JP2020005451A - ロータ、及び、ロータの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】筒部材の破断を抑制すること。【解決手段】ロータ20は、筒部材41と、永久磁石21と、第1シャフトと、第2シャフトと、を備える。筒部材41は、繊維強化材料から構成されている。筒部材41は、樹脂部44と、繊維46,47と、粒子48と、を備える。筒部材41は、筒部材41の周方向に延びる状態で繊維46が配向された第1層部51と、筒部材41の軸線方向に延びる状態で繊維47が配向された第2層部52と、を積層することにより構成されている。粒子48は、熱可塑性樹脂の粒子である。樹脂部44のうち第2層部52の樹脂部44にのみ粒子48は分散されている。【選択図】図4

Description

本発明は、ロータ、及び、ロータの製造方法に関する。
特許文献1に開示されているように、回転電機のロータは、繊維強化材料から構成された筒部材と、筒部材内に配置された磁性体と、筒部材の軸線方向の両端部に取り付けられたシャフトと、を備える。筒部材により磁性体及びシャフトは保持されている。これにより、磁性体、筒部材、及び、シャフトは一体回転可能となっている。
特開2004−112849号公報
ロータの回転により磁性体に作用する遠心力や、回転電機の使用による磁性体の熱膨張により、磁性体から筒部材に力が加わると、筒部材が破断するおそれがある。筒部材が破断すると、磁性体を保持する保持力が低下する。
本発明の目的は、筒部材の破断を抑制できるロータ、及び、ロータの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するロータは、熱硬化性樹脂を母材とした繊維強化材料から構成されており、樹脂部及び繊維を有する筒部材と、前記筒部材内に配置された磁性体と、前記筒部材の軸線方向の第1端部に取り付けられた第1シャフトと、前記筒部材の軸線方向の第2端部に取り付けられた第2シャフトと、を備え、前記筒部材は、前記筒部材の周方向に延びる状態で前記繊維が配向された第1層部と、前記筒部材の軸線方向に延びる状態で前記繊維が配向された第2層部と、を少なくとも積層することにより構成されており、前記第2層部の前記樹脂部には、熱可塑性樹脂が分散されている。
ロータが回転すると、磁性体に作用する遠心力や、磁性体の熱膨張により、磁性体から筒部材に力が加わる。この力は、筒部材の外周面に向かうように作用し、筒部材は周方向に拡がるように変形しようとする。第2層部では、筒部材の軸線方向に延びる状態で繊維が配向されているため、周方向に隣り合う繊維同士の間には樹脂部が介在する。仮に、第2層部の樹脂部に熱可塑性樹脂を分散させていない場合、筒部材が周方向に拡がるように変形しようとすると、第2層部の樹脂部に歪みが生じやすい。これに対し、熱可塑性樹脂を第2層部に分散させると、熱可塑性樹脂が変形することで、第2層部の樹脂部の歪みを緩和することができる。したがって、筒部材が破断することを抑制できる。
上記ロータについて、前記第2層部の前記樹脂部にのみ前記熱可塑性樹脂が分散されていてもよい。これによれば、第1層部の樹脂部にも熱可塑性樹脂を分散させる場合に比べて、必要となる熱可塑性樹脂を少なくすることができる。従って、製造コストの低減が図られる。
上記課題を解決するロータの製造方法は、第1方向に延びる状態で配向された繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた第1プリプレグと、前記第1方向に交差する方向である第2方向に延びる状態で配向された繊維に熱可塑性樹脂が分散された熱硬化性樹脂を含浸させた第2プリプレグと、を積層することで積層体を得る工程と、柱状の巻回部材に、前記第2プリプレグの繊維が前記巻回部材の軸線方向に延び、前記第1プリプレグの繊維が前記巻回部材の周方向に延びるように前記積層体を巻回する工程と、巻回された前記積層体を加熱することで前記熱硬化性樹脂を硬化させる工程と、を含む。
