JP6519365B2 - 接合体、接合体の製造方法、冷却システム、及び情報処理装置 - Google Patents

接合体、接合体の製造方法、冷却システム、及び情報処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、接合体、接合体の製造方法、冷却システム、及び情報処理装置に関する。
情報処理装置の冷却システムでは、システムボード上のCPU(Central Processing Unit)などで生じた熱を、CPU上に配備したクーリングプレートを通じて循環される冷媒によって、ラジエータまで輸送して、そこで放熱する。そうすることにより、CPUの発熱を抑制する。
クーリングプレートは、例えば、ベース部、フィン部、カバー部、隣接するクーリングプレート間を接続するための配管部などを有する。これらのうち、ベース部やフィン部は、銅のような熱伝導率の高い金属部材にすることが必要である。一方、それら以外のカバー部、及び配管部は、材料特性として熱伝導性が求められないので、カバー部、及び配管部を樹脂部材に置き換えることができれば、クーリングプレートの軽量化、ひいては情報処理装置の軽量化に大いに貢献する。
金属部材であるベース部と樹脂部材であるカバー部とを接合する方法として、例えば、Oリングを介して接合部の外周部をネジやボルトで機械的に締結する方法がある。しかし、この方法では、締結のために複数のネジが必要であるため、軽量化の効果が低く、また部品点数が増える。
ネジやボルトを使わないで金属部材と樹脂部材とを接合する方法として、金属部材である銅の表面処理によって、銅表面に凹凸を形成させたあとに樹脂部材をインサート成形する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法では、インサート成形という特定の成形方法が必要であり、汎用性に欠ける。
また、金属部品と樹脂部品との双方に反応する化合物を、金属部品と樹脂部品との間に付与し、熱圧着を行って化学結合により部品同士を密着させる技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この提案の技術では、プリント配線板のような回路部材の金属配線と、絶縁樹脂との接合には使用できるが、クーリングブレードのような、耐圧性が要求される場合には、その耐久性が不十分であるという問題がある。
特開2011−79330号公報 特開2007−016105号公報
本発明は、軽量でありかつ耐久性に優れる接合体、及び前記接合体の製造方法、並びに前記接合体を用い軽量化された冷却システム、及び情報処理装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、後述する付記に記載した通りである。即ち、
1つの態様では、接合体は、銅製の銅部材と、樹脂製の樹脂部材と、前記銅部材及び前記樹脂部材の間に接合部とを有する接合体であって、
前記接合部が、前記銅部材側から、トリアジンチオールに由来する化学構造と、前記樹脂よりも流動性が高い第二の樹脂とをこの順で有し、
前記銅部材と、前記樹脂部材との接合強度が、0.32MPa以上である。
また、1つの態様では、接合体の製造方法は、
銅製の銅部材に、トリアジンチオールを塗布して、前記銅部材を表面処理する工程と、
樹脂製の樹脂部材上に、前記樹脂よりも流動性が高い第二の樹脂を配して、前記樹脂部材を表面処理する工程と、
表面処理がされた前記銅部材の面と、表面処理がされた前記樹脂部材の面とを、熱圧着する工程とを含む。
また、1つの態様では、冷却システムは、電子機器を冷却する冷却部品を有する冷却システムであって、
前記冷却部品が、銅製の銅部材と、樹脂製の樹脂部材と、前記銅部材及び前記樹脂部材の間に接合部とを有し、
前記接合部が、前記銅部材側から、トリアジンチオールに由来する化学構造と、前記樹脂部材よりも流動性が高い第二の樹脂とをこの順で有し、
前記銅部材と、前記樹脂部材との接合強度が、0.32MPa以上である。
また、1つの態様では、情報処理装置は、電子機器と、前記電子機器を冷却する冷却部品とを有する情報処理装置であって、
前記冷却部品が、銅製の銅部材と、樹脂製の樹脂部材と、前記銅部材及び前記樹脂部材の間に接合部とを有し、
前記接合部が、前記銅部材側から、トリアジンチオールに由来する化学構造と、前記樹脂部材よりも流動性が高い第二の樹脂とをこの順で有し、
前記銅部材と、前記樹脂部材との接合強度が、0.32MPa以上である。
開示の接合体によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、軽量でありかつ耐久性に優れる接合体を提供できる。
開示の接合体の製造方法によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、軽量でありかつ耐久性に優れる接合体を提供できる。
開示の冷却システムによると、軽量化された冷却システムを提供できる。
開示の情報処理装置によると、軽量化された情報処理装置を提供できる。
図1は、接合強度の測定方法を説明するための図である。 図2Aは、接合体の製造方法の一例を説明するための概略図である(その1)。 図2Bは、接合体の製造方法の一例を説明するための概略図である(その2)。 図2Cは、接合体の製造方法の一例を説明するための概略図である(その3)。 図2Dは、接合体の製造方法の一例を説明するための概略図である(その4)。 図2Eは、接合体の製造方法の一例を説明するための概略図である(その5)。 図3Aは、接合体の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その1)。 図3Bは、接合体の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その2)。 図3Cは、接合体の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その3)。 図3Dは、接合体の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その4)。 図3Eは、接合体の製造方法の他の一例を説明するための概略図である(その5)。 図4Aは、銅部材の一例の平面図である。 図4Bは、図4AのA−A断面図である。 図4Cは、図4A及び図4Bの銅部材を有する冷却部品の断面図である。 図5は、冷却部品の他の一例の断面図である。 図6Aは、銅部材の他の一例の平面図である。 図6Bは、図6AのA−A断面図である。 図6Cは、図6A及び図6Bの銅部材を有する冷却部品の断面図である。 図7は、情報処理装置の一例の概略図である。 図8は、表面粗化処理後の銅部材のSEM写真である。
