JP2022080733A - 画像投射装置、画像投射装置の制御方法、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】線順次駆動を行う表示パネルを用いた画像投射装置において、表示パネルの駆動周波数を抑制しつつ画素シフトにより解像度を向上させる。【解決手段】画像光を投射して投射画像を表示する画像投射装置であって、線順次駆動により、入力画像に基づいて光を変調して画像光を生成する光変調素子と、画像光の光路を変更することにより、投射画像が投射される投射位置をシフトさせるシフト部とを備え、シフト部は、入力画像を分割した第1の画像データ、第2の画像データ、第3の画像データ及び第4の画像データにそれぞれ対応する投射画像の投射位置を、各画像データに対応する第1の位置、第2の位置、第3の位置、及び第4の位置のそれぞれにシフトさせ、投射位置のシフトは、第1の位置、第2の位置、第3の位置、及び第4の位置における対角上の位置への斜めシフトを2回含み1巡する、画像投射装置。【選択図】図6

Description

本発明は、画像投射装置、画像投射装置の制御方法、及びプログラムに関する。
画像投射装置により投射される画像の解像度は、一般に、使用されている光変調素子、即ち表示パネルの解像度に一致する。一方、表示パネルの解像度を向上させることなく投射画像の解像度を向上させる技術が知られている。
この技術では、表示パネルに入力する画像データを時間的に分割して表示パネルを駆動させることで、投射画像データの解像度を表示パネルの1画素より細かく、例えば1/4画素に相当する解像度とする。表示する1枚目の画像データを、元々の画像データの1画素を4分割した画像データの左上の画像データとした場合、2枚目の画像データを右下の画像データとし、各画像データに合わせて投射画像の投射位置を左上と右下の交互に1/2画素だけシフトする。この画素シフト(画素ずらし)は、表示パネルと投射レンズの間に平行平板を設け、平行平板の角度を周期的に変えることにより、表示パネルから投射レンズへの入射光の位置を斜めにシフトして投射画像の投射位置をシフトするものである。
ここで、1フレームの画像データの更新レートを60Hzとすると、この間に、1枚目の画像データが投射され、その後、斜めに1/2画素シフトして2枚目の画像データが投射される。このため、表示パネルは120Hz以上で駆動させる必要がある。このような画素シフトの技術では、異なる2枚の画像を時分割で位置を変えて投射することで、残像現象により解像度の向上を図っている。
このような画素シフトによる解像度の向上に関する技術は、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1には、表示パネルに光の3原色であるR、G、Bに対応した透過型液晶表示素子を用い、斜め方向に1/2画素シフトを行い、解像度を向上させる例が示されている。
更に解像度を向上させる場合、元々の画像データの1画素を1/4に分割した画像データの各位置に対応するように画素シフトを行って、画像データを投射する方法が知られている。この場合、1フレームにつき4点の画素シフトを行うため、1フレームの画像データの更新レートが60Hzの場合、表示パネルは240Hz以上で駆動する必要がある。
このような画素シフトによる解像度の向上は、例えば、特許文献2に開示されている。 特許文献2には、表示パネルとしてデジタル・ミラー・デバイス(DMD)を使用して画素シフトを行う技術が開示されている。より具体的には、特許文献2には、映像信号に対して2倍の周波数で斜め方向に1/2画素シフトを行う例と、4倍の周波数で1/2画素の右方向、下方向、左方向、上方向の4点の画素シフトを行う例が開示されている。
また、表示パネルが液晶表示素子の場合、縦方向と横方向に配置された各画素を線順次駆動方式により走査線に対応する行方向の画素に対し、1行毎に順次画像データを書き込んでいく方式が取られる。このような線順次駆動の技術は、特許文献3に開示されている。特許文献3によれば、1フレームの画像データの更新レートを60Hzとした場合、1フレームを2つのフィールドに時分割し、1フィールドの表示レートを120Hzとする。
特許文献3に開示される技術では、液晶表示素子に画像データを書き込む場合、線順次駆動により1つの画像データについて1サブフィールドを480Hzで処理する。具体的には、1フィールド(120Hz)中に同じ画像データをサブフィールドについて480Hzで3回書き込み、4回目の書き込みでは次のフィールドの画像データを書き込む。この4回目の書き込みに関するサブフィールドでは、現在のフィールド画像データと新たに書き込む次のフィールド画像データが混在することとなる。この混在期間は遷移期間と称される。特許文献3では、遷移期間中は、シャッターを閉じて混在した画像データによる投射を行わないようにしている。
特開2018-54974号公報 特開2017-27024号公報 特開2014-110584号公報
しかしながら、特許文献3に記載された技術では、線順次駆動の表示パネルを使用し、60Hzで更新される1フレームに対して画像データを2つのフィールドに時分割して書き込む場合、表示パネルの線順次駆動を480Hzの高速駆動で行う必要がある。これは、1フレームに対して8倍の高速駆動となり、表示パネルと駆動回路の大型化、高発熱化、及び高コスト化を招いていた。
また、特許文献2に記載されたように、解像度を4倍に向上させるために1フレーム当たり4点の画素シフトを行う場合、線順次駆動の表示パネルでは、1つの書き込み画像に対して次の画像を書き込む際に遷移期間が生じる。そのため、1フレームにつき、4回の画像表示に加えて4回の遷移期間が必要となり、60Hzの1フレームに対して8倍の高速駆動、具体的には480Hzの線順次駆動が必要となってしまう。このため、表示パネルと駆動回路の大型化、高発熱化、及び高コスト化を招いていた。
これらの点に鑑み、本発明の一実施態様では、線順次駆動を行う表示パネルを用いた画像投射において、表示パネルの駆動周波数を抑制しつつ画素シフトにより解像度を向上させる画像投射装置、画像投射装置の制御方法、及びプログラムを提供する。
本発明の一実施態様による画像投射装置は、画像光を投射して投射画像を表示する画像投射装置であって、線順次駆動により、入力画像に基づいて光を変調して前記画像光を生成する光変調素子と、前記画像光の光路を変更することにより、前記投射画像が投射される投射位置をシフトさせるシフト部とを備え、前記シフト部は、前記入力画像を分割して得た第1の画像データ、第2の画像データ、第3の画像データ及び第4の画像データにそれぞれ対応する投射画像の前記投射位置を、各画像データに対応する第1の位置、第2の位置、第3の位置、及び第4の位置のそれぞれにシフトさせ、前記投射位置のシフトは、前記第1の位置、前記第2の位置、前記第3の位置、及び前記第4の位置における対角上の位置への斜めシフトを2回含み1巡する。
本発明の一実施態様によれば、線順次駆動を行う表示パネルを用いた画像投射において、表示パネルの駆動周波数を抑制しつつ画素シフトにより解像度を向上させることができる。
実施例1に係る画像投射装置の全体構成の一例を示すブロック図である。 実施例1に係る画素と画素データの一例を示す。 実施例1に係る画素シフトの一例を示す。 画素シフト部の概略的な構成と動作の一例を示す。 実施例1に係る画像投射処理の動作シーケンスの一例を示すフロー図である。 実施例1に係る4点2フレーム画素シフト動作を説明するための図である。 解像度による画像の一例を示す。 実施例1に係る画素シフトによる画像の一例を示す。 画素シフトによる画像の一例を示す。 実施例1に係る4点1フレーム画素シフト動作を説明するための図である。 実施例2に係る投射装置の動作シーケンスの一例を示すフロー図である。 実施例2に係る画像信号のフレームデータと画素シフトとパネル駆動のタイミングの一例を示す。 実施例3に係る画像信号のフレームデータと画素シフトとパネル駆動のタイミングの一例を示す。 実施例3に係る画素シフトによる画像の一例を示す。
