JP2012145674A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像の描画を阻害せず、水平走査用ミラーの振れ角を精度より検知することのできる画像形成装置を提供すること。
【解決手段】画像形成装置1は、描画用レーザー光LLを出射する描画用光出射部2と、描画用レーザー光LLを投影面101に対して第1方向に走査する第1方向走査部41と、第1方向走査部41によって走査された描画用レーザー光LLを第2方向に走査する第2方向走査部42と、第1方向走査部が有する光反射面の振れ角を検出する検出手段5とを有している。検出手段5は、描画用レーザー光LLとは異なる光路で第1方向走査部41の光反射面に向けて検出用レーザー光LL’を出射する検出用光出射部51と、第1方向走査部41の光反射面が所定の振れ角のときに該光反射面によって反射された検出用レーザー光LL’を受光する受光素子52とを有している。
【選択図】図4

Description

本発明は、画像形成装置に関するものである。
2ミラータイプ(例えば、共振を利用した水平走査用ミラーとガルバノミラー等の垂直走査用ミラーの2つのミラーで描画するタイプ)のスキャンプロジェクターは、光出射部から出射した光を、投影面に対し、水平方向に走査(水平走査:主走査)するとともに、この水平方向の走査速度よりも遅い走査速度で垂直方向に走査(垂直走査:副走査)することで2次元的に走査し、投影面上に画像(映像)を描画するよう構成されている。水平走査用ミラーの回動中心軸を中心とする振れ角(振幅)は、一定である。
このようなスキャンプロジェクターでは、投影面上に画像を描画する際、その投影面までの光路差に起因する歪み、例えば、投影面上に描画された画像の上側と下側とで、横方向(水平方向)の長さが異なる「台形歪み」と呼ばれる歪みが発生するため、補正が必要となる。
前記台形歪みを補正する手段として、水平走査用ミラーの回動中心軸を中心とする振れ角(振幅)を可変にし、徐々に変化させる手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。すなわち、特許文献1のスキャンプロジェクターでは、投影面に対し、光を走査する際、その光が走査される投影面上の垂直方向の位置がスキャンプロジェクターから遠いほど、水平走査用ミラーの振れ角を小さくし、画像の台形歪みを防止している。
ここで、前述したような補正を行う場合、水平走査用ミラーの振れ角を検知する検知手段が必要となる。従来では、この検知手段として投影面上の所定位置にフォトダイオードを設置し、このフォトダイオードが光出射部から出射された光を受光することにより、水平走査用ミラーの振れ角を検知していた。しかしながら、このような方法では、画像が描画される領域にフォトダイオードを設置しなければならず、フォトダイオードが画像の描画を阻害する問題がある。また、描画する画像によっては、フォトダイオードに相当する画素へは光を出射しない場合もあり、この場合には、フォトダイオードが光を受光できず、水平走査ミラーの振れ角を検知できない問題もある。
特開2007−199251号公報
本発明の目的は、画像の描画を阻害せず、水平走査用ミラーの振れ角を精度より検知することのできる画像形成装置を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の画像形成装置は、投影面に対し、レーザー光を走査することにより画像を描画するよう構成され、
描画用レーザー光を出射する描画用光出射部と、
第1方向に回動可能な光反射面を有し、前記描画用光出射部から出射された前記描画用レーザー光を前記投影面に対して前記第1方向に走査する第1方向走査部と、
前記第1方向と直交する第2方向に回動可能な光反射面を有し、前記第1方向走査部によって前記第1方向に走査された前記描画用レーザー光を前記投影面に対して前記第2方向に走査する第2方向走査部と、
前記第1方向走査部が有する前記光反射面の振れ角を検出する検出手段とを有し、
前記検出手段は、前記描画用レーザー光とは異なる光路で前記第1方向走査部の前記光反射面に向けて検出用レーザー光を出射する検出用光出射部と、前記第1方向走査部の前記光反射面が所定の振れ角のときに該光反射面によって反射された前記検出用レーザー光を受光する受光素子とを有し、前記受光素子が前記検出用レーザー光を受光するタイミングに基づいて前記第1方向走査部の前記光反射面の振れ角を検知するよう構成されていることを特徴とする。
これにより、画像の描画を阻害せず、水平走査用ミラーの振れ角を精度より検知することのできる画像形成装置を提供することができる。
本発明の画像形成装置では、前記検出手段は、第1方向走査部と前記受光素子との間に設けられ、前記描画用レーザー光を吸収するとともに前記検出用レーザー光を透過するフィルターを有していることが好ましい。
これにより、検出手段の検知精度がより向上する。
本発明の画像形成装置では、前記描画用レーザー光および前記検出用レーザー光は、共に直線偏光であり、前記フィルターの入射面に対して電場の振動方向が異なっており、
前記フィルターは、偏光フィルターであり、
前記検出用レーザー光の偏光方向と前記偏光フィルターの偏光透過軸が一致していることが好ましい。
これにより、検出手段の検知精度がより向上する。
本発明の画像形成装置では、前記検出手段は、第1方向走査部と前記受光素子との間に設けられ、前記受光素子に到達するレーザー光の量を減少させる減光フィルターを有していることが好ましい。
これにより、検出手段の検知精度がより向上する。
本発明の画像形成装置では、前記減光フィルターに到達する前記描画用レーザー光の量よりも、前記検出用レーザー光の量が多くなるように、前記検出用レーザーを出射することが好ましい。
これにより、検出手段の検知精度がより向上する。
本発明の画像形成装置では、前記検出手段は、第1方向走査部と前記フィルターとの間に、入射した前記検出用レーザー光を少なくとも1回反射した後出射するプリズムを有していることが好ましい。
これにより、画像形成装置の大型化を伴わずに検出用レーザー光の光路を長くすることができるとともに、入射前よりも検出用レーザー光の偏角を大きくすることができる。そのため、受光素子付近での検出用レーザー光の走査距離を長くすることができる。その結果、受光素子付近での、検出用レーザー光の走査速度を高めることができ、受光素子が検出用レーザー光を受光する時間を短くすることができるため、反射面の振れ角の検出をより精度よく行うことができる。
