JP2008224476A - フォトルミネッセンス測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ光線を照射して被測定物全体からのフォトルミネッセンス光の強度分布を短時間で測定できるフォトルミネッセンス測定装置を提供する。
【解決手段】この装置はレーザ光源1とCCDカメラ8を具備し、被測定物5とCCDカメラ間の光路上に、偏光フィルター6とレーザ光線の波長を遮断して測定波長のみを透過させるバンドパスフィルター7が配置され、レーザ光源と被測定物間の光路上に、集光レンズ2と第1のガルバノミラー3および第2のガルバノミラー4が配置され、集光レンズで集光されたレーザ光線が、第1のガルバノミラーと第2のガルバノミラーにより反射されて2次元走査されるようになっていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】この装置はレーザ光源1とCCDカメラ8を具備し、被測定物5とCCDカメラ間の光路上に、偏光フィルター6とレーザ光線の波長を遮断して測定波長のみを透過させるバンドパスフィルター7が配置され、レーザ光源と被測定物間の光路上に、集光レンズ2と第1のガルバノミラー3および第2のガルバノミラー4が配置され、集光レンズで集光されたレーザ光線が、第1のガルバノミラーと第2のガルバノミラーにより反射されて2次元走査されるようになっていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、被測定物へレーザ光線を照射し、被測定物からのフォトルミネッセンス光をCCDカメラにより撮影するフォトルミネッセンス測定装置に係り、特に、被測定物全体からのフォトルミネッセンス光の強度分布を短時間で測定できるフォトルミネッセンス測定装置の改良に関するものである。
被測定物にレーザ光線等を照射すると、照射した光よりも長い波長の光を放出することがフォトルミネッセンス現象として知られている。そして、放出されるフォトルミネッセンス光の波長と強度を測定することにより、被測定物内部の不純物、欠陥、均一性を評価することが可能となる。
こうした評価を行う装置が例えば特許文献1に開示されている。すなわち、このフォトルミネッセンス測定装置は、励起レーザ光を、ダイクロイックミラー、対物レンズを介して被測定物へ照射し、被測定物から発せられるフォトルミネッセンス光を分光器により分光検出して測定するものであった。尚、このフォトルミネッセンス測定装置においては、高精度のXYステージに被測定物を載置して測定する構造になっている。
ところで、特許文献1に開示されたフォトルミネッセンス測定装置において一回に測定できる範囲はレーザ光線が照射されている点の部分だけであるため、被測定物全体からのフォトルミネッセンス光の強度分布を知りたい場合には、被測定物が載置された高精度のXYステージをステップ毎に移動させて測定を行い、それぞれの点におけるフォトルミネッセンス光の強度と位置情報をパーソナルコンピュータのメモリに保存し、かつ、測定終了後に、プログラムにより全体の発光強度の分布図を求める過程が必要であった。
このため、測定操作が煩雑で、かつ、高価なXYステージ等が必要となる分、装置自体も高額となる問題が存在した。
特開平4−120444号公報
本発明はこのような問題点に着眼してなされたもので、その課題とするところは、XYステージ等の高価な部品を用いることなく被測定物全体をレーザ光線により走査し、被測定物全体からのフォトルミネッセンス光の強度分布を短時間で測定できるフォトルミネッセンス測定装置を提供することにある。
すなわち、請求項1に係る発明は、
レーザ光源からのレーザ光線を被測定物へ照射し、被測定物からのフォトルミネッセンス光をCCDカメラにより撮影するフォトルミネッセンス測定装置を前提とし、
上記被測定物とCCDカメラとの間の光路上に、偏光フィルターと、上記レーザ光線の波長を遮断して測定波長のみを透過させる波長選択フィルターが配置されると共に、上記レーザ光源と被測定物との間の光路上に、集光レンズと、第1のガルバノミラーおよび第2のガルバノミラーが配置され、集光レンズで集光されたレーザ光線が上記第1のガルバノミラーおよび第2のガルバノミラーにより反射されて2次元走査されるようになっていることを特徴とする。
レーザ光源からのレーザ光線を被測定物へ照射し、被測定物からのフォトルミネッセンス光をCCDカメラにより撮影するフォトルミネッセンス測定装置を前提とし、