以下、本発明を実施するための例示的な実施例を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施例で説明する寸法、材料、形状、及び構成要素の相対的な位置等は任意であり、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、図面において、同一であるか又は機能的に類似している要素を示すために図面間で同じ参照符号を用いる。
(実施例1)
以下、図1乃至図10を参照して、本発明の実施例1に係る画像光を投射する画像投射装置(以下、単に投射装置とも称する。)について説明する。図1は、本実施例に係る投射装置の全体構成の一例を示すブロックである。本実施例に係る投射装置10には、取得部15、画像信号処理部100、光変調部60、画素シフト部70、及び投射部80が設けられている。
取得部15は、不図示の外部のソース機器からの画像信号を取得する。ソース機器としては、例えば、PC(Personal Computer)やBlu-ray(登録商標) Disc(BD)プレーヤー等が挙げられる。ただし、外部ソース機器は、画像信号を出力できる機器であればよく、例えば、他の光学ディスクのプレーヤーやストリーミングデバイス等であってもよい。また、映像信号の規格としては、AV(Audio Visual)PCやBDプレーヤー等では、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)規格が、ビジネス用途PCではDisplayPort規格が主流となることが多い。ただし、映像信号の規格は、これに限られず、所望の構成に応じて任意の規格であってよい。
ソース機器からの画像信号には解像度とフレームレートの情報が含まれており、不図示のEDID(Extended Display Identification Data)を用いてソース機器と投射装置の間で各設定等の情報が交換される。例えば、EDIDは、取得部15がアクセス可能な不図示のメモリに書き込まれた128バイトのデータである。EDIDには、例えば、投射装置の製造メーカ、モデル、シリアル番号、製造時期、画像寸法、解像度、フレームレート、表示機のガンマ特性、及び輝度情報等が書き込まれている。EDIDの情報を基に、ソース機器は投射装置10に対して最も適したフォーマットで画像信号を送信する。なお、EDIDは、HDMI(登録商標)及びDisplayPortにより、標準規格として採用されている。
画像信号の解像度は、例えば、画素数=1280*720、高精細な画素数=1920*1200、1920*1080、2560*1440、及び高精細で4Kと呼ばれる画素数=3840*2160、4096*2160が規格化されている。更に、画像信号の解像度の規格は、5Kと呼ばれる画素数=5120*2880、及び8Kと呼ばれる画素数=7680*4320等も含む。
また、画像信号のフレームレートとしては、例えば、24fps(frames per second)、30fps、又は60fps等が用いられる。例えば、60fpsでは、1秒間に画像が60枚更新される。なお、フレームレートは、例えば、90fpsや120fps等が用いられてもよい。また、画像信号のフレームレートは、画像信号のサンプリング周波数として表現することもでき、フレームレートの単位としてfpsに代えてHzを用いてもよいものとする。取得部15の出力は、画像信号処理部100に入力される。
画像信号処理部100は、後述する各種画像処理を行い、光変調部60を駆動する。画像信号処理部100には、画像信号判断部20、モード設定部22、機器設定部24、解像度調整部30、画像信号選択部40、画像調整部50、及びタイミング生成部90が設けられている。なお、画像信号処理部100及び画像信号処理部100の各種構成要素は、プロセッサが不図示の記憶部に記憶されたソフトウェアモジュールを実行することで実現されてよい。ここで、プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)であってよい。また、プロセッサは、例えば、GPU(Graphic Processing Unit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等であってもよい。また、各構成要素は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の機能を果たす回路等によって構成されてもよい。
モード設定部22は、投射画像に対して解像度を優先するか否か等のモード設定を行う。モード設定部22は、外部からのユーザの指示に応じてモードの設定を行ってよい。また、モード設定部22は、例えば、入力画像のヘッダ等に含まれる投射画像に関連付けられた情報に基づいてモード設定を行ってもよい。なお、モード設定部22は、その他のモード設定、例えば、明るさを優先するか否かのモード設定を行うこともできる。当該設定も、ユーザの指示や投射画像に関連付けられた情報に基づいて行われることができる。
機器設定部24は、EDIDと同等の機器に関する情報を保存する。機器設定部24は、例えば、表示パネルの解像度、適応可能なフレームレート及び表示パネルの最大駆動レート等を保存することができる。
画像信号判断部20は、機器設定部24、モード設定部22、及び取得部15からの情報に基づいて、入力画像と表示パネルの解像度やフレームレート等を確認する。画像信号判断部20は、確認した情報を、例えば、解像度調整部30、画像信号選択部40、及びタイミング生成部90に出力することができる。
また、画像信号判断部20は、取得部15や機器設定部24からの情報に基づいて、入力画像のフレームレートと表示パネルの駆動周波数を比較する。パネルの駆動周波数を、入力画像のフレームレートに対し、より高い周波数で駆動することは、表示パネルと駆動回路の大型化、更に発熱の増加とコストの増加を招き、非常に困難である。また、液晶の特性を高速化すること自体が難しく、高速駆動には限界がある。そのため、画像信号判断部20は、入力画像のフレームレートと表示パネルの駆動周波数を比較し、これらの関係が所定の条件を満たすか否かを判断する。
解像度調整部30は、入力画像のスケール調整を行う。具体的には、解像度調整部30は、取得部15や画像信号判断部20からの情報に基づいて、入力画像と光変調部60の表示パネルの解像度を比較し、入力画像が表示パネルの解像度の4倍であるかどうかを確認する。例えば、表示パネルの解像度がFHD(画素数=1920*1080)で、ソース機器からの画像信号の解像度が4K(画素数=3840*2160)である場合は、当該条件が満たされるため、解像度調整部30は入力画像のスケール調整を行わない。一方、入力画像の解像度が表示パネルの4倍の解像度でない場合には、解像度調整部30は、入力画像をスケールアップ又はスケールダウンして入力画像の解像度を調整する。なお、画像のスケールアップ及びスケールダウンの方法は、公知の任意の方法を用いてよい。
画像信号選択部40は、画像信号判断部20による入力画像のフレームレートと表示パネルの駆動周波数との比較結果又は該比較結果に応じた画素シフト動作に基づいて、表示パネルに書き込む画像データの選択を行う。より具体的には、画像信号選択部40は、入力画像のフレームレートが表示パネルの駆動周波数の所定数倍より大きいか否かの比較結果に基づいて、表示パネルに書き込む画像データの選択を行う。
画像調整部50は、画像信号選択部40によって選択された画像データに関して、画像の色合いやガンマ調整、ホワイトバランス調整等の画質調整を行う。なお、これらの調整については、公知の任意の手法により行われてよい。タイミング生成部90は、例えば、画像信号判断部20や画像信号選択部40からの情報に基づいて、画素シフト部70を駆動するタイミングを示すタイミング信号を出力する。
光変調部60は、例えば、WUXGA(画素数=1920*1200)やFHD(画素数=1920*1080)の表示パネル(以下、単にパネルとも称する。)を含んでよく、それより低い解像度のパネルを含んでもよい。また、光変調部60に使用するパネルは、透過型液晶パネルであってもよいし、反射型液晶パネルであってもよい。また、光変調部60においては、パネルの周囲に、不図示の光学部品であるミラーやプリズム、偏光板や種々のレンズ等が配置されることができる。
