JP6519556B2 - 2成分現像剤 - Google Patents

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Description

本発明は、トナーとキャリアとを含む2成分現像剤に関する。
特許文献1には、2成分現像剤において、キャリア粒子の樹脂被覆層に樹脂微粒子及び導電性微粒子を分散させる技術が開示されている。
特開平10−198078号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術だけでは、連続印刷において、補給かぶりを抑制しつつ、継続的に高画質の画像を形成し続けることができる2成分現像剤を提供することは困難である。詳しくは、特許文献1に記載される2成分現像剤が現像装置内で攪拌されると、トナー粒子の外添剤がトナー粒子から脱離して、脱離した外添剤が、キャリア粒子に付着し易い。現像装置内において、トナー粒子の外添剤がキャリア粒子に付着すると、キャリアの帯電付与性が変動して、トナーの帯電量が過剰になったり不十分になったりする。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、連続印刷において、補給かぶりを抑制しつつ、継続的に高画質の画像を形成し続けることができる2成分現像剤を提供することを目的とする。
本発明に係る2成分現像剤は、トナーとキャリアとを含む。前記トナーは、トナー母粒子と、それぞれ前記トナー母粒子の表面に付着した複数の第1樹脂粒子とを備えるトナー粒子を、複数含む。前記キャリアは、キャリア母粒子と、それぞれ前記キャリア母粒子の表面に付着した複数の第2樹脂粒子とを備えるキャリア粒子を、複数含む。前記第1樹脂粒子の、温度160℃かつ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後のブロッキング率は、目開き75μmのメッシュによる測定で30質量%未満である。前記第2樹脂粒子の、温度160℃かつ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後のブロッキング率は、目開き75μmのメッシュによる測定で30質量%以上である。
本発明によれば、連続印刷において、補給かぶりを抑制しつつ、継続的に高画質の画像を形成し続けることができる2成分現像剤を提供することが可能になる。
本発明の実施形態に係る2成分現像剤の構成を示す図である。
本発明の実施形態について説明する。なお、粉体(より具体的には、トナー母粒子、キャリア母粒子、外添剤、トナー、又はキャリア等)に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、粉体から平均的な粒子を相当数選び取って、それら平均的な粒子の各々について測定した値の個数平均である。
粉体の個数平均粒子径は、何ら規定していなければ、顕微鏡を用いて測定された1次粒子の円相当径(ヘイウッド径:粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)の個数平均値である。また、粉体の体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製「LA−750」)を用いて測定した値である。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。また、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。また、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを包括的に「(メタ)アクリロニトリル」と総称する場合がある。
本実施形態に係る2成分現像剤は、トナーとキャリアとを含む。トナー及びキャリアはそれぞれ、多数の粒子から構成される粉体である。トナーは、後述の構成を有するトナー粒子を、複数含む。キャリアは、後述の構成を有するキャリア粒子を、複数含む。本実施形態に係る2成分現像剤に含まれるトナーは、例えば正帯電性トナーとして用いることができる。正帯電性トナーは、キャリアとの摩擦により正に帯電する。
本実施形態に係る2成分現像剤は、例えば電子写真装置(画像形成装置)において画像の形成に用いることができる。以下、電子写真装置による画像形成方法の一例について説明する。
まず、電子写真装置の像形成部(帯電装置及び露光装置)が、画像データに基づいて感光体(例えば、感光体ドラムの表層部)に静電潜像を形成する。続けて、電子写真装置の現像装置(詳しくは、2成分現像剤がセットされた現像装置)が、2成分現像剤のうちトナーのみを感光体に供給して、感光体に形成された静電潜像を現像する。トナーは、感光体に供給される前に、現像装置内のキャリア又はブレードとの摩擦により帯電する。例えば、正帯電性トナーは正に帯電する。現像工程では、感光体の近傍に配置された現像スリーブ(例えば、現像装置内の現像ローラーの表層部)上のトナー(詳しくは、帯電したトナー)が感光体に供給され、供給されたトナーが感光体の静電潜像に付着することで、感光体上にトナー像が形成される。消費されたトナーは、補給用トナーを収容するトナーコンテナから現像装置へ補給される。
続く転写工程では、電子写真装置の転写装置が、感光体上のトナー像を中間転写体(例えば、転写ベルト)に転写した後、さらに中間転写体上のトナー像を記録媒体(例えば、紙)に転写する。その後、電子写真装置の定着装置(定着方式:加熱ローラー及び加圧ローラーによるニップ定着)がトナーを加熱及び加圧して、記録媒体にトナーを定着させる。その結果、記録媒体に画像が形成される。例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの4色のトナー像を重ね合わせることで、フルカラー画像を形成することができる。なお、転写方式は、感光体上のトナー像を、中間転写体を介さず、記録媒体に直接転写する直接転写方式であってもよい。また、定着方式は、ベルト定着方式であってもよい。
本実施形態に係る2成分現像剤は、次に示す構成(以下、基本構成と記載する)を有する。
(2成分現像剤の基本構成)
2成分現像剤が、トナーとキャリアとを含む。トナーは、トナー母粒子と、それぞれトナー母粒子の表面に付着した複数の樹脂粒子(以下、第1樹脂粒子と記載する)とを備えるトナー粒子を、複数含む。キャリアは、キャリア母粒子と、それぞれキャリア母粒子の表面に付着した複数の樹脂粒子(以下、第2樹脂粒子と記載する)とを備えるキャリア粒子を、複数含む。第1樹脂粒子の、温度160℃かつ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後のブロッキング率は、目開き75μmのメッシュによる測定で30質量%未満である。第2樹脂粒子の、温度160℃かつ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後のブロッキング率は、目開き75μmのメッシュによる測定で30質量%以上である。なお、ブロッキング率の測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はその代替方法である。
以下、上記基本構成で規定される樹脂粒子のブロッキング率を、測定条件等を省略して、単に樹脂粒子のブロッキング率と記載する場合がある。
