JP6517981B2 - 燃料集合体の改修方法、燃料集合体の製造方法 - Google Patents

燃料集合体の改修方法、燃料集合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、燃料集合体の改修方法、燃料集合体の製造方法、及び燃料集合体に関する。
沸騰水型の原子炉を備える原子力プラントでは、定期検査時における作業員の被ばく量を低減することが重要な課題になっている。
原子力プラントにおいて、放射性物質は、プラントを構成する金属材料のうち、ニッケル、コバルトなどの元素が、炉心で中性子線が照射されることにより生成される。放射性物質は、原子力プラントを循環する冷却水に移行し、その放射性物質を含む冷却水が流れる配管等の内面に、放射性物質の一部が酸化物に取り込まれる。この取り込まれた放射性物質が、主に、被ばく源になっている。
被ばく量の低減のために、たとえば、「Ni/Fe比制御」や、「極低鉄高ニッケル制御」などの水質制御方法が提案されている。
「Ni/Fe比制御」では、原子炉の内部に導入された炉水において、鉄がニッケルに対して過剰な状態になるように、原子炉へ導入する給水について給水鉄濃度の制御を行う。鉄が過剰な状態では、燃料棒において炉水が接する面に、ニッケルと鉄との複合酸化物であるニッケルフェライト(NiFe)、および、コバルトと鉄との複合酸化物であるコバルトフェライトが形成される。これらの複合酸化物の一部は、中性子が照射されることによって、放射性物質になる。上記の複合酸化物の溶解度は低い。しかし、燃料仕様の変更に伴い燃料棒の表面の環境が変化したために、複合酸化物の溶出量が増加し、放射性物質の溶出量も増加する場合がある。
このため、「Ni/Fe比制御」を代替する水質制御方法として、「極低鉄高ニッケル制御」が提案されている。「極低鉄高ニッケル制御」では、炉水においてニッケルが鉄に対して過剰な状態になるように濃度の制御を行う。濃度の調整は、たとえば、計測した金属成分の濃度に応じて金属成分の除去または注入等を行うことで実行される。ここでは、給水鉄濃度が0.1ppb以下であって、炉水ニッケル濃度が0.2ppbを超える状態に調整する。これにより、緻密なニッケルフェライト(NiFe)相が配管の表面に保護皮膜として形成されるため、たとえば、燃料棒において炉水が接する面に放射性物質が付着することが抑制される。
特開昭63−52092号公報 特開2002−107488号公報
しかしながら、「極低鉄高ニッケル制御」においては、炉水の放射能濃度を十分に低減させることが困難な場合がある。具体的には、「極低鉄高ニッケル制御」では、ニッケルフェライト(NiFe)相の他に、酸化ニッケル(NiO)や酸化コバルト(CoO)などのように水に対する溶解度が大きい金属酸化物が、燃料集合体(燃料棒など)において炉水が接する面に付着する。このため、酸化ニッケルおよび酸化コバルトなどの金属酸化物が、放射性物質を含んだ後に、炉水へ溶解する場合がある。その結果、炉水の放射能濃度が上昇する場合がある。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、炉水の放射能濃度を効果的に低減することができる、燃料集合体の改修方法、燃料集合体の製造方法、及び燃料集合体を提供することである。
実施形態において、燃料集合体の改修方法は、液体作成工程と付着工程とを備える。液体作成工程では、TiO,TiCl,Ti(OH),TiF,TiCl,TiN,TiC,Ti(SO,Ti,Ti(NOAl ,Al(OH),AlCl,Al(NO,Al(SO,WO,WOWCl ,WF,(NH101241・5HO,HWO及びHWOのうち、少なくとも1つの物質を含有する液体を作成する。付着工程では、液体が含有する、TiO,TiCl,Ti(OH),TiF,TiCl,TiN,TiC,Ti(SO,Ti,Ti(NOAl ,Al(OH),AlCl,Al(NO,Al(SO,WO,WOWCl ,WF,(NH101241・5HO,HWO及びHWOのうち、少なくとも1つの物質を燃料集合体の表面に付着させる。付着工程は、液体を燃料集合体と接触する炉水に添加する添加工程を備え、炉水のニッケル濃度が0.2ppbを超える。
図1は、実施形態に係る原子力プラントの要部を模式的に示す図である。 図2は、実施形態に係る原子力プラントにおいて、炉心に装荷される燃料集合体の要部を示す断面図である。 図3は、実施形態に係る原子力プラントの水質制御に寄与する燃料集合体、その改修方法、及びその製造方法について説明するための模式図である。 図4は、実施形態に係る原子力プラントの水質制御に寄与する燃料集合体、その改修方法、及びその製造方法について説明するための模式図である。
