JP6530589B2 - 鋳造設備 - Google Patents

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Description

本発明は鋳造設備に関するものである。
特許文献1は従来の鋳造設備を開示している。この鋳造設備は、鋳型を造型する造型ラインと、鋳型に流し込む溶湯を製造する溶解ラインと、鋳型に溶湯を注湯する注湯ラインとを備えている。溶解ラインは、所要量の合金成分材と溶解炉で溶解した溶湯とを処理取鍋に投入して溶湯の成分を調整する工程と、処理取鍋の溶湯を注湯取鍋に移し替える工程とを有している。注湯ラインは注湯取鍋内の溶湯の成分が注湯すべき溶湯の成分であるか等を確認した後に注湯取鍋から鋳型に溶湯を注湯する自動注湯装置が設けられている。このため、この鋳造設備は鋳型の造型速度に対応することができるとともに、鋳型に応じた適切な溶湯を注湯することができる。
特開2012−166271号公報
しかし、特許文献1の鋳造設備は造型ラインにおいて鋳型の不良品が生じることを想定したものではない。不良品の鋳型に溶湯を注湯して鋳造すれば製品不良になる。また、不良品の鋳型に溶湯を注湯すると溶湯が漏れ出すおそれがある。仮に、鋳型の良品、又は不良品の判定結果を注湯装置に与えて、鋳型が不良品であった場合に鋳型に溶湯を注湯しないように注湯装置を自動化することが考えられる。しかし、このようにすると、注湯する溶湯成分が相違する鋳型が混在した場合、注湯取鍋内の溶湯を変更する必要が生じる等、鋳型に注湯し切れなかった溶湯が注湯取鍋内に残ってしまうおそれがある。注湯取鍋内に残った溶湯は再利用することができるが、再度、溶解等が必要になり、電気代や工数が余分に必要になる。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、溶湯を無駄なく製造し、鋳型に注湯することができる鋳造設備を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の鋳造設備は、
造型計画に基づいて鋳型を造型する造型ラインと、
前記鋳型に溶湯を流し込む注湯取鍋を有し、出湯計画に基づいて溶湯を製造する溶解ラインと、
前記溶湯を前記注湯取鍋から前記鋳型に注湯する注湯ラインとを備えている鋳造設備であって、
前記造型ラインに設置され、前記鋳型が良品、又は不良品であるかの鋳型合否判定情報を入力する入力装置と、
この入力装置への前記鋳型合否判定情報の入力順に良品と判定された前記鋳型に流し込む必要湯量を材質毎に合算していき、前記注湯取鍋の容量以下に定めた規定湯量を越えると、それら複数の前記鋳型を1ロットとするロット情報を形成するロット形成装置と、
前記ロット情報が形成された後に、鋳造品の品番、注湯される溶湯の材質、前記鋳型に流し込む必要湯量、前記入力装置に入力された前記鋳型合否判定情報に前記ロット情報を加えたデータである前記出湯計画を生成する出湯計画生成装置と
を備えていることを特徴とする。
この鋳造設備は、鋳型が良品、又は不良品であるかの鋳型合否判定情報を入力装置に入力する。そして、この鋳造設備は、ロット形成装置において、鋳型合否判定情報の入力順に良品と判定された鋳型に流し込む必要湯量を合算していき、注湯取鍋の容量以下に定めた規定湯量を越えると、それら複数の鋳型を1ロットとするロット情報を形成する。そして、この鋳造設備は、ロット情報に基づいて、出湯計画生成装置が出湯計画を生成する。このように、この鋳造設備は、鋳型合否判定情報によって良品の複数の鋳型のみを対象にしてロットにし、このロット毎の湯量を基にした出湯計画を生成する。このため、この鋳造設備は複数の鋳型からなるロット毎に注湯取鍋内の溶湯を残さずに流し込むことができる。また、この鋳造設備は溶解ラインにおいて無駄な溶湯を製造することを防ぐことができる。
