JP6509526B2 - オルガノポリシロキサン、ハイドロジェンオルガノポリシロキサン、及びそれらを用いた熱硬化性樹脂組成物、光半導体用封止材、光半導体用ダイボンド材、並びに、半導体パッケージ - Google Patents

オルガノポリシロキサン、ハイドロジェンオルガノポリシロキサン、及びそれらを用いた熱硬化性樹脂組成物、光半導体用封止材、光半導体用ダイボンド材、並びに、半導体パッケージ Download PDF

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Description

本発明は、オルガノポリシロキサン、ハイドロジェンオルガノポリシロキサン及びそれらを用いた熱硬化性樹脂組成物、光半導体用封止材、光半導体用ダイボンド材、並びに、半導体パッケージに関する。
酸無水物系硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物は、透明な硬化物を形成し、発光ダイオード及びフォトダイオードなどの光半導体素子の封止材料として好適であることが知られている。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、及び(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなどの有機樹脂骨格のエポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂組成物が光半導体素子の分野において用いられてきた。
しかし、近年の光半導体の高性能化が進むにつれ、光半導体素子の封止材料は、更に優れたガスバリア性、及びリフロー耐性が要求されており、従来のエポキシ樹脂組成物では、十分な特性が得られなくなってきている。
そこで、特定のシリコーン組成物をヒドロシリル化反応にて硬化させる、光半導体用途の熱硬化性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2010−1358号公報
しかしながら、特許文献1で開示される熱硬化性樹脂組成物の場合、光半導体用封止材用途において要求される、ガスバリア性及びリフロー耐性の更なる改善が求められている。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、リフロー耐性とガスバリア性が良好な硬化物を形成することが可能なオルガノポリシロキサン、ハイドロジェンオルガノポリシロキサン、及びそれらを用いた熱硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。本発明は、また、このえ熱硬化性樹脂組成物を用いて形成される、光半導体用の封止材及びダイボンド材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のオルガノポリシロキサンであれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
下記一般式(1)で表される構成単位Sを二つ以上有し、
二以上の前記構成単位Sを接続する構成単位Lをさらに有し、
前記構成単位Lが、
−CH 2 −CH 2 Si(Me) 2 O−Si(Me) 2 CH 2 −CH 2 −、
−CH 2 −CH 2 Si(Me) 2 O−Si(Me) 2 O−Si(Me) 2 CH 2 −CH 2 −、
−CH 2 −CH 2 Si(Me) 2 O−(Si(Me) 2 O) 2 −Si(Me) 2 CH 2 −CH 2 −、
−CH 2 −CH 2 Si(Me) 2 O−(Si(Me) 2 O) 3 −Si(Me) 2 CH 2 −CH 2 −、
−CH 2 −CH 2 Si(Me) 2 O−(Si(Me) 2 O) 6 −Si(Me) 2 CH 2 −CH 2 −、
−CH 2 −CH 2 Si(Me) 2 O−(Si(Me) 2 O) 8 −Si(Me) 2 CH 2 −CH 2 −、
−CH 2 −CH 2 Si(Me) 2 O−(Si(Me) 2 O) 11 −Si(Me) 2 CH 2 −CH 2 −、
−CH 2 −CH 2 Si(Me) 2 O−(Si(Me) 2 O) 12 −Si(Me) 2 CH 2 −CH 2 −、又は
−CH 2 −CH 2 Si(Me) 2 O−(Si(Me) 2 O) 20 −Si(Me) 2 CH 2 −CH 2
であり、前記構成単位Lが2以上存在する場合には、各々の前記構成単位Lは同一であっても異なってもよく、
前記構成単位Sの、前記構成単位L以外の(SiO) a 又は(SiO) c のSiが有するR 1 基以外の側鎖基が、
−CH 2 −CH 2 −R 3 −O−C(O)−CH=CH 2 、又は
−CH 2 −CH 2 −R 3 −O−C(O)−C(Me)=CH 2 で表される基と(R 3 は、炭素数1〜8の2価の炭化水素基である)、
−CH 2 −CH 2 −Si(Me) 3
−CH 2 −CH 2 −Si(C 2 5 3
−CH 2 −CH 2 −Si(C 3 7 3
−CH 2 −CH 2 −Si(Me)(Ph) 2
−CH 2 −CH 2 −Si(Me) 2 (Ph)、又は
−CH 2 −CH 2 −Si(Ph) 3 で表される基と、を含む、
オルガノポリシロキサン。
(上記一般式(1)中、R 1 は、各々独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、又は、置換若しくは非置換のアラルキル基を示し、X 1 は、各々独立して、炭素数2〜10の二価の炭化水素基を表し、a、b、及びcは、a+2b+c=1、a>0、0.125≧b≧0.010、c≧0、及び0.98≧a+c≧0.75を満たし、0.25≧2b/(a+2b+c)≧0.02であり、iはi≧0を満たす。)
〔2〕
前記R 1 が、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアリール基を含む、〔1〕に記載のオルガノポリシロキサン。
〔3〕
〔1〕又は〔2〕に記載のオルガノポリシロキサン100質量部と、
熱ラジカル発生剤0.50〜10質量部と、を含有する、
熱硬化性樹脂組成物。
〔4〕
シランカップリング剤0.50〜10質量部をさらに含有する、〔3〕に記載の熱硬化性樹脂組成物。
〔5〕
前記オルガノポリシロキサンとは異なる構造の(メタ)アクリロキシ基を含有するオルガノポリシロキサン1.0〜2000質量部をさらに含有する、〔3〕又は〔4〕に記載の熱硬化性樹脂組成物。
〔6〕
〔3〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む、光半導体用封止材。
〔7〕
〔3〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む、光半導体用ダイボンド材。
〔8〕
〔6〕に記載の光半導体用封止材を成形した封止材を含む、光半導体パッケージ。
本発明によれば、リフロー耐性とガスバリア性が良好な硬化物を形成することが可能なオルガノポリシロキサン、ハイドロジェンオルガノポリシロキサン、及びそれらを用いた熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、この熱硬化性樹脂組成物を用いて形成される、光半導体用の封止材及びダイボンド材を提供することができる。
実施例2で製造したオルガノポリシロキサンの1H−NMRチャートである。
以下、本発明を実施するための形態(以下、本実施形態)について詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。
〔オルガノポリシロキサン〕
本実施形態のオルガノポリシロキサンは、下記一般式(1)で表される構成単位Sを二つ以上有する。
(上記一般式(1)中、R1は、各々独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、又は、置換若しくは非置換のアラルキル基を示し、X1は、各々独立して、炭素数2〜10の二価の炭化水素基を表し、a、b、及びcは、a+2b+c=1、a>0、b>0、c≧0、及びa+c≧0.50を満たし、iはi≧0を満たす。)
一般式(1)で表される構成単位は、オルガノポリシロキサンを硬化して得られる硬化物が優れたガスバリア性、リフロー耐性を示す上で重要な役割を果たす。一分子中に一般式(1)で表される構成単位を2以上としない場合、優れたガスバリア性とリフロー耐性の両立は難しい。
〔構成単位S〕
上記一般式(1)で表される構成単位Sは、多環状オルガノポリシロキサンを表す構成単位である。