光変調部60は、例えば、高圧水銀ランプやLED、又はレーザ等で構成される不図示の光源部からの光を、不図示の光学系によりR(Red)、G(Green)、B(Blue)の3色に分離する。また、光変調部60は、画像信号処理部100からの信号に応じて色毎にパネルによる光変調を行う。光変調部60で変調された光は、投射光として投射部80によりスクリーン等に拡大して投射される。投射部80は、レンズ等を含んで構成され、投射光を投射装置10の外部に投射する。
画素シフト部70は、投射部80の前段に設けられ、光変調部60で変調された光について後述する画素シフトを行う。ここで、画素シフト部70について、図2乃至図4(d)を参照して説明する。
まず、本実施例に係る画素シフトの動作について説明する。ここで、説明のため、光変調部60のパネルの解像度はFHD(画素数=1920*1080)であるとし、ソース機器からの画像信号の解像度はパネル解像度の4倍の4K(画素数=3840*2160)であるとする。
図2は、画像信号の画素と画素データの一例を示す。図2には、入力画像の1枚目のフレームデータF1、2枚目のフレームデータF2、及び3枚目のフレームデータF3が示されている。なお、フレームレートが60Hzの場合、各フレームデータは、0.0166sec毎に更新される。
図2において太破線で囲まれたエリア200は、FHDのパネル解像度の1画素分の領域を表す。4Kの画像信号は、FHDのパネル解像度に対して、縦2倍及び横2倍の解像度を有するため、エリア200について4つの画素データP1乃至P4(画像データ)を含み、解像度が4倍に向上している。
図3(a)乃至図3(d)は、画素シフト部70による投射画像の画素シフトの一例を示す。図3(a)において太実線で示されるエリアF1_1は、図2に示されたエリア200に相当する部分であり、投射された画像に関するパネル解像度の1画素分の領域を表す。このとき、エリアF1_1に関するパネルの駆動に用いられる画像データは、図2に示されるフレームデータF1の画素データP1に相当する。また、図3(a)において、太破線で示されるエリアF1_4は次に投射画像が投射される投射位置に相当し、エリアF1_4に関するパネルの駆動に用いられる画像データは、図2に示されるフレームデータF1の画素データP4に相当する。図3(a)に示す動作によれば、投射画像の投射位置は、エリアF1_1からエリア1_4へ斜め右下にシフトされることとなる。
ここで、図4(a)及び図4(b)を参照して、画素シフト部70の構成及び動作について説明する。図4(a)は、投射画像の投射位置をシフトさせる画素シフト部70の概略的な構成の一例を示す。画素シフト部70には、例えばガラスによる平行平板71、及び平行平板71を駆動するための不図示のアクチュエータが設けられている。平行平板71が、光変調部60からの入射光に対し、一点破線の縦軸に平行して垂直に立っている場合は、入射光は平行平板71内を直進してそのまま一点破線の横軸に沿って投射部80の方向に進む。これに対し、平行平板71が、光変調部60からの入射光に対し垂直な状態からθ傾いている場合には、平行平板71内の光と出射光は、平行平板71と周囲空気の屈折率の差により屈折し、太実線矢印のように進む。このとき、投射部80への出射光は、一点破線の横軸より位置がδずれた平行光となる。
図4(b)は、画素シフト部70の動作の一例、特に4点の画素シフトの動作の一例を示す。図4(b)に示されたエリア200の1画素分の投射領域において、当該投射領域を4分割したエリアA1乃至A4に対して横軸をX軸とし、縦軸をY軸とすると、平行平板71のX軸周りの傾きθxによりY方向の投射位置がδyだけ変化する。同様に、平行平板71のY軸周りの傾きθyによりX方向の投射位置がδxだけ変化する。
なお、以下では、エリアA3の位置を、投射位置の基準(原点)として、平行平板71が光変調部60からの入射光に対し垂直になっている場合の投射位置として説明する。また、平行平板71をX軸周りにθxだけ傾けて、投射位置をエリアA3の位置からδyだけシフトさせた場合の投射位置をエリアA1の位置として説明する。同様に、平行平板71をY軸周りにθyだけ傾けて、投射位置をエリアA3の位置からδxだけシフトさせた場合の投射位置をエリアA4の位置とする。また、平行平板71をX軸回りにθx、Y軸回りにθy傾けて投射位置をエリアA3の位置からδy及びδxだけシフトさせた場合の投射位置をエリアA2の位置として説明する。ただし、投射位置の基準は、エリアA3の位置に限られず、所望の構成に応じて、エリアA1乃至エリアA4の位置の任意の位置であってよい。
ここで、上述した投射画像の投射位置に関するエリアF1_1からエリアF1_4への斜めシフトは、エリアA1からエリアA4への斜めシフトに対応する。そのため、本実施例に係る画素シフト部70の構成では、当該斜めシフトは、投射位置をエリアA1の位置とした状態から、平行平板71についてX軸回りの傾きをゼロにするとともにY軸回りの傾きをθyとすることにより行うことができる。同様に、エリアA2からエリアA3への斜めシフトは、投射位置をエリアA2の位置とした状態から、平行平板71についてX軸及びY軸回りの傾きをゼロとすることにより行うことができる。
なお、平行平板71の2軸方向の傾きを制御する画素シフト部70のアクチュエータは、例えば、磁界中のコイルに電流を流すことにより生じる電磁力を利用するアクチュエータにより構成されることができる。この場合、X軸周りの傾きを制御する電磁力アクチュエータと、Y軸周りの傾きを制御する電磁力アクチュエータに対し、それぞれの駆動電流を制御することにより、平行平板71の傾きを制御し、投射位置を任意の位置に画素シフトすることができる。ただし、アクチュエータの種類はこれに限られず、所望の構成に応じて公知の任意のアクチュエータを用いてよい。
図3(b)に戻り画素シフトの説明を続ける。図3(b)に示される動作では、太実線で示されたエリアF1_4から太破線で示されたエリアF1_2への上方向の画素シフトを行う。このとき、エリアF1_2に関するパネルの駆動に用いられる画像データは、図2に示されるフレームデータF1の画素データP2に相当する。図3(c)に示される動作では、太実線で示されたエリアF1_2から太破線で示されたエリアF1_3への斜め左下方向の画素シフトを行う。このとき、エリアF1_3に関するパネルの駆動に用いられる画像データは、図2に示されるフレームデータF1の画素データP3に相当する。図3(d)に示される動作では、太実線で示されたエリアF1_3から太破線で示されたエリアF2_1への上方向の画素シフトを行う。ここで、投射位置に関するエリアF2_1とエリアF1_1は同じ位置であるが、エリアF2_1に関するパネルの駆動に用いられる画像データは、図2に示されるフレームデータF2の画素データP1に相当する。
これにより、投射位置の画素シフトが、斜めシフトを2回含み、1巡することになる。以降、投射装置10は、図3(a)、図3(b)、図3(c)、及び図3(d)に示される動作を繰り返すことで、続くフレームデータF2,F3についての画素シフトを行うことができる。
次に図5を参照して、本実施例に係る画像投射処理の動作シーケンスについて説明する。図5は、本実施例に係る画像投射処理の動作シーケンスの一例を示すフロー図である。
画像投射処理が開始されると処理はステップS510に移行する。ステップS510では、モード設定部22が、投射画像に対して解像度を優先するか否か等のモード設定を行う。上述のように、モード設定部22は、使用者からの指示や投射画像に関連付けられた情報に基づいて、モード設定を行ってよい。
ステップS520では、画像信号判断部20が、機器設定部24、モード設定部22、及び取得部15からの情報に基づいて、入力画像と表示パネルの解像度やフレームレートを確認する。
