JP2006158070A - 回転電機 - Google Patents

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JP2006158070A JP2004344155A JP2004344155A JP2006158070A JP 2006158070 A JP2006158070 A JP 2006158070A JP 2004344155 A JP2004344155 A JP 2004344155A JP 2004344155 A JP2004344155 A JP 2004344155A JP 2006158070 A JP2006158070 A JP 2006158070A
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Abstract

【課題】 回転子に大きな遠心力が加わっても、コイルエンドの変形や電線の飛び出しを生じないようにできる回転電機を提供する。
【解決手段】 コイルエンドにおいて、コイルエンドの外周の先端または全面とバインドテープの間に、電気絶縁性の不織布30又は絶縁材料により形成された絶縁スペーサを配置し、前記不織布30又は絶縁スペーサの周囲に樹脂を充填した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発電機や電動機等として用いられる回転電機に関するもので、特にその電機子の構造に関する。
回転電機は、一般的に、筒状のフレームと、前記フレームの内周面に固定した固定子と、前記フレームの軸方向両端面に取り付けたブラケットと、前記固定子の内周面と径方向の空隙を介して対向するようにして、前記ブラケットに、軸受を介して回転自在に支持した回転子とを備えて構成されている。
図11は従来公知の回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は側面図、(b)はA−A線矢視平面図である。
図において、21は回転子鉄心、22は大コイル、23は中コイル、24は小コイル、25は絶縁部、26は支持部、27は回転軸である。構成としては、絶縁部25を有した支持部26が回転軸27に設置され、回転子鉄心21のスロットに大コイル22、中コイル23、小コイル24が装着されたものである。
製作手順としては、この状態で、これらのコイルを絶縁部25及び支持部26とともに緊縛ひもやバインドテープ等の緊縛手段(図示しない)により緊縛後、樹脂処理して完成となる。ここでは、コイルの巻回方式は同芯巻きで、機械的支持は大コイル22と小コイル24に対して行われる場合について説明する。
このような構造のものにおいて、回転子の回転により、3つの各コイル22〜24には遠心力が働く。3つの各コイル22〜24は緊縛手段と樹脂により固定されているが、これらの耐力よりも大きい負荷が加わると、コイルエンドが変形し、または緊縛手段が切断して電線がばらばらになり、外周へ大きく飛び出して、電線の損傷による同相間短絡や、固定子巻線との接触によるコイル破損を招くおそれがあった。
この対策として、各コイル22〜24を外周から機械的に固定する方法が考えられる。
図12は従来技術による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は側面図、(b)は(a)のB−B線矢視平面図、(c)は(b)のC−C線断面図、(d)はスペーサの斜視図である(特許文献1参照)。
図において、1は回転子鉄心、2〜4は回転子コイル、5はガラスバインドテープ、6は絶縁、7は鉄心押さえ、8は軸、9’はスペーサ、9Aは突起、9Bは頂面、10は通風穴、12は冷却風、13はスリーブ、14は通風穴である。これは、コイルエンドの外周にガラスバインドテープ5を巻回したものである。さらに、コイルエンドの冷却を妨げないよう、スペーサ9’により通風穴14を確保し、冷却風12が通るようにしている。
これの製作手順としては、鉄心押さえ7上に配置した回転子コイル2〜4間に、側面に突起9Aと頂面9Bを設けたスペーサ9’を対向して配置し、スペーサ9’の頂面9Bの位置で前記回転子コイル2〜4及び前記鉄心押さえ7とともにスリーブ13によって一括にまとめて縛り、互いに対向する突起9A、9A間を避けてガラスバインドテープ5を全周に巻回するものである。ガラスバインドテープ5は、例えば厚さ0.33mm、幅19mmで、エポキシ樹脂を含浸して半硬化状としたガラス繊維テープであり、張力を加えながらコイルエンドの全周に複数回巻回後、加熱硬化して完成するものである。
このように、従来技術による回転子のコイルエンドでは、コイルエンドの冷却を阻害することなく、コイルエンドを外周から機械的に固定して、回転遠心力によるコイルの飛び出しを防止することができる。
実用新案登録第2554429号公報(第3頁、図1−4)
従来の回転子のコイルエンドでは、コイルエンドの外周にガラスバインドテープを巻回する構成であるが、実際は、図13のようにコイルエンドの先端まで巻回することができない。