一般的な画像形成装置では、感光体ドラム上に残ったトナーが、転写工程の後、感光体ドラム上の他の付着物と共に、クリーニングにより除去される。例えば、ブレードクリーニング方式では、クリーニングブレードのエッジ部で感光体ドラムの表面を擦ることにより、感光体ドラム上の付着物を掻き取って除去する。
トナー母粒子の表面に樹脂粒子(外添剤)を付着させることで、トナーの耐熱保存性を向上させることが可能になる。樹脂粒子をトナー粒子間でスペーサーとして機能させるためには、樹脂粒子の個数平均1次粒子径が50nm以上100nm以下であることが好ましい。しかし、トナー粒子の外添剤として樹脂粒子を使用する場合には、以下に示すような課題が生じ得ることを、発明者が見出した。そして、発明者は、こうした課題を解決すべく、前述の基本構成を有する2成分現像剤を発明した。
(第1の課題)
外添剤として樹脂粒子を備えるトナー粒子を連続印刷に使用した場合に、トナー粒子から樹脂粒子が脱離し、脱離した樹脂粒子が感光体ドラムの表面に付着することに、発明者は着眼した。ブレードクリーニング方式で感光体ドラムの表面をクリーニングする場合には、感光体ドラムの表面に存在する樹脂粒子が、感光体ドラムとクリーニングブレードとの間に挟まれて、摩擦により加熱及び加圧される。樹脂粒子が、加熱及び加圧により熱圧縮されて(詳しくは、塑性変形して)、感光体ドラムの表面に固着すると、高画質の画像を形成することが難しくなる。詳しくは、形成された画像中に、ダッシュマーク(感光体ドラムの表面に存在する固着物に起因した画像欠陥)が生じ易くなる。
上記基本構成において、樹脂粒子のブロッキング率は、熱圧縮され易さを示す。樹脂粒子のブロッキング率が大きいほど、その樹脂粒子は熱圧縮され易い傾向がある。特に、第1樹脂粒子(トナー粒子の外添剤)のブロッキング率が30質量%以上になると、ブレードクリーニングでその樹脂粒子が加熱及び加圧された場合に感光体汚染(感光体ドラムの表面に対する樹脂粒子の固着)が発生し易くなる傾向がある。第1樹脂粒子のブロッキング率を30質量%未満にするためには、非常に硬い樹脂粒子を作製する必要があると考えられる。発明者は、高純度の架橋剤を使用することで、第1樹脂粒子のブロッキング率を30質量%未満にすることに成功した。例えば、ジビニルベンゼンを架橋剤として使用する場合、一般的には、純度(質量分率)50%程度のジビニルベンゼンが使用されているが、純度(質量分率)80%のジビニルベンゼンを使用することで、第1樹脂粒子のブロッキング率を30質量%未満にすることに成功した。樹脂粒子のブロッキング率は、例えば樹脂合成時の架橋剤の添加量を変えることで調整できる。
(第2の課題)
一般的な画像形成装置において、2成分現像剤(トナー及びキャリア)は、現像装置内で攪拌されながら使用される。攪拌により、トナー粒子の外添剤がトナー粒子から脱離すると、脱離した外添剤が、キャリア粒子に付着することがある。現像装置内において、トナー粒子の外添剤がキャリア粒子に付着すると、キャリアの帯電付与性が変動して、トナーの帯電量が過剰になったり不十分になったりする傾向がある。
前述の基本構成を有する2成分現像剤では、第1樹脂粒子(トナー粒子の外添剤)のブロッキング率が30質量%未満である。こうした第1樹脂粒子は、トナー母粒子の表面に対する付着力が弱く、トナー粒子から脱離し易い傾向がある。しかし、前述の基本構成を有する2成分現像剤では、キャリア母粒子の表面に第2樹脂粒子(キャリア粒子の外添剤)が付着している。しかも、第2樹脂粒子のブロッキング率は30質量%以上である。こうした第2樹脂粒子は、キャリア母粒子の表面に対する付着力が強く、キャリア粒子から脱離しにくい傾向がある。キャリア母粒子の表面には、第2樹脂粒子が存在する。詳しくは、第2樹脂粒子がキャリア母粒子の表面に対して突出している。このため、トナー粒子から脱離した第1樹脂粒子が、キャリア母粒子の表面に付着しにくくなる。そして、現像装置内において、第1樹脂粒子(トナー粒子の外添剤)がトナー粒子からキャリア粒子へ移動しにくくなる。また、初めからキャリア母粒子の表面に第2樹脂粒子が存在するため、仮にトナー粒子からキャリア粒子への外添剤の移動が生じたとしても、キャリアの帯電付与性の変動は少ないと考えられる。このため、前述の基本構成を有する2成分現像剤では、トナーの帯電不良が生じにくい。こうした2成分現像剤を使用することで、連続印刷において、補給かぶり(現像装置内へ一気に大量のトナーを補給した時にトナーの帯電不良に起因して生じるかぶり)を抑制できる。
以上説明したように、前述の基本構成を有する2成分現像剤を使用することで、連続印刷において、感光体に対する異物の固着と、補給かぶりとを抑制しつつ、継続的に高画質の画像(詳しくは、ダッシュマークのない画像)を形成し続けることが可能になる。
連続印刷において、感光体に対する異物の固着と、補給かぶりとを抑制しつつ、継続的に高画質の画像を形成し続けるためには、前述の基本構成を有する2成分現像剤において、第1樹脂粒子の、温度160℃かつ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後のブロッキング率が、目開き75μmのメッシュによる測定で5質量%以上20質量%以下であり、第2樹脂粒子の、温度160℃かつ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後のブロッキング率が、目開き75μmのメッシュによる測定で50質量%以上90質量%以下であることが特に好ましい。第1樹脂粒子及び第2樹脂粒子を好適に機能させるためには、第1樹脂粒子の量が、トナー母粒子100質量部に対して0.50質量部以上3.0質量部以下であり、第2樹脂粒子の量が、キャリア母粒子100質量部に対して0.05質量部以上0.30質量部以下であることが好ましい。
トナー粒子からキャリア粒子への外添剤の移動が生じた場合において、キャリアの帯電付与性の変動を抑制するためには、第1樹脂粒子(トナー外添剤:トナー粒子の外添剤)と第2樹脂粒子(キャリア外添剤:キャリア粒子の外添剤)とが、同じ物性(又は、近い物性)を有することが好ましい。例えば、第1樹脂粒子の個数平均1次粒子径と第2樹脂粒子の個数平均1次粒子径との差は、絶対値で10nm以下であることが好ましい。また、第1樹脂粒子と第2樹脂粒子とが、互いに同種の樹脂で構成されることが好ましい。
例えば、第1樹脂粒子と第2樹脂粒子とがそれぞれ、架橋スチレン−アクリル酸系樹脂を含有することが好ましい。架橋スチレン−アクリル酸系樹脂は、帯電性に優れ、メラミン樹脂等と比べて、均一な形状及び寸法を有する微粒子を作製し易い。また、架橋スチレン−アクリル酸系樹脂は、良好な耐久性及び帯電安定性を有する。帯電安定性に関しては、特に高温高湿環境における帯電量の低下が抑制される。
架橋スチレン−アクリル酸系樹脂は、1種以上のスチレン系モノマーと1種以上のアクリル酸系モノマーと架橋剤との重合物である。架橋スチレン−アクリル酸系樹脂を合成するためには、例えば以下に示すような、スチレン系モノマー、アクリル酸系モノマー、及び架橋剤を好適に使用できる。
スチレン系モノマーの好適な例としては、スチレン、アルキルスチレン(より具体的には、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、又は4−tert−ブチルスチレン等)、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、又はp−クロロスチレンが挙げられる。
