JP6529004B2 - 階層別危険度表示システム - Google Patents
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Description
例えば、空洞又は損傷の所在位置に危険度をその度数を大きさのパラメータとして丸印の表示シンボルで表示コンソールに現すとしても、そうすると肝心の空洞又は損傷の位置と深さ範囲を表現できないのである。
地図データを前記入出力装置により受入れ、前記表示装置に地図を表示する地図表示手段と、
表示対象空洞の所在情報、天面深さ範囲を含む空洞属性情報を前記入出力装置により受入れ、該所在情報、該天面深さ範囲から空洞表示シンボルの表示属性及び表示シンボルを予め定められたルールに基づき判定する空洞表示シンボル決定手段と、
前記地図と前記空洞表示シンボルを前記表示装置に重畳表示する重畳表示手段を備え、
前記空洞表示シンボル決定手段は、予め定められた前記天面の段階的深さ基準により危険度を判定し、該危険度に応じて空洞表示シンボル表示属性を決定し、該空洞表示シンボル表示属性により予め定められた空洞表示シンボルを選択し、路面からの深さ階層別空洞表示シンボルの群として生成し、
前記地図表示手段及び前記重畳表示手段により、前記地図上の空洞所在地に、浅い深度の空洞表示シンボルを優先して階層別空洞表示シンボルの群を重畳表示することを特徴とする階層別危険度表示システム、
を提供できる。
中央処理装置と入出力装置と表示装置を備え、地図表示をするコンピュータシステムであって、
地図データを前記入出力装置により受入れ、前記表示装置に地図を表示する地図表示手段と、
表示対象空洞の空洞属性情報を入出力装置により受入れ、前記空洞属性情報に含まれる表示対象空洞の所在情報で決定される空洞探査対象面の上方から対象面へ電磁波レーダーを照射した反射波データ検出信号のアナログ/デジタル変換データを前記入出力装置により受け入れ、地中深さ階層別信号強度から段階的深さ基準による空洞天面水平断面画像のピクセル信号強度値を定める地中深さ階層別スライス画像強度決定手段と、
前記地中深さ階層別スライス画像強度決定手段の定める空洞天面水平断面画像のピクセル信号強度値から前記表示装置に表示する階層別空洞表示オブジェクトの形状を判定する階層別空洞形状表示オブジェクト決定手段と、
前記地図と前記空洞形状表示オブジェクトを前記表示装置に重畳表示する重畳表示手段とを備え、
前記階層別空洞形状表示オブジェクト決定手段は、
予め定められた前記天面の段階的深さ基準により危険度を判定し、該危険度及び空洞天面水平断面画像のピクセル信号強度値階層別空洞形状表示オブジェクトの群を生成し、
前記地図表示手段及び前記重畳表示手段により、前記地図上の空洞所在地に、浅い深度の空洞形状表示オブジェクトを優先して階層別空洞形状表示オブジェクトの群を重畳表示することを特徴とする階層別危険度表示システム、
を提供できる。
前記空洞表示シンボル決定手段及び前記階層別空洞形状表示オブジェクト決定手段は、空洞の危険度の段階に応じ、
前記空洞表示シンボル及び階層別空洞形状表示オブジェクトの色相を強調色へ段階的に変更し、もって空洞の危険度の段階に応じ、前記空洞表示シンボル及び空洞形状表示オブジェクトの視認性を、段階的に上げる階層別危険度表示システム、
を提供できる。
空洞属性情報には、表示対象空洞の所在情報、天面深さ範囲及び空洞天面の水平射影形状を楕円近似した短径寸法を含み、
前記空洞シンボル表示決定手段又は前記階層別空洞形状表示オブジェクト決定手段は、
空洞天面の深さ及び空洞天面の水平射影形状を楕円近似した短径の大きさの組合せにより、空洞天面の深度が浅いほど及び空洞天面の短径が大きいほど陥没の危険性が高いものとして、予め定められた基準により危険度を判定する階層別危険度表示システム、
を提供できる。
前記地中深さ階層別スライス画像強度決定手段は、
反射波の路面から反射面深さ範囲内で観測される反射波強度の単一値、平均値又は最大値のいずれかの一つを評価関数とする階層別危険度表示システム、
を提供できる。
中央処理装置と入出力装置と表示装置とを備え、地図表示をするコンピュータシステムであって、