[A]原子力プラントの全体構成
実施形態に係る原子力プラントの要部について、図1を用いて説明する。
原子力プラント1は、図1に示すように、原子炉10と主蒸気系20と復水給水系30と残留熱除去系40と冷却材浄化系50とを備える。原子力プラント1を構成する各部は、ステンレス鋼、Ni基合金などの金属材料を用いて形成されている。原子力プラント1を構成する各部の詳細について順次説明する。
原子炉10は、圧力容器11と炉心12とを含み、圧力容器11に炉心12が収容されている。本実施形態において、原子炉10は、沸騰水型であって、圧力容器11の内部に導入された水(炉水)が、炉心12で生じた熱によって加熱されることによって、蒸気が発生する。
主蒸気系20は、主蒸気系配管H20を含み、原子炉10で発生した蒸気が、主蒸気系配管H20を介して、蒸気タービン21に作動媒体として供給されるように構成されている。本実施形態では、蒸気タービン21は、たとえば、高圧タービン21aと低圧タービン21bとを含み、蒸気が高圧タービン21aで仕事を行った後に、低圧タービン21bで仕事を行う。高圧タービン21aの駆動および低圧タービン21bの駆動によって、発電機(図示省略)が駆動することで、発電が行われる。そして、低圧タービン21bから排気された蒸気が、復水器31において凝縮されて液化される。
復水給水系30は、復水給水系配管H30を含み、復水器31で凝縮された水(復水)が、復水給水系配管H30を介して、原子炉10へ供給するように構成されている。具体的には、復水給水系30では、復水器31で凝縮された水の不純物が、復水フィルター32および復水脱塩器33によって順次除去される。そして、その水(給水)は、低圧給水加熱器34と高圧給水加熱器35とにおいて順次加熱された後に、原子炉10へ供給される。低圧給水加熱器34においては、たとえば、高圧タービン21aから排出された蒸気が熱源媒体として配管H21bを介して供給され、熱交換によって生じたドレン水がドレン管H34を介して復水給水系配管H30に流入する。高圧給水加熱器35においては、たとえば、高圧タービン21aから抽気された蒸気が熱源媒体として配管H21を介して供給され、熱交換によって生じたドレン水がドレン管H35を介して復水給水系配管H30に流入する。
残留熱除去系40は、残留熱除去系配管H40を含み、ポンプ41および熱交換器42が設けられている。残留熱除去系40は、運転停止後に、原子炉10の炉心12から発生する熱を除去するために設置されている。残留熱除去系40においては、原子炉10から残留熱除去系配管H40に導かれた水がポンプ41で昇圧されて熱交換器42に送られる。そして、そのポンプで送られた水は、熱交換器42で冷却された後に、原子炉10へ戻される。
冷却材浄化系50は、冷却材浄化系配管H50を含み、熱交換器51とポンプ52と除去装置53(ろ過脱塩器)とが設けられている。冷却材浄化系配管H50は、残留熱除去系配管H40においてポンプ41よりも上流側の部分に、一端が接続されている。そして、冷却材浄化系配管H50は、復水給水系配管H30において高圧給水加熱器35よりも下流側の部分に、他端が接続されている。冷却材浄化系50においては、冷却材浄化系配管H50に導かれた水が熱交換器51で冷却される。そして、その冷却された水が、ポンプ52で昇圧されて除去装置53に送られ、除去装置53において不純物が除去される。その後、その水は、図示しない熱交換器で昇温されて冷却材として原子炉10へ戻される。
[B]燃料集合体100の構成
上記の原子力プラント1において原子炉10の炉心12に装荷される燃料集合体100の要部について、図2を用いて説明する。図2では、燃料集合体100に関して、鉛直面(xz面)の断面を示している。
図2に示すように、燃料集合体100は、チャンネルボックス101と燃料棒102とウォータロッド103と燃料スペーサ104と上部タイプレート106と下部タイプレート107とを備える。
燃料集合体100のうち、チャンネルボックス101は、たとえば、金属材料で形成された管状体である。図示を省略しているが、チャンネルボックス101は、管軸が直交する断面が、たとえば、ほぼ正方形状になるように構成されている。
