JP7186575B2 - 冷却装置および電池構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、冷却装置および電池構造体に関する。
電池ブロックは、例えば、複数の電池セルを配列して支持部材に固定し、各電池セルの正・負極端子を、バスバー等により相互に電気的に接続して構成される。電池モジュールは、例えば、このような電池ブロックを複数個備え、複数の電池ブロックを上下に積層または並列に配置してベース部材に固定した構造を有する。
電池ブロックおよび電池モジュールは、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等に電源用として搭載され、大電流を出力することができる。電池ブロックを形成する各電池セルは、充放電時に発熱する。このため、このような電池ブロックには冷却装置が備えられる場合がある。このような電池ブロック用の冷却装置の一例として、対応する組電池に熱的接触する載置面を有する第1プレートと、該載置面の反対側の面に固定される第2プレートと、両プレートの間に形成される冷却流路とから構成される冷却機構が知られている(例えば、特許文献1)。
国際公開第2017/002325号
しかし、特許文献1に開示された冷却機構は、第1プレートおよび第2プレートの両方とも金属から構成されているため重量が大きくなるという問題があった。さらに、大型ないし大重量の電池ブロックの冷却に適用する場合、衝撃や振動等によって金属製プレート間のシール部が部分的に破壊され、冷却媒体が漏洩して組電池に接触すると電池が短絡する恐れがあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、冷却媒体の漏れのリスクを低減でき、かつ、軽量性に優れた冷却装置を提供するものである。
本発明によれば以下に示す冷却装置および電池構造体が提供される。
[1]
光透過性樹脂部材(A)からなり、かつ、溝部が複数形成された樹脂製プレートと、
上記樹脂製プレートの上記溝部が形成された面側に設けられた金属製プレートと、を有し、
上記樹脂製プレートの少なくとも一部と上記金属製プレートとが光吸収性樹脂部材(B)からなる中間層を介して接合されており、
上記樹脂製プレートの上記溝部が冷媒の流路を形成している冷却装置。
[2]
少なくとも上記樹脂製プレートの周縁部と上記金属製プレートとが上記中間層を介して接合されている上記[1]に記載の冷却装置。
[3]
上記中間層と上記樹脂製プレートが溶着してなる上記[1]または[2]に記載の冷却装置。
[4]
上記金属製プレートと上記中間層が射出成形により接合している上記[1]~[3]のいずれか一つに記載の冷却装置。
[5]
上記金属製プレートにおける、上記中間層との接合部表面に微細凹凸構造が形成されている上記[1]~[4]のいずれか一つに記載の冷却装置。
[6]
上記光吸収性樹脂部材(B)が光吸収剤を含み、
上記光吸収性樹脂部材(B)中の上記光吸収剤の含有量が0.01質量%以上5質量%以下である上記[1]~[5]のいずれか一つに記載の冷却装置。
[7]
上記樹脂製プレートと上記金属製プレートの外周端部がリベットまたはネジ止めされている上記[1]~[6]のいずれか一つに記載の冷却装置。
[8]
上記金属製プレートがアルミニウム製部材、アルミニウム合金製部材、銅製部材および銅合金製部材からなる群から選択される少なくとも一種の部材により構成されている上記[1]~[7]のいずれか一つに記載の冷却装置。
[9]
上記樹脂製プレートに形成された上記溝部による冷媒の流路において、その一方の端部が注入管に接続し、他方が排出管に接続している上記[1]~[8]のいずれか一つに記載の冷却装置。
[10]
上記冷却装置が、2つ以上の電池セルの平面を立てて互いに密着させてまたは一定の間隔をあけて隣接するように配置した電池ブロックを冷却するためのものである上記[1]~[9]のいずれか一つに記載の冷却装置。
[11]
上記冷却装置が、電子部品を冷却するためのコールドプレートである上記[1]~[9]のいずれか一つに記載の冷却装置。
[12]
2つ以上の電池セルの平面を立てて互いに密着させてまたは一定の間隔をあけて隣接するように配置した電池ブロックと、
上記[1]~[10]のいずれか一つに記載の冷却装置と、
上記電池ブロックを収容するケースと、
を備え、
上記冷却装置における上記金属製プレート上に上記電池ブロックが配置されている電池構造体。
[13]
上記電池セルがリチウムイオン電池である上記[12]に記載の電池構造体。
本発明によれば、冷却媒体の漏れのリスクを低減でき、かつ、軽量性に優れた冷却装置を提供することができる。
本実施形態に係る冷却装置の構造の一例を模式的に示した斜視図である。 図1に示す冷却装置のA点を通るy-z方向の断面斜視図である。 金属製プレート-中間層―樹脂製プレートの層配置の一例を概念的に示した断面図である(図2をS方向から眺めた断面図)。 樹脂製プレートをレーザー溶着する方法の一例を模式的に示した斜視図である。 気密性評価(ヘリウムリーク試験)用の試験片の構造を模式的に示した斜視図である。 図5に示す試験片をy-y’で切断したときの断面斜視図である。 引張せん断強度測定用の試験片の構造を模式的に示した斜視図である。 本実施形態に係る冷却装置上に電池セルを配置した例(a)、(b)を示した断面図である。なお、樹脂製プレート内の溝(流路)は図示せず。 実施例4の引張試験後の両部材の相接する部分の拡大写真を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には共通の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図面は本発明の一例を示す概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。文中の数字の間にある「~」は特に断りがない限り、以上から以下を示す。
