JP6529004B2 - 階層別危険度表示システム - Google Patents

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Description

本発明は、一般道路面下の空洞、鉄筋コンクリート橋梁(以下橋梁と云う)並びに岸壁、河川堤防及び護岸道路下の空洞の危険度を表示するシステムに関するものである。
一般道路面は、土上に構築されているため、例えば水の作用により土中に空洞が発生し、空洞が成長してゆくと道路が陥没する事態に至る点甚だ危険である。
橋梁床に鉄筋コンクリート床版を用いる構成では、コンクリートにひび割れ・剥離・脆弱化等の損傷(以下、損傷と云う)が生じると、橋梁路面の陥没ばかりでなく、鉄筋コンクリート床版の底面の落下が生ずる事態に至る点甚だ危険である。
同様に、海岸の岸壁又は堤防等における陥没・崩壊もその内部に発生する空洞が原因で生ずることが明らかにされ、これらの施設の陥没・崩壊を未然に防止するには、これら施設の内部近傍の地中空洞の有無と拡がりを探査することが有効である。
これら土木施設は長大なものであり、路線道路の路面、岸壁又は堤防の側壁に発生する側面特異部位を観察記録する場合、写真に記録したり映像を目視で点検したりするのが基本形としても、その場限りのデータの記録のみでなく、その記録の保存と活用が大切になる。
震災等大規模天災が発生すると、一般道路面下の空洞、橋梁並びに岸壁、河川堤防及び護岸道路下の損傷は広範な地域にわたり、迅速な被害の把握とその対応が必要であることが認識されている。通常は迂回路が利用できる一般道路も震災等大規模天災時や原発事故のような広域災害発生時には、避難優先道路として重点管理対象とする幹線道路も一部地域では既に選定されており、広域に亘りこれら土木施設を総合管理する必要性が認識されている。
そのためには、一旦、天災や大規模事故が発生した場合に、新たに被災した損傷箇所の岸壁又は堤防を特定し被害を把握することが求められているのは勿論であるが、より有効には、平時から岸壁及び堤防並びに管理道路の路面状況を把握し、災害発生時に危険が高まっている異常箇所を把握し、これから災害が発生するであろうという箇所をすばやく予見し、事前に把握されている危険度に応じて損傷を迅速にかつ適切に評価し、その状況をわかりやすく把握することが求められる。
このような広域に亘り大量の管理対象の舗装損傷箇所及び空洞を総合的に管理するには、これらの属性位置情報をデータ化、コンピュータシステム化すると情報の把握の即時性、情報の共有性、正確性、画像表示による認識性で有効であることは言うまでもないが、現状は、このような、コンピュータシステム処理装置は存在しない。
損傷等保全情報を収集する調査時には、施設の管轄や調査方法の違いから別々の方法・手段によるとしても、施設の管理という視点では、これらの多くは、何らかの道路施設を通じて繋がり、交通施設の機能、土木施設の機能としては有機的な関連付けがされていないと意味が半減する。
例えば、河川堤防の空洞の補修をするにあたっても、災害時に該河川堤防へのルートが空洞による陥没が生じ、繋がっていなければ、意味がなく重点施設へのルートの確保は、広域災害発生時には、避難優先道路と同様に施設管理優先道路としてもこれら施設は有機的な視点で重点管理される必要があることは明らかである。その逆も然りであって、避難優先道路が優先的に保全されていても、広域災害発生時に海岸堤防、河川堤防に損傷が生じ決壊という事態が生じたら、陥没が生じてなくても結局災害時の避難に用をなさないのである。
こうして、一般道路面下の空洞、橋梁並びに岸壁、河川堤防及び護岸道路下の空洞又は損傷は、一体として同一のコンピュータシステム処理装置により総合管理されることが望まれるのであるが、現状は、このようなコンピュータシステム処理装置は存在しない。
施設の管轄や調査方法及び管理主体による使用となるとこれら管理対象の表示方法がまちまちであると、その解釈の違いや一体的オペレーションの障害になり得るから、少なくとも表示方法は統一されていることが好ましい。
そうすると表示属性が共通であれば、その表示対象が持つ様々な属性もなるべく共通化しておれば、少なくともシステム設計・構築・運用上便宜で好ましい。
このように、一般道路面下の空洞、橋梁並びに岸壁、河川堤防及び護岸道路下の空洞又は損傷を管理するには、表示方法とそのための各管理対象の表示属性・管理属性を共通化して岸壁、河川堤防及び護岸道路下の空洞並びに一般道路面下の空洞の危険度を表示するシステムが期待されるところであるが、現状では、このような課題も認識されていないのが実情であり、これらの属性情報管理についても未踏領域である。
岸壁、河川堤防及び護岸道路の地下空洞はその深度が比較的深くまだ実績が乏しいが路線道路の空洞は、実績が積みあがってきており、徐々に空洞の存在推定の蓋然性を上げてきている。
橋梁の舗装、コンクリートの損傷及び地中空洞の探査には電磁波レーダーによる非破壊探査の技術が蓄積されてきており、基本的には、路線道路下の電磁波レーダー探査方法で使用する、共通の設備と方法(特許文献1〜3)が活用可能である。
発明者等は、一般道路の舗装面や橋梁のコンクリートについて発生する損傷、地中空洞について、特許文献4及び5に示されるように、電磁波レーダーを車両に搭載して道路を走行する非破壊調査手法が効率的であることを見出し、早くから実用化している。
時速60km/hで走行する電磁波レーダー探査車から最大2mの幅員で電磁波を路面に照射し、反射波強度の分析からレーダー探知法により路面下の空洞等の損傷を効率よく探査するというものであり、路線道路の非破壊探査については技術が蓄積されつつある。
そうするとこれら重要施設については、路面からの電磁波レーダーによる探査法を用い、これを共通ツールとして、原始空洞属性情報データを用意し、本発明に係る一般道路面下の空洞及び岸壁、河川堤防又は護岸道路下の空洞の危険度を表示するシステムとすればよい。
ところで、数ある空洞や損傷を表示する際、重要度の高いものの所在を強調表示したいという要件は、管理コンソール表示システム一般の要件ではあるが、本件のように空洞に焦点を当てる表示の場合、その危険度の性質、とりわけ空洞が浅部に所在しているか、鉄筋コンクリート床版の浅部又は底部に損傷が存在しているかどうかを同時に表示することができれば便宜である。一覧性と内容の把握が一目でできるようになるからである。
ここで空洞や損傷が成長している状態とは、これらの上方、下方の深さ方向、水平方向への拡がり発達の程度を指すが、発明者らは特に空洞の地中浅部での所在とその大きさとが路面陥没に及ぼす影響が大であり、コンクリート床版であれば損傷が浅部及び底部に存在とその大きさが陥没や剥離落下に及ぼす影響が大でありいう知見から、空洞危険度表では、空洞の天面の所在と天面の占める深さ範囲を危険度と合わせて一覧性表示できないか、鉄筋コンクリート床版の損傷の所在と深さ範囲を危険度と合わせて一覧性表示できないかと考えた。
例えば、空洞又は損傷の所在位置に危険度をその度数を大きさのパラメータとして丸印の表示シンボルで表示コンソールに現すとしても、そうすると肝心の空洞又は損傷の位置と深さ範囲を表現できないのである。
そこで、本発明では、多数の空洞及び損傷についてその所在位置と危険度に加えて、これらの深さと広がりをどのように階層別危険度表示システムのコンソールに表示すれば管理者に注意を促し、対応を喚起させるに有効かも課題となる。
特開平5−87945号公報 特開平8−62339号公報 特開2004−301610号公報 特開2010−107259号公報 特開平09−088351号公報
本発明の主たる課題は、岸壁、河川堤防及び護岸道路並びに路線道路路面下の空洞と鉄筋コンクリート橋梁のようなコンクリート構造物に発生する経年損傷を管理するにあたり、電磁波レーダーを使用した探査方法により収集したデータを取込み、共通にデータ管理し、共通の表示方法で表示する、場合に応じてこれらを同時に表示し、ユーザーが選択する地図情報と合わせ表示する、施設管理コンピュータアプリケーションシステム処理装置を提供することである。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
中央処理装置と入出力装置と表示装置を備え、地図表示をするコンピュータシステムであって、
地図データを前記入出力装置により受入れ、前記表示装置に地図を表示する地図表示手段と、
表示対象空洞の所在情報、天面深さ範囲を含む空洞属性情報を前記入出力装置により受入れ、該所在情報、該天面深さ範囲から空洞表示シンボルの表示属性及び表示シンボルを予め定められたルールに基づき判定する空洞表示シンボル決定手段と、
前記地図と前記空洞表示シンボルを前記表示装置に重畳表示する重畳表示手段を備え、
前記空洞表示シンボル決定手段は、予め定められた前記天面の段階的深さ基準により危険度を判定し、該危険度に応じて空洞表示シンボル表示属性を決定し、該空洞表示シンボル表示属性により予め定められた空洞表示シンボルを選択し、路面からの深さ階層別空洞表示シンボルの群として生成し、
前記地図表示手段及び前記重畳表示手段により、前記地図上の空洞所在地に、浅い深度の空洞表示シンボルを優先して階層別空洞表示シンボルの群を重畳表示することを特徴とする階層別危険度表示システム、
を提供できる。
空洞の所在を階層別危険度表示システムに表示するには、表形式で道路起点からの測線距離と道路端からの幅方向距離によっての特定や経度緯度数値による特定も一つの方法であるが、瞬時の視認性に劣る。
地図に表示シンボルとして空洞を表示することが空洞の所在と道路や地域の危険度の把握には最も便宜である。
地図上に所在位置に関連する表示をする場合、典型的なものは住居建物であるが、これらについても例えば、建物のテナント情報等地図上に追加で表示する情報を重畳表示することは通常よく行われている。
このようなアプリケーションシステムでは、従来は、地図情報がDVD等の可搬媒体にある時点で固定された情報として提供され、その後の地図の時的変遷をどのように取り込むかについて課題を有していたが、近年は、地図情報をインターネット経由で動的に取得できるのが一般的になっており、地図情報に所在位置に関連する表示を埋め込むと固定的に観念するのでなく、動的に地図情報を取り込み又は作成し、これに所在位置に関連する表示、本発明では空洞の所在と属性を表示するシンボルを合わせて表示するのが便宜であり、ユーザーの細かい指定に即時に対応するコンソール画面設計をすることができるという利点がある。
そこで本発明は、中央処理装置と入出力装置と表示装置とを備え、地図表示をするコンピュータシステムには、地図データを前記入出力装置により受入れ、前記表示装置に地図を表示する地図表示手段に前記地図と前記空洞表示シンボルを前記表示装置に重畳表示する重畳表示手段を備える。地図データは、好ましくは通信入出力装置を経由し、インターネットからWEBサービス・アプリケーション・プロトコルを通じ、その時点での地図情報を取得するのがよいが、DVD読み取り入出力装置から取り込んでもよい。
地図上に空洞を表示するには、空洞の位置を地図上に表示するための情報(空洞の属性情報の一つである)が必要である。したがって、所在情報である空洞属性情報を入出力装置により受入れ中央処理装置内の主メモリ上に格納し、表示される地図上に空洞所在位置情報が含まれるものであれば、空洞所在情報と表示に必要な付帯情報を元に空洞表示シンボルを地図上に重畳表示する。重畳表示には両者のGIS情報のマッチングによるのが好ましく、他に地理的標識からの測線距離によるマッチングも好ましい。
どのような付帯情報の表示による情報提供がもっとも適切であるかについて、発明者らは熟考し、空洞の危険度を表現するには、空洞の天面の深さが最も関連性が高いことを見出した。天面は多くの場合、垂直断面では、楕円形状を呈することが多く、天面と一言で云っても居室天井のように平板の天面があるものではなく、数多くの空洞探査例からこの天面も深さ方向で拡がりを持っていることを見出した。
深さ方向に天面(201、202)の拡がりを持つ空洞は、過去の空洞が下方から上方に拡大した高い蓋然性を示すものであり、この深さを有する空洞であることを階層別危険度表示システムに表示することは極めて有意義である。
そこで、空洞天面の情報を天面が路面からの深さとしてどれほどの深さ幅を有しているものかを属性として持つシンボルとして表示されれば、空洞の位置と深度履歴の推定情報を同時に呈示することとなり、危険度の表示としてく好ましい。なお、念のため付言すると、従来技術で深さ情報を含めた地中空洞の危険度表示をコンソール表示するという空洞の危険性表示システムというものは見られない。
