JP6513150B2 - 偏光フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、偏光フィルムに関するものである。
従来、画像表示装置として液晶表示装置が知られている。液晶表示装置は、液晶パネルと、液晶パネルの両面に設けられた偏光子と、を有している。偏光子としては、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂フィルムを延伸させた延伸フィルムに、二色性色素を吸着配向させた偏光フィルムが知られている(例えば特許文献1)。
特開2009−098653号公報
近年、液晶表示装置には、軽量化のため小型化や薄型化が求められており、それに伴い液晶表示装置を構成する偏光フィルムについても薄型化が検討されている。このため、薄型化しても十分な強度(例えば、高温と低温とを繰り返すような環境下における偏光フィルムのクラックの抑制)を有する偏光フィルムが求められている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、高温と低温とを繰り返すような環境下における強度を高めた偏光フィルムの提供を目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様の偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂を形成材料とし、二色性物質を有する偏光フィルムであって、広角X線回折法により測定した、方位角分布における配向度が81.0%以上であることを特徴とする。
上記の偏光フィルムは、パルスNMR(H)により得られるスピン−スピン緩和時間から求めた結晶部、拘束非晶部および非晶部の合計に対する拘束非晶部の割合が40%以上95%以下である構成としてもよい。
本発明によれば、高温と低温とを繰り返すような環境下における強度を高めた偏光フィルムを提供することができる。
第1実施形態の偏光板の層構成の一例を示す概略断面図。 第1実施形態の偏光フィルムのポリビニルアルコール系樹脂のミクロ構造を示す模式図。 第1実施形態の偏光フィルムの製造方法の一例を示すフローチャート。 第2実施形態の偏光板の層構成の一例を示す概略断面図。 第3実施形態の偏光板の層構成の一例を示す概略断面図。
以下、図面を参照しながら、本実施形態に係る偏光フィルムについて説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などを適宜異ならせてある。
[第1実施形態]
<偏光板>
図1は、第1実施形態に係る偏光板1の層構成の一例を示す概略断面図である。
偏光板1は、片面保護フィルム付偏光板である。偏光板1は、偏光フィルム5と、偏光フィルム5の一方の面側に位置する保護膜(保護フィルム)10と、偏光フィルム5と保護膜10と接合する接合剤15と、を備える。
本実施形態の偏光板1は、液晶表示装置のような画像表示装置に組み込まれるとき、液晶セルのような画像表示素子の視認(前面)側に配置される偏光板であってもよいし、画像表示素子の背面側(例えば液晶表示装置のバックライト側)に配置される偏光板であってもよい。従来、視認側に配置される偏光板は、背面側に配置される偏光板に比べて結露等が生じやすく偏光フィルムにクラックが入りやすいことが知られている。本実施形態の偏光板1によれば、偏光フィルム5にクラックが入ることを顕著に抑制することができる。
<偏光フィルム>
偏光フィルム5は、ポリビニルアルコール系樹脂を形成材料とし、二色性物質(二色性色素)で染色されている。ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリビニルアルコール樹脂またはポリビニルアルコール樹脂誘導体が用いられる。以下、本明細書において、ポリビニルアルコールをPVAと省略して説明する。
PVA樹脂誘導体としては、例えば、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラールまたはこれらの変性体が挙げられる。この変性体としては、例えば上述したPVA樹脂誘導体を、エチレン、プロピレン等のオレフィンや、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸のアルキルエステルや、アクリルアミド等で変性したものが挙げられる。
PVA系樹脂は、結晶性高分子である。PVA系樹脂を二色性物質で染色する際に、PVA系樹脂の結晶の近傍に、二色性物質とPVA系樹脂とからなる錯体が形成される。この錯体は、安定かつ配向しやすいことから、偏光フィルムとしたときの偏光性能の向上に寄与する。
本明細書において、PVA系樹脂の「配向」とは、PVA系樹脂の分子鎖が一方向に並ぶことをいう。また、上記分子鎖は、PVA系樹脂の延伸方向に配向する。さらに、上記分子鎖の配向方向は、偏光フィルム5における吸収軸方向である。
偏光フィルム5の形成材料であるPVA系樹脂の平均重合度は、好ましくは100〜10000であり、より好ましくは1500〜8000であり、さらに好ましくは2000〜5000である。PVA系樹脂の平均重合度は、JIS K 6726(1994)に準拠して求めることができる。
PVA系樹脂のケン化度は、85モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましく、99モル%以上がさらに好ましい。一方、PVA系樹脂のケン化度は、100モル%未満であることが好ましく、99.9モル%未満であってもよい。
PVA系樹脂のケン化度が85モル%以上であると、得られる偏光フィルムの結晶化度が高くなり、後述する配向度を高くしやすい。
一方、PVA系樹脂のケン化度が100モル%未満であると、PVA系樹脂の染色速度が十分速くなる。これにより、短時間でも十分な偏光性能を有する偏光フィルムが得られる。
本実施形態のPVA系樹脂の染色に用いる二色性物質としては、例えば、偏光フィルム用色素として公知の二色性物質が挙げられ、ヨウ素が好ましい。
以下、二色性物質としてヨウ素を用いる場合に限定して説明する。本実施形態に係るPVA系樹脂の染色にはヨウ素溶液が用いられ、ヨウ素水溶液が用いられるのが好ましい。
ヨウ素水溶液としては、ヨウ素および溶解助剤としてヨウ化物を溶解させ、ヨウ素イオンを含有させた水溶液が用いられる。
ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫またはヨウ化チタンが好ましく、ヨウ化カリウムがより好ましい。
偏光フィルム5には、本発明の効果を損なわない範囲で、可塑剤が含まれていてもよい。可塑剤は、偏光フィルムを得るときの延伸工程を容易にすることができる。上記可塑剤としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のポリオールまたはポリオールの縮合物が挙げられる。
偏光フィルム5中の可塑剤の含有量は、特に制限されないが、20質量%以下が好ましく、10質量%以下が好ましい。可塑剤の含有量が20質量%以下であると、得られる偏光フィルムの配向度が高くなりやすい。配向度を向上させる観点から考えると、使用する延伸装置によって延伸可能であるならば、偏光フィルム5中の可塑剤の含有量が実質的に0質量%であることが好ましく、可塑剤を添加しなくてもよい。可塑剤の含有量が実質的に0質量%であるとは、本明細書において1質量%以下であることを言う。
偏光フィルム5の配向の程度は、偏光フィルム5の配向度で表される。本実施形態の偏光フィルム5の配向度は、81.0%以上であり、好ましくは81.5%以上である。偏光フィルム5の配向度が81.0%以上であると、原因は不明であるが、高温と低温とを繰り返す環境下においても、偏光フィルムのクラックの発生率を著しく抑制することができる。
本明細書において、偏光フィルム5の配向度は広角X線回折法(WAXD)により測定することができ、具体的には後述の実施例の項に記載の方法より測定することができる。
偏光フィルム5の形成材料であるPVA系樹脂には、結晶部と非晶部とが存在する。近年の分析技術の進歩により、結晶部と非晶部との中間状態である拘束非晶部と呼ばれる部分が存在することが、明らかになってきた。拘束非晶部は、結晶部と比べて分子鎖が拘束されていないと考えられている。また、拘束非晶部は、非晶部と比べて分子鎖が伸びておらず、結晶組織が若干ほどけた状態であると考えられている。