一般式(1)中、R1は、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、又は、置換若しくは非置換のアラルキル基を示す。このようなR1としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びオクチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、及びメシチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、及びフェニルプロピル基等のアラルキル基;又は、これらの基の炭素原子に結合している水素原子の1部若しくは全部を置換基で置換した基が挙げられる。
このなかでも、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基又は置換若しくは非置換のアリール基が好ましい。このような官能基を用いることにより、反応性がより向上する傾向にある。
置換基としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシ基、シアノ基、及びハロゲン原子等が挙げられる。置換の炭素数1〜10のアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシプロピル基、シアノエチル基、1−クロロプロピル基、及び3,3,3−トリフルオロピル基等が挙げられる。
これらの中でも、一般式(1)中のR1としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。このような基を用いることにより、耐熱黄変性、耐光性がより向上する傾向にある。
一般式(1)中、Xは、炭素数2〜10の二価の炭化水素基を表す。炭素数2〜10の二価の炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、−(CH25−、−(CH26−、−(CH27−、−(CH28−、−(CH29−、−(CH210−、−CH(CH3)CH2−、及び−C(CH32−等が挙げられる。このなかでも、一般式(1)中のXとしては、−(CH22−、−(CH23−、及び−(CH24−が原料の入手のし易さ及び反応性の観点から好ましい。
一般式(1)中、a、b、cの値は、多環状オルガノポリシロキサン(構成単位S)を構成するオルガノシロキサン単位の数を表す。a、b、及びcは、a+2b+c=1を満たす。これらオルガノシロキサン単位の並び順は特に限定されず、並び方はそれぞれの単位が不連続にランダム状で存在しても、連続してブロック状で存在してもよい。
一般式(1)中、aは、a>0を満たす数であり、cは、c≧0を満たす整数である。aとcの和は、0.50以上であり、好ましくは0.50以上1.5以下であり、より好ましくは0.65以上1.25以下であり、さらに好ましくは0.75以上1.0以下である。aとcの和が上記範囲内であることにより、ガスバリア性や耐クラック性がより向上する傾向にある。
一般式(1)中、bは、b>0を満たす数であり、好ましくは0.001以上0.20以下であり、より好ましくは0.005以上0.15以下であり、さらに好ましくは0.010以上0.125以下である。bが上記範囲内であることにより、ガスバリア性や耐クラック性がより向上する傾向にある。
一般式(1)中、a、b、及びcの値は、1H−NMR測定及び29Si−NMR測定から算出することができる。
一般式(1)中、iは、i≧0を満たす数であり、好ましくは0以上1.0以下であり、より好ましくは0以上0.5以下である。iが上記範囲内であることにより、反応性がより向上する傾向にある。
比(2b/(a+2b+c))は、好ましくは0.0010以上0.40以下であり、より好ましくは0.0030以上0.35以下であり、さらに好ましくは0.0050以上0.30以下である。比(2b/(a+2b+c))が上記範囲内であることにより、得られる硬化物のリフロー耐性及びガスバリア性がより向上する傾向にある。なお、比(2b/(a+2b+c))の値は1H−NMRから算出することができる。
(構成単位F1)
構成単位Sは、構成単位Sを構成する単位として、下記一般式(4)で表される構成単位F1をさらに含有してもよい。構成単位F1を有することにより、得られる硬化物のガスバリア性及びリフロー耐性がより向上する傾向にある。
(上記一般式(4)中、R1は、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、又は、置換若しくは非置換のアラルキル基を示し、R2は、炭素数2〜10の不飽和結合含有基を示し、Yは、炭素数3〜10の二価の炭化水素基を示し、fは、f≧0.010を満たす。)
一般式(4)中、R1は、上記一般式(1)で例示したものと同様であり、上記一般式(1)で例示したものと同一であっても異なっていてもよい。これらの中でも、一般式(4)中のR1としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。このような基を用いることにより、耐熱黄変性、耐光性がより向上する傾向にある。
一般式(4)中、R2は、炭素数2〜10の不飽和結合含有基を示す。炭素数2〜10の不飽和結合含有基としては、特に限定されないが、例えば、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、3−ブテニル基、2−メチルプロペニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基、8−ノネニル基、9−デセニル基等の不飽和鎖状炭化水素基;シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基等の不飽和環状炭化水素基;ビニルエーテル基、アリルエーテル基等のエーテル結合含有不飽和炭化水素基;シクロヘキセニル基等の環式不飽和炭化水素基;アクリロキシ基、メタクリロキシ基等の不飽和脂肪酸エステル基が挙げられる。
これらの中でも、R2としては、下記一般式(6−1)で表されるアクリロキシ基、又は下記一般式(6−2)で表されるメタクリロキシ基(以下、これらをまとめて「(メタ)アクリロキシ基」ともいう。)が好ましい。(メタ)アクリロキシ基を用いることにより、後述する硬化性樹脂組成物の反応性、すなわち熱硬化がしやすく速やかに反応が進行する性質がより向上する傾向にある。
2で表される不飽和結合含有基の官能基当量は、好ましくは20〜10000g/molであり、より好ましくは50〜9000g/molであり、さらに好ましくは100〜8000g/molである。R2で表される不飽和結合含有基の官能基当量が20g/mol以上であることにより、後述する硬化性樹脂組成物の硬化物の耐熱黄変性、耐光性がより向上する傾向にある。また、R2で表される不飽和結合含有基の官能基当量が10000g/mol以下であることにより、後述する硬化性樹脂組成物の硬化物の硬度がより向上する傾向にある。R2で表される不飽和結合含有基の官能基当量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
一般式(4)中、Yは、上記一般式(1)で例示したX1と同様であり、上記一般式(1)で例示したものと同一であっても異なっていてもよい。このなかでも、一般式(4)中のYとしては、−(CH22−、−(CH23−、及び−(CH24−が原料の入手のし易さ及び反応性の観点から好ましい。
一般式(4)中、fは、f≧0.010を満たす数であり、好ましくは0.010以上0.75以下であり、より好ましくは0.050以上0.50以下であり、さらに好ましくは0.10以上0.25以下である。fが上記範囲内であることにより、ガスバリア性や耐クラック性がより向上する傾向にある。
〔構成単位L〕
ポリオルガノシロキサンは、二以上の構成単位Sを接続する構成単位Lをさらに有してもよい。構成単位Lは、二以上の構成単位Sを接続するものであれば特に制限されず、鎖状であっても、その中に環状構造を有していてもよい。このような構成単位Lを構成する単位としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(2)で表される構成単位M1、及び下記一般式(3)で表される構成単位T1、下記一般式(3−2)で表される構成単位T2が挙げられる。
(構成単位M1)
構成単位M1は、下記一般式(2)で表される。
(上記一般式(2)中、R1は、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、又は置換若しくは非置換のアラルキル基を示し、X2は、各々独立して、炭素数2〜10の二価の炭化水素基を表し、dは、d≧0.20を満たす。)
一般式(2)中、R1は、上記一般式(1)で例示したものと同様であり、上記一般式(1)で例示したものと同一であっても異なっていてもよい。これらの中でも、一般式(2)中のR1としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。このような基を用いることにより、耐熱黄変性、耐光性がより向上する傾向にある。
