が4枚の繊維強化熱可塑性樹脂シートを積層、一体化して成るものである場合においては、その強化繊維の配列方向が、コルゲート管に接する側から90°、0°、0°、90°の順序となるように繊維強化熱可塑性樹脂シートを積層したものが好適である。
【0012】
継手分割体の軸方向を0°、円周方向を90°としたとき、強化繊維の配列方向が0°となる層の繊維強化熱可塑性樹脂シートについては、その全面にわたって繊維を横切る方向に所定の間隔で切れ目を入れておくことが推奨される。
また、継手分割体の軸方向を0°、円周方向を90°としたとき、強化繊維の配列方向が90°となる層の繊維強化熱可塑性樹脂シートについては、その全面にわたって繊維を横切る方向に所定の間隔で切れ目を入れておくことが推奨される。
これらの場合において、或る特定の層の繊維強化熱可塑性樹脂シートの上記切れ目が、厚み方向において他の層の繊維強化熱可塑性樹脂シートの同様の切れ目と重ならないように積層することが望ましい。
【0013】
必要に応じて、複数枚の繊維強化熱可塑性樹脂シートの最上層及び/又は最下層に表皮材を積層、一体化して成るプリプレグ積層体により作製することが推奨される。
【0014】
上記の如き本発明に係るコルゲート管の継手を製造するのに好適な本発明に係る製造方法は、下記第1工程から第6工程まで、即ち、(1) 一方向に配列された連続する強化繊維を容積含有率で30%以上85%以下の範囲で含有する繊維強化熱可塑性樹脂シートを複数枚積層する第1工程と、(2) 上記積層した複数枚の繊維強化熱可塑性樹脂シートを加熱、圧縮し、その熱可塑性樹脂を溶融せしめて、これらのシートを一体化する第2工程と、(3) 上記一体化したシートを冷却、固化してプリプレグ積層体を得る第3工程と、(4) 上記プリプレグ積層体を部分的又は全体提供に再加熱する第4工程と、(5) 上記再加熱されたプリプレグ積層体を、接続すべき2本のコルゲート管の凹溝に嵌入して水密が保てるよう少なくとも2条の凹溝が形成された半円筒状の継手分割体に成形するための型に挿入して賦型する第5工程と、(6) 賦型されたプリプレグ積層体を冷却する第6工程と、を順次遂行することを特徴とする。
【0015】
必要に応じて、上記繊維強化熱可塑性樹脂シートを複数枚積層する第1工程において、最上層及び/又は最下層に表皮材を積層し、上記第2工程において、繊維強化熱可塑性樹脂シートと共に表皮材を加熱してこれらのシート及び表皮材を一体化することも推奨される。
【0016】
また、上記第2工程において熱可塑性樹脂が溶融している間に、継手分割体の軸方向に延びる端縁部に沿ったフランジを成形することも推奨される。
【0017】
なお、上記第5工程における賦型時の圧力は0.1〜100kg/cm2 の範囲とすることが推奨される。
【0018】
【実施例】
以下、本発明について詳細に説明する。
以下の説明を分かり易くするため、本発明のコルゲート管の継手の素材として用いられる「プリプレグ積層体」について最初に簡単に説明する。
先ず「連続繊維を一方向に引き揃えた繊維シート」を骨材として、これに熱可塑性を含浸させたものが「一方向繊維強化熱可塑性樹脂シート」である。これを「UDプリプレグ」と言う。このUDプリプレグを、所望の厚さと所望の繊維配列方向が構成されるように複数枚重ね合わせて加熱一体化したものが「プリプレグ積層体」であり、本発明のコルゲート管の継手はこのプリプレグ積層体により作製される。
【0019】
而して、本発明で用いるプリプレグ積層体の各層を形成するUDプリプレグとしては、特公平02−042168号に記載されている一方向に連続的に配列された繊維に熱可塑性樹脂を含浸せしめて成るUDプリプレグを好適に用いることができる。これに含まれる連続繊維によって力の伝播が確実に行われる。
【0020】
即ち、本発明で用いるUDプリプレグは、連続繊維を一方向に引き揃えた繊維シートを骨材とし、これに熱可塑性樹脂を含浸させた一方向繊維強化熱可塑性樹脂シートである。このUDプリプレグを、所定の厚さ及び繊維配列方向となるように2〜20枚程度積層し、加熱圧縮してプリプレグ積層体を製造する。最終製品である継手の成形工程に先立って、複数枚のUDプリプレグを積層し、これを上記の如く予め加熱圧縮して一体化したプリプレグ積層体にしておくことにより、UDプリプレグ間に存在する空気の脱気が可能となり、得られる成形品の物性を向上させることができる。
