JP3165273B2 - 原子力発電プラントの水質制御方法及び燃料集合体 - Google Patents

原子力発電プラントの水質制御方法及び燃料集合体

Info

Publication number
JP3165273B2
JP3165273B2 JP00834493A JP834493A JP3165273B2 JP 3165273 B2 JP3165273 B2 JP 3165273B2 JP 00834493 A JP00834493 A JP 00834493A JP 834493 A JP834493 A JP 834493A JP 3165273 B2 JP3165273 B2 JP 3165273B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power plant
nuclear power
cladding
fuel
water quality
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP00834493A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06214092A (ja
Inventor
由高 西野
俊雄 沢
俊介 内田
大和 朝倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP00834493A priority Critical patent/JP3165273B2/ja
Publication of JPH06214092A publication Critical patent/JPH06214092A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3165273B2 publication Critical patent/JP3165273B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電プラントに
係わり、特に放射性クラッドの一次冷却水中への溶解を
抑制し原子炉周辺の配管の放射線量を低減するのに好適
な原子力発電プラントの水質制御方法及び燃料集合体に
関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電プラントの一次冷却水系の配
管材などから発生する腐食生成物粒子(以下、適宜鉄ク
ラッドという)は鉄の酸化物及び水酸化物が主体であ
る。これら鉄クラッドは、一次冷却水に含有されている
ニッケルイオン、コバルトイオンなどとともに原子炉内
に流入する。原子炉内に流入した鉄クラッド及びニッケ
ルイオン、コバルトイオン等は、燃料被覆管の表面にク
ラッドとして析出付着し(以下、適宜混合クラッドとい
う)、そこで中性子照射を受けて放射化される。このと
き混合クラッド中のニッケルイオン、コバルトイオンは
それぞれ、放射化核種であるコバルト58及びコバルト
60になる。これらの放射化された核種を含む混合クラ
ッドは、燃料被覆管表面より原子炉水中へ溶出(以下、
適宜再溶解という)し、原子炉外に出て原子炉周辺の配
管に付着・沈積しその場所において放射線を発生する。
これにより原子炉再循環系、原子炉浄化系配管等の放射
線量が上昇し作業従事者の放射線被曝の増大につながる
おそれがあるので、原子力発電プラントでは放射線量低
減のため一次冷却水の水質制御を行っている。
【0003】この一次冷却水の水質制御の方法は、燃
料被覆管表面に付着する混合クラッドの生成量を低減す
る方法、生成した混合クラッドの再溶解を抑制する方
法の2つに大別される。
【0004】方法の従来技術としては、給水系への酸
素注入や耐食性鋼の使用により配管材の腐食を防止し発
生する鉄クラッドの発生量の低減を図る方法や、復水浄
化系を強化して発生した鉄クラッドを一次冷却系の途中
で除去する方法等がある。方法の従来技術としては、
冷却水中のニッケルイオン又はコバルトイオンを鉄イオ
ンと反応させて、溶解速度の小さい複合酸化物であるニ
ッケルフェライトNiFe24又はコバルトフェライトC
oFe24とし、このニッケルフェライト又はコバルトフ
ェライトの形で混合クラッドを形成させることにより、
放射化された後に放射化核種であるコバルト58・コバ
ルト60を含む混合クラッドの再溶解を低減する方法が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には以下の問題点が存在する。方法によれば、
一次冷却水給水系において復水浄化等を行って鉄クラッ
ドの発生量を低減しても、下流の原子炉直前に位置する
ステンレス製の給水ヒーターよりある程度のニッケルイ
オン・コバルトイオン溶出は免れない。すなわち原子炉
内においては鉄イオン濃度のみが低減されて極低レベル
になる一方でニッケルイオン・コバルトイオンはあるレ
ベルで存在することとなる。このとき鉄クラッドが燃料
被覆管表面に付着する量は減少するが、ニッケルイオン
・コバルトイオンはそれぞれNiO、CoOを形成して燃
料被覆管表面に付着して混合クラッドとなる。ところが
このNiO、CoOは再溶解における溶解速度が高く、す
なわち放射化後にはコバルト58・コバルト60が燃料
被覆管表面から高い溶解速度で再溶解することとなり、
炉水放射能を高め原子炉系配管等の放射線量が上昇す
る。
【0006】また方法において、ニッケルフェライ
ト、コバルトフェライトを生成させるためには化学量論
的にはニッケルイオンまたはコバルトイオン1モルに対
して鉄イオン2モルが必要である。しかし炉内構造材か
