JP6520367B2 - 自動倉庫のラック、及び自動倉庫のラックにおいて前後渡し部材を設置する方法 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の自動倉庫のラックでは、1枚の棚板によって複数の荷物を載置可能な荷物載置部を構成している。しかし、1枚板で構成された棚板は、重量が大きくかつサイズも大きいので、棚材施工時に据え付け場所までの荷揚げ・横持ち等の作業が困難であった。
複数の第1支柱は、第1水平方向に並んでいる。
複数の第2支柱は、複数の第1支柱に対して第1水平方向に交差する第2水平方向に離れて配置され、第1水平方向に並んでいる。
第1水平部材は、第1水平方向に延び、複数の第1支柱に支持される。
第2水平部材は、第1水平方向に延び、複数の第2支柱に支持される。
複数の渡し部材は、第1水平部材と第2水平部材との間に第2水平方向に延びて架け渡される。
渡し部材は、荷物が載置される載置部と、載置部の第1端部に設けられ第1水平部材及び第2水平部材の一方に引っ掛けられる係合部と、載置部の第2端部に設けられ第1水平部材及び第2水平部材の他方に対して折り曲げられた形状で係合する折り曲げ部と、を有する。
このラックでは、複数の渡し部材が、第1水平部材と第2水平部材との間に延びて架け渡される。荷物は、複数の渡し部材の載置部に載置される。
渡し部材を掛け渡すときには、最初に、係合部を第1水平部材及び第2水平部材の一方に引っ掛ける。次に、渡し部材を倒して水平状態にして、その状態で端部を折り曲げて折り曲げ部を構成することで第1水平部材及び第2水平部材の他方に係合させる。
以上に述べたように、棚部を複数の渡し部材によって構成することで軽量化・小型化が実現され、それにより棚部の取付作業が容易になる。また、渡し部材は、金具を用いることなく、引っ掛けと折り曲げで容易に第1水平部材と第2水平部材に取り付けることができる。以上より、フリーサイズの荷物を収容可能な自動倉庫のラックにおいて、棚部の取付作業が容易になる。
第1水平部材及び第2水平部材の少なくとも一方は、突起が挿入される孔を有していてもよい。
このラックでは、突起を利用し、渡し部材の折り曲げ部側の部分を位置決めできる。なお、突起は、渡し部材の製作時に同時に加工可能な部分であるので、突起を構成するための特別な部材は不要である。
このラックでは、当て止め部同士の当接によって、複数の渡し部材同士を第1水平方向に位置決めできる。
このラックでは、渡し部材の第2端部側が荷物の搬入・搬出側となるので、荷物は折り曲げ部側を頻繁に移動する。その場合、第2端部の上側縁がなめらかに湾曲する形状を有しているので、荷物の引っ掛かりを防止できる。
このラックでは、複数の渡し部材をネスティング状態で積み上げることができる。したがって、複数の渡し部材の保管及び運搬が容易になる。
このラックでは、渡し部材の係合部を第1水平部材及び第2水平部材の一方に引っ掛けた後に渡し部材を倒していく途中で、一対の側方部の係合部側の縁部が第1水平部材及び第2水平部材の一方に干渉しにくい。一対の側方部を第2水平方向に十分に長くして一対の側方部の縁部が第1水平部材及び第2水平部材の一方に接近した場合に、凹部によって上記の干渉が避けられるからである。
渡し部材は、載置部の第1端部において一対の引っ掛け部の間に設けられて上方に延びる荷物当接部を有していてもよい。
このラックでは、渡し部材の端部において、係合部と荷物当接部が設けられている。したがって、簡単な構造によって、渡し部材の係合部と荷物当接部とを実現できる。
この方法は、下記のステップを備えている。
◎渡し部材の載置部の第1端部に設けられた係合部を第1水平部材及び第2水平部材の一方に引っ掛ける引っ掛けステップ
◎渡し部材を水平状態になるように倒していくことで、載置部の第2端部に設けられた突起を第1水平部材及び第2水平部材の他方に形成された穴に挿入する挿入ステップ
◎渡し部材の載置部の第2端部の一部を第1水平部材及び第2水平部材の他方に対して折り曲げて係合させる折り曲げステップ
以上に述べたように、棚部を複数の渡し部材によって構成することで軽量化・小型化が実現され、それにより棚部の取付作業が容易になる。また、渡し部材は、金具を用いることなく、引っ掛けと折り曲げで容易に第1水平部材と第2水平部材に取付けることができる。以上より、フリーサイズの荷物を収容可能な自動倉庫のラックにおいて、棚部の取付作業が容易になる。
特に、突起を利用し、渡し部材の第2端部を位置決めできる。なお、突起は、渡し部材の製作時に同時に加工可能な部分であるので、突起を構成するための特別な部材は不要である。