燃料棒102は、金属材料で形成された円筒状の被覆管の中に、ペレット状の核燃料(図示省略)が複数充填されている。ウォータロッド103は、たとえば、金属材料で形成された円筒状の管状体である。ここでは、複数の燃料棒102と、少なくとも1つのウォータロッド103との束が、チャンネルボックス101の内部において正方格子状に配置されている。
燃料スペーサ104は、複数の燃料棒102の間隔、および、燃料棒102とウォータロッド103との間隔を軸方向において一定に保持するために設けられている。
上部タイプレート106は、チャンネルボックス101の上端側に位置しており、燃料棒102およびウォータロッド103の上端部分を固定している。また、上部タイプレート106は、上端面にハンドル105が形成されている。
下部タイプレート107は、チャンネルボックス101の下端側に位置しており、燃料棒102およびウォータロッド103の下端部分を固定している。ここでは、下部タイプレート107のネットワーク部108において、下部端栓109を介して、燃料棒102およびウォータロッド103が固定されている。
燃料集合体100では、原子力プラントの運転時、炉水Wが下部タイプレート107を介してチャンネルボックス101内に流入し、チャンネルボックス101の内部において上方へ流れる。このとき、炉水Wは、燃料棒102の熱によって沸騰し、蒸気になる。そして、その発生した蒸気が、上部タイプレート106を介してチャンネルボックス101から流出する。その後、その蒸気が作動媒体として蒸気タービン21(図1参照)に供給される。
[C]原子力プラントの水質制御方法
実施形態に係る原子力プラントの水質制御に寄与する燃料集合体の改修方法、燃料集合体の製造方法、及び燃料集合体について、図3と図4とを用いて説明する。図3および図4においては、燃料集合体100のうち炉水W(冷却水)が接触する表面部分を拡大して示している。ここでは、燃料集合体100を構成する燃料棒102の表面を例示しているが、燃料集合体100を構成する他の部材も同様である。
水質制御方法として「極低鉄高ニッケル制御」を行った場合(給水鉄濃度が0.1ppb以下、炉水ニッケル濃度が0.2ppbを超える状態)には、図3に示すように、燃料棒102の表面にニッケルフェライト200が析出する。これと共に、炉水Wには、ニッケルイオンがニッケルフェライト200の生成に必要な量よりも過剰に存在しているので、燃料棒102の表面に酸化ニッケル210が析出する。この他に、酸化コバルト220の析出が生ずる。酸化ニッケル210および酸化コバルト220は、たとえば、混合物の粒状体として燃料棒102の表面に生成される他に、単体の粒状体として燃料棒102の表面に生成される。
上述したように、酸化ニッケル210および酸化コバルト220は、水に対する溶解度が大きい金属酸化物である。このため酸化ニッケル210および酸化コバルト220が放射性物質を含んだ状態で炉水Wへ溶解したときには、炉水Wの放射線濃度が上昇する。
そこで、本実施形態では、図4に示すように、酸化ニッケル210および酸化コバルト220よりも熱力学的に安定であって、炉水Wに対する溶解度が低い低溶解度化合物310を、燃料棒102の表面に形成する。
ここでは、酸化ニッケル210および酸化コバルト220と、安定剤300とを反応させることによって、低溶解度化合物310を形成する処理を行う。
本実施形態では、たとえば、安定剤300として、酸化チタン(TiO)を用いる。
この場合には、下記に示す反応式(1)および(2)のように、酸化ニッケル210(NiO)と安定剤300である酸化チタン(TiO)との間の反応が原子炉10の内部で自発的に生じる。その結果、低溶解度化合物310として、チタン酸ニッケル(NiTiO,NiTiO)が生成される。
NiO+TiO→NiTiO ・・・式(1)
2NiO+TiO→NiTiO ・・・式(2)
この他に、下記に示す反応式(3)および(4)のように、酸化コバルト220(CoO)と安定剤300である酸化チタン(TiO)との間の反応が原子炉10の内部で自発的に生じ、低溶解度化合物310としてチタン酸コバルト(CoTiO,CoTiO)が生成される。
CoO+TiO→CoTiO ・・・式(3)
2CoO+TiO→CoTiO ・・・式(4)
安定剤300としては、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)の少なくとも1つの元素を組成に含む化合物であることが好ましい。
具体的には、安定剤300としては、上記した酸化チタン(TiO)以外に下記に示すチタン化合物を好適に用いることができる。
