JP2012181479A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像の描画を阻害せず、水平走査用ミラーの振れ角を精度良く検知することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、描画用レーザー光を射出する描画用光源ユニットと、描画用レーザー光を投影面に対して第1方向に走査するアクチュエーター41と、アクチュエーター41によって走査された描画用レーザー光LLを第2方向に走査するガルバノミラーと、第1方向走査部が有する光反射面の振れ角を検出する検出手段とを有している。検出手段は、描画用レーザー光とは異なる光路でアクチュエーター41の第1光反射面418に向けて検出用レーザー光LL’を射出する検出用光源ユニット51と、アクチュエーター41の第1光反射面418が所定の振れ角のときに第1光反射面418によって反射された検出用レーザー光LL’を受光する受光素子52とを有している。
【選択図】図4
【解決手段】画像形成装置1は、描画用レーザー光を射出する描画用光源ユニットと、描画用レーザー光を投影面に対して第1方向に走査するアクチュエーター41と、アクチュエーター41によって走査された描画用レーザー光LLを第2方向に走査するガルバノミラーと、第1方向走査部が有する光反射面の振れ角を検出する検出手段とを有している。検出手段は、描画用レーザー光とは異なる光路でアクチュエーター41の第1光反射面418に向けて検出用レーザー光LL’を射出する検出用光源ユニット51と、アクチュエーター41の第1光反射面418が所定の振れ角のときに第1光反射面418によって反射された検出用レーザー光LL’を受光する受光素子52とを有している。
【選択図】図4
Description
本発明は、画像形成装置に関するものである。
2ミラータイプ(例えば、共振を利用した水平走査用ミラーとガルバノミラー等の垂直走査用ミラーの2つのミラーで描画するタイプ)のスキャンプロジェクターが広く用いられている。このスキャンプロジェクターは、光射出部から射出した光を、投影面に対し、水平方向に走査(水平走査:主走査)するとともに、この水平方向の走査速度よりも遅い走査速度で垂直方向に走査(垂直走査:副走査)する。これにより、スキャンプロジェクターは2次元的に光を走査し投影面上に画像(映像)を描画するよう構成されている。水平走査用ミラーの回動中心軸を中心とする振れ角(振幅)は、一定である。
このようなスキャンプロジェクターでは、投影面上に画像を描画する際、その投影面までの光路差に起因する歪み、例えば、投影面上に描画された画像の上側と下側とで、横方向(水平方向)の長さが異なる「台形歪み」と呼ばれる歪みが発生する。このため、画像を補正する制御が必要となる。
前記台形歪みを補正する手段として、水平走査用ミラーの回動中心軸を中心とする振れ角(振幅)を可変にし、徐々に変化させる手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、特許文献1のスキャンプロジェクターでは投影面に対し光を走査する際、その光が走査される投影面上の垂直方向の位置がスキャンプロジェクターから遠いほど、水平走査用ミラーの振れ角を小さくし、画像の台形歪みを防止している。
ここで、前述したような補正を行う場合、水平走査用ミラーの振れ角を検知する検知手段が必要となる。従来では、この検知手段として投影面上の所定位置にフォトダイオードを設置し、このフォトダイオードが光射出部から射出された光を受光することにより、水平走査用ミラーの振れ角を検知していた。しかしながら、このような方法では、画像が描画される領域にフォトダイオードを設置しなければならず、フォトダイオードが画像の描画を阻害する問題がある。また、描画する画像によっては、フォトダイオードに相当する画素へは光を射出しない場合もあり、この場合には、フォトダイオードが光を受光できず、水平走査用ミラーの振れ角を検知できない問題もある。
そこで、画像の描画を阻害せず、水平走査用ミラーの振れ角を精度よく検知することのできる画像形成装置が求められていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる画像形成装置は、投影面に描画用レーザー光を走査して画像を描画する画像形成装置であって、前記描画用レーザー光を射出する描画用光射出部と、第1方向に回動可能な第1光反射面を有し、前記描画用光射出部から射出された前記描画用レーザー光を前記投影面に対して前記第1方向に走査する第1方向走査部と、前記第1方向と交差する第2方向に回動可能な第2光反射面を有し、前記第1方向走査部によって前記第1方向に走査された前記描画用レーザー光を前記投影面に対して前記第2方向に走査する第2方向走査部と、前記第1方向走査部が有する前記第1光反射面の振れ角を検出する検出手段と、を有し、前記検出手段は、前記描画用レーザー光の光路とは異なる光路で前記第1光反射面に向けて検出用レーザー光を射出する検出用光射出部と、前記第1方向走査部の前記第1光反射面が所定の振れ角のときに前記第1光反射面によって反射された前記検出用レーザー光を受光する受光素子と、を有し、前記受光素子が前記検出用レーザー光を受光するタイミングに基づいて前記第1光反射面の振れ角を検知することを特徴とする。
本適用例によれば、画像形成装置は投影面に対して描画用レーザー光を走査して画像を描画している。画像形成装置は描画用光射出部、第1方向走査部、第2方向走査部、検出手段を備えている。描画用光射出部は描画用レーザー光を射出する。第1方向走査部は第1光反射面を第1方向に回動して描画用レーザー光を投影面に対して第1方向に走査する。第2方向走査部は第2光反射面を回動して第1方向に走査された描画用レーザー光を第1方向と交差する第2方向に走査する。
検出手段は第1光反射面の振れ角を検出する。検出手段は検出用光射出部及び受光素子を備えている。検出用光射出部は描画用レーザー光の光路とは異なる光路で検出用レーザー光を射出する。受光素子は第1光反射面によって反射された検出用レーザー光を受光する。従って、受光素子が検出用レーザー光を受光するタイミングに基づいて第1方向走査部の第1光反射面の振れ角を検知することができる。
このとき、検出手段は描画用レーザー光に影響を与えることがない。その結果、描画用レーザー光による画像の描画を阻害せずに第1光反射面の振れ角を精度よく検知することができる。
[適用例2]上記適用例に記載の画像形成装置は、前記投影面上での前記描画用レーザー光の前記第1方向の振れ幅が前記第2方向に沿って一定になるように前記第1方向走査部が前記第1光反射面の振れ角を調整することが好ましい。
本適用例によれば、第1方向走査部が第1光反射面の振れ角を調整している。そして、投影面上での描画用レーザー光の第1方向の振れ幅が第2方向に沿って一定にしている。従って、画像の台形歪みを防止することができ、第2方向の輝度のばらつきをなくすことができる。
