JP2014137229A - 検査装置及び欠陥検査方法 - Google Patents

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弦一郎 神山
Hirokazu Seki
寛和 関
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Abstract

【課題】炭化珪素基板に存在するマイクロパイプ欠陥を他の欠陥から区別して検出できる検査装置及び欠陥検査方法を提供する。
【解決手段】照明ビームを発生する光源装置と炭化珪素基板から出射した反射光又は透過光を受光する撮像装置24とを有する光学装置と、炭化珪素基板表面の2次元画像を形成する画像形成手段42と、形成された2次元画像に基づいて欠陥検出を行う欠陥検出手段44と、点状の低輝度画像からマイクロパイプ欠陥を識別する識別手段とを有する信号処理装置を具える。識別手段は、同一のインゴットから製造された2個の炭化珪素基板について、点状の低輝度画像のアドレスを照合するアドレス照合手段を有し、一方の炭化珪素基板から検出された点状の低輝度画像のアドレスと他方の炭化珪素基板から検出された点状の低輝度画像のアドレスとが一致した場合、当該アドレスにより特定される部位にマイクロパイプ欠陥が存在するものと判定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、炭化珪素基板(以下「SiC基板」と称する)に存在するマイクロパイプ欠陥を正確に検出できる検査装置及び欠陥検査方法に関するものである。
炭化珪素は、優れた物理的及び熱的特性を有するため、高電力で低損失の半導体デバイスの製造に極めて有用である。SiC基板を用いた半導体デバイスの製造方法において、製造上の歩留りを改良するためには、SiC基板に存在する欠陥を検出すること、及び検出された欠陥の種類を分類することが極めて重要である。特に、SiC基板にマイクロパイプ欠陥が存在すると、デバイスのリーク電流が増大するだけでなく、デバイスの耐電圧特性を低下させる不具合が発生する。そのため、SiC基板の品質指標としてマイクロパイプ欠陥の密度分布が挙げられている。従って、炭化珪素基板の品質を向上させるためには、マイクロパイプ欠陥を他の欠陥から区別して検出できることが重要である。
従来、SiC基板に存在する結晶欠陥を検出する方法として、SiC基板についてアルカリエッチングを行ってエッチピットを形成する方法が既知である(例えば、特許文献1参照)。この既知の欠陥検出方法では、アルカリエッチングに際し、溶融KOHにNaO2やBaOを添加したエッチャントを用いてエッチング処理を行い、エッチピットが形成されている。
さらに、炭化珪素基板に存在するマイクロパイプ欠陥を検出する方法として、基板の裏面側から照明光を投射し、基板の表面側から出射した透過光を検出し、基板の透過像に基づいてマイクロパイプ欠陥を検出する方法が既知である(例えば、特許文献2参照)。この既知の基板評価方法では、光学顕微鏡を用い、ステージ上に配置したSiC基板の裏面側から照明光を投射し、SiC基板の透過像が撮像され、撮像された透過像について種々の画像処理が行われ、マイクロパイプ欠陥が検出されている。この既知の基板評価方法では、マイクロパイプ欠陥は中空孔の形態の欠陥であるため、マイクロパイプが存在する位置の画像は、正常な部位の透過像よりもやや暗い低輝度画像として撮像される。そして、黒点画像と帯状の影とが結合した欠陥像をマイクロパイプによる欠陥像として判定している。
別の欠陥検査装置として、微分干渉光学系を用いた検査装置が既知である(例えば、特許文献3参照)。この既知の検査装置では、共焦点顕微鏡を用い、照明光源と対物レンズとの間の光路中に微分干渉光学系を配置し、炭化珪素基板の表面を2本のサブビームにより走査し、炭化珪素基板の表面からの反射光を光検出手段により受光し、光検出手段からの出力信号に基づいてマイクロパイプ欠陥が検出されている。走査ビームによりマイクロパイプ上を走査した際、マイクロパイプからの反射光の強度は低下するため、マイクロパイプの欠陥像は点状の低輝度画像として検出されている。さらに、微分干渉光学系が搭載された共焦点顕微鏡は、SiC基板の表面を高分解能で撮像できるため、直径が100nm程度の微小なマイクロパイプ欠陥を検出できる利点がある。さらに、微分干渉光学系が搭載された顕微鏡装置は、炭化珪素基板の表面の数10nm程度の微小な凹凸変化を明暗画像として検出できるため、マイクロパイプ欠陥と共にキャロット欠陥などのエピ欠陥も検出することができ、検出された欠陥像は、欠陥画像の形態ないし形状に応じて分類されている。
特開2011−151317号公報 特開2004−309426号公報 特開2012−174896号公報
炭化珪素基板に存在する欠陥を検出する方法として、アルカリエッチングを行ってエッチピットを形成する方法では、検査される炭化珪素基板はエッチング処理により加工されるため、一旦検査した場合デバイスの製造に利用することができず、炭化珪素基板が無駄になる欠点がある。
基板の透過像を撮像する方法では、撮像された透過像について各種の画像処理を行い、黒点と帯状の影とが結合した欠陥像をマイクロパイプ欠陥の画像と判定している。しかしながら、透過像に基づく欠陥検出方法は、十分な解像度を有する光学系を構成することが困難であり、解像度の観点より問題があった。さらに、画像処理により黒点と帯状の影とが結合した欠陥像だけを正確に抽出することは複雑な画像処理が必要であり、正確に検出することは困難であった。また、マイクロパイプ欠陥による欠陥像として低輝度画像だけが撮像される場合も多々あるため、マイクロパイプ欠陥を見落とす可能性が高い問題点が指摘されている。
微分干渉光学系が搭載された共焦点撮像装置は、マイクロパイプ欠陥と共に各種の結晶欠陥を高分解能で検出できる利点があり、炭化珪素基板の欠陥検査において高い有用性を有している。しかしながら、炭化珪素基板の表面上に微小な低反射率の異物が付着している場合、異物による欠陥像も点状の低輝度画像とした撮像されるため、マイクロパイプ欠陥と異物欠陥とを明確に区別することが困難になる課題があった。このような問題は、微分干渉光学系が搭載されていない顕微鏡装置においても発生し、さらに透過像検査においても、さらには、暗視野照明検査においても指摘されている。
さらに、微分干渉光学系が搭載された撮像装置を用いる欠陥検査において、マイクロパイプ欠陥を他の欠陥から明瞭に区別して検出できれば、検出された欠陥を一層正確に分類することができ、欠陥検査装置の性能を一層向上することが可能になる。
本発明の目的は、炭化珪素基板に存在するマイクロパイプ欠陥をスクラッチ、バンプ、ピット等の欠陥から区別して検出できる検査装置及び欠陥検査方法を実現することにある。
本発明の目的は、マイクロパイプ欠陥と異物付着による欠陥とを明瞭に区別できる検査装置及び欠陥検査方法を実現することにある。
本発明の別の目的は、マイクロパイプ欠陥と他の欠陥とを区別して検出でき、検出された各種欠陥を分類できる検査装置及び欠陥検査方法を実現することにある。
本発明による検査装置は、炭化珪素基板に存在するマイクロパイプ欠陥を検出する検査装置であって、
照明ビームを発生する光源装置と、検査すべき炭化珪素基板を支持するステージと、前記照明ビームをステージ上に配置した炭化珪素基板に向けて投射する光学素子と、前記照明ビーム又は前記炭化珪素基板を相対移動させる手段と、前記照明ビームにより走査される炭化珪素基板のアドレスを検出するアドレス検出手段と、炭化珪素基板から出射した反射光又は透過光を受光する光検出器とを有する光学装置、及び
前記光検出器から出力される出力信号を用いて欠陥検出を行う欠陥検出手段と、検出された欠陥のアドレスを検出する欠陥アドレス検出手段と、検出された欠陥からマイクロパイプ欠陥を識別する識別手段とを有する信号処理装置を具え、
前記識別手段は、同一のインゴットから製造された少なくとも2つの炭化珪素基板について、一方の炭化珪素基板から検出された欠陥のアドレスと他方の炭化珪素基板から検出された欠陥のアドレスとを照合するアドレス照合手段を有することを特徴とする。
マイクロパイプ欠陥は、多くの場合成長開始時に発生し、結晶の成長方向にそって貫通する直径が数μm程度の中空状欠陥である。すなわち、c軸に平行な中空貫通孔である。従って、インゴットから基板(ウェハ)を順次切り出すと、各基板には、ほぼ同一のアドレス位置に中空貫通孔、すなわちマイクロパイプ欠陥が出現する。すなわち、マイクロパイプ欠陥は、同一インゴットから製造された各基板について、ほぼ同一のアドレス位置に出現する。さらに、マイクロパイプ欠陥は中空状の貫通孔であるから、明視野照明により観察した場合、マイクロパイプ欠陥に入射した照明光は中空体内に進入するため、マイクロパイプ欠陥が存在する部位から出射する反射光及び透過光の強度は周囲の正常な部位から出射した反射光や透過光の強度よりも相当低下する。従って、マイクロパイプ欠陥を反射型又は透過型顕微鏡で観察した場合、点状の低輝度画像として観察される。
本発明は、上述したマイクロパイプの特性に基づき、検出された欠陥について、同一のインゴットから製造された別の基板の同一アドレス位置に同様な点状の低輝度画像が存在するか否かを検査し、同一のアドレス位置に欠陥像が存在する場合、当該欠陥画像はマイクロパイプ欠陥による画像であると判定する。一方、同一のアドレス位置に点状の低輝度画像が存在しない場合、当該点状の低輝度画像は異物付着による異物欠陥であると判定する。尚、互いに照合される基板の数は、2以上の数とし、隣接する基板間で照合することができ、或いは切り出し順序が離れた複数の基板同士を複数個用いて照合することができる。
