JP6527878B2 - 易接着組成物、及びこれを用いた光学フィルムとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、易接着組成物、及び該易接着組成物から構成された易接着層を有する光学フィルムに関する。さらに、本発明は、該光学フィルムの製造方法及び該光学フィルムを備えた偏光板及び画像表示装置に関する。
ポリメタクリル酸メチルに代表される(メタ)アクリル重合体から形成されるアクリル系樹脂フィルムは、光線透過率などの光学特性に優れるとともに、機械的強度および成形加工性のバランスに優れることが知られている。このため、アクリル系樹脂フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機EL表示装置(OLED)のような画像表示装置に組み込まれる光学フィルムに応用されている。
光学フィルムは、通常、他の機能性フィルムと積層された状態で使用される。例えば、光学フィルムは、偏光子保護フィルムとして使用される場合、偏光子の少なくとも一方の面に親水性接着剤層を介して積層される。得られた偏光板は画像表示装置などに使用される。この場合、光学フィルムと偏光子との密着性が良好であることが重要である。
しかしながら、アクリル系樹脂フィルムは、親水性接着剤との接着性に劣り、偏光子との密着性が十分でないという問題がある。そこで、アクリル系樹脂フィルムの表面にポリエステル、アクリル、ポリウレタン等の助接着性の樹脂を主成分とする易接着層を設け、アクリル系樹脂フィルムに易接着性を付与する方法が提案されている。
一方、LCD等の画像表示装置を用いた携帯用機器などは、近年、屋内、屋外を問わず種々の環境で用いられ、高温高湿環境にも耐えうる耐湿熱性が要求される場合がある。このような用途に使用される偏光板は高温高湿下においても層間剥離が起きない高い密着性が求められる。
そこで、特開2009−193061号公報には、高温高湿下における密着性に優れる偏光板として、(メタ)アクリル系樹脂フィルムの表面に架橋剤としてオキサゾリン基を有するポリマーを配合した易接着層を形成することが記載されている。特開2014−35411号公報には、アクリル系フィルムと偏光子との密着性を改善するために、ポリエステル樹脂とポリビニルアルコール系樹脂とイソシアネート化合物又はメラミン化合物からなる架橋剤とを配合した易接着層を設けることが記載されている。
しかしながら、上記文献に開示される易接着層を有する光学フィルムは、当初は良好な密着性を示すものの、高温高湿下での長時間使用においては偏光子との密着性の低下は避けられないものであった。このような密着性低下の為、初期性能(初期密着性)が長時間維持されないという問題がある。さらに、上記文献に開示される易接層を有する光学フィルムは、40〜60℃、60〜90%RH程度の環境下における耐湿熱性は満足するものの、より過酷な環境下(例えば、80℃、90%RH)における耐湿熱性は満足し得るものではなかった。
本発明はこのような問題に鑑みなされたもので、高温高湿下での長時間使用における初期性能の低下を抑制するとともに、より過酷な環境下における耐湿熱性をも満足し得る易接着組成物、及び該易接着組成物からなる易接着層を熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に設けた光学フィルムを提供することを課題とする。
本発明によれば、
(1)カルボキシル基を有する水分散性ウレタン樹脂100重量部と、水溶性カルボジイミド化合物1〜25重量部と、水分散性カルボジイミド化合物1〜25重量部と、を含有する易接着組成物が提供される。
本発明によれば、
(1)カルボキシル基を有する水分散性ウレタン樹脂100重量部と、分子内に2個以上のカルボジイミド基を有する水溶性の化合物である水溶性カルボジイミド化合物1〜25重量部と、分子内に2個以上のカルボジイミド基を有する水分散性の化合物である水分散性カルボジイミド化合物1〜25重量部と、を含有する易接着組成物;
(2)前記水溶性カルボジイミド化合物と前記水分散性カルボジイミド化合物との重量比が30:70〜95:5の範囲である(1)記載の易接着組成物;
(3)前記水分散性ウレタン樹脂100重量部に対し、さらに、微粒子を0.1〜15重量部含有する(1)又は(2)記載の易接着組成物;
(4)熱可塑性樹脂フィルムと、該熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に設けられ、且つ(1)乃至(3)のいずれか記載の易接着組成物から形成される易接着層とを備える光学フィルム;
(5)前記熱可塑性樹脂フィルムは、(メタ)アクリル系樹脂からなる(4)記載の光学フィルム;
(6)偏光子と、該偏光子の表面を被覆して保護する(4)又は(5)記載の光学フィルムとを備える偏光板;
