JP5114808B2 - 検査装置及び欠陥検査方法 - Google Patents

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本発明は、微分干渉光学系を含む光学装置を用いて、炭化珪素基板(SiC基板)又は炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル層に存在する欠陥を光学的に検出し、検出された欠陥を分類する検査装置及び欠陥検査方法に関するものである。
単結晶基板上にエピタキシャル成長法により単結晶層を形成し、形成された単結晶層にデバイスを形成する半導体デバイスの製造方法が開発されている。この半導体デバイスの製造方法では、単結晶基板として炭化珪素基板が用いられ、炭化珪素基板上にステップフロー成長法によりエピタキシャル層が形成されている。炭化珪素は、シリコンと比較して、優れた物理的及び熱的特性を有するため、炭化珪素基板上に炭化珪素のエピタキシャル層が形成された半導体基板を用いたデバイスの製造方法は、高電力で低損失の半導体デバイスの製造に極めて有用である。
上述した半導体デバイスの製造方法において、製造上の歩留りを改良しデバイスの信頼性を改善するためには、炭化珪素基板及びエピタキシャル層に存在する欠陥を検出すること、及び検出された欠陥の種類を分類することが極めて重要である。従来、炭化珪素基板(SiC基板)に存在する欠陥を検出する方法として、X線トポグラフィーによる欠陥検出が既知である(例えば、特許文献1参照)。このX線トポグラフィーによる欠陥検出方法では、SiC基板に存在する結晶欠陥を非破壊的に検出することができる利点がある。
SiC基板に形成された欠陥を光学的に検出する方法として、レーザ散乱方式の欠陥検査装置が既知である(例えば、特許文献2参照)。このレーザ散乱方式の欠陥検査装置では、レーザダイオードから放出されたレーザ光を基板表面に対して斜めに入射させ、基板表面で発生した散乱光を光検出器により検出している。そして、検出された散乱光に基づいて欠陥検出が行われている。
位相シフトマスクの欠陥を検出する検査装置として、光源と対物レンズとの間の光路中に微分干渉光学系を配置し、位相シフトマスクの微分干渉画像を撮像し、微分干渉画像に基づいて欠陥を検出する検査装置が既知である(例えば、特許文献3参照)。この既知の検査装置では、撮像された位相シフトマスクの微分干渉画像と基準画像とを比較し、画像比較の結果に基づいて欠陥が検出されている。
特開2009−44083号公報 米国特許第7201799号公報 特開2002−287327号公報
上述したX線トポグラフィーによる欠陥検出方法では、基板内部の結晶欠陥を検出することができ、基板のバルクに形成された貫通螺旋転位や基底面内欠陥が検出されている。しかしながら、X線トポグラフィ法による欠陥検査では、X線を照射するための大掛かりな装置が必要となるだけでなく、欠陥検出に長時間かかり、検査コストが高価になる欠点もある。
レーザ散乱方式の欠陥検査装置は、基板表面で発生した散乱光を検出しているので、基板表面に出現した欠陥を検出することが可能である。しかしながら、不所望な散乱光が光検出器に入射するため、欠陥検出の解像度が低く、微細な欠陥を検出しにくい欠点がある。特に、レーザ散乱方式の検査装置は、試料表面の高さ方向の検出感度が低いため、SiC基板の表面に形成された数nm〜数10nm程度の微少な凹凸状の欠陥を明瞭に検出しにくい欠点がある。すなわち、SiC基板のバルクに形成された格子欠陥は、基板表面上において数nm〜数10nm程度の凹凸として出現する。従って、レーザ散乱光方式の欠陥検出では、SiC基板に存在する微細な欠陥を検出するには限界があり、欠陥の種別判定にも限界がある。
さらに、SiC基板は可視域又は赤外域において透明であるため、照明ビームが基板の内部を通過し、基板の裏面で反射して基板表面から出射する。よって、基板表面についてエリア照明を行う検査装置においては、基板の裏面からの反射光の影響を除去する必要がある。基板の裏面からの反射光を除去する方法として、特殊な空間フィルタを用いる方法が想定されるが、光学系の構造が複雑化する不具合が発生する。
SiC基板上に形成したエピタキシャル層にデバイスを形成する際に問題となるキラー欠陥として、マイクロパイプ欠陥が挙げられる。エピタキシャル層中にマイクロパイプ欠陥が形成されると、製造されるデバイスのリーク電流が増大するだけでなく、耐電圧が低下する問題が発生する。従って、SiC基板を用いてデバイスを製造するに当たって、製造上の歩留りを改良するためには、マイクロパイプ欠陥を他の欠陥から区別して検出できることが急務の課題である。また、キャロット欠陥やトライアングル欠陥等の特有の形状を有する形状欠陥も致命的なキラー欠陥である。他方において、貫通螺旋転位欠陥、刃状転移欠陥及び基底面内欠陥等の転位欠陥は、炭化珪素基板やエピタキシャル層に特有の欠陥ではあるが、デバイスの製造に致命的な欠陥ではなく、キラー欠陥から区別されている。従って、検出された欠陥が欠陥の種類に応じて分類できれば、例えばキラー欠陥が形成されている部位が特定されれば、製造されるデバイスの品質管理上極めて有益なデータを得ることが可能となる。また、転位欠陥はキラー欠陥ではなないものの、形成密度が高くなるとデバイスの特性を劣化させる不具合が発生する。従って、転位欠陥についても、チップ区域ごとに発生数が検出されれば、品質管理上の有益な情報を得ることができる。
本発明の目的は、炭化珪素基板又は炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル層に存在する欠陥を光学的に検出できると共に検出された欠陥を分類できる検査装置及び欠陥検査方法を実現することにある。
本発明の目的は、欠陥分類の結果に基づいて個々のデバイスが形成される予定のチップ区域ごとに検出された欠陥の種別や欠陥の個数を示す欠陥分布データを出力できる検査装置を実現することにある。
さらに、本発明の別の目的は、検出感度が高く且つ数nm程度の微細な凹状又は凸状の欠陥を検出できると共に、基板の裏面からの反射光による影響を受けない検査装置を実現することにある。
本発明による検査装置は、炭化珪素基板又は炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル層について欠陥検査を行う検査装置であって、
照明ビームを発生する光源装置と、検査すべき炭化珪素基板を支持すると共に第1の方向及び第1の方向と直交する第2の方向に移動可能なステージと、前記照明ビームを、ステージ上に配置した炭化珪素基板に向けて投射する対物レンズと、前記光源装置と対物レンズとの間の光路中に配置され、入射した照明ビームを、互いに干渉性を有する第1及び第2のサブビームに変換すると共に、前記炭化珪素基板又はエピタキシャル層の表面で反射したサブビーム同士を合成し、炭化珪素基板又はエピタキシャル層の表面高さと関連する位相差情報を含む干渉ビームを出射させる微分干渉光学系と、微分干渉光学系から出射した干渉ビームを受光する撮像素子とを有する光学装置、及び
前記撮像素子からの出力信号を受け取り、前記炭化珪素基板又はエピタキシャル層表面の微分干渉画像を形成する画像形成手段と、形成された微分干渉画像に基づいて欠陥検出を行う欠陥検出手段と、検出された欠陥の微分干渉画像に基づき検出された欠陥を分類する欠陥分類手段とを有する信号処理装置を具えることを特徴とする。
炭化珪素基板又は炭化珪素上に形成されたエピタキシャル層に存在する各種結晶欠陥は、基板の表面又はエピタキシャル層の表面に数nm〜数10nm程度の微小な凹凸として出現する。例えば、貫通螺旋転位欠陥や基底面内欠陥等の転位欠陥は、エピタキシャル層の表面にピット状の欠陥として出現する。また、トライアングル欠陥やキャロット欠陥等の形状欠陥は、エピタキシャル層の表面に比較的大きなサイズであって特有な形状を有する凹状欠陥として出現する。また、研磨工程で発生するスクラッチは、深さが数10nm程度の線状の凹状欠陥である。一方、微分干渉光学系は試料表面の数nm〜数10nmの凹凸を輝度変化として検出することが可能である。そこで、本発明では、炭化珪素基板及び炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル層に存在する結晶欠陥を微分干渉光学系を含む光学装置を用いて検出する。