らのニッケルイオン、コバルトイオンの溶出およびフェ
ライトへの転化率は100%ではないので、給水中の鉄
イオンは過剰量必要である。かかる見地から沸騰水型原
子力発電プラントにおいては、ニッケルおよびコバルト
(特に量的に多いニッケル)に対して給水中の鉄イオン
濃度の制御を行う必要がある。この鉄イオン濃度の制御
方法としては、一次冷却系に二重に配置された復水浄化
装置(復水濾過器と復水脱塩器)のうちの復水濾過器を
バイパスして一部の復水を流通させることによりこの復
水からの鉄イオンの減少を防止して鉄イオン濃度の制御
を行う方法、あるいは特開昭61-240196号公報及び同61-
245093号公報に記載のように、復水浄化装置の下流側か
ら原子炉までの間の配管内の一次冷却水中に別途系外か
ら鉄の水酸化物・酸化物又はイオンを注入することによ
り鉄イオン濃度の制御を行う方法がある。上記方法によ
れば、溶解速度の小さいニッケルフェライト又はコバル
トフェライトにより混合クラッドを形成させ燃料被覆管
表面に付着させることができる。しかし、ニッケルフェ
ライトやコバルトフェライトは溶解速度が小さいがゼロ
ではなく、固有の溶解速度によりわずかずつ溶解する。
従って、この方法によっては、放射化後においてはこの
固有溶解速度以下には混合クラッド中の放射化核種の炉
水中への再溶解を抑制することはできず不十分である。
また一般に酸化物の溶解速度は水質条件や他の環境因子
の影響を受け変化するから、燃料被覆管表面近傍の環境
条件によっては、混合クラッド中の放射化核種の炉水中
への再溶解が増加する場合も生じる。
【0007】本発明の目的は、混合クラッド中の放射化
核種の炉水中への再溶解を十分に抑制することができる
原子力発電プラントの水質制御方法及び燃料棒並びに燃
料集合体並びに原子力発電プラントを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、原子力発電プラントの一次冷却水
の水質を制御して原子炉周辺の配管の放射線量を低減す
る原子力発電プラントの水質制御方法において、前記原
子炉内の燃料被覆管表面に付着しているクラッドよりも
前記一次冷却水中で高い電位を有する高電位物質を、前
記一次冷却水に接する構成部材に設け、前記高電位物質
と前記クラッドとを電気的に導通させることにより、前
記クラッドから前記高電位物質に電子を放出させること
を特徴とする原子力発電プラントの水質制御方法が提供
される。
【0009】好ましくは、前記原子力発電プラントの水
質制御方法において、前記構成部材は、チャンネルボッ
クス、スペーサー、上部タイプレート、下部タイプレー
ト、チャンネルファスナー、炉心支持板、及び上部格子
板のうちの少なくともひとつであることを特徴とする原
子力発電プラントの水質制御方法が提供される。
【0010】また好ましくは、前記原子力発電プラント
の水質制御方法において、前記高電位物質は、マグネタ
イト、白金、金、銀、酸化亜鉛、酸化鉛、及び酸化マグ
ネシウムのうちの少なくともひとつであることを特徴と
する原子力発電プラントの水質制御方法が提供される。
【0011】また上記目的を達成するために、本発明に
よれば、原子力発電プラントの一次冷却水の水質を制御
して原子炉周辺の配管の放射線量を低減する原子力発電
プラントの水質制御方法において、前記原子炉内の燃料
被覆管表面に付着しているクラッドよりも前記一次冷却
水中で高い電位を有する酸化物を該一次冷却水中に注入
し、前記クラッドと接触させることにより、前記クラッ
ドから前記酸化物に電子を放出させることを特徴とする
原子力発電プラントの水質制御方法が提供される。
【0012】好ましくは、前記原子力発電プラントの水
質制御方法において、前記酸化物は粒径が5μm以下で
あることを特徴とする原子力発電プラントの水質制御方
法が提供される。
【0013】また好ましくは、前記原子力発電プラント
の水質制御方法において、前記酸化物は、酸化アルミニ
ウム、酸化鉛、及び酸化マグネシウムのうちの少なくと
もひとつであることを特徴とする原子力発電プラントの
水質制御方法が提供される。
【0014】また上記目的を達成するために、本発明に
よれば、原子力発電プラントの一次冷却水の水質を制御
して原子炉周辺の配管の放射線量を低減する原子力発電
プラントの水質制御方法において、前記原子炉内の燃料
被覆管表面に付着しているクラッドよりも前記一次冷却
水中で高い電位を有しかつ粒径が5μm以下である粒子
を該一次冷却水中に注入し、前記クラッドと接触させる
ことを特徴とする原子力発電プラントの水質制御方法が
提供される。
【0015】ましくは、前記原子力発電プラントの水
質制御方法において、前記粒子は、白金、金、及び銀の
うちの少なくともひとつであることを特徴とする原子力
発電プラントの水質制御方法が提供される。
【0016】さらに上記目的を達成するために、本発明
によれば、格子状に配列された複数の燃料棒と、これら
複数の燃料棒を軸方向複数箇所でそれぞれ束ねて燃料バ
ンドルとする複数のスペーサーと、前記燃料バンドルの
上端及び下端をそれぞれ支持する上部タイプレート及び
下部タイプレートと、前記上部タイプレートに設けられ
るチャンネルファスナーとを備え、原子力発電プラント
内に配置される燃料集合体において、前記燃料棒の燃料
被覆管表面に付着しているクラッドよりも前記原子力発
電プラントの一次冷却水中で高い電位を有し、前記クラ
ッドと電気的に導通したときに前記クラッドから電子を
放出させる高電位物質を、前記燃料棒以外の構成部材に
設けたことを特徴とする燃料集合体が提供される。
