JP3520511B2 - セルローススポンジを用いた創部吸収性被覆保護材の製造方法 - Google Patents

セルローススポンジを用いた創部吸収性被覆保護材の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、創部における滲
出液の吸収や創部の被覆保護及び止血治癒を目的として
該創部に直接施用することが可能なセルローススポンジ
を用いた創部用吸収性被覆保護材の製造方法に係り、特
に、創部固定器のビンやドレーンチューブ、又は気管切
開チューブ等が挿入されたビン刺入部やドレーンチュー
ブ挿入部、又は気管切開チューブ挿入部等に直接施用す
ることが可能なセルローススポンジを用いた創部用吸収
性被覆保護材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】創部における吸収性被覆保護材として
は、薄手で柔らかく吸湿性に優れていることから、綿や
絹等の単糸を用いて目を粗く織った柔らかい織物であっ
て、織り上げた後、精錬・漂白し消毒を施したガーゼが
医療用として一般的に用いられている。 例えば、創外
固定器のピンが挿入されたピン刺入部は、術後5〜7日
の間に創面に上皮細胞が現れ、線維芽細胞がコラーゲン
や様々な基質を生成し、血管新生が盛んになるといわれ
いることから、術後出来るだけ早い時期に、感染が無
く、ピンホールが収縮し、痂皮の形成が見られない状態
に保つことが良く、この時期に異物・壊死組織がなく、
微生物が存在せず、適度な温度・湿度・酸素濃度に保た
れる環境を整えることが求められるため、ピン刺入部に
切り込みを有する、いわゆる割ガーゼを挿んでいた。
【0003】しかしながら、該ガーゼは吸収性及び保液
性が乏しく、創部における滲出液が多いと適切に吸収す
ることが出来ずに漏れを生じ、衣服やシーツ等を汚して
不衛生なものとしてしまったり、滲出液の漏れを防ぐた
めに頻繁に交換しなければならない煩わしさを有するも
のであるとともに、滲出液がガーゼに吸収されないと痂
皮が形成され、新生細胞を痂皮ごと取ってしまったり、
滲出液による自家感作性皮膚炎を生じ、発疹や痒みを伴
い創部の治癒を遷延させてしまうことがある。
【0004】また、上記ガーゼは脱落繊維(リント)が
発生しやすいため、創部に直接被覆すると該脱落繊維が
創部に容易に付着してしまい衛生面からあまり望ましい
ものではなく、しかも、該ガーゼは創部が乾燥しやすい
ものであるため、例えば、創外固定用ピンの刺入部もし
くはドレーンチューブの挿入部等の創部に割ガーゼを挿
むこととすると、脱落繊維が付着したまま乾燥してしま
うことが多々あり、該割ガーゼを除去することは非常に
困難なものである。 特に、創部が乾燥する場合、ガー
ゼ本体から分離された脱落繊維だけが創部に付着乾燥す
るのではなく、ガーゼ本体が創部に付着乾燥してしまう
ものであることから、ガーゼ本体を創部から剥がす場合
に新生細胞を痂皮ごと取ってしまい、患者に痛みを伴わ
せ、また、創部の治癒を遷延させてしまうことがある。
【0005】さらに、上記ガーゼは柔軟なものであるこ
とからそのままでは固定できず、創外固定器のピンに固
定するにはその上から圧迫固定用ゴム板を装着するよう
にしなければならないが、その場合、創部が腫れていた
りすると、該圧迫固定用ゴム板によって圧痕を残すこと
があるとともに、創部周囲にかぶれを生じさせてしまう
恐れがあることから望ましくない。
【0006】また、その他の創部用吸収性被覆保護材と
しては、ポリウレタン又はポリエステルのスポンジを用
いることも検討されたが、吸水性が悪く、この場合は皮
膚に水泡が出来てしまい好ましくない。
【0007】そこで、吸収性、保液性に優れ、脱落繊維
が発生することなく、また、創部が乾燥しにくい、しか
も、ある一定の保形性を有して創部への装着を容易とす
る、直接創部に施用することが可能な創部用吸収性被覆
保護材として、ビスコースと結晶芒硝とを主原料として
混合した補強繊維を含まないスポンジ原液を、所定の温
度範囲で熱処理を施して薄厚に凝固させることにより、
シート状に形成するようにしたセルローススポンジから
なる創部用吸収性被覆保護材が、特許第3072596
号により提案された。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに今のところ最も望ましい上記セルローススポンジか
らなる創部用吸収性被覆保護材ではあるが、創部からの
滲出液に対する吸収性、保液性に優れる反面、該滲出液
を多く吸収することにより保形性が劣って柔軟なものと
なり、該創部用吸収性被覆保護材の創部からの取り外し
時に変形してその作業がし辛くなってしまうことがあ
る。 しかも、該創部用吸収性被覆保護材の液体に対す
る吸収性が優れるといっても、粘性の高い液体は吸収し
にくいものであった。
【0009】また、該創部用吸収性被覆保護材には、脱
落繊維の発生を防止する目的から繊維等の補強材が含ま
れていないため、乾燥した状態での脱着時に破れを生じ
ないよう注意する必要があり、また、創部からの滲出液
を必要以上に多く吸収することによりその強度が低下し
てしまうことは否めず、該創部用吸収性被覆保護材の取
り外し時に注意しないと破れを生じてしまう恐れもあっ
た。
【0010】さらに、該創部用吸収性被覆保護材は、創
部からの滲出液を吸収し、保液するのみであり、創部の
止血治癒効果を特に高めるものではなかった。 例え
ば、創外固定器のピン刺入部からの滲出液が特に多い場
合、滲出液が少ない場合に比較して術後のピン刺入部の
創収縮に要する日数が長くなるが、ピン刺入部は、術後
出来るだけ早い時期にピンホールが収縮し、感染徴候が
無い状態に保つことが重要であるため、該滲出液が多い
場合でも、ピン刺入部の創収縮を良好にするような、し
かも、ある一定の保形性を有して創外固定器のピン刺入
部への装着を容易とする、直接創部に施用することが可
能な吸収性被覆保護材の開発が望まれていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本願発明は、このような
課題に対処するものであり、かかる課題を解決すべく鋭
意検討した結果、特許第3072596号に開示された
セルローススポンジからなる創部用吸収性被覆保護材を
単に増量したものとするだけでなく、形状も当初の特定
の形状を維持することにより、又は繊維等の補強材が含
まれてなるセルローススポンジからなる創部用吸収性被
覆保護材であっても、その補強材を選択し、特定の形状
とすることにより、今までのように吸収性、保液性に優
れ、脱落繊維が発生することなく、また、創部が乾燥し
にくい、しかも、一定の保形性を有して創部への装着を
容易とする、直接創部に施用することが可能であること
は勿論のこと、より一層吸収性、保液性に優れ、かつ、
保形性及び強度的に申し分のない、作業性が改善された
創部用吸収性被覆保護材とすることが可能であることを
見出した。
【0012】すなわち、本願発明は、ビスコースと結晶
芒硝とを主原料として混合した補強材を含まないスポン
ジ原液に熱処理を施して凝固したセルローススポンジを
圧縮することによりシート状に形成するようにしたセル
ローススポンジを用いた創部用吸収性被覆保護材、又は
天然繊維からなる補強材を含むビスコースと結晶芒硝と
を主原料として混合したスポンジ原液に熱処理を施して
凝固したセルローススポンジをさらに圧縮することによ
りシート状に形成するようにしたセルローススポンジを
用いた創部用吸収性被覆保護材であり、このような創部
用吸収性被覆保護材によって創部を被覆するように直接
施用して固定することにより、該創部からの滲出液の吸
収及び該創部の保護を行うようにしてなるものである。
【0013】ここで、補強材を含む場合、レーヨン、ナ
イロン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、アクリル、ポリスチレン、フッ素、ラテックス、シ
リコン、等の合成繊維を補強材とすると、滑りやすく脱
落繊維(リント)発生の原因となるため、綿、麻、絹、
ラミー、パルプ、等の天然繊維を補強材として用いるこ
ととする。 また、天然繊維であっても、その長さが1
mm以下であると抜け落ちる可能性があり、さらに、そ
の長さが50mm以上であると、混錬した時に繊維塊が
できて原料と均一に混ざらない可能性があるため、5m
m〜40mmの長さをした天然繊維を用いることが望ま
しい。
【0014】また、本願発明の創部用吸収性被覆保護材