さらに、本発明者が炭化珪素基板又はエピタキシャル層に存在する各種結晶欠陥の微分干渉画像について解析した結果、炭化珪素基板又はエピタキシャル層に存在する各種結晶欠陥の微分干渉画像は、各結晶欠陥ごとに特有の形状又は輝度分布を有する欠陥像として撮像されることが判明した。すなわち、螺旋転位欠陥や基底面内欠陥等の各種転位欠陥は基板表面やエピタキシャル層の表面にピット形状として出現し、その微分干渉画像は高輝度の画像部分と低輝度の画像部分とが結合した特有の明暗画像として撮像される。また、エピタキシャル層に形成されたトライアングル欠陥やキャロット欠陥等の形状欠陥の微分干渉画像は、三角形等の特有の形状を有する大きなサイズの低輝度画像として撮像される。また、マイクロパイプ欠陥は中空状の孔であり、点状の低輝度画像として撮像される。さらに、バンプ欠陥も特有の微分干渉画像として撮像される。従って、転位欠陥、形状欠陥及びマイクロパイプ欠陥は、それらの微分干渉画像に基づいて他の欠陥から識別することが可能である。このような解析結果に基づき、本発明では、撮像された微分干渉画像に基づいて欠陥を検出すると共に、撮像された微分干渉画像に基づき検出された欠陥を分類する。検出された欠陥が分類されれば、欠陥の発生要因に関する情報が得られ、炭化珪素基板及びエピタキシャル層の形成に関する有益な品質管理情報を得ることができる。尚、欠陥分類に際し、少なくとも特有の形状を有する形状欠陥及び転位欠陥は、他の欠陥から区別して分類できることが必要である。
本発明による検査装置の好適実施例は、信号処理装置は、さらに、検査すべき炭化珪素基板を個々のデバイスが形成される予定の複数のチップ区域に分割したマップ情報を出力する手段、及び、前記欠陥分類手段の分類結果及び前記マップ情報を用いて、検出された欠陥の種別又は検出された欠陥の種別とその個数を各チップ区域ごとに示す欠陥分布データを出力する欠陥分布データ出力手段を有することを特徴とする。
前述したように、微分干渉光学系を含む検査装置を用いて炭化珪素基板又はエピタキシャル層を検査する場合、検出された欠陥の微分干渉画像から欠陥の種類を判定することが可能である。そこで、本発明では、検査すべき炭化珪素基板を個々のデバイスが形成される予定の複数のチップ区域に分割したマップ情報を用い、欠陥分類手段の分類結果を利用して検出された欠陥の種別及び/又は個数を各チップ区域ごとに示す欠陥分布データを形成する。欠陥分布データが得られれば、炭化珪素基板の各チップ区域の品質管理データが得られるので、デバイスの製造の歩留りを相当改良することが可能になる。
本発明による検査装置の別の好適実施例は、欠陥分布データ出力手段は、キラー欠陥の有無及び検出された転位欠陥の数を示すデータ含む欠陥分布データを出力することを特徴とする。
本発明では、欠陥の微分干渉画像を用いて、検出された結晶欠陥をデバイスの製造に致命的な欠陥であるキラー欠陥とそれ以外の欠陥とに分類することが可能である。すなわち、トライアングル欠陥等の形状欠陥及びマイクロパイプ欠陥はデバイスの製造に致命的なキラー欠陥であり、これらキラー欠陥が存在する部位にデバイスが形成された場合、当該デバイスは不良品となる可能性が高いものである。これに対して、螺旋転位欠陥や基底面内欠陥等の転位欠陥は、炭化珪素基板に特有の結晶欠陥ではあるが、デバイスの製造に致命的な欠陥ではなく、少数の転位欠陥が存在する部位にデバイスが形成されても、当該デバイスは正常に作動する。他方において、1つのチップ区域内に多数の転位欠陥が存在する場合、デバイスの特性を劣化させるおそれがある。そこで、本発明では、各チップ区域ごとにキラー欠陥の有無及び転位欠陥の個数を示すデータを含む欠陥分布データを出力する。
本発明による検査装置は、炭化珪素基板又は炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル層について欠陥検査を行う検査装置であって、
炭化珪素基板に対してほぼ不透明な紫外域の波長の照明ビームを発生する光源装置と、検査すべき炭化珪素基板を支持すると共に第1の方向及び第1の方向と直交する第2の方向に移動可能なステージと、前記照明ビームを、ステージ上に配置した炭化珪素基板に向けて投射する対物レンズと、前記光源装置と対物レンズとの間の光路中に配置され、入射した照明ビームを、互いに干渉性を有する第1及び第2のサブビームに変換すると共に、前記炭化珪素基板又はエピタキシャル層の表面で反射したサブビーム同士を合成し、炭化珪素基板又はエピタキシャル層の表面高さと関連する位相差情報を含む干渉ビームを出射させる微分干渉光学系と、微分干渉光学系から出射した干渉ビームを受光する撮像素子とを有する光学装置、及び
前記撮像素子からの出力信号を受け取り、前記炭化珪素基板又はエピタキシャル層表面の微分干渉画像を形成する画像形成手段と、形成された微分干渉画像に基づいて欠陥検出を行う欠陥検出手段と、検出された欠陥の微分干渉画像に基づいて欠陥を分類する欠陥分類手段とを有する信号処理装置を具えることを特徴とする。
炭化珪素基板は、可視域及び赤外域の波長光に対して透明である。従って、エリア照明を行う走査装置を用いて、可視域又は赤外域の波長の照明ビームで炭化珪素基板を走査すると、基板の内部に進入し基板の裏面で反射した反射光が対物レンズにより集光され、光検出手段に入射する。このような反射光が光検出手段に入射すると、検出感度が大幅に低下してしまう。そこで、本発明では、炭化珪素基板の裏面からの反射光の影響を除去するため、紫外域の波長の照明ビームを発生する光源装置を用いる。紫外域の波長光は、炭化珪素に対して不透明であるため、基板の裏面からの反射光が発生せず、検出感度が低下する不具合が防止される。尚、紫外域の波長光として、350nmよりも短波長側の紫外光を用いることが望ましい。
本発明による欠陥検査方法は、炭化珪素基板又は炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル層に存在する欠陥を検出し、検出された欠陥を分類する欠陥検査方法であって、
微分干渉光学系を含む光学装置を用い、炭化珪素基板又はエピタキシャル層の表面を照明ビームにより走査し、炭化珪素基板又はエピタキシャル層の表面の微分干渉画像を形成する工程と、
撮像された微分干渉画像に基づいて欠陥を検出する欠陥検出工程と、
検出された欠陥の微分干渉画像に基づいて、検出された欠陥を分類する欠陥分類工程とを有することを特徴とする。
本発明による検査装置は、炭化珪素基板又はエピタキシャル層の表面の微分干渉画像を撮像しているので、基板表面又はエピタキシャル層の表面に形成された数nm〜数10nm程度の微小な凹凸を輝度画像として撮像することができる。従って、炭化珪素基板に特有の結晶欠陥である転位欠陥や形状欠陥等の各種欠陥を検出することが可能である。さらに、転位欠陥、マイクロパイプ欠陥及び形状欠陥の微分干渉画像は、欠陥ごとに形状や輝度分布が相違するので、微分干渉画像に基づいて欠陥を分類することが可能である。さらに、検出された欠陥はその種類に応じて分類されるので、炭化珪素基板をデバイスが形成される予定のチップ区域ごとに分割し、欠陥分類手段の分類結果を用いて各チップ区域ごとに検出された欠陥の種別及び/又は個数を示す欠陥分布データを出力することが可能になる。
本発明による光学装置の一例を示す図である。 本発明による信号処理装置の一例を示す図である。 本発明による欠陥分類方法を示す図である。 欠陥分布データ出力装置の一例を示す図である。 マップ情報の一例を示す図である。 本発明による光学装置の変形例を示す図である。 本発明による光学装置の別の変形例を示す図である。
図1は本発明による光学装置の一例を示す線図である。本例では、光学装置として、微分干渉光学系を有する共焦点走査装置を用い、共焦点走査装置により炭化珪素基板の全面を走査して基板全面の微分干渉画像を撮像する。得られた微分干渉画像について種々の画像処理を行って欠陥及びその座標(アドレス)を検出する。また、検出された欠陥のアドレス情報を用いて、欠陥の微分干渉画像をレビューし、検出された欠陥を分類することができる。さらに、共焦点走査装置の特性としてZ軸方向(光軸方向)にスキャンが可能であるため、本発明による検査装置は、炭化珪素基板の微分干渉画像を撮像するだけでなく、検出された欠陥の共焦点画像を撮像し、共焦点画像から欠陥の3次元形状情報を取得することもでき、さらに、検出された欠陥の断面形状情報(表面輪郭情報)も取得することができる。従って、欠陥の種別を判定するに際し、欠陥の微分干渉画像、3次元形状、及び断面形状を用いることができ、さらに欠陥座標についての座標比較により欠陥の種別判定を行うことができる。