したがって、本発明の鋳造設備は、溶湯を無駄なく製造し、鋳型に注湯することができる。
実施例1の鋳造設備の全体を示すブロック図である。 実施例1の鋳造設備の要部を示すレイアウト図である。 実施例1の鋳造設備の造型ライン、溶解ライン、及び注湯ラインを示すブロック図である。 実施例1及び2の造型ラインにおける各ステップを示すフローチャートである。 鋳型が良品/不良品の判定結果を入力する入力画面である。 実施例1における各種データを示し、(A)は造型計画データ、(B)は造型実績データ、(C)は出湯計画データである。 実施例2の鋳造設備の造型ライン、溶解ライン、及び注湯ラインを示すブロック図である。 実施例2における各種データを示し、(A−1),(A−2)は造型計画データ、(B−1),(B−2)は造型実績データ、(C)は出湯計画データである。 実施例2の注湯ラインに配置されたタッチパネル装置の表示画面である。
本発明の鋳造設備を具体化した実施例1及び2について、図面を参照しつつ説明する。
<実施例1>
実施例1の鋳造設備は、図1及び図2に示すように、造型ライン1、溶解ライン2、注湯ライン3、解枠ライン4、仕上げ・検査ライン5、加工ライン6を備えている。また、この鋳造設備は、図3に示すように、各ライン1,2,3を構成する各種装置を制御する複数の設備制御装置21,22,23と、各ライン1,2,3に設置した複数のタッチパネル装置31,32,33,34とを備えている。各設備制御装置21,22,23は、PC(パーソナルコンピュータ)又はPLC(プログラマブルロジックコントローラ)を利用することができる。各タッチパネル装置31,32,33,34は、データ処理機能、表示機能、及び画面に触れて操作する機能を有している。
造型ライン1は、図2に示すように、混練工程、砂入れ工程11、硬化工程12、抜型工程13、中子納め工程14、及び枠合せ工程15をこの順に実行し、砂型からなる鋳型40を造型する。これら工程は、後述する造型計画に基づき、設備制御装置21が造型ライン1を構成する各種装置の稼働を自動制御することによって、実行される。
混練工程では樹脂及び硬化剤を添加した鋳物砂41を混練する。砂入れ工程11は鋳造模型42を配置した鋳枠43内に混練した鋳物砂41を投入する。硬化工程12は鋳枠43内に投入した鋳物砂41を硬化させる。抜型工程13は鋳造模型42を鋳枠43から抜き取る。これら工程によって、下型40A及び上型40Bを別々に形成する。下型40A及び上型40Bはキャビティが形成されている。下型40Aはキャビティに連通した湯口及びガス抜き孔が貫設されている。中子納め工程14は上型40Bに形成されたキャビティに中子44を配置する。中子44は中子焼成工程及び中子組立工程を経て製造される。枠合せ工程15では、下型40Aの上に中子44を配置した上型40Bを組み合わせる。このようにして、キャビティ内に中子44を配置した鋳型40が完成する。
溶解ライン2は鋳型40のキャビティ内に流し込む溶湯を製造する。溶解ライン2は、計量工程、溶解工程、処理及び出湯工程をこの順に実行する。これら工程も後述する出湯計画に基づき、設備制御装置23が溶解ライン2を構成する各種装置の稼働を自動制御することによって、実行される。計量工程は溶解炉(電気炉)で一度に溶解する各種鋳造用金属や添加剤等を自動計量する。溶解工程は溶解炉に投入された各種鋳造用金属等を溶解する。処理及び出湯工程は、溶解炉(電気炉)内の溶湯を複数回に分けて処理取鍋に出湯し、後述する出湯計画に応じて合金成分材等を加えて成分を調整した後、処理取鍋の溶湯を注湯取鍋51に移し替える。
