JP6535993B2 - 時計用バンドおよび時計 - Google Patents

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Description

本発明は、時計用バンドおよび時計に関する。
優れた美的外観が求められる時計等の装飾品には、秘録各種金属材料が用いられている。
特に、ステンレス鋼は、一般に銀色の優れた外観を有するとともに、耐食性等にも優れ、Au、Ag、Pt等の貴金属に比べて安価で、硬度、機械的強度等に優れるという特長を有しているため、各種装飾品に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
装飾品に用いられているステンレス鋼には、Niを含むものが多くある。
Niは、アレルギーの原因物質として知られているが、従来から装飾品に用いられてきたステンレス鋼では、十分に安全性の高いものであると考えられてきた。
しかし、近年、REACH(Registration,Evaluation,Authorization and Restriction of CHemicals)等で、従来に比べてより厳しい安全性(Niアレルギーの生じにくさ)が求められている。
特開2006−304956号公報
本発明の目的は、ステンレス鋼が有する特長が発揮され、かつ、Niアレルギーの問題を生じにくい時計用バンド時計を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の時計用バンドは、複数個の駒を有する時計用バンドであって、
前記駒は、Niを含むステンレス鋼で構成され、1枚の板状部材を折り曲げることによって形成され、第1の部位として機能するものであり、
目視されない状態で前記駒の内部に設けられ、前記第1の部位と電気的に接続され、Mg、Al、ZnおよびFeよりなる群から選択される1種または2種以上を含む材料で構成された第2の部位を有し、
前記第2の部位は、金属箔を用いて形成されたものであることを特徴とする。
これにより、ステンレス鋼が有する特長が発揮され、かつ、Niアレルギーの問題を生じにくい時計用バンドを提供することができる。
本発明の時計用バンドでは、前記第2の部位は、膜状の材料を用いて形成されたものであることが好ましい。
これにより、比較的狭い空間であっても、好適に第2の部位を設置することができる。また、第2の部位の体積に対する表面積の割合(比表面積)を大きいものとすることができるため、第2の部位の構成成分であるMg、Al、Zn、Feを好適にイオン化させることができ、Niアレルギーの問題をより生じにくいものとすることができる。
これにより、比較的狭い空間であっても、好適に第2の部位を設置することができる。また、第2の部位の体積に対する表面積の割合(比表面積)を大きいものとすることができるため、第2の部位の構成成分であるMg、Al、Zn、Feを好適にイオン化させることができ、Niアレルギーの問題をより生じにくいものとすることができる。また、時計用バンドの安定生産や製造コストの低減の観点からも有利である。
本発明の時計用バンドでは、前記第1の部位におけるNiの含有率は、2.0質量%以上29.0質量%以下であることが好ましい。
このようにNi含有率が比較的高いステンレス鋼は、一般に、加工性に優れている。したがって、時計用バンドの生産性を高めるうえで有利である。また、このような含有率のステンレス鋼は、一般に、優れた外観を呈するものであるが、従来においては、Niの溶出が起こりやすいものであった。これに対し、本発明では、このような比較的高い含有率でNiを含む場合であっても、Niの溶出を確実に防止することができ、優れた外観と高い安全性(Niアレルギーの問題の生じにくさ)を両立することができる。すなわち、第1の部位におけるNiの含有率が前記範囲内の値である場合に、本発明の効果がより顕著に発揮される。
本発明の時計用バンドでは、前記第1の部位は、SUS304で構成されたものであることが好ましい。
SUS304は、各種ステンレス鋼の中でも、特に優れた加工性を有するとともに、優れた外観を呈するものであり、また、安価な材料であるが、従来においては、Niの溶出が起こりやすいものであった。これに対し、本発明では、第1の部位がSUS304で構成されたものであっても、Niの溶出を確実に防止することができる。したがって、SUS304が有する特に優れた特長を発揮させつつ、Niアレルギーの問題を生じにくい時計用バンドを提供することができる。
本発明の時計は、本発明の時計用バンドを備えたことを特徴とする。
これにより、ステンレス鋼が有する特長が発揮され、かつ、Niアレルギーの問題を生じにくい時計を提供することができる。
本発明の装飾品としての時計(携帯時計)の好適な実施形態を示す斜視図である。 本発明の装飾部材としての時計用バンドの好適な実施形態を模式的に示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 図2に示す時計用バンドの斜視図である。 図2に示す時計用バンドの部分断面図である。 図2に示す時計用バンドの連結装置の係合部分を示す拡大断面図である。 金属部材(第2の部位)および連結装置を駒部材に収納する様子を示した斜視図である。
