JP6688003B2 - 硬化性樹脂組成物及びその製造方法、並びに、光半導体用封止材、光半導体用ダイボンド材、及び光半導体パッケージ - Google Patents

硬化性樹脂組成物及びその製造方法、並びに、光半導体用封止材、光半導体用ダイボンド材、及び光半導体パッケージ Download PDF

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Description

本発明は、硬化性樹脂組成物及びその製造方法、並びに、光半導体用封止材、光半導体用ダイボンド材、及び光半導体パッケージに関する。
従来から、酸無水物系硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物は、透明な硬化物を形成し、発光ダイオード及びフォトダイオード等の光半導体素子の封止材料として好適であることが知られている。
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、及び(3’,4’−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の有機樹脂骨格のエポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂組成物が、光半導体素子の分野において用いられている。
しかし、近年の光半導体の高性能化が進むに従い、光半導体素子の封止材料に対しては、より優れた耐熱性、耐光性等が要求されており、前記従来公知のエポキシ樹脂組成物では、十分な特性が得られなくなってきている。
上述した問題に鑑み、従来から各種光半導体用途の樹脂組成物に関する提案がなされている。
例えば、特定のシリコーン組成物をヒドロシリル化反応により硬化させる光半導体用途の熱硬化性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、硬度を改善した特定のシリコーン組成物を光半導体用途へと適用する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
さらに、メタアクリロキシ基含有シリコーン組成物を、光半導体用途へと適用する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
また、特定の構造を有するエポキシ基含有シリコーン組成物を用いることで、硬化物の機械特性を制御する技術が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
一方で、特定構造を有するオルガノポリシロキサンの組成物が開示されている(例えば、特許文献5参照。)。
さらに最近では、発光時の熱による封止材料の膨張変形が、光の拡散を引き起こすことが分かってきた。そこで、光を効率よく利用するため、樹脂の低線膨張率化が求められるようになった。
特開2010−1358号公報 特開2008−274185号公報 特開2008−131009号公報 特許第4322949号公報 特開2011−213868号公報
しかしながら、上述した従来提案されている技術は、下記のような問題点を有している。
特許文献1に提案されている熱硬化性樹脂組成物は、耐熱黄変性や耐光性は優れているが、線膨張率が高く、光半導体用封止材用途へ好適に用いることができない。
特許文献2に提案されているシリコーン組成物は、硬度を高くするためにフェニル基を用いている。しかし、線膨張率が高いために、熱による樹脂の膨張は大きく、光半導体用封止材用途へ好適に用いることができない。
特許文献3に提案されているシリコーン組成物は、特許文献1に提案されている熱硬化性樹脂組成物と同様に、耐熱黄変性や耐光性は優れているが、線膨張率が高いため光半導体用封止材用途へ好適に用いることができない。
特許文献4に提案されている材料は、密着性は優れるものの、いずれも黄変を起こしやすいエポキシ樹脂組成物であるため、耐光性の点で満足できるレベルには至っていない。
特許文献5で開示される組成物の場合、耐熱黄変性や耐光性、硬化物の硬度は優れるものの、線膨張率が高く、光半導体封止剤用途への適応が難しい。また、線膨張率を低くするために、有機樹脂に無機粒子を分散することも検討されている。しかし、これら開示されている一般的なシリコーン樹脂に、無機粒子を均一に分散させることは難しく、透明性と低線膨張率を両立することはできない。
上述したように、従来提案されている樹脂組成物は、耐光性、透明性、及び低線膨張率の、全特性について、光半導体用途等の分野において要求されるレベルをバランス良く十分に満足する硬化物が得られていない。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり耐光性、透明性、及び低線膨張率の、全特性について、特に光半導体用途において要求されるレベルをバランス良く十分に満足し、かつ、硬化物を形成することが可能な硬化性樹脂組成物及びその製造方法を提供し、さらには上記特性が必要とされる、光半導体用封止材、光半導体用ダイボンド材、及び光半導体パッケージを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構造のオルガノポリシロキサン及び無機粒子を含有する硬化性樹脂組成物により、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の通りである。
〔1〕
下記一般式(1)で表される構成単位F1と、下記一般式(2)で表される構成単位M1と、下記一般式(3)で表される構成単位M2と、を、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位として有する、オルガノポリシロキサン(I)100質量部と、
無機粒子10〜200質量部と、を含有する、
硬化性樹脂組成物。
(上記一般式(1)中、R1炭素数1〜10のアルキル基炭素数3〜10のシクロアルキル基アリール基、或いはアラルキル基を示し、R2は、炭素数2〜10の、不飽和鎖状炭化水素基、シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基、エーテル結合含有不飽和炭化水素基、又は不飽和脂肪酸エステル基である不飽和結合含有基を示し、Xは、−(CH 2 2 −、−(CH 2 3 −、−(CH 2 4 −、−(CH 2 5 −、−(CH 2 6 −、−(CH 2 7 −、−(CH 2 8 −、−(CH 2 9 −、−(CH 2 10 −、−CH(CH 3 )CH 2 −、又は−C(CH 3 2 を示し、aは1以上の整数を示す。)
(上記一般式(2)中、R1及びR3は、各々独立して炭素数1〜10のアルキル基炭素数3〜10のシクロアルキル基アリール基、或いはアラルキル基を示し、Yは、−(CH 2 2 −、−(CH 2 3 −、−(CH 2 4 −、−(CH 2 5 −、−(CH 2 6 −、−(CH 2 7 −、−(CH 2 8 −、−(CH 2 9 −、−(CH 2 10 −、−CH(CH 3 )CH 2 −、又は−C(CH 3 2 を示し、nは、1〜3の整数を示し、bは1以上の整数を示す。)
(上記一般式(3)中、R1及びR4は、各々独立して炭素数1〜10のアルキル基炭素数3〜10のシクロアルキル基アリール基、或いはアラルキル基を示し、Zは、−(CH 2 2 −、−(CH 2 3 −、−(CH 2 4 −、−(CH 2 5 −、−(CH 2 6 −、−(CH 2 7 −、−(CH 2 8 −、−(CH 2 9 −、−(CH 2 10 −、−CH(CH 3 )CH 2 −、又は−C(CH 3 2 を示し、cは1以上の整数を示す。)
〔2〕
前記bに対する前記aの比率(a/b)が、0.010以上5.0以下である、〔1〕に記載の硬化性樹脂組成物。
〔3〕
前記cに対する前記aの比率(a/c)が、0.0010以上3.0以下である、〔1〕又は〔2〕に記載の硬化性樹脂組成物。
〔4〕
前記無機粒子の平均粒径が、0.1〜100nmである、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
〔5〕
前記無機粒子が、シリカ、酸化銅、酸化亜鉛、酸化インジウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、過塩素酸カリウム、シアン化カリウム、硝酸ナトリウム、臭化ナトリウム、シアン化ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、フッ化バリウム、塩化バリウム、リン酸水素バリウム、硫化バリウム、フッ化ソーダ、フッ化カルシウム、フッ化ランタン、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、合成石英、炭酸ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、酸化セリウム、酸化ハフニウム、五酸化ニオブ、五酸化タンタル、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化ベリリウム、カオリンクレー、タルク、珪酸マグネシウム、セリサイト、ワラスナイト、及びマイカからなる群より選ばれる1種以上である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
〔6〕
前記R2が、アクリロキシ基又はメタアクリロキシ基である、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
