JP2008197283A - スリット走査共焦点顕微鏡、及び画像取得方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スリットの長さ方向の分解能を高めることができるスリット走査共焦点顕微鏡を提供する。
【解決手段】ダブプリズム11を走査光学系6と対物レンズ7との間に入れると、光束が90°回転し、スリット2の像と走査方向が90°回転する。よって、ダブプリズム11を走査光学系6と対物レンズ7との間に入れた状態と入れない状態で撮像を行って検査対象物7の画像を2種類作成し、これらを合成することにより、スリット2の長さ方向の分解能を高めることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】ダブプリズム11を走査光学系6と対物レンズ7との間に入れると、光束が90°回転し、スリット2の像と走査方向が90°回転する。よって、ダブプリズム11を走査光学系6と対物レンズ7との間に入れた状態と入れない状態で撮像を行って検査対象物7の画像を2種類作成し、これらを合成することにより、スリット2の長さ方向の分解能を高めることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、スリット走査共焦点顕微鏡、及びそれを使用した画像取得方法に関するものである。
スリット走査共焦点顕微鏡は、光源からの光を第1のスリットを通過させ、第1のスリットの像を、走査光学系を介して走査光として、対物レンズにより被検査対象物上に結像させ、被検査対象物からの反射光又は蛍光を、前記対物レンズと前記走査光学系を逆に通過させて非走査光に変え、第1のスリットと光学的に共役な位置に置かれた第2のスリットを通し、第2のスリットを通った光の強度を検出器により測定し、画像データを構成するものである。走査光学系には、ガルバノミラー等が使用され、スリットの長さ方向と直角な方向に一次元走査を行う。
なお、レーザー共焦点走査顕微鏡に関しては「第5・光の鉛筆 / 鶴田匡夫 /新技術コミュニケーションズ p177〜」(非特許文献1)に詳しく記載されている。スリット走査共焦点顕微鏡は、レーザー共焦点走査顕微鏡が使用しているピンホールをスリットに変えたものである。
第5・光の鉛筆 / 鶴田匡夫 /新技術コミュニケーションズ p177〜
第5・光の鉛筆 / 鶴田匡夫 /新技術コミュニケーションズ p177〜
スリット走査共焦点顕微鏡は、レーザー共焦点走査顕微鏡に対して、スリットを使用しているため、スリットの長さ方向の分解能(解像度)が低いという問題があった。本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、スリットの長さ方向の分解能を高めることができるスリット走査共焦点顕微鏡、及びそれを使用した、検査対象物の画像の取得方法を提供することを課題とする。
前記課題を達成するための第1の手段は、光源からの光をスリット状に形成する光源部と、前記スリット状光束を当該スリットの短手方向に走査する走査光学系と、前記スリット状光束を試料に集光させる対物レンズと、前記試料の集光点とピンホールとを共役関係にする結像光学系とを備えたスリット走査共焦点顕微鏡であって、前記走査光学系と対物レンズとの間に光束回転光学系が挿脱可能に配置され、前記光束回転光学系は第1面と第2面を有し、前記第1面から入射した光束は90°回転して前記第2面から出射し、前記第2面から入射した光束は前記回転方向とは逆方向に90°回転して前記第1面から出射することを特徴とするスリット走査共焦点顕微鏡である。
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段であるスリット走査共焦点顕微鏡を使用し、前記走査光学系と前記対物レンズとの間に前記光束回転光学系を挿入しない状態で検査対象物の画像を取得する操作と、前記走査光学系と前記対物レンズとの間に前記光束回転光学系を挿入した状態で前記検査対象物の画像を取得する操作とを行い、2種類の画像を得る工程を有することを特徴とする画像取得方法である。
前記課題を解決するための第3の手段は、前記第2の手段によって得られた前記2種類の画像を、1枚の画像に合成する工程を有することを特徴とする画像取得方法である。
