JP6537642B2 - 創傷被覆用シート - Google Patents

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Description

本発明は、部分的にプロトン化されたカルボキシメチルセルロース(以下、CMCと略記する。)を含む天然又は再生セルロース繊維を含有する創傷被覆用シートに関する。より詳しくは、本発明は、高い吸液性を保持しながら、吸液後も高い形態安定性を維持できるCMCを含む天然又は再生セルロース繊維含有創傷被覆用シートに関する。
人の皮膚等に創傷が生じた場合、創傷箇所を保護するようなサージカルドレッシング、創傷被覆材等の創部保護材が用いられている。
他方、以下の特許文献1には、CMCの置換度が0.5〜1.0未満である可溶性創傷治癒止血セルロース繊維が記載されており、CMCが細胞接着促進作用を有することも記載されている。また、以下の特許文献2には、CMCを創部に適用した場合、創傷部の炎症等を引き起こす危険性のある不溶性の異物が残存することはないとも記載されている。
一般に医療用で使用されているCMCは、カルボキシメチル基にナトリウムが結合したカルボキシメチルセルロースナトリウム(以下、CMC−Naと略記する。)が広く使用されている。しかしながら、CMC−Naは吸液性が非常に高い一方、強度が弱いという問題がある。創傷治癒の際には創部より出てくる滲出液を保持し創部を治療した後に、創傷被覆用シートの形態を保持した状態で除去できる必要がある。更には基材が残存していると創部が炎症する可能性がある為、基材が創部に残存してはいけない。
他方、CMC−Naを所定の濃度の酢酸、硝酸、塩酸等に浸漬することで、カルボキシメチル基にプロトンが結合したプロトン型のカルボキシメチルセルロース(以下、CMC−Hと略記する。)も開発されている。CMC−Hは強度が増す一方で、吸液性が一般のセルロース不織布と同程度であるという問題がある。他方、以下の特許文献3には部分的にプロトン化したCMCを癒着防止材に使用しているが、吸液性が悪く、創傷治癒には用いることができない。
特開2000−256958号公報 特開2002−143210号公報 国際公開第2011/121858号
前記した技術の現状に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、高い吸液性と強度を有する新規創傷被覆用シートを提供することである。
本発明者らは、カルボキシメチル化された天然又は再生セルロース繊維を含む構造体を所定の濃度に調整した酢酸、塩酸等の酸に浸漬することで、プロトン化度を制御したCMCを作製できることを見出し、更にはCMCの置換度とプロトン化度を所定の範囲に制御することで吸液性を保持した状態で強度を高めることができることを見出し、かかる知見に基づき本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
[1]カルボキシメチル化された天然又は再生セルロース繊維を含有する創傷被覆材であって、セルロースを構成するグルコース単位中の水酸基の平均置換度が0.3以上1.0以下であり、かつ、カルボキシメチル基の5%以上60%以下がプロトン化されていることを特徴とする前記創傷被覆用シート。
[2]厚みが0.03mm以上5.0mm以下である、前記[1]に記載の創傷被覆用シート。
[3]密度が0.03g/cm以上1.0g/cm以下である、前記[1]又は[2]に記載の創傷被覆用シート。
[4]綿状、織物状又は不織布状の形態にある、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の創傷被覆用シート。
本発明に係る創傷被覆用シートを用いて創傷治癒を行えば、CMCにより多くの滲出液を保持することで創傷治癒を促進し、また、治療中に形態を保持することができ、さらには、創部への残存も少なく、創部の炎症もない。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本明細書中、創傷被覆用シートとは、傷を保護し、外部からの感染を防いだり、傷の治りを早めたり、痛みを和らげるシート状の構造体を指す。例えば、絆創膏や褥瘡、熱傷などの湿潤療法に用いられる創傷被覆材などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態における天然又は再生セルロース繊維は、特に制限はなく、銅アンモニアレーヨン、ビスコースレーヨン、コットン、パルプ、ポリノジックなどの公知のセルロース繊維が用いられ、好ましくは銅アンモニアレーヨン、ビスコースレーヨンであり、より好ましくは銅アンモニアレーヨンである。これらの繊維は連続長繊維又は短繊維のいずれでもよい。長繊維では連続長繊維が好ましい。本明細書中、長繊維とは、繊維長が10mm以上のものをいい、繊維長は、好ましくは20mm以上であり、より好ましくは50mm以上であり、さらに好ましくは連続長繊維である。
