JP6515631B2 - 画像表示装置、及び調整用デバイス - Google Patents
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Description
このメカストッパーを設ける方法に代えて、シフト量(画像の位置の変化量)を制御する駆動信号の波形を精密に調整する方法が考えられる。
しかし、メカストッパーを用いない場合、画像を所定のシフト量(例えば半画素)でシフトさせるように光学部を調整したとしても、シフト量が初期値からずれる可能性がある。例えば、製品への取り付けのばらつきなどによって、シフト量が半画素からずれる可能性がある。その場合、シフト量を再調整することが困難であるという問題が生じる。
本発明によれば、画像の位置を変化させて高解像度化を図ることができるとともに、変化量を容易に再調整することができる。
本発明によれば、制御部を介して2つの可変抵抗器の一方の抵抗値を容易に調整することが可能になる。
本発明によれば、これらポテンショメーターを使い分けることによって、組み立て前や組み立て後などの様々な状況に合わせて柔軟に画像の位置の変化量を調整することができる。
本発明によれば、専用の可変抵抗器を用いるので、画像の位置の変化量を規定量に調整し易くなる。
本発明によれば、規定量に相当する画像の位置の変化量を実現し、高解像度化に寄与する画像変位部を得ることができる。
本発明によれば、可動部を適切に可動させ、高解像度化を図り易くなる。
本発明によれば、光学部の姿勢を変化させることで、光学部を通過する光の軸を容易に変化させることができる。
本発明によれば、十分な力で可動部を揺動させることができる。
本発明によれば、アクチュエーターの構成が簡単なものとなる。
本発明によれば、画像の位置を変化させて高解像度化を図ることができるとともに、変化量を容易に再調整することができる。
本実施形態で説明するプロジェクター1は、図示しない外部の映像供給装置から入力される映像信号に基づき、表示面に映像を表示する表示装置である。映像供給装置としては、例えば、DVDプレーヤー等の映像再生装置、デジタルテレビチューナー等の放送受信装置、ビデオゲーム機やパーソナルコンピューター等の映像出力装置が挙げられる。また、映像供給装置は、パーソナルコンピューター等と通信して映像データを受信する通信装置等であってもよい。
投写光学系112は、液晶表示素子108R、108G、108Bによって変調された光をスクリーン8に投写する光学系である。投写光学系112は、少なくとも1つ以上のレンズを備える。投写光学系112は、少なくとも1つ以上のミラーを備えた光学系であっても良く、1つ以上のレンズ、及び1つ以上のミラーを備えた光学系であっても良い。
プロセッサー121は、液晶表示素子108R、108G、108Bに対するデータ信号の書き込み動作、信号処理部131の制御、及び、画像信号処理部122に対するデータ信号の発生動作などの制御を行う。信号処理部131は、画像処理部122が出力する同期信号SAを入力し、この同期信号SAに基づいて振動デバイス20の駆動信号DSを生成し、振動デバイス20に出力する回路である。
なお、制御部120と画像信号処理部122とは、IC等の各種電気部品を実装した一枚又は複数枚の基板によって構成されている。
振動デバイス20は、図4(a)、図4(b)、図5(a)及び図5(b)に示すように、光透過性を有すると共に映像光LLを偏向させるガラス板21と、このガラス板21を保持する可動部22と、可動部22を揺動自在に支持する支持部23と、支持部23に対して可動部22を揺動させる駆動機構(アクチュエーター)25とを有している。
この振動デバイス20は、例えば、+z側がダイクロイックプリズム110側、−z側が投写光学系112側を向くようにプロジェクター1内に配置されている。
軸部24a、24bは、平面視で、x軸方向、及びy軸方向にずれた位置に形成され、揺動軸Jはx軸、及びy軸の両軸に対して約45°傾斜した軸に設定される。したがって、可動部22に保持されたガラス板21による映像光LLの偏向方向を、x軸方向及びy軸方向の両軸に対して均等にずらすように、可動部22を揺動させることができる。また、振動デバイス20では、平面視で、軸部24a、24bがガラス板21の中心に対して点対称に配置されているため、可動部22(ガラス板21)の揺動バランスが良好となる。