地図データを前記入出力装置により受入れ、前記表示装置に地図を表示する地図表示手段と
コンクリート床版橋梁の表示対象損傷部位の損傷部位属性情報を前記入出力装置により受入れ、損傷部位属性情報に含まれる表示対象損傷部位の所在情報、路面からの損傷部位天面の深さ範囲を入力として損傷部位表示シンボルの表示属性及び表示シンボルを予め定められたルールに基づき判定する損傷部位表示シンボル決定手段と、
前記地図と前記損傷部位表示シンボルを前記表示装置に重畳表示する重畳表示手段を備え、
前記損傷部位表示シンボル決定手段は、予め定められた前記損傷部位天面の路面からの段階的深さ基準により危険度を判定し、該危険度に応じて損傷部位表示シンボル表示属性を決定し、該損傷部位表示シンボル表示属性により、予め定められた損傷部位表示シンボルの群を生成し、
前記地図表示手段及び前記重畳表示手段により、前記地図上の損傷部位所在地に、路面から浅い深度の損傷部位表示シンボルを優先して損傷部位表示シンボルの群を重畳表示することを特徴とする階層別危険度表示システム、
を提供できる。
前記損傷部位属性情報には、表示対象損傷部位の所在位置情報、路面からの損傷部位天面の深さ範囲、路面からのコンクリート床版底面までの厚さを含み、
前記損傷部位表示シンボル決定手段は、予め定められた前記損傷部位天面のコンクリート床版底面からの段階的深さ基準により危険度を判定し、該危険度に応じて損傷部位表示シンボル表示属性を決定し、該損傷部位表示シンボル表示属性により、予め定められた損傷部位表示シンボルの群を生成し、
前記地図表示手段及び前記重畳表示手段により、前記地図上の損傷部位所在地にコンクリート床版底面から浅い深度の損傷部位表示シンボルを優先して階層別損傷部位表示シンボルの群を重畳表示する階層別危険度表示システム、
を提供できる。
中央処理装置と入出力装置と表示装置を備え、地図表示をするコンピュータシステムであって、
地図データを前記入出力装置により受入れ、前記表示装置に地図を表示する地図表示手段と、
コンクリート床版橋梁の表示対象の損傷部位属性情報を前記入出力装置により受入れ、
前記損傷部位属性情報に含まれる表示対象損傷部位の所在位置情報により決定される損傷部位探査対象面の上方から探査対象面へ電磁波レーダーを照射した反射波データ検出信号のアナログ/デジタル変換データを前記入出力装置により受け入れ、コンクリート床版路面からの深さ階層別信号強度から段階的深さ基準による損傷部位コンクリート内部の水平断面画像のピクセル信号強度値を定めるコンクリート内部の深さ階層別損傷部位スライス画像強度決定手段と、
前記コンクリート内部深さ階層別損傷部位スライス画像強度決定手段の定める損傷部位スライス画像のピクセル信号強度値から前記表示装置に表示する階層別損傷部位表示オブジェクトの形状を定める階層別損傷部位形状表示オブジェクト決定手段と、
前記地図と前記損傷部位形状表示オブジェクトを前記表示装置に重畳表示する重畳表示手段とを備え、
前記階層別損傷部位形状表示オブジェクト決定手段は、
予め定められた前記損傷部位天面の路面からの段階的深さ基準により危険度を判定し、該危険度より階層別損傷部位形状表示オブジェクトの画像表示属性を定め、階層別損傷部位形状表示オブジェクトの群を生成し、
前記地図表示手段及び前記重畳表示手段により、前記地図上の損傷部位所在地に、路面から浅い深度の損傷部位形状表示オブジェクトを優先して階層別損傷部位形状表示オブジェクトの群を重畳表示することを特徴とする階層別危険度表示システム、
を提供できる。
前記階層別損傷部位形状表示オブジェクト決定手段は、
予め定められた前記損傷部位天面のコンクリート床版底面からの段階的上方深さ基準により危険度を判定し、該危険度より階層別損傷部位形状表示オブジェクトの画像表示属性を定め、階層別損傷部位形状表示オブジェクトの群を生成し、
前記地図表示手段及び前記重畳表示手段により、前記地図上の損傷部位所在地に、コンクリート床版底面から上方へ浅い深度の損傷部位形状表示オブジェクトを優先して階層別損傷部位形状表示オブジェクトの群を重畳表示する階層別危険度表示システム、