は、粘性の高い液体の吸収性を向上させるために、補強
材を含む上記創部用吸収性被覆保護材のスポンジ原液に
おける芒硝の粒径を大きくしたものでもある。 該芒硝
の粒径の大きさとしては、0.5mm〜1.5mmの範
囲のものが好ましく、平均粒径が1mmとなるようにす
ることが適当である。
【0015】また、本願発明の創部用吸収性被覆保護材
は、セルロース分子を構成するグルコース単位中の水酸
基を、置換度(エーテル化度)が0.5〜1.0未満と
なるように部分的にカルボキシメチル化した天然もしく
は再生セルロース繊維からなるセルローススポンジを用
いてなるものでもある。
【0016】上述のように、グルコース単位中の水酸基
の置換度(エーテル化度)が0.5〜1.0未満となる
ように部分的にカルボキシメチル化し、精製することに
より、血液等の組織液の吸収性に優れ、血液と接触した
場合には迅速に溶解し、血液凝血カスケードの活性化に
よって最終的に活性化されるトロンビンによってフィブ
リノーゲンから変換されるフィブリンモノマーの凝集反
応を促進することで止血効果を示すこととなる。 すな
わち、血液凝固カスケードの酵素には全く促進作用せ
ず、トロンビンによって作成したフィブリンモノマーの
凝集を促進し、さらに、創傷部の血液あるいは体液との
接触により速やかに溶解することにより、創傷部への血
小板の粘着と凝集を促して、創傷部でのフィブリンまた
は接着蛋白であるフィブロネクチンと相互作用し、フィ
ブロネクチンの細胞接着活性を促す作用を有するものと
なる。
【0017】さらに、本願発明の創部用吸収性被覆保護
材は、用途(施用部位)によってその形態を変更するよ
うにしたものでもあり、例えば、創傷部、褥創、火傷部
位、皮膚移植部位等における滲出液の吸収及び保護や、
人工肛門、尿路ストーマ造設後の腸液の吸収を目的とし
て用いる場合は、切り込みを有さない単なる薄厚のシー
ト状タイプで良く、また、創外固定器のピン刺入部おけ
る滲出液の吸収及び保護や、ドレーン挿入部分における
滲出液の吸収及び保護を目的として用いる場合は、片持
ち型創外固定器タイプ(前述した薄厚のシート状創部用
吸収性被覆保護材に創外固定器のピン又はドレーンチュ
ーブを挿入するための切り込みが形成されたもの)、も
しくはリング型創外固定器タイプ(同シート状創部用吸
収性被覆保護材に創外固定器のピン又はドレーンチュー
ブを挿入するための切り込みと挿通孔が形成されたも
の)とする。
【0018】該切り込みが形成された創部用吸収性被覆
保護材としては、図2に示すように、例えば、セルロー
ススポンジ(10)の一端部(10a)から略中央部へ
向かう線状切り込み(2)と該略中央部を部分的に切欠
する挿通孔(3)とを形成することにより創部用吸収性
被覆保護材(1)としたもの((イ)参照)や、セルロ
ーススポンジ(10)の一端部(10a)から略中央部
へ向かう線状切り込み(2)と該略中央部において少な
くとも二方向へ広がる放射状切り込み(4)とを形成す
ることにより創部用吸収性被覆保護材(11)としたも
のや((ロ)参照)、または、セルローススポンジ(1
0)の一端部(10a)から略中央部へ向かう開口切り
込み(5)と該略中央部を部分的に切欠する挿通孔
(3′)とを形成することにより創部用吸収性被覆保護
材(21)としたもの((ハ)参照)、さらに、セルロ
ーススポンジ(10)の一端部(10a)から略中央部
へ向かう開口切り込み(5′)と該略中央部において少
なくとも二方向へ広がる放射状切り込み(4′)とを形
成することにより創部用吸収性被覆保護材(31)とし
たもの((ニ)参照)が考えられる。 なお、線状切り
込み(2)が設けられたセルローススポンジ(10)の
一端部(10a)側にV字状の導入切り込み(6)を形
成するようにすると、創外固定器のピンやドレーンチュ
ーブの導入が行えることとなるので望ましく、また、セ
ルローススポンジに設ける切り込みの位置や数、及び大
きさは、施用個所等必要に応じて適宜変更するようにし
てなるものである。
【0019】そして、このような切り込みが形成された
創部用吸収性被覆保護材、例えば、図2(イ)に示す切
り込みが形成された創部用吸収性被覆保護材(1)は、
図1に示すように、脚部(A)に固定された創外固定器
のピン(P)に導入切り込み(6)部分を合わせるよう
にして押し込むことにより、容易に切り込み(2)が開
いて該ピン(P)が孔部(3)に挿入し、該創部用吸収
性被覆保護材(1)が創部を被覆するように装着される
ことにより、該創部からの滲出液の吸収及び該創部の被
覆と保護を行なうものである。
【0020】また、本願発明は、上記創部用吸収性被覆
保護材を、1)ビスコースと結晶芒硝とを主原料として
混合した補強材を含まないスポンジ原液を、35℃〜7
0℃の温度範囲で熱処理を施して所望の厚さよりやや厚
めのシート状に凝固させ、次いで、凝固したセルロース
スポンジを圧縮して所望の厚さのシート状に形成するこ
とにより、又は2)ビスコースと結晶芒硝とを主原料と
して混合した補強材を含まないスポンジ原液を、35℃
〜70℃の温度範囲で熱処理を施す第一の温度保持工程
により流動性が無くなるまで所望の厚さよりやや厚めの
シート状に凝固させ、引き続き90℃〜100℃の温度
範囲で熱処理を施す第二の温度保持工程により完全に凝
固させ、次いで、凝固したセルローススポンジを圧縮し
て所望の厚さのシート状に形成することにより、又は
3)天然繊維からなる補強材、望ましくは、少なくとも
5mm〜40mmの長さをした天然繊維を補強材として
含むビスコースと、粒径が比較的大きい結晶芒硝、好ま
しくは粒径が0.5mm〜1.5mmの範囲の大きさを
した該芒硝とを主原料として混合したスポンジ原液を、
75℃〜90℃の温度範囲で熱処理を施して凝固させ、
次いで、凝固したセルローススポンジを所望の厚さより
やや厚めにスライスし、その後、これを圧縮して所望の
厚さのシート状に形成することにより、それぞれ製造す
るようにしてなるものでもある。
【0021】また、本願発明は、セルローススポンジの
圧縮を、温度を掛けながら行ってなるものでもある。
このように、温度を掛けることによって密度が濃く所望
の厚さをしたシート状に形成し易くなる。 そして、そ
の際の温度等の条件としては、145℃〜155℃の温
度で、5〜20秒間、6.0MPa〜8.0MPaの圧
力を加えことにより行うことが望ましい。 なお、圧縮
は加工しやすくするため2段階で行うこととすると良
い。 すなわち、1回目はニップローラー等で変形を矯
正し、2回目に温度を掛けながら目的とする所望の厚さ
に圧縮することとする。
【0022】また、本願発明の可溶性の創部用吸収性被
覆保護材は、セルローススポンジのセルロース分子を構
成するグルコース単位中の水酸基を置換度(エーテル化
度)が0.5〜1.0未満となるように部分的にカルボ
キシメチル化したセルロース繊維からなるものであり、
圧縮したセルローススポンジを水酸化ナトリウム水溶液
で処理した後、モノクロロ酢酸溶液と一定時間、好まし
くは4〜18時間反応させて、セルローススポンジを構
成するグルコース単位中の水酸基を置換度(エーテル化
度)が0.5〜1.0未満となるように部分的にカルボ
キシメチル化し、精製することにより製造してなるもの
でもある。
【0023】そして、補強材を含む可溶性の創部用吸収
性被覆保護材の製造にあたっては、上述のカルボキシメ
チル化反応を受けうるセルロースを成分としたパルプ、
綿、等の天然繊維を補強材として用いることとする。
従って、本願発明の好ましい可溶性の創部用吸収性被覆
保護材は、セルロースを構成する構造単位として次式で
示される化学式をもって表すことができる。
【0024】
【化1】
【0025】なお、本願発明の可溶性の創部用吸収性被
覆保護材は、上記の化学式で表されるものに限定され
ず、セルロース分子中のグルコース単位中の水酸基が
0.5〜1.0未満の置換度でカルボキシメチル化(エ
ーテル化)されており、目的とする可溶性創傷治癒止血
効果を発揮するものであれば、本願発明の範囲内に包含
されることはいうまでもない。
【0026】ここで、本願発明において用いるセルロー
ススポンジの一般的な製造方法を説明する。まず、補強
材を含まないセルローススポンジは、ビスコースに結晶
芒硝とポリオール化合物、必要に応じて界面活性材を混
合し、得られたスポンジ原液を成形型内に所望の厚さよ
りやや厚めとなるように流し込み、次いで、比較的低温
にて加熱処理を行い、その後、圧縮してシート状に形成