一般式(2)中、X2は、上記一般式(1)で例示したX1と同様であり、上記一般式(1)で例示したものと同一であっても異なっていてもよい。このなかでも、一般式(2)中のX2としては、−(CH22−、−(CH23−、及び−(CH24−が原料の入手のし易さ及び反応性の観点から好ましい。
一般式(2)中、dは、d≧0.20を満たす数であり、好ましくは0.20以上1.0以下であり、より好ましくは0.25以上0.75以下であり、さらに好ましくは0.35以上0.50以下である。dが上記範囲内であることにより、ガスバリア性や耐クラック性がより向上する傾向にある。
(構成単位T1)
構成単位T1は、下記一般式(3)で表される。
(上記一般式(3)中、R1は、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、又は置換若しくは非置換のアラルキル基を示し、eは、e≧0.010を満たす。)
一般式(3)中、R1は、上記一般式(1)で例示したものと同様であり、上記一般式(1)で例示したものと同一であっても異なっていてもよい。これらの中でも、一般式(3)中のR1としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。このような基を用いることにより、耐熱黄変性、耐光性がより向上する傾向にある。
一般式(3)中、eは、e≧0.010を満たす数であり、好ましくは0.010以上1.0以下であり、より好ましくは0.050以上0.75以下であり、さらに好ましくは0.10以上0.50以下である。eが上記範囲内であることにより、ガスバリア性や耐クラック性がより向上する傾向にある。
(構成単位T2)
構成単位T2は、下記一般式(3−2)で表される。
(上記一般式(3−2)中、R1は、各々独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、又は置換若しくは非置換のアラルキル基を示し、e2は、e≧0.010を満たす。)
一般式(3−2)中、R1は、上記一般式(1)で例示したものと同様であり、上記一般式(1)で例示したものと同一であっても異なっていてもよい。これらの中でも、一般式(3−2)中のR1としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。このような基を用いることにより、耐熱黄変性、耐光性がより向上する傾向にある。
一般式(3)中、e2は、e≧0.010を満たす数であり、好ましくは0.010以上1.0以下であり、より好ましくは0.050以上0.75以下であり、さらに好ましくは0.10以上0.50以下である。e2が上記範囲内であることにより、ガスバリア性や耐クラック性がより向上する傾向にある。
〔オルガノポリシロキサンの製造方法〕
本実施形態のオルガノポリシロキサンの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(7)で表されるハイドロジェンポリシロキサン(a)と、ケイ素原子に直接結合したビニル基を1個又は2個以上有するビニル基含有オルガノポリシロキサン(b)と、更に必要に応じて有機化合物(c)と、の付加反応を、ヒドロシリル化反応触媒(d)の存在下で行い、オルガノポリシロキサンを得る付加反応工程を有する方法が挙げられる。
〔付加反応工程〕
付加反応工程は、ハイドロジェンポリシロキサン(a)と、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(b)と、更に必要に応じて有機化合物(c)と、の付加反応を、ヒドロシリル化反応触媒(d)の存在下で行い、オルガノポリシロキサンを得る工程である。
付加反応温度は、好ましくは室温〜100℃であり、より好ましくは40℃〜70℃であり、さらに好ましくは50〜70℃である。また、R2が(メタ)アクリロキシ基の場合は、付加反応温度は、好ましくは40℃〜70℃である。付加反応温度が上記範囲内であることにより、不飽和結合含有基の反応に由来するゲル化をより抑制できる傾向にある。
付加反応の雰囲気は空気中、不活性気体中のいずれでもよい。このなかでも、得られるオルガノポリシロキサンの着色が少ない点で、窒素、アルゴン、及びヘリウム等の不活性気体中が好ましい。また、R2が(メタ)アクリロキシ基の場合は、(メタ)アクリロキシ基の重合反応を防止する目的で少量の酸素を導入することもできる。
(ハイドロジェンポリシロキサン(a))
下記一般式(7)で表されるハイドロジェンポリシロキサン(a)としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(8)、(9)又は(10)で表される化合物が挙げられる。
(上記一般式(7)中、R1は、各々独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、又は、置換若しくは非置換のアラルキル基を示し、pは1以上の整数を示し、qは0以上の整数を示し、p+qは3〜20の整数である。)
一般式(7)中、R1は、上記一般式(1)で例示したものと同様であり、上記一般式(1)で例示したものと同一であっても異なっていてもよい。これらの中でも、一般式(7)中のR1としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。このような基を用いることにより、耐熱黄変性、耐光性がより向上する傾向にある。
一般式(7)中、pは、1以上の整数であり、好ましくは3以上10以下であり、より好ましくは3以上8以下であり、さらに好ましくは3以上6以下である。pが上記範囲内であることにより、反応性が向上する傾向にある。
一般式(7)中、qは、0以上の整数であり、好ましくは0以上10以下であり、より好ましくは0以上5以下であり、さらに好ましくは0以上3以下である。qが上記範囲内であることにより、反応性がより向上する傾向にある。
一般式(7)中、p+qは、3以上の整数であり、好ましくは3以上20以下であり、より好ましくは3以上10以下であり、さらに好ましくは3以上8以下である。p+qが上記範囲内であることにより、反応性がより向上する傾向にある。
ハイドロジェンポリシロキサン(a)は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(ビニル基含有オルガノポリシロキサン(b))
ビニル基含有オルガノポリシロキサン(b)としては、特に限定されないが、例えば、CH2=CHSi(Me)3、CH2=CHSi(C253、CH2=CHSi(C373、CH2=CHSi(Me)(Ph)2、CH2=CHSi(Me)2(Ph)、CH2=CHSi(Ph)3で表されるビニル基を1個有するビニル基含有オルガノポリシロキサン;CH2=CHSi(Me)2O−Si(Me)2CH=CH2、CH2=CHSi(Me)2O−Si(Me)2O−Si(Me)2CH=CH2、CH2=CHSi(Me)2O−(Si(Me)2O)2−Si(Me)2CH=CH2、CH2=CHSi(Me)2O−(Si(Me)2O)3−Si(Me)2CH=CH2、CH2=CHSi(Me)2O−(Si(Me)2O)6−Si(Me)2CH=CH2、CH2=CHSi(Me)2O−(Si(Me)2O)8−Si(Me)2CH=CH2、CH2=CHSi(Me)2O−(Si(Me)2O)11−Si(Me)2CH=CH2、CH2=CHSi(Me)2O−(Si(Me)2O)12−Si(Me)2CH=CH2、CH2=CHSi(Me)2O−(Si(Me)2O)20−Si(Me)2CH=CH2で表されるビニル基を2個以上有するビニル基含有オルガノポリシロキサンが挙げられる。
ビニル基含有オルガノポリシロキサン(b)は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。なお、上記式中、Meはメチル基を示し、Phはフェニル基を示す。
(有機化合物(c))
有機化合物(c)としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(11)で表される化合物が挙げられる。
(上記一般式(11)中、R2は、炭素数2〜10の不飽和結合含有基を示し、R3は炭素数1〜8の二価の炭化水素基を示す。)
一般式(11)中、R2は、上記一般式(4)で例示したR2と同様であり、上記一般式(4)で例示したものと同一であっても異なっていてもよい。これらの中でも、一般式(11)中のR2としては、(メタ)アクリロキシ基が好ましい。(メタ)アクリロキシ基を用いることにより、後述する硬化性樹脂組成物の反応性、すなわち熱硬化がしやすく速やかに反応が進行する性質がより向上する傾向にある。
