JP2005206970A - 繊維積層体の製造方法、繊維積層体及び合成皮革 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水系ポリウレタン樹脂を用いながらも溶剤系のものと同等の剥離強度を発現し得る繊維積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】
繊維基材(A層)と合成樹脂フィルムで形成される表皮層(C層)とを接着剤(B層)を用いてドライラミネート法により接着加工するに際して、分子骨格中に水酸基、アミノ基又はイミノ基の何れか一つ以上を含有する水系ポリウレタン樹脂を用いて、前記繊維基材(A層)を処理し、又はこの水系ポリウレタン樹脂を用いて表皮層(C層)を形成して、繊維積層体の製造を行う。
【選択図】 なし

Description

本発明は、繊維積層体の製造方法、繊維積層体及び合成皮革に関し、更に詳細には、良好な表面状態、優れた風合いを発現するだけでなく、非常に高い剥離強度を発現する、繊維積層体の製造方法並びにそれにより得られる繊維積層体及び合成皮革に関する。
従来より、合成皮革等の繊維積層体は、例えば、有機溶剤系ポリウレタン樹脂を離型紙上に塗布して乾燥させて表皮層を形成した後、その表皮層上にポリウレタン樹脂の有機溶媒溶液に架橋剤を配合した接着剤を塗布して接着剤層を形成させ、乾燥させた後、繊維基材と貼り合せるドライラミネート法により製造されている。
近年、地球環境、安全、衛生等の観点から水系ポリウレタン樹脂が注目され、有機溶剤系ポリウレタン樹脂からの水系ポリウレタン樹脂への代替が検討されている(例えば、特許文献1〜4)。しかし、水系ウレタン樹脂では未だ満足すべき物性を有した繊維積層体は得られていない。特に剥離強度に関しては、未だ有機溶剤系ポリウレタン樹脂のレベルには到達していないのが実情である。
特開平6−81275号公報 特開2000−108289号公報 特開2002−88662号公報 特開2003−119677号公報
本発明は、有機溶剤を全く含まない水系ポリウレタン樹脂を接着剤として用いながらも、有機溶剤系ポリウレタン樹脂と同等のレベルの非常に優れた剥離強度を発現し得る繊維積層体の製造方法並びにそれにより得られる繊維積層体及び合成皮革を提供することを目的とする。
即ち、本発明の繊維積層体の製造方法は、繊維基材(A層)と合成樹脂フィルムで形成される表皮層(C層)とを接着剤(B層)を用いてドライラミネート法により接着加工する繊維積層体の製造方法であって、分子骨格中に水酸基、アミノ基又はイミノ基の何れか一つ以上を含有する水系ポリウレタン樹脂を用いて前記繊維基材(A層)を処理することを特徴とする。
本明細書に於いては、繊維基材(A層)の「処理」には、水系ポリウレタン樹脂を含浸させる方法、水系ポリウレタン樹脂を発泡させてコーティングする方法等が含まれる。
本発明に於いては、繊維基材(A層)に含浸されるポリウレタン樹脂の分子骨格に活性水素を有する官能基(水酸基、アミノ基又はイミノ基)が導入され、接着剤(B層)に存在する架橋剤の反応性官能基との反応により共有結合を形成して、接着剥離強度を大きく向上させるものと考えられる。
また、本発明の繊維積層体の製造方法は、繊維基材(A層)と合成樹脂フィルムで形成される表皮層(C層)とを接着剤(B層)を用いてドライラミネート法によって接着加工する繊維積層体の製造方法であって、分子骨格中に水酸基、アミノ基又はイミノ基の何れか一つ以上を含有する水系ポリウレタン樹脂で前記表皮層(C層)を形成することを特徴とする。
本発明に於いては、表皮層(C層)を構成するポリウレタン樹脂の分子骨格に活性水素を有する官能基(水酸基、アミノ基又はイミノ基)が導入され、接着剤(B層)に存在する架橋剤の反応性官能基との反応により共有結合を形成して、接着剥離強度を大きく向上させるものと考えられる。
更に、本発明の繊維積層体の製造方法は、繊維基材(A層)と合成樹脂フィルムで形成される表皮層(C層)とを接着剤(B層)を用いてドライラミネート法によって接着加工する繊維積層体の製造方法であって、分子骨格中に水酸基、アミノ基又はイミノ基の何れか一つ以上を含有する水系ポリウレタン樹脂を用いて前記繊維基材(A層)を処理し、かつ、分子骨格中に水酸基、アミノ基又はイミノ基の何れか一つ以上を含有する水系ポリウレタン樹脂で前記表皮層(C層)を形成することを特徴とする繊維積層体の製造方法。
本発明に於いては、繊維基材(A層)に含浸されるポリウレタン樹脂及び表皮層(C層)を構成するポリウレタン樹脂の分子骨格に活性水素を有する官能基(水酸基、アミノ基又はイミノ基)が導入され、接着剤(B層)に存在する架橋剤等の反応性官能基との反応により共有結合を形成して、接着剥離強度を大きく向上させるものと考えられる。
ここで、前記接着剤(B層)は、水系ウレタンプレポリマー(a)とポリイソシアネート系架橋剤(b)とを含有していることが好ましい。この構成により、接着剤(B層)に存在するイソシアネート系架橋剤(b)が、繊維基材(A層)又は接着剤(B層)のポリウレタン樹脂中の水酸基、アミノ基又はイミノ基と反応することにより共有結合を形成して、接着剥離強度を大きく向上させるものと考えられる。
また、前記ドライラミネート法は、前記繊維基材(A層)又は前記表皮層(C層)に前記接着剤(B層)を塗布した後、水分を揮発させ、直ちに前記繊維基材(A層)と前記表皮層(C層)とを貼り合わせて接着する方法であることが好ましい。
本発明の繊維積層体は、上記の何れかに記載の製造方法によって得られる繊維積層体であり、前記繊維積層体のなかでも、合成皮革であることが好適である。
本発明のドライラミネート接着用プライマー組成物は、ドライラミネート法による接着加工に使用される繊維基材を処理するためのドライラミネート接着用プライマー組成物であって、分子骨格中に水酸基、アミノ基又はイミノ基の何れか一つ以上を有する水系ポリウレタン樹脂を含有していることを特徴とする。
