JP6525064B2 - 無線通信装置 - Google Patents
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Description
本発明の第1実施形態に係る無線通信装置100について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る無線通信装置100は、箱状の筐体部106と、筐体部106に一体に取り付けられた反射板101と、反射板101上に設けられた複数のアンテナ素子102を有するアレイアンテナ102Rと、反射板101上に起立する(すなわち反射板101に対して略垂直に接続される)1または複数の放熱フィン108と、筺体部106に内蔵された通信用回路107とを備えている。
通信用回路107は熱伝導性の高い部材で反射板101と接続されており、発生する熱の一部が反射板101に伝導する。熱伝導性が高い部材としては、ボールグリッドアレイ(BGA)、半田ボール、半田ボールの周囲に熱伝導性アンダーフィルが充填されたもの等を用いることができる。
図2に示すように、通信用回路107で発生した熱は、反射板101を介して放熱フィン108に伝わり、放熱される。無線通信装置100が放熱フィン108を有することによって、無線通信装置100内で発生した熱が空気に触れる面積が増加する。したがって、無線通信装置100の放熱性能は向上する。
放熱フィン108が有する周波数選択表面108Aの一部が、反射板101に接触している場合、無線通信装置100の放熱効率はさらに向上する。その理由は、周波数選択表面108Aを構成する導電部が反射板101から伝熱されるため、無線通信装置100がより放熱されるからである。
図5Aは、無線通信装置100の装置構成の一例を模式的に示した図である。図5Aの無線通信装置100は、1つの通信用回路107が移相器と、無線回路(RF)と、ベースバンド回路(BB)とを含んで構成される。ただし、移相器は、各アンテナ素子102に1つずつ備えられる。このような構成によってアンテナ素子102ごとに位相を変化させることができるため、ビーム方向を制御することが可能となる。
まず、放熱フィン108が導体からなる場合、アンテナ素子102が放射する電磁波を妨げないように、放熱フィン108の高さは、アンテナ素子102の高さ以下に設定される。このように放熱フィン108の高さが低く設定されることで、無線通信装置100は、放熱フィン108が電磁波を阻害することを抑制しつつ、良好な放熱特性を得ることができる。
この場合の放熱フィン108は、例えば板金で形成されても良いし、反射板101と一体で金属削り出しなどによって形成されても良い。また他の導体であっても当然よい。
しかしながら、この放熱フィン108は電磁波を透過する。したがって、本発明の第1の実施の形態の無線通信装置100は、放熱フィン108が電磁波を阻害することを抑制しつつ、一定の放熱特性を得ることができる。この場合の放熱フィン108は、例えばセラミックなどで形成されても良い。また他の高熱伝導性誘電体であっても当然よい。
さらに、放熱フィン108の表面には非導電性の防護膜が備えられていても良い。このような構成によれば、屋外の雨や雪、ほこりから放熱フィン108を保護することが可能となり、無線通信装置100の耐候性を向上させることができる。防護膜は、例えば撥水性や耐水性を備えることが好ましいが、当然他の性質のものであっても良い。
図6は、本発明の第2実施形態にかかる無線通信装置200の斜視模式図である。第2実施形態にかかる無線通信装置200は、レドーム205が設けられている点が、第1実施形態に係る無線通信装置100と異なる。第1実施形態にかかる無線通信装置100と同一の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明を省く。図6では、理解を容易にするために、反射板101とレドーム205とを離して図示している。
レドーム205が誘電体材料からなる場合、レドーム205は、通気流路K内に収容されたアンテナ素子102が放射する電磁波を透過することができる。またレドーム205が、導電部が規則的に配列された周波数選択表面を有する場合、レドーム205は、特定帯域の電磁波を透過することができる。レドーム205に形成される周波数選択表面は、第1実施形態における放熱フィン108が有する周波数選択表面108Aと同一のものを用いることができる(図3A〜3E参照)。
レドーム205が有する周波数選択表面の一部が、反射板101に接触している場合、無線通信装置200の放熱効率はさらに向上する。その理由は、周波数選択表面を構成する導電部が反射板101から伝熱されるため、無線通信装置200がより放熱されるからである。
本実施の形態において、レドーム205は、鉛直上方および鉛直下方の各々に開口(排気口204および吸気口203)を有するものとした。しかし、無線通信装置200がレドーム205の内部に風を取り込むことができれば、開口の位置および数はこれに限定されない。例えば、レドーム205は、鉛直上方および鉛直下方以外の他の面(すなわち、レドーム205の側面)に吸気口203および排気口204を有しても良いし、鉛直上方または鉛直下方または側面のいずれかに吸気口203および排気口204を有しても良い。また、レドーム205は、吸気口203と排気口204とが一体となった1つの開口を有しても良いし、1または複数の吸気口203と1または複数の排気口204とを有しても良い。