図1を参照するに、照明光源1として、水銀ランプを用いる。尚、キセノンランプやレーザ光源等の水銀ランプ以外の種々の照明光源も用いることができる。照明光源1から出射した照明ビームは、複数の光ファイバが円形に積層された光ファイババンドル2に入射し、光ファイバを伝搬して、断面がほぼ円形の発散性ビームとして出射し、フィルタ3に入射する。フィルタ3は、入射した光ビームから緑の波長光(e線:波長546nm)を出射させる。フィルタから出射した光ビームは、集束性レンズ4により平行ビームに変換されてスリット5に入射する。スリット5は、集束性レンズ4の瞳位置に配置され、第1の方向(紙面と直交する方向)に延在する細長い開口部を有する。ここで、第1の方向は、X方向と称する。スリット5の開口部の幅は、例えば10〜20μmに設定する。従って、スリット5から第1の方向に延在する細長いライン状の光ビームが出射する。スリット5から出射したライン状の光ビームは、偏光子6に入射し、単一の振動面を持つ偏光した光に変換される。このライン状の偏光ビームは、ビームスプリッタとして機能するハーフミラー7で反射し、リレーレンズ8を経て振動ミラー9に入射する。
振動ミラー9には、駆動回路10が接続され、駆動回路10は信号処理装置11から供給される制御信号に基づき振動ミラーを駆動する。振動ミラー9は、入射するライン状の光ビームを第1の方向と直交する第2の方向(Y方向)に偏向する。信号処理装置11は、振動ミラーの角度情報に基づいて、光ビームのY方向の位置情報を有する。尚、振動ミラーの代りに、ポリゴンミラー等の他の走査装置を用いることも可能である。また、ステージ移動により走査する場合、振動ミラーは必ずしも必要ではない。振動ミラー9から出射したライン状の光ビームは、リレーレンズ12及び13を経て微分干渉光学系14に入射する。本例では、微分干渉光学系としてノマルスキープリズムを用いる。ノマルスキープリズム14に入射したライン状の偏光ビームは、振動面が互いに直交する2本のサブビームに変換される。これら2本のサブビーム間には、mを自然数とした場合に、(2m+1)π/2の位相差が与えられる。従って、SiC基板表面に形成された数nmの高さ変化を有する欠陥を輝度画像として検出することが可能である。また、ノマルスキープリズムのシャーリング量は、例えば2μmに設定する。尚、ノマルスキープリズム14は、光路に挿脱可能に配置され、SiC基板の共焦点微分干渉画像を撮像する場合光路中に挿入され、それ以外の場合、例えば試料の3次元画像を撮像する場合及び試料の表面輪郭像を撮像する場合、光路から外される。
ノマルスキープリズム14から出射した2本のサブビームは、対物レンズ15に入射する。対物レンズ15は、入射した2本のライン状のサブビームを集束し、ステージ16上に配置された観察すべき炭化珪素基板17に向けて投射する。従って、SiC基板17の表面は、第1の方向(X方向)に延在するライン状の2本のサブビームにより、直交する第2の方向(Y方向)に走査される。尚、検査すべき基板として、エピタキシャル層が形成されていないSiC基板及びエピタキシャル層が形成されているSiC基板の両方が用いられる。
ステージ16は、X方向及びY方向に移動可能なXYステージにより構成される。ステージの位置情報は、位置センサ18により検出され、ステージの位置情報が信号処理装置11に供給される。SiC基板17の全面を走査して欠陥を検出する場合、振動ミラー9を静止状態に維持し、ステージ16をY方向及びX方向にジッグザッグ状に移動させてSiC基板の全面を走査することができる。或いは、ステージ16を第1の方向に連続的に移動させ、振動ミラー9による第2の方向の走査と組み合わされて、SiC基板の全面について欠陥検査を行うこともできる。また、検出された欠陥のアドレスを用いてレビューする場合、欠陥の座標情報に基づいてステージをX及びY方向に移動させて欠陥を視野内に位置させ、振動ミラーを第2の方向にスキャンすることにより欠陥及びその付近の微分干渉画像を撮像することができる。
対物レンズ15にはモータ19及びモータ駆動回路20が接続され、信号処理装置11から供給される駆動制御信号により光軸方向に沿って移動することができる。対物レンズの光軸方向の位置は位置センサ21により検出され、信号処理装置11に供給される。ここで、モータ19は、対物レンズとステージ上のSiC基板との間の光軸方向の相対距離、すなわち、基板表面を走査する光ビームの集束点と基板表面との間の相対距離を変化させる手段として機能する。尚、対物レンズは、10nmの分解能で光軸方向に移動することができる。
共焦点走査装置の特性より、対物レンズ15を光軸方向に移動させながら振動ミラー9を駆動してSiC基板の表面の2次元共焦点画像を複数回撮像し、各画素毎に最大輝度値を発生する光軸方向の位置を検出することにより、SiC基板表面の3次元形状情報(3次元形状画像)を取得することができる。また、取得した3次元形状情報に基づき、SiC基板表面を断面として示す2次元形状情報(断面形状情報)を取得することができる。従って、エピタキシャル層に形成されたマイクロパイプ欠陥のように、中空孔の欠陥は、3次元形状情報又は断面形状情報を含む表面輪郭形状情報を取得することにより他の欠陥から区別して検出することが可能である。尚、2次元共焦点画像を撮像する場合、ノマルスキープリズム14は光路から外して撮像する。
SiC基板の表面で反射した2本の反射ビームは、対物レンズ15により集光され、微分干渉光学系14に入射する。2本の反射サブビームは、微分干渉光学系14により合成され、SiC基板表面の高さ変化を位相差情報として含む干渉ビームが形成される。例えば、SiC基板の表面に数nm程度の凹状又は凸状の欠陥が存在する場合、SiC基板表面に入射した2本のサブビームのうち1本のサブビームが欠陥上を走査し、他方のサブビームは正常な表面部分を走査するので、2本のサブビーム間には欠陥の高さに応じた位相差が導入される。この結果、微分干渉光学系14から出射する干渉ビームは、結晶欠陥に起因してSiC基板の表面に出現した数nm程度の凹凸変化を位相差情報として含むことになる。
ノマルスキープリズム14から出射した干渉ビームは、元の光路を反対方向に伝搬し、リレーレンズ13及び12を経て振動ミラー9に入射し、振動ミラーによりデスキャンされる。振動ミラー9から出射した干渉ビームは、結像レンズとして作用するレンズ8を通過し、ハーフミラー7を透過し、検光子22に入射する。検光子22は、偏光子6に対して直交ニコルの関係に配置する。従って、ノマルスキープリズム14において合成された偏光以外の光は遮断され、微分干渉画像を構成する光だけが検光子21を透過する。
検光子22を透過したライン状の干渉ビームは、ポジショナ23を経て撮像素子として作用するリニアイメージセンサ24に入射する。リニアイメージセンサ24は、第1の方向と対応する方向に配列された複数の受光素子を有し、入射したライン状の干渉ビームを受光する。リニアイメージセンサの各受光素子は、干渉ビームに含まれる位相差情報を輝度情報に変換する。従って、SiC基板の表面又はエピタキシャル層の表面に形成された数nm程度の凹凸は輝度画像として表示される。リニアイメージセンサのライン状に配列された受光素子列は、枠により入射開口が制限されているから、各受光素子の前面にピンホールが配置されているものとほぼ同等である。従って、SiC基板表面からの反射光をリニアイメージセンサにより受光することにより、微分干渉光学系を有する共焦点光学系が構成される。
リニアイメージセンサの各受光素子に蓄積された電荷は、信号処理装置11から供給される読出制御信号により順次読み出され、SiC基板表面の1次元画像信号として出力される。リニアイメージセンサから出力される1次元画像信号は、増幅器25で増幅され、カメラリンクを介して信号処理装置11に供給される。信号処理装置11は、画像処理ボードを有し、受け取った1次元画像信号、振動ミラーの位置情報、及びステージの位置情報等を用いてSiC基板表面の2次元画像を生成する。また、生成された2次元画像についてフィルタリング処理、2値化処理及び閾値比較処理を含む種々の画像処理を行って欠陥を検出すると共にその座標を取得する。