を提供できる。
前記損傷部位表示シンボル決定手段及び階層別損傷部位形状表示オブジェクト決定手段は、損傷部位の危険度の段階に応じ、
前記損傷部位表示シンボル又は損傷部位形状表示オブジェクトの色相を強調色へ予め定められた基準に基づき段階的に変更し、もって損傷部位の危険度の段階に応じ、前記損傷部位表示シンボル及び損傷部位形状表示オブジェクトの視認性を、段階的に上げる階層別危険度表示システム、
を提供できる。
前記階層別損傷部位スライス画像強度決定手段は、
深さ階層の段階的深さの反射波の各測定位置の深さ方向で観測される反射波強度の単一値又は深さ幅内の平均値若しくは最大値のいずれかの一つを評価関数とする階層別危険度表示システム、
を提供できる。
前記階層別損傷部位スライス画像強度決定手段は、
深さ階層の基準とする段階的深さ以深で次段の深さ以内の所定の深さまでの範囲を反射波測定区間として、反射波の各測定位置の前記反射波測定区間で観測される反射波強度信号をオーバーレイし、測定区間の反射波強度の平均値若しくは最大値のいずれかの一方を評価関数とする階層別危険度表示システム、
を提供できる。
まず、所在情報及び天面深さ範囲を含む空洞属性情報を入出力装置から取り込む前の準備について詳説しつつ、空洞危険性評価の要点である空洞天面の形状と深さを把握・表示することを意義について説明する。
はじめに、電磁波レーダー反射波データ作成ステップについて詳述する。このステップは階層別危険度表示システム外で事前に実施し、一部の結果は空洞属性情報として入力データとして取り込まれることが好ましく、スライス画像を階層別危険度表示システム外で作成する場合には、このステップの反射波データをデータとして受入れるものとなる。
本発明の探査対象面Rは、陥没の危険性のある場所の表面であれば特に限定されず、例えば道路や滑走路、橋梁、港湾におけるエプロン、岸壁、護岸道路、河川堤防その他の人や乗り物の通行面等の路面の他、物置場等、あらゆる場所の表面を対象とすることができる。また、探査対象面Rが舗装面(アスファルト舗装、コンクリート舗装等、舗装の種類を問わない)であるか非舗装面であるかは問わない)。
本発明は電磁波レーダーを用いて探査対象面R下の探査を行う。電磁波レーダーとしては、GSSI社(米国)製の各種電磁波レーダーシステム(例えばSIR3000等)、日本無線社製RCレーダー(例えばハンディサーチNJJ-95B等)、アイレック技建社製のコンクリート構造物の鉄筋探査装置(例えばライトエスパー)、コマツエンジニアリング社製のレーダー探査機(例えばアイアンシーカ)等、公知のものを特に限定無く用いることができるが、送受信センサを多数並設したレーダーシステムが高効率・高精度であるため好ましい。以下、具体例について説明する。
上述の計測により探査対象面Rにおける調査対象領域の全体にわたり反射波データ50を取得したならば、次いで取得データ50の解析を行い、空洞を検出する。空洞の検出手法は特に限定されず、特許文献3記載の手法も採用することができる他、例えば以下に述べるように探査対象面R下の画像を作成し、この画像を基に空洞を検出することができる。
空洞を検出したときには、図12に示すように、空洞85の天面の寸法W及び天面の深度Pを求める。空洞85の天面の寸法W及び深度Pは、作業員が画像80,90,100の印刷物を定規により計測したり、画像80,90,100の寸法計測位置をコンピュータに入力(指定)してコンピュータにより算出したり、コンピュータにより画像80,90,100を画像解析したりすることにより求めることができる。そして、図13に示すように、これら空洞天面の寸法Wが大きいほど、及び空洞85天面の深度Pが浅いほど陥没の危険性が高いものとして、各反射波検出位置40における陥没の危険性を評価する。このように、空洞85を発見するだけでなく、その空洞85を原因とした陥没の危険性を評価することにより、陥没危険性の高い空洞85を先に補修し、陥没危険性の極めて低い空洞85は補修しない又は後回しにする等、適切な補修計画を容易に行うことができる。