一般式(11)中、R3は、炭素数1〜8の二価の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜4の二価の炭化水素基である。R3の炭素数が0の場合は、ヒドロシリル化反応が起こらない。一方で、炭素数が8以下であることにより、沸点が比較的低くなり、反応溶液から余剰の有機化合物(c)の留去がより容易となる傾向にある。
有機化合物(c)は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
反応工程における、有機化合物(c)の使用量(モル量)は、SiH基を残さず最後まで反応させる観点から、ハイドロジェンポリシロキサン(a)のSiH基のモル量、並びに、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(b)のビニル基のモル量の差に対して、余剰に添加することが好ましい。
具体的には、下記式で表される有機化合物(c)の使用量割合は、好ましくは1.2〜3.0である。有機化合物(c)の使用量割合が1.2未満では未反応のSiH基が多く残留する恐れがあり、3.0を超える場合では経済的な観点から不利となる。
有機化合物(c)の使用量割合=[有機化合物(c)のモル量]/[(ハイドロジェンポリシロキサン(a)のSiH基のモル量)−(ビニル基含有オルガノポリシロキサン(b)のビニル基のモル量)]
(ヒドロシリル化反応触媒(d))
ヒドロシリル化反応触媒(d)としては、特に限定されず、従来公知のものを全て使用することができる。より具体的には、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応生成物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒;パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の、白金系触媒以外の白金族金属系触媒が挙げられる。ヒドロシリル化反応触媒(d)は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ヒドロシリル化反応触媒(d)の使用量は、生成物であるオルガノポリシロキサン100質量部に対して、好ましくは0.010〜100ppmであり、より好ましくは0.1〜50ppmであり、さらに好ましくは0.3〜40ppmである。ヒドロシリル化反応触媒(d)の使用量が0.01ppm以上であることにより、十分な触媒効果が得られる傾向にある。また、ヒドロシリル化反応触媒(d)の使用量が、100ppm以下であることにより、安全性がより向上し、コストがより低下する傾向にある。
また、付加反応を行うに際し、原料のハイドロジェンポリシロキサン(a)、オルガノポリシロキサン(b)、有機化合物(c)は全て一括で反応させてもよく、数段に分けて反応中に添加してもよい。
上記付加反応は、必要に応じて溶剤中で行ってもよい。溶剤としては、特に限定されないが、例えば、トルエン、及びキシレン等の芳香族系溶剤;ヘキサン、及びオクタン等の脂肪族系溶剤;メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、及び酢酸イソブチル等のエステル系溶剤;ジイソプロピルエーテル、1、4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル系溶剤;並びに、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、又はこれらの混合溶剤が挙げられる。
また、R2が(メタ)アクリロキシ基の場合は、(メタ)アクリロキシ基の重合反応を防止する目的で、反応系に、フェノチアジン、ヒンダードフェノール系化合物、アミン系化合物、及びキノン系化合物等の重合禁止剤を添加しておくことが好ましい。このような重合禁止剤の種類と量は、それらの添加によってヒドロシリル化反応の進行を妨げることなく、(メタ)アクリロキシ基、すなわち、アクリロキシ基又はメタアクリロキシ基の重合反応を防止することができれば特に限定されない。
〔触媒除去工程〕
オルガノポリシロキサンの製造方法は、付加反応後に、オルガノポリシロキサンからヒドロシリル化反応触媒(d)を除去する触媒除去工程を有してもよい。触媒除去としては、特に限定されないが、例えば、水洗、活性アルミナや活性炭等の吸着材によって除去する方法が挙げられる。
ヒドロシリル化反応触媒(d)の残留量(含有量)は、生成物であるオルガノポリシロキサン100質量部(又は熱硬化性樹脂組成物)に対して、好ましくは0.0010質量部以下であり、より好ましくは0.0005質量部以下であり、さらに好ましくは0.0001質量部以下である。ヒドロシリル化反応触媒(d)の残留量の上限は、特に限定されないが、0質量部である。ヒドロシリル化反応触媒(d)の残留量が0.0010質量部以下であることにより、耐熱黄変性、耐光性がより向上する傾向にある。ヒドロシリル化反応触媒(d)の残留量は、硬化性樹脂組成物を分析することにより測定できる。
付加反応終了後、余剰の有機化合物(c)及び溶剤を使用した場合の溶剤等は、加熱及び/又は減圧下で留去してもよい。
以上により、上記一般式(1)を構成単位Sとして二つ以上有するオルガノポリシロキサンを得ることができる。
〔熱硬化性樹脂組成物〕
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、前記オルガノポリシロキサン100質量部と、熱ラジカル発生剤0.50〜10質量部とを含有する。
(熱ラジカル発生剤)
熱ラジカル発生剤としては、熱によって不飽和結合含有基中の不飽和結合同士をラジカル重合させるものであれば特に制限されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、及びクメンヒドロパーオキサイドのような有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ化合物が挙げられる。より具体的には、2、2−アゾビス(4−メトキシ−2、4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬製)、2、2’−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)(V−65、和光純薬製)2、2’−アゾビスイソブチロニトリル(V−60、和光純薬製)、及び2、2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(V−59、和光純薬製)等のアゾニトリル化合物;オクタノイルパーオキシド(パーロイルO、日本油脂製)、ラウロイルパーオキシド(パーロイルL、日本油脂製)、ステアロイルパーオキシド(パーロイルS、日本油脂製)、スクシニックアシッドパーオキシド(パーロイルSA、日本油脂製)、ベンゾイルパーオキサイド(ナイパーBW、日本油脂製)、イソブチリルパーオキサイド(パーロイルIB、日本油脂製)、2、4−ジクロロベンゾイルパーオキシド(ナイパーCS、日本油脂製)、及び3、5、5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド(パーロイル355、日本油脂製)等のジアシルパーオキサイド類;ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート(パーロイルNPP−50M、日本油脂製)、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(パーロイルIPP−50、日本油脂製)、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(パーロイルTCP、日本油脂製)、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート(パーロイルEEP、日本油脂製)、ジ−2−エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート(パーロイルOPP、日本油脂製)、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート(パーロイルMBP、日本油脂製)、及びジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート(パーロイルSOP、日本油脂製)等のパーオキシジカーボネート類;t−ブチルヒドロパーオキサイド(パーブチルH−69、日本油脂製)、及び1、1、3、3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド(パーオクタH、日本油脂製)、等のヒドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイド(パーブチルD、日本油脂製)、2、5−ジメチル−2、5