<冷却装置>
本実施形態に係る冷却装置1は、光透過性樹脂部材(A)からなり、かつ、溝部24が複数形成された樹脂製プレート2と、樹脂製プレート2の溝部24が形成された面側に設けられた金属製プレート4と、を有し、少なくとも樹脂製プレート2の少なくとも一部(例えばスカート部23)と金属製プレート4とが光吸収性樹脂部材(B)からなる中間層3を介して接合されており、樹脂製プレート2の溝部24が冷却媒体の流路を形成している冷却装置である(図1、図2参照)。ここで、冷却装置1から冷媒が漏洩するリスクをより一層低減する観点から、少なくとも樹脂製プレート2の周縁部と金属製プレート4とが中間層3を介して接合されていることが好ましく、少なくとも樹脂製プレート2のスカート部23と金属製プレート4とが中間層3を介して接合されていることがより好ましい。
金属製プレート4は樹脂製プレート2に形成された流路に導通される冷却媒体(以下、冷媒と略称する)によって、全体が冷却されているため、金属製プレート4に接する電池セルや電子部品等の発熱体の冷却効率を高くすることができる。また、冷媒の流路(溝部24)は軽量な樹脂製プレート2と同種の材料で一体的に形成されているため、冷却装置1全体の重量を軽くすることができる。
すなわち、本実施形態によれば、プレートの一部を樹脂部材に置き換えることによって軽量化が図られ、また金属部材と樹脂部材間の気密性を高めることによって、冷媒漏れリスクを抑えることができる、電池セルや電子部品等の発熱体を冷却するための冷却装置を提供することができる。
図3は、本実施形態に係る冷却装置1を構成する樹脂製プレート2のスカート部23、中間層3および金属製プレート4の配置・接合の一例を概念的に示した断面図である。樹脂製プレート2(例えば樹脂製プレート2の周縁部であるスカート部23)と中間層3は、レーザー等によって溶着されていることが好ましい。レーザー溶着のためのレーザー照射経路の一例を図4に破線として示したが、本実施形態における照射経路はこの照射経路に限定されるものではない。
また、本実施形態に係る冷却装置1において、冷却装置1から冷媒が漏洩するリスクをより一層低減する観点から、金属製プレート4における、少なくとも中間層3との接合部表面には微細凹凸構造が形成されていることが好ましい。さらに本実施形態に係る中間層3と金属製プレート4は、金属製プレート4における、少なくとも中間層3との接合部表面には微細凹凸構造が形成されているとともに、中間層3を構成する光吸収性部材(B)が射出成形によって接合していることが好ましい。この結果、冷却装置から冷媒が漏洩するリスクを最小限化することができる。
以下、冷却装置1を構成する樹脂製プレート2、中間層3、金属製プレート4について順次説明した後、これらの構成要素から冷却装置1を製造する方法の一例を示す。
(樹脂製プレート2)
本実施形態に係る樹脂製プレート2は、光透過性樹脂部材(A)からなり、好ましくは光透過性の熱可塑性樹脂組成物の成形体である。なお、本実施形態において、光透過性樹脂部材(A)の光透過性は、レーザーが透過して中間層3に到達できる程度の光透過性を有していればよく特に限定されないが、例えば、波長940nmにおける、厚み1mmの検体の透過率が好ましくは25%以上、より好ましくは30%以上である。
光透過性の熱可塑性樹脂組成物は樹脂成分としての熱可塑性樹脂(a)を含み、必要に応じて添加剤をさらに含んでもよい。
熱可塑性樹脂(a)としては特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、極性基含有ポリオレフィン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂等のポリメタクリル系樹脂、ポリアクリル酸メチル樹脂等のポリアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール-ポリ塩化ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、無水マレイン酸-スチレン共重合体樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂等の芳香族ポリエーテルケトン、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、スチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、アイオノマー、アミノポリアクリルアミド樹脂、イソブチレン無水マレイン酸コポリマー、ABS、ACS、AES、AS、ASA、MBS、エチレン-塩化ビニルコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、エチレン-酢酸ビニル-塩化ビニルグラフトポリマー、エチレン-ビニルアルコールコポリマー、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、カルボキシビニルポリマー、ケトン樹脂、非晶性コポリエステル樹脂、ノルボルネン樹脂、フッ素プラスチック、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、フッ素化