【0017】好ましくは、前記燃料集合体において、前
記高電位物質を設ける構成部材は、前記スペーサー、前
記上部タイプレート、前記下部タイプレート、及び前記
チャンネルファスナーのうちの少なくとも1つである
とを特徴とする燃料集合体が提供される。
【0018】また好ましくは、前記燃料集合体におい
て、前記高電位物質は、マグネタイト、白金、金、銀、
酸化亜鉛、酸化鉛、及び酸化マグネシウムのうちの少な
くともひとつであることを特徴とする燃料集合体が提供
される。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【作用】以上のように構成した本発明においては、原子
炉内の燃料被覆管表面に付着しているクラッドよりも一
次冷却水中において高い電位を有する高電位物質を一次
冷却水に接する構成部材に設け、その高電位物質とクラ
ッドとを電気的に導通させることにより、クラッドから
高電位物質に電子を放出させる酸化環境としてクラッド
の還元溶解を抑制しクラッドに含まれる放射化核種の炉
水中への溶解速度を低減する。
【0028】構成部材の例としては、チャンネルボック
ス、スペーサー、上部タイプレート下部タイプレー
ト、チャンネルファスナー、炉心支持板、及び上部格子
板のうちの少なくともひとつとする構成があり、いずれ
もクラッドから高電位物質へと電子を放出させることに
より、クラッドから高電位物質に電子を放出させる酸化
環境としてクラッドの還元溶解を抑制しクラッドに含ま
れる放射化核種の炉水中への溶解速度を低減する。
【0029】高電位物質の例としては、例えばマグネタ
イト、白金、金、銀、酸化亜鉛、酸化鉛、及び酸化マグ
ネシウムのうちの少なくともひとつとする構成がある。
いずれの場合も、クラッドからそれらの物質へと電子を
放出させることにより、クラッドの還元溶解を抑制しク
ラッドに含まれる放射化核種の炉水中への溶解速度を低
減する。
【0030】
【0031】また、本発明においては、原子炉内の燃料
被覆管表面に付着しているクラッドより高い電位を有す
酸化物を一次冷却水中に注入しクラッドと接触させる
ことにより、クラッドから酸化物へと電子を放出させる
酸化環境となりクラッドの還元溶解を抑制しクラッドに
含まれる放射化核種の炉水中への溶解速度を低減する。
【0032】また酸化物の粒径5μm以下とすること
より燃料被覆管表面への付着が良好である
【0033】酸化物の例としては、酸化アルミニウム、
酸化鉛、及び酸化マグネシウムのうちの少なくともひと
つにより構成するものがある。
【0034】さらに、本発明においては、原子炉内の燃
料被覆管表面に付着しているクラッドより高い電位を有
しかつ粒径が5μm以下である粒子を一次冷却水中に注
入しクラッドと接触させることにより、クラッドから粒
子へと電子を放出させる酸化環境となりクラッドの還元
溶解を抑制しクラッドに含まれる放射化核種の炉水中へ
の溶解速度を低減する。このとき、粒子の粒径を5μm
以下とすることより、燃料被覆管表面への付着が良好で
ある。 粒子の例としては、白金、金、及び銀のうちの少
なくともひとつにより構成するものがある。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図10により
説明する。まず、本発明の原理を図2〜図4により説明
する。一般に、酸化物の溶解は、溶解反応に水素イオン
が関与することからpHが低いほど早くなる。また酸化
物の溶解現象は酸化物結晶を構成するカチオン(陽イオ
ン)とアニオン(陰イオン)とが固相から液相へ移行す
る現象であって、その際に固相と液相の相境界(酸化物
表面)では電荷の移行を生じることから、溶解速度は酸
化物表面と液との界面で発生する電位差に依存する。こ
の酸化物表面の電位は、酸化物表面に吸着配位している
溶液中のイオンの種類によって変化し、また表面電位の
異なる異種の酸化物同士が接触する場合も変化する。さ
らに酸化物が燃料被覆管の表面に付着する場合は、酸化
物と燃料被覆管との電位差によっても変化する。
【0036】本発明は、原子力発電プラントの燃料被覆
管表面に付着した酸化物である混合クラッドの電位を制
御することにより、混合クラッドの炉水中への溶解速度
を低減し混合クラッドの含まれる放射化核種の再溶解を
抑制するものである。以下、この電位制御の原理につい
て具体的に説明する。
【0037】燃料被覆管表面に付着する混合クラッドの
成分は、ニッケルフェライトNiFe24、コバルトフェ
ライトCoFe24、ヘマタイトα-Fe23などに代表さ
れ、これらの酸化物(以下適宜フェライト等という)
は、次式に示すような還元溶解支配型の溶解挙動を示
す。 NiFe24+2e-+8H+ → Ni2++2Fe2++4H2O (1) CoFe24+2e-+8H+ → Co2++2Fe2++4H2O (2) α-Fe23+2e-+6H+ → 2Fe2++3H2O (3) すなわち、これらフェライト等は電子が供給されると上
式において右向きに反応が進み、それぞれイオンとなっ
て溶解が促進される。
【0038】ところで、酸化物であるフェライト等を水
中に浸漬させると、界面に電気二重層が形成されフェラ
イト等と水との間に電位差が生じる。この電位差はフェ
ライト等の組成や化学形態によって異なる。水との電位
差が異なる2種のフェライト等が水中で接触する場合は
局所電池を形成することになり、電位の高い方から低い
方へ電流が流れ、電位の低い方から電位の高い方へ電子
が供給される。そして電子が供給されたフェライト等
は、上記反応式により溶解が促進される。すなわち、ニ