することにより、もしくは、比較的低温の第一の温度保
持工程及び該第一の温度保持工程よりも高い温度の第二
の温度保持工程にて加熱処理を行い、その後、圧縮して
所望の厚さのシート状に形成することにより、それぞれ
製造してなるものである。
【0027】そして、上述した各セルローススポンジを
用いた本願発明の創部用吸収性被覆保護材は、そのまま
用いることとしても良いが、必要(施用する箇所)に応
じて、切り込みを設けることにより製造してなるもので
もある。
【0028】また、本願発明の補強材を含まない可溶性
の創部用吸収性被覆保護材の場合は、圧縮して所望の厚
さのシート状に形成したセルローススポンジを水酸化ナ
トリウム水溶液で処理した後、モノクロロ酢酸溶液と一
定時間、好ましくは4〜18時間反応させて、セルロー
ススポンジを構成するグルコース単位中の水酸基を置換
度(エーテル化度)が0.5〜1.0未満となるように
部分的にカルボキシメチル化し、精製することにより製
造してなるものでもある。 このようにして製造された
補強材を含まない可溶性の創部用吸収性被覆保護材もま
た、そのまま用いることとしても良いが、必要(施用す
る箇所)に応じて、切り込みを設けることとしても良
い。
【0029】補強材を含まないセルローススポンジの場
合、ビスコースは、通常、ビスコースレーヨン用のビス
コースを使用するのが工業的には有利であり、有効に利
用できる。 このビスコースレーヨン用のビスコースと
しては、普通ビスコース、強力レーヨン用ビスコース等
が使用でき、特に制限されない。 ビスコースのセルロ
ース成分の重合度は200〜400、特に好ましくは2
50〜350である。重合度が400より高いセルロー
スは、得られるスポンジが硬くなり好ましくなく、また
200より低いセルロースは、得られるスポンジが弱く
なり好ましくない。 具体的には、セルロース濃度5〜
10重量%、アルカリ濃度3〜8%、ホッテンロート価
5〜12、落球粘度20〜300sec/20℃、γ価
45〜70の範囲のものが好ましく使用される。
【0030】セルロース濃度が5重量%より低いビスコ
ースを用いた場合はビスコース粘度が低くなり、スポン
ジ原液中で結晶芒硝の沈降が生じ、その結果得られるス
ポンジの気孔が不均一となり好ましくない。 逆にセル
ロース濃度が10重量%より高いビスコースを用いた場
合は、ビスコース粘度が高くなり、結晶芒硝の均一な混
合が困難になり、その結果得られるセルローススポンジ
の気孔が不均一となり、均一な柔軟性と均一な強度を有
するセルローススポンジとすることがきでず、好ましく
ない。
【0031】また、アルカリ濃度が3%より低いビスコ
ースの場合、γ価が45より低いビスコースの場合、或
いはホッテンロート価が5より低いビスコースの場合
は、いずれも、スポンジ原液が凝固し易く、結晶芒硝の
練り込み操作や、成形型への充填時に凝固が生じ、好ま
しくない。 一方、アルカリ濃度が10%より高いビス
コースの場合、γ価が70より高いビスコースの場合、
或いはホッテンロート価が12より高いビスコースの場
合は、いずれも、スポンジ原液が凝固しにくく、凝固工
程に時間がかかり、好ましくない。
【0032】さらに、落球粘度が20secより低い場
合、ビスコース粘度が低くなり過ぎ、スポンジ原液中で
結晶芒硝の沈降が生じ、その結果得られるスポンジの気
孔が不均一となり上記と同じ理由で好ましくない。 逆
に300secより高い場合、ビスコース粘度が高過
ぎ、結晶芒硝の均一な混合が困難になり、その結果得ら
れるスポンジの気孔が不均一となり上記と同じ理由で好
ましくない。
【0033】結晶芒硝は、平均粒径が0.2mm以下の
ものが適当であり、特に0.01mm〜0.2mmの範
囲のものが好ましい。結晶芒硝の平均粒径が0.2mm
より大きいとセルローススポンジを構成する気孔(セ
ル)の径が大きくなり、乾燥時の収縮性、膨潤回復率に
悪影響を与える。 さらに、得られるセルローススポン
ジの強度にばらつきが生じる。
【0034】また、結晶芒硝の添加量は、ビスコース中
のセルロースに対し、50〜100倍量、好ましくは6
0〜80倍量(重量比)とするのが良い。 結晶芒硝の
添加量がビスコース中のセルロース重量に対して50倍
重量未満であると、乾燥時の見かけの密度が高くなり過
ぎ、気孔壁が厚くなり、その結果得られるスポンジの柔
軟性が損なわれる。 また、添加量が100倍量より多
くなると、混合操作においてスポンジ原液の粘度が高く
なり、得られるスポンジの強度が低くなり過ぎてこのま
しくない。
【0035】界面活性剤は、ビスコースに添加すること
によってスポンジ原液の流動性を向上させること、すな
わち、粘度を適度に下げることができるので、成型型へ
の充填の際にエアーを抱き込むことが少なくなり、作業
性を向上させることができるとともに、強度や柔軟性等
の品質の安定したセルローススポンジを得ることができ
る。 界面活性剤のビスコースへの添加は必要に応じて
行い、アルカリ濃度、γ価、及びホッテンロート価が比
較的高いビスコースを使用してなるスポンジ原液の場
合、流動性は十分に高いので、界面活性剤を添加する必
要はない。
【0036】上記界面活性剤としては、陰イオン界面活
性剤及び/又は非イオン界面活性剤が使用できる。 陽
イオン界面活性剤はビスコースを変成させるので好まし
くない。特に好ましい界面活性剤は、ドテシル硫酸ナト
リウム、ソルビタンモノオレイン酸エステル、及びこれ
らの界面活性剤のエチレンオキサイド付加物(例えば、
ソルビタンモノオレイン酸エステル+20(C
O))から選ばれた1種以上のものである。 何れの
界面活性剤もあらかじめビスコースに添加しておけば使
い易い。
【0037】添加量はビスコースに対して1.0重量%
以下が好ましい。 より好ましくは、0.02〜1.0
重量%で、特に好ましくは、0.1〜1.0重量%であ
る。0.02重量%より少ない量では添加効果が無い。
また、1.0重量%以上添加しても添加効果は変わら
ないので無駄である。 さらに、界面活性剤が固体の時
は、あらかじめ後記するポリエチレングリコールと混合
し添加すると好適である。
【0038】なお、ビスコースへの添加剤として公知の
ポリオール化合物のうちグリセリン等はスポンジが硬く
なり使用できないが、この原因は不明である。 また、
ポリエチレングリコールは、ビスコースへの添加に際し
ては、一部を先に添加しておき、後に界面活性剤と共に
残りのポリエチレングリコールを添加することにより添
加量を調製するのが良い。
【0039】上記各原料の混合は、まず、ビスコースに
対してポリアルキレングリコールを混合し、次いで必要
に応じて界面活性剤を混合し、最後に芒硝を混合するこ
とが一般に行われる。 さらに、必要に応じてこの混合
工程で顔料や、硫酸バリウムなどのX線非透過材等を混
合することもできる。 混合装置は、ビスコース温度が
20℃以上にならないように調製できる冷却機構を有す
る装置であれば特に制限されない。 ビスコース温度が
20℃を上回ると、ビスコースの凝固が開始され、均一
な気孔が出来にくい。 結晶芒硝、ポリアルキレングリ
コール及び界面活性剤の添加・混合はビスコースにこれ
ら3種を同時に混合することもできるが、予めポリアル
キレングリコール、界面活性剤を添加したビスコース
に、結晶芒硝を添加するのが好ましい。
【0040】一方、補強材を含むセルローススポンジ
は、予め補強材として天然繊維を加えて熟成させたビス
コースに、結晶芒硝とポリオール化合物、必要に応じて
界面活性材を混合し、得られたスポンジ原液を成形型内
に圧力充填し、比較的高温にて加熱処理を行い、次い
で、加熱処理後のセルローススポンジを予め所望の厚さ
よりやや厚めにスライスしてから、これを圧縮してシー
ト状に形成することにより、もしくは、得られたスポン
ジ原液を成形型内に所望の厚さよりやや厚めとなるよう
に圧力充填し、比較的低温にて加熱処理を行い、その
後、圧縮して所望の厚さのシート状に形成することによ
り、それぞれ製造してなるものである。 そして、上述
した各セルローススポンジを用いた本願発明の創部用吸
収性被覆保護材は、そのまま用いることとしても良い
が、必要(施用する箇所)に応じて切り込みを設けるこ
とにより製造してなるものでもある。
【0041】また、本願発明の補強材を含む可溶性の創
部用吸収性被覆保護材の場合には、圧縮して所望の厚さ
のシート状に形成したセルローススポンジを水酸化ナト
リウム水溶液で処理した後、モノクロロ酢酸溶液と一定