図13は、実際の回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は側面図、(b)はD−D線矢視平面図である。
図において、22aは大コイル、23aは中コイル、24aは小コイル、28は大コイル側バインドテープ、29は小コイル側バインドテープ、L1は大コイル22で先端が丸くなっている部分の軸方向長さである。ここでは、大コイル22aと中コイル23aを大コイル側バインドテープ28でおさえ、小コイル24aを小コイル側バインドテープ29でおさえる場合について説明する。このように、バインドテープの巻回を2箇所に分けているのは、コイルの冷却のためで、大コイル側バインドテープ28と小コイル側バインドテープ29の間において、風が通ることができる。
製作手順としては、まず、大コイル22a、中コイル23a、小コイル24aを回転子鉄心21のスロットに挿入し、絶縁部25及び支持部26とともに緊縛ひもやバインドテープ等の緊縛手段により緊縛後、離型紙を全周に巻回、さらに張力を加えて熱収縮性テープを全周に巻回して、樹脂処理する。そして、離型紙と熱収縮性テープを全部剥がし、前記大コイル22aと中コイル23aの外周に前記大コイル側バインドテープ28aを、前記小コイル24aの外周に前記小コイル側バインドテープ29を巻回して加熱して完成となる。バインドテープを巻回する前に樹脂処理を行っておくのは、浮き線の発生を防止して電線の束をひとつにまとめておくためであり、さらにガラス繊維との擦れから電線皮膜の傷付きを防止するためである。
図13に示すように、コイルは電線が複数回巻回されたものであるため、実際は、大コイル22aの外周は丸く形成される。このため、大コイル22aの先端の、長さL1の部分において、大コイル側バインドテープ28は、巻き落ちを生じるために巻回できず、大コイル22aの半分程度しか外周からおさえることができない。つまり、回転遠心力により、大コイル22aの変形や電線の飛び出しを生じることが懸念される。
また、大コイル22a先端の丸みの形状は、コイルの整形状態によって1個ずつ異なっている。さらに、大コイル側バインドテープ28の巻回作業はバインドテープ巻回機を用いるが、バインドテープ巻回機の主軸の回転速度や起動、停止頻度、大コイル側バインドテープ28の送り方等の操作方法により、巻回位置がばらつき、大コイル22aの先端では、大コイル側バインドテープ28によるおさえが安定してできない。つまり、大コイル22a上で大コイル側バインドテープ28が巻回できない部分がさらに広がり、ますます、大コイル22aの変形や電線の飛び出しを生じることが懸念されるという問題もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、回転子のコイルエンドをバインドテープで固定する構成の回転電機に適用でき、回転子に大きな遠心力が加わっても、コイルエンドの変形や電線の飛び出しを生じないように、冷却性能を低下させることなく、バインドテープをコイルエンドの外周の先端まで、さらに先端よりも突出した部分まで巻回することができ、樹脂の流出抑制手段によりコイルエンドの先端の機械的強度も向上できる回転電機を提供することを目的とするものである。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1記載の発明は回転電機に係り、筒状のフレームと、前記フレームの内周面に固定した固定子と、前記フレームの軸方向両端面に取り付けたブラケットと、前記固定子の内周面と径方向の空隙を介して対向するようにして、前記ブラケットに、軸受を介して回転自在に支持した回転子とを備え、前記回転子が、回転軸の外周面に固定され、複数のティースとスロットを有する薄板鋼板を積層して形成された回転子鉄心と、電線を前記スロット内に通し、軸方向の両端部が前記回転子鉄心の両端部から突出するようにして前記ティースに複数回巻回してリード線を接続し、コイルエンドの外周にバインドテープを巻回して形成された回転子コイルとを有し、前記コイルエンドの外周の先端と前記バインドテープの間に、電気絶縁性のスペーサを配置したことを特徴とする。
請求項2記載の発明は回転電機に係り、筒状のフレームと、前記フレームの内周面に固定した固定子と、前記フレームの軸方向両端面に取り付けたブラケットと、前記固定子の内周面と径方向の空隙を介して対向するようにして、前記ブラケットに、軸受を介して回転自在に支持した回転子とを備え、前記回転子が、回転軸の外周面に固定され、複数のティースとスロットを有する薄板鋼板を積層して形成された回転子鉄心と、電線を前記スロット内に通し、軸方向の両端部が前記回転子鉄心の両端部から突出するようにして前記ティースに複数回巻回してリード線を接続し、コイルエンドの外周にバインドテープを巻回して形成された回転子コイルとを有し、前記コイルエンドの外周の全面とバインドテープの間に、電気絶縁性のスペーサを配置したことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の回転電機において、前記電気絶縁性のスペーサの周囲に樹脂を充填したことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の回転電機において、前記電気絶縁性のスペーサが絶縁材料により形成された不織布であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の回転電機において、前記電気絶縁性のスペーサが絶縁材料により構成された円環であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の回転電機において、前記電気絶縁性のスペーサが、全周に巻回した絶縁材料により構成されたシートであることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載の回転電機において、前記円環又は前記全周巻回シートに冷却穴を設けたことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項記載の回転電機において、前記電気絶縁性のスペーサの先端が前記コイルエンドの外周の先端よりも長くなるように配置したことを特徴とする。
請求項1記載の発明によると、回転子のコイルエンドにおける外周の先端とバインドテープの間に、電気絶縁性のスペーサを配置した構造としたので、コイルエンドの外周において、広い面において平坦にすることができ、さらに安定してバインドテープを巻回することができる。
また、請求項2記載の発明によると、前記コイルエンドの外周の全面とバインドテープの間に、電気絶縁性のスペーサを配置した構造としたので、コイルエンドの外周の全面において、より広い面において平坦にすることができ、さらに安定してバインドテープを巻回することができる。
また、請求項3記載の発明によると、前記コイルエンドの外周とバインドテープの間に、絶縁材料により構成された円環を配置し、または絶縁材料により構成されたシートを全周に巻回し、前記円環、シートの周囲に樹脂を充填した構造としたので、コイルエンドの外周の先端まで、さらに先端よりも突出した部分まで平坦にして、バインドテープを安定して巻回することができると同時に、樹脂の流出抑制もでき、コイルエンドの先端の機械的強度を向上することができる。
また、請求項4記載の発明によると、前記コイルエンドの外周の先端とバインドテープの間に、不織布を配置した構造としたので、不織布の形状追随性により、コイルエンドの外周の形状を先端まで、さらに先端よりも突出した部分まで平坦にすることができ、バインドテープをコイルエンドの外周の先端まで、さらに先端よりも突出した部分まで安定して巻回することができる回転電機とすることができる。
請求項5記載の発明によると、回転子のコイルエンドにおける外周とバインドテープの間に、絶縁材料により構成された円環を配置した構造としたので、回転子のコイルエンドをバインドテープで固定する構成の回転電機に適用でき、コイルエンドの外周の形状を先端まで、さらに先端よりも突出した部分まで平坦にすることができ、バインドテープをコイルエンドの外周の先端まで、さらに先端よりも突出した部分まで安定して巻回することができる回転電機とすることができる。
また、請求項6記載の発明によると、前記コイルエンドの外周とバインドテープの間に、絶縁材料により構成されたシートを全周に巻回した構造としたので、コイルエンドの整形状態に合わせて最適な平面を作ることができ、バインドテープをコイルエンドの外周の先端まで、さらに先端よりも突出した部分まで安定して巻回することができる。
また、請求項7記載の発明によると、前記コイルエンドの外周とバインドテープの間に、絶縁材料により構成された円環又は全周巻回シートに冷却穴を設けた構造としたので、コイルの冷却性能を低下させることなく、広い面において平坦にすることができ、バインドテープをコイルエンドの外周の先端まで、さらに先端よりも突出した部分まで安定して巻回することができる。
請求項8記載の発明によると、電気絶縁性のスペーサの先端がコイルエンドの外周の先端よりも長くなるように配置したので、大コイルの外周の先端を、外周から確実に覆うことになる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施例による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は側面図、(b)はE−E線矢視平面図である。図1において、28aは大コイル側バインドテープ、30は長さの短い不織布である。不織布30は、アラミッド繊維やポリエステル繊維を機械的にランダムに絡ませたもので、耐熱性、電気絶縁性が優れ、かつ弾力性があって、ポーラス構造のものであり、適当な大きさに切断して使用する。
