JP6490973B2 - オルガノポリシロキサン及びそれを含有する熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

オルガノポリシロキサン及びそれを含有する熱硬化性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、オルガノポリシロキサン、オルガノポリシロキサン樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物、硬化物、光半導体用封止材、光半導体用ダイボンド材、及び光半導体パッケージに関する。
酸無水物系硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物は、透明な硬化物を形成し、発光ダイオード及びフォトダイオードなどの光半導体素子の封止材料として好適であることが知られている。
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、及び(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートなどの有機樹脂骨格のエポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂組成物が光半導体素子の分野において用いられてきた。
しかし、近年の光半導体の高性能化が進むにつれ、光半導体素子の封止材料には、耐熱性及び耐光性などにおいて、さらに優れた特性を有することが要求されており、従来のエポキシ樹脂組成物では、十分な特性が得られなくなってきている。
そこで、特定のシリコーン組成物をヒドロシリル化反応にて硬化させる、光半導体用途の熱硬化性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、硬度を改善した特定のシリコーン組成物の光半導体用途への適用が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、メタアクリロキシ基含有シリコーン組成物の光半導体用途への適用が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
一方で、特定構造を有するオルガノポリシロキサンの組成物が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
特開2010−1358号公報 特開2008−274185号公報 特開2008−131009号公報 特開2011−213868号公報
特許文献1で開示される組成物の場合、耐熱黄変性や耐光性は優れるが、硬化物に傷が入りやすく取り扱いが困難である。また、密着も低いため、光半導体用封止材用途へ好適に用いることができない。
特許文献2で開示される組成物は、分子構造中にフェニルを導入することで、硬化物の硬度を高めて耐擦傷性を改善する試みがされている。しかし、そのフェニル基が耐熱黄変性や耐光性を低下させる原因となってしまうため、光半導体用封止材用途へ好適に用いることができない。
特許文献3で開示される組成物は、耐熱黄変性や耐光性は優れるものの、硬化物の硬度が低いため傷が入りやすく取り扱いが困難である。
特許文献4で開示される組成物は、耐熱黄変性や耐光性、硬化物の硬度は優れるものの、加熱・冷却繰返し時に硬化物にクラックが発生してしまう。クラックが発生すると回路の断線を引き起こすため、光半導体封止剤用途への適応が難しい。
硬化物を柔軟化して耐クラック性を改良するために、可塑剤成分を配合することができる。しかし、一般的な有機系の可塑剤を配合すると、耐熱黄変性や耐光性低下する。一方で、一般的なシリコーン化合物を可塑剤として配合すると、表面にタックが出てしまい、取り扱いが困難になる。
以上のように、耐熱黄変性、耐光性、耐クラック性、及び表面タック性のいずれの点でも光半導体用途において要求されるレベルを十分に満足する透明な硬化物を得ることは、従来困難であった。
本発明が解決しようとする課題は、耐熱黄変性、耐光性、耐クラック性、及び表面タック性のいずれの点でも光半導体用途において要求されるレベルを十分に満足する、透明な硬化物を形成することが可能なオルガノポリシロキサンを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、新規オルガノポリシロキサンを用いることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
[1]
未反応のSiH基が残存しない、下記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサン。
[式中、
1は置換又は非置換の、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基若しくはアラルキル基を示し、
Yは炭素数2〜10の二価の炭化水素基を示し、
t及びuは各々独立に1以上の整数を表し、
vは0〜20の整数を表す。]
[2]
1が置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基である、[1]に記載のオルガノポリシロキサン。
[3]
1がメチル基である、[1]又は[2]に記載のオルガノポリシロキサン。
[4]
[1]〜[3]のいずれかに記載のオルガノポリシロキサンを含有する、オルガノポリシロキサン樹脂組成物。
[5]
下記一般式(3)で表されるオルガノポリシロキサンをさらに含有する、[4]に記載のオルガノポリシロキサン樹脂組成物。
[式中、
2は置換又は非置換の、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基若しくはアラルキル基を示し、
3は重合性官能基を示し、
Xは炭素数3〜10の二価の炭化水素基を示し、
mは1以上の整数、nは0以上の整数を表し、m+n≧3を満足する。]
[6]
3がアクリロキシ基又はメタアクリロキシ基である、[5]に記載のオルガノポリシロキサン樹脂組成物。
[7]
[5]又は[6]に記載のオルガノポリシロキサン樹脂組成物を含有し、
前記一般式(3)で表されるオルガノポリシロキサン100質量部に対して、熱ラジカル重合開始剤0.05〜10質量部をさらに含有する、熱硬化性樹脂組成物。
[8]
前記一般式(3)で表されるオルガノポリシロキサン100質量部に対して、シランカップリング剤0.5〜10質量部をさらに含有する、[7]に記載の熱硬化性樹脂組成物。
[9]
[7]又は[8]に記載の熱硬化性樹脂組成物を熱硬化して得られる硬化物。
[10]