時間、好ましくは4〜18時間反応させて、セルロース
スポンジを構成するグルコース単位中の水酸基を置換度
(エーテル化度)が0.5〜1.0未満となるように部
分的にカルボキシメチル化し、精製することにより製造
してなるものである。 補強材を含む可溶性の創部用吸
収性被覆保護材の製造にあたっては、カルボキシメチル
化反応を受けうるセルロースを成分としたパルプ、綿、
等の天然繊維を補強材として用いることとが必要であ
る。 このようにして製造された補強材を含む可溶性の
創部用吸収性被覆保護材もまた、そのまま用いることと
しても良く、必要(施用する箇所)に応じて切り込みを
設けるようにしても良い。
【0042】この場合のビスコースは、セルロース成分
の重合度が600〜700のものが好ましい。 重合度
が高いセルロースは、ビスコースが固く、溶解性が悪化
し、重合度が低いセルロースは、粘度が低くなりすぎ好
ましくない。 具体的には、セルロース濃度6〜9重量
%、アルカリ濃度7.8〜8%、ホッテンロート価8〜
10、落球粘度50〜200sec/20℃、γ価70
〜75範囲のものが好ましく使用される。
【0043】そして、セルロース濃度が5重量%より低
いビスコースを用いた場合はビスコース粘度が低くな
り、スポンジ原液中で結晶芒硝の沈降が生じ、その結果
得られるスポンジの気孔が不均一となり好ましくない。
逆にセルロース濃度が10重量%より高いビスコース
を用いた場合は、ビスコース粘度が高くなり、結晶芒硝
の均一な混合が困難になり、その結果得られるセルロー
ススポンジの気孔が不均一となり、均一な柔軟性と均一
な強度を有するセルローススポンジとすることがきで
ず、好ましくない。
【0044】また、アルカリ濃度が7.8%より低いビ
スコースの場合、γ価が70より低いビスコースの場
合、或いはホッテンロート価が5より低いビスコースの
場合は、いずれも、スポンジ原液が凝固し易く、結晶芒
硝の練り込み操作や、成形型への充填時に凝固が生じ、
好ましくない。 一方、アルカリ濃度が8%より高いビ
スコースの場合、γ価が75より高いビスコースの場
合、或いはホッテンロート価が10より高いビスコース
の場合は、いずれもスポンジ原液が凝固しにくく、凝固
工程に時間がかかり好ましくない。
【0045】さらに、落球粘度が20secより低い場
合、ビスコース粘度が低くなり過ぎ、スポンジ原液中で
結晶芒硝の沈降が生じ、その結果得られるスポンジの気
孔が不均一となり上記と同じ理由で好ましくない。 逆
に300secより高い場合、ビスコース粘度が高過
ぎ、結晶芒硝の均一な混合が困難になり、その結果得ら
れるスポンジの気孔が不均一となり上記と同じ理由で好
ましくない。
【0046】結晶芒硝は、補強材を含まないセルロース
スポンジにおける粒径と同様のものでも差し支えない
が、粘性の高い液体でも吸収しやすくするため、特に粒
径が0.5mm〜1.5mmの範囲とすることが好まし
く、平均粒径が1mmとすることが適当である。 結晶
芒硝の平均粒径が5mmより大きいとセルローススポン
ジを構成する気孔(セル)の径が大きくなり、乾燥時の
収縮性、膨潤回復率に悪影響を与え、得られるセルロー
ススポンジの強度にばらつきが生じる。
【0047】また、結晶芒硝の添加量は、ビスコース中
のセルロースに対し、60〜100倍量、好ましくは7
5〜85倍量(重量比)とするのが良い。 結晶芒硝の
添加量がビスコース中のセルロース重量に対して50倍
重量未満であると、乾燥時の見かけの密度が高くなり過
ぎ、気孔壁が厚くなり、その結果得られるスポンジの柔
軟性が損なわれる。 また、添加量が100倍量より多
くなると、混合操作においてスポンジ原液の粘度が高く
なり、得られるスポンジの強度が低くなり過ぎてこのま
しくない。
【0048】また、補強材を含まないセルローススポン
ジの場合と同様に、界面活性剤のビスコースへの添加は
条件を変えることなく必要に応じて行うことが出来る。
【0049】成型型の材質は、本質的には耐熱温度が1
00℃以上であれば使用できる。例えば、ステンレス
製、プラスチック製、ガラス製、セラミック・プラスチ
ック等でコーティングした材質でも良い。具体的にはプ
ラスチック類としては、例えばPTFE、ポロプロピレ
ン、耐熱塩化ビニル、高密度ポリエチレン等が比較的安
価で、かつ脱型が容易であり好ましい。
【0050】成型型に充填されたスポンジ原液は、補強
材を含まないセルローススポンジの場合、35℃以上7
0℃以内(第一温度範囲)で30分間以上24時間以内
の温度保持工程を行うことが本発明では重要である。
特に好ましくは、35〜45℃にて60分から5時間維
持して行うのが良い。 具体的には、スポンジ原液の流
動性がなくなるまで第一温度範囲で維持する。 第一温
度範囲が35℃より低いと、時間が長くかかりすぎ工業
的でない。 また、従来のセルローススポンジの製造に
行われる凝固工程における70℃を越える熱処理が、第
一温度保持工程でおこなわれると、急激に二硫化炭素の
気泡が発生し、得られるスポンジの気孔が不均一にな
り、このため柔軟性が不均一となる。 また、第一温度
範囲が70℃より高いと、凝固が周囲より進むために、
成形型に接している部分には耳が発生し、得られるセル
ローススポンジの周囲と内部との強度が異なり、医療用
途には適さなくなる。
【0051】スポンジ原液は、前記第一温度保持工程に
おいて完全に凝固させることはできるが、凝固に長い時
間を要するため工業的に不利である。 したがって、前
記第一温度保持工程の後に、引き続いて90℃以上(第
二温度範囲)の高温熱処理で、30分間から5時間の範
囲内で維持することからなる第2温度保持工程を加える
ことは、凝固時間の短縮が行えるので工業的に有利な手
段である。 さらに好ましくは、90℃以上100℃以
内の温度で、1時間から4時間の範囲内である。第二温
度範囲が90℃未満だと、脱型後において定形性を有す
ることが困難となる。 その結果、吸液率や湿潤強度の
バラツキが大きくなり、全体的に医療用途としてのセル
ローススポンジの性能が低下する。 また、第二温度保
持工程における熱処理が不完全だと水洗時に未凝固のス
ポンジ原液が溶出しスポンジの形成が不十分になる。
【0052】なお、第一温度保持工程及び第二温度保持
工程は、均一に温度維持ができれば特に制限されない
が、温水中に入った型内にスポンジ原液を流し込んで行
うのが熱処理を均一に工業的に行うためには好都合であ
る。
【0053】一方、成形型に圧力充填されたスポンジ原
液が、補強材を含むセルローススポンジの場合、75℃
以上90℃以内で5時間以上8時間以内の温度保持工程
を行うことが本発明では重要である。 特に好ましく
は、80〜85℃にて6時間〜8時間維持して行うのが
良い。 この際、熱処理が不完全であると、未凝固の部
分が発生し、スポンジの形成が不十分になり、また、熱
処理を行いし過ぎると、着色が発生するとともに、エネ
ルギーのロスとなり工業的に不利である。
【0054】脱型は、スポンジ原液が凝固する際収縮す
るので容易に行うことが出来るが、この段階で狭窄、変
形をするとその時の形が記憶されるので注意が必要であ
る。
【0055】また、前記脱型工程により得られた成形体
は、水洗工程、酸再生工程、脱硫工程、漂白工程、中和
工程の各工程よりなる後処理が施される。 水洗工程
は、スポンジ原液に添加されている結晶芒硝が完全に溶
出するまで高温水で洗浄され、次いで常温水洗を行うの
がよい。 この水洗によって芒硝とともに界面活性剤も
除去される。芒硝、界面活性剤が残留すると、医療用途
としては不適当な材料となる。
【0056】次いで、酸再生工程(セルロース再生工
程)は、通常のビスコースレーヨンの生成工程とほぼ同
一方法によって行われ、例えば、濃度約40〜100g
/Lの硫酸水溶液に前記水洗処理を終えた成形体を浸漬
することによって行う。 この工程によってビスコース
はセルロースに完全に再生される。 使用する硫酸水溶
液の特に好ましい範囲は50〜90g/Lである。 硫
酸水溶液の濃度が100g/Lより高い場合はスポンジ
の表面が荒れる場合がある。 40g/Lより少ない場
合は再生が遅くなる。 浸漬時間は2〜30分が好まし
い。 2分より短い場合は完全再生に至らない。 30
分以上行っても再生はそれ迄に終了しているので、それ
以上進行しない。 温度は20〜50℃で行うのが良
い。 20℃より低い場合は再生が遅くなり好ましくな
く、50℃より高いと得られるスポンジの表面が荒れる
場合があるので好ましくない。