(1)自動倉庫のラックの全体概要及び各構成の説明
図1を用いて、自動倉庫1を説明する。図1は、自動倉庫のラックの部分平面図である。
自動倉庫1は、フリーサイズの荷物を載置可能なラック3を有している。ラック3は、図上下方向に並んだ複数のラックユニット5を有している。各ラックユニット5は、図1に示すように、図左右方向に延びて配置されている。一対のラックユニット5の間には通路7が配置されている。
以下の説明では、図1の上下方向を前後方向(第2水平方向)として、図では矢印Xで表示する。また、図1の左右方向を左右方向(第1水平方向)として、図では矢印Yで表示)。また、通路7から前後方向の棚部10を前後方向に見て、手前側を前後方向前側とし、奥側を前後方向後側とする。
複数の第1支柱11は、通路7の前側において左右方向に並んでいる。
複数の第2支柱13は、複数の第1支柱11に対して前後方向に離れて配置され、通路7の後側において左右方向に並んでいる。第1支柱11と第2支柱13は前後方向に一対一で対応するように並べられている。
以下、ラックユニット5の各棚部10の構成を説明する。
ラックユニット5の棚部10は、大梁部材として、複数の第1水平部材15と、複数の第2水平部材17とを有している。第1水平部材15は、左右方向に水平に延び、複数の第1支柱11に支持される。第2水平部材17は、左右方向に水平に延び、複数の第2支柱13に支持される。第1水平部材15と第2水平部材17の高さは同じである。
図2及び図17に示すように、第1水平部材15は、断面視コの字型の管状部材であり、前後方向前側が開口している。第1水平部材15は、断面視において、上側部分15aと、下側部分15bと、連結部分15cとを有している。上側部分15aの開口側縁には、下方に延びる第1突起15dが設けられている。下側部分15bの開口側縁には、上方に延びる第2突起15eが設けられている。
ラックユニット5の棚部10は、小梁部材としての複数の前後渡し部材19を有している。前後渡し部材19は、左右方向に並べられており、第1水平部材15と第2水平部材17との間に前後方向に延びて架け渡される。このようにして、複数の前後渡し部材19によって、棚部10が構成されている。複数の前後渡し部材19は、左右方向に互いに当接しつつ、隙間34を空けた状態で配置されている。この隙間により、スプリンクラーの散水障害を防止できる。なお、1本の前後渡し部材19は1kg未満の軽量部材である。
載置部25は、図3及び図15に示すように、前後方向後側に第1端部25aを有している。第1端部25aは、第2水平部材17の上に置かれている。
載置部25は、図4及び図17に示すように、前後方向前側に第2端部25bを有している。第2端部25bは、第1水平部材15の上に置かれている。
具体的には、当て止め部33は、第1端部25aの両端から左右方向に延びている。当て止め部33は、先端側に向かって幅が広く延びる一対の三角形状部分である。当て止め部33は、第2水平部材17の上に置かれている。そして、図1及び図12に示すように、隣接する前後渡し部材19の当て止め部33の先端側頂点同士が互いに当接している。
なお、図4、図9、図7、及び図16では、第2部分29bは、折り曲げ前の状態を示しており、第1部分29aから連続して下方に延びている。
前後渡し部材19は、図5及び図7に示すように、載置部25の第2端部25bに設けられ下方に延びる突起31を有している。突起31は、例えば、バーリング加工により形成された穴の周りの突起である。突起31は、プレス加工時の絞り・成形加工で形成される突起であればよいので、ハーフパンチ加工により形成された突起であってもよい。第1水平部材15は、突起31が挿入される穴15fを有している。この場合、突起31を利用することで、前後渡し部材19の折り曲げ部29側の部分を位置決めできる。なお、突起31は、図16及び図17に示すように、前後渡し部材19の製作時に同時に加工可能な部分であるので、突起31を構成するための特別な部材は不要である。
上記の構造による効果は下記の通りである。前後渡し部材19の第2端部25b側が荷物Wの搬入・搬出側となるので、荷物Wは折り曲げ部29側を頻繁に移動する。その場合、第2端部25bの上側縁35がなめらかに湾曲する形状を有しているので、荷物Wの引っ掛かりを防止できる。より具体的には、上側縁35は、図4及び図5に示すように、一対の左右方向両側縁35a,35bと、前後方向前側縁35cとを有している。
なお、なめらかに湾曲する形状(R形状)の箇所は前記実施形態に限定されない。例えば、上記箇所は前記実施形態より長く形成されていてもよいし、短く形成されていてもよい。第2端部25bの上側縁35において断面が露出している部分のみが、なめらかに湾曲する形状(R形状)であってもよい。