TiCl,Ti(OH),TiF,TiCl,TiN,TiC,Ti(SO,Ti,Ti(NO
また、安定剤300として、下記に示すアルミニウム化合物およびタングステン化合物を好適に用いることができる。
Al,Al(OH),AlCl,Al(NO,Al(SO
WO,WO,WCl,WF,(NH)10W1241・5HO,HWO,HWO
たとえば、下記に示す反応式(5)のように、酸化ニッケル210(NiO)と安定剤300である酸化アルミニウム(Al)との間の反応が原子炉10の内部で自発的に生じ、低溶解度化合物310(NiAl)が生成される。また、下記に示す反応式(6)のように、酸化ニッケル210(NiO)と安定剤300である三酸化タングステン(WO)との間において反応が原子炉10の内部で自発的に生じ、低溶解度化合物310(NiWO)が生成される。
NiO+Al→NiAl ・・・式(5)
NiO+WO→NiWO ・・・式(6)
なお、280℃における標準生成ギブスエネルギーΔfG°は、NiOが−188.276KJ/molであり、CoOが−197.965KJ/molである。これに対して、低溶解度化合物310に関して、280℃における標準生成ギブスエネルギーΔfG°は、NiTiOが−1042.69KJ/molであり、CoTiOが−1061.255KJ/molであり、CoTiOが−1269.169KJ/molであり、NiAlが−1696.177KJ/molであり、NiWOが−939.149KJ/molである。これから判るように、低溶解度化合物310は、酸化ニッケル210および酸化コバルト220よりも熱力学的に安定である。
燃料集合体100の表面、例えば燃料棒102の表面に低溶解度化合物310を形成する際には、まず、安定剤300を含有する液を準備する(液体作成工程)。
安定剤300を含有する液は、安定剤300を溶媒に溶解させた溶解液、または、安定剤300を分散媒に分散させた分散液(懸濁液)である。安定剤300を含有する液において、溶媒または分散媒は、水である。安定剤300の含有割合は、粒界応力腐食割れを考慮して、10質量%以下であることが好ましい。安定剤300を含有する液は、安定剤300の付着性を向上させるために、バインダーを含む。バインダーは、シリカやポリオルガノシロキサンであって、付着性と粒界応力腐食割れとを考慮して、安定剤300に対して0.01〜2.5質量%含有していることが好ましい。更に、安定剤300を含有する液が分散液(懸濁液)である場合には、安定剤300の凝集を抑制するために、分散剤を添加することが好ましい。分散剤は、たとえば、アンモニアやカルボン酸であり、粒界応力腐食割れを考慮して、安定剤300に対して0.34質量%以下であることが好ましい。
つぎに、安定剤300を含有する液を用いて、燃料集合体100において炉水W(冷却水)が接触する表面、例えば燃料棒102の表面に安定剤300を付着させる(付着工程)。ここでは、たとえば、塗布法、浸漬法、注入法などの方法で、安定剤300の付着を行う。
塗布法においては、プラント停止時に、燃料集合体を炉水から取り出し(取り出し工程)、燃料集合体又は燃料棒102の表面に、安定剤300を含有する液をスプレーし(スプレー工程)、安定剤300を付着させる。この方法は、原子炉に装荷された燃料集合体だけでなく、原子炉に装荷される前の新規な燃料棒又は燃料集合体に適用することも可能である。新規な燃料棒の場合は、燃料集合体を炉から取り出す必要は無い。冷却用の水に浸漬された状態の新規な燃料棒又は燃料集合体を水中から取り出し、安定剤300を含有する液をスプレーすればよい。
浸漬法においては、プラント停止時に、燃料棒102又は燃料集合体を炉水から取り出し(取り出し工程)、安定剤300を含有する液が保持された浴槽に、燃料棒102又は燃料集合体を浸漬させる(浸漬工程)。そして、その浸漬させた液から燃料棒102又は燃料集合体を引き上げることによって、燃料棒102の表面に安定剤300を付着させる。この方法は、原子炉に装荷された燃料集合体だけでなく、原子炉に装荷される前の新規な燃料棒又は燃料集合体に適用することも可能である。新規な燃料棒の場合は、燃料集合体を炉から取り出す必要は無い。冷却用の水に浸漬された状態の新規な燃料棒又は燃料集合体を水中から取り出し、安定剤300を含有する液が保持された浴槽に浸漬させ、引き上げればよい。