炭化珪素基板上に低反射率の異物が付着している場合、反射型顕微鏡及び透過型顕微鏡を用いて観察した場合、点状の低輝度画像が撮像され、マイクロパイプ欠陥と区別することが困難であった。しかしながら、本発明では、点状の低輝度画像が検出された場合、同一のインゴットから製造された別の炭化珪素基板の同一のアドレス位置に点状の低輝度画像が存在するか否かの検査が行われるため、マイクロパイプ欠陥と異物欠陥とを区別して分類することが可能になる。マイクロパイプ欠陥はキラー欠陥であり、炭化珪素基板にマイクロパイプ欠陥が存在すると、製造されるデバイスのリーク電流が増大するだけでなく、耐電圧が低下する問題が発生する。従って、マイクロパイプ欠陥の検出精度が向上するので、デバイスを製造するに当たって、製造上の歩留りを改良することができる。
本発明による検査装置の好適実施例は、信号処理装置は、さらに、検出されたマイクロパイプ欠陥の単位面積当たりの個数を演算する演算手段を含み、単位面積当たりのマイクロパイプ欠陥の個数を欠陥情報として出力することを特徴とする。炭化珪素基板について、マイクロパイプ欠陥の密度情報が得られれば、炭化珪素基板の品質を示す重要な指標を得ることができる。
本発明による検査装置の別の好適実施例は、識別手段は、さらに、同一のインゴットから製造された少なくとも2個の炭化珪素基板について、点状の低輝度画像のサイズを比較するサイズ比較手段を有し、一方の炭化珪素基板から検出された点状の低輝度画像のアドレス及び欠陥のサイズと他方の炭化珪素基板の点状の低輝度画像のアドレス及び欠陥のサイズとが一致したし場合、当該アドレスにより特定される部位にマイクロパイプ欠陥が存在するものと判定することを特徴とする。点状の低輝度画像の形成アドレスだけでなく、そのサイズも比較すれば、マイクロパイプ欠陥を一層正確に検出することが可能になる。
本発明による検査装置は、炭化珪素基板に存在する欠陥を検出し、検出された欠陥を分類する検査装置であって、
照明ビームを発生する光源装置と、検査すべき炭化珪素基板を支持すると共に第1の方向及び第1の方向と直交する第2の方向に移動可能なステージと、前記照明ビームを、ステージ上に配置した炭化珪素基板に向けて投射するレンズ素子と、照明ビームにより走査される炭化珪素基板表面のアドレスを検出するアドレス検出手段と、炭化珪素基板から出射した反射光又は透過光を受光する撮像装置とを有する光学装置、及び
前記撮像素子から出力される画像信号を受け取り、前記炭化珪素基板表面の2次元画像を形成する画像形成手段と、形成された2次元画像に基づいて欠陥検出を行う欠陥検出手段と、検出された欠陥の画像に基づき欠陥を分類する欠陥分類手段とを有する信号処理装置を具え、
前記欠陥分類手段は、点状の低輝度画像からマイクロパイプ欠陥を識別する識別手段を含み、
前記識別手段は、同一のインゴットから製造された少なくとも2個の炭化珪素基板について、点状の低輝度画像のアドレスを照合するアドレス照合手段を有し、一方の炭化珪素基板から検出された点状の低輝度画像のアドレスと他方の炭化珪素基板から検出された点状の低輝度画像のアドレスとが一致した場合、当該アドレスにより特定される部位にマイクロパイプ欠陥が存在するものと判定することを特徴とする。
炭化珪素基板を用いてデバイスを製造するに当たって、製造上の歩留りを改良するためには、マイクロパイプ欠陥をスクラッチやピット等の他の欠陥から区別して検出できることが急務の課題である。すなわち、スクラッチやピットは加工欠陥であり、ウェハ製造時に発生する欠陥ではない。従って、検出された欠陥が欠陥の種類に応じて分類されれば、例えばキラー欠陥であるマイクロパイプ欠陥が形成されている部位が特定され、ウェハ製造の品質管理上極めて有益なデータを得ることが可能となる。
本発明による検査装置の好適実施例は、光学装置は、光源装置とレンズ素子との間の光路中に配置した微分干渉光学系を含み、
前記画像形成手段は炭化珪素基板表面の微分干渉画像を形成し、前記欠陥検出手段は、形成された微分干渉画像に基づいて欠陥検出を行い、前記欠陥分類手段は、検出された欠陥の微分干渉画像に基づき欠陥を分類することを特徴とする。
研磨工程で発生するスクラッチは、深さが数10nm程度の線状の凹状欠陥である。また、ピットやバンプも数100nm程度の凹凸欠陥である。一方、微分干渉光学系は試料表面の数nm〜数100nmの凹凸を輝度変化として検出することが可能である。そこで、本発明では、炭化珪素基板に存在する欠陥を微分干渉光学系を含む光学装置を用いて検出し、検出された欠陥像に基づいて欠陥を分類する。
本発明による検査装置の別の好適実施例は、信号処理装置は、検出された欠陥の種別及びアドレスを示す欠陥マップを形成する手段を含むことを特徴とする。
本発明による検査装置の別の好適実施例は、信号処理装置は、検査すべき炭化珪素基板を個々のデバイスが形成される予定の複数のチップ区域に分割したマップ情報を出力する手段と、前記欠陥分類手段の分類結果及び前記マップ情報を用いて、検出された欠陥の種別又は検出された欠陥の種別とその個数を各チップ区域ごとに示す欠陥分布データを出力する欠陥分布データ形成手段とを含み、
前記欠陥分布データは、チップ区域ごとにマイクロパイプ欠陥の存在及びその個数を表示することを特徴とする。
前述したように、微分干渉光学系を含む検査装置を用いて炭化珪素基板を検査する場合、検出された欠陥の微分干渉画像から欠陥の種類を判定することが可能である。そこで、本例では、検査すべき炭化珪素基板を個々のデバイスが形成される予定の複数のチップ区域ごとに分割したマップ情報を用い、欠陥分類手段の分類結果を利用して検出された欠陥の種別及び/又は個数を各チップごとに示す欠陥分布データを形成する。欠陥分布データが得られれば、炭化珪素基板の各チップ区域の品質管理データが得られるので、デバイスの製造の歩留りを相当改良することが可能になる。特に、本発明によれば、マイクロパイプ欠陥の検出精度が一層正確になるので、一層正確な欠陥分布データを得ることが可能になる。
本発明による欠陥検査方法は、炭化珪素基板に存在するマイクロパイプ欠陥を検出する欠陥検査方法において、
第1の炭化珪素基板の2次元画像を撮像する第1の撮像工程と、
撮像された2次元画像から点状の低輝度画像及びそのアドレスを検出する第1の欠陥検出工程と、
同一のインゴットから製造された別の第2の炭化珪素基板の2次元画像を撮像する第2の撮像工程と、
撮像された2次元画像から点状の低輝度画像及びそのアドレスを検出する第2の欠陥検出工程と、
前記第2の炭化珪素基板について、前記第1の炭化珪素基板の欠陥検出工程において検出された点状の低輝度画像のアドレスにより特定される位置に点状の低輝度画像が存在するか否かを検査するアドレス照合工程とを含み、
前記アドレス照合工程において、第2の炭化珪素基板の対応するアドレスに点状の低輝度画像が存在する場合、当該アドレスの位置にマイクロパイプ欠陥が存在すると判定することを特徴とする。
本発明による欠陥検査方法は、炭化珪素基板に存在するマイクロパイプ欠陥を検出する欠陥検査方法において、
第1の炭化珪素基板の2次元画像を撮像する第1の撮像工程と、
撮像された2次元画像から点状の低輝度画像及びそのアドレスを検出する第1の欠陥検出工程と、
検出された点状の低輝度画像のサイズを検出する第1の欠陥サイズ検出工程と、
同一のインゴットから製造された別の第2の炭化珪素基板の2次元画像を撮像する第2の撮像工程と、
撮像された2次元画像から点状の低輝度画像及びそのアドレスを検出する第2の欠陥検出工程と、
前記第2の欠陥検出工程において検出された点状の低輝度画像のサイズを検出する第2の欠陥サイズ検出工程と、
前記第2の炭化珪素基板について、前記第1の炭化珪素基板の欠陥検出工程において検出された点状の低輝度画像のアドレスにより特定される位置に点状の低輝度画像が存在するか否かを検査する工程と、
点状の低輝度画像が存在する場合、前記第1の炭化珪素基板の点状の低輝度画像のサイズと第2の炭化珪素基板の同一アドレスに位置する点状の低輝度画像のサイズとを比較する工程とを含み、
前記2つの点状の低輝度画像のサイズがほぼ等しい場合、当該アドレスの位置にマイクロパイプ欠陥が存在すると判定することを特徴とする。
本発明による欠陥検査方法は、炭化珪素基板に存在するマイクロパイプ欠陥を検出する欠陥検査方法であって、炭化珪素基板表面の2次元画像を撮像する工程と、撮像された2次元画像から炭化珪素基板に存在する欠陥及びそのアドレスを検出する工程と、欠陥像に基づいて欠陥を分類する欠陥分類工程とを含み、
前記欠陥分類工程において、点状の低輝度画像を欠陥像として識別し、点状の低輝度画像が検出された場合、同一のインゴットから製造された別の炭化珪素基板について、当該欠陥像のアドレスにより特定される位置に点状の低輝度像が存在するか否か判定し、低輝度欠陥像が存在する場合、当該低輝度画像の位置にマイクロパイプ欠陥が存在するものと判定することを特徴とする。
本発明による検査装置では、マイクロパイプ欠陥の成長特性に基づき、同一のインゴットから製造された2つ以上の基板について、欠陥像が検出された場合アドレス照合ないしアドレス比較を行ってマイクロパイプ欠陥か否か判定しているので、マイクロパイプ欠陥を異物欠陥やスクラッチ等の他の欠陥から区別して検出することが可能になり、マイクロパイプ欠陥の検出精度が向上する。