[適用例3]上記適用例に記載の画像形成装置では、前記検出手段は、前記第1方向走査部と前記受光素子との間に、入射した前記検出用レーザー光を少なくとも1回反射した後射出するプリズムを有することが好ましい。
本適用例によれば、第1方向走査部と受光素子との間にプリズムを備えている。これにより、画像形成装置の大型化を伴わずに検出用レーザー光の光路を長くすることができる。さらに、プリズムへの入射前よりも検出用レーザー光の偏角を大きくすることができる。そのため、受光素子付近での検出用レーザー光の走査距離を長くすることができる。これにより、受光素子付近での検出用レーザー光の走査速度を高めることができる為、受光素子が検出用レーザー光を受光する時間を短くすることができる。その結果、第1光反射面の振れ角の検出をより精度よく行うことができる。
[適用例4]上記適用例に記載の画像形成装置では、前記プリズムは、前記描画用レーザー光の光路と重ならないように設けられていることが好ましい。
本適用例によれば、プリズムは描画用レーザー光と重ならない場所に設置されている。従って、描画用レーザー光がプリズムを通過することがない為、描画用レーザー光による投影面への走査をプリズムが阻害することを防止することができる。
[適用例5]上記適用例に記載の画像形成装置では、前記検出用レーザー光及び前記描画用レーザー光の前記第1光反射面における光路は、前記第1光反射面の平面視にて、互いに交差することが好ましい。
本適用例によれば、検出用レーザー光及び描画用レーザー光の第1光反射面における光路は、第1光反射面の平面視にて互いに交差している。検出用レーザー光及び描画用レーザー光が平行のときには、検出用光射出部及び描画用光射出部を並べる配置となるので、検出用光射出部及び描画用光射出部の配置の自由度が小さくなる。これに比べて、本適用例では検出用光射出部及び描画用光射出部を配置する自由度を大きくすることができる。従って、画像形成装置の小型化を図ることができる。
[適用例6]上記適用例に記載の画像形成装置では、前記検出手段は、前記プリズムと前記受光素子との間に設けられ前記描画用レーザー光を遮断するとともに前記検出用レーザー光を透過するスリットを有することが好ましい。
本適用例によれば、スリットは検出用レーザー光のみを透過し描画用レーザー光を遮断する。従って、描画用レーザー光に起因する迷光の影響を抑えられる為、検出手段の検知精度をより向上させることができる。
[適用例7]上記適用例に記載の画像形成装置では、前記第1方向走査部は、回動可能に設けられ前記第1光反射面を有する可動板と、前記可動板を回動可能に支持する支持部と、前記可動板と前記支持部とを連結する連結部と、前記可動板を回動させる駆動手段とを備えることが好ましい。
本適用例によれば、第1方向走査部は可動板と支持部と連結部と駆動手段とを備えている。従って、第1光反射面を回動させる要素を総て備えている為、一体で製作することが可能となる。その結果、第1方向走査部の構成を簡単な構成とすることができる。
以下、本発明の画像形成装置の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。尚、本実施形態では、代表的に、第1方向を「水平方向」、第2方向を「垂直方向」として説明を行う。また、以下の各図においては、各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
<第1実施形態>
まず、画像形成装置について説明する。図1は、画像形成装置の構成を示す模式図であり、図2は、画像形成装置のアクチュエーターを示す概略斜視図である。図3は、画像形成装置のガルバノミラーを示すブロック図であり、図4及び図5は、検出手段を説明するための模式図である。図6は、画像形成装置の構成を示すブロック図である。また、図7は、画像形成装置の動作を説明するための模式図であり、図7(a)は、側面図、図7(b)は、正面図である。また、図8は、画像形成装置の作動中のアクチュエーターの可動板の振れ角の経時的変化を示すグラフであり、図9は、画像形成装置の作動中のガルバノミラーのミラーの角度の経時的変化を示すグラフである。尚、以下では、説明の便宜上、図2、図7中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
まず、画像形成装置について説明する。図1は、画像形成装置の構成を示す模式図であり、図2は、画像形成装置のアクチュエーターを示す概略斜視図である。図3は、画像形成装置のガルバノミラーを示すブロック図であり、図4及び図5は、検出手段を説明するための模式図である。図6は、画像形成装置の構成を示すブロック図である。また、図7は、画像形成装置の動作を説明するための模式図であり、図7(a)は、側面図、図7(b)は、正面図である。また、図8は、画像形成装置の作動中のアクチュエーターの可動板の振れ角の経時的変化を示すグラフであり、図9は、画像形成装置の作動中のガルバノミラーのミラーの角度の経時的変化を示すグラフである。尚、以下では、説明の便宜上、図2、図7中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
図1に示すように、画像形成装置1は、スクリーン100(投射対象物)上に光を走査して画像を形成する装置である。スクリーン100の画像形成装置1側の表面は、画像形成装置1によって光が走査される光走査面、すなわち投影面101を構成している。この投影面101には画像形成装置1により光が走査されることにより静止画や動画等の所定の画像が描画される。スクリーン100の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、アクリル系樹脂、ABS樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
画像形成装置1は、描画用レーザー光LLを射出する描画用光源ユニット2(描画用光射出部)と、描画用光源ユニット2から射出した描画用レーザー光LLを走査する光走査部4と、光走査部4が有する第1方向走査部としてのアクチュエーター41の振れ角を検出する検出手段5と、描画用光源ユニット2及び光走査部4の作動を制御する作動制御装置6(制御手段)とを有している。
図1に示すように、描画用光源ユニット2は、各色のレーザー光源21r、21g、21bと、各色のレーザー光源21r、21g、21bに対応して設けられたコリメーターレンズ22r、22g、22b及びダイクロイックミラー23r、23g、23bとを備えている。
また、図6に示すように、赤、緑、青色の各色のレーザー光源21r、21g、21bは、それぞれ、駆動回路210r、210g、210bと、赤色の光源220r、緑色の光源220g、青色の光源220bとを有しており、赤色、緑色及び青色のレーザー光RR、GG、BBを射出する。図1に戻って、レーザー光RR、GG、BBは、それぞれ、作動制御装置6から送信される駆動信号に対応して射出され、コリメーターレンズ22r、22g、22bによって平行化されて細いビームに形成される。
