JP6973563B2 - プロジェクター、及び、プロジェクターの制御方法 - Google Patents
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Description
特許文献1の光偏向器は、ミラー部を有する第1の回動部と、第2の回動部とを備える。ミラー部は、第1の回動部によってレーザー光をスクリーンの水平方向に走査させるように揺動され、第2の回動部によってレーザー光をスクリーンの垂直方向に走査させるように揺動される。
この画像変位部を用いた画像の表示技術においては、画像変位部が画像の表示位置を変更するタイミングと、表示される画像が切り替わるタイミングとにずれが生じることがあった。このタイミングのずれにより画像の高解像度化の効果が薄れ、表示画像の品位が低下する可能性があった。
本発明によれば、画像信号の周波数が変化すると、この周波数の変化に対応して画像変位部を駆動させる駆動信号の出力タイミングが変更される。従って、画像変位部が画像の表示位置を変更するタイミングを、画像が切り替わるタイミングに合わせることができ、高品位の画像を表示することができる。
本発明によれば、画像信号の周波数に対応する出力タイミングを記憶部から取得し、取得した出力タイミングで駆動信号が駆動部に出力される。従って、簡易な方法で、画像変位部が画像の表示位置を変更するタイミングを、画像が切り替わるタイミングに合わせることができる。
本発明によれば、制御部が画像信号の周波数に対応する出力タイミングを算出し、算出した出力タイミングで駆動部に駆動信号を出力させる。従って、画像信号の周波数が変更されても、画像変位部が画像の表示位置を変更するタイミングを、画像が切り替わるタイミングに速やかに合わせることができる。
本発明によれば、駆動信号の出力タイミングが、画像信号の垂直同期信号に対する遅延時間として設定される。従って、画像変位部が画像の表示位置を変更するタイミングを、画像が切り替わるタイミングに容易に合わせることができる。
本発明によれば、画像信号の周波数の変化に対応して、画像変位部が画像の表示位置を変更するタイミングを変更することができる。
本発明によれば、検出される周波数が、予め設定された周波数とは異なる場合に、駆動信号の出力タイミングを補正する補正値が算出され、算出された補正値により駆動信号の出力タイミングが補正される。従って、画像信号の周波数の変化に対応して、画像変位部が画像の表示位置を変更するタイミングを変更することができる。
本発明によれば、検出される周波数が、予め設定された周波数よりも小さい場合に、駆動信号の出力タイミングを遅くする補正値が算出され、検出される周波数が、予め設定された周波数よりも大きい場合に、駆動信号の出力タイミングを早くする補正値が算出される。従って、画像信号の周波数の変化に対応して、画像変位部が画像の表示位置を変更するタイミングを変更することができる。
本発明によれば、画像信号の周波数に応じて、画像変位部に供給される駆動信号の電流値が変更される。従って、可動部の振幅が目的の振幅となるまでにかかる時間を、画像信号の周波数に応じて変更することができる。
また、駆動信号に含まれる基本周波数の逓倍の周波数成分が、画像変位部の共振周波数に一致すると、画像変位部の振幅が意図したものよりも大きく変化してしまう場合がある。そこで、駆動信号の電流値を、画像信号の周波数に応じて変更することで、画像変位部の振幅が意図したものよりも大きく変化してしまうのを防止することができる。また、画像変位部の振幅を、画像信号の周波数によらずに目的の振幅とすることができる。
本発明によれば、画像信号の周波数が、予め設定された周波数よりも大きい場合に、画像変位部に供給される駆動電流が大きな値に変更され、画像信号の周波数が、予め設定された周波数よりも小さい場合に、画像変位部に供給される駆動電流が小さい値に変更される。
本発明によれば、駆動信号の波形を調整することで、光学部材の姿勢の変化を制御できる。従って、第1表示位置と第2表示位置とで適切に画像を表示することができる。
本発明によれば、光学部材を保持する可動部を、アクチュエーターによって揺動させることができる。
本発明によれば、画像信号の周波数が変化すると、この周波数の変化に対応して画像変位部を駆動させる駆動信号の出力タイミングが変更される。従って、画像変位部が画像の表示位置を変更するタイミングを、画像が切り替わるタイミングに合わせることができ、高品位の画像を表示することができる。
本発明によれば、駆動信号の波形を調整することで、光学部材の姿勢の変化を制御できる。従って、第1表示位置と第2表示位置とで適切に画像を表示することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、プロジェクター100の構成図である。