本発明の画像形成装置では、前記プリズムは、前記描画用レーザー光の光路と重ならないように設けられていることが好ましい。
これにより、描画用レーザー光の投影面への走査が阻害されることがない。
本発明の画像形成装置では、前記検出用レーザー光および前記描画用レーザー光の前記第1方向走査部の前記光反射面までの光路は、前記第1方向走査部の前記光反射面の平面視にて、互いに直交していることが好ましい。
これにより、第1方向走査部近傍に、検出用光出射部および描画用光出射部の設置スペースを確保することができるため、画像形成装置の小型化を図ることができる。
本発明の画像形成装置では、前記第1方向の走査を行うに際し、前記描画用光出射部から光を出射した光出射状態で前記投影面上での前記描画用レーザー光の前記第1方向の振れ幅が前記第2方向に沿って一定になるように前記第1方向走査部の前記光反射部の振れ角を調整することが好ましい。
これにより、画像の台形歪みを防止することができる。
本発明の画像形成装置では、前記第1方向走査部は、回動可能に設けられ、前記光反射面を有する可動板と、前記可動板を回動可能に支持する支持部と、前記可動板と前記支持部とを連結する連結部と、前記可動板を回動させる駆動手段とを備えていることが好ましい。
これにより、第1方向走査部の構成が簡単となる。
本発明の画像形成装置の第1実施形態を示す図である。 図1に示す画像形成装置のアクチュエーターを示す模式的斜視図である。 図1に示す画像形成装置のガルバノミラーを示す図である。 図1に示す検出手段を説明するための模式図である。 図1に示す検出手段を説明するための模式図である。 画像形成装置の各構成を示すブロック図である。 図1に示す画像形成装置の動作を説明するための図である。 図1に示す画像形成装置の作動中のアクチュエーターの可動板の振れ角(振れ角の経時的変化)を示すグラフである。 図1に示す画像形成装置の作動中のガルバノミラーのミラーの角度(角度の経時的変化)を示すグラフである。 第2実施形態に係る画像形成装置の検出手段を説明するための模式図である。
以下、本発明の画像形成装置の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、代表的に、第1方向を「水平方向」、第2方向を「垂直方向」として説明を行う。
<第1実施形態>
まず、本発明の画像形成装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の第1実施形態を示す図、図2は、図1に示す画像形成装置のアクチュエーターを示す模式的斜視図、図3は、図1に示す画像形成装置のガルバノミラーを示す図、図4および図5は、図1に示す検出手段を説明するための模式図、図6は、画像形成装置の各構成を示すブロック図である。また、図7は、図1に示す画像形成装置の動作を説明するための図であり、図7(a)は、側面図、図7(b)は、正面図である。また、図8は、図1に示す画像形成装置の作動中のアクチュエーターの可動板の振れ角(振れ角の経時的変化)を示すグラフ、図9は、図1に示す画像形成装置の作動中のガルバノミラーのミラーの角度(角度の経時的変化)を示すグラフである。なお、以下では、説明の便宜上、図2、図7中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
図1に示す画像形成装置1は、スクリーン(対象物)100上に光を走査して画像を形成する装置である。
スクリーン100の画像形成装置1側の表面は、画像形成装置1によって光が走査される光走査面、すなわち投影面101を構成している。この投影面101には、画像形成装置1により光が走査されることにより静止画や動画等の所定の画像が描画される。スクリーン100の構成材料としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、アクリル系樹脂、ABS樹脂、フッ素系樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
画像形成装置1は、描画用レーザー光LLを出射する描画用光源ユニット(描画用光出射部)2と、描画用光源ユニット2から出射したレーザー光LLを走査する光走査部4と、光走査部4が有するアクチュエーター41の振れ角を検出する検出手段5と、描画用光源ユニット2および光走査部4の作動を制御する作動制御装置(制御手段)6とを有している。
−描画用光源ユニット2−
図1に示すように、描画用光源ユニット2は、各色のレーザー光源21r、21g、21bと、各色のレーザー光源21r、21g、21bに対応して設けられたコリメーターレンズ22r、22g、22bおよびダイクロイックミラー23r、23g、23bとを備えている。
また、図6に示すように、各色のレーザー光源21r、21g、21bは、それぞれ、駆動回路210r、210g、210bと、赤色の光源220r、緑色の光源220g、青色の光源220bとを有しており、赤色、緑色および青色のレーザー光RR、GG、BBを射出する。レーザー光RR、GG、BBは、それぞれ、作動制御装置6から送信される駆動信号に対応して出射され、コリメーターレンズ22r、22g、22bによって平行化されて細いビームとされる。
ダイクロイックミラー23r、23g、23bは、それぞれ、赤色レーザー光RR、緑色レーザー光GG、青色レーザー光BBを反射する特性を有しており、各色のレーザー光RR、GG、BBを結合して1つの描画用レーザー光LLを出射する。
なお、コリメーターレンズ22r、22g、22bに代えてコリメーターミラーを用いることができ、この場合も、平行光束の細いビームを形成することができる。また、各色のレーザー光源21r、21g、21bから平行光束が射出される場合、コリメーターレンズ22r、22g、22bは、省略することができる。さらに、レーザー光源21r、21g、21bについては、同様の光束を発生する発光ダイオード等の光源に置換することができる。
−光走査部4−
光走査部4は、描画用光源ユニット2から出射した描画用レーザー光LLをスクリーン100の投影面101に対し、水平方向(第1方向)に走査(水平走査:主走査)するとともに、水平方向の走査速度よりも遅い走査速度で垂直方向(第1方向に直交する第2方向)に走査(垂直走査:副走査)することで2次元的に走査する機能を有している。