注湯ライン3は、造型ライン1に連続して設けられており、立体倉庫52及び自動注湯装置50を有している。立体倉庫52は後述する造型計画に基づいて造型ライン1で造型された特定の鋳型40を一時的に格納する。自動注湯装置50は、後述する出湯計画に基づき、良品と判断された鋳型40のみに注湯取鍋51から自動的に溶湯を流し込む。つまり、注湯取鍋51から鋳型40の湯口に溶湯を流し込む。注湯ライン3は鋳型40に流し込まれた溶湯を鋳型40内で徐々に冷却(徐冷)して固化させる徐冷工程を有している。これによって、鋳型40内で鋳造品が成形される。
解枠ライン4は、解枠工程、枠外徐冷工程、外部ショット工程、及び一次検査工程をこの順に実行し、鋳型40から鋳造品を取り出す。解枠工程は鋳型40を崩して鋳造品を取り出す。枠外徐冷工程は鋳型40から取り出した鋳造品を徐々に冷却する。外部ショット工程は鋳造品の外表面に付着した鋳物41砂をショットブラストによって除去する。一次検査工程は作業員の目視によって鋳造品の外表面の良否を検査する。
仕上げ・検査ライン5は、バリンダ工程、内部ショット工程、及び二次検査工程をこの順に実行する。バリンダ工程は鋳造品に形成されたバリを除去する。内部ショット工程は鋳造品の内表面に付着した鋳物砂41をショットブラストによって除去する。二次検査工程は作業員の目視によって鋳造品の良否を最終検査する。加工ライン6は、鋳造品の所定部位を切削するフライス工程等により鋳造品を加工して完成させ、出荷する。
次に、このような構成を有する鋳造設備の鋳造品の製造について説明する。
先ず、造型計画を作成する。造型計画は生産当日において鋳造する鋳造品の品番、注湯される溶湯の材質、その鋳型40に流し込む必要湯量(方案重量)等と造型順序を決めたデータ(以下、造型計画データという。)にされる(図6(A)参照)。そして、生産当日の造型計画データは、図3に示すように、造型ライン1の砂入れ工程11の近傍に設置されたタッチパネル装置31が取得する。取得した造型計画データをタッチパネル装置31に表示させることによって、作業者への生産指示とする。
そして、生産当日の造型計画データを造型ライン1に設置された設備制御装置21に転送し、造型ライン1を構成する各種装置の稼働を造型計画データに基づき自動制御する。つまり、図4に示すように、造型ライン1に設置された設備制御装置21は、造型計画データを取得する(ステップS1)と、砂入れ工程11(ステップS2)、硬化工程12(ステップS3)、抜型工程13(ステップS4)、及び中子納め工程14(ステップS5)を順次実行するように各種装置を稼働させる。
この際、中子納め工程14(ステップS5)において、作業者が鋳型40(下型40A、上型40B、及び中子44)の合否(良品か不良品か)を判定し、造型ライン1の中子納め工程14の近傍に設置されたタッチパネル装置(入力装置)32に表示された「良品」又は「不良」の操作ボタン(図5参照)を操作して鋳型合否判定情報を入力する。
タッチパネル装置32において、鋳型40が良品であるか不良品であるかを示す鋳型合否判定情報を造型計画データに追加して造型実績データが作成される(図6(B)参照)。そして、入力された鋳型合否判定情報が良品であるか不良品であるかを判定する(ステップS6)。鋳型40が良品と判定された場合(良品判定)、鋳型合否判定情報の入力順に材質毎に分かれたロット形成待ちリスト(図示せず)に追加される(ステップS7)。
そして、良品の各鋳型40に流し込む必要湯量を合算し、その湯量が注湯取鍋51の容量以下に定められた規定湯量を越えると、タッチパネル装置32はそれら複数の良品の鋳型40を1ロットとするロット情報を形成する。このように、タッチパネル装置32がロット形成装置に相当する。
