JP2001208866A - 時計外装部品 - Google Patents

時計外装部品

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JP2001208866A
JP2001208866A JP2000015155A JP2000015155A JP2001208866A JP 2001208866 A JP2001208866 A JP 2001208866A JP 2000015155 A JP2000015155 A JP 2000015155A JP 2000015155 A JP2000015155 A JP 2000015155A JP 2001208866 A JP2001208866 A JP 2001208866A
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titanium
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alloy material
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watch
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Yoshitsugu Shibuya
義継 渋谷
Masahiro Sato
雅浩 佐藤
Seiichi Hiroe
誠一 廣江
Atsushi Sato
佐藤  惇司
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Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステンレス鋼、アルミニウムおよびアルミニ
ウム合金材料、チタンおよびチタン合金材料、銅合金材
料などからなる軟質基材において、しく外観品質が優
れ、高硬度で、腐蝕が発生しない時計外装部品を提供す
ることにある。 【解決手段】 軟質基材表面にアモルファス合金薄膜を
被覆形成させることにより、表面粗れ、使用中に傷、剥
離が発生しない高耐蝕性の時計外装部品が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス鋼、ア
ルミニウムおよびアルミニウム合金材料、チタンおよび
チタン合金材料、銅合金材料からなる軟質基材表面にア
モルファス合金薄膜を被覆形成した時計外装部品に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】時計バンド、時計ケ−ス、べゼル、中
留、リュ−ズなどの時計外装部品には、ステンレス、ア
ルミニウムおよびアルミニウム合金、チタンおよびチタ
ン合金、真鍮などからなる軟質基材が使用されている
が、使用中のキズ発生などによる外観品質の低下が大き
な問題として指摘されている。これは主に、軟質基材自
身の表面硬度がビッカ−ス硬度でHv=200程度の低
硬度であることに起因するものであり、解決を目指して
種々の表面硬化処理が試みられている。
【0003】軟質基材の表面硬化法には、基材表面に被
膜を被覆形成する方法と基材自身を硬化する方法があ
る。
【0004】軟質基材表面に被膜を被覆形成する方法に
は、湿式メッキ、イオンプレ−ティングなどの手法があ
げられる。時計外装にはニッケルメッキ、ニッケルリン
メッキ、ニッケルパラジウムメッキなどが広く行われて
いるが、いずれのメッキ被膜も軟らかく使用中の傷が解
消するまでには至っていない。イオンプレ−ティングに
は硬質カ−ボン膜や窒化チタン膜などを被覆形成する手
法があげられるが、硬質カ−ボン膜を軟質基材に直接被
覆することは困難で、シリコン、ゲルマニウム、チタン
などの中間層を形成した後に被覆形成するため、界面が
多く剥離が発生しやすい。窒化チタン膜は内部応力が高
く、膜厚の厚い被膜を形成すると密着性に難点があり剥
離が発生しやすいという欠点があり、いずれも膜剥離問
題に対しては完全に解決するまでには至っていない。ま
た剥離が発生した場合には、軟質基材そのものが露出し
てしまい、この部分で腐蝕が発生し外観品質が著しく低
下し時計外装部品としての耐用が不可能となってしま
う。
【0005】軟質基材自身を硬化する方法としてはイオ
ン注入、イオン窒化、ガス窒化、浸炭などが知られてい
るが、いずれの場合も硬化処理時間が長く生産性に難点