プロジェクター100は、パーソナルコンピューターや各種映像プレーヤー等の外部の画像供給装置300に接続され、この画像供給装置300から供給される画像信号に基づく画像を投射対象に投射する。
画像供給装置300には、例えば、ビデオ再生装置や、DVD(Digital Versatile Disk)再生装置、テレビチューナー装置、CATV(Cable television)のセットトップボックス、ビデオゲーム装置等の映像出力装置、パーソナルコンピューター等を用いることができる。また、投射対象は、建物や物体等、一様に平らではない物体であってもよいし、スクリーンSCや、建物の壁面等の平らな投射面を有するものであってもよい。図1には、投射対象が平面のスクリーンSCである場合を例示する。
I/F部151は、ケーブルを接続するコネクター及びI/F回路(いずれも図示略)を備え、ケーブルを介して接続された画像供給装置300から供給される画像信号を入力する。I/F部151は、入力される画像信号を画像データ(以下、画像データD1と表記する)に変換して画像処理部155に出力する。
また、画像供給装置300から供給される画像信号には、垂直同期信号や水平同期信号等の同期信号が含まれる。I/F部151は、画像信号から同期信号を取得し、制御部170に出力する。制御部170に入力される垂直同期信号を、以下では、垂直同期信号V1と表記する。
この明細書において、画像データD1には、静止画のデータと、動画等の映像データとが含まれるものとする。
また、I/F部151は、コネクターとして、アナログ画像信号が入力されるVGA端子や、デジタル画像データが入力されるDVI(Digital Visual Interface)端子を備える構成であってもよい。さらに、I/F部151は、A/D変換回路を備え、VGA端子を介してアナログ画像信号が入力された場合に、A/D変換回路によりアナログ画像信号を画像データD1に変換して画像処理部155に出力する。
各液晶パネル1121は、一対の透明基板間に液晶が封入された構成を有している。液晶パネル1121は、複数の画素(図示略)がマトリックス状に配列された矩形状の画素領域を備えており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。
光変調装置駆動部122には、後述する画像処理部155からR、G、Bの3原色に分離された画像データが入力される。光変調装置駆動部122は、入力される各色の画像データを、対応する液晶パネル1121R、1121G、1121Bの動作に適したデータ信号Rv、Gv、Bvに変換する。光変調装置駆動部122は、変換したデータ信号Rv、Gv、Bvに対応した駆動電圧を液晶パネル1121R、1121G、1121Bの各画素に印加して、各液晶パネル1121に画像を描画する。
これにより、光源部111から射出される光が光変調装置112により画像光に変調される。
シフトデバイス20は、ガラス板21(図8〜図11参照)を備え、光変調装置112の駆動に同期してガラス板21の姿勢(角度)を時分割で切り替える。これにより、液晶パネル1121の1つの画素を、スクリーンSC上では時分割で2つの画素として表示させることができる。例えば、1フレームを2つのサブフレームに分割し、分割した2つのサブフレームにおける画像の表示位置をシフトデバイス20によりシフトさせれば、液晶パネル1121の1つの画素を1フレームにおいて、2つの画素として表示することができる。これによって、液晶パネル1121の解像度よりも高い解像度(例えば、液晶パネル1121の解像度がフルハイビジョンであれば4K)の画像をスクリーンSCに投射することが可能になる。シフトデバイス20の詳細については後述する。
投射光学系駆動部124は、ステッピングモーターやギアー(いずれも図示略)を備え、制御部170の制御に従って投射光学系114のレンズ位置を調整し、ズーム調整やフォーカス調整を行う。
表示部110は、ミラー104a、104b、104cと、ダイクロイックミラー106a、106bとをさらに備える。
光源部111から射出された光は、まず、ダイクロイックミラー106aによって赤色光(R)とその他の光とに分離される。赤色光は、ミラー104aで反射された後、液晶パネル1121Rに入射し、その他の光は、ダイクロイックミラー106bによって緑色光(G)と青色光(B)とに分離される。分離された緑色光は、液晶パネル1121Gに入射され、青色光は、ミラー104b、104cで反射された後、液晶パネル1121Bに入射される。
ダイクロイックプリズム109と投射光学系114との間には、シフトデバイス20が配置される。ダイクロイックプリズム109から射出された画像光LLは、シフトデバイス20により光軸がシフトされ、投射光学系114によって拡大されてスクリーンSCに投射される。
図2には、シフトデバイス20の一部として、シフトデバイス20が備えるガラス板21(ガラス板については、図8〜図10参照)を示す。