(接合体)
開示の接合体は、銅部材と、樹脂部材と、接合部とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記接合体は、例えば、電子機器を冷却する冷却部品である。前記冷却部品は、例えば、情報処理装置の冷却システムに使用される。前記冷却部品は、クーリングプレートと称されることがある。
前記接合体が、例えば、冷却部品の場合、前記冷却部品は、前記銅部材と前記樹脂部材との間に、冷媒が流通する流路を有する。
<銅部材>
前記銅部材としては、銅製の部材であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記銅部材の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<樹脂部材>
前記樹脂部材としては、樹脂製の部材であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記樹脂部材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンスルフィドなどが挙げられる。
前記接合体は、後述するように、例えば、熱圧着により製造される場合があるため、前記樹脂部材の材質は、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
前記樹脂部材は、表面に水酸基、カルボキシル基などの官能基を有することが、前記接合部との接着性の点で好ましい。前記官能基は、例えば、前記樹脂部材を表面処理(後述する官能基付与処理)することにより、前記樹脂部材の表面に付与される。
<接合部>
前記接合部は、前記銅部材及び前記樹脂部材の間に形成される。
前記接合部は、前記銅部材及び前記樹脂部材に接し、前記接合体の耐久性を向上させる。
前記接合部は、前記銅部材側から、トリアジンチオールに由来する化学構造と、前記樹脂よりも流動性が高い第二の樹脂とをこの順で有する。そうすることにより、前記接合体の耐久性を向上させることができる。
前記接合部は、例えば、前記トリアジンチオールに由来する化学構造を含有する第一の接合層と、前記第二の樹脂を含有する第二の接合層とを有する。
以下では、前記第一の接合層、及び前記第二の接合層の説明を通じて、前記トリアジンチオールに由来する化学構造、及び前記第二の樹脂を説明する。
<<第一の接合層>>
前記第一の接合層は、前記トリアジンチオールに由来する化学構造を含有する。
前記銅部材表面が、酸化銅を有する場合、前記第一の接合層は、前記酸化銅表面に、シランカップリング剤に由来する化学構造を有することが好ましい。
−トリアジンチオールに由来する化学構造−
前記トリアジンチオールに由来する化学構造は、例えば、以下の一般式(1)で表される。
ただし、前記一般式(1)中、Xは、NR、及びSのいずれかを表す(Rは、水素原子、及び炭素数1〜10の炭化水素基のいずれかを表す)。Sの少なくとも1つは、前記銅部材の銅と結合し、残りは、前記銅以外と結合している。
例えば、XがSの場合、2つのSは、前記銅部材の銅と結合し、1つの硫黄(S)は、直接又は他の成分を介して第二の樹脂と結合している。
前記炭素数1〜10の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基などが挙げられる。
前記トリアジンチオールに由来する化学構造は、例えば、トリアジンチオールを用いて得られる。前記トリアジンチオールとしては、例えば、下記一般式(2)で表される化合物などが挙げられる。
ただし、前記一般式(2)中、Xは、NR、及びSAのいずれかを表す(Rは、それぞれ独立して、水素原子、及び炭素数1〜10の炭化水素基のいずれかを表す)。Aは、水素原子、及びアルカリ金属のいずれかを表す。
前記アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。
前記一般式(2)で表される化合物がアルカリ金属塩の場合、前記アルカリ金属塩としては、例えば、モノアルカリ金属塩、ジアルカリ金属塩、トリアルカリ金属塩などが挙げられる。
前記トリアジンチオールとしては、例えば、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジンモノナトリウム塩などが挙げられる。
−シランカップリング剤に由来する化学構造−
前記銅部材表面が、酸化銅を有する場合、前記第一の接合層は、前記酸化銅表面に、シランカップリング剤に由来する化学構造を有することが好ましい。
前記接合体に使用される前記銅部材の表面は、部分的に酸化し、酸化銅を形成している場合がある。前記トリアジンチオールは、銅への接着性に優れる一方で、酸化銅への接着性には乏しい。一方、前記シランカップリング剤は、酸化銅に対する接着性に優れる。そのため、前記第一の接合層が、前記酸化銅表面に、シランカップリング剤に由来する化学構造を有することで、前記接合体の耐久性がより優れる。
−−シランカップリング剤−−
前記シランカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(3)で表される化合物などが挙げられる。