エチレンポリプロピレン樹脂、PFA、ポリクロロフルオロエチレン樹脂、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリアリレート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリパラメチルスチレン樹脂、ポリアリルアミン樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、オリゴエステルアクリレート、キシレン樹脂、マレイン酸樹脂、ポリヒドロキシブチレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリグルタミン酸樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、スチレン-アクリロニトリル共重合体樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は一種単独で使用してもよいし、二種以上組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、熱可塑性樹脂(a)としては、樹脂製プレート2と中間層3との接着強度と気密性をより一層高められることから、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアリーレンエーテル系樹脂およびポリアリーレンスルフィド系樹脂から選択される一種または二種以上の熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
本実施形態に係る熱可塑性樹脂組成物においては、樹脂製プレート2の機械的特性改良の視点や線膨張係数差調整等の視点から任意添加成分としての充填剤を併用できる。充填剤としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、炭素粒子、粘土、タルク、シリカ、ミネラル、セルロース繊維からなる群から一種または二種以上を選ぶことができる。これらのうち、好ましくは、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、ミネラルから選択される一種または二種以上である。また、アルミナ、フォルステライト、マイカ、窒化アルミナ、窒化ホウ素、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等に代表される放熱性フィラーを用いることもできる。これらの充填剤の形状は特に限定されず、繊維状、粒子状、板状等どのような形状であってもよいが、後述するように金属製プレート4の表面に微細凹凸構造が形成されている場合は、凹部に侵入できる程度の大きさを含む充填剤を使用することが好ましい。
なお、熱可塑性樹脂組成物が充填剤を含む場合、その含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上100質量部以下であり、より好ましくは5質量部以上90質量部以下であり、特に好ましくは10質量部以上80質量部以下である。充填剤の含有量が上記上限値以下であると、後述するレーザー溶着する際に、レーザー光の散乱や反射を抑制でき、その結果、レーザー溶着の効率を向上させることができる。
樹脂製プレート2の成形方法としては公知の方法を制限なく使用でき、例えば射出成形、押出成形、加熱プレス成形、圧縮成形、トランスファーモールド成形、注型成形、レーザー溶着成形、反応射出成形(RIM成形)、リム成形(LIM成形)、溶射成形等を例示することができる。これらの中でも、樹脂製プレート2の製造方法としては、生産性および品質安定性の視点から射出成形法が好ましい。
本実施形態に係る樹脂製プレート2の金属製プレート4側の一面には溝部24が複数形成されており、金属製プレート4側の一面には、面全体にわたって溝部24が形成されていることが好ましい。この溝部24は金属製プレート4面と密接することによって冷媒の流路としての機能を生みだす。通常、複数個の溝部24の頂部は同一高さに設定され、かつすべて、或いは一部の頂部が金属製プレート4面と接するように構成される。樹脂製プレート2の内部には、必要に応じて溝部24の頂部と同一高さを有する一つ以上の補強用の樹脂ボス部や補強用支柱が、冷媒の円滑流通を妨げない範囲で設けられてもよい。流路の入り口部および出口部(すなわち、流路の端部)には、注入管接続口21および排出管接続口22が設けられている。すなわち、本実施形態に係る樹脂製プレート2に形成された溝部24による冷媒の流路において、その一方の端部が注入管に接続し、他方が排出管に接続している。
流路内には必要に応じて、マニフォールド部が設けられる。
本実施形態に係る樹脂製プレート2における金属製プレート4側の面とは反対側の面に補強リブが形成されていてもよい。補強リブが形成されることによって外的ストレスからの樹脂製プレート2の構造強度を高め、またリブ高さを高めに設定することによって樹脂製プレート2の接地面との間に十分な空間が生まれ、断熱効果が向上する場合がある。
(中間層3)
本実施形態に係る冷却装置1においては、樹脂製プレート2が中間層3に溶着し、さらに中間層3は金属製プレート4に接合していることが好ましい。すなわち、中間層3は樹脂製プレート2と金属製プレート4に介在する層である。中間層3は光吸収性樹脂部材(B)からなる。光吸収性樹脂部材(B)を構成する熱可塑性樹脂(b)は、例えば、光透過性樹脂部材(A)を構成する熱可塑性樹脂(a)と同一な熱可塑性樹脂であるが、部分的に、あるいは全部が異なる樹脂種であってもよい。