本発明の装飾部材は、Niを含むステンレス鋼で構成された第1の部位と、前記第1の部位と電気的に接続され、Mg、Al、ZnおよびFeよりなる群から選択される1種または2種以上を含む材料で構成された第2の部位とを有するものである。
このような構成により、装飾部材からのNiの溶出が効果的に防止され、アレルギー等の問題の発生を防止することができる。したがって、ステンレス鋼が有する特長(例えば、優れた外観等)が発揮され、かつ、Niアレルギーの問題を生じにくい装飾部材を提供することができる。
装飾部材としては、装飾性が求められる部材であればいかなるものであってもよいが、使用時において人体に接触するものであるのが好ましい。
このような装飾部材は、一般に、装飾部材として特に高い装飾性が求められるとともに、装飾部材の構成材料によっては、汗等の影響により、アレルギー等の問題を生じやすいものであったが、本発明では、このように、使用時において人体に接触する装飾部材であっても、前述したような問題の発生を確実に防止することができる。したがって、装飾部材が使用時において人体に接触するものである場合に、本発明の効果がより顕著に発揮される。
使用時に、人体に接触する装飾部材としては、例えば、眼鏡(サングラス、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)等を含む)、イヤリング、ピアス、ネックレス、腕時計(スマートウォッチ等を含む)、ブレスレッド、指輪、アンクレット等の各種装飾品の構成部材が挙げられるが、時計用部材が好ましく、特に、時計用バンドがより好ましい。
このような部材は、人体との接触面積が比較的大きいものであるとともに、高い装飾性が求められるものであるが、本発明では、このような部材であっても、前述した効果を確実に発揮することができる。すなわち、このような部材に本発明が適用された場合に、本発明の効果がより顕著に発揮される。
以下の説明では、本発明を時計用バンドおよび当該時計用バンドを備えた時計に適用した場合について、代表的に説明する。
図1は、本発明の装飾品としての時計(携帯時計)の好適な実施形態を示す斜視図である。図2は、本発明の装飾部材としての時計用バンドの好適な実施形態を模式的に示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。図3は、図2に示す時計用バンドの斜視図である。図4は、図2に示す時計用バンドの部分断面図である。図5は、図2に示す時計用バンドの連結装置の係合部分を示す拡大断面図である。図6は、金属部材(第2の部位)および連結装置を駒部材に収納する様子を示した斜視図である。なお、図4、図5では、金属部材24の図示を省略している。
時計100は、時刻表示を行う時計本体1と、この時計本体1に連結されたバンド(時計用バンド)2とを有している。
時計本体1は、ステンレス鋼等で形成されたケース内に、ムーブメント、文字板、時刻表示針等が配置され、風防ガラス(カバーガラス)および裏蓋で防水構造に封止されている。
なお、本実施形態では、時刻をアナログ表示する時計を例示するが、時刻をデジタル表示する時計であってもよい。
バンド2は、複数個の駒21と、隣り合う駒を連結する連結装置22と、中留23とを有しており、全体として帯状をなすものである。そして、時計本体1とバンド2とによって、輪形状をなしている。
バンド2を構成する前記各部材(駒21、連結装置22、中留23)は、Niを含むステンレス鋼で構成されたものであり、第1の部位(第1の部材)として機能するものである。
第1の部位(第1の部材)におけるNiの含有率は、2.0質量%以上29.0質量%以下であるのが好ましく、5.0質量%以上29.0質量%以下であるのがより好ましく、7.0質量%以上11.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
このようにNi含有率が比較的高いステンレス鋼は、一般に、加工性に優れている。したがって、装飾部材としてのバンド2の生産性を高めるうえで有利である。
また、このような含有率のステンレス鋼は、一般に、優れた外観を呈するものであるが、従来においては、Niの溶出が起こりやすいものであった。これに対し、本発明では、後に詳述するように、第1の部材(第1の部位)とともに、第2の部材(第2の部位)を備えるものであることにより、Niの溶出を防止することができる。特に、本発明では、上記のような比較的高い含有率でNiを含む場合であっても、Niの溶出を確実に防止することができ、優れた外観と高い安全性(Niアレルギーの問題の生じにくさ)を両立することができる。すなわち、第1の部位(第1の部材)におけるNiの含有率が前記範囲内の値である場合に、本発明の効果がより顕著に発揮される。
前述したように、第1の部位(第1の部材)は、Niを含むステンレス鋼で構成されたものであればよく、第1の部位(第1の部材)を構成するステンレス鋼としては、例えば、オーステナイト系のステンレス鋼、フェライト系のステンレス鋼、マルテンサイト系のステンレス鋼、二相系(オーステナイト・フェライト系)のステンレス鋼、析出硬化系のステンレス鋼等が挙げられるが、特に、オーステナイト系のステンレス鋼であるのが好ましい。
