JP2580136B2 - 創傷被覆保護材 - Google Patents
創傷被覆保護材Info
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- JP2580136B2 JP2580136B2 JP61268898A JP26889886A JP2580136B2 JP 2580136 B2 JP2580136 B2 JP 2580136B2 JP 61268898 A JP61268898 A JP 61268898A JP 26889886 A JP26889886 A JP 26889886A JP 2580136 B2 JP2580136 B2 JP 2580136B2
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- chitin
- sponge
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- wound covering
- covering protective
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,新規かつ有用な創傷被覆保護材に関し,さ
らに詳しくは,熱傷,採皮創,剥削創,削皮創などの皮
膚欠損傷に対し好ましく用いられるものであり,キチン
スポンジと布帛とからなる創傷被覆保護材に関するもの
である。
らに詳しくは,熱傷,採皮創,剥削創,削皮創などの皮
膚欠損傷に対し好ましく用いられるものであり,キチン
スポンジと布帛とからなる創傷被覆保護材に関するもの
である。
(従来の技術) 創傷被覆保護材としては,合成樹脂膜から構成されて
いるものと,生体組織由来のバイオロジカルドレツシン
グと総称されるものとが知られている。
いるものと,生体組織由来のバイオロジカルドレツシン
グと総称されるものとが知られている。
合成樹脂膜から構成されているものとしては,ポリウ
レタン系合成樹脂の薄いフイルムからなるもの,ポリイ
ソブチレンおよびゼラチン,ペクチン,カルボキシメチ
ルセルロースなどからなる厚い塑性膜,アクリル系ポリ
マーとゲル状多糖類とからなる寒天状の膜,シリコンの
薄膜とナイロンで織った薄膜を付けた伸縮性のある膜な
どが市販されている。また,バイオロジカルドレツシン
グとしては,豚皮の凍結乾燥品,コラーゲン繊維からな
る不織布,フイブリン膜,羊膜(分娩時に採取)や死体
皮膚などの組織が用いられており,本発明者らはキチン
スポンジを開発した(特開昭61−64256号公報)。
レタン系合成樹脂の薄いフイルムからなるもの,ポリイ
ソブチレンおよびゼラチン,ペクチン,カルボキシメチ
ルセルロースなどからなる厚い塑性膜,アクリル系ポリ
マーとゲル状多糖類とからなる寒天状の膜,シリコンの
薄膜とナイロンで織った薄膜を付けた伸縮性のある膜な
どが市販されている。また,バイオロジカルドレツシン
グとしては,豚皮の凍結乾燥品,コラーゲン繊維からな
る不織布,フイブリン膜,羊膜(分娩時に採取)や死体
皮膚などの組織が用いられており,本発明者らはキチン
スポンジを開発した(特開昭61−64256号公報)。
その他,合成高分子材料と生体由来材料とを組合せた
ものとして,シリコンまたはポリウレタンなどとコラー
ゲンとからなるものも提案されている。
ものとして,シリコンまたはポリウレタンなどとコラー
ゲンとからなるものも提案されている。
以上述べたように,複数の素材を組合せて品質の向上
を目指した創傷被覆保護材が開発されているが,キチン
と他の素材とを組合せた創傷被覆保護材に関する報告は
ない。
を目指した創傷被覆保護材が開発されているが,キチン
と他の素材とを組合せた創傷被覆保護材に関する報告は
ない。
(発明が解決しようとする問題点) 創傷被覆保護材の条件としては,適当な強靭性と弾性
を有し,創面との密着性および水蒸気,酸素の透過性が
よいなどの物理的条件と,炎症起因性,抗原性などを持
たないで,生体適合性がよく,感染防止能力があって,
さらに理想的には,積極的な治癒促進能力があればよ
い。
を有し,創面との密着性および水蒸気,酸素の透過性が