アクリル酸系モノマーの好適な例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの好適な例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、又は(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルの好適な例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、又は(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルが挙げられる。
架橋剤としては、2個以上の不飽和結合を有する化合物が好ましく、不飽和結合を有する官能基を2個以上有する単環化合物(より具体的には、ジビニルベンゼン等)、又は、それぞれ不飽和結合を有する官能基を有する2以上の1価カルボン酸と1つの多価アルコールとの縮合物(より具体的には、エチレングリコールジメタクリレート等)が特に好ましい。不飽和結合を有する官能基の例としては、ビニル基(CH2=CH−)、又はビニル基中の水素が置換された官能基が挙げられる。
2成分現像剤が前述の基本構成を有するためには、第1樹脂粒子が、エステル部に炭素数1以上4以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以下、第1(メタ)アクリル酸アルキルエステルと記載する)と、スチレン系モノマー(以下、第1スチレン系モノマーと記載する)と、2個以上の不飽和結合を有する架橋剤(以下、第1架橋剤と記載する)との重合物(以下、第1架橋スチレン−アクリル酸系樹脂と記載する)を含有し、第2樹脂粒子が、エステル部に炭素数1以上4以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以下、第2(メタ)アクリル酸アルキルエステルと記載する)と、スチレン系モノマー(以下、第2スチレン系モノマーと記載する)と、2個以上の不飽和結合を有する架橋剤(以下、第2架橋剤と記載する)との重合物(以下、第2架橋スチレン−アクリル酸系樹脂と記載する)を含有することが好ましい。
第1樹脂粒子と第2樹脂粒子との組合せの第1の好適な例では、第1樹脂粒子に含有される架橋スチレン−アクリル酸系樹脂と、第2樹脂粒子に含有される架橋スチレン−アクリル酸系樹脂とが、互いに同種のモノマー及び同種の架橋剤で構成され、かつ、互いに異なる架橋度を有する。例えば、前述の第1架橋スチレン−アクリル酸系樹脂と第2架橋スチレン−アクリル酸系樹脂との組合せにおいて、第1(メタ)アクリル酸アルキルエステルと第2(メタ)アクリル酸アルキルエステルとがそれぞれメタクリル酸ブチルであり、第1スチレン系モノマーと第2スチレン系モノマーとがそれぞれスチレンであり、第1架橋剤と第2架橋剤とが、それぞれジビニルベンゼンであるか、又は、それぞれエチレングリコールジメタクリレートであることが好ましい。こうした第1樹脂粒子と第2樹脂粒子とでは、架橋度の違いに基づき、第1樹脂粒子(トナー粒子の外添剤)のブロッキング率を相対的に低く、第2樹脂粒子(キャリア粒子の外添剤)のブロッキング率を相対的に高くすることが可能になる。なお、樹脂の架橋度(例えば、架橋密度)は、架橋剤の添加量に基づいて調整できる。
第1樹脂粒子と第2樹脂粒子との組合せの第2の好適な例では、第1樹脂粒子に含有される架橋スチレン−アクリル酸系樹脂と、第2樹脂粒子に含有される架橋スチレン−アクリル酸系樹脂とが、互いに異なる架橋剤で架橋されている。例えば、前述の第1架橋スチレン−アクリル酸系樹脂と第2架橋スチレン−アクリル酸系樹脂との組合せにおいて、第1架橋剤がジビニルベンゼンであり、第2架橋剤がエチレングリコールジメタクリレートであることが好ましい。こうした第1樹脂粒子と第2樹脂粒子とでは、架橋剤の違いに基づき、第1樹脂粒子(トナー粒子の外添剤)のブロッキング率を相対的に低く、第2樹脂粒子(キャリア粒子の外添剤)のブロッキング率を相対的に高くすることが可能になる。
キャリア母粒子の表面に第2樹脂粒子を適切に付着させるためには、キャリア母粒子が、キャリアコアと、キャリアコアの表面を覆うコート層とを備えることが好ましい。また、画像形成に適した2成分現像剤を得るためには、トナー母粒子の表面には、第1樹脂粒子に加えて無機粒子が付着しており、キャリア母粒子の表面には、無機粒子が外添されていないことが好ましい。トナー母粒子の表面に無機粒子を付着させることで、十分なトナーの流動性を確保し易くなる。また、トナー母粒子の表面に酸化チタン粒子を付着させることで、トナー粒子に研磨性を付与することも可能である。また、キャリア母粒子の表面には無機粒子が外添されていないことで、キャリアの帯電付与性の変動を抑制できる。なお、2成分現像剤の製造時におけるトナーとキャリアとの混合によりトナー粒子から脱離した無機粒子(トナー粒子の外添剤)がキャリア母粒子の表面に付着していることは、「キャリア母粒子の表面に無機粒子が外添されている」に該当しない。2成分現像剤において、トナー粒子から脱離した無機粒子は、キャリア母粒子とは一体化(結合)せず、容易にキャリア母粒子から離れる状態でキャリア母粒子の表面に存在すると考えられる。「キャリア母粒子の表面に無機粒子が外添されている」とは、少なくとも静止状態(ストレスが付与されていない状態)において無機粒子がキャリア母粒子と一体化(結合)して、キャリア母粒子の表面に安定して無機粒子が保持されている状態を意味する。
外添剤は、内添剤とは異なり、母粒子の内部には存在せず、母粒子の表面のみに選択的に存在する。外添工程においては、例えば、母粒子(粉体)と外添剤(粉体)とを一緒に攪拌することで、母粒子の表面に外添剤粒子を付着させることができる。攪拌により、外添剤粒子が母粒子と一体化して、母粒子の表面に安定して外添剤粒子が保持される。母粒子と外添剤粒子とは、互いに化学反応せず、化学的ではなく物理的に結合する。母粒子と外添剤粒子との結合の強さは、混合条件(より具体的には、混合時間、及び攪拌の回転速度等)、外添剤粒子の粒子径、外添剤粒子の形状、外添剤粒子の硬さ、及び外添剤粒子の表面状態などによって調整できる。外添剤粒子の脱離を抑制するためには、外添剤粒子が母粒子の表面に強く結合していることが好ましい。埋め込みによる機械的結合で、母粒子の表面に外添剤粒子を固定してもよい。例えば、粒子径の大きい外添剤粒子などについては、母粒子と外添剤とを強く攪拌することで、外添剤粒子の一部(底部)を母粒子の表層部に埋め込み、母粒子の表面に外添剤粒子を固定することができる。ただし、外添剤粒子の粒子径が大き過ぎると、母粒子の表面に外添剤粒子を固定することが難しくなる。また、外添剤粒子によってトナー又はキャリアの流動性を向上させるためには、外添剤粒子が母粒子の表面に弱く結合していること(例えば、粒子径の小さい球状の外添剤粒子が回転可能な状態で母粒子の表面に付着していること)が好ましい。トナー又はキャリアの流動性を向上させるための外添剤粒子(例えば、シリカ粒子)は、主にファンデルワールス力又は静電気力によって母粒子の表面に付着していることが好ましい。
以下、図1を参照して、前述の基本構成を有する2成分現像剤の一例について説明する。