製作手順と作用について説明する。まず、大コイル22a、中コイル23a、小コイル24aを回転子鉄心21のスロットに挿入し、絶縁部25及び支持部26とともに緊縛ひもやバインドテープ等の緊縛手段により緊縛後、前記大コイル22aの外周に、不織布30を置く。前記不織布30の置き方は、手で押さえておくか、常温硬化型エポキシ樹脂等を点漬けして固定する。この後、離型紙を全周に巻回、さらに張力を加えて熱収縮性テープを全周に巻回する。これにより、前記不織布30は外周から押さえつけられ、前記大コイル22aとの隙間の広さに応じて形状が変化するので、前記大コイル22aの外周の先端において、丸い形状から平坦にすることができる。
この後、樹脂処理する。
これにより、前記大コイル22aの外周を平坦な形でかたくすることができ、前記大コイル側バインドテープ28aの巻回時、巻き落ちを防止して先端まで巻回することができる。そして、離型紙と熱収縮性テープを全部剥がし、前記不織布30と中コイル23aの外周に前記大コイル側バインドテープ28aを、前記小コイル24aの外周に前記小コイル側バインドテープ29を巻回して加熱して完成となる。
本発明が特許文献1と異なる部分は、回転子巻線の間に、側面に突起と頂面を設けたスペーサを対向して配置し、スペーサの頂面の位置で前記回転子巻線及び鉄心押さえとともにスリーブによって一括にまとめて縛り、互いに対向する突起間を避けてガラスバインドテープを全周に巻回するのではなく、大コイルの外周の先端とバインドテープの間に、電気絶縁性の不織布を配置した点である。
なお、前記不織布30の代わりに、コイルエンドの外周の全面を覆う不織布30’を配置すると大コイル側バインドテープ28aの巻回時の巻き落ちをさらに確実に防止することができる。このことは以下の実施例のいずれにも当てはまることである。
図2は本発明の第1の実施例による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は不織布の先端が大コイルの先端よりも長くなるように配置した場合のコイルエンドの側面図、(c)はF−F線矢視平面図である。図2は不織布30の先端を大コイル22aの先端よりも長くなるように配置した例を示している。
図に示すように、不織布30の先端を大コイル22aの先端よりも長くなるように配置することで、大コイル22aの外周の先端を外周から確実に覆うことになる。この状態にて樹脂で固めることにより、前記大コイル側バインドテープ28aを前記大コイル22aの先端よりも突出した部分まで巻回することができ、前記大コイル22aの外周の先端を確実におさえることができる。
また、本実施例では、前記大コイル側バインドテープ28aを巻回する前に、樹脂処理を行う場合について説明したが、前記不織布30を置いた後、直接前記大コイル側バインドテープ28aを巻回し、まとめて樹脂処理を行ってもよい。この場合、離型紙等の巻回、除去が不要になり、製作工数を低減させることができる。さらに、コイルの巻き方が同芯巻きではない集中巻きに対しても、コイルエンドの外周の先端に前記不織布30を設置することにより、同様の効果を得ることができる。
図3は、本発明の第2の実施例による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は側面図、(b)はG−G線矢視平面図である。図3において、31は絶縁スペーサである。絶縁スペーサ31は、耐熱性、電気絶縁性、機械的強度、耐環境性、及び作業性の点において優れる絶縁シートで、全芳香族ポリアミド紙や電気絶縁用ポリエステルフィルム、電気絶縁用ポリエステルフィルムの両面に全芳香族ポリアミド紙を接着剤で貼り合わせた全芳香族ポリアミド紙/電気絶縁用ポリエステルフィルム貼り合わせシート等が用いられる。 または、絶縁板で、エポキシ樹脂やポリエステル樹脂のような耐熱性の高い熱硬化性樹脂を注型したり、ガラス基材に含浸させて積層後に機械加工を行って、製作される。
次に、製作手順と作用について説明する。
まず、大コイル22a、中コイル23a、小コイル24aを回転子鉄心21のスロットに挿入し、絶縁部25及び支持部26とともに緊縛ひもやバインドテープ等の緊縛手段により緊縛後、前記大コイル22aの外周に、絶縁スペーサ31を置く。前記絶縁スペーサ31の置き方は、手で押さえておくか、常温硬化型エポキシ樹脂等を点漬けして固定する。これにより、熱収縮性テープをさらに平坦に巻回することができる。
この後、離型紙を全周に巻回、さらに張力を加えて熱収縮性テープを全周に巻回し、樹脂処理する。これにより、前記大コイル22aの外周を平坦な形でかたくすることができ、前記大コイル側バインドテープ28aの巻回時、巻き落ちを防止して先端まで巻回することができる。
そして、離型紙と熱収縮性テープを全部剥がし、前記絶縁スペーサ31と中コイル23aの外周に前記大コイル側バインドテープ28aを、前記小コイル24aの外周に前記小コイル側バインドテープ29を巻回して加熱して完成となる。
ここで、絶縁スペーサ31において、その先端は前記大コイル22aの先端よりも長くなるように配置しても良い。