注入法においては、原子力プラント1を循環する水(冷却水、又は炉水とも言う)に、安定剤300を含有する液を注入する(添加工程)。安定剤300を含有する液は、図1に示すように、たとえば、復水給水系30の注入位置A30、残留熱除去系40の注入位置A40、および、冷却材浄化系50の注入位置A50から、適宜、注入される。復水給水系30の注入位置A30は、復水給水系配管H30において高圧給水加熱器35よりも下流側に位置している。残留熱除去系40の注入位置A40は、残留熱除去系配管H40においてポンプ41と熱交換器42との間に位置している。冷却材浄化系50の注入位置A50は、冷却材浄化系配管H50において除去装置53よりも下流側に位置している。
ここでは、定常運転時には、水質基準値を考慮して、原子力プラント1を循環する水(冷却水)における安定剤300の濃度が500ppb以下になるように、安定剤300を含有する液を連続的に注入する。これに対して、起動時および停止時のトランジェント時においては、原子力プラント1を循環する水(冷却水)における安定剤300の濃度が10ppm以下になるように、安定剤300を含有する液の注入を制御する。
濃度の調整は、たとえば、検出器(図示省略)が検出した安定剤300の濃度に基づいて、制御装置(図示省略)が安定剤300の注入装置(図示省略)の動作を制御することで行う。たとえば、安定剤300の濃度が予め定めた値よりも高い場合には、安定剤300の注入を止め、安定剤300の濃度が予め定めた値よりも低い場合には、安定剤300の注入を実行する。
上記のように、燃料集合体100の表面に安定剤300が付着した後には、その安定剤300と、酸化ニッケル210および酸化コバルト220との間の反応が、原子炉10内の高温環境下において自発的に生じる。ここでは、原子力プラント1を構成する構造材の腐食で生じたニッケルおよびコバルトの酸化によって、酸化ニッケル210および酸化コバルト220が腐食生成物として生成される。そして、その酸化ニッケル210および酸化コバルト220と安定剤300との間で上記の反応が生ずることによって、低溶解度化合物310が生成される。
[D]まとめ(効果など)
以上のように、本実施形態では、燃料集合体100のうち炉水が接触する面に析出した金属酸化物(酸化ニッケル210、酸化コバルト220)と、安定剤300とを反応させることによって、低溶解度化合物310を形成する。低溶解度化合物310は、金属酸化物(酸化ニッケル210、酸化コバルト220)よりも炉水に対する溶解度が低く、放射性物質を含んだ状態で炉水へ溶解しにくい。その結果、炉水の放射線濃度が上昇することを抑制することができる。したがって、本実施形態では、炉水の放射線濃度を低減することができる。
特に、炉水がニッケルイオンを含み、炉水ニッケル濃度が0.2ppbを超える場合には、溶解度が高い酸化ニッケル210が金属酸化物として析出しやすい。しかし、本実施形態では、上記したように、安定剤300を用いることによって、酸化ニッケル210が低溶解度化合物310であるニッケル化合物に化学的に変化しているので、炉水ニッケル濃度が0.2ppbを超える場合であっても、炉水の放射線濃度の上昇を効果的に抑制可能である。
本実施形態では、安定剤300は、チタン、アルミニウム、タングステンの少なくとも1つの元素を組成に含む化合物であることが好ましい。これにより、本実施形態では、低溶解度化合物310を容易に形成することができる。
[E]変形例
上記の実施形態では、酸化ニッケル210および酸化コバルト220と、安定剤300とを反応させることによって、低溶解度化合物310を形成する場合について説明したが、これに限らない。酸化ニッケル210および酸化コバルト220以外の金属酸化物(酸化鉄、酸化亜鉛など)と、安定剤300とを反応させることによって、低溶解度化合物310の形成を行ってもよい。
<その他>
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…原子力プラント、10…原子炉、11…圧力容器、12…炉心、20…主蒸気系、21…蒸気タービン、21a…高圧タービン、21b…低圧タービン、30…復水給水系、31…復水器、32…復水フィルター、33…復水脱塩器、34…低圧給水加熱器、35…高圧給水加熱器、40…残留熱除去系、41…ポンプ、42…熱交換器、50…冷却材浄化系、51…熱交換器、52…ポンプ、53…除去装置、100…燃料集合体、101…チャンネルボックス、102…燃料棒、103…ウォータロッド、104…燃料スペーサ、105…ハンドル、106…上部タイプレート、107…下部タイプレート、108…ネットワーク部、109…下部端栓、200…ニッケルフェライト、210…酸化ニッケル、220…酸化コバルト、300…安定剤、310…低溶解度化合物、A30…注入位置、A40…注入位置、A50…注入位置、H20…主蒸気系配管、H21…配管、H21b…配管、H30…復水給水系配管、H34…ドレン管、H35…ドレン管、H40…残留熱除去系配管、H50…冷却材浄化系配管、W…炉水。