[7]又は[8]に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む光半導体用封止材。
[11]
[7]又は[8]に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む光半導体用ダイボンド材。
[12]
[10]に記載の光半導体用封止材を成形した光半導体パッケージ。
本発明のオルガノポリシロキサンは、透明性、耐熱黄変性、耐光性、耐クラック及び表面タック性のいずれの点でも光半導体用途において要求されるレベルを十分に満足する透明な硬化物を形成することが可能である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではない。
本実施形態のオルガノポリシロキサン(以下、単に、「オルガノポリシロキサン(A)」という場合がある。)は、下記一般式(1)及び、下記平均組成式(2)で表され、[f/(a+b+c+d+e+f+g+h+i)]の値が0.020以下の範囲である。
[式中、
1は置換又は非置換の、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基若しくはアラルキル基を示し、
Yは炭素数2〜10の二価の炭化水素基を示し、
Zは二価の炭化水素基Yとの結合を示し、
t及びuは各々独立に1以上の整数を表し、隣り合っていてもいなくてもよく、
vは0〜20の整数を表し、
a、b、c、d、e、f、g、h及びiは、オルガノポリシロキサン1モル中に存在する各構成単位のモル数を表し、a及びeは各々独立に0を越える値を表し、b、c、d、f、g、h及びiは各々独立に0以上の値を表し、e=a+d+hを満足する。]
1は、置換又は非置換の、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基若しくはアラルキル基を示す。
1としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、及びオクチル基などの炭素数1〜10のアルキル基;シクロペンチル基及びシクロヘキシル基などの炭素数3〜10のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、及びメシチル基などの炭素数6〜20のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、及びフェニルプロピル基などの炭素数7〜20のアラルキル基等が挙げられる。
1である炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、ヒドロキシ基、シアノ基、及びハロゲン原子などの置換基で置換されていてもよく、炭素原子に結合している水素原子の1部又は全部を置換基で置換した基であってもよい。
置換された炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、ヒドロキシプロピル基、シアノエチル基、1−クロロプロピル基、及び3,3,3−トリフルオロピル基等が挙げられる。
1としては、耐熱黄変性及び耐光性の観点から、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
Yは、炭素数2〜10の二価の炭化水素基を示す。
Yとしては、例えば、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、−(CH25−、−(CH26−、−(CH28−、−(CH210−、−CH(CH3)CH2−、及び−C(CH32−等の二価の直鎖又は分岐のアルキレン基が挙げられ、中でも、−(CH22−、−(CH23−、及び−(CH24−が原料の入手のし易さ及び反応性の観点から好ましい。
vは0〜20の整数を表す。
vは、オルガノポリシロキサン(A)を用いて得られる硬化物の耐熱性が向上する、熱ラジカル重合開始剤との相溶性がよく透明で均一な硬化物が得られる、密着性が良好になる傾向にあるため、0〜15の整数を表すことが好ましく、0〜10の整数を表すことがより好ましい。
オルガノポリシロキサン(A)において、保存時における変性反応や粘度変化を示さず、優れた保存安定性を示すためには、オルガノポリシロキサン(A)中に残存する未反応のSiH基の残存量を表す[f/(a+b+c+d+e+f+g+h+i)]の値が0.020以下であることが必要であり、0.015以下であることが好ましく、0.010以下であることがより好ましく、0.005以下であることがさらに好ましい。
本実施形態においては、オルガノポリシロキサン樹脂組成物を提供する。
本実施形態のオルガノポリシロキサン樹脂組成物は、オルガノポリシロキサン(A)を含有する。
本実施形態においては、オルガノポリシロキサン(A)を含有することにより、オルガノポリシロキサン樹脂組成物を硬化物とした場合に、硬化物の耐クラック性を向上することができる。また、オルガノポリシロキサン(A)をオルガノポリシロキサン樹脂組成物に添加することにより、光半導体用途として、高い耐熱黄変性と耐光性を有しながら、オルガノポリシロキサン(A)が固体であることにより、光半導体用途としての表面タック性を両立できる。
本実施形態のオルガノポリシロキサン樹脂組成物は、下記一般式(3)で表されるオルガノポリシロキサン(以下、単に、「オルガノポリシロキサン(B)」という場合がある。)をさらに含んでいてもよい。
オルガノポリシロキサン(A)及びオルガノポリシロキサン(B)は、それぞれ、2種類以上の組合せでもよく、1種単独であってもよい。
[式中、
2は置換又は非置換の、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基若しくはアラルキル基を示し、
3は重合性官能基を示し、
Xは炭素数3〜10の二価の炭化水素基を示し、
mは1以上の整数、nは0以上の整数を表し、m+n≧3を満足する。]
2は置換又は非置換の、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。
2としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、及びオクチル基などの炭素数1〜10のアルキル基;シクロペンチル基及びシクロヘキシル基などの炭素数3〜10のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、及びメシチル基などの炭素数6〜20のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、及びフェニルプロピル基などの炭素数7〜20のアラルキル基等が挙げられる。