図4は、本発明の第3の実施例による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は側面図、(b)はH−H線矢視平面図である。
図において、32は長さの長い不織布である。不織布32は、アラミッド繊維やポリエステル繊維を機械的にランダムに絡ませたもので、耐熱性、電気絶縁性が優れ、かつ弾力性があって、ポーラス構造のものであり、大コイル22aから中コイル23a、小コイル24aまで覆うことができるほど軸方向に長いものである。
次に、製作手順と作用について説明する。
まず、大コイル22a、中コイル23a、小コイル24aを回転子鉄心21のスロットに挿入し、絶縁部25及び支持部26とともに緊縛ひもやバインドテープ等の緊縛手段により緊縛後、前記3つのコイル22a、23a、24aの外周に、前記不織布32を置く。前記不織布32の置き方は、手で押さえておくか、常温硬化型エポキシ樹脂等を点漬けして固定する。
この後、離型紙を全周に巻回、さらに張力を加えて熱収縮性テープを全周に巻回する。これにより、前記不織布32は外周から押さえつけられ、前記大コイル22aとの隙間の広さに応じて形状が変化するので、前記大コイル22aの外周の先端において、丸い形状から平坦にすることができる。
この後、樹脂処理する。これにより、前記大コイル22aの外周を平坦な形でかたくすることができ、前記大コイル側バインドテープ28aの巻回時、巻き落ちを防止して先端まで巻回でき、前記小コイル24aの外周もきれいに巻回することができる。
そして、離型紙と熱収縮性テープを全部剥がし、前記不織布32の外周に前記大コイル側バインドテープ28aと小コイル側バインドテープ29を巻回して加熱して完成となる。
ここで、前記不織布32において、その先端は前記大コイル22aの先端よりも長くなるように配置しても良い。
また、前記不織布32の代わりに、絶縁シートや絶縁板による構成される絶縁スペーサ、または不織布と絶縁スペーサを重ねて用いても良い。
図5は、本発明の第4の実施例による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は側面図、(b)はI−I線矢視平面図である。
図において、33は樹脂層である。樹脂層33は、耐熱性に優れるエポキシ樹脂やポリエステル樹脂で、無機充填剤を配合する等した高粘度樹脂で形成される。
次に、製作手順と作用について説明する。
まず、大コイル22a、中コイル23a、小コイル24aを回転子鉄心21のスロットに挿入し、絶縁部25及び支持部26とともに緊縛ひもやバインドテープ等の緊縛手段により緊縛後、大コイル22aの外周に、不織布30を置く。前記不織布30の置き方は、手で押さえておくか、常温硬化型エポキシ樹脂等を点漬けして固定する。
この後、離型紙を全周に巻回、さらに張力を加えて熱収縮性テープを全周に巻回し、前記不織布30の周囲に高粘度樹脂を充填して樹脂層33を形成する。これにより、前記不織布30及び大コイル22aからの樹脂の流出を抑制して、樹脂の充填性を向上し、大コイル22aの機械的強度を向上することができる。
この後、樹脂処理し、離型紙と熱収縮性テープを全部剥がし、前記不織布30と中コイル23aの外周に前記大コイル側バインドテープ28aを、前記小コイル24aの外周に前記小コイル側バインドテープ29を巻回して加熱して完成となる。
ここで、前記不織布30において、その先端は前記大コイル22aの先端よりも長くなるように配置しても良い。
また、前記不縮布30の代わりに、絶縁シートや絶縁板による構成される絶縁スペーサ、または不織布と絶縁スペーサを重ねて用いても良く、軸方向の長さも前記大コイル22aから中コイル23a、小コイル24aまで覆うことができるほど長くても良い。
図6は、本発明の第5の実施例による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は円環の斜視図、(b)はコイルエンドの側面図、(c)はJ−J線矢視平面図である。
図において、28aは大コイル側バインドテープ、40は円環、円環40は、耐熱性、電気絶縁性、機械的強度、耐環境性、及び作業性の点において優れる絶縁シートで、全芳香族ポリアミド紙や電気絶縁用ポリエステルフィルム、電気絶縁用ポリエステルフィルムの両面に全芳香族ポリアミド紙を接着剤で貼り合わせた全芳香族ポリアミド紙/電気絶縁用ポリエステルフィルム貼り合わせシート等を、コイルエンドの外周よりも若干大きく丸めて、両端を固定して円筒状にしたものである。
次に、製作手順と作用について説明する。
まず、大コイル22a、中コイル23a、小コイル24aを回転子鉄心21のスロットに挿入し、絶縁部25及び支持部26とともに緊縛ひもやバインドテープ等の緊縛手段により緊縛後、前記大コイル22aの外周に、円環40をはめ込む。前記円環40の固定方法は、手で押さえておくか、常温硬化型エポキシ樹脂等を点漬けして固定する。これにより、前記大コイル22aの外周の先端において、丸い形状から平坦にすることができる。