〔7〕
下記一般式(4)で表される構成単位Sを、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位としてさらに有する、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(上記一般式(4)中、R1炭素数1〜10のアルキル基炭素数3〜10のシクロアルキル基アリール基、或いはアラルキル基を示し、dは1以上の整数を示す。)
〔8〕
前記aに対する前記dの比率(d/a)が、0.10以下である、〔7〕に記載の硬化性樹脂組成物。
〔9〕
前記オルガノポリシロキサン(I)が、前記R2を含有する構成単位として、前記一般式(1)で表される構成単位F1のみを含有する、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
〔10〕
前記R1が、炭素数1〜10のアルキル基である、〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
〔11〕
前記R1が、メチル基である、〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
〔12〕
前記R2で表される不飽和結合含有基の官能基当量が、20〜10000g/molである、〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
〔13〕
前記オルガノポリシロキサン(I)の重量平均分子量が、500〜1000000であり、
前記オルガノポリシロキサン(I)の25℃における粘度が、1.0〜1000000mPa・sである、〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
〔14〕
下記一般式(5)で表される構成単位F1'と、下記一般式(6)で表される構成単位T'と、を環状オルガノポリシロキサンを構成する単位として有するオルガノポリシロキサン(II)0.10〜100質量部をさらに含有する、
〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
(上記一般式(5)中、R1'炭素数1〜10のアルキル基炭素数3〜10のシクロアルキル基アリール基、或いはアラルキル基を示し、R2'は、炭素数2〜10の、不飽和鎖状炭化水素基、シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基、エーテル結合含有不飽和炭化水素基、又は不飽和脂肪酸エステル基である不飽和結合含有基を示し、X'は、−(CH 2 2 −、−(CH 2 3 −、−(CH 2 4 −、−(CH 2 5 −、−(CH 2 6 −、−(CH 2 7 −、−(CH 2 8 −、−(CH 2 9 −、−(CH 2 10 −、−CH(CH 3 )CH 2 −、又は−C(CH 3 2 を示し、eは1以上の整数を示す。)
(上記一般式(6)中、R1'炭素数1〜10のアルキル基炭素数3〜10のシクロアルキル基アリール基、或いはアラルキル基を示し、fは0以上の整数を示し、e及びfの合計は、3〜20の整数を示す。)
〔15〕
前記R1'が、炭素数1〜10のアルキル基である、〔14〕に記載の硬化性樹脂組成物。
〔16〕
前記R1'が、メチル基である、〔14〕又は〔15〕に記載の硬化性樹脂組成物。
〔17〕
前記R2'が、アクリロキシ基又はメタアクリロキシ基である、〔14〕〜〔16〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
〔18〕
前記R2及び前記R2'で表される不飽和結合含有基の総官能基当量が、20〜10000g/molである、〔14〕〜〔17〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
〔19〕
前記オルガノポリシロキサン(II)の重量平均分子量が、500〜1000000であり、
前記オルガノポリシロキサン(II)の25℃における粘度が、1.0〜1000000mPa・sである、〔14〕〜〔18〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
〔20〕
熱ラジカル発生剤をさらに含有し、
該熱ラジカル発生剤の含有量が、前記オルガノポリシロキサン(I)及び前記オルガノポリシロキサン(II)の合計100質量部に対して、0.50〜10質量部である、〔1〕〜〔19〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
〔21〕
ヒドロシリル化反応触媒をさらに含有し、
該ヒドロシリル化反応触媒の含有量が、前記オルガノポリシロキサン(I)及び前記オルガノポリシロキサン(II)の合計100質量部に対して、0.0010質量部以下である、〔1〕〜〔20〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
〔22〕
下記一般式(7)で表される構成単位を、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位として有するハイドロジェンポリシロキサン(a)と、
(上記一般式(7)中、R1''炭素数1〜10のアルキル基炭素数3〜10のシクロアルキル基アリール基、或いはアラルキル基を示し、jは1以上の整数を示す。)
ケイ素原子に直接結合したビニル基を1個有し、ケイ素原子に直接結合した加水分解性基を1個以上含有するオルガノシロキサン(b1)と、
ケイ素原子に直接結合したビニル基を1個有し、ケイ素原子に直接結合した加水分解性基を有しないオルガノシロキサン(b2)と、
不飽和鎖状炭化水素基、シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基、エーテル結合含有不飽和炭化水素基、及び不飽和脂肪酸エステル基のいずれかである不飽和結合含有基を2個以上有する有機化合物(c)と、を、
ヒドロシリル化反応触媒(d)の存在下で付加反応させて、オルガノポリシロキサンを得る付加反応工程と、
前記オルガノポリシロキサンと、無機粒子(e)と、を混合する混合工程と、を有する、
硬化性樹脂組成物の製造方法。
〔23〕
前記ハイドロジェンポリシロキサン(a)は、下記一般式(8)で表される構成単位をさらに有する、〔22〕に記載の硬化性樹脂組成物の製造方法。
(上記一般式(8)中、R1''は、各々独立して炭素数1〜10のアルキル基炭素数3〜10のシクロアルキル基アリール基、或いはアラルキル基を示し、kは0以上の整数を示し、j+kは3〜20の整数である。)
〔24〕
〔1〕〜〔21〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を含む、光半導体用封止材。
〔25〕
〔1〕〜〔21〕のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を含む、光半導体用ダイボンド材。
〔26〕
〔24〕に記載の光半導体用封止材を成形した、光半導体パッケージ。
本発明によれば耐光性、透明性、及び低線膨張率の、全特性について、光半導体用途において要求されるレベルをバランス良く十分に満足し、かつ、硬化物を形成することが可能な硬化性樹脂組成物及びその製造方法を提供することができる。
さらに、本発明によれば、上記特性を有する光半導体用封止材、光半導体用ダイボンド材等で有用な材料、及び前記光半導体用封止材を成形した光半導体パッケージを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明する。なお、本発明は以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
〔硬化性樹脂組成物〕
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、下記一般式(1)で表される構成単位F1と、下記一般式(2)で表される構成単位M1と、を、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位として有する、オルガノポリシロキサン(I)100質量部と、無機粒子10〜200質量部と、を含有する。
〔オルガノポリシロキサン(I)〕
オルガノポリシロキサン(I)は、下記一般式(1)で表される構成単位F1と、下記一般式(2)で表される構成単位M1と、を、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位として有する。
(上記一般式(1)中、R1は、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、或いは、置換又は非置換のアラルキル基を示し、R2は、炭素数2〜10の不飽和結合含有基を示し、Xは、炭素数2〜10の二価の炭化水素基を示し、aは、前記構成単位F1の含有割合を表し、1以上の整数を示す。)
(上記一般式(2)中、R1及びR3は、各々独立して、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、或いは、置換又は非置換のアラルキル基を示し、Yは、炭素数2〜10の二価の炭化水素基を示し、nは、1〜3の整数を示し、bは、前記構成単位M1の含有割合を表し、1以上の整数を示す。)
〔構成単位F1〕