ッケルフェライトNiFe24、コバルトフェライトCo
Fe24、及びヘマタイトα-Fe23は電子の供給を受
けると(すなわち還元環境において)それぞれNi2+
2Fe2+、Co2++2Fe2+、及び2Fe2+となって還元溶
解する。
【0039】この2種のフェライト等による局所電池の
一例を図2に示す。図2は、ニッケルフェライトNiFe
24とコバルトフェライトCoFe24とが水中で接触し
ている場合である。コバルトフェライトがニッケルフェ
ライトに対して電位が高い(水との電位差がより大き
い)ために、コバルトフェライトからニッケルフェライ
トに電流(溶解電流)が流れ、電子がコバルトフェライ
トに供給されコバルトフェライトは上述の反応式(2)
により還元溶解する。
【0040】このような局所電池による溶解電流は酸化
物と酸化物の間のみならず、酸化物と他の物質との間で
も流れ得る。酸化物と他の物質との局所電池の例を図3
に示す。図3は、混合クラッドと、混合クラッドと最も
長時間接触する燃料被覆管とが局所電池を形成する場合
である。図3において、混合クラッドは、ニッケルフェ
ライトにコバルトがドープされた酸化物である(NiC
o)Fe24を形成して燃料被覆管表面のジルコニウム合
金に付着している。この混合クラッドはジルコニウム合
金に対して電位が高い(水との電位差がより大きい)の
で、混合クラッドからジルコニウム合金に溶解電流が流
れ、混合クラッドは電子の供給を受けて反応式(1)及
び(2)に従って還元溶解する。
【0041】上記2つの局所電池の種々の温度の純水中
における溶解電流の測定結果を図4に示す。図4におい
て、下段の□印は、図2に示したニッケルフェライトN
iFe24とコバルトフェライトCoFe24とが水中で接
している場合の溶解電流であり、上段の○印は、図3に
示した(NiCo)Fe24([Co]/[Ni]=0.1)
とジルコニウム合金とが水中で接している場合の溶解電
流である。
【0042】以上のように、混合クラッドの主成分であ
るフェライト等は電子が供給されることにより還元溶解
が促進され溶解速度が増加する。よって、混合クラッド
に電子が供給されないようにする(例えば、混合クラッ
ドを高電位の物質と接触させ混合クラッドから電子が放
出される酸化環境とする)ことによりフェライト等の溶
解速度を低減し再溶解を抑制することができる。以下、
この原理に基づく本発明の実施例を説明する。
【0043】本発明の第1の実施例を図1により説明す
る。本実施例の水質制御方法を実施する燃料集合体の横
断面を図1に示す。図1の燃料集合体において、燃料ペ
レットを燃料被覆管11aに入れた燃料棒11が8本×
8本の正方格子状に配置され、チャンネルボックス12
に納められている。また一部の燃料棒11はウォーター
ロッドに置き換えられる場合もある。各燃料棒11の燃
料被覆管11aとチャンネルボックス12はその上部ま
たは下部において、図示しないスプリング・チャンネル
ファスナー・上部タイプレート・下部タイプレート等を
介し電気的に短絡されている。
【0044】チャンネルボックス12の内側の接水面
は、燃料被覆管11a表面に付着する混合クラッド50
よりも電位が高い(炉水との間の電位差が大きい)高電
位物質からなる高電位物質層13で構成されている。高
電位物質層13は、マグネタイト、白金、金、銀、銅、
酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化鉛、酸化マグネシウ
ム等の高電位物質をメッキ、溶射、スパッタリングなど
によりチャンネルボックス12の内側の接水面に膜状に
形成したものである。
【0045】以上において、電位の高い高電位物質層1
3からこれと電気的に短絡されている燃料被覆管11a
表面を通じて電位の低い混合クラッド50へ電流が流れ
る。すなわち混合クラッド50から燃料被覆管11aへ
と電子が放出される酸化環境となって還元溶解が抑制さ
れる
【0046】本実施例によれば、チャンネルボックス1
2の内側の接水面が混合クラッド50よりも電位が高い
高電位物質層13で構成されるので、混合クラッド50
から燃料被覆管11aへと電子が放出される酸化環境と
なり、混合クラッド50に含まれる放射化したフェライ
ト等の再溶解を抑制することができる。
【0047】なお、燃料被覆管11aと電気的に短絡さ
れ高電位物質13が設けられる構造材はチャンネルボッ
クス12に限られるものではなく、例えばスペーサー、
上部タイプレート、下部タイプレート、及びチャンネル
ファスナーの燃料集合体の構成部材でも良く、この場
合にも同様の効果を得る。さらに、燃料集合体の構成部
材にも限られず、例えば、炉心支持板、上部格子板等、
炉心の構成部材でも良い。但しこのとき、燃料被覆管1
1a表面に付着している混合クラッド50とそれら構成
部材との間で電気的閉回路が形成されるが沸騰水型原
子炉では炉水をはじめとする一次冷却水は超純水レベル
の低い導電率であることから、この閉回路全体の電気抵
抗を極力小さくするために、一次冷却水を介した燃料被
覆管11aとそれら炉心の構成部材との距離は10メー
トル以内であることが望ましい。
【0048】本発明の第2の実施例を図5により説明す
る。本実施例の水質制御方法を実施する燃料集合体の横
断面を図5に示す。第1の実施例と共通の部品について
は共通の番号で示す。図5の燃料集合体において、第1
の実施例の燃料集合体と異なる点は、燃料棒11とチャ
ンネルボックスとの間に別途電極24を設け、その表面
を高電位物質層13で構成したことである。よってチャ
ンネルボックス22内側の接水面には高電位物質層13