ダイクロイックミラー23r、23g、23bは、それぞれ、赤色レーザー光RR、緑色レーザー光GG、青色レーザー光BBを反射する特性を有しており、各色のレーザー光RR、GG、BBを結合して1つの描画用レーザー光LLを射出する。
尚、コリメーターレンズ22r、22g、22bに代えてコリメーターミラーを用いることができる。この場合も、平行光束の細いビームを形成することができる。また、各色のレーザー光源21r、21g、21bから平行光束が射出される場合、コリメーターレンズ22r、22g、22bは、省略することができる。さらに、レーザー光源21r、21g、21bについては、同様の光束を発生する発光ダイオード等の光源に置換することができる。
光走査部4は、描画用光源ユニット2から射出した描画用レーザー光LLをスクリーン100の投影面101に対し、水平方向101a(第1方向)に走査(水平走査:主走査)するとともに、水平方向101aの走査速度よりも遅い走査速度で垂直方向101b(第1方向に直交する第2方向)に走査(垂直走査:副走査)する。これにより光走査部4は2次元的に描画用レーザー光LLを走査する機能を有している。
この光走査部4は、描画用光源ユニット2から射出した描画用レーザー光LLを投影面101に対し、水平方向101aに走査する水平走査用ミラー(第1方向走査部)であるアクチュエーター41を有している。さらに、光走査部4は、アクチュエーター41によって走査された描画用レーザー光LLを投影面101に対し、垂直方向101bに走査する垂直走査用ミラーである第2方向走査部としてのガルバノミラー42を有している。さらに、光走査部4は、ガルバノミラー42の後述するミラー421の角度を検出する角度検出手段43を有している。
図2に示すように、アクチュエーター41は、共振駆動される形態のもの(共振を利用したもの)である。このようなアクチュエーター41は1自由度振動系であり、基体411と、基体411の下面に対向するよう設けられた対向基板413と、基体411と対向基板413との間に設けられたスペーサー部材412とを有している。
基体411は、可動板411aと、可動板411aを回動可能に支持する支持部411bと、可動板411aと支持部411bとを連結する一対の連結部411c、411dとを有している。可動板411aの上面には、光反射性を有する光反射部411eが設けられている。そして、この光反射部411eの表面が第1光反射面418を構成している。この光反射部411eは、例えば、Al、Ni等の金属膜で構成することができる。また、可動板411aの下面には、永久磁石414が設けられている。
支持部411bは、可動板411aの平面視にて、可動板411aの外周を囲むように設けられている。すなわち、支持部411bは、枠状をなしていて、その内側に可動板411aが位置している。連結部411cは、可動板411aの左側にて、可動板411aと支持部411bとを連結し、連結部411dは、可動板411aの右側にて、可動板411aと支持部411bとを連結している。連結部411c、411dは、それぞれ、角柱形状をなし、弾性変形可能である。このような一対の連結部411c、411dは、互いに同軸に沿って設けられており、この軸(以下「第1回動中心軸J」と言う)を回動中心として、可動板411aが支持部411bに対して回動する。
このような基体411は、例えば、シリコンを主材料として構成されていて、可動板411aと支持部411bと連結部411c、411dとが一体的に形成されている。このように、シリコンを主材料とすることにより、優れた回動特性を実現できるとともに、優れた耐久性を発揮することができる。また、微細な処理が可能であり、アクチュエーター41の小型化を図ることができる。
スペーサー部材412は枠状をなしており、その上面が基体411の下面と接合している。また、スペーサー部材412は、可動板411aの平面視にて、支持部411bの形状とほぼ等しくなっている。このようなスペーサー部材412は、例えば、各種ガラス、各種セラミックス、シリコン、SiO2等で構成することができる。尚、スペーサー部材412と基体411との接合方法としては、特に限定されず、例えば、接着剤等の別部材を介して接合してもよいし、スペーサー部材412の構成材料等によっては陽極接合等を用いてもよい。
対向基板413は、スペーサー部材412と同様に、例えば、各種ガラス、シリコン、SiO2等で構成されている。このような対向基板413の上面であって、可動板411aと対向する部位には、コイル415が設けられている。
可動板411aの下面に設けられた永久磁石414は、板棒状をなしている。また、永久磁石414は、可動板411aの平面視にて、第1回動中心軸Jに対して直交する方向に磁化(着磁)されている。すなわち、永久磁石414は、両極(S極、N極)を結んだ線分が第1回動中心軸Jに対して直交するよう設けられている。このような永久磁石414としては、特に限定されず、例えば、ネオジム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石等を用いることができる。コイル415は、可動板411aの平面視にて、永久磁石414の外周を囲むように設けられている。
また、アクチュエーター41は、コイル415に電圧を印加する電圧印加手段を有している。電圧印加手段は、印加する電圧の電圧値や周波数等の各条件を調整し得るように構成されている。コイル415及び永久磁石414により、可動板411aを回動させる駆動手段417が構成される。
コイル415には、作動制御装置6の制御により、電圧印加手段から所定の電圧が印加され、所定の電流が流れる。例えば、作動制御装置6の制御により、電圧印加手段からコイル415に交番電圧を印加すると、それに応じて電流が流れ、可動板411aの厚さ方向の磁界が発生し、かつ、その磁界の向きが周期的に切り換わる。この磁界と永久磁石414とが作用することにより、連結部411c、411dを捩り変形させながら、可動板411aが第1回動中心軸Jまわりに回動する。
また、作動制御装置6の制御により、電圧印加手段からコイル415に印加する電圧を調整することにより、流れる電流を調整することができる。これにより、可動板411aの第1回動中心軸Jを中心とする振れ角(振幅)を調整することができる。尚、振れ角は、可動板411aが時計回りに回動して静止したときから、それに続いて反時計回りに回動して静止するときまでの角度のうち最大となる角度を示す。
以上、アクチュエーター41の構成について説明したが、アクチュエーター41の構成としては、可動板411aを回動させることができれば特に限定されず、例えば、駆動方式については、コイル415と永久磁石414とを用いた電磁駆動に代えて、例えば、圧電素子を用いた圧電駆動や静電引力を用いた静電駆動としてもよい。
図3に示すように、垂直走査用ミラーであるガルバノミラー42は、第2回動中心軸Jaを中心に回動可能に設けられたミラー421と、ミラー421を回動させるモーター422及びモーター422の駆動回路423を有する駆動手段424とを備えている。そして、ミラー421の表面には描画用レーザー光LLを反射する第2光反射面425を有している。ガルバノミラー42は、駆動回路423によりモーター422が正転と反転とを交互に繰り返す。これにより、ミラー421が第2回動中心軸Jaまわりに回動する。