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25B、日本油脂製)等のジアルキルパーオキサイド類;α、α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(ダイパーND、日本油脂製)、クミルパーオキシネオデカノエート(パークミルND、日本油脂製)、1、1、3、3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート(パーオクタND、日本油脂製)、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート(パーシクロND、日本油脂製)、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート(パーヘキシルND、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(パーブチルND、日本油脂製)、t−ヘキシルパーオキシピバレート(パーヘキシルPV、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシピバレート(パーブチルPV、日本油脂製)、1、1、3、3、−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーオクタO、日本油脂製)2、5−ジメチル−2、5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ250、日本油脂製)、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーシクロO、日本油脂製)、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(パーヘキシルO、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(パーブチルO、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシイソブチレート(パーブチルIB、日本油脂製)、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(パーヘキシルI、日本油脂製)、及びt−ブチルパーオキシマレイックアシッド(パーブチルMA、日本油脂製)、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(トリゴノックス121、化薬アクゾ製)、t−アミルパーオキシ3、5、5−トリメチルヘキサノエート(カヤエステルAN、化薬アクゾ製)等のパーオキシエステル類等の有機過酸化物等が挙げられる。
また、これら熱ラジカル発生剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
熱ラジカル発生剤の含有量は、オルガノポリシロキサン100質量部に対して、0.50〜10質量部であり、好ましくは1.0〜8.0質量部であり、より好ましくは2.0〜5.0質量部である。熱ラジカル発生剤の含有量が0.50質量部以上であることにより、硬化性がより向上する。また、熱ラジカル発生剤の含有量が10質量部以下であることにより、耐熱黄変性がより向上する。
(シランカップリング剤)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、シランカップリング剤をさらに有してもよい。シランカップリング剤は、1つの分子中に、ガラス、金属、珪石等の無機材料と化学結合する反応基と、更に合成樹脂等の有機材料と化学結合する反応基若しくは有機材料と相溶性の良い置換基と、を有する化合物であれば特に制限されない。無機材料と化学結合する反応基としては、特に限定されないが、例えば、メトキシ基やエトキシ基などが挙げられる。有機材料と化学結合する反応基としては、特に限定されないが、例えば、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタアクリル基、アクリル基、メルカプト基、イソシアネート基などが挙げられる。有機材料と相溶性の良い置換基としては、特に限定されないが、例えば、イソシアヌレート基などが挙げられる。
このようなシランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、ビニルトリメトキシシラン(KBM−1003、信越化学製)、ビニルトリエトキシシラン(KBE−1003、信越化学製)、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(KBM−303、信越化学製)、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−402、信越化学製)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越化学製)、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(KBE−402、信越化学製)、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(KBE−403、信越化学製)、p−スチリルトリメトキシシラン(KBM−1403、信越化学製)、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−502、信越化学製)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503、信越化学製)、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン(KBE−502、信越化学製)、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(KBE−503、信越化学製)、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学製)、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−602、信越化学製)、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−603、信越化学製)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−903、信越化学製)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(KBE−903、信越化学製)、3−トリエトキシシリル3−N−(1、3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン(KBE−9103、信越化学製)、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−573、信越化学製)、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(KBM−575、信越化学製)、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン(KBE−585、信越化学製)、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−802、信越化学製)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM−803、信越化学製)、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(KBE−846、信越化学製)、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(KBE−9007、信越化学製)、トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(X−12−965、信越化学製)等が挙げられる。
また、これらシランカップリング剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤の含有量は、本実施形態のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、好ましくは0.50〜10質量部である。シランカップリング剤の含有量が上記範囲内であることにより、耐擦傷性、密着性がより向上する傾向にある。
(他のオルガノポリシロキサン)
また、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、上記オルガノポリシロキサンとは異なる構造の(メタ)アクリロキシ基を含有する他のオルガノポリシロキサン(以下、「他のオルガノポリシロキサン」ともいう。)を有してもよい。