Claims (4)

  1. TiO,TiCl,Ti(OH),TiF,TiCl,TiN,TiC,Ti(SO,Ti,Ti(NOAl ,Al(OH),AlCl,Al(NO,Al(SO,WO,WOWCl ,WF,(NH101241・5HO,HWO及びHWOのうち、少なくとも1つの物質を含有する液体を作成する液体作成工程と、
    前記液体が含有する、TiO,TiCl,Ti(OH),TiF,TiCl,TiN,TiC,Ti(SO,Ti,Ti(NOAl ,Al(OH),AlCl,Al(NO,Al(SO,WO,WOWCl ,WF,(NH101241・5HO,HWO及びHWOのうち、少なくとも1つの物質を燃料集合体の表面に付着させる付着工程とを備え、
    前記付着工程は、
    前記液体を燃料集合体と接触する炉水に添加する添加工程を備え、
    前記炉水のニッケル濃度が0.2ppbを超える、燃料集合体の改修方法。
  2. TiO,TiCl,Ti(OH),TiF,TiCl,TiN,TiC,Ti(SO,Ti,Ti(NOAl ,Al(OH),AlCl,Al(NO,Al(SO,WO,WOWCl ,WF,(NH101241・5HO,HWO及びHWOのうち、少なくとも1つの物質を含有する液体を作成する液体作成工程と、
    前記液体が含有する、TiO,TiCl,Ti(OH),TiF,TiCl,TiN,TiC,Ti(SO,Ti,Ti(NOAl ,Al(OH),AlCl,Al(NO,Al(SO,WO,WOWCl ,WF,(NH101241・5HO,HWO及びHWOのうち、少なくとも1つの物質を燃料集合体の表面に付着させる付着工程とを備え、
    前記付着工程は、
    前記燃料集合体を炉水中から取り出す取り出し工程と、
    取り出した前記燃料集合体に、前記液体をスプレーするスプレー工程とを備える、燃料集合体の改修方法。
  3. TiO,TiCl,Ti(OH),TiF,TiCl,TiN,TiC,Ti(SO,Ti,Ti(NOAl ,Al(OH),AlCl,Al(NO,Al(SO,WO,WOWCl ,WF,(NH101241・5HO,HWO及びHWOのうち、少なくとも1つの物質を含有する液体を作成する液体作成工程と、
    前記液体が含有する、TiO,TiCl,Ti(OH),TiF,TiCl,TiN,TiC,Ti(SO,Ti,Ti(NOAl ,Al(OH),AlCl,Al(NO,Al(SO,WO,WOWCl ,WF,(NH101241・5HO,HWO及びHWOのうち、少なくとも1つの物質を燃料集合体の表面に付着させる付着工程とを備え、
    前記付着工程は、
    前記燃料集合体を炉水中から取り出す取り出し工程と、
    前記液体を浸漬槽に保持する浸漬準備工程と、
    取り出した前記燃料集合体を前記浸漬層の前記液体内に浸漬させる浸漬工程とを備える、燃料集合体の改修方法。
  4. TiO,TiCl,Ti(OH),TiF,TiCl,TiN,TiC,Ti(SO,Ti,Ti(NOAl ,Al(OH),AlCl,Al(NO,Al(SO,WO,WOWCl ,WF,(NH101241・5HO,HWO及びHWOのうち、少なくとも1つの物質を含有する液体を作成する液体作成工程と、
    前記液体が含有する、TiO,TiCl,Ti(OH),TiF,TiCl,TiN,TiC,Ti(SO,Ti,Ti(NOAl ,Al(OH),AlCl,Al(NO,Al(SO,WO,WOWCl ,WF,(NH101241・5HO,HWO及びHWOのうち、少なくとも1つの物質を燃料集合体の表面に付着させる付着工程とを備え、
    前記付着工程は、
    前記燃料集合体を水中から取り出す取り出し工程と、
    前記液体を浸漬槽に保持する浸漬準備工程と、
    取り出した前記燃料集合体を前記浸漬層の前記液体内に浸漬させる浸漬工程とを備える、燃料集合体の製造方法。
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