ガルバノミラー42の第2回動中心軸Jaにはエンコーダー431が設置されている。角度検出手段43はエンコーダー431から送出される信号を受信する。そして、角度検出手段43は、受信した信号に含まれる情報に基づいてミラー421の角度を求める角度検知部432を有している。以上のように角度検出手段43はガルバノミラー42のミラー421の角度を検出する。
駆動手段424の作動によりミラー421が回動すると、それに応じて、エンコーダー431から角度検知部432に信号が送信される。角度検知部432は、エンコーダー431から送信される信号に含まれる情報に基づいてミラー421の角度を求める。このミラー421の角度の情報を含む信号は角度検知部432から作動制御装置6に送信される。
尚、前記検出するミラー421の角度は、ガルバノミラー42のいずれの状態のときを基準(角度が0°)としたときの角度に設定してもよい。また、ミラー421の角度の検出は、リアルタイムで行ってもよく、間欠的に行ってもよい。また、角度検出手段43としては、ミラー421の角度を検出することができれば、本実施形態のようなエンコーダーを用いたものに限定されない。
図1に示すように、アクチュエーター41とガルバノミラー42とは、互いの第1回動中心軸Jと第2回動中心軸Jaが直交するように設けられている。アクチュエーター41と、ガルバノミラー42とをこのように設けることにより、投影面101に対し、描画用光源ユニット2から射出した描画用レーザー光LLを2次元的に走査することができる。
具体的には、描画用光源ユニット2から射出した描画用レーザー光LLは、アクチュエーター41の可動板411aで反射し、次いで、ガルバノミラー42のミラー421で反射し、スクリーン100の投影面101に投射される。この際、光反射部411eを回動させるとともに、その角速度よりも遅い角速度でミラー421を回動させる。これにより、描画用光源ユニット2から射出した描画用レーザー光LLは、投影面101に対し水平方向101aに走査されるとともに、その水平方向101aの走査速度よりも遅い走査速度で垂直方向101bに走査される。これにより、描画用レーザー光LLは、投影面101に対して2次元的に走査され、投影面101に2次元画像が描画される。
検出手段5は、アクチュエーター41の可動板411aの振れ角を検出する機能を有している。尚、可動板411aの振れ角を検出することは第1光反射面418の振れ角を検出することと同じこととなる。図4に示すように、この検出手段5は、検出用レーザー光LL’を射出する検出用光射出部としての検出用光源ユニット51と、検出用レーザー光LL’を受光する受光素子52と、受光素子52から送信される情報に基づいて可動板411aの振れ角を検出する検知部55と、検出用レーザー光LL’の光路上に設けられたプリズム53及びスリット54とを有している。以下、これら各部位について順次説明する。
検出用光源ユニット51は、レーザー光源511と、レーザー光源511に対応して設けられたコリメーターレンズ514とを備えている。レーザー光源511は、駆動回路512と光源513とを有しており、例えば、赤外のレーザー光IRを射出する。赤外のレーザー光IRは、作動制御装置6から送信される駆動信号に対応して射出され、コリメーターレンズ514によって平行化されて細いビーム状の検出用レーザー光LL’となる。そして、検出用光源ユニット51から射出した検出用レーザー光LL’は、アクチュエーター41の第1光反射面418にて反射し光反射部411eによって走査される。
検出用光源ユニット51は、描画用光源ユニット2と異なる位置に設けられている。そして、検出用光源ユニット51から射出した検出用レーザー光LL’の光路と描画用光源ユニット2から射出した描画用レーザー光LLのアクチュエーター41までの光路が互いに異なる光路となっている。これにより、検出用レーザー光LL’が、アクチュエーター41の光反射部411eによって走査された後、ガルバノミラー42によって走査されることがない。すなわち、光反射部411eによって走査された後は、描画用レーザー光LLと検出用レーザー光LL’との光路が大きく異なることとなる。
図5に示すように、可動板411aが非駆動時の平面視にて、検出用レーザー光LL’と描画用レーザー光LLのアクチュエーター41までの光路がほぼ直交している。このような配置とすることにより、アクチュエーター41近傍に、検出用光源ユニット51及び描画用光源ユニット2の設置スペースを確保することができるため、画像形成装置1の小型化を図ることができる。
このように、検出用レーザー光LL’がガルバノミラー42によって走査されることがないように構成することにより、プリズム53、スリット54及び受光素子52の配置の自由度が高まる。また、検出用レーザー光LL’が投影面101に投射されることにより発生する表示画像の質の低下を防止することもできる。ただし、検出用レーザー光LL’として実質的に視認することができない非可視の波長帯域である赤外のレーザー光を用いているため、仮に検出用レーザー光LL’がガルバノミラー42で走査され投影面101に投射されたとしても、表示画像に悪影響を与えることはない。
図4に戻って、プリズム53は、アクチュエーター41によって走査された検出用レーザー光LL’の光路上に配置されている。また、プリズム53は、アクチュエーター41によって走査された描画用レーザー光LLの光路と重ならないように配置されている。これにより、描画用レーザー光LLの投影面101への走査を阻害することがない。
このプリズム53は、ガラスや水晶で構成された実質的に無色透明な多面体である。プリズム53の入射面から入射した検出用レーザー光LL’は、プリズム53内にて複数回全反射した後、射出面53aから射出する。プリズム53内にて検出用レーザー光LL’が反射する面を反射面53bとする。このようなプリズム53を通過させることにより、画像形成装置1の大型化を伴わずに検出用レーザー光LL’の光路を長くすることができる。さらに、入射前よりも検出用レーザー光LL’の偏角を大きくすることができる。そのため、受光素子52付近での検出用レーザー光LL’の走査距離を長くすることができる。その結果、受光素子52付近での、検出用レーザー光LL’の走査速度を高めることができ、受光素子52が検出用レーザー光LL’を受光する時間を短くすることができるため、可動板411aの振れ角の検出をより精度よく行うことができる。
プリズム53の射出面53aと受光素子52との間にはスリット54が配置されている。スリット54は検出用レーザー光LL’のみを透過する機能を有している。前述したように、描画用光源ユニット2から射出した描画用レーザー光LLはアクチュエーター41及びガルバノミラー42によって走査されるように構成されている。しかし、描画用レーザー光LLの一部が光反射部411eやミラー421によって反射されずに、または、光反射部411eやミラー421以外の部位で反射されて迷光として受光素子52に到達するおそれがある。このような迷光が受光素子52に到達し、受光素子52が受光してしまうと可動板411aの振れ角の誤認が生じ、検出精度が低下する。そのため、スリット54を用いて迷光が受光素子52に到達するのを防止することで、前述のような振れ角の誤認を防止し、検出精度をより高めることができる。