微分干渉光学系を用いることにより、微分干渉画像に基づいてマイクロパイプ欠陥、異物欠陥、スクラッチ、バンプ等に分類することができるので、欠陥分類の精度も一層改善される。さらに、検出された欠陥は、その欠陥像に応じて分類されるので、炭化珪素基板をデバイスが形成される予定のチップ区域ごとに分割し、欠陥分類手段の分類結果を用いて各チップ区域ごとに検出された欠陥の種別及び/又は個数を示す欠陥分布データを出力する際の分類精度も向上する。
本発明による検査装置の光学系の一例を示す図である。 炭化珪素インゴットにマイクロパイプ欠陥が形成された状態を示す図である。 本発明による信号処理装置の一例を示す図である。 本発明による欠陥分類方法を示す図である。 マイクロパイプ欠陥を識別する第2の分類手段の一例を示す図である。 欠陥分布データ出力装置の一例を示す図である。 マップ情報の一例を示す図である。 本発明による検査装置の光学系の変形例を示す図である。 本発明による検査装置の光学系の別の変形例を示す図である。
図1は本発明による検査装置の一例を示す線図である。本例では、光学装置として、微分干渉光学系を有する共焦点走査装置を用い、共焦点走査装置により炭化珪素基板の全面を走査して基板全面の微分干渉画像を撮像する。得られた微分干渉画像について種々の画像処理を行って欠陥及びその座標(アドレス)を検出する。また、検出された欠陥のアドレス情報を用いると共に、欠陥の微分干渉画像に基づいて検出された欠陥を分類することができ、欠陥の分布マップを形成することができる。さらに、共焦点走査装置の特性としてZ軸方向(光軸方向)にスキャンが可能であるため、本発明による検査装置は、炭化珪素基板の微分干渉画像を撮像するだけでなく、検出された欠陥の共焦点画像を撮像し、共焦点画像から欠陥の3次元形状情報を取得することもでき、さらに、検出された欠陥の断面形状情報(表面輪郭情報)も取得することができる。従って、欠陥の種別を判定するに際し、欠陥の微分干渉画像、3次元形状、及び断面形状を用いることができる。さらに、本発明では、同一のインゴットから製造された2個又はそれ以上の炭化珪素基板について、点状の低輝度画像のアドレス比較を行うことにより、マイクロパイプ欠陥を検出することも可能である。すなわち、同一のインゴットから製造された2つのSiC基板について、検出された欠陥のアドレスを照合し、同一のアドレスに欠陥が存在する場合、当該アドレスにマイクロパイプ欠陥が存在するものと判定する。
図1を参照するに、照明光源1として、水銀ランプを用いる。尚、キセノンランプやレーザ光源等の水銀ランプ以外の種々の照明光源も用いることができる。照明光源1から出射した照明ビームは、複数の光ファイバが円形に積層された光ファイババンドル2に入射し、光ファイバを伝搬して、断面がほぼ円形の発散性ビームとして出射し、フィルタ3に入射する。フィルタ3は、入射した光ビームから緑の波長光(e線:波長546nm)を出射させる。フィルタから出射した光ビームは、集束性レンズ4により平行ビームに変換されてスリット5に入射する。スリット5は、集束性レンズ4の瞳位置に配置され、第1の方向(紙面と直交する方向)に延在する細長い開口部を有する。ここで、第1の方向は、X方向と称する。スリット5の開口部の幅は、例えば10〜20μmに設定する。従って、スリット5から第1の方向に延在する細長いライン状の光ビームが出射する。スリット5から出射したライン状の光ビームは、偏光子6に入射し、単一の振動面を持つ偏光した光に変換される。このライン状の偏光ビームは、ビームスプリッタとして機能するハーフミラー7で反射し、リレーレンズ8を経て振動ミラー9に入射する。
振動ミラー9には、駆動回路10が接続され、駆動回路10は信号処理装置11から供給される制御信号に基づき振動ミラーを駆動する。振動ミラー9は、入射するライン状の光ビームを第1の方向と直交する第2の方向(Y方向)に偏向する。信号処理装置11は、振動ミラーの角度情報に基づいて、光ビームのY方向の位置情報を有する。尚、振動ミラーの代りに、ポリゴンミラー等の他の走査装置を用いることも可能である。この振動ミラーは、試料の指定された位置の共焦点画像を撮像する場合に用いられ、炭化珪素基板の全面を走査する場合固定ミラーとして機能する。本例では、基板の全面を走査する場合、炭化珪素基板を支持するステージをジッグザッグ状に移動して基板の全面を走査する。
振動ミラー9から出射したライン状の光ビームは、リレーレンズ12及び13を経て微分干渉光学系14に入射する。本例では、微分干渉光学系としてノマルスキープリズムを用いる。ノマルスキープリズム14に入射したライン状の偏光ビームは、振動面が互いに直交する2本のサブビームに変換される。これら2本のサブビーム間には、mを自然数とした場合に、(2m+1)π/2の位相差が与えられる。従って、SiC基板表面に形成された数nmの高さ変化を有する欠陥を輝度画像として検出することが可能である。また、ノマルスキープリズムのシャーリング量は、例えば2μmに設定する。尚、ノマルスキープリズム14は、光路に挿脱可能に配置され、SiC基板の共焦点微分干渉画像を撮像する場合光路中に挿入され、それ以外の場合、例えば試料の3次元画像を撮像する場合及び試料の表面輪郭像を撮像する場合、光路から外される。
ノマルスキープリズム14から出射した2本のサブビームは、対物レンズ15に入射する。対物レンズ15は、入射した2本のライン状のサブビームを集束し、ステージ16上に配置された観察すべき炭化珪素基板17に向けて投射する。従って、SiC基板17の表面は、第1の方向(X方向)に延在するライン状の2本のサブビームにより、直交する第2の方向(Y方向)に走査される。
ステージ16は、X方向及びY方向に移動可能なXYステージにより構成される。このステージの2次元移動により、SiC基板は照明ビームにより2次元的に走査される。従って、本例では、ステージが走査手段を構成する。ステージの位置情報は、位置センサ18により検出され、ステージの位置情報が信号処理装置11に供給される。ステージの位置情報を用いて検出された欠陥のアドレスが特定ないし検出される。SiC基板17の全面を走査して欠陥を検出する場合、ステージ16をY方向及びX方向にジッグザッグ状に移動させてSiC基板の全面を走査することができる。或いは、ステージ16を第1の方向に連続的に移動させ、振動ミラー9による第2の方向の走査と組み合わされて、SiC基板の全面について欠陥検査を行うこともできる。また、検出された欠陥のアドレスを用いてレビューする場合、欠陥の座標情報に基づいてステージをX及びY方向に移動させて欠陥を視野内に位置させ、振動ミラーを第2の方向にスキャンすることにより欠陥及びその付近の微分干渉画像を撮像することができる。
対物レンズ15にはモータ19及びモータ駆動回路20が接続され、信号処理装置11から供給される駆動制御信号により光軸方向に沿って移動することができる。対物レンズの光軸方向の位置は位置センサ21により検出され、信号処理装置11に供給される。ここで、モータ19は、対物レンズとステージ上のSiC基板との間の光軸方向の相対距離、すなわち、基板表面を走査する光ビームの集束点と基板表面との間の相対距離を変化させる手段として機能する。尚、対物レンズは、10nmの分解能で光軸方向に移動することができる。
共焦点走査装置の特性より、対物レンズ15を光軸方向に移動させながら振動ミラー9を駆動してSiC基板の表面の2次元共焦点画像を複数回撮像し、各画素毎に最大輝度値を発生する光軸方向の位置を検出することにより、SiC基板表面の3次元形状情報(3次元形状画像)を取得することができる。また、取得した3次元形状情報に基づき、SiC基板表面を断面として示す2次元形状情報(断面形状情報)を取得することができる。従って、エピタキシャル層に形成されたマイクロパイプ欠陥のように、中空孔の欠陥は、3次元形状情報又は断面形状情報を含む表面輪郭形状情報を取得することにより他の欠陥から区別して検出することが可能である。尚、2次元共焦点画像を撮像する場合、ノマルスキープリズム14は光路から外して撮像する。
SiC基板の表面で反射した2本の反射ビームは、対物レンズ15により集光され、微分干渉光学系14に入射する。2本の反射サブビームは、微分干渉光学系14により合成され、SiC基板表面の高さ変化を位相差情報として含む干渉ビームが形成される。例えば、SiC基板の表面に数nm程度の凹状又は凸状の欠陥が存在する場合、SiC基板表面に入射した2本のサブビームのうち1本のサブビームが欠陥上を走査し、他方のサブビームは正常な表面部分を走査するので、2本のサブビーム間には欠陥の高さに応じた位相差が導入される。この結果、微分干渉光学系14から出射する干渉ビームは、結晶欠陥に起因してSiC基板の表面に出現した数nm程度の凹凸変化を位相差情報として含むことになる。
ノマルスキープリズム14から出射した干渉ビームは、元の光路を反対方向に伝搬し、リレーレンズ13及び12を経て振動ミラー9に入射する。振動ミラー9から出射した干渉ビームは、結像レンズとして作用するレンズ8を通過し、ハーフミラー7を透過し、検光子22に入射する。検光子22は、偏光子6に対して直交ニコルの関係に配置する。従って、ノマルスキープリズム14において合成された偏光以外の光は遮断され、微分干渉画像を構成する光だけが検光子21を透過する。
検光子22を透過したライン状の干渉ビームは、ポジショナ23を経て撮像素子として作用するリニアイメージセンサ24に入射する。リニアイメージセンサ24は、第1の方向と対応する方向に配列された複数の受光素子を有し、入射したライン状の干渉ビームを受光する。リニアイメージセンサの各受光素子は、干渉ビームに含まれる位相差情報を輝度情報に変換する。従って、SiC基板の表面又はエピタキシャル層の表面に形成された数nm程度の凹凸は輝度画像として表示される。リニアイメージセンサのライン状に配列された受光素子列は、枠により入射開口が制限されているから、各受光素子の前面にピンホールが配置されているものとほぼ同等である。従って、SiC基板表面からの反射光をリニアイメージセンサにより受光することにより、微分干渉光学系を有する共焦点光学系が構成される。