図1に示される2成分現像剤は、トナー(トナー粒子10の粉体)とキャリア(キャリア粒子20の粉体)とを含む。トナーは、トナー母粒子11と複数の第1樹脂粒子13aと複数の無機粒子13b(例えば、シリカ粒子)とを備えるトナー粒子10を、複数含む。複数の第1樹脂粒子13aと複数の無機粒子13bとはそれぞれ、トナー母粒子11の表面に付着している。キャリアは、キャリア母粒子(キャリアコア21及びコート層22)と複数の第2樹脂粒子23とを備えるキャリア粒子20を、複数含む。キャリア母粒子は、キャリアコア21と、キャリアコア21の表面を覆うコート層22とを備える。コート層22は、キャリアコア21の表面全域を覆っていてもよいし、キャリアコア21の表面領域を部分的に覆っていてもよい。ただし、十分なキャリアの帯電付与性及び耐久性を確保するためには、コート層22がキャリアコア21の表面全域を完全に(被覆面積率100%で)覆っていることが好ましい。複数の第2樹脂粒子23はそれぞれ、キャリア母粒子の表面に付着している。第1樹脂粒子13aの、温度160℃かつ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後のブロッキング率は、目開き75μmのメッシュによる測定で30質量%未満である。第2樹脂粒子23の、温度160℃かつ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後のブロッキング率は、目開き75μmのメッシュによる測定で30質量%以上である。
トナーに含まれるトナー粒子は、トナー母粒子がシェル層を備えないトナー粒子(以下、非カプセルトナー粒子と記載する)であってもよいし、トナー母粒子がシェル層を備えるトナー粒子(以下、カプセルトナー粒子と記載する)であってもよい。非カプセルトナー粒子のトナー母粒子(トナーコア)の表面にシェル層を形成することで、カプセルトナー粒子を製造することができる。シェル層は、実質的に熱硬化性樹脂のみからなってもよいし、実質的に熱可塑性樹脂のみからなってもよいし、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との両方を含有してもよい。
非カプセルトナー粒子は、例えば粉砕法又は凝集法により作製できる。これらの方法は、非カプセルトナー粒子の結着樹脂中に内添剤を良好に分散させ易い。
粉砕法の一例では、まず、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤を混合する。続けて、得られた混合物を、溶融混練装置(例えば、1軸又は2軸の押出機)を用いて溶融混練する。続けて、得られた溶融混練物を粉砕し、得られた粉砕物を分級する。これにより、トナー母粒子が得られる。粉砕法を用いた場合には、凝集法を用いた場合よりも容易にトナー母粒子を作製できることが多い。
凝集法の一例では、まず、結着樹脂、離型剤、電荷制御剤、及び着色剤の各々の微粒子を含む水性媒体中で、これらの微粒子を所望の粒子径になるまで凝集させる。これにより、結着樹脂、離型剤、電荷制御剤、及び着色剤を含む凝集粒子が形成される。続けて、得られた凝集粒子を加熱して、凝集粒子に含まれる成分を合一化させる。これにより、所望の粒子径を有するトナー母粒子が得られる。
カプセルトナー粒子を製造する場合、シェル層の形成方法は任意である。例えば、in−situ重合法、液中硬化被膜法、及びコアセルベーション法のいずれかの方法を用いて、シェル層を形成してもよい。
次に、非カプセルトナー粒子及びキャリア粒子の各々の構成の好適な例について説明する。なお、カプセルトナー粒子では、以下に示される非カプセルトナー粒子におけるトナー母粒子をトナーコアとして使用してもよい。
[トナー母粒子]
トナー母粒子は、結着樹脂を含有する。また、トナー母粒子は、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉)を含有してもよい。
(結着樹脂)
トナー母粒子では、一般的に、成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナー母粒子の全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。
結着樹脂の好適な例としては、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体又はメタクリル酸エステル重合体等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、又はウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂等)を使用してもよい。
トナーの耐熱保存性及び低温定着性の両立を図るためには、トナー母粒子が、ポリエステル樹脂及びスチレン−アクリル酸系樹脂の少なくとも一方を含有することが好ましく、ポリエステル樹脂を含有することが特に好ましい。
ポリエステル樹脂は、1種以上の多価アルコール(より具体的には、以下に示すような、脂肪族ジオール類、ビスフェノール類、又は3価以上のアルコール等)と1種以上の多価カルボン酸(より具体的には、以下に示すような2価カルボン酸又は3価以上のカルボン酸等)とを縮重合させることで得られる。また、ポリエステル樹脂は、他のモノマー(多価アルコール及び多価カルボン酸のいずれでもないモノマー)に由来する繰返し単位を含んでいてもよい。
脂肪族ジオール類の好適な例としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、α,ω−アルカンジオール(より具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、又は1,12−ドデカンジオール等)、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
ビスフェノール類の好適な例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、又はビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物が挙げられる。
3価以上のアルコールの好適な例としては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
2価カルボン酸の好適な例としては、芳香族ジカルボン酸(より具体的には、フタル酸、テレフタル酸、又はイソフタル酸等)、α,ω−アルカンジカルボン酸(より具体的には、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、又は1,10−デカンジカルボン酸等)、アルキルコハク酸(より具体的には、n−ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、又はイソドデシルコハク酸等)、アルケニルコハク酸(より具体的には、n−ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、又はイソドデセニルコハク酸等)、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、又はシクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。