シフトデバイス20は、ガラス板21を備える。ガラス板21は、画像光が入射される光入射面を有する。シフトデバイス20は、ガラス板21の姿勢を変更させることによって、ガラス板21を透過する画像光LLの光軸(光路)をシフトさせる。画像光LLの光軸を一方の側にシフトさせた場合のスクリーンSCにおける画像の表示位置を第1表示位置P1といい、画像光LLの光軸を他方の側にシフトさせた場合のスクリーンSCにおける画像の表示位置を第2表示位置P2という。第1表示位置P1と、第2表示位置P2とは、斜め方向(図2の矢印方向)に半画素(すなわち、画素Pxの半分)ずれた位置となる。画素Pxは、液晶パネル1121の画素である。
また、画像の表示位置が第1表示位置P1にあるときのガラス板21の姿勢(角度)を第1状態といい、画像の表示位置が第2表示位置P2にあるときのガラス板21の姿勢(角度)を第2状態という。
プロジェクター100の本体には、ユーザーが操作を行うための各種スイッチ及びインジケーターランプを備えた操作パネル131が搭載される。操作パネル131は、操作受付部133に接続される。操作受付部133は、制御部170の制御に従い、プロジェクター100の動作状態や設定状態に応じて操作パネル131のインジケーターランプを適宜点灯又は点滅させる。操作パネル131のスイッチが操作されると、操作されたスイッチに対応した操作信号が操作受付部133から制御部170に出力される。
画像処理部155は、フレームレートの変換処理を実行するフレームレート変換部530を備える。フレームレート変換部530は、入力処理部531とフレーム補間部532とを備える。また、画像処理部155は、画像補正部520、処理部540及びタイミングコントローラー510を備え、タイミングコントローラー510は制御部170により制御される。
本実施形態では、画像データD2のフレームレートが50Hzである場合、フレーム補間部532は、フレームレートが100Hzの画像データD3を生成する。また、画像データD2のフレームレートが60Hzである場合、フレーム補間部532は、フレームレートが120Hzの画像データD3を生成する。
例えば、変換後のフレームレートが100Hzの場合、フレーム補間部532は、周波数が100Hzの垂直同期信号V2を生成する。また、変換後のフレームレートが120Hzの場合、フレーム補間部532は、周波数が120Hzの垂直同期信号V2を生成する。
光変調装置112が、変換後の垂直同期信号V2の周波数に応じた速度で、液晶パネル1121に画像を描画すれば、画像データD1の1フレームの表示期間に2つの画像を表示することができる。すなわち、1フレームを2つ分割したサブフレームの各期間において、画像をそれぞれに表示することができる。
また、シフトデバイス20が、変換後の垂直同期信号V2の周波数に同期して、画像の表示位置をシフトさせれば、各サブフレームにおいて表示される画像の表示位置を異なる位置とすることができる。
タイミングコントローラー510には、書き込み及び読み出しのタイミングを設定するパラメーターが制御部170から入力される。タイミングコントローラー510は、入力されたパラメーターに従って、フレームメモリー157に1フレームの画像データD2を書き込むタイミングを、入力処理部531に指定する。
また、タイミングコントローラー510は、入力されたパラメーターに従って、フレームメモリー157から画像データD2の1フレームを読み出すタイミングを、フレーム補間部532に指定する。
また、タイミングコントローラー510は、フレーム補間部532が生成する補間フレームの数、フレーム補間部532が生成する垂直同期信号V2の出力タイミング等を指定する。
記憶部160は、フラッシュメモリー、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性のメモリーにより構成される。記憶部160は、制御部170が処理するデータや制御部170が実行する制御プログラムを不揮発的に記憶する。
また、記憶部160は、遅延時間テーブル165を記憶する。遅延時間テーブル165には、制御信号CSの出力タイミングを規定する情報が登録される。制御信号CSは、信号処理部123が出力する駆動信号DSを制御する信号であり、制御部170から信号処理部123に出力される。
プロジェクター100は、複数のフレームレートで画像を表示することができる。このため、遅延時間テーブル165には、プロジェクター100が表示可能な画像のフレームレートと、駆動信号DSの出力タイミングとを対応付ける情報が登録される。
本実施形態の遅延時間テーブル165には、垂直同期信号V1の周波数と、制御部170が垂直同期信号V1を入力してから制御信号CSを出力するまでの遅延時間を設定した情報とが登録される。垂直同期信号V1の周波数が、プロジェクター100が表示可能な画像のフレームレートに対応し、遅延時間が、駆動信号DSの出力タイミングに対応する。