よいなどの物理的条件と,炎症起因性,抗原性などを持
たないで,生体適合性がよく,感染防止能力があって,
さらに理想的には,積極的な治癒促進能力があればよ
い。
ところが,現在用いられている創傷被覆保護材は,上
記の条件をすべて備えているものではなく,必ずしも満
足できるものではなかった。例えば,キチンスポンジは
上記のごとき諸性能に優れるものの,滲出液の多い創傷
部に使用した場合,スポンジは滲出液をよく吸収するた
め,スポンジを覆うガーゼの交換を頻繁に行わなければ
ならず,このような場合にはキチンスポンジの損傷が激
しく,より一層の耐久性が望まれていた。
記の条件をすべて備えているものではなく,必ずしも満
足できるものではなかった。例えば,キチンスポンジは
上記のごとき諸性能に優れるものの,滲出液の多い創傷
部に使用した場合,スポンジは滲出液をよく吸収するた
め,スポンジを覆うガーゼの交換を頻繁に行わなければ
ならず,このような場合にはキチンスポンジの損傷が激
しく,より一層の耐久性が望まれていた。
本発明は,キチンスポンジからなる創傷被覆保護材と
して,キチンスポンジの優れた性質を失わずに,耐久性
の改善された製品を提供することを目的とするものであ
る。
して,キチンスポンジの優れた性質を失わずに,耐久性
の改善された製品を提供することを目的とするものであ
る。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは,上記のごとき問題のないキチンスポン
ジからなる創傷被覆保護材を得るべく鋭意研究を重ねた
結果,キチンスポンジと布帛とを一体化させることによ
り,これまでのスポンジの長所を失うことなく,強度の
みを増加させることに成功し,本発明を完成した。
ジからなる創傷被覆保護材を得るべく鋭意研究を重ねた
結果,キチンスポンジと布帛とを一体化させることによ
り,これまでのスポンジの長所を失うことなく,強度の
みを増加させることに成功し,本発明を完成した。
すなわち,本発明は,キチンスポンジと布帛とからな
る創傷被覆保護材であって,該キチンスポンジは水不溶
性のキチンからなり,かつ気孔率が80%以上であり,そ
して該キチンスポンジが布帛の少なくとも一面に一体化
されて設けられてなることを特徴とする創傷被覆保護材
を要旨とするものである。
る創傷被覆保護材であって,該キチンスポンジは水不溶
性のキチンからなり,かつ気孔率が80%以上であり,そ
して該キチンスポンジが布帛の少なくとも一面に一体化
されて設けられてなることを特徴とする創傷被覆保護材
を要旨とするものである。
ここでスポンジの気孔率とは,スポンジの単位重量当
りに含まれる気孔容積の,スポンジ全体の容積に対する
割合を百分率で表示したものである。例えば,スポンジ
の容積がAcm3で,そのスポンジ内部の細孔容積がBcm3で
ある場合には,気孔率はB/A×100(%)となる。
りに含まれる気孔容積の,スポンジ全体の容積に対する
割合を百分率で表示したものである。例えば,スポンジ
の容積がAcm3で,そのスポンジ内部の細孔容積がBcm3で
ある場合には,気孔率はB/A×100(%)となる。
本発明における水不溶性のキチンとは,甲殻類,昆虫
類などの外骨格を塩酸処理ならびにカ性ソーダ処理して
タンパクおよびカルシウム分を除去することにより得ら
れるポリ(N−アセチル−D−グルコサミン),あるい
はそれらの誘導体のうち,水に溶解しないものをいう。
かかるキチンの誘導体としては,例えば,キチンのアセ
チルアミノ基の一部が脱アセチルしたもの,エーテル化
物,エステル化物,ヒドロキシエチル化物,O−エチル化
物などがあげられ,具体例として,ポリ〔N−アセチル
−6−O−(2−ヒドロキシエチル)−D−グルコサミ
ン〕,ポリ〔N−アセチル−6−O−(エチル)−D−
グルコサミン〕などがあげられる。
類などの外骨格を塩酸処理ならびにカ性ソーダ処理して
タンパクおよびカルシウム分を除去することにより得ら
れるポリ(N−アセチル−D−グルコサミン),あるい
はそれらの誘導体のうち,水に溶解しないものをいう。
かかるキチンの誘導体としては,例えば,キチンのアセ
チルアミノ基の一部が脱アセチルしたもの,エーテル化