中間層3の厚みは例えば0.1mm以上10mm以下、好ましくは0.2mm以上5mm以下である。厚みが上記下限値以上であると、樹脂製プレート2と中間層3をレーザー溶着する場合にレーザービームの吸収エネルギーの放熱制御がより一層容易になり、中間層3の型崩れの発生を抑制できるため好ましい。中間層の厚みが上記上限値以下であると、射出成形時にヒケが発生し難くなるため、中間層3の樹脂製プレート2との溶着面である頂面の平面性を向上させることができる。中間層3が、平面性が良好な頂面を持つ場合、例えば、中間層3の頂面と樹脂製プレートのスカート部の平面部を対面させてレーザー溶着する場合に、隙間の発生を抑制でき、溶着をより一層効果的に進めることができる。
本実施形態において、中間層3の厚さ1mm検体の波長940nmにおける光透過率は好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
このような光透過しにくい性能は、例えば、上記熱可塑性樹脂(b)に、例えば着色顔料や染料等の光吸収剤を含有させることにより発現させることができる。着色顔料としては、例えば、カーボンブラックなどの黒色顔料、酸化鉄赤などの赤色顔料、酸化チタンなどの白色顔料、各種の有機顔料などが挙げられる。中でも、無機顔料は一般に隠ぺい力が強く、好ましく用いることができる。これらの着色顔料は2種以上組み合わせて使用してもよい。
また、光吸収剤としては、照射するレーザー光波長の範囲内に吸収波長を持つレーザー光吸収性染料を用いることもできる。
レーザー光吸収性染料としては、例えば、ニグロシン、アニリンブラック、フタロシアニン、ナフタロシアニン、ポルフィリン、ペリレン、クオテリレン、アゾ染料、アントラキノン、スクエア酸誘導体、インモニウム等が挙げられる。
これらのうち特に好ましいレーザー光吸収性染料はニグロシンである。ニグロシンは、黒色のアジン系縮合混合物である。このようなニグロシンは、例えば、アニリン、アニリン塩酸塩及びニトロベンゼンを、塩化鉄の存在下、反応温度160~180℃で酸化及び脱水縮合することにより合成できる。ニグロシンの市販品としては、例えば、「NUBIAN(登録商標)BLACK」(商品名、オリヱント化学工業社製)等が挙げられる。
光吸収性樹脂部材(B)が光吸収剤を含む場合、光吸収性樹脂部材(B)中の光吸収剤の含有量は、光吸収性樹脂部材の全体を100質量%としたとき、0.01~5質量%であることが好ましく、0.1~4質量%がより好ましく、0.2~3質量%がさらに好ましい。これらの光吸収剤の中では、特にカーボンブラックが最も好ましく用いられる。
(金属製プレート4)
本実施形態に係る冷却装置1を構成する金属製プレート4は、リチウムイオン電池等の発熱体からの熱を拡散するとともに、樹脂製プレート2内を流通する冷媒に効率的に熱を伝達するという二つの役割を担う。それゆえ、金属製プレート4を構成する金属種は伝熱性に優れることが好ましい。このような視点から金属製プレート4を構成する金属種としては、アルミニウムまたは銅が用いられ、具体的にはアルミニウム製部材、アルミニウム合金製部材、銅製部材および銅合金製部材からなる群から選択される少なくとも一種の部材により構成されていることが好ましい。また金属製プレート4の平均厚みは、伝熱性、強度および軽量性を総合的に勘案して、例えば0.5mm~30mm、好ましくは0.5mm~20mmである。
金属製プレート4における少なくとも中間層3との接合部表面は、脱脂されていることが好ましい。また、金属製プレート4における少なくとも中間層3との接合部表面には、微細凹凸構造が形成されているか、親水性基が形成されていることがより好ましく、微細凹凸構造が形成された表面にさらに親水性基が形成されていることがさらに好ましい。こうすることで、中間層3と金属製プレート4との接合強度を高めることができ、その結果、冷媒の漏洩をより一層抑制できるとともに、機械的強度および耐久性の信頼性により一層優れた冷却装置1を得ることができる。
本実施形態の好ましい形態(第一の形態)において金属製プレート4の少なくとも中間層3との接合部表面に形成されている微細凹凸構造のプロファイル(深さ、孔径、孔径間距離等)については特段の制限はないが、後述する電子顕微鏡の断面写真で測定した平均高さ、またはJIS B 0601に準じて測定した、各々平均高さ、または十点平均粗さRzjisが、例えば1nm以上、好ましくは3nm以上1mm以下、より好ましく5nm以上100μm以下である。微細凹凸構造は大きさの異なる複数種から成り立っていてもよい。このような例として、例えば十点平均粗さが1μm~100μmの大きなミクロンサイズの微細凹凸構造上に、平均高さが1nm~300nmの平均高さを持つナノサイズの超微細凹凸構造が形成されたプロファイルを挙げることができる。
金属製プレート4の表面に、このような微細凹凸構造を付与する方法として特段の制限はないが、例えば、水酸化ナトリウム等の無機塩基水溶液および/または塩酸、硝酸等の無機酸水溶液に金属部材を浸漬する方法;陽極酸化法により金属部材を処理する方法;機械的切削、例えばダイヤモンド砥粒研削またはブラスト加工によって作製した凹凸を有する金型パンチを金属部材表面にプレスすることにより金属部材表面に凹凸を形成する方法や、サンドブラスト、ローレット加工、レーザー加工により金属部材表面に凹凸形状を作製する方法;国際公開第2009/31632号パンフレットに開示されているような、水和ヒドラジン、アンモニア、および水溶性アミン化合物から選ばれる1種以上の水溶液に金属部材を浸漬する方法等が挙げることができる。
