JP2017011100A - 半導体試料の結晶欠陥検出装置及び結晶欠陥検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】半導体試料の結晶欠陥を検出する方法であって、半導体試料上を少なくとも一方向に走査しながら半導体試料に光を照射し、半導体試料から放出されたフォトルミネッセンス光を受光する工程と、半導体試料上の各走査位置における受光した光の強度情報を得る工程と、得られた強度情報から結晶欠陥がある候補位置を特定する工程と、特定された前記候補位置を含む半導体試料の2次元領域に光を照射して、2次元領域についてのフォトルミネッセンス光を受光し、受光した光の2次元強度分布を取得する工程と、2次元強度分布から直線を検出し、検出した直線を結晶欠陥と判定する工程と、を含む。
【選択図】図3
Description
前記半導体試料上を少なくとも一方向に走査しながら前記半導体試料に光を照射し、前記半導体試料から放出されたフォトルミネッセンス光を受光する工程と、
前記半導体試料上の各走査位置における受光した光の強度情報を得る工程と、
得られた前記強度情報から結晶欠陥がある候補位置を特定する工程と、
特定された前記候補位置を含む前記半導体試料の2次元領域に光を照射して、前記2次元領域についてのフォトルミネッセンス光を受光し、受光した光の2次元強度分布を取得する工程と、
前記2次元強度分布から直線を検出し、検出した前記直線を結晶欠陥と判定する工程と、
を含む。
前記半導体試料上を少なくとも一方向に走査しながら前記半導体試料に光を照射し、前記半導体試料から放出されたフォトルミネッセンス光を受光する工程と、
前記半導体試料上の各走査位置における受光した光の強度情報を得る工程と、
得られた前記強度情報から結晶欠陥がある候補位置を特定する工程と、
特定された前記候補位置を含む前記半導体試料の2次元領域に光を照射して、前記2次元領域についてのフォトルミネッセンス光を受光し、受光した光の2次元強度分布を取得する工程と、
前記2次元強度分布から直線を検出し、検出した前記直線を結晶欠陥と判定する工程と、
を含む。
照射する前記光の波長が350nm以下且つ200nm以上であってもよい。
前記半導体試料のバンドギャップ以上のエネルギーの波長の光を照射する光源と、
前記半導体試料の2次元領域からの光を受光し、前記受光した光の2次元強度分布を得るカメラと、
前記半導体試料の局所領域からの光を受光するディテクタと、
前記光源からの光を前記半導体試料に導くと共に、前記半導体試料からの光を前記カメラ又は前記ディテクタに導く光路と、
前記半導体試料からの光を導く先を前記カメラと前記ディテクタとのいずれかに切り替える光路切替手段と、
前記半導体試料を載せて移動可能なステージと、
前記光源と、前記カメラと、前記ディテクタと、前記ステージと、前記光路切替手段とを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記ステージを少なくとも一方向に走査しながら、前記光源から前記半導体試料に光を照射し、前記半導体試料から放出されたフォトルミネッセンス光を前記ディテクタで受光し、
前記半導体試料上の各走査位置における受光した光の強度情報を得て、
得られた前記強度情報から結晶欠陥がある候補位置を特定し、
特定された前記候補位置を含む前記半導体試料上の2次元領域に前記光源から光を照射して、前記2次元領域についてのフォトルミネッセンス光を前記カメラで受光し、受光した光の2次元強度分布を取得し、
前記2次元強度分布から直線を検出し、検出した前記直線を結晶欠陥と判定する。
図1は、実施の形態1における半導体試料5の結晶欠陥検出装置20の概略図である。図2は、図1の半導体試料5の結晶欠陥検出装置20の構成を示すブロック図である。
この結晶欠陥検出装置20は、図1及び図2に示すように、光源1と、カメラ8と、ディテクタ10と、光源1からの光を半導体試料5に導くと共に、半導体試料5からの光をカメラ8又はディテクタ10に導く光路14と、半導体試料5からの光を導く先をカメラ8とディテクタ10とのいずれかに切り替える光路切替手段9と、半導体試料5を載せて移動可能なステージ11と、制御部12と、を備える。光源1は、半導体試料5のバンドギャップ以上のエネルギーの波長の光を照射する。カメラ8は、半導体試料5の2次元領域からの光を受光し、2次元強度分布を得ることができる。ディテクタ10は、半導体試料5からの光を受光する。光路14は、図1の場合には、視野絞り2、ダイクロイックミラー3、対物レンズ4、バンドパスフィルタ6、結像レンズ7を含む。また、ステージ11は、半導体試料5を移動させることができるので、半導体試料5上への光の照射位置を走査することができる。