上記一般式(1)で表される構成単位F1は、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位である。
一般式(1)中、R1は、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、或いは、置換又は非置換のアラルキル基を示す。このようなR1としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びオクチル基等の炭素数1〜10のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロデカン基等の炭素数3〜10のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、及びメシチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、及びフェニルプロピル基等のアラルキル基;又は、これらの基の炭素原子に結合している水素原子の1部若しくは全部を置換基で置換した基が挙げられる。
置換基としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシ基、シアノ基、及びハロゲン原子等が挙げられる。置換の炭素数1〜10のアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシプロピル基、シアノエチル基、1−クロロプロピル基、及び3,3,3−トリフルオロピル基等が挙げられる。
これらの中でも、一般式(1)中のR1としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。このような基を用いることにより、耐光性がより向上する傾向にある。
一般式(1)中、R2は、炭素数2〜10の不飽和結合含有基を示す。炭素数2〜10の不飽和結合含有基としては、特に限定されないが、例えば、ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、3−ブテニル基、2−メチルプロペニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基、8−ノネニル基、9−デセニル基等の不飽和鎖状炭化水素基;シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基等の不飽和環状炭化水素基;ビニルエーテル基、アリルエーテル基等のエーテル結合含有不飽和炭化水素基;シクロヘキセニル基等の環式不飽和炭化水素基;アクリロキシ基、メタクリロキシ基等の不飽和脂肪酸エステル基が挙げられる。
これらの中でも、R2としては、下記一般式(9)で表されるアクリロキシ基、又は下記一般式(10)で表されるメタクリロキシ基(以下、これらをまとめて「(メタ)アクリロキシ基」ともいう。)が好ましい。(メタ)アクリロキシ基を用いることにより、硬化性樹脂組成物の反応性、すなわち熱硬化がしやすく速やかに反応が進行する性質がより向上する傾向にある。
オルガノポリシロキサン(I)は、R2を含有する構成単位として、上記一般式(1)で表される構成単位F1のみを含有することが好ましい。このような構成とすることにより、線膨張率がより低下する傾向にある。
2で表される不飽和結合含有基の官能基当量は、好ましくは20〜10000g/molであり、より好ましくは50〜9000g/molであり、さらに好ましくは100〜8000g/molである。R2で表される不飽和結合含有基の官能基当量が20g/mol以上であることにより、硬化性樹脂組成物の硬化物の耐光性がより向上する傾向にある。また、R2で表される不飽和結合含有基の官能基当量が10000g/mol以下であることにより、硬化性樹脂組成物の線膨張率がより低下する傾向にある。R2で表される不飽和結合含有基の官能基当量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
一般式(1)中、Xは、炭素数2〜10の二価の炭化水素基を示す。炭素数2〜10の二価の炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、−(CH25−、−(CH26−、−(CH27−、−(CH28−、−(CH29−、−(CH210−、−CH(CH3)CH2−、及び−C(CH32−等が挙げられる。このなかでも、−(CH22−、−(CH23−、及び−(CH24−が原料の入手のし易さ及び反応性、すなわち熱硬化がしやすく速やかに反応が進行するという観点から好ましい。
〔構成単位M1〕
上記一般式(2)で表される構成単位M1は、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位である。
一般式(2)中、R1及びR3は、各々独立して、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、或いは、置換又は非置換のアラルキル基を示す。具体的には、R1及びR3としては、上記一般式(1)で例示した基と同様の基を例示することができる。なお、上記一般式(1)中のR1と一般式(2)中のR1とは、同一でも異なっていてもよい。
これらの中でも、一般式(2)中のR1及び/又はR3としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。このような基を用いることにより、耐光性がより向上する傾向にある。
一般式(2)中、Yは、炭素数2〜10の二価の炭化水素基を示す。炭素数2〜10の二価の炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、上記一般式(1)中のXで例示した基と同様の基を例示することができる。このなかでも、−(CH23−、−(CH24−、及び−(CH26−が原料の入手のし易さ及び反応性、すなわち熱硬化がしやすく速やかに反応が進行するという観点から好ましい。なお、上記一般式(1)中のXと一般式(2)中のYとは、同一でも異なっていてもよい。
一般式(2)中、nは、1〜3の整数である。密着性が向上する観点から、好ましくは2〜3の整数であり、より好ましくは3の整数である。保存安定性の観点から、好ましくは1の整数である。
bに対するaの比率(a/b)は、好ましくは0.010以上5.0以下であり、より好ましくは0.020以上4.5以下であり、さらに好ましくは0.050以上4.0以下である。比率(a/b)が0.010以上であることにより、F1単位の比率が比較的多くなり、硬化性樹脂組成物の線膨張率がより低下する傾向にある。また、比率(a/b)が5.0以下であることにより、M1単位の比率が比較的多くなり、耐光性がより向上する傾向にある。
〔構成単位M2〕
オルガノポリシロキサン(I)は、下記一般式(3)で表される構成単位M2を、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位としてさらに有してもよい。
(上記一般式(3)中、R1及びR4は、各々独立して、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、或いは、置換又は非置換のアラルキル基を示し、Zは、炭素数2〜10の二価の炭化水素基を示し、cは、前記構成単位M2の含有割合を表し、1以上の整数を示す。)
一般式(3)中、R1及びR4は、各々独立して、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、或いは、置換又は非置換のアラルキル基を示す。具体的には、R1及びR4としては、上記一般式(1)で例示した基と同様の基を例示することができる。なお、上記一般式(1)中のR1と一般式(3)中のR1とは、同一でも異なっていてもよい。
これらの中でも、一般式(3)中、R1及び/又はR4としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。このような基を用いることにより、耐光性がより向上する傾向にある。
一般式(3)中、Zは、炭素数2〜10の二価の炭化水素基を示す。炭素数2〜10の二価の炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、上記一般式(1)中のXで例示した基と同様の基を例示することができる。このなかでも、−(CH23−、−(CH24−、及び−(CH26−が原料の入手のし易さ及び反応性、すなわち熱硬化がしやすく速やかに反応が進行するという観点から好ましい。なお、上記一般式(1)中のXと一般式(3)中のZとは、同一でも異なっていてもよい。
cに対するaの比率(a/c)は、好ましくは0.0010以上3.0以下であり、より好ましくは0.0020以上2.8以下であり、さらに好ましくは0.0050以上2.5以下である。比率(a/c)が0.0010以上であることにより、F1単位の比率が比較的多くなり、硬化性樹脂組成物の線膨張率がより低下する傾向にある。また、比率(a/c)が3.0以下であることにより、M2単位の比率が比較的多くなり、保存安定性がより向上する傾向にある。
〔構成単位S〕
オルガノポリシロキサン(I)は、下記一般式(4)で表される構成単位Sを、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位としてさらに有してもよい。
(上記一般式(4)中、R1は、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、或いは、置換又は非置換のアラルキル基を示し、dは、前記構成単位Sの含有割合を表し、1以上の整数を示す。)