なお、上記した方法の中で、特に薬液槽へ浸漬する方法を採用する場合、金属製プレート4全体を浸漬させてもよいし、微細凹凸構造を形成させたくない面をマスキングテープでマスクした後に浸漬させてもよい。前者の場合、金属製プレート4上には、中間層3の接合面のみならず、金属製プレート4の全表面に微細凹凸構造が形成されることになるが、このような実施形態は本実施形態の効果を何ら損なうものではない。
本実施形態の他の好ましい形態(第二の形態)において金属製プレート4の少なくとも中間層3との接合部表面を覆う親水性基の具体例として、水酸基またはシラノール基を挙げることができる。金属表面への水酸基などの親水性基の導入は、例えばプラズマトリート社が開発したオープンエア(商標)とプラズマプラス(商標)技術を適宜組み合わせたプラズマ表面改質技術を実施することによって達成可能である。また、金属表面へのシラノール基の導入は、例えば、特許3557194号公報に記載されているようなイトロ処理(ケイ酸化炎処理)によってこれら官能基導入が可能である。上記微細凹凸構造が形成された金属表面にさらに水酸基やシラノール基を導入するためには、いったん上記方法で金属表面に微細嘔吐形状を形成させた後、次いでさらにプラズマあるいはイトロ処理を行えばよい。
<冷却装置1の製造方法>
本実施形態に係る冷却装置1は、例えば、金属製プレート4上に、射出成形によって中間層3の土手部を形成し、次いで別途成形した樹脂製プレート2の周縁部を中間層3(土手部)に例えばレーザー等を用いて溶着することによって製造することができる。以下射出成形と溶着について説明する。
(射出成形)
まず、射出成形用の金型を用意し、その金型を開いてその一部に金属製プレート4を設置する。その後、金型を閉じ、光吸収性の熱可塑性樹脂組成物の少なくとも一部が金属製プレート4表面の微細凹凸が形成された領域と接するように、光吸収性の熱可塑性樹脂組成物を射出成形・固化させて中間層3を形成する。その後、金型を開き離型することにより、中間層3(土手部)が形成された金属製プレート4を得ることができる。
射出成形の際には、射出発泡成形や、金型を急速に加熱冷却する高速ヒートサイクル成形(RHCM、ヒート&クール成形)を併用してもよい。
射出発泡成形の方法として、例えば、化学発泡剤を樹脂に添加する方法;射出成形機のシリンダー部に直接、窒素ガスや炭酸ガスを注入する方法;窒素ガスや炭酸ガスを超臨界状態で射出成形機のシリンダー部に注入するMuCell射出発泡成形法等があるが、いずれの方法でも中間層3が発泡体である冷却装置1を得ることができる。また、いずれの方法でも、金型の制御方法として、カウンタープレッシャーを使用したり、成形品の形状によってはコアバックを利用したりすることも可能である。
(溶着)
樹脂製プレート2を中間層3に溶着する方法としては、例えば、レーザー溶着が挙げられる。
図4は、樹脂製プレート2をレーザー溶着する方法の一例を模式的に示した斜視図である。図4に示すように、例えば、樹脂製プレート2の周縁部に形成されたスカート部23を、中間層3(土手部)の頂面に重ね合わせたのち、必要に応じて加圧状態を維持しながらレーザー光を照射することによって樹脂製プレート2を中間層3に溶着することができる。レーザー溶着時には両溶着面を圧設することが好ましい。加圧する場合、その圧力はレーザー照射条件にもよるが、通常0.5~10Mpa、好ましくは1~50MPa程度である。0.5MPa以上の加圧とすることによって、レーザー溶着時の中間層3の溶着平面と樹脂製プレート2の溶着平面との間に密接状態を産み出せるので効率的なレーザー溶着が可能となる。
本実施形態に係る冷却装置1においては、樹脂製プレート2と金属製プレート4は上記したように中間層3を介して溶着・接合されていることに加えて、少なくとも樹脂製プレート2と金属製プレート4の外周端部とが、中間層3を挟んで、或いは挟むことなく、リベットまたはネジ止め等の機械的嵌合手段で相互に締結されていることが好ましい。このように樹脂製プレート2と金属製プレート4を二段階で堅固に接合・機械的締結することにより樹脂製プレート2内を流通する冷媒の液漏れをより効果的に抑制できる。
<電池構造体>
以下、本実施形態に係る電池ブロックおよび電池構造体の実施の一形態を、図面を用いて説明する。
本実施形態に係る電池構造体は、例えば、図8に模式的に示されるように、2つ以上の電池セル101の平面を立てて互いに密着させてまたは一定の間隔をあけて隣接するように配置した電池ブロックと、本実施形態に係る冷却装置1と、電池ブロックを収容するケース105と、を備え、冷却装置1における金属製プレート4の樹脂製プレート2の載置面とは反対側の面上に電池ブロックが配置されている。なお、図8においては、樹脂製プレート内に形成された溝(冷媒流路)を図示していない。
すなわち、本実施形態に係る冷却装置1は、2つ以上の電池セルの平面を立てて互いに密着させてまたは一定の間隔をあけて隣接するように配置した電池ブロックを冷却するために用いられる。
電池セル101の形状としては、例えば、角形、円筒形、パウチ状等が挙げられる。
本実施形態に係る電池ブロックは、複数の電池セル101(図8参照)と、複数の電池セル101が所定方向に配列された状態で固定する一対のサイドプレート(図示せず)と、電池セル101の配列方向の両端のそれぞれに配置された一対のエンドプレート(図示せず)とを備えることが好ましい。また、冷却装置1は、複数の電池セル101の配列方向に延在されることが好ましい。そして、一つの電池ブロック、あるいは複数個の電池ブロックは、例えば、箱状またはコの字状の金属製ケース105で覆われて、防水、防塵、耐衝撃機能が備えられていることが好ましい。