ステップS530では、画像信号判断部20が、モード設定部22によって設定されたモードについて、解像度を優先するモードであるか否かを判断する。画像信号判断部20によってモード設定が解像度を優先するモードでないと判断された場合は、処理はステップS540に移行する。ステップS540では、画像信号処理部100が画素シフト動作をOFFにする。その後、ステップS542において、画素シフトを行わない通常投射モードで画像を投射する。具体的には、画像信号選択部40によって表示パネルに書き込む画像データの選択が行われ、画像調整部50によって画像の色合いやガンマ調整、ホワイトバランス調整等の画質調整が行われ、光変調部60によって表示パネルが駆動される。
一方、ステップS530において画像信号判断部20によってモード設定が解像度を優先するモードであると判断された場合、処理はステップS550に移行する。ステップS550では、必要に応じて解像度調整部30により入力画像のスケール調整が行われる。解像度調整部30は、例えば、入力画像と表示パネルの解像度を比較し、入力画像が表示パネルの解像度の4倍であるかどうか確認する。パネルの解像度がFHD(画素数=1920*1080)で、ソース機器からの画像信号の解像度が4K(画素数=3840*2160)である場合は、この条件を満たすため、スケール調整は不要となる。一方で、入力画像の解像度が表示パネルの4倍の解像度でない場合には、解像度調整部30は、入力画像をスケールアップ又はスケールダウンして入力画像の解像度を調整する。ステップS550での動作が終了すると、処理はステップS560に移行する。
ステップS560では、画像信号判断部20がフレームレート判断を行う。具体的には、画像信号判断部20は、入力画像のフレームレートfinと表示パネルの駆動周波数fpの比較を行う。表示パネルの駆動周波数fpを、入力画像のフレームレートfinに対し、より高い周波数で駆動することは、表示パネルと駆動回路の大型化、更に発熱の増加とコストの増加を招き、非常に困難である。また、液晶の特性を高速化すること自体が難しく、高速駆動には限界がある。
特に、表示パネルの線順次駆動方式では、1つの画像データを書き込むために、書き込み時間に加えて待ち時間が必要となる。ここで、待ち時間とは、表示パネルの一番上の行と最後の行の投射時間を合わせるために必要となる時間である。従って、表示パネルの駆動周波数fpに対し、4点の画素シフトを行う場合、入力画像のフレームレートfin=fp/(4*2)である必要がある。この場合、fin=60Hzでは、fp=60Hz*(4*2)=480Hzとなり、極めて高いパネル駆動周波数が必要となり、線順次駆動での実現は困難となる。
そこで、ステップS560では、画像信号判断部20は、fin>fp/8が満たされるか否かを判断し、当該判断結果に応じて画素シフトの動作を変更する。特に本実施例に係る投射装置10は、実現可能な表示パネルの駆動周波数fpを240Hzとし、fin>fp/8の場合には、2フレームで2回の斜めシフトを含む4点の画素シフト(4点2フレーム画素シフト)を行う。また、投射装置10は、fin≦fp/8の場合は、1フレームで2回の斜めシフトを含む4点の画素シフト(4点1フレーム画素シフト)を行う。
以下では、表示パネルの駆動周波数fpの上限値を240Hzとして具体的な例について説明する。ここで、例えば、fin=60Hz、fp=240Hzとした場合には、fin>fp/8となるため、画像信号判断部20は上記条件が満たされることから、入力画像のフレームレートfinが高速であると判断する。画像信号判断部20によって入力画像のフレームレートfinが高速であると判断されると、処理はステップS580に移行する。ステップS580では、画像信号処理部100が、4点2フレーム画素シフト動作をONにする。
一方で、例えば、fin=30Hz、fp=240Hzとした場合には、fin=fp/8となり、上記条件が満たされないため、画像信号判断部20は入力画像のフレームレートfinが低速であると判断する。画像信号判断部20によって入力画像のフレームレートfinが低速であると判断されると、処理はステップS570に移行する。ステップS570では、画像信号処理部100が、4点1フレーム画素シフト動作をONにする。なお、例えば、fin=24Hzである場合も、上記条件が満たされないため、処理はステップS570に移行することになる。
ステップS590では、ステップS580又はステップS570でONにされた画素シフト動作に基づいて画素シフト投射が行われる。画素シフト投射の動作に際しては、画像信号判断部20によるフレームレート判断結果又はONにされた画素シフト動作に基づいて、画像信号選択部40が表示パネルに書き込む画像データを選択する。具体的には、画像信号選択部40は、入力画像の各フレームデータF1,F2,F3について、表示パネルの1画素に対応する4つの画素を群とし、各フレームデータを当該群の集合とした場合の、各群のそれぞれの画素のデータごとに分割する。言い換えると、画像信号選択部40は、各フレームデータF1,F2,F3を、図2に示されるように、エリア200の集合とし、各エリア200に含まれる画素のデータ(画素データP1~P4)ごとに分割する。これにより、画像信号選択部40は、各フレームデータF1,F2,F3を、各フレームデータF1,F2,F3の画素データP1~P4に関する4つのデータの集合に分割することができる。画像信号選択部40は、後述する画素シフト動作に従って、表示パネルへ書き込む画像データを当該4つのデータの集合から選択する。選択されるデータの詳細に関しては、後述する画素シフト動作の説明において述べる。
また、画像調整部50が画像の色合いやガンマ調整、ホワイトバランス調整等の画質調整を行い、光変調部60が表示パネルを駆動する。なお、画素シフト部70の駆動は、画像信号に合わせてタイミング生成部90により生成されたタイミング信号に基づいて行われることができる。
次に、図6を参照して、4点2フレーム画素シフトと、表示パネルの線順次駆動について説明する。表示パネルが透過型液晶パネルや反射型液晶パネルの場合、液晶パネルの各画素は、縦方向と横方向に配置され、画像データは、線順次駆動方式により走査線に対応する行方向の画素に対し、1行毎に順次書き込まれる。
図6は、4点2フレーム画素シフト動作に関する画像信号のフレームデータと画素シフトとパネル駆動のタイミングの一例を示す。図6の(a)は表示パネルの線順次駆動を、図6の(b)及び(c)は画素シフトの駆動を、図6の(d)は入力画像のフレームを示す。この例では、入力画像のフレームレートfinは60Hzであり、60Hz毎に入力画像の画像データがフレームデータF1,F2,F3のように順次変わる。入力画像は、入力画像の解像度が表示パネルの解像度の4倍となるようにスケール調整されているため、入力画像の各画素のデータは、図2に示すように、表示パネルの1画素を4等分した第1乃至第4の画像データで構成される。なお、本実施例では、第1乃至第4の画像データはそれぞれ、上述した画素データP1乃至P4に相当する。
これに対し、図6の(a)に示されるパネル駆動では、まず、例えば、フレームデータF1の第1の画像データを表示パネルに書き込む。図6の(a)の縦軸は表示パネルの行を表す。表示パネルへのデータの書き込みに関しては、表示パネルの一番上の行に線順次駆動でデータを書き込み開始してから、最後の行にデータを書き込むまで、表示パネルの駆動周波数fp=240Hz相当(4.16ms)の時間を要する。最後の行へのデータを書き込んだとき、一番上の行は既に240Hz相当の時間の投射が行われているが、最後の行のデータはまだ投射が行われた直後である。そのため、一番上の行と最後の行の投射時間を合わせるには、更に240Hz相当の投射時間(待ち時間)が必要となる。このことから、表示パネルの線順次駆動は、一番上の行に戻り、次の240Hz相当の期間、表示パネルに黒画像を書き込む。
最後の行への黒画像の書き込みが終了した後、表示パネルの線順次駆動は、一番上の行に戻り、第1の画像データに対して対角上に位置する第4の画像データを表示パネルに書き込む。このとき、画素シフト部70は、投射位置について、図4(b)に示すエリアA1に対応する第1の画像データの位置(第1の位置)からエリアA4に対応する第4の画像データの位置(第4の位置)へシフトさせる。そのため、画素シフト部70は、図6の(b)及び(c)に示すようにシフト-YをOFFし、シフト-XをONする駆動を行う。当該処理は、上述の図3(a)を参照して説明した画素シフトに相当する。ここで、シフト-Yは、投射位置の基準(本実施例では第3の画像データの位置)からのY方向の画素シフトを意味し、シフト-Xは投射位置の基準からのX方向の画素シフトを意味する。