また、ヤング率が比較的小さい可動部22でガラス板21の側面を囲うので、ガラス板21の姿勢を変更する際に、ガラス板21に生じる応力を小さく抑え、応力分布に伴ってガラス板21に発生する不要な振動を小さく抑えることができる。その結果、ガラス板21によって偏向された画像が、意図しない方向に偏向されてしまうのを防止することができる。また、環境温度に対する可動部22の揺動軌跡ST(後述する図7(b))の変化を抑えることができる。
駆動機構25は、永久磁石251と、コイル252とを有し、信号処理部131から出力される交番電流の駆動信号DSをコイル252に流すことによって電磁力を発生させる電磁アクチュエーターに構成されている。駆動機構25として、電磁アクチュエーターを用いることで、可動部22を揺動させるのに十分な力を発生させることができ、可動部22をスムーズに揺動させることができる。
永久磁石251は、可動部22の縁部に設けられており、y軸方向に沿った長手形状をなしている。また、永久磁石251は、z軸方向(可動部22の厚さ方向)に磁化されている。この永久磁石251の種類は、特に限定されず、例えば、ネオジム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石等を用いることができる。
また、振動デバイス20の低背化を図ることができる。なお、永久磁石251とコイル252は、所定のギャップを介して配置されてもよく、この場合には、コイル252は中心付近まで配線が巻かれていてもよい。
すなわち、可動部22にコイル252を配置した所謂「ムービングコイル型」の駆動機構25であってもよい。ただし、本実施形態のような「ムービングマグネット型」の駆動機構25とすることで、通電による発生するコイル252の熱が可動部22やガラス板21に伝わり難く、熱による振動特性の変化(共振周波数の変化)や、ガラス板21の撓み等を効果的に抑えることができる。
本構成の駆動機構25は、次のようにして可動部22を揺動させる。信号処理部131からコイル252に駆動信号DSが流れていない場合、可動部22は、実質的にxy平面と平行となっている。そして、信号処理部131からコイル252に駆動信号DSが供給されると、図6(a)に示す状態と、同図6(b)に示す状態とを繰り返すように、可動部22が支持部23に対して揺動軸Jまわりに揺動(回動)する。そして、このような可動部22の揺動によって、映像光LLの光軸が、図2に示すようにシフトされ、画像表示位置P1、P2に交互に画像が表示される。よって、見かけ上の画素が増加し、画像の高解像度化が図られる。
図7は、駆動信号DSと可動部22の揺動軌跡STとの関係を示す図であり、図7(a)は駆動信号DSを示し、図7(b)は可動部22の揺動軌跡STを示す図である。なお、図7中、横軸は経過時間(t)を示し、駆動信号DSの縦軸は電流値(I)を示し、揺動軌跡STの縦軸は振幅量を示している。
このため、図7(a)に示すように、駆動信号DSは、(+)側に位置し、電流値がほぼ一定に持続された平坦部分DS1と、(−)側に位置し、電流値がほぼ一定に持続された平坦部分DS3と、平坦部分DS1の終わりと平坦部分DS3の始まりを繋ぎ、電流値が連続的に漸減する漸減部分DS2と、平坦部分DS3の終わりと平坦部分DS1の始まりを繋ぎ、電流値が連続的に漸増する漸増部分DS4とで1周期を構成する波形となっている。これにより、図7(b)に示すように、可動部22の揺動軌跡STを台形状に制御することができる。
信号処理部131は、波形生成部132と、ゲイン調整部133と、増幅部134とを備え、これらによって駆動信号DSの生成及び駆動信号DSの波形調整を行う。なお、この信号処理部131は、制御部120又は画像信号処理部122の少なくともいずれかを構成する基板と同一の基板、或いは、異なる基板に、IC等の各種電気部品を実装することによって構成されている。
波形生成部132は、矩形の同期信号SAを入力し、駆動信号DSの基準信号となる台形波の信号を生成する。ここで、波形生成部132は、台形波の傾きを調整する機能、つまり、図7に示す漸減部分DS2、及び漸増部分DS4の傾きを調整する機能を具備し、プロセッサー121の制御(例えば、プロセッサー121からのパラメータ入力)、又は可変素子(可変抵抗器など)の手動調整に基づき台形波の傾きを調整する。台形波の傾きを調整することによって、駆動信号DSの平坦部分DS1、DS2の持続時間TDS1、TDS3も調整できる。