図19A、図19Bには、階層別危険度表示システム装置16及び17のシステム構成図を示す。図19Aは空洞表示、図19Bはコンクリート床版の損傷部位表示に係るシステム構成図である。図19A,19Bに示されるように、階層別危険度表示システム装置16、17共に、入出力装置D001、中央処理装置D002及び表示装置D003を備える。図示はしないが入出力装置には操作入力手段であるマウスやキーボード、ネットワーク接続機器としてのLANケーブル、ルーターが含まれる。扱う入力データは、階層別危険度表示システム装置16では、空洞属性情報IO1と地図データIO2であり、階層別危険度表示システム装置17では、コンクリート損傷部位I21と地図データIO2であり、出力データは危険度表示である。
それでは、どのように空洞や損傷部位が画面に表示されるのか概要を地中空洞とコンクリート床版損傷部位を表示する模式図20A及び20Bにより説明する。図19A、図19Bに示すように、地図データIO2は、入出力装置D001のファイル処理機能により、ファイルから読み出し、取り出してもよいし、リアルタイムにインターネットD006からWEBサービスにより、入出力装置D001の通信制御機能によって、データ要求しデータを受入れてもよい。地図データは、リアルタイムによって、動的に取り入れ、動的に空洞データと重畳できれば、最新の地理情報に空洞データを重畳することができ好適である。
図21A及び図21Bは、発明の一実施態様におけるシンボル表示処理を行うステップS16及びS17を示す。先に地図情報IO2を取り入れる準備PR01を終えた後、地図データ受入ステップS101では、地図データIO2を取り込む。並行して、空洞属性情報受入ステップS102、損傷部位属性情報受入ステップS202では、空洞属性情報IO1、損傷部属性情報I21を受入れ、危険度判定基準R101及危険度判定基準R201により、各表示属性を決定し、各表示シンボルの属性P102、P202が決定され、各空洞について空洞表示シンボルの群として、予め定められている空洞表示シンボル及び損傷部位表示シンボルが選定される。
図22は、本発明の実施態様における色使いに当たり、各表示シンボルP102、P202を各危険度判定基準R101及びR201により決定する場合の使用される横軸の色相R,YR,Y,GY,G,BG及びBと彩度のレベル1〜7で示す色種のマトリックス表示である。彩度は、損傷部位の深さ別スライス形状表示オブジェクト内で反射波信号の強弱を表す用途で用いられる。通常、信号の弱い箇所はまわりが損傷されて信号が弱められていることを示す証拠として利用される。
赤であれば(R,G,B)の強度の組は(36,0,0)、(72,0,0)、・・・・(216,0,0)であり、この順に赤色が強まる彩度表現となる。
黄であればR,G,B)の強度の組は(36,255,255)、(72,255,255)、・・・・(255、255,216)であり、この順に黄色が弱まる彩度表現となる。
青であれば(R,G,B)の強度の組は(0,0,36)、(0,0,72)、・・・・(0,0、216)であり、この順に青色が強まる彩度表現となる。
<色の定義について>
図22の横軸で表現される色相は、様々な定義の仕方があるが、本実施態様では、マンセル色相のR(赤)からB(青)を採用する。マンセル色相は色を全体で10に分類するが、本発明に係る実施例では、青の外側の色は、再び赤の要素が入る紫系統の色となるため除外し、視認性を向上させる。
図24は、図23で割り当てた配色をもとに、浅部つまり上層空洞、下層空洞及び中層空洞が同時に観測されるときのシンボル表示を表す。
図25は、図24に示す空洞表示シンボルを採用する実施態様の場合に、二つの層に空洞が跨る深さ範囲を有するときの空洞表示シンボルSY3,SY4を示す。SY3は下層と中層に跨るケースの場合であり、SY4は上層に跨るケースの場合である。ここで、上層と下層の二つに跨る場合は、空洞は上下で分離しているということであり、ひとつの空洞ということにはならないので、ここにはあげていない。