第1プリプレグと第2プリプレグとを積層した積層体を加熱して、熱硬化性樹脂を硬化させると、第1プリプレグと第2プリプレグとが一体となり筒部材を製造することができる。製造された筒部材では、筒部材の軸線方向に伸びる状態で繊維が配向された層部の樹脂部に熱可塑性樹脂が分散されることになる。従って、筒部材の破断を抑制できるロータを得ることができる。
本発明によれば、筒部材の破断を抑制できる。
回転電機の断面図。 ロータの断面図。 筒部材の一部を破断して示す断面図。 筒部材の一部を破断して示す断面図。 (a)は第1プリプレグと第2プリプレグの積層体を示す斜視図、(b)は積層体の断面を拡大して示す斜視図。 積層体をマンドレルに巻回する工程を示す斜視図。 マンドレルに巻回された積層体を示す模式図。 筒部材に永久磁石を圧入する工程を示す図。 筒部材に圧入された永久磁石を示す断面図。 粒子が分散されていない場合の第2層部の樹脂部を示す断面図。
以下、ロータ、及び、ロータの製造方法の一実施形態について説明する。
図1、及び、図2に示すように、回転電機10は、ハウジング11に収容されている。回転電機10は、ステータ12と、ロータ20と、を備える。ステータ12は、円筒状のステータコア13と、ステータコア13に巻かれたコイル14と、を備える。ステータコア13は、ハウジング11の内面に固定されている。
ロータ20は、筒部材41と、磁性体である永久磁石21と、第1シャフト31と、第2シャフト36と、を備える。筒部材41は、熱硬化性樹脂を母材とした繊維強化材料から構成されている。本実施形態において、筒部材41は、炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastic:CFRP)から構成されている。筒部材41は、筒部材41の軸線が直線状に延びる円筒状である。
永久磁石21は、中実円柱状である。永久磁石21は、永久磁石21の径方向に着磁されている。永久磁石21の軸線方向の寸法は、筒部材41の軸線方向の寸法よりも短い。永久磁石21の軸線方向の両端部22,23のうち一方を第1端部22とし、他方を第2端部23とする。永久磁石21は、第1端部22の端面に向けて徐々に直径が小さくなるテーパ部24を備える。永久磁石21は、第2端部23の端面に向けて徐々に直径が小さくなるテーパ部25を備える。即ち、永久磁石21の両端部22,23は、面取りされている。永久磁石21において、テーパ部24,25同士の間の部分は、直径が一定である磁石本体26となる。
永久磁石21は、筒部材41内に配置されている。永久磁石21の軸線は、筒部材41の軸線と一致している。永久磁石21は、筒部材41の軸線方向の両端部42,43の間に配置されている。筒部材41の軸線方向の両端部42,43には、永久磁石21が配置されていない。本実施形態において、永久磁石21は、筒部材41に圧入されている。従って、筒部材41から永久磁石21には径方向に向かう圧縮力が作用し、この圧縮力により永久磁石21は保持されている。
第1シャフト31は、円柱状のシャフト本体32と、シャフト本体32からシャフト本体32の径方向に突出するフランジ部33と、を備える。フランジ部33は、シャフト本体32の軸線方向の一方の端面34寄りに配置されている。第2シャフト36は、円柱状のシャフト本体37と、シャフト本体37からシャフト本体37の径方向に突出するフランジ部38と、を備える。フランジ部38は、シャフト本体37の軸線方向の一方の端面39寄りに配置されている。
第1シャフト31の一部は、筒部材41内に配置されている。詳細にいえば、筒部材41の軸線方向の両端部42,43のうちの一方を第1端部42、他方を第2端部43とすると、第1シャフト31のうち、フランジ部33よりも端面34側の部分は、第1端部42に圧入されている。第2シャフト36の一部は、筒部材41内に配置されている。詳細にいえば、第2シャフト36のうち、フランジ部38よりも端面39側の部分は、筒部材41の第2端部43に圧入されている。これにより、第1シャフト31は、筒部材41の第1端部42に取り付けられており、第2シャフト36は、筒部材41の第2端部43に取り付けられている。
