JP6527102B2 - 保持部材、これを備える回転電機の回転子、及びそれを備える回転電機 - Google Patents

保持部材、これを備える回転電機の回転子、及びそれを備える回転電機 Download PDF

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Description

本発明は、回転電機の回転子外周に使用される保持部材、該保持部材を備えた回転子、及び、該回転子を備えた回転電機に関する。
回転子の外周面に磁石を備え、筒状の保持部材によってこの磁石を径方向内側に圧縮保持するように構成された同期電動機が公知である。この種の同期電動機において、高速回転を可能にするためには、遠心力によって磁石が回転子から脱離したり回転子そのものが破損したりするのを防止するために大きな遠心力に耐え得るように設計された保持部材を備える必要がある。
このような観点から、回転子の外周面に配された永久磁石を、該永久磁石を覆うように該永久磁石の外周に設けられた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の保持部材によって圧縮保持する回転電機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された技術では、保持部材は、軸方向における磁石区間の全長に等しく、磁石区間は固定子鉄心の積層長にほぼ等しい。このため、保持部材は、固定子鉄心の軸方向区間とほぼ同じ寸法になり、固定子鉄心の中に凡そ収まるように組み付けられることとなる。
また、保持部材の巻き終わり端部の剥れを防止する構造も既に提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2014−212680号公報 特開2002−315241号公報
回転電機に、特許文献1に記載されたCFRP製の保持部材を適用する場合、保持部材に与える周方向の張力を増大することによって保持強度を高める手法は実施が容易である。しかしながら、実際には、張力が高くなるほど、保持部材の巻き始め端部や巻き終わり端部が、この張力によって剥れるリスクも高まる。一旦剥がれが始まると、それが徐々に進行し、破壊に至るケースは多い。よって、この部分の対策をせずに単純に張力を高めて保持強度を増大することには限界がある。
高速回転を目指す回転電機の場合、これに適用する保持部材は、糸状や紐状、或いはテープ状の連続した繊維の束を、芯材となる治具に巻き付けて、筒状(管状)のFRPとして成形されることが多い。これはフィラメントワインディング(以下FWと称す)と呼ばれる製造手法である。この製造手法による場合、当該繊維に高い張力がかかった状態で、更に高速回転による風との摩擦、振動、回転子の発熱による高温、或いは停止時との間での温度サイクル、などの過酷な環境条件が加わると、前記開始端、終端の固定が、解けるといった問題が発生する。これへの対策として、保持部材をFWで製作する際に、巻き始めと巻き終わりの部分だけ巻き付ける回数を増して、入念に固定する方法が考えられる。しかしながら、このようにすると径方向の厚さが増すこととなり、保持部材が固定子鉄心と擦れ合ってしまうといったおそれがある。保持部材が固定子鉄心と擦れ合った場合、その部分が原因となって、結局、端部の固定が解ける問題へと繋がってしまう。
回転電機の更なる高速化を目指す場合、磁石に発生する遠心力もより大きいものとなり、それに応じて、保持部材の張力を高める必要がある。また、電動機を更に高出力化したい場合の一つの手法として、磁石の厚さを増大する方法がある。磁石を厚くすると磁石の質量が増大し、それに応じて磁石に発生する遠心力も増大する。従って、このように増大した遠心力に抗し得るように保持部材の張力を高める必要がある。ところが、既述のような方法で保持部材をFWで製作し張力を高めると、巻きの開始端及び終端において保持部材が大径となり、固定子鉄心と擦れ合って固定が解ける問題が発生する。この問題は、従来の回転電機における高速化、高出力化の障壁となっていた。
また、特許文献2では、ロータハウジング及びフランジ部という部材を設け、そこに繊維の係留部を設けて繊維の端部を拘束する手法が開示されている。
しかしながら、この手法では、ロータハウジング及びフランジ部の質量が、高速回転化の妨げとなり、折角、磁石部を軽量な繊維で保持しても、ロータハウジング及びフランジ部の遠心力に対する強度が、最高回転数に制約を与える原因になってしまうという問題がある。この問題を避けるために、当該保持部材の、開始端と終端の処理を強固に確実に行い、たとえ高い張力下においても、解けない端部処理が必要である。