第4の画像データの書き込み終了後も同様に、表示パネルの線順次駆動は、次の240Hz相当の期間、黒画像を表示パネルに書き込む。黒画像の書き込みが終了すると、表示パネルの線順次駆動は、入力画像のフレームデータF2の第2の画像データを書き込む。このとき、画素シフト部70は、投射位置について、第4の位置から図4(b)に示すエリアA2に対応する第2の画像データの位置(第2の位置)へシフトさせる。そのため、画素シフト部70は、図6の(b)及び(c)に示すようにシフト-YをONし、シフト-XはONの状態を維持する駆動を行う。当該処理は、上述の図3(b)を参照して説明した画素シフトに相当するが、書き込むデータが2枚目のフレームデータF2の画像データである点が異なる。
第2の画像データの書き込み終了後も同様に、表示パネルの線順次駆動は、次の240Hz相当の期間、黒画像を表示パネルに書き込む。黒画像の書き込みが終了すると、表示パネルの線順次駆動は、第2の画像データに対して対角上に位置する第3の画像データを表示パネルに書き込む。このとき、画素シフト部70は、投射位置について、第2の位置から図4(b)に示すエリアA3に対応する第3の画像データの位置(第3の位置)へシフトさせるため、図6の(b)及び(c)に示すようにシフト-Yとシフト-XをOFFする駆動を行う。当該処理は、上述の図3(c)を参照して説明した画素シフトに相当するが、書き込むデータが2枚目のフレームデータF2の画像データである点が異なる。
第3の画像データの書き込み終了後も同様に、表示パネルの線順次駆動は、次の240Hz相当の期間、黒画像を表示パネルに書き込む。黒画像の書き込みが終了すると、表示パネルの線順次駆動は、入力画像のフレームデータF3の第1の画像データを表示パネルに書き込む。このとき、画素シフトは、第3の位置から第1の位置へシフトさせるため、図6の(b)及び(c)に示すようにシフト-YをONし、シフト-XはOFFの状態を維持する駆動を行う。当該処理は、上述の図3(d)を参照して説明した画素シフトに相当するが、書き込むデータが3枚目のフレームデータF3の画像データである点が異なる。以降、これらの動作を繰り返す。
ここで、図7(a)乃至図9(d)を参照して、2フレームで2回の斜めシフトによる4点の画素シフトの効果について説明する。図7(a)及び図7(b)は、解像度の違いによる画像の一例を示す。図7(a)は解像度が1倍の画像の例、図7(b)は解像度が4倍の画像の例である。解像度が1倍の場合には、画素粒子が粗く、放射線状の模様が不連続で粗くなり、更に斑模様も出ている。これに対し、解像度が4倍の場合では、放射線状の模様が明確であり、中心の渦巻きも連続的であり、綺麗な画像となっている。
図8(a)乃至図8(c)は、本発明の画素シフトによる画像の例を示す。図8(a)は、図6に示される1枚目の入力画像のフレームデータF1について、斜め画素シフト動作に従って投射された第1の画像データと第4の画像データの合成画像の例を示す。図8(b)は、図6に示される2枚目の入力画像のフレームデータF2について、斜め画素シフト動作に従って投射された第2の画像データと第3の画像データの合成画像である。図8(c)は、図8(a)に示される1回目の斜め画素シフト動作で得られる画像と図8(b)に示される2回目の斜め画素シフト動作で得られる画像の合成画像である。
図8(a)及び図8(b)では、それぞれ斜めの画素シフトが行われているため、図7(a)に示す解像度が1倍の画像に比べて解像度が2倍向上している。そのため、図8(a)及び図8(b)に示される画像の両方とも、放射線状の模様を確認することができ、中心の渦巻きもある程度滑らかな画像となっている。
ここで、図8(b)に示される画像を投射中には、図8(a)に示される画像残像と、図8(b)に示される画像とが重なり、図8(c)に示される画像が合成されることとなる。その際、上述のように、図8(a)及び図8(b)に示される各画像ともに斜め画素シフトにより解像度が向上していることから、これらの画像では不連続な模様や縞模様等の違和感がない。そのため、これら画像の合成による図8(c)に示す画像も違和感なく解像度が4倍に向上して見えるようになる。その結果、図8(c)に示される画像は、放射線状の模様が明確になり、中心の渦巻きも滑らかで、解像度が4倍向上した綺麗な画像となっている。
従って、フレームレート60Hzで1枚目の入力画像を斜め画素シフトにより解像度が2倍の画像として投射し、次の2枚目の入力画像を斜め画素シフトにより解像度が2倍の画像として投射する。こうすることで、トータルでフレームレート30Hz相当で解像度が4倍の画像を投射することができる。この際、1フレーム間に斜め画素シフトを1回ずつ行うことにより、1フレーム間の解像度を不連続な模様や縞模様等の違和感なく向上させ、残像現象により得られる2フレーム間の画像の解像度を4倍に向上させることができる。
ここで、2フレームで解像度を4倍向上させる場合に、斜め画素シフトを含まない場合の画像の例を図9(a)乃至図9(d)に示す。図9(a)及び図9(b)は、フレームデータF1の画像投射について横シフトを1回、フレームデータF2の画像投射について横シフトを1回行った場合の例を示す。例えば、図9(a)はフレームデータF1に対して第1の画像データと第2の画像データを、図9(b)はフレームデータF2に対して第3の画像データと第4の画像データを投射した例を示す。この例では、フレームデータF1,F2について、それぞれ横方向の解像度を2倍向上させている。そのため、図9(a)及び図9(b)に示される各画像では、縦のラインは明確になっているが、横のラインの解像度が上がっていないため、斑模様が発生している。また、中心の渦巻きも縦方向のラインはある程度滑らかであるが、横方向は斑になっている。
一方で、図9(c)及び図9(d)は、フレームデータF1の画像投射について縦シフトを1回、フレームデータF2の画像投射について縦シフトを1回行った場合の例を示す。例えば、図9(c)はフレームデータF1に対して第1の画像データと第3の画像データを、図9(d)はフレームデータF2に対して第2の画像データと第4のフレームデータを投射した例を示す。この例では、フレームデータF1,F2について、それぞれ縦方向の解像度を2倍向上させている。そのため、図9(c)及び図9(d)に示される各画像では、横のラインは明確になっているが、縦のラインの解像度が上がっていないため、斑模様が発生している。また、中心の渦巻きも横方向のラインはある程度滑らかであるが、縦方向は斑になっている。
このように、フレームレート60Hzで1枚目の入力画像を縦又は横の画素シフトにより解像度が2倍の画像として投射し、次の2枚目の入力画像と縦又は横の画素シフトにより解像度が2倍の画像として投射した場合について考える。この場合には、1フレームにおける解像度の向上が特定方向となり、斑模様や不連続な模様等の違和感を生じる画像となる可能性があり、投射画像の解像度向上の妨げとなる。従って、2フレームで解像度を4倍向上させる場合には、斜め画素シフトを2回行う、より具体的には1フレーム間に斜め画素シフトを1回ずつ行うことにより、適切に解像度を向上できることが理解される。
次に、図10を参照して、4点1フレーム画素シフト動作について説明する。図10は、4点1フレーム画素シフト動作に関する画像信号のフレームデータと画素シフトとパネル駆動のタイミングの一例を示す。図10の(a)はパネルの線順次駆動を、図10の(b)及び(c)は画素シフト駆動を、図10の(d)は入力画像のフレームを示す。この例では、入力画像のフレームレートfinは30Hzであり、30Hz毎に入力画像の画像データがフレームデータF1,F2のように順次変わる。入力画像は、入力画像の解像度が表示パネルの解像度の4倍となるようにスケール調整されているため、入力画像データの各画素のデータは、図2に示すように、1画素を4等分した第1乃至第4の画像データで構成される。なお、第1乃至第4の画像データはそれぞれ、上述した画素データP1乃至P4に相当する。