オーステナイト系のステンレス鋼は、一般に、各種ステンレス鋼の中でも、特に優れた加工性を有するとともに、耐食性、耐熱性に優れている。また、オーステナイト系のステンレス鋼は、一般に、Niを高い含有率(例えば、6.0質量%以上28.0質量%以下)で含むものであるが、このように、比較的高い含有率でNiを含むものであっても、本発明によれば、Niの溶出を確実に防止することができる。したがって、第1の部位(第1の部材)がオーステナイト系のステンレス鋼で構成されたものである場合に、本発明の効果がより顕著に発揮される。
中でも、第1の部位(第1の部材)は、SUS304で構成されたものであるのが好ましい。
SUS304は、各種ステンレス鋼の中でも、特に優れた加工性を有するとともに、優れた外観を呈するものであり、また、安価な材料であるが、従来においては、Niの溶出が起こりやすいものであった。これに対し、本発明では、第1の部位(第1の部材)がSUS304で構成されたものであっても、Niの溶出を確実に防止することができる。したがって、SUS304が有する特に優れた特長を発揮させつつ、Niアレルギーの問題を生じにくいバンド(装飾部材)2を提供することができる。
なお、第1の部位(第1の部材)は、原料としてステンレス鋼が用いられたものであればよく、例えば、浸炭処理、窒化処理等の各種処理が施され、本来のステンレス鋼と異なる組成を有するもので構成されたものであってもよい。
<第1の部位(第1の部材)>
以下、バンド2を構成する第1の部位(第1の部材)としての駒21、連結装置22、中留23について、詳細に説明する。
駒21は、略矩形板状で、長辺の略中央には凸部211が形成されている。また凸部211とは反対側の長辺略中央には、凹部212が形成されている。凸部211の先端部分および凹部212の両側の突出部分には、長辺方向に貫通する貫通孔213がそれぞれ形成されている。凸部211の貫通孔213と凹部212の貫通孔213とは、隣接する凹部212に凸部211が係合した状態で一直線上に配置されるようになっている。
連結装置22は、図4、図5にも示すように、連結具としての連結ピン221と、駒21の内部に収納されている係合具としての係合ピン222と、この係合ピン222とともに駒21の内部に収納されている弾性部材としてのコイルばね223とを有している。
連結ピン221は、駒21の凸部211が隣接する駒21の凹部212に係合した状態で、両者の貫通孔213に共通して挿通されている。図4に示すように、連結ピン221は、略円柱状で、大径部2211と、大径部2211の中央部に形成される小径部2212とを備えている。大径部2211の両端には所定の勾配の傾斜部としての軸端テーパ部2213が形成されている。小径部2212は、大径部2211の径寸法よりも小さい径寸法に形成されている。大径部2211と小径部2212との間には、大径部2211の径寸法から小径部2212の径寸法まで所定の勾配で結ぶ傾斜部としてのテーパ部2214が設けられている。そして、小径部2212とテーパ部2214とで囲まれた空間によって係合凹部2215が形成されている。
また、駒21の内部には、係合ピン222およびコイルばね223が収納されている収納空間214が設けられている。
図5に示すように、収納空間214は、段付円柱状の空間で、中心軸が駒21の凸部211に形成された貫通孔213の軸と直交し、貫通孔213の中央に連通して形成されている。収納空間214は、円柱状空間の収納空間本体214Aと、軸方向に直交する方向の幅寸法が収納空間本体214Aの幅寸法より小さく、貫通孔213と収納空間本体214Aとを連通している円柱状空間の連通部分214Bとを備えている。
係合ピン222は、段付円筒状で、収納空間214内に軸方向へ移動可能に収納保持され、連結ピン221の係合凹部2215に係合している。係合ピン222の一端には、突出部である係合小径部2221が形成され、他端には、係合小径部2221より大きい径寸法の係合大径部2223が係合小径部2221と同軸となるように形成されている。係合小径部2221は、連通部分214Bに収納され先端が貫通孔213に出没可能に保持されている。係合小径部2221の先端には所定の勾配のテーパ状の係合テーパ部2222が形成されている。係合大径部2223は、収納空間本体214Aに収納され保持されている。
コイルばね223は、係合小径部2221が連通部分214Bに押されると、係合小径部2221の先端が貫通孔213に突出する方向へ係合ピン222を付勢するように、係合ピン222とともに収納空間214に収納保持されている。
図5に示すように、収納空間214の段付部から係合小径部2221の先端までの長さLは、収納空間214の段付部から連結ピン221の大径部2211の表面までの長さMより長く、収納空間214の段付部から連結ピン221の小径部2212の表面までの長さNより短く設定されている。ここで、長さLは、係合ピン222の段付部が収納空間214の段付部に当接している状態での長さである。また、長さMおよび長さNは、貫通孔213の連通部分214Bの反対側内面に、連結ピン221が当接している状態での長さである。
中留23は、表蓋として機能する表カバー231と、この表カバー231に連結ピンで連結された左右一対の中板232と、これら中板232に連結ピンで連結された下板233とを備え、中板232と下板233とを表カバー231の下に折り畳み自在に構成されている。
<第2の部位(第2の部材)>
