JP7186575B2 - 冷却装置および電池構造体 - Google Patents
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Description
電池ブロックおよび電池モジュールは、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等に電源用として搭載され、大電流を出力することができる。電池ブロックを形成する各電池セルは、充放電時に発熱する。このため、このような電池ブロックには冷却装置が備えられる場合がある。このような電池ブロック用の冷却装置の一例として、対応する組電池に熱的接触する載置面を有する第1プレートと、該載置面の反対側の面に固定される第2プレートと、両プレートの間に形成される冷却流路とから構成される冷却機構が知られている(例えば、特許文献1)。
[1]
光透過性樹脂部材(A)からなり、かつ、溝部が複数形成された樹脂製プレートと、
上記樹脂製プレートの上記溝部が形成された面側に設けられた金属製プレートと、を有し、
上記樹脂製プレートの少なくとも一部と上記金属製プレートとが光吸収性樹脂部材(B)からなる中間層を介して接合されており、
上記樹脂製プレートの上記溝部が冷媒の流路を形成している冷却装置。
[2]
少なくとも上記樹脂製プレートの周縁部と上記金属製プレートとが上記中間層を介して接合されている上記[1]に記載の冷却装置。
[3]
上記中間層と上記樹脂製プレートが溶着してなる上記[1]または[2]に記載の冷却装置。
[4]
上記金属製プレートと上記中間層が射出成形により接合している上記[1]~[3]のいずれか一つに記載の冷却装置。
[5]
上記金属製プレートにおける、上記中間層との接合部表面に微細凹凸構造が形成されている上記[1]~[4]のいずれか一つに記載の冷却装置。
[6]
上記光吸収性樹脂部材(B)が光吸収剤を含み、
上記光吸収性樹脂部材(B)中の上記光吸収剤の含有量が0.01質量%以上5質量%以下である上記[1]~[5]のいずれか一つに記載の冷却装置。
[7]
上記樹脂製プレートと上記金属製プレートの外周端部がリベットまたはネジ止めされている上記[1]~[6]のいずれか一つに記載の冷却装置。
[8]
上記金属製プレートがアルミニウム製部材、アルミニウム合金製部材、銅製部材および銅合金製部材からなる群から選択される少なくとも一種の部材により構成されている上記[1]~[7]のいずれか一つに記載の冷却装置。
[9]
上記樹脂製プレートに形成された上記溝部による冷媒の流路において、その一方の端部が注入管に接続し、他方が排出管に接続している上記[1]~[8]のいずれか一つに記載の冷却装置。
[10]
上記冷却装置が、2つ以上の電池セルの平面を立てて互いに密着させてまたは一定の間隔をあけて隣接するように配置した電池ブロックを冷却するためのものである上記[1]~[9]のいずれか一つに記載の冷却装置。
[11]
上記冷却装置が、電子部品を冷却するためのコールドプレートである上記[1]~[9]のいずれか一つに記載の冷却装置。
[12]
2つ以上の電池セルの平面を立てて互いに密着させてまたは一定の間隔をあけて隣接するように配置した電池ブロックと、
上記[1]~[10]のいずれか一つに記載の冷却装置と、
上記電池ブロックを収容するケースと、
を備え、
上記冷却装置における上記金属製プレート上に上記電池ブロックが配置されている電池構造体。
[13]
上記電池セルがリチウムイオン電池である上記[12]に記載の電池構造体。