【0021】
上記骨材となる「連続繊維を一方向に引き揃えた繊維シート」の繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維(登録商標「ケプラー」等)等の合成樹脂繊維、炭化ケイ素繊維等の無機繊維、チタン繊維、ボロン繊維、ステンレス等の金属繊維が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
一方、上記骨材繊維間に含浸せしめられる熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニール、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン、ポリエーテルイミド(商標「ULTEM」)、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0022】
更に、プリプレグ積層体表面には成形時における型との滑りを良好にし、絞り性を向上させるため、また、成形品外観を良好にするために、表皮材を用いることもできる。表皮材としては、特に限定されることはないが、不織布又は樹脂シートが好ましい。
【0023】
積層体と表皮材は、接着剤によることなく、表皮材が熱可塑性樹脂製品である場合には、積層体自体の熱可塑性樹脂と表皮材自体の樹脂が接合部分において相互に溶融、混和、固化して成る層により接合せしめられる。表皮材が不織布、繊維、有機若しくは無機繊維製品である場合には、積層体の溶融した熱可塑性樹脂中に不織布の繊維が埋入し、若しくは不織布の繊維間に積層体の溶融した熱可塑性樹脂が含浸された状態で熱可塑性樹脂が固化して成る層により接合せしめられる。接合は、表皮材が樹脂シートの場合は、積層体の溶融の残有熱により接触した樹脂シートの表面を溶融させ、接着固化させることにより行われる。
【0024】
不織布としてはポリエステル系、ナイロン系、ポリオレフィン系又はこれらの混和物による不織布、又は繊維質を有するシート又はガラスマット、ガラスクロス、金属織物、木質系繊維、石綿、布等があるがこれらに限られない。不織布の目付は使用する素材によって異なるが、5〜700g/m2 が用いられ、10〜60g/m2 が望ましい。
【0025】
また、樹脂シートとしては、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの発泡シート又は非発泡シート、PVCシートなどの熱可塑性樹脂製品等があげられる。
又、繊維方向がコントロールされているので、どの部分にも均質な強度を発揮し、更に成形加工圧力を10kg/cm2 以下で行うことにより大口径継手の成形を容易に行うことが可能となった。
【0026】
以下、図面を参照しつゝ説明する。
図1は、一般的な2種類のコルゲート管の形状を示す側面図である。
図2は、本発明に係る継手を構成する継手分割体の一実施例を示す3面図である。
図3は、図2に示した継手分割体を結合し、継手を構成した状態を示す斜視図である。
図4は、図3の継手を、コルゲート管に装着した状態で示す一部破断側面図である。
図5は、本発明に係る継手のもう1つの実施例を、コルゲート管に装着した状態で示す側面図である。
図6は、図5に示した継手の斜視図である。
【0027】
而して、一般にコルゲート管は、図1の(a)に示すように谷状の凹溝が周方向でつながった形のものと、(b)のようなスパイラル管があるが、いずれにしてもこれらの管を継ぐためには、コルゲート管の外側の凹溝1a又は2aに継手がひっかかり、抜けないようにする必要がある。また、この部分で水密が保てるよう継手に少なくとも2つ以上の凹溝を形成する必要がある。水密性を増す場合、コルゲート管と継手の間にパッキングを介在させると更に効果がある。
【0028】