SiC基板は、可視光の波長域において透明である。このため、SiC基板の表面を光ビームにより走査すると、入射した光ビームがSiC基板の内部を透過し、SiC基板の裏面で反射した反射光が検出器に入射し、解像度が低下する不都合がある。このため、微分干渉顕微鏡によりSiC基板を撮像する場合及びレーザ散乱方式により欠陥を検出する場合共に解像度が低く、欠陥検出の精度が低下する欠点がある。これに対して、本発明による共焦点型の検査装置では、リニアイメージセンサの前面にピンホールが配置されたものとほぼ等価な構成を有するので、SiC基板を透過し裏面で反射した光は、光路から外れリニアイメージセンサの受光素子に入射せず、SiC基板の表面で反射した反射光だけがリニアイメージセンサに入射する。この結果、本発明による検査装置を用いることにより、微分干渉顕微鏡により得られる微分干渉画像よりも高い解像度の共焦点微分干渉画像を撮像することができ、一層高い検出精度で欠陥検出を行うことが可能である。
微分干渉光学系は、試料表面に形成された数nm程度の微少な凹凸を位相差として検出するので、刃状転位欠陥や基底面内転位等の基板に存在する結晶欠陥に起因してSiC基板表面に深さが数nm程度のピット(凹部)が形成されている場合、ピットの画像を輝度画像として検出することが可能である。さらに、突起欠陥や凹状欠陥に関して、微分干渉画像上において、上向きの斜面及び下向きの斜面は低輝度画像又は高輝度画像として検出されるので、撮像された微分干渉画像に表示された明暗の輝度変化に基づいて凹状欠陥であるか又は凸状欠陥であるかも判別することが可能である。従って、撮像された明暗の微分干渉画像に基づいて、ピット欠陥であるか又はバンプ欠陥であるかも容易に判別することができる。
図1に示す光学装置は微分干渉光学系を有する共焦点走査装置を構成するから、SiC基板表面の共焦点微分干渉画像を撮像することができ、さらに、SiC基板表面の3次元輪郭形状情報及びSiC基板表面の輪郭を断面画像として示す表面輪郭形状情報も取得することができる。すなわち、共焦点光学系の特性として、走査ビームの集束点が試料表面に位置したとき、最大輝度の反射光がリニアイメージセンサに入射し、走査ビームの集束点が試料表面から変位するにしたがってリニアイメージセンサに入射する反射ビームの光量が低下する。従って、対物レンズを光軸方向に沿って移動させながら、すなわちライン状の走査ビームの集束点を光軸方向に沿って移動させながら、振動ミラーにより走査して複数の2次元共焦点画像を撮像し、リニアイメージセンサの最大輝度信号を発生する対物レンズの光軸方向の位置を各画素ごとに検出することにより、SiC基板表面の輪郭を示す3次元形状情報が取得される。また、取得した3次元形状情報から、SiC基板を任意の面で切って示す表面輪郭を断面として示す表面輪郭情報も取得することが可能である。従って、検出された欠陥の3次元画像を撮像することにより、欠陥の形状を立体的に表示することが可能であり、欠陥の種別判定に有益な情報を得ることができる。
次に、SiC基板及びエピタキシャル層に形成される欠陥が、本発明による検査装置により撮像される微分干渉画像においていかなる形態のものとして撮像されるかについて説明する。
[形状欠陥]
トライアングル欠陥、キャロット欠陥、コメット欠陥等の形状欠陥は、サイズの大きな凹状欠陥であり、三角形状やキャロット形状等の特有の形状を有する欠陥である。従って、微分干渉画像として、特有の形状を有する低輝度画像が撮像される。
[マイクロパイプ欠陥]
マイクロパイプは中空孔の形態をした欠陥である。従って、走査ビームがマイクロパイプ欠陥上を走査した際、孔の底面からの反射光がリニアイメージセンサに入射せず又は微少光量の反射光しか入射しないため、点状の低輝度画像として検出される。
[刃状転位欠陥]
刃状転位欠陥は、SiC基板又はエピタキシャル層の表面上においてピット構造として出現する。従って、下向き及び上向きの2つの傾斜面を有する構造形態を有し、微分干渉画像においては低輝度の画像部分と高輝度の画像部分とが結合した特有の明暗の輝度画像として検出される。
[螺旋転位欠陥]
螺旋転位は、刃状転位欠陥と同様にSiC基板及びエピタキシャル層の表面においてピット構造として出現し、明暗の輝度画像として検出される。
[基底面内欠陥]
基底面内欠陥は、SiC基板の表面及びエピタキシャル層の表面において、ピット構造として出現する。従って、微分干渉画像において、明暗の輝度画像として検出される。
[バンプ]
バンプは、突起状の欠陥であり、上向きの斜面と下向きの斜面を有するので、明暗の輝度画像として検出される。ただし、高輝度画像部分と低輝度画像部分との発生順序が走査方向に沿ってピット欠陥(転位欠陥)とは反対の関係にある。よって、高輝度画像部分と低輝度画像部分との発生順序の相違により転位欠陥から識別される。
[ステップバンチング]
エピタキシャル層をステップフロー成長法により形成する場合、ステップバンチングが発生する場合がある。このステップバンチングは、炭化珪素基板に設けたオリエンテーションフラットに対して直交する方向に延在する段差欠陥である。ステップバンチングの微分干渉画像は、基板のオリフラと直交する方向に延在するライン状の低輝度画像として撮像される。従って、基板のオリフラと直交する方向に延在するライン状の低輝度画像はステップバンチングとして分類される。
[異物付着]
表面に異物が付着した場合、金属等の反射率の高い異物が付着した場合点状の高輝度画像として検出され、反射率の低い異物が付着した場合点状の暗い低輝度画像として検出される。
[スクラッチ]
基板の研磨処理中にスクラッチが形成される場合がある。このスクラッチは、線状の凹部構造であるので、共焦点微分干渉画像上線状の明暗の輝度画像として検出される。
次に、欠陥検査方法について説明する。SiC基板の特性として、SiC基板に転位欠陥が存在する場合、その後エピタキシャル層が形成されると、SiC基板の表面に存在する転位欠陥がエピタキシャル層中に伝搬する特性がある。例えば、エピタキシャル層が形成される前のSiC基板に基底面内転位が形成されている場合、当該SiC基板にエピタキシャル層が形成されると、当該基底面内転位はエピタキシャル層において刃状転位欠陥となり、或いは基底面内転位欠陥となる。また、エピタキシャル層に形成されるキャロット欠陥やハーフムーン欠陥等の特有な形状を有する欠陥は、SiC基板の螺旋転位に起因して形成される場合が多い。これらSiC基板の特性を鑑み、本発明による欠陥検査方法として、以下の2つの手法を用いることができる。第1の検査方法は、エピタキシャル層形成前にSiC基板の全面について走査を行い、SiC基板表面の全面にわたる微分干渉画像を取得し、微分干渉画像から欠陥及びその座標を検出する。その後、当該SiC基板についてエピタキシャル層を形成する。そして、エピタキシャル層が形成された後のエピタキシャル層の全面について走査を行い、エピタキシャル層全面の微分干渉画像を撮像する。そして、エピタキシャル層が形成された後のSiC基板について欠陥検出を行う。この方法では、エピタキシャル層の形成前後の微分干渉画像が得られるので、エピタキシャル層の形成前後の欠陥画像比較を行うことが可能である。また、エピタキシャル層の成長中に形成された欠陥も検出することができる。
第2の検査方法は、図1に示す本発明による検査装置を用いて、エピタキシャル層が形成される前のSiC基板表面の全面にわたって共焦点微分干渉画像を撮像し、取得した共焦点微分干渉画像について画像処理を行って欠陥及びそのアドレス(座標情報)を取得する。次に、検査後のSiC基板についてエピタキシャル層を形成する。続いて、エピタキシャル層が形成されたSiC基板を検査装置に再度装着し、エピタキシャル層の表面について、先の欠陥検査により検出された欠陥アドレスにより指定された部位を検査装置の視野内に位置決めして、エピタキシャル層表面の微分干渉画像を撮像する。そして、エピタキシャル層表面の欠陥の微分干渉画像について、欠陥の形状、大きさ、輝度分布の観点から欠陥を分類する。この検査方法によれば、エピタキシャル層が形成された後の基板の全面について共焦点微分干渉画像を撮像せず、基板に一部についてだけ撮像するため、検査時間が短縮される利点がある。