この光走査部4は、描画用光源ユニット2から出射した描画用レーザー光LLを投影面101に対し、水平方向に走査する水平走査用ミラー(第1方向走査部)であるアクチュエーター41と、アクチュエーター41によって走査された描画用レーザー光LLを投影面101に対し、垂直方向に走査する垂直走査用ミラー(第2方向走査部)であるガルバノミラー42と、ガルバノミラー42の後述するミラー421の角度を検出する角度検出手段43とを有している。
(アクチュエーター41)
図2に示すように、アクチュエーター41は、共振駆動される形態のもの(共振を利用したもの)である。このようなアクチュエーター41は、1自由度振動系であり、基体411と、基体411の下面に対向するよう設けられた対向基板413と、基体411と対向基板413との間に設けられたスペーサー部材412とを有している。
基体411は、可動板411aと、可動板411aを回動可能に支持する支持部411bと、可動板411aと支持部411bとを連結する一対の連結部411c、411dとを有している。
可動板411aの上面には、光反射性を有する光反射部411eが設けられている。そして、この光反射部411eの表面が光反射面を構成している。この光反射部411eは、例えば、Al、Ni等の金属膜で構成することができる。また、可動板411aの下面には、永久磁石414が設けられている。
支持部411bは、可動板411aの平面視にて、可動板411aの外周を囲むように設けられている。すなわち、支持部411bは、枠状をなしていて、その内側に可動板411aが位置している。
連結部411cは、可動板411aの左側にて、可動板411aと支持部411bとを連結し、連結部411dは、可動板411aの右側にて、可動板411aと支持部411bとを連結している。連結部411c、411dは、それぞれ、長手形状をなし、弾性変形可能である。このような一対の連結部411c、411dは、互いに同軸的に設けられており、この軸(以下「回動中心軸J」と言う)を回動中心として、可動板411aが支持部411bに対して回動する。
このような基体411は、例えば、シリコンを主材料として構成されていて、可動板411aと支持部411bと連結部411c、411dとが一体的に形成されている。このように、シリコンを主材料とすることにより、優れた回動特性を実現できるとともに、優れた耐久性を発揮することができる。また、微細な処理が可能であり、アクチュエーター41の小型化を図ることができる。
スペーサー部材412は、枠状をなしていて、その上面が基体411の下面と接合している。また、スペーサー部材412は、可動板411aの平面視にて、支持部411bの形状とほぼ等しくなっている。このようなスペーサー部材412は、例えば、各種ガラス、各種セラミックス、シリコン、SiOなどで構成されている。
なお、スペーサー部材412と基体411との接合方法としては、特に限定されず、例えば、接着剤等の別部材を介して接合してもよいし、スペーサー部材412の構成材料などによっては陽極接合などを用いてもよい。
対向基板413は、スペーサー部材412と同様に、例えば、各種ガラス、シリコン、SiOなどで構成されている。このような対向基板413の上面であって、可動板411aと対向する部位には、コイル415が設けられている。
可動板411aの下面に設けられた永久磁石414は、板棒状をなしている。また、永久磁石414は、可動板411aの平面視にて、回動中心軸(第1の回動中心軸)Jに対して直交する方向に磁化(着磁)されている。すなわち、永久磁石414は、両極(S極、N極)を結んだ線分が回動中心軸Jに対して直交するよう設けられている。このような永久磁石414としては、特に限定されず、例えば、ネオジム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石などを用いることができる。
コイル415は、可動板411aの平面視にて、永久磁石414の外周を囲むように設けられている。
また、アクチュエーター41は、コイル415に電圧を印加する電圧印加手段416を有している。電圧印加手段416は、印加する電圧の電圧値や周波数等の各条件を調整し得るように構成されている。この電圧印加手段416、コイル415および永久磁石414により、可動板411aを回動させる駆動手段417が構成される。
コイル415には、作動制御装置6の制御により、電圧印加手段416から所定の電圧が印加され、所定の電流が流れる。例えば、作動制御装置6の制御により、電圧印加手段416からコイル415に交番電圧を印加すると、それに応じて電流が流れ、可動板411aの厚さ方向の磁界が発生し、かつ、その磁界の向きが周期的に切り換わる。この磁界と永久磁石414とが作用することにより、連結部411c、411dを捩り変形させながら、可動板411aが回動中心軸Jまわりに回動する。
また、作動制御装置6の制御により、電圧印加手段416からコイル415に印加する電圧を調整することにより、流れる電流を調整することができ、これにより、可動板411aの回動中心軸Jを中心とする振れ角(振幅)を調整することができる。なお、前記振れ角とは、可動板411aが時計回りに回動したときの最大角度と、それに続いて反時計回りに回動したときの最大角度との差である。
以上、アクチュエーター41の構成について説明したが、アクチュエーター41の構成としては、可動板411aを回動させることができれば特に限定されず、例えば、駆動方式については、コイル415と永久磁石414とを用いた電磁駆動に代えて、例えば、圧電素子を用いた圧電駆動や静電引力を用いた静電駆動としてもよい。
(垂直走査用ミラー42)
図3に示すように、ガルバノミラー42は、表面に光を反射する反射面を有し、回動中心軸(第2の回動中心軸)Jaを中心に回動可能に設けられたミラー421と、ミラー421を回動させるモーター422およびモーター422の駆動回路423を有する駆動手段424とを備えている。このガルバノミラー42は、駆動回路423によりモーター422が正転と反転とを交互に繰り返し、これにより、ミラー421が回動中心軸Jaまわりに回動する。
(角度検出手段43)
図3に示すように、角度検出手段43は、ガルバノミラー42のミラー421の角度を検出する。角度検出手段43は、ガルバノミラー42に設けられたエンコーダー431と、エンコーダー431から送出される信号を受信し、その信号に含まれる情報に基づいてミラー421の角度を求める角度検知部432とを有している。