例えば、図6(B)に示すように、溶湯の材質が「XXXXXX」である鋳型40であって、表の1,2,5,6行目(図6(B)の表でXで示される行)の4個の鋳型40の夫々に流し込む必要湯量の合算値が規定湯量を越え、これら鋳型40を1ロットとするロット情報が形成される。また、同様に、溶湯の材質が「XXXXXX」である表の9〜12行目(図6(B)の表でYで示される行)の4個の鋳型40を1ロットとするロット情報が形成される。一方、材質が「XXXXXX_YY」である表の3,4,7,8行目(図6(B)の表でZで示される行)は、8行目の鋳型40が不良品であったため、ロットを形成していない。ここで規定湯量は注湯取鍋51の容量と各鋳型40に流し込む必要湯量(方案重量)との関係によって決められる。例えば、注湯取鍋51の容量が1トンであり、各鋳型40に流し込む必要湯量(方案重量)が200kg〜250kgの場合、規定湯量を800kgと定めることができる。
ロット情報は注湯順序情報として設備制御装置22に転送される。造型ライン1及び注湯ライン3はその順序に従って鋳型40を自動搬送する。この例において、ロットが形成されていない3個の良品の鋳型40は、材質が「XXXXXX_YY」である新たな鋳型40が良品と判定され、合算した必要湯量が規定湯量を越えると、1ロットとされる。そして、これら3個の鋳型40は、新たな鋳型40が注湯ライン3に搬送されるまで、立体倉庫52に一時的に格納される。その後、新たな鋳型40が搬送されると、その鋳型40と共に注湯ライン3に搬送される。
また、鋳型40が不良品と判定された場合(不良品判定)、その情報を造型計画修正装置7に転送する。不良品判定情報を受けた造型計画修正装置7は、この不良品と判定された鋳型分を追加するように造型計画を修正する(ステップS12)。修正された造型計画は造型ライン1に設置された設備制御装置21に再送される。このように、鋳型40の不良品が発生した場合、造型計画を修正するだけで、容易に新たな鋳型40を補充することができる。また、鋳型40の不良品が生じると、直ぐに造型計画を修正し、その鋳型40を再度造型するようにしたため、生産当日の生産数を維持することができる。不良品と判定された鋳型40は枠合せ工程15が実行され(ステップS11)、造型ライン1から注湯ライン3へ搬送される。つまり、注湯ライン3は良品の鋳型40と不良品の鋳型40が混在して並ぶことになる。
ロット情報は出湯計画生成装置8に転送される。出湯計画生成装置8は、ロット形成待ちリストから1処理分の出湯計画を生成する(ステップS9)。そして、ロット形成待ちリストからロットを形成した鋳型40の情報が削除される(ステップS10)。そして、枠合せ工程15が実行される(ステップS11)。また、ロット情報が形成されない場合は、直接、枠合せ工程15が実行される(ステップS11)。
出湯計画は、上述したように、ロット形成装置(設備制御装置21)から出湯計画生成装置8にロット情報が転送されると、そのロット情報に基づいて生成される。つまり、出湯計画は、図6(C)に示すように、鋳造品の品番、注湯される溶湯の材質、その鋳型40に流し込む必要湯量(方案重量)、鋳型40が良品であるか不良品であるかを示す鋳型合否判定情報等にロット情報を加えたデータ(以下、出湯計画データという。)にされる。
溶解ライン2に設置されたタッチパネル装置33は、図3に示すように、出湯計画データを取得する。取得した出湯計画データをタッチパネル装置33に表示させることによって、作業者への生産指示とする。そして、出湯計画データを溶解ライン2に設置された設備制御装置23に転送し、溶解ライン2を構成する各種装置の稼働を出湯計画データに基づき自動制御する。つまり、図6(C)に示すように、ロット毎の溶湯が処理取鍋から注湯取鍋51に移し替えられる。そして、注湯ライン3において、注湯取鍋51から各ロットを構成する複数の鋳型40に溶湯が流し込まれる。また、出湯計画データは注湯ライン3に並んだ鋳型40が良品であるか不良品であるかの情報(鋳型合否判定情報)を含んでいるため、注湯取鍋51は不良品である鋳型40に溶湯を流し込まないように稼働される。