は設けられていない。
【0049】また、第1の実施例と同様に、各燃料棒1
1の燃料被覆管11aと電極24とはその上部または下
部において図示しない上部タイトプレート等により電気
的に短絡されている。電極24の高電位物質層13はマ
グネタイト、白金等であり、電極24全体がこれらから
構成されていてもよいし、電極24の母材表面にメッ
キ、溶射、スパッタリング等によりこれらの膜を形成し
てもよい。
【0050】以上において、第1の実施例と同様に、電
極24の高電位物質層13から電位の低い混合クラッド
50へ電流が流れ、混合クラッド50から燃料被覆管1
1aへと電子が放出され還元溶解が抑制される。本実施
例によっても、第1の実施例と同様の効果が得られる。
【0051】本発明の第3の実施例を図6により説明す
る。本実施例の水質制御方法を実施する燃料集合体の横
断面を図6に示す。第1及び第2の実施例と共通の部品
については共通の番号で示す。本実施例は、燃料集合体
の外側に外部電源35を設け、これにより電圧(例えば
100ミリボルト以上)を強制的に印加し、燃料棒11
の燃料被覆管11aに正の電位を与えて燃料被覆管11
a表面を混合クラッド50よりも高電位に保持するもの
である。また図示しない絶縁手段で燃料棒11の燃料被
覆管11aとチャンネルボックス32とを絶縁したうえ
でチャンネルボックス32と外部電源35の負極側を接
続し、チャンネルボックス32には負の電位を与えてい
る。
【0052】本実施例によれば、外部電源35により燃
料被覆管11a表面を混合クラッド50よりも高電位に
保持するので、混合クラッド50から燃料被覆管11a
へと電子が放出される酸化環境となり混合クラッド50
に含まれる放射化したフェライト等の再溶解を抑制する
ことができる。
【0053】なお、燃料被覆管11aと電気的に絶縁さ
れたうえで負の電位を与えられる構造材はチャンネルボ
ックス12に限られるものではなく、例えばスペーサ
ー、炉心支持板、上部格子板等の炉心及び燃料集合体の
構成部材でも良く、この場合にも同様の効果を得る。
【0054】本発明の第4の実施例を図7により説明す
る。本実施例の水質制御方法を実施する燃料集合体の横
断面を図7に示す。第1〜第3の実施例と共通の部品に
ついては共通の番号で示す。本実施例は、燃料被覆管1
1aに正の電位を与える点は第3の実施例と同様である
が、一方で燃料集合体の燃料棒11とチャンネルボック
ス22との間に第2の実施例と同様の電極46を設け、
この電極46に負の電位を与えるものである。本実施例
によっても、第3の実施例と同様の効果が得られる。
【0055】本発明の第5の実施例を図8により説明す
る。一般に、原子炉構成部材は燃料被覆管表面に付着し
ているニッケルフェライトなどの混合クラッドより炉水
条件下での電位が低い(すなわち炉水との電位差が小さ
い)。例えば、燃料被覆管に用いられるジルコニウム合
金は混合クラッドより電位が低いため、その表面に付着
した混合クラッドに電子を供給して混合クラッドの再溶
解を促進する。これを防ぐために上記第1〜第4の実施
例においては、混合クラッドを燃料被覆管より低電位と
することで混合クラッドへ電子を供給せず混合クラッド
から電子を放出させ、混合クラッドの再溶解を抑制する
ものであった。
【0056】本実施例は、燃料被覆管の表面に電気絶縁
層を設けて混合クラッドと燃料被覆管表面とを接触させ
ず、これらの間での電子のやりとり自体をできないよう
にすることにより混合クラッドの再溶解を抑制するもの
である。
【0057】本実施例の水質制御方法を実施する燃料集
合体において用いる燃料棒の燃料被覆管一部の縦断面を
図8に示す。第1〜第4の実施例と共通の部品について
は、共通の番号で示す。図8において、燃料被覆管11
aの被覆管材であるジルコニウム合金57の外表面に電
気絶縁層58が設けられる。電気絶縁層58の材料とし
ては、比抵抗が1010オームセンチメートル以上の酸化
物(例えば酸化アルミニウム、酸化ケイ素)・窒化物・
炭化物等のセラミックスが好適で、これらの材料を溶射
・スパッタリングなどにより100ナノメートル以上の
厚さの膜状に形成して電気絶縁層58を構成する。また
この電気絶縁層58の中に酸化ベリリウムなどの高熱伝
導性物質を混入させれば燃料棒の熱伝導向上に効果的で
ある。
【0058】以上において、一次冷却水中の鉄クラッド
やイオン等はこの電気絶縁層58の表面に付着析出し、
混合クラッド50を形成する。したがって混合クラッド
50とジルコニウム合金57とは電気的に絶縁され電子
のやりとりがないことより、混合クラッド50の再溶解
を抑制できる。
【0059】本実施例によれば、電気絶縁層58により
混合クラッド50と燃料被覆管11aとが絶縁され混合
クラッド50へ電子が供給されることがないので、混合
クラッド50に含まれる放射化したフェライト等の再溶
解を抑制することができる。
【0060】本発明の第6の実施例を図9及び図10に
より説明する。第1〜第5の実施例と共通の部品につい
ては共通の番号で示す。本実施例は、第1〜第4の実施
例と同様、混合クラッドと燃料被覆管表面とが接触する
場合において電位を制御することにより混合クラッドの
再溶解を抑制するものであるが、燃料被覆管の電位を高
電位とするのではなく別途冷却水中に高電位の粒子を加
えて燃料被覆管表面に付着させ、この高電位粒子と混合
クラッドとを接触させることにより混合クラッドから電
子を放出させるものである。
【0061】本実施例の水質制御方法を実施する沸騰水
型原子力発電プラントの一次冷却水の循環系統を図9に
示す。図9において、原子炉69内の炉心60で発生し