偏光フィルム5の形成材料であるPVA系樹脂中に上記拘束非晶部の量が多いと、高温、または高温および高湿の環境下において、偏光フィルム5の光学特性が安定化しやすいと考えられる。また、偏光フィルム5の形成材料であるPVA系樹脂中に上記拘束非晶部の量が多いと、高温、または高温および高湿の環境下において、偏光フィルム5の強度が向上しやすいと考えられる。
光学特性が安定する理由としては、次のように考えられる。拘束非晶部は、もともと非晶部よりも、分子鎖が動きにくいと考えられている。このような拘束非晶部にヨウ素が入り込み、拘束非晶部を構成するPVAとヨウ素とが錯体形成を行うと、得られた錯体の分子鎖も同様に動きにくいと考えられる。そのため、得られた錯体は、熱や湿度等の環境変化に対して、ヨウ素の配向を維持しやすく、耐性が強いからだと考えられる。
また、偏光フィルムの強度が増す理由としては、次のように考えられる。拘束非晶部は、結晶部から若干結晶組織がほどけたような状態になっている部分であり、もともと結晶部よりも、分子鎖が動きやすいと考えられている。このような拘束非晶部にヨウ素が入り込み、拘束非晶部を構成するPVAとヨウ素とが錯体を形成することで、PVA分子鎖同士をヨウ素が繋ぎ止めるためであると考えられる。
本実施形態の偏光フィルム5において、結晶部、拘束非晶部および非晶部の合計に対する拘束非晶部の割合は、20%超が好ましく、30%以上がより好ましく、40%以上がさらに好ましい。上記拘束非晶部の上限は特に限定されないが、95%以下であってもよい。
本明細書において、拘束非晶部の割合は、後述の実施例の項に記載に従い、パルスNMR(H)測定により得られるスピン−スピン緩和時間から算出した値を採用する。
PVAの結晶は、ポリマー鎖が幾重にも折り返されて形成される折り畳み構造であることが知られている。この折り畳み構造の結晶は、一般にラメラ型結晶と呼ばれる。
図2は、偏光フィルム5のPVA系樹脂のミクロ構造を示す模式図である。
図2には、ラメラ型結晶を構成するポリマー鎖の一部が示されている。ラメラ型結晶(PVAの結晶)50は、ポリマー鎖51が幅方向に幾重にも折り返された折り畳み構造を有している。また、ラメラ型結晶(PVAの結晶)50には、上記折り畳み構造が奥行方向にも幾重にも連なって形成されている。
ラメラ型結晶50の結晶サイズは、後段に説明するように、PVA系樹脂の熱履歴によって調整することができる。熱履歴の調整は、例えば、PVA系樹脂の製膜乾燥時に印加する熱量、すなわち、温度や時間を調整したり、延伸温度を調整したりする。
本実施形態の偏光フィルム5の延伸方向(吸収軸方向)において、ラメラ型結晶間の距離Waは、7.0nm以上30.0nm以下であることが好ましい。また、本実施形態の偏光フィルム5の延伸方向に直交する方向(透過軸方向)において、ラメラ型結晶間の距離Wbは、1.0nm以上10.0nm以下であることが好ましい。
本明細書において、ラメラ型結晶間の距離は、後述の実施例の項の記載に従い、小角X線散乱法(SAXS)から測定される値を採用する。
本実施形態の偏光フィルム5の厚さは、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。偏光板を薄型化するためには、偏光フィルム5の厚さは、10μm以下であることがさらに好ましく、8μm以下であることがとりわけ好ましい。偏光フィルムの厚さは、2μm以上であることが好ましい。本実施形態によれば、単位膜厚当たりの強度を大きくすることができるので、薄型でありながら強度に優れた偏光フィルムを得ることができる。
本実施形態の偏光フィルム5の偏光性能について説明する。本明細書において、偏光フィルムの偏光性能は、「視感度補正単体透過率(Ty)」および「視感度補正偏光度(Py)」と呼ばれる2つのパラメーターで評価される。TyおよびPyはそれぞれ、人間の目の感度が最も高い550nm付近の重み付けが最も大きくなるように補正を行った可視域(波長380〜780nm)における透過率、および偏光度である。波長380nm未満の光は人間の目には視認できないため、TyおよびPyにおいては考慮されない。
偏光フィルム5の視感度補正単体透過率Tyは、偏光フィルム5およびこれを含む偏光板1が適用される液晶表示装置等の画像表示装置において通常求められる値であることができる。偏光フィルム5のTyは、40%以上47%以下であることが好ましく、41%以上45%以下であることがより好ましい。偏光フィルム5のTyが40%以上であると、TyとPyとのバランスがより良好となる。偏光フィルム5のTyが47%以下であると、Pyが十分高くなり、画像表示装置の輝度が十分高くなって、表示品位が十分高くなる。一方、偏光フィルム5のTyが40%未満の場合には、画像表示装置の輝度を十分に高くするために画像表示装置の投入電力を大きくするとよい。
偏光フィルム5のPyは、99.9%以上であることが好ましく、99.95%以上であることがより好ましく、99.99%以上であってもよい。
本明細書において、偏光フィルム5のTyおよびPyは、積分球付き分光光度計(日本分光株式会社製の「V7100」)を用いて測定される。
偏光フィルム5は、単位厚さ当たりの突刺し強度が6.0g/μm以上であることが好ましい。偏光フィルム5の単位厚さ当たりの突刺し強度が6.0g/μm以上であれば、高温と低温とを繰り返す環境下においても、偏光フィルム5のクラックの発生率を著しく抑制することができる。
本明細書において、偏光フィルム5の単位厚さ当たりの突刺し強度は、以下の突刺し試験を行うことで求められる。突刺し試験は、直径1mm、先端の曲率半径0.5Rの突刺治具を装着した小型卓上試験機〔株式会社島津製作所製の「EZ Test(登録商標)」〕に試験片(偏光フィルム5)を固定して行われる。突刺し試験は、温度23±3℃の環境下、突刺し速度0.33cm/秒の条件で行われる。突刺し強度は、試験片10個に対して突刺し試験を行い、試験片が図2の透過軸方向に裂けたときの強度について、数値の上位3個と下位3個を除いた4個の平均値とした。その平均値を試験片の膜厚で除することで、単位膜厚あたりの突刺し強度を求める。
<保護膜>
保護膜10は、図1に示すように、偏光フィルム5の一方の面に接合剤15を介して接合されている。保護膜10は、透光性を有する熱可塑性樹脂を形成材料とする。また、保護膜10は、光学的に透明な熱可塑性樹脂を形成材料とすることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂)などのポリオレフィン系樹脂、セルローストリアセテート、セルロースジアセテートなどのセルロースエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、またはこれらの混合物、共重合物などが挙げられる。
保護膜10は、位相差フィルム、輝度向上フィルムなどの光学機能を併せ持つフィルムであってもよい。保護膜10は、例えば、熱可塑性樹脂を形成材料とするフィルムを延伸(一軸延伸又は二軸延伸等)することにより得られる。また、保護膜10が位相差フィルムである場合、得られた上述のフィルム上に液晶層等を形成することにより、上述のフィルムに任意の位相差が付与された位相差フィルムを得ることができる。
保護膜10において、偏光フィルム5とは反対側の表面には、ハードコート層、防眩層、反射防止層、帯電防止層、防汚層のような表面処理層(コーティング層)を形成することもできる。また保護膜10は、滑剤、可塑剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤のような添加剤を1種又は2種以上含有することができる。
保護膜10の厚さは、偏光板の薄型化の観点から、好ましくは90μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。保護膜10の厚さは、機械的強度および取扱性の観点から、通常5μm以上である。
<接合剤(接着剤又は粘着剤)>