【0057】また、脱硫工程(アルカリ洗浄工程)は、
水酸化ナトリウム水溶液あるいは硫化ナトリウム水溶液
にて、前記酸再生工程を経た成形体を処理する。 この
処理によって、スポンジ中の残留硫黄分を低減させるこ
とができる。 1〜4g/L濃度の水酸化ナトリウム水
溶液と0.5〜2g/L濃度の硫化ナトリウム水溶液の
混合溶液に浸漬して行う。 水酸化ナトリウム水溶液が
1g/L濃度より低い場合あるいは硫化ナトリウム水溶
液が0.5g/L濃度より低い場合は、硬化が得られな
い。 また、水酸化ナトリウム水溶液が4g/L濃度よ
り高い場合あるいは硫化ナトリウム水溶液が2g/L濃
度より高い場合は、スポンジ表面が荒れる場合が有る。
浸漬液の温度は40〜80℃が好ましい。 浸漬時間
は10〜60分が好ましい。 温度は40℃より低い場
合あるいは浸漬時間が10分より短い場合は効果が得ら
れにくい。 一方、温度が80℃より高い場合あるいは
浸漬時間が60分より長い場合はスポンジ表面が荒れる
場合がある。 具体的には、1〜4g/L濃度の水酸化
ナトリウム水溶液と0.5〜2.0g/L濃度の硫化ナ
トリウム水溶液の混合溶液に、40℃〜80℃で10〜
60分間浸漬し処理する。
【0058】また、漂白工程は、0.1〜3.0g/L
濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液あるいは過酸化水素
水溶液に常温で10〜30分浸漬すれば良い。 次亜塩
素酸ナトリウム濃度あるいは過酸化水素濃度が0.1g
/L濃度より低い場合は、漂白効果は得られない。 ま
た、次亜塩素酸ナトリウム濃あるいは過酸化水素濃度が
3g/Lより高い場合は、スポンジ表面が荒れる場合が
ある。 浸漬液の温度は20〜50℃が好ましい。 浸
漬時間は10〜30分が好ましい。 温度が20℃より
低い場合あるいは浸漬時間が10分より短い場合は、漂
白効果が得られにくい。 一方、温度が50℃より高い
場合あるいは浸漬時間が30分より長い場合は、スポン
ジ表面が荒れる場合がある。
【0059】さらに、前記漂白工程の薬剤が残存しない
ように水洗除去する中和工程を行った後、スポンジ内部
の水分が残存しないようにニップローラ等で絞り出し、
必要に応じてバーチカルカッター等で所望の厚さよりや
や厚めにスライスし、45℃〜50℃の温風で乾燥し、
その後、145℃〜155℃の温度で、5〜20秒間、
6.0MPa〜8.0MPaの圧力を加えることにより
圧縮する。 この際、スポンジ原液を初めから所望の厚
さよりやや厚めに凝固させ、これを圧縮することとして
も良い。 そして、図1及び図2に示すように、必要に
応じて施用個所に適した切り込み(例えば、創外固定器
のピン間に合わせた切り込み)を、金型による抜き打ち
又はカッター等で切断することにより入れることとす
る。 なお、乾燥時の温度が高すぎると、極度に湾曲し
てその後の加工がしにくくなり、一方、乾燥時の温度が
低いと、工業的に時間が長く掛かりすぎ好ましくない。
【0060】
【実施例】以下に本願発明の補強材を含まないセルロー
ススポンジからなる創部用吸収性被覆保護材の具体的製
造実施例、並びに創部へ施用した際の効果を記述する。
創部用吸収性被覆保護材の製造実施例としては、重合度
320のセルロース7重量%、アルカリ6重量%を含む
ビスコースに対し、平均分子量400のポリエチレング
リコールを対ビスコース3重量%、ドデシル硫酸ナトリ
ウムを対ビスコース0.4重量%及び、平均粒径が0.
12mmである結晶芒硝を対セルロース65倍重量にな
るよう添加し、混合することによりスポンジ原液を作製
し、このスポンジ原液を、内寸200mm×200mm
をした耐熱ポリ塩化ビニル製の皿状容器内に、所望の厚
さを3mmとした場合にその厚さよりもやや厚めの10
mm程度となるように充填する。 そして、40℃の水
槽中で60分間保持し、次いで、90℃の水槽中で12
0分間保持することからなる加熱処理を行うことにより
凝固させた後、型より抜き出す。
【0061】次いで、90℃以上の沸水で脱芒硝し、得
られたスポンジ中間体を50g/Lの硫酸水溶液中に1
20分間浸漬してセルロースを再生し、更に、2.5g
/L濃度の苛性ソーダ水溶液と1.3g/L濃度の硫化
ソーダ水溶液の混合溶液に50℃で10分間浸漬し、脱
硫処理を行った。 そして、0.2g/L濃度の次亜塩
素酸ソーダ水溶液に常温で10分浸漬して脱硫・漂白処
理をした後、水洗及び乾燥し、150℃の温度で、8.
0MPaの圧力を加えことにより所望の厚さの3mmと
なるように圧縮する。 そして、これを用途に合わせた
大きさにカットするとともに、施用個所に応じて創外固
定器のピンもしくはドレーンチューブに合わせて切り込
みを入れることにより、セルローススポンジからなる矩
形シート状の創部用吸収性被覆保護材とした。
【0062】次に、比較例として、上述のようにして成
形した各矩形シート状の創部用吸収性被覆保護材を創部
に施用した際の効果を確認するために、スポンジのカ
スの付着、変形の有無、破れの有無、及び交換作
業のし易さ、の各項目の良し悪しを、従来品である圧縮
しないシート状のセルローススポンジからなる創部用吸
収性被覆保護材と比較評価することにより判定を行っ
た。 判定方法は、良いとするものを○印、良くはない
が問題ないとするものを△印、問題有りとするものを×
印とした3段階で評価採点することにより行い、その結
果は以下の[表1]に示す。
【0063】
【表1】
【0064】上記[表1]に示すとおり、本願発明の創
部用吸収性被覆保護材は、創部に対するスポンジのカス
の付着が無いことは勿論のこと、滲出液の吸収性も良好
で、しかも創部用吸収性被覆保護材の変形や破れも無く
保形性が確実に保護されるので、従来の圧縮していない
創部用吸収性被覆保護材に比して、変形の有無、破
れの有無、及び交換作業のし易さ、の項目の何れにお
いても優れているとともに、滲出液の吸収性においても
一層優れていることが分かる。
【0065】次に、本願発明の補強材を含むセルロース
スポンジからなる創部用吸収性被覆保護材の具体的製造
実施例、並びに創部へ施用した際の効果を記述する。創
部用吸収性被覆保護材の製造実施例としては、まず、重
合度1000のパルプを18.8%水酸化ナトリウム
(NaOH)中に1時間浸漬して膨潤させた後、粉砕し
て18℃で12時間空気中の酸素と反応させることによ
り老成する。このとき、温度が低いとセルロースの重合
度が十分に下がらず固いスポンジとなり、また、温度が
高いと重合度が下がりすぎて強度が弱く脆いスポンジと
なる。次いで、これを空気中で二硫化炭素と反応させセ
ルロースキサントゲン酸ナトリウムにし、さらに、水、
水酸化ナトリウム、繊維長20mmをした綿からなる補
強材を加えてアルカリ濃度7.8%で溶解しビスコース
にする。 このように調整したビスコースは、重合度5
00のセルロース8重量%、アルカリ8重量%を含む。
【0066】以上のように調整したビスコースは、18
℃で10時間熟成させた後、平均分子量500ポリエチ
レングリコールを対ビスコース4重量%、ドデシル硫酸
ナトリウムを対ビスコース0.5重量%及び、平均粒径
が1mmである結晶芒硝を対セルロース70倍重量にな
るよう添加し、混合することによりスポンジ原液とす
る。 この際、ビスコースの熟成温度が20℃より高く
なると、ビスコースの凝固が開始され、均一なスポンジ
孔が出来にくくなる。
【0067】そして、このスポンジ原液を、内寸600
mm×150mm×100mmをした、JIS規格SU
S304製の成型型内にバック圧3kgで圧力充填す
る。そして、80℃の水槽中で6時間保持する加熱処理
を行うことにより凝固させた後、型より抜き出す。
【0068】次いで、70℃以上の温水で脱芒硝し、得
られたスポンジ中間体を50g/Lの硫酸水溶液中に1
20分間浸漬してセルロースを再生し、更に、2.5g
/L濃度の苛性ソーダ水溶液と1.3g/L濃度の硫化
ソーダ水溶液の混合溶液に50℃で10分間浸漬し、脱
硫処理を行い、さらに、0.2g/L濃度の次亜塩素酸
ソーダ水溶液に常温で10分浸漬して脱硫・漂白処理を
した後、水洗及び乾燥を3回繰り返した。
【0069】そして、これを蓚酸処理し、所望の厚さを
3mmとした場合にその厚さよりもやや厚めの10mm
にスライスし、48℃温風にて乾燥した後、ニップロー
ラで変形を矯正し、次いで、150℃の温度で、70t
の圧力を加えことにより所望の厚さの3mmとなるよう
に圧縮する。 さらに、これを用途に合わせた大きさに