本実施形態の構造体の形態としては、綿状、織物状又は不織布状の形態であることが好ましい。より好ましい形態は、再生セルロース繊維の織物又不織布であり、さらに好ましい形態は再生セルロース繊維の不織布、よりさらに好ましい形態はキュプラの不織布である。不織布状の形態であれば、湿潤時にゲル化した状態でも繊維が交絡しているため、湿潤時の強度を維持した状態で適度な柔軟性を得ることがき、肌に貼り付けた際に肌の動きに追従しやすい。また、凹部に沿って創傷被覆材を貼り付けることが容易である。更には表面積が大きいため、迅速に創傷部から出た滲出液を吸液することができる。このような不織布を構成する繊維がキュプラであれば、結晶化度が低いためカルボキシメチル化の際の反応性が高く、かつ、形態安定性にも優れる。また、不織布の場合、バインダーを付与した不織布では溶液の浸透速度が遅く、また、バインダー成分の溶出が懸念されるため、ノーバインダーの不織布が好ましい。
また、本実施形態のシート状構造体には、所望の作用効果を害さない範囲で天然又は再生セルロース繊維以外の繊維、例えば、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維等の合成繊維が含まれていてもよい。このような合成繊維は長繊維でも短繊維でもよい。
本実施形態のシート状構造体の密度(g/cm)、例えば、(不織布重量(g)/不織布体積(cm))は、0.03g/cm以上1.0g/cm以下であることが好ましく、より好ましくは0.03g/cm以上0.5g/cm以下、さらに好ましくは0.03g/cm以上0.4g/cm以下である。密度が低すぎる場合、部分的にプロトン化しても十分な強度を得ることが難しくなる場合があり、他方、密度が高すぎる場合、形態を変えることが難しくなり、患部への配置が煩雑になる。
本実施形態のシート状構造体の厚みは、織物状又は不織布状である場合、0.03mm以上5.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.03mm以上3.0mm以下であり、さらに好ましくは0.03mm以上1.0mm以下であり、最も好ましくは0.03mm以上0.8mm以下である。厚みが薄すぎる場合、部分的にプロトン化しても十分な強度を得ることができない場合があり、他方、厚みが厚すぎると、柔軟性が無くなり、患部への配置が煩雑になる。本明細書中、例えば、不織布の“厚み”とは、JIS−L1096に準拠する厚み試験にて、荷重を1.96kPaとして測定して得られた値をいう。
本実施形態のシート状構造体は、カルボキシメチル化した際のセルロースを構成するグルコース単位中の水酸基の平均置換度(DS)が0.3以上1.0以下であることが必要であり、好ましくは0.3以上0.8未満であり、より好ましくは0.3以上0.6未満である。DSが0.3以上であれば、部分的にプロトン化した際に十分な吸液量を確保することができ、他方、置換度が1.0を超えるとプロトン化しても十分な強度を得ることができない。
また、本実施形態のシート状構造体は、カルボキシメチル化した時点では、カルボキシメチル基の末端がナトリウム塩となっているが、その後、酸で処理して一部のカルボキシメチル基をプロトン型にすることにより得ることができる。その際のカルボキシメチル基プロトン化度は高い吸液性を保持した状態で十分な強度を得るために、5%以上80%以下であることが必要であり、好ましくは5%以上60%以下、より好ましくは10%以上60%以下であることができる。
連続長繊維キュプラ不織布は、以下の方法で製造することができる。