本実施形態に係る冷却装置1は、光透過性樹脂部材(A)からなり、かつ、溝部24が複数形成された樹脂製プレート2と、樹脂製プレート2の溝部24が形成された面側に設けられた金属製プレート4と、を有し、少なくとも樹脂製プレート2の少なくとも一部(例えばスカート部23)と金属製プレート4とが光吸収性樹脂部材(B)からなる中間層3を介して接合されており、樹脂製プレート2の溝部24が冷却媒体の流路を形成している冷却装置である(図1、図2参照)。ここで、冷却装置1から冷媒が漏洩するリスクをより一層低減する観点から、少なくとも樹脂製プレート2の周縁部と金属製プレート4とが中間層3を介して接合されていることが好ましく、少なくとも樹脂製プレート2のスカート部23と金属製プレート4とが中間層3を介して接合されていることがより好ましい。
金属製プレート4は樹脂製プレート2に形成された流路に導通される冷却媒体(以下、冷媒と略称する)によって、全体が冷却されているため、金属製プレート4に接する電池セルや電子部品等の発熱体の冷却効率を高くすることができる。また、冷媒の流路(溝部24)は軽量な樹脂製プレート2と同種の材料で一体的に形成されているため、冷却装置1全体の重量を軽くすることができる。
すなわち、本実施形態によれば、プレートの一部を樹脂部材に置き換えることによって軽量化が図られ、また金属部材と樹脂部材間の気密性を高めることによって、冷媒漏れリスクを抑えることができる、電池セルや電子部品等の発熱体を冷却するための冷却装置を提供することができる。
また、本実施形態に係る冷却装置1において、冷却装置1から冷媒が漏洩するリスクをより一層低減する観点から、金属製プレート4における、少なくとも中間層3との接合部表面には微細凹凸構造が形成されていることが好ましい。さらに本実施形態に係る中間層3と金属製プレート4は、金属製プレート4における、少なくとも中間層3との接合部表面には微細凹凸構造が形成されているとともに、中間層3を構成する光吸収性部材(B)が射出成形によって接合していることが好ましい。この結果、冷却装置から冷媒が漏洩するリスクを最小限化することができる。
本実施形態に係る樹脂製プレート2は、光透過性樹脂部材(A)からなり、好ましくは光透過性の熱可塑性樹脂組成物の成形体である。なお、本実施形態において、光透過性樹脂部材(A)の光透過性は、レーザーが透過して中間層3に到達できる程度の光透過性を有していればよく特に限定されないが、例えば、波長940nmにおける、厚み1mmの検体の透過率が好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上である。
光透過性の熱可塑性樹脂組成物は樹脂成分としての熱可塑性樹脂(a)を含み、必要に応じて添加剤をさらに含んでもよい。
流路内には必要に応じて、マニフォールド部が設けられる。
本実施形態に係る冷却装置1においては、樹脂製プレート2が中間層3に溶着し、さらに中間層3は金属製プレート4に接合していることが好ましい。すなわち、中間層3は樹脂製プレート2と金属製プレート4に介在する層である。中間層3は光吸収性樹脂部材(B)からなる。光吸収性樹脂部材(B)を構成する熱可塑性樹脂(b)は、例えば、光透過性樹脂部材(A)を構成する熱可塑性樹脂(a)と同一な熱可塑性樹脂であるが、部分的に、あるいは全部が異なる樹脂種であってもよい。
このような光透過しにくい性能は、例えば、上記熱可塑性樹脂(b)に、例えば着色顔料や染料等の光吸収剤を含有させることにより発現させることができる。着色顔料としては、例えば、カーボンブラックなどの黒色顔料、酸化鉄赤などの赤色顔料、酸化チタンなどの白色顔料、各種の有機顔料などが挙げられる。中でも、無機顔料は一般に隠ぺい力が強く、好ましく用いることができる。これらの着色顔料は2種以上組み合わせて使用してもよい。
レーザー光吸収性染料としては、例えば、ニグロシン、アニリンブラック、フタロシアニン、ナフタロシアニン、ポルフィリン、ペリレン、クオテリレン、アゾ染料、アントラキノン、スクエア酸誘導体、インモニウム等が挙げられる。