リニアイメージセンサの各受光素子に蓄積された電荷は、信号処理装置11から供給される読出制御信号により順次読み出され、SiC基板表面の1次元画像信号として出力される。リニアイメージセンサから出力される1次元画像信号は、増幅器25で増幅され、カメラリンクを介して信号処理装置11に供給される。信号処理装置11は、画像処理ボードを有し、受け取った1次元画像信号、振動ミラーの位置情報、及びステージの位置情報等を用いてSiC基板表面の2次元画像を生成する。また、生成された2次元画像についてフィルタリング処理、2値化処理及び閾値比較処理を含む種々の画像処理を行って欠陥を検出すると共にそのアドレス(座標情報)を取得する。
SiC基板は、可視光の波長域において透明である。このため、SiC基板の表面を光ビームにより走査すると、入射した光ビームがSiC基板の内部を透過し、SiC基板の裏面で反射した反射光が検出器に入射し、解像度が低下する不都合がある。このため、通常の光学顕微鏡によりSiC基板を撮像する場合及びレーザ散乱方式により欠陥を検出する場合共に解像度が低く、欠陥検出の精度が低下する欠点がある。これに対して、本発明による共焦点型の検査装置では、リニアイメージセンサの前面にピンホールが配置されたものとほぼ等価な構成を有するので、SiC基板を透過し裏面で反射した光は、光路から外れリニアイメージセンサの受光素子に入射せず、SiC基板の表面で反射した反射光だけがリニアイメージセンサに入射する。この結果、本発明による検査装置を用いることにより、通常の光学顕微鏡により得られる画像よりも高い解像度の共焦点微分干渉画像を撮像することができ、一層高い検出精度で欠陥検出を行うことが可能である。
微分干渉光学系は、試料表面に形成された数10nm程度の微少な凹凸を位相差として検出するので、深さの浅いスクラッチやバンプ欠陥が形成されている場合、輝度画像として検出することが可能である。さらに、突起欠陥や凹状欠陥に関して、微分干渉画像上において、上向きの斜面及び下向きの斜面は低輝度画像又は高輝度画像として検出されるので、撮像された微分干渉画像に表示された明暗の輝度変化に基づいて凹状欠陥であるか又は凸状欠陥であるかも判別することが可能である。従って、撮像された明暗の微分干渉画像に基づいて、ピット欠陥であるか又はバンプ欠陥であるかも容易に判別することができる。
次に、SiC基板に形成される欠陥が、本発明による検査装置により撮像される微分干渉画像においていかなる形態のものとして撮像されるかについて説明する。
[マイクロパイプ欠陥]
マイクロパイプは中空孔の形態をした欠陥である。従って、走査ビームがマイクロパイプ欠陥上を走査した際、孔の底面からの反射光がリニアイメージセンサに入射せず又は微少光量の反射光しか入射しないため、点状の低輝度画像として検出される。尚、マイクロパイプ欠陥の検出及び分類については、後で詳述する。
[スクラッチ]
基板の研磨処理中にスクラッチが形成される場合がある。このスクラッチは、線状の凹部構造であるので、共焦点微分干渉画像上線状の明暗の輝度画像として検出される。
[異物付着]
表面に異物が付着した場合、金属等の反射率の高い異物が付着した場合点状の高輝度画像として検出され、反射率の低い異物が付着した場合点状の暗い低輝度画像として検出される。
[ピット欠陥]
ピット欠陥は、研磨中に形成される凹状欠陥であり、明暗の輝度画像として検出される。
[バンプ]
バンプは、突起状の欠陥であり、上向きの斜面と下向きの斜面を有するので、明暗の輝度画像として検出される。ただし、高輝度画像部分と低輝度画像部分との発生順序が走査方向に沿ってピット欠陥とは反対の関係にある。よって、高輝度画像部分と低輝度画像部分との発生順序の相違によりピット欠陥から識別される。
次に、マイクロパイプ欠陥の検出方法について説明する。図2は炭化珪素のインゴット30に3個のマイクロパイプM1〜M3が形成されている状態を模式的示し、図2(A)はインゴット30の成長方向と直交する方向から見た線図的模式図であり、図2(B)はインゴット30から切り出された隣接する2枚の基板SiとSi+1を示す平面図である。炭化珪素の単結晶体は、昇華法により成長形成され、c軸に平行な方向にそって成長し、ほぼ円柱体として形成される。形成された単結晶体からインゴット30が製造され、炭化珪素基板はインゴット30から例えば4°のオフ角で切り出され、厚さが例えば350μmの炭化珪素基板S1〜Snが製造される。
マイクロパイプは、多くの場合成長開始時に発生し、結晶の成長方向にそって貫通する直径が数μm程度の中空状欠陥である。すなわち、c軸に平行な中空貫通孔である。従って、インゴット30から基板(ウェハ)を順次切り出すと、各基板には、ほぼ同一のアドレス位置に中空貫通孔、すなわちマイクロパイプ欠陥が出現する。すなわち、マイクロパイプ欠陥は、同一インゴットから製造された各基板について、ほぼ同一のアドレス位置に出現する。図2(B)は、上述したマイクロパイプ欠陥の分布状態を説明するための図であり、基板Siと隣接する基板Si+1には、同一のアドレス位置にマイクロパイプ欠陥M1〜M3が存在する状態を示す。
さらに、マイクロパイプ欠陥は中空状の貫通孔であるから、明視野照明により観察した場合、マイクロパイプ欠陥に入射した照明光は中空体内に進入するため、マイクロパイプ欠陥が存在する部位から出射する反射光及び透過光の強度は周囲の正常な部位から出射した反射光や透過光の強度よりも相当低下する。従って、マイクロパイプ欠陥を反射型又は透過型顕微鏡で観察した場合、点状の低輝度画像として観察される。
本発明は、上述したマイクロパイプの特性に基づき、炭化珪素基板の2次元画像中に点状の低輝度画像が出現した場合、同一のインゴットから製造された別の基板の対応するアドレス位置に同様な点状の低輝度画像が存在するか否かを検査し、同一のアドレス位置に点状の低輝度画像が存在する場合、当該点状の低輝度画像はマイクロパイプ欠陥による画像であると判定する。一方、同一のアドレス位置に点状の低輝度画像が存在しない場合、当該点状の低輝度画像は低反射率の異物が付着した異物欠陥であると判定する。尚、互いに照合される基板の数は、2以上の数とし、隣接する基板間で照合することができ、或いは切り出し順序が離れた複数の基板同士を複数個用いて照合することができる。
炭化珪素基板上に異物が付着している場合、反射型顕微鏡及び透過型顕微鏡を用いて観察した場合、点状の低輝度画像が撮像され、マイクロパイプ欠陥と区別することが困難であった。しかしながら、本発明では、点状の低輝度画像が検出された場合、同一のインゴットから製造された別の炭化珪素基板の同一のアドレス位置に点状の低輝度画像が存在するか否かの検査が行われるため、マイクロパイプ欠陥と異物欠陥とを区別して分類することが可能になる。
図3は、欠陥検出及び欠陥分類を行う信号処理装置11の一例を示す線図である。本例では、エピタキシャル層が形成される前のSiC基板の全面を走査して欠陥検出及び欠陥分類を行う。各SiC基板には、識別番号が付与され、同一のインゴットから製造されたSiC基板を識別できるように設定し、同一のインゴットから切り出したSiC基板について、切り出した順序にしたがって順次検査が行われる。また、マイクロパイプ欠陥の分類については、検出された点状の低輝度画像について隣接するSiC基板同士のアドレス照合を行い、マイクロパイプ欠陥か否かの判定を行う。
リニアイメージセンサ24から出力され、増幅器25により増幅された1次元画像信号は、A/D変換器40によりデジタル信号に変換され、信号処理装置11に供給される。また、基板を支持するステージ16の位置を示すステージ位置信号(デジタル信号)も信号処理装置11に供給する。さらに、対物レンズの光軸方向の位置を示す位置センサ21から出力される対物レンズ位置信号(デジタル信号)も信号処理装置11に供給する。本例では、信号処理装置11は、コンピュータにより実行されるソフトウェアで構成され、各種の手段は、制御手段41の制御のもとで動作するものとする。尚、制御手段41からの信号線は図面が交錯するため、図示しないものとする。
信号処理装置11に入力した1次元画像信号は、2次元画像形成手段42に送られて2次元画像、すなわち2次元微分干渉画像が形成される。形成された2次元画像は画像メモリ43に供給され、炭化珪素基板表面の微分干渉画像が画像メモリ43に蓄積される。2次元画像形成手段42により形成された2次元画像信号は欠陥検出手段44に供給される。欠陥検出手段44には、ステージ位置信号及びリニアイメージセンサの各受光素子の位置情報も供給される。欠陥検出手段44は、フィルタリング手段、2値化手段及び閾値比較手段を含み、入力した2次元画像について画像処理を行って欠陥を検出する。同時に、ステージ位置信号及びリニアイメージセンサの各受光素子の位置情報を用いて、検出された欠陥の座標(アドレス情報)も取得する。そして、欠陥が検出された際、検出された欠陥の識別番号とそのアドレス情報(座標情報)を対として、欠陥メモリ45に記憶する。