図2は、欠陥検出及び欠陥分類を行う信号処理装置11の一例を示す線図である。本例では、エピタキシャル層が形成される前のSiC基板の全面を走査して欠陥検出を行うと共に、エピタキシャル層が形成された後のSiC基板の全面について欠陥検出を行い、これらの結果に基づいて欠陥分類を行う。勿論、エピタキシャル層が形成される前の炭化珪素基板について欠陥検査を行って検出された欠陥を分類することができ、或いは、エピタキシャル層が形成された後の炭化珪素基板について欠陥検査を行い、検出された欠陥を分類することも可能である。
リニアイメージセンサ24から出力され、増幅器25により増幅された1次元画像信号は、A/D変換器30によりデジタル信号に変換され、信号処理装置11に供給される。また、基板を支持するステージ16の位置を示すステージ位置信号(デジタル信号)も信号処理装置11に供給する。さらに、対物レンズの光軸方向の位置を示す位置センサ21から出力される対物レンズ位置信号(デジタル信号)も信号処理装置11に供給する。本例では、信号処理装置11は、コンピュータにより実行されるソフトウェアで構成され、各種の手段は、制御手段31の制御のもとで動作するものとする。尚、制御手段31からの信号線は図面が交錯するため、図示しないものとする。
信号処理装置11に入力した1次元画像信号は、2次元画像生成手段32に送られて2次元画像、すなわち2次元微分干渉画像が形成される。2次元画像信号は第1の画像メモリ33に供給され、エピタキシャル層が形成される前のSiC基板表面の微分干渉画像が第1の画像メモリ33に蓄積される。2次元画像生成手段32により形成された2次元画像信号は欠陥検出手段34に供給される。欠陥検出手段34には、ステージ位置信号及びリニアイメージセンサの各受光素子の位置情報も供給される。欠陥検出手段34は、フィルタリング手段、2値化手段及び閾値比較手段を含み、入力した2次元画像について画像処理を行って欠陥を検出する。同時に、ステージ位置信号及びリニアイメージセンサの各受光素子の位置情報を用いて、検出された欠陥の座標(アドレス情報)も取得する。そして、欠陥が検出された際、検出された欠陥の識別番号とその座標情報を対として、第1の欠陥メモリ35に記憶する。
SiC基板に形成された欠陥を観察する場合、制御手段31の制御のもとで、レビューを希望する欠陥の微分干渉画像を観察することができる。この場合、制御手段は以下の処理を実行する。すなわち、第1の欠陥メモリ35にアクセスし、キーボートを介して入力された欠陥識別番号により特定される欠陥アドレスを取得する。続いて、第1の画像メモリ33にアクセスし、取得されたアドレスの所定のサイズの画像を取り出し、SiC基板の欠陥画像として出力し、モニタ上に表示することができる。また、SiC基板の欠陥を分類する場合、制御手段31の制御のもとで、欠陥メモリに記憶されている欠陥の座標情報を用いて第1の画像メモリから欠陥画像を取り出して欠陥画像を欠陥分類手段36に供給する。そして、欠陥分類手段36において、欠陥の種別を判定する。
SiC基板についての欠陥検査が終了した後、当該SiC基板は、エピタキシャル層成長装置に送られ、SiC基板上にエピタキシャル層(単結晶層)が形成される。
エピタキシャル層が形成された基板は、欠陥検査を行った検査装置に再度装着されて前述した欠陥検査が行われ、エピタキシャル層表面について欠陥の検出及び欠陥座標の取得が行われる。すなわち、2次元画像生成手段32によりエピタキシャル層表面の2次元微分干渉画像が生成され、生成された2次元画像は第2の画像メモリ37に蓄積する。また、生成された微分干渉画像は欠陥検出手段34に送られ、エピタキシャル層表面に形成された欠陥が検出され、検出された欠陥の座標は識別番号と共に第2の欠陥メモリ38に蓄積される。従って、第2の欠陥メモリ38には、欠陥の識別番号とそのアドレスとが対として記憶される。
エピタキシャル層についての欠陥検査と並行して又は欠陥検査が終了した後、検出された欠陥について欠陥分類が行われる。欠陥検出手段34が欠陥を検出すると、識別番号を付与し、識別番号と欠陥のアドレスとが対として欠陥メモリに記憶される。同時に、画像メモリ37にアクセスし、欠陥のアドレス情報により指定された位置における所定のサイズの画像が識別番号及び欠陥アドレスと共に欠陥分類手段36に供給され、欠陥の微分干渉画像に基づいて欠陥分類が行われる。
図3は本発明による欠陥分類方法の一例を示す図である。ステップ1において、欠陥画像の形状及び大きさに基づく欠陥分類1を実行する。エピタキシャル層に形成された欠陥として、キャロット欠陥、トライアングル欠陥、コメット欠陥、ハーフムーン欠陥等の特有の形状を有する欠陥はデバイスの製造に致命的なキラー欠陥である。これらのキラー欠陥は、微分干渉画像として撮像された場合、比較的大きなサイズであって特有の形状を有する低輝度画像として検出され、他の欠陥から明瞭に識別される。そこで、本例では、初めに、欠陥画像の形状及び大きさに基づき、特有の形状を有するサイズの大きな低輝度画像を抽出し、形状欠陥として分類する。そして、分類された形状欠陥について、輝度画像の形状に基づき、キャロット欠陥、トライアングル欠陥、コメット欠陥等に分類する(ステップ1)。
続いて、ステップ1において識別されなかった欠陥像について、欠陥画像の形状及び大きさに基づく欠陥分類2を実行する(ステップ2)。この分類工程では、マイクロパイプ欠陥を分類する。マイクロパイプ欠陥はデバイスの製造に致命的なキラー欠陥である。マイクロパイプ欠陥は、中空孔であるから、照明ビームにより走査した場合、エピタキシャル層からの反射光が発生せず又は規定値よりも相当低い輝度の反射光が発生する。よって、マイクロパイプ欠陥による微分干渉画像は、点状の低輝度画像となる。従って、ステップ2において、点状の低輝度画像として検出された欠陥像についてはマイクロパイプ欠陥として分類する。
続いて、ステップ1及び2において分類されなかった欠陥画像について、欠陥像の輝度分布に基づいて分類を行う(ステップ3)。貫通螺旋転位欠陥、基底面内欠陥、刃状転移欠陥等の転位欠陥はデバイスに製造に致命的なキラー欠陥に該当しない欠陥である。これらの転位欠陥は、エピタキシャル層表面にピットとして出現する。ピットは、照明ビームの走査方向にそって下向きの斜面と上向きの斜面を有するので、高輝度画像部分と低輝度画像部分とが結合した明暗画像として撮像される。そこで、明暗の輝度分布を有する欠陥像は、転位欠陥として分類する(ステップ3)。
続いて、凸状欠陥であるバンプ欠陥を分類する(ステップ4)。バンプ欠陥も明暗の輝度分布画像として検出されるが、高輝度画像部分と低輝度画像部分の発生順序が走査方向に沿ってピットとは逆の関係にある。よって、高輝度画像部分と低輝度画像部分の発生順序が反対の明暗画像は、バンプ欠陥として分類することができる。
続いて、ステップ1〜4で識別されなかった欠陥像について、ステップバンチングを検出する(ステップ5)。ステップバンチングは、ステップフロー成長法によりエピタキシャル層を形成する場合の特有の段差欠陥である。このステップバンチングは、基板に形成されたオリエンテーションフラットに対して直交する方向に延在するライン状の低輝度画像として検出される。従って、オリエンテーションフラットに対して直交する方向に延在するライン状の低輝度画像はステップバンチングとして分類する(ステップ5)。
ステップ1〜5において識別されなかった欠陥像について、スクラッチによる欠陥を識別する(ステップ6)。スクラッチは、研磨工程で発生する欠陥であり、線状の凹状欠陥である。従って、線状の明暗画像はスクラッチとして分類される。
ステップ1〜6において識別されなかった欠陥像について、異物付着による欠陥を識別する(ステップ7)。高反射率の金属等の異物が付着した異物付着による欠陥像は、高輝度の点状画像として撮像される。従って、高輝度の点状画像は、異物付着による欠陥として分類される(ステップ7)。
ステップ1〜7において識別されなかった欠陥像は、上述した7種類の欠陥以外のその他の欠陥として分類される(ステップ8)。