前記課題を解決するための第4の手段は、前記第3の手段であって、前記検査対象物を保持する保持具の、前記スリット走査共焦点顕微鏡の視野内に、基準マークを設けておき、前記2種類の画像を、1枚の画像に合成する工程において、前記基準マークを基準にして、前記2種類の画像の位置合わせを行う工程を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、スリットの長さ方向の分解能を高めることができるスリット走査共焦点顕微鏡、及びそれを使用した、検査対象物の画像の取得方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態の例を図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の1例であるスリット走査共焦点顕微鏡の光学系の概要を示す図である。レーザー光源1からの照明光は、スリット2を通り、コリメータレンズ3により平行光束に変換される。そして、ハーフミラー4を透過して、走査光学系5により走査光に変換される。
走査光学系5は、入射する光を、スリット2の長さ方向と直角な方向に走査する走査光に変換するものであり、典型的にはガルバノミラーが使用される。走査光に変換された照明光は、対物レンズ6により集光され、スリット2の像を検査対象物7上に結像して照明する。
検査対象物7から発生する反射光又は蛍光は、照明光と逆の光路をたどり、対物レンズ6を通過して平行光束となり、走査光学系5により非走査光に変換される。そして、ハーフミラー4により反射され、結像レンズ8により、検査対象物7の像をスリット9上に結像する。スリット9は、全体の光学系に対してスリット2と共役な位置に置かれている。よって、検査対象物7において、深さがスリット2の像の結像点より上下にある点から発する光は、スリット9を透過することができない。よって、深さ方向に高い解像度が得られる。
スリット9を透過した光は、撮像装置10により撮像される。撮像装置10はスリット9を透過した検査対象物7の像を撮像するようになっており、検査対象物7の像が撮像装置10内のラインセンサ等の1次元光センサにより撮像されて、電子信号に変換される。図示しない信号処理装置は、撮像装置10の出力と走査光学系5の走査量とを組み合わせて、2次元画像を構成する。
このスリット走査共焦点顕微鏡は、ダブプリズム11を有しているが、図1に示す状態では、ダブプリズム11は、光路に挿入されていない。ダブプリズム11は、光束を回転させる光学素子であり、例えば
http://www.sigma-koki.com/B/Prisms/DovePrisms/DOP/DOP.html#0
に記載されているものである。ダブプリズム11の角度を調整することにより、光束の向きを90°回転させることができる。
http://www.sigma-koki.com/B/Prisms/DovePrisms/DOP/DOP.html#0
に記載されているものである。ダブプリズム11の角度を調整することにより、光束の向きを90°回転させることができる。
図2は、図1に示された光学系にダブプリズム11を、走査光学系5と対物レンズ6との間に挿入した様子を示す図である。以下の図において、前出の図に示された構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
ダブプリズム11に入射した走査光は、90°回転して射出し、対物レンズ6により集光され、スリット2の像を検査対象物7上に結像して照明する。光束が90°回転しているので、検査対象物7上のスリット像の向きと、走査方向が、ダブプリズム11が挿入されていない場合に比して90°回転している。
この様子を図3に示す。図3において、(a)はダブプリズム11が挿入されていないときのものであり、スリット像21が図の上下方向に長く、走査方向が図の左右方向であることを示している。この状態でスリット像21が被検物体22上を走査する。(b)は、ダブプリズム11が挿入されているときのものであり、スリット像21が図の左右方向に長く、走査方向が図の上下方向であることを示している。この状態でスリット像21が被検物体22上を走査する。
このようにして、ダブプリズム11を光路中に挿入した場合と挿入しない場合では、被検物体22を90°回転して撮像を行ったときと同じ効果が得られ、2種類の画像を得ることができる。
一般に、スリット走査共焦点顕微鏡においては、スリット2の長さ方向以外においては、高い解像度が得られるが、スリット2の長さ方向においては、スリット共焦点の効果を得ることができない。しかし、これらの2種類の画像を合成することにより、スリット2の長さ方向についても、高い解像度を得ることができる。合成の方法として、最も簡単な方法は、得られた2種類の画像を、一方を90°回転させて画素毎に足し合わせることである。