異物を除去し、重合度を調整したコットンリンターを銅アンモニウム溶液に溶解させた原液を細孔(原液吐出孔)を有した紡糸口金(紡口)から押し出し、水と共に漏斗内を落下させ、脱アンモニアさせることにより原液を凝固させつつ、延伸を行い、ネット上へ振り落としウェブ形成させる。この際、ネットを進行させながら進行方向と垂直方向へ振動させることにより、ネットへ振り落とされる繊維はサインカーブを描くことになる。紡糸時の延伸は100〜500倍が可能であり、紡糸漏斗の形状と、その中を流下させる紡糸水量を変えることにより、延伸倍率の調整が任意に可能である。延伸倍率を変えることにより、単繊度や不織布の強度を変えることが可能である。また、紡糸水量や温度を変化させることに原液内に微量残留する低分子量セルロース、いわゆるヘミセルロースをコントロールすることも可能である。また、ネットの進行速度、振動幅を制御することにより、繊維配列方向を制御し、不織布としての強度や伸度等をコントロールすることが可能である。
カルボキシメチル化されたシート状構造体は、以下の方法で製造することができる。
まず、天然又は再生セルロース繊維の構造体をアルコール含有水酸化ナトリウム水溶液中でアルカリ状態を維持しながら、35℃で30分攪拌する。その後、反応容器中の試薬を排液した後、アルコールを含むモノクロロ酢酸ナトリウムを添加し、30℃〜50℃で1〜12時間撹拌する。その際の、置換度の制御は、反応液と構造体の浴比、温度、及び時間により制御する。また、その他の反応条件は、生産コスト等も考慮しながら適宜変更することができる。得られた構造体を酢酸含有エタノール水溶液でpH6.0〜8.0に調整した後、70wt%、90wt%、100wt%エタノールでアルコール置換を行なう。少しでも水分を含むと硬くなるので、徐々にアルコール濃度を上げていくことで、アルコール置換を確実に行い、形態安定性を維持することができる。その後所定の濃度に調整した酸含有エタノール溶液に浸漬し、1時間撹拌し、70wt%、90wt%、100wt%エタノールでアルコール置換を行ない、乾燥させ、プロトン化したシート状構造体を得る。
酸への浸漬工程は、中和工程と同時に行ってもよい。すなわち、通常、中和工程後、酸浸漬工程を実施するため2工程必要であるが、中和工程と酸浸漬工程を同時に行い1工程で行ってもよい。
本実施形態のシート状構造体を部分的にプロトン化する方法には、特に制限はないが、アルコールを用いて所定の濃度に調整した酢酸、塩酸、硝酸に浸漬することよりプロトン化されることが好ましく、より好ましくは所定の濃度に調整した酢酸である。酢酸を用いてのプロトン化には、SUS製の反応器を使用することができる。
本実施形態のシート状構造体は、部分的にプロトン化した後に、乾燥し、そのまま使用してもよいが、50℃以上の温度で1h以上熱処理されることが好ましく、より好ましくは80〜120℃の温度で3h以上の熱処理であり、更に好ましくは100〜120℃の温度で3h以上の熱処理である。熱処理を行うことで、分子の配向が最適化され、分子内水素結合が増えることで強度を更に増すことができる。熱処理方法としては、熱風処理、乾熱処理、湿熱処理、真空加熱処理などが挙げられる。効率よく処理を行うためには熱風処理が好ましいが、特にこれらに限定されるものではない。
本実施形態のシート状構造体は、湿潤時に高い強度を保った状態でもゲル化することを特徴とする。湿潤時にゲル化することで高い吸液性を持つだけでなく、肌への密着性が高くなり、肌の動きに追従しやすくなる。また、ゲル化することで風合いが柔らかくなり、肌への影響が少なくなる。
以下、CMC繊維シート状構造体の物性値の測定方法を説明する。
1.平均置換度の測定
(i)酸度、アルカリ度
試料(無水物)約1gを300mL三角フラスコに精密にはかりとり、水を約200mL加えて溶かす。これに0.05モル/L硫酸5mLをピペットで加え、10分間煮沸した後冷却して、フェノールフタレイン指示薬を加え、0.1モル/L水酸化カリウムで滴定する(SmL)。同時に空試験を行い(BmL)、下記式(1):
アルカリ度={(B−S)×f}/試料無水物重量(g) ... 式(1)
{式中、f:0.1モル/L水酸化カリウム力価}によって算出する。
ここで、(B−S)×f値が(−)の時にはアルカリ度を酸度と読み変える。
(ii)平均置換度
試料(無水物)0.5〜0.7gを精密にはかり、ろ紙に包んで磁製ルツボ中で灰化する。冷却したのち、これを500mLビーカーに移し、水を約250mL、さらにピペットで0.05モル/L硫酸35mLを加えて30分間煮沸する。これを冷却し、フェノールフタレイン指示薬を加えて、過剰の酸を0.1モル/L水酸化カリウムで逆滴定して、下記式(2)、(3):
A=(a×f−b×f1)/試料無水物重量(g)−アルカリ度(又は+酸度) ... 式(2)
置換度=(162×A)/(10000−80×A) ... 式(3)