本発明のドライラミネート接着用表皮層組成物は、ドライラミネート法による接着加工に使用される表皮層を形成するためのドライラミネート接着用表皮層組成物であって、分子骨格中に水酸基、アミノ基又はイミノ基の何れか一つ以上を有する水系ポリウレタン樹脂を含有していることを特徴とする。
本発明のドライラミネート用接着剤組成物は、ドライラミネート法による接着加工に使用されるドライラミネート用接着剤組成物であって、水系ウレタンプレポリマー(a)とポリイソシアネート系架橋剤(b)とを含有していることを特徴とする。
本発明に於いては、繊維基材(A層)の処理及び/又は表皮層(C層)に分子骨格中に水酸基、アミノ基又はイミノ基の何れか一つ以上を含有する水系ポリウレタン樹脂が用いられるので、接着剤(B層)によりこれらの層が強固に接着され、剥離強度が大きく向上する。また、接着剤(B層)を水系ウレタンプレポリマー(a)とポリイソシアネート系架橋剤(b)とによって構成することにより、繊維基材(A層)及び表皮層(C層)を強固に接着し、剥離強度が大きく向上している。
本発明に於ける繊維積層体は、繊維基材(A層)と合成樹脂フィルムで形成される表皮層(C層)とを接着剤(B層)を用いてドライラミネート法によって接着加工することにより得られる。
本発明に於ける繊維基材としては、一般に用いられる繊維基材であれば特に制限はなく、公知のものを使用することができる。その材質としては、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリル等の合成繊維及びこれらの改良繊維、羊毛、絹、木綿、麻等の天然繊維、アセテート、レーヨン等の半合成繊維等、あるいはこれらの混用繊維からなる織編布、不織布等の繊維シート状物を例示することができる。また、これら繊維シート状物に有機溶剤系、水系又は無溶剤系のポリウレタン樹脂をコーティング加工(発泡コーティングも含む)若しくは含浸加工してマイクロポーラスを形成したものも挙げることができる。本発明に於いては、特にマイクロポーラスを有する繊維シート状物を用いることが、ソフトな風合いを発現するためには好ましい。本発明に於けるマイクロポーラスとは、付着した樹脂中に均一な多数の孔が分散している状態をいう。尚、繊維の太さ及び形状は特に限定されず、極細繊維を用いることも可能である。例えば、極細繊維化に際して海島型、分割または剥離型、直紡型、オレンジピール型いずれの繊維を用いても良く、海島繊維を使用する場合、極細化方法としては海成分又は島成分をトルエン等の有機溶剤処理による溶解溶出法、アルカリ等による分解溶出法、高圧水流によるウォータージェット法等が挙げられるが、極細化方法について特に限定されるものではない。更に床革等の天然皮革素材も繊維基材に含まれる。
本発明に於ける繊維積層体には人工皮革が含まれ、この人工皮革とは、上記繊維積層体の内、繊維シート状物に有機溶剤系、水系あるいは無溶剤系ポリウレタン樹脂がコーティング加工(発泡コーティングも含む)あるいは含浸加工されてマイクロポーラスを形成した基材からなるものである。
また、本発明に於ける表皮層(C層)とは、繊維積層体に於ける表面強度及び意匠性を向上させるために着色、光沢調整、凹凸模様等を施した合成樹脂層をいう。
本発明に於いて、繊維基材(A層)の処理に使用され、又は表皮層(C層)を構成する水系ポリウレタン樹脂は、ポリオール成分にポリイソシアネート化合物を反応させることにより製造される。
上記ポリオール成分としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリイソシアネートを使用することができ、これらの化合物の例は、ウレタン工業の分野に於いて周知であり、任意のものを使用し得る。
上記ポリエーテルポリオールとしては、グリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等のトリオール類、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノールアミン等のアルカノールアミン類、ペンタエリスリトール等の四官能アルコール等を出発物質とし、これにアルキレンオキサイドを付加したものが挙げられる。アルキレンオキサイドの重付加は、これらの多価アルコールに塩基性触媒の存在下に行われる。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールを構成する二価アルコール成分としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタジオール、ジエチレングリコール等のグリコールとジフェニルカーボネート、ホスゲンとの反応によって得られる化合物が挙げられる。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエステルポリオール成分を使用することができる。ポリエステルポリオールを構成する二塩基酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸のような芳香族二塩基酸が挙げられる。ポリエステルポリオールを構成する二価アルコール成分としては、エチレングルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタジオール等のような脂肪族グリコール及びシクロヘキサンジオール等の脂環式グリコール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のような芳香族グリコール等が挙げられる。これらの二塩基酸成分と二価アルコール成分とを縮合反応させることにより、ポリエステルポリオールが得られる。