ここで、4点1フレーム画素シフト動作に係る図10の(a)に示すパネル駆動では、例えば、フレームデータF1について、第1の画像データ、第4の画像データ、第2の画像データ、及び第3の画像データを順に書き込む。つまり、1フレームに2回の斜め画素シフトを含む4点の画素シフトを行う。黒画像を含めた図10の(a)に示す線順次駆動、並びに図10の(b)及び(c)に示す画素シフト駆動の動作とタイミングは、図6で示したものと同じである。
上述のように、表示パネルの線順次駆動方式では、1つの画像データを書き込むために、書き込み時間に加えて待ち時間が必要となる。そのため、パネルの駆動周波数fpに対し、4点の画素シフトを行う場合、入力画像のフレームレートfin=fp/(4*2)である必要がある。fp=240Hzでは、240Hz/8=30Hzとなるため、fin=30Hzで4点1フレーム画素シフトが可能である。
この場合、フレームレート30Hzの入力画像に対し、60Hzで第1の画像データと斜め画素シフトによる第4の画像データにより解像度が2倍の画像を投射する。次の60Hzで第2の画像データと斜め画素シフトによる第3の画像データにより解像度が2倍の画像を投射する。これにより、トータル30Hz相当で解像度が4倍の画像を投射することができる。この際、60Hz間に斜め画素シフトを1回ずつ行うことにより、60Hz間の画像の解像度を違和感なく向上させ、残像現象により得られる30Hz間の画像の解像度を4倍に向上させることができる。
なお、4点2フレーム画素シフト動作及び4点1フレーム画素シフト動作における斜め画素シフトは、今回説明した順番に限定されない。これらの動作は、第1の画像データから第4の画像データ又は第4の画像データから第1の画像データと、第2の画像データから第3の画像データ又は第3の画像データから第2の画像データに関する対角上の位置への斜めシフトを2回含めばよい。これらの動作のスタート位置や駆動の順番は任意であってよく、いずれの場合も同様の効果を得ることができる。
上記のように、本実施例に係る投射装置10は、画像光を投射して投射画像を表示する画像投射装置であって、光変調素子の一例として機能する光変調部60と、画素シフト部70とを備える。光変調部60は、線順次駆動により、入力画像に基づいて光を変調して画像光を生成する。画素シフト部70は、画像光の光路を変更することにより、投射画像が投射される投射位置をシフトさせる。また、画素シフト部70は、入力画像を分割して得た第1の画像データ、第2の画像データ、第3の画像データ及び第4の画像データにそれぞれ対応する投射画像の投射位置を、各画像データに対応する第1の位置、第2の位置、第3の位置、及び第4の位置のそれぞれにシフトさせる。ここで、投射位置のシフトは、第1の位置、第2の位置、第3の位置、及び第4の位置における対角上の位置への斜めシフトを2回含み1巡する。このような構成を有する投射装置10は、2回の斜めシフトを含んで1巡する4点の画素シフトを行うことにより、表示パネルの駆動周波数を抑制しつつ、投射画像の解像度を向上させることができる。
なお、本実施例では、光変調部60は縦と横に配置された複数の画素を含み、第1の画像データ、第2の画像データ、第3の画像データ、及び第4の画像データのそれぞれにおける1画素のデータは、複数の画素における1画素の1/4の画素サイズのデータに相当する。また、第1の位置、第2の位置、第3の位置、及び第4の位置は、複数の画素における1画素を4分割した各位置に相当する。
更に、本実施例では、複数の画素における1画素を4分割した各位置に対し、該1画素の左上の位置を第1の位置とし、第1の位置の右側の位置を第2の位置とし、第1の位置の下側の位置を第3の位置とし、第1の位置の右下側の位置を第4の位置とする。この場合、第1の画像データに対応する投射画像が第1の位置に投射され、第2の画像データに対応する投射画像が第2の位置に投射される。さらに、第3の画像データに対応する投射画像が第3の位置に投射され、第4の画像データに対応する投射画像が第4の位置に投射される。ここで、対角上の位置への斜めシフトは、第1の位置と第4の位置の間のシフト、及び第2の位置と第3の位置の間のシフトを含む。
また、本実施例に係る投射装置10では、入力画像のフレームレートfinに応じて、使用する画像データを変更する。具体的には、入力画像のフレームレートfinが、光変調部60の表示パネルの駆動周波数fpの1/8より大きい場合には、画素シフト部70は、入力画像のフレームの2周期に対して投射位置のシフトを1巡行う。すなわち、入力画像のフレームレートfinが表示パネルの駆動周波数fpに対して高速であると判断された場合は、入力画像のフレームの2周期に対して2回の斜めシフトを含む4点の画素シフトを行う。
例えば、入力画像のフレームレートfinが60Hzで、光変調素子の駆動周波数fpが240Hz(max)である場合、入力画像のフレームレートfinが光変調素子の駆動周波数fpの1/8より大きくなる。このため、画素シフト部70は、入力画像のフレームの2周期に対して2点の斜めシフトを含む4点の位置シフトを1巡行う。このとき、最初のフレームについて対角上の位置への斜めシフトを1回行い、次のフレームについて異なる対角上の位置への斜めシフトを1回行う。これにより、2フレームで4点の位置シフトを1巡する際、1フレーム間の斜めシフトにより投射画像の解像度が向上し、更にフレーム間での残像現象により画像の解像度が向上するため、結果として4倍の解像度の投射画像を得ることができる。
一方、入力画像のフレームレートfinが、光変調部60の表示パネルの駆動周波数fpの1/8以下である場合には、画素シフト部70は、入力画像のフレームの1周期に対して投射位置のシフトを1巡行う。すなわち、入力画像のフレームレートfinが表示パネルの駆動周波数fpに対して低速であると判断された場合は、入力画像のフレームの1周期に対して2回の斜めシフトを含む4点の画素シフトを行う。
例えば、光変調素子の駆動周波数fpが240Hz(max)である場合、入力画像のフレームレートfinが30Hz以下で、入力画像のフレームレートfinが光変調素子の駆動周波数fpの1/8以下となる。このため、画素シフト部70は、入力画像のフレームの1周期に対して2点の斜めシフトを含む4点の位置シフトを1巡行う。この場合でも、最初の1/2フレームについて対角上の位置への斜めシフトを1回行い、次の1/2フレームについて異なる対角上の位置への斜めシフトを1回行う。これにより、1フレームで4点の位置シフトを1巡する際、1/2フレーム間の斜めシフトにより解像度が向上し、更に1/2フレーム間での残像現象により解像度が向上するため、結果として4倍の解像度を得ることができる。
上述した4点2フレーム画素シフト動作及び4点1フレーム画素シフト動作のいずれの場合においても、60Hz間に斜め画素シフトを1回ずつ行うことにより、60Hz間の解像度を違和感なく向上させることができる。また、残像現象により得られる30Hz間の画像の解像度を4倍に向上させることができる。すなわち、これらの画素シフト動作では、斜めシフトにより投射画像の解像度が向上し、更に斜めシフトにより得た画像同士の残像現象により合成される投射画像の解像度が向上する。このため、線順次駆動を行う表示パネルの駆動周波数を所定以上に高速化することなく、言い換えると、表示パネルの駆動周波数を抑制しつつ、画素シフトにより解像度を向上させることができる。
なお、本実施例では、第1の画像データ、第2の画像データ、第3の画像データ及び第4の画像データは、それぞれ、入力画像の互いに隣接する4つの画素を群とし、入力画像を当該群の集合とした場合の、各群におけるいずれかの画素の画像データを含む。また、第1の画像データ、第2の画像データ、第3の画像データ及び第4の画像データは、それぞれ、前述の各群における、第1の位置、第2の位置、第3の位置、及び第4の位置に対応する位置の画素の画像データを含む。しかしながら、第1の画像データ~第4の画像データの生成方法はこれに限られず、公知の4点画素シフトに係るサブフレームの生成方法を用いてよい。また、第1の位置~第4の位置は、第1の画像データ~第4の画像データの位置に対応した位置であればよい。なお、当該画像データの生成方法及び各位置の関係に関しては、以降の実施例にも適用可能である。