このように、この鋳造設備は、鋳型40が良品、又は不良品であるかの鋳型合否判定情報によって、良品の鋳型40のみを対象にしてロットにし、このロット毎の湯量を基にした出湯計画を生成しているため、複数の鋳型40からなるロット毎に注湯取鍋51の溶湯を残さずに流し込むことができる。また、この鋳造設備は溶解ライン2において無駄な溶湯を製造することを防ぐことができる。
したがって、実施例1の鋳造設備は、溶湯を無駄なく製造し、鋳型40に注湯することができる。
<実施例2>
実施例2の鋳造設備は、図7に示すように、一つの溶解ライン2に対し、2つの第1造型ライン1A、第2造型ライン1Bを備えており、出湯計画の生成が両造型ライン1A,1Bにおけるロット情報に基づいて生成される点が実施例1と相違する。第1造型ライン1A及び第2造型ライン1Bは実施例1の造型ライン1と同じ構成であり、溶解ライン2も実施例1の溶解ライン2と同じ構成である。なお、注湯ライン3,3及び解枠ライン4,4は両造型ライン1A,1Bに連続して夫々設けられているが、仕上げ・検査ライン5、加工ライン6は共通である。実施例1と同一の構成は同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
この鋳造設備は、第1造型ライン1A、及び第2造型ライン1B毎に造型計画を作成する。造型計画は、第1造型ライン1A、及び第2造型ライン1B毎に、生産当日において鋳造する鋳造品の品番、注湯される溶湯の材質、その鋳型40に流し込む必要湯量(方案重量)等と造型順序を決めたデータ(以下、造型計画データという。)にされる(図8(A−1),(A−2)参照)。そして、生産当日の造型計画データは、図7に示すように、両造型ライン1A,1Bの砂入れ工程11の近傍に設置されたタッチパネル装置31が取得する。取得した造型計画データをタッチパネル装置31に表示させることによって、作業者への生産指示とする。
そして、両造型ライン1A,1Bの夫々に対して作製された造型計画データを両造型ライン1A,1Bの夫々に設置された設備制御装置21に転送し、両造型ライン1A,1Bを構成する各種装置の稼働を夫々の造型計画データに基づき自動制御する。
各造型ライン1A,1Bの中子納め工程14において、作業者が鋳型40(下型40A、上型40B、及び中子44)の合否(良品か不良品か)を判定し、各造型ライン1A,1Bの中子納め工程14の近傍に設置された各タッチパネル装置(入力装置)32,32に表示された「良品」又は「不良」の操作ボタン(図5参照)を操作して鋳型合否判定情報を入力する。各造型ライン1A,1Bのタッチパネル装置32,32において、鋳型40が良品であるか不良品であるかを示す鋳型合否判定情報を造型計画に追加して造型実績データが作成される(図8(B−1),(B−2)参照)。
そして、各造型ライン1A,1Bにおいて、良品の各鋳型40に流し込む必要湯量を合算し、その湯量が注湯取鍋51の容量以下に定められた規定湯量を越えると、各造型ライン1A,1Bに設置された設備制御装置21はそれら複数の良品の鋳型40を1ロットとするロット情報を形成する。このように、各タッチパネル32,32がロット形成装置に相当する。
例えば、図8(B−1)に示すように、第1造型ライン1Aにおいて、溶湯の材質が「XXXXXX」である鋳型40であって、表の1,2,5,6行目の4個の鋳型40の夫々に流し込む必要湯量の合算値が規定湯量を越え、これら鋳型40を1ロットとするロット情報が形成される。また、図8(B−2)に示すように、第2造型ライン1Bにおいて、溶湯の材質が「XXXXXX_YY」である鋳型40であって、表の3,4,7,8行目の4個の鋳型40の夫々に流し込む必要湯量の合算値が規定湯量を越え、これら鋳型40を1ロットとするロット情報が形成される。