上記ポリオール成分と反応させるイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加MDI(H12MDI)等の有機ポリイソシアネート化合物が挙げられるが、無黄変性を要求される場合には、脂肪族イソシアネートではHMDI、脂環族イソシアネートではIPDI、H12MDI、芳脂環族イソシアネートではXDI、TMXDIを使用することが好ましい。
本発明に於いては、鎖伸長剤として、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール若しくはオキシアルキレン誘導体を使用することができる。また、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、プロピレングリコール等の低分子鎖伸長剤を本発明の効果を損なわない範囲内で使用することができる。
上記ポリオール成分と有機ポリイソシアネートを任意の割合で混合し、公知の方法により、30〜130℃、30分〜50時間反応させることにより、ウレタンプレポリマーを得る。
本発明に於けるポリウレタン樹脂は、分子骨格中に水酸基、アミノ基又はイミノ基の何れか一つ以上を含有している。分子骨格のうち、分子主鎖にこれらの官能基を導入する方法としては、末端イソシアネートを有するポリウレタンプレポリマーを乳化した後、プレポリマーの遊離イソシアネートを、アミノ基又はイミノ基を3個以上有するポリアミン化合物を官能基が1つ以上残存する方法で分子伸長させて、イミノ基を有するポリマーを得る方法がある。また、ヒドロキシル基を有するポリアミン化合物を用いる方法で分子伸長させ、ペンダントとして水酸基を有するポリマーを得る方法が挙げられる。また、分子末端にイソシアネート基を有するプレポリマーにポリアミンを付加させて得られる末端アミノ基を有するプレポリマーも使用することができる。
ポリウレタン骨格の分子側鎖に水酸基、アミノ基又はイミノ基の何れか一つ以上の基を導入する方法としては、遊離イソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーを乳化した後、遊離イソシアネート基を架橋するアミン伸長を行う方法が挙げられる。アミン伸長剤としては、3つ以上のアミノ基又はイミノ基を含有するポリアミン系化合物を使用することができる。ポリアミン系化合物を反応させるに際して、1つ以上のイミノ基を残存させてポリマー骨格にイミノ基を有する構造とする必要がある。使用し得るポリアミン化合物としては、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン等、1分子中に3つ以上のアミノ基又はイミノ基を含有するポリアミン系化合物が挙げられる。また、分子中に水酸基を有するポリアミン化合物も使用することができ、具体的には、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミンが挙げられる。
また、本発明に於いては、分子末端に水酸基を有するプレポリマーも使用することができる。分子末端に水酸基の導入は、プレポリマー製造時のNCO/OH比を1.0以下とすることにより行うことができる。
また、分子末端にアミノ基を有するプレポリマーを得るためには、プレポリマー末端に遊離イソシアネート基を含有しているプレポリマーを乳化した後、NCO/NH2比0.50以下となるように、1分子中に二個以上の活性水素を有するポリアミン化合物を添加することが必要である。1分子中に二個以上の活性水素を有するポリアミン化合物としては、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキシレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イソホロンジアミン、ピペラジン、ジフェニルメタンジアミン、ヒドラジン、アジピン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
本発明に於いては、水への分散性を向上させるために、ポリウレタン樹脂の分子内に親水性基を導入してもよい。この親水性基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基及びその塩を有する化合物や、分子内に少なくとも1個の活性水素原子を有し、かつエチレンオキシドの繰り返し単位からなる基、又はエチレンオキシドの繰り返し単位とその他のアルキレンオキシドの繰り返し単位からなる基を含有するノニオン性の化合物が挙げられる。
かかるカルボキシル基を含有する化合物としては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸、ジオキシマレイン酸、2,6−ジオキシ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸等のカルボン酸含有化合物及びこれらの誘導体及びその塩、又はこれらを使用して得られるポリエステルポリオールが挙げられ、更にアラニン、アミノ酪酸、アミノカプロン酸、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、ヒスチジン等のアミノ酸類、あるいはコハク酸、アジピン酸、無水マレイン酸、フタル酸、無水トリメリット酸等のカルボン酸類も挙げられる。
また、スルホン酸基含有化合物としては、例えば、2−オキシエタンスルホン酸、フェノールスルホン酸、スルホ安息香酸、スルホコハク酸、5−スルホイソフタル酸、スルファニル酸、1,3−フェニレンジアミン−4,6−ジスルホン酸、2,4−ジアミノトルエン−5−スルホン酸等のスルホン酸含有化合物及びこれらの誘導体、又はこれらを共重合して得られるポリエステルポリオール、ポリアミドポリオール、ポリアミドポリエステルポリオールが挙げられる。