ただし、前記一般式(3)中、Rは、炭素数1〜3のアルキル基を表し、Rは、アミノ基、メルカプト基、グリシジル基、グリシドキシ基、脂環式エポキシ基、イミダゾール基、イソシアネート基、ウレイド基、ビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、スチリル基、及び置換アミノ基のいずれかを表し、mは、0〜5の整数を表し、nは、1〜2の整数を表す。
前記一般式(3)の前記Rにおける炭素数1〜3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基などが挙げられる。これらの中でも、立体障害の点で、メチル基、エチル基が好ましい。
前記一般式(3)におけるRO基の数(4−n)としては、3が好ましい。
そのため、前記一般式(3)の前記nは、1が好ましい。
前記一般式(3)における前記mとしては、立体障害による反応性、及び水溶性の点で、2又は3が好ましい。中でも、前記一般式(3)における−(CH−は、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基が好ましい。
前記Rにおける脂環式エポキシ基としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシル基などが挙げられる。
前記Rにおける置換アミノ基の置換基としては、例えば、アルキル基、フェニル基、1,3−ジメチル−ブチリデン基、アミノアルキル基、置換アミノアルキル基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基などが挙げられる。前記アミノアルキル基としては、例えば、アミノメチル基、アミノエチル基などが挙げられる。前記置換アミノアルキル基における置換基としては、例えば、ビニルベンジル基などが挙げられる。
前記一般式(3)で表される化合物としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、3−ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリアルコキシシランなどが挙げられる。
これらにおけるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(3)で表される化合物は市販品であってもよい。前記市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製のシランカップリング剤などが挙げられる。
前記シランカップリング剤に由来する化学構造としては、例えば、下記一般式(4)で表される部分構造などが挙げられる。例えば、前記一般式(4)で表される部分構造は、前記一般式(3)で表される化合物から得られる。
ただし、前記一般式(4)中、R21は、反応性官能基に由来する化学構造を表す。mは、0〜5の整数を表す。pは、1以上の整数を表す。
前記R21は、例えば、アミノ基、メルカプト基、グリシジル基、グリシドキシ基、脂環式エポキシ基、イミダゾール基、イソシアネート基、ウレイド基、ビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、スチリル基、及び置換アミノ基のいずれかの反応性官能基に由来する化学構造である。
<<第二の接合層>>
前記第二の接合層は、第二の樹脂を含有する。
−第二の樹脂−
前記第二の樹脂は、前記樹脂部材の前記樹脂よりも流動性が高い。そのため、前記接合体が、前記第二の樹脂を有さない場合(即ち、前記接合部が、トリアジンチオールに由来する構造を有するが、前記第二の樹脂を有さない場合)と比べて、前記接合体の耐久性を向上できる。
ここで、流動性が高いとは、言い換えれば、より低温で軟化することを意味する。即ち、前記第二の樹脂は、前記樹脂部材の前記樹脂よりも低温で軟化する。
流動性が高いかどうかは、例えば、軟化点を測定することにより判断できる。
前記第二の樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1分子中に1個以上の水酸基を有し、その主鎖が飽和もしくは部分的に飽和したものがよい。そのような樹脂としては、例えば、水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、ポリヒドロキシポリオレフィンなどが挙げられる。
前記第二の樹脂の分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、数平均分子量が1,000〜50,000が好ましい。前記数平均分子量は、例えば、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定できる。
前記第二の接合層の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記接合体の耐久性がより優れる点から、1μm〜2mmが好ましく、10μm〜500μmがより好ましい。
<接合強度>
前記接合体において、前記銅部材と、前記樹脂部材との接合強度は、0.32MPa以上である。前記接合強度の上限としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.48MPaなどが挙げられる。
なお、前記接合強度は、負荷曲線から求めた最大負荷を接合面積で割った値である。前記接合面積とは、前記銅部材と、前記樹脂部材との接合面である前記接合部の面積である。
前記接合体において、前記接合強度を測定する方法としては、例えば、測定サンプルを作製し、その測定サンプルの接合強度を測定する、以下の方法が挙げられる。
銅部材として、50mm×25mm×1.5mm厚みの板材を用意する。
樹脂部材として、25mm×25mm×2mm厚みに成形した板材を用意する。
そして、前記接合体を製造する際の方法と同様の方法により、接合体を製造する。その際、銅部材と、樹脂部材との接合面である前記接合部の面積は、312.5mm(=25mm×12.5mm)とする。