があることや処理温度が高いため軟質基材の結晶粒が粗
大化して表面粗れが発生し外観品質が劣化する。特に表
面粗れの問題は深刻で、鏡面研磨処理を施した軟質基材
に対してガス窒化処理や浸炭処理した場合、処理後の基
材表面の結晶粒は粗大化し200〜300μmの表面粗
れが発生し鏡面が消失してしまい、後研磨加工を施して
も浸炭処理前の鏡面状態を回復することができなくな
り、外観品質の顕著な低下、劣化を引き起こす。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ステ
ンレス鋼、アルミニウムおよびアルミニウム合金材料、
チタンおよびチタン合金材料、銅合金材料などからなる
軟質基材において外観品質を著しく低下させる表面粗れ
を発生させずに、かつ使用中に傷が発生しない高硬度
で、軟質基材の腐蝕が発生しない高耐蝕性の表面処理を
施した時計外装部品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明において上記課題
を解決するために種々の表面処理を検討した結果、ステ
ンレス鋼、アルミニウムおよびアルミニウム合金材料、
チタンおよびチタン合金材料、銅合金材料などからなる
軟質基材にアモルファス合金薄膜を被覆形成することに
より、表面粗れを発生させず、使用中に傷が発生せず、
また剥離が発生しない高耐蝕性の時計外装部品が達成さ
れる。
【0008】アモルファス合金薄膜には各種の系がある
が、その特徴はいずれも被膜自身の鏡面性が高く、酸や
アルカリに対して長時間の浸漬でも腐蝕が全く発生せ
ず、機械的強度が高いことである。また軟質基材との密
着性は良好で剥離が発生することはない。本発明はこれ
らの特徴を活かして上記課題を解決させた。
【0009】
【発明の実施の形態】ステンレス鋼、アルミニウムおよ
びアルミニウム合金材料、チタンおよびチタン合金材
料、銅合金材料などの軟質基材からなる材料に対して、
冷間鍛造または熱間鍛造を施し時計バンド、時計ケ−
ス、べゼル、中留、リュ−ズなど所望の形状に加工した
後、バレル研磨、バフ研磨などの鏡面研磨処理をした時
計外装部品にRFスパッタリング法によりアモルファス
合金薄膜を被覆形成した。本発明の詳細を以下の実施例
で説明する。
【0010】(実施例1)図面を参照して本発明の実施
例を説明する。図1は時計ケ−スの断面模式図である。
軟質基材であるステンレス鋼(SUS304)基材2を
取り付けた真空装置内にアルゴンガスを導入して圧力を
2×10− 3 に保った雰囲気中で、高周波グロ−放
電を発生させて、パラジウム(Pd)40原子%、銅
(Cu)30原子%、ニッケル(Ni)10原子%、リ
ン(P)20原子%からなる合金タ−ゲットからスパッ
タリングにより厚さ1μm以上のPd−Cu−Ni−P
アモルファス合金薄膜4を被覆形成した。
【0011】(実施例2)実施例1と同様に、軟質基材
である純チタン(Ti)基材を取り付けた真空装置内に
アルゴンガスを導入した雰囲気中で、高周波グロ−放電
を発生させて、パラジウム(Pd)65原子%、ニッケ
ル(Ni)15原子%、リン(P)20原子%からなる
合金タ−ゲットからスパッタリングにより厚さ1μm以
上のPd−Ni−Pアモルファス合金薄膜を被覆形成し
た。
【0012】(比較例1)軟質基材であるステンレス鋼
(SUS304)基材表面に厚さ5μm以上のニッケル
リン(Ni−P)メッキ膜を湿式無電解メッキ法により
形成させた。
【0013】(比較例2)軟質基材である純チタン(T
i)基材を取り付けた真空装置内にモノシラン10重量
%とアルゴン90重量%からなる混合ガスを導入した雰
囲気中で、高周波グロ−放電を発生させてシリコン膜を
厚さ0.2μm以上被覆し、引き続きメタンガスを導入
した雰囲気中で硬質カ−ボン膜を厚さ1μm以上被覆形
成した。
【0014】(比較例3)軟質基材である純チタン(T
i)基材を取り付けた真空装置内に窒素ガスを導入した
雰囲気中で、加熱昇温して温度を830℃で10時間保
ちガス窒化処理により表面硬化層を厚さ20μm以上形
成した。
【0015】実施例1、実施例2、比較例1、比較例
2、比較例3で得られた軟質基材からなる時計ケ−スの
密着性、ビッカ−ス硬度、耐蝕性、鏡面性、表面粗さの
試験結果を表1に示す。
【0016】密着性は引っかき試験を行い剥離開始荷重
を測定し、剥離開始荷重400gf以上を合格とした。