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものであり、回転電機の回転子における磁石の保持部材の張力を十分なものとしながら、当該保持部材が固定子と擦れ合うおそれが生じない、保持部材、該保持部材を備えた回転子、及び、該回転子を備えた回転電機を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る保持部材(例えば、後述する保持部材50)は、固定子鉄心(例えば、後述する固定子鉄心21)を有する固定子(例えば、後述する固定子20)と、回転軸(例えば、後述する回転軸1)に支持され前記固定子に対応する回転子(例えば、後述する回転子10)と、前記回転子の外周面に配された複数の磁石(例えば、後述する磁石M)と、前記磁石をそれらの外周面側から径方向内側に向って圧縮保持する保持部材(例えば、後述する保持部材50)とを備えた回転電機に適用される前記保持部材であって、前記保持部材は、自己の周面を周回するように巻回された繊維束を主体的に含んで構成され概略筒状体を成す本体部(例えば、後述する本体部51)と、前記本体部の端部に設けられ前記繊維束の巻回の始端部及び終端部のうちの少なくとも何れかの端部に係る前記繊維束の解け防止の端部処理を施した部位を含む端部処理部(例えば、後述する端部処理部52)とを有し、
前記本体部の軸方向の長さが前記固定子鉄心の軸方向区間の長さより長く、且つ、前記端部処理部が前記固定子鉄心の軸方向端部の外側に位置するように配される。
保持部材は、少なくとも一の前記端部処理部の外径が前記本体部の外径よりも大径である態様を採り得る。
保持部材は、前記一の前記端部処理部に対応する他の端部処理部を有し、前記他の端部処理部はその外径が前記固定子鉄心の内径より小さい態様を採り得る。
本発明に係る回転子は、上述のような保持部材を有する。
回転子は、前記保持部材の軸方向の長さが前記磁石の軸方向区間の長さに等しい態様を採り得る。
炭素繊維を含んで構成された前記保持部材と、前記保持部材よりも内径側に位置して内径が軸方向に傾斜したテーパ面を有するテーパスリーブと、を前記回転軸の外周に同軸状に有し、前記保持部材は、前記回転軸の外周に設けられたテーパ面による拡径方向の力を受けつつ前記磁石及び前記テーパスリーブを介して前記回転軸に嵌装されて張力が与えられており、前記張力によって生じる弾性圧縮力により、前記磁石を前記テーパスリーブの外周面に押し付けている、回転子。
本発明に係る回転電機は、上述のような回転子を有する回転電機であって、前記固定子鉄心の端部は、積層コアが剥がれないための対策部位を構成している。
前記保持部材の前記端部処理部は、前記固定子鉄心の軸方向端部の外側にある回転電機。
本発明によれば、回転電機の回転子における磁石の保持部材の張力を十分なものとしながら、当該保持部材が固定子と擦れ合うおそれが生じない、保持部材、該保持部材を備えた回転子、及び、該回転子を備えた回転電機を具現することができる。
本発明の一実施形態としての回転電機を示す概略構成図である。 図1の回転電機の変形例を示す概略構成図である。 図1及び図2の回転電機に適用される本発明の実施形態としての保持部材を説明するための図である。 本発明の他の実施形態としての回転電機を示す概略構成図である。 図4の回転電機に適用される本発明の実施形態としての保持部材を説明するための図である。 本発明の実施形態としての保持部材における端部処理の一例を説明するための図である。 本発明の実施形態としての保持部材における端部処理の他の例を説明するための図である。 本発明の実施形態としての保持部材における繊維束の巻回の始端部での端部処理の一例を説明するための図である。 本発明の実施形態としての保持部材における繊維束の巻回の始端部での端部処理の他の例を説明するための図である。 本発明の実施形態としての保持部材における繊維束の巻回の終端部での端部処理の一例を説明するための図である。 本発明の更に他の実施形態としての回転電機を示す概略構成図である。 一般的な回転電機を示す概略構成図である。 回転電機の回転子における保持部材に張力をかける機構を説明するための図である。 回転電機の回転子の断面を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、適宜従来の一般的な回転電機との対比を行いつつ、図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態としての回転電機を示す概略構成図である。
この回転電機100は、本発明の実施形態としての回転子10を備え、この回転子10は、本発明の実施形態としての保持部材50を備える。
図1の回転電機100は、両端側を図示しない軸受によって支持された回転軸1によって回転子10が支持されている。回転子10を囲むように固定子20が設けられている。この固定子20は、例えば電磁鋼板の薄板を積層してなる固定子鉄心21を有し、ハウジング22に組み込まれている。固定子鉄心21にはコイル23が巻回されている。図1の視座では固定子鉄心21に巻回されたコイル23は、そのコイルエンド23aが視認される。