一般式(4)中、R1は、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、或いは、置換又は非置換のアラルキル基を示す。具体的には、R1としては、上記一般式(1)で例示した基と同様の基を例示することができる。なお、上記一般式(1)中のR1と一般式(4)中のR1とは、同一でも異なっていてもよい。
これらの中でも、一般式(4)中、R1としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。このような基を用いることにより、耐光性がより向上する傾向にある。
aに対するdの比率(d/a)は、好ましくは0.10以下であり、より好ましくは0.0001以上0.08以下であり、さらに好ましくは0.001以上0.06以下である。比率(d/a)が0.0001以上であることにより、耐光性がより向上する傾向にある。また、比率(d/a)が0.10以下であることにより、溶媒留去時や保存時にSiHが不飽和結合と反応してゲル化することを抑制でき、製品の生産安定性や保存安定性がより向上する傾向にある。
オルガノポリシロキサン(I)に含まれている不飽和結合含有基の総官能基当量は、好ましくは20〜10000g/molであり、より好ましくは50〜9000g/molであり、さらに好ましくは100〜8000g/molである。不飽和結合含有基の総官能基当量が20g/mol以上であることにより、硬化性樹脂組成物の硬化物の耐光性がより向上する傾向にある。また、不飽和結合含有基の総官能基当量が10000g/mol以下であることにより、硬化性樹脂組成物の線膨張率がより低下する傾向にある。不飽和結合含有基の総官能基当量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
オルガノポリシロキサン(I)の重量平均分子量は、好ましくは500〜1000000であり、より好ましくは700〜800000であり、さらに好ましくは1000〜500000である。オルガノポリシロキサン(I)の重量平均分子量が500以上であることにより、無機粒子の分散安定性がより向上する傾向にある。また、オルガノポリシロキサン(I)の重量平均分子量が1000000以下であることにより、硬化性樹脂組成物の線膨張率がより低下する向上する傾向にある。なお、重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
オルガノポリシロキサン(I)の25℃における粘度は、好ましくは1.0〜1000000mPa・sであり、より好ましくは5.0〜500000mPa・sであり、さらに好ましくは10〜100000mPa・sである。オルガノポリシロキサン(I)の25℃における粘度が1.0mPa・s以上であることにより、無機粒子の分散安定性がより向上する傾向にある。また、オルガノポリシロキサン(I)の25℃における粘度が1000000mPa・s以下であることにより、取扱い性がより向上する傾向にある。なお、25℃における粘度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
〔無機粒子〕
本実施形態において無機粒子とは、無機単体又は無機化合物からなる粒子である。具体的には、炭化水素を含まない化合物を指す。無機粒子を用いることにより、線膨張率がより低下する。
無機粒子を構成する元素としては、例えば、周期律表1〜16族の元素が挙げられる。この元素は、特に限定されるものではないが、周期律表2〜14族に属する元素が好ましい。その具体例としては、2族元素(Mg、Ca、Ba等)、3族元素(La、Ce、Eu、Ac、Th等)、4族元素(Ti、Zr、Hf等)、5族元素(V、Nb、Ta等)、6族元素(Cr、Mo、W等)、7族元素(Mn、Re等)、8族元素(Fe、Ru、Os等)、9族元素(Co、Rh、Ir等)、10族元素(Ni、Pd、Pt等)、11族元素(Cu、Ag、Au等)、12族元素(Zn、Cd等)、13族元素(Al、Ga、In等)、及び14族元素(Si、Ge、Sn、Pb等)が挙げられる。
これら元素を含む無機化合物としては、例えば、酸化物(複合酸化物を含む)、ハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、オキソ酸塩(硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、過塩素酸塩、炭酸塩等)、一酸化炭素、二酸化炭素及び二硫化炭素等の陰性の元素と上記元素とから形成される化合物、並びに、青酸、青酸塩、シアン酸塩、チオシアン酸塩及び炭化物などの塩が挙げられる。
炭素化合物のうち、例外的に無機化合物に分類されるものには、例えば、ダイヤモンド、ロンズデーライト、グラファイト、グラフェン、フラーレン類(バックミンスターフラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等)、ガラス状炭素、カルビン、アモルファス炭素、カーボンナノフォームなど炭素の同素体等が挙げられる。
1つの無機粒子は、上記元素のうち1種又は2種以上を含んでいてもよい。複数種の元素は、粒子中に均一に存在していても、偏在していてもよく、ある元素の化合物の粒子の表面が、別の元素の化合物によって被覆されていてもよい。これら無機粒子は、単独で使用しても、複数を組み合わせて使用してもよい。
このなかでも好ましい無機粒子は、特に限定されるものではないが、例えば、シリカ、酸化銅、酸化亜鉛、酸化インジウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、過塩素酸カリウム、シアン化カリウム、硝酸ナトリウム、臭化ナトリウム、シアン化ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、フッ化バリウム、塩化バリウム、リン酸水素バリウム、硫化バリウム、フッ化ソーダ、フッ化カルシウム、フッ化ランタン、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、合成石英、炭酸ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、酸化セリウム、酸化ハフニウム、五酸化ニオブ、五酸化タンタル、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化ベリリウム、カオリンクレー、タルク、珪酸マグネシウム、セリサイト、ワラスナイト、マイカ等、光による活性化作用のない無機粒子が好ましい。これら粒子の表面はSiO2、及びAl23等で被覆されていてもよい。また、これらは単独で使用しても、複数を組み合わせて使用してもよい。このような無機粒子を用いることにより、線膨張率がより低下する傾向にある。
無機粒子(特に球状粒子)の平均粒径(粒子の外径の平均値)は、好ましくは0.1〜100nmであり、より好ましくは0.5〜50nmであり、さらに好ましくは1〜30nmである。無機粒子の平均粒径が100nm以下であることにより、硬化性樹脂組成物を光学材料として使用したときに、光の散乱などの問題が発生し難くなる傾向にある。また、無機粒子の平均粒径が0.1nm以上であることにより、無機粒子を構成する物質固有の特性が変化することを抑制できる傾向にある。なお、無機粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡により測定することができる。
無機粒子の形状や結晶形は、特に限定されるものではなく、例えば、球状、結晶状、鱗片状、柱状、管状、繊維状、中空状、多孔質状、数珠状等、様々な形状であってよい。
無機粒子の屈折率は、特に限定されるものではないが、屈折率制御効果が得られやすいことから、好ましくは1.8未満であり、より好ましくは1.05〜1.4である。また、屈折率設計と成膜性のバランスの観点からは、無機化合物粒子の屈折率は、好ましくは1.1〜1.35であり、さらに好ましくは1.15〜1.3である。無機粒子の屈折率は、標準屈折液法(Cargill社製)により測定することができる。
無機粒子の含有量は、上記オルガノポリシロキサン(I)100質量部に対して、10〜200質量部であり、好ましくは15〜180質量部であり、より好ましくは20〜160質量部である。無機粒子の含有量が10質量部以上であることにより低線膨張(即ち寸法安定性に優れる)を得ることができる。また、無機粒子の含有量が200質量部以下であることにより、透明性に優れる硬化性樹脂組成物及び硬化物が得られる。
〔オルガノポリシロキサン(II)〕
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、上記オルガノポリシロキサン(I)100質量部に対して、下記一般式(5)で表される構成単位F1’と、下記一般式(6)で表される構成単位T’と、を環状オルガノポリシロキサンを構成する単位として有するオルガノポリシロキサン(II)0.10〜100質量部をさらに含有してもよい。オルガノポリシロキサン(II)を含有することにより、硬化性樹脂組成物により得られる硬化物の架橋密度が増加し、線膨張率がより低下する傾向にある。
(上記一般式(5)中、R1'は、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、或いは、置換又は非置換のアラルキル基を示し、R2'は、炭素数2〜10の不飽和結合含有基を示し、X’は、炭素数2〜10の二価の炭化水素基を示し、eは、前記構成単位F1’の含有割合を表し、1以上の整数を示す。)