炭化珪素基板に形成された欠陥を観察する場合、制御手段41の制御のもとで、レビューを希望する欠陥の微分干渉画像を観察することができる。この場合、制御手段は以下の処理を実行する。すなわち、欠陥メモリ45にアクセスし、キーボートを介して入力された欠陥識別番号により特定される欠陥アドレスを取得する。続いて、画像メモリ43にアクセスし、取得されたアドレスの所定のサイズの画像を取り出し、炭化珪素基板の欠陥画像を出力し、モニタ上に表示することができる。また、検出された欠陥を分類する場合、制御手段41の制御のもとで、欠陥メモリに記憶されている欠陥のアドレス情報を用いて画像メモリから所定のサイズの欠陥画像を取り出し、欠陥画像を欠陥分類手段46に供給する。そして、欠陥分類手段46において、欠陥の種別を判定する。
図4は本発明による欠陥分類方法の一例を示す図である。ステップ1において、点状低輝度画像の分類1を実行し、マイクロパイプ欠陥を識別する(ステップ1)。マイクロパイプ欠陥は、中空貫通孔であるから、照明ビームにより走査した場合、マイクロパイプ欠陥の存在位置からの反射光は規定値よりも相当低い輝度の反射光となる。よって、マイクロパイプ欠陥による微分干渉画像は、点状の低輝度画像となる。従って、ステップ1において、点状の低輝度画像として検出された欠陥像についてはマイクロパイプ欠陥として分類する。尚、マイクロパイプ欠陥の識別方法にはついては後述する。
続いて、ステップ1において識別されなかった点状の低輝度画像について、点状低輝度画像の分類2を実行する(ステップ2)。基板表面に低反射率の異物が付着した場合、点状の低輝度画像として検出される。従って、ステップ2において、マイクロパイプ欠陥として識別されなかった点状の低輝度画像は異物欠陥として識別する。
続いて、ステップ1及び2において分類されなかった欠陥画像について、点状の高輝度画像を分類する(ステップ3)。高反射率の金属等の異物が付着した場合、その欠陥像は、高輝度の点状画像として撮像される。従って、高輝度の点状画像は、異物付着による欠陥として分類される。
ステップ1〜3において識別されなかった欠陥像について、線状の明暗輝度を分類し、スクラッチによる欠陥を識別する(ステップ4)。スクラッチは、研磨工程で発生する欠陥であり、線状の凹状欠陥であり、微分干渉画像として線状の明暗輝度画像として撮像される。従って、線状の明暗画像はスクラッチとして分類する。
ステップ1〜4において識別されなかった欠陥像について、明暗輝度画像を分類し、バンプ欠陥を識別する(ステップ5)。基板表面に比較的サイズの大きな異物が付着した場合バンプ欠陥を形成する。このバンプ欠陥は、明暗の輝度画像として検出されため、明暗の輝度画像をバンプ欠陥として識別する。
ステップ5において識別されなかった明暗輝度画像はピット欠陥として分類する。ピット欠陥は、下向き及び上向きの斜面により形成される凹状欠陥であり、明の画像部分と暗の画像部分との発生順序がバンプ欠陥とは反対である。この点に基づいて、バンプ欠陥として識別されなかった明暗輝度画像はピット欠陥として分類する。
ステップ1〜6において識別されなかった欠陥像は、上述した6種類の欠陥以外のその他の欠陥として分類される(ステップ7)。
上述した6つの欠陥の全てについて分類する必要はなく、デバイスの製造に必要な欠陥についてだけ分類することも可能である。例えば、マイクロパイプ欠陥はデバイスの製造に致命的なキラー欠陥である。従って、キラー欠陥だけを識別し、残りの欠陥をその他の欠陥として処理することも可能である。すなわち、欠陥分類工程において分類される欠陥の種類は、検査装置の目的や設計思想に基づいて適宜設定することができる。
図3を参照して、本発明による検査装置の欠陥分類手段46の処理内容について説明する。欠陥検出処理と並行して又は欠陥検出処理が終了した後、欠陥分類が行われる。本例の欠陥分類手段46は、一例として第1〜第6の識別手段50〜55を有し、入力した欠陥画像がいかなる欠陥に起因して形成された欠陥像かを判定する。初めに、欠陥画像は第1の識別手段50に供給される。第1の識別手段50は、入力した欠陥画像が数μm〜数100μm程度のサイズの点状の低輝度画像か否かを判定する。判定結果として、点状の低輝度画像に該当する場合、当該欠陥はマイクロパイプ欠陥又は異物欠陥であると判定する。続いて、同一インゴットから製造された2つの基板についてアドレス照合を行い、アドレスが一致した場合、マイクロパイプ欠陥と判定する。尚、マイクロパイプ欠陥の識別の詳細については後述する。
第1の識別手段50によりマイクロパイプ欠陥と判定されなかった欠陥画像は第2の識別手段51に供給される。第2の識別手段51は、点状の低輝度画像について、マイクロパイプ欠陥として識別されなかった欠陥像を異物欠陥として識別する。
マイクロパイプ欠陥又は異物欠陥として識別されなかった欠陥画像は第3の識別手段52に供給される。第3の識別手段52は、点状の高輝度画像を識別し、高反射率異物付着による欠陥として分類する。
第1〜第3の分類手段により分類されなかった欠陥像は第4の識別手段53に供給される。第4の識別手段は、スクラッチによる欠陥像を識別する。スクラッチは、線状の研磨痕であり、線状の凹状欠陥である。従って、スクラッチによる欠陥像は、線状の明暗画像として撮像される。第4の識別手段53は、入力した欠陥像が線状の明暗画像の場合、当該欠陥像はスクラッチによる欠陥と判定する。
第1〜第4の識別手段により分類されなかった欠陥像は第5の識別手段に供給される。第4の識別手段は、入力した欠陥画像が高輝度の画像部分と低輝度の画像部分とが結合した明暗画像か否かを判定すると共に高輝度画像部分と低輝度画像部分の発生順序を判定する。判定結果として、入力した欠陥画像が明暗画像であり、明及び暗の画像部分の発生順序が所定の順序の場合、入力した欠陥画像はバンプ欠陥による欠陥像であると判定する。
バンプ欠陥であると判定されなかった欠陥画像は第5の識別手段54に供給される。第5の識別手段は、入力した欠陥画像が明暗画像か否かを判定すると共に高輝度画像部分と低輝度画像部分の発生順序を判定し、判定結果として、入力した欠陥画像が明暗画像であり、明及び暗の画像部分の発生順序が所定の順序の場合、入力した欠陥画像はピット欠陥による欠陥像であると判定する。
第1〜第5の識別手段50〜54により識別されなかった欠陥像は、第6の識別手段により、その他の欠陥に起因する欠陥像として分類される。
欠陥分類手段46から出力される欠陥分類の結果は、欠陥マップ形成手段47に供給される。欠陥マップ形成手段47は、検出された欠陥の識別番号と、欠陥の種別情報と、欠陥のアドレス情報とを対として含む欠陥マップ(欠陥分類情報)を形成する。形成された欠陥マップは欠陥マップメモリ48に記憶する。さらに、形成された欠陥マップ情報は、欠陥分類情報として後段の欠陥分布データ出力装置に供給される。
次に、マイクロパイプ欠陥を検出する第1の識別手段50について説明する。図5はマイクロパイプ欠陥と低反射率の異物が付着した異物欠陥とを識別する第1の識別手段の一例を示す図である。本例では、同一のインゴットから製造された一連の炭化珪素基板を切り出した順序にしたがって順次検査するものとする。すなわち、検査されるべき基板の識別番号をS1〜Snとした場合、S1→Si→Snの順序で検査が行われる。第2の識別手段51には、第1の基板S1について検出された全ての点状の低輝度欠陥像及びそのアドレスが入力する。点状の低輝度画像欠陥像のアドレスはアドレス照合手段60に入力する。また、点状の低輝度画像はサイズ検出手段61に入力する。同一のインゴットについて、最初に検査された基板S1の欠陥アドレスは、アドレス照合手段60をスルーしてアドレスメモリ62に記憶する。よって、アドレスメモリ62には、第1の基板S1についての全ての点状の低輝度欠陥像のアドレスが記憶される。サイズ検出手段61は、点状の低輝度欠陥像の大きさを画素数から検出し、検出されたサイズ情報はアドレス情報と共にサイズメモリ63に記憶する。従って、基板S1について、検出された全ての点状の低輝度画像のアドレスはアドレスメモリ62に記憶され、点状欠陥像のサイズ及びはサイズメモリ63に記憶される。
第1の基板S1についての検査が終了した後、第2の基板S2の検査が開始され、検出された点状の低輝度欠陥画像はサイズ検出手段61に入力し、そのアドレスはアドレス照合手段60に入力する。アドレス照合手段60にはアドレスメモリ62に記憶されている第1の基板S1の全ての点状の低輝度画像のアドレスと照合され、一致するアドレスが存在するか否か判定される。この場合、基板は4°のオフ角で切り出されるため、オフ角に相当する変位量ないし誤差を考慮して判定する。一致するアドレスが存在しない場合、当該点状の低輝度画像はマイクロパイプ欠陥ではなく、低反射率の異物の付着による異物欠陥と判定する。一方、アドレスが一致する点状の低輝度欠陥像が存在する場合、サイズ検出手段61にトリガ信号を供給する。サイズ検出手段61は、トリガ信号を受け取った際、当該点状の欠陥像のサイズを測定し、その結果をサイズ比較手段64に供給する。サイズ比較手段64には、サイズメモリ63に記憶されている第1の基板S1の対応するアドレスの点状の低輝度欠陥像のサイズと比較し、サイズが一致するか否か判定する。この場合、サイズ比較手段は、2つ欠陥像のサイズの差分を形成し、得られた差分値が所定の閾値を超える場合、サイズは不一致であると判定し、差分値が閾値範囲内の場合、サイズが一致すると判定することができる。
サイズ比較手段における比較結果として、サイズが一致する場合、当該低輝度欠陥像は、マイクロパイプ欠陥による欠陥像であると判定する。一方、サイズが一致しない場合、当該低輝度欠陥像は異物欠陥であると判定する。
上述した処理は、第2の基板S2について検出された全ての点状の低輝度画像について実行する。