これらのカルボキシル基及びスルホン酸基は、中和して塩にすることにより、最終的に得られるポリウレタン樹脂を水分散性にすることができる。かかる中和剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の不揮発性塩基、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類、アンモニア等の揮発性塩基が挙げられる。中和剤による中和は、ウレタン化反応前、反応中、又は反応後のいずれおいても行うことができる。
更に、ノニオン性基含有化合物としては、好ましくはエチレンオキシドの繰り返し単位を少なくとも30重量%以上含有し、分子中に少なくとも1個以上の活性水素を含有する分子量300〜20,000の化合物であり、例えば、ポリオキシエチレングリコール又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体グリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシブチレン共重合体グリコール、ポリオキシエチレン−ポリオキシアルキレン共重合体グリコール又はそのモノアルキルエーテル等のノニオン性基含有化合物又はこれらを共重合して得られるポリエステルポリエーテルポリオールが挙げられる。
水系ポリウレタン樹脂に上記親水性基を導入するに際しては、上記化合物をそれぞれ単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられる水系ポリウレタン樹脂に於いては、分子内に結合した親水性基の含有量は、カルボキシル基、スルホン酸基等のイオン性基の場合は、最終的に得られるポリウレタン樹脂100重量部当り0.005〜0.2当量であり、0.01〜0.1当量であることがより好ましい。また、ノニオン性基含有化合物の場合は、最終的に得られるポリウレタン樹脂固形分100重量部当り1〜30重量部、より好ましくは5〜20重量部であることが好ましい。
なお、ウレタンプレポリマーの合成に於いては、イソシアネートと反応せず、かつ、ウレタンプレポリマーを溶解し得る溶剤を用いてもよい。これらの溶剤として、ジオキサン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の親水性有機溶剤が挙げられる。これらの親水性有機溶剤は、最終的に除去されるのが好ましい。
更に、本発明に用いられる水系ポリウレタン樹脂には、副資材として、界面活性剤、酸化防止剤、UV剤、耐光剤、発泡剤、増粘剤、着色剤、難燃剤、他の水性樹脂、各種フィラーを、性能を損なわない限り添加することができる。
また、繊維基材の処理に際しては、エポキシ系、カルボジイミド系、オキサゾリジン系、ブロツクイソシアネート系、イソシアネート系等の各種架橋剤を併用することができる。
本発明に於いては 上記の水系ポリウレタン樹脂は、繊維基材(A層)の処理と、表皮層(C層)の形成とに使用される。
ここで、表皮層(C層)に上記水系ポリウレタン樹脂を用いる場合、その分子骨格に導入される水酸基、アミノ基及びイミノ基のうち、黄変の問題から、水酸基が好ましい。
本発明に於いては、繊維基材(A層)と合成樹脂フィルムで形成される表皮層(C層)とは、接着剤(B層)を用いて接着される。本発明において使用される接着剤(B層)は、水系ウレタンプレポリマー(a)とポリイソシアネート系架橋剤(b)とを含有している。
接着剤(B層)に使用する水系ウレタンプレポリマー(a)としては、分子末端に水酸基を有する水系ウレタンプレポリマーを用いることができる。
また、接着剤(B層)に使用するポリイソシアネート系架橋剤(b)としては、脂肪族ポリイソシアネート系架橋剤又は脂環族ポリイソシアネート系架橋剤を用いることができる。これらの架橋剤としては、脂肪族又は脂環族の有機ポリイソシアネート単独、これらのイソシアヌレート型、ビューレット型又はアロファネート型の3官能以上のポリイソシアネート化合物、2官能以上のイソシアネート化合物とポリオール等の活性水素含有化合物との反応により得られる末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー等を例示することができる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明する。但し、本発明範囲を実施する限り、下記の具体的実施例のみに制限されるものではない。尚、以下の記載中の部及び%は、特に断らない限り、それぞれ重量部及び重量%を表している。
<繊維基材(A層)用の水系ポリウレタン樹脂の合成>
(合成例A−1)
ポリテトラメチレングリコール(BASF(株)製;OHV=112.2mgKOH/g)313.7部と、トリメチロールプロパン4.4部と、水添MDI(住化バイエルウレタン(株)製;ディスモジュールW)39.1部と、HMDI(旭化成(株);デユラネート50MS)50.1部と、メチルエチルケトン(MEK)104部と、ジオクチル錫ジラウレート0.02部とを添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は、1.80(%)であった。次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸2.0部と、トリエチルアミン1.5部と、メチルエチルケトン94.5部とを添加し、70〜75℃で180分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は、1.50(%)であった。更に、このプレポリマーにノイゲンEA−157(第一工業製薬(株):非イオン界面活性剤)22.4部を添加した後、撹拌下に於いて水で希釈し、更にジプロピレントリアミン8.7部を添加し、20分間撹拌した。遊離イソシアネート基(固形分換算)の消失を確認後、MEKを留去し、純分40%のポリウレタン樹脂水分散体A−1(イミノ基含有)を得た。
(合成例A−2)