地層や基盤の種類に依存するとしても、空洞が所定の浅部に存すれば、陥没危険性が増すことは、経験的、統計的情報として判明しており、このしきい値以上のものが選択識別できれば、便宜であり、例えば、15cmがこれに当たる。
空洞が所定の浅部に存するときに、過去深部にあったものが成長しこの浅部に到達したものであろうと推察される情報としても空洞の深さ方向の拡がりを現時点有していることを表示することは前記のとおり有意義である。
そこで、空洞の所在情報に加えて、天面深さ範囲を含む空洞属性情報を入出力装置により受入れ、主メモリ上に格納し、コンソール表示に備える。ここで天面の深さ範囲とは、路面から天面への最浅深さから天面への最深深さまでを云う。
次に問題となるのが、空洞の属性から空洞を表すシンボルの表示属性を決定することである。空洞の所在情報は点として、例えば空洞を表すシンボルを表示する中心又は重心として表せばよいが、天面深さ範囲を如何に表現するかが課題となる。本発明に係る階層別危険度表示システムでは、空洞属性情報から空洞表示シンボルの表示属性を定める空洞表示属性を決定する手段を備えている。この空洞表示属性を決定する手段の作用は次記のとおりである。
前記天面の深さ範囲を段階的深さ基準により離散化し、離散化した各深さに対して空洞表示シンボル形状を割り当てるのであるが、同一位置に併記するのであれば、位置が不明確になり、適当でない。然るに同じ位置に各深さに対して空洞表示シンボル形状を割当て重畳表示するには異なる大きさにし、前記のとおり中心又は重心に位置合わせ表記すればよい。各深さ別に異なる大きさとし浅い深度の空洞表示シンボルを優先して重なりの上側に表示するとすれば、天面のすべての深さを表示することができる。
ここで、異なる形と云っても、空洞の大きさを直接忠実に現すものではなく、抽象概念化した表示シンボルであり、重ね合わせて別シンボルが重畳表示されていることを把握できる程の識別性を有することは云うまでもない。というのは、例えば、円筒型に近い楕円縦断面形状を空洞が有する場合、空洞の大きさを直接忠実に現すシンボルであるとすればその境界形状が重ね合わさり、深さ範囲を有する空洞であることの表示の識別が困難な場合も発生し得るからである。
したがって、前記天面の深さ範囲を段階的深さ基準により離散化し、離散化した各深さに対して空洞表示シンボル形状は予め定めた所定の幾何学的形状とされていることが好ましい。
さらに、この空洞の表示シンボルには、各シンボルの意義が反映され際立たせる表示属性が付されれば、区別が瞬時に認識され極めて便利である。表示属性とは、例えば、各シンボルに色を付し、例えばマンセル色相のBからRまでの異なる色相、空洞の存在位置の深い方から青・・黄・・赤の順に色選択し、色付き空洞表示シンボルとすれば、浅い深度を表現する空洞の表示シンボルを上側に重畳表示するのであれば、中心から赤・黄・青のシンボルが地図上に広い深さ範囲を有する空洞表示シンボルとして重畳表示される各々の要素を云う。ここで赤から青に限定し、青より以遠の紫系の色を除外しているのは、この系統色は色相の円環として再び赤色に類似した色相を示し、青という重大度の低い方に近いものであるのか、赤という重大度の高いものに近いものであるのかその属性が発するメッセージの性質が瞬時に区別がつきにくくなるからである。赤から青に限定すると色の円環を遮断するから瞬時の判別を促し好ましいのである。
このように深さ範囲を離散化し、例えば、浅部、中深部、深部の三段階に離散化し各々の深度に対応する三つの大きさの異なるシンボルを群として地図上に合わせて重畳表示すると、空洞の位置と空洞深さから認識される空洞陥没の現在断面の危険性と深さのある空洞の表示として、空洞の成長の履歴とし推定される表示として、多数の空洞配置とともに瞬時に把握することが可能となり、有効である。
第2の実施の形態として、
中央処理装置と入出力装置と表示装置を備え、地図表示をするコンピュータシステムであって、
地図データを前記入出力装置により受入れ、前記表示装置に地図を表示する地図表示手段と、
表示対象空洞の空洞属性情報を入出力装置により受入れ、前記空洞属性情報に含まれる表示対象空洞の所在情報で決定される空洞探査対象面の上方から対象面へ電磁波レーダーを照射した反射波データ検出信号のアナログ/デジタル変換データを前記入出力装置により受け入れ、地中深さ階層別信号強度から段階的深さ基準による空洞天面水平断面画像のピクセル信号強度値を定める地中深さ階層別スライス画像強度決定手段と、
前記地中深さ階層別スライス画像強度決定手段の定める空洞天面水平断面画像のピクセル信号強度値から前記表示装置に表示する階層別空洞表示オブジェクトの形状を判定する階層別空洞形状表示オブジェクト決定手段と、
前記地図と前記空洞形状表示オブジェクトを前記表示装置に重畳表示する重畳表示手段とを備え、
前記階層別空洞形状表示オブジェクト決定手段は、
予め定められた前記天面の段階的深さ基準により危険度を判定し、該危険度及び空洞天面水平断面画像のピクセル信号強度値階層別空洞形状表示オブジェクトの群を生成し、
前記地図表示手段及び前記重畳表示手段により、前記地図上の空洞所在地に、浅い深度の空洞形状表示オブジェクトを優先して階層別空洞形状表示オブジェクトの群を重畳表示することを特徴とする階層別危険度表示システム、
を提供できる。
一方で、コンソール表示画面の縮尺が十分小さくて、路面が大きく表示される環境であれば、空洞の形状が路面上に表示されれば、危険度を表すシンボル表示の根拠が明確となり、ユーザーへの説明に好適な場合もある。この目的を達成するため空洞所在属性情報から空洞が存する位置を特定し、空洞探査で探査単位に区画分けした対象面の上方から対象面へ電磁波レーダーを照射した反射波データ検出信号のアナログ/デジタル変換データを前記入出力装置により受け入れ、深さに対応する反射波の受信時刻から深度階層別信号強度を特定したり、段階的深さ基準による水平断面画像ピクセル強度値を定めるには、画像データに数値化、可視化処理を施し、深さ階層別の空洞天面スライス画像強度を決定し、階層別空洞天面領域外縁を判定し、該外縁内の空洞の模様に相当する階層別空洞天面スライス画像表示属性を決定する。この結果、地図表示手段と、階層別空洞形状表示オブジェクト決定手段及び前記重畳表示手段により、前記地図上に、浅い深度の階層別空洞スライス画像を優先して重畳表示する。全体として段階的深さ別に、等深線のように空洞の平面射影形状が画面上に表示され、危険度の判定根拠資料を直ちに参照できる。各階層別の空洞形状を表示する空洞表示画面オブジェクト表示属性は、シンボルの場合とパラレルに考えてよい。例えば、最も浅い深さ段階は赤色という具合である。空洞表示画面オブジェクトの境界線内部の水平断面画像ピクセル強度値は、反射波強度の表示により、空洞境界部の鮮明性や空洞内部の様子を反映表示させることができ、空洞形状境界情報と合わせて観察対象とし危険度の判断要素としての検証対象とする。
第3の実施の形態として、
前記空洞表示シンボル決定手段及び前記階層別空洞形状表示オブジェクト決定手段は、空洞の危険度の段階に応じ、
前記空洞表示シンボル及び階層別空洞形状表示オブジェクトの色相を強調色へ段階的に変更し、もって空洞の危険度の段階に応じ、前記空洞表示シンボル及び空洞形状表示オブジェクトの視認性を、段階的に上げる階層別危険度表示システム、
を提供できる。
空洞表示シンボルの場合、空洞天面深さに対応する表示シンボルの形状を変え、重畳表示してもすべてのシンボルが表示されるものとし、さらに、浅部への深度範囲への浸食を示すときには、空洞天面の最深部の発生を示す例えば青であったシンボルの上に中深部を示す黄のシンボルが表示され、あるいは、最浅部を示す赤のシンボルが青であったシンボルの上に表示される。
ここで赤は代表的な強調色であり、このように色相環で青から強調色である赤へ段階的に色変更することで重大度が高まっていることを視覚的に認識させる効果がある。
空洞天面の最も深いものが中深部であって、浅い深部にも広がり存する場合、黄のシンボルの上に赤のシンボルが重ねて表示される。
空洞表示オブジェクトの場合、表示の大きさは実空洞が与える空洞地中断面形状であり、空洞表示シンボルのようにデフォルメされているものではないというだけなので、上記で言えば、空洞表示オブジェクト色表示を空洞表示シンボルの色表示に倣えばよい。
第4の実施の形態として、
空洞属性情報には、表示対象空洞の所在情報、天面深さ範囲及び空洞天面の水平射影形状を楕円近似した短径寸法を含み、
前記空洞シンボル表示決定手段又は前記階層別空洞形状表示オブジェクト決定手段は、
空洞天面の深さ及び空洞天面の水平射影形状を楕円近似した短径の大きさの組合せにより、空洞天面の深度が浅いほど及び空洞天面の短径が大きいほど陥没の危険性が高いものとして、予め定められた基準により危険度を判定する階層別危険度表示システム、
を提供できる。
空洞天面の深さのみから危険度を判定するが、空洞の危険性の認識は、空洞天面の深度とその大きさも危険度の判定に影響があることを発明者らは見出している。
すなわち、どのような情報の提供がもっとも適切であるかについて、発明者らは熟考し、空洞の危険度を表現するには、空洞の天面の深さと寸法の関連性が高いこと見出し、同時に、天面は多くの場合、垂直断面では、楕円形状を呈することが多く、天面と一言で云っても居室天井のように平板の天面があるものではなく、数多くの空洞探査例からこの天面も深さ方向で拡がりを持っていることを見出した。一方で、空洞天面の深さ及び空洞天面の水平射影形状を楕円近似した短径の大きさの組み合せにより、空洞天面の短径が大きいほど、及び空洞天面の深度が浅いほど陥没の危険性が高いものであることを見出したのである。
本発明者らは、鋭意研究の結果、空洞天面の寸法及び深度であれば電磁波レーダーにより正確に取得可能であり、かつ陥没の危険性を的確に評価できるとの知見を得て本発明をなしたものである。本実施の形態に係る発明によれば、補修の優先順付を危険度から把握し、空洞を発見するだけでなく、その空洞を原因とした陥没の危険性を評価するため、陥没危険性の高い空洞を先に補修し、陥没危険性の極めて低い空洞は補修しない又は後回しにする等、適切な補修計画を容易に行うことができる情報をより精度高く提供する。ここで、空洞の天面深さ範囲及び空洞天面の水平射影形状を楕円近似した短径寸法は、事前準備により測定記録され、空洞属性情報に含まれていることが好ましいが、電磁波レーダーを照射した反射波データ検出信号のアナログ/デジタル変換データを前記入出力装置により受け入れ、本発明に係るシステムで判定算出してもいずれでもよいことは云うまでもない。
第5の実施の形態として、
前記地中深さ階層別スライス画像強度決定手段は、
反射波の路面から反射面深さ範囲内で観測される反射波強度の単一値、平均値又は最大値のいずれかの一つを評価関数とする階層別危険度表示システム、
を提供できる。
空洞の外縁は反射波の極性反転で決定できるのであるが、その境界も明確である場合、不明確な場合空洞の個性により様々である。したがって、空洞領域内の状況を最適に画像表現するに当たっては、生のデータそのものである単一深さ面からの反射波強度をそのまま採用したり、探査深さ範囲の平均値、例えば、15cmの深度階層のスライス画像強度であれば、深度0cmから15cmまでの区間の空洞が存する深度範囲(例えば深度5cmから15cmとする)に亘り、例えば深度5cm〜15cmまでの反射波強度の平均値、平滑化処理データを採用したり、コントラストを強調する評価方式である最大値、すなわち、深度0cmから15cmまでの反射波強度の最大値を採用し、階層別スライス画像強度とすることが好ましい。あるいは、便宜上段階的深度の前後5cmの区間、例えば10cmから20cmの区間の平均値、最大値を評価値としたりする。この処理により、空洞の個性に応じた空洞の損傷度合いが可視化でき、もって危険度の基礎データとして好ましく、また、平均化処理により、ノイズの影響を緩和させたり、反射波強度の最大値の採用で損傷部位周囲とのコントラスト強調処理効果を与え、空洞形状の把握の正確度を増すことができる。
第6の実施の形態として、
中央処理装置と入出力装置と表示装置とを備え、地図表示をするコンピュータシステムであって、
地図データを前記入出力装置により受入れ、前記表示装置に地図を表示する地図表示手段と