図1に示す装置を用いて、接合強度を測定する。測定装置には、Instron社製の5848 Micro Testerを用いる。具体的には、接合面において銅部材1が上側、樹脂部材2が下側となるように、固定具12に銅部材1を固定する。接合面の端部から、5mmの樹脂部材2の上面に圧子11を押し当て、押し下げ速度1mm/secで圧子11を押し下げる。接合強度(MPa)は、押し当て時の負荷曲線から求めた最大負荷を接合面積で割った値として評価する。
(接合体の製造方法)
開示の接合体の製造方法は、銅部材表面処理工程と、樹脂部材表面処理工程と、熱圧着工程とを有し、更に必要に応じて、表面粗化処理工程などのその他の工程を有する。
開示の接合体の製造方法は、開示の前記接合体を製造する方法である。
<銅部材表面処理工程>
前記銅部材表面処理工程は、銅製の銅部材に、トリアジンチオールを塗布して、前記銅部材を表面処理する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記トリアジンチオールとしては、例えば、前記接合体の説明において例示した前記トリアジンチオールが挙げられる。
前記トリアジンチオールを前記銅部材に塗布する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬法、スプレー法、スピンコート法、ベーパー法などが挙げられる。
前記トリアジンチオールを塗布する際、前記トリアジンチオールは、無希釈で用いてもよいし、溶媒(例えば、水)で希釈して用いてもよい。
前記銅部材表面処理工程においては、トリアジンチオールを塗布した後に、更にシランカップリング剤を塗布する処理を行うことが好ましい。
前記接合体に使用される前記銅部材の表面は、部分的に酸化し、酸化銅を形成している場合がある。前記トリアジンチオールは、銅への接着性に優れる一方で、酸化銅への接着性には乏しい。一方、前記シランカップリング剤は、酸化銅に対する接着性に優れる。そのため、前記第一の接合層が、前記酸化銅表面に、シランカップリング剤に由来する化学構造を有することで、前記接合体の耐久性がより優れる。
前記シランカップリング剤としては、例えば、前記接合体の説明において例示した前記シランカップリング剤が挙げられる。
前記シランカップリング剤を塗布する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬法、スプレー法、スピンコート法、ベーパー法などが挙げられる。
前記シランカップリング剤を塗布する際、前記シランカップリング剤は、無希釈で用いてもよいし、溶媒(例えば、水)で希釈して用いてもよい。
前記銅部材表面処理工程においては、トリアジンチオールを塗布した後に、又は更にシランカップリング剤を塗布する場合は、シランカップリング剤を塗布した後に、加熱を行うことが好ましい。
前記加熱の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、70℃〜150℃が好ましく、90℃〜130℃がより好ましい。
前記加熱の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5分間〜120分間が好ましく、10分間〜60分間がより好ましい。
前記銅部材表面処理工程において、前記トリアジンチオールが塗布される前記銅部材の面は、前記樹脂部材との熱圧着が行われる際に前記樹脂部材と接する面のみであってもよい。
<樹脂部材表面処理工程>
前記樹脂部材表面処理工程としては、樹脂製の樹脂部材上に、前記樹脂よりも流動性が高い第二の樹脂を配して、前記樹脂部材を表面処理する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記第二の樹脂としては、前記樹脂よりも流動性が高い樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記接合体の説明において例示した、前記第二の樹脂などが挙げられる。
前記第二の樹脂を、前記樹脂部材上に配する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第二の樹脂を溶解又は分散した液を、前記樹脂部材上に塗布する方法などが挙げられる。
前記塗布の方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、スピンコート法、ベーパー法などが挙げられる。
前記塗布の後には、乾燥を行うことが好ましい。
前記乾燥の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80℃〜120℃が好ましい。
前記乾燥の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間〜120分間が好ましい。
前記樹脂部材表面処理工程においては、前記樹脂部材上に前記第二の樹脂を配する前に、前記樹脂部材の表面に官能基を付与する官能基付与処理を行うことが好ましい。
前記官能基付与処理としては、例えば、UVオゾン処理、酸素プラズマ処理、アルカリ洗浄、コロナ放電処理、煮沸処理などが挙げられる。UVオゾン処理、酸素プラズマ処理、アルカリ洗浄、煮沸処理などを行うことにより、前記樹脂部材の表面に水酸基を付与できる。また、UVオゾン処理、酸素プラズマ処理、コロナ放電処理などを行うことにより、前記樹脂部材の表面にカルボキシル基を付与できる。
前記官能基付与処理を行うことにより、前記樹脂部材と前記第二の樹脂との密着性を向上できる。
<熱圧着工程>
前記熱圧着工程としては、表面処理がされた前記銅部材の面と、表面処理がされた前記樹脂部材の面とを、熱圧着する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記熱圧着の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100℃〜300℃が挙げられる。
前記熱圧着の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1MPa〜3MPaが挙げられる。
前記熱圧着の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、30秒間〜120秒間が挙げられる。