(上記一般式(6)中、R1'は、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、或いは、置換又は非置換のアラルキル基を示し、fは、前記構成単位T’の含有割合を表し、0以上の整数を示し、e及びfの合計は、3〜20の整数を示す。)
〔構成単位F1’〕
上記一般式(5)で表される構成単位F1’は、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位である。
一般式(5)中、R1'は、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、或いは、置換又は非置換のアラルキル基を示す。具体的には、R1'としては、上記一般式(1)で例示した基と同様の基を例示することができる。なお、上記一般式(1)中のR1と一般式(5)中のR1'とは、同一でも異なっていてもよい。
これらの中でも、一般式(5)中のR1'としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。このような基を用いることにより、耐光性がより向上する傾向にある。
一般式(5)中、R2'は、炭素数2〜10の不飽和結合含有基を示す。炭素数2〜10の不飽和結合含有基としては、特に限定されないが、例えば、上記一般式(1)中のR2で例示した基と同様の基を例示することができる。このなかでも、(メタ)アクリロキシ基が好ましい。(メタ)アクリロキシ基を用いることにより、硬化性樹脂組成物の反応性、すなわち熱硬化がしやすく速やかに反応が進行する性質がより向上する傾向にある。なお、上記一般式(1)中のR2と一般式(5)中のR2'とは、同一でも異なっていてもよい。
一般式(5)中、X’は、炭素数2〜10の二価の炭化水素基を示す。炭素数2〜10の二価の炭化水素基としては、特に限定されないが、例えば、上記一般式(1)中のXで例示した基と同様の基を例示することができる。このなかでも、−(CH23−、−(CH24−、及び−(CH26−が原料の入手のし易さ及び反応性、すなわち熱硬化がしやすく速やかに反応が進行するという観点から好ましい。なお、上記一般式(1)中のXと一般式(5)中のX’とは、同一でも異なっていてもよい。
〔構成単位T’〕
上記一般式(6)で表される構成単位T’は、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位である。
一般式(6)中、R1'は、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、或いは、置換又は非置換のアラルキル基を示す。具体的には、R1'としては、上記一般式(1)で例示した基と同様の基を例示することができる。なお、上記一般式(1)中のR1と一般式(6)中のR1'とは、同一でも異なっていてもよい。
これらの中でも、一般式(6)中のR1'としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。このような基を用いることにより、耐光性がより向上する傾向にある。
オルガノポリシロキサン(II)の含有量は、オルガノポリシロキサン(I)100質量部に対して、好ましくは0.10〜100質量部であり、より好ましくは1〜90質量部であり、さらに好ましくは5〜80質量部である。オルガノポリシロキサン(II)の含有量が0.10質量部以上であることにより、粘度が低下するため作業性がより向上する傾向にある。また、オルガノポリシロキサン(II)の含有量が100質量部以下であることにより、耐光性がより向上する傾向にある。
2'で表される不飽和結合含有基の官能基当量は、好ましくは20〜10000g/molであり、より好ましくは50〜9000g/molであり、さらに好ましくは100〜8000g/molである。R2'で表される不飽和結合含有基の官能基当量が20g/mol以上であることにより、硬化性樹脂組成物の硬化物の耐光性がより向上する傾向にある。また、R2'で表される不飽和結合含有基の官能基当量が10000g/mol以下であることにより、硬化性樹脂組成物の線膨張率がより低下する傾向にある。なお、R2'で表される不飽和結合含有基の官能基当量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
オルガノポリシロキサン(II)の重量平均分子量は、好ましくは500〜1000000であり、より好ましくは700〜800000であり、さらに好ましくは1000〜500000である。オルガノポリシロキサン(II)の重量平均分子量が500以上であることにより、無機粒子の分散安定性がより向上する傾向にある。また、オルガノポリシロキサン(II)の重量平均分子量が1000000以下であることにより、硬化性樹脂組成物の線膨張率がより低下する傾向にある。なお、重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
また、オルガノポリシロキサン(II)の25℃における粘度は、好ましくは1.0〜1000000mPa・sであり、より好ましくは5.0〜500000mPa・sであり、さらに好ましくは10〜100000mPa・sである。オルガノポリシロキサン(II)の25℃における粘度が1.0mPa・s以上であることにより、無機粒子の分散安定性がより向上する傾向にある。また、オルガノポリシロキサン(II)の25℃における粘度が1000000mPa・s以下であることにより、硬化性樹脂組成物の取扱い性がより向上する傾向にある。なお、25℃における粘度は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
〔オルガノポリシロキサン(III)〕
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、上記オルガノポリシロキサン(I)100質量部に対して、炭素数2〜10の不飽和結合含有基を有する直鎖のオルガノポリシロキサン(III)0.10〜100質量部をさらに含有してもよい。オルガノポリシロキサン(III)を含有することにより、硬化性樹脂組成物により得られる硬化物の耐光性が向上する傾向にある。
オルガノポリシロキサン(III)の含有量は、オルガノポリシロキサン(I)100質量部に対して、好ましくは0.10〜100質量部であり、より好ましくは1〜90質量部であり、さらに好ましくは5〜80質量部である。
硬化性樹脂組成物中、R2及びR2'で表される不飽和結合含有基の総官能基当量は、好ましくは20〜10000g/molであり、より好ましくは50〜9000g/molであり、さらに好ましくは100〜8000g/molである。R2及びR2'で表される不飽和結合含有基の総官能基当量が20g/mol以上であることにより、硬化性樹脂組成物の硬化物の耐光性がより向上する傾向にある。また、R2及びR2'で表される不飽和結合含有基の総官能基当量が10000g/mol以下であることにより、硬化性樹脂組成物の線膨張率がより低下する傾向にある。なお、R2及びR2'で表される不飽和結合含有基の総官能基当量は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
オルガノポリシロキサン(I)及びオルガノポリシロキサン(II)を併せた重量平均分子量は、好ましくは500〜1000000であり、より好ましくは700〜800000であり、さらに好ましくは1000〜500000である。オルガノポリシロキサン(I)及びオルガノポリシロキサン(II)を併せた重量平均分子量が500以上であることにより、無機粒子の分散安定性がより向上する傾向にある。また、オルガノポリシロキサン(I)及びオルガノポリシロキサン(II)を併せた重量平均分子量が1000000以下であることにより、硬化性樹脂組成物の線膨張率がより低下する傾向にある。なお、重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
また、オルガノポリシロキサン(I)及びオルガノポリシロキサン(II)を併せた25℃における粘度は、好ましくは1.0〜1000000mPa・sであり、より好ましくは5.0〜500000mPa・sであり、さらに好ましくは10〜100000mPa・sである。オルガノポリシロキサン(I)及びオルガノポリシロキサン(II)を併せた25℃における粘度が1.0mPa・s以上であることにより、無機粒子の分散安定性がより向上する傾向にある。また、オルガノポリシロキサン(I)及びオルガノポリシロキサン(II)を併せた25℃における粘度が1000000mPa・s以下であることにより、硬化性樹脂組成物の取扱い性がより向上する傾向にある。なお、25℃における粘度は、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
〔熱ラジカル発生剤〕