レドーム205が複数の吸気口203および複数の排気口204を備える例として、レドーム205が鉛直上方および鉛直下方と側面とに開口を有する構成が挙げられる。この構成を有する無線通信装置200が屋外に配置された場合、屋外における自然の風がレドーム205の内部に取り込まれるため、無線通信装置200の放熱効率は、より向上する。
たとえば排気口204にファン211が設けられる構成であっても、無線通信装置210は同様の効果を得ることができる。また吸気口203及び排気口204の両方に、ファン211が設けられても良い。
また、無線通信装置220は、吸気口203、排気口204をふさぐ通気性の部材を備えていても良い。通気性の部材は例えば金網のようなメッシュ状の部材や、布であっても良いし、他の部材であっても良い。このような構成によれば、レドーム205の内部に異物や雨、雪などが入ることを防ぎ、無線通信装置220の耐久性や耐候性を向上させることができる。
図11は、本発明の第3実施形態にかかる無線通信装置300の斜視模式図である。第3実施形態にかかる無線通信装置300は、アンテナ素子302が反射面101aに対して起立している点が、第1実施形態に係る無線通信装置100と異なる。第1実施形態にかかる無線通信装置100と同一の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明を省く。
以上のように、アンテナ素子302は、アンテナパターン304a及びアンテナパターン304bによってダイポールアンテナを形成する。
さらに、無線通信装置の配置される環境に応じて、排気孔の上部に、図9と同様にひさしが備えられても良い。このような構成によれば、無線通信装置はレドームの内部に雨や雪が入ることを防ぎ、無線通信装置の耐候性は向上する。
このような構成によれば、互いに対向するアンテナ素子302によって、導体給電線311に対するシールド性能を向上させることができる。すなわち、導体給電線311に対する外部からのノイズを遮蔽することができる。
図18は、本発明の第4実施形態にかかる無線通信装置400の斜視模式図である。また図19は、本発明の第4実施形態に係る無線通信装置400の平面模式図である。第4実施形態にかかる無線通信装置400は、アンテナ素子402がy軸方向に対して傾いている点が、第3実施形態に係る無線通信装置300と異なる。第1実施形態にかかる無線通信装置100と同一の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明を省く。
一方で、第2素子群L2における第2アンテナ素子402bは、上記の第1の方向に対してyz平面内でおおむね直交する方向(第2の方向)に傾斜している。
そして、第1素子群L1は、反射面101a上で第2の方向に間隔を空けて複数配列され、第2素子群L2が第1の方向に間隔を空けて複数配列されている。
これにより、第1アンテナ素子402aと第2アンテナ素子402bとの電磁的な結合を抑制しつつ、互いを近接させて配置することができる。
これにより、通気流路中を自然対流によって流れる空気が、第1アンテナ素子402a、及び第2アンテナ素子402bに対して十分に接触するため、無線通信装置400の放熱性能がさらに向上する。
図20〜図23は、本発明の第5実施形態にかかる無線通信装置400´の斜視模式図である。
第5実施形態にかかる無線通信装置400´が、第4実施形態に示される無線通信装置400と構成を異にするのは、y軸方向に沿うように配置された放熱フィン108に開口部403を形成した点にある。
具体的には、図20の放熱フィン108はy軸方向に沿う直線状としているが、これに限定されず、図21のように、放熱フィン108を複数の案内片109を有する構成とし、かつ各案内片109をx軸方向に沿いかつ全体がy軸方向に沿う配列となるように構成しても良い。
また、図21の放熱フィン108では、第1フィン列110の案内片109をy軸方向に直交するx軸方向に沿うように配置したが、これに限定されず、該案内片109をy軸方向に交差するように斜めに配置しても良い。
すなわち、図22に示すように、反射板101の側部に位置する放熱フィン108の案内片109は、正方向及び負方向側共にx軸方向に平行になり、かつ全体がy軸方向に沿う第1フィン列110となる配列に設けられている。また、反射板101の上部及び下部に位置する放熱フィン108の案内片109は、正方向及び負方向側共にy軸方向に平行になるように設けられ、かつ全体がx軸方向に沿う第2フィン列111となる配列に設けられている。
そして、このように第1フィン列110及び第2フィン列111からなる放熱フィン108を構成することで、上昇気流Aと、屋外の風Bの両方を、妨げることなくアンテナ領域に取り込にかつ該アンテナ領域から排出することが可能となり、放熱性能を向上させることが可能となる。
なお、図23ではレドーム205の側部の一部に複数の開口410を設けた場合を例に示したが、開口410は側部の大部分が取り除かれて形成されていても良いし、その他の構成であっても良い。