た蒸気はタービン61を回転させたのち復水器62にお
いて凝縮し復水となる。この復水は復水フィルター63
及び復水脱塩器64に送られてそれぞれにおいて不純物
が除去され、さらに給水ヒーター65に圧送され加熱さ
れて原子炉69へと給水される。また原子炉69内の炉
水の一部は再循環系を流通しさらにその一部は炉水浄化
系を循環する。また復水脱塩器64の下流側には粒子・
イオン注入装置66が設けられ、燃料被覆管11a表面
に付着する混合クラッド50よりも高電位で粒径が5μ
m以下である粒子又はイオンが一次冷却水中に供給さ
れ、混合クラッド50よりも電位の高い高電位物質68
を燃料被覆管11a表面に析出せしめる。粒子の粒径を
5μm以下とするのは5μmより大きい粒子では燃料被
覆管11a表面への付着量が低下するためである。
【0062】粒子・イオン注入装置66から注入する粒
子としては、酸化物ではマグネタイト、酸化亜鉛、酸化
アルミニウム、酸化鉛、酸化マグネシウムなどがあり、
金属では白金、金、銀、銅などがある。またイオンとし
ては、鉄2価イオン、鉄3価イオン、アルミニウムイオ
ン、鉛イオン、マグネシウムイオン、白金イオン、金イ
オン、及び銀イオンなどがある。高電位物質68が析出
した燃料被覆管11a接水部断面を図10に示す。
【0063】図10において、混合クラッド50よりも
電位が高く燃料被覆管11aの表面に析出した高電位物
質68と混合クラッド50とが燃料被覆管11a表面で
接触している。燃料被覆管11aのジルコニウム合金7
よりも混合クラッド50が電位が高いためジルコニウム
合金7から混合クラッド50へ電子が供給されるが、高
電位物質68が混合クラッド50よりもさらに電位が高
いのでこの供給された電子は直ちに高電位物質68へと
放出される。よって混合クラッド50の再溶解を抑制す
ることができる。この際、高電位物質68として例えば
マグネタイトを析出させた場合は、そのマグネタイトが
還元溶解することになる。
【0064】本実施例によれば、混合クラッド50より
も電位の高い高電位物質68と混合クラッド50とが接
触するので、混合クラッド50から高電位物質68へと
電子が放出される酸化環境となり混合クラッド50に含
まれる放射化したフェライト等の再溶解を抑制すること
ができる。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、高電位物質とクラッド
とを電気的に導通させるので、クラッドから高電位物質
に電子を放出させ、クラッドに含まれる放射化核種の炉
水中への溶解速度を低減し炉水中への再溶解を十分に抑
制することができる。よって、炉水の放射能濃度や配管
及び各機器の表面線量が低減でき、原子力発電プラント
の作業従事者の放射線被曝を大幅に低減できる。
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】また本発明によれば、クラッドより高い電
位を有する酸化物を一次冷却水中に注入しクラッドと接
触させるので、クラッドから酸化物へと電子を放出させ
クラッドに含まれる放射化核種の炉水中への再溶解を抑
制することができる。
【0070】また粒子は粒径が5μm以下であるので燃
料被覆管表面への付着が良好である。
【0071】さらに本発明によれば、クラッドより高い
電位を有しかつ粒径が5μm以下である粒子を一次冷却
水中に注入しクラッドと接触させるので、粒子を燃料被
覆管表面へ良好に付着させつつ、クラッドからその付着
した粒子へと電子を放出させクラッドに含まれる放射
化核種の炉水中への再溶解を抑制することができる。
【0072】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の水質制御方法を実施す
る燃料集合体の横断面図である。
【図2】フェライト等の局所電池による溶解を示す図で
ある。
【図3】酸化物と他の物質との局所電池による溶解を示
す図である。
【図4】溶解電流の測定結果である。
【図5】本発明の第2の実施例の水質制御方法を実施す
る燃料集合体の横断面図である。
【図6】本発明の第3の実施例の水質制御方法を実施す
る燃料集合体の横断面図である。
【図7】本発明の第4の実施例の水質制御方法を実施す
る燃料集合体の横断面図である。
【図8】本発明の第5の実施例の水質制御方法を実施す
る燃料集合体における燃料棒の燃料被覆管一部の縦断面
図である。
【図9】本発明の第6の実施例の水質制御方法を実施す
る沸騰水型原子力発電プラントの一次冷却水の循環系統
を示す図である。
【図10】高電位物質が析出した燃料被覆管接水部の断
面図である。
【符号の説明】
11 燃料棒 11a 燃料被覆管 12 チャンネルボックス 13 高電位物質層 22 チャンネルボックス 24 電極 32 チャンネルボックス 35 外部電源 46 電極 50 混合クラッド 57 ジルコニウム合金 58 電気絶縁層 66 粒子・イオン注入装置 68 高電位物質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 俊介 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社 日立製作所 エネルギー研究 所内 (72)発明者 朝倉 大和 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (56)参考文献 特開 平2−13894(JP,A) 特開 平6−214091(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21D 1/00 G21C 19/307 G21D 3/08