前記熱圧着工程は、前記接合体の耐久性を高める点で、温度が100℃〜300℃、圧力が0.1MPa〜3MPa、時間が30秒間〜120秒間で行われることが好ましい。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面粗化処理工程などが挙げられる。
<<表面粗化処理工程>>
前記表面粗化処理工程は、前記銅部材表面処理工程の前に、前記銅部材の表面を粗化する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、化学的処理方法、物理的処理方法などが挙げられる。前記化学的処理方法としては、例えば、塩化第二銅液、塩化第二鉄液、硫酸過酸化水素水液などの処理液を前記銅部材の表面に塗布して、前記銅部材の表面を粗化する方法が挙げられる。
前記銅部材の表面を粗化することで、前記銅部材と前記樹脂部材との接合強度をより大きくし、更には前記接合体の耐久性をより優れたものとすることができる。
前記表面粗化処理工程においては、前記トリアジンチオールが塗布される前記銅部材の面以外は表面粗化が行われないようにマスキングをしておくことが好ましい。
ここで、前記接合体の製造方法について、その一例を、図を用いて説明する。
図2A〜図2Eは、接合体の製造方法の一例を説明するための概略図である。この例では、銅部材を表面処理する際にトリアジンチオールを用いているが、シランカップリング剤は用いていない。
まず、銅製の銅部材1を用意する(図2A)。
次に、銅部材1上に、トリアジンチオールを塗布する。ここで、加熱をすることにより、トリアジンチオールの硫黄(S)が、銅と結合する(図2B)。
次に、樹脂製の樹脂部材2を用意する(図2C)。
次に、樹脂部材2上に、第二の樹脂を配する(図2D)。
次に、銅部材1のトリアジンチオールが塗布された側(第一の接合層3が形成された側)と、樹脂部材2の第二の樹脂が配された側(第二の接合層4が形成された側)とを、対向させ、熱圧着させる。そうすると、トリアジンチオールと、第二の樹脂とが結合して接合部5が形成され、耐久性に優れた接合体が得られる(図2E)。
続いて、前記接合体の製造方法について、他の一例を、図を用いて説明する。
図3A〜図3Eは、接合体の製造方法の一例を説明するための概略図である。この例では、銅部材を表面処理する際にトリアジンチオールとシランカップリング剤とを用いている。
まず、銅製の銅部材1を用意する(図3A)。銅部材1の表面の一部は自然に酸化され、酸化銅1Aが形成されている。
次に、銅部材1上に、トリアジンチオールを塗布し、更にシランカップリング剤(ここでは、3−アミノプロピルトリエトキシシラン)を塗布する。そうすると、銅部材1の表面には、トリアジンチオールが配置され、酸化銅1Aの表面には、シランカップリング剤が配置される。そして、加熱をすることにより、トリアジンチオールの硫黄(S)が、銅と結合する。更に、シランカップリング剤が、酸化銅と結合する。更には、トリアジンチオールと、シランカップリング剤とが反応する。また、シランカップリング剤は、縮合していることもある(図3B)。
次に、樹脂製の樹脂部材2を用意する(図3C)。
次に、樹脂部材2上に、第二の樹脂を配する(図3D)。
次に、銅部材1のトリアジンチオール及びシランカップリング剤が塗布された側(第一の接合層3が形成された側)と、樹脂部材2の第二の樹脂が配された側(第二の接合層4が形成された側)とを、対向させ、熱圧着させる。そうすると、シランカップリング剤と、第二の樹脂とが結合して接合部5が形成され、耐久性に優れた接合体が得られる(図3E)。なお、図示してはいないが、トリアジンチオールが第二の樹脂と結合している場合もある。
(冷却システム)
開示の冷却システムは、電子機器を冷却する冷却部品を少なくとも有し、更に必要に応じて、配管などのその他の部品を有する。
<冷却部品>
前記冷却部品は、開示の前記接合体である。
前記冷却部品は、例えば、前記銅部材と前記樹脂部材との間に、冷媒が流通する流路を有する。
前記流路へは、前記冷却部品に接続された前記配管を介して、冷媒が導入される。
前記冷媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水などが挙げられる。水には、銅の腐食を防止する腐食防止剤を添加することが好ましい。前記腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。前記腐食防止剤の濃度としては、50ppm〜150ppmが好ましい。
ここで、冷却部品の一例を図を用いて説明する。
図4A〜図4Cは、冷却部品の一例を説明するための概略図である。
図4Aは、銅部材1の平面図である。図4Bは、図4AのA−A断面図である。銅部材1には、流路となる溝1Bが形成されている。溝1Bは、銅部材1の一方から他方へ伸びており、一方の端部及び他方の端部では一本であるが、途中では多数本に枝分かれしている。
図4Cは、図4A及び図4Bの銅部材1を有する冷却部品の断面図である。樹脂部材2は平板状であり、銅部材1上に溝1Bを覆うように配されている。銅部材1と樹脂部材2との接合面には、図示しない接合部が形成されている。
図5は、冷却部品の他の一例の断面図である。図4Cの断面図とは異なり、樹脂部材2にも銅部材1と同じ形状の溝が形成されている。ただし、図4Cの形状の方が、冷却効率の点で優れる。
図6A〜図6Cは、冷却部品の他の一例を説明するための概略図である。
図6Aは、銅部材1の平面図である。図6Bは、図6AのA−A断面図である。銅部材1には、流路となる溝1Bが形成されている。溝1Bは、銅部材1の一方から他方へ伸びており、溝1Bは、一方から他方に渡って1本で形成されている。
図6Cは、図6A及び図6Bの銅部材1を有する冷却部品の断面図である。樹脂部材2は平板状であり、銅部材1上に溝1Bを覆うように配されている。銅部材1と樹脂部材2との接合面には、図示しない接合部が形成されている。
<その他の部品>