ロータ20のうち、永久磁石21は、回転可能な状態でステータ12の径方向内側に配置されている。ロータ20のうち、両シャフト31,36は、ハウジング11に支持された軸受15に支持されている。コイル14への通電により永久磁石21が回転すると、永久磁石21に一体の筒部材41、及び、両シャフト31,36が永久磁石21とともに一体回転する。
次に、筒部材41について詳細に説明を行う。
図3、及び、図4に示すように、筒部材41は、樹脂部44と、繊維46,47と、粒子48と、を備える。樹脂部44は、エポキシ樹脂や、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を硬化させたものである。各繊維46,47は炭素繊維である。筒部材41は、筒部材41の周方向に延びる状態で繊維46が配向された第1層部51と、筒部材41の軸線方向に延びる状態で繊維47が配向された第2層部52と、を積層することにより構成されている。
第1層部51の繊維46を第1繊維46とすると、第1繊維46は、筒部材41の周方向の全体に亘って、連続して延びている。第1繊維46は、筒部材41内に配置される永久磁石21を囲むように配置されることになる。第1繊維46は、筒部材41の軸線方向に複数配置されている。説明の便宜上、図示は簡略化しているが、複数の第1繊維46は密に配置されており、筒部材41の周方向に延びる第1繊維46が軸線方向に複数配置されることで複数の第1繊維46は円筒状をなしているといえる。
第2層部52の繊維47を第2繊維47とすると、第2繊維47は、筒部材41の軸線方向の全体に亘って連続して延びている。第2繊維47は、筒部材41内に配置される永久磁石21の軸線方向の全体に亘って樹脂部44を介して重なり合うように配置されている。第2繊維47は、筒部材41の周方向に複数配置されている。説明の便宜上、図示は省略しているが、複数の第2繊維47は密に配置されており、筒部材41の軸線方向に延びる第2繊維47が周方向に複数配置されることで複数の第2繊維47は円筒状をなしているといえる。
粒子48は、熱可塑性樹脂の粒子である。粒子48は、樹脂部44に分散されている。本実施形態では、樹脂部44のうち第2層部52の樹脂部44にのみ粒子48は分散されている。熱可塑性樹脂の種類としては、例えば、ポリ・エーテル・サルフォン、熱可塑性ポリイミド、ポリエステル等が挙げられる。なお、第1層部51と第2層部52との境界は、径方向に隣り合う第1繊維46と第2繊維47との間に介在する樹脂部44における径方向の中心位置となる。
第1層部51と第2層部52とは、筒部材41の径方向に複数積層されている。本実施形態では、第1層部51と第2層部52とは、2層ずつ積層されている。筒部材41の最内層から最外層に向けて、第1層部51→第2層部52の順に交互に第1層部51と第2層部52とは積層されている。筒部材41の最内層は第1層部51であり、筒部材41の最外層は第2層部52である。
次に、ロータ20の製造方法について説明する。
図5(a)、及び、図5(b)に示すように、まず、第1プリプレグ61と第2プリプレグ62とを積層することで積層体63を得る。第1プリプレグ61は、一方向に配向された繊維64に熱硬化性樹脂66を含浸させたシート状の材料である。第2プリプレグ62は、一方向に配向された繊維65に熱可塑性樹脂の粒子68が分散された熱硬化性樹脂67を含浸させたシート状の材料である。
第1プリプレグ61の繊維64は、第1プリプレグ61の長さ方向に延びる状態で配向されている。第2プリプレグ62の繊維65は、第2プリプレグ62の幅方向に延びる状態で配向されている。粒子68は、第2プリプレグ62の全体に亘って分散されている。
第1プリプレグ61と第2プリプレグ62を積層する際には、第1プリプレグ61の幅方向と第2プリプレグ62の幅方向とが一致するように積層を行う。これにより、繊維64,65は、互いに直交するように配置されることになる。本実施形態では、第1プリプレグ61の長さ方向が第1方向となり、第2プリプレグ62の幅方向が第2方向となる。