駒21の内部には、Mg、Al、ZnおよびFeよりなる群から選択される1種または2種以上を含む材料で構成され、前述した第1の部材(Niを含むステンレス鋼で構成された部材)としての駒21、連結装置22、中留23に電気的に接続された第2の部材(第2の部位)としての金属部材24が設けられている。
これにより、時計用バンド2からのNiの溶出が防止されている。これは、時計用バンド2がNiの溶出しやすい環境下におかれた際に、第2の部材(第2の部位)としての金属部材24から、その構成成分であるMg、Al、Zn、Feが優先的にイオン化し、その結果として生じた電子により、第1の部材(第1の部位)からのNiの溶出(イオン化)が防止されるためである。
このように、アレルギーの原因物質等としてのNiの溶出が防止されることにより、時計100を用いた際のNiアレルギーの問題を生じにくいものとすることができる。そして、前述したような効果は、第2の部材(第2の部位)としての金属部材24を構成するMg、Al、Zn、Feがイオン化することが可能な限り発揮されるため、通常十分に長期間にわたって、Niアレルギーの問題を生じにくいものとし続けることができる。また、例えば、ダイバーズウォッチ等のように、特に過酷な条件に曝される時計においても、十分な長期間にわたって前述した効果を確実に発揮することができる。
特に、本実施形態では、第2の部材(第2の部位)としての金属部材24が、バンド2(時計100)の使用状態において、目視されない部位(駒21の内部)に設けられているため、第1の部材を構成するステンレス鋼の優れた外観を発揮させつつ、バンド2(時計100)の安全性(Niアレルギーの問題の生じにくさ)を特に優れたものとすることができる。
また、第2の部材(第2の部位)としての金属部材24は、いかなる形状のものであってもよいが、膜状(シート状)の材料を用いて形成されたものであるのが好ましい。
これにより、駒21の内部のように、比較的狭い空間であっても、好適に金属部材24を設置することができる。また、金属部材24の体積に対する表面積の割合(比表面積)を大きいものとすることができるため、金属部材24の構成成分であるMg、Al、Zn、Feを好適にイオン化させることができ、Niアレルギーの問題をより生じにくいものとすることができる。
膜状の材料としては、例えば、金属箔;湿式めっき法、乾式めっき法等の各種めっき法により形成されためっき膜;溶射により形成された溶射膜等を用いることができるが、金属箔であるのが好ましい。
これにより、前述したような効果が確実に得られるとともに、膜状の材料(金属箔)の入手が容易であり、バンド2(時計100)の安定生産や製造コストの低減の観点からも有利である。
前述したように、第2の部材(第2の部位)としての金属部材24は、Mg、Al、ZnおよびFeよりなる群から選択される1種または2種以上を含む材料で構成されたものであればよいが、金属部材24中におけるMg、Al、ZnおよびFeの含有率の和は、90.0質量%以上であるのが好ましく、95.0質量%以上であるのがより好ましい。
これにより、前述した効果がより長期間にわたって、より安定的に発揮される。
金属部材24は、前記の成分(Mg、Al、Zn、Fe)の中でも、特に、Alを主成分として含むものであるのが好ましい。
これにより、前述した効果がより顕著に発揮される。
第2の部材中におけるAlの含有率は、50質量%以上であるのが好ましく、80質量%以上であるのがより好ましく、95質量%以上であるのがさらに好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
また、時計100において、時計本体1を構成するケース、裏蓋等の部材(特に、皮膚に接触し得る部材)が、Niを含むステンレス鋼で構成されたものであり、かつ、第2の部材(第2の部位)としての金属部材24と電気的に接続されたものである場合、当該部材(時計本体1を構成する部材)が第1の部材として機能することとなり、時計100全体としてのNiの溶出をより効果的に防止することができる。したがって、時計100全体としての安全性(Niアレルギーの問題の生じにくさ)を特に優れたものとすることができる。
次に、バンド2の製造時における、駒21の連結方法について説明する。
まず、隣接する駒21の凸部211と凹部212とを係合させて両者の貫通孔213が連続する状態で、連結ピン221のいずれか一方の先端を貫通孔213に挿通する。図5に示した、長さLが長さMより長く設定されているので、連結ピン221の軸端テーパ部2213が貫通孔213に突出している係合小径部2221の係合テーパ部2222に当接される。
ここで、さらに連結ピン221を押し込むと、軸端テーパ部2213が係合テーパ部2222に当接しているので、互いに滑りながら、連結ピン221が係合小径部2221を連通部分214Bへ押圧する。すると、係合ピン222は、コイルばね223の付勢に抗して長さLが長さMになるまで移動する。そして、係合テーパ部2222が連結ピン221の外周面に接触した状態でさらに連結ピン221は挿入されて、係合凹部2215が係合小径部2221の位置になるところで、再び、係合小径部2221が突出し、係合凹部2215が係合小径部2221の先端に係合される。以下同様にして時計100のバンド2が所定の長さになるまで複数の駒21を連結していく。