前記その他の部品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、配管などが挙げられる。
<<配管>>
前記配管は、前記冷却部品に接続され、前記冷却部品に冷媒を導入、又は前記冷却部品から冷媒を排出するための管である。
(情報処理装置)
開示の情報処理装置は、電子機器と、冷却部品とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部品を有する。
<電子機器>
前記電子機器としては、例えば、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、メモリモジュール、ハードディスク装置等を搭載したシステムボードなどが挙げられる。
<冷却部品>
前記冷却部品は、開示の前記接合体である。
前記冷却部品は、前記電子機器を冷却する。
前記冷却部品は、例えば、前記銅部材と前記樹脂部材との間に、冷媒が流通する流路を有する。
前記冷却部品は、前記銅部材が前記電子機器に接して配される。
<その他の部品>
前記その他の部品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、配管、ラック、冷媒循環器などが挙げられる。
<<配管>>
前記配管は、前記冷却部品に接続され、前記冷却部品に冷媒を導入、又は前記冷却部品から冷媒を排出するための管である。
<<ラック>>
前記ラックは、例えば、その表面に前記電子機器を配置することで、前記電子機器を支持する。
<<冷媒循環器>>
前記冷却循環器としては、前記冷却部品に冷却された冷媒を供給する部品であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱交換器と、ポンプとを備える。
図7は、情報処理装置の概略図であり、システムボード52はラック51に複数台多段に配置され、このようなラック51が多数設置されている。クーリングプレートユニット53はラック配管541,542とホース551,552を介してカプラ531,532,553,554により接続され、冷却水が供給される。また、一方のラック配管541には冷却水供給用配管561が接続され、他方のラック配管542には冷却水排出用配管562が接続される。なお、ここでは構造が分かりやすいように、カプラ531,532,553,554は非接続の状態で示しているが、実際には雄型のカプラ531,553と雌型のカプラ532,554とが互いに対向して接続している。
このとき温度調整された冷却水が各クーリングプレートユニット53に供給されるようにホース551,552とラック配管541,542は並列に接続されている。
以下、開示の技術の実施例について説明するが、開示の技術は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
銅部材として、水冷フィンの付いた銅製のベースプレートを用いた。
樹脂部材として、カバー形状に成形したポリプロピレン樹脂(FP994:ダイセルポリマー製)を用いた。
<表面粗化処理>
銅部材における樹脂部材との接合面以外をマスキングテープによって保護した。
次に、銅部材の接合面の表面粗化処理を行った。表面粗化処理は、メック株式会社製のアマルファA−10201M薬液の中に銅部材を5分間浸漬させて行った。次に、水洗、アルカリ洗浄(5質量% NaOH、20秒浸漬)、水洗、中和処理(5質量% HSO、20秒浸漬)、及び水洗をこの順で行った。
図8に、表面粗化処理後の銅部材の断面SEM写真を示す。銅部材1の表面が粗くなっていることが確認できる。
<銅表面処理>
次に、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジンモノナトリウム塩(サンチオールN−1:三協化成株式会社製)0.1mol/L水溶液に、銅部材を5分間浸漬させた。
次に、シランカップリング剤として0.05mol/Lの3−アミノプロピルトリエトキシシラン(KBE903:信越化学工業株式会社製)水溶液に銅部材を浸漬させた。その後、100℃で、30分間加熱した。
<樹脂表面処理>
樹脂部材における銅部材との接合面に、酸素プラズマ処理(200W,80Pa)を1分間行った。
次に、ポリヒドロキシポリオレフィン(ポリテール:三菱化学株式会社製)が濃度5質量%になるようエタノールに分散させた分散液を、前記樹脂部材における前記銅部材との接合面に塗布して100℃で1時間乾燥した。
なお、ポリヒドロキシポリオレフィン(ポリテール:三菱化学株式会社製)は、ポリプロピレン樹脂(FP994:ダイセルポリマー製)よりも流動性が高い。
<熱圧着>
表面処理をした銅部材の表面処理面と、表面処理をした樹脂部材の表面処理面とを、熱圧着(ホットプレス)をすることによって一体化してクーリングプレートを得た。熱圧着は、熱圧着温度170℃、圧力0.5MPa、熱圧着時間60秒で行った。
(実施例2)
樹脂部材をポリフェニレンスルフィド樹脂(1140A1:ポリプラスチック株式会社製)に代えた以外は、実施例1と同様にして、クーリングプレートを作製した。
なお、ポリヒドロキシポリオレフィン(ポリテール:三菱化学株式会社製)は、ポポリフェニレンスルフィド樹脂(1140A1:ポリプラスチック株式会社製)よりも流動性が高い。
(比較例1)
銅部材として、実施例1で用いたのと同じ、水冷フィンの付いた銅製のベースプレートを用いた。
樹脂部材として、実施例1で用いたのと同じ、カバー形状に成形したポリプロピレン樹脂(FP994:ダイセルポリマー製)を用いた。
<表面粗化処理>
実施例1と同様にして、表面粗化処理を行った。具体的には以下のように行った。
銅部材における樹脂部材との接合面以外をマスキングテープによって保護した。
次に、銅部材の接合面の表面粗化処理を行った。表面粗化処理は、メック株式会社製のアマルファA−10201M薬液の中に銅部材を5分間浸漬させて行った。次に、水洗、アルカリ洗浄(5質量% NaOH、20秒浸漬)、水洗、中和処理(5質量% HSO、20秒浸漬)、及び水洗をこの順で行った。
<銅表面処理>