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、熱ラジカル発生剤をさらに有していてもよい。熱ラジカル発生剤は、熱によって不飽和結合含有基中の不飽和結合同士をラジカル重合させるものであれば特に制限されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、及びクメンヒドロパーオキサイドのような有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ化合物が挙げられる。より具体的には、2,2−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−70、和光純薬製)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V−65、和光純薬製)2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(V−60、和光純薬製)、及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(V−59、和光純薬製)等のアゾニトリル化合物;オクタノイルパーオキシド(パーロイルO、日本油脂製)、ラウロイルパーオキシド(パーロイルL、日本油脂製)、ステアロイルパーオキシド(パーロイルS、日本油脂製)、スクシニックアシッドパーオキシド(パーロイルSA、日本油脂製)、ベンゾイルパーオキサイド(ナイパーBW、日本油脂製)、イソブチリルパーオキサイド(パーロイルIB、日本油脂製)、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキシド(ナイパーCS、日本油脂製)、及び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド(パーロイル355、日本油脂製)等のジアシルパーオキサイド類;ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート(パーロイルNPP−50M、日本油脂製)、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(パーロイルIPP−50、日本油脂製)、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(パーロイルTCP、日本油脂製)、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート(パーロイルEEP、日本油脂製)、ジ−2−エトキシヘキシルパーオキシジカーボネート(パーロイルOPP、日本油脂製)、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネート(パーロイルMBP、日本油脂製)、及びジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート(パーロイルSOP、日本油脂製)等のパーオキシジカーボネート類;t−ブチルヒドロパーオキサイド(パーブチルH−69、日本油脂製)、及び1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド(パーオクタH、日本油脂製)、等のヒドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイド(パーブチルD、日本油脂製)、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25B、日本油脂製)等のジアルキルパーオキサイド類;α,α’−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン(ダイパーND、日本油脂製)、クミルパーオキシネオデカノエート(パークミルND、日本油脂製)、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート(パーオクタND、日本油脂製)、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート(パーシクロND、日本油脂製)、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート(パーヘキシルND、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシネオデカノエート(パーブチルND、日本油脂製)、t−ヘキシルパーオキシピバレート(パーヘキシルPV、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシピバレート(パーブチルPV、日本油脂製)、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーオクタO、日本油脂製)2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ250、日本油脂製)、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(パーシクロO、日本油脂製)、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(パーヘキシルO、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(パーブチルO、日本油脂製)、t−ブチルパーオキシイソブチレート(パーブチルIB、日本油脂製)、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(パーヘキシルI、日本油脂製)、及びt−ブチルパーオキシマレイックアシッド(パーブチルMA、日本油脂製)、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(トリゴノックス121、化薬アクゾ製)、t−アミルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサノエート(カヤエステルAN、化薬アクゾ製)等のパーオキシエステル類等の有機過酸化物等が挙げられる。
熱ラジカル発生剤は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
熱ラジカル発生剤の含有量は、上記オルガノポリシロキサン(I)及びオルガノポリシロキサン(II)の合計100質量部に対して、好ましくは0.50〜10質量部であり、より好ましくは1.0〜8.0質量部であり、さらに好ましくは2.0〜5.0質量部である。熱ラジカル発生剤の含有量が0.5質量部以上であることにより、硬化性がより向上する傾向にある。また、熱ラジカル発生剤の含有量が10質量部以下であることにより、耐光性がより向上する傾向にある。なお、硬化性樹脂組成物がオルガノポリシロキサン(II)を含有しない場合には、熱ラジカル発生剤の含有量は、上記オルガノポリシロキサン(I)100質量部に対する領となる。
〔ヒドロシリル化反応触媒〕
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、ヒドロシリル化反応触媒をさらに含有していてもよい。ヒドロシリル化反応触媒としては、後述するものが挙げられる。
ヒドロシリル化反応触媒の含有量は、上記オルガノポリシロキサン(I)及びオルガノポリシロキサン(II)の合計100質量部に対して、好ましくは0.0010質量部以下であり、より好ましくは0〜0.00080質量部であり、さらに好ましくは0〜0.00050質量部である。ヒドロシリル化反応触媒の含有量が上記範囲内であることにより、耐光性がより向上する傾向にある。なお、硬化性樹脂組成物がオルガノポリシロキサン(II)を含有しない場合には、ヒドロシリル化反応触媒の含有量は、上記オルガノポリシロキサン(I)100質量部に対する領となる。
〔その他の成分〕
本実施形態の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、熱エネルギーに対する硬化性を促進する(感度の向上)目的で、(メタ)アクリレートモノマー類やオリゴマー類及びビニル(メタ)アクリレート等のラジカル重合性化合物等を添加してもよい。
その他、本発明の範囲を逸脱しない量的質的範囲内で、劣化防止剤、離型剤、希釈剤、酸化防止剤、熱安定化剤、難燃剤、可塑剤、及び界面活性剤等の添加剤を配合することができる。
〔硬化性樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態の硬化性樹脂組成物の製造方法は、
下記一般式(7)で表される構成単位を、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位として有するハイドロジェンポリシロキサン(a)と、
(上記一般式(7)中、R1''は、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、或いは、置換又は非置換のアラルキル基を示し、jは、前記構成単位の含有割合を表し、1以上の整数を示す。)
ケイ素原子に直接結合したビニル基を1個有し、加水分解性基を1個以上含有するオルガノシロキサン(b1)と、
不飽和結合含有基を2個以上有する有機化合物(c)と、を、
ヒドロシリル化反応触媒(d)の存在下で付加反応させて、オルガノポリシロキサンを得る付加反応工程と、
前記オルガノポリシロキサンと、無機粒子(e)と、を混合する混合工程を有する。
〔付加反応工程〕
〔ハイドロジェンポリシロキサン(a)〕
ハイドロジェンポリシロキサン(a)は、上記一般式(7)で表される構成単位を、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位として有する化合物である。