このように連結された駒21において、図5に示すように、連結ピン221の係合凹部2215が係合ピン222の係合小径部2221の先端に係合された状態で、長さLが長さNより小さく設定されている。すると、連結ピン221は、係合ピン222に押圧されない状態になっている。これによって、連結ピン221が係合ピン222に係合された状態でも軸を中心に自由に回転することができるので、時計100の使用時に連結された駒21どうしが連結ピン221を軸としてスムーズに回転することができる。
また、時計100の使用時に駒21が動いて連結ピン221が貫通孔213内で移動すると、連結ピン221のテーパ部2214に係合テーパ部2222が当接され、それ以上の移動が防止される。また、連結ピン221がさらに移動して係合テーパ部2222がテーパ部2214に乗り上げた場合でも、コイルばね223の弾性力によって連結ピン221が元の位置に戻る。これにより、貫通孔213から連結ピン221の抜け落ちが防止される。
また、連結ピン221の端部を、専用工具を用いて所定の力で押し込むと、テーパ部2214が係合テーパ部2222に当接して係合小径部2221を連通部分214Bへ押圧する。すると、コイルばね223の弾性力に抗して係合ピン222が移動するので、連結ピン221を貫通孔213から抜いて、駒21を分離することができる。
連結ピン221の押し込み力は、連結ピン221の軸端テーパ部2213、テーパ部2214および係合ピン222の係合テーパ部2222の勾配を変更することにより容易に設定できる。
次に、図5を参照しつつ、内部に連結装置22および金属部材24を収納する駒21の製造方法について説明する。
連結装置22および金属部材24を収納する駒21を製造するに際しては、まず、図6中の中心線A−Aを挟んで線対称に駒21の平面形状が配列された状態に1枚の板状部材215を用意する。
用意された板状部材215の一方の面に、プレス加工によって駒21の凸部211の貫通孔213となる長手方向に直交する断面が半円状である半円溝216A、216Bおよび駒21の凹部212の貫通孔213となる半円溝217A、217B、218A、218Bを形成する。また、駒21の収納空間214となる長手方向に直交する断面が段付矩形状である矩形溝219A、219Bを形成する。ここで、矩形溝219A、219Bは、収納空間本体214Aおよび連通部分214Bとなる幅広の矩形溝2191A、2191Bおよび幅狭の矩形溝2192A、2192Bとを備えている。幅狭の矩形溝2192A、2192Bは、係合ピン222の係合小径部2221の先端が半円溝216A、216Bの内部に突出可能に形成する。
なお、前記の各種溝は、プレス成型等により板状部材215を製造する際に、板状部材215と同時に形成するものであってもよい。
そして、板状部材215の矩形溝219Aに係合ピン222およびコイルばね223を載置するとともに、板状部材215の前記溝が設けられた面(図6中の上面、駒21としたときの内面)に金属部材24を載置する。
その後、板状部材215を中心線A−Aで溝を形成した面が内部になるように折り曲げる。このとき、矩形溝219Bの平面寸法を係合ピン222およびコイルばね223を収納した矩形溝219Aの平面寸法より大きく形成することにより、中心線A−Aで折り曲げた場合に矩形溝219Bが矩形溝219Aに収納された係合ピン222およびコイルばね223に干渉することを防ぐことができる。
このようにして、内部に金属部材24を収納するとともに、貫通孔213に係合ピン222の係合小径部2221の先端が突出した駒21が形成される。
このような本実施形態によれば、以下のような効果が得られる。
(1)第1の部材と電気的に接続されるように、第2の部材としての金属部材24が設置されているため、第1の部材からのNiの溶出が効果的に防止される。
(2)特に、第2の部材としての金属部材24は、第1の部材としての駒21の内部に収納されており、バンド2(時計100)の使用状態において、視認されにくいものとなっている。したがって、装飾部材(装飾品)としての外観を犠牲にすることなく、上記のような効果が得られる。
(3)また、板状部材215には金属部材24を収容するための凹部を設けておらず、金属部材24は、外気と接触可能になっている。すなわち、金属部材24は、気密状態とならないように、第1の部材としての駒21の内部に収納されている。その結果、第2の部材としての金属部材24は、外部から駒21の内部に侵入した水分の影響で、金属部材24を構成するMg、Al、Zn、Feのイオン化が好適に進行する。
(4)係合ピン222が収納空間214の内部に収納されているので、連結ピン221が貫通孔213に挿通されているか否かに関わらず、係合ピン222は、駒21の内部に保持されている。また、コイルばね223も、収納空間214の内部に係合ピン222とともに収納されているので、駒21の内部に保持されている。したがって、係合ピン222およびコイルばね223が駒21から脱離して落下する心配がなく、効率よく連結ピン221を着脱させることができ、バンド2の長さ調整が容易である。
(5)係合ピン222の係合大径部2223が係合小径部2221より大きい径寸法で形成されているため、係合小径部2221が貫通孔213に所定の長さだけ突出した際に、係合大径部2223と収納空間本体214Aの連通部分214B側内面とが当接する。このようにして係合小径部2221の突出を所定の長さで制限することができる。