物,エステル化物,ヒドロキシエチル化物,O−エチル化
物などがあげられ,具体例として,ポリ〔N−アセチル
−6−O−(2−ヒドロキシエチル)−D−グルコサミ
ン〕,ポリ〔N−アセチル−6−O−(エチル)−D−
グルコサミン〕などがあげられる。
本発明におけるキチンスポンジは,上記のキチンまた
はその誘導体を,80%以上の気孔率の多孔体に成形した
ものである。
はその誘導体を,80%以上の気孔率の多孔体に成形した
ものである。
本発明における布帛とは,編布,織布および不織布状
などのあらゆる形態のものを含み、その素材は,例え
ば,木綿,麻,羊毛,絹,キチンなどの天然素材,ナイ
ロン,レーヨン,ポリエステル,ビニロン,ポリエチレ
ン,ポリプロピレンなどの合成素材,あるいはステンレ
スなどの金属も含まれる。以上のような素材からなる布
帛は,低密度であることが望ましく,例えば,織布の場
合,経糸および緯糸とも1インチ間に10〜50本であるこ
とが好ましい。
などのあらゆる形態のものを含み、その素材は,例え
ば,木綿,麻,羊毛,絹,キチンなどの天然素材,ナイ
ロン,レーヨン,ポリエステル,ビニロン,ポリエチレ
ン,ポリプロピレンなどの合成素材,あるいはステンレ
スなどの金属も含まれる。以上のような素材からなる布
帛は,低密度であることが望ましく,例えば,織布の場
合,経糸および緯糸とも1インチ間に10〜50本であるこ
とが好ましい。
本発明の創傷被覆保護材は,例えば,以下に述べるよ
うに,キチンスポンジの製造工程の途中で,キチンスポ
ンジと布帛とを一体化することにより製造することがで
きる。
うに,キチンスポンジの製造工程の途中で,キチンスポ
ンジと布帛とを一体化することにより製造することがで
きる。
まず,キチンを溶解してキチンドープを得る。好まし
いキチンの溶剤としては,例えば,酢酸水溶液,蟻酸,
トリクロル酢酸とハロゲン化炭化水素との混合物,塩化
リチウムとジメチルアセトアミドとの混合物,あるいは
塩化リチウムとN−メチルピロリドンとの混合物などが
あげられる。キチンドープ中のキチンの好ましい濃度
は,用いるキチンの重合度により異なるが,一般には0.
05〜50,さらに好ましくは0.1〜25,最適には0.3〜10w/w
%の範囲である。
いキチンの溶剤としては,例えば,酢酸水溶液,蟻酸,
トリクロル酢酸とハロゲン化炭化水素との混合物,塩化
リチウムとジメチルアセトアミドとの混合物,あるいは
塩化リチウムとN−メチルピロリドンとの混合物などが
あげられる。キチンドープ中のキチンの好ましい濃度
は,用いるキチンの重合度により異なるが,一般には0.
05〜50,さらに好ましくは0.1〜25,最適には0.3〜10w/w
%の範囲である。
次いで,キチンドープに,常温で固体である水溶性高
分子,例えば,ポリビニルアルコール,ポリエチレング
リコール,ポリプロピレングリコール,寒天,デンプ
ン,タンパク質など,好ましくはポリビニルアルコール
または寒天粉末をドープ中に均一に分散させる。その
際,キチンドープと水溶性高分子の好ましい比率は,1/5
〜5/1(重量比)の範囲である。水溶性高分子が均一に
分散されたキチンドープは,型枠などに流し込んだり,
スリツト状ダイから押し出すなどの方法で好ましい形状
にし,次いで,布帛と密着させた後,凝固液中に浸漬す
る。また,布帛の片面もしくは両面に水溶性高分子を含
むキチンドープを塗布した後,凝固液中に浸漬してもよ
い。凝固液としては,例えば,水,またはメタノール,
エタノール,プロパノール,ブタノールなどのアルコー
ル類,またはアセトン,メチルエチルケトンなどのケト
ン類などが好ましい用いられる。
分子,例えば,ポリビニルアルコール,ポリエチレング
リコール,ポリプロピレングリコール,寒天,デンプ
ン,タンパク質など,好ましくはポリビニルアルコール
または寒天粉末をドープ中に均一に分散させる。その
際,キチンドープと水溶性高分子の好ましい比率は,1/5
〜5/1(重量比)の範囲である。水溶性高分子が均一に
分散されたキチンドープは,型枠などに流し込んだり,
スリツト状ダイから押し出すなどの方法で好ましい形状
にし,次いで,布帛と密着させた後,凝固液中に浸漬す
る。また,布帛の片面もしくは両面に水溶性高分子を含