2である炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、ヒドロキシ基、シアノ基、及びハロゲン原子などの置換基で置換されていてもよく、炭素原子に結合している水素原子の1部又は全部を置換基で置換した基であってもよい。
置換された炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、ヒドロキシプロピル基、シアノエチル基、1−クロロプロピル基、及び3,3,3−トリフルオロピル基等が挙げられる。
2としては、オルガノポリシロキサン樹脂組成物を硬化物とした際の耐熱黄変性及び耐光性の観点から、メチル基が好ましい。
3は、重合性官能基を示す。
重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロキシ基及びビニル基などの不飽和結合含有基、エポキシ基、エピスルフィド基、イソシアネート基、及び水酸基などの重付加が可能な官能基、並びにアミノ基及びカルボキシル基などの重縮合可能な官能基等が挙げられる。
3としては、反応性と保存安定性の観点で、(メタ)アクリロキシ基(アクリロキシ基又はメタアクリロキシ基)が好ましい。
アクリロキシ基は、下記式(4)で表される基であり、メタアクリロキシ基は、下記式(5)で表される基である。
Xは炭素数3〜10の二価の炭化水素基を示す。
Xとしては、例えば、−(CH23−、−(CH24−、−(CH25−、−(CH26−、−(CH28−、−(CH210−、−CH(CH3)CH2−、及び−C(CH32−等の二価の直鎖又は分岐のアルキレン基が挙げられ、中でも、−(CH23−、−(CH24−、−(CH25−、及び−(CH26−が原料の入手のし易さ及び反応性の観点から好ましい。
mは1以上の整数、nは0以上の整数を表し、m+n≧3を満足する。m+nの値は、流動性の観点からm+nは10以下であることが好ましく、安定性の観点からm+nは4以上であることが好ましい。
本実施形態において、(メタ)アクリロキシ基の官能基等量は、耐熱黄変性及び耐光性の観点から、180g/mol以上であることが好ましく、ガスバリア性の観点から、900g/mol以下であることが好ましい。
(メタ)アクリロキシ基の官能基等量は、190g/mol以上880g/mol以下であることがより好ましく、200g/mol以上850g/mol以下であることがさらに好ましい。
(メタ)アクリロキシ基の官能基当量は、以下の方法により測定することができる。
(メタ)アクリロキシ基を含有するオルガノポリシロキサンの各サンプル30mgを、1gの重水素化クロロホルム溶媒にそれぞれ溶解した溶液を測定試料とする。測定試料の1H NMRの測定を、日本分光社製α−400を用いて積算回数200回にて行い、得られた結果を解析してオルガノポリシロキサン1分子中の平均組成を求める。
また、各サンプル0.15gを、1gの重水素化クロロホルム溶媒にそれぞれ溶解し、Cr(acac)3をサンプルに対して8質量%添加した溶液を測定試料とする。測定試料の29Si NMRの測定を、日本分光社製α−400を用いて積算回数4000回にて行い、得られた結果を解析してオルガノポリシロキサン1分子中の平均組成を求める。
1H NMR及び29Si NMRにより得られた結果を解析して、(メタ)アクリロキシ基の官能基当量(官能基1モル当たりの質量)を算出する。
オルガノポリシロキサン(A)は、下記一般式(6)で表される1分子中に少なくとも1個のSiH基を持つハイドロジェンポリシロキサン(a1)と、ケイ素原子に直接結合したビニル基を2個以上有するビニル基含有オルガノポリシロキサン(b)との付加反応を、ヒドロシリル化反応触媒(d)の存在下で行う方法により製造することができる。
[式中、
1は、オルガノポリシロキサン(A)におけるR1に相当する基であり、置換又は非置換の、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基若しくはアラルキル基を示し、
pは3〜20の整数を表す。]
ハイドロジェンポリシロキサン(a1)としては、例えば、下記式(7)又は(8)で表される化合物等が挙げられる。
ハイドロジェンポリシロキサン(a1)は、2種類以上の組合せでもよく、1種単独であってもよい。
ビニル基含有オルガノポリシロキサン(b)としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
CH2=CHSi(Me)2O−Si(Me)2CH=CH2
CH2=CHSi(Me)2O−Si(Me)2O−Si(Me)2CH=CH2
CH2=CHSi(Me)2O−(Si(Me)2O)2−Si(Me)2CH=CH2
CH2=CHSi(Me)2O−(Si(Me)2O)3−Si(Me)2CH=CH2
CH2=CHSi(Me)2O−(Si(Me)2O)6−Si(Me)2CH=CH2
CH2=CHSi(Me)2O−(Si(Me)2O)8−Si(Me)2CH=CH2
CH2=CHSi(Me)2O−(Si(Me)2O)11−Si(Me)2CH=CH2
CH2=CHSi(Me)2O−(Si(Me)2O)12−Si(Me)2CH=CH2
CH2=CHSi(Me)2O−(Si(Me)2O)20−Si(Me)2CH=CH2
CH2=CHCH2Si(Me)2O−Si(Me)2CH2CH=CH2、及び
CH2=CHCH2Si(Me)2O−Si(Me)2O−Si(Me)2CH2CH=CH2
ビニル基含有オルガノポリシロキサン(b)は、2種類以上の組合せでもよく、1種単独であってもよい。
ビニル基含有オルガノポリシロキサン(b)の量は、SiH基を残さず最後まで反応させて、平均組成式(2)を満たす観点から、ハイドロジェンポリシロキサン(a1)に由来するSiH基のモル量に対して、余剰に添加することが好ましい。
本実施形態において用いられるオルガノポリシロキサン(B)は、下記一般式(9)で表される1分子中に少なくとも1個のSiH基を持つハイドロジェンポリシロキサン(a2)と、アルケニル基含有(メタ)アクリレート化合物(c)との付加反応を、ヒドロシリル化反応触媒(d)の存在下で行う方法により製造することができる。
[式中、
2は、オルガノポリシロキサン(B)におけるR2に相当する基であり、置換又は非置換の、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、
mは1以上の整数、nは0以上の整数を表し、m+n≧3を満足する。]
ハイドロジェンポリシロキサン(a2)は、例えば、下記式(10)、(11)又は(12)で表される化合物等が挙げられる。