一般のスリット走査共焦点顕微鏡において、被検物体22を90°回転させて2種類の画像を得、これらの画像を、一方を90°回転させて画素毎に足し合わせても同じ効果が得られるが、操作が面倒になるという問題点があり、本発明のスリット走査共焦点顕微鏡による方が優れている。
実際のスリット走査共焦点顕微鏡においては、ダブプリズム11の微小な位置ずれ等により、得られた2枚の画像の一方を90°回転させた場合に、同じ点を撮像している画素が異なってくる場合がある。よって、2枚の画像の位置合わせが必要となる。
このためには、検査対象物7上の被検物体22以外の場所(例えば被検物体22を保持するプレパラート上)に、基準マークを設けておき、この基準マークが撮像されている画素同士を対応させるように画像処理を行うことにより、2枚の画像の位置合わせをすることができる。
例えば、図4に示すように、丸印基準マーク23、四角印基準マーク24、三角印基準マーク25、×印基準マーク26を被検物体22の周りの保持手段(プレパラート等)に付けておく。(a)がダブプリズム11が挿入されていないときの画像、(b)がダブプリズム11が挿入されているときの画像を90°回転させたものとすると、これらの4つの基準マークの位置が合うように、(b)の画像の上下左右方向移動、回転を行い、その上で、両画像の画素の輝度の加算を行うようにすればよい。
なお、以上説明した実施の形態においては、ハーフミラー4を使用しているが、検査対象物7からの蛍光を観測し、照明光と蛍光の波長が異なっている場合は、ハーフミラー4の代わりにダイクロイックミラー、ダイクロイックプリズムを使用することができる。
1…レーザー光源、2…スリット、3…コリメータレンズ、4…ハーフミラー、5…走査光学系、6…対物レンズ、7…検査対象物、8…結像レンズ、9…スリット、10…撮像装置、11…ダブプリズム、21…スリット像、22…被検物体
Claims (4)
- 光源からの光をスリット状に形成する光源部と、前記スリット状光束を当該スリットの短手方向に走査する走査光学系と、前記スリット状光束を試料に集光させる対物レンズと、前記試料の集光点とピンホールとを共役関係にする結像光学系とを備えたスリット走査共焦点顕微鏡であって、前記走査光学系と対物レンズとの間に光束回転光学系が挿脱可能に配置され、前記光束回転光学系は第1面と第2面を有し、前記第1面から入射した光束は90°回転して前記第2面から出射し、前記第2面から入射した光束は前記回転方向とは逆方向に90°回転して前記第1面から出射することを特徴とするスリット走査共焦点顕微鏡。
- 請求項1に記載のスリット走査共焦点顕微鏡を使用し、前記走査光学系と前記対物レンズとの間に前記光束回転光学系を挿入しない状態で検査対象物の画像を取得する操作と、前記走査光学系と前記対物レンズとの間に前記光束回転光学系を挿入した状態で前記検査対象物の画像を取得する操作とを行い、2種類の画像を得る工程を有することを特徴とする画像取得方法。
- 請求項2に記載の画像取得方法によって得られた前記2種類の画像を、1枚の画像に合成する工程を有することを特徴とする画像取得方法。
- 請求項3に記載の画像取得方法であって、前記検査対象物を保持する保持具の、前記スリット走査共焦点顕微鏡の視野内に、基準マークを設けておき、前記2種類の画像を、1枚の画像に合成する工程において、前記基準マークを基準にして、前記2種類の画像の位置合わせを行う工程を有することを特徴とする画像取得方法。
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JP2015210471A (ja) * | 2014-04-30 | 2015-11-24 | オリンパス株式会社 | 標本観察装置 |
CN107850766A (zh) * | 2015-07-24 | 2018-03-27 | 通用电气公司 | 用于光学显微镜中的图像处理的系统和方法 |
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- 2007-02-09 JP JP2007031200A patent/JP2008197283A/ja active Pending
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