ところで、コンクリート床版の場合のシンボル表示の場合で底面落下の危険性のある損傷部位のシンボル表現は、空洞の場合と同じく上方からの電磁波照射により損傷部位天面の深さを測るが、その路面からの深さではなく、底面から損傷部位天面の深さにより危険度を認識するものであるから様相は多少異なる。これは、図20Bの例示で既に説明の通りであるが、追補すると、上方からの電磁波照射により損傷部位天面の深さを測るとき、下面の深さは特定しづらい、もともと下面には損傷部位の損傷片が雨水の影響もあって堆積しており、境界が不明瞭になっていることが多いからである。したがって、底面からの上方深さを測る場合でも天面を基準に測定することが求められる。基準深さより鉛直方向下方に存する損傷部位がどれだけ底面近くまでに存するかは不明なのであって、深さ方向の刻み幅を小さくし分解能を上げるしか方策はないが、いたずらに刻み幅を小さくしても信号波の区別が付くほど正確に信号データが得られなければ、無駄に終わるだけである。
図19A、 図19B、図19C及び図19Dの地図データ、表示シンボル及び表示オブジェクト重畳表示ステップS104では、空洞及び損傷部位を地図上に各表示シンボルとして階層別危険度表示コンソールD004へ重畳表示する。
空洞及び損傷部位の深さ階層別損傷を表示するには、探査に用いた反射波信号を加工し、深さ別のスライス画像を得て表示する。シンボルであれば、定型のものを表示するのであるが、スライス画像は空洞や損傷部位の探査信号からこれらの形状を水平断面スライス像として把握する。上方からの探査波の照射であれば、空洞及び損傷部位の上面から見た射影像が把握される。シンボルの表示とスライス画像をベースとする空洞形状若しくは損傷部位形状表示オブジェクトは同じ空洞若しくは損傷部位位置に表示すべきものであるからシンボルと形状表示オブジェクトの同一地図上への同時表示は、適当でなく、画面上の操作スイッチで表示対象を選択させるべきものである。この場合において、選択的に同時に重畳表示する地図縮尺が小さく道路幅が十分に広い探査の例では、縮尺に応じてシンボル表示とスライス画像によるオブジェクト表示を自動的に切り替えるものとすれば、なお好適である。
コンクリート床版の場合には、橋梁の舗装路面の剥離だけでなく、コンクリート床版の底面から床版が落下することがあり、この場合には、路面からの深さが基準とすべきでなく、コンクリート床版底面からの距離の大小を管理項目とするのが好適である。そうするとコンクリート床版に存する損傷部位は、コンクリート床版底面からの距離と路面からの距離の二つの各々独立した危険性の評価が求められる。よって、画面上の操作上のスイッチにより、路面剥離の危険度表示と底面落下の危険度表示と双方を切替え表示することができるものとする。
この他、コンクリート床版には、地中空洞と異なるところがあって、コンクリート床版の電磁波探査では、空洞探査の場合と異なり、境界壁面で位相が反転することは稀であり、空洞のように深さ方向の信号変化を解析することで比較的正確に空洞の境界面深さを特定できないこともある。このような場合でも、損傷部位では電磁波レーダーが損傷部位の性状により散乱され、反射波信号が若干弱く観測されることがある。このような場合には、階層別スライス画像強度決定手段は、スライス画像を得る深さ階層の基準とする段階的深さ以遠で次段の深さ以内の所定の深さまでの範囲を反射波測定区間として、反射波の各測定位置の前記反射波測定区間で観測される反射波強度信号をオーバーレイし、弱い信号を重畳することで信号レベルを強化し、損傷部位周辺についてオーバーレイした信号測定結果との比較により、損傷部位を特定する。この場合の評価関数は、反射波強度の平均値若しくは最大値のいずれかの一方が好ましいのであるが、その差異は、測定対象区間で第5の実施の形態は、基本的に基準深度のスライス面とその深さまでの深度範囲を基準とすることにあるのに対して、ここでは、基準深度以深の深度範囲を探査対象とし、基準深度が損傷部位の境界であるかを探査する。この結果、基準深度以遠の反射波について測定区間の反射波強度の平均値により平滑化した結果や測定区間の最大値により強調処理をした結果、他の探査位置との信号強度に差異があれば、損傷部位と正常部位との画像コントラストが明確に現れ、境界が現れれば、その基準深度に損傷部位境界が存すると判定することが可能になる。すなわち、位相反転による境界判定によらずしても、損傷部位と正常部位の境界を判定することができるようになる。