また、図8(B−1)に示すように、第1造型ライン1Aにおいて、溶湯の材質が「XXXXXX_YY」である鋳型40であって、表の3,4行目の2個の鋳型40は、夫々に流し込む必要湯量の合算値が規定湯量を越えていないため、ロットを形成していない。また、図8(B−2)に示すように、第2造型ライン1Bにおいて、材質が「XXXXXX」である表の1,2,5,6行目の4個の鋳型40は、6行目の鋳型40が不良品であったため、ロットを形成していない。
各造型ライン1A,1Bのロット情報は注湯順序情報として夫々の設備制御装置22にも転送される。各造型ライン1A,1B及びそれらに連続して設けられた注湯ライン3は、その順序に従って鋳型40を自動搬送する。各造型ライン1A,1Bにおいてロットが形成されていない鋳型40は立体倉庫52に一時的に格納される。これら鋳型40も、新たに同一の材質の溶湯を流し込む鋳型40が良品と判定され、合算した必要湯量が規定湯量を越えると、1ロットとされ、それら鋳型40と共に各注湯ライン3に搬送される。
また、各造型ライン1A,1Bにおいて、鋳型40が不良品と判定された場合(不良品判定)、その情報を各造型ライン1A,1Bに対応した造型計画修正装置7A,7Bに転送し、不良品が発生した造型ライン1A,1Bに対する造型計画が修正される。修正された造型計画は不良品が発生した造型ライン1A,1Bに設置された設備制御装置21に再送される。
ロット情報は出湯計画生成装置8に転送される。出湯計画生成装置8はロット情報の形成順に出湯計画を生成する。つまり、出湯計画は、図8(C)に示すように、各造型ライン1A、1Bのどちらで造型されたか、鋳造品の品番、注湯される溶湯の材質、その鋳型40に流し込む必要湯量(方案重量)、鋳型40が良品であるか不良品であるかを示す鋳型合否判定情報等にロット情報を加えたデータ(以下、出湯計画データという。)にされる。
溶解ライン2に設置されたタッチパネル装置33は、図7に示すように、出湯計画データを取得する。取得した出湯計画データをタッチパネル装置33に表示させることによって、作業者への生産指示とする。そして、出湯計画データを溶解ライン2に設置された設備制御装置23に転送し、溶解ライン2を構成する各種装置の稼働を出湯計画データに基づき自動制御する。つまり、図8(C)に示すように、ロット毎の溶湯が処理取鍋から注湯取鍋51に移し替えられる。そして、各注湯ライン3において、注湯取鍋51から各ロットを構成する複数の鋳型40に溶湯が流し込まれる。また、出湯計画データは各注湯ライン3に並んだ鋳型40が良品であるか不良品であるかの情報(鋳型合否判定情報)を含んでいるため、注湯取鍋51は不良品である鋳型40に溶湯を流し込まないように稼働される。注湯ライン3に配置されたタッチパネル装置34は、図9に示すように、出湯計画データが表示される。出湯計画にどの造型ライン1A、1Bで鋳型40が造型されたかの情報が含まれているため、各造型ライン1A,1Bの夫々に連続した注湯ライン3のどちらで注湯するかをタッチパネル装置34の表示で確認することができる。
このように、この鋳造設備は、鋳型40が良品、又は不良品であるかの鋳型合否判定情報によって、良品の鋳型40のみを対象にしてロットにし、このロット毎の湯量を基にした出湯計画を生成しているため、複数の鋳型40からなるロット毎に注湯取鍋51の溶湯を残さずに流し込むことができる。また、この鋳造設備は溶解ライン2において無駄な溶湯を製造することを防ぐことができる。
したがって、実施例2の鋳造設備も、溶湯を無駄なく製造し、鋳型40に注湯することができる。