本実施形態に係る冷却装置1を構成する金属製プレート4は、リチウムイオン電池等の発熱体からの熱を拡散するとともに、樹脂製プレート2内を流通する冷媒に効率的に熱を伝達するという二つの役割を担う。それゆえ、金属製プレート4を構成する金属種は伝熱性に優れることが好ましい。このような視点から金属製プレート4を構成する金属種としては、アルミニウムまたは銅が用いられ、具体的にはアルミニウム製部材、アルミニウム合金製部材、銅製部材および銅合金製部材からなる群から選択される少なくとも一種の部材により構成されていることが好ましい。また金属製プレート4の平均厚みは、伝熱性、強度および軽量性を総合的に勘案して、例えば0.5mm~30mm、好ましくは0.5mm~20mmである。
本実施形態に係る冷却装置1は、例えば、金属製プレート4上に、射出成形によって中間層3の土手部を形成し、次いで別途成形した樹脂製プレート2の周縁部を中間層3(土手部)に例えばレーザー等を用いて溶着することによって製造することができる。以下射出成形と溶着について説明する。
まず、射出成形用の金型を用意し、その金型を開いてその一部に金属製プレート4を設置する。その後、金型を閉じ、光吸収性の熱可塑性樹脂組成物の少なくとも一部が金属製プレート4表面の微細凹凸が形成された領域と接するように、光吸収性の熱可塑性樹脂組成物を射出成形・固化させて中間層3を形成する。その後、金型を開き離型することにより、中間層3(土手部)が形成された金属製プレート4を得ることができる。
射出発泡成形の方法として、例えば、化学発泡剤を樹脂に添加する方法;射出成形機のシリンダー部に直接、窒素ガスや炭酸ガスを注入する方法;窒素ガスや炭酸ガスを超臨界状態で射出成形機のシリンダー部に注入するMuCell射出発泡成形法等があるが、いずれの方法でも中間層3が発泡体である冷却装置1を得ることができる。また、いずれの方法でも、金型の制御方法として、カウンタープレッシャーを使用したり、成形品の形状によってはコアバックを利用したりすることも可能である。
樹脂製プレート2を中間層3に溶着する方法としては、例えば、レーザー溶着が挙げられる。
図4は、樹脂製プレート2をレーザー溶着する方法の一例を模式的に示した斜視図である。図4に示すように、例えば、樹脂製プレート2の周縁部に形成されたスカート部23を、中間層3(土手部)の頂面に重ね合わせたのち、必要に応じて加圧状態を維持しながらレーザー光を照射することによって樹脂製プレート2を中間層3に溶着することができる。レーザー溶着時には両溶着面を圧設することが好ましい。加圧する場合、その圧力はレーザー照射条件にもよるが、通常0.5~10Mpa、好ましくは1~50MPa程度である。0.5MPa以上の加圧とすることによって、レーザー溶着時の中間層3の溶着平面と樹脂製プレート2の溶着平面との間に密接状態を産み出せるので効率的なレーザー溶着が可能となる。
以下、本実施形態に係る電池ブロックおよび電池構造体の実施の一形態を、図面を用いて説明する。
本実施形態に係る電池構造体は、例えば、図8に模式的に示されるように、2つ以上の電池セル101の平面を立てて互いに密着させてまたは一定の間隔をあけて隣接するように配置した電池ブロックと、本実施形態に係る冷却装置1と、電池ブロックを収容するケース105と、を備え、冷却装置1における金属製プレート4の樹脂製プレート2の載置面とは反対側の面上に電池ブロックが配置されている。なお、図8においては、樹脂製プレート内に形成された溝(冷媒流路)を図示していない。
すなわち、本実施形態に係る冷却装置1は、2つ以上の電池セルの平面を立てて互いに密着させてまたは一定の間隔をあけて隣接するように配置した電池ブロックを冷却するために用いられる。
電池セル101の形状としては、例えば、角形、円筒形、パウチ状等が挙げられる。