上記被測定物とCCDカメラとの間の光路上に、偏光フィルターと、上記レーザ光線の波長を遮断して測定波長のみを透過させる波長選択フィルターが配置されると共に、上記レーザ光源と被測定物との間の光路上に、集光レンズと、第1のガルバノミラーおよび第2のガルバノミラーが配置され、集光レンズで集光されたレーザ光線が上記第1のガルバノミラーおよび第2のガルバノミラーにより反射されて2次元走査されるようになっていることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、
請求項1に記載の発明に係るフォトルミネッセンス測定装置を前提とし、
被測定物全体がレーザ光線により照射されて、被測定物全体からのフォトルミネッセンス光の強度分布が測定されるようになっていることを特徴とし、
請求項3に係る発明は、
請求項1または2に記載の発明に係るフォトルミネッセンス測定装置を前提とし、
レーザ光源から発せられるレーザ光線が直線偏光で、かつ、波長選択フィルターがバンドパスフィルターにより構成され、被測定物からの反射レーザ光線が偏光フィルターとバンドパスフィルターにより遮断されてCCDカメラに入射しないようになっていることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明に係るフォトルミネッセンス測定装置を前提とし、
被測定物全体がレーザ光線により照射されて、被測定物全体からのフォトルミネッセンス光の強度分布が測定されるようになっていることを特徴とし、
請求項3に係る発明は、
請求項1または2に記載の発明に係るフォトルミネッセンス測定装置を前提とし、
レーザ光源から発せられるレーザ光線が直線偏光で、かつ、波長選択フィルターがバンドパスフィルターにより構成され、被測定物からの反射レーザ光線が偏光フィルターとバンドパスフィルターにより遮断されてCCDカメラに入射しないようになっていることを特徴とするものである。
本発明に係るフォトルミネッセンス測定装置によれば、
集光レンズで集光されたレーザ光線が第1のガルバノミラーおよび第2のガルバノミラーにより反射されて2次元走査され、これにより被測定物全体がレーザ光線により照射されるようになっているため、高価なXYステージや分布図を作成するためのコンピュータを用いることなく、被測定物全体からのフォトルミネッセンス光の強度分布を短時間で測定することが可能となる。
集光レンズで集光されたレーザ光線が第1のガルバノミラーおよび第2のガルバノミラーにより反射されて2次元走査され、これにより被測定物全体がレーザ光線により照射されるようになっているため、高価なXYステージや分布図を作成するためのコンピュータを用いることなく、被測定物全体からのフォトルミネッセンス光の強度分布を短時間で測定することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
まず、本発明に係るフォトルミネッセンス測定装置は、図1に示すようにレーザ光源1とCCDカメラ8を具備し、上記レーザ光源1と被測定物5との光路上には、集光レンズ2と、第1のガルバノミラー3および第2のガルバノミラー4が配置され、また、被測定物5とCCDカメラ8との光路上には、偏光フィルター6と、レーザ光線の波長を遮断して測定波長のみを透過させるバンドパスフィルター7が配置されている。
このフォトルミネッセンス測定装置において、レーザ光源1より出射されるレーザ光線は集光レンズ2により被測定物5の表面に集光される。また、第1のガルバノミラー3に入射したレーザ光線は水平方向に走査され、第2のガルバノミラー4に入射したレーザ光線は水平方向に加えて垂直方向に走査される。尚、第1のガルバノミラー3と第2のガルバノミラー4は制御系によりレーザ光線の振れ角を独立に設定することが可能で、これにより被測定物5全体がレーザ光線によりランダムに走査される。
そして、上記被測定物5表面で反射したレーザ光線の偏光状態に変化は無いので、レーザ光線の偏光方向と直交するように上記偏光フィルター6がCCDカメラ8のレンズの前に配置されることから、レーザ光線がCCDカメラ8に入射してバックグラウンドノイズとなることは無い。また、偏光フィルター6とCCDカメラ8との間にレーザ光線の波長を遮断して測定波長のみを透過させるバンドパスフィルター8が配置されることから、フォトルミネッセンス光の分布のみを測定することが可能となる。
ここで、上記レーザ光源1より発せられるレーザ光線は直線偏光であることが望ましいが、直線偏光でない場合は、偏光子により直線偏光に変換すれば差し支えない。