硬さはビッカ−ス硬度計により測定し、負荷荷重100
gfでビッカ−ス硬度Hv=500以上を合格とした。
耐蝕性はCASS試験溶液に48時間浸漬を行い腐蝕が
全く発生しないものを合格とした。鏡面性は外観目視に
より判定した。表面粗さは表面粗さ計を使用し平均表面
粗さRaを測定し、O.4μm以下を合格とした。これ
ら5項目全てを合格したものを総合評価で合格とした。
【0017】
【表1】
【0018】実施例1のPd−Cu−Ni−Pアモルフ
ァス合金薄膜を被覆形成したステンレス鋼製の時計ケ−
スと実施例2のPd−Ni−Pアモルファス合金薄膜を
被覆形成した純チタン製の時計ケ−スの密着性、ビッカ
−ス硬度、表面粗さの値の測定結果は表1に示したよう
に合格となっており、CASS試験後も腐蝕は発生せず
鏡面性も満足している。これに対し比較例1のニッケル
リンメッキ膜を形成したステンレス鋼製の時計ケ−スで
はビッカ−ス硬度がHv350と低く、密着性にも難点
があり引っかき試験による剥離開始荷重が210gfと
低く膜の密着性が劣るのでCASS試験溶液浸漬後に腐
蝕が発生し不合格であった。比較例2の硬質カ−ボン膜
を被覆形成した純チタン製の時計ケ−スではビッカ−ス
硬度はHv600と高いが、密着性にやや難点があり引
っかき試験による剥離開始荷重が350gfで不合格で
あった。比較例3の表面をガス窒化処理による表面硬化
処理を施した純チタン製の時計ケ−スは、被膜を形成し
たわけではないので引っかき試験は未実施であるがビッ
カ−ス硬度はHv900と高いが、表面粗さRa=20
μmと顕著な表面粗れが発生していて外観は非鏡面で不
合格であった。
【0019】実施例1ではPd−Cu−Ni−Pアモル
ファス合金薄膜を、実施例2ではPd−Ni−Pアモル
ファス合金薄膜を時計外装部品に被覆形成したが、この
他にもアモルファス合金薄膜としては、Pt−Ni−
P、Zr−Al−Ni−Cu、Zr−Al−Cu、Au
−Si、Au−Ge−Si、Pt−Pd−Ni−P、A
u−Cu−Ni−Geなどがあげられる。
【0020】時計外装部品として実施例1、実施例2と
もに時計ケ−スを具体例にあげて説明したが、時計ケ−
スに限らず時計バンド、べゼル、中留、リュ−ズなど時
計外装に使用される部品であれば、いずれの部品を使用
しても実施例と同様な効果が得られる。
【0021】軟質基材として実施例1ではステンレス鋼
製、実施例2では純チタンを使用したが、軟質基材とし
てはこれらに限らず、アルミニウムおよびアルミニウム
合金、チタン合金、真鍮などの軟質基材に適用可能であ
る。
【0022】
【発明の効果】以上述べてきたように本発明によれば、
ステンレス鋼、アルミニウムおよびアルミニウム合金材
料、チタンおよびチタン合金材料、銅合金材料からなる
軟質基材からなる時計外装部品の表面にアモルファス合
金薄膜を被覆形成させることにより、表面粗れを発生さ
せず、使用中に傷が発生せず、また剥離が発生しない高
耐蝕性の時計外装部品が得られる。また本発明によって
得られた時計外装部品は予め鏡面研磨加工処理を施して
あればアモルファス合金薄膜を被覆形成後も鏡面が維持
されるため、装飾性能の高い実用域の時計外装部品の提
供が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である時計ケ−スの断面模式
図である。
【符号の説明】
2 時計ケ−ス 4 アモルファス合金薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 惇司 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼、アルミニウムおよびアル
    ミニウム合金材料、チタンおよびチタン合金材料、銅合
    金材料からなる軟質基材表面にアモルファス合金薄膜を
    被覆形成したことを特徴とする時計外装部品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN104937503A (zh) * 2012-11-06 2015-09-23 斯沃奇集团研究和开发有限公司 焊接的双金属外部钟表部件
JP2016039863A (ja) * 2014-08-12 2016-03-24 セイコーエプソン株式会社 装飾部材および装飾品

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