マイクロパイプ欠陥として識別された場合、その欠陥像の識別情報及びアドレスは欠陥マップ形成手段47に供給され、マイクロパイプ欠陥であることが欠陥マップに表示される。また、マイクロパイプ欠陥情報は密度演算手段65に供給され、各基板ごとにマイクロパイプ欠陥の単位面積当たりの個数が演算され、マイクロパイプ欠陥密度情報として出力することができる。
一方、点状の低輝度画像が異物欠陥によるものであると判定された場合、異物欠陥として欠陥マップ形成手段47に供給される。
アドレスメモリ62に記憶されているアドレス情報及びサイズメモリ63に記憶されているサイズ情報は更新され、アドレスメモリに記憶されているアドレス情報は第2の基板S2のアドレス情報が記憶され、サイズメモリに記憶されているサイズ情報も第2の基板S2の点状の低輝度画像のサイズが記憶される。
第2の基板S2についてのマイクロパイプ欠陥の検査が終了した後、続いて第3の基板S3について同様な検査が行われる。この際、アドレス比較及びサイズ比較は、基板S3とS2との間で行う。このようにして、同一インゴットから製造された第1の基板からn番目の基板についてマイクロパイプの欠陥検査が行われる。尚、第1の基板S1については、マイクロパイプ欠陥は、成長方向に延在する中空孔であるから、第2の基板S2についての検査結果をそのまま適用することができる。
上述した実施例では、点状の低輝度欠陥像について、同一のインゴットのアドレス比較とサイズ比較の両方を用いてマイクロパイプ欠陥を識別したが、アドレス比較だけを用いてマイクロパイプ欠陥を識別することも可能である。この場合、アドレスが一致した場合アドレス照合手段60からマイクロパイプ欠陥情報が出力され、サイズ検出手段61及びサイズメモリ63は不要である。
アドレスメモリ62に記憶した点状の低輝度画像のアドレス情報については、第1の基板についてのアドレス情報を基準情報として利用し、当該アドレスとi番目の基板の点状欠陥像のアドレスと比較してマイクロパイプ欠陥を識別することも可能である。サイズ情報も同様であり、第1の基板の点状低輝度画像のサイズを基準サイズとして利用し、i番目の基板の点状低輝度画像と比較することも可能である。
図6は、検出された欠陥の基板上における分布状態を形成する欠陥分布データ出力装置を示す図である。本発明による検査装置は、微分干渉画像に基づいて欠陥を検出すると共に検出された欠陥を分類することができる。従って、検出された欠陥の種別及び欠陥のアドレス情報を用いることにより、炭化珪素基板上における各種欠陥の分布状態を把握することが可能である。すなわち、欠陥分類手段46から出力される欠陥分類情報を用い、検査された基板における欠陥の分布状態を出力することができる。欠陥分類手段46から出力される欠陥分類情報は、欠陥分布データ形成手段60に供給される。欠陥分布データ形成手段60には、チップ区域マッピング手段61が接続される。このチップ区域マッピング手段61は、炭化珪素基板17のデバイスが形成される予定の複数のチップ区域17−iをマッピングしたマップ情報を形成し、マップ情報を欠陥分布データ形成手段60に供給する。図7は、炭化珪素基板17上にデバイスが形成される予定の複数のチップ区域17−iがマッピングされたマップ情報の一例を示す線図である。
欠陥分類情報は、各欠陥の識別番号とその種別及びその座標情報とを含む。また、マップ情報は、デバイスが形成される予定の各チップ区域の座標情報及び配列情報を含む。欠陥分布データ形成手段60は、欠陥分類情報とマップ情報とを用い、各チップ区域17−iにそれぞれ含まれる欠陥の種類及び個数を表示した情報を各チップ区域ごとに作成し、欠陥分布データとして出力する。尚、欠陥分布データの内容は、欠陥検査の目的等に応じて設定することができ、例えば検出された欠陥の種別だけを表示する情報とすることができ、或いは検出された欠陥の種別とその個数を表示する情報とすることもできる。
マイクロパイプ欠陥は炭化珪素基板の品質を指標する重要な要素であるため、欠陥分布データは、マイクロパイプ欠陥の分布状態だけを表示することができ、チップごとにマイクロパイプ欠陥の個数を表示することも可能である。
一方、スクラッチなどの加工欠陥の発生頻度(個数)が多くなると、形成されるデバイスの信頼性が低下するおそれがある。従って、加工欠陥についても、チップごとに個数を表示する。そして、欠陥分布データに基づき、キラー欠陥を含むチップ区域及び所定数を超える転位欠陥が存在するチップを不良チップと判定し、不良チップに形成されたデバイスを排除することができる。このような欠陥分布データが出力されれば、不良品となるチップを特定できるので、デバイスの製造の歩留りを改善するための有益な品質管理データを得ることが可能になる。尚、キラー欠陥に含まれる欠陥の種類は、欠陥検査の目的等に応じて決定することができ、例えば形状欠陥だけをキラー欠陥とすることができ、或いは形状欠陥とマイクロパイプ欠陥をキラー欠陥とすることも可能である。
図8は本発明による検査装置に搭載される光学装置の変形例を示す図である。本例では、第1の方向に沿って配列された複数の走査ビームを用いてSiC基板又はエピタキシャル層の表面を走査する光学装置について説明する。尚、図1で用いた構成要素と同一の構成要素には同一符号を付して説明する。照明光源としてレーザ光源70を用いる。レーザ光源から出射するレーザビームの波長は、赤外域、可視域又は紫外域の波長とすることができる。レーザ光源70から出射したレーザビームは、回折格子71に入射し、第1の方向にそって配列された複数の光ビーム(マルチビーム)に変換される。このマルチビームは、第1及び第2のリレーレンズ72及び73を経て偏光ビームスプリッタ74に入射し、偏光ビームスプリッタ74を透過して振動ミラー9に入射する。振動ミラー9は、検出された欠陥をレビューする場合に用いられ、欠陥検出処理が行われる場合静止状態に維持される。振動ミラーは、入射した複数の光ビームを第1の方向と直交する第2の方向にそって偏向する。振動ミラー9で反射した複数の光ビームは、第3及び第4のリレーレンズ75及び76並びに1/4波長板77を経てノマルスキープリズム14に入射する。ノマルスキープリズム14に入射した各光ビームは、振動面が互いに直交する2本のサブビームに変換される。これら2本のサブビーム間には、mを自然数とした場合に、(2m+1)π/2の位相差が与えられる。
ノマルスキープリズム14から出射した2本のサブビームは、対物レンズ15に入射する。対物レンズ15は、入射したサブビームを集束し、ステージ16上に配置された観察すべき炭化珪素基板17に向けて投射する。従って、SiC基板17の表面は、第1の方向にそって配列された2列のサブビームにより、光ビームの配列方向と直交する第2の方向に走査される。尚、炭化珪素基板17を支持するステージ16は、X及びY方向に移動可能なステージにより構成される。そして、欠陥検出処理が行われる場合、ステージ移動により炭化珪素基板17の全面がサブビームにより走査される。また、検出された欠陥をレビューする場合、ステージ16は静止状態に維持され、振動ミラー9の走査により欠陥区域が走査され、欠陥像がモニタ上に表示される。尚、ステージ16の位置は位置センサ(図示せず)により検出され、信号処理装置11に供給される。
SiC基板17の表面で反射したサブビームは、対物レンズ15により集光され、ノマルスキープリズム14に入射する。ノマルスキープリズムにおいて、互いに関連する反射ビーム同士が合成され、SiC基板表面の高さ変化を位相差として含む複数の干渉ビームが発生する。これら複数の干渉ビームは、1/4波長板77、第4及び第3のリレーレンズ76及び75を経て振動ミラー9に入射する。そして、振動ミラーによりデスキャンされて偏光ビームスプリッタ74に入射する。入射した複数の干渉ビームは、1/4波長板を2回通過しているので、偏光ビームスプリッタの偏光面で反射し、結像レンズ78を介してリニアイメージセンサ79に入射する。リニアイメージセンサ79は、複数のフォトダイオードが第1の方向と対応する方向にライン状に配列された1次元ラインセンサで構成する。そして、各干渉ビームは、対応するフォトダイオードにそれぞれ入射する。各フォトダイオードに蓄積された電荷は、信号処理装置11から供給される駆動信号により順次読み出され、信号処理装置11に1次元画像信号として供給される。信号処理装置においては、図3及び図7に記載された処理方法に基づき、欠陥検出及び検出された欠陥の分類が行われる。
図9は本発明による検査装置に搭載される光学装置の別の変形例を示す。本例では、比較的広いエリアを照明するエリア照明を利用する。尚、図1で用いた部材と同一の構成要素には同一符号を付して説明する。本例では、光源装置として紫外域のレーザビームを放出するレーザ光源80を用いる。SiC基板は可視域及び赤外域の波長光に対して透明である。このため、基板の裏面からの反射光が光検出手段に入射し、欠陥検出の感度が低下する不具合が発生する。そこで、本例では、照明光源として、紫外域の波長の照明光を放出するレーザ光源80を用いる。紫外域の波長光はSiC基板に対して不透明であるため、SiC基板の裏面からの不所望な反射光の発生が防止される。尚、紫外域の照明光として、350nm以下の波長光を用いることができる。レーザ光源80から出射したレーザビームは、光ファイバ2を介して集束性レンズ4に入射し、拡大された平行ビームに変換される。この平行ビームは、偏光子6を透過し、断面がほぼ円形の偏光ビームに変換される。偏光ビームは、ビームスプリッタとして機能するハーフミラー7で反射し、リレーレンズ8を経て振動ミラー9に入射する。