ラベカーブ102(ミテックス(株)製;1,6−ヘキサンジオールのカーボネート;OHV=112.2mgKOH/g)300部と、トリメチロールプロパン3.8部と、1,4−シクロヘキサンジメタノール30.7部と、水添MDI(住化バイエルウレタン(株)製;ディスモジュールW)182.7部と、メチルエチルケトン114部とを添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は、2.90(%)であった。次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸2.7部と、ポリエチレングリコール(第一工業製薬(株)製造;OHV=112.2mgKOH/g)40.5部と、トリエチルアミン2.0部と、メチルエチルケトン85.2部とを添加し、70〜75℃で60分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は、1.40(%)であった。このプレポリマーを40℃まで冷却した後、ノイゲンEA−157(第一工業製薬(株)製:非イオン界面活性剤)27.0部を添加し、希釈水を添加して乳化を行った。更に、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン9.9部を溶解した水溶液を添加し、MEKを留去して、純分40%のポリウレタン樹脂水分散体A−2(側鎖OH基含有)を得た。
(合成例A−3)
ラベカーブ106(ミテックス(株)製;1,6−ヘキサンジオールのカーボネート;OHV=56.1mgKOH/g)300部と、イソホロンジイソシアネート60.6部と、メチルエチルケトン114部とを添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は2.90(%)であった。次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸20.1部と、トリエチルアミン1.5部と、メチルエチルケトン85.2部とを添加し、70〜75℃で60分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は、0.00(%)であった。このプレポリマーを40℃まで冷却し、希釈水を添加し、MEKを留去して、ポリウレタン樹脂水分散体A−3(末端OH基含有)を得た。
(合成例A−4)
ラベカーブ106((株)製;1,6−ヘキサンジオールのカーボネート;OHV=56.1mgKOH/g)300部と、イソホロンジイソシアネート83.3部と、メチルエチルケトン114部とを添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は、4.90(%)であった。次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸20.1部と、トリエチルアミン1.5部と、メチルエチルケトン85.2部とを添加し、70〜75℃で60分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は、1.60(%)であった。このプレポリマーを40℃まで冷却後、ノイゲンEA−157(第一工業製薬(株)製:非イオン界面活性剤)27.0部添加し希釈水を添加し、更に2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン9.0部を溶解した水溶液を添加し、遊離イソシアネート基(固形分換算)の消失を確認後、MEKを留去して、純分40%のポリウレタン樹脂水分散体A−4(ペンダント状OH基含有)を得た。
(比較合成例A−5)
ラベカーブ102(ミテックス(株)製;1,6−ヘキサンジオールのカーボネート;OHV=112.2mgKOH/g)300部と、トリメチロールプロパン3.8部と、1,4−シクロヘキサンジメタノール30.7部と、水添MDI(住化バイエルウレタン(株)製;ディスモジュールW)182.7部と、メチルエチルケトン114部とを添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は、2.90(%)であった。次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸2.7部と、ポリエチレングリコール(第一工業製薬(株)製造;OHV=112.2mgKOH/g)40.5部と、トリエチルアミン2.0部と、メチルエチルケトン85.2部とを添加し、70〜75℃で60分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は、1.40(%)であった。このプレポリマーを40℃まで冷却した後、ノイゲンEA−157(第一工業製薬(株)製:非イオン界面活性剤)27.0部を添加し、希釈水を添加して乳化を行った。更に、アジピン酸ジヒドラジド14.60部を溶解した水溶液を添加し、MEKを留去して、純分40%の、OH基、アミノ基又はイミノ基の何れをも含まないポリウレタン樹脂水分散体A−5を得た。
(比較合成例A−6)
ラベカーブ102(ミテックス(株)製;1,6−ヘキサンジオールのカーボネート;OHV=112.2mgKOH/g)300部と、トリメチロールプロパン3.8部と、1,4−シクロヘキサンジメタノール30.7部と、水添MDI(住化バイエルウレタン(株)製;ディスモジュールW)182.7部と、メチルエチルケトン114部とを添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は、2.90(%)であった。次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸2.7部と、ポリエチレングリコール(第一工業製薬(株)製造;OHV=112.2mgKOH/g)40.5部と、トリエチルアミン2.0部と、メチルエチルケトン85.2部とを添加し、70〜75℃で60分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は、1.40(%)であった。このプレポリマーを40℃まで冷却した後、ノイゲンEA−157(第一工業製薬(株)製:非イオン界面活性剤)27.0部を添加し、希釈水を添加して乳化を行った。更にジプロピレントリアミン7.3部を溶解した水溶液を添加し、MEKを留去して、純分40%のポリウレタン樹脂水分散体A−6を得た。