前後渡し部材19は、図18に示すように、載置部25の側方から下方に延びる一対の側方部37を有している。一対の側方部37は、左右方向に互いに離れて開くように載置部25から延びている。この構造により、前後渡し部材19の剛性が高くなっている。具体的には、側方部37は、前後方向に見て、鉛直方向に対して角度θの角度を有している。上記の構造によって、図19に示すように、複数の前後渡し部材19を重ねながらネスティング状態で積み上げることができる。したがって、複数の前後渡し部材19をコンパクトに組み合わせることができ、そのため複数の前後渡し部材19の保管及び運搬が容易になる。
以上の構成により、図13のように前後渡し部材19の載置部25の第1端部25aを第2水平部材17に引っ掛けるときに、前後渡し部材19の傾斜角度を小さくできる。したがって、上下に並んだ棚部10の間隔が短い場合でも、前後渡し部材19を速やかに取り付けることができる。
前後渡し部材19を掛け渡すときには、最初に、係合部27を第2水平部材17に引っ掛ける。次に、前後渡し部材19を倒して水平状態にして、その状態で第2端部25bの一部を折り曲げて折り曲げ部29を構成することで第1水平部材15に係合させる。
以上に述べたように、棚部10を複数の前後渡し部材19によって構成することで軽量化・小型化が実現され、それにより棚部10の取付作業が容易になる。また、前後渡し部材19は、金具を用いることなく、引っ掛けと折り曲げで容易に第1水平部材15及び第2水平部材17に取り付けることができる。以上より、フリーサイズの荷物Wを収容可能な自動倉庫1のラック3において、棚部10の取付作業が容易になる。
最初に、前後渡し部材19の載置部25の第1端部25aに設けられた係合部27を、第2水平部材17に引っ掛ける(引っ掛けステップ)。具体的には、図13に示すように、第1端部25aが下になるように前後渡し部材19を斜めにして、引っ掛け部41を第2水平部材17の第1突起17dの前後方向後側からその下側の位置に移動させる。なお、上述の動作の時に、隣接する前後渡し部材19の当て止め部33に装着中の前後渡し部材19の当て止め部33を当接させることで、装着中の前後渡し部材19の第1端部25aの左右方向の位置決めが行われる。
上記の組み付け動作は、通路7から前後方向後側での動作であるが、前後渡し部材19の載置部25の第1端部25aの引っ掛けと当て止め部33同士の当接だけであるので、作業者は通路7から簡単に作業可能である。
さらに、前後渡し部材19の折り曲げ部29の第2部分29bを第1水平部材15に対して折り曲げて係合させる(折り曲げステップ)。具体的には、図17に示すように、折り曲げ部29が第1水平部材15の第1突起15dを下から抱え込むように配置される。これにより、前後渡し部材19の第2端部25bが第1水平部材15から上側に外れないようになる。
特に、突起31を利用し、前後渡し部材19の第2端部25bを位置決めできる。なお、突起31は、前後渡し部材19の製作時に同時に加工可能な部分であるので、突起31を構成するための特別な部材は不要である。
自動倉庫1(自動倉庫の一例)のラック3(ラックの一例)は、複数の第1支柱11(第1支柱の一例)と、複数の第2支柱13(第2支柱の一例)と、第1水平部材15(第1水平部材の一例)と、第2水平部材17(第2水平部材の一例)と、複数の前後渡し部材19(渡し部材の一例)と、を備えている。
複数の第1支柱11は、左右方向に並んでいる。複数の第2支柱13は、複数の第1支柱11に対して前後方向に離れて配置され、左右方向に並んでいる。第1水平部材15は、左右方向に延び、複数の第1支柱11に支持される。第2水平部材17は、左右方向に延び、複数の第2支柱13に支持される。複数の前後渡し部材19は、第1水平部材15と第2水平部材17との間に前後方向に延びて架け渡される。前後渡し部材19は、荷物Wが載置される載置部25(載置部の一例)と、載置部25の第1端部25aに設けられ第2水平部材17に引っ掛けられる係合部27(係合部の一例)と、載置部25の第2端部25bに設けられ第1水平部材15に対して折り曲げられた形状で係合する折り曲げ部29(折り曲げ部の一例)と、を有する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(1)係合部及び折り曲げ部の形状は前記実施形態の形状に限定されない。係合部及び折り曲げ部の寸法、形状、曲げ角度等は適宜変更可能である。