図1の回転電機100は表面磁石貼付型同期電動機であり、軸方向に分かれた永久磁石Mをテーパスリーブ12と保持部材50とによって回転軸1に固定している。
即ち、回転電機100では、磁性体の金属材料でなる筒状のテーパスリーブ12を環状の永久磁石Mと回転軸1との間に圧入し、更に、永久磁石Mをその外周面側から径方向内側に向って圧縮保持する保持部材50で囲むことにより、永久磁石Mを回転軸1(直接にはテーパスリーブ12)の外周に強固に保持している。尚、一方(図1で右方)の側の永久磁石Mの一方の端部側には永久磁石Mと半径方向の厚み寸法が等しい環状のスペーサ40が嵌装されている。スペーサ40は永久磁石Mの軸方向の端縁の形状を模した形状である。
保持部材50は、概略筒状体を成し、その周面を周回するように巻回された後述する繊維束を主体的に含んで構成された本体部51と、本体部51の端部に設けられ上述の繊維束の巻回の始端部及び終端部のうちの少なくとも何れかの端部に係る記繊維束の解け防止の端部処理を施した部位を含む端部処理部52とを有する。
図1に表された通り、本体部51と端部処理部52とは内径が実質的に一様であり、従って、内周面が段差なく軸方向に連続している。しかしながら、端部処理部52の外径は本体部51の外径よりも大径であり、従って、本体部51の外周面から端部処理部52の外周面への軸方向での移行部分は段差をなして拡径している。この理由については後述する。
保持部材50の本体部51の軸方向の長さが固定子鉄心21の軸方向区間の長さより長く、且つ、端部処理部52が固定子鉄心21の軸方向端部の外側に位置するように配されている。
図1を参照して容易に理解される通り、軸方向に分かれた永久磁石Mの軸方向の合計の長さである永久磁石配設区間の長さは、固定子鉄心21の軸方向の長さと略等しい。また、軸方向に分かれた永久磁石Mとスペーサ40とが軸方向に整列した軸方向の区間の長さが、端部処理部52を含む保持部材50の軸方向の長さに略等しい。図示の通り、スペーサ40は、保持部材50の端部処理部52の内周面側とテーパスリーブ12外周面側との間に挿入されている。
テーパスリーブ12は内径が軸方向に傾斜したテーパ面を有する。即ち、図1の視座で右側ほど内径が小径になる傾きを呈している。また、回転軸1の外周にも、テーパスリーブ12におけると同様の向きにテーパになったテーパ面が外周に形成されている。
保持部材50は、回転軸1の外周に設けられたこのテーパ面による拡径方向の力を受けつつ永久磁石M及びテーパスリーブ12を介して回転軸1に嵌装されて張力が与えられている。永久磁石Mは、保持部材50に作用するこの張力によって生じる弾性圧縮力によりテーパスリーブ12の外周面に押し付けられている。これにより、永久磁石Mは強固にその位置が保持されている。
図2は、図1の回転電機の変形例を示す概略構成図である。
図2において既述の図1との対応部は同一の符号を附して示し、対応各部の個々の説明は図1における説明を援用する。
図2の回転電機100aも表面磁石貼付型同期電動機である。
図2の回転電機100aにおける既述の図1の回転電機100との相違は次の点である。即ち、回転電機100では、永久磁石Mの軸方向の全長(既述の合計の長さ)が固定子鉄心21の軸方向区間の長さと略等しく、保持部材50の端部処理部52の内周側にスペーサ40が嵌装されていたところ、回転電機100aでは、永久磁石Mの軸方向の全長が固定子鉄心21の軸方向区間の長さよりも長く、上述のスペーサ40は設けられない。
図2を参照して容易に理解される通り、永久磁石Mの軸方向の両端側は、固定子鉄心21の軸方向区間の両端からそれぞれ略等しい長さだけ軸方向に延出している。
従って、回転軸1が軸方向に変位しようとすると、永久磁石Mの磁束線の吸引作用によって回転軸1が正規の位置(元の位置)に引き戻されてバランスする。このため軸受(不図示)に負担がかからずに、回転軸1が正規の位置を高精度に維持する。
図2の回転電機100aにおいても、テーパスリーブ12が設けられ、且つ、回転軸1には既述のテーパ面が外周に形成されている。従って、図1の回転電機100について上述した通り、永久磁石Mは保持部材50による弾性圧縮力によりテーパスリーブ12の外周面で強固にその位置が保持されている。
ここで、図3を参照して、図1及び図2における保持部材50について更に説明する。
図3は、図1及び図2の回転電機に適用される本発明の実施形態としての保持部材を説明するための図である。
特に、図3は、保持部材50の成形途中の様子を表している。
図1及び図2を参照して既述のように、保持部材50は、概略筒状体を成し、その周面を周回するように巻回された後述する繊維束を主体的に含んで構成された本体部51と、本体部51の端部に設けられ上述の繊維束の巻回の始端部及び終端部のうちの少なくとも何れかの端部に係る繊維束の解け防止の端部処理を施した部位を含む端部処理部52とを有する。