3価以上のカルボン酸の好適な例としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、又はエンポール三量体酸が挙げられる。
(着色剤)
トナー母粒子は、着色剤を含有してもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。画像形成に適したトナーを得るためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
トナー母粒子は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含有していてもよい。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、又は194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、又はC.I.バットイエローを好適に使用できる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、又は254)を好適に使用できる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、又は66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、又はC.I.アシッドブルーを好適に使用できる。
(離型剤)
トナー母粒子は、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましい。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素ワックス;酸化ポリエチレンワックス又はそのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスのような植物性ワックス;みつろう、ラノリン、又は鯨ろうのような動物性ワックス;オゾケライト、セレシン、又はペトロラタムのような鉱物ワックス;モンタン酸エステルワックス又はカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような、脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスを好適に使用できる。1種類の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
(電荷制御剤)
トナー母粒子は、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤(より具体的には、ピリジン、ニグロシン、又は4級アンモニウム塩等)を含有させることで、トナー母粒子のカチオン性を強めることができる。ただし、トナーにおいて十分な帯電性が確保される場合には、トナー母粒子に電荷制御剤を含有させる必要はない。
(磁性粉)
トナー母粒子は、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、又はこれら金属の1種以上を含む合金等)、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、又は二酸化クロム等)、又は強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)を好適に使用できる。磁性粉からの金属イオン(例えば、鉄イオン)の溶出を抑制するためには、表面処理された磁性粒子を磁性粉として使用することが好ましい。1種類の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
[トナー外添剤]
前述の基本構成を有する2成分現像剤では、トナー母粒子の表面にトナー外添剤(詳しくは、複数の外添剤粒子を含む粉体)が付着している。トナー粒子は、トナー外添剤として、複数の第1樹脂粒子を備える。例えば、トナー母粒子(粉体)と外添剤(粉体)とを一緒に攪拌することで、外添剤粒子(例えば、第1樹脂粒子)の一部(底部)がトナー母粒子の表層部に埋め込まれ、物理的な力でトナー母粒子の表面に外添剤粒子が付着(物理的結合)する。
第1樹脂粒子(トナー外添剤)としては、架橋スチレン系樹脂、架橋アクリル酸系樹脂、架橋スチレン−アクリル酸系樹脂、架橋ポリエステル樹脂、架橋ウレタン樹脂、架橋ポリアクリルアミド樹脂、及び架橋ポリアクリロニトリル樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含有する樹脂粒子が好ましく、架橋スチレン−アクリル酸系樹脂を含有する樹脂粒子が特に好ましい。
トナー母粒子の表面には、第1樹脂粒子に加えて無機粒子が付着していてもよい。無機粒子(トナー外添剤)としては、シリカ粒子、又は金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、又はチタン酸バリウム等)の粒子が好ましく、シリカ粒子及び酸化チタン粒子からなる群より選択される1種以上の粒子が特に好ましい。
外添剤粒子は、表面処理されていてもよい。例えば、外添剤粒子としてシリカ粒子を使用する場合、表面処理剤によりシリカ粒子の表面に疎水性及び/又は正帯電性が付与されていてもよい。表面処理剤としては、例えば、カップリング剤(より具体的には、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、又はアルミネートカップリング剤等)、又はシリコーンオイル(より具体的には、ジメチルシリコーンオイル等)を好適に使用できる。シランカップリング剤として、シラン化合物(より具体的には、メチルトリメトキシシラン、又はアミノシラン等)を使用してもよいし、シラザン化合物(より具体的には、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)等)を使用してもよい。シリカ基体(未処理のシリカ粒子)の表面が表面処理剤で処理されると、シリカ基体の表面に存在する多数の水酸基(−OH)が部分的に又は全体的に、表面処理剤に由来する官能基に置換される。その結果、表面処理剤に由来する官能基(詳しくは、水酸基よりも疎水性及び/又は正帯電性の強い官能基)を表面に有するシリカ粒子が得られる。例えば、アミノ基を有するシランカップリング剤を用いてシリカ基体の表面を処理した場合、シランカップリング剤の水酸基(例えば、水分によりシランカップリング剤のアルコキシ基が加水分解されて生成する水酸基)がシリカ基体の表面に存在する水酸基と脱水縮合反応(「A(シリカ基体)−OH」+「B(カップリング剤)−OH」→「A−O−B」+H2O)する。こうした反応により、アミノ基を有するシランカップリング剤とシリカとが化学結合することで、シリカ粒子の表面にアミノ基が付与される。より詳しくは、シリカ基体の表面に存在する水酸基が、端部にアミノ基を有する官能基(より具体的には、−O−Si−(CH23−NH2等)に置換される。アミノ基が付与されたシリカ粒子は、シリカ基体(未処理のシリカ粒子)よりも強い正帯電性を有する傾向がある。また、アルキル基を有するシランカップリング剤を用いた場合には、上記脱水縮合反応により、シリカ基体の表面に存在する水酸基を、端部にアルキル基を有する官能基(より具体的には、−O−Si−CH3等)に置換することができる。このように、親水性基(水酸基)の代わりに疎水性基(アルキル基)が付与されたシリカ粒子は、シリカ基体(未処理のシリカ粒子)よりも強い疎水性を有する傾向がある。