(実施例2)
次に、図11及び図12を参照して、本発明の実施例2に係る投射装置について説明する。本実施例と実施例1との違いは、図11を参照して説明する本実施例に係るステップS1110、ステップS1152、ステップS1154、及びステップS1156での動作であり、実施例1と同様の動作であるその他の動作については説明を省略する。また、本実施例に係る投射装置の構成は、実施例1に係る投射装置10の構成と同様であるため、同じ参照符号を用いて説明を省略する。
図11は、本実施例に係る投射装置の動作シーケンスの一例を示すフロー図である。本実施例では、画像投射処理が開始されると、処理はステップS1110に移行する。ステップS1110では、モード設定部22が、投射画像に対して解像度を優先するか否か等のモード設定に加えて、明るさを優先するか否かのモード設定を行う。モード設定部22は、解像度を優先するか否かのモード設定と同様に、使用者からの指示や投射画像に関連付けられた情報に基づいて、明るさを優先するか否かのモード設定を行ってよい。なお、明るさを優先するか否かのモード設定は、ステップS1152より前のタイミングであれば、解像度を優先するか否かのモード設定とは別のタイミングで行われてもよい。
ステップS520、ステップS530、及びステップS550での動作は、実施例1におけるこれらステップの動作と同様であるため、説明を省略する。ステップS550において、スケール調整が行われると、処理はステップS1152に移行する。ステップS1152では、画像信号判断部20が、モード設定部22によって設定されたモードについて、明るさを優先するモードか否かを判断する。画像信号判断部20によって、明るさを優先するモードでないと判断された場合には処理はステップS1154に移行する。
ステップS1154では、画像信号処理部100は黒画像駆動の設定を行う。ステップS1154における黒画像駆動の設定は、実施例1において説明した表示パネルの線順次駆動方式における1つの画像データの書き込みを行う際の書き込み時間及び待ち時間において、待ち時間中に黒画像を書き込む動作の設定を行うものである。ステップS1154で、黒画像駆動の設定が行われると処理はステップS560に移行する。なお、以降の処理は実施例1に係る画像投射処理と同様であるが、ステップS590において、ステップS1154で設定された黒画像駆動に基づいて処理が行われることとなる。ここで、当該黒画像の書き込み動作(黒画像駆動)は、実施例1において説明した通りであるため、説明を省略する。
一方、ステップS1152において、画像信号判断部20によって明るさを優先するモードであると判断された場合には、処理はステップS1156に移行する。ステップS1156では、画像信号処理部100は、画像上書き駆動の設定を行う。ステップS1156における画像上書き駆動は実施例2に係る動作であり、詳細については後述する。ステップS1156で、画像上書き駆動の設定が行われると処理はステップS560に移行する。なお、以降の処理は実施例1に係る画像投射処理と同様であるが、ステップS590において、ステップS1154で設定された画像上書き駆動に基づいて処理が行われることとなる。
ここで、図12を参照して、画像上書き駆動の動作について説明する。図12は、本実施例に係る画像上書き駆動による4点2フレーム画素シフト動作に関する画像信号のフレームデータと画素シフトとパネル駆動のタイミングの一例を示す。図12の(a)は、表示パネルの線順次駆動を示す。なお、図12の(b)及び(c)に示す画素シフト駆動、並びに図12の(d)に示す入力画像のフレームの動作は、実施例1に係る動作と同様であるため。説明を省略する。
画像上書き駆動では、線順次駆動方式における1つの画像データの書き込みを行う際の書き込み時間及び待ち時間において、待ち時間中に同じ画像を上書きする。例えば、投射装置10は、入力画像のフレームデータF1の第1の画像データの書き込み終了後、再び第1の画像データの書き込みを行う。第1の画像データを240Hzで2回書き込んだ後には、投射装置10は、実施例1と同様に斜め画素シフトにより、第1の位置から第4の位置へ投射位置をシフトし、第4の画像データの書き込みを行う。この場合も、投射装置10は、第4の画像データの書き込み終了後、再び第4の画像データの書き込みを行う。以降、同様に、第2の画像データの書き込みを2回、第3の画像データの書き込みを2回行い、同様の動作を繰り返す。このように、待ち時間中に画像上書き駆動を行うことにより、実施例1の黒画像書き込みに比べ、投射画像が50%明るくなり、解像度を向上させつつ、明るさを維持することができる。なお、本実施例では、4点2フレーム画素シフト動作について述べたが、4点1フレーム画素シフト動作についても同様に処理を行うことで、同様の効果を奏することができる。
上記のように、本実施例に係る線順次駆動では、光変調素子の一例として機能する光変調部60の表示パネルにおける最初に駆動される行と最後に駆動される行の投射時間を合わせるための時間(待ち時間)において、書き込みを行った画像の書き込みを再度行う。このような構成によれば、表示パネルの線順次駆動方式における待ち時間において、画像上書き駆動を行うことにより、投射画像の明るさを維持して、解像度を向上させることができる。
(実施例3)
次に、図13乃至図14(b)を参照して、本発明の実施例3に係る投射装置について説明する。本実施例と実施例2との違いは、画素シフトの駆動タイミングであり、実施例2と同様の動作であるその他の動作については説明を省略する。また、本実施例に係る投射装置の構成は、実施例1及び2に係る投射装置10の構成と同様であるため、同じ参照符号を用いて説明を省略する。
図13は、本実施例に係る画像上書き駆動による4点2フレーム画素シフト動作に関する画像信号のフレームデータと画素シフトとパネル駆動のタイミングの一例を示す。図13の(b)及び(c)は画素シフト駆動のタイミングを示す。なお、図13の(a)に示す表示パネルの線順次駆動、及び図13の(d)に示す入力画像のフレームの動作は、実施例2に係る動作と同様であるため、説明を省略する。
本実施例に係る画像上書き駆動では、図13の(b)及び(c)に示すように、図13の(a)に示す書き込み時間における表示パネルの画素の縦方向の中央部での書き込みの際に、画素シフトの駆動を行う。ここで、中央部とは、厳密に縦方向の中央である必要はなく、中央の付近であればよい。本実施例に係る画素シフトでは、投射装置10は、例えば、入力画像のフレームデータF1の第4の画像データを表示パネルに書き込み、縦方向の中央部で画素シフトにより第1の位置から第4の位置へシフトさせる。より具体的には、図13の(b)及び(c)に示すように、表示パネルの縦方向の中央部で第4の画像データの書き込みを行っている際に、シフト-YをOFFし、シフト-XをONする駆動を行う。
この場合、当該画素シフトの駆動前は、投射位置は第1の位置であるが、表示パネルに第4の画像データの書き込みが行われているため、第1の位置において本来の第1の画像データに対して不要な第4の画像データが混ざってしまう。また、画素シフトの駆動を表示パネルの縦方向の中央部で行うと、第4の位置で第4の画像データが投射され、画素シフト位置に対して正しい画素データが投射される。一方、画素シフト後の表示パネルの下側では、画素シフトにより第4の位置で第1の画像データが投射されるため、本来は第4の画像データが投射されるべき所に不要な第1の画像データが混ざってしまう。しかしながら、不要な画像が混ざる比率は、投射画像の中央部でゼロとなり、上端と下端で最大となるが、それぞれ1/4となり、不要な画像の混入による投射画像のぼけを抑制することができる。