上述の保持部材50は、その材料となる繊維(以下、適宜、繊維束510である場合を含む繊維を単に繊維という)が炭素繊維であることは推奨される。保持部材50は、このような繊維束510が、図3におけるような軸状の成形治具500に巻回されて成形される。
一つの成形方法では、先ず、材料の繊維を成形治具500に巻き付ける。材料の繊維が成形治具500に巻き付けられたところに、浸透性のよい樹脂を滴下するなどして含浸し、この樹脂を加熱硬化させる。この場合の樹脂は、柔軟性のある樹脂が好ましい
図3の保持部材50の場合は、繊維の巻回の始端部と終端部とが同じ側にあって、これらの端部が互いに接着固定されることによって端部処理される。端部処理は、端部に係る繊維束の解け防止のための処理であり、エポキシ系樹脂が接着剤として用いられる。
また、図3の保持部材50の場合は、端部処理部52は保持部材50の軸方向の一端側(図3の視座で右端側)で行われ、他端側は繊維束510の巻回方向はそのまま変えることなく、端部でそのまま折り返している。即ち、端部処理部52では繊維束510の巻回の始端と終端が重なって多重に巻回された部分521が生じる。従って、このように繊維束510が多重に巻回された部分521により、外径が本体部51よりも段差をなして拡径した端部処理部52を形成することになる。
上述のように樹脂を加熱硬化させた後、保持部材50は、成形治具500から軸方向に引き抜かれて単体で取り出され、完成品としての保持部材50となる。
尚、上述のように浸透性の良い樹脂を繊維束に滴下して含浸させ加熱硬化させる手法に替えて、プリプレグテープを成形治具500に巻回して、加熱硬化させるという手法を適用して保持部材50を成形することもできる。
保持部材50は、上述のようにして成形されるため、本体部51と端部処理部52とは内径が実質的に一様であるため内周面が段差なく軸方向に連続している。一方、端部処理部52は、繊維束510が多重に巻回された部分521であるため、その外径は本体部51の外径よりも大径となり、本体部51の外周面から端部処理部52の外周面への軸方向での移行部分は段差をなして拡径している。
この結果保持部材50は、端部処理部52の外径が保持部材50の軸方向での全長区間における外径のうち最も大きい部位を成している。
図3を参照して説明したように成形される保持部材50は、図1及び図2におけるように、回転電機100(100a)に実装された状態において、回転子10の軸方向の少なくとも一端側から他端側に至る区間の間途切れることなく連続した一続きの繊維束が、回転子10の外周側を周回しつつ、一端側から他端側まで巻かれた態様をなす。即ち、保持部材50は、この繊維束の捲回動作を少なくとも1回、又は2回以上繰り返して概略筒状形状を成す。繊維束の巻回の始端部および終端部は、保持部材50の軸方向端部(図1、図2及び図3の場合は図示にて右端部)にあり、繊維同士が接着されることによって解けないための端部処理がなされている。図3の手法で成形された保持部材50は、樹脂をマトリクスとする繊維強化樹脂であって、保持部材50単体の状態ではこれを構成する繊維には張力はかかっていない。図1、図2及び図3の場合は、保持部材50の軸方向全長は、固定子鉄心21の軸方向の長さよりも長い。
このため、保持部材50の端部側を固定子鉄心21の軸方向の端部よりも外側に位置させることができ、保持部材50の端部側をその外径が大径になるように設計するに支障がない。従って、保持部材50をその周方向の耐張力が十分に強いものとして製作できる。
次に、図4を参照して、本発明の他の実施形態としての回転電機について説明する。
図4は、本発明の他の実施形態としての回転電機を示す概略構成図である。
図4の回転電機100cも、表面磁石貼付型同期電動機であり、既述の図1及び図2との対応部は同一の符号を附して示し、これら対応部に関する個々の説明は図1及び図2における説明を援用する。
図4の回転電機100cにおける図1及び図2を参照して既述の回転電機100a及び100bとの相違は次の点である。
即ち、回転電機100a及び100bでは、その回転子10の保持部材50は、本体部51の一端側に外径が大径の端部処理部52を有するものであったところ、図4の回転電機100cでは、回転子10の保持部材50は、本体部51の一端側及び他端側にそれぞれ大径の端部処理部52a及び52bを有する点である。
図4の回転電機100cにおけるこのような保持部材50について、図5を参照して説明する。
図5は、図4の回転電機に適用される本発明の実施形態としての保持部材を説明するための図である。
図5において、既述の図3との対応部は同一の符号を附して示し、これら対応部に関する個々の説明は図3における説明を援用する。
図5においても、図3の場合と同様に、保持部材50の成形途中の様子を表している。