(7)水系溶媒で希釈され、カルボキシル基を有する水分散性ウレタン樹脂00重量部と、分子内に2個以上のカルボジイミド基を有する水溶性の化合物である水溶性カルボジイミド化合物1〜25重量部と、分子内に2個以上のカルボジイミド基を有する水分散性の化合物である水分散性カルボジイミド化合物1〜25重量部と、を含有する易接着組成物を、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に塗布して塗膜を形成する工程と、前記塗膜を乾燥して易接着層を形成する工程からなる光学フィルムの製造方法を提供する。
本発明は更に、
(7)水系溶媒で希釈され、カルボキシル基を有する水分散性ウレタン樹脂100重量部と、水溶性カルボジイミド化合物1〜25重量部と、水分散性カルボジイミド化合物1〜25重量部と、を含有する易接着組成物を、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に塗布して塗膜を形成する工程と、前記塗膜を乾燥して易接着層を形成する工程からなる光学フィルムの製造方法を提供する。
上記の構成を有する本発明の易接着組成物は、高温高湿下での長時間使用における初期性能の低下を抑制できるとともに、より過酷な環境下においても高い密着性を維持できる。よって、本発明の易接着組成物からなる易接着層を有する光学フィルムを用いた偏光板は、高温高湿下における光学フィルムと偏光子との密着性に優れている。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」の用語はメタクリル、アクリル又はこれら両方の総称として使用している。「(メタ)アクリロニトリル」の用語も同様である。
本発明の光学フィルムの一例を模式的に示す断面図である。 本発明の偏光板の一例を模式的に示す断面図である。
[易接着組成物]
本発明の易接着組成物は、カルボキシル基を有する水分散性ウレタン樹脂(以下単にU樹脂と呼ぶことがある)と、架橋剤として水溶性カルボジイミド化合物(以下単にS化合物と呼ぶことがある)及び水分散性カルボジイミド化合物(以下単にD化合物と呼ぶことがある)と、を含有する。このように構成された易接着組成物は、高温高湿下での長時間使用における初期性能の低下を抑制するとともに、より過酷な環境下においても密着性に優れる。
この用途で従来知られていた易接着層は、高温高湿下での長時間使用においては密着性の低下は避けられない。しかしながら、本発明では、高温高湿下での長時間使用における初期性能の低下を抑制し、高温高湿下における密着性に優れる。この理由は明らかではないが、S化合物とD化合物とがそれぞれ異なる時期で架橋構造を形成し、次のように機能していると推察される。
即ち、S化合物は他の親水性樹脂との相溶性が良く架橋反応速度が速い為、易接着層形成時、或いは形成後の早い段階でU樹脂のカルボキシル基と架橋構造を形成する。一方、D化合物はS化合物に比べ、架橋反応速度が遅い為、易接着層形成時には未反応のD化合物が易接着層に残存する。高温高湿下では、易接着層中のU樹脂がポリエステル系である場合、ポリエステルが加水分解を起こし、エステル結合が切断され、カルボン酸基が発生する。ここで未反応のD化合物が発生したカルボン酸基と反応して架橋構造を形成し、加水分解による易接着層の劣化を自己修復することにより高温高湿下での易接着層の強度劣化を抑制していると考えられる。
また、易接着層に積層される機能層或いは熱可塑性樹脂フィルムにもカルボキシル基などの官能基が存在する。高温高湿下ではこれらの機能層或いは熱可塑性樹脂フィルムに存在するカルボキシル基と未反応のD化合物とが反応し、架橋構造を形成することにより易接着層の強度劣化を抑制していると考えられる。
U樹脂としては、分子内にカルボキシル基を有する水分散性のウレタン樹脂であれば特に限定されず使用可能である。U樹脂は、例えば、次の方法で製造することができる。先ず、イソシアネートに対して不活性で、水と相溶する有機溶剤中でポリイソシアネートとポリオールとを反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを形成する。これを、次に、遊離のカルボキシル基を有する鎖伸長剤と反応させて、線状ウレタンプレポリマーを得る。その後、中和剤の存在下水中で、線状ウレタンプレポリマーを鎖伸長させると同時に水性化することによりU樹脂を得る。なお、ここでいう水性化とは、樹脂を水中に安定に分散若しくは乳化させることを指す。
ポリイソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4′−シクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4′−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。これらは単独、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリオールとしては、分子中にヒドロキシル基を2個以上有するものであれば特に限定されず、任意の適切なポリオールを採用することができる。例えば、ポリアクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。これらは単独、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの中でも、ポリエステルポリオールを用いることが好ましく、ポリエステルポリオールを用いたポリエステル系ウレタン樹脂は、高温高湿下での易接着層の強度劣化防止に優れる。
遊離のカルボキシル基を有する鎖伸長剤としては、例えば、ジヒドロキシカルボン酸、ジヒドロキシスクシン酸等が挙げられる。ジヒドロキシカルボン酸としては、例えば、ジメチロールアルカン酸(例えば、ジメチロール酢酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロールペンタン酸)等のジアルキロールアルカン酸が挙げられる。これらは単独、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
中和剤としては、例えば、アンモニア、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。これらは単独、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
更に、他の使用可能な鎖伸長剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、フランジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等の低分子量ジオール化合物及びこれらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等を付加重合させたポリエーテルジオール化合物;上記低分子量ジオール化合物と(無水)コハク酸、アジピン酸、(無水)フタル酸等のジカルボン酸及びこれらの無水物から得られる末端に水酸基を有するポリエステルジオール;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の多価アルコール;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、トルエンジアミン、キシレンジアミン、イソホロンジアミン等のジアミン化合物;水、アンモニア、ヒドラジン、二塩基酸ヒドラジド等を挙げることができる。これらは単独、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
U樹脂は、好ましくは5000〜600000、さらに好ましくは10000〜400000の数平均分子量および好ましくは10以上、さらに好ましくは10〜50、特に好ましくは20〜45の酸価を有する。酸価がこのような範囲内であることにより、架橋剤であるカルボジイミド化合物と架橋構造を形成し、高温高湿下での密着性に優れる。
好ましいU樹脂の具体例としては、第一工業製薬社製の「スーパーフレックス(登録商標)」シリーズ、ADEKA社製の「アデカボンタイター(登録商標)HUX」シリーズ、三井化学社製の「タケラック(登録商標)W、WPB、WS」シリーズ、DIC社製の「ハイドラン(登録商標)」シリーズ等の市販のU樹脂が挙げられる。
易接着組成物は、易接着層形成時の作業性から水系溶媒で希釈されていても良い。水系溶媒としては、水もしくは水と親水性の有機溶剤(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン等のエステル系溶剤;アセトン等のケトン系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶媒)との混合溶媒を用いることができるが、特に水が好ましい。
易接着組成物中のU樹脂の含有量は、特に限定されず、塗布作業性等を考慮して適宜設定すれば良く、例えば、1〜25重量%が好ましく、より好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは、5〜15重量%である。易接着組成物におけるU樹脂が上記範囲であれば、易接着層形成時の作業性に優れることから好ましい。また、易接着組成物の固形分量は、塗布作業性等を考慮して適宜設定すれば良いが、1〜30重量%が好ましく、より好ましくは2〜25重量%、さらに好ましくは3〜20重量%である。