継手の緊締法は多々あるが、好ましい方法としては、次の2種が考えられる。その1つは、図2ないし図4に示す実施例のように、継手10を、軸直角断面が半円弧状となるような同一形状の半円筒状の一対の継手分割体10A及び10Bに分け、これらを接続すべき2本のコルゲート管の端部にかぶせ、そのフランジ10cをボルトによって互いに固定する方法である。その緊締の状態を図4に示す。図4において、2本のコレゲート管1及び1′を同軸上に端部を接するように並べ、両コルゲート管の継目部分が継手分割体10A及び10Bの凸部10bの中央に位置するように両継手分割体を装着し、そのフランジ1c部分(緊締部)をボルト等で固定するものである。
【0029】
もう1つの緊締法としては、図5及び図6に記載のように、緊締部にフランジを設けず、2つの継手分割体20A及び20Bの合わせ部が山谷形状のまま若干重なるように嵌め合わせ、スパイラル状に連続となった凹溝にベルト30を巻きつけて固定する方法がある。このベルトとしては、柔軟性を持たせ、かつ引張り強度を高めるため、前記UDプリプレグを同一方向に2枚積層し、一体化したシートをベルト状にしたものを用いることが好ましい。ベルトの幅は、継手の凹溝になじむ寸法が好ましく、1〜2cm幅が良い。ベルトは継手凹溝にフック20cを取り付け、これにベルト端部を固定することにより、継手をコルゲート管の外周に嵌め付けるようにする。
【0030】
而して、プリプレグ積層体の成形品たる本発明に係る継手の製造にあたっては、先ず、一方向に配列された連続する強化繊維を容積含有率で30%以上85%以下の範囲で含有する繊維強化熱可塑性樹脂シート(UDプリプレグ)を複数枚積層する工程に次いで、このように積層されたUDプリプレグを加熱、圧縮する工程を設けるが、その目的は、UDプリプレグ間の脱気を行うと共に、次工程での加工を容易にするために積層体に充分な熱を与えるためである。
【0031】
一般的に、補強繊維を含有しない熱可塑性樹脂板を加熱溶融状態にするとその平板性を保つことが難しく、ましてや賦形することは困難である。従って、このような場合、閉じられた金型内で賦形するか、もしくは熱可塑性樹脂の融点以下の軟化点の範囲で賦形が行われる。しかしながら、本発明の場合のように、UDプリプレグの積層体を用いると、含有される繊維の立体構造の中に樹脂が含浸、密着しているので、熱可塑性樹脂が加熱溶融しても流れることなく、積層体の形状を保持することができる。
【0032】
而して、前記プリプレグ積層体にあって繊維の容積含有率が30%より少ない場合には、樹脂の流動が著しく、本発明の製造方法による適切な賦形ができず、又、繊維の容積含有率が85%を超えると樹脂含有量が少なくなり、望ましい成形品が得られない。従って、本発明において使用されるUDプリプレグは、容積含有率で30%以上85%以下の強化繊維を含むものが好ましく、より望ましくは繊維の容積含有率が40〜80%のものが適切な成形加工性を有し、かつ望ましい成形品が得られる。
【0033】
加熱されたプリプレグ積層体を賦形のため圧縮すると、積層体と密着した型内で圧力をかける場合を除き、溶融した樹脂は繊維のからみの中から流出してしまう。従って、一般に成形圧力は樹脂温度と粘度の関係において所定の加工条件下において設定されるが、本発明の製造方法においてはプリプレグ積層体の成形圧力は、0.1〜100kg/cm2 、好ましくは0.1〜10kg/cm2、さらに好ましくは0.1〜5kg/cm2 である。成形圧力が0.1kg/cm2未満の時は賦形することが難しい場合が多く、100kg/cm2を越えると、一方向に配列した繊維の直線性が乱れ易くなり、好ましくない。
【0034】
本発明において用いられる上記の如きプリプレグ積層体は、UDプリプレグを複数層、好ましくは2〜20層、より好ましくは2〜8層、更に好ましくは2〜4層を積層したものである。各層間の繊維の配列方向は特に限定されるものではなく、継手分割体の軸方向を0°、円周方向を90°としたとき、0〜90゜の間の任意の角度とすることができる。中でも、プリプレグ積層体の厚みの中央部分に強化繊維の配列方向が0°のUDプリプレグを複数層設けるようにすれば、賦形時に金型になじみやすく、シワが発生せず好ましい。例えば、積層体が4層構造であるときは、繊維の配列方向が90゜/0゜/0゜/90゜となるようにUDプリプレグを順次重ねた積層体は、賦形のしやすさの面から好ましい。