図5の保持部材50では、繊維束の巻回の始端部で入念に多重に巻回された部分521が接着剤により固定されて端部処理され、同様に、繊維束の巻回の終端部でも入念に多重に巻回された部分522が形成されて接着剤により固定されて端部処理されている。
図5の保持部材50では、これらの多重に巻回された部分521及び522が本体部51を成す繊維束の巻回部分510におけるよりも大径になっている。
この結果、図5の保持部材50では、本体部51の軸方向の両端に外径が大径の端部処理部52a及び52bが形成される。
図4及び図5の保持部材50においても、その軸方向の全長は固定子鉄心21の軸方向の長さよりも長い。この実施形態の場合は特に、大径の端部処理部52a及び52bが共に、固定子鉄心21の軸方向の区間よりも外側に位置するように組み付けられる。
上述した保持部材50における端部処理について、図面を参照して更に説明する。
図6は、本発明の実施形態としての保持部材における端部処理の一例を説明するための図である。
軸状の成形治具500の外周に繊維束を巻回して保持部材50を形成する。
保持部材50における繊維束の巻回の始端部で入念に多重に巻回された部分521が接着剤により固定されて端部処理されて外径が大径の端部処理部52aが形成される。同様に、繊維束の巻回の終端部でも入念に多重に巻回された部分522が形成されて接着剤により固定されて端部処理されて外径が大径の端部処理部52bが形成される。この端部処理に用いる接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂が用いられる。
ここで、保持部材50の、回転子10における軸方向での一端側から他端側に至る1区間をここでトラバースと呼ぶこととし、図6においては、この区間をLtと表記している。保持部材50は、少なくとも1トラバースの区間Ltでは一続きの連続した繊維が外周上を旋回しながら途切れることなく巻回されることで形成される。この巻回は、一続きの繊維束510を巻きながら複数回往復させるようにして行われ、往復するときの各端部では、巻回方向を維持しながら往方向から復方向へ、またこの逆へと単に折り返される。
即ち、保持部材50における1トラバースの区間Ltでは、連続した一続きの繊維束が、回転子10の外周側を周回しつつ一端側から他端側まで巻かれて、保持部材50の本体部である概略筒状体を成す。
繊維束の巻回の始端部及び終端部に、繊維束の解けや絡みを防止するための端部処理を施した部位を含む端部処理部52a及び52bが形成される。
また、繊維束の巻回の始端部及び終端部、即ち、端部処理部52a及び52bについては、既述のように、繊維束の重ね巻きが施される。
繊維束の巻回の始端部である端部処理部52aでは、内周側から繊維束の巻回を開始して、その繊維束の端部を外周側に引き出して、同一周状に1周以上巻回し、これにより繊維束が重なったところに、例えば、エポキシ樹脂を塗布して硬化させることにより巻回の始端部における固定、即ち、端部処理が完了する。
繊維束の巻回の終端部である端部処理部52bについても、上述したところと同様にして、繊維束が重なったところに、例えば、エポキシ樹脂を塗布して硬化させることにより巻回の終端部における固定、即ち、端部処理が完了する。
保持部材50の端部である端部処理部52a及び52bでは、エポキシ樹脂等によって強固に固められるが、トラバースの区間Ltでは柔軟性の高い樹脂で含浸することが好ましい。
既述のように、保持部材50は、その軸方向の全長が固定子鉄心21の軸方向の長さよりも長いものとして形成される。これにより、回転電機100cに組み上げた際に、保持部材50の両方の端部処理部52a及び52bが、何れも固定子鉄心21の軸方向の区間よりも外に出る。このため、端部処理部52a及び52bは、それらの外径が大径になったとしても固定子鉄心21と擦れ合う懸念が無い。
従って、端部処理部52a及び52bは、繊維をより多く入念に重ねて捲回し、十分な接着剤で、緩み、解け、絡みを効果的に防止し得るような端部処理を施すことが可能になる。
従来の一般的に回転電機では、端部処理部52a及び52bにおける端部処理を行って外径が大きくなってしまい固定子鉄心21の内径と当該端部処理部が擦れて繊維が破断するおそれがあったところ、本発明ではこのような不具合が回避される。
図7は、本発明の実施形態としての保持部材における端部処理の他の例を説明するための図である。
既述の例におけると同様に、成形治具500の外周に一端側から他端側に向かって往方向に繊維束を巻回し始め、1トラバース区間Ltの巻回が終わると、巻回方向を維持したまま復方向へと折り返す。このようにして、往方向から復方向へ、復方向から往方向へと繰り返し複数回続けて繊維束を巻回し、トラバース区間Ltに径方向に厚みのある保持部材50の本体部51が形成される。
この実施形態では、繊維束の巻回の始端部と終端部とが同じ側(図示の視座で左側)にあり、この部分に、巻回部が緩まないように多重に巻回された部分522が形成される。