S化合物としては、分子内に2個以上のカルボジイミド基を有する水溶性の化合物であれば特に限定されず、例えば、有機ジイソシアネート化合物の脱二酸化炭素を伴う縮合反応により、イソシアネート末端ポリカルボジイミドを合成した後、イソシアネート基と反応性を有する官能基を有する親水性有機化合物とを反応させ、親水性セグメントで末端イソシアネートを封止して得られるポリカルボジイミド系樹脂であって、水に溶解するものが挙げられる。S化合物としては、日清紡ケミカル社製「カルボジライト(登録商標)SV−02」、「カルボジライト(登録商標)V−02」、「カルボジライト(登録商標)V−04」、「カルボジライト(登録商標)V−10」、「カルボジライト(登録商標)V−02−L2」等の市販の製品を用いることができる。
S化合物の使用量は、固形分換算で、U樹脂100重量部に対して、1〜25重量部であることが好ましく、より好ましくは3〜20重量部、さらに好ましくは5〜15重量部である。
D化合物としては、分子内に2個以上のカルボジイミド基を有する水分散性の化合物であれば特に制限されず、例えば、有機ジイソシアネート化合物の脱二酸化炭素を伴う縮合反応により、イソシアネート末端ポリカルボジイミドを合成した後、イソシアネート基と反応性を有する官能基を有する親水性有機化合物とを反応させ、親水性セグメントで末端イソシアネートを封止して得られるポリカルボジイミド系樹脂であって、水中に溶解せず微分散(エマルジョン)するものが挙げられる。水分散性カルボジイミド化合物としては、日清紡ケミカル社製「カルボジライト(登録商標)E−01」、「カルボジライト(登録商標)E−02」等市販の製品を用いることができる。
D化合物の使用量は、固形分換算で、U樹脂100重量部に対して、1〜25重量部であることが好ましく、より好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは1〜10重量部である。易接着組成物中のS化合物とD化合物との重量比(S/D)は、通常30:70〜95:5の範囲であり、好ましくは40:60〜90:10であり、より好ましくは50:50〜80:20である。
易接着組成物は、所望の機能に合わせて任意の適切な微粒子、好ましくは水分散性の微粒子を含有することができる。微粒子としては、無機系微粒子、有機系微粒子のいずれも用いることができる。無機系微粒子としては、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア等の無機酸化物、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成珪酸カルシウム、水和珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、燐酸カルシウム等が挙げられる。有機系微粒子としては、例えば、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリロニトリル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、(メタ)アクリロニトリル系樹脂である。(メタ)アクリロニトリル系樹脂からなる微粒子は、ブロッキング抑制能にさらに優れ、かつ、透明性に優れ、ヘイズを生じず、着色もないので、易接層が光学特性に与える影響がより小さい。また、易接着層の強度及び密着性は、微粒子を配合することにより低下するものであるが、(メタ)アクリロニトリル系樹脂からなる微粒子を配合した易接着層は、易接着層の強度及び密着性の低下を抑制し得ることから好ましい。
微粒子の平均粒子径は、特に限定するものではないが、易接層の透明性を維持する観点から、好ましくは1〜500nm、より好ましくは50〜350nm、さらに好ましくは100〜300nmである。このような粒子径の微粒子を用いることにより、易接着層表面に適切に凹凸を形成して、熱可塑性樹脂フィルムと易接着層および/または易接着層どうしの接触面における摩擦力を効果的に低減することができ、又、ブロッキングを抑制することができる。上記の平均粒子径とは、レーザ回折/散乱式粒度分布測定にて測定されるメジアン径(d50)を意味する。
微粒子の含有量は、固形分換算で、U樹脂100重量部に対して、0.1〜15重量部であることが好ましい。より好ましくは0.3〜5重量部、さらに好ましくは0.5〜3重量部である。
易接着組成物は、塗膜強度を向上させるために、上述したS及びD化合物とは別の架橋剤、あるいは架橋基を有する樹脂を含有させても良い。架橋剤としては、尿素系、エポキシ系、メラミン系、イソシアネート系、オキサゾリン系、シラノール系等が挙げられる。また、架橋反応を促進させるため、触媒等を必要に応じて適宜使用しても良い。
易接着組成物は、任意の適切な添加剤をさらに含むことができる。添加剤としては、例えば、分散安定剤、揺変剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、触媒、滑剤、帯電防止剤等が挙げられる。
[光学フィルム]
図1に本発明の光学フィルムの一例を示す。図1に示す光学フィルム1は、熱可塑性樹脂フィルム2の一方の表面に上述した易接着組成物から形成される易接着層3を有する。なお、本発明の光学フィルムは、熱可塑性樹脂フィルムの双方の表面に易接着層が形成されていても良い。