むキチンドープを塗布した後,凝固液中に浸漬してもよ
い。凝固液としては,例えば,水,またはメタノール,
エタノール,プロパノール,ブタノールなどのアルコー
ル類,またはアセトン,メチルエチルケトンなどのケト
ン類などが好ましい用いられる。
凝固が終了した後,水溶性高分子を溶出除去するため
に,熱水処理を行う。熱水の温度は60〜125℃が好まし
く,処理時間は30分以上が好ましい。処理後,十分に水
洗された成形体は,布帛と一体化した含水スポンジ状で
あり,これを乾燥するには,凍結乾燥法の採用が好まし
い。なお,乾燥に先立ち,スポンジの性質を改良するた
めの処理,例えば,アルカリ処理あるいは酸無水物によ
る処理などを施すこともできる。
に,熱水処理を行う。熱水の温度は60〜125℃が好まし
く,処理時間は30分以上が好ましい。処理後,十分に水
洗された成形体は,布帛と一体化した含水スポンジ状で
あり,これを乾燥するには,凍結乾燥法の採用が好まし
い。なお,乾燥に先立ち,スポンジの性質を改良するた
めの処理,例えば,アルカリ処理あるいは酸無水物によ
る処理などを施すこともできる。
本発明の創傷被覆保護材は,キチンスポンジと布帛と
が一体化していることが特徴であり,布帛の少なくとも
一面がキチンスポンジで覆われているため,創傷部には
キチンスポンジ面が接するようにして使用すればよい。
が一体化していることが特徴であり,布帛の少なくとも
一面がキチンスポンジで覆われているため,創傷部には
キチンスポンジ面が接するようにして使用すればよい。
(実施例) 次に,実施例をあげ,本発明をさらに具体的に説明す
る。
る。
実施例1 キチン粉末(新日本化学製)3gを,8w/w%の塩化リチ
ウムを含むジメチルアセトアミド97gに室温で溶解し,
キチンドープを得た。このキチンドープに60gのポバー
ル粉末(ユニチカケミカル株式会社製,UF−170GS)を添
加して均一に分散させた。この分散液をガラス板上に2m
mの厚みに流延し,その上に木綿ガーゼをのせて十分に
圧着させた後,約25℃の流水中に浸漬した。一夜放置
後,凝固物をガラス板から剥離し,沸騰水中で5時間処
理した後,10N−NaOH水溶液中に浸漬し,120℃,60分間処
理した。水洗を繰り返した後,凍結乾燥して,ガーゼと
一体化したキチンスポンジを得た。
ウムを含むジメチルアセトアミド97gに室温で溶解し,
キチンドープを得た。このキチンドープに60gのポバー
ル粉末(ユニチカケミカル株式会社製,UF−170GS)を添
加して均一に分散させた。この分散液をガラス板上に2m
mの厚みに流延し,その上に木綿ガーゼをのせて十分に
圧着させた後,約25℃の流水中に浸漬した。一夜放置
後,凝固物をガラス板から剥離し,沸騰水中で5時間処
理した後,10N−NaOH水溶液中に浸漬し,120℃,60分間処
理した。水洗を繰り返した後,凍結乾燥して,ガーゼと
一体化したキチンスポンジを得た。
スポンジの気孔率は97%であり,エチレンオキサイド
ガス滅菌した後,創傷被覆保護材として使用したとこ
ろ,スポンジ単独のものと比較して高強度であるため,
取扱いやすく,長期の使用にも耐え,これまで困難であ
った縫合固定も可能な好ましいものであった。
ガス滅菌した後,創傷被覆保護材として使用したとこ
ろ,スポンジ単独のものと比較して高強度であるため,
取扱いやすく,長期の使用にも耐え,これまで困難であ
った縫合固定も可能な好ましいものであった。
実施例2 キチン粉末2gを,8w/w%の塩化リチウムを含むN−メ
チルピロリドン98gに室温で溶解し,キチンドープを得
た。このキチンドープに50gのポバール粉末を添加して
均一に分散させた。この分散液をガラス板上に1mmの厚
みに流延し,その上に木綿ガーゼを圧着させた後,さら
にその上に分散液を1mmの厚みに流延し,約25℃の流水
中に浸漬した。一夜放置後,凝固物をガラス板から剥離
し,沸騰水中で6時間処理した後,10N−NaOH水溶液中に
浸漬し,120℃,60分間処理した。水洗を繰り返した後,
凍結乾燥して,ガーゼの両面にキチンスポンジが密着し
た創傷被覆保護材を得た。
チルピロリドン98gに室温で溶解し,キチンドープを得