電池セル101は、例えば、リチウムイオン二次電池等のリチウムイオン電池である。各電池セル101は、例えば、アルミニウム等の金属製部材により形成された電池缶内に不図示の発電ユニットが収容され、非水電解液が注入され、封口されたものである。
各電池セル101の間には、金属製プレート4に固定されたスペーサ102が介装されていてもよい。すなわち、金属製プレート4における樹脂製プレート2側とは反対側に、スペーサ102(冷却フィン)が形成されていてもよい。スペーサ102が介装されていない場合(図8(a)参照)では、隣り合う電池セル間に空隙が発生するように配列されていることが好ましい。空隙の存在によって空冷が可能となるからである。本実施形態に係る電池構造体においては、通常はセル間には絶縁性部材で形成されたスペーサ102が介装されている(図8(b)参照)。特にパウチ状電池セルの場合ではセルを立てた場合の腰の弱さを補強するためのスペーサ102が好んで介装される。各スペーサ102は、厚さ方向(電池セルの配列方向)の両側に電池セル101が嵌入される開口部を有し、中間部に隔離壁が形成されていてもよい。
本実施形態に係る電池構造体においては、スペーサ102は、金属製プレート4と一体化することによって冷却フィンとしての機能を兼ね備えていてもよい。この場合のスペーサ102(冷却フィン)の材質は通常、金属製プレート4と同種の材質であり、より具体的にはアルミニウム合金および銅合金を好ましい例として例示できる。冷却フィンの電池セル101と接する面には必要に応じて熱伝導性シートが貼付されていてもよい。エンドプレートは、例えば、アルミダイカスト等により形成されるアルミニウム合金、剛性が高い樹脂、または樹脂と鋼板とを一体成形して形成される。
本実施形態において、冷却装置1を構成する金属製プレート4面と各電池セル101の底面との間には、好ましくは熱伝導性シートが介装される。通常、熱伝導性シートと電池セル101との数は同一である。つまり、熱伝導性シートと電池セル101とは1:1で配置されていることが好ましい。この構造とすることにより、各電池セル101の下面の高さ方向(Z方向)に凸凹が存在した場合であっても、各電池セル101と冷却装置1との熱伝導を良好にすることができる。
しかし、熱伝導性シートは、電池セル101と1:1の短冊状の部材とすると、絶縁抵抗が低くなる可能性がある。これに対しては、金属製プレート4面上にスペーサや冷却フィンを立てない場合(図8(a)参照)は、電池セルの底面の全領域をカバーする熱伝導性シートを1枚配置する構造とすればよい。電池セル101のすべての下面がほぼ平坦ならば、1枚の熱伝導性シートのみ対応することができる。熱伝導性シートに替えて、いわゆるサーマル・インターフェース・マテリアル(TIM)と呼ばれる物質を用いてもよく、具体的にはサーマルグリース、相変化材料(PCM)、ゲル、高熱伝導接着剤、サーマルテープ等を例示できる。
<冷却装置のその他の応用>
本実施形態に係る冷却装置は、前述の電池ブロック以外の様々な発熱体の冷却装置として適用される。このような発熱体の代表例として、システムボード上のCPU等の電子部品を挙げることができる。本実施形態に係る冷却装置はこのような発熱体のコールドプレートとしても制限なく使用できる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を含む。
以下に、本発明の実施形態を実施例により説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。なお、物性評価法は以下の通りである。
金属製プレート表面上の微細凹凸構造の分析方法、光透過性樹脂部材と光吸収性樹脂部材との融着体の引張せん断強度測定法、および光吸収性樹脂部材/金属複合体の気密性評価試験方法について述べる。
(金属製プレート面上の微細凹凸構造)
・平均高さ
微細凹凸構造が形成された金属製プレート4の表面上の平均粗さを電子顕微鏡で測定する方法について述べる。この測定法は、平均粗さが500nm未満の超微細な凹凸構造について適用される。なお平均高さとは、隣り合う山と谷の高さ(すなわち、谷の底部から山の頂部までの距離)の平均値を表したものである。本実施形態ではレーザー顕微鏡(KEYENCE社製VK-X100)または走査型電子顕微鏡(JEOL社製JSM-6701F)を用いて測定した。なお、走査型電子顕微鏡またはレーザー顕微鏡で撮影した写真から平均高さを求める場合は、具体的には、金属製プレート4の表層にある微細凹凸構造の断面を撮影し、得られた写真から、任意の隣り合う凹凸を50個選択し、それらの谷の底部から山の頂部までの距離をそれぞれ測定する。谷の底部から山の頂部までの距離の全てを積算して50で除したものを平均高さとした。
・十点平均粗さ(Rzjis)
表面粗さ測定装置「サーフコム1400D(東京精密社製)」を使用し、JIS B0601(対応ISO4287)に準拠して測定される十点平均粗さ(Rzjis)を測定した。なお、測定条件は以下のとおりである。
・触針先端半径:5μm
・基準長さ:0.8mm
・評価長さ:4mm
・測定速度:0.06mm/sec
測定は、金属部材の表面上の、平行関係にある任意の3直線部、および当該直線部と直交する任意の3直線部からなる合計6直線部についておこない、その平均値を求めた。
(引張せん断試験)
引張試験機「モデル1323(アイコーエンジニヤリング社製)」を使用し、引張試験機に専用の治具を取り付け、室温(23℃)にて、チャック間距離60mm、引張速度10mm/minの条件にて、図7に示した寸法の引張せん断強度測定用試験片について測定をおこなった。上記の引張試験後の両部材の破断面をルーペ観察することによって接合強度の推定を行った。