図28は、図27の一部の縮尺を小さくし拡大表示する場合のシンボル表示からスライス画像ベースのオブジェクト表示へ切替表示した模式図を示す。各段階深さ域の地中水平断面スライス画像から空洞外縁形状を抽出し、各々を赤・黄・青の色付けし、この色付け表示した空洞形状オブジェクトを地図表示と重畳表示させて表現効果を上げている。
空洞の危険度の表示は、深度のみを基準とする場合だけでなく、空洞天面の深さ及び空洞天面の水平射影形状を楕円近似した短径の大きさの組み合せにより、空洞天面の短径が大きいほど、及び空洞天面の深度が浅いほど陥没の危険性が高いものとして、危険度を判定することもでき、空洞が細長い場合には、危険度が低く設定される危険度モデルが採用される図13(a)にような現場であれば、深度が同じ30cmであれば、空洞天面の短径が150cmよりも小さいと陥没危険度はBランクとなり、空洞天面の短径が150cmよりも大きくなれば、陥没危険度はAランクと上昇する。したがってこの現場では、短径により、危険度が変わりシンボル表示が図30左に示すように、危険度判定基準R101は、右のシンボルと異なる色で表示することを指示することとなる。この図では、深さ基準でシンボルの大きさを規定し、色は危険度のランクを表示するものと規定されている図である。すなわち、最大危険度で最も強い強調色、図30の右では赤、左では黄と定め、各々黄と青が2段目の色表示を提供し、下段の深さレベルの広がりを持つ空洞であることを表現している。
Claims (11)
- 路面下における深さ方向に天面の拡がりを持つ空洞の所在情報と、空洞天面の最浅深さから最深深さまでの深さ範囲と、を含む空洞属性情報から、空洞表示のシンボル表示属性と表示シンボルとを予め定められたルールに基づき判定する空洞表示シンボル決定手段を備え、
前記空洞表示シンボル決定手段は、
前記空洞属性情報から予め定められた段階的深さ基準により危険度を判定し、
前記危険度に応じてシンボル表示属性を決定し、
前記シンボル表示属性により予め定められた複数の表示シンボルから1つ以上の表示シンボルを選択し、
当該1つ以上の表示シンボルから浅い深度の表示シンボルを優先して、階層別に重畳された表示シンボルを生成するものであり、
前記空洞の所在情報と、前記空洞の所在における前記階層別に重畳された表示シンボルと、をデータ管理する、
ことを特徴とする階層別危険度表示システム。 - コンクリート床版橋梁における深さ方向に天面の拡がりを持つ損傷部位の所在情報と、コンクリート床版における損傷部位天面の最浅深さから最深深さまでの深さ範囲と、を含む損傷部位属性情報から、損傷部位のシンボル表示属性と表示シンボルとを予め定められたルールに基づき判定する損傷部位表示シンボル決定手段を備え、
前記損傷部位表示シンボル決定手段は、
前記損傷部位属性情報から予め定められた段階的深さ基準により危険度を判定し、
前記危険度に応じてシンボル表示属性を決定し、
前記シンボル表示属性により、予め定められた複数の表示シンボルから1つ以上の表示シンボルを選択し、
当該1つ以上の表示シンボルから浅い深度の表示シンボルを優先して、階層別に重畳された表示シンボルを生成するものであり、
前記損傷部位の所在情報と、前記損傷部位の所在における前記階層別に重畳された表示シンボルと、をデータ管理する、
ことを特徴とする階層別危険度表示システム。 - 路面下における深さ方向に天面の拡がりを持つ空洞の所在情報、空洞天面の最浅深さから最深深さまでの深さ範囲と、を含む空洞属性情報で決定される空洞探査対象面の上方から、対象面へ電磁波レーダーを照射した反射波データ検出信号のアナログ/デジタル変換データをもとに、地中深さ階層別信号強度から段階的深さ基準による空洞天面水平断面画像のピクセル信号強度値を定める階層別スライス画像強度決定手段と、
前記ピクセル信号強度値から階層別空洞の表示オブジェクトの形状を定める階層別空洞形状表示オブジェクト決定手段とを備え、