駆動手段424の作動によりミラー421が回動すると、それに応じて、エンコーダー431から角度検知部432に信号が送信される。角度検知部432は、エンコーダー431から送信される信号に含まれる情報に基づいて、ミラー421の角度を求める。このミラー421の角度の情報を含む信号は、角度検知部432から作動制御装置6に送信される。
なお、前記検出するミラー421の角度は、ガルバノミラー42のいずれの状態のときを基準(角度が0°)としたときの角度に設定してもよい。また、前記ミラー421の角度の検出は、リアルタイムで行ってもよく、間欠的に行ってもよい。また、角度検出手段43としては、ミラー421の角度を検出することができれば、本実施形態のようなエンコーダーを用いたものに限定されない。
図1に示すように、アクチュエーター41とガルバノミラー42とは、互いの回動中心軸J、Jaが直交するように設けられている。アクチュエーター41と、ガルバノミラー42とをこのように設けることにより、投影面101に対し、描画用光源ユニット2から出射した描画用レーザー光LLを2次元的に走査することができる。
具体的には、描画用光源ユニット2から出射したレーザー光LLは、アクチュエーター41の光反射部411eで反射し、次いで、ガルバノミラー42のミラー421で反射し、スクリーン100の投影面101に投射される。この際、光反射部411eを回動させるとともに、その角速度よりも遅い角速度でミラー421を回動させることにより、描画用光源ユニット2から出射した描画用レーザー光LLは、投影面101に対し、水平方向に走査されるとともに、その水平方向の走査速度よりも遅い走査速度で垂直方向に走査される。これにより、描画用レーザー光LLは、投影面101に対して2次元的に走査され、投影面101に2次元画像が描画される。
−検出手段5−
検出手段5は、アクチュエーター41の可動板411aの振れ角を検出する機能を有している。図4に示すように、この検出手段5は、検出用レーザー光LL’を出射する検出用光源ユニット(検出用光出射部)51と、検出用レーザー光LL’を受光する受光素子52と、受光素子52から送信される情報に基づいて可動板411aの振れ角を検出する検知部55と、検出用レーザー光LL’の光路上に設けられたプリズム53および偏光フィルター54とを有している。以下、これら各部位について順次説明する。
(検出用光源ユニット51)
検出用光源ユニット51は、レーザー光源511と、レーザー光源511に対応して設けられたコリメーターレンズ514とを備えている。レーザー光源511は、駆動回路512と光源513とを有しており、例えば、赤外のレーザー光IRを射出する。赤外のレーザー光IRは、作動制御装置6から送信される駆動信号に対応して出射され、コリメーターレンズ514によって平行化されて細いビームとされ、検出用レーザー光LL’となる。そして、検出用光源ユニット51から出射した検出用レーザー光LL’は、アクチュエーター41の光反射部411eによって走査される。
検出用光源ユニット51は、描画用光源ユニット2と異なる位置に設けられており、検出用光源ユニット51から出射した検出用レーザー光LL’と描画用光源ユニット2から出射した描画用レーザー光LLのアクチュエーター41までの光路が互いに異なっている。これにより、検出用レーザー光LL’が、アクチュエーター41の光反射部411eによって走査された後、ガルバノミラー42によって走査されることがない。すなわち、光反射部411eによって走査された後は、描画用レーザー光LLと検出用レーザー光LL’との光路が大きく異なることとなる。
図5に示すように、本実施形態では、可動板411aの非駆動時の平面視にて、検出用レーザー光LL’と描画用レーザー光LLのアクチュエーター41までの光路がほぼ直交している。このような配置とすることにより、アクチュエーター41近傍に、検出用光源ユニット51および描画用光源ユニット2の設置スペースを確保することができるため、画像形成装置1の小型化を図ることができる。
このように、検出用レーザー光LL’がガルバノミラー42によって走査されることがないように構成することにより、プリズム53、偏光フィルター54および受光素子52の配置の自由度が高まる。また、検出用レーザー光LL’が投影面101に投射されることにより発生する表示画像の質の低下を防止することもできる。ただし、本実施形態では、検出用レーザー光LL’として実質的に視認することができない赤外のレーザー光を用いているため、仮に検出用レーザー光LL’がガルバノミラー42で走査され投影面101に投射されたとしても、表示画像に悪影響を与えることはない。
(プリズム53)
プリズム53は、アクチュエーター41によって走査された検出用レーザー光LL’の光路上に配置されている。また、プリズム53は、アクチュエーター41によって走査された描画用レーザー光LLの光路と重ならないように配置されている。これにより、描画用レーザー光LLの投影面101への走査を阻害することがない。
このプリズム53は、ガラスや水晶で構成された実質的に無色透明な多面体である。プリズム53の入射面から入射した検出用レーザー光LL’は、プリズム53内にて複数回全反射した後、出射面から出射する。このようなプリズム53を通過させることにより、画像形成装置1の大型化を伴わずに検出用レーザー光LL’の光路を長くすることができるとともに、入射前よりも検出用レーザー光LL’の偏角を大きくすることができる。そのため、受光素子52付近での検出用レーザー光LL’の走査距離を長くすることができる。その結果、受光素子52付近での、検出用レーザー光LL’の走査速度を高めることができ、受光素子52が検出用レーザー光LL’を受光する時間を短くすることができるため、可動板411aの振れ角の検出をより精度よく行うことができる。
(偏光フィルター54)
プリズム53の前記出射面と受光素子52との間には、偏光フィルター54が配置されている。偏光フィルター54は、検出用レーザー光LL’のみを透過する機能を有している。前述したように、描画用光源ユニット2から出射した描画用レーザー光LLは、アクチュエーター41およびガルバノミラー42によって走査されるように構成されているが、描画用レーザー光LLの一部が光反射部411eやミラー421によって反射されずに、または、光反射部411eやミラー421以外の部位で反射されて迷光として受光素子52に到達するおそれがある。このような迷光が受光素子52に到達し、受光素子52が受光してしまうと可動板411aの振れ角の誤認が生じ、検出精度が低下する。そのため、偏光フィルター54を用いて迷光が受光素子52に到達するのを防止することで、前述のような誤検出を防止し、検出精度をより高めることができる。