この多重に巻回された部分522における巻回の始端部と終端部とが重なる区間Laに対して、エポキシ樹脂を塗布して接着硬化させることにより巻回の端部における固定、即ち、端部処理が施される。
この端部処理が施された端部処理部52bは、保持部材50の本体部51よりも外径が大径になる。従って、この端部処理部52bは、回転電機100a又は100bの固定子鉄心21の軸方向外側に位置するようにして、最終的に組み付けられる。
繊維束の巻回の始端部は、重ねて行う巻回において最も内側になるため、この部分は、巻回を行う当初に、予め、多重に巻回された部分522となる部分の外部に引き出しておき、逐次の巻回が行われる部分の端面を這わせるようにして外周側に引き回す。
図8は、本発明の実施形態としての保持部材における繊維束の巻回の始端部での端部処理の一例を説明するための図である。図中、P1が始端側となる繊維束であり、P2が終端側に向けて巻回されてゆく繊維束である。
図8(a)は繊維束の巻回を始める場合の様子を示し、図8(b)は繊維束の巻回の始端部での端部処理の準備段階の様子を示し、図8(c)は繊維束の巻回における始端部での端部処理の様子を示している。
図8(a)に示された如く、繊維束の成形治具500を用いての巻回を開始するときには、繊維束の始端部が繰り返し巻回が行われるときに最下層に埋もれしまうので、これを避けるために、巻回を開始する当初に繊維束の始端部を予め長めに引き出しておく。
図8(b)に示された如く、上記のように予め長めに引き出しておいた繊維束の端部を巻回の縁辺に沿って折り返えし、巻回の端部に沿って外周を這わせる。
図8(c)示された如く、上記のように外周を這わせた繊維束を複数回に亘って同一周上に重ねて巻回しつつ、同時に、下層の繊維束と上層の繊維束とを互いに、例えば、エポキシ樹脂で接着固定する。これにより繊維束で成る保持部材50の始端部側での多重に巻回された部分521は強固な端部処理部となる。また、この端部処理部は、既述のように外径が大径のものとなる。
本発明の場合は、このように大径の端部処理部は固定子鉄心21の軸方向外側に位置するように組み付けられる。
図9は、本発明の実施形態としての保持部材における繊維束の巻回の始端部での端部処理の他の例を説明するための図である。図中、P1が始端側となる繊維束であり、P2が終端側に向けて巻回されてゆく繊維束である。
図9(a)は繊維束の巻回を始める場合の様子を示し、図9(b)は繊維束の巻回の始端部での端部処理の準備段階の様子を示し、図9(c)は繊維束の巻回における始端部での端部処理の様子を示している。
図9(a)に示された如く、繊維束の成形治具500を用いての巻回を開始するときには、繊維束の始端部が繰り返し巻回が行われるときに最下層に埋もれしまうので、これを避けるために、巻回を開始する当初に繊維束の始端部を予め長めに引き出しておく。
図9(b)に示された如く、上記のように予め長めに引き出しておいた繊維束の端部を巻回の縁辺に沿って折り返えし、巻回の端部に沿って外周を這わせる。
図9(c)示された如く、上記のように外周を這わせた繊維束を1周巻いた後、1周手前の繊維束の下をくぐらせ、更にその縁辺に沿って折り返して、上述の1周手前の繊維束の上に重ねる。上述のように繊維束をくぐらせた箇所から終端側の重ね合わせ部分に到る全体を、例えば、エポキシ樹脂等の樹脂で接着固定する。このような接着固定は、複数回繰り返し行ってもよい。
これに用いる樹脂は、上述のように繊維束の下をくぐらせる際に、又は、重ね合わせる際に塗布してもよく、或いはまた、重ね合わせた後に、上から含浸させてもよい。
これにより繊維束で成る保持部材50の始端部側での多重に巻回された部分521は極めて強固な端部処理部となる。また、この端部処理部は、既述のように外径が大径のものとなる。
本発明の場合は、このように大径の端部処理部は固定子鉄心21の軸方向外側に位置するように組み付けられる。
図10は、本発明の実施形態としての保持部材における繊維束の巻回の終端部での端部処理の一例を説明するための図である。図中、P3が終端側となる繊維束である。
図10(a)は繊維束の巻回が終わる終端部の様子を示し、図10(b)は繊維束の巻回の終端部での端部処理の準備段階の様子を示し、図10(c)は繊維束の巻回における終端部での端部処理の様子を示している。
図10(a)に示された如く、繊維束の成形治具500を用いての巻回を終えるときには、繊維束の終端部を長めに残しておく。
図10(b)に示された如く、上記のように予め長めに引き出しておいた繊維束を、例えば、エポキシ樹脂等の樹脂を端部に塗布しながら、巻回の縁辺に沿って折り返えし、1周手前の繊維束の下をくぐらせ、更にその縁辺に沿って折り返して、上述の1周手前の繊維束の上に重ねる。上述のように繊維束をくぐらせた箇所から終端側の重ね合わせ部分に到る全体を、例えば、エポキシ樹脂等の樹脂で接着固定する。このような接着固定は、複数回繰り返し行ってもよい。これに用いる樹脂は、上述のように繊維束の下をくぐらせる際に、又は、重ね合わせる際に塗布してもよく、或いはまた、重ね合わせた後に、上から含浸させてもよい。