尚、エピタキシャル層が形成される前のSiC基板表面についての欠陥分類も、上述した欠陥分類手法を適用することができる。尚、SiC基板においては、キャロット欠陥、トライアングル欠陥、コメット欠陥等の形状欠陥及びステップバンチングは存在しないが、マイクロパイプ欠陥や転位欠陥或いはスクラッチ等の欠陥は上述した欠陥分類により識別される。
上述した7つの欠陥の全てについて分類する必要はなく、デバイスの製造に必要な欠陥についてだけ分類することも可能である。例えば、トライアングル欠陥はデバイスの製造に致命的なキラー欠陥である。従って、キラー欠陥だけを識別し、残りの欠陥をその他の欠陥として処理することも可能である。或いは、転位欠陥は、その個数が少数の場合デバイスの製造に問題は生じないが、多数の転位欠陥が形成された場合デバイスの信頼性を劣化させるおそれがある。従って、欠陥分類工程において、形状欠陥及び転位欠陥を識別し、それ以外の欠陥を識別しない処理を実行することも可能である。すなわち、欠陥分類工程において分類される欠陥の種類は、検査装置の目的や設計思想に基づいて適宜設定することができる。
図2を参照して、本発明による検査装置の欠陥分類手段36の処理内容について説明する。欠陥検出処理と並行して又は欠陥検出処理が終了した後、欠陥分類が行われる。本例の欠陥分類手段36は、一例として第1〜第8の分類手段40〜47を有し、入力した欠陥画像がいかなる欠陥に起因して形成された欠陥像かを判定する。初めに、欠陥画像は第1の分類手段40に供給される。第1の分類手段40は、入力した画像について形状及び大きさに基づいて分類を行う。すなわち、第1の分類手段40は、キャロット欠陥やコメット欠陥等の特有の画像に関する基準となる形状情報を有し、受け取った欠陥画像が特有の形状に類似するか否か判定する。この形状判定により、比較的大きなサイズであって特有の形状を有する欠陥画像が識別され、トライアングル欠陥、キャロット欠陥又はコメット欠陥等の形状欠陥として分類される。
第1の分類手段40により形状欠陥と判定されなかった欠陥画像は第2の分類手段41に供給される。第2の分類手段41は、入力した欠陥画像が数μm〜数10μm程度のサイズの点状の低輝度画像か否かを判定する。判定結果として、点状の低輝度画像に該当する場合、当該欠陥はマイクロパイプ欠陥であると判定する。
マイクロパイプ欠陥として識別されなかった欠陥画像は第3の分類手段42に供給される。第3の分類手段42は、転位欠陥を識別する。第3の分類手段は、入力した欠陥画像が高輝度の画像部分と低輝度の画像部分とが結合した明暗画像か否かを判定すると共に高輝度画像部分と低輝度画像部分の発生順序を判定する。判定結果として、入力した欠陥画像が明暗画像であり、明及び暗の画像部分の発生順序が所定の順序の場合、入力した欠陥画像は転位欠陥による欠陥像であると判定する。
転位欠陥であると判定されなかった欠陥画像は第4の分類手段43に供給される。第4の分類手段はバンプ欠陥を識別する。第4の分類手段は、入力した欠陥画像が高輝度の画像部分と低輝度の画像部分とが結合した明暗画像か否かを判定すると共に高輝度画像部分と低輝度画像部分の発生順序を判定する。判定結果として、入力した欠陥画像が明暗画像であり、明及び暗の画像部分の発生順序が所定の順序の場合、入力した欠陥画像はバンプ欠陥による欠陥像であると判定する。
バンプ欠陥であると判定されなかった場合、当該欠陥像は第5の分類手段44に供給され、ステップバンチングによる欠陥像か否か判定される。ステップバンチングによる欠陥像は、基板に形成されたオリエンテーションフラットと直交する方向に延在する線状の低輝度画像である。従って、第5の分類手段44は、入力した欠陥像がオリフラと直交する方向に延在する低輝度画像の場合、当該欠陥像はステップバンチングによる欠陥像であると識別する。
第5分類手段により識別されなかった場合、当該欠陥像は第6の分類手段45に供給される。第6の分類手段は、スクラッチによる欠陥像を識別する。スクラッチは、線状の研磨痕であり、線状の凹状欠陥である。従って、スクラッチによる欠陥像は、線状の明暗画像として撮像される。第6の分類手段45は、入力した欠陥像が線状の明暗画像の場合、当該欠陥像はスクラッチによる欠陥と判定する。
第6の分類手段により識別されなかった欠陥像は、第7の分類手段46に供給される。第7の分類手段は、異物付着欠陥を識別する。金属等の高反射率の異物が付着した場合、点状の高輝度画像として撮像される。従って、第7の分類手段は、入力した欠陥像が点状の高輝度画像の場合、当該欠陥像は異物付着による欠陥と判定する。
第1〜第7の分類手段40〜46により識別されなかった欠陥像は、第8の分類手段により、その他の欠陥に起因する欠陥像として分類される。
上記分類手段40〜47の全てを有する必要はなく、欠陥検査の目的に応じて適宜設定することが可能である。例えば、形状欠陥を分類する手段及び転位欠陥を分類する手段だけを有し、これら以外の欠陥はその他の欠陥として処理することも可能である。或いは、形状欠陥及び転位欠陥に加えて、マイクロパイプ欠陥を分類する手段を設けることも可能である。さらに、キラー欠陥だけを分類する分類手段を設けることも可能である。
欠陥分類の結果として、欠陥分類手段36は欠陥分類情報を出力する。欠陥分類情報は、検出された欠陥の識別番号と種別及びアドレスとを各欠陥毎に含む。そして、欠陥分類情報は、後段の欠陥分布データ出力装置に供給される。
図4は、検出された欠陥の基板上における分布状態を形成する欠陥分布データ出力装置を示す図である。本発明による検査装置は、微分干渉画像に基づいて欠陥を検出すると共に検出された欠陥を分類することができる。従って、検出された欠陥の種別及び欠陥のアドレス情報を用いることにより、炭化珪素基板上における各種欠陥の分布状態を把握することが可能である。すなわち、欠陥分類手段から出力される欠陥分類情報を用い、検査された基板における欠陥の分布状態を出力することができる。欠陥分類手段36から出力される欠陥分類情報は、欠陥分布データ形成手段50に供給される。欠陥分布データ形成手段50には、マッピング手段51が接続される。このマッピング手段51は、デバイスが形成される予定の複数のチップ区域17−iをマッピングしたマップ情報を形成し、マップ情報を欠陥分布データ形成手段50に供給する。図5は、炭化珪素基板17上にデバイスが形成される予定の複数のチップ区域17−iがマッピングされたマップ情報の一例を示す線図である。
欠陥分類情報は、各欠陥の識別番号とその種別及びその座標情報とを含む。また、マップ情報は、デバイスが形成される予定の各チップ区域の座標情報及び配列情報を含む。欠陥分布データ形成手段50は、欠陥分類情報とマップ情報とを用い、各チップ区域17−iに含まれる欠陥の種類及び個数を表示した情報を各チップ区域ごとに作成し、欠陥分布データとして出力する。尚、欠陥分布データの内容は、欠陥検査の目的等に応じて設定することができ、例えば検出された欠陥の種別だけを表示する情報とすることができ、或いは検出された欠陥の種別とその個数を表示する情報とすることもできる。
欠陥分布データは、キラー欠陥の情報を含むことが可能である。例えば、トライアングル欠陥やキャロット欠陥等の形状欠陥はキラー欠陥であり、当該チップ区域にデバイスが形成された場合動作不能なデバイスが形成される危険性がある。従って、欠陥分布データ形成手段50は、形状欠陥等のキラー欠陥が存在するチップ区域について、キラー欠陥が存在する旨の表示を設けることができる。また、転位欠陥やステップバンチングはキラー欠陥ではないが、その発生頻度(個数)が多くなると、形成されるデバイスの信頼性が低下するおそれがある。従って、転位欠陥については、各チップ区域ごとに個数を表示する。そして、欠陥分布データに基づき、キラー欠陥を含むチップ区域及び所定数を超える転位欠陥が存在するチップ区域を不良チップ区域と判定し、不良チップ区域に形成されたデバイスを排除することができる。このような欠陥分布データが出力されれば、不良品となるチップ区域を特定できるので、デバイスの製造の歩留りを改善するための有益な品質管理データを得ることが可能になる。尚、キラー欠陥に含まれる欠陥の種類は、欠陥検査の目的等に応じて決定することができ、例えば形状欠陥だけをキラー欠陥とすることができ、或いは形状欠陥とマイクロパイプ欠陥をキラー欠陥とすることも可能である。