そして、特許文献1に開示されたフォトルミネッセンス測定装置において、被測定物全体からのフォトルミネッセンス光の強度を測定するには、被測定物が載置された精密なXYステージをステップ毎に移動させて、フォトルミネッセンス光の強度データを保存する必要があった。
これに対し、本発明に係るフォトルミネッセンス測定装置によれば、集光レンズ2で集光されたレーザ光線が第1のガルバノミラー3と第2のガルバノミラー4により反射されて2次元走査されるようになっているため、高価なXYステージや分布図を作成するためのコンピュータを用いることなく、被測定物5全体からのフォトルミネッセンス光の強度分布を、CCDカメラ8の露光時間を適宜選択して重ね描きすることにより視覚化することが可能になる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
まず、図1に示された本発明に係るフォトルミネッセンス測定装置において、レーザ光源1から出射したレーザ光線は集光レンズ2を透過し、第1のガルバノミラー3により水平方向に200Hzの周波数で走査され、かつ、第2のガルバノミラー4により垂直方向に200Hzの周波数で走査される。尚、第2のガルバノミラー4と被測定物5の距離は1mである。
ここで、被測定物5として厚さ約3μmのGaNエピ膜がついた直径3インチのサファイア基板を考える。GaNは白色LEDの素材となる物質であるが、結晶中に転位や非発光中心といった欠陥や不純物が存在すると、LEDとしての特性が低下することが知られている。そこで、フォトルミネッセンス測定により、これらの欠陥や不純物の分布を知ることが可能となり、GaN膜の評価を行うことができる。
GaN膜のフォトルミネッセンス測定に用いるレーザ光源は、S/N比を向上させるためには出力が高いほうが望ましいことから、出力が300mW、波長が532nmの半導体レーザ励起YVO4第2高調波レーザを使用した。
また、基板全体をレーザ光線が走査する必要があるため、CCDカメラ8の露光時間は走査の1周期1/200秒以上が必要である。微弱なフォトルミネッセンス光を検出するためには、露光時間を更に長く設定する必要がある。また、GaN膜付きのサファイア基板とCCDカメラの中心線は垂直になる位置に配置すると歪みの無い画像が得られる。
そして、波長532nmのレーザ光源1を用い、波長選択フィルターとして中心波長が655nm、半値幅が55nmのバンドパスフィルター7を使用したときのフォトルミネッセンス光の強度分布写真図を図2に示す。尚、CCDカメラ8の露出をF4、露光時間を60秒とした。このフォトルミネッセンス測定においてフォトルミネッセンス光の強度分布写真図は、3インチ基板に外接する正方形の1辺が335画素で構成されているので、空間分解能は0.23mm角の正方形である。
また、比較のため、GaNエピ膜がついた同じサファイア基板について、従来例に係る測定装置のXYステージを用い、2mm角のグリッドごとに測定した点をマッピングしたフォトルミネッセンス光の強度分布写真図を図3に示す。尚、1点の測定に要する時間は約1秒であるので、全体の測定に約20分を要した。また、空間分解能を更に上げるためにグリッドを小さくしていくと、測定点が多くなるため測定に多大の時間を要することになる。
一方、本発明に係るフォトルミネッセンス測定装置において、上記空間分解能は、撮影に使用するCCDカメラの画素数に依存するので、空間分解能を向上させるためには画素数を増加させればよく、上記XYステージを用いた点毎の測定の場合のように測定点数を増加させるために測定時間を長くとる必要が無いことが分かる。
また、レーザ光源をHe−Cdレーザに交換すれば、波長は325nmとなり、より短波長のフォトルミネッセンス光の分布を測定することが可能となる。
本発明に係るフォトルミネッセンス測定装置によれば、集光レンズで集光されたレーザ光線が第1のガルバノミラーおよび第2のガルバノミラーにより反射されて2次元走査され、これにより被測定物全体がレーザ光線により照射されるようになっているため、高価なXYステージや分布図を作成するためのコンピュータを用いることなく被測定物全体からのフォトルミネッセンス光の強度分布を短時間で測定することが可能となる。従って、LEDの素材となるGaNエピ膜等の欠陥を評価する装置に適用される産業上の利用可能性を有している。
1 レーザ光源
2 集光レンズ
3 第1のガルバノミラー
4 第2のガルバノミラー
5 被測定物
6 偏光フィルター
7 バンドパスフィルター
8 CCDカメラ
2 集光レンズ
3 第1のガルバノミラー
4 第2のガルバノミラー
5 被測定物
6 偏光フィルター
7 バンドパスフィルター