[キャリア母粒子]
キャリア母粒子は、コート層を備えないキャリア母粒子(例えば、フェライトキャリア粒子)であってもよいし、コート層を備えるキャリア母粒子(以下、被覆キャリア粒子と記載する)であってもよい。2成分現像剤を用いて長期にわたって高画質の画像を形成するためには、被覆キャリア粒子を使用することが好ましい。被覆キャリア粒子は、キャリアコアと、キャリアコアの表面を覆うコート層とを備える。十分なキャリアの帯電付与性及び耐久性を確保するためには、コート層が、キャリアコアの表面領域のうち、90%以上の面積を覆っていることが好ましく、100%の面積を覆っていることが特に好ましい。
以下、被覆キャリア粒子の好適な例について説明する。なお、下記構成を有するキャリアコアを、コート層で覆わずに、そのままキャリア母粒子として使用してもよい。
(キャリアコア)
キャリアコアは、磁性材料を含有することが好ましい。キャリアコアが磁性材料の粒子であってもよいし、キャリアコアの結着樹脂中に磁性材料の粒子を分散させてもよい。キャリアコアに含有される磁性材料としては、例えば、マグネタイト、バリウムフェライト、マグヘマイト、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、Mn−Mgフェライト、Ca−Mgフェライト、Liフェライト、又はCu−Znフェライトのような酸化鉄が好ましい。個々のキャリアコアの材料として、1種類の磁性材料を単独で使用してもよいし、2種以上の磁性材料を併用してもよい。キャリアコアとしては、市販品を使用してもよい。また、磁性材料を粉砕及び焼成してキャリアコアを自作してもよい。キャリアコアの作製において、磁性材料の添加量(特に、強磁性材料の割合)を変えることで、キャリアの飽和磁化を調整することができる。また、キャリアコアの作製において、焼成温度を変えることで、キャリアの円形度を調整することができる。
(コート層)
コート層は、キャリアコアを被覆するように、キャリアコアの表面に形成される。コート層は、実質的に樹脂から構成される。コート層を構成する樹脂中に添加剤が分散していてもよい。コート層の形成方法の例としては、樹脂(又は、樹脂の材料)を含む液にキャリアコアを浸漬する方法、又は、樹脂(又は、樹脂の材料)を含む液を流動層中のキャリアコアに噴霧する方法が挙げられる。
コート層を構成する樹脂としては、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、及びポリイミド樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂が好ましい。また、キャリア母粒子の付着性(付着し易さ)を低下させるためには、コート層が、ポリアミドイミド樹脂(PAI)及びポリイミド樹脂(PI)からなる群より選択される1種以上の樹脂と、フッ素樹脂とを含有することが特に好ましい。コート層に含有されるフッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリトリフルオロエチレン(より具体的には、ポリクロロトリフルオロエチレン等)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)からなる群より選択される1種以上の樹脂が好ましく、FEP又はPFAが特に好ましい。
[キャリア外添剤]
前述の基本構成を有する2成分現像剤では、キャリア母粒子の表面に外添剤(詳しくは、複数の外添剤粒子を含む粉体)が付着している。キャリア粒子は、キャリア外添剤として、複数の第2樹脂粒子を備える。例えば、キャリア母粒子(粉体)と外添剤(粉体)とを一緒に攪拌することで、外添剤粒子(例えば、第2樹脂粒子)の一部(底部)がキャリア母粒子の表層部に埋め込まれ、物理的な力でキャリア母粒子の表面に外添剤粒子が付着(物理的結合)する。
第2樹脂粒子(キャリア外添剤)としては、架橋スチレン系樹脂、架橋アクリル酸系樹脂、架橋スチレン−アクリル酸系樹脂、架橋ポリエステル樹脂、架橋ウレタン樹脂、架橋ポリアクリルアミド樹脂、及び架橋ポリアクリロニトリル樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含有する樹脂粒子が好ましく、架橋スチレン−アクリル酸系樹脂を含有する樹脂粒子が特に好ましい。
本発明の実施例について説明する。表1に、実施例又は比較例に係る現像剤DA−1〜DA−5及びDB−1〜DB−5(それぞれ静電潜像現像用の2成分現像剤)を示す。また、表2には、表1に示される各現像剤の製造に用いられる外添剤(樹脂粒子S−1〜S−6)を示す。
Figure 0006519556
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表2中、樹脂原料を示す項目の意味は、下記のとおりである。
(モノマー)
BMA:メタクリル酸n−ブチル
MMA:メタクリル酸メチル
S:スチレン
(架橋剤)
DVB:ジビニルベンゼン
EGDMA:エチレングリコールジメタクリレート
以下、現像剤DA−1〜DA−5及びDB−1〜DB−5の製造方法、評価方法、及び評価結果について、順に説明する。なお、誤差が生じる評価においては、誤差が十分小さくなる相当数の測定値を得て、得られた測定値の算術平均を評価値とした。
[材料の準備]
(樹脂粒子S−1〜S−6の調製)
攪拌装置、冷却管、温度計、及び窒素導入管を備えた容量1Lの4つ口フラスコ内に、イオン交換水600gと、乳化剤(DBS:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)6gと、開始剤(BPO:過酸化ベンゾイル)15gと、表2に示す種類及び量の樹脂原料とを入れた。例えば、樹脂粒子S−1の調製では、樹脂原料として、メタクリル酸n−ブチル(BMA)100gと、スチレン(S)95gと、ジビニルベンゼン(DVB)5gとを入れた。また、樹脂粒子S−5の調製では、樹脂原料として、メタクリル酸メチル(MMA)100gと、スチレン(S)95gと、ジビニルベンゼン(DVB)5gとを入れた。また、樹脂粒子S−6の調製では、樹脂原料として、メタクリル酸n−ブチル(BMA)60gと、スチレン(S)60gと、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)80gとを入れた。なお、樹脂粒子S−1〜S−5の各々の調製において、架橋剤として使用したジビニルベンゼン(DVB)の純度(質量分率)は80%であった。樹脂粒子S−6の調製において、架橋剤として使用したエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)の純度(質量分率)は97%であった。
続けて、フラスコ内容物を攪拌しながら、フラスコ内に窒素ガスを導入して、フラスコ内を窒素雰囲気にした。さらに、フラスコ内容物を攪拌しながら、窒素雰囲気でフラスコ内容物の温度を90℃に上昇させて、窒素雰囲気かつ温度90℃の条件でフラスコ内容物を3時間反応(詳しくは、重合反応)させた。その結果、個数平均1次粒子径90nmの反応生成物を含むエマルションが得られた。続けて、得られたエマルションを冷却し、洗浄工程及び脱水工程を経て、樹脂粒子S−1〜S−6(それぞれ粉体)を得た。樹脂粒子S−1〜S−6はそれぞれ、実質的に架橋スチレン−アクリル酸系樹脂から構成されていた。樹脂粒子S−1〜S−6の各々の個数平均1次粒子径は、表2中の「粒子径」に示すとおりであった。樹脂粒子の個数平均1次粒子径の測定には、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた。