シフト制御部175は、I/F部151から入力される垂直同期信号V1の周波数を検出する。シフト制御部175は、検出した垂直同期信号V1の周波数に対応付けられた遅延時間の情報を遅延時間テーブル165から取得する。シフト制御部175は、取得した遅延時間の情報に基づき、信号処理部123に制御信号CSを出力する。制御信号CSは、信号処理部123がシフトデバイス20に駆動信号DSを出力する出力タイミングを制御する信号である。また、制御信号CSは、信号処理部123が出力する駆動信号DSの電流値を規定する信号である。
信号処理部123は、制御信号CSの入力タイミングに合わせて、シフトデバイス20に駆動信号DSを出力する。また、信号処理部123は、入力される制御信号CSに含まれる電流値に基づき、駆動信号DSの電流値を変更する。
これにより、コイル252に交流電流である駆動信号DSが流れるタイミング、及び駆動信号DSの電流値が制御され、シフトデバイス20の可動部22を揺動させる揺動タイミングや、揺動のスピードが調整される。
図5及び図6には、垂直同期信号V2及び制御信号CSの出力タイミングと、シフトデバイス20のガラス板21の姿勢とを示す。図5及び図6において、垂直同期信号V2を示す矩形の波形には「V2_1」、「V2_2」、「V2_3」、「V2_4」の文字を付す。また、制御信号CSを示す矩形の波形には「CS_1」、「CS_2」、「CS_3」、「CS_4」の文字を付して示す。また、図5は、画像データD4に基づく画像が、液晶パネル1121に描画される際に、シフトデバイス20のガラス板21の角度が所定の角度となっていない場合を示す。また、図6は、画像データD4に基づく画像が、液晶パネル1121に描画される際に、ガラス板21の角度が所定の角度となっている場合を示す。所定の角度とは、シフトデバイス20のガラス板21が第1状態又は第2状態となっている場合を指す。液晶パネル1121に画像が描画される際に、ガラス板21の傾きが不足したり、逆に傾き過ぎたりした場合、ガラス板21を透過する画像光LLの光軸が好ましい方向からずれ、高解像度化の効果が薄れてしまう。
ターゲット区間は、液晶パネル1121が備える矩形状の画素領域のうち、中心付近に位置する画素に対する描画が行われる区間を示す。例えば、ターゲット区間は、液晶パネル1121を縦方向に3分割した真ん中の領域の画素に対して画像が描画される区間であるとする。
光変調装置駆動部122は、垂直同期信号V2が入力され、液晶パネル1121への画像の描画を開始すると、例えば、矩形状の画素領域の1番上の1ライン目から画像の描画を開始する。画素領域の1番上の1ライン目から描画を開始した光変調装置駆動部122が、3分割された真ん中の領域の画素に対する画像の描画を行う区間がターゲット区間となる。
また、シフト有効区間は、シフトデバイス20のガラス板21が、第1状態又は第2状態にあると見なすことができる区間である。すなわち、ガラス板21の姿勢が傾き過ぎたり、傾きが不足したりした状態にはない区間である。例えば、あるシフト有効区間において、ガラス板21を透過した画像光LLの光軸と、このあるシフト有効区間の前又は後のシフト有効区間においてガラス板21を透過した画像光LLの光軸とは、半画素ずれた状態にあると見なすことができる。
信号処理部123は、制御部170から制御信号CSが入力されたタイミングで、シフトデバイス20に駆動信号DSを出力する。これにより、シフトデバイス20に駆動信号DSが入力されるタイミングが調整され、シフト有効区間が、ターゲット区間内に位置するように調整される。
図5には、シフト制御部175が、垂直同期信号V2を入力してから「t1」時間の経過後に、信号処理部123に制御信号CSを出力する場合を示す。すなわち、制御信号CSの出力タイミングを、垂直同期信号V2よりも「t1」時間だけ遅延させた場合を示す。この場合、シフトデバイス20のシフト有効区間が、ターゲット区間よりも前に位置し、液晶パネル1121に画像が表示されるタイミングと、シフトデバイス20が第1状態又は第2状態になるタイミングとにずれが生じる。このため、スクリーンSCに投射される画像の表示品質が低下してしまう。
図6には、シフト制御部175が、垂直同期信号V2を入力してから「t2」時間の経過後に、信号処理部123に制御信号CSを出力する場合を示す。すなわち、制御信号CSの出力タイミングを、垂直同期信号V2よりも「t2」時間だけ遅延させた場合を示す。遅延時間「t2」は、遅延時間「t1」よりも長く設定されている。この場合、図6に示すように、シフトデバイス20のシフト有効区間が、ターゲット区間内となり、シフトデバイス20が第1状態又は第2状態となるタイミングを、液晶パネル1121に画像が表示されるタイミングに合わせることができる。