接合剤15は、図1に示すように、偏光フィルム5と保護膜10との間に位置している。接合剤15は、偏光フィルム5の一方の面に保護膜10を接着固定するための層を形成する。接合剤15としては、接着剤又は粘着剤が採用できる。
接合剤15として接着剤を用いる場合、用いる接着剤としては、紫外線、可視光、電子線、X線のような活性エネルギー線の照射によって硬化する硬化性化合物を含有する活性エネルギー線硬化性接着剤や、PVA系樹脂のような接着剤成分を水に溶解又は分散させた水系接着剤が挙げられる。上記活性エネルギー線硬化性接着剤としては、良好な接着性を示すことから、カチオン重合性の硬化性化合物とラジカル重合性の硬化性化合物とのいずれか一方または両方を含む活性エネルギー線硬化性接着剤組成物が好ましい。
上記活性エネルギー線硬化性接着剤は、上記硬化性化合物の硬化反応を開始させるためのカチオン重合開始剤とラジカル重合開始剤とのいずれか一方または両方をさらに含むことができる。
接合剤15として接着剤を用いる場合、接合剤15には、接着性が良好であることから、カチオン重合性の硬化性化合物を含む接着剤が好ましく用いられる。
接合剤15として接着剤を用いる場合、接合剤15の厚さは、0.001〜5μmが好ましく、0.01〜3μmがより好ましく、0.1〜1.5μmがさらに好ましい。
接合剤15として粘着剤を用いる場合、用いる粘着剤としては、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂等をベースポリマーとし、そこに、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物のような架橋剤を加えた粘着剤組成物からなる。さらに微粒子を含有させて光散乱性を示す粘着剤とすることもできる。
接合剤15として粘着剤を用いる場合、接合剤15の厚さは、1〜40μmが好ましく、3〜25μmがより好ましい。
本実施形態の偏光板1は、偏光フィルム5、接合剤15および保護膜10から構成されるが、偏光板1は、偏光フィルム5、接合剤15および保護膜10以外の他の光学層をさらに有していてもよい。他の光学層としては、ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光フィルム、表面に凹凸形状を有する防眩機能付フィルム、表面反射防止機能付フィルム、表面に反射機能を有する反射フィルム、反射機能と透過機能とを併せ持つ半透過反射フィルム、視野角補償フィルム等が挙げられる。
<偏光フィルムの製造方法>
次に、本実施形態の偏光フィルム5の製造方法について説明する。
図3は、偏光フィルム5の製造方法の一例を示すフローチャートである。本実施形態の偏光フィルム5の製造方法は、PVA系樹脂層を形成する工程(以下、ステップS1)と、延伸工程(以下、ステップS2)と、染色工程(以下、ステップS3)と、架橋工程(以下、ステップS4)と、を備えている。
(ステップS1)
本実施形態のステップS1では、基材フィルムの少なくとも一方の面にPVA系樹脂を形成材料とする樹脂層(PVA系樹脂層)を形成する。これにより、基材フィルムとPVA系樹脂層からなる積層フィルムを形成する。
図3に示すように、本実施形態のステップS1は、基材フィルムにPVA系樹脂溶液を塗工工程S11(以下、ステップS11)とPVA系樹脂溶液を乾燥させる乾燥工程S12(以下、ステップS12)とを含む。
(ステップS11)
本実施形態のステップS11では、帯状の基材フィルムを長手方向に搬送しながら基材フィルムの少なくとも一方の面に、PVA系樹脂を含有する水溶液を塗工して塗工層を形成する。
PVA系樹脂を含有する水溶液が塗工される基材フィルムは、後述するステップS2においてPVA系樹脂層を延伸し薄膜化する際に、PVA系樹脂層が破損することを抑制する。基材フィルムは、表面に偏光フィルム5を形成した後に、偏光フィルム5から剥離されてもよく、また、剥離されることなく保護フィルムとして使用されてもよい。
基材フィルムは熱可塑性樹脂から構成することができ、中でも透明性、機械的強度、熱安定性、延伸性等に優れる熱可塑性樹脂から構成することが好ましい。このような熱可塑性樹脂の具体例は、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、セルローストリアセテート、セルロースジアセテートなどのセルロースエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、PVA系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、もしくはこれらの混合物、または共重合物を含む。
基材フィルムは、1種又は2種以上の熱可塑性樹脂からなる1つの樹脂層からなる単層構造であってもよいし、1種又は2種以上の熱可塑性樹脂からなる樹脂層を複数積層した多層構造であってもよい。基材フィルムは、後述するステップS2において、PVA系樹脂層を延伸するのに好適な延伸温度で延伸できるような樹脂で構成されることが好ましい。
基材フィルムは、添加剤を含有することができる。添加剤の具体例は、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、可塑剤、離型剤、着色防止剤、難燃剤、核剤、帯電防止剤、顔料、および着色剤を含む。
基材フィルムの厚さは、1〜500μmが好ましく、1〜300μmがより好ましく、5〜200μmがさらに好ましく、5〜150μmがとりわけ好ましい。基材フィルムの厚さが上記範囲内であると、基材フィルムの機械的強度が高くなり、かつ基材フィルムを取り扱いやすくなる。
PVA系樹脂を含有する水溶液は、必要に応じて、水以外の溶剤、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を含有していてもよい。水以外の溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、多価アルコール(好適にはグリセリン)に代表されるアルコールなどの水に相溶性のある有機溶剤を挙げることができる。
PVA系樹脂を含有する水溶液からなる塗工層の初期含水率は、30質量%を超える値であることが好ましい。上記塗工層の初期含水率が30質量%超であることにより、PVA系樹脂を含有する水溶液が均一な溶液となり、後述するS12の前に意図しない結晶化が起こることを抑制できる。
上記塗工層の初期含水率は40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。これにより、本実施形態のステップS11では、PVA系樹脂を含有する水溶液を取り扱いやすい。
上記水溶液を基材フィルムに塗工する方法は、ワイヤーバーコーティング法、リバースコーティング、グラビアコーティングのようなロールコーティング法、ダイコート法、カンマコート法、リップコート法、スピンコーティング法、スクリーンコーティング法、ファウンテンコーティング法、ディッピング法、スプレー法等の方法から適宜選択することができる。
塗工層は、基材フィルムの一方の面のみに形成してもよいし、両面に形成してもよい。
本実施形態のステップS11に先立ち、基材フィルムとPVA系樹脂層との密着性を向上させるために、少なくとも塗工層が形成される側の基材フィルムの表面に、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム(火炎)処理等を施してもよい。また同様の理由で、基材フィルム上にプライマー層等を介して塗工層を形成してもよい。
(ステップS12)
本実施形態のステップS12では、含水率が30質量%超である塗工層から水を除去してPVA系樹脂層を形成する。塗工層の乾燥(水の除去)は、加熱により行うことができるが、減圧などによる乾燥を併用してもよい。加熱方法としては、加温したロール(熱ロール)に基材フィルムを接触させる(抱きかける)方法、熱風を吹きかける方法、又はこれらの方法の組み合わせなどを挙げることができる。
本実施形態のステップS12における乾燥温度は、例えば50〜200℃の範囲内であり、好ましくは60〜150℃の範囲内である。
本実施形態のステップS12では、基材フィルム上の塗工層から水を除去していき、所望の含水率に達するまで塗工層を乾燥させ、基材フィルム上にPVA系樹脂層を形成する。以下、ステップS12の直前における塗工層の含水率を「初期含水率W1」と称する。また、ステップS12で得られたPVA系樹脂層の含水率を「最終含水率W2」と称する。