次に、図6、及び、図7に示すように、円柱状の巻回部材であるマンドレル71に積層体63を巻回していく。積層体63を巻回する際には、第2プリプレグ62の繊維65がマンドレル71の軸線方向に延び、第1プリプレグ61の繊維64がマンドレル71の周方向に延びるように巻回を行う。本実施形態では、筒部材41の最外層を第2層部52としているため、巻回される積層体63の最外層が第2プリプレグ62となるように巻回を行う。具体的にいえば、マンドレル71の外周面と積層体63の第1プリプレグ61が接する状態で、第1プリプレグ61の長さ方向がマンドレル71の周方向に一致するように巻回を行う。これにより、積層体63を巻回する回数に関わらず、第2プリプレグ62が最外層となる。本実施形態の筒部材41は、第1層部51及び第2層部52を2つずつ積層したものであるため、積層体63をマンドレル71に2回巻回する。積層体63の巻回回数を変更することで、第1層部51、及び、第2層部52の数は任意に変更可能である。
次に、マンドレル71に巻回された積層体63を加熱する。積層体63を加熱すると、熱硬化性樹脂66,67が軟化し、各プリプレグ61,62が一体となる。軟化した熱硬化性樹脂66,67を更に加熱すると、熱硬化性樹脂66,67が硬化する。熱硬化性樹脂66,67を硬化させた後、マンドレル71を除去すると、筒部材41が得られる。第1プリプレグ61の熱硬化性樹脂66及び第2プリプレグ62の熱硬化性樹脂67は筒部材41の樹脂部44を構成する。第1プリプレグ61の繊維64は、第1繊維46を構成する。第2プリプレグ62の繊維65は、第2繊維47を構成する。第2プリプレグ62の粒子68は、粒子48を構成する。上記したように、本実施形態のロータ20の製造方法は、積層体63を得る工程と、積層体63を巻回する工程と、巻回された積層体63を加熱する工程と、を含む。
次に、図8に示すように、筒部材41に永久磁石21を圧入する。永久磁石21を圧入する前の筒部材41の内径R1は、磁石本体26の直径R2よりも小さい。永久磁石21を圧入する前の筒部材41の内径R1と、磁石本体26の直径R2との差が締め代となる。筒部材41から永久磁石21には、締め代に依存した保持力が作用する。
次に、図9に示すように、第1シャフト31、及び、第2シャフト36を筒部材41に圧入する。第1シャフト31及び第2シャフト36についても、永久磁石21と同様に、筒部材41から作用する圧縮力にて筒部材41に保持される。これにより、筒部材41、永久磁石21、及び、両シャフト31,36を一体化させたロータ20が製造される。
実施形態の作用について説明する。
コイル14に電流が流れると、ロータ20が回転する。永久磁石21には、ロータ20の回転に伴い遠心力が作用する。また、永久磁石21は、渦電流により発熱し、熱膨張する。永久磁石21に作用する遠心力や、永久磁石21の熱膨張により筒部材41に加わる力は、筒部材41の径方向外側に向かって作用する。結果として、筒部材41には、筒部材41の直径を大きくしようとする力が作用し、筒部材41が周方向に拡がるように力が作用することになる。
第2層部52では、筒部材41の軸線方向に延びる状態で第2繊維47が配向されているため、周方向に隣り合う第2繊維47同士の間には微細な樹脂部44が介在する。仮に、第2層部52の樹脂部44に粒子48が分散されていない場合、周方向に拡がるように筒部材41に力が加わると、樹脂部44が破断しやすい。例えば、図10に示すように、最外層を第2層部52としている場合には、第2層部52の樹脂部44にクラックCが生じる場合がある。
これに対して、本実施形態では、第2層部52の樹脂部44に熱可塑性樹脂の粒子48を分散させている。熱可塑性樹脂は、熱硬化性樹脂よりも変形しやすい。このため、熱可塑性樹脂の粒子48を含んだ樹脂部44に力が加わった場合、粒子48が変形することで、樹脂部44の変形を抑えることができる。これにより、第2層部52の樹脂部44に歪みが生じることを抑制できる。粒子48を分散させることで、第2層部52は、引張強度、及び、限界ひずみが向上されているといえる。