振動ミラー9で反射したレーザビームは、リレーレンズ12及び13を経てノマルスキープリズム14に入射する。ノマルスキープリズム14には、そのシャーリング方向を設定するモータ81を連結する。モータ81のシャーリング方向は、信号処理装置11から駆動信号により制御され、例えば検査すべき炭化珪素基板のオリエンテーションフラットと直交する方向に設定することができる。ノマルスキープリズム14から2本のサブビームが出射し、対物レンズ15に入射する。対物レンズ15は、2本のサブビームをステージ16上に配置した炭化珪素基板17に向けて投射する。従って、炭化珪素基板17の表面は、円形の照明ビームによりエリア照明が行われる。
ステージ16は、X方向及び直交するY方向に移動可能なXYステージで構成する。ステージ16がX及びY方向にジッグザッグ状に移動することにより、円形の照明ビームにより2次元的に走査される。炭化珪素基板又はその上に形成されたエピタキシャル層の表面からの反射ビームは、対物レンズ15により集光され、ノマルスキープリズム14に入射する。ノマルスキープリズムから出射した干渉ビームは、リレーレンズ13及び12を通過し、振動ミラー9に入射する。振動ミラー9から出射した干渉ビームは、結像レンズとして作用するレンズ8を通過し、ハーフミラー7を透過し、検光子22に入射する。
検光子22を透過した干渉ビームは、ポジショナ23を経て撮像素子として作用するラインセンサ82に入射する。ラインセンサ82から出力される1次元画像信号は、増幅器25を経て信号処理装置11に供給される。信号処理装置11において、微分干渉画像が形成され、形成された微分干渉画像に基づいて欠陥検出及び欠陥分類が行われる。尚、ラインセンサの代わりの撮像素子として、TDIセンサを用いることも可能である。撮像素子としてTDIセンサを用いる場合、TDIセンサの電荷転送速度とステージの移動速度とを対応させる。
次に、本発明の変形例について説明する。上述した実施例では、同一のインゴットから製造した2つの基板から検出された点状の低輝度画像について、アドレス照合を行ってマイクロパイプ欠陥か否かの判定を行ったが、1つの基板の表面の2次元画像から検出された点状の低輝度画像と裏面の2次元画像から検出された点状の低輝度画像とのアドレス照合を行ってマイクロパイプ欠陥か否かの判定を行うことも可能である。すなわち、マイクロパイプ欠陥は、中空状の欠陥であるから、マイクロパイプ欠陥が形成された部位の表面及び裏面の両方の画像中に点状の低輝度画像が形成される。従って、1枚の基板について、表面及び裏面の2次元画像を形成し、検出された欠陥像のアドレス比較を行うことにより、マイクロパイプ欠陥か否かの判別が可能である。尚、表面及び裏面の2次元画像は、画像反転により発生するアドレスが反転するため、アドレスの反転を考慮する必要がある。
本発明は上述した実施例だけに限定されず種々の変形や変更が可能である。例えば、上述した実施例では、点状の低輝度画像についてアドレス比較及びサイズ比較の両方を用いてマイクロパイプ欠陥を判定したが、検出された欠陥についてアドレス比較だけを行い、アドレスが一致した場合当該部位にマイクロパイプ欠陥が存在すると判定することも可能である。
さらに、上述した実施例では、点状の低輝度画像を検出し、そのアドレス比較によりマイクロパイプ欠陥を識別したが、同一インゴットから製造された2つのSiC基板について、アドレス比較だけを行ってマイクロパイプ欠陥を識別することも可能である。この理由は、2つのSiC基板について、同一のアドレス位置にスクラッチやバンプ欠陥が形成されることは極めて稀であり、2つのSiC基板の同一のアドレスに欠陥像が形成される場合はほとんどマイクロパイプ欠陥による欠陥であるためである。
さらに、上述した実施例では、反射型の顕微鏡を用いて炭化珪素基板の表面画像を撮像したが、透過型の顕微鏡を用いて炭化珪素基板の2次元画像を形成することも可能である。透過型の顕微鏡を用いて炭化珪素基板を撮像した場合、マイクロパイプ欠陥は点状の低輝度画像として検出されるので、アドレス照合を行うことによりマイクロパイプ欠陥と異物欠陥とを区別することが可能である。
さらに、上述した実施例では、同一のインゴットから製造された全ての炭化珪素基板について検査する例を説明したが、同一のインゴットから任意に抽出した1個の炭化珪素基板についてマイクロパイプ欠陥の識別検査を行い、その検査結果を当該インゴットから製造された全ての基板の代表とすることも可能である。すなわち、マイクロパイプ欠陥は、炭化珪素の結晶体の成長方向に延在する中空欠陥であるため、1つの基板についてマイクロパイプ欠陥が出現した場合、他の基板についても同一のアドレス位置にマイクロパイプ欠陥が出現する。従って、1つの基板について行った検査結果を用いて当該インゴットについて代表させることも可能である。
さらに、上述した実施例では、共焦点走査装置として、ライン状の走査ビームを用いる共焦点走査装置及びマルチビームにより試料表面を走査する共焦点走査装置について説明したが、勿論1本の走査ビームで基板表面を走査する共焦点走査装置を用いることも可能である。
炭化珪素基板は、可視域及び赤外域の波長光に対して透明である。従って、エリア照明を行う走査装置を用いて、可視域又は赤外域の波長の照明ビームで炭化珪素基板を走査すると、基板の内部に進入し基板の裏面で反射した反射光が対物レンズにより集光され、光検出手段に入射する。このような反射光が光検出手段に入射すると、検出感度が大幅に低下してしまう。そこで、炭化珪素基板の裏面からの反射光の影響を除去するため、紫外域の波長の照明ビームを発生する光源装置を用いることも有益である。紫外域の波長光は、炭化珪素に対して不透明であるため、基板の裏面からの反射光が発生せず、検出感度が低下する不具合が防止される。尚、紫外域の波長光として、350nmよりも短波長側の紫外光を用いることができる。
さらに、上述した実施例では、微分干渉光学系としてノマルスキープリズムを用いたが、ロッションプリズムやウォルストンプリズム等の他の微分干渉光学系を用いることも可能である。
1 照明光源
2 光ファイバ
3 フィルタ
4 集束性レンズ
5 スリット
6 偏光子
7 ハーフミラー
8,12,13 リレーレンズ
9 振動ミラー
10 駆動回路
11 信号処理装置
14 ノマルスキープリズム
15 対物レンズ
16 ステージ
17 炭化珪素基板
18 位置センサ
19 モータ
20 駆動回路
21 位置センサ
22 検光子
23 ポジショナ
24 リニアイメージセンサ
25 増幅器
40 A/D変換器
41 制御手段
42 2次元画像生成手段
43 画像メモリ
44 欠陥検出手段
45 欠陥メモリ
46 欠陥分類手段
47 欠陥マップ形成手段
48 欠陥マップメモリ

Claims (18)

  1. 炭化珪素基板に存在するマイクロパイプ欠陥を検出する検査装置であって、
    照明ビームを発生する光源装置と、検査すべき炭化珪素基板を支持するステージと、前記照明ビームをステージ上に配置した炭化珪素基板に向けて投射する光学素子と、前記照明ビーム又は前記炭化珪素基板を相対移動させる手段と、前記照明ビームにより走査される炭化珪素基板のアドレスを検出するアドレス検出手段と、炭化珪素基板から出射した反射光又は透過光を受光する光検出器とを有する光学装置、及び
    前記光検出器から出力される出力信号を用いて欠陥検出を行う欠陥検出手段と、検出された欠陥のアドレスを検出する欠陥アドレス検出手段と、検出された欠陥からマイクロパイプ欠陥を識別する識別手段とを有する信号処理装置を具え、
    前記識別手段は、同一のインゴットから製造された少なくとも2個の炭化珪素基板について、一方の炭化珪素基板から検出された欠陥のアドレスと他方の炭化珪素基板から検出された欠陥のアドレスとを照合するアドレス照合手段を有することを特徴とする検査装置。
  2. 請求項1に記載の検査装置において、前記識別手段は、2つの炭化珪素基板の欠陥のアドレスが一致した場合、当該アドレスにより特定される部位にマイクロパイプ欠陥が存在するものと判定することを特徴とする検査装置。
  3. 請求項1又は2に記載の検査装置において、前記信号処理装置は、さらに、前記光検出器から出力される出力信号を受け取り、前記炭化珪素基板の2次元画像を形成する画像形成手段を有し、前記欠陥検出手段は、形成された2次元画像に基づいて欠陥検出を行って点状の低輝度画像を欠陥像として検出し、
    前記アドレス照合手段は、同一のインゴットから製造された少なくとも2個の炭化珪素基板について、点状の低輝度画像のアドレスを照合し、一方の炭化珪素基板から検出された点状の低輝度画像のアドレスと他方の炭化珪素基板から検出された点状の低輝度画像のアドレスとが一致した場合、当該アドレスにより特定される部位にマイクロパイプ欠陥が存在するものと判定することを特徴とする検査装置。
  4. 請求項1、2又は3に記載の検査装置において、前記信号処理装置は、さらに、検出されたマイクロパイプ欠陥の単位面積当たりの個数を演算する演算手段を含み、炭化珪素基板ごとに単位面積当たりのマイクロパイプ欠陥の個数を出力することを特徴とする検査装置。
  5. 請求項1、2又は3に記載の検査装置において、前記信号処理装置は、さらに、検査すべき炭化珪素基板を個々のデバイスが形成される予定の複数のチップに分割したマップ情報を出力する手段と、前記識別手段の判定結果及び前記マップ情報を用いて、検出されたマイクロパイプ欠陥の個数を各チップごとに示す欠陥分布データを出力する欠陥分布データ形成手段とを含むことを特徴とする検査装置。