受光素子52は、例えばフォトダイオードであり、検出用レーザー光LL’を受光するとそれに応じた信号を発生する。受光素子52は、スリット54に対して検出用レーザー光LL’の光路の下流側に設けられており、可動板411aが所定の振れ角(姿勢)のときに光反射部411eで反射された検出用レーザー光LL’を受光する。
検知部55は、受光素子52から送信される信号に基づいて可動板411aの角度及び振れ角を検知する。具体的には、検知部55は、検出用レーザー光LL’が受光素子52によって受光されるタイミング、すなわちn回目に受光した時刻とn+1回目に受光した時刻の差から可動板411aの振れ角を検知する。そして、検知部55によって検知された可動板411aの角度及び振れ角に関する情報を含む信号は、作動制御装置6に送信される。
尚、可動板411aの角度は、アクチュエーター41のいずれの状態のときの角度を基準(角度が0°)として設定したときの角度を検出してもよい。例えば、アクチュエーター41の初期状態(コイル415に電圧が印加されていない状態)のときの角度を基準(角度が0°)として設定したときの角度を検出してもよい。
図6に示すように、作動制御装置6は、画像を描画する際に用いられる映像データ(画像データ)を記憶する映像データ記憶部61と、映像データ演算部62と、描画タイミング生成部63と、光源変調部64と、振れ角演算部65と、角度指示部66と、検量線を記憶する検量線記憶部67とを有している。検量線は可動板411aの振れ角とスクリーン100に描画される水平走査線の幅との関係を示すデータである。
画像形成装置1は、垂直方向101bの走査(以下、単に「垂直走査」とも言う)を往路及び復路のそれぞれで行う。画像形成装置1は、垂直走査の往路及び復路のそれぞれにおいて、水平方向101aの走査(以下、単に「水平走査」とも言う)を往路及び復路のそれぞれで行って画像を描画する。
水平走査を行うとき、作動制御装置6は可動板411aの第1回動中心軸Jを中心とする振れ角の調整を行う。そして、作動制御装置6は、描画用光源ユニット2から描画用レーザー光LLを射出した光射出状態で投影面101上での描画用レーザー光LLの水平方向101aの振れ幅を制御する。つまり、作動制御装置6は、可動板411aの第1回動中心軸Jを中心とする振れ角の調整を行わない場合に比べて、垂直方向101bに沿って揃うように、可動板411aの振れ角を調整する。
以下、可動板411aの第1回動中心軸Jを中心とする振れ角を単に「可動板411aの振れ角」と称す。さらに、描画用レーザー光LLを射出した光射出状態を単に「光射出状態」と称す。さらに、投影面101上での描画用レーザー光LLの水平方向101aの振れ幅を「描画用レーザー光LLの振れ幅」と称す。
特に、光射出状態で描画用レーザー光LLの振れ幅が垂直方向101bに沿って一定になるように、可動板411aの振れ角を調整するよう構成されているのが好ましい。これにより、画像の台形歪みを防止することとスクリーン面における上と下の明るさのばらつきを抑えることができる。本実施形態では、代表的に、前記振れ幅が垂直方向101bに沿って一定になるように調整する場合について説明する。
尚、振れ幅とは、光射出状態で可動板411aが時計回り(所定方向)に最大角度まで回動したときの投影面101上での描画用レーザー光LLの位置と、それに続いて可動板411aが反時計回り(前記と逆方向)に最大角度まで回動したときの投影面101上での描画用レーザー光LLの位置との水平方向101aの距離を示す。すなわち、図7に示すように、振れ幅141aは、光射出状態で描画用レーザー光LLを投影面101上に2次元的に走査したときの投影面101上での描画用レーザー光LLの軌跡である複数の描画ライン141(走査ライン)のそれぞれの水平方向101aの長さである。
複数の描画ライン141は、ジグザグに描画される。各描画ライン141のうち、左側の端部及び右側の端部は、それぞれ、ミラー421の角速度(速度)が小さく、描画に適さず、このため、その左側の端部及び右側の端部を除いて、画像を描画する領域である描画領域142を設定する。尚、描画領域142は、例えば、長方形(正方形を含む)をなすように設定される。
可動板411aの振れ角が一定の場合は、光射出状態での描画用レーザー光LLの振れ幅は、ミラー421の角度に応じて変化し、描画用レーザー光LLが走査される投影面101上の垂直方向101bの位置が画像形成装置1から遠いほど長くなる。そこで、この画像形成装置1では、ミラー421の角度に応じて可動板411aの振れ角を調整する。すなわち、描画用レーザー光LLが走査される投影面101上の垂直方向101bの位置が画像形成装置1から遠いほど、可動板411aの振れ角を小さくすることにより、光射出状態での描画用レーザー光LLの振れ幅を垂直方向101bに沿って一定にする。
検量線記憶部67には、光射出状態で描画用レーザー光LLの振れ幅が垂直方向101bに沿って一定になる、投影面101に走査する描画用レーザー光LLの投影面101上の垂直方向101bの位置と、可動板411aの振れ角との関係を示すテーブルや演算式(関数)等の検量線のデータが記憶される。画像を描画する際は、その検量線のデータと投影面101に走査する描画用レーザー光LLの投影面101上の垂直方向101bの位置情報とを用いて、振れ角の目標値(目標振れ角)を演算する。尚、検量線は計算で求めることができ、予め、検量線記憶部67に記憶されている。
また、この画像形成装置1では、描画領域142において、上側から奇数番目の各描画ライン141について、隣り合う描画ライン141同士の垂直方向101bの間隔が一定になり、同様に、上側から偶数番目の各描画ライン141について、隣り合う描画ライン141同士の垂直方向101bの間隔が一定になるように、ミラー421の角度や角速度を調整するのが好ましい。これにより、画像の垂直方向101bの歪みを防止することができる。
本実施形態では、例えば、各描画ライン141の描画開始の際における描画領域142の左側の端部及び右側の端部において、それぞれ、隣り合う描画ライン141の垂直方向101bの間隔が一定になるようにミラー421の角度を調整し、ミラー421の角速度を所定の値に設定する。すなわち、各描画ライン141について、隣り合う描画開始点の垂直方向101bの間隔が一定になるようにミラー421の角度を調整し、ミラー421の角速度は、各描画ライン141毎に一定の値に設定する。尚、描画ライン141の垂直方向101bの位置が画像形成装置1から遠いほど、ミラー421の角速度は、小さく設定される。これにより、比較的簡単な制御で、画像の垂直方向101bの歪みを防止することができる。