実施形態の効果について説明する。
(1)第2層部52の樹脂部44には、熱可塑性樹脂の粒子48が分散されている。粒子48の変形により、第2層部52の樹脂部44に生じる歪みを緩和することができる。このため、筒部材41が破断することを抑制できる。
(2)粒子48は、熱可塑性樹脂の繊維に比べて体積当たりの表面積が少ない。このため、粒子48同士は、互いに絡み合いにくく、樹脂部44の全体に亘って分散しやすい。粒子48に代えて、熱可塑性樹脂の繊維を分散させる場合に比べて、樹脂部44の一部に偏って熱可塑性樹脂が分散されることを抑制できる。
(3)粒子48は、第2層部52の樹脂部44にのみ分散されている。第1層部51の樹脂部44にも粒子48を分散させる場合に比べて、必要となる粒子48を少なくすることができる。このため、製造コストの低減が図られる。
(4)永久磁石21は、ロータ20に圧入されている。筒部材41の締め代が不足すると、永久磁石21への保持力が不足し、締め代が過剰となると、筒部材41を圧入するときに筒部材41に過剰に応力が加わる。このため、筒部材41の締め代には高い精度管理が求められるが、永久磁石21や、筒部材41の精度不良により、筒部材41に過剰に応力が加わる場合がある。この応力は、筒部材41の径方向に加わることになる。第2層部52に粒子48を分散させているため、永久磁石21を圧入する際に応力が加わっても、遠心力による力が加わった場合と同様に、筒部材41の破断を抑制できる。
(5)筒部材41を製造する際には、粒子68を含まない第1プリプレグ61と、粒子68を含んだ第2プリプレグ62と、を積層して積層体63を構成し、当該積層体63を加熱している。これにより、第2層部52の樹脂部44に粒子48を分散させた筒部材41が得られる。
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○永久磁石21は、筒部材41内に配置されていればよく、筒部材41の内面に接着されていてもよい。同様に、両シャフト31,36も、筒部材41内に配置されていればよく、筒部材41の内面に接着されていてもよい。
この場合、ロータ20の製造方法としては、マンドレル71に代えて、永久磁石21、及び、両シャフト31,36に積層体63を巻回する。そして、熱硬化性樹脂66,67を加熱して硬化させることで、筒部材41、永久磁石21、及び、両シャフト31,36を一体化する。この場合、永久磁石21及び両シャフト31,36が巻回部材となる。
○第1層部51の樹脂部44にも熱可塑性樹脂の粒子48が分散されていてもよい。この場合、第1層部51の樹脂部44に分散された粒子48よりも、第2層部52の樹脂部44に分散された粒子48の量が多いことが好ましい。第1層部51の樹脂部44にも熱可塑性樹脂の粒子48を分散させると、第1層部51の線膨張係数と、第2層部52の線膨張係数との差が小さくなる。すると、回転電機10の使用に伴う発熱により第1層部51と第2層部52が熱膨張した際に、線膨張係数差に起因して生じる応力を低減することができる。
第1層部51の樹脂部44にも熱可塑性樹脂の粒子48が分散された筒部材41は、例えば、第1プリプレグ61の熱硬化性樹脂66に熱可塑性樹脂の粒子を分散させることで製造することができる。また、第1プリプレグ61の熱硬化性樹脂66に熱可塑性樹脂の粒子が分散されていない場合であっても、積層体63を加熱した際に第2プリプレグ62の粒子68が第1プリプレグ61に流動する場合がある。この場合、第1層部51の樹脂部44にも粒子48が分散されることになる。しかしながら、この場合であっても、粒子48の大部分は第2層部52の樹脂部44に分散されており、第2層部52の樹脂部44に分散されている粒子48は、第1層部51の樹脂部44に分散されている粒子48よりも多いといえる。
○第2層部52の樹脂部44に分散される熱可塑性樹脂の形状は、どのような形状であってもよい。例えば、粒子48に代えて、熱可塑性樹脂の繊維を第2層部52の樹脂部44に分散させてもよい。
