JP2009092619A - 燃料集合体、その部品、それらの製造方法、および、チャンネルボックス - Google Patents

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Abstract

【課題】水冷却型原子炉用燃料集合体に用いられるジルコニウム合金製部材の腐食および水素吸収を抑制する。
【解決手段】ジルコニウムを主成分とする合金によって形成されたジルコニウム合金部12を備えた、たとえば燃料被覆管31などの水冷却型の原子炉に装荷される燃料集合体に用いる部品に、原子炉に装荷されると冷却水と接する面にジルコニウム合金部12を覆うようにフェライト被膜13を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水冷却型の原子炉に装荷される燃料集合体、その部品、それらの製造方法、および、チャンネルボックスに関する。
水冷却型原子炉では、中性子経済の観点から熱中性子吸収断面積が小さいジルコニウム合金が燃料集合体の構成部材に多く使用されている。ジルコニウム合金は、高温・高圧の水中で十分な耐食性を有しているが、高燃焼度領域において水素吸収量が増加する傾向がある。
一方、経済性や資源有効利用の観点から大幅な高燃焼度化が進められている。このため、耐食性・耐水素吸収性に優れたジルコニウム合金の開発が進められている(たとえば特許文献1参照)。また、従来のジルコニウム合金の表面にジルコニウム合金の酸化膜を形成させる表面処理技術(特許文献2参照)や、ゾル・ゲル法などにより金属酸化物被膜をコーティングする技術(特許文献3参照)などが、ジルコニウム合金の腐食及び水素吸収を抑制する方法として知られている。また、特許文献4には、燃料被覆管の表面に付着したクラッドの再溶解を抑制するために、チャンネルボックスの内面にマグネタイトなどの層を形成する技術が開示されている。
特開平6−317687号公報 特開平11−23757号公報 特開2001−4768号公報 特開平6−214092号公報
ジルコニウム合金は、水冷却型原子炉の炉心で長期間使用されると腐食が進行する。腐食反応で発生した水素の一部は、ジルコニウム合金に吸収されるため、金属中の水素濃度が増加する。使用期間が長くなると、金属中の水素がジルコニウム水素化物となって析出する場合がある。この析出物は、金属の延性を低下させ、燃料集合体の機械的健全性を低下させる場合がある。たとえば軽水炉で使用されている燃料集合体では、45GWd/t以上の燃焼度でジルコニウム合金製部材中の水素吸収が増加する傾向が見られており、45GWd/t以上の燃焼度で特に水素吸収の低減が求められている。
そこで本発明は、水冷却型原子炉用燃料集合体に用いられるジルコニウム合金製部材の腐食および水素吸収を抑制することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、水冷却型の原子炉に装荷される燃料集合体に用いる部品において、ジルコニウムを主成分とする合金によって形成されたジルコニウム合金部と、前記原子炉に装荷されると冷却水と接する面に前記ジルコニウム合金部を覆うように形成されたフェライト被膜と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、水冷却型の原子炉に装荷される燃料集合体において、ジルコニウムを主成分とする材料によって管状に形成されたジルコニウム合金部と、前記ジルコニウム合金部の外面を覆うフェライト被膜とを備えた燃料被覆管、を有することを特徴とする。
また、本発明は、水冷却型の原子炉に装荷される燃料集合体において、ジルコニウムを主成分とする材料によって形成されたジルコニウム合金部と、前記ジルコニウム合金部を覆うフェライト被膜とを備えたスペーサ、を有することを特徴とする。
また、本発明は、水冷却型の原子炉に装荷される燃料集合体において、ジルコニウムを主成分とする材料によって形成されたジルコニウム合金部と、前記ジルコニウム合金部を覆うフェライト被膜とを備えたウォータロッド、を有することを特徴とする。
また、本発明は、沸騰水型の原子炉に装荷される燃料集合体に装着されるチャンネルボックスおいて、ジルコニウムを主成分とする材料によって実質的に角管状に形成されたジルコニウム合金部と、前記ジルコニウム合金部の外面を覆うフェライト被膜とフェライト被膜と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、水冷却型の原子炉に装荷される燃料集合体に用いる部品の製造方法において、ジルコニウムを主成分とする合金によってジルコニウム合金成型体を成型する成型工程と、前記成型工程の後に、前記ジルコニウム合金成型体の前記原子炉に装荷されると冷却水に接する面にフェライト被膜をコーティングする被膜形成工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、水冷却型の原子炉に装荷される燃料集合体の製造方法において、ジルコニウムを主成分とする合金によってジルコニウム合金成型体を成型する成型工程と、前記ジルコニウム合金成型体を含む構成部材を前記燃料集合体の形状に組み立てる組み立て工程と、前記組み立て工程の後に、前記構成部材の前記原子炉に装荷されると冷却水に接する面にフェライト被膜をコーティングする被膜形成工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、水冷却型原子炉用燃料集合体に用いられるジルコニウム合金製部品の腐食および水素吸収を抑制することができる。
本発明に係る沸騰水型原子炉に装荷される燃料集合体の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、ここでは沸騰水型原子炉に装荷される燃料集合体を例として説明するが、水冷却型の原子炉であれば、たとえば加圧水型原子炉に装荷される燃料集合体にも適用できる。また、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施の形態]
図3は、本発明に係る燃料集合体の第1の実施の形態における縦断面図である。
燃料集合体10は、たとえば正方格子状に配列された複数の燃料棒14を有している。この正方格子の中央付近には、2本のウォータロッド22が配置される。燃料棒14およびウォータロッド22は、スペーサ17によって間隔を保持されている。また、燃料棒14の上端および下端は、上部タイプレート24および下部タイプレート25で支持されている。上部タイプレート24および下部タイプレート25は、たとえばステンレス鋼製である。
燃料集合体10が沸騰水型原子炉の炉心に装荷される際には、燃料集合体10の側面を覆う角管状のチャンネルボックス23が装着される。なお、チャンネルボックス23を含めて燃料集合体と呼ぶ場合もあるが、ここでは、チャンネルボックス23は、燃料集合体に含まれないものとする。
図1は、本実施の形態における燃料棒の横断面図である。図2は、本実施の形態における燃料棒の一部切り欠き側面図である。
燃料棒14は、円管状の燃料被覆管31の内部に、核燃料物質をたとえば短い円柱状の複数のペレット11として収めたものである。燃料被覆管31の両端は、上部端栓15および下部端栓16と密封溶接されている。
燃料被覆管31は、ジルコニウム合金部12と、フェライト被膜13とを有している。ジルコニウム合金部12は、ジルコニウムを主成分とする合金によって管状に形成されている。この合金は、たとえばジルカロイ−2である。フェライト被膜13は、ジルコニウム合金部12の外側面を覆っている。すなわち、フェライト被膜13は、燃料集合体10が原子炉に装荷されると冷却水と接する面に、ジルコニウム合金部12を覆うように形成されている。フェライト被膜13は、たとえばマグネタイト、ニッケルフェライト、亜鉛フェライトなどのフェライト(MO・Fe:Mは2価の金属)で形成されている。同様に、上部端栓15および下部端栓16も、ジルコニウムを主成分とする合金によって形成されたジルコニウム合金部12と、このジルコニウム合金部12を覆うように形成されたフェライト被膜13とを有している。
図4は、本実施の形態におけるスペーサの上面図である。図5は、本実施の形態のスペーサの側面図である。図6は、本実施の形態におけるスペーサの一部拡大横断面図である。
スペーサ17は、たとえば正方格子状に配列された短い管状のセル管19を有している。複数のセル管19の全体は、バンド20で束ねられている。セル管19の内部のそれぞれに燃料棒14が配置される。また、2つのセル管19を挟むようにスペーサスプリング18が設けられている。スペーサスプリング18は、たとえばインコネル(登録商標)製である。また、スペーサ17の中心付近には、ウォータロッド22が通る空間が形成されており、ウォータロッド22は、架橋板21によって適切な位置に配置される。
スペーサ17のセル管19、バンド20および架橋板21は、いずれも、燃料被覆管31と同様に、ジルコニウムを主成分とする合金によって形成されたジルコニウム合金部12と、このジルコニウム合金部12を覆うフェライト被膜13とを有している。フェライト被膜13は、燃料集合体10が原子炉に装荷されると冷却水と接する面に形成されている。セル管19、バンド20および架橋板21は、表面全体が冷却水と接することとなるため、フェライト被膜13はこれらの部品の全面に形成されている。
図7は、本実施の形態におけるウォータロッドの横断面図である。図8は、本実施の形態におけるチャンネルボックスの一部拡大断面図である。
ウォータロッド22およびチャンネルボックス23も、ジルコニウムを主成分とする合金によって形成されたジルコニウム合金部12と、このジルコニウム合金部12を覆うフェライト被膜13とを有している。ウォータロッド22およびチャンネルボックス23は、燃料集合体10が原子炉に装荷されると内面および外面が冷却水と接することとなるため、フェライト被膜13はこれらの内面および外面に形成されている。
図9は、フェライトをコーティングしたジルカロイ−2の腐食試験結果を示すグラフである。この腐食試験では、フェライトを長方形平板状のジルカロイ−2にコーティングした試験片を高温・高圧の水蒸気中に所定の時間保持し、重量増加量および水素吸収量を測定した。また、同じ形状でフェライトをコーティングしていないジルカロイ−2の試験片についても同じ条件で試験を行い、フェライトをコーティングした試験片の試験結果はコーティングなしの試験片に対する相対値として示した。フェライトとしては、代表的なマグネタイト、ニッケルフェライト、亜鉛フェライトをコーティングした。コーティングの厚さは約1μmである。
図9から、フェライト被膜をコーティングしたジルカロイ−2の腐食量は、コーティングしていないジルカロイ−2の半分程度以下になることがわかる。また、フェライト被膜をコーティングしたジルカロイ−2の水素吸収量は1/10以下になることがわかる。さらに、フェライト被膜のコーティングによる水素吸収量の低下の割合は、腐食量の低下の割合よりも大きいことから、フェライト被膜のコーティングにより、同じ腐食量における水素吸収量、すなわち、水素吸収率が低減されていることがわかる。
ジルコニウム合金の酸化および水素の吸収は、酸素や水素がジルコニウム合金の表面に到達することにより生じる。しかし、ジルコニウム合金で形成された部品の水側表面にフェライトをコーティングすると、緻密なフェライト被膜が酸素や水素の移動に対する障壁となる。このため、燃料集合体10の主としてジルコニウム合金で形成された部品の水側表面に、緻密なフェライト被膜13をコーティングすることにより、これらの部品の腐食および水素吸収を抑制することができる。
図10は、フェライト被膜の健全性の試験結果を示すグラフである。健全性は、フェライト被膜の厚さを変えた試験片の表面を引っ張って、フェライト被膜が剥離するか否かによって試験した。引っ張る力は、2段階に変化させて試験を行った。大きな力で引っ張っても剥離しなかったものを良好、小さな力で引っ張った場合に剥離せず、大きな力で引っ張った場合に剥離したものをやや良好、小さな力で引っ張った場合に剥離したものを不良と判定した。
フェライト被膜の厚さが5μm以下の場合には、小さな力で引っ張った場合に剥離が生じなかったことから、フェライト被膜の健全性を確保するためには、厚さが5μm以下であることが好ましい。さらに、フェライト被膜の厚さが1.7μm以下の場合には、より大きな力で引っ張った場合に剥離が生じなかったことから、厚さが1.7μm以下である方が、フェライト被膜の健全性は高く、好ましい。また、フェライト被膜を一様に形成する観点から、フェライト被膜の厚さは0.5μm程度以上であることが好ましい。
このような燃料集合体10の部品は、まずジルカロイ−2を所定の形状に成型してジルコニウム合金成型体を形成した後に、このジルコニウム合金成型体の表面にフェライト被膜13をコーティングする。このジルコニウム合金成型体が、ジルコニウム合金部12となる。フェライト被膜13のコーティングは、たとえばスピンスプレー法によって行う。
スピンスプレー法では、成型したジルコニウム合金をターンテーブル上に配置し、回転させながら金属イオン溶液、酸化剤溶液およびpH調整剤を吹き付けることによりフェライト被膜13を形成させる。コーティングの際、温度が低すぎると反応速度が遅くなり、また、温度が高すぎると溶液の蒸発が多い。このため、50℃〜100℃、たとえば90℃程度に加熱しながら、コーティングを行う。
ウォータロッド22は、たとえば複数のジルカロイ−2製の管を溶接して最終的な形状に成型した後に、内面側と外面側の両方に金属イオン溶液と酸化剤溶液を流しながらフェライト被膜13をコーティングする。チャンネルボックス23は、たとえばジルカロイ−2製角管にクリップなどを溶接して最終的な形状に成型した後に、内面側と外面側の両方に金属イオン溶液と酸化剤溶液を流しながらフェライト被膜13をコーティングする。
なお、フェライト被膜13のコーティング方法は、スピンスプレー法に限るものではなく、浸漬法、超音波励起法、流水法などを用いてもよい。浸漬法では、成型したジルコニウム合金を金属イオン溶液と酸化剤、pH調整剤溶液中に浸漬して、溶液を撹拌し、コーティングを行う。超音波励起法では、この撹拌を超音波励起により行う。また、流水法では、金属イオン溶液と酸化剤溶液、pH調整剤を流しながらジルコニウム合金表面上にフェライト被膜をコーティングする。
また、フェライト被膜13は、個々の部品ごとにコーティングしてもよいが、組み立てた後にコーティングしてもよい。たとえば、セル管19、バンド20などを別々にコーティングして形成した後にスペーサ17として組み立ててもよい。また、スペーサ17のそれぞれの部品をスペーサの形状に組み立てた後に、インコネル製のスペーサスプリング18も組み込んだまま、まとめてフェライト被膜13をコーティングしてもよい。この場合、スペーサスプリング18にもフェライト被膜がコーティングされ、燃料棒14とスペーサスプリング18との接触による磨耗が低減される。
さらに、フェライト被膜13をコーティングしない状態で、ジルコニウム合金成型体、および、タイプレートなどの他の構成部材を、燃料集合体の形態に組み立てた後に、燃料集合体全体に、まとめてフェライト被膜13をコーティングしてもよい。
このようにして、水冷却型原子炉用燃料集合体に用いられるジルコニウム合金製部品にフェライト被膜をコーティングすることにより、ジルコニウム合金製の部品の腐食および水素吸収を抑制することができる。このため、燃焼が進んでも燃料集合体の健全性の低下を抑制することができる。特に、現在軽水炉で使用されている燃料集合体では、45GWd/t以上の燃焼度でジルコニウム合金製部材中の水素吸収が増加する傾向が見られるため、45GWd/t以上の燃焼度まで使用される燃料集合体の健全性低下の抑制に有効である。
なお、フェライト被膜13は、マグネタイト、ニッケルフェライト、ジンクフェライトに限定されず、これと同様の結晶構造を持つフェライトでも同様の効果が得られる。また、磨耗を抑制させるために、互いに接触する部品同士に形成するフェライト被膜は、同質のものが好ましい。
[第2の実施の形態]
図11は、本発明に係る燃料集合体の第2の実施の形態における燃料棒の横断面図である。
本実施の形態の燃料被覆管31は、ジルコニウム合金部12とフェライト被膜13との間に、中間層32を有している。この中間層32は、たとえばジルコニアを主成分とする酸化被膜である。また、中間層32として、シリカを主成分とするシリカ被膜を形成してもよい。このようにジルコニウム合金部12の表面に、中間層32として酸化膜層あるいはシリカ被膜を形成しておくことにより、フェライト被膜13の密着性を向上させることができる。
酸化膜被膜は、たとえばジルコニウム合金を燃料被覆管31の最終的な形状に成型し、燃料ペレット11を装填して、上部端栓15および下部端栓16を溶接した後に、高温大気中あるいは高温水蒸気中に保持して形成する。酸化被膜の厚さは、酸化速度の加速が生じておらず、緻密な構造をしており、かつ、酸素および水素の拡散移動を抑制できるように、0.5μm程度から3μm程度の範囲が好ましい。
シリカ被膜も、たとえばジルコニウム合金を燃料被覆管31の最終的な形状に成型し、燃料ペレット11を装填して、上部端栓15および下部端栓16を溶接した後に、コーティングして形成することができる。シリカ被膜の厚さは、被膜の緻密性、密着性、並びに、酸素および水素の拡散抑制の観点から、0.1μm程度から10μm程度の範囲が好ましい。
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上述の各実施の形態に限定されず、様々な形態で実施することができる。また、各実施の形態の特徴を組み合わせて実施することもできる。
たとえば、スペーサ17、ウォータロッド22あるいはチャンネルボックス23において、ジルコニウム合金部12とフェライト被膜13との間に、酸化被膜あるいはシリカ被膜の中間層32を形成してもよい。また、ジルコニウム合金部12が表面に露出した状態のまま燃料集合体を組み立てて、その後、燃料集合体の一部または全体にフェライト被膜13をコーティングしてもよい。
本発明に係る燃料集合体の第1の実施の形態における燃料棒の横断面図である。 本発明に係る燃料集合体の第1の実施の形態における燃料棒の一部切り欠き側面図である。 本発明に係る燃料集合体の第1の実施の形態における縦断面図である。 本発明に係る燃料集合体の第1の実施の形態におけるスペーサの上面図である。 本発明に係る燃料集合体の第1の実施の形態のスペーサの側面図である。 本発明に係る燃料集合体の第1の実施の形態におけるスペーサの一部拡大横断面図である。 本発明に係る燃料集合体の第1の実施の形態におけるウォータロッドの横断面図である。 本発明に係る燃料集合体の第1の実施の形態におけるチャンネルボックスの一部拡大断面図である。 フェライトをコーティングしたジルカロイ−2の腐食試験結果を示すグラフである。 フェライト被膜の健全性の試験結果を示すグラフである。 本発明に係る燃料集合体の第2の実施の形態における燃料棒の横断面図である。
符号の説明
10…燃料集合体、11…ペレット、12…ジルコニウム合金部、13…フェライト被膜、14…燃料棒、15…上部端栓、16…下部端栓、17…スペーサ、18…スペーサスプリング、19…セル管、20…バンド、21…架橋板、22…ウォータロッド、23…チャンネルボックス、24…上部タイプレート、25…下部タイプレート、31…燃料被覆管、32…中間層

Claims (14)

  1. 水冷却型の原子炉に装荷される燃料集合体に用いる部品において、
    ジルコニウムを主成分とする合金によって形成されたジルコニウム合金部と、
    前記原子炉に装荷されると冷却水と接する面に前記ジルコニウム合金部を覆うように形成されたフェライト被膜と、
    を有することを特徴とする燃料集合体に用いる部品。
  2. 前記フェライト被膜の厚さは、5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の燃料集合体に用いる部品。
  3. 前記フェライト被膜は、マグネタイト、ニッケルフェライト、ジンクフェライトのいずれかを主成分とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料集合体に用いる部品。
  4. ジルコニアおよびシリカのいずれかを主成分とし、前記ジルコニウム合金部と前記フェライト被膜との間に形成された中間層を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の燃料集合体に用いる部品。
  5. 水冷却型の原子炉に装荷される燃料集合体において、
    ジルコニウムを主成分とする材料によって管状に形成されたジルコニウム合金部と、前記ジルコニウム合金部の外面を覆うフェライト被膜とを備えた燃料被覆管、
    を有することを特徴とする燃料集合体。
  6. 水冷却型の原子炉に装荷される燃料集合体において、
    ジルコニウムを主成分とする材料によって形成されたジルコニウム合金部と、前記ジルコニウム合金部を覆うフェライト被膜とを備えたスペーサ、
    を有することを特徴とする燃料集合体。
  7. 水冷却型の原子炉に装荷される燃料集合体において、
    ジルコニウムを主成分とする材料によって形成されたジルコニウム合金部と、前記ジルコニウム合金部を覆うフェライト被膜とを備えたウォータロッド、
    を有することを特徴とする燃料集合体。
  8. 沸騰水型の原子炉に装荷される燃料集合体に装着されるチャンネルボックスおいて、
    ジルコニウムを主成分とする材料によって実質的に角管状に形成されたジルコニウム合金部と、
    前記ジルコニウム合金部の内面および外面を覆うフェライト被膜と、
    を有することを特徴とするチャンネルボックス。
  9. 水冷却型の原子炉に装荷される燃料集合体に用いる部品の製造方法において、
    ジルコニウムを主成分とする合金によってジルコニウム合金成型体を成型する成型工程と、
    前記成型工程の後に、前記ジルコニウム合金成型体の前記原子炉に装荷されると冷却水に接する面にフェライト被膜をコーティングする被膜形成工程と、
    を有することを特徴とする燃料集合体に用いる部品の製造方法。
  10. 前記被膜形成工程は、前記成型体を、金属イオン、酸化剤およびpH調整剤を含有する溶液に接触させて、50℃から100℃に保持する工程を含むことを特徴とする請求項9に記載の燃料集合体に用いる部品の製造方法。
  11. 前記成型体は、浸漬法、超音波励起法、スピンスプレー法および流水法のいずれかの方法で前記溶液と接触させられることを特徴とする請求項10に記載の燃料集合体に用いる部品の製造方法。
  12. 前記成型工程の後で前記被膜形成工程の前に、前記ジルコニウム合金成型体の表面にジルコニアおよびシリカのいずれかを主成分とする中間層を形成する中間層形成工程、を有することを特徴とする請求項9ないし請求項11のいずれか1項に記載の燃料集合体に用いる部品の製造方法。
  13. 前記中間層は酸化膜層であって、前記中間層形成工程は前記成型体を大気および水蒸気のいずれかの雰囲気中で高温に保持する工程を含む、ことを特徴とする請求項12に記載の燃料集合体に用いる部品の製造方法。
  14. 水冷却型の原子炉に装荷される燃料集合体の製造方法において、
    ジルコニウムを主成分とする合金によってジルコニウム合金成型体を成型する成型工程と、
    前記ジルコニウム合金成型体を含む構成部材を前記燃料集合体の形状に組み立てる組み立て工程と、
    前記組み立て工程の後に、前記構成部材の前記原子炉に装荷されると冷却水に接する面にフェライト被膜をコーティングする被膜形成工程と、
    を有することを特徴とする燃料集合体の製造方法。
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