熱可塑性樹脂フィルムを構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。これらは単独、或いは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、(メタ)アクリル系樹脂(以下単にACRと略すことが有る)は親水性接着剤との接着性に劣ることから、本発明の効果はACRを用いる場合に特に顕著である。
ACRのガラス転移温度(以下Tgと呼ぶ)は、115℃以上であることが好ましく、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは125℃以上である。熱可塑性樹脂フィルムは、Tgが115℃以上のACRを主成分として含むことにより、耐久性に優れたものとすることができる。また、上記Tgの上限値は特に制限するものではないが、成形性等の観点から、通常170℃以下である。
ACRとしては、例えば、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂など)、脂環族炭化水素基を有する重合体、(例えば、メタクリル酸メチルーメタクリル酸シクロヘキシル共重合耐、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体など)が挙げられる。上記の中でも、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキルが好ましく、メタクリル酸メチルを主成分(50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%)とするメタクリル酸メチル系樹脂がより好ましい。
ACRの具体例としては、例えば、三菱レイヨン社製「アクリペット(登録商標)VH」、「アクリペット(登録商標)VRL20A」、分子内架橋や分子内環化反応により得られる高Tg(メタ)アクリル系樹脂が挙げられる。
ACRは、高い耐熱性、高い透明性、高い機械強度を有する点で、主鎖に環構造を有することが好ましい。主鎖に環構造を有するACRとしては、例えば、無水グルタル酸構造あるいはグルタルイミド構造を有する樹脂(WO2007/26659号公報、WO2005/108438号公報)、無水マレイン酸構造あるいはN−置換マレイミド構造を有する樹脂(特開昭57−153008号公報、特開2007−31537号公報)、ラクトン環構造を有する樹脂(特開2006−96960号公報、特開2006−171464号公報、特開2007−63541号公報、特開2008−191426号公報)が挙げられる。
熱可塑性樹脂フィルムは、添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系等の酸化防止剤;耐光安定剤、耐候安定剤、熱安定剤等の安定剤;ガラス繊維、炭素繊維等の補強材;紫外線吸収剤;近赤外線吸収剤;難燃剤;アニオン系、カチオン系、ノニオン系の界面活性剤等の帯電防止剤;無機顔料、有機顔料、染料等の着色剤;有機フィラーや無機フィラー;樹脂改質剤;有機充填剤や無機充填剤;可塑剤;滑剤;難燃剤;位相差低減剤等が挙げられる。
熱可塑性樹脂フィルムの製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱可塑性樹脂と、その他の重合体や添加剤等を、任意の適切な混合方法で充分に混合し、予め熱可塑性樹脂組成物としてから、これをフィルム成形することができる。あるいは、熱可塑性樹脂と、その他の重合体や添加剤等を、それぞれ別々の溶液にしてから混合して均一な混合液とした後、フィルム成形してもよい。
熱可塑性樹脂組成物を製造するには、例えば、オムニミキサー等、任意の適切な混合機で上記のフィルム原料をプレブレンドした後、得られた混合物を押出混練する。この場合、押出混練に用いられる混練機は、特に限定されるものではなく、例えば、単軸押出機、二軸押出機等の押出機や加圧ニーダー等、任意の適切な混合機を用いることができる。
フィルム成形の方法としては、例えば、溶液キャスト法(溶液流延法)、溶融押出法、カレンダー法、圧縮成形法等、任意の適切なフィルム成形法が挙げられる。これらのフィルム成形法のうち、溶融押出法が好ましい。
溶融押出法としては、例えば、Tダイ法、インフレーション法等が挙げられる。成形温度は、好ましくは150〜350℃、より好ましくは200〜300℃である。
Tダイ法でフィルム成形する場合は、公知の単軸押出機や二軸押出機の先端部にTダイを取り付け、当該Tダイによりフィルムを製膜した後、フィルムを巻取ることでロール状のフィルムを得ることができる。