{式中、A:試料1g中の結合アルカリに消費された0.05モル/L硫酸の量(mL)、a:0.05モル/L硫酸の使用量(mL)、f:0.05モル/L硫酸の力価、b:0.1モル/L水酸化カリウムの滴定量(mL)、f1:0.1モル/L水酸化カリウムの力価}によって置換度を算出し、その平均値(N=3以上)を平均置換度とする。
2.プロトン化度
シート状構造体を1cm以上の面積に切断する。その後FT-IR(ATR)装置にセットし表面分析を行う。その後ATR補正、ベースライン補正、規格化を行い、1590cm−1の波長でのピーク高さを測定し、プロトン化前後でのピーク高さの比から下記式(4):
プロトン化度(%)=(A−B)/A×100 ... 式(4)
{式中、A:(プロトン化前のサンプルの1590cm−1のピーク高さ)−(5wt%塩酸で1h処理したサンプルの1590cm−1のピーク高さ)、B:(プロトン化後のサンプルの1590cm−1のピーク高さ)−(5wt%塩酸で1h処理したサンプルの1590cm−1のピーク高さ)}により、算出する。プロトン化前のサンプルとして、同等のサンプルを別途用意する。
3.吸液性(量(g/100cm))
シート状構造体の吸液性を、EN13726−1に準拠して、自由に膨張させた時の吸収能力について測定した。具体的にはシート状構造体を5cm×5cmに切断し、シャーレに配置する。その後、サンプル重量の40倍量の疑似滲出液(EN13726−1記載)を37℃に加温した後、添加し、37℃の恒温機内で30分間静置する。その後インキュベート前後の重量から下記式(5):
吸液量(g/100cm)=(A−B)×4
{式中、A:浸漬前の乾燥状態での重量(g)、B:30分間インキュベート後の重量(g)}により、吸液量を算出する。
4.強度
シート状構造体を5cm×5cmに切断し、シャーレに配置する。その後、サンプル重量の40倍量の疑似滲出液(EN13726−1記載)を添加し、37℃で30分間静置する。サンプルを取り出し、ピンセットでつまみ、以下の評価基準で強度を評価する。
×:形態を保つことができない
△:形態を保つことができるが、つかむことが難しい
〇:形態を保持しており、つかむことができるが、強く引っ張ると崩れる
◎:ある程度の強さの引張にも耐えることができる
5.(長時間浸漬時の)形態保持性
シート状構造体を5cm×5cmに切断し、シャーレに配置する。その後、サンプル重量の40倍量の疑似滲出液(EN13726−1記載)を添加し、37℃で3日間静置する。その後、サンプルの形態を観察し、以下の評価基準で強度を評価する。
×:形態を保つことができない
△:形態を保持しているが、軽度の振盪で繊維の絡交が外れ分散する
〇:形態を保持している
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
[参考例1]
再生セルロース連続長繊維シート状構造体(キュプラシート状構造体)(幅20cm、目付80g/m、厚み0.5mm、密度0.154g/m)、リヨセル短繊維不織布、又はレーヨン短繊維不織布100gを反応容器に入れ、その後、水酸化ナトリウム含有エタノール水溶液(水:875g、エタノール875g、NaOH:162.5g)を加えた後、35℃で30分撹拌した。次に、反応容器中の試薬を排液した後、モノクロロ酢酸ナトリウム含有エタノール水溶液(水300g、エタノール960g、モノクロロ酢酸ナトリウム122.5g)を添加し、30又は50℃で1〜12時間攪拌した。その後、乾燥させ、カルボキシメチル化したシート状構造体を得た。上述で得たシート状構造体を酢酸含有エタノール水溶液(酢酸:37.5g、蒸留水:375g、エタノール:875g)でpH6.0〜8.0に調整した後、70wt%エタノール水溶液1375gで1回、90wt%エタノール水溶液1250gで1回洗浄し、100wt%エタノール1250gで2回アルコール置換を行なった。その後酢酸含有エタノール溶液1250g(1〜100wt%)又は塩酸含有エタノール水溶液(2〜5wt%)に浸漬し、1時間撹拌した後、70wt%エタノール水溶液1375gで1回、90wt%エタノール水溶液1250gで1回洗浄し、100wt%エタノール1250gで2回アルコール置換を行ない、乾燥させ、更に105℃、6h又は120℃、3hの条件下で熱風乾燥機に入れ、プロトン化したシート状構造体を得た。平均置換度(DS)、プロトン化度のデータをプロトン化条件と共に以下の表1に示す。
Figure 0006537642