したがって、本実施形態によれば、係合小径部2221の長さを変更することで突出量を容易に設定でき、連結ピン221をスムーズに着脱することができる。
また、連結された駒21において、図5に示すように、連結ピン221の係合凹部2215が係合ピン222の係合小径部2221の先端に係合された状態で、長さLが長さNより小さく設定されているので、連結ピン221は、係合ピン222に押圧されない状態になっている。これにより、連結ピン221が係合ピン222に係合された状態でも軸を中心に自由に回転することができ、時計100の使用時に連結された駒21同士が連結ピン221を軸としてスムーズに回転することができる。
(6)本実施形態の連結装置22では、コイルばね223には特に何らかの部品を挿通させる必要がないので、駒21の厚さの制約を受けても、コイルばね223の耐久性を犠牲にすることがない。したがって、駒21を容易に薄肉化でき、また、コイルばね223の小径化、小型化が容易にできる。また、コイルばね223は、駒21の幅方向(例えば、時計の3時と9時を結ぶ方向)に直交する向きに配置されるので、駒21の幅寸法を小さくすることができ、女性用バンドにも容易に適用することができる。
(7)係合小径部2221の先端に係合テーパ部2222を有し、さらに、連結ピン221の両端に軸端テーパ部2213を有しているので、連結ピン221を貫通孔213に挿通して軸端テーパ部2213が係合テーパ部2222に当接した際、連結ピン221を押し込むと、軸端テーパ部2213と係合テーパ部2222との間に滑りが生じて、係合小径部2221が連通部分214Bへ押される。そして連結ピン221を係合凹部2215が係合小径部2221の位置になるまで挿通させることができる。
また、連結ピン221を挿通する際に係合ピン222の係合小径部2221の先端が当接する係合凹部2215の内面にテーパ部2214を有しているので、連結ピン221の係合凹部2215が係合小径部2221に係合されている状態から連結ピン221を押し込むと、テーパ部2214と係合テーパ部2222との間に滑りが生じて、係合小径部2221が連通部分214Bへ押される。そして、そのまま連結ピン221を貫通孔213から押し出すことができる。
ここで、係合テーパ部2222、軸端テーパ部2213およびテーパ部2214の勾配の設定を変更すれば、連結ピン221の押し込み力が変更するので、押し込み力が連結ピン221の着脱に最適な大きさに容易に設定することができる。
このようにして、連結ピン221を容易に着脱することができる。
(8)連結ピン221の係合凹部2215が軸に直交する方向に全周にわたって設けられているため、連結ピン221を軸周りにどの向きで貫通孔213に挿通しても係合小径部2221を係合凹部2215に係合させることができ、連結ピン221の着脱の作業効率がよい。
(9)1枚の板状部材215を折り曲げることによって駒21を形成しているため、1枚の板状部材215を駒21の形状にあらかじめ形成した後に貫通孔213および収納空間214を形成する場合と比べて、貫通孔213および収納空間214を容易に形成することができる。また、2枚の板状部材を接合して駒を形成する場合と比べて部品点数を少なくすることができ、製造時の部品管理を簡単にすることができる。また、折り曲げ加工によって板状部材215を塑性変形させるので、折り曲げた後に必ずしも接合する必要がなくなる。
また、矩形溝219Bの平面寸法を係合ピン222およびコイルばね223を収納する矩形溝219Aの平面寸法より大きく形成することにより、中心線A−Aで折り曲げた場合に矩形溝219Bが矩形溝219Aに収納された係合ピン222およびコイルばね223に干渉することを防ぐことができる。
(10)連結ピン221を貫通孔213に挿通させる際に、連結ピン221の中央に係合凹部2215が形成され、駒21の凸部211の長辺中央に係合ピン222が収納されているので、連結ピン221の両端のいずれから挿通させても、係合ピン222に係合凹部2215を係合させることができる。したがって、連結ピン221の挿入方向の制約を受けず、連結ピン221の着脱が煩雑にならない。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記のようなものに限定されるものではない。
例えば、本発明の装飾部材、装飾品では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、前述した実施形態では、時計用バンドを構成する全ての駒の内部に第2の部材としての金属部材が収納されている場合について代表的に説明したが、時計用バンドを構成する複数の駒のうち一部の駒についてのみ金属部材が設けられていてもよい。
また、前述した実施形態では、第2の部位が駒の内部に収納されている場合について代表的に説明したが、第2の部位は、駒の内部以外の部位(例えば、中留の表面等)に設置されるものであってもよい。