熱可塑性樹脂フィルムは、未延伸フィルムまたは延伸フィルムのいずれでもよい。延伸フィルムである場合は、1軸延伸フィルムまたは2軸延伸フィルムのいずれでもよい。2軸延伸フィルムである場合は、同時2軸延伸フィルムまたは逐次2軸延伸フィルムのいずれでもよい。2軸延伸した場合は、機械的強度が向上し、フィルム性能が向上する。
延伸温度は、フィルム原料である熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度近傍であることが好ましく、具体的には、好ましくは(ガラス転移温度−30℃)〜(ガラス転移温度+100℃)、より好ましくは(ガラス転移温度−20℃)〜(ガラス転移温度+80℃)の範囲内である。延伸温度が(ガラス転移温度−30℃)未満であると、充分な延伸倍率が得られないおそれがある。逆に、延伸温度が(ガラス転移温度+100℃)超えると、樹脂組成物の流動(フロー)が起こり、安定な延伸が行えないおそれがある。
面積比で定義した延伸倍率は、好ましくは1.1〜25倍、より好ましくは1.3〜10倍である。延伸倍率が1.1倍未満であると、延伸に伴う靭性の向上につながらないおそれがある。延伸倍率が25倍を超えると、延伸倍率を上げるだけの効果(靱性の向上)が認められないおそれがある。
延伸速度は、一方向で、好ましくは10〜20,000%/min、より好ましく100〜10,000%/minである。延伸速度が10%/min未満であると、充分な延伸倍率を得るために時間がかかり、製造コストが高くなるおそれがある。延伸速度が20,000%/minを超えると、延伸フィルムの破断等が起こるおそれがある。
熱可塑性樹脂フィルムは、その光学的等方性や機械的特性を安定化させるために、延伸処理後に熱処理(アニーリング)等を行うことができる。熱処理の条件は、任意の適切な条件を採用し得る。
熱可塑性樹脂フィルムの厚さは、好ましくは5〜200μm、より好ましくは10〜100μmである。厚さが5μm未満であると、光学フィルムとしての十分な強度が得られなくなるおそれがある。厚さが200μmを超えると、透明性が低下し、光学フィルムとしての使用に適さなくなるおそれがある。
易接着層の厚みは、任意の適切な値に設定することができる。好ましくは0.1〜10μm、さらに好ましくは0.1〜5μm、特に好ましくは0.2〜1.0μmである。このような範囲に設定することにより、他の機能性フィルムとの密着性に優れ、易接着層に位相差が発現するのを抑制することができる。
光学フィルムにおける易接着層が形成されている表面と反対側の表面には、必要に応じて、各種の機能層が形成されていてもよい。機能層は、例えば、帯電防止層、粘接着剤層、接着層、易接着層、防眩(ノングレア)層、光触媒層などの防汚層、反射防止層、ハードコート層、紫外線遮蔽層、熱線遮蔽層、電磁波遮蔽層、ガスバリヤー層等が挙げられる。
光学フィルムは、例えば、偏光子保護フィルム、位相差フィルム、視野角補償フィルム、光拡散フィルム、反射フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、輝度向上フィルム、タッチパネル用導電フィルムとして使用することができる。また、これらの中でも、偏光子保護フィルムとして使用することが特に好ましい。
[偏光板]
次に、本発明の偏光板の一例を説明する。図2に示す偏光板10は、熱可塑性樹脂フィルム2の一方の表面に上述した易接着組成物から形成される易接着層3を有する光学フィルム1の易接着層側の表面に接着剤5を介し、偏光子6が積層された構造を有する。なお、図示しないが、偏光板10は、偏光子6の光学フィルム1と反対側に、接着剤層を介して積層された保護フィルムを有していても良い。
偏光子としては、目的に応じて任意の適切な偏光子を採用することができる。例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く特に好ましい。これら偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に、1〜80μm程度である。
接着剤層を形成する接着剤としては、任意の適切な接着剤を採用することができる。好ましくは、接着剤層は、ポリビニルアルコール系樹脂を含む接着剤組成物から形成される。
偏光子6の光学フィルム1の反対側に設ける保護フィルムとしては、任意の適切な保護フィルムを採用することができ、上述した熱可塑性樹脂と同様の材料で形成されていてもよい。
[画像表示装置]
本発明の画像表示装置は、上述した偏光板を備える。画像表示装置の具体例としては、エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PD)、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)のような自発光型表示装置、液晶表示装置(LCD)が挙げられる。
[光学フィルムの製造方法]