図6は本発明による検査装置に搭載される光学装置の変形例を示す図である。本例では、第1の方向に沿って配列された複数の走査ビームを用いてSiC基板又はエピタキシャル層の表面を走査する光学装置について説明する。尚、図1で用いた構成要素と同一の構成要素には同一符号を付して説明する。照明光源としてレーザ光源60を用いる。レーザ光源から出射するレーザビームの波長は、赤外域、可視域又は紫外域の波長とすることができる。レーザ光源60から出射したレーザビームは、回折格子61に入射し、第1の方向にそって配列された複数の光ビーム(マルチビーム)に変換される。このマルチビームは、第1及び第2のリレーレンズ62及び63を経て偏光ビームスプリッタ64に入射し、偏光ビームスプリッタ64を透過して振動ミラー9に入射する。振動ミラー9は、検出された欠陥をレビューする場合に用いられ、欠陥検出処理が行われる場合静止状態に維持される。振動ミラーは、入射した複数の光ビームを第1の方向と直交する第2の方向にそって偏向する。振動ミラー9で反射した複数の光ビームは、第3及び第4のリレーレンズ65及び66並びに1/4波長板67を経てノマルスキープリズム14に入射する。ノマルスキープリズム14に入射した各光ビームは、振動面が互いに直交する2本のサブビームに変換される。これら2本のサブビーム間には、mを自然数とした場合に、(2m+1)π/2の位相差が与えられる。
ノマルスキープリズム14から出射した2本のサブビームは、対物レンズ15に入射する。対物レンズ15は、入射したサブビームを集束し、ステージ16上に配置された観察すべき炭化珪素基板17に向けて投射する。従って、SiC基板17の表面は、第1の方向にそって配列された2列のサブビームにより、光ビームの配列方向と直交する第2の方向に走査される。尚、炭化珪素基板17を支持するステージ16は、X及びY方向に移動可能なステージにより構成される。そして、欠陥検出処理が行われる場合、ステージ移動により炭化珪素基板17の全面がサブビームにより走査される。また、検出された欠陥をレビューする場合、ステージ16は静止状態に維持され、振動ミラー9の走査により欠陥区域が走査され、欠陥像がモニタ上に表示される。尚、ステージ16の位置は位置センサ(図示せず)により検出され、信号処理装置11に供給される。
SiC基板17の表面で反射したサブビームは、対物レンズ15により集光され、ノマルスキープリズム14に入射する。ノマルスキープリズムにおいて、互いに関連する反射ビーム同士が合成され、SiC基板表面の高さ変化を位相差として含む複数の干渉ビームが発生する。これら複数の干渉ビームは、1/4波長板67、第4及び第3のリレーレンズ66及び65を経て振動ミラー9に入射する。そして、振動ミラーによりデスキャンされて偏光ビームスプリッタ64に入射する。入射した複数の干渉ビームは、1/4波長板を2回通過しているので、偏光ビームスプリッタの偏光面で反射し、結像レンズ68を介してリニアイメージセンサ69に入射する。リニアイメージセンサ69は、複数のフォトダイオードが第1の方向と対応する方向にライン状に配列された1次元ラインセンサで構成する。そして、各干渉ビームは、対応するフォトダイオードにそれぞれ入射する。各フォトダイオードに蓄積された電荷は、信号処理装置11から供給される駆動信号により順次読み出され、信号処理装置11に1次元画像信号として供給される。信号処理装置においては、図2及び図3に基づき、欠陥検出及び検出された欠陥の分類が行われる。
図7は本発明による検査装置に搭載される光学装置の別の変形例を示す。本例では、比較的広いエリアを照明するエリア照明を利用する。尚、図1で用いた部材と同一の構成要素には同一符号を付して説明する。本例では、光源装置として紫外域のレーザビームを放出するレーザ光源70を用いる。SiC基板は可視域及び赤外域の波長光に対して透明である。このため、基板の裏面からの反射光が光検出手段に入射し、欠陥検出の感度が低下する不具合が発生する。そこで、本例では、照明光源として、紫外域の波長の照明光を放出するレーザ光源70を用いる。紫外域の波長光はSiC基板に対して不透明であるため、SiC基板の裏面からの不所望な反射光の発生が防止される。尚、紫外域の照明光として、350nm以下の波長光を用いることが望ましい。レーザ光源70から出射したレーザビームは、光ファイバ2を介して集束性レンズ4に入射し、拡大された平行ビームに変換される。この平行ビームは、偏光子6を透過し、断面がほぼ円形の偏光ビームに変換される。偏光ビームは、ビームスプリッタとして機能するハーフミラー7で反射し、リレーレンズ8を経て振動ミラー9に入射する。
振動ミラー9で反射したレーザビームは、リレーレンズ12及び13を経てノマルスキープリズム14に入射する。ノマルスキープリズム14には、そのシャーリング方向を設定するモータ71を連結する。モータ71のシャーリング方向は、信号処理装置11から駆動信号により制御され、例えば検査すべき炭化珪素基板のオリエンテーションフラットと直交する方向に設定することができる。ノマルスキープリズム14から2本のサブビームが出射し、対物レンズ15に入射する。対物レンズ15は、2本のサブビームをステージ16上に配置した炭化珪素基板17に向けて投射する。従って、炭化珪素基板17の表面は、円形の照明ビームによりエリア照明が行われる。
ステージ16は、X方向及び直交するY方向に移動可能なXYステージで構成する。ステージ16がX及びY方向にジッグザッグ状に移動することにより、円形の照明ビームにより2次元的に走査される。炭化珪素基板又はその上に形成されたエピタキシャル層の表面からの反射ビームは、対物レンズ15により集光され、ノマルスキープリズム14に入射する。ノマルスキープリズムから出射した干渉ビームは、リレーレンズ13及び12を通過し、振動ミラー9に入射する。振動ミラー9から出射した干渉ビームは、結像レンズとして作用するレンズ8を通過し、ハーフミラー7を透過し、検光子22に入射する。
検光子22を透過した干渉ビームは、ポジショナ23を経て撮像素子として作用するラインセンサ72に入射する。ラインセンサ72から出力される1次元画像信号は、増幅器25を経て信号処理装置11に供給される。信号処理装置11において、微分干渉画像が形成され、形成された微分干渉画像に基づいて欠陥検出及び欠陥分類が行われる。尚、ラインセンサの代わりの撮像素子として、TDIセンサを用いることも可能である。撮像素子としてTDIセンサを用いる場合、TDIセンサの電荷転送速度とステージの移動速度とを対応させる。
本発明は上述した実施例だけに限定されず種々の変形や変更が可能である。例えば、上述した実施例では、対物レンズを光軸方向に移動させることにより走査ビームの集束点と基板表面との間の相対距離を変化させたが、対物レンズを固定し、SiC基板を支持するステージを光軸方向に移動させることにより走査ビームの集束点と基板表面との間の相対距離を変化させることも可能である。
さらに、上述した実施例では、共焦点走査装置として、ライン状の走査ビームを用いる共焦点走査装置及びマルチビームにより試料表面を走査する共焦点走査装置について説明したが、勿論1本の走査ビームで基板表面を走査する共焦点走査装置を用いることも可能である。
さらに、上述した実施例では、微分干渉光学系としてノマルスキープリズムを用いたが、ロッションプリズムやウォルストンプリズム等の他の微分干渉光学系を用いることも可能である。
1 照明光源
2 光ファイバ
3 フィルタ
4 集束性レンズ
5 スリット
6 偏光子
7 ハーフミラー
8,12,13 リレーレンズ
9 振動ミラー
10 駆動回路
11 信号処理装置
14 ノマルスキープリズム
15 対物レンズ
16 ステージ
17 SiC基板
18 位置センサ
19 モータ
20 駆動回路
21 位置センサ
22 検光子
23 ポジショナ
24 リニアイメージセンサ
25 増幅器
30 A/D変換器
31 制御手段
32 2次元画像生成手段
33 第1の画像メモリ
34 欠陥検出手段
35 第1の欠陥メモリ
36 欠陥分類手段
37 第2の画像メモリ
38 第2の欠陥メモリ

Claims (18)

  1. 炭化珪素基板又は炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル層について欠陥検査を行う検査装置であって、