ゲイン調整部133は、コンデンサー141、142と、前段側の抵抗器143、144と、トリマーポテンショメーター(第2の可変抵抗器)145と、デジタルポテンショメーター(第1の可変抵抗器)146と、後段側の抵抗器147、148とを備えている。増幅部134は、アンプ149と、帰還抵抗器150、151とを備えている。
図9に示すように、トリマーポテンショメーター145と、デジタルポテンショメーター146とは並列接続されるので、ゲイン調整部133から増幅部134の出力までのゲインG1は以下の式(1)で表される。
すなわち、トリマーポテンショメーター145、及びデジタルポテンショメーター146は、増幅部134のゲインG1(振動デバイス20の振幅に相当)を調整する調整用デバイス200として機能する。
なお、回転子を有するロータリー型に限らず、抵抗値R2を物理的な手段によって変化させる操作部を有する範囲で様々なトリマーポテンショメーターを適用可能である。
より具体的には、プロジェクター1が備える不図示の操作パネルを使用者(例えば、作業員等)が操作する方法、或いは、このプロジェクター1に外部機器を接続し、この外部機器からプロジェクター1を遠隔操作する方法等が可能である。これらの方法等により、デジタルポテンショメーター146の抵抗値R3をプロジェクター1の外部から調整することができる。
そこで、本構成では、プロジェクター1への取り付け前に振動デバイス20の単体調整を行い、取り付け後に製品(プロジェクター1)での調整を行うようにしている。
振動デバイス20の揺動軌跡STを、レーザー変位計などの測定装置を用いて測定する。そして、揺動の振幅が半画素のシフト量になるように調整を行う。この時の調整は、所定の治具に振動デバイス20を取り付け、作業者がトリマーポテンショメーター145を調整して行う。このため、回路としては、振動デバイス20の駆動系の電源と同期信号SAとが入っていればよく、また、プロセッサー121経由で調整するよりも設備が簡単で、迅速に調整が可能である。
振動デバイス20を含めてプロジェクター1を組み立てた後に、微調整が必要な場合に、プロセッサー121経由でデジタルポテンショメーター146を調整して行う。例えば、製品出荷前の検査、或いは、製品出荷後に修理依頼があった際などに本調整が行われる。本調整では、プロジェクター1の不図示のケース(外装部品とも称する)を開ける必要がなく、投写画像を見ながら作業員が微調整することができる。
このようにケースを開ける必要がないので、仮にケースを開けて内部のトリマーポテンショメーター145を調整する方法と比較すると、調整が容易である。且つ、ケースの開け閉めなどの影響で振動デバイス20の振幅がずれてしまう、といった事態も回避することができる。
これらにより、投写画像の位置を変化させて高解像度化を図ることができるとともに、シフト量を容易に再調整可能なプロジェクター1を提供することが可能になる。
また、一方の可変抵抗器はデジタルポテンショメーター(第1の可変抵抗器)146であり、他方の可変抵抗器はトリマーポテンショメーター(第2の可変抵抗器)145である。このため、これらポテンショメーター146、145を使い分けることによって、様々な状況に合わせて柔軟にシフト量を調整することができる。つまり、プロジェクター1を組み立てた状態であれば、デジタルポテンショメーター146を用いてシフト量を容易に調整でき、組立前又は分解状態であれば、トリマーポテンショメーター145を用いてシフト量を容易に調整できる。また、どちらのポテンショメーター145、146を用いるかを作業員が任意に選択することも可能である。
また、ガラス板21は、光透過性を有しているので、ガラス板21の姿勢を変化させることで、ガラス板21を通過する光の軸を容易に変化させることができる。
また、この駆動機構25は、永久磁石251と、永久磁石251に作用する磁界を発生させるコイル252と、を有し、永久磁石251、及びコイル252のうちの一方が可動部22に設けられ、他方が一方と対向して設けられている。これにより、アクチュエーターの構成が簡単なものとなる。
また、本実施形態では、トリマーポテンショメーター145と、デジタルポテンショメーター146とを並列接続する場合を示したが、直列接続する構成でもよい。
例えば、上述の実施形態では、振動デバイス20のシフト量を半画素に相当する量にして高解像度化を図る場合を説明したが、半画素に限定されない。図2に示した画像表示位置P1、P2のずれ量を、1画素未満の規定量に設定すれば、見かけ上の画素を増加させ、高解像度化を図ることができる。例えば、シフト量を一画素の1/4にしてもよいし、1/8にしてもよい。