また、一つの溶解ライン2に対して複数の造型ライン1A,1Bに連続した複数の注湯ライン3に出湯する場合でも、出湯計画を造型実績によって随時、時系列で生成するため、複数の注湯ライン3に対して容易に対応することができる。また、各造型ライン1A,1Bの稼働状況による影響を受けにくい。つまり、一つの造型ライン1Bが停止しても、出湯計画は稼働している他の造型ライン1Aの造型実績によって生成されるため、他の造型ライン1Aで造られた鋳型40に対して溶湯を製造し、稼働している造型ライン1Aに連続した注湯ライン3に対して溶湯を供給し続けることができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例1及び2では、造型計画を修正する造型計画修正装置を備えていたが、造型計画修正装置を備えなくてもよい。
(2)実施例1及び2では、出湯計画に注湯ラインに並んだ鋳型が良品であるか不良品であるかの情報を含ませたが、出湯計画にその情報を含ませなくてもよい。この場合、注湯ラインに鋳型の不良品が搬送されないようにするとよい。
(3)溶解ラインに対して3つ以上の造型ラインを設けてもよい。
(4)実施例1及び2では、鋳型に中子が収められていたが、鋳型に中子が収められていなくてもよい。
(5)実施例1及び2では、立体倉庫を有していたが、立体倉庫を有しなくてもよい。
(6)タッチパネル装置の表示形態は実施例1及び2に示した形態に限らない。
(7)実施例1及び2では、造型計画に基づいて、設備制御装置が造型ラインを構成する各種装置の稼働を自動制御したが、これら各種装置を造型計画に基づいて手動で稼働してもよい。
(8)実施例1及び2では、出湯計画に基づいて、設備制御装置が溶解ラインを構成する各種装置の稼働を自動制御したが、これら各種装置を出湯計画に基づいて手動で稼働してもよい。
1,1A,1B…造型ライン
2…溶解ライン
3…注湯ライン
7…造型計画修正装置
8…出湯計画生成装置
32…タッチパネル装置(入力装置、ロット形成装置)
40…鋳型
51…注湯取鍋

Claims (4)

  1. 造型計画に基づいて鋳型を造型する造型ラインと、
    前記鋳型に溶湯を流し込む注湯取鍋を有し、出湯計画に基づいて溶湯を製造する溶解ラインと、
    前記溶湯を前記注湯取鍋から前記鋳型に注湯する注湯ラインとを備えている鋳造設備であって、
    前記造型ラインに設置され、前記鋳型が良品、又は不良品であるかの鋳型合否判定情報を入力する入力装置と、
    この入力装置への前記鋳型合否判定情報の入力順に良品と判定された前記鋳型に流し込む必要湯量を材質毎に合算していき、前記注湯取鍋の容量以下に定めた規定湯量を越えると、それら複数の前記鋳型を1ロットとするロット情報を形成するロット形成装置と、
    前記ロット情報が形成された後に、鋳造品の品番、注湯される溶湯の材質、前記鋳型に流し込む必要湯量、前記入力装置に入力された前記鋳型合否判定情報に前記ロット情報を加えたデータである前記出湯計画を生成する出湯計画生成装置と
    を備えていることを特徴とする鋳造設備。
  2. 前記鋳型合否判定情報の不良品判定に基づいて、不良品と判定された前記鋳型分を追加するように前記造型計画を修正する造型計画修正装置を備えていることを特徴とする請求項1記載の鋳造設備。
  3. 前記注湯ラインに良品の鋳型と不良品の鋳型が混在して並んでおり、
    前記出湯計画は前記注湯ラインに並んだ鋳型が良品であるか不良品であるかの情報を含んでいることを特徴とする請求項1又は2記載の鋳造設備。
  4. 複数の前記造型ラインと一つの溶解ラインとを備えており、
    前記出湯計画は前記鋳型がどの造型ラインで製造されたかの情報を含んでいることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の鋳造設備。
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