本発明の光学フィルムの好ましい製造方法においては、水系溶媒で希釈され、カルボキシル基を有する水分散性ウレタン樹脂と、水溶性カルボジイミド化合物と、水分散性カルボジイミド化合物と、を含む易接着組成物を、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に塗布して塗膜を形成(塗布工程)し、次いで塗膜を乾燥して易接着層を形成(乾燥工程)する。
塗布工程において易接着組成物を塗布する方法としては、任意の適切な方法を採用することができる。例えば、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、スロットオリフィスコート法、カーテンコート法、ファウンテンコート法等が挙げられる。塗布工程において形成する塗布膜の厚さは、当該塗布膜が易接着層となるときに必要な厚さに応じて、適宜調整することができる。
熱可塑性樹脂フィルムにおける易接着組成物が塗布される表面は、表面処理が施されていることが好ましい。表面処理としては、コロナ放電処理、プラズマ処理であることが好ましい。コロナ放電処理を施すことにより、熱可塑性樹脂フィルムと易接着層との密着性を向上させることができる。
乾燥工程は、特に制限するものではなく、従来公知の方法を用いることができる。乾燥温度としては、代表的には50℃以上、好ましくは90℃以上、さらに好ましくは110℃以上である。乾燥温度をこのような範囲とすることにより、耐色性(特に、高温高湿下における)に優れた光学フィルムとすることができる。乾燥温度の上限は、好ましくは200℃以下、さらに好ましくは180℃以下である。
本発明の光学フィルムの製造方法によって、未延伸の熱可塑性樹脂フィルムから延伸フィルムである光学フィルムを製造する場合、ならびに一軸延伸された熱可塑性樹脂フィルムから二軸延伸フィルムである光学フィルムを製造する場合、これらの熱可塑性樹脂フィルムをいずれかの時点で延伸する必要がある。熱可塑性樹脂フィルムの延伸は、易接着層の形成前に行っても良く、易接着層の形成後に行っても良い。また、易接着層の形成と、熱可塑性樹脂フィルムの延伸とを同時に行っても良い。
易接着層の形成と、熱可塑性樹脂フィルムの延伸とを同時に行う場合、例えば、塗布工程の後に、易接着組成物の塗布膜を形成した熱可塑性樹脂フィルムを加熱雰囲気下で延伸すればよい。延伸のために当該フィルムに加える熱により、熱可塑性樹脂フィルムの表面に形成された易接着組成物の塗布膜が乾燥し、易接着層となる。このようにすれば、フィルムの延伸処理と易接着組成物の乾燥とを同時に実施でき、生産性に優れることから好ましい。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
原料としては下記のものを用いた。
<U樹脂>
カルボキシル基を有する水分散性ウレタン樹脂のエマルジョン[第一工業製薬社製、スーパーフレックス(登録商標)210、固形分量35重量%]
<S化合物(1)>
水溶性カルボジイミド化合物を含む水溶液[日清紡ケミカル社製、カルボジライト(登録商標)V−02−L2、固形分量40重量%]
<S化合物(2)>
水溶性カルボジイミド化合物を含む水溶液[日清紡ケミカル社製、カルボジライト(登録商標)V−10、固形分量40重量%]
<D化合物>
水分散性カルボジイミド化合物のエマルジョン[日清紡ケミカル社製、カルボジライト(登録商標)E−02、固形分量40重量%]
<微粒子>
アクリロニトリル系微粒子(PAN微粒子)を含むエマルジョン[積水化学工業社製、ADVANCELL NS K−001、平均粒子径150nm、固形分量20重量%]
実施例1〜5及び比較例1〜10
1.易接着組成物の製造
表1及び2に示す各成分を、表1及び2に示す固形分量(単位は重量部)となるよう混合し、易接着組成物を製造した。なお、易接着組成物の水系溶媒としてはイオン交換水を使用し、固形分量は8重量%となるよう調製した。
2.光学フィルムの製造
アクリル系樹脂組成物[Tg:135℃、溶融粘度:700Pa・s(温度270℃、せん断速度100(1/sec))]のペレットを、単軸押出機(φ=20.0mm、L/D=25)及びコートハンガータイプTダイ(幅150mm)を用いて280℃で溶融押出し、110℃に保持した冷却ロールに溶融状態の上記樹脂組成物を吐出して、厚さ100μmのアクリル系樹脂フィルムを形成した。次に、アクリル系樹脂フィルムの一方の表面に、上記で得られた易接着組成物を、バーコーターを用いて塗布した後、熱風乾燥機に投入して100℃で90秒間乾燥した。そして、テーブル延伸機を用いて当該フィルムを一軸延伸(延伸倍率:2.5倍)し、厚さ40μmのアクリル系樹脂フィルムの表面に、厚さ0.3μmの易接着層を有する光学フィルムを製造した。
3.偏光板の製造