また、第2の部位は、例えば、時計本体(例えば、ケースの内部等)等、時計用バンド以外の部位に設置されたものであってもよい。例えば、第2の部位(第2の部材)は、ケースとベゼルとの間等に設置されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、第2の部位(第2の部材)が膜状をなすものである場合について代表的に説明したが、第2の部位(第2の部材)の形状は、特に限定されず、いかなる形状であってもよい。
また、前述した実施形態では、第2の部位(第2の部材)は、第1の部位(第1の部材)とは独立した部材として用意し、これらを接触させることにより、電気的に接続するものとして説明したが、第2の部材は、例えば、各種気相成膜法や溶射等の方法により、第1の部材と接合したものとして設けられたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、装飾部材(装飾品)が人体に接触して用いられるものである場合について、中心的に説明したが、本発明において、装飾部材、装飾品は、人体に接触して用いられるものでなくてもよい。懐中時計や置時計、掛け時計等の腕時計以外の時計であってもよい。
また、前述した実施形態では、装飾品が複数の装飾部材で構成されたものである場合について代表的に説明したが、本発明において、装飾品は、単一の装飾部材で構成されたものであってもよい。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
[1]時計用バンドの製造
(実施例1)
前記実施形態で説明した方法に従い(図6参照)、複数の駒の内部に金属部材(第2の部材)が収納された、図2〜図5に示すような時計用バンドを製造した。
なお、第1の部材としての駒、連結装置および中留としては、オーステナイト系のステンレス鋼であるSUS304(Ni含有率:9.1質量%)で構成されたものを用いた。
また、第2の部材としての金属部材としては、厚さ:12μmのアルミ箔(Al含有率:99質量%以上)を用いた。
製造された時計用バンドにおいては、金属部材(第2の部材)は、視認できないものであった。
このようにして、12個の時計用バンドを製造した。
(実施例2)
時計用バンドを構成する複数の駒のうち半数の駒についてのみ内部に金属部材(第2の部材)を設置した以外は、前記実施例1と同様にして時計用バンドを製造した。
(実施例3)
時計用バンドを構成する複数の駒のうち1つの駒についてのみ内部に金属部材(第2の部材)を設置した以外は、前記実施例1と同様にして時計用バンドを製造した。
(実施例4)
前記実施形態で説明した方法に従い(図6参照)、複数の駒の内部に金属部材(第2の部材)が収納された、図2〜図5に示すような時計用バンドを製造した。
なお、第1の部材としての駒、連結装置および中留としては、オーステナイト系のステンレス鋼であるSUS304(Ni含有率:9.1質量%)で構成されたものを用いた。
また、第2の部材としての金属部材としては、厚さ:12μmのアルミニウムの蒸着膜(Al含有率:99質量%以上のもの)を、成膜する部分に穴の開いたマスクを介して第1の部材に直接Al蒸着パターン(箔と同じ形状)を成膜した。
製造された時計用バンドにおいては、金属部材(第2の部材)は、視認できないものであった。
このようにして、12個の時計用バンドを製造した。
(実施例5)
時計用バンドを構成する複数の駒のうち半数の駒についてのみ内部に金属部材(第2の部材)を設置した以外は、前記実施例4と同様にして時計用バンドを製造した。
(実施例6)
時計用バンドを構成する複数の駒のうち1つの駒についてのみ内部に金属部材(第2の部材)を設置した以外は、前記実施例4と同様にして時計用バンドを製造した。
(比較例1)
時計用バンドを構成する複数の駒について、いずれも、金属部材を設置しなかった以外は、前記実施例1と同様にして時計用バンドを製造した。
[2]評価
[2.1]外観評価
前記各実施例および比較例で製造した時計用バンドについて、製造直後に目視による観察を行い、以下の基準に従い評価した。
A:ステンレス鋼が本来有している質感が発揮されており、非常に優れた外観を有する。
B:ステンレス鋼が本来有している質感が発揮されておらず、外観に劣る。
[2.2]Niの溶出量の評価
まず、1000mLのビーカー内に、脱イオン水(イオン交換水):900mLを投入し、そこへ尿素:1.00gと、塩化ナトリウム:5.00gと、乳酸1.00gとを加え、これらが溶解するまで撹拌し、試験液を得た。
次に、ビーカー内の試験液に、pH電極を浸漬氏、撹拌を継続しながら、pH5.5となるまで、1Mの水酸化ナトリウム水溶液を1滴ずつゆっくりと滴下した。
その後、さらに、pH6.5に到達して安定するまで、0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液を1滴ずつゆっくりと滴下した。
最後の0.1Mの水酸化ナトリウム水溶液の液滴を滴下してから10分経過した後に、試験液のpHを測定し、pHが6.5±0.05の範囲内の値であることを確認した。
以上の操作(試験液の調製)は、いずれも室温(25℃)の環境下にて行った。
その後、上記のようにしてpHが調整された試験液を密閉容器内で加温することにより、液温を30℃とした。
次に、液温が調整された試験液を所定の容器に移し、前記各実施例および比較例について、それぞれ、3個の時計用バンドを樹脂製のホルダー(Niを含まないもの)に吊り下げて、前記試験液に、完全に浸漬させた。