ハイドロジェンポリシロキサン(a2)は、2種類以上の組合せでもよく、1種単独であってもよい。
アルケニル基含有(メタ)アクリレート化合物(c)としては、下記一般式(13)で表される化合物が挙げられる。
[式中、
4はアクリロキシ基又はメタアクリロキシ基を示し、
5は炭素数1〜8の二価の炭化水素基を示す。]
5は、炭素数1〜8の二価の炭化水素基を示し、炭素数1〜4の二価の炭化水素基を示すことが好ましい。
炭素数が1以上であることにより、ヒドロシリル化反応が起こり、炭素数が8以下であることにより、反応溶液から余剰のアルケニル基含有(メタ)アクリレート化合物(c)を留去することができる。
アルケニル基含有(メタ)アクリレート化合物(c)は、2種類以上の組合せでもよく、1種単独であってもよい。
アルケニル基含有(メタ)アクリレート化合物(c)の量は、SiH基を残さず最後まで反応させる観点から、ハイドロジェンポリシロキサン(a2)に由来するSiH基のモル量に対して、余剰に添加することが好ましい。
具体的には、[アルケニル基含有(メタ)アクリレート化合物(c)のモル量]/[(a2)に由来するSiH基のモル量]=1.2〜3.0が好ましい。
本実施形態において用いられるヒドロシリル化反応触媒(d)は、特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。
ヒドロシリル化反応触媒(d)としては、例えば、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応生成物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテートなどの白金系触媒;パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の白金系触媒以外の白金族金属系触媒等が挙げられる。
ヒドロシリル化反応触媒(d)は、2種類以上の組合せでもよく、1種単独であってもよい。
ヒドロシリル化反応触媒(d)の量は、特に限定されず、ハイドロジェンポリシロキサン(a1)と、ケイ素原子に直接結合したビニル基を2個以上有するビニル基含有オルガノポリシロキサン(b)との付加反応生成物であるオルガノポリシロキサン(A)、又はハイドロジェンポリシロキサン(a2)と、アルケニル基含有(メタ)アクリレート化合物(c)との付加反応生成物であるオルガノポリシロキサン(B)の質量に対して0.01〜100ppmが好ましい。
ヒドロシリル化反応触媒(d)の量は、その添加効果を十分に得るという観点から0.01ppm以上が好ましく、安全に合成反応を行い、かつコストの観点から100ppm以下が好ましい。
ヒドロシリル化反応触媒(d)は反応後に活性アルミナや活性炭等の吸着材によって除去することができる。耐熱黄変性及び耐光性の観点から、熱硬化性樹脂組成物中の残存するヒドロシリル化反応触媒の量は、オルガノポリシロキサン(A)及びオルガノポリシロキサン(B)100質量部に対して0.001質量部以下が好ましい。
付加反応は、通常、室温〜110℃で行うことができる。(メタ)アクリロキシ基は高温で反応し易くゲル化する可能性があるため、反応温度は40℃〜100℃が好ましい。
付加反応は、必要に応じて溶剤中で行うことができる。ポリオルガノシロキサン(A)の製造においては、反応系の濃度を低減することが好ましい。
溶剤としては、例えば、トルエン及びキシレンなどの芳香族系溶剤;ヘキサン及びオクタンなどの脂肪族系溶剤;メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル及び酢酸イソブチルなどのエステル系溶剤;ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエーテル系溶剤;イソプロパノールなどのアルコール系溶剤等が挙げられる。
溶剤として、これらの混合溶剤を使用してもよい。
付加反応の雰囲気は空気中、不活性気体中のいずれでもよい。不可反応生成物の着色が少ない点で、窒素、アルゴン、及びヘリウムなどの不活性気体中が好ましいが、(メタ)アクリロキシ基の重合反応を防止する目的で少量の酸素を導入して不可反応を行なってもよい。
(メタ)アクリロキシ基の重合反応を防止する目的で、反応系に、フェノチアジン,ヒンダードフェノール系化合物,アミン系化合物、及びキノン系化合物などの重合禁止剤を添加しておくことが好ましい。
重合禁止剤の種類と量は、それらの添加によってヒドロシリル化反応の進行を妨げることなく、(メタ)アクリロキシ基の重合反応を防止することができれば特に限定されない。
付加反応終了後、余剰のアルケニル基含有(メタ)アクリレート化合物(c)及び溶剤を使用した場合の溶剤等は、加熱及び/又は減圧下で留去して、上記一般式(1)で表されるオルガノポリシロキサン及び上記一般式(3)で表されるオルガノポリシロキサンを得ることができる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、熱ラジカル重合開始剤を含有する。
熱ラジカル重合開始剤は、熱によって(メタ)アクリロキシ基をラジカル重合させるものであれば特に限定されない。
熱ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、及びクメンヒドロパーオキサイドなどの有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物等が挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤としては、具体的には、2,2−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬製)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65、和光純薬製)2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(V−60、和光純薬製)、及び2,2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(V−59、和光純薬製)などのアゾニトリル化合物;オクタノイルパーオキシド(パーロイルO、日本油脂製)、ラウロイルパーオキシド(パーロイルL、日本油脂製)、ステアロイルパーオキシド(パーロイルS、日本油脂製)、スクシニックアシッドパーオキシド(パーロイルSA、日本油脂製)、ベンゾイルパーオキサイド(ナイパーBW、日本油脂製)、イソブチリルパーオキサイド(パーロイルIB、日本油脂製)、