コンクリート床版橋梁の表示対象損傷部位の損傷部位属性情報を前記入出力装置により受入れ、損傷部位属性情報に含まれる表示対象損傷部位の所在情報、路面からの損傷部位天面の深さ範囲を入力として損傷部位表示シンボルの表示属性及び表示シンボルを予め定められたルールに基づき判定する損傷部位表示シンボル決定手段と、
前記地図と前記損傷部位表示シンボルを前記表示装置に重畳表示する重畳表示手段を備え、
前記損傷部位表示シンボル決定手段は、予め定められた前記損傷部位天面の路面からの段階的深さ基準により危険度を判定し、該危険度に応じて損傷部位表示シンボル表示属性を決定し、該損傷部位表示シンボル表示属性により、予め定められた損傷部位表示シンボルの群を生成し、
前記地図表示手段及び前記重畳表示手段により、前記地図上の損傷部位所在地に、路面から浅い深度の損傷部位表示シンボルを優先して損傷部位表示シンボルの群を重畳表示することを特徴とする階層別危険度表示システム、
を提供できる。
本発明は地中空洞の探査に基づく危険度表示システムであり、コンクリート床版橋梁の探査に基づく危険度表示システムについての発明で、対象をコンクリート床版の路面剥離危険度を表示することを目的とする。本実施の形態以下でコンクリート床版橋梁を表示対象とする場合には、路面から探査されるコンクリート床版中の損傷部位の発見による。コンクリート床版中の損傷部位の危険度も路面からの存在位置深さが最も影響し、損傷部位は深さ方向に拡がりを有するので、深さ幅を同時に表示することには意義がある。
第7の実施の形態として、
前記損傷部位属性情報には、表示対象損傷部位の所在位置情報、路面からの損傷部位天面の深さ範囲、路面からのコンクリート床版底面までの厚さを含み、
前記損傷部位表示シンボル決定手段は、予め定められた前記損傷部位天面のコンクリート床版底面からの段階的深さ基準により危険度を判定し、該危険度に応じて損傷部位表示シンボル表示属性を決定し、該損傷部位表示シンボル表示属性により、予め定められた損傷部位表示シンボルの群を生成し、
前記地図表示手段及び前記重畳表示手段により、前記地図上の損傷部位所在地にコンクリート床版底面から浅い深度の損傷部位表示シンボルを優先して階層別損傷部位表示シンボルの群を重畳表示する階層別危険度表示システム、
を提供できる。
対象をコンクリート床版は橋梁や高架構造物に使われるとその底面から床版の一部が落下する危険性もある。その危険度を表示することを目的とするのが本形態であり、第6の実施の形態が路面剥離に対応するに対し、底面の落下に対応している。しかしながら、その危険度に最も影響するのは、底面からの距離であり、ここで底面からの距離は、路面から電磁波レーダー照射で損傷部位の天面深さが検出されるのであるから、前記損傷部位属性情報には、損傷部位所在位置情報には、路面からの損傷部位天面の深さ範囲に加えて、路面からのコンクリート床版底面までの厚さを与えておけば、該厚さから路面から電磁波レーダー照射で損傷部位の天面深さを減ずることで、コンクリート床版の損傷部位の底面から上方への深さが求まり、この深さが浅い程コンクリート床版の落下の危険度が高いことを発明者らは経験的に見出しているので、これを危険度判定の基礎として、底面からの深さ別に重畳表示するのである。ここで、路面からのコンクリート床版底面までの厚さは前記損傷部位属性情報に含まれていることが好ましいが、電磁波レーダーを照射した反射波データ検出信号のアナログ/デジタル変換データを前記入出力装置により受け入れ、本発明に係るシステムで判定算出してもいずれでもよいことは云うまでもない。
第8の実施の形態として、
中央処理装置と入出力装置と表示装置を備え、地図表示をするコンピュータシステムであって、
地図データを前記入出力装置により受入れ、前記表示装置に地図を表示する地図表示手段と、
コンクリート床版橋梁の表示対象の損傷部位属性情報を前記入出力装置により受入れ、
前記損傷部位属性情報に含まれる表示対象損傷部位の所在位置情報により決定される損傷部位探査対象面の上方から探査対象面へ電磁波レーダーを照射した反射波データ検出信号のアナログ/デジタル変換データを前記入出力装置により受け入れ、コンクリート床版路面からの深さ階層別信号強度から段階的深さ基準による損傷部位コンクリート内部の水平断面画像のピクセル信号強度値を定めるコンクリート内部の深さ階層別損傷部位スライス画像強度決定手段と、
前記コンクリート内部深さ階層別損傷部位スライス画像強度決定手段の定める損傷部位スライス画像のピクセル信号強度値から前記表示装置に表示する階層別損傷部位表示オブジェクトの形状を定める階層別損傷部位形状表示オブジェクト決定手段と、
前記地図と前記損傷部位形状表示オブジェクトを前記表示装置に重畳表示する重畳表示手段とを備え、
前記階層別損傷部位形状表示オブジェクト決定手段は、
予め定められた前記損傷部位天面の路面からの段階的深さ基準により危険度を判定し、該危険度より階層別損傷部位形状表示オブジェクトの画像表示属性を定め、階層別損傷部位形状表示オブジェクトの群を生成し、
前記地図表示手段及び前記重畳表示手段により、前記地図上の損傷部位所在地に、路面から浅い深度の損傷部位形状表示オブジェクトを優先して階層別損傷部位形状表示オブジェクトの群を重畳表示することを特徴とする階層別危険度表示システム、
を提供できる。
コンクリート床版の場合で路面からの剥離危険度表示に損傷部位のコンクリート床版中の水平断面の損傷部位形状を深さ別に表示させるものである。
第9の実施の形態として、
前記階層別損傷部位形状表示オブジェクト決定手段は、
予め定められた前記損傷部位天面のコンクリート床版底面からの段階的上方深さ基準により危険度を判定し、該危険度より階層別損傷部位形状表示オブジェクトの画像表示属性を定め、階層別損傷部位形状表示オブジェクトの群を生成し、
前記地図表示手段及び前記重畳表示手段により、前記地図上の損傷部位所在地に、コンクリート床版底面から上方へ浅い深度の損傷部位形状表示オブジェクトを優先して階層別損傷部位形状表示オブジェクトの群を重畳表示する階層別危険度表示システム、
を提供できる。
本発明はコンクリート床版下面の落下の危険度表示の場合であり、コンクリート床版中の水平断面の損傷部位形状を深さ別に表示させるものである。
第10の実施の形態として、
前記損傷部位表示シンボル決定手段及び階層別損傷部位形状表示オブジェクト決定手段は、損傷部位の危険度の段階に応じ、
前記損傷部位表示シンボル又は損傷部位形状表示オブジェクトの色相を強調色へ予め定められた基準に基づき段階的に変更し、もって損傷部位の危険度の段階に応じ、前記損傷部位表示シンボル及び損傷部位形状表示オブジェクトの視認性を、段階的に上げる階層別危険度表示システム、
を提供できる。
コンクリート床版の危険度表示の場合であって、強調色の活用により危険度の高いものの表示の視認度をあげるものである。
第11の実施の形態として、
前記階層別損傷部位スライス画像強度決定手段は、
深さ階層の段階的深さの反射波の各測定位置の深さ方向で観測される反射波強度の単一値又は深さ幅内の平均値若しくは最大値のいずれかの一つを評価関数とする階層別危険度表示システム、
を提供できる。
コンクリート床版の危険度表示に関するものある。
第12の実施の形態として、
前記階層別損傷部位スライス画像強度決定手段は、
深さ階層の基準とする段階的深さ以深で次段の深さ以内の所定の深さまでの範囲を反射波測定区間として、反射波の各測定位置の前記反射波測定区間で観測される反射波強度信号をオーバーレイし、測定区間の反射波強度の平均値若しくは最大値のいずれかの一方を評価関数とする階層別危険度表示システム、
を提供できる。
コンクリート床版の電磁波探査では、空洞探査の場合と異なり、境界壁面で位相が反転することは稀であり、空洞のように深さ方向の信号変化を解析することで比較的正確に空洞の境界面深さを特定できないこともある。このような場合でも、損傷部位では電磁波レーダーが損傷部位の性状により散乱され、反射波信号が若干弱く観測されることがある。このような場合には、階層別損傷部位スライス画像強度決定手段は、スライス画像を得る深さ階層の基準とする段階的深さ以深で次段の深さ以内の所定の深さまでの範囲を反射波測定区間として、反射波の各測定位置の前記反射波測定区間で観測される反射波強度信号をオーバーレイし、弱い信号を重畳することで信号レベルを強化し、損傷部位周辺についてオーバーレイした信号測定結果との比較により、損傷部位を特定する。この場合の評価関数は、反射波強度の平均値若しくは最大値のいずれかの一方が好ましいのであるが、その差異は、測定対象区間で第11の実施の形態は、基本的に基準深度のスライス面とその深さまでの深度範囲を基準とすることにあるのに対して、本実施の形態では、基準深度以深の深度範囲を探査対象とし、基準深度が損傷部位の境界であるかを探査する。この結果、基準深度以遠の反射波について測定区間の反射波強度の平均値により平滑化した結果や測定区間の最大値により強調処理をした結果、他の探査位置との信号強度に差異があれば、損傷部位と正常部位との画像コントラストが明確に現れ、境界が現れれば、その基準深度に損傷部位境界が存すると判定することが可能になる。すなわち、位相反転による境界判定によらずしても、損傷部位と正常部位の境界を判定することができるようになる。
電磁波レーダーの概略図である。 レーダーシステムのブロック図である。 レーダーシステムのセンサ配列例を示す平面図である。 レーダーシステムのセンサ配列例を示す平面図である。 探査車の概略図である。 レーダーシステムの処理プロセスを示す概略図である。 反射波データの取得概要を示す概略図である。 反射波データの多値化原理を示す説明図である。 水平断面画像・縦断面画像を示す説明図である。 空洞の検出原理を示す説明図である。 空洞の例を示す走行方向縦断面画像である。 空洞天面の寸法及び深度の説明図である。 陥没の危険度評価基準を示す図である。 空洞成長要因を示す説明図である。 空洞成長要因を示す説明図である。 空洞成長要因を示す説明図である。 空洞成長要因を示す説明図である。 空洞成長要因(枝管)を有する場合の水平断面画像である。 本発明の一実施態様における階層別危険度表示システムで空洞の危険度表示に係るシステムの構成図である。 本発明の一実施態様における階層別危険度表示システムでコンクリート床版の危険度表示に係るシステムの構成図である。 本発明の一実施態様における階層別危険度表示システムが表示する空洞の危険度表示の模式図である。 本発明の一実施態様における階層別危険度表示システムが表示するコンクリート床版の危険度表示の模式図である。 本発明の一実施態様における階層別危険度表示システムの空洞の危険度表示に係る処理ステップフロー図である。 本発明の第二の実施態様における階層別危険度表示システムのコンクリート床版の危険度表示に係る処理ステップフロー図である。 本発明の一実施態様における階層別危険度表示システムの空洞の危険度表示に係る処理ステップフロー図である。 本発明の第二の実施態様における階層別危険度表示システムのコンクリート床版の危険度表示に係る処理ステップフロー図である。 本発明に係る他の実施態様における空洞属性決定ルールで使用される色相と彩度を説明する図である。 本発明に係る一実施態様において、三つの深さ層に閉じて存する空洞表示シンボルの各形状について示す図である。 本発明に係る一実施態様において、三つの層すべてに跨る大型空洞の空洞表示シンボル重畳表示を示す図である。 本発明に係る一実施態様において、二つの層に跨る大型空洞の空洞表示シンボル重畳表示を示す図である。 本発明に係る一実施態様において使用する基本表示シンボルの形状すべてを示す図である。 本発明に係る一実施態様における階層別危険度表示システムの表示コンソール画面例である。 本発明に係る一実施態様における階層別危険度表示システムの表示コンソール画面例である。 本発明に係る一実施態様における階層別危険度表示システムの空洞形状オブジェクトの例である。 本発明に係る一実施態様における危険度判定基準が異なる場合の階層別危険度表示システムの表示シンボル比較例である。
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照しながら詳説する。
まず、所在情報及び天面深さ範囲を含む空洞属性情報を入出力装置から取り込む前の準備について詳説しつつ、空洞危険性評価の要点である空洞天面の形状と深さを把握・表示することを意義について説明する。
<<空洞属性情報の準備>>