本実施形態のステップS12において、塗工層の含水率が30質量%であるときの水の除去速度、または含水率が30質量%の近傍における水の平均除去速度を適切に調整することが重要である。
ここで、「水の除去速度」とは、単位時間(秒)あたりにおける塗工層の含水率(質量%)の低下量を意味し、単位は質量%/秒である。また、「塗工層の含水率が30質量%の近傍」とは、塗工層の含水率が30〜10質量%の間を意味する。以下では、塗工層の含水率が30質量%であるときの水の除去速度を「除去速度V(30)」と称する。また、塗工層の含水率が30〜10質量%の範囲であるときの水の平均除去速度を「平均除去速度Vave(30−10)」と称する。
本実施形態のステップS12では、除去速度V(30)と、平均除去速度Vave(30−10)とのいずれか一方または両方が0.01〜1.8質量%/秒の範囲内とする。除去速度V(30)と平均除去速度Vave(30−10)とのいずれか一方または両方が上記範囲内となるように、塗工層を乾燥させることにより、PVAの結晶サイズを小さくし、結晶間距離Waおよび結晶間距離Wbを短くすることができ、緻密な結晶の分布とすることができる。その結果、偏光フィルム5において、結晶部、拘束非晶部および非晶部の合計に対する拘束非晶部の割合を高めることができる。
除去速度V(30)と平均除去速度Vave(30−10)とのいずれか一方または両方を上記範囲内に調整することによって、緻密な結晶構造を形成できる理由は、次のように推定される。
塗工層の含水率が30質量%またはその近傍であるとき、塗工層ではPVA系樹脂からなる結晶核が生成し始めると考えられる。これは、含水率が30質量%付近からPVA系樹脂からなる結晶核を形成して結晶化する方がより安定なためであると考えられる。このとき、除去速度V(30)と平均除去速度Vave(30−10)とのいずれか一方または両方を上記範囲内とすることで、PVA系樹脂からなる結晶核が十分に多く生成されると考えられる。そして、PVA系樹脂からなる結晶核を多く生成させることで、PVA系樹脂層中の結晶の密度が高くなり、より緻密な結晶構造が形成されると考えられる。
これに対して、塗工層の含水率が30質量%を超える領域においては、PVA系樹脂は均一に水に溶解しており、PVA系樹脂の分子鎖が均一に存在している(溶液)状態が安定であると考えられる。実際、含水率が30質量%を超える領域、臨界サイズ以上の安定な結晶核はほとんど生成しないことが分かっている。含水率が約30重量%まで低下すると、安定な臨界サイズ以上の結晶核生成が行われるようになるが、これは、結晶核を形成して結晶化する方がより安定なためであると考えられる。
このように、PVA系樹脂の結晶核は、塗工層の含水率が30質量%の近傍まで低下したときに生じ始め、塗工層の含水率が30〜10質量%の範囲においても生成する。これに対し、塗工層の含水率が10質量%を下回る場合においては、臨界サイズ以上の安定な結晶核は生成しにくいことが分かっている。これは、塗工層中に良溶媒である水が極めて少なく、PVA系樹脂の分子鎖の運動性が低下するためであると考えられる。
結晶核の生成する全含水率範囲にわたって結晶核を十分に多く生成させることができることから、本実施形態のステップS12においては、少なくとも平均除去速度Vave(30−10)を0.01〜1.8質量%/秒の範囲内に調整することが好ましく、除去速度V(30)および平均除去速度Vave(30−10)の両方を0.01〜1.8質量%/秒の範囲内に調整することがより好ましい。これにより、PVA系樹脂からなる結晶核を十分に多く生成させることができる。
除去速度V(30)と平均除去速度Vave(30−10)とのいずれか一方または両方の上限値は、1.65質量%/秒以下であることが好ましく、1.5質量%/秒以下であることがより好ましい。これにより、PVA系樹脂層におけるPVA系樹脂からなる結晶核の密度をより高められる。
後述するステップS3において、PVA系樹脂層におけるPVA系樹脂からなる結晶核の密度があまり高いと、染色効率が低下することがある。除去速度V(30)と平均除去速度Vave(30−10)とのいずれか一方または両方の下限値が0.01質量%/秒以上であると、PVA系樹脂層におけるPVA系樹脂からなる結晶核の密度が高くなり過ぎず、ステップS3における染色効率を十分高く維持できる。
除去速度V(30)と平均除去速度Vave(30−10)とのいずれか一方または両方の下限値は、0.15質量%/秒以上が好ましく、0.5質量%/秒以上がより好ましい。これにより、後述するステップS3における染色効率を十分高く維持でき、偏光フィルム5の生産性を高められる。
除去速度V(30)と平均除去速度Vave(30−10)とのいずれか一方または両方を上記範囲に含まれるように低下させる方法としては、以下の方法が挙げられる。このような方法としては、例えばステップS12において熱ロールを用いる場合、熱ロールの表面温度を低下させる方法が挙げられる。また、別の方法としては、ステップS12において熱風を利用する場合、熱風の温度と風速とのいずれか一方または両方を低下させる方法を挙げることができる。また、ステップS12を実施する環境の湿度を高くしてもよい。
本実施形態のステップS12において、生産性の観点からは、塗工層の含水率が30質量%を大きく超える領域においては、乾燥条件を強化して水の除去速度を速くすることが好ましい。しかし、本実施形態のステップS12に用いる設備の操作上、塗工層の含水率が30質量%になった瞬間に急激に水の除去速度を遅くすることは難しい。そのため、塗工層の含水率が30質量%に到達するよりも前に水の除去速度を遅くしておく方が、除去速度V(30)と平均除去速度Vave(30−10)とのいずれか一方または両方を上記範囲内に調整しやすい。
本実施形態のステップS12において、初期含水率W1から最終含水率W2まで塗工層を乾燥させる際、終始一定の乾燥条件で乾燥を行うと、塗工層の温度が次第に上昇していき、乾燥途中から水の除去速度が著しく上昇する傾向がある。したがって、除去速度V(30)と平均除去速度Vave(30−10)とのいずれか一方または両方を上記範囲内とするためには、ステップS12の間、乾燥条件を終始一定にするのではなく、途中から乾燥条件を緩めることが好ましい。
次に、除去速度V(30)の測定方法について説明する。除去速度V(30)は、ステップS12の開始直後からの経過時間に対して塗工層の含水率をプロットして得られる含水率の減少曲線(フィッティングカーブ)から算出することができる。塗工層の含水率の測定間隔が十分狭く、連続的な測定値である場合には、塗工層の含水率が30質量%の時点での微分値から除去速度V(30)を求めることができる。ただし、実際の測定においては連続的な測定値を取得することは難しく、測定間隔が十分狭い測定値を取得できないことも多い。したがってこの場合には、塗工層の含水率が30質量%の時点を含む所定の期間における単位時間あたりの含水率の変化量を除去速度V(30)として採用する。本実施形態の製造方法において、「含水率が30質量%の時点を含む所定の期間」とは、例えば「含水率が32質量%から28質量%の期間」である。この場合、除去速度V(30)は、下記式[a]に従い、上記フィッティングカーブに基づいて算出される。
除去速度V(30)=(32−28)〔質量%〕/含水率が32質量%から28質量%になるのに要した時間〔秒〕 [a]
上記フィッティングカーブを取得する際、水の除去速度を正確に算出するために、含水率の測定値は、2質量%程度の間隔で取得するとよい。
一方、平均除去速度Vave(30−10)についても、除去速度V(30)と同様に求められる。平均除去速度Vave(30−10)は、下記式[b]に従い、上記フィッティングカーブに基づいて算出される。
平均除去速度Vave(30−10)=(30−10)〔質量%〕/(含水率が30質量%から10質量%になるのに要した時間〔秒〕) [b]