他のオルガノポリシロキサンとしては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(11)又は(12)で表される化合物が挙げられる。
(上記一般式(11)中、lは、0以上の整数であり、mは、1以上の整数である。)
(上記一般式(12)中、nは、0以上の整数である。)
他のオルガノポリシロキサンの含有量は、本実施形態のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、好ましくは1.0〜2000質量部であり、より好ましくは1.0〜1000質量部以下、さらに好ましくは1.0〜200質量部以下である。他のオルガノポリシロキサンの含有量が上記範囲内であることにより、耐擦傷性、密着性がより向上する傾向にある。
(添加剤)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、染料、劣化防止剤、離型剤、希釈剤、酸化防止剤、熱安定化剤、難燃剤、可塑剤、及び界面活性剤等の添加剤を配合することができる。
(フィラー)
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、耐熱性、耐光性、硬度、導電性、熱伝導性、チキソ性、及び低熱膨張性の改良等を目的として、必要に応じて無機酸化物に代表されるフィラーを含有してもよい。
フィラーとしては、特に限定されないが、例えば、シリカ(ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、及び沈降性シリカ等)、窒化ケイ素、窒化ホウ素、アルミナ、チタニア及びチタン酸バリウム等の無機酸化物又は無機窒化物、ガラス、セラミックス、銀粉、金粉、及び銅粉等が挙げられる。
フィラーは表面処理されていても、されていなくてもよい。このなかでも表面処理フィラーを用いることにより、熱硬化性樹脂組成物の流動性が高まり、充填率を上げることができ、工業的に好ましい。
フィラーの平均粒径は、好ましくは0.1nm以上500nm以下である。平均粒径が500nm以下であることにより、得られる硬化物の透明性がより向上し、工業的に好ましい傾向にある。また、平均粒径が0.1nm以上であることにより、熱硬化性樹脂組成物の粘度がより低下し、成形性がより向上する傾向にある。
〔用途〕
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、硬化前は、液状又は固形であり、所定の処理を施すことにより硬化物を作製することができる。硬化性樹脂組成物中に熱ラジカル発生剤を含有させた場合、加熱処理を施すことにより、硬化物が得られる。硬化温度は通常100〜250℃である。硬化性樹脂組成物の硬化方法、成形方法は、特に限定されない。
硬化性樹脂組成物が液体の場合は、例えば、注型、低圧トランスファ成形、ポッティング、ディッピング、加圧成形、及び射出成形によって成形することができる。
硬化性樹脂組成物が固形の場合は、プレス機、低圧トランスファ成形機等を用いて加圧下で加熱硬化させて、成形することができる。
本実施形態の光半導体用封止材及び光半導体用ダイボンド材は、上記熱硬化性樹脂組成物を含む。熱硬化性樹脂組成物が硬化して形成される硬化物は、光半導体装置の封止材として好適に用いられる。また、熱硬化性樹脂組成物をダイボンディングペーストとして用い、その硬化物をダイボンド材として形成してもよい。
その他、熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、チップの周囲を被覆するチップコート材、レンズ材等の光半導体装置用途に好適に使用することができる。この場合、光半導体としては、LEDランプ、チップLED、半導体レーザ、フォトカプラ、及びフォトダイオード等を挙げることができる。
また、本実施形態の光半導体パッケージは、上記熱硬化性樹脂組成物を成形した封止材を含む。具体的には、光半導体パッケージは、ハウジング材と、当該ハウジング内に設けられたシリコンチップと、本実施形態の硬化性樹脂組成物の硬化物であり前記シリコンチップを封止する封止材とを具備する構成を有している。
ハウジング材の材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリフタルアミド等の芳香族ポリアミド、66ナイロン等のエニジニアリングプラスチック、セラミック等が挙げられ、ポリフタルアミドの場合、特に高い密着性が発現される。
ハウジング材にガラス繊維を含有させることにより接着強度が高くなり好ましい。ガラス繊維の含有量は、ハウジング材の質量に対して、好ましくは5〜40質量%であり、より好ましくは10〜30質量%であり、さらに好ましくは15〜25質量%である。ガラス繊維の含有量がこれら数値範囲内にあることにより、密着性がより向上する傾向にある。
熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、その耐熱黄変性や高い透明性を活かして、眼鏡レンズ、光学機器用レンズ、CDやDVDのピックアップ用レンズ、自動車ヘッドランプ用レンズ、及びプロジェクター用レンズ等のレンズ材料、光ファイバー、光導波路、光フィルター、光学用接着剤、光ディスク基板、ディスプレイ基板、及び反射防止膜等のコーティング材料等、各種光学部材にも好適に使用される。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例、比較例においては以下の方法により測定及び評価を行った。
〔bの比2b/(a+2b+c)の算出〕
サンプル30mgを、1mLの重水素化クロロホルム溶媒に溶解した溶液を測定試料とした。この測定試料の1H NMRの測定を、日本分光社製α−400を用いて、積算回数200回にて行い、オルガノポリシロキサン1分子中の平均組成を求めた。
サンプル0.15gを、1gの重水素化クロロホルム溶媒に溶解し、クロム(III)アセチルアセトネート(Cr(acac)3)をサンプルに対して8質量%添加した溶液を測定試料とした。この測定試料の29Si NMRの測定を、日本分光社製α−400を用いて、積算回数4000回にて行い、得られた結果を解析してオルガノポリシロキサン1分子中の平均組成を求めた。
1H NMR及び29Si NMRにより得られた結果を解析して、2b/(a+2b+c)の値を求めた。
〔リフロー耐性〕
LED用リフレクター(株式会社エノモト製)中に熱硬化性樹脂組成物を注入し、100℃で4時間、更に150℃で1時間硬化反応を行い、テスト用サンプルを作製した。1種の熱硬化性樹脂組成物に対し当該サンプルを16個作製し、260℃のリフロー装置(エイテックテクトロン製)に通した。リフロー試験後のサンプルをマイクロスコープにて観察し、下記評価基準によりリフロー耐性を評価した。
◎:クラック及び剥離の発生個数が0の場合
△:クラック及び剥離の発生個数が1〜3個の場合
×:クラック及び剥離の発生個数が4個以上の場合
〔ガスバリア性〕
熱硬化性樹脂組成物を100mm×100mmのSUS316製の型に流し込み、100℃で4時間、更に150℃で1時間硬化反応を行い、厚さ0.2mmの100mm×100mmの硬化物を得た。
得られた硬化物を用い、イリノイ社製、酸素透過率測定装置Model8001にて、温度23℃、乾燥条件下にて酸素透過率を測定した。得られた酸素透過率に基づいて、下記評価基準により、ガスバリア性を評価した。
◎:酸素透過率が500cc/m2/day未満
○:酸素透過率が500cc/m2/day以上1000cc/m2/day未満
×:酸素透過率が1000cc/m2/day以上
[実施例1]
撹拌装置、温度計、還流冷却器を取り付けた0.5Lの3つ口フラスコに、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン13g(SiH:0.216モル)、下記平均組成式(b−1)で表される重量平均分子量186のビニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン12g(0.130モル)、下記平均組成式(b−2)で表される重量平均分子量780のビニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン8.7g(0.022モル)、ビニルトリメチルシラン2.2g(0.022モル)、3−ブテニルメタクリレート6g(0.043モル)、トルエン194g、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.02g(重合禁止剤)を添加し、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら60℃に加温した。