8 CCDカメラ
Claims (3)
- レーザ光源からのレーザ光線を被測定物へ照射し、被測定物からのフォトルミネッセンス光をCCDカメラにより撮影するフォトルミネッセンス測定装置において、
上記被測定物とCCDカメラとの間の光路上に、偏光フィルターと、上記レーザ光線の波長を遮断して測定波長のみを透過させる波長選択フィルターが配置されると共に、上記レーザ光源と被測定物との間の光路上に、集光レンズと、第1のガルバノミラーおよび第2のガルバノミラーが配置され、集光レンズで集光されたレーザ光線が上記第1のガルバノミラーおよび第2のガルバノミラーにより反射されて2次元走査されるようになっていることを特徴とするフォトルミネッセンス測定装置。 - 被測定物全体がレーザ光線により照射されて、被測定物全体からのフォトルミネッセンス光の強度分布が測定されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載のフォトルミネッセンス測定装置。
- レーザ光源から発せられるレーザ光線が直線偏光で、かつ、波長選択フィルターがバンドパスフィルターにより構成され、被測定物からの反射レーザ光線が偏光フィルターとバンドパスフィルターにより遮断されてCCDカメラに入射しないようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載のフォトルミネッセンス測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007064578A JP2008224476A (ja) | 2007-03-14 | 2007-03-14 | フォトルミネッセンス測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007064578A JP2008224476A (ja) | 2007-03-14 | 2007-03-14 | フォトルミネッセンス測定装置 |
Publications (1)
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JP2008224476A true JP2008224476A (ja) | 2008-09-25 |
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ID=39843278
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007064578A Pending JP2008224476A (ja) | 2007-03-14 | 2007-03-14 | フォトルミネッセンス測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008224476A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013010681A (ja) * | 2011-05-31 | 2013-01-17 | Hitachi Cable Ltd | 窒化ガリウム基板、発光素子、電界効果トランジスタ及びエピタキシャル膜の製造方法 |
JP2013110319A (ja) * | 2011-11-22 | 2013-06-06 | Fujitsu Ltd | 化合物半導体装置の製造方法、基板評価装置及び基板評価方法 |
JP2015524565A (ja) * | 2012-08-02 | 2015-08-24 | サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク | 多結晶半導体材料の結晶構造を解析するための方法 |
-
2007
- 2007-03-14 JP JP2007064578A patent/JP2008224476A/ja active Pending
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US10302574B2 (en) | 2012-08-02 | 2019-05-28 | Centre National de la Recherche Scientifique—CNRS | Method for analysing the crystal structure of a polycrystalline semiconductor |
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