<接着剤(B層)用水系ウレタンプレポリマーの合成>
(合成例B−1)
ラベカーブ106(ミテックス(株)製;1,6−ヘキサンジオールのカーボネート;OHV=56.1mgKOH/g)300部と、イソホロンジイソシアネート49.5部と、メチルエチルケトン105部とを添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は、1.80(%)であった。次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸12.0部と、トリエチルアミン6.3部と、メチルエチルケトン75.7部とを添加し、70〜75℃で反応させ、遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)が消失するまで反応を継続した。撹拌下に於いて水で希釈したあと、MEKを留去して、純分35%の分子末端に水酸基を有するウレタンプレポリマーB−1を得た。
<表皮層(C層)用水系ポリウレタン樹脂の合成>
(合成例C−1)
ラベカーブ106((株)製;1,6−ヘキサンジオールのカーボネート;OHV=56.1mgKOH/g)300部と、イソホロンジイソシアネート83.3部と、メチルエチルケトン114部とを添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は、4.90(%)であった。次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸20.1部と、トリエチルアミン1.5部と、メチルエチルケトン85.2部とを添加し、70〜75℃で60分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は、1.60(%)であった。このプレポリマーを35℃まで冷却し、希釈水を添加し、更に2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン9.0部を溶解した水溶液を添加し、遊離イソシアネート基(固形分換算)の消失を確認後、MEKを留去して、純分35%のポリウレタン樹脂水分散体C−1を得た。
(合成例C−2)
ラベカーブ102((株)製;1,6−ヘキサンジオールのカーボネート;OHV=112.2mgKOH/g)251.2部と、水添MDI(ディスモジュールW)111.94部と、メチルエチルケトン250部と、ジオクチル錫ジラウレート0.01gとを添加し、70〜75℃で60分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は、2.40(%)であった。次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸1.90部と、1,4ブタンジオール2.43部と、トリエチルアミン1.5部と、メチルエチルケトン125.0部とを添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は、1.50(%)であった。このプレポリマーを35℃まで冷却し、更にノイゲンEA−157(第一工業製薬(株)製:非イオン界面活性剤)27.0部を添加し、希釈水を添加して乳化を行った。更に乳化を15分間行った後、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン9.0部を溶解した水溶液を添加し、30分間撹拌した。遊離イソシアネート基(固形分換算、%)の消失を確認後、MEKを留去して、純分40%のポリウレタン樹脂水分散体C−2を得た。
(比較合成例C−3)
ラベカーブ106((株)製;1,6−ヘキサンジオールのカーボネート;OHV=56.1mgKOH/g)300部と、イソホロンジイソシアネート83.3部と、メチルエチルケトン114部とを添加し、70〜75℃で90分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は、4.90(%)であった。次に、系の温度を50℃とし、ジメチロールプロピオン酸20.1部と、トリエチルアミン1.5部と、メチルエチルケトン85.2部とを添加し、70〜75℃で60分間反応させた。このときの遊離イソシアネート基含有量(固形分換算)は、1.60(%)であった。このプレポリマーを35℃まで冷却し、希釈水を添加し、更にジプロピレントリアミン6.7部を溶解した水溶液を添加し、遊離イソシアネート基(%)の消失を確認後、MEKを留去して、純分35%のポリウレタン樹脂水分散体C−3を得た。
<繊維基材(A層)の作成>
(繊維基材1…含浸加工)
目付け100(g/cm2)のポリエステル不織布に、ポリウレタン樹脂水分散体A−1を40部採取し、水60部で希釈した加工液を含浸させ、絞り率100%で絞液し、ドライヤーで130℃×3分間乾燥処理したものを繊維基材1とした。
(繊維基材2…発泡コーティング)
目付け100(g/cm2)のポリエステル不織布に、下記組成からなる加工液をコータでコーティング(Wet膜厚1.5mm)し、90℃×4分間ピンテンターで乾燥後、130℃×3分間キュア処理し、化学発泡させたものを繊維基材2とした。
ポリウレタン樹脂水分散体A−2 100.0部
アクアネート210 2.0
(日本ポリウレタン工業(株);自己乳化型ポリイソシアネート)
5%重炭酸水素ナトリウム 5.0
スコアミンフォマーKF(第一工業製薬(株);起泡剤) 1.0
F−2915B(第一工業製薬(株);増粘剤) 0.5。