CH2=CHSi(Me)2O−Si(Me)2CH=CH2・・・(b−1)
CH2=CHSi(Me)2O−(Si(Me)2O)8−Si(Me)2CH=CH2 ・・・(b−2)
(式中、Meはメチル基を示す)
その後、塩化白金酸のイソプロパノール溶液を、白金金属が、付加反応生成物であるオルガノポリシロキサンの質量に対して10ppmとなる量添加した。ヒドロシリル化反応の開始を確認した後、この反応系を保温、水冷又は空冷によって55〜65℃に保ちながら、72時間攪拌した。フラスコ内容物の分析を行ったところ、SiH基の赤外吸光(FT−IR)による2130cm-1の特性吸収は消失していた。その後、活性炭処理し、揮発成分を留去して、オルガノポリシロキサン(A1)40gを得た。得られたポリオルガノシロキサンの2b/(a+2b+c)の値は0.23であった。
<硬化物の製造と特性評価>
得られたオルガノポリシロキサン100質量部にtert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート(化薬アクゾ社製、商品名:トリゴノックス121−50E、50質量%溶液)2.5質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して熱硬化性樹脂組成物を得た。熱硬化性樹脂組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で4時間、更に150℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。また、上記リフロー耐性の評価方法にて評価を行った結果を表1に示す。
[実施例2]
撹拌装置、温度計、還流冷却器を取り付けた0.5Lの3つ口フラスコに、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン13g(SiH:0.216モル)、平均組成式(b−1)で表される重量平均分子量186のビニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン8g(0.086モル)、平均組成式(b−2)で表される重量平均分子量780のビニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン17g(0.043モル)、ビニルトリメチルシラン4.3g(0.043モル)、3−ブテニルメタクリレート6g(0.043モル)、トルエン195g、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.02g(重合禁止剤)を添加し、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら60℃に加温した。
その後、実施例1と同様の方法により、ヒドロシリル化反応を行い、活性炭処理し、揮発成分を留去して、オルガノポリシロキサン(A2)48gを得た。得られたオルガノポリシロキサンの1H−NMRチャートを図1に示す。ここで1.0ppm付近に現れる二つのピークのうち左側のピークの面積と,二つのピークの面積の合計の比から2b/(a+2b+c)が計算される。得られたポリオルガノシロキサンの2b/(a+2b+c)の値は0.18であった。
得られたポリオルガノシロキサン(A2)を用いて実施例1と同様の方法により、熱硬化性樹脂組成物及び硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。また、上記リフロー耐性の評価方法にて評価を行った結果を表1に示す。
[実施例3]
撹拌装置、温度計、還流冷却器を取り付けた0.5Lの3つ口フラスコに、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン13g(SiH:0.216モル)、平均組成式(b−1)で表される重量平均分子量186のビニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン4g(0.043モル)、平均組成式(b−2)で表される重量平均分子量780のビニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン26g(0.065モル)、ビニルトリメチルシラン6.5g(0.065モル)、3−ブテニルメタクリレート6g(0.043モル)、トルエン222g、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.02g(重合禁止剤)を添加し、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら60℃に加温した。
その後、実施例1と同様の方法により、ヒドロシリル化反応を行い、活性炭処理し、揮発成分を留去して、オルガノポリシロキサン(A3)60gを得た。得られたポリオルガノシロキサンの2b/(a+2b+c)の値は0.05であった。
得られたポリオルガノシロキサン(A3)を用いて実施例1と同様の方法により、熱硬化性樹脂組成物及び硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。また、上記リフロー耐性の評価方法にて評価を行った結果を表1に示す。
[実施例4]
撹拌装置、温度計、還流冷却器を取り付けた0.5Lの3つ口フラスコに、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン13g(SiH:0.216モル)、平均組成式(b−1)で表される重量平均分子量186のビニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン12g(0.130モル)、トルエン194g、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.02g(重合禁止剤)を添加し、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら60℃に加温した。
その後、塩化白金酸のイソプロパノール溶液を、白金金属が、付加反応生成物であるオルガノポリシロキサンの質量に対して10ppmとなる量添加した。ヒドロシリル化反応の開始を確認した後、この反応系を保温、水冷又は空冷によって55〜65℃に保ちながら、24時間攪拌した。フラスコ内容物のNMR分析を行ったところ、ポリジメチルシロキサン由来のビニル基が消失していた。その後、平均組成式(b−2)で表される重量平均分子量780のビニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン8.5g(0.022モル)、ビニルトリメチルシラン2.2g(0.022モル)、(c)成分として3−ブテニルメタクリレート6g(0.043モル)を更に添加し、48時間攪拌した。フラスコ内容物の分析を行ったところ、SiH基の赤外吸光(FT−IR)による2130cm-1の特性吸収は消失していた。活性炭処理し、揮発成分を留去して、オルガノポリシロキサン(A4)46gを得た。得られたポリオルガノシロキサンの2b/(a+2b+c)の値は0.29であった。
得られたポリオルガノシロキサン(A4)を用いて実施例1と同様の方法により、熱硬化性樹脂組成物及び硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。また、上記リフロー耐性の評価方法にて評価を行った結果を表1に示す。
[実施例5]
3−ブテニルメタクリレート6g(0.044モル)をアリルメタクリレート5.5g(0.044モル)に変更したことを除き実施例1と同様の方法で合成を行った。72時間撹拌後、フラスコ内容物の分析を行ったところ、SiH基の赤外吸光(FT−IR)による2130cm-1の特性吸収は消失していた。その後、活性炭処理し、揮発成分を留去して、オルガノポリシロキサン(A5)40gを得た。得られたポリオルガノシロキサンの2b/(a+2b+c)の値は0.23であった。
得られたポリオルガノシロキサン(A5)を用いて実施例1と同様の方法により、熱硬化性樹脂組成物及び硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。また、上記リフロー耐性の評価方法にて評価を行った結果を表1に示す。
[実施例6]
撹拌装置、温度計、還流冷却器を取り付けた0.5Lの3つ口フラスコに、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン13g(SiH:0.216モル)、平均組成式(b−2)で表される重量平均分子量780のビニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン34.6g(0.086モル)、ビニルトリメチルシラン8.7g(0.087モル)、3−ブテニルメタクリレート6g(0.043モル)、トルエン249g、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.02g(重合禁止剤)を添加し、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら60℃に加温した。