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド(ナイパーCS、日本油脂製)、及び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド(パーロイル355、日本油脂製)などのジアシルパーオキサイド類;ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート(パーロイルNPP−50M、日本油脂製)、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(パーロイルIPP−50、日本油脂製)、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(パーロイルTCP、日本油脂製)、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート(パーロイルEEP、日本油脂製)、ジ−2−エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート(パーロイルOPP、日本油脂製)、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート(パーロイルMBP、日本油脂製)、及びジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート(パーロイルSOP、日本油脂製)などのパーオキシジカーボネート類;t−ブチルヒドロパーオキサイド(パーブチルH−69、日本油脂製)及び1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド(パーオクタH、日本油脂製)などのヒドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイド(パーブチルD、日本油脂製)及び2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25B、日本油脂製)などのジアルキルパーオキサイド類;α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(ダイパーND、日本油脂製)、クミルパーオキシネオデカノエート(パークミルND、日本油脂製)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート(パーオクタND、日本油脂製)、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート(パーシクロND、日本油脂製)、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート(パーヘキシルND、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(パーブチルND、日本油脂製)、t−ヘキシルパーオキシピバレート(パーヘキシルPV、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシピバレート(パーブチルPV、日本油脂製)、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーオクタO、日本油脂製)2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ250、日本油脂製)、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーシクロO、日本油脂製)、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(パーヘキシルO、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(パーブチルO、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシイソブチレート(パーブチルIB、日本油脂製)、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(パーヘキシルI、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド(パーブチルMA、日本油脂製)、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(トリゴノックス121、化薬アクゾ製)、及びt−アミルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート(カヤエステルAN、化薬アクゾ製)などのパーオキシエステル類等の有機過酸化物等が挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤は、2種類以上の組合せでもよく、1種単独であってもよい。
熱ラジカル重合開始剤の含有量は、オルガノポリシロキサン(B)100質量部に対して、0.05〜10質量部が好ましい。熱ラジカル重合開始剤の含有量が0.05質量部以上であれば硬化性に優れ、10質量部以下であれば耐熱黄変性に優れる。
熱ラジカル重合開始剤の含有量は0.1質量部以上8質量部以下であることがより好ましく、0.2質量部以上5質量部以下であることがさらに好ましい。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、オルガノポリシロキサン樹脂組成物にシランカップリング剤を含有してもよい。
シランカップリング剤は、1つの分子中に、ガラス、金属、及び珪石などの無機材料と化学結合する反応基と、さらに合成樹脂等の有機材料と化学結合する反応基又は有機材料と相溶性の良い置換基を有する化合物であれば特に限定されない。
無機材料と化学結合する反応基としては、メトキシ基及びエトキシ基等が挙げられる。
有機材料と化学結合する反応基としては、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタアクリル基、アクリル基、メルカプト基、及びイソシアネート基等が挙げられる。