この後、離型紙を全周に巻回、さらに張力を加えて熱収縮性テープを全周に巻回、樹脂処理する。これにより、前記大コイル22aの外周を平坦な形でかたくすることができ、前記大コイル側バインドテープ28aの巻回時、巻き落ちを防止して先端まで巻回することができる。
そして、離型紙と熱収縮性テープを全部剥がし、前記円環40の外周に前記大コイル側バインドテープ28aを、前記小コイル24aの外周に前記小コイル側バインドテープ29を巻回して加熱して完成となる。
本発明が特許文献1と異なる部分は、回転子巻線の間に、側面に突起と頂面を設けたスペーサを対向して配置し、スペーサの頂面の位置で前記回転子巻線及び鉄心押さえとともにスリーブによって一括にまとめて縛り、互いに対向する突起間を避けてガラスバインドテープを全周に巻回するのではなく、大コイルの外周に絶縁材料により構成された円環を配置し、バインドテープを全周に巻回した点である。
ここで、円環40において、その先端は前記大コイル22aの先端よりも長くなるように配置しても良い。この場合、図7に示すように、大コイル22aの外周の先端を外周から確実に覆うことになる。図7は本発明の第5の実施例による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は円環の先端が大コイルの先端よりも長くなるように配置した場合のコイルエンドの側面図、(c)はK−K線矢視平面図である。大コイル22aの外周の先端を外周から確実に覆った状態にて樹脂で固めることにより、前記大コイル側バインドテープ28aを前記大コイル22aの先端よりも突出した部分まで巻回することができ、前記大コイル22aの外周の先端を確実におさえることができる。
また、本実施例では、前記大コイル側バインドテープ28aを巻回する前に、樹脂処理を行う場合について説明したが、前記円環40をはめ込んだ後、直接前記大コイル側バインドテープ28aを巻回し、まとめて樹脂処理を行ってもよい。この場合、離型紙等の巻回、除去が不要になり、製作工数を低減させることができる。
さらに、コイルの巻き方が同芯巻きではない集中巻きに対しても、コイルエンドの外周の先端に前記円環40を設置することにより、同様の効果を得ることができる。
図8は、本発明の第6の実施例による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は円環の斜視図、(b)はコイルエンドの側面図、(c)はL−L線矢視平面図である。
図において、41は円環、41aは冷却穴である。円環41は、耐熱性、電気絶縁性、機械的強度、耐環境性、及び作業性の点において優れる絶縁シートで、全芳香族ポリアミド紙や電気絶縁用ポリエステルフィルム、電気絶縁用ポリエステルフィルムの両面に全芳香族ポリアミド紙を接着剤で貼り合わせた全芳香族ポリアミド紙/電気絶縁用ポリエステルフィルム貼り合わせシート等を、コイルエンドの外周よりも若干大きく丸めて、両端を固定して円筒状にしたもので、中コイル23aと小コイル24aの隙間に該当する部分に、複数の冷却穴41aを設けている。
次に、製作手順と作用について説明する。
まず、大コイル22a、中コイル23a、小コイル24aを回転子鉄心21のスロットに挿入し、絶縁部25及び支持部26とともに緊縛ひもやバインドテープ等の緊縛手段により緊縛後、前記大コイル22aの外周に、円環41をはめ込む。前記円環41の固定方法は、手で押さえておくか、常温硬化型エポキシ樹脂等を点漬けして固定する。これにより、熱収縮性テープをさらに平坦に巻回することができる。
この後、離型紙を全周に巻回、さらに張力を加えて熱収縮性テープを全周に巻回し、樹脂処理する。これにより、前記大コイル22aの外周を平坦な形でかたくすることができ、前記大コイル側バインドテープ28aの巻回時、巻き落ちを防止して先端まで巻回することができ、また前記小コイル24aの外周もきれいに巻回することができる。
そして、離型紙と熱収縮性テープを全部剥がし、前記円環41の外周に前記大コイル側バインドテープ28aと小コイル側バインドテープ29を巻回して加熱して完成となる。
ここで、円環41において、その先端は前記大コイル22aの先端よりも長くなるように配置しても良い。
図9は、本発明の第7の実施例による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)はシートを丸めた場合の斜視図、(b)はコイルエンドの側面図である。
図において、42はシートである。シート42は、耐熱性、電気絶縁性、機械的強度、耐環境性、及び作業性の点において優れる絶縁材料により構成されたもので、全芳香族ポリアミド紙や電気絶縁用ポリエステルフィルム、電気絶縁用ポリエステルフィルムの両面に全芳香族ポリアミド紙を接着剤で貼り合わせた全芳香族ポリアミド紙/電気絶縁用ポリエステルフィルム貼り合わせシート等である。
次に、製作手順と作用について説明する。