前記階層別空洞形状表示オブジェクト決定手段は、
予め定められた段階的深さ基準により危険度を判定し、
前記危険度より前記表示オブジェクトの画像表示属性を定め、
前記表示オブジェクトから階層別に重畳された表示オブジェクトを生成するものであり、
前記空洞の所在情報と、前記空洞の所在における前記階層別に重畳された表示オブジェクトと、をデータ管理する、
ことを特徴とする階層別危険度表示システム。 - コンクリート床版橋梁における深さ方向に天面の拡がりを持つ損傷部位の所在情報と、コンクリート床版における損傷部位天面の最浅深さから最深深さまでの深さ範囲と、コンクリート床版路面からのコンクリート床版底面までの厚さと、を含む損傷部位属性情報により決定される損傷部位探査対象面の上方から、探査対象面へ電磁波レーダーを照射した反射波データ検出信号のアナログ/デジタル変換データをもとに、コンクリート床版路面からの深さ階層別信号強度からコンクリート床版路面中における段階的深さ基準による損傷部位コンクリート内部の水平断面画像のピクセル信号強度値を定めるコンクリート内部の階層別損傷部位スライス画像強度決定手段と、
前記ピクセル信号強度値から階層別損傷部位の表示オブジェクトの形状を定める階層別損傷部位形状表示オブジェクト決定手段とを備え、
前記階層別損傷部位形状表示オブジェクト決定手段は、
予め定められた段階的深さ基準により危険度を判定し、
前記危険度より前記表示オブジェクトの画像表示属性を定め、
前記表示オブジェクトから階層別に重畳された表示オブジェクトを生成するものであり、
前記損傷部位の所在情報と、前記損傷部位の所在における前記階層別に重畳された表示オブジェクトと、をデータ管理する、
ことを特徴とする階層別危険度表示システム。 - 前記階層別損傷部位スライス画像強度決定手段は、
深さ階層の段階的深さの反射波の各測定位置の深さ方向で観測される反射波強度の単一値又は深さ幅内の平均値若しくは最大値のいずれかの一つを評価関数とする、請求項4に記載の階層別危険度表示システム。 - 前記階層別損傷部位スライス画像強度決定手段は、
深さ階層の基準とする段階的深さ以深で次段の深さ以内の所定の深さまでの範囲を反射波測定区間として、反射波の各測定位置の前記反射波測定区間で観測される反射波強度信号をオーバーレイし、測定区間の反射波強度の平均値若しくは最大値のいずれかの一方を評価関数とする、請求項4に記載の階層別危険度表示システム。 - 前記空洞属性情報には、さらに空洞天面の水平射影形状を楕円近似した短径寸法を含み、
空洞天面の深度が浅いほど及び空洞天面の短径が大きいほど陥没の危険性が高いものとして、予め定められた基準により前記危険度を判定する、請求項1又は請求項3に記載の階層別危険度表示システム。 - 前記危険度の段階に応じ、前記表示シンボルの色相を強調色へ段階的に変更し、前記表示シンボルの視認性を、段階的に上げる、請求項1又は請求項2に記載の階層別危険度表示システム。
- 前記危険度の段階に応じ、前記表示オブジェクトの色相を強調色に段階的に変更し、前記表示オブジェクトの視認性を、段階的に上げる、請求項3又は請求項4に記載の階層別危険度表示システム。
- 地図を表示する地図表示手段と、
前記地図と前記表示シンボルを重畳表示する重畳表示手段とをさらに備え、
前記地図表示手段及び前記重畳表示手段により、前記地図上の前記所在に、浅い深度の表示シンボルを優先して前記表示シンボルを重畳表示する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の階層別危険度表示システム。 - 地図を表示する地図表示手段と、
前記地図と前記表示オブジェクトを重畳表示する重畳表示手段とをさらに備え、
前記地図表示手段及び前記重畳表示手段により、前記地図上の前記所在に、浅い深度の表示オブジェクトを優先して前記表示オブジェクトを重畳表示する、ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の階層別危険度表示システム。
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