そこで、本実施形態では、シフト制御部175が、画像データD1に付された垂直同期信号V1の周波数を検出し、検出した周波数に対応した遅延時間の情報を遅延時間テーブル165から取得する。そして、シフト制御部175は、画像処理部155から垂直同期信号V2が入力されると、垂直同期信号V2の入力から、遅延時間テーブル165から取得した遅延時期間だけ出力タイミングを遅延させて、制御信号CSを信号処理部123に出力する。従って、ターゲット区間内で、シフトデバイス20の姿勢を第1状態又は第2状態とすることができ、投射される画像の表示品質の低下を防止することができる。
例えば、画像処理部155が、垂直同期信号V1の周波数が60Hzの画像データD1を周波数が120Hzの画像データD4に変換し、表示部110が、120Hzのフレームレートで画像データD4に基づく画像を表示しているとする。
シフト制御部175は、I/F部151から入力される垂直同期信号V1の周波数を検出し、検出した周波数が60Hzに一致するか否かを判定する。すなわち、シフト制御部175は、検出した垂直同期信号V1の周波数が、例えば、59.9Hzや60.1Hz、60.2Hz等に変動しているか否かを判定する。シフト制御部175は、I/F部151からの垂直同期信号V1の入力タイミングとシステムクロックとを比較して、垂直同期信号の周波数が変動しているか否かを判定する。
例えば、シフト制御部175は、検出した周波数が、予め設定された周波数よりも小さい場合に、遅延時間を増加させ、駆動信号DSの出力タイミングを遅くする補正値を算出する。また、シフト制御部175は、検出した周波数が、予め設定された周波数よりも大きい場合に、遅延時間を減少させ、駆動信号DSの出力タイミングを早める補正値を算出する。
補正値に基づき補正された遅延時間を補正遅延時間という。シフト制御部175は、補正遅延時間の情報に基づき、制御信号CSを信号処理部123に出力する出力タイミングを変更する。
なお、シフトデバイス20の特性によっては、検出した周波数が、予め設定された周波数よりも小さい場合に、遅延時間を減少させて駆動信号DSの出力タイミングを早めるように構成する場合もある。また、シフトデバイス20の特性によっては、検出した周波数が、予め設定された周波数よりも大きい場合に、遅延時間を増加させて駆動信号DSの出力タイミングを遅くするように構成する場合もある。
例えば、シフト制御部175は、画像データD1に付された垂直同期信号V1の周波数が50Hzの場合の駆動信号DSの電流値を、画像データD1に付された垂直同期信号V1の周波数が60Hzの場合の駆動信号DSの電流値よりも小さくする。また、シフト制御部175は、画像データD1に付された垂直同期信号V1の周波数が48Hzの場合の駆動信号DSの電流値を、画像データに付された垂直同期信号V1の周波数が50Hzの場合の駆動信号DSの電流値よりも小さくする。垂直同期信号V1の周波数が50Hzの場合が、本発明の「予め設定された周波数」に相当する。
駆動信号DSの電流値を変更することで、可動部22の振幅が目的の振幅となるまでにかかる時間を、画像データD1の周波数に応じて変更することができる。
なお、図7に示した駆動信号DSの周波数と、シフトデバイス20の振幅との関係は、あくまでも一例であり、シフトデバイス20によっては、駆動信号DSの周波数によらず、振幅が一定となる場合もある。このような場合には、駆動信号DSの電流値を、垂直同期信号V1の周波数に応じて変更しなくてよい。
図8及び図9は、プロジェクター100が有するシフトデバイス20を示す図である。特に、図8は、シフトデバイス20の上面斜視図を示し、図9は、シフトデバイス20の背面斜視図を示す。
また、図10及び図11は、シフトデバイス20の断面図である。特に、図10は、図8に示すA−A線断面図であり、図11は、図8に示すB−B線断面図である。
なお、図8〜図11には、説明の便宜上、互いに直交する3軸として、x軸、y軸及びz軸を適宜に図示しており、その図示した矢印の先端側を「+側」、基端側を「−側」とする。また、以下では、x軸に平行な方向を「x軸方向」とも言い、y軸に平行な方向を「y軸方向」とも言い、z軸に平行な方向を「z軸方向」とも言い、+z側を「上」、−z側を「下」とも言う。
このシフトデバイス20は、例えば、+z側がダイクロイックプリズム109側、−z側が投射光学系114側を向くようにプロジェクター100内に配置される。
軸部24a、24bは、平面視で、x軸方向、及びy軸方向にずれた位置に形成され、揺動軸Jはx軸、及びy軸の両軸に対して約45°傾斜した軸に設定される。したがって、可動部22に保持されたガラス板21による画像光LLの偏向方向を、x軸方向及びY軸方向の両軸に対して均等にずらすように、可動部22を揺動させることができる。また、シフトデバイス20では、平面視で、軸部24a、24bがガラス板21の中心に対して点対称に配置されるため、可動部22(ガラス板21)の揺動バランスが良好となる。