一般式(7)中、R1''は、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、或いは、置換又は非置換のアラルキル基を示す。具体的には、R1''としては、上記一般式(1)で例示した基と同様の基を例示することができる。
これらの中でも、一般式(7)中のR1''としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。このような基を用いることにより、耐光性がより向上する傾向にある。
ハイドロジェンポリシロキサン(a)は、下記一般式(8)で表される構成単位をさらに有することが好ましい。下記一般式(8)で表される構成単位をさらに有することにより、耐光性がより向上する傾向にある。
(上記一般式(8)中、R1''は、各々独立して、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、或いは、置換又は非置換のアラルキル基を示し、kは、前記構成単位の含有割合を表し、0以上の整数を示し、j+kは3〜20の整数である。)
また、ハイドロジェンポリシロキサン(a)としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(11)〜(13)で表される化合物が挙げられる。ハイドロジェンポリシロキサン(a)は、1種単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
〔オルガノシロキサン(b1)〕
オルガノシロキサン(b1)は、ケイ素原子に直接結合したビニル基を1個有し、加水分解性基を1個以上含有する化合物である。このようなオルガノシロキサン(b1)としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(14)で表される化合物が挙げられる。なお、オルガノシロキサン(b1)には、オルガノポリシロキサンも含まれうる。
(上記一般式(14)中、R3''は、各々独立して、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、及び置換又は非置換のアラルキル基からなる群より選ばれるいずれかを示し、Y’’は、炭素数0〜8の二価の炭化水素基を示し、nは1〜3の整数である。)
なお、加水分解性基としては、特に限定されないが、例えば、メトキシ基やエトキシ基が挙げられる。
オルガノシロキサン(b1)は、1種単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
〔オルガノシロキサン(b2)〕
付加反応工程において、ケイ素原子に直接結合したビニル基を1個有し、加水分解性基を有しないオルガノシロキサン(b2)を、さらに付加反応させてもよい。オルガノシロキサン(b2)としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(15)で表される化合物が挙げられる。なお、オルガノシロキサン(b2)には、オルガノポリシロキサンも含まれうる。
(上記一般式(15)中、R4''は、各々独立して、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数3〜10のシクロアルキル基、置換又は非置換のアリール基、及び置換又は非置換のアラルキル基からなる群より選ばれるいずれかを示し、Z’’は、炭素数0〜8の二価の炭化水素基を示す。
オルガノシロキサン(b2)は、1種単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
〔有機化合物(c)〕
有機化合物(c)は、不飽和結合含有基を2個以上有する化合物である。有機化合物(c)としては、特に限定されないが、例えば、下記一般式(16)で表される化合物が挙げられる。
(上記一般式(16)中、R2''は炭素数2〜10の不飽和結合含有基を示し、X’’は、炭素数0〜8の二価の炭化水素基を示す。)
特に、X’’は、炭素数1〜4の二価の炭化水素基が好ましい。これにより、ヒドロシリル化反応がより効率よく進行する傾向にある。また、X’’が炭素数1〜4の二価の炭化水素基であることにより、有機化合物(c)の沸点が低下し、反応溶液から余剰の有機化合物(c)をより容易に留去できる傾向にある。
有機化合物(c)は、1種単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
付加反応工程における、有機化合物(c)の使用量(モル量)は、SiH基を残さず最後まで反応させる観点から、ハイドロジェンポリシロキサン(a)のSiH基のモル量、並びに、オルガノシロキサン(b1)及びオルガノシロキサン(b2)のビニル基のモル量の和よりも多くなるように添加することが好ましい。
具体的には、下記式で表される有機化合物(c)の使用量割合は、好ましくは1.2〜3.0であり、より好ましくは1.3〜2.5であり、さらに好ましくは1.4〜2.0である。有機化合物(c)の使用量割合が1.2以上であることにより、反応性がより向上する傾向にある。また、有機化合物(c)の使用量割合が3.0以下であることにより、精製の負荷を低減できる傾向にある。
有機化合物(c)の使用量割合=[有機化合物(c)のモル量]/[(ハイドロジェンポリシロキサン(a)のSiH基のモル量)−(オルガノシロキサン(b1)のビニル基のモル量+オルガノシロキサン(b2)のビニル基のモル量]
〔ヒドロシリル化反応触媒(d)〕
ヒドロシリル化反応触媒(d)としては、特に限定されず、従来公知のものを全て使用することができる。より具体的には、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応生成物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒;パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等の、白金系触媒以外の白金族金属系触媒が挙げられる。ヒドロシリル化反応触媒(d)は、1種単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
ヒドロシリル化反応触媒(d)の使用量は、生成物であるオルガノポリシロキサン100質量部に対して、好ましくは0.010〜100ppmであり、より好ましくは0.020〜50ppmであり、さらに好ましくは0.050〜20ppmである。ヒドロシリル化反応触媒(d)の使用量が0.010ppm以上であることにより、十分な触媒効果が得られる傾向にある。また、ヒドロシリル化反応触媒(d)の使用量が100ppm以下であることにより、コストがより低下する傾向にある。
付加反応温度は、好ましくは室温〜110℃であり、より好ましくは40℃〜100℃であり、さらに好ましくは50〜90℃である。また、R2が(メタ)アクリロキシ基の場合は、付加反応温度は、好ましくは40℃〜100℃である。付加反応温度が上記範囲内であることにより、不飽和結合含有基の反応に由来するゲル化をより抑制できる傾向にある。
〔溶剤〕
上記付加反応は、必要に応じて溶剤中で行ってもよい。溶剤としては、特に限定されないが、例えば、トルエン及びキシレン等の芳香族系溶剤;ヘキサン及びオクタン等の脂肪族系溶剤;メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル及び酢酸イソブチル等のエステル系溶剤;ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテル系溶剤;並びに、イソプロパノール等のアルコール系溶剤;又はこれらの混合溶剤が挙げられる。
付加反応の雰囲気は、空気中、不活性気体中のいずれでもよい。このなかでも、得られるオルガノポリシロキサンの着色が少ない点で、窒素、アルゴン、及びヘリウム等の不活性気体中が好ましい。また、R2が(メタ)アクリロキシ基の場合は、(メタ)アクリロキシ基の重合反応を防止する目的で少量の酸素を導入することもできる。
また、R2が(メタ)アクリロキシ基の場合は、(メタ)アクリロキシ基の重合反応を防止する目的で、反応系に、フェノチアジン,ヒンダードフェノール系化合物、アミン系化合物、及びキノン系化合物等の重合禁止剤を添加しておくことが好ましい。このような重合禁止剤の種類と量は、それらの添加によってヒドロシリル化反応の進行を妨げることなく、(メタ)アクリロキシ基、すなわち、アクリロキシ基又はメタアクリロキシ基の重合反応を防止することができれば特に限定されない。
〔触媒除去工程〕
オルガノポリシロキサンの製造方法は、付加反応後に、オルガノポリシロキサンからヒドロシリル化反応触媒(d)を除去する触媒除去工程を有してもよい。触媒除去としては、特に限定されないが、例えば、水洗、活性アルミナや活性炭等の吸着材によって除去する方法が挙げられる。
ヒドロシリル化反応触媒(d)の残留量(含有量)は、生成物であるオルガノポリシロキサン100質量部に対して、好ましくは0〜0.0010質量部であり、より好ましくは0〜0.00080質量部であり、さらに好ましくは0〜0.00050質量部である。ヒドロシリル化反応触媒(d)の残留量が0.0010質量部以下であることにより、耐光性がより向上する傾向にある。ヒドロシリル化反応触媒(d)の残留量は、硬化性樹脂組成物を分析することにより測定できる。
また、余剰の有機化合物(c)及び必要に応じて用い得る溶剤等は、加熱及び/又は減圧下で留去してもよい。