ここで、光源1から出射される光の波長としては、半導体試料5のバンドギャップ以上のエネルギーを持つ波長を選択する。例えば、窒化ガリウム(GaN)であれば、バンドギャップに相当する波長が365nmのため、365nm以下の波長が必要となる。ただし、フォトルミネッセンス光を高精度に検出するためには光源1から出射される光はバンドパスフィルタ6で完全にカットする必要がある。このため、光源1の波長はバンドパスフィルタ6の透過帯域外である必要がある。一般的に、バンドパスフィルタの半値幅は10nmのものが多く、これに多少の安全率をかけて350nm以下の波長を光源1から照射するのが望ましい。また、波長が200nm未満の光は空気中で吸収されてしまうため、光源1の波長は、200nm以上が望ましい。そこで、光源1としては、例えば、水銀キセノンランプと中心波長313nmのバンドパスフィルタの組合せや、発振波長が325nmのHe−Cdレーザなどで実現できる。
図1において、光源1から出射された光は、視野絞り2を透過し、ダイクロイックミラー3で反射され、対物レンズ4を透過して、検査対象である半導体試料5に照射される。さらに、半導体試料5から発光されたフォトルミネッセンス光は、対物レンズ4、ダイクロイックミラー3を透過した後、バンドパスフィルタ6を透過し、結像レンズ7によりカメラ8に結像する。そこで、図1の場合には、光路14には、光源1から半導体試料5に光を照射する際の光路と、半導体試料5からカメラ8又はディテクタ10への光路とがある。光源1から半導体試料5に光を照射する際の光路は、視野絞り2、ダイクロイックミラー3、対物レンズ4によって構成される。半導体試料5からカメラ8又はディテクタ10への光路は、対物レンズ4、ダイクロイックミラー3、バンドパスフィルタ6、結像レンズ7によって構成される。
さらに、視野絞り2、ダイクロイックミラー3、バンドパスフィルタ6について説明する。
光源1から照射する光の視野を絞る視野絞り2を備えてもよい。半導体試料5上を少なくとも一方向に走査しながら半導体試料5に光を照射する際には、視野絞り2によって光源1から半導体試料5上に照射するエリアを局所領域に絞ってもよい。これによって、半導体試料5上を少なくとも一方向に走査しながら半導体試料5に光を照射するエリアよりも、上記2次元領域の方が大きくなる。視野絞り2は、開口径を可変でき、かつ、対物レンズ4の焦点面と結像関係にあるため、視野絞り2の開口径を変えることで、半導体試料5に照射される光のスポット径を変えることができる。
ダイクロイックミラー3は、光源1の波長の光を反射させ、フォトルミネッセンス光を透過するように設計される。
バンドパスフィルタ6は、半導体試料5のバンドギャップのエネルギーに相当する波長の光を透過するように設計されることが望ましい。例えば、透過率がピークの半値となる透過帯域が360nm以上370nm以下のバンドパスフィルタを用いればよい。
光路切替手段9により、カメラ8に結像するフォトルミネッセンス光をディテクタ10に結像するように切り替えることができる。
半導体試料5は、ステージ11に設置されており、ステージ11を移動させることで半導体試料5を平面内で移動させることができる。これによって光源1からの光を半導体試料5に照射する光を走査させることができる。なお、この実施の形態1では、ステージ11を移動させて半導体試料5へ照射する光を走査させたが、これに限られず、光源1、光路14、ディテクタ10等を含む光学系を移動させてもよい。あるいは、半導体試料5と上記光学系とを相対的に移動させることによって半導体試料5へ照射する光を走査させてもよい。
カメラ8は、半導体試料5の2次元領域についてのフォトルミネッセンス光の2次元強度分布を得るものである。例えば、フォトルミネッセンス光の波長範囲の光について検出可能なエリアカメラを用いることができる。
ディテクタ10は、半導体試料5からのフォトルミネッセンス光の波長範囲の光を検出可能な光検出素子であればよい。
制御部12は、光源1、カメラ8、ディテクタ10、ステージ11に接続され、カメラ8で撮像した画像や、ディテクタ10からの信号を処理するとともに、ステージ11を駆動し半導体試料5の位置を制御することができる。制御部12としては、例えば、CPU、メモリ、記憶装置、入力部、出力部等を備えたコンピュータである。