また、ヤング率が比較的小さい可動部22でガラス板21の側面を囲うことで、ガラス板21の姿勢を変更する際に、ガラス板21に生じる応力を小さく抑え、応力分布に伴ってガラス板21に発生する不要な振動を小さく抑えることができる。その結果、ガラス板21によって偏向された画像が、意図しない方向に偏向されてしまうのを防止することができる。
駆動機構25は、永久磁石251と、コイル252とを備える。駆動機構25は、信号処理部123から出力される交流電流の駆動信号DSをコイル252に流すことによって電磁力を発生させる電磁アクチュエーターとして動作する。駆動機構25として、電磁アクチュエーターを用いることで、可動部22を揺動させるのに十分な力を発生させることができ、可動部22をスムーズに揺動させることができる。
永久磁石251は、可動部22の縁部に設けられており、y軸方向に沿った長手形状を有する。また、永久磁石251は、z軸方向(可動部22の厚さ方向)に磁化される。この永久磁石251としては、例えば、ネオジム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
また、シフトデバイス20の低背化を図ることができる。なお、永久磁石251とコイル252は、Z軸方向に所定のギャップを介して配置されてもよく、この場合には、コイル252は中心付近まで配線が巻かれていてもよい。
すなわち、可動部22にコイル252を配置した所謂「ムービングコイル型」の駆動機構25であってもよい。ただし、本実施形態のような「ムービングマグネット型」の駆動機構25とすることで、通電による発生するコイル252の熱が可動部22やガラス板21に伝わり難く、熱による振動特性の変化(共振周波数の変化)や、ガラス板21の撓み等を効果的に抑えることができる。
図12は、可動部22が一方の側に揺動し、第1状態となった場合を示す。また、図13は、可動部22が他方の側に揺動し、第2状態となった場合を示す。
本構成の駆動機構25は、次のようにして可動部22を揺動させる。
信号処理部123からコイル252に駆動信号DSが流れていない場合、可動部22は、実質的にxy平面と平行となる。そして、信号処理部123によりコイル252に交流電流の駆動信号DSが供給され、コイル252を流れる駆動信号DSの向きが切り替わることで、可動部22が支持部23に対して揺動軸Jまわりに揺動(回動)する。これにより、可動部22は、図12に示す状態と、図13に示す状態とを繰り返す。そして、このような可動部22の揺動によって、画像光LLの光軸が、図3に示すようにシフトされ、第1及び第2表示位置P1、P2に交互に画像が表示される。よって、見かけ上の画素数が増加し、画像の高解像度化が図られる。
プロジェクター100は、画像供給装置300から画像信号の供給がない場合(ステップS1/NO)、画像信号の供給が開始されるまで待機する。
画像供給装置300から画像信号の供給が開始されると(ステップS1/YES)、I/F部151は、入力される画像信号を画像データD1に変換して画像処理部155に出力する。また、I/F部151は、画像信号から同期信号を取り出して制御部170に出力する。
シフト制御部175は、検出した垂直同期信号V1の周波数が、前回、受信した画像信号から取得した垂直同期信号V1の周波数に一致するか否かを判定する(ステップS3)。
肯定判定の場合(ステップS3/YES)、シフト制御部175は、前回、画像信号を受信した際に設定した駆動電流の設定と同一の設定を含む制御信号CSを生成する。そして、シフト制御部175は、前回、画像信号を受信した際と同一の出力タイミングで制御信号CSを信号処理部123に出力する。これにより、信号処理部123は、前回、画像信号を受信した際と同一の出力タイミングで駆動信号DSをシフトデバイス20に出力する(ステップS4)。また、信号処理部123は、シフトデバイス20に、前回、画像信号を受信した際と同一の電流値の駆動信号DSを出力させる(ステップS4)。
また、画像処理部155は、フレームメモリー157から読み出した画像データD2をもとに補間フレームを生成し、画像データD2のフレームレートの2倍のフレームレートで、画像データD3を出力する。さらに画像処理部155は、変換後のフレームレートに対応する垂直同期信号V2を生成する。画像処理部155は、生成した垂直同期信号V2を制御部170に出力する。また、画像処理部155は、画像データD3に対して、解像度変換処理や、輝度補正処理等の各種処理を行い、処理後の画像データD4を垂直同期信号V2と共に光変調装置駆動部122に出力する。
I/F部151は、画像供給装置300から供給される画像信号を入力する。
表示部110は、I/F部151により入力された画像信号に基づく画像をスクリーンSCに表示させる。
シフトデバイス20は、表示部110が表示する画像の表示位置を変化させる。