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子力発電プラントの一次冷却水の水質を
    制御して原子炉周辺の配管の放射線量を低減する原子力
    発電プラントの水質制御方法において、 前記原子炉内の燃料被覆管表面に付着しているクラッド
    よりも前記一次冷却水中で高い電位を有する高電位物質
    を、前記一次冷却水に接する構成部材に設け、前記高電
    位物質と前記クラッドとを電気的に導通させることによ
    り、前記クラッドから前記高電位物質に電子を放出させ
    ことを特徴とする原子力発電プラントの水質制御方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の原子力発電プラントの水質
    制御方法において、前記構成部材は、チャンネルボック
    ス、スペーサー、上部タイプレート、下部タイプレー
    ト、チャンネルファスナー、炉心支持板、及び上部格子
    板のうちの少なくともひとつであることを特徴とする原
    子力発電プラントの水質制御方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の原子力発電プラン
    トの水質制御方法において、前記高電位物質は、マグネ
    タイト、白金、金、銀、酸化亜鉛、酸化鉛、及び酸化マ
    グネシウムのうちの少なくともひとつであることを特徴
    とする原子力発電プラントの水質制御方法。
  4. 【請求項4】原子力発電プラントの一次冷却水の水質を
    制御して原子炉周辺の配管の放射線量を低減する原子力
    発電プラントの水質制御方法において、 前記原子炉内の燃料被覆管表面に付着しているクラッド
    よりも前記一次冷却水中で高い電位を有する酸化物を該
    一次冷却水中に注入し、前記クラッドと接触させること
    により、前記クラッドから前記酸化物に電子を放出させ
    ことを特徴とする原子力発電プラントの水質制御方
    法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の原子力発電プラントの水質
    制御方法において、前記酸化物は粒径が5μm以下であ
    ることを特徴とする原子力発電プラントの水質制御方
    法。
  6. 【請求項6】請求項4または5記載の原子力発電プラン
    トの水質制御方法において、前記酸化物は、酸化アルミ
    ニウム、酸化鉛、及び酸化マグネシウムのうちの少なく
    ともひとつであることを特徴とする原子力発電プラント
    の水質制御方法。
  7. 【請求項7】原子力発電プラントの一次冷却水の水質を
    制御して原子炉周辺の配管の放射線量を低減する原子力
    発電プラントの水質制御方法において、 前記原子炉内の燃料被覆管表面に付着しているクラッド
    よりも前記一次冷却水中で高い電位を有しかつ粒径が5
    μm以下である粒子を該一次冷却水中に注入し、前記ク
    ラッドと接触させることを特徴とする原子力発電プラン
    トの水質制御方法。
  8. 【請求項8】請求項7記載の原子力発電プラントの水質
    制御方法において、前記粒子は、白金、金、及び銀のう
    ちの少なくともひとつであることを特徴とする原子力発
    電プラントの水質制御方法。
  9. 【請求項9】格子状に配列された複数の燃料棒と、これ
    ら複数の燃料棒を軸方向複数箇所でそれぞれ束ねて燃料
    バンドルとする複数のスペーサーと、前記燃料バンドル
    の上端及び下端をそれぞれ支持する上部タイプレート及
    び下部タイプレートと、前記上部タイプレートに設けら
    れるチャンネルファスナーとを備え、原子力発電プラン
    ト内に配置される燃料集合体において、 前記燃料棒の燃料被覆管表面に付着しているクラッドよ
    りも前記原子力発電プラントの一次冷却水中で高い電位
    を有し、前記クラッドと電気的に導通したときに前記ク
    ラッドから電子を放出させる高電位物質を、前記燃料棒
    以外の構成部材に設けたことを特徴とする燃料集合体。
  10. 【請求項10】請求項9記載の燃料集合体において、前
    記高電位物質を設ける構成部材は、前記スペーサー、前
    記上部タイプレート、前記下部タイプレート、及び前記
    チャンネルファスナーのうちの少なくとも1つであるこ
    とを特徴とする燃料集合体。
  11. 【請求項11】請求項9または10記載の燃料集合体に
    おいて、前記高電位物質は、マグネタイト、白金、金、
    銀、酸化亜鉛、酸化鉛、及び酸化マグネシウムのうちの
    少なくともひとつであることを特徴とする燃料集合体。
JP00834493A 1993-01-21 1993-01-21 原子力発電プラントの水質制御方法及び燃料集合体 Expired - Fee Related JP3165273B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00834493A JP3165273B2 (ja) 1993-01-21 1993-01-21 原子力発電プラントの水質制御方法及び燃料集合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00834493A JP3165273B2 (ja) 1993-01-21 1993-01-21 原子力発電プラントの水質制御方法及び燃料集合体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06214092A JPH06214092A (ja) 1994-08-05