【0035】
[UDプリプレグの製造]
以下の実施例で使用するUDプリプレグは特公平2−42168号公報に開示されている方法で製造した。ガラス繊維を骨材とする場合は、太さ13μのモノフィラメントの表面をγ−メタクリロキシ−プロピルトリメトキシシランで処理し、それを1800本集束して撚りのないヤーンとし、そのヤーンを均一な張力で引張りながら一方向に整列させて、樹脂をヤーンに絡ませて、その樹脂を熱ロールでしごきながら、ヤーンに含浸させてUDプリプレグを製造した。
炭素繊維を骨材とする場合は、太さ7μのモノフィラメントを集束剤を使用せずに12000本集めたトウを均一な張力で引張りながら一方向に整列させて、樹脂をヤーンに絡ませて、その樹脂を熱ロールでしごきながら、ヤーンに含浸させてUDプリプレグを製造した。
含浸させるべき樹脂としては、ポリオレフィン系であるポリプロピレンを用いた。
このようにして製造したUDプリプレグは、繊維と熱可塑性樹脂の密着性に優れ、繊維含有率も30〜90容量%と要求に応じて変えることができ、厚みも0.1〜1.0mmで製造することができるが、繊維含有率は30〜85容積%で、厚さ0.1〜0.6mmのところで使用することが好ましい。繊維の容積含有率が30%未満では繊維量が少ないので強度が低く、また85%を越えると樹脂量が少なく、樹脂の密着性が低下し強度が低くなるので好ましくない。
【0036】
[プリプレグ積層体の製造]
前記の方法で製造されたUDプリプレグを、コルゲート管(継手分割体)の軸方向を0゜、円周方向を90゜としたとき、UDプリプレグの繊維の配列方向が90゜/0゜/0゜/90゜になるように順次重ね合わせ、層間に表面温度200℃の熱棒を挿入して各UDプリプレグに押しつけ、熱圧着し4層の積層体を製造した。
なお、この積層一体化の操作前に、UDプリプレグの配列方向が0゜になる層については、継手の溝部分の構造部分が型になじみやすくするようにするため、繊維を横切る方向で5cm程度の長さで切れ目を全面にわたって一定間隔でいれた。
次に、積層体の表裏全面を包むようにポリエチレンテレフタレートによる不織布(東洋紡社製:スパンボンド30g/m2)にて覆い、これを熱棒を用いて部分的に熱融着した。
【0037】
[継手の形状に賦形]
上記方法により得られたプリプレグ積層体を、表面が200℃に加熱された熱板2枚の間に挿入し、0.5kg/cm2 の圧力にて1分間加熱した後取り出し、80℃に表面が加熱された板2枚の間に再挿入し同様の圧力0.5kg/cm2 にて10秒間冷却固化させた。
この時、本体部の厚みは1mm、フランジ部分の厚みは3mmの積層体となった。
このプリプレグ積層体を、図2に示すような継手分割体10Aが成形できる上下一対のFRP製マッチド型を用いてプレス成形した。この時の成形装置としては加熱装置とプレス装置を組み合わせた成形機により行った。
加熱装置は、遠赤外線ヒーターを用い、上下から積層体を非接触で180℃まで60秒間加熱した。この時、積層体の外周はクランプにより固定した。
その後、加熱されたプリプレグ積層体はクランプに固定された状態でプレス装置内にすばやく移動し、FRP製マッチド型成形機により圧力5kg/cm2 にてプレス成形を行った。この段階で凹溝10a,10aが形成される。コルゲート管を固定する上でこのような凹溝が必要である。コルゲート管は、図1(a),(b)に示されているように、その種類によって凹溝の形が異なるので、本発明の継手の凹溝の形状はコルゲート管の種類に合わせる必要がある。凹溝の数は2個以上であれば特に限定されるものではないが、製造上の合理性の面から、その数は10個以下が好ましい。
【0038】
[継手のコルゲート管への固定]