た。このキチンドープに50gのポバール粉末を添加して
均一に分散させた。この分散液をガラス板上に1mmの厚
みに流延し,その上に木綿ガーゼを圧着させた後,さら
にその上に分散液を1mmの厚みに流延し,約25℃の流水
中に浸漬した。一夜放置後,凝固物をガラス板から剥離
し,沸騰水中で6時間処理した後,10N−NaOH水溶液中に
浸漬し,120℃,60分間処理した。水洗を繰り返した後,
凍結乾燥して,ガーゼの両面にキチンスポンジが密着し
た創傷被覆保護材を得た。
スポンジの気孔率は98%であり,創傷被覆保護材とし
て好ましく使用し得るものであった。
て好ましく使用し得るものであった。
実施例3 キトサン粉末3gを,2v/v%の酢酸水溶液97gに室温で溶
解した。この溶液に50gのポバール粉末を添加して均一
に分散させた。この分散液をガラス板上に2mmの厚みに
流延し,その上にメツシユ状ナイロンを密着させ,約25
℃の1N−NaOH水溶液中に浸漬した。一夜放置後,凝固物
をガラス板から剥離し、熱水にてポバールを溶出した。
次いで,メタノールで洗浄後,メタノール950gと無水酢
酸50gの混合溶液中に浸漬し,60℃にて4時間処理した。
処理後,メタノールおよび水にて洗浄後,凍結乾燥し
て,ナイロンメツシユで補強されたキチンスポンジを得
た。
解した。この溶液に50gのポバール粉末を添加して均一
に分散させた。この分散液をガラス板上に2mmの厚みに
流延し,その上にメツシユ状ナイロンを密着させ,約25
℃の1N−NaOH水溶液中に浸漬した。一夜放置後,凝固物
をガラス板から剥離し、熱水にてポバールを溶出した。
次いで,メタノールで洗浄後,メタノール950gと無水酢
酸50gの混合溶液中に浸漬し,60℃にて4時間処理した。
処理後,メタノールおよび水にて洗浄後,凍結乾燥し
て,ナイロンメツシユで補強されたキチンスポンジを得
た。
スポンジの気孔率は96%であり,創傷被覆保護材とし
て好ましく使用し得るものであった。
て好ましく使用し得るものであった。
比較例1 本発明の創傷被覆保護材と,キチンスポンジとの耐久
性を比較した。
性を比較した。
キチンスポンジとしては,実施例1に記載した工程の
中で,ガラス板上に流延した分散液の上に木綿ガーゼを
圧着させる工程のみを省き,残りの工程はすべて実施例
1と同様の方法で得られたキチンスポンジを用い,本発
明の創傷被覆保護材としては,実施例1のものを用い
た。
中で,ガラス板上に流延した分散液の上に木綿ガーゼを
圧着させる工程のみを省き,残りの工程はすべて実施例
1と同様の方法で得られたキチンスポンジを用い,本発
明の創傷被覆保護材としては,実施例1のものを用い
た。
第3度熱傷(右大腿部内側)に対し,本発明の創傷被
覆保護材(10×10cm)とキチンスポンジ(10×10cm)と
を用いて,ハーフサイドテストを行った。
覆保護材(10×10cm)とキチンスポンジ(10×10cm)と
を用いて,ハーフサイドテストを行った。
すなわち,デブリートメントを行った後,創上部半面
に対してはキチンスポンジを貼付し,残りの下部半面に
は本発明の創傷被覆保護材を貼付し,それらの上からガ
ーゼをあて,包帯にて固定した。
に対してはキチンスポンジを貼付し,残りの下部半面に
は本発明の創傷被覆保護材を貼付し,それらの上からガ
ーゼをあて,包帯にて固定した。
密着性,疼痛軽減作用などはほとんど同等であった
が,ともに滲出液の吸収がよく,毎日ガーゼを交換し
た。その結果,5日目頃からキチンスポンジ単独のもの
は,その一部分がガーゼとともに剥がれるようになっ
た。しかしながら,本発明の創傷被覆保護材は,14日経
過後もしっかりとした強度を保っていた。
が,ともに滲出液の吸収がよく,毎日ガーゼを交換し
た。その結果,5日目頃からキチンスポンジ単独のもの
は,その一部分がガーゼとともに剥がれるようになっ
た。しかしながら,本発明の創傷被覆保護材は,14日経
過後もしっかりとした強度を保っていた。
以上より,本発明の創傷被覆保護材は,キチンスポン
ジ単独と比較すると,耐久性の点で大幅に改善されたも
のであることがわかる。
ジ単独と比較すると,耐久性の点で大幅に改善されたも
のであることがわかる。