本実施形態に係る冷却装置は、前述の電池ブロック以外の様々な発熱体の冷却装置として適用される。このような発熱体の代表例として、システムボード上のCPU等の電子部品を挙げることができる。本実施形態に係る冷却装置はこのような発熱体のコールドプレートとしても制限なく使用できる。
金属製プレート表面上の微細凹凸構造の分析方法、光透過性樹脂部材と光吸収性樹脂部材との融着体の引張せん断強度測定法、および光吸収性樹脂部材/金属複合体の気密性評価試験方法について述べる。
・平均高さ
微細凹凸構造が形成された金属製プレート4の表面上の平均粗さを電子顕微鏡で測定する方法について述べる。この測定法は、平均粗さが500nm未満の超微細な凹凸構造について適用される。なお平均高さとは、隣り合う山と谷の高さ(すなわち、谷の底部から山の頂部までの距離)の平均値を表したものである。本実施形態ではレーザー顕微鏡(KEYENCE社製VK-X100)または走査型電子顕微鏡(JEOL社製JSM-6701F)を用いて測定した。なお、走査型電子顕微鏡またはレーザー顕微鏡で撮影した写真から平均高さを求める場合は、具体的には、金属製プレート4の表層にある微細凹凸構造の断面を撮影し、得られた写真から、任意の隣り合う凹凸を50個選択し、それらの谷の底部から山の頂部までの距離をそれぞれ測定する。谷の底部から山の頂部までの距離の全てを積算して50で除したものを平均高さとした。
表面粗さ測定装置「サーフコム1400D(東京精密社製)」を使用し、JIS B0601(対応ISO4287)に準拠して測定される十点平均粗さ(Rzjis)を測定した。なお、測定条件は以下のとおりである。
・触針先端半径:5μm
・基準長さ:0.8mm
・評価長さ:4mm
・測定速度:0.06mm/sec
測定は、金属部材の表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部についておこない、その平均値を求めた。
引張試験機「モデル1323(アイコーエンジニヤリング社製)」を使用し、引張試験機に専用の治具を取り付け、室温(23℃)にて、チャック間距離60mm、引張速度10mm/minの条件にて、図7に示した寸法の引張せん断強度測定用試験片について測定をおこなった。上記の引張試験後の両部材の破断面をルーペ観察することによって接合強度の推定を行った。
光吸収性樹脂部材/金属部材の複合体の気密性評価として、ヘリウムリークディテクターを用いたヘリウムリーク速度の測定を行った。ヘリウムリークディテクターとしてはキャノンアネルバテクニクス社製M-212LDを用いた。図5には、ISO19095-2で規定された気密性評価用試験片形状(Type D.2.2 specimen)、また図6にその対角線方向断面形状を示した。この試験片は、後述するように直径20mmの孔が空けられた矩形金属平板(50mm×50mm×2mm)に光吸収性部材部材を射出することによって孔の周辺に樹脂部材を接合させている(図6参照)。なおヘリウムリークディテクター試験冶具(試験ポートフランジ面)と試験片との隙間に設けられるO-リング(パッキン)の気密性を確保するため、試験片の金属部表面の周縁部にエッチングされない領域が設けられている。金属面の一部にエッチングされない面を残すため、マスキングテープ(スリーエムジャパン製のマスキングテープ品名854)を利用した。
JIS H4000に規定された合金番号5052のアルミニウム板(50mm×50mm×2mm、中央部に直径20mmの孔あり)の、穴周縁部(縁幅5mm)を残して板両面にマスキングテープ(スリーエムジャパン製のマスキングテープ品名854)を貼付した。このアルミニウム板を脱脂処理した後、水酸化ナトリウムを15質量%と酸化亜鉛を3質量%含有するアルカリ系エッチング剤(30℃)が充填された処理槽1に3分間浸漬(以下の説明では「アルカリ系エッチング剤処理」と略称する場合がある)後、30質量%の硝酸(30℃)にて、1分間浸漬し、アルカリ系エッチング剤処理をさらに1回繰り返し実施した。次いで、得られたアルミニウム合金板を、塩化第二鉄を3.9質量%と、塩化第二銅を0.2質量%と、硫酸を4.1質量%とを含有する酸系エッチング水溶液が充填された処理槽2に、30℃下で5分間浸漬し搖動させた(以下の説明では「酸系エッチング剤処理」と略称する場合がある)。次いで、流水で超音波洗浄(水中、1分間)を行い、その後乾燥させ、次いでマスキングテープを剥がすことによって表面処理済みのアルミニウム合金板(m-1)を得た。