図10(c)示された如く、終端側の重ね合わせ部分に到る全体を、例えば、エポキシ樹脂等の樹脂で接着固定する。このような接着固定は、複数回繰り返し行ってもよい。
これにより繊維束で成る保持部材50の終端部側での多重に巻回された部分522は極めて強固な端部処理部となる。また、この端部処理部は、既述のように外径が大径のものとなる。
本発明の場合は、このように大径の端部処理部は固定子鉄心21の軸方向外側に位置するように組み付けられる。
図11は、本発明の更に他の実施形態としての回転電機を示す概略構成図である。
図11の回転電機100dも、表面磁石貼付型同期電動機であり、既述の図1から図3との対応部は同一の符号を附して示し、これら対応部に関する個々の説明は図1から図3における説明を援用する。
図11の回転電機100dにおける図1から図3を参照して既述の回転電機100aから100cとの相違は次の点である。
即ち、回転電機100aから100cでは、その固定子20には固定子鉄心21やコイル23について別段のモールドなどは施されていなかったところ、図11回転電機100dでは、固定子20に関して、固定子鉄心21及びコイル23を含む部分について樹脂モールド60を施している点である。
一般に、回転子10の磁石Mが固定子鉄心21よりも軸方向の長さが長い場合には、固定子鉄心21の積層が剥がれるおそれがある。このような剥がれは歯部において顕著である。
図11の回転電機100dでは、固定子鉄心21の部分を含む部分に樹脂モールド60を施して、上述のような剥がれが生じるおそれを払拭している。即ち、樹脂モールド60を施した部位は、積層コアが剥がれないための対策部位である。
次に、上述したような本発明の実施形態の作用について、一般的な技術との対比により説明する。
図12は、一般的な回転電機を示す概略構成図である。
この回転電機150は、本発明の実施形態としての回転子10を備え、この回転子10は、一般的な保持部材50を備える。
図12の回転電機150は、両端側を図示しない軸受によって支持された回転軸1によって回転子10が支持されている。回転子10を囲むように固定子20が設けられている。固定子20は、例えば電磁鋼板の薄板を積層してなる固定子鉄心21を有し、ハウジング22に組み込まれている。固定子鉄心21にはコイル23が巻回されている。図12の視座では固定子鉄心21に巻回されたコイル23は、そのコイルエンド23aが視認される。
図12の回転電機150は表面磁石貼付型同期電動機であり、永久磁石Mをテーパスリーブ12と保持部材50とによって回転軸1に固定している。
即ち、回転電機150では、磁性体の金属材料でなる筒状のテーパスリーブ12を環状の永久磁石Mと回転軸1との間に圧入し、更に、永久磁石Mをその外周面側から径方向内側に向って圧縮保持する保持部材50で囲むことにより、永久磁石Mを回転軸1の外周に強固に保持している。保持部材50は、概略筒状体を成している。
図12に表された通り、保持部材50の軸方向の長さは固定子鉄心21の磁気方向補の長さと等しい。
このため、既述の本発明の実施形態における如く、保持部材50の端部側の外径が大径である場合には固定子鉄心21の内周面と擦れ合うか、或いは、大径に過ぎる場合には、正規の組み付けすらできなくなっていしまう。
従って、保持部材50の端部をそれを構成する繊維束が解けたり絡んだりするおそれが無いように十分な端部処理を施すことが難しい。
これに対し、図1から図11を参照して既述の実施形態では、保持部材50の端部側が固定子鉄心21の軸方向の端部よりも外側に位置するため、保持部材50の端部側をその外径が大径になるように設計するに支障がない。このため、保持部材50をその周方向の耐張力が十分に強いものとして製作できる。
従って、回転電機の回転子における磁石の保持部材の張力を十分なものとしながら、当該保持部材が固定子と擦れ合うおそれが生じない、保持部材、該保持部材を備えた回転子、及び、該回転子を備えた回転電機を具現することができる。
図13は、回転電機の回転子における保持部材に張力をかける機構を説明するための図である。
また、図14は、回転電機の回転子の断面を示す図である。
図13(a)は回転子の組立途中の様子を表し、図13(b)は回転子を組み付けて完成した様子を表している。
スリーブ12及びこれに対応する回転軸1の外周面はテーパ面にされている。
図13(a)の圧入前の状態では、先ず図示の視座で右側の、回転軸1が比較的小径の部分1aに、スリーブ12の外周面に磁石Mが配され更に磁石Mの外周が保持部材50で囲まれた組立体を挿入する。
上述の状態で、組立体を次第に回転軸1において次第に大径になってゆく部分1b、1cへとシフトする。このようにすると、スリーブ12が拡径され、磁石Mが径方向外側に変位するため、結果的に保持部材50が図14におけるように拡径する。尚、部分1dはスリーブ12がかからないテーパ面ではない部分である。