カットするとともに、施用個所に応じて創外固定器のピ
ンもしくはドレーンチューブに合わせて切り込みを入れ
ることにより、セルローススポンジからなる矩形シート
状の創部用吸収性被覆保護材とした。
【0070】次に、比較例として、上述のようにして成
形した各矩形シート状の創部用吸収性被覆保護材を創部
に施用した際の効果を確認するために、脱落繊維の付
着、変形の有無、破れの有無、及び交換作業のし
易さ、の各項目の良し悪しを、上述の補強材を含まない
圧縮したシート状のセルローススポンジからなる創部用
吸収性被覆保護材と比較評価することにより判定を行っ
た。 判定方法は、良いとするものを○印、良くはない
が問題ないとするものを△印、問題有りとするものを×
印とした3段階で評価採点することにより行い、その結
果は以下の[表2]に示す。
【0071】
【表2】
【0072】上記[表2]に示すとおり、本願発明の補
強材を含む創部用吸収性被覆保護材は、補強材を含まな
い創部用吸収性被覆保護材と同様に、創部に対する脱落
繊維の付着が無いことは勿論のこと、滲出液の吸収性も
良好で、しかも創部用吸収性被覆保護材の変形や破れか
無く保形性が確実に保護されるものであり、しかも、補
強材を含まない創部用吸収性被覆保護材に比して、変
形の有無、破れの有無、及び交換作業のし易さ、の
何れの項目においても一段と優れていることが分かる。
【0073】次に、本願発明の補強材を含まないセルロ
ーススポンジからなる可溶性の創部用吸収性被覆保護材
の具体的製造実施例を記述する。まず、前述のようにし
て、補強材を含まない圧縮したセルローススポンジを製
造する。 すなわち、重合度320のセルロース7重量
%、アルカリ6重量%を含むビスコースに対し、平均分
子量400のポリエチレングリコールを対ビスコース3
重量%、ドデシル硫酸ナトリウムを対ビスコース0.4
重量%及び、平均粒径が0.12mmである結晶芒硝を
対セルロース65倍重量になるよう添加し、混合するこ
とによりスポンジ原液を作製し、このスポンジ原液を、
内寸200mm×200mmをした耐熱ポリ塩化ビニル
製の皿状容器内に、所望の厚さを3mmとした場合にそ
の厚さよりもやや厚めの10mm程度となるように充填
する。そして、40℃の水槽中で60分間保持し、次い
で、90℃の水槽中で120分間保持することからなる
加熱処理を行うことにより凝固させた後、型より抜き出
す。
【0074】次いで、90℃以上の沸水で脱芒硝し、得
られたスポンジ中間体を50g/Lの硫酸水溶液中に1
20分間浸漬してセルロースを再生し、更に、2.5g
/L濃度の苛性ソーダ水溶液と1.3g/L濃度の硫化
ソーダ水溶液の混合溶液に50℃で10分間浸漬し、脱
硫処理を行った。 そして、0.2g/L濃度の次亜塩
素酸ソーダ水溶液に常温で10分浸漬して脱硫・漂白処
理をした後、水洗及び乾燥し、150℃の温度で、8.
0MPaの圧力を加えことにより所望の厚さの3mmと
なるように圧縮する。
【0075】このようにして製造した補強材を含まない
圧縮したセルローススポンジ40gを3000mLの回
転式反応容器に入れ、これに46%水酸化ナトリウム水
溶液の37容量と95%エタノール63容量とからなる
水酸化ナトリウムのエタノール溶液1500mLを加
え、よく浸潤させて25℃で2時間攪拌した。 次に、
この反応液中に、モノクロロ酢酸300gを99.5%
エタノール450mLに溶解したモノクロロ酢酸反応性
溶液900mLを加え、50℃で4〜18時間程度攪拌
した。 反応終了後、得られたセルローススポンジを含
む液の水素イオン濃度(pH)を20%塩酸で7.0に
調整し、さらにセルローススポンジ中のNaClの含有
量が1%以下になるまで70〜95%エタノール水溶液
にて洗浄した。かくして処理されたセルローススポンジ
を乾燥し、さらに、これを用途に合わせた大きさにカッ
トするとともに、施用個所に応じて創外固定器のピンも
しくはドレーンチューブに合わせて切り込みを入れ、滅
菌し、補強材を含まないセルローススポンジからなる矩
形シート状の可溶性の創部用吸収性被覆保護材とした。
【0076】そして、試験例1として、上述の手段にて
得られる可溶性の創部用吸収性被覆保護材のカルボキシ
メチル基の置換度(エーテル化度)が0.5〜1.0未
満であることを確認するために、モノクロロ酢酸反応性
溶液との攪拌時間に対応するエーテル化度の測定をそれ
ぞれ行った。 測定方法は、上記実施例にてモノクロロ
酢酸の反応性溶液との攪拌を2、4、8、14、18時
間行うことによりそれぞれ製造したそれぞれの可溶性の
創部用吸収性被覆保護材の1gを細かく切り、すり合せ
三角フラスコ(50mL)中に入れ、硝酸メタノール溶
液25mL(メタノール100mLと硝酸10mLの混
合液)を加えて1時間振とうする。 次いで、ガラスフ
ィルター(G3)で吸引ろ過することにより試料をトラ
ップし、800g/Lメタノール溶液(無水メタノール
100mLと水20mLの混合液)120mL(40m
L×3回)で試料を洗浄し、最後に無水メタノール25
mLで洗浄後、吸引ろ過し、フィルター上の試料を10
5℃で2時間乾燥する。さらに、水素型となった試料
0.2gを精密に秤量し、すり合せ三角フラスコ(10
0mL)に入れ800g/Lメタノール8mL及び0.
1mol/L水酸化ナトリウム標準液20mLを加え2
5℃で30分間振とうし、水素型の試料をナトリウム型
にする。 そして、過剰の水酸化ナトリウムを規定度既
知の0.05mol/Lの硫酸でフェノールフタレイン
を指示薬として滴定することにより行った。 測定した
結果を[表3]に示す。
【0077】
【表3】
【0078】上記[表3]に示す結果の通り、モノクロ
ロ酢酸との反応時間が約4時間以上で、置換度0.5以
上の可溶性の創部用吸収性被覆保護材を製造することが
出来る。 従って、モノクロロ酢酸との反応時間を制御
することによりカルボキシメチル基の置換度を制御でき
ることが分かる。
【0079】次に、本願発明の補強材を含むセルロース
スポンジからなる可溶性の創部用吸収性被覆保護材の具
体的製造実施例を記述する。まず、前述のようにして、
補強材を含む圧縮したセルローススポンジを製造する。
すなわち、重合度1000のパルプを18.8%水酸
化ナトリウム(NaOH)中に1時間浸漬して膨潤させ
た後、粉砕して18℃で12時間空気中の酸素と反応さ
せることにより老成する。 このとき、温度が低いとセ
ルロースの重合度が十分に下がらず固いスポンジとな
り、また、温度が高いと重合度が下がりすぎて強度が弱
く脆いスポンジとなる。 次いで、これを空気中で二硫
化炭素と反応させセルロースキサントゲン酸ナトリウム
にし、さらに、水、水酸化ナトリウム、繊維長20mm
をした綿からなる補強材を加えてアルカリ濃度7.8%
で溶解しビスコースにする。 このように調整したビス
コースは、重合度500のセルロース8重量%、アルカ
リ8重量%を含む。
【0080】以上のように調整したビスコースは18℃
で10時間熟成させた後、平均分子量500ポリエチレ
ングリコールを対ビスコース4重量%、ドデシル硫酸ナ
トリウムを対ビスコース0.5重量%及び、平均粒径が
1mmである結晶芒硝を対セルロース70倍重量になる
よう添加し、混合することによりスポンジ原液とする。
この際もまた、ビスコースの熟成温度が20℃より高く
なると、ビスコースの凝固が開始され、均一なスポンジ
孔が出来にくくなる。
【0081】そして、このスポンジ原液を、内寸600
mm×150mm×100mmをした、JIS規格SU
S304製の成型型内にバック圧3kgで圧力充填す
る。そして、80℃の水槽中で6時間保持する加熱処理
を行うことにより凝固させた後、型より抜き出す。
【0082】次いで、70℃以上の温水で脱芒硝し、得
られたスポンジ中間体を50g/Lの硫酸水溶液中に1
20分間浸漬してセルロースを再生し、更に、2.5g
/L濃度の苛性ソーダ水溶液と1.3g/L濃度の硫化
ソーダ水溶液の混合溶液に50℃で10分間浸漬し、脱
硫処理を行い、さらに、0.2g/L濃度の次亜塩素酸
ソーダ水溶液に常温で10分浸漬して脱硫・漂白処理を
した後、水洗及び乾燥を3回繰り返した。
【0083】さらに、これを蓚酸処理し、所望の厚さを
3mmとした場合にその厚さよりもやや厚めの10mm
にスライスし、48℃温風にて乾燥した後、ニップロー
ラで変形を矯正し、次いで、150℃の温度で、70t
の圧力を加えことにより、所望の厚さの3mmとなるよ
うに圧縮する。