まず、大コイル22a、中コイル23a、小コイル24aを回転子鉄心21のスロットに挿入し、絶縁部25及び支持部26とともに緊縛ひもやバインドテープ等の緊縛手段により緊縛後、前記3つのコイル22a、23a、24aの外周に、前記シート42を巻き付ける。前記シート42の巻き付け方は、手で押さえておくか、常温硬化型エポキシ樹脂等を、巻き始めの面と巻き終わりの面に点漬けして固定する。
この後、離型紙を全周に巻回、さらに張力を加えて熱収縮性テープを全周に巻回する。 これにより、前記シート42は外周から押さえつけられ、前記大コイル22aとの隙間の広さに応じて形状が変化するので、前記大コイル22aの外周において、丸い形状から平坦にすることができる。
この後、樹脂処理する。これにより、前記大コイル22aの外周の先端を平坦な形でかたくすることができ、前記大コイル側バインドテープ28aの巻回時、巻き落ちを防止して先端まで巻回できる。
そして、離型紙と熱収縮性テープを全部剥がし、前記シート42の外周に前記大コイル側バインドテープ28aを、小コイル24aの外周に小コイル側バインドテープ29を巻回して加熱して完成となる。
ここで、前記シート42において、その先端は前記大コイル22aの先端よりも長くなるように配置しても良い。また、前記シート42として、電気絶縁性の不織布を用いても良い。この不織布は、アラミッド繊維やポリエステル繊維を機械的にランダムに絡ませたもので、耐熱性、電気絶縁性が優れ、ポーラス構造のものであり、樹脂が容易に含浸して充填できるものである。この場合の効果としては、大コイル22aの外周の絶縁厚みが厚くなり、機械的強度を向上することができる。また、前記シート42に冷却穴を設けて巻回しても良い。
図10は、本発明の第8の実施例による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は側面図、(b)はM−M線矢視平面図である。図10において、43は樹脂層である。樹脂層43は、耐熱性に優れるエポキシ樹脂やポリエステル樹脂で、無機充填剤を配合する等した高粘度樹脂で形成される。
次に、製作手順と作用について説明する。
まず、大コイル22a、中コイル23a、小コイル24aを回転子鉄心21のスロットに挿入し、絶縁部25及び支持部26とともに緊縛ひもやバインドテープ等の緊縛手段により緊縛後、大コイル22aの外周に、絶縁材料により構成されたシート42を巻き付ける。前記シート42の巻き付け方は、手で押さえておくか、常温硬化型エポキシ樹脂等を、巻き始めの面と巻き終わりの面に点漬けして固定する。
この後、離型紙を全周に巻回、さらに張力を加えて熱収縮性テープを全周に巻回し、前記シート42の周囲に高粘度樹脂を充填して樹脂層43を形成する。これにより、前記シート42及び大コイル22aからの樹脂の流出を抑制して樹脂の充填性を向上するとともに、前記樹脂層43と合わせて、大コイル22aの機械的強度を向上することができる。
この後、樹脂処理し、離型紙と熱収縮性テープを全部剥がし、前記シート42と中コイル23aの外周に前記大コイル側バインドテープ28aを、前記小コイル24aの外周に前記小コイル側バインドテープ29を巻回して加熱して完成となる。
ここで、前記シート42において、その先端は前記大コイル22aの先端よりも長くなるように配置しても良い。
また、前記シート42の代わりに、円環や、冷却穴を設けた円環をはめ込んでも良いし、前記シート42に冷却穴を設けて巻回しても良い。
本発明の第1の実施例による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は側面図、(b)はE−E線矢視平面図である。 本発明の第1の実施例による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は不織布の先端が大コイルの先端よりも長くなるように配置した場合のコイルエンドの側面図、(c)はF−F線矢視平面図である。 本発明の第2の実施例による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は側面図、(b)はG−G線矢視平面図である。 本発明の第3の実施例による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は側面図、(b)はH−H線矢視平面図である。 本発明の第4の実施例による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は側面図、(b)はI−I線矢視平面図である。 本発明の第5の実施例による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は円環の斜視図、(b)はコイルエンドの側面図、(c)はJ−J線矢視平面図である。 本発明の第5の実施例による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は円環の先端が大コイルの先端よりも長くなるように配置した場合のコイルエンドの側面図、(c)はK−K線矢視平面図である。 