また、上述の実施形態では、画像表示装置として、液晶プロジェクターについて説明したが、光走査用の光学デバイスを用いた光走査型のプロジェクターであってもよい。また、上記実施形態において、空間光変調器として、透過型の液晶表示素子を用いる構成を例に挙げて説明したが、空間光変調器は、LCOS(Liquid crystal on silicon, LCoSは登録商標)等の反射型の液晶表示素子や、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)等を用いる構成であってもよい。また、画像表示装置としては、プロジェクターに限定されず、その他、プリンター、スキャナー、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、ヘッドアップディスプレイ(HUD)等にも適用可能である。
Claims (9)
- 画像表示装置であって、
画像を表示する表示部と、
前記表示部が表示する前記画像の位置を変化させる画像変位部と、
前記画像変位部に、前記画像変位部による前記画像の位置の変化量を制御する駆動信号を出力する信号処理部と、
前記信号処理部および前記表示部を制御するプロセッサーと、を備え、
前記信号処理部は、前記駆動信号の振幅を調整する2つの可変抵抗器を備え、
前記2つの可変抵抗器の一方は、前記画像変位部を前記画像表示装置に取り付ける前の状態で抵抗値を調整可能なトリマーポテンショメーターであり、前記2つの可変抵抗器の他方は、前記画像変位部を前記画像表示装置に取り付けた状態で前記プロセッサーから入力される制御信号によって抵抗値を調整可能なデジタルポテンショメーターであること、
を特徴とする画像表示装置。 - 前記プロセッサーは、前記画像表示装置の外部からの操作に基づいて、前記2つの可変抵抗器の一方の抵抗値を調整すること、
を特徴とする請求項1記載の画像表示装置。 - 前記2つの可変抵抗器は、前記画像変位部による前記画像の位置の変化量を、1画素未満の規定量に調整するための可変抵抗器であること
を特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示装置。 - 前記画像変位部は、
前記表示部が射出する光が入射する光入射面を有する光学部と、
前記光学部を保持する可動部と、
前記可動部を揺動自在に支持する支持部と、
前記駆動信号により駆動して前記可動部を揺動させるアクチュエーターとを有すること、
を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の画像表示装置。 - 前記可動部の所定箇所における揺動時の軌跡の波形、及び前記可動部を揺動させるために前記アクチュエーターに供給する前記駆動信号の波形は、それぞれ台形波であること、
を特徴とする請求項4に記載の画像表示装置。 - 前記光学部は、光透過性を有していること、
を特徴とする請求項4又は5に記載の画像表示装置。 - 前記アクチュエーターは、電磁駆動のアクチュエーターであること、
を特徴とする請求項4から6のいずれかに記載の画像表示装置。 - 前記アクチュエーターは、永久磁石と、前記永久磁石に作用する磁界を発生させるコイルと、を有し、
前記永久磁石、及び前記コイルのうちの一方が前記可動部に設けられ、他方が前記一方と対向して設けられていること、
を特徴とする請求項7に記載の画像表示装置。 - 画像を表示する表示部と、前記表示部が表示する前記画像の位置を変化させる画像変位部と、前記画像変位部に、前記画像変位部による前記画像の位置の変化量を制御する駆動信号を出力する信号処理部と、前記信号処理部および前記表示部を制御するプロセッサーとを備える画像表示装置に用いられる調整用デバイスであって、
前記信号処理部は、前記駆動信号の振幅を調整する2つの可変抵抗器を備え、
前記2つの可変抵抗器の一方は、前記画像変位部を前記画像表示装置に取り付ける前の状態で、回転子の回転によって抵抗値を調整可能なトリマーポテンショメーターであり、前記2つの可変抵抗器の他方は、前記画像変位部を前記画像表示装置に取り付けた状態で前記プロセッサーから入力される制御信号によって抵抗値を調整可能なデジタルポテンショメーターであること、
を特徴とする調整用デバイス。
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