信号処理部123は、シフトデバイス20に駆動信号DSを出力してシフトデバイス20を駆動させる。
シフト制御部175は、信号処理部123が出力する駆動信号DSを制御する。また、シフト制御部175は、画像信号を変換した画像データD1の周波数の変化に対応して、駆動信号DSの出力タイミングを変更する。
従って、シフトデバイス20により画像の表示位置が変更されるタイミングを、表示部110が表示する画像を切り替えるタイミングに合わせることができる。このため、高品位の画像をスクリーンSCに表示することができる。
シフト制御部175は、画像データD1の周波数に対応する出力タイミングを遅延時間テーブル165から取得し、取得した出力タイミングで信号処理部123に駆動信号DSを出力させる。また、シフト制御部175は、画像データD4の垂直同期信号V2に対する、駆動信号DSの出力タイミングの遅延時間を設定する。
従って、シフトデバイス20が画像の表示位置を変更するタイミングを、表示部110が表示する画像を切り替えるタイミングに容易に合わせることができる。
具体的には、シフト制御部175は、検出した画像データD1の周波数が、60Hz、50Hz、48Hz、24Hz等の予め設定された周波数とは異なる場合に、駆動信号DSの出力タイミングを補正する補正値を算出する。そして、シフト制御部175は、算出した補正値をもとに遅延時間テーブル165から取得した遅延時間の情報を補正し、補正した遅延時間の情報を信号処理部123に出力する。
従って、画像データD1の周波数の変化に対応して、シフトデバイス20が画像の表示位置を変更するタイミングを変更することができる。
また、シフト制御部175は、検出した周波数が、予め設定された周波数よりも大きい場合に、遅延時間を減少させ、駆動信号DSの出力タイミングを早める補正値を算出する。
従って、画像データD1の周波数の変化に対応して、シフトデバイス20が画像の表示位置を変更するタイミングを変更することができる。
シフト制御部175は、駆動信号DSとしてシフトデバイス20に供給される交流電流の電流値を、画像データD1の周波数に応じて変更する。
従って、可動部22の振幅を目的の振幅とするまでにかかる時間を、画像データD1の周波数に応じて変更することができる。
また、駆動信号DSに含まれる基本周波数の逓倍の周波数成分が、シフトデバイス20の共振周波数に一致すると、シフトデバイス20の振幅が意図したものよりも大きく変化してしまう場合がある。そこで、駆動信号DSの電流値を、画像データD1の周波数に応じて変更することで、シフトデバイス20の振幅が意図したものよりも大きく変化してしまうのを防止し、シフトデバイス20の振幅を、画像データD1の周波数によらずに目的の振幅とすることができる。
従って、シフトデバイス20の振幅を、画像データD1の周波数によらずに目的の振幅とすることができる。
次に、添付図面を参照して本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の構成は、上述した第1実施形態の構成と同一である。このため、第2実施形態の構成についての説明は省略する。
このため本実施形態のシフト制御部175は、姿勢検出部137により検出される姿勢情報を入力し、入力した姿勢情報に基づき、駆動信号DSのデューティー比を設定する。
姿勢検出部137は、プロジェクター100の本体の姿勢を検出するため、ロール、ピッチ及びヨーのオイラー角を検出する。姿勢検出部137は、検出したオイラー角の情報を姿勢情報として制御部170に出力する。
シフト制御部175は、入力される姿勢情報に基づき、信号処理部123が出力する駆動信号DSのデューティー比を調整する。
図15において、プロジェクター100が傾いた状態で設置された場合のシフトデバイス20の姿勢を実線で示し、プロジェクターが水平に設置された場合のシフトデバイス20の姿勢を破線で示す。駆動信号DSの1周期は、区間Aと、区間Bとの2つの区間から構成される。交流電流である駆動信号DSは、区間Aにおいて、コイル252の第1の方向に流れ、区間Bにおいて、第1の方向とは逆方向であるコイル252の第2の方向に流れる。図15において、区間Aの長さと区間Bの長さとは同一の長さに設定されている。
図15に示すシフトデバイス20の姿勢では、第1状態において、シフトデバイス20の傾きが不足し、第2状態において、シフトデバイス20が傾き過ぎた状態になっている。
図16では、区間A及び区間Bの長さを変更し、区間Aの長さを区間Bよりも長くしている。図15では、プロジェクター100の本体の傾きの影響により、区間Aにおいて、シフトデバイス20の傾きが不足し、区間Bにおいて、シフトデバイス20が傾き過ぎた状態になっていた。このため、シフト制御部175は、姿勢検出部137から入力される姿勢情報に基づき信号処理部123を制御して、交流電流である駆動信号DSが、コイル252の第1の方向に流れる区間Aの長さを、コイル252の第2の方向に流れる区間Bの長さよりも長くしている。これによって、区間Aにおいて、傾きが不足していたシフトデバイス20をさらに傾け、区間Bにおいて、傾き過ぎていたシフトデバイス20が傾き過ぎないように調整される。