はじめに、電磁波レーダー反射波データ作成ステップについて詳述する。このステップは階層別危険度表示システム外で事前に実施し、一部の結果は空洞属性情報として入力データとして取り込まれることが好ましく、スライス画像を階層別危険度表示システム外で作成する場合には、このステップの反射波データをデータとして受入れるものとなる。
<探査対象面>
本発明の探査対象面Rは、陥没の危険性のある場所の表面であれば特に限定されず、例えば道路や滑走路、橋梁、港湾におけるエプロン、岸壁、護岸道路、河川堤防その他の人や乗り物の通行面等の路面の他、物置場等、あらゆる場所の表面を対象とすることができる。また、探査対象面Rが舗装面(アスファルト舗装、コンクリート舗装等、舗装の種類を問わない)であるか非舗装面であるかは問わない)。
<計測>
本発明は電磁波レーダーを用いて探査対象面R下の探査を行う。電磁波レーダーとしては、GSSI社(米国)製の各種電磁波レーダーシステム(例えばSIR3000等)、日本無線社製RCレーダー(例えばハンディサーチNJJ-95B等)、アイレック技建社製のコンクリート構造物の鉄筋探査装置(例えばライトエスパー)、コマツエンジニアリング社製のレーダー探査機(例えばアイアンシーカ)等、公知のものを特に限定無く用いることができるが、送受信センサを多数並設したレーダーシステムが高効率・高精度であるため好ましい。以下、具体例について説明する。
図1は電磁波レーダーの概略図である。符号aは電磁波の送受信アンテナおよび送受信回路を一体的にケースに組み込んだセンサa、符号cはn個のセンサaを並列に連結してアレイ状としたアレイアンテナ、符号bはアレイアンテナcを構成する各センサaに対して夫々スイッチングにより機能の切り替えを行い、個々に送受信および信号処理を行うようにするコントロールユニットをそれぞれ示している。なお、アレイアンテナcとコントロールユニットbとによりレーダーシステムkを構成している。
レーダーシステムに用いられるセンサaとしては、ステップ波形によるインパルス発信を用いたものであって、周波数が0.5〜3GHzの中心帯域を持つものが好適であり、特に周波数を1GHz以上として探査を行うと、波長が短いことから深さ方向の分解能が向上する。深さ方向の分解能は特に限定されないが、5cm未満であるのが好ましい。一方、電磁波は周波数が高くなるにつれて、物体中での減衰が激しくなるが、2GHz以下で探査を行えば、ある程度の深度(40cm以上)まで十分な探査を行うことができる。
なお、本発明者らの知見によれば、砂地盤では空洞の発生し易い深度は60cm程度までであり、また陥没の危険性を考慮する必要がある深度も60cm程度までである。よって、空洞探査の場合、使用する電磁波の周波数をこの深度範囲に適切な周波数、すなわち中心帯域が1〜2GHzの周波数に限定することで、空洞等の検出精度が向上するだけでなく、不必要な深度の探査を行わないため探査効率及び評価効率が向上するようになる。
コントロールユニットbによりコントロールされた各センサaからは、探査対象面Rから内部に向けて略垂直に電磁波が発振される。そして、探査対象面R下からの反射波は各センサaに受信される。各センサaで受信された反射波は、コントロールユニットbを介してアナログ信号からデジタル信号に変換されたデータとしてデータ処理装置に出力される。
レーダーシステムkは、より具体的には図2に示すように構成することができる。すなわち、レーダーシステムkにおけるセンサaは送信部Txと受信部Rxとにより構成され、n個のセンサaへの給電は、例えばコントロールユニットbに設けられた電源電池31により供給され、また該電源電池はコントロールユニットb内の各回路に給電される。
n個のセンサaの送信部への送信指令は、スイッチ切り替え制御回路34が第1切り替えスイッチ34aを順次切り替えることにより、順次送信を行うようになっており、この切替のタイミングはタイミング源発振回路33bで発生した数十MHzのクロックパルスにより行われ、例えばタイミングクロックパルスの周期毎に順次スイッチングされ、数μs後にはアレイアンテナのn個のセンサaを一巡する。
各センサaの送信部Txで発信された電磁波は、測定対象物に対して反射と透過を繰り返し、その内部状況を反射信号としてセンサaの受信部Rxで受信する。受信された反射信号は、同期信号発生回路33からの同期信号に従ってサンプリングされ、低周波の受信信号1〜nに変換されて各センサから出力される。各センサから出力された受信信号は、スイッチ切り替え回路34にて、A/D変換回路35およびバッファ36により信号の処理が行われ、第2切り替えスイッチ34bの切り替えにより順次データ処理装置へ出力される。
図3の(a)は、レーダーシステムkが図1に示す単配列状態を示しており、車幅方向(副走査方向)におけるセンサaの間隔をdとすると、この単配列状態の分解能はdとなる。これに対し、図3の(b)に示すように、n列の単配列のアレイアンテナc1を千鳥状にm行配列することにより、このアレイアンテナc2は、m倍の分解能を得ることができ、これにより水平解像度が決定される。そして、単配列時におけるアレイアンテナc1の分解能dに対し、m行配列するアレイアンテナc2は、d/mの分解能となる。また、図4に示すように、センサaをm行×n列に配列したアレイアンテナc3としても良い。この構成では、アレイアンテナc3を移動させることなく一度にm行×n列の範囲で探査を行える。
探査に際しては、作業員がアンテナを逐次移動させながら測定を行っても良いが、図5に示すように、レーダーシステムkを搭載した自動車等の探査車10で探査対象面Rを走行しながら、探査対象面Rにおける調査対象領域の全体にわたり、走行方向に所定の間隔を空けて探査を行うのが望ましい。図5に示す探査車10は、レーダーシステムkの他に、光学式距離計(回転式距離計でも良い)11、探査対象面Rの状況を撮像するためのカメラ12、GPS装置13を搭載しており、これらの出力信号がデータ処理装置14に入力されるように構成されている。データ処理装置14としては、汎用のコンピュータを用いることができる。図示例では、データ処理装置14等の機器を牽引する構造となっているため、データ処理装置14等の機器を制御するための制御装置15を車両に搭載している。これらの機器はLANに接続されており、本発明に係る階層別危険度表示システム装置16も車載LANに接続されている。該LANは図示しないネットワーク機器によりインターネット・ネットワークに接続され、外部地図データサーバーとのデータ授受も可能となっている。
レーダーシステムkにおけるセンサaの配列方向を副走査方向とし、副走査方向および電磁波の発信方向に対して直交する方向を主走査方向とすると、レーダーシステムkの主走査方向は探査車10の走行方向となっており、走行に伴う移動距離は距離計11からデータ処理装置14に対して入力されるようになっている。
図6は、レーダーシステムkを主走査方向に移動させて得られた情報を処理するプロセスを示している。レーダーシステムkは検査対象である探査対象面R上に支持され、主走査方向に沿って移動される。その際、コントロールユニットbは、例えばn個のセンサa(1,2,・・・・n)を順に駆動し、副走査方向の各位置における反射波データを主走査方向について時々刻々と出力する。反射波データ(強度(振幅)及び深度(時間))は、主走査方向に所定の反射波検出間隔(走行方向の位置間隔)で、且つ副走査方向に所定の反射波検出間隔(センサ配列間隔)で定まる各検出位置で取得される。これらの検出間隔は適宜定めることができるが、10cm以下(当然ではあるが0は含まず、0より広い間隔となる)であることが望ましく、例えば1〜5cm程度とすることができる。主走査方向の反射波検出間隔(走行方向の位置間隔)と、副走査方向の反射波検出間隔(センサ配列間隔)とは異ならしめることができ、例えば、前者を1〜5cm程度とし、後者をそれよりも広く、例えば6〜10cm程度とすることができる。
取得される各検出位置40の反射波データ50は、各検出位置40の位置情報と関連付けて、データ処理装置14に内蔵又は接続された図示しない記憶装置に記録される。この際、各検出位置40の位置情報の生データは、主走査方向移動距離及び副走査方向のセンサ配列間隔であるが、必要に応じて三次元座標に変換し、生データと併せて記録することができ、また、反射波データ50は波形データであるが、必要に応じて他のデータとともに記録することができる。
<空洞の検出>
上述の計測により探査対象面Rにおける調査対象領域の全体にわたり反射波データ50を取得したならば、次いで取得データ50の解析を行い、空洞を検出する。空洞の検出手法は特に限定されず、特許文献3記載の手法も採用することができる他、例えば以下に述べるように探査対象面R下の画像を作成し、この画像を基に空洞を検出することができる。
すなわち、取得データ50に基づいて、各反射波検出位置40における各深度の反射波強度(振幅)を濃淡で表現した走行方向縦断面画像(図9参照。横軸が走行方向距離、縦軸が深さ。)を作成する。例えば図8に示すように、各反射波検出位置40における各深度の反射波強度を多値化する。多値化は適宜の手法で行うことができるが、例えば反射波強度0を中央値として正側の上限値70及び負側の下限値71をそれぞれ設定し、強度下限値70から強度上限値71までの反射波強度値の範囲を等分で多段階化(3以上であれば良いが、256や65536程度であると後述の可視化画像の作成上も好適)し、各反射波検出位置40における各深度の反射波強度が該当する段数を、その位置の多値化反射波強度とすることができる。また、「深度」は、電磁波の伝播速度と、電磁波の送信から反射波の受信までの時間とから求めることができる。そして、図9に示すように、横軸を走行方向距離とし、縦軸を深さとして、各走行方向位置及び各深度の多値化反射波強度の階調を有する単位画素を二次元的に配列することにより、走行方向縦断面画像80を作成することができる。なお、図9中の各画像の十字線は画像間の対応位置を示すものである。この走行方向縦断面画像80は、車幅方向の全ての反射波検出位置40について作成する他、いずれか一つ(例えば車幅方向中央)又は複数(例えば車幅方向両端部と中央部の三か所等)のみ作成しても良い。走行方向縦断面画像80は、反射波データ50取得のための車両走行中にリアルタイムに作成しても良いし、反射波データ50を取得後にまとめて作成しても良い。また、本発明の知見によると、空洞は60cm以浅に多く、深い位置にある空洞は陥没の原因となり難いため、所定深さ(1.5m等)以浅に限定して走行方向縦断面画像80を作成するのも一つの好ましい形態である。
走行方向縦断面画像80だけでは、空洞判別は困難であるため、例えば図9に示すように任意の深度における反射波強度を濃淡で表現した水平断面画像90や、任意の走行方向位置における車幅方向縦断面画像100を作成し、これら画像80,90,100から総合的に判断することが望ましい。これら水平断面画像90及び車幅方向縦断面画像100は例えば前述の走行方向縦断面画像80と同様の方法により作成することができる。すなわち、水平断面画像90は、各反射波検出位置40における各深度の反射波強度を多値化し、横軸を走行方向距離とし、縦軸を車幅方向距離とし、目的の深さにおける各位置の多値化反射波強度の階調を有する単位画素を二次元的に配列することにより作成することができる。また、車幅方向縦断面画像100は、各反射波検出位置40における各深度の反射波強度を多値化し、横軸を車幅方向距離とし、縦軸を深さとし、目的の走行方向位置における各位置の多値化反射波強度の階調を有する単位画素を二次元的に配列することにより作成することができる。これらの画像90,100を作成する場合、位置が異なる空洞が複数ある場合には、空洞ごとに画像90,100を作成することができる。また、もちろん空洞と異なる任意の位置でも画像90,100を作成することができる。
空洞を探す場合、先ず縦断面画像80,100を用いることが望ましい。例えば縦断面画像80,100では反射波が正極性で周囲よりも強度の強い部位(以下、強信号部位ともいう)、つまり図示例では白い層状の部分の下側に黒い層状の部分が重なる部位81が、空洞である可能性が高い。よって、この強信号部位81を空洞として検出することができる。図10は、通常のアスファルト舗装面下の層構造、反射波極性、及び走行方向縦断面画像80の関係の一例を示した比較図である。この例では、空洞の無い場所では、図10(a)に示すように下層へ向かうに従い比誘電率εrは大きくなり、探査対象面R及び層間の反射波は負極性(画像では黒から白)を示すのに対して、空洞のある場所では、図10(b)に示すように、空洞部位の比誘電率εrが最も小さくなり、空洞の天面で電磁波が正極性で反射し(画像では白から黒)、空洞天面の形状が現れる。