次に、スクリーン100の投影面101上に画像を描画する際の画像形成装置1の動作について説明する。図6において、まず、作動制御装置6に映像データが入力される。入力された映像データは、映像データ記憶部61に一時的に記憶される。そして、入力された映像データは映像データ記憶部61から読み出され、その映像データを用いて画像の描画が行われる。この場合、映像データの総てが映像データ記憶部61に記憶された後に画像の描画を開始して良い。また、映像データの一部が映像データ記憶部61に記憶された後に画像の描画を開始し、その画像の描画と並行して続きの映像データを映像データ記憶部61に記憶するようにしても良い。
映像データの一部が映像データ記憶部61に記憶された後に画像の描画を開始する場合は、初めに、少なくとも1フレーム分、好ましくは、2フレーム分以上(例えば、2フレーム分)の映像データを映像データ記憶部61に記憶し、その後に画像の描画を開始する。その理由は、この画像形成装置1では、垂直走査の往路及び復路のそれぞれにおいて水平走査を行って画像を描画する。以下、垂直走査の往路及び復路のそれぞれにおいて水平走査を行って画像を描画することを単に「垂直方向101bで往復描画」とも言う。
そして、後述するように、垂直走査の往路において画像を描画する際と、垂直走査の復路において画像を描画する際とで、映像データ記憶部61からの映像データの読み出し順序を逆にする。従って、垂直走査の復路において画像の描画を開始する際、映像データを反対側から読み出すためには、少なくともその復路における画像の描画に用いる1フレーム分の映像データが映像データ記憶部61に記憶されている必要がある。このために、映像データ記憶部61は2フレーム分以上の映像データを記憶する。
描画タイミング生成部63では、描画タイミング情報及び描画ライン情報がそれぞれ生成される。描画タイミング情報は映像データ演算部62に送出され、描画ライン情報は振れ角演算部65に送出される。描画タイミング情報には描画を行うタイミングの情報等が含まれる。また、描画ライン情報には描画を行う描画ライン141の垂直方向101bの位置(ミラー421の角度)の情報等が含まれる。尚、描画ライン141のいずれの位置を前記描画ライン141の垂直方向101bの位置として設定してもよいが、例えば、左側の先端、右側の先端、中央等が挙げられる。
映像データ演算部62は描画タイミング生成部63から入力された描画タイミング情報に基づいて、映像データ記憶部61から描画する画素に対応する映像データを読み出す。そして、映像データ演算部62は各種の補正演算等を行った後各色の輝度データを光源変調部64に送出する。光源変調部64は映像データ演算部62から入力された各色の輝度データに基づいて、各駆動回路210r、210g、210bを介して各光源220r、220g、220bの変調を行う。すなわち、光源変調部64は各光源220r、220g、220bのオン/オフや、出力の調整(増減)等を行う。
検出手段5は、検出用レーザー光LL’を射出して可動板411aの角度及び振れ角を検出する。そして、検出手段5は、可動板411aの角度及び振れ角の情報を作動制御装置6の描画タイミング生成部63及び振れ角演算部65に送出する。また、角度検出手段43は、ガルバノミラー42のミラー421の角度を検出し、ミラー421の角度の情報を作動制御装置6の角度指示部66に送出する。
現在の描画ライン141の描画が終了するとき、検出手段5から可動板411aの振れ角の情報が描画タイミング生成部63に入力される。それに同期して、次に描画を行う描画ライン141の描画開始点に描画用レーザー光LLが照射されるときのミラー421の目標角度を示す目標角度情報(角度指示)を描画タイミング生成部63は角度指示部66に送出する。そのミラー421の目標角度は、隣り合う描画開始点の垂直方向101bの間隔が一定になるように設定される。角度指示部66は、角度検出手段43で検出されたミラー421の角度とミラー421の目標角度とを比較して、その差が0になるような補正を行い、ガルバノミラー42の駆動手段424に駆動データを送出する。
駆動手段424は駆動データに基づいてモーター422を駆動する。これにより、描画開始点に描画用レーザー光LLが照射されたとき、ミラー421の角度は目標角度になる。尚、各描画ライン141において、描画開始点から描画終了点まで、ミラー421の角速度を一定とし、描画用レーザー光LLの垂直方向101bの走査速度を一定としてもよく、また、ミラー421の角速度を徐々に変化させ、描画用レーザー光LLの垂直方向101bの走査速度を徐々に変化さてもよい。
また、描画タイミング生成部63は、振れ角演算部65に描画ライン情報、すなわち次に描画を行う描画ライン141の垂直方向101bの位置の情報を送出する。振れ角演算部65は検量線記憶部67から検量線のデータを読み出す。そして、振れ角演算部65は、検量線を用いて次に描画を行う描画ライン141における可動板411aの目標振れ角を求める。このとき、振れ角演算部65は描画タイミング生成部63から次に描画を行う描画ライン141の垂直方向101bの位置の情報を入力し、当該垂直方向101bの位置の情報に基づいて可動板411aの目標振れ角を求める。そして、検出手段5から入力された可動板411aの振れ角の情報と前記可動板411aの目標振れ角とに基づいて、可動板411aの振れ角が目標振れ角となるように、振れ角演算部65はアクチュエーター41の駆動手段417に駆動データを送出する。
駆動手段417は、前記駆動データに基づいてアクチュエーター41の共振周波数と同じ周波数の実効電圧をコイル415に印加して電流を流し、所定の磁界を発生させる。駆動手段417は実効電流の大きさやアクチュエーター41と駆動波形との位相差を変化させる。そして、駆動手段417はアクチュエーター41にエネルギーを供給したり、逆に、アクチュエーター41からエネルギーを奪ったりする。これにより、共振運動している可動板411aの振れ角は、目標振れ角になる。
このようにして、検出手段5により検出された可動板411aの振れ角の情報(検出結果)と目標振れ角(目標値)とに基づいて可動板411aの振れ角が目標振れ角になるようにその可動板411aの振れ角を駆動手段417が調整する。振れ角の調整と並行して描画領域142の各描画ライン141上に、順次、描画用光源ユニット2が描画用レーザー光LLを射出することにより画像形成装置1は描画用レーザー光LLを走査し、画像を描画してゆく。
また、描画タイミング生成部63は、描画を行うフレームが奇数フレームと偶数フレームとのいずれであるかの管理を行う。それにより、描画タイミング生成部63はミラー421の回動方向と映像データ記憶部61からの映像データの読み出し順序とを決定している。すなわち、奇数フレームにおいて画像を描画する際と偶数フレームにおいて画像を描画する際とで映像データの読み出し順序を逆にする。
また、奇数フレームと偶数フレームとで、投影面101の同じライン上に描画用レーザー光LLを走査する。すなわち、奇数フレームの各描画ライン141と偶数フレームの各描画ライン141とが一致するように、描画用レーザー光LLを走査する。