有機材料と相溶性の良い置換基としては、イソシアヌレート基等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、具体的には、ビニルトリメトキシシラン(KBM−1003、信越化学製)、ビニルトリエトキシシラン(KBE−1003、信越化学製)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(KBM−303、信越化学製)、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−402、信越化学製)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越化学製)、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン(KBE−402、信越化学製)、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(KBE−403、信越化学製)、p−スチリルトリメトキシシラン(KBM−1403、信越化学製)、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−502、信越化学製)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503、信越化学製)、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン(KBE−502、信越化学製)、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(KBE−503、信越化学製)、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103、信越化学製)、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−602、信越化学製)、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−603、信越化学製)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−903、信越化学製)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(KBE−903、信越化学製)、3−トリエトキシシリル3−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン(KBE−9103、信越化学製)、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−573、信越化学製)、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩(KBM−575、信越化学製)、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン(KBE−585、信越化学製)、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−802、信越化学製)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM−803、信越化学製)、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(KBE−846、信越化学製)、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(KBE−9007、信越化学製)、及びトリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(X−12−965、信越化学製)等が挙げられる。
シランカップリング剤は、2種類以上の組合せでもよく、1種単独であってもよい。
シランカップリング剤の含有量は、オルガノポリシロキサン(B)100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましい。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、本実施形態のオルガノポリシロキサン(A)やオルガノポリシロキサン(B)とは異なる構造の(メタ)アクリロキシ基を含有するオルガノポリシロキサンを配合させることができる。該オルガノポリシロキサンとしては、例えば下記一般式(14)又は(15)で表される化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物には、本発明の目的を逸脱しない範囲内で、染料、劣化防止剤、離型剤、希釈剤、酸化防止剤、熱安定化剤、難燃剤、可塑剤、及び界面活性剤などの添加剤を配合いてもよい。
耐熱性、耐光性、硬度、導電性、熱伝導性、チキソ性、及び低熱膨張性の改良等を目的として、必要に応じて無機酸化物に代表されるフィラーを熱硬化性樹脂組成物が含有してもよい。
フィラーとしては、シリカ(ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、及び沈降性シリカなど)、窒化ケイ素、窒化ホウ素、アルミナ、チタニア、及びチタン酸バリウムなどの無機酸化物又は無機窒化物、ガラス、セラミックス、銀粉、金粉、並びに銅粉などが挙げられる。
フィラーは表面処理をしていても、していない状態であっても使用することができ、表面処理をしていると、熱硬化性樹脂組成物の流動性が高まり、充填率を上げることができ、工業的に好ましい。
フィラーの平均粒径は、500ナノメートル以下であると硬化物の透明性が上昇して工業的に好ましく、0.1ナノメートル以上であると熱硬化性樹脂組成物の粘度が低くなり、成形性が良くなる。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、硬化前は、液状又は固形であり、所定の処理を施すことにより硬化物を作製することができる。熱硬化性樹脂組成物に加熱処理を施すことにより、硬化物が得られる。硬化温度は通常100〜250℃である。
熱硬化性樹脂組成物の硬化方法、成形方法は、特に限定されない。
熱硬化性樹脂組成物が液体の場合は、例えば、注型、低圧トランスファ成形、ポッティング、ディッピング、加圧成形、及び射出成形によって成形することができる。
硬化性樹脂組成物が固形の場合は、プレス機、低圧トランスファ成形機等を用いて加圧下で加熱硬化させて、成形することができる。
熱硬化性樹脂組成物が熱硬化して得られる硬化物は、光半導体用封止材として好適に用いられる。
熱硬化性樹脂組成物をダイボンディングペーストとして用い、その硬化物を光半導体用ダイボンド材として形成してもよい。
熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、チップの周囲を被覆するチップコート材、レンズ材等の光半導体用途に好適に使用することができる。この場合、光半導体としては、例えば、LEDランプ、チップLED、半導体レーザ、フォトカプラ、及びフォトダイオード等が挙げられる。
本実施形態において、熱硬化性樹脂組成物を含む光半導体用封止材を使用する場合、光半導体は、ハウジング材と、当該ハウジング内に設けられたシリコンチップと、本実施形態の硬化性樹脂組成物の硬化物であり当該シリコンチップを封止する封止材とを具備する構成を有している。
ハウジング材の材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリフタルアミドなどの芳香族ポリアミド、66ナイロンなどのエニジニアリングプラスチック、及びセラミック等が挙げられ、ポリフタルアミドの場合、特に高い密着性が発現される。
ハウジング材にガラス繊維を含有させることにより接着強度が高くなり好ましい。ガラス繊維の含有量は、ハウジング材の質量を基準として、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%、さらに好ましくは15〜25質量%である。
ガラス繊維の含有量がこれら数値範囲内にあると、密着性がより一層顕著に発揮される。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、光半導体用封止材を成形することで、光半導体パッケージとして用いることができる。
熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、優れた耐熱黄変性や高い透明性を活かして、眼鏡レンズ、光学機器用レンズ、CDやDVDのピックアップ用レンズ、自動車ヘッドランプ用レンズ、及びプロジェクター用レンズなどのレンズ材料、光ファイバー、光導波路、光フィルター、光学用接着剤、光ディスク基板、ディスプレイ基板、及び反射防止膜などのコーティング材料等、各種光学部材にも好適に使用される。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。本実施例における測定方法及び評価方法は、以下のとおりである。
<(1)相溶性>
オルガノポリシロキサン(B)に対して、オルガノポリシロキサン(A)、フタル酸ジブチル、又はジメチルシリコーンオイルを所定量添加した際の溶液状態を目視で観察した。
無色透明かつ均一であったものを○、白濁又は不均一だったものを×とした。
<(2)耐熱黄変性>
厚さ3mmの硬化物を用い、コニカミノルタ社製、分光測色計CM−3600d(商品名)でYI(黄色度)を測定した。
次に当該硬化物をアルミホイルに包み、空気下で150℃、150時間加熱処理を行った。その後、再びコニカミノルタ社製、分光測色計CM−3600d(商品名)でYI(黄色度)を測定した。
加熱処理前後におけるYIの変化をΔYIとし、ΔYIが3.0未満を○、3.0以上を×と評価した。
<(3)耐光性>
厚さ3mmの硬化物を用い、コニカミノルタ社製、分光測色計CM−3600d(商品名)でYI(黄色度)を測定した。
次に当該硬化物を50℃一定にした恒温乾燥機中にセットし、365nmバンドパスフィルターを備えたUV照射装置(ウシオ電機社製、商品名:SP−7)を用いて、365nmにおける照度4W/cm2で100時間照射した。その後、再びコニカミノルタ社製分光測色計CM−3600d(商品名)でYI(黄色度)を測定した。
UV照射前後におけるYIの変化をΔYIとし、ΔYIが3.0未満を○、3.0以上を×と評価した。
<(4)耐クラック性>
20mm×20mm×2mmの平板の中央に10mmφ深さ1mmの窪みの施したポリフタルアミド樹脂(ソルベイ社製アモデル4122)の成形体であるハウジング材内に5mm×5mm×0.2mmのシリコンチップを配置した。
次に、熱硬化性樹脂組成物を注型し、加熱して、シリコンチップを封止する硬化物(封止材)を形成させ、光半導体装置の試験片を得た。
得られた試験片をエスペック社製小型冷熱衝撃装置TSE−11で室温〜−40℃(15分)〜120℃(15分)〜室温を1サイクルとして、クラックが発生するまでの回数を目視で観察した。
100回サイクル以上クラックが発生しなかったものを○、100回未満でクラックが発生したものを×とした。
<(5)表面タック性>
20mm×20mm×2mmの平板の中央に10mmφ深さ1mmの窪みの施したポリフタルアミド樹脂(ソルベイ社製アモデル4122)の成形体であるハウジング材内に5mm×5mm×0.2mmのシリコンチップを配置した。
次に、熱硬化性樹脂組成物を注型し、加熱して、シリコンチップを封止する硬化物(封止材)を形成させ、光半導体装置の試験片を得た。
得られた試験片の表面にろ紙を10秒押しつけて、はがした後のろ紙の状態を評価した。
ろ紙にオイル成分が付着しなかったものを○、オイル成分の付着が観察されたものを×とした。
[実施例1]
<オルガノポリシロキサン(A)の製造>
撹拌装置、温度計、還流冷却器を取り付けた0.5Lの3つ口フラスコに、(a1)成分として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン25g(SiH:0.4モル)、(b)成分として下記平均組成式(b−1)で表される重量平均分子量186のビニルジメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン50g(0.27モル)、トルエン300g、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.02g(重合禁止剤)を添加し、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら60℃に加温した。
CH2=CHSi(Me)2O−Si(Me)2CH=CH2 ・・・(b−1)
その後、塩化白金酸のイソプロパノール溶液を、白金金属が、付加反応生成物であるオルガノポリシロキサン(A)の質量に対して10ppmとなる量添加した。ヒドロシリル化反応の開始を確認した後、この反応系を保温、水冷又は空冷によって55〜65℃に保ちながら、72時間攪拌した。フラスコ内容物の分析を行ったところ、SiH基の赤外吸光(FT−IR)による2130cm-1の特性吸収は消失していた。その後、活性炭処理し、蒸留精製により、下記式(16)で表されるオルガノポリシロキサン(A)35gを得た。
<オルガノポリシロキサン(B)の製造>