(気密性評価試験)
光吸収性樹脂部材/金属部材の複合体の気密性評価として、ヘリウムリークディテクターを用いたヘリウムリーク速度の測定を行った。ヘリウムリークディテクターとしてはキャノンアネルバテクニクス社製M-212LDを用いた。図5には、ISO19095-2で規定された気密性評価用試験片形状(Type D.2.2 specimen)、また図6にその対角線方向断面形状を示した。この試験片は、後述するように直径20mmの孔が空けられた矩形金属平板(50mm×50mm×2mm)に光吸収性部材部材を射出することによって孔の周辺に樹脂部材を接合させている(図6参照)。なおヘリウムリークディテクター試験冶具(試験ポートフランジ面)と試験片との隙間に設けられるO-リング(パッキン)の気密性を確保するため、試験片の金属部表面の周縁部にエッチングされない領域が設けられている。金属面の一部にエッチングされない面を残すため、マスキングテープ(スリーエムジャパン製のマスキングテープ品名854)を利用した。
ヘリウムガスを加圧(0.1MPa)してから1分の間に、ヘリウムリークが認められない試験片(具体的には加圧後1分以内の、ブランクサンプルのヘリウムリーク量(5.5×10-7Pa・m/sec)からのリーク量増加分が10%以内の試験片)を○評価、ヘリウムリークが認められる試験片(具体的には加圧後1分以内にブランクサンプルのヘリウムリーク量からの増加分が10%を超える試験片)を×評価とした。
[表面処理金属部材の調製例1]
JIS H4000に規定された合金番号5052のアルミニウム板(50mm×50mm×2mm、中央部に直径20mmの孔あり)の、穴周縁部(縁幅5mm)を残して板両面にマスキングテープ(スリーエムジャパン製のマスキングテープ品名854)を貼付した。このアルミニウム板を脱脂処理した後、水酸化ナトリウムを15質量%と酸化亜鉛を3質量%含有するアルカリ系エッチング剤(30℃)が充填された処理槽1に3分間浸漬(以下の説明では「アルカリ系エッチング剤処理」と略称する場合がある)後、30質量%の硝酸(30℃)にて、1分間浸漬し、アルカリ系エッチング剤処理をさらに1回繰り返し実施した。次いで、得られたアルミニウム合金板を、塩化第二鉄を3.9質量%と、塩化第二銅を0.2質量%と、硫酸を4.1質量%とを含有する酸系エッチング水溶液が充填された処理槽2に、30℃下で5分間浸漬し搖動させた(以下の説明では「酸系エッチング剤処理」と略称する場合がある)。次いで、流水で超音波洗浄(水中、1分間)を行い、その後乾燥させ、次いでマスキングテープを剥がすことによって表面処理済みのアルミニウム合金板(m-1)を得た。
得られた表面処理済みのアルミニウム合金板(m-1)の処理面を、表面粗さ測定装置「サーフコム1400D(東京精密社製)」を使用し、JIS B0601(対応ISO4287)に準拠して測定される表面粗さのうち、十点平均粗さ(Rzjis)を測定した。その結果、Rzjis平均値は19μmであった。
[表面処理金属部材の調製例2]
表面処理金属部材の調製例1で用いたアルミニウム合金板と同じアルミニウム合金板を、5質量%水酸化アルミニウム水溶液中に温度40℃で90秒間浸漬させた(アルカリエッチング)。次いで、40℃下の1質量%硫酸水溶液中にアルミニウム合金板を2分間浸漬した(酸処理)。
次に、トリアジンチオール誘導体としての1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリチオール・モノナトリウムをその濃度が0.003質量%となるように水に溶解し、さらにこの水溶液に98質量%濃硫酸をその濃度が2.3質量%となるように溶解して電解質水溶液を作製した。
次いで、電解質水溶液を電着槽に入れ、電解質水溶系の温度を60℃に調整した。この電解質水溶液中に、上記アルカリエッチングおよび酸処理を済ませたアルミニウム合金板と、板状の白金部材とを浸漬した。次いで、アルミニウム合金板を陽極とし、白金部材を陰極とし、両極間に2.6Vの電圧を60分間印加することにより、アルミニウム合金板の表面にアルミナを主成分とし、かつトリアジンチオール誘導体を含有する陽極酸化皮膜を形成させた(電着工程)。
次に、アルミニウム合金部材上に残存する余分な電解質水溶液を除去するために、湯洗を行った(洗浄工程)後、エアーブロー(温度70℃、5分間)により乾燥させ、次いでマスキングテープを剥がして表面処理済みのアルミニウム合金板(m-2)を得た。
得られた表面処理済みアルミニウム合金板(m-2)の処理面を走査型電子顕微鏡(JEOL社製JSM-6701F)にて断面SEM測定したところ、平均高さが200nm前後の樹枝状突起を持つ超微細凹凸構造が観測された。
[実施例1]
表面処理済みアルミニウム合金板(m-1)を、日本製鋼所社製のJ55AD-30Hに装着された小型ダンベル金属インサート金型内に設置し、次いで、その金型内に熱可塑性樹脂組成物(P)として、東ソー社製ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)(銘柄名;SUSTEEL BGX-545、GF等無機フィラーを45質量)を、シリンダー温度270℃、金型温度160℃、射出一次圧95MPa、保圧80MPaの条件にて射出成形を行い、アルミニウム合金/PPS複合構造体を得た。得られたアルミニウム合金/PPS複合構造体について、上記した気密性評価試験を行ったところ、ヘリウムガス加圧(0.1MPa)後から1分間のヘリウムリーク量増加が認められず○評価であった。