    照明ビームを発生する光源装置と、検査すべき炭化珪素基板を支持すると共に第1の方向及び第1の方向と直交する第2の方向に移動可能なステージと、前記照明ビームを、ステージ上に配置した炭化珪素基板に向けて投射する対物レンズと、前記光源装置と対物レンズとの間の光路中に配置され、入射した照明ビームを第1及び第2のサブビームに変換すると共に、前記炭化珪素基板又はエピタキシャル層の表面で反射したサブビーム同士を合成し、炭化珪素基板又はエピタキシャル層の表面高さと関連する位相差情報を含む干渉ビームを出射させる微分干渉光学系と、微分干渉光学系から出射した干渉ビームを受光する撮像素子とを有する光学装置、及び
    前記撮像素子からの出力信号を受け取り、前記炭化珪素基板又はエピタキシャル層表面の微分干渉画像を形成する画像形成手段と、形成された微分干渉画像に基づいて欠陥検出を行う欠陥検出手段と、検出された欠陥の微分干渉画像に基づき検出された欠陥を分類する欠陥分類手段と、検査すべき炭化珪素基板を個々のデバイスが形成される予定の複数のチップ区域に分割したマップ情報を出力する手段と、前記欠陥分類手段の分類結果及び前記マップ情報を用いて、検出された欠陥の種別又は検出された欠陥の種別とその個数を各チップ区域ごとに示す欠陥分布データを出力する欠陥分布データ形成手段とを有する信号処理装置を具えることを特徴とする検査装置。
  2. 請求項1に記載の検査装置において、前記欠陥分布データは、各チップ区域おけるキラー欠陥の有無を示すデータを含むことを特徴とする検査装置。
  3. 請求項2に記載の検査装置において、前記キラー欠陥として、キャロット欠陥、トライアングル欠陥、コメット欠陥、及びマイクロパイプ欠陥を含むことを特徴とする検査装置。
  4. 請求項1に記載の検査装置において、前記欠陥分布データは、各チップ区域における転位欠陥の個数を示すデータを含むことを特徴とする検査装置。
  5. 請求項1に記載の検査装置において、前記欠陥分類手段は、特有の形状を有する欠陥像を識別し、形状欠陥として分類する第1の分類手段と、高輝度の画像部分と低輝度の画像部分とが結合した欠陥像を識別し、転位欠陥として分類する第2の分類手段とを有することを特徴とする検査装置。
  6. 請求項5に記載の検査装置において、前記欠陥分類手段は、さらに、点状の低輝度画像を識別し、マイクロパイプ欠陥として分類する第3の分類手段を有することを特徴とする検査装置。
  7. 請求項6に記載の検査装置において、前記欠陥分類手段は、さらに、高輝度部分と低輝度部分とが結合し、高輝度部分と低輝度部分の発生順序が前記転位欠陥とは反対向きに現れる欠陥像を識別し、バンプ欠陥として分類する第4の分類手段とを有することを特徴とする検査装置。
  8. 請求項1から7までのいずれか1項に記載の検査装置において、前記光源装置は、炭化珪素基板に対してほぼ不透明な紫外域の波長の照明ビームを発生することを特徴とする検査装置。
  9. 請求項1から8までのいずれか1項に記載の検査装置において、前記撮像素子としてラインセンサ又はTDIセンサが用いられることを特徴とする検査装置。
  10. 請求項1から8までのいずれか1項に記載の検査装置において、前記光源装置は、一方向に延在するライン状の照明ビーム又はライン状に配列された複数の照明ビームを発生し、前記撮像素子は、ライン状に配列された複数の受光素子を有するリニアイメージセンサにより構成され、前記光学装置は共焦点型光学装置として構成されていることを特徴とする検査装置。
  11. 請求項1から10までのいずれか1項に記載の検査装置において、前記信号処理装置は、さらに、前記画像形成手段により形成された微分干渉画像を記憶する画像メモリ、及び、検出された欠陥のアドレスを記憶するアドレスメモリを有し、検出された欠陥の微分干渉画像を欠陥画像情報として出力することを特徴とする検査装置。
  12. 炭化珪素基板又は炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル層について欠陥検査を行う検査装置であって、
    照明ビームを発生する光源装置と、検査すべき炭化珪素基板を支持すると共に第1の方向及び第1の方向と直交する第2の方向に移動可能なステージと、前記照明ビームを、ステージ上に配置した炭化珪素基板に向けて投射する対物レンズと、前記光源装置と対物レンズとの間の光路中に配置され、入射した照明ビームを第1及び第2のサブビームに変換すると共に、前記炭化珪素基板又はエピタキシャル層の表面で反射したサブビーム同士を合成し、炭化珪素基板又はエピタキシャル層の表面高さと関連する位相差情報を含む干渉ビームを出射させる微分干渉光学系と、微分干渉光学系から出射した干渉ビームを受光する撮像素子とを有する光学装置、及び
    前記撮像素子からの出力信号を受け取り、前記炭化珪素基板又はエピタキシャル層表面の微分干渉画像を形成する画像形成手段と、形成された微分干渉画像に基づいて欠陥検出を行う欠陥検出手段と、検出された欠陥の微分干渉画像に基づきキラー欠陥を検出する手段と、検査すべき炭化珪素基板を個々のデバイスが形成される予定の複数のチップ区域に分割したマップ情報を出力する手段と、検出されたキラー欠陥の有無を各チップ区域ごとに示す欠陥分布データを出力する欠陥分布データ形成手段とを有する信号処理装置を具えることを特徴とする検査装置。
  13. 請求項12に記載の検査装置において、前記キラー欠陥として、キャロット欠陥、トライアングル欠陥及びコメット欠陥が含まれることを特徴とする検査装置。
  14. 炭化珪素基板又は炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル層に存在する欠陥を検出し、検出された欠陥を分類する欠陥検査方法であって、
    微分干渉光学系を含む光学装置を用い、炭化珪素基板又はエピタキシャル層の表面を照明ビームにより走査し、炭化珪素基板又はエピタキシャル層の表面の微分干渉画像を形成する工程と、
    撮像された微分干渉画像に基づいて欠陥を検出する欠陥検出工程と、
    検出された欠陥の微分干渉画像に基づいて、検出された欠陥を分類する欠陥分類工程と、
    検査すべき炭化珪素基板を個々のデバイスが形成される予定の複数のチップ区域に分割したマップ情報を出力する工程と、
    前記欠陥分類工程の分類結果及び前記マップ情報を用いて、各チップ区域ごとに検出された欠陥の種別又は欠陥の種別とその個数を示す欠陥分布データを形成する工程とを有することを特徴とする欠陥検査方法。
  15. 請求項14に記載の検査装置において、前記欠陥分布データは、各チップ区域おけるキラー欠陥の有無を示すデータを含むことを特徴とする欠陥検査方法。
  16. 請求項14又は15に記載の検査装置において、前記欠陥分布データは、各チップ区域における転位欠陥の個数を示すデータを含むことを特徴とする欠陥検査方法。
  17. 請求項14、15又は16に記載の欠陥検査方法において、前記欠陥分類工程は、特有の形状を有する欠陥像を識別し、形状欠陥として分類する第1の分類工程と、高輝度の画像部分と低輝度の画像部分とが結合した欠陥像を識別し、転位欠陥として分類する第2の分類工程と、点状の低輝度画像を識別し、マイクロパイプ欠陥として分類する第3の分類工程を有することを特徴とする欠陥検査方法。
  18. 炭化珪素基板又は炭化珪素基板上に形成されたエピタキシャル層に存在する欠陥を検出する欠陥検査方法であって、
    微分干渉光学系を含む光学装置を用い、炭化珪素基板又はエピタキシャル層の表面を照明ビームにより走査し、炭化珪素基板又はエピタキシャル層の表面の微分干渉画像を形成する工程と、
    撮像された微分干渉画像に基づいて欠陥を検出する欠陥検出工程と、
    検出された欠陥の微分干渉画像に基づいて、キラー欠陥を検出する工程と、
    検査すべき炭化珪素基板を個々のデバイスが形成される予定の複数のチップ区域に分割したマップ情報を出力する工程と、
    前記検出されたキラー欠陥の有無を各チップ区域ごとに示す欠陥分布データを形成する工程とを有することを特徴とする欠陥検査方法。
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