[トナーの製造]
(トナー母粒子の準備)
トナー母粒子として、非カプセルトナー粒子(結着樹脂:ポリエステル樹脂、離型剤:エステルワックス(日油株式会社製「ニッサンエレクトール(登録商標)WEP−3」)、着色剤:カーボンブラック(三菱化学株式会社製「MA100」)、電荷制御剤:4級アンモニウム塩(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)P−51」)、体積中位径(D50):7.0μm)を準備した。
(トナーの外添)
多目的小型混合粉砕機(日本コークス工業株式会社製「マルチパーパスミキサ」、羽根回転速度(最大):10000rpm)を用いて、上記のように準備したトナー母粒子100質量部と、シリカ粒子(表面処理:メチルハイドロジェンポリシロキサン(信越化学工業株式会社製「KF−99P」)及び3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製「KBE−903」)、個数平均1次粒子径:16nm、BET比表面積:約130m2/g)2質量部と、表1中の「第1樹脂粒子」に示す外添剤(各現像剤に定められた、樹脂粒子S−1〜S−4及びS−6のいずれか)1質量部とを、10分間混合した。例えば、現像剤DA−1用トナーの製造では、外添剤として、上記シリカ粒子に加えて樹脂粒子S−4を使用した。また、現像剤DA−2用トナーの製造では、外添剤として、上記シリカ粒子に加えて樹脂粒子S−3を使用した。また、現像剤DB−5用トナーの製造では、外添剤として上記シリカ粒子のみを使用した。
上記のようにして得られた各トナーに関して、樹脂粒子(外添剤)のブロッキング率(詳しくは、温度160℃かつ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後、目開き75μmのメッシュにより測定されるブロッキング率)の測定結果は、表1に示すとおりであった。例えば、現像剤DA−1用トナーにおける樹脂粒子(外添剤)のブロッキング率は14%であった。ブロッキング率の測定方法は、次に示すとおりであった。なお、現像剤DB−5用トナーは、外添剤として樹脂粒子を備えていないため、測定対象から外した。
<ブロッキング率の測定方法>
市販の合成洗剤(濃度7質量%アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム水溶液:花王株式会社製「マイペット(登録商標)」)を水で10倍に希釈して、界面活性剤水溶液を調製し、その界面活性剤水溶液500mL中に、測定対象(トナー)10gを分散させて、トナー分散液を得た。
続けて、得られたトナー分散液に、超音波分散機(超音波工業株式会社製「ウルトラソニックミニウェルダーP128」、出力:100W、発振周波数:28kHz)を用いて超音波処理を施し、トナー母粒子と外添剤(シリカ粒子及び樹脂粒子)とを分離させた。樹脂粒子(外添剤)は、前述の樹脂粒子S−1〜S−4及びS−6のいずれかであった。
続けて、超音波処理されたトナー分散液を、定性ろ紙(ワットマン社製「Whatman(登録商標)グレード3」、粒子保持能:6μm)を用いて吸引濾過した。その後、イオン交換水を加えるリスラリーを行った後、上記定性ろ紙による吸引濾過を再度行って、トナー粒子から分離した外添剤(シリカ粒子及び樹脂粒子)を含む濾液(詳しくは、白濁液)を得た。続けて、得られた濾液に、遠心分離機を用いて回転速度3000rpmで1分間の遠心分離処理を施し、外添剤のうち、樹脂粒子よりも重い(密度が大きい)シリカ粒子を沈降させた。その後、樹脂粒子(外添剤)を含む上澄み液を回収して、加圧濾過によりウェットケーキ状の樹脂粒子を得た。続けて、得られたウェットケーキ状の樹脂粒子を真空乾燥させた。上記のような分離操作を、トナー粒子から分離した樹脂粒子(詳しくは、乾燥した樹脂粒子)の回収量が10mgになるまで繰り返して、トナー分離粒子(トナー粒子から分離した樹脂粒子)10mgを得た。
測定用治具として、円柱状の穴(直径:10mm、深さ:10mm)が形成された台(材質:SUS304)と、円柱状の圧子(直径:10mm、材質:SUS304)と、ヒーターとを備える装置(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製)を使用した。なお、SUS304は、ニッケル含有率8質量%、クロム含有率18質量%の鉄−クロム−ニッケル合金(オーステナイトステンレス鋼)である。
温度23℃及び湿度50%RHの環境下において、治具の穴(測定部位)に、前述の手順で得たトナー分離粒子(トナー粒子から分離した樹脂粒子)10mgを投入した。治具のヒーターで測定部位を160℃に加熱し、治具の圧子(荷重:約100N)で測定部位(樹脂粒子)に0.1kgf/mm2の圧力を5分間加えた。その後、測定部位(穴の中)にある樹脂粒子を全量回収し、質量既知の目開き75μmの篩(JIS Z8801−1で規定される200メッシュ)上にセットした。そして、樹脂粒子を含む篩の質量を測定し、篩上の樹脂粒子の質量(吸引前の樹脂粒子の質量)を求めた。
続けて、吸引機(アマノ株式会社製「V−3SDR」)を用いて、篩の下方から篩上の樹脂粒子を吸引した。この吸引により、篩上の樹脂粒子のうちブロッキングしていない樹脂粒子のみが篩を通過した。吸引後、篩を通過しなかった樹脂粒子(篩上に残留した樹脂粒子)の質量を測定した。そして、吸引前の樹脂粒子の質量と、吸引後の樹脂粒子の質量(篩を通過しなかった樹脂粒子の質量)とに基づいて、次の式に従ってブロッキング率(単位:質量%)を求めた。
ブロッキング率=100×吸引後の樹脂粒子の質量/吸引前の樹脂粒子の質量
[キャリアの製造]
(キャリア母粒子の準備)
キャリア母粒子として、被覆キャリア粒子(キャリアコア:Mn−Mg−Srフェライトコア(パウダーテック株式会社製「EF−50」)、コート層:シリコーン重合体(東レダウコーニング株式会社製)、体積中位径(D50):50μm)を準備した。なお、現像剤DB−5用キャリアの製造では、次に示す「キャリアの外添」を行わず、準備されたキャリア母粒子(粉体)を、そのまま現像剤DB−5用キャリアとして使用した。
(キャリアの外添)
多目的小型混合粉砕機(日本コークス工業株式会社製「マルチパーパスミキサ」、羽根回転速度(最大):10000rpm)を用いて、上記のように準備したキャリア母粒子100質量部と、表1中の「第2樹脂粒子」に示す外添剤(各現像剤に定められた、樹脂粒子S−1〜S−5のいずれか)0.1質量部とを、5分間混合した。例えば、現像剤DA−1用キャリアの製造では、外添剤として樹脂粒子S−1を使用した。また、現像剤DA−3用キャリアの製造では、外添剤として樹脂粒子S−2を使用した。
[2成分現像剤の調製]
前述の手順で製造したトナー(表1に示されるように、各現像剤に定められたトナー)10質量部と、前述の手順で製造したキャリア(表1に示されるように、各現像剤に定められたキャリア)100質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、現像剤DA−1〜DA−5及びDB−1〜DB−5(それぞれ2成分現像剤)を得た。