具体的には、1番目のフレームについては、左上から描画を開始し、ジグザグに右下まで描画する。そして、2番目のフレームについてはミラー421の回動方向を1番目のフレームと逆にし、前記と逆に右下から左上まで描画を行う。以降、同様にして、奇数番目のフレームについては、左上から右下まで描画し、偶数番目のフレームについては、右下から左上まで描画を行う。
尚、本実施形態では、垂直方向101bの走査の往路を奇数フレームとし、垂直方向101bの走査の復路を偶数フレームとしている。これに限らず、垂直方向101bの走査の復路を奇数フレームとし、垂直方向101bの走査の往路を偶数フレームとしてもよい。また、本実施形態では、1番目のフレームについて描画を開始する位置は、左上であるが、これに限らず、例えば、右上、左下、右下等であってもよい。また、奇数フレームと偶数フレームとで、投影面101の異なるライン上に描画用レーザー光LLを走査してもよい。
次に、画像を描画する際の可動板411aの振れ角の経時的変化及びミラー421の角度の経時的変化を説明する。図8に示すように、水平走査では可動板411aの振れ角は最小振れ角から徐々に増大し、最大振れ角に到達した後、徐々に減少する。次に、最小振れ角に到達した後、再び、徐々に増大し、以降、同様に、前記動作を繰り返す。このように、この画像形成装置1では可動板411aの振れ角が急激に変化しないので、容易かつ確実に、共振を利用して動作させる形態のアクチュエーター41の可動板411aの振れ角を調整することができる。
図9に示すように、垂直走査では奇数フレームにおいて画像の描画を行う表示期間(描画期間)と、偶数フレームにおいて画像の描画を行う表示期間との間に、画像の描画を行わない非表示期間(非描画期間)が設けられている。この表示期間において、次のフレームの描画を開始するタイミング等の各タイミングを調整することができる。
そして、垂直方向101bの走査の往路及び復路で画像形成装置1は画像の描画を行う、すなわち、ミラー421を所定の方向に回動させる際と前記所定の方向と逆の方向に回動させる際との両方で画像形成装置1は画像の描画を行う。従って、従来の描画方式のような垂直帰線期間が不要になり、非表示期間を短くすることができる。これにより、時間開口率(画像の描画を行う期間の割合)を高くすることができる。
すなわち、画像形成装置1は1フレーム中の垂直方向101bにて往復描画することで非表示期間を短くすることができる。これにより、垂直時間開口率が高くなる。垂直走査の往路のみで水平走査を行って画像を描画する方法がある。可動板411aの角速度が同じ条件では、往路のみで画像を描画する場合に比べて本実施形態の方法は単位時間当たりのフレーム数を多くすることができる。これによって、動画における早い動きにも容易に対応することができる。逆に言えば、垂直走査の往路のみで水平走査を行って画像を描画する場合と単位時間当たりのフレーム数が同じときは、その往路のみで画像を描画する場合に比べ、可動板411aの角速度を遅くすることができる。従って、画像形成装置1は安定的に画像を描画することができる。また、上記の場合で、可動板411aの角速度を変化させない時には、より垂直解像度の高い描画が可能となる。
実際には、例えば、アクチュエーター41の可動板411aの慣性(慣性モーメントが)が大きく、その可動板411aが瞬時には追従しない場合がある。このような場合は、例えば、アクチュエーター41の駆動電流をゼロにするか、またはアクチュエーター41を逆相で駆動することもできる。これにより、可動板411aの慣性モーメントが大きいときにも、可動板411aを精度良く制御することができる。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、時間開口率を高くしつつ、可動板411aの振れ角を急激に変化させることなく、画像の台形歪みを防止することができる。また、垂直走査の往路及び復路のそれぞれにおいて、水平走査を行って画像を描画するので、垂直走査において往路から復路に切り替わる際や、復路から往路に切り替わる際に、ミラー421の振れ角を急激に変化させる必要がなくなり、これにより、容易かつ確実に、ミラー421の振れ角を調整することができる。
(1)本実施形態によれば、時間開口率を高くしつつ、可動板411aの振れ角を急激に変化させることなく、画像の台形歪みを防止することができる。また、垂直走査の往路及び復路のそれぞれにおいて、水平走査を行って画像を描画するので、垂直走査において往路から復路に切り替わる際や、復路から往路に切り替わる際に、ミラー421の振れ角を急激に変化させる必要がなくなり、これにより、容易かつ確実に、ミラー421の振れ角を調整することができる。
(2)本実施形態によれば、検出手段5は検出用光源ユニット51及び受光素子52を備えている。検出用光源ユニット51は描画用レーザー光LLの光路とは異なる光路で検出用レーザー光LL’を射出する。受光素子52は第1光反射面418によって反射された検出用レーザー光LL’を受光する。従って、受光素子52が検出用レーザー光LL’を受光するタイミングに基づいてアクチュエーター41の第1光反射面418の振れ角を検知することができる。
このとき、検出手段5は描画用レーザー光LLに影響を与えることがない。その結果、描画用レーザー光LLによる画像の描画を阻害せずに第1光反射面418の振れ角を精度よく検知することができる。
(3)本実施形態によれば、アクチュエーター41が第1光反射面418の振れ角を調整している。そして、投影面101上での描画用レーザー光LLの水平方向101aの振れ幅が垂直方向101bに沿って一定にしている。従って、画像の台形歪みを防止することができ、垂直方向101bの輝度のばらつきをなくすことができる。
(4)本実施形態によれば、アクチュエーター41と受光素子52との間にプリズム53を備えている。これにより、画像形成装置1の大型化を伴わずに検出用レーザー光LL’の光路を長くすることができる。さらに、プリズム53への入射前よりも検出用レーザー光LL’の偏角を大きくすることができる。そのため、受光素子52付近での検出用レーザー光LL’の走査距離を長くすることができる。これにより、受光素子52付近での検出用レーザー光LL’の走査速度を高めることができる為、受光素子52が検出用レーザー光LL’を受光する時間を短くすることができる。その結果、第1光反射面418の振れ角の検出をより精度よく行うことができる。
(5)本実施形態によれば、プリズム53は描画用レーザー光LLと重ならない場所に設置されている。従って、描画用レーザー光LLがプリズム53を通過することがない為、描画用レーザー光LLによる投影面101への走査をプリズム53が阻害することを防止することができる。
(6)本実施形態によれば、検出用レーザー光LL’及び描画用レーザー光LLの第1光反射面418における光路は、第1光反射面418の平面視にて互いに交差している。検出用レーザー光LL’及び描画用レーザー光LLが平行のときには、検出用光源ユニット51及び描画用光源ユニット2を並べる配置となるので、検出用光源ユニット51及び描画用光源ユニット2の配置の自由度が小さくなる。これに比べて、本実施形態では検出用光源ユニット51及び描画用光源ユニット2を配置する自由度を大きくすることができる。従って、画像形成装置1の小型化を図ることができる。