撹拌装置、温度計、還流冷却器を取り付けた0.5Lの3つ口フラスコに、(a2)成分として1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン15g(SiH:0.25モル)、(c)成分として3−ブテニルメタクリレート60g(0.4モル)、トルエン300g、及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.02g(重合禁止剤)を添加し、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら60℃に加温した。
その後、塩化白金酸のイソプロパノール溶液を、白金金属が、付加反応生成物であるオルガノポリシロキサン(B)の質量に対して10ppmとなる量添加した。ヒドロシリル化反応の開始を確認した後、この反応系を保温、水冷又は空冷によって55〜65℃に保ちながら、72時間攪拌した。フラスコ内容物の分析を行ったところ、SiH基の赤外吸光(FT−IR)による2130cm-1の特性吸収は消失していた。その後、活性炭処理し、蒸留精製により、下記式(17)で表されるオルガノポリシロキサン(B)70gを得た。
<硬化物の製造>
オルガノポリシロキサン(B)100質量部に、オルガノポリシロキサン(A)1質量部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、商品名:KBM−503)1質量部、及びtert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート(化薬アクゾ社製、商品名:トリゴノックス121−50E、50質量%溶液)2.5質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌後、脱泡して熱硬化性樹脂組成物を得た。
得られた熱硬化性樹脂組成物をSUS316製の型枠、又はハウジング材に流し込み、100℃で4時間、更に150℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。
上記(1)〜(5)の評価結果を表1に示す。
[実施例2]
オルガノポリシロキサン(A)5質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化物を得た。
[実施例3]
オルガノポリシロキサン(A)10質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化物を得た。
[比較例1]
オルガノポリシロキサン(A)に代えて、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製、商品名:KBM−503)1質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化物を得た。
[比較例2]
オルガノポリシロキサン(A)に代えて、フタル酸ジブチル5質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化物を得た。
[比較例3]
オルガノポリシロキサン(A)に代えて、ジメチルシリコーンオイル(信越化学社製、商品名KF−96L−5cs)5質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化物を得た。
[比較例4]
<硬化物の製造と特性評価>
オルガノポリシロキサン(A)に代えて、ジメチルシリコーンオイル(信越化学社製、商品名KF−96H−1万cs)5質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、硬化物を得た。
本発明のオルガノポリシロキサンによれば、透明性、耐熱黄変性、耐光性、及び耐クラック性が高く、表面タックのない強靭な硬化物を得ることができる。
本発明のオルガノポリシロキサンを含有する熱硬化性樹脂組成物は、光半導体用封止材及び光半導体用ダイボンディング材等の光学部材を形成するために好適に用いられ得る。

Claims (12)

  1. 未反応のSiH基が残存しない、下記一般式(1)で表されオルガノポリシロキサン。
    [式中、
    1は置換又は非置換の、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基若しくはアラルキル基を示し、
    Yは炭素数2〜10の二価の炭化水素基を示し、
    t及びuは各々独立に1以上の整数を表し、
    vは0〜20の整数を表す。]
  2. 1が置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基である、請求項1に記載のオルガノポリシロキサン。
  3. 1がメチル基である、請求項1又は2に記載のオルガノポリシロキサン。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサンを含有する、オルガノポリシロキサン樹脂組成物。
  5. 下記一般式(3)で表されるオルガノポリシロキサンをさらに含有する、請求項4に記載のオルガノポリシロキサン樹脂組成物。
    [式中、
    2は置換又は非置換の、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基若しくはアラルキル基を示し、
    3は重合性官能基を示し、
    Xは炭素数3〜10の二価の炭化水素基を示し、
    mは1以上の整数、nは0以上の整数を表し、m+n≧3を満足する。]
  6. 3がアクリロキシ基又はメタアクリロキシ基である、請求項5に記載のオルガノポリシロキサン樹脂組成物。
  7. 請求項5又は6に記載のオルガノポリシロキサン樹脂組成物を含有し、
    前記一般式(3)で表されるオルガノポリシロキサン100質量部に対して、熱ラジカル重合開始剤0.05〜10質量部をさらに含有する、熱硬化性樹脂組成物。
  8. 前記一般式(3)で表されるオルガノポリシロキサン100質量部に対して、シランカップリング剤0.5〜10質量部をさらに含有する、請求項7に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項7又は8に記載の熱硬化性樹脂組成物を熱硬化して得られる硬化物。
  10. 請求項7又は8に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む光半導体用封止材。
  11. 請求項7又は8に記載の熱硬化性樹脂組成物を含む光半導体用ダイボンド材。
  12. 請求項10に記載の光半導体用封止材を成形した光半導体パッケージ。
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