  6. 請求項1から5までのいずれか1項に記載の検査装置において、前記識別手段は、さらに、同一のインゴットから製造された少なくとも2個の炭化珪素基板について、点状の低輝度画像のサイズを比較するサイズ比較手段を有し、一方の炭化珪素基板から検出された点状の低輝度画像のアドレス及び欠陥のサイズと他方の炭化珪素基板の点状の低輝度画像のアドレス及び欠陥のサイズとが一致したし場合、当該アドレスにより特定される部位にマイクロパイプ欠陥が存在するものと判定することを特徴とする検査装置。
  7. 炭化珪素基板に存在する欠陥を検出し、検出された欠陥を分類する検査装置であって、
    照明ビームを発生する光源装置と、検査すべき炭化珪素基板を支持すると共に第1の方向及び第1の方向と直交する第2の方向に移動可能なステージと、前記照明ビームを、ステージ上に配置した炭化珪素基板に向けて投射するレンズ素子と、照明ビームにより走査される炭化珪素基板表面のアドレスを検出するアドレス検出手段と、炭化珪素基板から出射した反射光又は透過光を受光する撮像装置とを有する光学装置、及び
    前記撮像素子から出力される画像信号を受け取り、前記炭化珪素基板表面の2次元画像を形成する画像形成手段と、形成された2次元画像に基づいて欠陥検出を行う欠陥検出手段と、検出された欠陥の画像に基づき欠陥を分類する欠陥分類手段とを有する信号処理装置を具え、
    前記欠陥分類手段は、点状の低輝度画像からマイクロパイプ欠陥を識別する識別手段を含み、
    前記識別手段は、同一のインゴットから製造された少なくとも2個の炭化珪素基板について、点状の低輝度画像のアドレスを照合するアドレス照合手段を有し、一方の炭化珪素基板から検出された点状の低輝度画像のアドレスと他方の炭化珪素基板から検出された点状の低輝度画像のアドレスとが一致した場合、当該アドレスにより特定される部位にマイクロパイプ欠陥が存在するものと判定することを特徴とする検査装置。
  8. 請求項7に記載の検査装置において、前記撮像装置は、炭化珪素基板の表面で反射した反射光を受光し、前記画像形成手段は炭化珪素基板表面の反射画像を形成し、形成された反射画像に基づいて欠陥検出が行われることを特徴とする検査装置。
  9. 請求項8に記載の検査装置において、前記光学装置は、さらに、前記光源装置とレンズ素子との間の光路中に配置した微分干渉光学系を含み、
    前記画像形成手段は炭化珪素基板表面の微分干渉画像を形成し、前記欠陥検出手段は、形成された微分干渉画像に基づいて欠陥検出を行い、前記欠陥分類手段は、検出された欠陥の微分干渉画像に基づき欠陥を分類することを特徴とする検査装置。
  10. 請求項7、8、又は9に記載の検査装置において、前記信号処理装置は、さらに、検出された欠陥の種別及びアドレスを示す欠陥マップを形成する手段を含むことを特徴とする検査装置。
  11. 請求項7、8又は9に記載の検査装置において、前記信号処理装置は、さらに、検査すべき炭化珪素基板を個々のデバイスが形成される予定の複数のチップに分割したマップ情報を出力する手段と、前記欠陥分類手段の分類結果及び前記マップ情報を用いて、検出された欠陥の種別又は検出された欠陥の種別とその個数を各チップごとに示す欠陥分布データを出力する欠陥分布データ形成手段とを含み、
    前記欠陥分布データは、各チィップ区域ごとにマイクロパイプ欠陥の存在及びその個数を表示することを特徴とする検査装置。
  12. 請求項1から11までのいずれか1項に記載の検査装置において、前記光源装置は、一方向に延在するライン状の照明ビーム又はライン状に配列された複数の照明ビームを発生し、前記光検出器及び撮像素子は、ライン状に配列された複数の受光素子を有するリニアイメージセンサにより構成され、前記光学装置は共焦点型光学装置として構成されていることを特徴とする検査装置。
  13. 請求項1から12までのいずれか1項に記載の検査装置において、前記ステージは、第1の方向及び第1の方向と直交する第2の方向に移動可能なステージにより構成され、前記ステージの移動により炭化珪素基板の表面が照明ビームにより走査されることを特徴とする検査装置。
  14. 炭化珪素基板に存在するマイクロパイプ欠陥を検出する検査装置であって、
    照明ビームを発生する光源装置と、検査すべき炭化珪素基板を支持するステージと、前記照明ビームをステージ上に配置した炭化珪素基板に向けて投射する光学素子と、前記照明ビーム又は前記炭化珪素基板を相対移動させる手段と、前記照明ビームにより走査される炭化珪素基板のアドレスを検出するアドレス検出手段と、炭化珪素基板から出射した反射光又は透過光を受光する光検出器とを有する光学装置、及び
    前記光検出器から出力される出力信号を用いて欠陥検出を行う欠陥検出手段と、検出された欠陥のアドレスを検出する欠陥アドレス検出手段と、検出された欠陥からマイクロパイプ欠陥を識別する識別手段とを有する信号処理装置を具え、
    前記識別手段は、同一の炭化珪素基板について、第1の面の検査により検出された欠陥のアドレスと、第1の面に対して裏面となる第2の面の検査により検出された欠陥のアドレスとを照合するアドレス照合手段を有し、第1の面の検査により検出された欠陥のアドレスと第2の面の検査により検出された欠陥のアドレスとが一致した場合、当該欠陥をマイクロパイプ欠陥と判定することを特徴とする検査装置。
  15. 炭化珪素基板に存在するマイクロパイプ欠陥を検出する欠陥検査方法において、
    第1の炭化珪素基板の2次元画像を撮像する第1の撮像工程と、
    撮像された2次元画像から点状の低輝度画像及びそのアドレスを検出する第1の欠陥検出工程と、
    同一のインゴットから製造された別の第2の炭化珪素基板の2次元画像を撮像する第2の撮像工程と、
    撮像された2次元画像から点状の低輝度画像及びそのアドレスを検出する第2の欠陥検出工程と、
    前記第2の炭化珪素基板について、前記第1の炭化珪素基板の欠陥検出工程において検出された点状の低輝度画像のアドレスにより特定される位置に点状の低輝度画像が存在するか否かを検査するアドレス照合工程とを含み、
    前記アドレス照合工程において、第2の炭化珪素基板の対応するアドレスに点状の低輝度画像が存在する場合、当該アドレスの位置にマイクロパイプ欠陥が存在すると判定することを特徴とする欠陥検査方法。
  16. 炭化珪素基板に存在するマイクロパイプ欠陥を検出する欠陥検査方法において、
    第1の炭化珪素基板の2次元画像を撮像する第1の撮像工程と、
    撮像された2次元画像から点状の低輝度画像及びそのアドレスを検出する第1の欠陥検出工程と、
    検出された点状の低輝度画像のサイズを検出する第1の欠陥サイズ検出工程と、
    同一のインゴットから製造された別の第2の炭化珪素基板の2次元画像を撮像する第2の撮像工程と、
    撮像された2次元画像から点状の低輝度画像及びそのアドレスを検出する第2の欠陥検出工程と、
    前記第2の欠陥検出工程において検出された点状の低輝度画像のサイズを検出する第2の欠陥サイズ検出工程と、
    前記第2の炭化珪素基板について、前記第1の炭化珪素基板の欠陥検出工程において検出された点状の低輝度画像のアドレスにより特定される位置に点状の低輝度画像が存在するか否かを検査する工程と、
    点状の低輝度画像が存在する場合、前記第1の炭化珪素基板の点状の低輝度画像のサイズと第2の炭化珪素基板の同一アドレスに位置する点状の低輝度画像のサイズとを比較する工程とを含み、
    前記2つの点状の低輝度画像のサイズがほぼ等しい場合、当該アドレスの位置にマイクロパイプ欠陥が存在すると判定することを特徴とする欠陥検査方法。
  17. 炭化珪素基板に存在するマイクロパイプ欠陥を検出し、検出された欠陥を分類する欠陥検査方法であって、炭化珪素基板表面の2次元画像を撮像する工程と、撮像された2次元画像から炭化珪素基板に存在する欠陥及びそのアドレスを検出する工程と、欠陥像に基づいて欠陥を分類する欠陥分類工程とを含み、
    前記欠陥分類工程において、点状の低輝度画像を欠陥像として識別し、同一のインゴットから製造された別の炭化珪素基板について、前記検出された欠陥像のアドレスにより特定される位置に点状の低輝度像が存在するか否か判定するアドレス照合工程とを有することを特徴とする欠陥検査方法。
  18. 炭化珪素基板に存在する欠陥を検出し、検出された欠陥を分類する欠陥検査方法であって、
    光源装置から出射した照明ビームにより、検査すべき炭化珪素基板の表面を走査し、炭化珪素基板の表面の微分干渉画像を形成する工程と、
    形成された微分干渉画像に基づいて欠陥を検出する欠陥検出工程と、
    検出された欠陥の画像に基づき、検出された欠陥を分類する欠陥分類工程と、
    前記炭化珪素基板を個々のデバイスが形成される予定の複数のチップ区域に分割したマップ情報を出力する工程と、
    前記欠陥分類工程の分類結果及び前記マップ情報を用いて、各チップ区域ごとに検出された欠陥の種別又は欠陥の種別とその個数を示す欠陥分布データを形成する工程とを有し、
    前記欠陥分類工程において、点状の低輝度画像を欠陥像として識別し、点状の低輝度画像が検出された場合、同一のインゴットから製造された別の炭化珪素基板について、前記検出された欠陥像のアドレスにより特定される位置に点状の低輝度像が存在するか否か判定し、低輝度欠陥像が存在する場合、当該低輝度画像の位置にマイクロパイプ欠陥が存在するものと判定することを特徴とする欠陥検査方法。

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