本発明の第6の実施例による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は円環の斜視図、(b)はコイルエンドの側面図、(b)はL−L線矢視平面図である。 本発明の第7の実施例による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は絶縁シートを丸めた場合の斜視図、(b)はコイルエンドの側面図である。 本発明の第8の実施例による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は側面図、(b)はM−M線矢視平面図である。 回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は側面図、(b)はA−A線矢視平面図である。 従来技術による回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は側面図、(b)はB−B線矢視平面図、(c)はC−C線断面図、(d)はスペーサの斜視図である。 実際の回転子のコイルエンドを示す図で、(a)は側面図、(b)はD−D線矢視平面図である。
符号の説明
1 回転子鉄心
2、3、4 回転子巻線
5 ガラスバインドテープ
6 絶縁
7 鉄心押さえ
8 軸
9’ スペーサ
9A 突起
9B 頂面
10 通風穴
12 冷却風
13 スリーブ
14 通風穴
21 回転子鉄心
22、22a 大コイル
23、23a 中コイル
24、24a 小コイル
25 絶縁部
26 支持部
27 回転軸
28、28a 大コイル側バインドテープ
29 小コイル側バインドテープ
30 長さの短い不織布
31 絶縁スペーサ
32 長さの長い不織布
33 樹脂層
40、41 円環
41a 冷却穴
42 シート
L1 大コイルで先端が丸くなっている部分の軸方向長さ

Claims (8)

  1. 筒状のフレームと、
    前記フレームの内周面に固定した固定子と、
    前記フレームの軸方向両端面に取り付けたブラケットと、
    前記固定子の内周面と径方向の空隙を介して対向するようにして、前記ブラケットに、軸受を介して回転自在に支持した回転子とを備え、
    前記回転子が、
    回転軸の外周面に固定され、複数のティースとスロットを有する薄板鋼板を積層して形成された回転子鉄心と、
    電線を前記スロット内に通し、軸方向の両端部が前記回転子鉄心の両端部から突出するようにして前記ティースに複数回巻回してリード線を接続し、コイルエンドの外周にバインドテープを巻回して形成された回転子コイルとを有し、
    前記コイルエンドの外周の先端と前記バインドテープの間に、電気絶縁性のスペーサを配置したことを特徴とする回転電機。
  2. 筒状のフレームと、
    前記フレームの内周面に固定した固定子と、
    前記フレームの軸方向両端面に取り付けたブラケットと、
    前記固定子の内周面と径方向の空隙を介して対向するようにして、前記ブラケットに、軸受を介して回転自在に支持した回転子とを備え、
    前記回転子が、
    回転軸の外周面に固定され、複数のティースとスロットを有する薄板鋼板を積層して形成された回転子鉄心と、
    電線を前記スロット内に通し、軸方向の両端部が前記回転子鉄心の両端部から突出するようにして前記ティースに複数回巻回してリード線を接続し、コイルエンドの外周にバインドテープを巻回して形成された回転子コイルとを有し、
    前記コイルエンドの外周の全面とバインドテープの間に、電気絶縁性のスペーサを配置したことを特徴とする回転電機。
  3. 前記電気絶縁性のスペーサの周囲に樹脂を充填したことを特徴とする請求項1又は2記載の回転電機。
  4. 前記電気絶縁性のスペーサが絶縁材料により形成された不織布であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の回転電機。
  5. 前記電気絶縁性のスペーサが絶縁材料により構成された円環であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の回転電機。
  6. 前記電気絶縁性のスペーサが、全周に巻回した絶縁材料により構成されたシートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の回転電機。
  7. 前記円環又は前記全周巻回シートに冷却穴を設けたことを特徴とする請求項5又は6記載の回転電機。
  8. 前記電気絶縁性のスペーサの先端が前記コイルエンドの外周の先端よりも長くなるように配置したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の回転電機。
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