(7)本実施形態によれば、スリット54は検出用レーザー光LL’のみを透過し描画用レーザー光LLを遮断する。従って、描画用レーザー光LLに起因する迷光の影響を抑えられる為、検出手段5の検知精度がより向上させることができる。
(8)本実施形態によれば、アクチュエーター41は可動板411aと支持部411bと連結部411c、411dと駆動手段417とを備えている。従って、第1光反射面418を回動させる要素を総て備えている為、アクチュエーター41を一体で製作することが可能となる。その結果、アクチュエーター41の構成を簡単な構成とすることができる。
尚、本発明本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更や改良を加えることも可能である。また、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、前記実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記実施形態では、画像形成装置1として、スクリーン100上に画像を描画するものについて説明したが、これに限定されず、例えば、壁等に画像を描画するものであってもよいし、光拡散板等を用いて、透過・拡散光を反対側から見てもよい。また、本実施形態のスクリーン100が構成要素として含まれていなくてもよい。
前記実施形態では、画像形成装置1として、スクリーン100上に画像を描画するものについて説明したが、これに限定されず、例えば、壁等に画像を描画するものであってもよいし、光拡散板等を用いて、透過・拡散光を反対側から見てもよい。また、本実施形態のスクリーン100が構成要素として含まれていなくてもよい。
(変形例2)
前記実施形態では、光走査部として、共振駆動される形態のアクチュエーター41と、ガルバノミラー42とを用いたが、これに限定されず、例えば、共振駆動される形態のアクチュエーターを2つ用いてもよい。
前記実施形態では、光走査部として、共振駆動される形態のアクチュエーター41と、ガルバノミラー42とを用いたが、これに限定されず、例えば、共振駆動される形態のアクチュエーターを2つ用いてもよい。
(変形例3)
前記実施形態では、第1方向を「水平方向101a」、第2方向を「垂直方向101b」としたが、これに限らず、例えば、第1方向を「垂直方向101b」、第2方向を「水平方向101a」としてもよい。
前記実施形態では、第1方向を「水平方向101a」、第2方向を「垂直方向101b」としたが、これに限らず、例えば、第1方向を「垂直方向101b」、第2方向を「水平方向101a」としてもよい。
1…画像形成装置、2…描画用光射出部としての描画用光源ユニット、5…検出手段、41…第1方向走査部としてのアクチュエーター、42…第2方向走査部としてのガルバノミラー、51…検出用光射出部としての検出用光源ユニット、52…受光素子、53…プリズム、54…スリット、101…投影面、101a…第1方向としての水平方向、101b…第2方向としての垂直方向、411a…可動板、411b…支持部、411c,411d…連結部、417…駆動手段、418…第1光反射面、425…第2光反射面、LL…描画用レーザー光、LL’…検出用レーザー光。
Claims (7)
- 投影面に描画用レーザー光を走査して画像を描画する画像形成装置であって、
前記描画用レーザー光を射出する描画用光射出部と、
第1方向に回動可能な第1光反射面を有し、前記描画用光射出部から射出された前記描画用レーザー光を前記投影面に対して前記第1方向に走査する第1方向走査部と、
前記第1方向と交差する第2方向に回動可能な第2光反射面を有し、前記第1方向走査部によって前記第1方向に走査された前記描画用レーザー光を前記投影面に対して前記第2方向に走査する第2方向走査部と、
前記第1方向走査部が有する前記第1光反射面の振れ角を検出する検出手段と、を有し、
前記検出手段は、前記描画用レーザー光の光路とは異なる光路で前記第1光反射面に向けて検出用レーザー光を射出する検出用光射出部と、前記第1方向走査部の前記第1光反射面が所定の振れ角のときに前記第1光反射面によって反射された前記検出用レーザー光を受光する受光素子と、を有し、前記受光素子が前記検出用レーザー光を受光するタイミングに基づいて前記第1光反射面の振れ角を検知することを特徴とする画像形成装置。 - 前記投影面上での前記描画用レーザー光の前記第1方向の振れ幅が前記第2方向に沿って一定になるように前記第1方向走査部が前記第1光反射面の振れ角を調整することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記検出手段は、前記第1方向走査部と前記受光素子との間に、入射した前記検出用レーザー光を少なくとも1回反射した後射出するプリズムを有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記プリズムは、前記描画用レーザー光の光路と重ならないように設けられていることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記検出用レーザー光及び前記描画用レーザー光の前記第1光反射面における光路は、前記第1光反射面の平面視にて、互いに交差することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記検出手段は、前記プリズムと前記受光素子との間に設けられ前記描画用レーザー光を遮断するとともに前記検出用レーザー光を透過するスリットを有することを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 前記第1方向走査部は、回動可能に設けられ前記第1光反射面を有する可動板と、前記可動板を回動可能に支持する支持部と、前記可動板と前記支持部とを連結する連結部と、前記可動板を回動させる駆動手段とを備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
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CN104516105A (zh) * | 2013-09-29 | 2015-04-15 | 中强光电股份有限公司 | 激光扫描装置及其校准方法 |
WO2016158099A1 (ja) * | 2015-03-31 | 2016-10-06 | ミツミ電機株式会社 | 光走査制御装置 |
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2011
- 2011-03-03 JP JP2011046002A patent/JP2012181479A/ja not_active Withdrawn
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