上記により得られた継手分割体2個を用意し、これを図4のようにコルゲート管2個を一例に並べ、これらの継ぎ目を包むように継手分割体で覆い、両方の継手分割体のフランジ部1cをボルトによって緊締し、固定した。このとき、コルゲート管と継手の間には、厚さ5mmのネオプレーンゴムシートを配した。図3には、コルゲート管を省略して、継手だけを緊締したものを示す。
【0039】
[試験例1]
上記によって得られた継手を配したコルゲート管を横にし、中に水を充填して水密試験を行った。
水は、管内に完全充填されたが、水漏れは起きなかった。また、水を水道圧力0.5kg/cm2 にて管内に負荷をかけたが、この時も水漏れは起きなかった。
【0040】
[試験例2]
試験例1と同様に本発明の継手により接続したコルゲート管を縦にし、下側のコルゲート管を台に固定し、上側のコルゲート管をロードセルの付いたフックにより引張り試験を行った。
この時、ロードセルは1.8トンの引張荷重を示したが、継手の破壊はなかった。
【0041】
[比較例1]
ジシクロペンタジエン製の同様の形状を有する継手についても試験例2と同様の引張試験を行ったが、ロードセルが1.4トンの引張荷重を示したとき、継手の溝部分が破壊し、引き抜けてしまった。
【0042】
【発明の効果】
本発明の継手を用いることで、地下に埋没されたコルゲート管が地盤変化により引っ張られても継手部で破損が生じることがなく、また、水密性が良好なため、管内を移送する水の損失がなく、水漏れによる土砂の流失がなくなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な2種類のコルゲート管の形状を示す側面図である。
【図2】本発明に係る継手を構成する継手分割体の一実施例を示す3面図である。
【図3】図2に示した継手分割体を結合し、継手を構成した状態を示す斜視図である。
【図4】図3の継手を、コルゲート管に装着した状態で示す一部破断側面図である。
【図5】本発明に係る継手のもう1つの実施例を、コルゲート管に装着した状態で示す側面図である。
【図6】図5に示した継手の斜視図である。
【符号の説明】
1,1',2,2' コルゲート管
1a,2a 凹溝
10 継手
10A,10B 継手分割体
10a,10a 凹溝
10b,10b 凸部
10c,10c フランジ
10d,10d ボルト孔
20 継手
20A,20B 継手分割体
20a,20a 凹溝
20b,20b 凸部
20c,10c フック
30 ベルト

Claims (4)

  1. 一方向に配列された連続する強化繊維を容積含有率で30%以上85%以下の範囲で含有する繊維強化熱可塑性樹脂シートを複数枚積層し一体化して成るプリプレグ積層体により作製され、接続すべき2本のコルゲート管(1,1′,2,2′)の端部近くの外周面に被せるよう構成された半円筒状の一対の継手分割体(10A,10B,20A,20B)から成り、各継手分割体には、接続すべき2本のコルゲート管のそれぞれの少なくとも一つの凹溝(1a,2a)にそれぞれ嵌入して水密が保てるよう少なくとも2条の凹溝(10a,10a,20a,20a)が形成され、継手分割体の軸方向を0°、円周方向を90°としたとき、強化繊維の配列方向が0°となる層の繊維強化熱可塑性樹脂シート又は強化繊維の配列方向が90°となる層の繊維強化熱可塑性樹脂シートについては、その全面にわたって繊維を横切る方向に所定の間隔で切れ目を入れたコルゲート管の継手。
  2. 強化繊維の配列方向が0°となる層の繊維強化熱可塑性樹脂シート及び強化繊維の配列方向が90°となる層の繊維強化熱可塑性樹脂シートについては、その全面にわたって繊維を横切る方向に所定の間隔で切れ目を入れた請求項1に記載のコルゲート管の継手。
  3. 上記切れ目が、厚み方向において他の層の繊維強化熱可塑性樹脂シートの同様の切れ目と重ならないように積層した請求項1又は2に記載のコルゲート管の継手。
  4. 複数枚の繊維強化熱可塑性樹脂シートの最上層及び/又は最下層に表皮材を積層、一体化して成るプリプレグ積層体により作製された請求項1からまでのいずれか1項に記載のコルゲート管の継手。
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