実施の形態1に係る半導体試料の結晶欠陥検出方法を、図3のフローチャートを用いて説明する。この、半導体試料の結晶欠陥検出方法では、図1の半導体試料の結晶欠陥検出装置を用いている。
(1)半導体試料5をステージ11に設置する(ステップS1)。
(2)次に、視野絞り2と光路切替手段9とを加工変質層の粗探索用の設定に変更する(ステップS2)。具体的には、視野絞り2を狭く設定することで、半導体試料5に照射される光のスポット径を小さくする。また、光路切替手段9により半導体試料5からのフォトルミネッセンス光をディテクタ10で検出できるようにする。
(3)図4に示すように、半導体試料5の表面に平行な平面内でステージ11を移動させて、半導体試料5の表面に照射する光を格子状の経路22に沿って走査させる。次いで、図1のディテクタ10で半導体試料5からのフォトルミネッセンス光を検出し、その強度情報をステージ11上の半導体試料5上の位置と関連付けて記憶する(ステップS3)。これらの制御及び記憶は、制御部12で行う。なお、取得する強度情報は、放出されたフォトルミネッセンス光のうち光源1より照射された光の波長よりも長波長の光の強度情報である。つまり、光源1より照射された光は、バンドパスフィルタ6でカットされるからである。このとき、格子間隔はスポット径よりも大きい。なお、スポット径は、例えば0.1μ以上10μm以下とする。これは、検出したい欠陥である加工変質層を認識可能なスポット径の範囲である。
(8)候補位置を全て検査したか否かを判断する(ステップS8)。候補位置を全て検査するまでステップS6、S7を繰り返す。
(9)ステップS7で記憶した結果を元に半導体試料5の良否判定を行う(ステップS9)。なお、良否判定は、例えば加工変質層が3本以上検出されれば否とするなど、求められる品質や半導体試料5のサイズに応じて決めればよい。
以上によって、半導体試料5における結晶欠陥を検出できる。
半導体では、図7(a)のようにバンドギャップ以上のエネルギーを持つ光31が入射すると荷電子帯の基底準位にある電子が励起準位に励起され、熱平衡状態よりも過剰な電子・正孔対が形成される。励起準位にある電子が基底準位に戻ろうとするときに放出される光32をフォトルミネッセンス光という。室温の結晶欠陥や不純物のない半導体では、図7(b)に示すように、主にバンドギャップに相当するエネルギーを持つ光32を発する。一方、結晶欠陥や不純物がある場合には、励起準位よりも低い欠陥準位や不純物準位に電子がトラップされ、その後基底準位に戻る。この場合、図7(c)に示すように、バンドギャップ以下の波長の光33を発する、もしくは、図7(d)に示すように、励起準位から非発光過程を経て基底準位に戻る。このため、バンドギャップ付近のフォトルミネッセンス光32の強度を検出すると、結晶欠陥部では励起準位から直接に基底準位に戻るよりも他の過程を経て基底準位に戻る割合が高くなるため、バンドギャップ付近の発光強度が弱くなる。そこで、バンドギャップ付近の発光強度を検出し、励起準位から直接に基底準位に戻る場合の発光強度と対比してその強弱を判断することで結晶欠陥を検出できる。
図8は、半導体ウェハの加工工程のフロー図である。この工程には、結晶成長工程(S11)、平面加工工程(S12)、ベベリング工程(S13)、ラップ工程(S14)、CMP工程(S15)、検査工程(S16)が含まれる。加工変質層は、加工の前工程である平面加工(S12)やラップ加工(S14)によって発生する。これはダイアモンド砥粒が半導体試料に押し付けられて加工を行う際に、除去された周辺の結晶が歪むからである。そのため、この欠陥は砥粒の軌跡と一致し、ある程度小さい範囲では直線に近い形状となる。これにより、粗探索で格子状に結晶欠陥、つまり、フォトルミネッセンス光の強度が小さくなる点を見つければ、それは加工変質層の候補となる。また、加工変質層がほぼ直線状になっているため、格子状に走査することで、もれなく加工変質層を検出できる。ただし、粗探索だけでは、検出した結晶欠陥が加工変質層か他の結晶欠陥か分からない。このため、詳細検査により、直線状の欠陥を検出することで、他の結晶欠陥と分離して、加工変質層のみを検出できる。