図24は、本発明の第6実施形態にかかる無線通信装置500の斜視模式図である。第6実施形態にかかる無線通信装置500は、放熱フィン108を持たず、所定のレドーム505を設ける点が、第1実施形態に係る無線通信装置100と異なる。すなわち、電磁波を反射する反射面101aを有する反射板101と、反射面101a上に間隔を空けて配列された複数のアンテナ素子102を有するアレイアンテナ102Rと、反射面101aとの間に通気流路を形成するレドーム505と、アレイアンテナ102Rを励振するとともに、アレイアンテナ102Rを介して無線信号を送受信する通信用回路107と、を備える。第1実施形態にかかる無線通信装置100と同一の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明を省く。
レドーム505が有する周波数選択表面の一部が、反射板101に接触している場合、無線通信装置500の放熱効率はさらに向上する。その理由は、周波数選択表面を構成する導電部が反射板101から伝熱されるため、無線通信装置500がより放熱されるからである。レドーム505において周波数選択表面が占める面積が大きいほど、無線通信装置500の放熱効果は向上する。
放熱フィン108を設けることで、無線通信装置500内で発生した熱と空気とが触れる面積が増加し、無線通信装置500の放熱効率が向上する。また放熱フィン108を介してレドーム505に伝熱する経路が形成されるため、無線通信装置500の放熱効率がより向上する。放熱フィン108は第1実施形態と同様の物を用いることができる。
本実施形態において、放熱フィン108は、反射面101aとレドーム505とを接続するものとしたが、放熱フィン108は、レドーム505のみに接続される構成であっても良い。
以上、各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しえる様々な省略、置き換え、変更をすることができる。
(付記1)
前記フィンは、
第1の方向に平行な複数の第1案内片からなる第1フィン列と、
前記第1の方向に対して直交する第2の方向に平行な、複数の第2案内片からなる第2フィン列と、を有することを特徴とする無線通信装置。
(付記2)
前記第1フィン列と前記第2フィン列とは、前記反射面上に交互に配列されることを特徴とする無線通信装置。
(付記3)
前記第1フィン列と前記第2フィン列とは、前記反射面上に垂直方向に沿うように設けられ、かつ水平方向に沿って交互に配列されることを特徴とする無線通信装置。
(付記4)
前記第1フィン列と前記第2フィン列とは、前記反射面上の周縁部に沿いかつアンテナ領域を取り囲むように配置されることを特徴とする無線通信装置。
(付記5)
前記フィンは、導体であることを特徴とする無線通信装置。
(付記6)
前記フィンは、熱伝導性の高い誘電体であるであることを特徴とする無線通信装置。
(付記7)
前記送受信回路は、前記反射板の前記反射面と反対側の面に配置されるであることを特徴とする無線通信装置。
(付記8)
前記レドームが有する周波数選択表面の一部は、前記反射板に接触していることを特徴とする無線通信装置。
101…反射板
101a…反射面
102,302,402…アンテナ素子
102R,302R,402R…アレイアンテナ、106…筐体部、107…通信用回路
108…放熱フィン
108A…周波数選択表面
108a,108c,108d,108f…導体部
108b,108e,108f…開口部
109…案内片
110…第1フィン列
111…第2フィン列
201…天板
202…支持部
203,503…吸気口
204,504…排気口
205,505…レドーム
211…ファン
221…ひさし
231…放熱器
303…誘電体基板
304a,304b…アンテナパターン
305…給電点
306…環状導体部
307…矩形導体部
308…スプリット
309…矩形領域
310…導電性ビア
311…導体給電線
315…導電性ビア
402a…第1アンテナ素子
402b…第2アンテナ素子
403…開口部
L1…第1素子群
L2…第2素子群
Claims (7)
- 反射板と、
アレイアンテナと、
フィンと、
通信回路とを備え、
前記反射板は、
電磁波を反射する反射面を備え、
前記アレイアンテナにおける複数のアンテナ素子は、
前記反射面上に配置され、
前記フィンは、
前記反射面上に起立し、かつ、
前記複数のアンテナ素子における任意のアンテナ素子同士の間に設けられ、
前記通信回路は、
前記アレイアンテナに電気的に接続され、かつ、
前記反射板に熱的に接続される、
無線通信装置。 - 前記アレイアンテナにおける複数のアンテナ素子は、
前記フィンよりも、前記反射面から見た法線方向の高さが、低い、
請求項1に記載の無線通信装置。 - 前記フィンは、
周波数選択表面を備える、
請求項1に記載の無線通信装置。 - 前記フィンは、
同一の方向に延在している、
請求項1から3のいずれか1項に記載の無線通信装置。 - 前記複数のアンテナ素子は、
第1の方向に延在する第1素子群と、
第2の方向に延在する第2素子群と、
からなり、
前記第1の方向と第2の方向とは、
互いに直交しており、
前記第1素子群は、前記第2の方向に間隔を空けて複数設けられ、
前記第2素子群は、前記第1の方向に間隔を空けて複数設けられている
請求項1から4のいずれか1項に記載の無線通信装置。 - 前記フィンは、
前記第1素子群におけるアンテナ素子と、前記第2素子群におけるアンテナ素子と、の少なくともいずれかと近接する部分に開口部を備える、
請求項5に記載の無線通信装置。 - レドーム
を備え、
前記フィンは、
前記レドームと熱的に接続されている、
請求項1から6のいずれか1項に記載の無線通信装置。
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