保持部材50が拡径される結果、保持部材50に周方向の張力が発生し、この張力に対応する弾性復元力によって、磁石Mは径方向内側に向かって圧縮保持される。
即ち、磁石Mは保持部材50によってスリーブ12の外周面に強固に押し付けられてその位置が保持される。
回転電機をより高速化したい場合や、トルクを強化したい場合に、厚み寸法の比較的大きい磁石(即ち、比較的重い磁石)を用いたいときには、磁石に発生する遠心力が増大するため、保持部材50に与える圧縮保持力をより大きなものとする必要が生じる。
このような場合には、スリーブ12と回転軸1との間の締め代を適宜大きなものとして保持部材50の拡径量を大きくし、張力を増大させることにより圧縮保持力を高めることができる。
以上、図1から図11における本発明の実施形態について、図12の一般的技術と対比して説明した。
特に、本発明の実施形態としての保持部材について、その作用効果を要約するなら、次の点を挙げることができる。
保持部材を成す繊維束の巻き始め巻き終わりの端部処理部が固定子鉄心の外にあるため、固定子鉄心の内径に擦れる危険が無くなり、厚さの上限の制約を受けずにより入念に重ね巻きをする事ができる結果、端部の固着処理がより強固に行われ、繊維の緩む危険がより低減される効果が得られる。
また、端部を固定するために使用する樹脂の使用量も、塗布厚さの上限の制約が無くなるため、十分に増やす事ができる結果、同様に、端部の固着処理がより強固に行われ、繊維の緩む危険がより低減される効果が得られる。
以上の結果、保持部材が、回転中に剥れたり緩んだりすることがなく、長期的な信頼性・強度を高めることができるという効果が得られる。
また更に、回転子を径方向の軸心方向に向って圧縮保持する保持強度を高めることができるので、回転子の信頼性を損ねることなく回転子の最高回転数を増大させられる効果が得られる。
また、その結果として回転電機の出力が増大する効果が得られる。
更にまた、より厚さの厚い磁石を使用することが可能となり、その結果トルクが増大して電動機の出力向上が得られるという顕著な利点がある。
尚、本発明は既述の実施形態には限定されるものではなく、種々、変形変更して実施可能であり、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良も本発明に包摂される。
1 回転軸
10 回転子
12 テーパスリーブ
20 固定子
50 保持部材
51 本体部
52 端部処理部

Claims (6)

  1. 固定子鉄心を有する固定子と、回転軸に支持され前記固定子に対応する回転子と、前記回転子の外周面に配された複数の磁石と、前記磁石をそれらの外周面側から径方向内側に向って圧縮保持する保持部材とを備えた回転電機に適用される前記保持部材であって、
    前記保持部材は、自己の周面を周回するように巻回された繊維束を主体的に含んで構成され概略筒状体を成す本体部と、前記本体部の端部に設けられ前記繊維束の巻回の始端部及び終端部のうちの少なくとも何れかの端部に係る前記繊維束の解け防止の端部処理を施した部位を含む端部処理部とを有し、
    前記本体部の軸方向の長さが前記固定子鉄心の軸方向区間の長さより長く、且つ、前記端部処理部が前記固定子鉄心の軸方向端部の外側に位置するように配され、
    少なくとも一の前記端部処理部の外径が前記本体部の外径よりも大径であり、
    前記本体部の端部のうち前記一の端部処理部側とは反対側の端部である他の端部は、前記端部処理が施されず、その外径が前記固定子鉄心の内径より小さい
    保持部材。
  2. 請求項1に記載の保持部材を有する、回転子。
  3. 前記保持部材の軸方向の長さが前記磁石の軸方向区間の長さに等しい、請求項2に記載の回転子。
  4. 炭素繊維を含んで構成された前記保持部材と、前記保持部材よりも内径側に位置して内径が軸方向に傾斜したテーパ面を有するテーパスリーブと、を前記回転軸の外周に同軸状に有し、前記保持部材は、前記回転軸の外周に設けられたテーパ面による拡径方向の力を受けつつ前記磁石及び前記テーパスリーブを介して前記回転軸に嵌装されて張力が与えられており、前記張力によって生じる弾性圧縮力により、前記磁石を前記テーパスリーブの外周面に押し付けている、請求項2又は3に記載の回転子。
  5. 請求項3に記載の回転子を有する回転電機であって、前記固定子鉄心の端部は、積層コアが剥がれないための対策部位を構成している、回転電機。
  6. 請求項2から4の何れか一項に記載の回転子を有する回転電機であって、前記保持部材の前記端部処理部は、前記固定子鉄心の軸方向端部の外側にある回転電機。
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