このように、検出用レーザー光LL’のみが偏光フィルター54を透過するように構成するには、偏光フィルター54の入射面において、描画用レーザー光LL(迷光)の電場の振動方向と、検出用レーザー光LL’の電場の振動方向とが異なっていればよい。例えば、偏光フィルター54の入射面において、描画用レーザー光LLおよび検出用レーザー光LL’のいずれか一方をp偏光とし、他方をs偏光とすればよい。そして、偏光フィルター54を検出用レーザー光LL’のみを透過するように配置することにより、偏光フィルター54によって迷光が吸収され、検出用レーザー光LL’のみが偏光フィルター54を透過し受光素子52に到達することができる。
(受光素子52)
受光素子52は、例えばフォトダイオードであり、検出用レーザー光LL’を受光するとそれに応じた信号を発生する。受光素子52は、偏光フィルター54に対して検出用レーザー光LL’の光路の下流側に設けられており、可動板411aが所定の振れ角(姿勢)のときに光反射部411eで反射された検出用レーザー光LL’を受光する。
(検知部55)
検知部55は、受光素子52から送信される信号に基づいて可動板411aの角度および振れ角を検知する。具体的には、検知部55は、検出用レーザー光LL’が受光素子52によって受光されるタイミング、すなわちn回目に受光した時刻とn+1回目に受光した時刻の差から可動板411aの振れ角を検知する。そして、検知部55によって検知された可動板411aの角度および振れ角に関する情報を含む信号は、作動制御装置6に送信される。
なお、可動板411aの角度は、アクチュエーター41のいずれの状態のときを基準(角度が0°)としたときの角度に設定してもよく、例えば、アクチュエーター41の初期状態(コイル415に電圧が印加されていない状態)のときを基準(角度が0°)としたときの角度に設定することができる。
−作動制御装置6−
図6に示すように、作動制御装置6は、画像を描画する際に用いられる映像データ(画像データ)を記憶する映像データ記憶部61と、映像データ演算部62と、描画タイミング生成部63と、光源変調部64と、振れ角演算部65と、角度指示部66と、検量線を記憶する検量線記憶部(検量線記憶手段)67とを有している。
画像形成装置1は、垂直方向の走査(以下、単に「垂直走査」とも言う)を往路および復路のそれぞれで行い、その垂直走査の往路および復路のそれぞれにおいて、水平方向の走査(以下、単に「水平走査」とも言う)を往路および復路のそれぞれで行って画像を描画し、水平走査を行うに際し、描画用光源ユニット2から描画用レーザー光LLを出射した光出射状態(以下、単に「光出射状態」とも言う)で投影面101上での描画用レーザー光LLの水平方向の振れ幅(以下、単に「描画用レーザー光LLの振れ幅」とも言う)が、可動板411aの回動中心軸Jを中心とする振れ角(以下、単に「可動板411aの振れ角」とも言う)の調整を行わない場合に比べて、垂直方向に沿って揃うように、可動板411aの振れ角を調整するよう構成されている。特に、光出射状態で描画用レーザー光LLの振れ幅が垂直方向に沿って一定になるように、可動板411aの振れ角を調整するよう構成されているのが好ましい。これにより、画像の台形歪みを防止することと、スクリーン面における上部と下部のとの明るさのばらつきを抑えることができる。本実施形態では、代表的に、前記振れ幅が垂直方向に沿って一定になるように調整する場合について説明する。
なお、前記振れ幅とは、光出射状態で、可動板411aが時計回り(所定方向)に最大角度まで回動したときの投影面101上での描画用レーザー光LLの位置と、それに続いて可動板411aが反時計回り(前記と逆方向)に最大角度まで回動したときの投影面101上での描画用レーザー光LLの位置との水平方向の距離、すなわち、図7に示すように、光出射状態で描画用レーザー光LLを投影面101上に2次元的に走査したときの投影面101上での描画用レーザー光LLの軌跡である複数の描画ライン(走査ライン)141のそれぞれの水平方向の長さである。
図7に示すように、前記複数の描画ライン141は、ジグザグに配置される。各描画ライン141のうち、左側の端部および右側端部は、それぞれ、ミラー421の角速度(速度)が小さく、描画に適さず、このため、その左側の端部および右側端部を除いて、画像を描画する領域である描画領域を設定する。なお、描画領域は、例えば、長方形(正方形を含む)をなすように設定される。
可動板411aの振れ角が一定の場合は、光出射状態での描画用レーザー光LLの振れ幅は、ミラー421の角度に応じて変化し、描画用レーザー光LLが走査される投影面101上の垂直方向の位置が画像形成装置1から遠いほど長くなる。そこで、この画像形成装置1では、ミラー421の角度に応じて可動板411aの振れ角を調整する。すなわち、描画用レーザー光LLが走査される投影面101上の垂直方向の位置が画像形成装置1から遠いほど、可動板411aの振れ角を小さくすることにより、光出射状態での描画用レーザー光LLの振れ幅を垂直方向に沿って一定にする。
検量線記憶部67には、光出射状態で描画用レーザー光LLの振れ幅が垂直方向に沿って一定になる、投影面101に走査する描画用レーザー光LLの投影面101上の垂直方向の位置と、可動板411aの振れ角との関係を示すテーブルや演算式(関数)等の検量線が記憶される。画像を描画する際は、その検量線を用い、投影面101に走査する描画用レーザー光LLの投影面101上の垂直方向の位置に基づいて、前記振れ角の目標値(目標振れ角)を求める。なお、検量線は、計算で求めることができ、予め、検量線記憶部67に記憶される。
また、この画像形成装置1では、描画領域142において、上側から奇数番目の各描画ライン141について、隣り合う描画ライン141同士の垂直方向の間隔が一定になり、同様に、上側から偶数番目の各描画ライン141について、隣り合う描画ライン141同士の垂直方向の間隔が一定になるように、ミラー421の角度や角速度を調整するのが好ましい。これにより、画像の垂直方向の歪みを防止することができる。