[評価方法]
各試料(現像剤DA−1〜DA−5及びDB−1〜DB−5)の評価方法は、以下の通りである。
(耐ダッシュマーク性、耐補給かぶり性)
評価機として、複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa5550ci」)を用いた。試料(評価対象:現像剤DA−1〜DA−5及びDB−1〜DB−5のいずれか)を評価機の現像装置に投入し、試料(現像剤)に対応するトナー(補給用トナー)を評価機のトナーコンテナに投入した。
温度24℃かつ湿度60%RHの環境下において、上記評価機を用いて、印字率5%で10万枚の紙(A4サイズの普通紙)に連続印刷を行う第1耐刷試験を行った。第1耐刷試験中、1000枚印刷するごとに、形成された画像を目視で観察し、ダッシュマークの有無を確認した。そして、ダッシュマークが確認された場合には、ダッシュマークが確認された時点での累積印刷枚数を、その試料(現像剤)の評価値とした。10万枚の第1耐刷試験においてダッシュマークが確認されなければ◎(非常に良い)と評価し、ダッシュマークが確認された時点での累積印刷枚数が8万枚以上であれば○(良い)と評価し、ダッシュマークが確認された時点での累積印刷枚数が8万枚未満であれば×(悪い)と評価した。
また、第1耐刷試験後、温度24℃かつ湿度60%RHの環境下において、上記評価機を用いて、1000枚の紙(A4サイズの印刷用紙)に連続して白紙印刷を行い、さらに続けて、印字率20%で100枚の紙(A4サイズの普通紙)に連続印刷を行う第2耐刷試験を行った。第2耐刷試験中、印刷された100枚の紙の各々について、かぶり濃度(FD)を測定した。そして、100個の測定値のうち最も大きい値を、その試料(トナー)の評価値(かぶり濃度)とした。かぶり濃度(FD)の測定には、全自動白色度計(有限会社東京電色製「TC−6MC」)を用いた。かぶり濃度(FD)が0.010以下であれば○(良い)と評価し、かぶり濃度(FD)が0.010を超えていれば×(良くない)と評価した。なお、かぶり濃度(FD)は、印刷後の評価用紙の空白部の反射濃度からベースペーパー(未印刷紙)の反射濃度を引いた値に相当する。
[評価結果]
現像剤DA−1〜DA−5及びDB−1〜DB−5の各々について、耐ダッシュマーク性(ダッシュマークの有無、又はダッシュマークが確認された時点での累積印刷枚数)、及び耐補給かぶり性(かぶり濃度)を評価した結果を、表3に示す。
Figure 0006519556
現像剤DA−1〜DA−5(実施例1〜5に係る2成分現像剤)はそれぞれ、前述の基本構成を有していた。詳しくは、現像剤DA−1〜DA−5ではそれぞれ、トナーが、トナー母粒子と、それぞれトナー母粒子の表面に付着した複数の第1樹脂粒子とを備えるトナー粒子を、複数含んでいた。また、キャリアが、キャリア母粒子と、それぞれキャリア母粒子の表面に付着した複数の第2樹脂粒子とを備えるキャリア粒子を、複数含んでいた。第1樹脂粒子の、温度160℃かつ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後のブロッキング率は、目開き75μmのメッシュによる測定で30質量%未満であった(表1参照)。第2樹脂粒子の、温度160℃かつ圧力0.1kgf/mm2での5分間加圧後のブロッキング率は、目開き75μmのメッシュによる測定で30質量%以上であった(表1参照)。
表3に示されるように、現像剤DA−1〜DA−5はそれぞれ、連続印刷において、補給かぶりを抑制しつつ、継続的に高画質の画像を形成し続けることができた。
本発明に係る2成分現像剤は、例えば複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。
10 トナー粒子
11 トナー母粒子
13a 第1樹脂粒子
13b 無機粒子
20 キャリア粒子
21 キャリアコア
22 コート層
23 第2樹脂粒子

Claims (9)

  1. トナーとキャリアとを含む2成分現像剤であって、
    前記トナーは、トナー母粒子と、それぞれ前記トナー母粒子の表面に付着した複数の第1樹脂粒子とを備えるトナー粒子を、複数含み、
    前記キャリアは、キャリア母粒子と、それぞれ前記キャリア母粒子の表面に付着した複数の第2樹脂粒子とを備えるキャリア粒子を、複数含み、
    前記第1樹脂粒子の、温度160℃かつ圧力0.1kgf/mmでの5分間加圧後のブロッキング率は、目開き75μmのメッシュによる測定で5質量%以上20質量%以下であり、
    前記第2樹脂粒子の、温度160℃かつ圧力0.1kgf/mmでの5分間加圧後のブロッキング率は、目開き75μmのメッシュによる測定で50質量%以上90質量%以下である、2成分現像剤。
  2. 前記第1樹脂粒子及び前記第2樹脂粒子はそれぞれ、架橋スチレン−アクリル酸系樹脂を含有する、請求項1に記載の2成分現像剤。
  3. 前記第1樹脂粒子に含有される前記架橋スチレン−アクリル酸系樹脂は、エステル部に炭素数1以上4以下のアルキル基を有する第1(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、第1スチレン系モノマーと、2個以上の不飽和結合を有する第1架橋剤との重合物であり、
    前記第2樹脂粒子に含有される前記架橋スチレン−アクリル酸系樹脂は、エステル部に炭素数1以上4以下のアルキル基を有する第2(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、第2スチレン系モノマーと、2個以上の不飽和結合を有する第2架橋剤との重合物である、請求項に記載の2成分現像剤。
  4. 前記第1樹脂粒子に含有される前記架橋スチレン−アクリル酸系樹脂と、前記第2樹脂粒子に含有される前記架橋スチレン−アクリル酸系樹脂とは、互いに同種のモノマー及び同種の架橋剤で構成され、かつ、互いに異なる架橋度を有する、請求項又はに記載の2成分現像剤。
  5. 前記第1(メタ)アクリル酸アルキルエステルと前記第2(メタ)アクリル酸アルキルエステルとはそれぞれ、メタクリル酸ブチルであり、
    前記第1スチレン系モノマーと前記第2スチレン系モノマーとはそれぞれ、スチレンであり、
    前記第1架橋剤と前記第2架橋剤とは、それぞれジビニルベンゼンであるか、又は、それぞれエチレングリコールジメタクリレートである、請求項に記載の2成分現像剤。
  6. 前記第1樹脂粒子に含有される前記架橋スチレン−アクリル酸系樹脂と、前記第2樹脂粒子に含有される前記架橋スチレン−アクリル酸系樹脂とは、互いに異なる架橋剤で架橋されている、請求項又はに記載の2成分現像剤。
  7. 前記第1架橋剤はジビニルベンゼンであり、
    前記第2架橋剤はエチレングリコールジメタクリレートである、請求項に記載の2成分現像剤。
  8. 前記キャリア母粒子は、キャリアコアと、前記キャリアコアの表面を覆うコート層とを備える、請求項1〜のいずれか一項に記載の2成分現像剤。
  9. 前記トナー母粒子の表面には、前記第1樹脂粒子に加えて、無機粒子が付着しており、
    前記キャリア母粒子の表面には、無機粒子が外添されていない、請求項1〜のいずれか一項に記載の2成分現像剤。
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