空洞を探すときには、反射極性及び反射波強度以外に、強信号部位81の形状も参考となる。例えば図11(a)に示すくさび形(又はドーム形)の強信号部位81は、空洞部位に発生するもののうち最も一般的なものである。この形状は、独立空洞がドーム形状を有することが多いことに起因している。これに対し、図11(b)に示す断続的な強信号部位81は多条管の上部やコンクリート版の撤去際における空洞に多く発生するものであり、図11(c)に示す強信号部位81は、構造物脇における圧密沈下に起因する空洞で発生するものである。また、図11(d)に示す強信号部位81は、舗装構造の変化点(打換箇所等)における空隙で発生するものである。よって、強信号部位81の形状と、これらの形状との一致性を評価して、一致する場合には空洞として検出することができる。
このように縦断面画像に基づいて強信号部位81を発見したら、次に強信号部位81における水平断面画像90に基づき、強信号部位81の形状と管等の埋設物の形状との一致性を評価して、一致しない場合にのみ空洞として検出するのも好ましい。これにより、反射極性だけでは区別し難い埋設物と空洞とを判別することができる。特にこのような水平断面画像90を作成する場合、反射波検出を10cm以下という細かい間隔で行うと、管等の埋設物の形状がはっきりと表れるため、空洞と埋設物との違いを見分け易い。また、探査対象面R下に埋設物があると、その周囲に空洞が発生する可能性が高いため、図18に示すように、埋設物122の強信号部位82に接する又は重なる強信号部位81を検出した場合、空洞85の可能性は極めて高いものと判断することができる。
以上に述べた空洞や埋設物の検出処理は、作業員が目視で行うことができるが、コンピュータ(前述のデータ処理装置14でも良く、別のものでも良い)により取得データを直接情報処理することにより行っても良く、その場合には画像を生成する必要はない。
<陥没危険性の評価>
空洞を検出したときには、図12に示すように、空洞85の天面の寸法W及び天面の深度Pを求める。空洞85の天面の寸法W及び深度Pは、作業員が画像80,90,100の印刷物を定規により計測したり、画像80,90,100の寸法計測位置をコンピュータに入力(指定)してコンピュータにより算出したり、コンピュータにより画像80,90,100を画像解析したりすることにより求めることができる。そして、図13に示すように、これら空洞天面の寸法Wが大きいほど、及び空洞85天面の深度Pが浅いほど陥没の危険性が高いものとして、各反射波検出位置40における陥没の危険性を評価する。このように、空洞85を発見するだけでなく、その空洞85を原因とした陥没の危険性を評価することにより、陥没危険性の高い空洞85を先に補修し、陥没危険性の極めて低い空洞85は補修しない又は後回しにする等、適切な補修計画を容易に行うことができる。
陥没は空洞85上側の層の崩落により発生するため、前述のとおり空洞天面の寸法Wが大きいほど陥没が発生し易くなる。よって、空洞85の天面の寸法Wとしては、天面の面積、長径、短径等適宜定めることができるが、空洞85が狭い幅で長く伸びている場合にはいくら長くても陥没の危険性は少ない。よって、空洞天面の寸法Wとしては、図12(b)に示すように、空洞85天面の形状を楕円近似したときの短辺Wを用いるのが好ましい。楕円近似による短辺の算出手法は特に限定されず、公知の手法を適宜用いることができるが、例えば前述の水平断面画像を作成し、所定の反射強度以上の部分を空洞85と仮定して画像解析によりエッジの座標を検出し、このエッジを最小二乗法等で楕円近似することにより短辺を算出することができる。
空洞85の天面の深度Pも適宜定めることができ、基準位置を探査対象面Rではなく、アスファルト混合物層の下面等の任意の位置としたり、空洞85の天面における深度計測部位を空洞85の天面の周縁部としたりすることもできるが、反射波データ50から正確に取得できる点で基準位置は探査対象面Rとすることが望ましく、また陥没との相関の高さの点で空洞85の天面における深度計測部位は空洞85の天面の最上部とするのが好ましい。つまり、図12に示すように、空洞85の天面の深度Pは探査対象面Rから空洞85の天面の最上部までの深さとするのが最も好ましい。
この評価方法では、空洞85の天面の寸法及び空洞85天面の深度Pの両方を指標にする限り、その重み付けについては適宜定めることができ、例えば図13(a)に示すように、空洞天面の寸法Wを横軸に、空洞85天面の深度Pを縦軸にとり、原点(空洞天面の寸法Wが0、空洞85天面の深度Pが0)を通る所定傾きの直線により複数の陥没危険度の領域に区画し、検出空洞85がその天面寸法及び天面深度によりどの領域に属するかによって、その空洞85に起因する陥没危険性をランク(図示例では危険度の高いものからA,B,Cの順にランクを付ける)や点数等により評価することができる。
また、検出した空洞85の天面寸法が小さくても浅い位置にある場合は陥没の危険性が高く、さらに、空洞85の天面寸法を正確に検出できない場合もあるため、図13(a)に示す評価基準を図13(b)や図13(c)に示す評価基準のように変形し、所定深度以浅のものは天面寸法に関係なく陥没危険性のランクや点数を高く付けるのも好ましい評価手法である。なお、この所定深度は、図示例では20cm程度としているが、これに限定されるものではなく、例えば10〜30cm程度に設定しても良い。
ところで、陥没危険性を評価する上で、空洞85の成長や上昇は極めて重要である。すなわち、探査対象面R下に存在する空洞85は、周辺環境等によって発生から陥没に至るまでの成長、上昇の速度が異なるため、陥没危険性を評価するにあたり、このような成長要因を加味し、成長要因があるときには陥没の危険性がより高いとして、ランクを上げる又は加点する等により、陥没危険性の評価を行うことが好ましい。例えば、図14(a)に示すタイプの空洞85は、護岸擁壁110や橋台等に破損あるいは隙間111が発生し、地盤100内に海水等が浸入し、海では干満差や波、河川では増水等により、地盤内へ水が流入・流出を繰返し、徐々に土砂が浸食されて形成され、成長・上昇していくものである。なお、符号100はアスファルト混合物層を示し、符号101は路盤層を示し、符号102は路床を含む地盤層を示している。また、図14(b)に示すタイプの空洞85は、地震等や地盤沈下により地下埋設管121,122にずれ・破損が発生(特に下水道の本管121と枝管122との接続)し、集中豪雨時など破損部から土砂が管121,122内に流出して空洞85が発生し、成長・上昇していくものである。これらは土砂の吸出しによる空洞85と分類することができ、急速に成長、上昇するものである。よって、これらの成長要因がある場合には、空洞85の天面寸法及び深度による評価結果を基本として、それよりも危険性が高いものと評価する(例えば、前述の危険度Bのものを次のランクAとしたり、前述の危険度Aのものに成長要因を示す「+」を付けてA+としたりする等)ことができる。
これに対して、図15(a)に示すタイプの空洞85は、構造物130施工時の転圧不足によるゆるみが経年で圧密沈下することにより形成されるか、又は構造物130により地下水の流れが変化して、水みち131が発生し、雨水浸入や地下水変動により、地盤の細粒分が水みちに流出して形成され、成長・上昇していくものである。また、図15(b)に示すタイプの空洞85は、特に電話・電気・CAB等の多条管140周辺や埋設物の輻輳箇所等において、敷設時の転圧不足によるゆるみが存在するときに、経年で圧密沈下することにより形成され、成長・上昇していくものである。図16(a)に示すタイプの空洞85は、埋戻材150に栗石やコンクリートガラ等が混入し、その周りに多数の空隙が存在するときに、経年で圧密沈下することにより形成され、成長・上昇していくものである。図16(b)に示すタイプの空洞85は、シールド管や推進管等の管160の掘削による局部的なゆるみが上方に向かうとき、分散せずに一方向に集中することにより形成され、成長・上昇していくものである。図17(a)に示すタイプの空洞85は、存置物170(仮設土留めや人孔、死管等)周辺に局部的なゆるみが存在ときに、経年で圧密沈下することにより形成され、成長・上昇していくものである。図17(b)に示すタイプの空洞85は、コンクリート版やスラグなどの堅固な層下の路盤・路床が矢印で示すように不等沈下することにより形成され、成長・上昇していくものである。これらは、土砂の圧密沈下による空洞85と分類することができ、ある程度締め固まると成長が止まるものであるが、何も成長要因が無い場合と比較すれば、危険性は高まるものである。よって、これらの成長要因がある場合には、空洞85の天面寸法及び深度による評価結果を基本として、それよりも危険性が高いものと評価する(例えば、前述の危険度Bのものを次のランクAとしたり、前述の危険度Aのものに成長要因を示す「+」を付けてA+としたりする等)ことができる。
さらに、これらの成長要因の種類によって、危険性の程度を異なる評価とすることもできる。例えば、成長要因が「土砂の吸出し」の場合には「土砂の圧密沈下」の場合と比較して成長速度が速く、成長が止まらないため、土砂の圧密沈下よりも危険性を高く評価することができる。成長要因が「土砂の圧密沈下」の場合は、ある程度締め固まると成長が止まるため、危険性の評価を高くしない(基本の評価結果のままとする)こともできる。
また、これらの成長要因には、位置が既知の埋設物(地上から地中に延在する埋設物のように地上で位置を把握できる埋設物を含む)以外に、埋設物121,122,130,140,150,160,170のような予め把握できないものもある。よって、空洞85探査だけでなく、成長要因となる埋設物121,122,130,140,150,160,170についても、前述の走行方向縦断面画像80や水平断面画像を作成・利用して探査し、図18に示すように、空洞85を検出するとともにその周囲に枝管122等の埋設物を検出したときには、成長要因ありとして、陥没の危険性の評価をより高いものとするのは好ましい形態である。位置が既知の埋設物についても同様に、空洞85を検出するとともにその周囲に既知の埋設物があるときには、成長要因ありとして、陥没の危険性の評価をより高いものとするができる。
特に後述するように、同一の反射波検出位置40における反射波データ50の新旧比較に基づき探査対象面R下の変化をモニタリングする場合には、空洞85の成長及び上昇をモニタリングして、成長速度や上昇を求め、速度が所定値以上のものについては、陥没の危険性の評価をより高いものとするのも好ましい形態である。
また、例えば車道や歩道における交通量等、探査対象面Rの交通量が多いほど荷重や振動がより多く加わり、探査対象面Rが車道の場合には、車道内における車両走行の多い位置ほど(例えば、路肩内よりも車線内の方が車両走行が多い、車線であっても交差点内の方が車両走行が多い等)、荷重や振動がより多く加わる。よってこれらの場合、空洞85が発生する可能性が高く、また発生した空洞85の成長速度、上昇速度が速い。しかも、これらの場合ほど、陥没発生時の影響度(事故発生の確率が高くなる、渋滞度合がひどくなる等)が大きくなる。よって、これらの要因を加味して陥没の危険性評価を行ったり、影響度評価を付加したりすることにより、より的確な評価を行うことも提案する。
すなわち、探査対象面Rの交通量を加味する場合は、探査対象面Rの交通量を評価するか又は既知としておくとともに、空洞85を検出したときには、当該空洞85を検出した探査対象面Rの交通量が多いほど当該空洞85による陥没の危険性がより高いものとして陥没の危険性評価を行う(例えば、前述の危険度Bのものを次のランクAとしたり、前述の危険度Aのものに成長要因を示す「+」を付けてA+としたりする等)ことができる。これに代えて、当該空洞85を検出した探査対象面Rの交通量が多いほど当該空洞85による陥没時の影響度がより大きいという影響度評価を陥没の危険性評価に付加することもできる。例えば、車道の場合、全国道路・街路交通情勢調査(道路交通センサス)一般交通量調査集計表から、空洞85を検出した道路の混雑度を取得し、下記表1に示す混雑度及び影響度対応表に基づいて、陥没が発生した際の影響度(交通規制による渋滞度合い)をランク付けにより評価することもできる。