[実施例2]
表面処理済みアルミニウム合金板(m-1)の代わりに、表面処理済みアルミニウム合金板(m-2)を用いた以外は、実施例1とまったく同様な操作を行った。気密性評価試験は○評価であった。
[実施例3]
東ソー社製ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS)の代わりに、三井化学社製ポリアミド(銘柄名;アーレンA335)とEMS-CHEMIE AG社製ポリアミド(銘柄名;GRIVORY G16)の10:2(質量比)ドライブレンド体を用い、シリンダー温度335℃、金型温度160℃、保圧90MPaの条件にて射出成形を行った以外は実施例2とまったく同様な操作を行った。気密性評価試験は○評価であった。
[実施例4]
水平に保たれた金属製支持台上に、図7に示した寸法サイズを持つ光吸収性樹脂部材からなる板61(三井化学製ポリアミド、銘柄名アーレン350にカーボンブラックを1質量%添加したブレンド体、波長940nmの光透過率;1%)を載置し、次いで同板61の端面が、図7に示した寸法サイズを持つ光透過性樹脂部材(三井化学製ポリアミド、銘柄名アーレンA335、波長940nmの光透過率;43%)からなる板62の端面と重なるように板62を上からセットした後、上部から厚さ20mmの石英ガラス板を水平状態を維持したままゆっくり降下させ、500Nまで加圧し、保持した。石英ガラス面を通して、半導体レーザー(波長940nm)を、板61と板62の重なり面の長手方向に、板62の方向から照射した。なおレーザー照射条件は、焦点径;2mmφ、レーザー出力80W、レーザー走査速度;30mm/secであった。
レーザー照射後の、端面同士が重なり合った試験片を、引張試験機である、モデル1323(アイコーエンジニヤリング社製)を使用し、引張試験機に、試験片を収容した専用の治具を取り付け、室温(23℃)にて、チャック間距離60mm、引張速度10mm/minの条件にて引張測定をおこなった。破断面をルーペ観察した結果、光吸収性樹脂部材からなる板61の一部が材料破壊し、光透過性樹脂部材からなる板62に固着していることが観測された(図9参照)。
1 冷却装置
2 樹脂製プレート
21 注入管接続口
22 排出管接続口
23 スカート部
24 溝部(流路)
3 中間層
4 金属製プレート
41 微細凹凸構造
50 気密性評価用の試験片
51 同上試験片を構成する光吸収性樹脂部材
52 同上試験片を構成する金属部材
60 引張せん断強度測定用の試験片
61 同上試験片を構成する光吸収性樹脂部材
62 同上試験片を構成する光透過性樹脂部材
101 電池セル
102 スペーサ(冷却フィン)
105 ケース

Claims (13)

  1. 光透過性樹脂部材(A)からなり、かつ、溝部が複数形成された樹脂製プレートと、
    前記樹脂製プレートの前記溝部が形成された面側に設けられた金属製プレートと、を有し、
    前記樹脂製プレートの少なくとも一部と前記金属製プレートとが光吸収性樹脂部材(B)からなる中間層を介して接合されており、
    前記樹脂製プレートの前記溝部が冷媒の流路を形成している冷却装置。
  2. 少なくとも前記樹脂製プレートの周縁部と前記金属製プレートとが前記中間層を介して接合されている請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記中間層と前記樹脂製プレートが溶着してなる請求項1または2に記載の冷却装置。
  4. 前記金属製プレートと前記中間層が射出成形により接合している請求項1~3のいずれか一項に記載の冷却装置。
  5. 前記金属製プレートにおける、前記中間層との接合部表面に微細凹凸構造が形成されている請求項1~4のいずれか一項に記載の冷却装置。
  6. 前記光吸収性樹脂部材(B)が光吸収剤を含み、
    前記光吸収性樹脂部材(B)中の前記光吸収剤の含有量が0.01質量%以上5質量%以下である請求項1~5のいずれか一項に記載の冷却装置。
  7. 前記樹脂製プレートと前記金属製プレートの外周端部がリベットまたはネジ止めされている請求項1~6のいずれか一項に記載の冷却装置。
  8. 前記金属製プレートがアルミニウム製部材、アルミニウム合金製部材、銅製部材および銅合金製部材からなる群から選択される少なくとも一種の部材により構成されている請求項1~7のいずれか一項に記載の冷却装置。
  9. 前記樹脂製プレートに形成された前記溝部による冷媒の流路において、その一方の端部が注入管に接続し、他方が排出管に接続している請求項1~8のいずれか一項に記載の冷却装置。
  10. 前記冷却装置が、2つ以上の電池セルの平面を立てて互いに密着させてまたは一定の間隔をあけて隣接するように配置した電池ブロックを冷却するためのものである請求項1~9のいずれか一項に記載の冷却装置。
  11. 前記冷却装置が、電子部品を冷却するためのコールドプレートである請求項1~9のいずれか一項に記載の冷却装置。
  12. 2つ以上の電池セルの平面を立てて互いに密着させてまたは一定の間隔をあけて隣接するように配置した電池ブロックと、
    請求項1~10のいずれか一項に記載の冷却装置と、
    前記電池ブロックを収容するケースと、
    を備え、
    前記冷却装置における前記金属製プレート上に前記電池ブロックが配置されている電池構造体。
  13. 前記電池セルがリチウムイオン電池である請求項12に記載の電池構造体。
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