本実施形態では、例えば、各描画ライン141の描画開始の際における描画領域142の左側の端部および右側の端部において、それぞれ、隣り合う描画ライン141の垂直方向の間隔が一定になるようにミラー421の角度を調整し、ミラー421の角速度を所定の値に設定する。すなわち、各描画ライン141について、隣り合う描画開始点の垂直方向の間隔が一定になるようにミラー421の角度を調整し、ミラー421の角速度は、各描画ライン141毎に一定の値に設定する。なお、描画ライン141の垂直方向の位置が画像形成装置1から遠いほど、ミラー421の角速度は、小さく設定される。これにより、比較的簡単な制御で、画像の垂直方向の歪みを防止することができる。
次に、スクリーン100の投影面101上に画像を描画する際の画像形成装置1の動作について説明する。
まず、画像形成装置1に映像データが入力される。入力された映像データは、映像データ記憶部61に一時的に記憶され、その映像データ記憶部61から読み出され、その映像データを用いて画像の描画が行われる。この場合、映像データのすべてが映像データ記憶部61に記憶された後に、画像の描画を開始してもよく、また、映像データの一部が映像データ記憶部61に記憶された後に、画像の描画を開始し、その画像の描画と並行して続きの映像データを映像データ記憶部61に記憶するようにしてもよい。
映像データの一部が映像データ記憶部61に記憶された後に画像の描画を開始する場合は、初めに、少なくとも1フレーム分、好ましくは、2フレーム分以上(例えば、2フレーム分)の映像データを映像データ記憶部61に記憶し、その後に画像の描画を開始する。その理由は、この画像形成装置1では、垂直走査の往路および復路のそれぞれにおいて水平走査を行って画像を描画(以下、単に「垂直方向で往復描画」とも言う)し、後述するように、垂直走査の往路において画像を描画する際と、垂直走査の復路において画像を描画する際とで、映像データ記憶部61からの映像データの読み出し順序を逆にするので、垂直走査の復路において画像の描画を開始する際、映像データを反対側から読み出すためには、少なくともその復路における画像の描画に用いる1フレーム分の映像データが映像データ記憶部61に記憶されている必要があるためである。
描画タイミング生成部63では、描画タイミング情報および描画ライン情報がそれぞれ生成される。描画タイミング情報は、映像データ演算部62に送出され、描画ライン情報は、振れ角演算部65に送出される。
描画タイミング情報には、描画を行うタイミングの情報等が含まれる。また、描画ライン情報には、描画を行う描画ライン141の垂直方向の位置(ミラー421の角度)の情報等が含まれる。なお、描画ライン141のいずれの部位の位置を前記描画ライン141の垂直方向の位置として設定してもよいが、例えば、左側の先端、右側の先端、中央等が挙げられる。
映像データ演算部62は、描画タイミング生成部63から入力された描画タイミング情報に基づいて、映像データ記憶部61から描画する画素に対応する映像データを読み出し、各種の補正演算等を行った後、各色の輝度データを光源変調部64に送出する。光源変調部64は、映像データ演算部62から入力された各色の輝度データに基づいて、各駆動回路210r、210g、210bを介して各光源220r、220g、220bの変調を行う。すなわち、各光源220r、220g、220bのオン/オフや、出力の調整(増減)等を行う。
検出手段5は、検出用レーザー光LL’を出射することにより可動板411aの角度および振れ角を検出し、その角度および振れ角の情報を作動制御装置6の描画タイミング生成部63および振れ角演算部65に送出する。また、角度検出手段43は、ガルバノミラーのミラー421の角度を検出し、その角度の情報を作動制御装置6の角度指示部66に送出する。
描画タイミング生成部63は、現在の描画ライン141の描画が終了し、検出手段5から可動板411aの振れ角の情報が入力されると、それに同期して、角度指示部66に次に描画を行う描画ライン141の描画開始点に描画用レーザー光LLが照射されるときのミラー421の目標角度を示す目標角度情報(角度指示)を送出する。そのミラー421の目標角度は、隣り合う描画開始点の垂直方向の間隔が一定になるように設定される。角度指示部66は、角度検出手段43で検出されたミラー421の角度と、前記ミラー421の目標角度とを比較して、その差が0になるような補正を行い、ガルバノミラー42の駆動手段424に駆動データを送出する。
駆動手段424は、前記駆動データに基づいて、モーター422を駆動する。これにより、描画開始点に描画用レーザー光LLが照射されたとき、ミラー421の角度は、前記目標角度になる。
なお、本実施形態では、各描画ライン141において、描画開始点から描画終了点まで、ミラー421の角速度を一定とし、描画用レーザー光LLの垂直方向の走査速度を一定としてもよく、また、ミラー421の角速度を徐々に変化させ、描画用レーザー光LLの垂直方向の走査速度を徐々に変化さてもよい。
また、描画タイミング生成部63は、振れ角演算部65に描画ライン情報すなわち次に描画を行う描画ライン141の垂直方向の位置の情報を送出する。振れ角演算部65では、検量線記憶部67から読み出された検量線を用い、描画タイミング生成部63から入力された次に描画を行う描画ライン141の垂直方向の位置の情報に基づいて、次に描画を行う描画ライン141における可動板411aの目標振れ角を求める。そして、検出手段5から入力された可動板411aの振れ角の情報と、前記可動板411aの目標振れ角とに基づいて、可動板411aの振れ角が目標振れ角となるように、アクチュエーター41の駆動手段417に駆動データを送出する。
駆動手段417は、前記駆動データに基づいて、コイル415に、アクチュエーター41の共振周波数と同じ周波数の実効電圧を印加して電流を流し、所定の磁界を発生させ、実効電流の大きさやアクチュエーター41と駆動波形との位相差を変化させる事で、アクチュエーター41にエネルギーを供給したり、逆に、アクチュエーター41からエネルギーを奪ったりする。これにより、共振運動している可動板411aの振れ角は、前記目標振れ角になる。
このようにして、検出手段5により検出された可動板411aの振れ角の情報(検出結果)と、前記目標振れ角(目標値)とに基づいて、可動板411aの振れ角が目標振れ角になるようにその可動板411aの振れ角を調整しつつ、描画領域142の各描画ライン141上に、順次、描画用レーザー光LLを走査し、画像を描画してゆく。
また、描画タイミング生成部63では、描画を行うフレームが、奇数フレームと偶数フレームとのいずれであるかの管理を行い、それにより、ミラー421の回動方向と、映像データ記憶部61からの映像データの読み出し順序を決定している。すなわち、奇数フレームにおいて画像を描画する際と、偶数フレームにおいて画像を描画する際とで、映像データの読み出し順序を逆にする。