○筒部材41は、第1層部51と第2層部52とを備えていればよく、各層部の配置位置は適宜変更してもよい。例えば、最内層を第2層部52としてもよいし、最外層を第1層部51としてもよい。
○筒部材41は、第1層部51及び第2層部52がそれぞれ1層ずつ積層されることにより構成されていてもよい。
○積層体63は、プリプレグ61,62を3層以上積層したものでもよい。
○第1層部51及び第2層部52は、例えば、成形金型内に各繊維46,47を配置して、成形金型内に熱硬化性樹脂を注入し、各繊維46,47に熱硬化性樹脂を含浸させた後、加熱することにより形成されてもよい。
○筒部材41は、第1層部51及び第2層部52に加えて、例えば、繊維がヘリカル巻きであるヘリカル巻き層部をさらに有していてもよい。即ち、筒部材41は、第1層部51及び第2層部52に加えて、繊維の配向方向が第1層部51及び第2層部52とは異なる層部を備えていてもよい。
○磁性体としては、永久磁石21に限らず、例えば、積層コア、アモルファスコア、又は圧粉コア等であってもよい。
○永久磁石21は、例えば、中実四角柱状であってもよく、永久磁石21の形状は特に限定されるものではない。また、両シャフト31,36は、例えば、四角柱状であってもよく、両シャフト31,36の形状は特に限定されるものではない。そして、例えば、永久磁石21が中実四角柱状であるとともに、両シャフト31,36が四角柱状である場合、筒部材41が四角筒状に形成されている必要がある。したがって、筒部材41の形状は、永久磁石21、及び、両シャフト31,36の形状によって適宜変更してもよい。なお、筒部材41の形状は、マンドレル71の形状を変更することで変更可能である。
○繊維46,47として、有機繊維や無機繊維を使用してもよいし、異なる種類の有機繊維、異なる種類の無機繊維、又は有機繊維と無機繊維を混繊した混繊繊維を使用してもよい。有機繊維の種類としては、アラミド繊維、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、超高分子量ポリエチレン繊維等が挙げられ、無機繊維の種類としては、炭素繊維の他に、ガラス繊維、セラミック繊維等が挙げられる。
20…ロータ、21…永久磁石(磁性体)、31…第1シャフト、36…第2シャフト、41…筒部材、44…樹脂部、46,47…繊維、48…粒子(熱可塑性樹脂)、51…第1層部、52…第2層部、61…第1プリプレグ、62…第2プリプレグ、64,65…繊維、66,67…熱硬化性樹脂、68…粒子(熱可塑性樹脂)、71…マンドレル(巻回部材)。

Claims (3)

  1. 熱硬化性樹脂を母材とした繊維強化材料から構成されており、樹脂部及び繊維を有する筒部材と、
    前記筒部材内に配置された磁性体と、
    前記筒部材の軸線方向の第1端部に取り付けられた第1シャフトと、
    前記筒部材の軸線方向の第2端部に取り付けられた第2シャフトと、を備え、
    前記筒部材は、
    前記筒部材の周方向に延びる状態で前記繊維が配向された第1層部と、
    前記筒部材の軸線方向に延びる状態で前記繊維が配向された第2層部と、を少なくとも積層することにより構成されており、
    前記第2層部の前記樹脂部には、熱可塑性樹脂が分散されているロータ。
  2. 前記第2層部の前記樹脂部にのみ前記熱可塑性樹脂が分散されている請求項1に記載のロータ。
  3. 第1方向に延びる状態で配向された繊維に熱硬化性樹脂を含浸させた第1プリプレグと、前記第1方向に交差する方向である第2方向に延びる状態で配向された繊維に熱可塑性樹脂が分散された熱硬化性樹脂を含浸させた第2プリプレグと、を積層することで積層体を得る工程と、
    柱状の巻回部材に、前記第2プリプレグの繊維が前記巻回部材の軸線方向に延び、前記第1プリプレグの繊維が前記巻回部材の周方向に延びるように前記積層体を巻回する工程と、
    巻回された前記積層体を加熱することで前記熱硬化性樹脂を硬化させる工程と、を含むロータの製造方法。
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