その後、実施例1と同様の方法により、ヒドロシリル化反応を行い、活性炭処理し、揮発成分を留去して、オルガノポリシロキサン(A6)60gを得た。得られたポリオルガノシロキサンの2b/(a+2b+c)の値は0.005であった。
得られたポリオルガノシロキサン(A6)を用いて実施例1と同様の方法により、熱硬化性樹脂組成物及び硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。また、上記リフロー耐性の評価方法にて評価を行った結果を表1に示す。
[実施例7]
撹拌装置、温度計、還流冷却器を取り付けた0.5Lの3つ口フラスコに、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン13g(SiH:0.216モル)、平均組成式(b−1)で表される重量平均分子量186のビニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン2g(0.022モル)、平均組成式(b−2)で表される重量平均分子量780のビニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン34.6g(0.086モル)、ビニルトリメチルシラン8.7g(0.087モル)、3−ブテニルメタクリレート3g(0.022モル)、トルエン245g、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.02g(重合禁止剤)を添加し、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら60℃に加温した。
その後、実施例1と同様の方法により、ヒドロシリル化反応を行い、活性炭処理し、揮発成分を留去して、オルガノポリシロキサン(A7)60gを得た。得られたポリオルガノシロキサンの2b/(a+2b+c)の値は0.01であった。
得られたポリオルガノシロキサン(A7)を用いて実施例1と同様の方法により、熱硬化性樹脂組成物及び硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。また、上記リフロー耐性の評価方法にて評価を行った結果を表1に示す。
[比較例1]
撹拌装置、温度計、還流冷却器を取り付けた0.5Lの3つ口フラスコに、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン25g(SiH:0.4モル)、3−ブテニルメタクリレート90g(0.6モル)及び、トルエン295g、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.02g(重合禁止剤)を添加し、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら60℃に加温した。
その後、塩化白金酸のイソプロパノール溶液を、白金金属が、付加反応生成物であるオルガノポリシロキサンの質量に対して10ppmとなる量を添加した。ヒドロシリル化反応の開始を確認した後、この反応系を保温、水冷又は空冷によって55〜65℃に保ちながら、72時間攪拌した。フラスコ内容物の分析を行ったところ、SiH基の赤外吸光(FT−IR)による2130cm-1の特性吸収は消失していた。その後、活性炭処理し、揮発成分を留去して、下記一般式(13)で表されるオルガノポリシロキサンを含有する、オルガノポリシロキサン(B1)45gを得た。得られたポリオルガノシロキサンの2b/(a+2b+c)の値は0であった。
<硬化物の製造と特性評価>
得られたポリオルガノシロキサン(B1)を用いて実施例1と同様の方法により、熱硬化性樹脂組成物及び硬化物を得た。得られた硬化物の性能を表1に示す。また、上記リフロー耐性の評価方法にて評価を行った結果を表1に示す。

本発明に係る熱硬化性樹脂組成物は、光半導体用封止材及びダイボンディング材等の光学部材の用途において産業利用上の可能性を有する。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で表される構成単位Sを二つ以上有し、
    二以上の前記構成単位Sを接続する構成単位Lをさらに有し、
    前記構成単位Lが、
    −CH 2 −CH 2 Si(Me) 2 O−Si(Me) 2 CH 2 −CH 2 −、
    −CH 2 −CH 2 Si(Me) 2 O−Si(Me) 2 O−Si(Me) 2 CH 2 −CH 2 −、
    −CH 2 −CH 2 Si(Me) 2 O−(Si(Me) 2 O) 2 −Si(Me) 2 CH 2 −CH 2 −、
    −CH 2 −CH 2 Si(Me) 2 O−(Si(Me) 2 O) 3 −Si(Me) 2 CH 2 −CH 2 −、
    −CH 2 −CH 2 Si(Me) 2 O−(Si(Me) 2 O) 6 −Si(Me) 2 CH 2 −CH 2 −、
    −CH 2 −CH 2 Si(Me) 2 O−(Si(Me) 2 O) 8 −Si(Me) 2 CH 2 −CH 2 −、
    −CH 2 −CH 2 Si(Me) 2 O−(Si(Me) 2 O) 11 −Si(Me) 2 CH 2 −CH 2 −、
    −CH 2 −CH 2 Si(Me) 2 O−(Si(Me) 2 O) 12 −Si(Me) 2 CH 2 −CH 2 −、又は
    −CH 2 −CH 2 Si(Me) 2 O−(Si(Me) 2 O) 20 −Si(Me) 2 CH 2 −CH 2
    であり、前記構成単位Lが2以上存在する場合には、各々の前記構成単位Lは同一であっても異なってもよく、
    前記構成単位Sの、前記構成単位L以外の(SiO)a又は(SiO)cのSiが有するR1基以外の側鎖基が、
    −CH 2 −CH 2 −R 3 −O−C(O)−CH=CH 2 、又は
    −CH 2 −CH 2 −R 3 −O−C(O)−C(Me)=CH 2 で表される基と(R 3 は、炭素数1〜8の2価の炭化水素基である)、
    −CH 2 −CH 2 −Si(Me) 3
    −CH 2 −CH 2 −Si(C 2 5 3
    −CH 2 −CH 2 −Si(C 3 7 3
    −CH 2 −CH 2 −Si(Me)(Ph) 2
    −CH 2 −CH 2 −Si(Me) 2 (Ph)、又は
    −CH 2 −CH 2 −Si(Ph) 3 で表される基と、を含む
    オルガノポリシロキサン。
    (上記一般式(1)中、R1は、各々独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基、又は、置換若しくは非置換のアラルキル基を示し、X1は、各々独立して、炭素数2〜10の二価の炭化水素基を表し、a、b、及びcは、a+2b+c=1、a>0、0.125≧b≧0.010、c≧0、及び0.98≧a+c≧0.75を満たし、0.25≧2b/(a+2b+c)≧0.02であり、iはi≧0を満たす。)
  2. 前記R1が、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、又は、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアリール基を含む、請求項1に記載のオルガノポリシロキサン。
  3. 請求項1又は2に記載のオルガノポリシロキサン100質量部と、
    熱ラジカル発生剤0.50〜10質量部と、を含有する、
    熱硬化性樹脂組成物。
  4. シランカップリング剤0.50〜10質量部をさらに含有する、請求項3に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  5. 前記オルガノポリシロキサンとは異なる構造の(メタ)アクリロキシ基を含有するオルガノポリシロキサン1.0〜2000質量部をさらに含有する、請求項3又は4に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む、光半導体用封止材。
  7. 請求項3〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む、光半導体用ダイボンド材。
  8. 請求項6に記載の光半導体用封止材を成形した封止材を含む、光半導体パッケージ。
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