また、空洞85の車道内発生位置を加味する場合は、空洞85を検出したときには、車道における空洞85の検出位置が車両走行の多い位置であるほど陥没の危険性がより高いものとして陥没の危険性評価を行う(例えば、前述の危険度Bのものを次のランクAとしたり、前述の危険度Aのものに成長要因を示す「+」を付けてA+としたりする等)ことができる。これに代えて、例えば表2に示すように、車道における空洞85の検出位置が車両走行の多い位置であるほど陥没時の影響度がより大きいという影響度評価を陥没の危険性評価に付加することもできる。
他方、空洞85の天面の寸法及び深度が同じでも、空洞85天面より上側に位置する層の支持力が強いほど陥没危険性は低下する。よって、これを加味して、空洞85天面より上側に位置する層の支持力が強いほど、空洞85の天面寸法及び深度による評価結果を基本として、それよりも危険性が低いものと評価する(例えば、前述の危険度Aのものを次のランクBとしたり、前述の危険度Aのものに危険性低下要因を示す「−」を付けてA−としたりする等)ことができる。例えば、図14等に示すアスファルト舗装面の場合、等値換算係数を支持力とみなして評価することができ、この場合における各層の厚さは、既知の値を採用しても良いし、前述の反射波データ50や走行方向縦断面画像80から作業員が計測したり、コンピュータ(前述のデータ処理装置14でも良く、別のものでも良い)により反射波データ50を直接情報処理する若しくは縦断面画像を画像解析したりすることにより求めることができる。
以上のように所在情報及び天面深さ範囲を含む空洞属性情報の準備ができれば、本発明に係る階層別危険度表示システムへデータ連携し、空洞による陥没危険性を適切に評価することができること、空洞は周囲の環境の影響を受け、成長因子により上方への成長、場合により下方への成長が促進され、比較的浅い領域に進行又は拡張すると陥没の危険性が極めて高くなるものと評価されることが理解された。
次に、鉄筋コンクリート床版の損傷部位形状及び深度の探査では、空洞探査と同じ機器・仕組みを使用し、基本的な〈計測〉の枠組みは地中空洞の説明と同様である。以下に相違点のみ記述する。コンクリート床版の損傷部位探査の場合には空洞のような明確な界面が存しないため、反射波の極変化の探査手法により、損傷部位の探査はできない。その代替として一定間隔で鉄筋が埋設されているときには、コンクリートの損傷部位の存在により鉄筋の反射波にゆらぎが生ずるのでこれを探査し反射波の縦断面図のゆらぎから損傷部位の深さ範囲を判定するものとする。この手法については、特許文献4のとおりであるが、この手法では、実務上は、コンクリート床版の鉄筋の上端と下端の間に損傷部位があると判断できるに情報が得られるに止まるため、この場合には、損傷部位の深さ範囲をこの鉄筋の上端と下端の間とみなすことで損傷を安全側に評価している。具体的には、舗装厚さを7cmとしてコンクリート床版の鉄筋の上端とは、路面から10cmであり、コンクリート床版の鉄筋の下端とは、鉄筋径を16mmとして底面から4.6cmの範囲が損傷部位の境界となる。
反射波の極変化の探査手法が使えない場合でも便宜上、コンクリート損傷部位の天面からの反射波の検知により、天面の深さの把握ができる場合もあり、このような手法を使い、損傷部位の所在情報及び深さ範囲を含むコンクリート床版の損傷部位属性情報の準備ができれば、本発明に係る階層別危険度表示システムへデータ連携し、コンクリート損傷部位による陥没危険性を適切に評価することができる。
極変化による損傷部位の界面深さの特定ではなく、深さを特定できる手法として、損傷部位に電磁波が入ると電磁波の反射が弱く出てくるので、例えば深さ15cmの損傷部位を把握するにあたり、それよりも深い所定範囲、例えば、20cmまでの深さの反射波を重畳測定し、電磁波の弱くなる変化を検知して深さ方向の損傷部を特定する手法もある。
コンクリート床版の損傷については、床版の底部に損傷部位が発生すると底面の剥離や落下の危険があるため、コンクリート床版の厚さも損傷部位の属性情報として備えることが好ましい。
以上のように複数の様々な手法により、損傷部位の所在情報及び深さ範囲のコンクリート床版の損傷部位属性情報の準備を行い、階層別危険度表示システムを使用するが、これらの探査方法を階層別危険度表示システムに取り込み電磁波探査データから損傷部位の所在情報及び深さ範囲を特定し、次のステップへ進むこともでき、表示システムと解析システムが統合化されて好ましい姿である。
以下、階層別危険度表示システムについて、続けて詳説する。
<階層別危険度表示システム構成>
図19A、図19Bには、階層別危険度表示システム装置16及び17のシステム構成図を示す。図19Aは空洞表示、図19Bはコンクリート床版の損傷部位表示に係るシステム構成図である。図19A,19Bに示されるように、階層別危険度表示システム装置16、17共に、入出力装置D001、中央処理装置D002及び表示装置D003を備える。図示はしないが入出力装置には操作入力手段であるマウスやキーボード、ネットワーク接続機器としてのLANケーブル、ルーターが含まれる。扱う入力データは、階層別危険度表示システム装置16では、空洞属性情報IO1と地図データIO2であり、階層別危険度表示システム装置17では、コンクリート損傷部位I21と地図データIO2であり、出力データは危険度表示である。
地図データIO2は図19A、図19Bの点線で表示しているようDVD等の記憶媒体に格納されているものを入出力装置D001から受入れるケースもあれば、図19A、図19Bのネットワークで表されているように、例えばインターネットを介して提供されるWEB上の地図データサーバーD005から必要な地域の所望の縮尺地図データを緯度経度等の検索条件により指示し、WEBサービスにより取得できるように入出力装置D001を介しインターネット接続D006されるケースがデータの旬度に優れ好ましい。
入出力装置D001と表示装置D003は中央処理装置D002により制御され、空洞属性情報IO1、損傷部位情報I21と地図データIO2は入出力装置D001を介して中央処理装置D002の主メモリへロードされ、所定の演算処理を行い、表示装置D003を介して階層別空洞危険度表示コンソールD004に処理結果ビューがコンソール画面として表示される。
<階層別表示シンボルと形状オブジェクトの例>
それでは、どのように空洞や損傷部位が画面に表示されるのか概要を地中空洞とコンクリート床版損傷部位を表示する模式図20A及び20Bにより説明する。図19A、図19Bに示すように、地図データIO2は、入出力装置D001のファイル処理機能により、ファイルから読み出し、取り出してもよいし、リアルタイムにインターネットD006からWEBサービスにより、入出力装置D001の通信制御機能によって、データ要求しデータを受入れてもよい。地図データは、リアルタイムによって、動的に取り入れ、動的に空洞データと重畳できれば、最新の地理情報に空洞データを重畳することができ好適である。
図20Aに空洞及びコンクリート損傷部位から表示シンボルがどのように生成されるかを、階層別のスライス画像の表現として空洞形状オブジェクトがどのように生成されるかを示し、図20Bには、コンクリート内部の損傷部位についてコンクリート床版底面からの深さ範囲を基準として表示シンボルがどのように生成されるかを、階層別のスライス画像の表現として空洞形状オブジェクトがどのように生成されるかを表現したものの模式図を示す。
図20Aの右側の空洞は、路面から深さ方向15cm〜45cmに亘り存在している。したがって、シンボルSY2が選択されて、内側から赤黄青の表示がなされ、一目で深さ15cmから45cmの深さに亘り空洞が存在していることがわかるのである。
図20Aの左側の空洞は、路面から深さ方向15cmより深い域、15cm〜30cm、30cm〜45cmの各域から45cm以深に亘り存在している。したがって、シンボルSY3が選択されて、内側から赤黄青の表示がなされ、一目で深さ15cm以下の中深域から45cmの深さに亘り空洞が存在していることがわかり、余裕度がないことを知るのである。すなわち、深さ階層別の路面からの15cmを段階単位とする深さ基準として危険度が一目両前に表示されるのである。
シンボルの下に表示されるのが、深さ階層別のスライス画像に現れる空洞形状を画面オブジェクト化したものである。ここでは水平射影の楕円形状として表現されている。一番外側から青、黄、赤色の楕円が表示され各深さ別の空洞となり、損傷部位の天面の形状が表されていることがわかる。地図表示の縮尺が小さいときには、路面下の空洞や損傷部位の形状を表示することも危険性の視認性、臨場感が増す場合もあり、シンボル表示と切替え表示すると双方のメリットを享受することができる。
図20Bは、コンクリート床版底面からの上方深さ別の損傷部位情報から損傷部位存在のシンボル表示と損傷部位の深さ別スライス形状を表示オブジェクトとして生成した様子を模式的に示す。右側の損傷部位は、底面から深さ15cmまで、15cm〜30cm、30cm〜最深45cm、さらに45cm以深までに亘り存在している。この場合には、底面から深さ15cmまで、15cm〜30cm、30cm〜最深45cmまでの各々の基準深さに対応するSY01,SY02,SY03を重畳表示するSY2シンボルが選択され、15cmまでの損傷部位の存在を一番内側のSY03赤で表し、15cm〜30cmの損傷部位の存在を黄の中間シンボルSY02で表し、30cm〜最深45cmの損傷部位の存在を一番外側SY01の青色シンボルで表し、これら3種のシンボルが損傷所在位置に重畳表示され、シンボルSY2により統括されて表されることとなる。その上に表示している楕円は損傷部位の深さ別スライス形状を表示オブジェクトとして生成されたもので、外側から深い順に青・黄・赤の順に形状が階層別に表現され、これら3つの損傷部位形状オブジェクトが損傷部位存在位置に重畳表示されることとなる。
図20Bの左側のコンクリート床版損傷部位は、深さ15cm〜30cmに損傷部位が存在する場合であり、シンボルSY4が選択され、内側に赤のシンボルSY03が表示され、底面から深さ15cm以内に損傷部位が存在することが表示され、その外側に黄のシンボルSY02が表示され深さ30cmまでに至っていることが一目でわかる。その上にある楕円は、損傷部位の深さ別スライス形状を表示オブジェクトとして生成されたもので、楕円体のように拡がる形状の損傷部位のため、損傷部位形状表示オブジェクトは、外側の楕円が赤色で15cm以下の深さに拡がっている様子が表示され、その内側が30cmの深さにあることが黄の損傷部位形状表示オブジェクトで表されこれら二つのオブジェクトが重畳表示されている。
<階層別表示シンボルと形状オブジェクト生成処理ステップ>
図21A及び図21Bは、発明の一実施態様におけるシンボル表示処理を行うステップS16及びS17を示す。先に地図情報IO2を取り入れる準備PR01を終えた後、地図データ受入ステップS101では、地図データIO2を取り込む。並行して、空洞属性情報受入ステップS102、損傷部位属性情報受入ステップS202では、空洞属性情報IO1、損傷部属性情報I21を受入れ、危険度判定基準R101及危険度判定基準R201により、各表示属性を決定し、各表示シンボルの属性P102、P202が決定され、各空洞について空洞表示シンボルの群として、予め定められている空洞表示シンボル及び損傷部位表示シンボルが選定される。
図21C及び図21Dは、発明の一実施態様における探査対象の形状表示オブジェクトの表示処理を行うステップS18及びS19を示す。地図情報IO2を取り入れる準備PR01を終えた後、地図データ受入ステップS101では、地図データIO2を取り込み内部表現形式の地図データP100を作成することはS16,S17の処理と同様である。
空洞属性情報受入ステップS102、損傷部位属性情報受入ステップS202では、空洞属性情報IO1、損傷部属性情報I21を受入れ、<計測>のセクションで上述した電磁波レーダー反射波データ作成ステップPR03から原データをレーダー反射波データ受入ステップS103で受入れ、スライス画像強度決定ステップS104,S204により各段階的深さでの深度階層別スライス画像を生成する。属性情報とスライス画像と危険度判定基準R101及びR201を掛け合わせ、形状表示オブジェクト決定ステップS303,S403では各表示属性を含む空洞形状表示オブジェクトが求まり、各空洞について空洞形状表示オブジェクトの群を、各損傷部位について損傷部位形状表示オブジェクト群を生成する。
<強調色による視認性向上について>