なお、本実施の形態において、半導体試料として窒化ガリウムの例を挙げたが、半導体試料として、SiCを用いることもできる。SiCは、結晶多形によりそれぞれ構造が異なるが、例えば4H−SiCはバンドギャップのエネルギーに相当する光の波長は380nmとなる。
なお、結晶欠陥には、加工変質層のみならず、直線状の結晶欠陥やマイクロクラックも含まれる。
2 視野絞り
3 ダイクロイックミラー
4 対物レンズ
5 半導体試料
6 バンドパスフィルタ
7 結像レンズ
8 カメラ
9 光路切替手段
10 ディテクタ
11 ステージ
12 制御部
14 光路
20 結晶欠陥検出装置
22 経路
24a、24b 結晶欠陥の候補位置
26a、26b、26c 直線状の結晶欠陥(加工変質層)
28a、28b その他の結晶欠陥
31 入射光
32 フォトルミネッセンス光
33 バンドギャップ以下の波長の光
Claims (10)
- 半導体試料の結晶欠陥を検出する方法であって、
前記半導体試料上を少なくとも一方向に走査しながら前記半導体試料に光を照射し、前記半導体試料から放出されたフォトルミネッセンス光を受光する工程と、
前記半導体試料上の各走査位置における受光した光の強度情報を得る工程と、
得られた前記強度情報から結晶欠陥がある候補位置を特定する工程と、
特定された前記候補位置を含む前記半導体試料の2次元領域に光を照射して、前記2次元領域についてのフォトルミネッセンス光を受光し、受光した光の2次元強度分布を取得する工程と、
前記2次元強度分布から直線を検出し、検出した前記直線を結晶欠陥と判定する工程と、
を含む、半導体試料の結晶欠陥検出方法。 - 前記半導体試料を走査しながら光を照射する工程において、少なくとも異なる2方向に沿って走査しながら光を照射する、請求項1に記載の半導体試料の結晶欠陥検出方法。
- 前記半導体試料を走査しながら光を照射する工程において、前記半導体試料上を格子状に走査しながら光を照射する、請求項1に記載の半導体試料の結晶欠陥検出方法。
- 前記半導体試料上を少なくとも一方向に走査しながら前記半導体試料に光を照射するエリアよりも、前記2次元領域の方が大きい、請求項1から3のいずれか一項に記載の半導体試料の結晶欠陥検出方法。
- 前記強度情報は、放出された前記フォトルミネッセンス光のうち照射された前記光の波長よりも長波長の光の強度情報である、請求項1から4のいずれか一項の半導体試料の結晶欠陥検出方法。
- 前記強度情報は、前記半導体試料のバンドギャップのエネルギーに相当する波長の強度情報である、請求項5に記載の半導体試料の結晶欠陥検出方法。
- 前記半導体試料が窒化ガリウムであり、
照射する前記光の波長が350nm以下且つ200nm以上であることを特徴とする請求項5に記載の半導体試料の結晶欠陥検出方法。 - 前記結晶欠陥は、加工変質層である、請求項7に記載の半導体試料の結晶欠陥検出方法。
- 請求項1から8のいずれか一項に記載の欠陥検出方法を実施するための装置。
- 半導体試料の結晶欠陥を検出する結晶欠陥検出装置であって、
前記半導体試料のバンドギャップ以上のエネルギーの波長の光を照射する光源と、
前記半導体試料の2次元領域からの光を受光し、前記受光した光の2次元強度分布を得るカメラと、
前記半導体試料の局所領域からの光を受光するディテクタと、
前記光源からの光を前記半導体試料に導くと共に、前記半導体試料からの光を前記カメラ又は前記ディテクタに導く光路と、
前記半導体試料からの光を導く先を前記カメラと前記ディテクタとのいずれかに切り替える光路切替手段と、
前記半導体試料を載せて移動可能なステージと、
前記光源と、前記カメラと、前記ディテクタと、前記ステージと、前記光路切替手段とを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記ステージを少なくとも一方向に走査しながら、前記光源から前記半導体試料に光を照射し、前記半導体試料から放出されたフォトルミネッセンス光を前記ディテクタで受光し、
前記半導体試料上の各走査位置における受光した光の強度情報を得て、
得られた前記強度情報から結晶欠陥がある候補位置を特定し、
特定された前記候補位置を含む前記半導体試料上の2次元領域に前記光源から光を照射して、前記2次元領域についてのフォトルミネッセンス光を前記カメラで受光し、受光した光の2次元強度分布を取得し、
前記2次元強度分布から直線を検出し、検出した前記直線を結晶欠陥と判定する、結晶欠陥検出装置。
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