【0084】このようにして製造した補強材を含む圧縮
したセルローススポンジ40gを3000mLの回転式
反応容器に入れ、これに46%水酸化ナトリウム水溶液
の37容量と95%エタノール63容量とからなる水酸
化ナトリウムのエタノール溶液1500mLを加え、よ
く浸潤させて25℃で2時間攪拌した。 次に、この反
応液中に、モノクロロ酢酸300gを99.5%エタノ
ール450mLに溶解したモノクロロ酢酸反応性溶液9
00mLを加え、50℃で4〜18時間程度攪拌した。
反応終了後、得られたセルローススポンジを含む液の
水素イオン濃度(pH)を20%塩酸で7.0に調整
し、さらにセルローススポンジ中のNaClの含有量が
1%以下になるまで70〜95%エタノール水溶液にて
洗浄した。かくして処理されたセルローススポンジを乾
燥し、さらに、これを用途に合わせた大きさにカットす
るとともに、施用個所に応じて創外固定器のピンもしく
はドレーンチューブに合わせて切り込みを入れ、滅菌
し、補強材を含むセルローススポンジからなる矩形シー
ト状の可溶性の創部用吸収性被覆保護材とした。
【0085】そして、試験例2として、上述の手段にて
得られる可溶性の創部用吸収性被覆保護材のカルボキシ
メチル基の置換度(エーテル化度)が0.5〜1.0未
満であることを確認するために、モノクロロ酢酸反応性
溶液との攪拌時間に対応するエーテル化度の測定をそれ
ぞれ行った。 測定方法は、前述の補強材を含まないセ
ルローススポンジからなる矩形シート状の可溶性の創部
用吸収性被覆保護材の製造にかかる実施例で述べた試験
例1と同様にして行った。 測定した結果を[表4]に
示す。
【0086】
【表4】
【0087】上記[表4]に示す結果の通り、前述の補
強材を含まないセルローススポンジからなる矩形シート
状の可溶性の創部用吸収性被覆保護材の場合と同様に、
モノクロロ酢酸との反応時間が約4時間以上で、置換度
0.5以上の可溶性の創部用吸収性被覆保護材を製造す
ることが出来た。 従って、補強材を含むセルロースス
ポンジの場合も、モノクロロ酢酸との反応時間を制御す
ることによりカルボキシメチル基の置換度を制御できる
ことが分った。
【0088】次に、試験例3として、本願発明の可溶性
の創部用吸収性被覆保護材についての可溶性を確認する
ために、上記実施例にて製造した補強材を含むセルロー
ススポンジからなる可溶性の創部用吸収性被覆保護材
(モノクロロ酢酸との反応時間が14時間のもの)の
0.95%食塩水と純水に対する可溶性を測定した。
測定方法は、可溶性の創部用吸収性被覆保護材1gを
(1w/v%になるように)、100mLの0.95%
食塩水及び水に添加し、25℃で攪拌しながら、目視で
不溶物が消失するまでの時間を観察した。 その結果を
[表5]に示す。
【0089】
【表5】
【0090】上記[表5]に示す結果の通り、本願発明
の可溶性の創部用吸収性被覆保護材は、水にも食塩水に
も確実に、かつ、速やかに完全に溶解するものであるこ
とが分かる。 すなわち、補強材を含む場合でも、セル
ロースからなる補強材を選択することで、補強材もカル
ボキシメチル化され、水にも食塩水にも確実に溶解する
ようになる。 したがって、可溶性の創部用吸収性被覆
保護材を創傷部に適用した場合、創傷部の炎症等を惹起
する危険性のある不溶性の異物が残存することは無い。
【0091】次に、試験例4として、本願発明の補強材
を含むセルローススポンジからなる可溶性の創部用吸収
性被覆保護材を、ビーグル犬(4匹)を用いた実験的な
創外固定でのピン刺入部に施用した際の止血効果と創傷
治癒効果について調べた。全身麻酔下に、ビーグル犬の
左脛骨に創外固定器を装着した後、骨幹部を骨切りし
た。 手術終了後に、図2(ロ)に示したようにY字ス
リットを入れた可溶性の創部用吸収性被覆保護材を用い
て、近位あるいは遠位のピン刺入部を被覆した(各n=
2)。 対照として、補強材を含む圧縮したシート状の
セルローススポンジからなる創部用吸収性被覆保護材を
用いた。 このように、各ピン刺入部を被覆した後、創
外固定器ごと包帯で巻き上げ保護し、術後2〜3日に1
回目の包帯交換を、5〜7日に2回目の包帯交換を行っ
た。 そして、包帯交換毎に、各創部用吸収性被覆保護
材を新しいものに交換し、ピン刺入部の止血効果及び創
傷治癒効果を調べた。 止血効果及び創傷治癒効果は、
ピン刺入部の新鮮出血の程度及び創収縮の程度を指標と
した。 ピン刺入部の新鮮出血の程度及び創収縮の程度
を、グレードが高いほど効果が認められるように、4グ
レード(I〜IV)に分類した。 新鮮出血の程度は、創
外固定器のピン(直径4mm)の断面積に対する新鮮出
血部の面積比で表した。 すなわち、新鮮出血部位の面
積がピン断面積の2倍以上をグレードI、ピン断面積の
1倍以上2倍未満をグレードII、ピン断面積の0.5倍
以上1倍未満をグレードIII、新鮮出血部位を認めない場
合をグレードIVとした。 創収縮の程度は、創外固定器
のピンの直径に対する創幅で表した。 創幅の測定は、
ピンを刺入する際に切開を加えた方向とは直角方向の創
幅を、刺入したピンの辺縁近傍で行った。 創幅がピン
直径の1.5倍以上をグレードI、ピン直径の1倍以上
1.5倍未満をグレードII、ピン直径の0.5倍以上1
倍未満をグレードIII、ピン直径の0.5倍未満をグレー
ドIVとした。 各包帯交換時のグレード観察で、前観察
日(1回目の包帯交換では手術当日が該当し、2回目の
包帯交換では1回目の包帯交換日が該当する)でのグレ
ード観察結果と比較し、グレードが1段階上がった場合
に1点、2段階上がった場合に2点、3段階上がった場
合を3点として数値化し、効果を判定した。 各判定結
果は、ビーグル犬1個体での遠位側および近位側のピン
刺入部各3箇所の合計点を算出し、さらにビーグル犬個
体数(遠位側および近位側ともn=2)の平均値で表し
た。 そして、創外固定器の遠位側ピン刺入部における
判定結果を[表6]に、また、創外固定器の近位側ピン
刺入部における判定結果を[表7]にそれぞれ示す。
なお、2回目包帯交換持の判定結果は、1回目包帯交換
持の判定結果を持ち点として加算し、数値化したもので
ある。
【0092】
【表6】
【0093】
【表7】
【0094】上記[表6]に示すように、創外固定器の
遠位側ピン刺入部での観察で、本願発明の可溶性の創部
用吸収性被覆保護材は、補強材を含む圧縮したシート状
のセルローススポンジからなる創部用吸収性被覆保護材
に比較し、1回目の包帯交換時判定において、止血効果
及び創傷治癒効果の両方でやや優れた結果を得た。一
方、上記[表7]に示すように、創外固定器の近位側ピ
ン刺入部での観察で、本願発明の可溶性の創部用吸収性
被覆保護材は、補強材を含む圧縮したシート状のセルロ
ーススポンジからなる創部用吸収性被覆保護材に比較
し、全ての包帯交換時の判定において、一段と優れた止
血効果及び創傷治癒効果を示した。
【0095】なお、創外固定器の遠位及び近位側のピン
刺入部での滲出液の量は、一般に近位側の方が多いとさ
れる。 それは、遠位側に比較し近位側の方が、筋肉等
の軟部組織に富むことが原因している。 このような、
滲出液の量が多い創傷部位においても、本願発明のセル
ローススポンジを構成するグルコース単位中の水酸基を
置換度(エーテル化度)が0.5〜1.0未満となるよ
うに部分的にカルボキシメチル化したセルロース繊維か
らなる可溶性の創部用吸収性被覆保護材は、補強材を含
む圧縮したシート状のセルローススポンジからなる創部
用吸収性被覆保護材の持つ良好な吸収性に加え、創傷部
からの滲出液により溶解し、優れた創部の止血効果並び
に創傷治癒効果を示すことが判明した。
【0096】
【効果】以上のように本願発明の圧縮された創部用吸収
性被覆保護材は、吸収性及び保液性に一層優れているた
め、従来のセルローススポンジを用いた薄厚シート状の
創部用吸収性被覆保護材と同様に、滲出液の多いケース
に特に有効であり、創部から滲出液が漏れを生じて衣服
やシーツ等を汚して不衛生なものとしてしまったり、滲
出液の漏れを防ぐために頻繁に交換しなければならない
とう煩わしさを解消することが出来ることは勿論のこ
と、密度が濃く強度が増したものとなることから、創部
からの滲出液を必要以上に多く吸収した場合でも、保形
性が劣って柔軟なものとなり、該創部用吸収性被覆保護
材の創部からの取り外し時に変形してその作業がし辛く
なってしまったり、その破れを生じてしまう恐れをなく
すことが出来ることとなる。