図22は、本発明の実施態様における色使いに当たり、各表示シンボルP102、P202を各危険度判定基準R101及びR201により決定する場合の使用される横軸の色相R,YR,Y,GY,G,BG及びBと彩度のレベル1〜7で示す色種のマトリックス表示である。彩度は、損傷部位の深さ別スライス形状表示オブジェクト内で反射波信号の強弱を表す用途で用いられる。通常、信号の弱い箇所はまわりが損傷されて信号が弱められていることを示す証拠として利用される。
彩度は、例えば、各色をRGBの三原色に分解し、各色信号の強度レベルを255段階に分割し、255を7つのレベルに分けることで彩度で区別をする。
赤であれば(R,G,B)の強度の組は(36,0,0)、(72,0,0)、・・・・(216,0,0)であり、この順に赤色が強まる彩度表現となる。
黄であればR,G,B)の強度の組は(36,255,255)、(72,255,255)、・・・・(255、255,216)であり、この順に黄色が弱まる彩度表現となる。
青であれば(R,G,B)の強度の組は(0,0,36)、(0,0,72)、・・・・(0,0、216)であり、この順に青色が強まる彩度表現となる。
<色の定義について>
図22の横軸で表現される色相は、様々な定義の仕方があるが、本実施態様では、マンセル色相のR(赤)からB(青)を採用する。マンセル色相は色を全体で10に分類するが、本発明に係る実施例では、青の外側の色は、再び赤の要素が入る紫系統の色となるため除外し、視認性を向上させる。
図22の縦軸が彩度であり、縦軸方向に下がるに連れて彩度が1/7段階ずつ低下させているが、7段階へのレベル分けは便宜的なものであって、表現したい強度レベルとシステム性能での視認度とのバランスで決定すべきものである。
例えば、図23のシンボルでは、浅部つまり上層空洞に赤R、下層空洞に青B、中層に黄色Yを割当て、各色の彩度レベル1(最も鮮やか)を割り当てている(本実施態様においては、シンボル表示では彩度の変化は使わない)。
<表示シンボルの表示属性決定について>
図24は、図23で割り当てた配色をもとに、浅部つまり上層空洞、下層空洞及び中層空洞が同時に観測されるときのシンボル表示を表す。
図24は、各層別の空洞表示シンボルSY1の大きさSY01,SY02及びSY03を表示する。下層へ行くほど大きなシンボルとなるものと定義し、空洞表示シンボルSY1が重畳されてもすべて視認できるものとしている。図24は、重畳表示する空洞表示シンボルSY2として表記したものである。すべて異なる大きさとし、各層のシンボルSY01,SY02及びSY03は回転させ重畳表示されても下層の空洞を表現する空洞表示シンボルSY01,SY02がよく視認できるものとされていることが理解される。
これらの空洞表示シンボルSY01,SY02、SY03を用い、空洞天面の深さが15cm以下には浅部つまり上層空洞の表示シンボルSY03を割当て、空洞天面の深さが15cm〜30cmまでを中層空洞の表示シンボルSY02を割当て、空洞天面の深さが30cm以深に下層空洞の表示シンボルSY01を割り当てると空洞属性情報PR02に空洞天面深さPが含まれていれば、危険度判定基準R101より、空洞属性決定ステップS103にて空洞表示シンボル属性P102が決定されることとなる。
<表示シンボルの決定について>
図25は、図24に示す空洞表示シンボルを採用する実施態様の場合に、二つの層に空洞が跨る深さ範囲を有するときの空洞表示シンボルSY3,SY4を示す。SY3は下層と中層に跨るケースの場合であり、SY4は上層に跨るケースの場合である。ここで、上層と下層の二つに跨る場合は、空洞は上下で分離しているということであり、ひとつの空洞ということにはならないので、ここにはあげていない。
結局、図26に示す空洞表示シンボルが重畳形成する空洞表示が本実施態様における空洞表示シンボルの群SYXとなり,これら6種の空洞表示シンボル{SY01,SY02,SY03,SY2,SY3,SY4}を群のメンバーとし、これらのメンバーをなすシンボルにより、すべての空洞が階層別危険度表示コンソールD004に表示されることとなる。
以上のように空洞属性情報から、危険度判定基準より、空洞表示シンボル属性が決定され、空洞表示シンボル属性より予め定められている6項の空洞表示シンボルから選択される手順となる。
コンクリート床版の場合のシンボル表示の場合、路面剥離の危険性のある損傷部位のシンボル表現は、空洞の場合と同様に上方からの電磁波照射により損傷部位天面の深さを測り、その深さで危険度を認識するものであるから、空洞の場合と同様である。
<コンクリート床版の落下危険性について>
ところで、コンクリート床版の場合のシンボル表示の場合で底面落下の危険性のある損傷部位のシンボル表現は、空洞の場合と同じく上方からの電磁波照射により損傷部位天面の深さを測るが、その路面からの深さではなく、底面から損傷部位天面の深さにより危険度を認識するものであるから様相は多少異なる。これは、図20Bの例示で既に説明の通りであるが、追補すると、上方からの電磁波照射により損傷部位天面の深さを測るとき、下面の深さは特定しづらい、もともと下面には損傷部位の損傷片が雨水の影響もあって堆積しており、境界が不明瞭になっていることが多いからである。したがって、底面からの上方深さを測る場合でも天面を基準に測定することが求められる。基準深さより鉛直方向下方に存する損傷部位がどれだけ底面近くまでに存するかは不明なのであって、深さ方向の刻み幅を小さくし分解能を上げるしか方策はないが、いたずらに刻み幅を小さくしても信号波の区別が付くほど正確に信号データが得られなければ、無駄に終わるだけである。
損傷部位が、空洞天面のように。上に凸の形状をしていれば、断面スライス像は図20Bのように損傷部位の中心が最も深く構成されるのではなく、ドーナッツのように円環状に危険度の高いレベルが表現されることとなるが、損傷部位表示シンボルの表現は、視認性を第一義に考え、図20Bに示すようにコンクリート床版の底面から15cm以内に損傷部位があるものを危険度が高いと認識すべきとし、損傷部位表示シンボルの中心に赤の属性を持つシンボルを表示し、その下に黄色で底面から15cm〜30cmの範囲にも損傷部位が拡がっていることを表現する。この赤と黄のシンボルを重畳表示させ図20BではSY04として重畳シンボルを表現させている。
<重畳表示手段について>
図19A、 図19B、図19C及び図19Dの地図データ、表示シンボル及び表示オブジェクト重畳表示ステップS104では、空洞及び損傷部位を地図上に各表示シンボルとして階層別危険度表示コンソールD004へ重畳表示する。
重畳表示にあたっては、自らのアプリケーションで地図情報へ経度緯度情報と地図の境界、縮尺を考慮し各表示シンボルを表示するのが最も設計容易な実施態様である。
本実施態様では、さらに地図アプリケーションによりコンピュータシステム内の仮想画面フレームへ地図情報を描き、他方、各表示シンボルは、各属性情報の空洞及び損傷部位の所在を示す経度緯度情報からコンピュータシステム内の独立した仮想画面フレームへ描画し、ふたつの画面フレームを階層別危険度表示コンソールD004へ重畳表示する手法を取る。ふたつの画面フレームを別々のレイヤーとして、構成し重畳させ空洞表示シンボルの画面フレームを描画するレイヤーL111を地図情報を描くレイヤーL110よりも優先表示させ、地図上に各表示シンボルを表示させる。地図に記載されている付帯情報が必要なときには、地図情報を描くレイヤーL110をアクティブにし、優先表示させコンソールからのキーボード・マウス操作により付帯情報を画面P105へ優先表示させ、各属性情報を優先表示させたいときには、元に戻し各表示シンボルの描画レイヤーL111をアクティブにし、優先重畳表示させる。
図27は、一実施態様が示す階層別危険度表示システム16の表示コンソール画面D004である。道路地図と各表示シンボルを重畳表示させている。各表示シンボルSY2が表示されていれば、空洞及び損傷部位が成長し危険な状態であり、空洞及び損傷部位は上層から下層へ亘り広範に損傷が発展している認識すべきであり、これは三層が表示されていると一目でわかる。
<空洞及び損傷部位の階層別スライス画像表示>
空洞及び損傷部位の深さ階層別損傷を表示するには、探査に用いた反射波信号を加工し、深さ別のスライス画像を得て表示する。シンボルであれば、定型のものを表示するのであるが、スライス画像は空洞や損傷部位の探査信号からこれらの形状を水平断面スライス像として把握する。上方からの探査波の照射であれば、空洞及び損傷部位の上面から見た射影像が把握される。シンボルの表示とスライス画像をベースとする空洞形状若しくは損傷部位形状表示オブジェクトは同じ空洞若しくは損傷部位位置に表示すべきものであるからシンボルと形状表示オブジェクトの同一地図上への同時表示は、適当でなく、画面上の操作スイッチで表示対象を選択させるべきものである。この場合において、選択的に同時に重畳表示する地図縮尺が小さく道路幅が十分に広い探査の例では、縮尺に応じてシンボル表示とスライス画像によるオブジェクト表示を自動的に切り替えるものとすれば、なお好適である。
深さ階層別の地中若しくはコンクリートの水平断面スライス画像の作成には、電磁波レーダー反射波のデジタル形式のデータが必要となるがその方法は、<計測>のパートで記載した通りである。
スライスデータを得ることで空洞や損傷部位の形状がよくわかり、危険度判断に主観的要素を加えるときには、スライスデータの重要度が増す。電磁波レーダー反射波のデジタル形式の水平断面スライス画像を参照することで危険度判断基礎データの客観性をカバーする。
スライス画像には、深さ断面の単一平面からの反射波強度を基準として強度分布図を作成してもよいし、深さ範囲:0〜15cm、15cm〜30cm、30cm〜45cmの各深さ幅に亘る反射波強度の平均値を用いて平滑化によるノイズ除去を狙ってもよいし、深さ範囲:0〜15cm、15cm〜30cm、30cm〜45cmの各深さ幅に亘る反射波強度の最大値を用いて、コントラストの強調処理を施してもよい。
スライス画像は各深さ範囲のスライスを並べて見てもよいが、既述のように、地図表示の縮尺によっては、道路幅も大きくコンソール画面表示されるので、シンボルと同様にスライス画像から損傷部位の水平断面の外縁を特定し、その損傷部位外縁線の内部は、電磁波レーダー反射波を加工したデータによる反射波強度分布を表示させれば、損傷部位の広がりと同時に深さ情報も表示され、好適で、シンボルと同様の色付け表示をすると危険度の統一表示となり、好ましい。損傷部位外縁線の内部に表現する反射波強度分布は、色付けをした危険度に対して彩度のバリエーションとして与えられれば、その強弱は視覚的に強弱として認識され好適である。
この他の形状表示オブジェクトの表示属性の決定方法は、シンボルの属性決定と同様であり、図21A及び図21Bのシンボル属性の決定と重畳表示ステップに倣う。
<コンクリート床版剥離危険度表示と落下危険度表示の切替>
コンクリート床版の場合には、橋梁の舗装路面の剥離だけでなく、コンクリート床版の底面から床版が落下することがあり、この場合には、路面からの深さが基準とすべきでなく、コンクリート床版底面からの距離の大小を管理項目とするのが好適である。そうするとコンクリート床版に存する損傷部位は、コンクリート床版底面からの距離と路面からの距離の二つの各々独立した危険性の評価が求められる。よって、画面上の操作上のスイッチにより、路面剥離の危険度表示と底面落下の危険度表示と双方を切替え表示することができるものとする。
<コンクリート床版の損傷部位深さ探査方法について>
この他、コンクリート床版には、地中空洞と異なるところがあって、コンクリート床版の電磁波探査では、空洞探査の場合と異なり、境界壁面で位相が反転することは稀であり、空洞のように深さ方向の信号変化を解析することで比較的正確に空洞の境界面深さを特定できないこともある。このような場合でも、損傷部位では電磁波レーダーが損傷部位の性状により散乱され、反射波信号が若干弱く観測されることがある。このような場合には、階層別スライス画像強度決定手段は、スライス画像を得る深さ階層の基準とする段階的深さ以遠で次段の深さ以内の所定の深さまでの範囲を反射波測定区間として、反射波の各測定位置の前記反射波測定区間で観測される反射波強度信号をオーバーレイし、弱い信号を重畳することで信号レベルを強化し、損傷部位周辺についてオーバーレイした信号測定結果との比較により、損傷部位を特定する。この場合の評価関数は、反射波強度の平均値若しくは最大値のいずれかの一方が好ましいのであるが、その差異は、測定対象区間で第5の実施の形態は、基本的に基準深度のスライス面とその深さまでの深度範囲を基準とすることにあるのに対して、ここでは、基準深度以深の深度範囲を探査対象とし、基準深度が損傷部位の境界であるかを探査する。この結果、基準深度以遠の反射波について測定区間の反射波強度の平均値により平滑化した結果や測定区間の最大値により強調処理をした結果、他の探査位置との信号強度に差異があれば、損傷部位と正常部位との画像コントラストが明確に現れ、境界が現れれば、その基準深度に損傷部位境界が存すると判定することが可能になる。すなわち、位相反転による境界判定によらずしても、損傷部位と正常部位の境界を判定することができるようになる。