本明細書において、少なくとも一方の面に塗工層が形成された基材フィルムを「積層フィルム」と称することがある。このようにして得られる積層フィルムにおけるPVA系樹脂層の最終的な含水率は、例えば0.15%以上が好ましく、0.30%以上がより好ましく、0.40%以上であってもよい。上限値は特に限定されないが、10%以下とすることができる。
このような、PVA系樹脂層の最終的な含水率が重要な理由について、例を挙げて説明する。例えば、乾燥前の含水率が同じ塗工層を同じ時間で乾燥させるとき、得られるPVA系樹脂層の最終的な含水率が高い場合は、最終的な含水率が低い場合に比べ、塗工層を比較的緩やかに乾燥させることができる。これにより、PVA系樹脂層中のラメラ型結晶50の結晶間距離を小さくできるとともに、微細な結晶核が多数形成される。
一方、得られるPVA系樹脂層の最終的な含水率が低い場合は、最終的な含水率率が高い場合に比べ、急激に乾燥することになる。その結果、PVA系樹脂層中のラメラ型結晶50の結晶間距離が大きく、かつ粗大な結晶が少数形成される。
このような違いが生まれる理由としては、以下のようなモデルで考えることができる。まず、急激に乾燥させた場合、塗工層に温度分布の差が大きくなる。そのため、極初期の微細な結晶核の形成量は少ないと考えられる。その後、塗工層の乾燥が進み、PVA系樹脂の濃度が高くなるに従い、初期に形成された微細な結晶核が優先的に成長するため、粗大な結晶が少数形成されるためだと考えられる。
一方、緩やかに乾燥させた場合、塗工層に温度分布の差が小さくなる。そのため、極初期の微細な結晶核の形成量は多いと考えられる。その後、塗工層の乾燥が進み、PVA樹脂の濃度が高くなるに従い、初期に形成された微細な結晶核が多いため、最終的には結晶核が大きくなり難いためと考えられる。
また、膜厚が小さい塗工層では、膜厚方向において、温度分布やPVA系樹脂の濃度分布が小さくなる傾向がある。そのため、塗工層の膜厚が小さいほど、サイズの小さいPVAの結晶が多く生成しやすく、配向度が向上しやすい。また、塗工層の膜厚が小さいほど、サイズの小さいPVAの結晶が多く生成しやすく、結晶部、拘束非晶部および非晶部の合計に対する拘束非晶部の割合を高めることができる。
本発明において、最終的なPVA系樹脂層の水分率は、後述の実施例の項に従い、乾燥重量法と赤外線多成分計とから得られる検量線から求められる値を採用する。
PVA系樹脂のケン化度が比較的低くても(例えば99.9モル%未満であっても)、PVA系樹脂層のステップS12における含水率を調整することで、高配向度の偏光フィルムが得られる。また、結晶部、拘束非晶部および非晶部の合計に対する拘束非晶部の割合を高めることができる。これにより、光学特性が高く、かつ、高温と低温とを繰り返す環境下においても強度が高い偏光フィルムを得ることができる。
(ステップS2)
本実施形態のステップS2では、ステップS1で得られた積層フィルムを長手方向に搬送しながら延伸する。積層フィルムを延伸することにより、基材フィルムが延伸された延伸基材フィルムと、PVA系樹脂層が延伸された樹脂フィルムとが積層された延伸フィルムが得られる。本実施形態のステップS2は、薄膜の偏光フィルムを得やすい点で有利である。
本実施形態のステップS2における延伸処理は、例えば一軸延伸である。
本実施形態のステップS2における積層フィルムの延伸倍率は、所望する偏光性能およびラメラ型結晶の厚さに応じて適宜選択することができる。積層フィルムの延伸倍率は、積層フィルムの元の長さに対して1.1倍以上17倍以下が好ましく、1.5倍以上8倍以下より好ましい。積層フィルムの延伸倍率が17倍以下であると、延伸時にフィルムが破断しにくい。また、積層フィルムの延伸倍率が17倍以下であると、延伸フィルムが十分厚く、後工程で加工しやしく、また取り扱いやすい。
本実施形態のステップS2での延伸処理は、一段に限定されることはなく、多段であってもよい。延伸処理が多段の場合、全ての延伸処理を後段のステップS3の前に連続的に行ってもよいし、二段目以降の延伸処理をステップS3とステップS4とのいずれか一方または両方と同時に行ってもよい。このように多段で延伸処理を行う場合は、全ての延伸処理を合わせた延伸倍率が積層フィルムの元の長さに対して4倍超となるように延伸処理を行うことが好ましい。
本実施形態のステップS2での延伸処理は、積層フィルムを、フィルム長手方向(フィルム搬送方向)に延伸する縦延伸であってもよく、フィルム幅方向に延伸する横延伸であってもよく、フィルム長手方向と斜めに交差する方向に延伸する斜め延伸等であってもよい。縦延伸方式としては、ロールを用いて延伸するロール間延伸、圧縮延伸、チャック(クリップ)を用いた延伸等が挙げられる。横延伸方式としては、テンター法等が挙げられる。
本実施形態のステップS2での延伸処理は、湿潤式延伸方法、乾式延伸方法のいずれも採用できるが、乾式延伸方法を用いる方が好ましい。これにより、積層フィルムの延伸温度を広い範囲から選択することができる。
本実施形態の積層フィルムの延伸温度は、PVA系樹脂層および基材フィルム全体が延伸可能な程度に流動性を示す温度以上に設定される。積層フィルムの延伸温度は、基材フィルムの相転移温度(融点またはガラス転移温度)に対して、好ましくは−30℃から+30℃の範囲であり、より好ましくは−30℃から+5℃の範囲であり、さらに好ましくは−25℃から+0℃の範囲である。基材フィルムが複数の樹脂層からなる場合、上記相転移温度は該複数の樹脂層が示す相転移温度のうち、最も高い相転移温度を意味する。
積層フィルムの延伸温度が、基材フィルムの相転移温度に対して−30℃より高いと、積層フィルムの元の長さに対して4倍超となるように積層フィルムを延伸しやすい傾向がある。また、積層フィルムの延伸温度が、基材フィルムの相転移温度を基準に−30℃より高いと、基材フィルムの流動性が十分高くなり、積層フィルムを延伸しやすい傾向がある。
一方、積層フィルムの延伸温度が、基材フィルムの相転移温度に対して+30℃より低いと、基材フィルムの流動性が十分大きくなり過ぎず、積層フィルムを延伸しやすい傾向がある。
積層フィルムの延伸温度は、上記範囲内であって、120℃以上であることがさらに好ましい。これにより、積層フィルムの元の長さに対して4倍超となるように積層フィルムを延伸しやすい。
積層フィルムの延伸温度は、120℃以上170℃以下であることがとりわけ好ましい。これにより、延伸時の熱によって、PVA系樹脂層中のラメラ型結晶50(図2参照)が成長するのを抑制できる。これにより、PVA系樹脂層中のラメラ型結晶50を小さくし、結晶間距離を短くすることができる。その結果、PVA系樹脂層において、緻密な結晶分布を維持することができる。
本実施形態のステップS2での延伸処理における積層フィルムの加熱方法としては、例えば、熱風を吹き込み所定の温度に調整した加熱炉のような延伸ゾーン内で加熱する方法(以下、ゾーン加熱法)が挙げられる。また、ロールを用いて積層フィルムを延伸する場合、積層フィルムの加熱方法としては、ロール自体を加熱する方法が挙げられる。また、ロールを用いて積層フィルムを延伸する場合における積層フィルムの別の加熱方法としては、例えば赤外線ヒーター、ハロゲンヒーター、パネルヒーター等のヒーターを積層フィルムの上下に設置し、輻射熱で加熱する方法(以下、ヒーター加熱法)がある。本実施形態のステップS2での延伸処理としてロール間延伸を用いる場合、延伸温度の均一性の観点から、積層フィルムの加熱方法としては、ゾーン加熱法が好ましい。
なお、ゾーン加熱法の場合、延伸温度とは、ゾーン内(例えば加熱炉内)の雰囲気温度を意味する。また、ヒーター加熱法において炉内で加熱を行う場合、延伸温度とは、炉内の雰囲気温度を意味する。また、ロール自体を加熱する方法の場合、延伸温度とは、ロールの表面温度を意味する。
本実施形態のステップS1とステップS2との間に、積層フィルムを予熱する予熱処理を行ってもよい。積層フィルムの予熱方法は、上述の加熱方法と同様である。
積層フィルムの予熱温度は、積層フィルムの延伸温度に対して−50℃から±0℃の範囲であることが好ましく、−40℃から−10℃の範囲であることがより好ましい。
また、本実施形態のステップS2とステップS3との間に、延伸フィルムに対して熱固定処理を施してもよい。延伸フィルムの熱固定処理では、延伸フィルムの端部をクリップにより把持した状態で緊張状態に維持しながら、PVA系樹脂の結晶化温度以上で熱処理を行う。この熱固定処理によって、延伸フィルムにおける樹脂フィルムの結晶化が促進される。