次に、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジンモノナトリウム塩(サンチオールN−1:三協化成株式会社製)0.1mol/L水溶液に、銅部材を5分間浸漬させた。
次に、シランカップリング剤として0.05mol/Lの3−アミノプロピルトリエトキシシラン(KBE903:信越化学工業株式会社製)水溶液に銅部材を浸漬させた。その後、100℃で、30分間加熱した。
次に、表面処理した銅部材の表面処理面上に、ポリヒドロキシポリオレフィン(ポリテール:三菱化学株式会社製)が濃度5質量%になるようエタノールに分散させた分散液を、前記樹脂部材における前記銅部材との接合面に塗布して100℃で1時間乾燥した。
<樹脂表面処理>
樹脂部材における銅部材との接合面に、酸素プラズマ処理(200W,80Pa)を1分間行った。
<熱圧着>
表面処理をした銅部材の表面処理面と、表面処理をした樹脂部材の表面処理面とを、熱圧着(ホットプレス)をすることによって一体化してクーリングプレートを得た。熱圧着は、熱圧着温度170℃、圧力0.5MPa、熱圧着時間60秒で行った。
(比較例2)
銅部材として、実施例1で用いたのと同じ、水冷フィンの付いた銅製のベースプレートを用いた。
樹脂部材として、実施例1で用いたのと同じ、カバー形状に成形したポリプロピレン樹脂(FP994:ダイセルポリマー製)を用いた。
<表面粗化処理>
実施例1と同様にして、表面粗化処理を行った。具体的には以下のように行った。
次に、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジンモノナトリウム塩(サンチオールN−1:三協化成株式会社製)0.1mol/L水溶液に、銅部材を5分間浸漬させた。
次に、シランカップリング剤として0.05mol/Lの3−アミノプロピルトリエトキシシラン(KBE903:信越化学工業株式会社製)水溶液に銅部材を浸漬させた。その後、100℃で、30分間加熱した。
<銅表面処理>
実施例1と同様にして、銅表面処理を行った。具体的には以下のように行った。
次に、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジンモノナトリウム塩(サンチオールN−1:三協化成株式会社製)0.1mol/L水溶液に、銅部材を5分間浸漬させた。
次に、シランカップリング剤として0.05mol/Lの3−アミノプロピルトリエトキシシラン(KBE903:信越化学工業株式会社製)水溶液に銅部材を浸漬させた。その後、100℃で、30分間加熱した。
<樹脂表面処理>
樹脂部材における銅部材との接合面に、酸素プラズマ処理(200W,80Pa)を1分間行った。
<熱圧着>
表面処理をした銅部材の表面処理面と、表面処理をした樹脂部材の表面処理面とを、熱圧着(ホットプレス)をすることによって一体化してクーリングプレートを得た。熱圧着は、熱圧着温度170℃、圧力0.5MPa、熱圧着時間60秒で行った。
〔接合強度の測定(接合試験)〕
接合強度の測定を行った。各実施例、各比較例と同じ条件で作製した測定用サンプルを用意し、そのサンプルの接合強度の測定を行った。
具体的には、以下の方法で行った。
銅部材として、50mm×25mm×1.5mm厚みの板材(無酸素銅:C1020)を用いた。
樹脂部材として、25mm×25mm×2mm厚みに成形した板材(FP994:ダイセルポリマー製)を用いた。
銅部材、及び樹脂部材を上記の銅部材、及び樹脂部材にそれぞれ代えた以外は、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2とそれぞれ同様にして、<表面粗化処理>、<銅表面処理>、<樹脂表面処理>、及び<熱圧着>を行い、接合強度測定用サンプルを作製した。
接合面の面積は、312.5mm(=25mm×12.5mm)である。
図1に示す装置を用いて、接合強度を測定した。測定装置には、Instron社製の5878 Micro Testerを用いた。具体的には、接合面において銅部材1が上側、樹脂部材2が下側となるように、固定具12に銅部材1を固定した。接合面の端部から、5mmの樹脂部材2の上面に圧子11を押し当て、押し下げ速度1mm/secで圧子11を押し下げた。接合強度(MPa)は、押し当て時の負荷曲線から求めた最大負荷を接合面積で割った値として評価した。結果を、表1に示した。
実施例1及び実施例2の測定サンプルでは、最大負荷が100N〜110Nであり、接合強度は0.32MPa〜0.35MPaであった。これらのサンプルでは、樹脂部材は銅部材から剥離せず、最大負荷後のモードは、樹脂部材の変形であった。
比較例1の測定サンプルでは、樹脂部材と銅部材との接合面で界面剥離が生じた。その際の最大負荷は、50Nであり、接合強度は0.16MPaであった。
比較例2の測定サンプルでは、樹脂部材と銅部材との接合面の一部で界面剥離が生じた。その際の最大負荷は、80Nであり、接合強度は0.26MPaであった。
〔耐圧性の評価〕
各実施例、各比較例で作製したクーリングプレートの内部に水を充填し、水圧ポンプを用いて耐水圧試験を行った。結果を以下に示す。
実施例1及び実施例2のクーリングプレートでは、水圧0.5MPa、5分間の試験でも水漏れ等の変化は生じなかった。
比較例1のクーリングプレートでは、水圧0.1MPaの印可で、樹脂部材と、銅部材との接合面から水漏れが生じた。
比較例2のクーリングプレートでは、水圧0.4MPaの印加で、樹脂部材と、銅部材との接合面から水漏れが生じた。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 銅製の銅部材と、樹脂製の樹脂部材と、前記銅部材及び前記樹脂部材の間に接合部とを有する接合体であって、
前記接合部が、前記銅部材側から、トリアジンチオールに由来する化学構造と、前記樹脂よりも流動性が高い第二の樹脂とをこの順で有し、
前記銅部材と、前記樹脂部材との接合強度が、0.32MPa以上であることを特徴とする接合体。
(付記2) 前記第二の樹脂が、ポリオレフィンである付記1に記載の接合体。