(発明の効果) 本発明の創傷被覆保護材は,キチンスポンジの長所,
すなわち,吸水性,透湿性,密着性,滲出液への融解耐
性,組織との非癒着性などの性質を失うことなく,物理
的強度が飛躍的に向上したものである。したがって,取
扱いやすくなった他,これまで不可能であった縫合固定
も可能となった。
すなわち,吸水性,透湿性,密着性,滲出液への融解耐
性,組織との非癒着性などの性質を失うことなく,物理
的強度が飛躍的に向上したものである。したがって,取
扱いやすくなった他,これまで不可能であった縫合固定
も可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−64256(JP,A) 特開 昭60−261460(JP,A) 特開 昭59−51849(JP,A) 特開 昭55−58163(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】キチンスポンジと布帛とからなる創傷被覆
保護材であって,該キチンスポンジは水不溶性のキチン
からなり,かつ気孔率が80%以上であり,そして該キチ
ンスポンジが布帛の少なくとも一面に一体化されて設け
られてなることを特徴とする創傷被覆保護材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61268898A JP2580136B2 (ja) | 1986-11-11 | 1986-11-11 | 創傷被覆保護材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61268898A JP2580136B2 (ja) | 1986-11-11 | 1986-11-11 | 創傷被覆保護材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63122458A JPS63122458A (ja) | 1988-05-26 |
JP2580136B2 true JP2580136B2 (ja) | 1997-02-12 |
Family
ID=17464801
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61268898A Expired - Fee Related JP2580136B2 (ja) | 1986-11-11 | 1986-11-11 | 創傷被覆保護材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2580136B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2579610B2 (ja) * | 1990-09-28 | 1997-02-05 | 鳥取大学長 | 生体内充填剤 |
JP2002219143A (ja) * | 2001-01-25 | 2002-08-06 | Unitika Ltd | 創傷被覆材 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60261460A (ja) * | 1984-06-11 | 1985-12-24 | 株式会社 高研 | コラ−ゲンとポリ―α―アミノ酸膜から成る人工皮膚 |
JPS6152872A (ja) * | 1984-08-21 | 1986-03-15 | ユニチカ株式会社 | 創傷被覆保護材 |
JPS6164256A (ja) * | 1984-09-07 | 1986-04-02 | ユニチカ株式会社 | 創傷被覆保護材 |
JPH0669741B2 (ja) * | 1985-01-16 | 1994-09-07 | 東レ株式会社 | シ−ト状物 |
-
1986
- 1986-11-11 JP JP61268898A patent/JP2580136B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63122458A (ja) | 1988-05-26 |
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