表面処理金属部材の調製例1で用いたアルミニウム合金板と同じアルミニウム合金板を、5質量%水酸化アルミニウム水溶液中に温度40℃で90秒間浸漬させた(アルカリエッチング)。次いで、40℃下の1質量%硫酸水溶液中にアルミニウム合金板を2分間浸漬した(酸処理)。
次いで、電解質水溶液を電着槽に入れ、電解質水溶系の温度を60℃に調整した。この電解質水溶液中に、上記アルカリエッチングおよび酸処理を済ませたアルミニウム合金板と、板状の白金部材とを浸漬した。次いで、アルミニウム合金板を陽極とし、白金部材を陰極とし、両極間に2.6Vの電圧を60分間印加することにより、アルミニウム合金板の表面にアルミナを主成分とし、かつトリアジンチオール誘導体を含有する陽極酸化皮膜を形成させた(電着工程)。
次に、アルミニウム合金部材上に残存する余分な電解質水溶液を除去するために、湯洗を行った(洗浄工程)後、エアーブロー(温度70℃、5分間)により乾燥させ、次いでマスキングテープを剥がして表面処理済みのアルミニウム合金板(m-2)を得た。
表面処理済みアルミニウム合金板(m-1)を、日本製鋼所社製のJ55AD-30Hに装着された小型ダンベル金属インサート金型内に設置し、次いで、その金型内に熱可塑性樹脂組成物(P)として、東ソー社製ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)(銘柄名;SUSTEEL BGX-545、GF等無機フィラーを45質量)を、シリンダー温度270℃、金型温度160℃、射出一次圧95MPa、保圧80MPaの条件にて射出成形を行い、アルミニウム合金/PPS複合構造体を得た。得られたアルミニウム合金/PPS複合構造体について、上記した気密性評価試験を行ったところ、ヘリウムガス加圧(0.1MPa)後から1分間のヘリウムリーク量増加が認められず○評価であった。
表面処理済みアルミニウム合金板(m-1)の代わりに、表面処理済みアルミニウム合金板(m-2)を用いた以外は、実施例1とまったく同様な操作を行った。気密性評価試験は○評価であった。
東ソー社製ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)の代わりに、三井化学社製ポリアミド(銘柄名;アーレンA335)とEMS-CHEMIE AG社製ポリアミド(銘柄名;GRIVORY G16)の10:2(質量比)ドライブレンド体を用い、シリンダー温度335℃、金型温度160℃、保圧90MPaの条件にて射出成形を行った以外は実施例2とまったく同様な操作を行った。気密性評価試験は○評価であった。
水平に保たれた金属製支持台上に、図7に示した寸法サイズを持つ光吸収性樹脂部材からなる板61(三井化学製ポリアミド、銘柄名アーレン350にカーボンブラックを1質量%添加したブレンド体、波長940nmの光透過率;1%)を載置し、次いで同板61の端面が、図7に示した寸法サイズを持つ光透過性樹脂部材(三井化学製ポリアミド、銘柄名アーレンA335、波長940nmの光透過率;43%)からなる板62の端面と重なるように板62を上からセットした後、上部から厚さ20mmの石英ガラス板を水平状態を維持したままゆっくり降下させ、500Nまで加圧し、保持した。石英ガラス面を通して、半導体レーザー(波長940nm)を、板61と板62の重なり面の長手方向に、板62の方向から照射した。なおレーザー照射条件は、焦点径;2mmφ、レーザー出力80W、レーザー走査速度;30mm/secであった。