上記で得られた光学フィルムの易接着層側に、ポリビニルアルコール系接着剤組成物を塗布した。また、ケン化処理を施した厚さ40μmのトリアセチルセルロースフィルム(保護フィルム)の片側にポリビニルアルコール系接着剤組成物を塗布した。次に、厚さ30μmの偏光子の両側それぞれに光学フィルム及び保護フィルムをポリビニルアルコール系接着剤塗布層を介して積層し、得られた積層体を熱風乾燥機(70℃)に投入して5分乾燥させて、偏光板を製造した。また、偏光子の両側にトリアセチルセルロースからなる保護フィルムを設けた評価用の基準偏光板を同様に作成した。
上記で得られた偏光板について、以下に示す評価を行った。評価結果を表1及び2に示す。
(1)初期密着性
上記で得られた偏光板から25mm×250mmの寸法の試験片を切り出し、試験片の光学フィルムの表面に粘着加工を施した後、ガラス板に貼り付け測定用サンプルを得た。その後、サンプルのの偏光子と光学フィルムとの間に切込みを入れ、偏光子と保護フィルムとを掴み、日本接着剤工業規格 JAI 13−1996の浮動ローラー法に準じて、90度での剥離接着強さを測定した。なお、基準偏光板においても同様の条件で剥離接着強さを測定した。測定結果から、剥離接着強さを次の基準により評価した。
○:基準偏光板よりも剥離接着強さが優れるあるいは同等
△:基準偏光板よりも剥離接着強さが劣る
×:密着しておらず測定不可
(2)耐湿熱性(60℃、90%RH)
上記と同様にして得た測定用サンプルを温度60℃、湿度90%RHの恒温恒湿機に入れ、250時間及び500時間放置する熱処理を施した以外は、初期密着性の評価と同様にして、剥離接着強さを測定した。測定結果から剥離接着強さを次の基準により評価した。
◎:基準偏光板よりも剥離接着強さが優れる
○:基準偏光板と剥離接着強さが同等
△:基準偏光板よりも剥離接着強さが劣る
×:密着しておらず測定不可
(3)耐湿熱性(80℃、90%RH)
上記と同様にして得た測定用サンプルを温度80℃、湿度90%RHの恒温恒湿機に入れ、100時間放置する熱処理を施した以外は、初期密着性の評価と同様にして、剥離接着強さを測定した。測定結果から剥離接着強さを次の基準により評価した。
◎:基準偏光板よりも剥離接着強さが優れる
○:基準偏光板と剥離接着強さが同等
△:基準偏光板よりも剥離接着強さが劣る
×:密着しておらず測定不可
表1に示すように、カルボキシル基を有する水分散性ウレタン樹脂(U樹脂)と、水溶性カルボジイミド化合物(S化合物)と、水分散性カルボジイミド化合物(D化合物)を含有する易接着組成物を用いて作成した実施例1〜5の光学フィルムは、高温高湿下(60℃、90%RH)での初期性能の低下が抑制され、高温高湿下の長時間使用における偏光子との密着性に優れる結果を示すとともに、過酷な高温高湿環境(80℃、90%RH)においても密着性に優れる結果を示した。一方、表2に示すように、架橋剤を含有しない、あるいはS化合物のみを含有する比較例1〜7の光学フィルムは、高温高湿下で偏光子との密着性が低下する結果を示した。また、D化合物のみを含有する比較例8〜10の光学フィルムは、高温高湿下の長時間使用における密着性に優れるが、初期密着性に劣る結果を示した。

Claims (7)

  1. カルボキシル基を有する水分散性ウレタン樹脂100重量部と、分子内に2個以上のカルボジイミド基を有する水溶性の化合物である水溶性カルボジイミド化合物1〜25重量部と、分子内に2個以上のカルボジイミド基を有する水分散性の化合物である水分散性カルボジイミド化合物1〜25重量部と、を含有する易接着組成物。
  2. 前記水溶性カルボジイミド化合物と前記水分散性カルボジイミド化合物との重量比が30:70〜95:5の範囲である請求項1記載の易接着組成物。
  3. 前記水分散性ウレタン樹脂100重量部に対し、さらに、微粒子を0.1〜15重量部含有する請求項1又は2記載の易接着組成物。
  4. 熱可塑性樹脂フィルムと、該熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に設けられ、且つ請求項1乃至3のいずれか記載の易接着組成物から形成される易接着層とを備える光学フィルム。
  5. 前記熱可塑性樹脂フィルムは、(メタ)アクリル系樹脂からなる請求項4記載の光学フィルム。
  6. 偏光子と、該偏光子の表面を被覆して保護する請求項4又は5記載の光学フィルムとを備える偏光板。
  7. 水系溶媒で希釈され、カルボキシル基を有する水分散性ウレタン樹脂00重量部と、分子内に2個以上のカルボジイミド基を有する水溶性の化合物である水溶性カルボジイミド化合物1〜25重量部と、分子内に2個以上のカルボジイミド基を有する水分散性の化合物である水分散性カルボジイミド化合物1〜25重量部と、を含有する易接着組成物を、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも一方の表面に塗布して塗膜を形成する工程と、前記塗膜を乾燥して易接着層を形成する工程からなる光学フィルムの製造方法。

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