(付記3) 前記銅部材表面が、酸化銅を有し、
前記接合部が、前記酸化銅表面に、シランカップリング剤に由来する化学構造を有する、付記1から2のいずれかに記載の接合体。
(付記4) 電子機器を冷却する冷却部品である付記1から3のいずれかに記載の接合体。
(付記5) 前記銅部材と前記樹脂部材との間に、冷媒が流通する流路を有する付記4に記載の接合体。
(付記6) 接合体の製造方法であって、
銅製の銅部材に、トリアジンチオールを塗布して、前記銅部材を表面処理する工程と、
樹脂製の樹脂部材上に、前記樹脂よりも流動性が高い第二の樹脂を配して、前記樹脂部材を表面処理する工程と、
表面処理がされた前記銅部材の面と、表面処理がされた前記樹脂部材の面とを、熱圧着する工程とを含むことを特徴とする接合体の製造方法。
(付記7) 前記接合体が、電子機器を冷却する冷却部品である付記6に記載の接合体の製造方法。
(付記8) 前記第二の樹脂が、ポリオレフィンである付記6から7のいずれかに記載の接合体の製造方法。
(付記9) 前記銅部材表面が、酸化銅を有し、
前記銅部材を表面処理する工程が、前記銅部材に、トリアジンチオールを塗布し、更にシランカップリング剤を塗布する工程である、付記6から8のいずれかに記載の接合体の製造方法。
(付記10) 電子機器を冷却する冷却部品を有する冷却システムであって、
前記冷却部品が、銅製の銅部材と、樹脂製の樹脂部材と、前記銅部材及び前記樹脂部材の間に接合部とを有し、
前記接合部が、前記銅部材側から、トリアジンチオールに由来する化学構造と、前記樹脂部材よりも流動性が高い第二の樹脂とをこの順で有し、
前記銅部材と、前記樹脂部材との接合強度が、0.32MPa以上である、
ことを特徴とする冷却システム。
(付記11) 前記第二の樹脂が、ポリオレフィンである付記10に記載の冷却システム。
(付記12) 前記銅部材表面が、酸化銅を有し、
前記接合部が、前記酸化銅表面に、シランカップリング剤に由来する化学構造を有する、付記10から11のいずれかに記載の冷却システム。
(付記13) 電子機器と、前記電子機器を冷却する冷却部品とを有する情報処理装置であって、
前記冷却部品が、銅製の銅部材と、樹脂製の樹脂部材と、前記銅部材及び前記樹脂部材の間に接合部とを有し、
前記接合部が、前記銅部材側から、トリアジンチオールに由来する化学構造と、前記樹脂部材よりも流動性が高い第二の樹脂とをこの順で有し、
前記銅部材と、前記樹脂部材との接合強度が、0.32MPaである、
ことを特徴とする情報処理装置。
(付記14) 前記第二の樹脂が、ポリオレフィンである付記13に記載の情報処理装置。
(付記15) 前記銅部材表面が、酸化銅を有し、
前記接合部が、前記酸化銅表面に、シランカップリング剤に由来する化学構造を有する、付記13から14のいずれかに記載の情報処理装置。
1 銅部材
1A 酸化銅
1B 溝
2 樹脂部材
3 第一の接合層
4 第二の接合層
5 接合部
11 圧子
12 固定具
51 ラック
52 システムボード
53 クーリングプレートユニット
531 カプラ
532 カプラ
541 ラック配管
542 ラック配管
551 ホース
552 ホース
553 カプラ
554 カプラ
561 冷却水供給用配管
562 冷却水排出用配管

Claims (6)

  1. 銅製の銅部材と、樹脂製の樹脂部材と、前記銅部材及び前記樹脂部材の間に接合部とを有し、電子機器を冷却する冷却部品である接合体であって、
    前記接合部が、前記銅部材側から、トリアジンチオールに由来する化学構造と、前記樹脂よりも流動性が高い第二の樹脂とをこの順で有し、
    前記銅部材と、前記樹脂部材との接合強度が、0.32MPa以上であり、
    前記接合部と接する前記銅部材の表面が粗面であり、
    前記トリアジンチオールに由来する化学構造は、共有結合を介して前記第二の樹脂と結合していることを特徴とする接合体。
  2. 前記第二の樹脂が、ポリオレフィンである請求項1に記載の接合体。
  3. 前記銅部材と前記樹脂部材との間に、冷媒が流通する流路を有する請求項1から2のいずれかに記載の接合体。
  4. 電子機器を冷却する冷却部品である接合体の製造方法であって、
    銅製の銅部材の粗面に、トリアジンチオールを塗布して、前記銅部材を表面処理する工程と、
    樹脂製の樹脂部材上に、前記樹脂よりも流動性が高い第二の樹脂を配して、前記樹脂部材を表面処理する工程と、
    表面処理がされた前記銅部材の面と、表面処理がされた前記樹脂部材の面とを、熱圧着する工程とを含むことを特徴とする接合体の製造方法。
  5. 電子機器を冷却する冷却部品を有する冷却システムであって、
    前記冷却部品が、銅製の銅部材と、樹脂製の樹脂部材と、前記銅部材及び前記樹脂部材の間に接合部とを有し、
    前記接合部が、前記銅部材側から、トリアジンチオールに由来する化学構造と、前記樹脂部材よりも流動性が高い第二の樹脂とをこの順で有し、
    前記銅部材と、前記樹脂部材との接合強度が、0.32MPa以上であり、
    前記接合部と接する前記銅部材の表面が粗面であり、
    前記トリアジンチオールに由来する化学構造は、共有結合を介して前記第二の樹脂と結合していることを特徴とする冷却システム。
  6. 電子機器と、前記電子機器を冷却する冷却部品とを有する情報処理装置であって、
    前記冷却部品が、銅製の銅部材と、樹脂製の樹脂部材と、前記銅部材及び前記樹脂部材の間に接合部とを有し、
    前記接合部が、前記銅部材側から、トリアジンチオールに由来する化学構造と、前記樹脂部材よりも流動性が高い第二の樹脂とをこの順で有し、
    前記銅部材と、前記樹脂部材との接合強度が、0.32MPa以上であり、
    前記接合部と接する前記銅部材の表面が粗面であり、
    前記トリアジンチオールに由来する化学構造は、共有結合を介して前記第二の樹脂と結合している、
    ことを特徴とする情報処理装置。
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