その後、ゴム製の蓋で、前記容器を密閉し、サーモスタット制御の水槽で、30℃の条件で168時間静置した。
容器内の試験液の量は、59mL(時計用バンドの表面積1cm当たり1mL)とした。
時計用バンドの試験液への浸漬から168時間経過後に、試験液からゆっくりと時計用バンドを取り出した。
時計用バンドを取り出した後の試験液を、希釈硝酸で洗浄済みの容量:500mLのメスフラスコに移した。
その後、ICP−MS(Agilent社製 7700x)を用いて、時計用バンドを取り出した後の試験液について、ニッケル含有率を測定した。
前記と同様の条件で、前記各実施例および比較例について、それぞれ、上記の測定の用いたものとは異なる3個の時計用バンドを用いて、反復測定を行った。
測定により求められたニッケル含有率の平均値から、ニッケルの溶出量を以下の基準に従い評価した。
A:ニッケルの溶出量が0.05μg/mL未満である。
B:ニッケルの溶出量が0.05μg/mL以上0.25μg/mL未満である。
C:ニッケルの溶出量が0.25μg/mL以上0.50μg/mL未満である。
D:ニッケルの溶出量が0.50μg/mL以上0.85μg/mL未満である。
E:ニッケルの溶出量が0.85μg/mL以上である。
[2.3]Ni溶出試験後の外観評価
前記[2.2]でNi溶出試験を行った後の前記各実施例および比較例の時計用バンドについて、目視による観察を行い、以下の基準に従い評価した。
A:ステンレス鋼が本来有している質感が発揮されており、非常に優れた外観を有する。
B:腐食等によりステンレス鋼が本来有している質感が発揮されておらず、外観に劣る。
これらの結果を表1にまとめて示す。
Figure 0006535993
表1から明らかなように、本発明では、Niの溶出が防止されており、Niアレルギーの問題がより生じにくいものであった。また、本発明では、Ni溶出試験後においても優れた外観を有するものであった。これに対し、比較例では、満足のいく結果が得られなかった。
また、第2の部材としての金属部材を、厚さ:100μmのマグネシウム合金製の膜(Al含有率:9.0質量%、Mg含有率:90質量%以上)、厚さ:50μmのZn製の膜(Zn含有率:99質量%以上)、厚さ:40μmのFe製の膜(Fe含有率:99質量%以上)に変更した以外は、前記と同様に時計用バンドを製造し、前記と同様の評価を行ったところ、前記と同様の結果が得られた。
また、SUS304(Ni含有率:9.1質量%)で構成されたケースおよび裏蓋を備える時計本体に、前記各実施例および比較例で製造した時計用バンド(時計用バンド単独での評価を行っていないもの)を取り付け、図1に示すような時計を得た。
このようにして得られた時計について、前記と同様の評価を行ったところ、前記と同様の結果が得られた。特に、時計本体を構成するケース、裏蓋等についても、Niの溶出、腐食が防止されていることが確認された。これは、ステンレス鋼で構成されたケースおよび裏蓋が第1の部位として機能しているためであると考えられる。
100……時計
1……時計本体
2……バンド(時計用バンド)
21……駒(第1の部材、第1の部位)
211……凸部
212……凹部
213……貫通孔
214……収納空間
214A……収納空間本体
214B……連通部分
215……板状部材
216A、216B……半円溝
217A、217B……半円溝
218A、218B……半円溝
219A、219B……矩形溝
2191A、2191B……矩形溝
2192A、2192B……矩形溝
22……連結装置(第1の部材、第1の部位)
221……連結ピン(連結具)
2211……大径部
2212……小径部
2213……軸端テーパ部(傾斜部)
2214……テーパ部(傾斜部)
2215……係合凹部
222……係合ピン(係合具)
2221……係合小径部(突出部)
2222……係合テーパ部(テーパ部)
2223……係合大径部(係合具本体)
223……コイルばね(弾性部材)
23……中留(第1の部材、第1の部位)
231……表カバー
232……中板
233……下板
24……金属部材(第2の部材、第2の部位)

Claims (5)

  1. 複数個の駒を有する時計用バンドであって、
    前記駒は、Niを含むステンレス鋼で構成され、1枚の板状部材を折り曲げることによって形成され、第1の部位として機能するものであり、
    目視されない状態で前記駒の内部に設けられ、前記第1の部位と電気的に接続され、Mg、Al、ZnおよびFeよりなる群から選択される1種または2種以上を含む材料で構成された第2の部位を有し、
    前記第2の部位は、金属箔を用いて形成されたものであることを特徴とする時計用バンド。
  2. 前記第2の部位は、膜状の材料を用いて形成されたものである請求項1に記載の時計用バンド。
  3. 前記第1の部位におけるNiの含有率は、2.0質量%以上29.0質量%以下である請求項1または2に記載の時計用バンド。
  4. 前記第1の部位は、SUS304で構成されたものである請求項1ないしのいずれか1項に記載の時計用バンド。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の時計用バンドを備えたことを特徴とする時計。
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