コンクリート床版橋梁の損傷部位属性情報に含まれる路面からの損傷部位天面の深さ範囲も前段落に記述した方法により特定されるものを用いることができる。
<スライス画像ベースの形状オブジェクト表示について>
図28は、図27の一部の縮尺を小さくし拡大表示する場合のシンボル表示からスライス画像ベースのオブジェクト表示へ切替表示した模式図を示す。各段階深さ域の地中水平断面スライス画像から空洞外縁形状を抽出し、各々を赤・黄・青の色付けし、この色付け表示した空洞形状オブジェクトを地図表示と重畳表示させて表現効果を上げている。
図29は、図28に示すスライス画像を構成する実空洞の反射波強度分布原画像を示す参考図である。図29a)には、この空洞の深さ別水平断面の示す鳥瞰図を掲載し、図29b),c),d)には各々深さ15cm、25cm及び35cmの反射波信号の原映像を示している。図29に掲げる現空洞が模式的に重畳され図28の二次元画像として表現され、一つの図で空洞の存在する深さ域と深さ基準の危険度の表示を行い、視認性を確保し、同時に空洞の実水平射影形状を各深さ別に重畳して示し、空洞の性状を一目で理解できる効果を与えている。
<危険度判定基準を空洞天面の深さと天面寸法の組み合せとする場合について>
空洞の危険度の表示は、深度のみを基準とする場合だけでなく、空洞天面の深さ及び空洞天面の水平射影形状を楕円近似した短径の大きさの組み合せにより、空洞天面の短径が大きいほど、及び空洞天面の深度が浅いほど陥没の危険性が高いものとして、危険度を判定することもでき、空洞が細長い場合には、危険度が低く設定される危険度モデルが採用される図13(a)にような現場であれば、深度が同じ30cmであれば、空洞天面の短径が150cmよりも小さいと陥没危険度はBランクとなり、空洞天面の短径が150cmよりも大きくなれば、陥没危険度はAランクと上昇する。したがってこの現場では、短径により、危険度が変わりシンボル表示が図30左に示すように、危険度判定基準R101は、右のシンボルと異なる色で表示することを指示することとなる。この図では、深さ基準でシンボルの大きさを規定し、色は危険度のランクを表示するものと規定されている図である。すなわち、最大危険度で最も強い強調色、図30の右では赤、左では黄と定め、各々黄と青が2段目の色表示を提供し、下段の深さレベルの広がりを持つ空洞であることを表現している。
以上、本発明に係る実施の形態を説明したが、本発明は係る実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明は、一般道路面下の空洞、橋梁及び岸壁、河川堤防又は護岸道路下の空洞の危険度を表示するシステムに関するものであり、これら施設の陥没の安全性評価と施設保全並びに災害対策に適用可能なものである。
P…天面の最浅深度、R…探査対象面、W…空洞天面の寸法(幅)、a…センサ、k…電磁波レーダーシステム、10…探査車、11…光学式距離計、12…カメラ、13…GPS装置、14…データ処理装置、15…制御装置、16…階層別危険度表示システム装置、40…反射波検出位置、50…反射波データ、80…走行方向縦断面画像、81…強信号部位、85…空洞、90…水平断面画像、100…車幅方向縦断面画像、200…空洞表示マップ(道路地図重畳)、IO1…空洞属性情報、IO2…地図データ、D001…入出力装置、D002…中央処理装置、D003…表示装置,D004…階層別空洞危険度表示コンソール、D005…地図データサーバー、D006…インターネット、S16…空洞表示シンボル表示処理ステップフロー、S17…損傷部位表示シンボル表示処理ステップフロー、S18…空洞形状表示オブジェクト表示処理ステップフロー、S19…損傷部位形状表示オブジェクト表示処理ステップフロー、S101…地図データ受入ステップ,S102…空洞属性情報受入ステップ、S103…空洞シンボル表示決定ステップ、S104…地図データ、表示シンボル及び形状表示オブジェクト重畳表示ステップ、R101…危険度判定基準(地中空洞)、R201…危険度判定基準(コンクリート床版損傷)、P102…空洞表示シンボル属性、P105…表示コンソール地図表示レイヤー・空洞損傷部位表示シンボル・形状オブジェクトレイヤー重畳画面、L110…地図表示レイヤー、L111…空洞・損傷部位表示シンボル・形状オブジェクト表示レイヤー、C01…マンセル色相、C02…彩度、C100…赤、C101…青、C102…黄、SY1…一層の空洞表示シンボル群、SY01…下層空洞表示シンボル、SY02…中層空洞表示シンボル、SY03…上層空洞表示シンボル、SY2…三層に跨る空洞表示シンボル、SY3…下層中層の二層に跨る空洞表示シンボル、SY4…中層上層の二層に跨る空洞表示シンボル、SYX…空洞及び損傷部位表示シンボル全体の群

Claims (11)

  1. 路面下における深さ方向に天面の拡がりを持つ空洞の所在情報と、空洞天面の最浅深さから最深深さまでの深さ範囲と、を含む空洞属性情報から空洞表示のシンボル表示属性表示シンボルを予め定められたルールに基づき判定する空洞表示シンボル決定手段を備え、
    前記空洞表示シンボル決定手段は、
    前記空洞属性情報から予め定められた段階的深さ基準により危険度を判定し、
    前記危険度に応じてシンボル表示属性を決定し、
    前記シンボル表示属性により予め定められた複数の表示シンボルから1つ以上の表示シンボルを選択し、
    当該1つ以上の表示シンボルから浅い深度の表示シンボルを優先して、階層別に重畳された表示シンボルを生成するものであり、
    前記空洞の所在情報と、前記空洞の所在における前記階層別に重畳された表示シンボルと、をデータ管理する、
    ことを特徴とする階層別危険度表示システム。
  2. コンクリート床版橋梁における深さ方向に天面の拡がりを持つ損傷部位の所在情報と、コンクリート床版における損傷部位天面の最浅深さから最深深さまでの深さ範囲と、を含む損傷部位属性情報から、損傷部位のシンボル表示属性表示シンボルを予め定められたルールに基づき判定する損傷部位表示シンボル決定手段を備え、
    前記損傷部位表示シンボル決定手段は、
    前記損傷部位属性情報から予め定められた段階的深さ基準により危険度を判定し、
    前記危険度に応じてシンボル表示属性を決定し、
    前記シンボル表示属性により、予め定められた複数の表示シンボルから1つ以上の表示シンボルを選択し、
    当該1つ以上の表示シンボルから浅い深度の表示シンボルを優先して、階層別に重畳された表示シンボルを生成するものであり、
    前記損傷部位の所在情報と、前記損傷部位の所在における前記階層別に重畳された表示シンボルと、をデータ管理する、
    ことを特徴とする階層別危険度表示システム。
  3. 路面下における深さ方向に天面の拡がりを持つ空洞の所在情報、空洞天面の最浅深さから最深深さまでの深さ範囲と、を含む空洞属性情報で決定される空洞探査対象面の上方から対象面へ電磁波レーダーを照射した反射波データ検出信号のアナログ/デジタル変換データをもとに地中深さ階層別信号強度から段階的深さ基準による空洞天面水平断面画像のピクセル信号強度値を定める階層別スライス画像強度決定手段と、
    前記ピクセル信号強度値から階層別空洞の表示オブジェクトの形状を定める階層別空洞形状表示オブジェクト決定手段とを備え、
    前記階層別空洞形状表示オブジェクト決定手段は、
    予め定められた段階的深さ基準により危険度を判定し、
    前記危険度より前記表示オブジェクトの画像表示属性を定め、
    前記表示オブジェクトから階層別に重畳された表示オブジェクトを生成するものであり
    前記空洞の所在情報と、前記空洞の所在における前記階層別に重畳された表示オブジェクトと、をデータ管理する、
    ことを特徴とする階層別危険度表示システム。
  4. コンクリート床版橋梁における深さ方向に天面の拡がりを持つ損傷部位の所在情報と、コンクリート床版における損傷部位天面の最浅深さから最深深さまでの深さ範囲と、コンクリート床版路面からのコンクリート床版底面までの厚さと、を含む損傷部位属性情報により決定される損傷部位探査対象面の上方から探査対象面へ電磁波レーダーを照射した反射波データ検出信号のアナログ/デジタル変換データをもとにコンクリート床版路面からの深さ階層別信号強度からコンクリート床版路面中における段階的深さ基準による損傷部位コンクリート内部の水平断面画像のピクセル信号強度値を定めるコンクリート内部の階層別損傷部位スライス画像強度決定手段と、
    前記ピクセル信号強度値から階層別損傷部位の表示オブジェクトの形状を定める階層別損傷部位形状表示オブジェクト決定手段とを備え、
    前記階層別損傷部位形状表示オブジェクト決定手段は、
    予め定められた段階的深さ基準により危険度を判定し、
    前記危険度より前記表示オブジェクトの画像表示属性を定め、
    前記表示オブジェクトから階層別に重畳された表示オブジェクトを生成するものであり
    前記損傷部位の所在情報と、前記損傷部位の所在における前記階層別に重畳された表示オブジェクトと、をデータ管理する、
    ことを特徴とする階層別危険度表示システム。
  5. 前記階層別損傷部位スライス画像強度決定手段は、
    深さ階層の段階的深さの反射波の各測定位置の深さ方向で観測される反射波強度の単一値又は深さ幅内の平均値若しくは最大値のいずれかの一つを評価関数とする、請求項4に記載の階層別危険度表示システム。
  6. 前記階層別損傷部位スライス画像強度決定手段は、
    深さ階層の基準とする段階的深さ以深で次段の深さ以内の所定の深さまでの範囲を反射波測定区間として、反射波の各測定位置の前記反射波測定区間で観測される反射波強度信号をオーバーレイし、測定区間の反射波強度の平均値若しくは最大値のいずれかの一方を評価関数とする、請求項4に記載の階層別危険度表示システム。
  7. 前記空洞属性情報には、さらに空洞天面の水平射影形状を楕円近似した短径寸法を含み、
    空洞天面の深度が浅いほど及び空洞天面の短径が大きいほど陥没の危険性が高いものとして、予め定められた基準により前記危険度を判定する、請求項1又は請求項3に記載の階層別危険度表示システム。
  8. 前記危険度の段階に応じ、前記表示シンボルの色相を強調色へ段階的に変更し、前記表示シンボルの視認性を、段階的に上げる、請求項1又は請求項2に記載の階層別危険度表示システム。
  9. 前記危険度の段階に応じ、前記表示オブジェクトの色相を強調色に段階的に変更し、前記表示オブジェクトの視認性を、段階的に上げる、請求項3又は請求項4に記載の階層別危険度表示システム。
  10. 地図を表示する地図表示手段と、
    前記地図と前記表示シンボルを重畳表示する重畳表示手段とをさらに備え、
    前記地図表示手段及び前記重畳表示手段により、前記地図上の前記所在に、浅い深度の表示シンボルを優先して前記表示シンボルを重畳表示する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の階層別危険度表示システム。
  11. 地図を表示する地図表示手段と、
    前記地図と前記表示オブジェクトを重畳表示する重畳表示手段とをさらに備え、
    前記地図表示手段及び前記重畳表示手段により、前記地図上の前記所在に、浅い深度の表示オブジェクトを優先して前記表示オブジェクトを重畳表示する、ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の階層別危険度表示システム。
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