レーザー照射後の、端面同士が重なり合った試験片を、引張試験機である、モデル1323(アイコーエンジニヤリング社製)を使用し、引張試験機に、試験片を収容した専用の治具を取り付け、室温(23℃)にて、チャック間距離60mm、引張速度10mm/minの条件にて引張測定をおこなった。破断面をルーペ観察した結果、光吸収性樹脂部材からなる板61の一部が材料破壊し、光透過性樹脂部材からなる板62に固着していることが観測された(図9参照)。
2 樹脂製プレート
21 注入管接続口
22 排出管接続口
23 スカート部
24 溝部(流路)
3 中間層
4 金属製プレート
41 微細凹凸構造
50 気密性評価用の試験片
51 同上試験片を構成する光吸収性樹脂部材
52 同上試験片を構成する金属部材
60 引張せん断強度測定用の試験片
61 同上試験片を構成する光吸収性樹脂部材
62 同上試験片を構成する光透過性樹脂部材
101 電池セル
102 スペーサ(冷却フィン)
105 ケース
Claims (13)
- 光透過性樹脂部材(A)からなり、かつ、溝部が複数形成された樹脂製プレートと、
前記樹脂製プレートの前記溝部が形成された面側に設けられた金属製プレートと、を有し、
前記樹脂製プレートの少なくとも一部と前記金属製プレートとが光吸収性樹脂部材(B)からなる中間層を介して接合されており、
前記樹脂製プレートの前記溝部が冷媒の流路を形成している冷却装置。 - 少なくとも前記樹脂製プレートの周縁部と前記金属製プレートとが前記中間層を介して接合されている請求項1に記載の冷却装置。
- 前記中間層と前記樹脂製プレートが溶着してなる請求項1または2に記載の冷却装置。
- 前記金属製プレートと前記中間層が射出成形により接合している請求項1~3のいずれか一項に記載の冷却装置。
- 前記金属製プレートにおける、前記中間層との接合部表面に微細凹凸構造が形成されている請求項1~4のいずれか一項に記載の冷却装置。
- 前記光吸収性樹脂部材(B)が光吸収剤を含み、
前記光吸収性樹脂部材(B)中の前記光吸収剤の含有量が0.01質量%以上5質量%以下である請求項1~5のいずれか一項に記載の冷却装置。 - 前記樹脂製プレートと前記金属製プレートの外周端部がリベットまたはネジ止めされている請求項1~6のいずれか一項に記載の冷却装置。
- 前記金属製プレートがアルミニウム製部材、アルミニウム合金製部材、銅製部材および銅合金製部材からなる群から選択される少なくとも一種の部材により構成されている請求項1~7のいずれか一項に記載の冷却装置。
- 前記樹脂製プレートに形成された前記溝部による冷媒の流路において、その一方の端部が注入管に接続し、他方が排出管に接続している請求項1~8のいずれか一項に記載の冷却装置。
- 前記冷却装置が、2つ以上の電池セルの平面を立てて互いに密着させてまたは一定の間隔をあけて隣接するように配置した電池ブロックを冷却するためのものである請求項1~9のいずれか一項に記載の冷却装置。
- 前記冷却装置が、電子部品を冷却するためのコールドプレートである請求項1~9のいずれか一項に記載の冷却装置。
- 2つ以上の電池セルの平面を立てて互いに密着させてまたは一定の間隔をあけて隣接するように配置した電池ブロックと、
請求項1~10のいずれか一項に記載の冷却装置と、
前記電池ブロックを収容するケースと、
を備え、
前記冷却装置における前記金属製プレート上に前記電池ブロックが配置されている電池構造体。 - 前記電池セルがリチウムイオン電池である請求項12に記載の電池構造体。
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