JP3165273B2 true JP3165273B2 (ja) 2001-05-14

Family

ID=11690604

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00834493A Expired - Fee Related JP3165273B2 (ja) 1993-01-21 1993-01-21 原子力発電プラントの水質制御方法及び燃料集合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3165273B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009092619A (ja) * 2007-10-12 2009-04-30 Global Nuclear Fuel-Japan Co Ltd 燃料集合体、その部品、それらの製造方法、および、チャンネルボックス
JP2009229388A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 原子力プラントの放射線被ばく低減方法、原子力プラント及び燃料集合体
WO2018046143A1 (en) * 2016-09-06 2018-03-15 Westinghouse Electric Sweden Ab A fuel assembly
JP6517981B2 (ja) * 2017-07-31 2019-05-22 株式会社東芝 燃料集合体の改修方法、燃料集合体の製造方法
CN108597625B (zh) * 2018-05-08 2019-04-09 西安交通大学 一种研究铅基反应堆棒束通道内熔融物迁徙行为的实验装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06214092A (ja) 1994-08-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE102005058737B4 (de) Kernkraftwerk, Verfahren zur Bildung einer korrosionsbeständigen Beschichtung dafür und Verfahren zum Betrieb eines Kernkraftwerks
JPH079477B2 (ja) 原子力発電プラントの放射能低減法及び原子力発電プラント
US3170847A (en) Self-moderating fuel element
JP3165273B2 (ja) 原子力発電プラントの水質制御方法及び燃料集合体
JPH0631816B2 (ja) 原子力プラントにおける冷却水中への放射性物質の溶出抑制方法及びその装置
JP4944542B2 (ja) 構造材からのニッケル及びコバルトの溶出抑制方法
JPS631888B2 (ja)
JP4528499B2 (ja) 原子炉構造材料の腐食低減方法
Vandegrift et al. Preliminary investigations for technology assessment of Mo production from LEU targets
Sakamura et al. New Oxygen-Evolving Inert Anode Made of Nickel Metal Applicable to Electrolytic Reduction of UO2 in LiCl–Li2O Melt
JPS61240196A (ja) Bwrプラントの水質制御方法及び水質制御装置
JPS5983800A (ja) 表面付着鉄酸化物の溶解法
JPS628237B2 (ja)
Vandegrift et al. CONTINUING INVESTIGATIONS FOR TECHNOLOGY ASSESSMENT OF" Mo PRODUCTION FROM LEU TARGETS
JP2995025B2 (ja) 沸騰水型原子炉用燃料被覆管及び燃料棒並びにその製造方法
JPH0255520B2 (ja)
JPS59180397A (ja) 軽水炉用高温フイルタ要素
JPS62233796A (ja) 原子力プラントの放射能低減方法及び原子力プラント
JPH0220080B2 (ja)
Tomlinson The basis of activity transport
JPH10142363A (ja) 燃料棒及びその製造方法
JPS5860296A (ja) 軽水炉のコバルト除去方法
Vandegrift et al. Preliminary investigations for technology assessment of/sup 99/Mo production from LEU (low enriched uranium) targets.[For production of/sup 99m/Tc; by different methods]
US3401083A (en) Neutronic device
JPH05288893A (ja) 沸騰水型原子力発電プラントのクロム濃度管理方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees