JP6516583B2 - 半導体試料の結晶欠陥検出装置及び結晶欠陥検出方法 - Google Patents

半導体試料の結晶欠陥検出装置及び結晶欠陥検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6516583B2
JP6516583B2 JP2015124906A JP2015124906A JP6516583B2 JP 6516583 B2 JP6516583 B2 JP 6516583B2 JP 2015124906 A JP2015124906 A JP 2015124906A JP 2015124906 A JP2015124906 A JP 2015124906A JP 6516583 B2 JP6516583 B2 JP 6516583B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
semiconductor sample
crystal defect
semiconductor
dimensional
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015124906A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017011100A (ja
Inventor
毅吏 浦島
毅吏 浦島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2015124906A priority Critical patent/JP6516583B2/ja
Publication of JP2017011100A publication Critical patent/JP2017011100A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6516583B2 publication Critical patent/JP6516583B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)

Description

本発明は、半導体の加工変質層等の結晶欠陥を検出する結晶欠陥検出装置及び結晶欠陥検出方法に関する。
半導体ウェハの加工工程において、仕上げ工程では、化学的機械的研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)が行われる。この工程は、ウェハ表面を原子レベルで平坦にすることと、前工程の加工で発生した結晶の歪みである加工変質層を除去することを目的として行われる。半導体の中でも特に窒化ガリウムなどのワイドギャップ半導体は化学的な安定性が高く、加工レートが低いため、生産性向上のためにはマージンを持って加工量を増やすことは行いにくく、加工変質層の評価が重要となる。また、CMPの異常や状態変化による不良流出を防ぐ意味でも加工変質層の評価は重要である。
従来の半導体の加工変質層を評価する方法としては、カソードルミネッセンス(CL)を用いるものがある。この方法では、電子線を照射することに発生するカソードルミネッセンス(CL)の強度が加工変質層などの結晶欠陥で低下することを利用する。例えば、化学的機械的研磨(CMP)の加工時間が進むにつれて、カソードルミネッセンス光が強まり、加工変質層が除去されていくことがわかる。
また、他の従来の半導体の加工変質層を評価する方法として、フォトルミネッセンス(PL)を用いるものがある(例えば、特許文献1参照。)。図10は、フォトルミネッセンス測定によって得られた発光スペクトルを模式的に示す図面である。図10において、半導体試料のバンドギャップに対応する波長λ1にピークP1を有し、加工変質層があるとピークP2が波長λ2付近に生じる。このピークP1の半値幅W1や、ピークP2の強度I2、ピークP2のW2、ピークP1の強度I1とピークP2の強度I2の比により加工変質層の評価を行っている。
特開2010−118668号公報
しかしながら、前記従来の構成では、生産現場において加工変質層を、特に大口径のウェハにおいて短時間で検出することは困難である。
カソードルミネッセンスの強度計測による方法では、電子線を利用するため、分解能は高いものの、走査型電子顕微鏡内に試料を入れる必要があり、化学的機械的研磨(CMP)用の冶具に貼り付けたままでの計測はできない。また、カソードルミネッセンス光の計測には時間がかかる。
また、フォトルミネッセンスは、大気圧下で短時間に計測はできるが、空間分解能は低い。このため、例えば化学的機械的研磨を120h行った後のように、ほとんどの領域に加工変質層がなく、ごく一部のみに直線状の加工変質層がある場合には、フォトルミネッセンスで得られる情報は加工変質層がないエリアの情報が支配的となる。そのため、図10の半値幅W1や、強度I2などでは加工変質層を検出できないという課題を有している。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、生産現場において半導体試料の結晶欠陥を短時間で検出する方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る半導体試料の結晶欠陥検出方法は、半導体試料の結晶欠陥を検出する方法であって、
前記半導体試料上を少なくとも一方向に走査しながら前記半導体試料に光を照射し、前記半導体試料から放出されたフォトルミネッセンス光を受光する工程と、
前記半導体試料上の各走査位置における受光した光の強度情報を得る工程と、
得られた前記強度情報から結晶欠陥がある候補位置を特定する工程と、
特定された前記候補位置を含む前記半導体試料の2次元領域に光を照射して、前記2次元領域についてのフォトルミネッセンス光を受光し、受光した光の2次元強度分布を取得する工程と、
前記2次元強度分布から直線を検出し、検出した前記直線を結晶欠陥と判定する工程と、
を含む。
本発明に係る半導体試料の結晶欠陥検出方法によれば、半導体試料に少なくとも一方向に光を走査してフォトルミネッセンス光の強度情報を検出する粗探索を行って、結晶欠陥の候補位置を検出できる。さらに、検出された候補位置を含む2次元領域についての2次元強度分布を得る詳細検査を行って、直線状の結晶欠陥を検出することができる。これによって、半導体の製造工程において半導体試料の表面に発生する加工変質層を高速に検出することができる。
実施の形態1に係る結晶欠陥検出装置の構成を示す概略図である。 図1の結晶欠陥検出装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る結晶欠陥検出方法のフローチャートである。 図3のステップS3で半導体試料に照射される光の軌跡を示す図である。 図3のステップS4で得られる半導体試料上の位置とフォトルミネッセンス光の光強度との関係を示す図である。 図3のステップS6で得られるフォトルミネッセンス画像の一例の模式図である。 (a)〜(d)は、フォトルミネッセンス光の強度情報により結晶欠陥を検出する原理を示す図である。 半導体ウェハの加工工程を示すフロー図である。 実施の形態1に係る結晶欠陥検出装置の別例における視野絞りの別の配置例を示す概略図である。 特許文献1に記載された従来のフォトルミネッセンスによる加工変質層の検出方法を示す概略図である。
第1の態様に係る半導体試料の結晶欠陥検出方法は、半導体試料の結晶欠陥を検出する方法であって、
前記半導体試料上を少なくとも一方向に走査しながら前記半導体試料に光を照射し、前記半導体試料から放出されたフォトルミネッセンス光を受光する工程と、
前記半導体試料上の各走査位置における受光した光の強度情報を得る工程と、
得られた前記強度情報から結晶欠陥がある候補位置を特定する工程と、
特定された前記候補位置を含む前記半導体試料の2次元領域に光を照射して、前記2次元領域についてのフォトルミネッセンス光を受光し、受光した光の2次元強度分布を取得する工程と、
前記2次元強度分布から直線を検出し、検出した前記直線を結晶欠陥と判定する工程と、
を含む。
第2の態様に係る結晶欠陥検出方法は、上記第1の態様において、前記半導体試料を走査しながら光を照射する工程において、少なくとも異なる2方向に沿って走査しながら光を照射してもよい。
第3の態様に係る結晶欠陥検出方法は、上記第1の態様において、前記半導体試料を走査しながら光を照射する工程において、前記半導体試料上を格子状に走査しながら光を照射してもよい。
第4の態様に係る結晶欠陥検出方法は、上記第1から第3のいずれかの態様において、前記半導体試料上を少なくとも一方向に走査しながら前記半導体試料に光を照射するエリアよりも、前記2次元領域の方が大きくてもよい。
第5の態様に係る結晶欠陥検出方法は、上記第1から第4のいずれかの態様において、前記強度情報は、放出された前記フォトルミネッセンス光のうち照射された前記光の波長よりも長波長の光の強度情報であってもよい。
第6の態様に係る結晶欠陥検出方法は、上記第5の態様において、前記強度情報は、前記半導体試料のバンドギャップのエネルギーに相当する波長の強度情報であってもよい。
第7の態様に係る結晶欠陥検出方法は、上記第5の態様において、前記半導体試料が窒化ガリウムであり、
照射する前記光の波長が350nm以下且つ200nm以上であってもよい。
第8の態様に係る結晶欠陥検出方法は、上記第7の態様において、前記結晶欠陥は、加工変質層であってもよい。
第9の態様に係る結晶欠陥検出装置は、上記第1から第8のいずれかの態様の結晶欠陥検出方法を実施するための結晶欠陥検出装置。
第10の態様に係る結晶欠陥検出装置は、半導体試料の結晶欠陥を検出する結晶欠陥検出装置であって、
前記半導体試料のバンドギャップ以上のエネルギーの波長の光を照射する光源と、
前記半導体試料の2次元領域からの光を受光し、前記受光した光の2次元強度分布を得るカメラと、
前記半導体試料の局所領域からの光を受光するディテクタと、
前記光源からの光を前記半導体試料に導くと共に、前記半導体試料からの光を前記カメラ又は前記ディテクタに導く光路と、
前記半導体試料からの光を導く先を前記カメラと前記ディテクタとのいずれかに切り替える光路切替手段と、
前記半導体試料を載せて移動可能なステージと、
前記光源と、前記カメラと、前記ディテクタと、前記ステージと、前記光路切替手段とを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記ステージを少なくとも一方向に走査しながら、前記光源から前記半導体試料に光を照射し、前記半導体試料から放出されたフォトルミネッセンス光を前記ディテクタで受光し、
前記半導体試料上の各走査位置における受光した光の強度情報を得て、
得られた前記強度情報から結晶欠陥がある候補位置を特定し、
特定された前記候補位置を含む前記半導体試料上の2次元領域に前記光源から光を照射して、前記2次元領域についてのフォトルミネッセンス光を前記カメラで受光し、受光した光の2次元強度分布を取得し、
前記2次元強度分布から直線を検出し、検出した前記直線を結晶欠陥と判定する。
以下、実施の形態に係る半導体試料の結晶欠陥検出装置及び結晶欠陥検出方法について、図面を参照しながら説明する。なお、図面において実質的に同一の部材には同一の符号を付している。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における半導体試料5の結晶欠陥検出装置20の概略図である。図2は、図1の半導体試料5の結晶欠陥検出装置20の構成を示すブロック図である。
この結晶欠陥検出装置20は、図1及び図2に示すように、光源1と、カメラ8と、ディテクタ10と、光源1からの光を半導体試料5に導くと共に、半導体試料5からの光をカメラ8又はディテクタ10に導く光路14と、半導体試料5からの光を導く先をカメラ8とディテクタ10とのいずれかに切り替える光路切替手段9と、半導体試料5を載せて移動可能なステージ11と、制御部12と、を備える。光源1は、半導体試料5のバンドギャップ以上のエネルギーの波長の光を照射する。カメラ8は、半導体試料5の2次元領域からの光を受光し、2次元強度分布を得ることができる。ディテクタ10は、半導体試料5からの光を受光する。光路14は、図1の場合には、視野絞り2、ダイクロイックミラー3、対物レンズ4、バンドパスフィルタ6、結像レンズ7を含む。また、ステージ11は、半導体試料5を移動させることができるので、半導体試料5上への光の照射位置を走査することができる。
この半導体試料5の結晶欠陥検出装置20によれば、半導体試料5上を少なくとも一方向に走査しながら光を照射して、放出されるフォトルミネッセンス光の強度情報に基づいて結晶欠陥がある候補位置を特定する粗探索を行う。その後、候補位置を含む2次元領域についてのフォトルミネッセンス光の2次元強度分布を得て、2次元強度分布から抽出した直線を結晶欠陥と判定する詳細検査を行う。つまり、あらかじめ粗探索を行うことによって、検出時間を大幅に短縮できる。これによって、半導体の製造工程において半導体試料5の表面に発生する加工変質層を高速に検出することができる。
以下に、この結晶欠陥検出装置20を構成する各部材について説明する。
<光源1>
ここで、光源1から出射される光の波長としては、半導体試料5のバンドギャップ以上のエネルギーを持つ波長を選択する。例えば、窒化ガリウム(GaN)であれば、バンドギャップに相当する波長が365nmのため、365nm以下の波長が必要となる。ただし、フォトルミネッセンス光を高精度に検出するためには光源1から出射される光はバンドパスフィルタ6で完全にカットする必要がある。このため、光源1の波長はバンドパスフィルタ6の透過帯域外である必要がある。一般的に、バンドパスフィルタの半値幅は10nmのものが多く、これに多少の安全率をかけて350nm以下の波長を光源1から照射するのが望ましい。また、波長が200nm未満の光は空気中で吸収されてしまうため、光源1の波長は、200nm以上が望ましい。そこで、光源1としては、例えば、水銀キセノンランプと中心波長313nmのバンドパスフィルタの組合せや、発振波長が325nmのHe−Cdレーザなどで実現できる。
<光路>
図1において、光源1から出射された光は、視野絞り2を透過し、ダイクロイックミラー3で反射され、対物レンズ4を透過して、検査対象である半導体試料5に照射される。さらに、半導体試料5から発光されたフォトルミネッセンス光は、対物レンズ4、ダイクロイックミラー3を透過した後、バンドパスフィルタ6を透過し、結像レンズ7によりカメラ8に結像する。そこで、図1の場合には、光路14には、光源1から半導体試料5に光を照射する際の光路と、半導体試料5からカメラ8又はディテクタ10への光路とがある。光源1から半導体試料5に光を照射する際の光路は、視野絞り2、ダイクロイックミラー3、対物レンズ4によって構成される。半導体試料5からカメラ8又はディテクタ10への光路は、対物レンズ4、ダイクロイックミラー3、バンドパスフィルタ6、結像レンズ7によって構成される。
さらに、視野絞り2、ダイクロイックミラー3、バンドパスフィルタ6について説明する。
<視野絞り>
光源1から照射する光の視野を絞る視野絞り2を備えてもよい。半導体試料5上を少なくとも一方向に走査しながら半導体試料5に光を照射する際には、視野絞り2によって光源1から半導体試料5上に照射するエリアを局所領域に絞ってもよい。これによって、半導体試料5上を少なくとも一方向に走査しながら半導体試料5に光を照射するエリアよりも、上記2次元領域の方が大きくなる。視野絞り2は、開口径を可変でき、かつ、対物レンズ4の焦点面と結像関係にあるため、視野絞り2の開口径を変えることで、半導体試料5に照射される光のスポット径を変えることができる。
<ダイクロイックミラー>
ダイクロイックミラー3は、光源1の波長の光を反射させ、フォトルミネッセンス光を透過するように設計される。
<バンドパスフィルタ>
バンドパスフィルタ6は、半導体試料5のバンドギャップのエネルギーに相当する波長の光を透過するように設計されることが望ましい。例えば、透過率がピークの半値となる透過帯域が360nm以上370nm以下のバンドパスフィルタを用いればよい。
<光路切替手段>
光路切替手段9により、カメラ8に結像するフォトルミネッセンス光をディテクタ10に結像するように切り替えることができる。
<ステージ>
半導体試料5は、ステージ11に設置されており、ステージ11を移動させることで半導体試料5を平面内で移動させることができる。これによって光源1からの光を半導体試料5に照射する光を走査させることができる。なお、この実施の形態1では、ステージ11を移動させて半導体試料5へ照射する光を走査させたが、これに限られず、光源1、光路14、ディテクタ10等を含む光学系を移動させてもよい。あるいは、半導体試料5と上記光学系とを相対的に移動させることによって半導体試料5へ照射する光を走査させてもよい。
<カメラ>
カメラ8は、半導体試料5の2次元領域についてのフォトルミネッセンス光の2次元強度分布を得るものである。例えば、フォトルミネッセンス光の波長範囲の光について検出可能なエリアカメラを用いることができる。
<ディテクタ>
ディテクタ10は、半導体試料5からのフォトルミネッセンス光の波長範囲の光を検出可能な光検出素子であればよい。
<制御部>
制御部12は、光源1、カメラ8、ディテクタ10、ステージ11に接続され、カメラ8で撮像した画像や、ディテクタ10からの信号を処理するとともに、ステージ11を駆動し半導体試料5の位置を制御することができる。制御部12としては、例えば、CPU、メモリ、記憶装置、入力部、出力部等を備えたコンピュータである。
<半導体試料の結晶欠陥検出方法>
実施の形態1に係る半導体試料の結晶欠陥検出方法を、図3のフローチャートを用いて説明する。この、半導体試料の結晶欠陥検出方法では、図1の半導体試料の結晶欠陥検出装置を用いている。
(1)半導体試料5をステージ11に設置する(ステップS1)。
(2)次に、視野絞り2と光路切替手段9とを加工変質層の粗探索用の設定に変更する(ステップS2)。具体的には、視野絞り2を狭く設定することで、半導体試料5に照射される光のスポット径を小さくする。また、光路切替手段9により半導体試料5からのフォトルミネッセンス光をディテクタ10で検出できるようにする。
(3)図4に示すように、半導体試料5の表面に平行な平面内でステージ11を移動させて、半導体試料5の表面に照射する光を格子状の経路22に沿って走査させる。次いで、図1のディテクタ10で半導体試料5からのフォトルミネッセンス光を検出し、その強度情報をステージ11上の半導体試料5上の位置と関連付けて記憶する(ステップS3)。これらの制御及び記憶は、制御部12で行う。なお、取得する強度情報は、放出されたフォトルミネッセンス光のうち光源1より照射された光の波長よりも長波長の光の強度情報である。つまり、光源1より照射された光は、バンドパスフィルタ6でカットされるからである。このとき、格子間隔はスポット径よりも大きい。なお、スポット径は、例えば0.1μ以上10μm以下とする。これは、検出したい欠陥である加工変質層を認識可能なスポット径の範囲である。
(4)次に、ステップS3で記憶したフォトルミネッセンス光強度を信号処理することにより、加工変質層の候補位置を決定する(ステップS4)。図5は、ステップS4で得られる半導体試料5上の位置とフォトルミネッセンス光の光強度との関係を示す図である。図5では、縦軸に検出したフォトルミネッセンス光の強度を示し、横軸に半導体試料5の位置を示す。図5に示すように、加工変質層などの結晶欠陥があると、検出されるフォトルミネッセンス光の強度が弱くなる。このため、得られたフォトルミネッセンス光の強度情報から加工変質層がある候補位置24a、24bを特定する。より詳細には、フォトルミネッセンス光の強度が一定値以下になった位置24a、24bを加工変質層の候補位置とし、記憶する。なお、これらの情報は、図1の制御部12に記憶される。
(5)図1の視野絞り2と光路切替手段9を詳細検査用に設定を変更する(ステップS5)。具体的には、視野絞り2を大きく設定することで、半導体試料5に照射される光のスポット径を大きくする。視野絞り2の大きさはカメラ8で撮像するエリアが全面照射される程度は必要である。また、光路切替手段9によりフォトルミネッセンス光をカメラ8で検出できるようにする。
(6)図1のステージ11により半導体試料5をステップS4で制御部12に記憶した加工変質層の候補位置へ移動する。そして、カメラ8で加工変質層の候補位置付近のフォトルミネッセンス光の2次元強度分布である画像を撮像し、制御部12に記憶する(ステップS6)。実際に得られる画像は、例えば図6の模式図のようになり、加工変質層である直線状の暗い部分26a、26b、26cのほか、その他の直線状でない結晶欠陥28a、28bを確認できる。これらの直線状でない結晶欠陥28a、28bは、加工変質層以外の結晶欠陥である。
(7)ステップS6で記憶した画像から加工変質層を検出し、その結果を再び記憶する(ステップS7)。具体的には、図6に示すように暗い直線状の部分26a、26b、26cを検出する。直線状の部分の検出方法としては、一般的な直線検出の画像処理手法、例えばハフ変換等を用いればよい。
(8)候補位置を全て検査したか否かを判断する(ステップS8)。候補位置を全て検査するまでステップS6、S7を繰り返す。
(9)ステップS7で記憶した結果を元に半導体試料5の良否判定を行う(ステップS9)。なお、良否判定は、例えば加工変質層が3本以上検出されれば否とするなど、求められる品質や半導体試料5のサイズに応じて決めればよい。
以上によって、半導体試料5における結晶欠陥を検出できる。
ここで、加工変質層の検出原理について図7(a)〜(d)を用いて説明する。図7(a)〜(d)は、フォトルミネッセンス光により結晶欠陥を検出する原理を示す図である。なお、加工変質層は、半導体試料5の表面に生じる結晶欠陥であり、結晶が歪んだ状態である。
半導体では、図7(a)のようにバンドギャップ以上のエネルギーを持つ光31が入射すると荷電子帯の基底準位にある電子が励起準位に励起され、熱平衡状態よりも過剰な電子・正孔対が形成される。励起準位にある電子が基底準位に戻ろうとするときに放出される光32をフォトルミネッセンス光という。室温の結晶欠陥や不純物のない半導体では、図7(b)に示すように、主にバンドギャップに相当するエネルギーを持つ光32を発する。一方、結晶欠陥や不純物がある場合には、励起準位よりも低い欠陥準位や不純物準位に電子がトラップされ、その後基底準位に戻る。この場合、図7(c)に示すように、バンドギャップ以下の波長の光33を発する、もしくは、図7(d)に示すように、励起準位から非発光過程を経て基底準位に戻る。このため、バンドギャップ付近のフォトルミネッセンス光32の強度を検出すると、結晶欠陥部では励起準位から直接に基底準位に戻るよりも他の過程を経て基底準位に戻る割合が高くなるため、バンドギャップ付近の発光強度が弱くなる。そこで、バンドギャップ付近の発光強度を検出し、励起準位から直接に基底準位に戻る場合の発光強度と対比してその強弱を判断することで結晶欠陥を検出できる。
次に、加工変質層と他の結晶欠陥の分離方法について説明する。結晶欠陥には、加工変質層のほかにらせん転位や刃状転位など、結晶品質に依存する他の欠陥もある。加工変質層の検査としてはこれらの欠陥と加工変質層を分離する必要がある。
図8は、半導体ウェハの加工工程のフロー図である。この工程には、結晶成長工程(S11)、平面加工工程(S12)、ベベリング工程(S13)、ラップ工程(S14)、CMP工程(S15)、検査工程(S16)が含まれる。加工変質層は、加工の前工程である平面加工(S12)やラップ加工(S14)によって発生する。これはダイアモンド砥粒が半導体試料に押し付けられて加工を行う際に、除去された周辺の結晶が歪むからである。そのため、この欠陥は砥粒の軌跡と一致し、ある程度小さい範囲では直線に近い形状となる。これにより、粗探索で格子状に結晶欠陥、つまり、フォトルミネッセンス光の強度が小さくなる点を見つければ、それは加工変質層の候補となる。また、加工変質層がほぼ直線状になっているため、格子状に走査することで、もれなく加工変質層を検出できる。ただし、粗探索だけでは、検出した結晶欠陥が加工変質層か他の結晶欠陥か分からない。このため、詳細検査により、直線状の欠陥を検出することで、他の結晶欠陥と分離して、加工変質層のみを検出できる。
本実施の形態1に係る欠陥検出装置及び欠陥検出方法によれば、半導体試料5に格子状に光を走査してフォトルミネッセンス光の強度情報を検出する粗探索を行って、結晶欠陥の候補位置を検出できる。さらに、検出された候補位置を含む2次元領域についての2次元強度分布を得る詳細検査を行って、直線状の結晶欠陥を検出することができる。これによって、半導体試料5の表面に発生する加工変質層を、高速に検査することができる。例えば、詳細計測のみでウエハ全面を計測しようとした場合、例えば、視野□0.2mm、1視野0.5秒とすると、2インチウェハ全面で約410分かかる。一方、本実施の形態1に係る結晶欠陥検出方法によれば、詳細検査の前に粗探索を行っている。この粗探索の走査速度を100mm/s、格子のピッチを1mmとし、検出される欠陥の候補が10個程度と仮定すると、ウエハ全面について約2分で結晶欠陥の検出ができる。
なお、本実施の形態において、図1のカメラ8とディテクタ10の検出時に照射する光のスポット径を変更する手段として、光源1の前に視野絞り2を設けたが、これに限られない。視野絞り2は、例えば、図9に示すようにディテクタ10の直前に設けてもよい。この場合、ディテクタ10の直前に設けた視野絞り2について、光路を切り替えるごとに視野絞り2の大きさを変更する必要がなく、視野を絞るように設定しておけばよい。これによって、光路切替手段9で光路を切り替えるだけで、自動的に視野も変わる。
また、本実施の形態において、図1に示すように、カメラ8とディテクタ10へのフォトルミネッセンス光の光路を切り替える手段として光路切替手段9を設けたが、光路切替手段9の変わりにビームサンプラを用いてもよい。この場合、カメラ8、ディテクタ10のそれぞれで検出するフォトルミネッセンス光の強度は弱くなってしまうが、可動部である光路切替手段9が不要になる。
さらに、本実施の形態において、図3において、ステップS2、S3は直列で記載してあるがこれに限られず、ステップS2とステップS3とを並列に実行してもよい。
なお、本実施の形態において、半導体試料として窒化ガリウムの例を挙げたが、半導体試料として、SiCを用いることもできる。SiCは、結晶多形によりそれぞれ構造が異なるが、例えば4H−SiCはバンドギャップのエネルギーに相当する光の波長は380nmとなる。
なお、結晶欠陥には、加工変質層のみならず、直線状の結晶欠陥やマイクロクラックも含まれる。
本発明に係る半導体試料の結晶欠陥検出装置及び結晶欠陥検出方法によれば、ウェハ全面の直線状の結晶欠陥を高速に検査することができ、加工変質層の検出だけでなく、半導体ウェハ等のマイクロクラックの検査等の用途にも適用できる。
1 光源
2 視野絞り
3 ダイクロイックミラー
4 対物レンズ
5 半導体試料
6 バンドパスフィルタ
7 結像レンズ
8 カメラ
9 光路切替手段
10 ディテクタ
11 ステージ
12 制御部
14 光路
20 結晶欠陥検出装置
22 経路
24a、24b 結晶欠陥の候補位置
26a、26b、26c 直線状の結晶欠陥(加工変質層)
28a、28b その他の結晶欠陥
31 入射光
32 フォトルミネッセンス光
33 バンドギャップ以下の波長の光

Claims (8)

  1. 半導体試料の結晶欠陥を検出する方法であって、
    前記半導体試料上を格子状に走査しながら前記半導体試料に光を照射し、前記半導体試料から放出されたフォトルミネッセンス光を受光する工程と、
    前記半導体試料上の各走査位置における受光した光の強度情報を得る工程と、
    得られた前記強度情報から結晶欠陥がある候補位置を特定する工程と、
    特定された前記候補位置を含む前記半導体試料の2次元領域に光を照射して、前記2次元領域についてのフォトルミネッセンス光を受光し、受光した光の2次元強度分布を取得する工程と、
    前記2次元強度分布から直線を検出し、検出した前記直線を結晶欠陥と判定する工程と、
    を含む、半導体試料の結晶欠陥検出方法。
  2. 前記半導体試料を走査しながら光を照射する工程において、少なくとも異なる2方向に沿って走査しながら光を照射する、請求項1に記載の半導体試料の結晶欠陥検出方法。
  3. 前記半導体試料上を少なくとも一方向に走査しながら前記半導体試料に光を照射するエリアよりも、前記2次元領域の方が大きい、請求項1又は2に記載の半導体試料の結晶欠陥検出方法。
  4. 前記強度情報は、放出された前記フォトルミネッセンス光のうち照射された前記光の波長よりも長波長の光の強度情報である、請求項1からのいずれか一項の半導体試料の結晶欠陥検出方法。
  5. 前記強度情報は、前記半導体試料のバンドギャップのエネルギーに相当する波長の強度情報である、請求項に記載の半導体試料の結晶欠陥検出方法。
  6. 前記半導体試料が窒化ガリウムであり、
    照射する前記光の波長が350nm以下且つ200nm以上であることを特徴とする請求項に記載の半導体試料の結晶欠陥検出方法。
  7. 前記結晶欠陥は、加工変質層である、請求項に記載の半導体試料の結晶欠陥検出方法。
  8. 半導体試料の結晶欠陥を検出する結晶欠陥検出装置であって、
    前記半導体試料のバンドギャップ以上のエネルギーの波長の光を照射する光源と、
    前記半導体試料の2次元領域からの光を受光し、前記受光した光の2次元強度分布を得るカメラと、
    前記半導体試料の局所領域からの光を受光するディテクタと、
    前記光源からの光を前記半導体試料に導くと共に、前記半導体試料からの光を前記カメラ又は前記ディテクタに導く光路と、
    前記半導体試料からの光を導く先を前記カメラと前記ディテクタとのいずれかに切り替える光路切替手段と、
    前記半導体試料を載せて移動可能なステージと、
    前記光源と、前記カメラと、前記ディテクタと、前記ステージと、前記光路切替手段とを制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記ステージに載せた前記半導体試料上格子状に走査しながら、前記光源から前記半導体試料に光を照射し、前記半導体試料から放出されたフォトルミネッセンス光を前記ディテクタで受光し、
    前記半導体試料上の各走査位置における受光した光の強度情報を得て、
    得られた前記強度情報から結晶欠陥がある候補位置を特定し、
    特定された前記候補位置を含む前記半導体試料上の2次元領域に前記光源から光を照射して、前記2次元領域についてのフォトルミネッセンス光を前記カメラで受光し、受光した光の2次元強度分布を取得し、
    前記2次元強度分布から直線を検出し、検出した前記直線を結晶欠陥と判定する、結晶欠陥検出装置。
JP2015124906A 2015-06-22 2015-06-22 半導体試料の結晶欠陥検出装置及び結晶欠陥検出方法 Active JP6516583B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015124906A JP6516583B2 (ja) 2015-06-22 2015-06-22 半導体試料の結晶欠陥検出装置及び結晶欠陥検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015124906A JP6516583B2 (ja) 2015-06-22 2015-06-22 半導体試料の結晶欠陥検出装置及び結晶欠陥検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017011100A JP2017011100A (ja) 2017-01-12
JP6516583B2 true JP6516583B2 (ja) 2019-05-22

Family

ID=57763764

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015124906A Active JP6516583B2 (ja) 2015-06-22 2015-06-22 半導体試料の結晶欠陥検出装置及び結晶欠陥検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6516583B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018132308A (ja) * 2017-02-13 2018-08-23 東レエンジニアリング株式会社 分光測定装置および発光体の発光波長推定装置
CN107481951B (zh) * 2017-08-17 2019-10-18 安徽三安光电有限公司 一种筛选异常晶粒的方法
JP7175115B2 (ja) * 2018-07-19 2022-11-18 昭和電工株式会社 SiCデバイスの製造方法および評価方法
JP7453853B2 (ja) * 2020-05-27 2024-03-21 株式会社日立製作所 処理条件決定システムおよび処理条件探索方法
CN111815565A (zh) * 2020-06-11 2020-10-23 上海华虹宏力半导体制造有限公司 晶圆背面的检测方法、设备和存储介质
CN114527143A (zh) * 2022-04-22 2022-05-24 浙江大学杭州国际科创中心 无损检测半导体缺陷演变方法、系统及装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11354599A (ja) * 1998-06-09 1999-12-24 Memc Kk シリコンウェーハの結晶欠陥の検査方法、および同方法に使用する結晶欠陥検査装置
JP3826849B2 (ja) * 2002-06-07 2006-09-27 株式会社Sumco 欠陥検査方法および欠陥検査装置
KR101267982B1 (ko) * 2011-12-13 2013-05-27 삼성코닝정밀소재 주식회사 반도체 기판의 연마방법 및 반도체 기판의 연마장치
JP2013211313A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Mitsubishi Chemicals Corp 周期表第13族金属窒化物半導体基板の検査方法および製造方法
CN104641222A (zh) * 2012-05-29 2015-05-20 麦考瑞大学 用于发光显微成像的双向扫描

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017011100A (ja) 2017-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6516583B2 (ja) 半導体試料の結晶欠陥検出装置及び結晶欠陥検出方法
TWI439684B (zh) 具自晶圓或其他工件特定材料層所發射光致發光信號優先偵測之光致發光成像
KR102410589B1 (ko) 하전 입자 빔에 대한 광 빔의 정렬 방법
JP4248249B2 (ja) 半導体のマイクロ欠陥の検出と分類
US11009461B2 (en) Defect investigation device simultaneously detecting photoluminescence and scattered light
JP6788660B2 (ja) 欠陥検査装置
US10161883B2 (en) Wafer inspection method and wafer inspection apparatus
US20170328842A1 (en) Defect observation method and defect observation device
JP6588152B2 (ja) 欠陥検査方法及び欠陥検査装置
JP6296001B2 (ja) シリコンエピタキシャルウェーハの製造方法及び評価方法
KR20190031233A (ko) 와이드 갭 반도체 기판의 결함 검사 장치
US10890539B1 (en) Semiconductor defect inspection apparatus
IL267920B1 (en) Testing and metrology using broadband infrared radiation
US10816480B2 (en) Method of detecting a defect on a substrate, apparatus for performing the same and method of manufacturing semiconductor device using the same
JP2012002648A (ja) ウエハ欠陥検査装置
WO2022049979A1 (ja) 検査装置及び検査方法
JP5114808B2 (ja) 検査装置及び欠陥検査方法
JP2009054771A (ja) 半導体結晶の欠陥評価方法及び評価装置
JP5117966B2 (ja) 試料分析装置
KR20070021832A (ko) 웨이퍼 결함 검사 장치 및 방법
JP2012068321A (ja) マスク欠陥検査装置およびマスク欠陥検査方法
JP5829415B2 (ja) 電子線分析装置
KR100807218B1 (ko) 웨이퍼 검사 장치 및 방법
JP2008224476A (ja) フォトルミネッセンス測定装置
JP6953245B2 (ja) 膜厚測定方法及び膜厚測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180413

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190315

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190409

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190416

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6516583

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151