延伸フィルムの熱固定処理の温度は、積層フィルムの延伸温度に対して−80℃〜−0℃の範囲であることが好ましく、−50℃〜−0℃の範囲であることがより好ましい。
(ステップS3)
本実施形態のステップS3では、延伸フィルムにおける樹脂フィルムを二色性物質であるヨウ素で染色して吸着配向させる。
本実施形態のステップS3では、ヨウ素を含有する溶液(以下、染色水溶液)に延伸フィルムを浸漬することにより、樹脂フィルムをヨウ素で染色する。
上記染色水溶液としては、ヨウ素を溶媒に溶解した溶液を使用できる。溶媒としては、水が好ましいが、水と相溶性のある有機溶媒が水にさらに添加されてもよい。染色水溶液におけるヨウ素の濃度は、好ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは0.02〜7質量%である。
樹脂フィルムの染色効率を向上できることから、染色水溶液にヨウ化物をさらに添加することが好ましい。ヨウ化物としては、例えばヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げられる。
染色水溶液におけるヨウ化物の濃度は、好ましくは0.01〜20質量%である。ヨウ化物の中でも、ヨウ化カリウムを添加することが好ましい。ヨウ化カリウムを添加する場合、ヨウ素とヨウ化カリウムとの割合は質量比で、好ましくは1:5〜1:100であり、より好ましくは1:6〜1:80である。
染色水溶液の温度は、好ましくは10〜60℃であり、より好ましくは20〜40℃である。
(ステップS4)
本実施形態のステップS4では、二色性物質で染色された樹脂フィルム(以下、染色フィルム)を、架橋剤を含む架橋溶液に浸漬する。このとき、架橋溶液中で、樹脂フィルムを長手方向へ延伸してもよい。
架橋剤としては、例えば、ホウ酸、ホウ砂のようなホウ素化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド等が挙げられる。架橋剤は1種のみを使用してもよいし2種以上を併用してもよい。
架橋溶液の溶媒としては、水が使用できるが、水と相溶性のある有機溶媒をさらに含んでもよい。架橋溶液における架橋剤の濃度は、好ましくは0.2〜20質量%であり、より好ましくは0.5〜10質量%である。
架橋溶液はヨウ化物をさらに含むことができる。ヨウ化物の添加により、偏光フィルム5の面内における偏光性能をより均一にすることができる。ヨウ化物の具体例は上記と同様である。架橋溶液におけるヨウ化物の濃度は、好ましくは0.05〜15質量%であり、より好ましくは0.5〜8質量%である。架橋溶液の温度は、好ましくは1〜90℃である。
なお、本実施形態のステップS4は、架橋剤を染色水溶液中に配合することにより、本実施形態のステップS3と同時に行うこともできる。
また、組成の異なる2種以上の架橋溶液を用いて、架橋溶液に染色フィルムを浸漬する処理を2回以上行ってもよい。
本実施形態のステップS4の後、架橋処理後の染色フィルム(以下、架橋フィルム)に洗浄処理および乾燥処理を施すことが好ましい。
架橋フィルムの洗浄処理は、水洗浄処理を含む。架橋フィルムの水洗浄処理では、イオン交換水、蒸留水などの純水に架橋フィルムを浸漬する。架橋フィルムの水洗浄処理の温度は、3〜50℃が好ましく、4〜20℃がより好ましい。
架橋フィルムの洗浄処理は、水洗浄処理とヨウ化物溶液による洗浄処理との組み合わせであってもよい。
架橋フィルムの洗浄処理の後に行われる乾燥処理としては、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥等の任意の適切な方法を採用し得る。例えば加熱乾燥の場合、架橋フィルムの乾燥温度は20〜95℃が好ましい。
本実施形態のステップS4、または必要に応じて行われる洗浄処理および乾燥処理の後に、延伸基材フィルムを架橋後の樹脂フィルムから剥離することで、偏光フィルム5が得られる。延伸基材フィルムを剥離する方法は特に限定されるものでなく、従来公知の方法を用いることができる。
以上の工程を経ることで、偏光フィルム5を製造することができる。また、この偏光フィルム5の一方の面に、接合剤15を介して保護膜10を接合することで、図1に示す偏光板1を製造することができる。
本実施形態の偏光フィルム5によれば、偏光フィルム5の配向度および拘束非晶部の含有比を調整することにより、高温と低温とを繰り返す環境下において、偏光フィルム5のクラックの発生を抑制できる。また、本実施形態によれば、偏光フィルム5の単位膜厚当たりのクラックに対する耐久性を高めることができる。そのため、本実施形態の偏光フィルム5は、薄型化と、クラックに対する耐久性の向上とを両立できる。
また、偏光フィルム5の配向度および拘束非晶部の含有比は、製造工程における熱履歴により調整することができる。より具体的には、偏光フィルム5の配向度および拘束非晶部の含有比は、製造工程中のPVA系樹脂層の乾燥工程における水分率により調整できる。
本実施形態によれば、PVA系樹脂のケン化度が比較的低くても(例えば99.9モル%未満であっても)、製造工程における熱履歴により調整することにより、緻密な結晶構造を形成することができる。その結果、偏光性能が高く、かつ、配向度が高い偏光フィルム5が得られる。
[第2実施形態]
図4は、第2実施形態の偏光板2の層構成の一例を示す概略断面図である。
本実施形態の偏光板2は、両面保護フィルム付偏光板であり、第1実施形態と比較して偏光フィルム5の両側の面に、保護膜10が設けられている点が異なる。なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
偏光板2は、偏光フィルム5と、偏光フィルム5の両方の面側にそれぞれ位置する保護膜10と、偏光フィルム5とそれぞれの保護膜10と接合する接合剤15と、を備える。本実施形態において、偏光フィルム5の両面に設けられた一対の保護膜10は、同等の構成を備えたものであるが、異種の樹脂からなる保護フィルムであっても、異なる厚さの保護フィルムであってもよい。同様に、一対の保護膜10をそれぞれ偏光フィルム5と接合する接合剤15は、互いに異なる種類の接合剤であってもよい。
[第3実施形態]
図5は、第3実施形態の偏光板3の層構成の一例を示す概略断面図である。なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態の偏光板3は、偏光フィルム5と、偏光フィルム5の一方の面に積層された粘着層16と、を備える。粘着層16は、偏光板3を他の部材(例えば液晶表示装置に適用する場合における液晶セル)に貼合するために用いられる。なお、本実施形態の偏光板3において、粘着層16は、偏光フィルム5の一方の面のみに設けられているが、両面に設けられていてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(塗工層の含水率の測定)
塗工層の含水率の測定には、株式会社チノー製の赤外線多成分計「IRMA−5162S」を用いた。
まず、含水率の異なる10点のフィルムサンプルを用意した。フィルムサンプルには、各実施例および比較例で用いたものと同じ基材フィルム上に、PVAを含有する水溶液を塗工して形成される塗工層を有するフィルムを用いた。この水溶液は、揮発分として水のみを含む。
次に、下記式[c](乾燥重量法)に従い、これらのサンプルの含水率を測定した。具体的に、10点のフィルムサンプルそれぞれについて、下記の(i)、(ii)および(iii)の測定を順に行い、下記式[c]に従って各フィルムサンプルの含水率を求めた。
含水率={[(i)の測定値−(ii)の測定値]/[(i)の測定値−(iii)の測定値]}×100 [c]
(i):フィルムサンプルの質量(乾燥処理前)を測定
(ii):105℃×2時間の乾燥処理後のフィルムサンプルの質量を測定
(iii):塗工層を剥離し、残った基材フィルムの質量を測定
また、この測定とは別に上記の赤外線多成分計を用いて、これらのサンプル中の水に由来する赤外線吸収の強度を測定した。そして、乾燥重量法による含水率の測定値と赤外線吸収の強度との対応関係をプロットし、1次式で近似することによって検量線を作成した。