酸の種類、酸濃度を制御することでプロトン化度の制御が可能であることが判明した。また、プロトン化度の制御は原反の置換度に関わらず実施できることが判明した。
[参考例2]
参考例1の方法で得られたプロトン化前のCMCシート状構造体(置換度0.55)から切片(2cm×1cm)を切り出し、50mLプラスチックチューブに、それぞれ10枚入れた。各チューブに、塩酸含有メタノール水溶液(1.2mol/L塩酸、90%メタノール)30mLを添加し、室温で10分間、30分間、1時間、インキュベートした。
インキュベート後、80%メタノール水溶液、100%メタノールで順次、洗浄後、乾燥し、プロトン化したシート状構造体を得た。プロトン化度のデータをプロトン化条件と共に以下の表2に示す。
Figure 0006537642
参考例2の塩酸濃度では、ほぼ100%の置換基がプロトン化してしまうことが判明した。
[実施例1]
参考例1で作製したプロトン化度の違うサンプル2〜10の吸液性と強度を評価した。また、市販品である、CMCを用いた創傷被覆剤であるアクアセル(登録商標、CONVATEC社製)も評価した。評価結果を以下の表3に示す。
[比較例1]
参考例1で作製したプロトン化度の違うサンプル1、11、12の吸液性と強度を評価した。また、市販品である、CMCを用いた創傷被覆剤であるアクアセル(登録商標、CONVATEC社製)も評価した。評価結果を以下の表3に示す。
Figure 0006537642
プロトン化度が高くなるにつれて強度は強くなっていき、プロトン化度が5%以上では使用上十分な強度を持つこが分かった。また、吸液量に関してはプロトン化度が高くなるごとに減少していくが、80%以下ではアクアセルと同等又はそれ以上の吸液量を持つことが分かる。
[実施例2]
参考例1で作製した置換度の違うサンプル8、及び14〜17の吸液性と強度を評価した。評価結果を以下の表4に示す。
[比較例2]
参考例1で作製した置換度の違うサンプル13、及び18の吸液性と強度も評価した。評価結果を以下の表4に示す。
Figure 0006537642
置換度が高くなるごとに強度は弱くなっていき、置換化度が1.0以上では同じプロトン化度でも強度が弱く使用することができないことが分かった。また、吸液量に関しては置換度が高くなるごとに増加していき、置換度が0.3以上で十分な吸液量を持つことが分かる。
[実施例3]
参考例1で作製した繊維材料の違うサンプル5、19、及び20の強度と長時間浸漬時の形態保持性を評価した。評価結果を以下の表5に示す。
Figure 0006537642
すべての不織布で部分プロトン化することで、十分な強度を持つようになったが、特に、キュプラ連続長繊維不織布を用いる場合、ゲル化した状態でも繊維の交絡が強いため、長時間浸漬していても形態が崩れにくいことが分かる。
[実施例4]
参考例1で作製した熱処理条件が120℃、3hのサンプル22〜25の吸液性と強度を評価した。評価結果を以下の表6に示す。
[比較例3]
参考例1で作製した熱処理条件が120℃、3hのサンプル21の吸液性と強度も評価した。評価結果を以下の表6に示す。
Figure 0006537642
熱処理条件を120℃、3hにすることで、プロトン化度が5%以上であれば、十分に強度を保持することができることが分かる。
本発明における部分的にプロトン化されたカルボキシメチルセルロースを含む創傷被覆用シートにより創傷治癒を行えば、多くの滲出液を保持することで創傷治癒を促進することができる。また、形態を保持した状態で除去可能であるため、創部への残存も少なく、創部の炎症もないため、人体への影響を極力減らした状態での治療が可能である。

Claims (4)

  1. カルボキシメチル化された天然又は再生セルロース繊維を含有する創傷被覆材であって、セルロースを構成するグルコース単位中の水酸基の平均置換度が0.3以上1.0以下であり、かつ、カルボキシメチル基の5%以上60%以下がプロトン化されていることを特徴とする前記創傷被覆用シート。
  2. 厚みが0.03mm以上5.0mm以下である、請求項1に記載の創傷被覆用シート。
  3. 密度が0.03g/cm以上1.0g/cm以下である、請求項1又は2に記載の創傷被覆用シート。
  4. 綿状、織物状又は不織布状の形態にある、請求項1〜3のいずれか1項に記載の創傷被覆用シート。
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