(繊維基材3…発泡コーティング)
目付け100(g/cm2)のポリエステル不織布に、下記組成からなる加工液をハンドミキサーで3分間機械撹拌し機械発泡させた(発泡倍率2.0倍)。発泡させた加工液をコータでコーティング(Wet膜厚2mm)し、90℃×4分間ピンテンターで乾燥後、130℃×3分間キュア処理し、化学発泡させたものを繊維基材3とした。
ポリウレタン樹脂水分散体A−3 100.0部
スコアミンフォマーKF(第一工業製薬(株);起泡剤) 10.0
ネオコールSW−C(第一工業製薬(株);起泡助剤) 1.0
エラスフィニッシュS−65 3.0
(第一工業製薬(株);ポリオルガノシロキサンエマルション)
SN−1333(日本ユニカー;整泡剤) 0.5
レオレイト210(RHEOX社) 0.5。
(繊維基材4…発泡コーティング)
目付け100(g/cm2)のポリエステル不織布に、下記組成からなる加工液をコータでコーティング(Wet膜厚1.5mm)し、90℃×4分間ピンテンターで乾燥後、130℃×3分間キュア処理し、化学発泡させたものを繊維基材4とした。
ポリウレタン樹脂水分散体A−4 100.0部
スコアミンフォマーKF(第一工業製薬(株);起泡剤) 10.0
ネオコールSW−C(第一工業製薬(株);起泡助剤) 1.0
エラスフィニッシュS−65 3.0
(第一工業製薬(株);ポリオルガノシロキサンエマルション)
SN−1333(日本ユニカー;整泡剤) 0.5
F−2915B(第一工業製薬(株);増粘剤) 0.5。
(繊維基材5…発泡コーティング)
目付け100(g/cm2)のポリエステル不織布に、下記組成からなる加工液をコータでコーティング(Wet膜厚1.5mm)し、90℃×4分間ピンテンターで乾燥後、130℃×3分間キュア処理し、化学発泡させたものを繊維基材5とした。
ポリウレタン樹脂水分散体A−5 100.0部
スコアミンフォマーKF(第一工業製薬(株);起泡剤) 10.0
ネオコールSW−C(第一工業製薬(株);起泡助剤) 1.0
エラスフィニッシュS−65 3.0
(第一工業製薬(株);ポリオルガノシロキサンエマルション)
SN−1333(日本ユニカー;整泡剤) 0.5
F−2915B(第一工業製薬(株);増粘剤) 0.5。
(繊維基材6…発泡コーティング)
目付け100(g/cm2)のポリエステル不織布に、下記組成からなる加工液をコータでコーティング(Wet膜厚1.5mm)し、90℃×4分間ピンテンターで乾燥後、130℃×3分間キュア処理し、化学発泡させたものを繊維基材6とした。
ポリウレタン樹脂水分散体A−6 100.0部
アクアネート210 2.0
(日本ポリウレタン工業(株);自己乳化型ポリイソシアネート)
5%重炭酸水素ナトリウム 5.0
スコアミンフォマーKF(第一工業製薬(株);起泡剤) 1.0
F−2915B(第一工業製薬(株);増粘剤) 0.5。
(繊維基材7…含浸加工)
目付け100(g/cm2)のポリエステル不織布に、ポリウレタン樹脂水分散体A−6を40部採取し、水60部で希釈した加工液を含浸し、絞り率100%で絞液し、ドライヤーで130℃×3分間乾燥処理したものを繊維基材7とした。
<表皮層(C)層)の作成>
(表皮層1)
ポリウレタン樹脂水分散体C−1を使用して下記組成からなる加工液を作成した。
ポリウレタン樹脂水分散体C−1 100.0部
シャロールAH103 2.0
(第一工業製薬(株);ポリアクリル酸系分散剤)
カルボジライトE−02 2.0
(日東紡績(株);カルボジイミド系架橋剤)
F−2915B(第一工業製薬(株);増粘剤) 1.0
この加工液を離型紙上に塗布(Wet膜厚200μm)した。続けて80℃×2分間で乾燥処理後、更に130℃×2分間熱処理し、ポリウレタン樹脂フィルム(表皮層1)を得た。
(表皮層2)
ポリウレタン樹脂水分散体C−2を使用して下記組成からなる加工液を作成した。
ポリウレタン樹脂水分散体C−2 100.0部
シャロールAH103 2.0
(第一工業製薬(株);ポリアクリル酸系分散剤)
カルボジライトE−02 2.0
(日東紡績(株);カルボジイミド系架橋剤)
F−2915B(第一工業製薬(株);増粘剤) 1.0
この加工液を離型紙上に塗布(Wet膜厚200μm)した。続けて80℃×2分間で乾燥処理後、更に130℃×2分間熱処理し、ポリウレタン樹脂フィルム(表皮層2)を得た。
(表皮層3)
ポリウレタン樹脂水分散体C−3を使用して下記組成からなる加工液を作成した。
ポリウレタン樹脂水分散体C−3 100.0部
シャロールAH103 2.0
(第一工業製薬(株);ポリアクリル酸系分散剤)
カルボジライトE−02 2.0
(日東紡績(株);カルボジイミド系架橋剤)
F−2915B(第一工業製薬(株);増粘剤) 1.0
この加工液を離型紙上に塗布(Wet膜厚200μm)した。続けて80℃×2分間で乾燥処理後、更に130℃×2分間熱処理し、ポリウレタン樹脂フィルム(表皮層3)を得た。
<接着剤(B層)の調製>
(接着剤1)
ウレタンプレポリマーB−1を100部採取し、ポリイソシアネート系架橋剤としてアクアネート210(日本ポリウレタン工業(株)製;水分散性ポリイソシアネート)5部と、F−2915B(第一工業製薬(株);会合型増粘剤)0.5部とを添加し、接着剤1を調整した。
<繊維積層体の作成>
(実施例1)
表皮層1の上に、接着剤1を塗布厚160μm(Wet)で塗布した。続いて90℃×3分間乾燥処理を行った後、繊維基材1を、120℃、圧力2.0kg/cm2の条件下で貼り合わせ、更に40℃×48時間熟成し、離型紙から剥離して、実施例1の繊維積層体を得た。
(実施例2〜4)
実施例1と同様に、表1に示すように、表皮層1〜3に、接着剤1をそれぞれ塗布厚160μm(Wet)で塗布した。続いて90℃×3分間乾燥処理を行った後、各繊維基材2〜4を、120℃、圧力2.0kg/cm2の条件下で貼り合わせて、更に40℃×48時間熟成し、離型紙から剥離して、実施例2〜4の繊維積層体を得た。
(実施例5)
繊維基材6の上に、接着剤1を塗布厚160μm(Wet)で塗布した。続いて90℃×3分間乾燥処理を行った後、表皮層1を、120℃、圧力2.0kg/cm2の条件下で貼り合わせ、更に40℃×48時間熟成し、離型紙から剥離して、実施例5の繊維積層体を得た。
(比較例1)
表皮層3の上に、接着剤1を塗布厚160μm(Wet)で塗布した。続いて90℃×3分間乾燥処理を行った後、繊維基材5を、120℃、圧力2.0kg/cm2の条件下で貼り合わせ、更に40℃×48時間熟成し、離型紙から剥離して、比較例1の繊維積層体6を得た。
(比較例2)
表皮層3の上に、接着剤1を塗布厚160μm(Wet)で塗布した。続いて90℃×3分間乾燥処理を行った後、繊維基材6を、120℃、圧力2.0kg/cm2の条件下で貼り合わせ、更に40℃×48時間熟成し、離型紙から剥離して、比較例2の繊維積層体を得た。
(比較例3)
表皮層3の上に、接着剤1を塗布厚160μm(Wet)で塗布した。続いて90℃×3分間乾燥処理を行った後、繊維基材7を、120℃、圧力2.0kg/cm2の条件下で貼り合わせ、更に40℃×48時間熟成し、離型紙から剥離して、比較例3の繊維積層体を得た。
Figure 2005206970
上記の各実施例及び各比較例の繊維積層体の剥離強度、剥離部分及び加工風合いについて評価を行った。評価方法及び評価基準は以下のとおりである。
<評価方法及び基準>
(剥離試験)
剥離強度は、2.5cm幅のホットメルトテープを試料表面(表皮面)にアイロンで加熱して接着する。テープ幅に沿って試料を切断し、試料の一部を剥離し、基材とテープをチャックではさみ、オートグラフ(AG−100A、島津製作所製)で剥離強度を測定した。
剥離部分は、剥離強度試験後の剥離がどの部分で生じているかを目視で観察することにより評価を行った。
(加工布風合い)
加工布の風合いを触感により評価した。評価基準は以下のとおりである。
○:柔らかい
△:少し硬さが残る
×:硬い。
以上の評価から、各実施例の繊維積層体では高い剥離強度を有し、剥離は接着剤又は繊維基材に於いてのみ生じ、界面では生じていないことが分かる。これに対して、各比較例の繊維積層体では剥離強度が低く、接着剤と発泡層又は含浸層で剥離を生じていることが分かる。
本発明の製造方法によれば、繊維基材(A層)の処理及び/又は表皮層(C層)に、分子骨格中に水酸基、アミノ基又はイミノ基の何れか一つ以上を含有する水系ポリウレタン樹脂が用いられるので、接着剤(B層)によりこれらの層が強固に接着され、剥離強度が大きく向上する。従って、繊維積層体の分野において有用である。

Claims (10)

  1. 繊維基材(A層)と合成樹脂フィルムで形成される表皮層(C層)とを接着剤(B層)を用いてドライラミネート法により接着加工する繊維積層体の製造方法であって、分子骨格中に水酸基、アミノ基又はイミノ基の何れか一つ以上を含有する水系ポリウレタン樹脂を用いて前記繊維基材(A層)を処理することを特徴とする繊維積層体の製造方法。
  2. 繊維基材(A層)と合成樹脂フィルムで形成される表皮層(C層)とを接着剤(B層)を用いてドライラミネート法によって接着加工する繊維積層体の製造方法であって、分子骨格中に水酸基、アミノ基又はイミノ基の何れか一つ以上を含有する水系ポリウレタン樹脂で前記表皮層(C層)を形成することを特徴とする繊維積層体の製造方法。
  3. 繊維基材(A層)と合成樹脂フィルムで形成される表皮層(C層)とを接着剤(B層)を用いてドライラミネート法によって接着加工する繊維積層体の製造方法であって、分子骨格中に水酸基、アミノ基又はイミノ基の何れか一つ以上を含有する水系ポリウレタン樹脂を用いて前記繊維基材(A層)を処理し、かつ、分子骨格中に水酸基、アミノ基又はイミノ基の何れか一つ以上を含有する水系ポリウレタン樹脂で前記表皮層(C層)を形成することを特徴とする繊維積層体の製造方法。
  4. 前記接着剤(B層)が、水系ウレタンプレポリマー(a)とポリイソシアネート系架橋剤(b)とを含有していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の繊維積層体の製造方法。
  5. 前記ドライラミネート法が、前記繊維基材(A層)又は前記表皮層(C層)に前記接着剤(B層)を塗布した後、水分を揮発させ、直ちに前記繊維基材(A層)と前記表皮層(C層)とを貼り合わせて接着する方法であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の繊維積層体の製造方法。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の製造方法によって得られる繊維積層体。
  7. 前記繊維積層体が合成皮革である請求項6記載の繊維積層体。
  8. ドライラミネート法による接着加工に使用される繊維基材を処理するためのドライラミネート接着用プライマー組成物であって、分子骨格中に水酸基、アミノ基又はイミノ基の何れか一つ以上を有する水系ポリウレタン樹脂を含有していることを特徴とするドライラミネート接着用プライマー組成物。
  9. ドライラミネート法による接着加工に使用される表皮層を形成するためのドライラミネート接着用表皮層組成物であって、分子骨格中に水酸基、アミノ基又はイミノ基の何れか一つ以上を有する水系ポリウレタン樹脂を含有していることを特徴とするドライラミネート接着用表皮層組成物。
  10. ドライラミネート法による接着加工に使用されるドライラミネート用接着剤組成物であって、水系ウレタンプレポリマー(a)とポリイソシアネート系架橋剤(b)とを含有していることを特徴とするドライラミネート用接着剤組成物。
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