【0097】また、本願発明の圧縮された創部用吸収性
被覆保護材は、吸収性及び保液性等の各効果を高めるた
めに単に用いるセルローススポンジの厚みを増すこと、
すなわち、使用するセルローススポンジを増量したもの
ではなく、さらに圧縮することにより当初の特定形状
(すなわち、シート状)を維持することとしたものであ
るので、使用するセルローススポンジを増量することで
厚みが増して立体的になってしまう場合の創部への装着
し辛さや、ピンセットを用いて操作している間に滅菌済
みの創部用吸収性被覆保護材が他所に触れて汚染等され
てしまう恐れを防ぐことが出来、該創部用吸収性被覆保
護の装着作業を、スムーズにかつ、清潔に行うことが出
来ることとなる。
【0098】しかも、補強材を含むセルローススポンジ
の場合、スポンジ原液に含まれる芒硝の粒径を大きく、
具体的には0.5mm〜1.5mmの範囲とすることに
より、スポンジを構成する気孔(セル)の径が適度に大
きくなり、粘性の高い液体でも吸収しやすくなる。
【0099】また、本願発明の圧縮された創部用吸収性
被覆保護材は、上述した通り、使用するセルローススポ
ンジを増量したにも関わらず、従来のセルローススポン
ジを用いた薄厚シート状の創部用吸収性被覆保護材と同
様に、保形性を有する薄厚シート体であるので、例え
ば、創外固定器のピンのピン刺入部に装着する場合で
も、切り込みが形成された創部用吸収性被覆保護材を該
ピンに向かって差し込むように装着することで簡単に固
定することができることとなるとともに、たとえ、創部
が腫脹していたとしても痛みを伴わせたり、圧痕を形成
することなく、容易に装着・固定することが出来るとい
った従来の効果を損なってしまうことも無い。そして、
切り込みが形成された創部用吸収性被覆保護材は、上記
創外固定器のピンへの装着・固定に限らず、ドレーンチ
ューブ、気管切開チューブ、又はへその緒等に対する装
着・固定にも何ら支障を及ぼすものでもない。
【0100】また、本願発明の圧縮された創部用吸収性
被覆保護材は、補強材を用いた場合であってもその種類
や形態を選択することで、補強材を用いない場合と同様
に、脱落繊維が発生し難いもの(リントフリー)とする
ことが出来る。
【0101】さらに、本願発明の圧縮かつカルボキシメ
チル化された可溶性の創部用吸収性被覆保護材は、上述
の圧縮した創部用吸収性被覆保護材が有する優れた操作
性及び吸収性に加え、創傷部からの滲出液により溶解す
ることで、優れた創部の止血効果並びに創傷治癒効果を
示すので、滲出液が多い創傷部の被覆に特に有効であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)及び(ロ)本願発明の創部用吸収性被覆
保護材の施用方法を示す説明図。
【図2】(イ)本願発明の切り込みを有する創部用吸収
性被覆保護材を示す正面図、(ロ)本願発明の切り込み
を有する他の創部用吸収性被覆保護材を示す正面図、
(ハ)本願発明の切り込みを有する他の創部用吸収性被
覆保護材を示す正面図、(ニ)本願発明の切り込みを有
する他の創部用吸収性被覆保護材を示す正面図、(ホ)
本願発明の切り込みを有する他の創部用吸収性被覆保護
材を示す正面図。
【符号の説明】
A・・・・・・・・・・・・脚部 P・・・・・・・・・・・・創外固定器のピン 1,11,21,31,41・・・創部用吸収性被覆保
護材 2・・・・・・・・・・・・線状切り込み 3,3′・・・・・・・・・挿通孔 4,4′・・・・・・・・・放射状切り込み 5,5′・・・・・・・・・開口切り込み 6・・・・・・・・・・・・導入切り込み 10・・・・・・・・・・・・セルローススポンジ 10a・・・・・・・・・・・端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徐 吉夫 東京都文京区湯島1丁目12番4号、株式 会社 ホギメディカル内 (72)発明者 大西 五三男 東京都文京区本郷7丁目3番1号、東京 大学医学部整形外科内 (72)発明者 小崎 慶介 東京都文京区本郷7丁目3番1号、東京 大学医学部整形外科内 (72)発明者 小山 友里江 東京都文京区本郷7丁目3番1号、東京 大学医学部附属病院内 (56)参考文献 特開 平8−317939(JP,A) 特許3072596(JP,B2)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスコースと結晶芒硝とを主原料として混
    合した補強材を含まないスポンジ原液を、35℃乃至7
    0℃の温度範囲で熱処理を施して所望の厚さよりやや厚
    めに凝固させてセルローススポンジとする第1工程と、 得られたセルローススポンジを145℃〜155℃の温
    度で、6.0MPa〜8.0MPaの圧力を加えながら
    圧力を掛けながら圧縮する第2工程と、 さらに圧縮したセルローススポンジを水酸化ナトリウム
    水溶液で処理した後に、モノクロロ酢酸溶液と反応させ
    てセルロース分子を構成するグルコース単位中の水酸基
    を置換度が0.5〜1.0未満となるようにカルボキシ
    メチル化した天然もしくは再生セルロース繊維となした
    セルローススポンジを用いてシート状に形成してなる第
    3工程とからなることを特徴とするセルローススポンジ
    を用いた創部用吸収性被覆保護材の製造方法。
  2. 【請求項2】 ビスコースと結晶芒硝とを主原料として混
    合した補強材を含まないスポンジ原液を、35℃乃至7
    0℃の温度範囲で熱処理を施す第一の温度保持工程によ
    り流動性が無くなるまで所望の厚さによりやや厚めに凝
    固させ、引き続き90℃〜100℃の温度範囲で熱処理
    を施す第二の温度保持工程により完全に凝固させ、次い
    で凝固したセルローススポンジを洗浄、乾燥させる第1
    工程と、 得られたセルローススポンジを145℃〜155℃の温
    度で、6.0MPa〜8.0MPaの圧力を加えながら
    圧力を掛けながら圧縮する第2工程と、 さらに圧縮したセルローススポンジを水酸化ナトリウム
    水溶液で処理した後に、モノクロロ酢酸溶液と反応させ
    てセルロース分子を構成するグルコース単位中の水酸基
    を置換度が0.5〜1.0未満となるようにカルボキシ
    メチル化した天然もしくは再生セルロース繊維となした
    セルローススポンジを用いてシート状に形成してなる第
    3工程とからなることを特徴とするセルローススポンジ
    を用いた創部用吸収性被覆保護材の製造方法。
  3. 【請求項3】 天然繊維からなる補強材を含むビスコース
    と結晶芒硝とを主原料として混合したスポンジ原液を、
    75℃乃至90℃の温度範囲で熱処理を施して凝固さ
    せ、次いで、凝固したセルローススポンジを所望の厚さ
    よりやや厚めにスライスさせる第1工程と、 得られたセルローススポンジを145℃〜155℃の温
    度で、6.0MPa〜8.0MPaの圧力を加えながら
    圧力を掛けながら圧縮する第2工程と、 さらに圧縮したセルローススポンジを水酸化ナトリウム
    水溶液で処理した後に、モノクロロ酢酸溶液と反応させ
    てセルロース分子を構成するグルコース単位中の水酸基
    を置換度が0.5〜1.0未満となるようにカルボキシ
    メチル化した天然もしくは再生セルロース繊維となした
    セルローススポンジを用いてシート状に形成してなる第
    3工程とからなることを特徴とするセルローススポンジ
    を用いた創部用吸収性被覆保護材の製造方法。
  4. 【請求項4】 モノクロロ酢酸溶液とは4〜18時間反応
    させてなることを特徴とする請求項1乃至3に記載のセ
    ルローススポンジを用いた創部用吸収性被覆保護材の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 セルローススポンジを圧縮することにより
    シート状に形成した後、又は、さらに、カルボキシメチ
    ル化し精製した後、創外固定器のピンやドレーンチュー
    ブ、又は気管切開チューブ等を挿入するための切り込み
    を形成してなることを特徴とする請求項1乃至4の何れ
    かに記載のセルローススポンジを用いた創部用吸収性被
    覆保護材の製造方法。
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