(2)当て止め部33の形状は前記実施形態に限定されない。また、前後渡し部材は当て止め部を有していなくてもよい。
(3)前後渡し部材19は突起31を有していなくてもよい。
3 :ラック
5 :ラックユニット
7 :通路
9 :スタッカクレーン
10 :棚部
11 :前側支柱
13 :後側支柱
15 :前側水平部材
15a :上側部分
15b :下側部分
15c :連結部分
15d :第1突起
15e :第2突起
15f :穴
17 :後側水平部材
17a :上側部分
17b :下側部分
17c :連結部分
17d :第1突起
17e :第2突起
17f :角部
19 :渡し部材
25 :載置部
25a :第1端部
25b :第2端部
27 :係合部
29 :折り曲げ部
29a :第1部分
29b :第2部分
31 :突起
33 :当て止め部
35 :上側縁
35a :左右方向両側縁
35b :左右方向両側縁
35c :前後方向前側縁
37 :側方部
37a :縁部
37b :凹部
41 :引っ掛け部
41a :第1部分
41b :第2部分
43 :荷物当接部
Claims (8)
- 自動倉庫のラックであって、
第1水平方向に並んだ複数の第1支柱と、
前記複数の第1支柱に対して前記第1水平方向に交差する第2水平方向に離れて配置され、前記第1水平方向に並んだ複数の第2支柱と、
前記第1水平方向に延び、前記複数の第1支柱に支持される第1水平部材と、
前記第1水平方向に延び、前記複数の第2支柱に支持される第2水平部材と、
前記第1水平部材と前記第2水平部材との間に前記第2水平方向に延びて架け渡される複数の渡し部材と、を備え、
前記渡し部材は、荷物が載置される載置部と、前記載置部の第1端部に設けられ前記第1水平部材及び前記第2水平部材の一方に引っ掛けられる係合部と、前記載置部の第2端部に設けられ前記第1水平部材及び前記第2水平部材の他方に対して折り曲げられて係合される折り曲げ部と、を有する、
自動倉庫のラック。 - 前記渡し部材は、前記載置部の前記第2端部に設けられ下方に延びる突起を有し、
前記第1水平部材及び前記第2水平部材の少なくとも一方は、前記突起が挿入される孔を有する、請求項1に記載の自動倉庫のラック。 - 前記渡し部材は、前記載置部より前記第1水平方向の幅が大きい当て止め部を有し、
前記複数の渡し部材の前記当て止め部同士が互いに当接することで前記渡し部材の前記第1水平方向の位置決めを行う、請求項1又は2に記載の自動倉庫のラック。 - 前記渡し部材の前記第2端部の上側縁が、滑らかに湾曲する形状を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の自動倉庫のラック。
- 前記渡し部材は、前記載置部の前記第1水平方向の縁部から下方に延びる一対の側方部を有し、
前記一対の側方部は、前記第1水平方向に互いに離れて開くように前記載置部から延びている、請求項1〜4のいずれかに記載の自動倉庫のラック。 - 前記一対の側方部の前記係合部側の縁部は、前記第2水平方向内側に凹んだ凹部を有している、請求項5に記載の自動倉庫のラック。
- 前記渡し部材の前記係合部は、前記載置部の前記第1端部において前記第1水平方向に離れて形成され下方に延びさらに前記第2水平方向内側に延びる一対の引っ掛け部であり、
前記渡し部材は、前記載置部の前記第1端部において前記一対の引っ掛け部の間に設けられて上方に延びる荷物当接部を有している、請求項1〜6のいずれかに記載の自動倉庫のラック。 - 第1水平方向に並んだ複数の第1支柱と、前記複数の第1支柱に対して前記第1水平方向に交差する第2水平方向に離れて配置され、前記第1水平方向に並んだ複数の第2支柱と、前記第1水平方向に延び前記複数の第1支柱に支持される第1水平部材と、前記第1水平方向に延び前記複数の第2支柱に支持される第2水平部材と、前記第1水平部材と前記第2水平部材との間で前記第2水平方向に延びて架け渡される複数の渡し部材と、を備えた自動倉庫のラックにおいて渡し部材を設置する方法であって、
前記渡し部材の載置部の第1端部に設けられた係合部を前記第1水平部材及び前記第2水平部材の一方に引っ掛ける引っ掛けステップと、
前記渡し部材を水平状態になるように倒していくことで、前記載置部の第2端部に設けられた突起を前記第1水平部材及び前記第2水平部材の他方に形成された穴に挿入する挿入ステップと、
前記渡し部材の前記載置部の第2端部の一部を前記第1水平部材及び前記第2水平部材の他方に対して折り曲げて係合させる折り曲げステップと、
を備えた、渡し部材を設置する方法。
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