また、奇数フレームと偶数フレームとで、投影面101の同じライン上に描画用レーザー光LLを走査する。すなわち、奇数フレームの各描画ライン141と偶数フレームの各描画ライン141とが一致するように、描画用レーザー光LLを走査する。
具体的には、1番目のフレームについては、左上から描画を開始し、ジグザグに右下まで描画し、2番目のフレームについては、ミラー421の回動方向を前記と逆にし、前記と逆に右下から左上まで描画を行う。以降、同様にして、奇数番目のフレームについては、左上から右下まで描画し、偶数番目のフレームについては、右下から左上まで描画を行う。
なお、本実施形態では、垂直方向の走査の往路を奇数フレームとし、垂直方向の走査の復路を偶数フレームとしているが、これに限らず、垂直方向の走査の復路を奇数フレームとし、垂直方向の走査の往路を偶数フレームとしてもよい。また、本実施形態では、1番目のフレームについて描画を開始する位置は、左上であるが、これに限らず、例えば、右上、左下、右下等であってもよい。また、奇数フレームと偶数フレームとで、投影面101の異なるライン上に描画用レーザー光LLを走査してもよい。
ここで、前記画像の描画の際の可動板411aの振れ角の経時的変化およびミラー421の角度の経時的変化は、下記の通りである。
水平走査では、図8に示すように、可動板411aの振れ角は、最小振れ角から徐々に増大し、最大振れ角に到達した後、徐々に減少し、最小振れ角に到達した後、再び、徐々に増大し、以降、同様に、前記動作を繰り返す。
このように、この画像形成装置1では、可動板411aの振れ角が急激に変化しないので、容易かつ確実に、共振を利用して動作させる形態のアクチュエーター41の可動板411aの振れ角を調整することができる。
また、垂直走査では、図9に示すように、奇数フレームにおいて画像の描画を行う表示期間(描画期間)と、偶数フレームにおいて画像の描画を行う表示期間との間に、画像の描画を行わない非表示期間(非描画期間)が設けられている。この表示期間において、次のフレームの描画を開始するタイミング等の各タイミングを調整することができる。
そして、垂直方向の走査の往路および復路、すなわち、ミラー421を所定方向に回動させる際と、前記と逆方向に回動させる際との両方で、画像の描画を行うので、従来のような垂直帰線期間が不要になり、前記非表示期間を短くすることができる。これにより、時間開口率(画像の描画を行う期間の割合)を高くすることができる。
すなわち、1フレーム中の垂直方向の非表示期間を往復描画することで短くすることができ、これにより、垂直時間開口率が高くなり、垂直走査の往路のみで水平走査を行って画像を描画する場合と可動板411aの角速度が同じときは、その往路のみで画像を描画する場合に比べ、単位時間当たりのフレーム数を多くすることができ、これによって、動画における早い動きにも容易に対応することができる。逆に言えば、垂直走査の往路のみで水平走査を行って画像を描画する場合と単位時間当たりのフレーム数が同じときは、その往路のみで画像を描画する場合に比べ、可動板411aの角速度を小さくすることができ、これによって、安定的に画像を描画することができる。また、上記の場合で、可動板411aの角速度を変化させない時には、より垂直解像度の高い描画が可能となる。
ここで、実際には、例えば、アクチュエーター41の可動板411aの慣性(慣性モーメントが)が大きく、その可動板411aが瞬時には追従しない場合がある。このような場合は、例えば、アクチュエーター41の駆動電流をゼロにするか、またはアクチュエーター41を逆相で駆動する場合もある。
以上説明したように、この画像形成装置1によれば、時間開口率を高くしつつ、可動板511aの振れ角を急激に変化させることなく、画像の台形歪みを防止することができる。
また、垂直走査の往路および復路のそれぞれにおいて、水平走査を行って画像を描画するので、垂直走査において往路から復路に切り替わる際や、復路から往路に切り替わる際に、ミラー421の振れ角を急激に変化させる必要がなくなり、これにより、容易かつ確実に、ミラー421の振れ角を調整することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の画像形成装置の第2実施形態について説明する。
図10は、第2実施形態に係る画像形成装置の検出手段を説明するための模式図である。
以下、第2実施形態について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本願発明の第2実施形態にかかる画像形成装置は、検出手段の構成が異なる以外は、前記第1実施形態と同様である。
本実施形態の検出手段5は、検出用光源ユニット51と、受光素子52と、プリズム53と、減光フィルター56と、検知部55とを有している。すなわち、前述した第1実施形態の偏光フィルター54を減光フィルター56に置き換えた以外は、第1実施形態と同様の構成である。
減光フィルター56は、プリズム53の出射面と受光素子52との間に設けられ、受光素子52に到達するレーザー光の量を減少させる機能を有している。具体的には、第1実施形態で述べた迷光の量を受光素子52が受光できない程度まで減少させる機能を有している。これにより、受光素子52が迷光を受光することによる誤検出を防止することができる。なお、減光フィルター56によって、受光素子52に到達する検出用レーザー光LL’の量も減少するため、検出用レーザー光LL’の強度を、減光フィルター56を透過した後であっても受光素子52が充分に受光できる(信号を発生させることのできる)程度の強さに設定する必要がある。すなわち、減光フィルター56に到達する検出用レーザー光LL’の量が、減光フィルター56に到達する迷光の量よりも多くなるように検出用レーザー光LL’の強度を設定する必要がある。これにより、より確実に、可動板411aの振れ角を検出することができる。
このような第2実施形態によっても、第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
以上、本発明の画像形成装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、前記実施形態では、画像形成装置として、スクリーン上に画像を描画するものについて説明したが、本発明では、これに限定されず、例えば、壁などに画像を描画するものであってもよいし、光拡散板等を用いて、透過・拡散光を反対側から見てもよい。