次に、上記の赤外線多成分計による測定値を、上記検量線の1次式に代入することにより、各実施例および比較例における塗工層の含水率を算出した。
[偏光度の測定]
得られた両面保護フィルム付偏光板について、積分球付き分光光度計(日本分光株式会社製の「V7100」)を用いて、TyおよびPyを測定した。この測定においては、偏光フィルム側に入射光が照射されるように両面保護フィルム付偏光板をセットした。
[ラメラ型結晶のサイズの測定(SAXS)]
偏光フィルムのラメラ型結晶のサイズを、小角X線散乱(SAXS:Small Angle X−ray Scattering)のスルー法により求めた。
まず、偏光フィルムのMD方向を長辺とする長方形のフィルムの複数枚切り出した。切り出したフィルムを、それらのMDが平行となるように複数枚重ねて固定し、これを測定用試料とした。測定用試料の厚さは0.05mm程度とした。下記の小角X線散乱装置を用い、測定用試料の表面に対して垂直な方向から、下記のX線出力条件でX線を測定用試料の一方の表面に照射し、透過法での小角X線散乱像を撮像した。
小角X線散乱装置:株式会社リガク製の「NANO−Viewer」
X線出力条件:Cuターゲット、40kV、20mA
得られた小角X線散乱像から、偏光フィルムのMD方向およびTD方向に関して、それぞれの方位角から±10度の範囲をセクター平均することで、MD方向およびTD方向の未補正セクタープロファイル(散乱ベクトル(q)−強度分布)を算出した。未補正セクタープロファイルとは、バックグラウンド補正を実施する前のセクタープロファイルをいう。
次に、X線の光軸上から測定用試料を取り外したこと以外は同じ条件で測定を行い、セクタープロファイルのバックグランドを算出した。バックグランドの透過率補正を行った後、上記の未補正セクタープロファイルからバックグランドを除去して、バックグラウンド補正後のセクタープロファイル(以下、単に「セクタープロファイル」ともいう。)を得た。
MD方向およびTD方向のセクタープロファイルにq掛けた曲線におけるピークトップの散乱ベクトルqaとqbから下記式(D1)および式(D2)に従ってラメラ型結晶間の距離WaとWbを求めた。
Wa=2π/qa …(D1)
Wb=2π/qb …(D2)
<実施例1>
(1)プライマー層の形成
PVA粉末(日本合成化学工業株式会社製の「Z−200」、平均重合度1100、ケン化度99.5モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度3質量%のPVA水溶液を調製した。得られた水溶液に架橋剤(田岡化学工業株式会社製の「スミレーズレジン(登録商標)650」)をPVA粉末6質量部に対して5質量部の割合で混合して、塗工液を得た。
次に、基材フィルムとして厚み90μmの未延伸のポリプロピレン(PP)フィルム(融点:163℃)を用意し、その片面にコロナ処理を施した。基材フィルムのコロナ処理を施した面に小径グラビアコーターを用いて上記塗工液を塗工した。得られた塗膜を、80℃で10分間乾燥させることにより、厚さ0.2μmのプライマー層を形成した。
(2)積層フィルムの作製(ステップS1)
PVA粉末(株式会社クラレ製の「PVA124」、平均重合度2400、ケン化度98.0〜99.0モル%)を95℃の熱水に溶解し、濃度7.5質量%のPVA水溶液を調製した。上記(1)で作製したプライマー層を有する基材フィルムのプライマー層表面にダイコーターを用いて上記PVA水溶液を塗工し、厚さ130μmの塗工層を形成した(ステップS11)。
その後、85℃の熱風を吹き付けることによって塗工層の乾燥を行った(ステップS12)。この際、乾燥途中の塗工層の含水率を上記の赤外線多成分計でモニタリングしながら、熱風の風速を徐々に緩めながら乾燥を継続し、PVA系樹脂層の含水率が0.58質量%となった時点で乾燥を終了して、基材フィルム/プライマー層/PVA系樹脂層からなる積層フィルムを得た。実施例1のステップS12において、除去速度V(30)を、0.01〜1.8質量%/秒の範囲内とした。また、平均除去速度Vave(30−10)を、0.01〜1.8質量%/秒の範囲内とした。PVA系樹脂層の厚さは9.3μmであった。
(3)延伸フィルムの作製(ステップS2)
上記(2)で作製した積層フィルムに対し、フローティングの縦一軸延伸装置を用いて150℃で、積層フィルムの元の長さに対して5.3倍の自由端一軸延伸を実施し、延伸フィルムを得た。延伸フィルム上の樹脂フィルムの厚さは5.1μmであった。
(4)染色フィルムの作製(ステップS3)
まず、水100質量部あたりヨウ素を0.6質量部、ヨウ化カリウムを5.0質量部含む30℃の染色水溶液を用意した。次に、この染色水溶液に、上記(3)で作製した延伸フィルムを、浸漬し、延伸フィルムをヨウ素で染色し、染色フィルムを得た。延伸フィルムの浸漬時間は、予め試験的に延伸フィルムをヨウ素で染色し、得られたフィルムの視感度補正単体透過率(Ty)が41.5%程度となる時間に設定した。
延伸フィルムの染色処理後、得られた染色フィルムを10℃の純水で洗浄し、余分な染色水溶液を洗い流した。
(5)架橋フィルムの作製(ステップS4)
まず、水100質量部あたりホウ酸を9.0質量部含む78℃の架橋浴(以下、架橋浴(1))を用意した。また、架橋浴(1)とは別に、水100質量部あたりホウ酸を5.0質量部、ヨウ化カリウムを4.4質量部含む70℃の架橋浴(以下、架橋浴(2))を用意した。次いで、架橋浴(1)に上記(4)で作製した洗浄後の染色フィルムを、180秒間浸漬した。次いで、架橋浴(2)に、架橋浴(1)に浸漬した後の染色フィルムを、90秒間浸漬し、架橋フィルムを得た。
(6)架橋フィルムの洗浄および乾燥
上記(5)で作製した架橋フィルムを、10℃の純水に約10秒浸漬し、その後すぐにエアーブロワーを用いて架橋フィルム表面に付着した水分を取り除いて洗浄した。65℃のオーブンに架橋フィルムを240秒投入し、延伸基材フィルム上に偏光フィルムが積層した偏光性積層フィルムを得た。
(7)保護フィルム付偏光板の作製(貼合工程、剥離工程)
上記(6)で作製した偏光性積層フィルムにおける偏光フィルム上に、紫外線硬化性接着剤(株式会社ADEKA製のカチオン重合性の硬化性化合物である「KR−75T」)からなる塗膜を形成した。この塗膜を介して、偏光性積層フィルムに、保護フィルム〔シクロオレフィン系樹脂からなる透明保護フィルム(日本ゼオン株式会社製の23μmの厚みの「ゼオノア(登録商標)」)〕を貼合した。
次いで、高圧水銀ランプを用いて塗膜に紫外線を照射することにより塗膜を硬化させて接着剤層を得、保護フィルム付偏光性積層フィルムを作製した。その後、得られた保護フィルム付偏光性積層フィルムから延伸基材フィルムを剥離して、片面保護フィルム付偏光板を得た。
その後、片面保護フィルム付偏光板の保護フィルムとは反対側の面に、上述の紫外線硬化性接着剤を用いて塗膜を形成した。片面保護フィルム付偏光板に、この塗膜を介して、片面の保護フィルムと同様の保護フィルムを貼合した。
次いで、高圧水銀ランプを用いて塗膜に紫外線を照射することにより塗膜を硬化させて、接着剤層を得、両面保護フィルム付偏光板を作製した。
得られた両面保護フィルム付偏光板のTyは41.7%であり、視感度補正偏光度(Py)は99.995%であった。また、偏光フィルムの延伸方向(吸収軸方向)における結晶間距離Waは、16.4nmであった。また、偏光フィルムの延伸方向と直交する方向(透過軸方向)における結晶間距離Wbは、2.8nmであった。
<評価>
[突刺し強度の測定]
偏光フィルムの突刺し強度を、以下の突刺し試験を行うことで求めた。結果を表1に示す。
突刺し試験は、直径1mm、先端の曲率半径0.5Rの突刺治具を装着した小型卓上試験機〔株式会社島津製作所製の「EZ Test(登録商標)」〕に試験片(偏光性積層フィルムから基材フィルムを剥離した偏光フィルム)を固定して行った。測定は、温度23±3℃の環境下、突刺し速度0.33cm/秒の条件で行った。突刺し試験で測定される突刺し強度は、試験片10個に対して突刺し試験を行い試験片が透過軸方向に裂けたときの強度について、数値の上位3個と下位3個を除いた4個の平均値とした。その平均値を試験片の膜厚で除し、単位膜厚あたりの突刺し強度を求めた。