シフトデバイス20は、揺動自在に保持されるガラス板21を備え、ガラス板21の姿勢に応じて、表示部110により表示される画像の表示位置を第1表示位置P1と第2表示位置P2とに変化させる。
シフト制御部175は、姿勢検出部137が検出したプロジェクター100の姿勢に応じて信号処理部123が出力する駆動信号DSの波形を設定する。
従って、駆動信号の波形を調整することで、光学部材としてのガラス板21の姿勢の変化を制御できる。このため、第1表示位置P1と第2表示位置P2とで適切に画像を表示することができる。
例えば、上述の第1及び第2実施形態では、シフトデバイス20のシフト量を半画素に相当する量にして高解像度化を図る場合を説明したが、半画素に限定されない。図3に示した第1及び第2表示位置P1、P2のずれ量を、1画素未満の規定量に設定すれば、見かけ上の画素を増加させ、高解像度化を図ることができる。例えば、シフト量を一画素の1/4にしてもよいし、1/8にしてもよい。
この他の構成として、シフト制御部175が、I/F部151から入力される垂直同期信号V1、又は画像処理部155から入力される垂直同期信号V2に基づき、シフトデバイス20のシフト有効区間がターゲット区間に収まるように遅延時間を算出してもよい。
また、図1に示した各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、プロジェクター100の他の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
Claims (4)
- プロジェクターであって、
前記プロジェクターの姿勢を検出する検出部と、
画像信号を入力する入力部と、
前記入力部に入力される画像信号に基づく画像を表示させる表示部と、
揺動自在に保持される光学部材を備え、前記光学部材の姿勢に応じて、前記表示部により表示される画像の位置を第1表示位置と第2表示位置とに変化させる画像変位部と、
前記画像変位部に駆動信号を出力して前記画像変位部を駆動する駆動部と、
前記駆動部が出力する駆動信号を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記検出部が検出した前記プロジェクターの姿勢に応じて、前記駆動部が出力する前記駆動信号の波形を設定し、
前記駆動信号の1周期は、第1の区間と第2の区間とから構成され、
前記第1の区間において、前記画像変位部に前記光学部材の姿勢を第2状態から第1状態に変更させ、
前記第2の区間において、前記画像変位部に前記光学部材の姿勢を前記第1状態から前記第2状態に変更させ、
前記制御部は、前記検出部が検出した前記プロジェクターの姿勢に応じて、前記第1の区間と前記第2の区間との長さを変更すること
を特徴とするプロジェクター。 - 前記画像変位部は、
前記光学部材を保持する可動部と、
前記可動部を揺動させるアクチュエーターと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。 - 前記アクチュエーターはコイルを備え、
前記駆動信号は交流電流であり、前記第1の区間において、前記コイルの第1の方向に流れ、前記第2の区間において、前記第1の方向とは逆方向である前記コイルの第2の方向に流れること
を特徴とする請求項2に記載のプロジェクター。 - 画像を表示させる表示部と、
揺動自在に保持される光学部材を備え、前記光学部材の姿勢に応じて、前記表示部により表示される画像の位置を第1表示位置と第2表示位置とに変化させる画像変位部と、を備えるプロジェクターの制御方法であって、
画像信号を入力するステップと、
前記画像信号に基づく画像を前記表示部により表示させるステップと、
前記画像変位部を駆動信号により駆動し、前記表示部により表示される画像の位置を変化させるステップと、
前記プロジェクターの姿勢を検出するステップと、
検出した前記プロジェクターの姿勢に応じて、前記駆動信号の波形を設定するステップと、
を有し、
前記駆動信号の1周期は、第1の区間と第2の区間とから構成され、
前記第1の区間において、前記画像変位部に前記光学部材の姿勢を第2状態から第1状態に変更させ、
前記第2の区間において、前記画像変位部に前記光学部材の姿勢を前記第1状態から前記第2状態に変更させ、
前記検出するステップにより検出した前記プロジェクターの姿勢に応じて、前記第1の区間と前記第2の区間との長さを変更すること
を特徴とするプロジェクターの制御方法。
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