また、本発明では、スクリーンが構成要素として含まれていなくてもよい。
また、前記第1実施形態では、光走査部として、共振駆動される形態のアクチュエーターと、ガルバノミラーとを用いたが、本発明では、これに限定されず、例えば、共振駆動される形態のアクチュエーターを2つ用いてもよい。
また、本発明では、第1方向を「水平方向」、第2方向を「垂直方向」としたが、これに限らず、例えば、第1方向を「垂直方向」、第2方向を「水平方向」としてもよい。
1……画像形成装置 100……スクリーン 101……投影面 2……描画用光源ユニット 21r、21g、21b……レーザー光源 210r、210g、210b……駆動回路 22r、22g、22b……コリメーターレンズ 220r、220g、220b……光源 23r、23g、23b……ダイクロイックミラー 4……光走査部 41……アクチュエーター 411……基体 411a……可動板 411b……支持部 411c、411d……連結部 411e……光反射部 412……スペーサー部材 413……対向基板 414……永久磁石 415……コイル 416……電圧印加手段 417……駆動手段 42……ガルバノミラー 421……ミラー 422……モーター 423……駆動回路 424……駆動手段 43……角度検出手段 431……エンコーダー 432……角度検知部 5‥‥検出手段 51‥‥検出用光源ユニット 511‥‥レーザー光源 512‥‥駆動回路 513‥‥光源 514‥‥コリメーターレンズ 52‥‥受光素子 53‥‥プリズム 54‥‥偏光フィルター 55‥‥検知部 56‥‥減光フィルター 6……作動制御装置 61……映像データ記憶部 62……映像データ演算部 63……描画タイミング生成部 64……光源変調部 65……振れ角演算部 66……角度指示部 67……検量線記憶部 141……描画ライン 142……描画領域 LL……描画用レーザー光 LL’……検出用レーザー光 RR、GG、BB……レーザー光 J、Ja……回動中心軸

Claims (10)

  1. 投影面に対し、レーザー光を走査することにより画像を描画するよう構成され、
    描画用レーザー光を出射する描画用光出射部と、
    第1方向に回動可能な光反射面を有し、前記描画用光出射部から出射された前記描画用レーザー光を前記投影面に対して前記第1方向に走査する第1方向走査部と、
    前記第1方向と直交する第2方向に回動可能な光反射面を有し、前記第1方向走査部によって前記第1方向に走査された前記描画用レーザー光を前記投影面に対して前記第2方向に走査する第2方向走査部と、
    前記第1方向走査部が有する前記光反射面の振れ角を検出する検出手段とを有し、
    前記検出手段は、前記描画用レーザー光とは異なる光路で前記第1方向走査部の前記光反射面に向けて検出用レーザー光を出射する検出用光出射部と、前記第1方向走査部の前記光反射面が所定の振れ角のときに該光反射面によって反射された前記検出用レーザー光を受光する受光素子とを有し、前記受光素子が前記検出用レーザー光を受光するタイミングに基づいて前記第1方向走査部の前記光反射面の振れ角を検知するよう構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記検出手段は、第1方向走査部と前記受光素子との間に設けられ、前記描画用レーザー光を吸収するとともに前記検出用レーザー光を透過するフィルターを有している請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記描画用レーザー光および前記検出用レーザー光は、共に直線偏光であり、前記フィルターの入射面に対して電場の振動方向が異なっており、
    前記フィルターは、偏光フィルターであり、
    前記検出用レーザー光の偏光方向と前記偏光フィルターの偏光透過軸が一致している請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記検出手段は、第1方向走査部と前記受光素子との間に設けられ、前記受光素子に到達するレーザー光の量を減少させる減光フィルターを有している請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 前記減光フィルターに到達する前記描画用レーザー光の量よりも、前記検出用レーザー光の量が多くなるように、前記検出用レーザーを出射する請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記検出手段は、第1方向走査部と前記フィルターとの間に、入射した前記検出用レーザー光を少なくとも1回反射した後出射するプリズムを有している請求項2ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記プリズムは、前記描画用レーザー光の光路と重ならないように設けられている請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記検出用レーザー光および前記描画用レーザー光の前記第1方向走査部の前記光反射面までの光路は、前記第1方向走査部の前記光反射面の平面視にて、互いに直交している請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記第1方向の走査を行うに際し、前記描画用光出射部から光を出射した光出射状態で前記投影面上での前記描画用レーザー光の前記第1方向の振れ幅が前記第2方向に沿って一定になるように前記第1方向走査部の前記光反射部の振れ角を調整する請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記第1方向走査部は、回動可能に設けられ、前記光反射面を有する可動板と、前記可動板を回動可能に支持する支持部と、前記可動板と前記支持部とを連結する連結部と、前記可動板を回動させる駆動手段とを備えている請求項1ないし9のいずれかに記載の画像形成装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2015105115A1 (ja) * 2014-01-07 2017-03-23 三菱電機株式会社 画像投影装置、調整方法、および制御方法

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