以降も同様に、投射装置10は、入力画像のフレームデータF2の第2の画像データを表示パネルに書き込み、縦方向の中央部で画素シフトにより第4の位置から第2の位置へ投射位置をシフトさせる。次に、投射装置10は、第3の画像データを表示パネルに書き込み、縦方向の中央部で画素シフトにより第2の位置から第3の位置へ投射位置をシフトさせる。次に、投射装置10は、入力画像のフレームデータF3の第1の画像データを表示パネルに書き込み、縦方向の中央部で画素シフトにより第3の位置から第1の位置へ投射位置をシフトさせ、以降、動作を繰り返す。
ここで、図14(a)及び図14(b)を参照して、この画素シフトの駆動タイミングによる効果を説明する。図14(a)は、実施例2に係る画素シフト駆動タイミングによる投射画像の一例を示す。当該例では、不要な画像の混入比率が最大で0.5となる。実施例2の画素シフト駆動タイミングでは、不要な画像の混入比率が、投射画像の上端ではゼロとなり、中央部で0.25、下端で最大の0.5となる。
一方、図14(b)は、本実施例に係る画素シフト駆動タイミングによる投射画像の一例を示す。当該例では、不要な画像の混入比率が最大で0.25となる。本実施例の画素シフト駆動タイミングでは、不要な画像の混入比率が投射画像の中央部でゼロとなり、上端と下端で最大の0.25となる。
図14(a)に示す例では、放射線状の模様に斑模様が加わり、やや不鮮明な画像となっている。それに対し、図14(b)に示す例では、放射線状の模様が明確であり、不要な画像の混入による画像のぼけ等も感じられない。なお、中央部の画像では、不要な画像の混入はゼロとなり、図8(c)に示す画像と同様な明確な放射線状の模様と中心の渦巻き模様となる。
上記のように、本実施例に係る画像上書き駆動では、画素シフト部70は、光変調素子の一例として機能する光変調部60の表示パネルの所定の画素が駆動されるタイミングで投射位置をシフトする。特に、当該所定の画素は、表示パネルに含まれる縦と横に配置された複数の画素の縦方向の中央部の画素である。このような構成によれば、画素シフトの駆動を表示パネルの画素の縦方向の中央部の書き込み時に行うことにより、不要な画像の混入を投射画像の中央部でゼロとすることができ、解像度を向上させることができる。また、投射画像の上端と下端での混入を最大で1/4とすることができ、不要な画像の混入による投射画像のぼけを抑制して解像度を向上させることができる。
なお、本実施例では、画像上書き駆動による4点2フレーム画素シフト動作について述べたが、4点1フレーム画素シフト動作についても同様に処理を行うことで、同様の効果を奏することができる。
上記実施例1乃至3では、画素シフトの方式として平行平板71の傾きを制御して画素をずらす方式を想定して説明した。しかしながら、画素シフトの方式は、これに限定されず、表示パネル自体を半画素ずらすことによる方式や、複屈折素子を用いて光軸をずらす方式など他の画素シフト方式を採用してもよい。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上、実施例を参照して本発明について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。本発明の趣旨に反しない範囲で変更された発明、及び本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、上述の各実施例及び変形例は、本発明の趣旨に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
10:投射装置(画像投射装置)、60:光変調部(光変調素子)、70:画素シフト部

Claims (10)

  1. 画像光を投射して投射画像を表示する画像投射装置であって、
    線順次駆動により、入力画像に基づいて光を変調して前記画像光を生成する光変調素子と、
    前記画像光の光路を変更することにより、前記投射画像が投射される投射位置をシフトさせるシフト部と、
    を備え、
    前記シフト部は、前記入力画像を分割して得た第1の画像データ、第2の画像データ、第3の画像データ及び第4の画像データにそれぞれ対応する投射画像の前記投射位置を、各画像データに対応する第1の位置、第2の位置、第3の位置、及び第4の位置のそれぞれにシフトさせ、
    前記投射位置のシフトは、前記第1の位置、前記第2の位置、前記第3の位置、及び前記第4の位置における対角上の位置への斜めシフトを2回含み1巡する、画像投射装置。
  2. 前記入力画像のフレームレートが、前記光変調素子の駆動周波数の1/8より大きい場合には、前記シフト部は、前記入力画像のフレームの2周期に対して前記投射位置のシフトを1巡行い、
    前記入力画像のフレームレートが、前記光変調素子の駆動周波数の1/8以下である場合には、前記シフト部は、前記入力画像のフレームの1周期に対して前記投射位置のシフトを1巡行う、請求項1に記載の画像投射装置。
  3. 前記光変調素子は縦と横に配置された複数の画素を含み、
    前記第1の画像データ、前記第2の画像データ、前記第3の画像データ、及び前記第4の画像データのそれぞれにおける1画素のデータは、前記複数の画素における1画素の1/4の画素サイズのデータに相当し、
    前記第1の位置、前記第2の位置、前記第3の位置、及び前記第4の位置は、前記複数の画素における1画素を4分割した各位置に相当する、請求項1又は2に記載の画像投射装置。
  4. 前記複数の画素における1画素を4分割した各位置に対し、該1画素の左上の位置を前記第1の位置とし、前記第1の位置の右側の位置を前記第2の位置とし、前記第1の位置の下側の位置を前記第3の位置とし、前記第1の位置の右下側の位置を前記第4の位置とした場合、前記第1の画像データに対応する投射画像が前記第1の位置に投射され、前記第2の画像データに対応する投射画像が前記第2の位置に投射され、前記第3の画像データに対応する投射画像が前記第3の位置に投射され、前記第4の画像データに対応する投射画像が前記第4の位置に投射される、請求項3に記載の画像投射装置。
  5. 前記対角上の位置への斜めシフトは、前記第1の位置と前記第4の位置の間のシフト、及び前記第2の位置と前記第3の位置の間のシフトを含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像投射装置。
  6. 前記線順次駆動では、光変調素子における最初に駆動される行と最後に駆動される行の投射時間を合わせるための時間において、黒画像及び書き込みを行った画像のうち一方の書き込みを行う、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像投射装置。
  7. 前記シフト部は、前記光変調素子の所定の画素が駆動されるタイミングで前記投射位置をシフトする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像投射装置。
  8. 前記所定の画素は、前記光変調素子に含まれる縦と横に配置された複数の画素の縦方向の中央部の画素である、請求項7に記載の画像投射装置。
  9. 画像光を投射して投射画像を表示する画像投射装置の制御方法であって、
    光変調素子の線順次駆動により、入力画像に基づいて光を変調して前記画像光を生成することと、
    前記画像光の光路を変更することにより、前記投射画像が投射される投射位置をシフトさせることと、
    を含み、
    前記投射位置をシフトさせることは、前記入力画像を分割して得た第1の画像データ、第2の画像データ、第3の画像データ及び第4の画像データにそれぞれ対応する投射画像の前記投射位置を、各画像データに対応する第1の位置、第2の位置、第3の位置、及び第4の位置のそれぞれにシフトさせることを含み、
    前記投射位置のシフトは、前記第1の位置、前記第2の位置、前記第3の位置、及び前記第4の位置における対角上の位置への斜めシフトを2回含み1巡する、画像投射装置の制御方法。
  10. コンピュータによって実行されると、該コンピュータに請求項9に記載の画像投射装置の制御方法を実行させる、プログラム。
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