[配向度の測定(WAXD)]
偏光フィルムの配向度を、広角X線回折(WAXD:Wide Angle X−ray Diffraction)のスルー法により求めた。結果を表1に示す。
上述のSAXS測定と同様の測定用試料を用いた。下記のX線回折装置を用い、測定用試料の表面に対して垂直な方向から、下記のX線出力条件でX線を測定用試料の一方の表面に照射し、透過法での回折像を撮像した。
X線回折装置:株式会社リガク製の「NANO−Viewer」
X線出力条件:Cuターゲット、40kV、20mA
得られた回折像から、回折角度2θ=20°付近のピークに関して、2θ=19.5〜20.5°の範囲を円環積分によって、未補正方位角分布曲線(方位角度(β角度)−強度分布曲線)を算出した。未補正方位角分布曲線とは、バックグラウンド補正を実施する前の方位角分布曲線をいう。
次に、X線の光軸上から測定用試料を取り外したこと以外は同じ条件で測定を行い、方位角分布曲線のバックグランドを算出した。バックグラウンドの透過率補正を行った後、上記の未補正方位角分布曲線からバックグランドを除去して、バックグラウンド補正後の方位角分布曲線(以下、単に「方位角分布曲線」ともいう。)を得た。
この方位角分布曲線におけるピークは配向性ピークであり、本測定においては、測定用試料のMDを鉛直方向に設置し、水平方向に現れる配向性ピークの最大強度におけるβ角度を0°とした。配向性ピークの最大強度におけるβ角度(0°と180°)は、偏光フィルムのMDに配向した成分に由来する。得られた方位角分布曲線から、下記式(C)に従って、配向度を求めた。
配向度(%)=(360−W)/360 …(C)
式(C)において、Wは、方位角分布曲線のピーク全体の積分値を100%とするときに積分値が50%となるピーク全幅を、すべての配向性ピークについて求めたときのこれらの和である。上記ピーク全幅における中心位置(°)は、ピークが最大強度を示すβ角度(°)と合致する。
[結晶部、拘束非晶部および非晶部の定量(パルスNMR)]
偏光フィルムの結晶部(A1)、拘束非晶部(A2)および非晶部(A3)の量を、それぞれパルスNMR(H)により求めた。結果を表1に示す。
まず、5mmx5mm程度の大きさに切断した偏光フィルム約50mgを、重水1mLと共にNMRチューブに投入して、重水に浸漬させた。そのNMRチューブを60℃の温水バス中で1時間加熱した後、さらに室温で24時間放置した。得られたサンプルのスピン−スピン緩和時間T2を、下記の条件によりパルスNMRを用いて測定した。
[条件]
パルスNMR装置:ブルカー バイオスピン株式会社製、「minispec mq20」
パルス系列:ソリッドエコー法
パルス幅:2.8μ秒
パルス繰り返し時間:1秒
積算回数:256回
測定温度:30℃
パルスNMR測定で得られた自由誘導減衰(FID)信号を、線形最小二乗法によって、下記式(E)にフィッティングし、各成分の緩和時間の違いからA1、A2、およびA3を求め、これら3成分の合計(A1+A2+A3)に対する各成分の百分率(%)を算出した。
Figure 0006513150
[クラックの発生の確認(ヒートショック試験)]
まず、両面保護フィルム付偏光板の一方の保護フィルム側の面をコロナ処理した。次に、一対のセパレートフィルムの間に粘着剤が挟まれた積層体を用意し、その積層体の片面のセパレートフィルムを剥がし、露出した粘着剤を両面保護フィルム付偏光板のコロナ処理を施した面に貼り付けた。
次に、粘着剤を設けた両面保護フィルム付偏光板をセパレートフィルム側から、スーパーカッター(株式会社荻野精機製作所製の「PNI−600」)を用いて切断し、試験片を得た。得られた試験片は、両面保護フィルム付偏光板の延伸方向に120mm、延伸方向と直交する方向に70mmの大きさであった。
次に、試験片からセパレートフィルムを除去し、ガラス板(コーニング社製の「イーグルXG」)にローラーで貼合した。このガラス板上の試験片について、−35℃で30分間放置し、さらに85℃で30分間放置した。この操作を1サイクルとし、試験片に対して400サイクル繰り返し行うヒートショック試験(以下、HS試験)を実施した。そして、100サイクル毎に、試験片における偏光フィルムの外観を目視およびデジタルマイクロスコープ(株式会社キーエンス製の「VHX−500」)を用いて確認した。
上記試験において、試験片における偏光フィルムに1mm以上のクラックが発生した場合をNGと判定した。これに対し、試験片における偏光フィルムに1mm以上のクラックが全く発生しなかった場合をOKと判定した。結果を表1に示す。
<実施例2>
熱風に当てる時間を調整することにより、乾燥工程における水分率を表1に示されるとおりとしたこと以外は実施例1と同様にした。ステップS12で得られた積層フィルムにおけるPVA系樹脂層の含水率は、0.35質量%であった。また、実施例2のステップS12において、除去速度V(30)を、0.01〜1.8質量%/秒の範囲内とした。また、平均除去速度Vave(30−10)を、0.01〜1.8質量%/秒の範囲内とした。PVA系樹脂層の厚さは約9.3μmであった。
得られた両面保護フィルム付偏光板のTyは41.7%であり、Pyは99.995%であった。また、偏光フィルムの延伸方向(吸収軸方向)における結晶間距離Waは、16.1nmであった。また、偏光フィルムの延伸方向と直交する方向(透過軸方向)における結晶間距離Wbは、2.7nmであった。
<比較例1>
熱風に当てる時間を調整することにより、乾燥工程における水分率を表1に示されるとおりとしたこと以外は実施例1と同様にした。ステップS12で得られた積層フィルムにおけるPVA系樹脂層の含水率は、0.14質量%であった。また、比較例1のステップS12において、除去速度V(30)を、0.01〜1.8質量%/秒の範囲外とした。また、平均除去速度Vave(30−10)を、0.01〜1.8質量%/秒の範囲外とした。PVA系樹脂層の厚さは約9.3μmであった。
得られた両面保護フィルム付偏光板のTyは41.5%、Pyは99.997%であった。また、偏光フィルムの延伸方向(吸収軸方向)における結晶間距離Waは、16.3nmであった。また、偏光フィルムの延伸方向と直交する方向(透過軸方向)における結晶間距離Wbは、2.7nmであった。
Figure 0006513150
突刺し強度、冷熱衝撃試験時のPVAクラックの確認の結果を表1に示す。配向度が高く、非拘束非晶部が多いものの方が、突刺し強度や、PVAクラック試験では良好な結果となった。この結果より、配向度が高く、非拘束非晶部の量が多い方が、偏光板の強度に優れることが確認できた。
一方、配向度が81.0%未満である比較例1の両面保護フィルム付偏光板は、HS試験において、クラックが発生した。
以上のことから、本発明が有用であることが示された。
1,2,3…偏光板、5…偏光フィルム、10…保護膜(保護フィルム)、50…ラメラ型結晶(ポリビニルアルコールの結晶)、Wa…結晶間距離(吸収軸方向)、Wb…結晶間距離(透過軸方向)

Claims (1)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂を形成材料とし、二色性物質を有する偏光フィルムであって、
    前記偏光フィルムについて、広角X線回折法の透過法で得られた回折像について2θ=19.5〜20.5°の範囲を円環積分し、バックグラウンド補正して得られる方位角分布曲線から、下記式に従って求められる配向度が81.0%以上であり、
    前記偏光フィルム中の可塑剤の含有率が1質量%以下であり、
    前記偏光フィルムの吸収軸方向において、ラメラ型結晶間の距離Waは、7.0nm以上16.4nm以下であり、
    前記偏光フィルムの透過軸方向において、ラメラ型結晶間の距離Wbは、1.0nm以上2.8nm以下であり、
    前記偏光フィルムの厚さは、10μm以下である偏光フィルム。
    配向度(%)=(360−W)/360
    (Wは、方位角分布曲線のピーク全体の積分値を100%とするときに積分値が50%となるピーク全幅を、すべての配向性ピークについて求めたときのこれらの和である)
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