なお、上記製造方法において、ハイドロジェンポリシロキサン(a)、オルガノシロキサン(b1)、オルガノシロキサン(b2)、及び有機化合物(c)の使用量を調整することにより、オルガノポリシロキサン(I)と、オルガノポリシロキサン(II)とを同時に製造することができる。また、上記オルガノポリシロキサンの製造方法により製造したオルガノポリシロキサン(I)と、別途製造したオルガノポリシロキサン(II)とを混合する方法も挙げられる。
〔混合工程〕
混合工程は、得られたオルガノポリシロキサンと、無機粒子と、を混合する工程である。当該工程により、硬化性樹脂組成物中に無機粒子が分散する。混合方法としては、特に限定されないが、オルガノポリシロキサンを含む溶液と、無機粒子を含む溶液とを混合して溶媒を除去する湿式法、ビーズミル分散法、ジェットミル分散法、ボールミル分散法、超音波ホモジナイザ分散法、ペイントシェイカー分散法等が挙げられる。このうち、分散性と簡易性の観点から、湿式法、ビーズミル分散法、ジェットミル分散法がより好ましい。
〔用途〕
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、硬化前は、液状又は固形であり、所定の処理を施すことにより硬化物となりうる。例えば、加熱処理を施すことにより、硬化物が得られる。
硬化温度は通常100〜250℃である。
硬化性樹脂組成物の硬化方法、成形方法は、特に限定されない。硬化性樹脂組成物が液状の場合は、例えば、注型、低圧トランスファ成形、ポッティング、ディッピング、加圧成形、及び射出成形によって成形することができる。
硬化性樹脂組成物が固形の場合は、プレス機、低圧トランスファ成形機等を用いて加圧下で加熱硬化させて、成形することができる。
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、光半導体用封止材、ダイボンディングペースト等の光半導体用ダイボンド材、チップの周囲を被覆するコーティング材、レンズ材等の光半導体装置用途に好適に使用することができる。
この場合、光半導体としては、LEDランプ、チップLED、半導体レーザ、フォトカプラ、及びフォトダイオード等が挙げられる。
また、本実施形態の硬化性樹脂組成物の硬化物を、光半導体の封止材として使用する前記光半導体装置は、ハウジング材と、当該ハウジング内に設けられたシリコンチップと、本実施形態の硬化性樹脂組成物の硬化物であり前記シリコンチップを封止する封止材とを具備する構成を有している。
ハウジング材の材料は、特に限定されないが、例えば、ポリフタルアミド等の芳香族ポリアミド、66ナイロン等のエニジニアリングプラスチック、セラミック等が挙げられ、ポリフタルアミドの場合、特に高い密着性が発現される。
ハウジング材にガラス繊維を含有させることにより接着強度が高くなり好ましい。ガラス繊維の含有量は、ハウジング材の質量に対して、好ましくは5〜40質量%であり、より好ましくは10〜30質量%であり、特に好ましくは15〜25質量%である。ガラス繊維の含有量がこれら数値範囲内にあることにより、密着性がより向上する傾向にある。
本実施形態の硬化性樹脂組成物は、その耐熱黄変性や高い透明性を活かして、眼鏡レンズ、光学機器用レンズ、CDやDVDのピックアップ用レンズ、自動車ヘッドランプ用レンズ、及びプロジェクター用レンズ等のレンズ材料、光ファイバー、光導波路、光フィルター、光学用接着剤、光ディスク基板、ディスプレイ基板、ナノインプリント用硬化性樹脂等、各種光学部材にも好適に使用される。
また、本実施形態の硬化性樹脂組成物は、光半導体用封止材としても用いることができ、その硬化物は、半導体パッケージ用の透明樹脂として好適である。本実施形態の光半導体パッケージは、上記光半導体用封止材を成形することにより得られるものである。
前記光半導体用封止材は、プラズマ処理後にプライマー処理された被処理物に、直接ディスペンサーやスピンナー等の塗布装置を用いて塗布することにより形成される。当該塗布された光半導体用封止材は、硬化させたり、成型機等を用いて硬化させたりしてもよい。
以下、具体的な実施例、比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例、比較例においては以下の方法により測定及び評価を行った。
<SiHの反応率の算出>
反応開始前の溶液と、サンプリングした反応溶液(後述する実施例、比較例中のオルガノポリシロキサン合成における反応溶液であって、反応開始から72時間経過後の溶液)0.05gを重水素化クロロホルム溶媒1gにそれぞれ溶解して測定試料とした。この測定試料の1H NMRの測定を、日本分光社製α−400(400MHz)を用いて積算回数100回にて行い、得られた結果を解析した。
SiHの反応率は、反応前と反応後のSi−CH3に由来する0.2ppmのピークとSiHに由来する4.6ppmのピークとの面積比を求め、下記式に従い、算出した。
SiHの反応率(%)=[((X1−Y1)/X1]×100
X1:反応前のピーク面積比:(反応前のSiHのピーク面積)/(反応前のSi−CH3のピーク面積)
Y1:反応後のピーク面積比:(反応後のSiHのピーク面積)/(反応後のSi−CH3のピーク面積)
<分子構造の同定>
後述する実施例、比較例において作製したオルガノポリシロキサン(A1)〜(A2)及び(B1)の各サンプル20mgを、1gの重水素化クロロホルム溶媒にそれぞれ溶解した溶液を測定試料とした。この測定試料の1H NMRの測定を、日本分光社製α−400(400MHz)を用いて積算回数200回にて行い、得られた結果を解析した。
また、各サンプル0.3gを、1gの重水素化クロロホルム溶媒にそれぞれ溶解した溶液を測定試料とした。この測定試料の13C NMRの測定を、日本分光社製α−400(400MHz)を用いて積算回数20000回にて行い、得られた結果を解析した。
さらに、各サンプル0.15gを、1gの重水素化クロロホルム溶媒にそれぞれ溶解し、クロム(III)アセチルアセトネート(Cr(acac)3)をサンプルに対して8質量%添加した溶液を測定試料とした。この測定試料の29Si NMRの測定を、日本分光社製α−400(400MHz)を用いて積算回数4000回にて行い、得られた結果を解析した。
1H NMR、13C NMR、及び29Si NMRにより得られた結果を解析して、オルガノポリシロキサン(A1)〜(A2)及び(B1)の分子構造を同定した。
<不飽和結合含有基の官能基当量の算出>
後述する実施例、比較例において作製したオルガノポリシロキサン(A1)〜(A2)及び(B1)の各サンプル30mgを、1gの重水素化クロロホルム溶媒にそれぞれ溶解した溶液を測定試料とした。この測定試料の1H NMRの測定を、日本分光社製α−400(400MHz)を用いて積算回数200回にて行い、得られた結果を解析してオルガノポリシロキサン1分子中の平均組成を求めた。
また、各サンプル0.15gを、1gの重水素化クロロホルム溶媒にそれぞれ溶解し、Cr(acac)3をサンプルに対して8質量%添加した溶液を測定試料とした。この測定試料の29Si NMRの測定を、日本分光社製α−400(400MHz)を用いて積算回数4000回にて行い、得られた結果を解析してオルガノポリシロキサン1分子中の平均組成を求めた。
1H NMR及び29Si NMRにより得られた結果を解析して、不飽和結合含有基((メタ)アクリロキシ基)の官能基当量(官能基1モル当たりの質量)を算出した。
<重量平均分子量の算出>
後述する実施例、比較例において作製したオルガノポリシロキサン(A1)〜(A2)及び(B1)の各サンプル100mgを、2gのクロロホルム溶媒にそれぞれ溶解し、0.45μmのフィルターにて濾過したものを測定試料溶液とした。
カラム温度40℃にて、溶離液(クロロホルム)を流量1mL/分の条件下で、下記構成のカラムに通した。
(カラム構成)
ガードカラム:東ソー(株)社製TskguardcolumnH−H(登録商標)
分離カラム :東ソー(株)製Tskgel(登録商標)G5000H、及び東ソー(株)製Tskgel(登録商標)G3000H、東ソー(株)製Tskgel(登録商標)G1000Hの各1本ずつを直列に配置
また、Polymer Laboratories社製の分子量7,500,000、2,560,000、841,700、320,000、148,000、59,500、28,500、10,850、2,930、580の、分子量既知の単分散ポリポリスチレン標準物質、及びスチレンモノマー(分子量104)のRI検出による溶出時間から求めた検量線を予め作成した。測定試料溶液の溶出時間と検出強度から、上記の検量線を用いて分子量を算出した。
<粘度測定>
後述する実施例、比較例において作製したオルガノポリシロキサン(A1)〜(A2)及び(B1)の測定用サンプルの25℃における粘度を、東機産業社製TVE−22Hを用いて測定した。
<耐光性>
後述する実施例、比較例において作製した厚さ3mmの硬化物を測定用サンプルとして用い、コニカミノルタ社製、分光測色計CM−3600d(商品名)でYI(黄色度)を測定した。次に、各硬化物を50℃一定にした恒温乾燥機中にセットし、365nmバンドパスフィルターを備えたUV照射装置(ウシオ電機社製、商品名:SP−7)を用いて、365nmの波長の光を照度4W/cm2で100時間照射した。その後、再びコニカミノルタ社製分光測色計CM−3600d(商品名)でYI(黄色度)を測定した。このUV照射前後におけるYIの変化をΔYIとし、下記評価基準により、耐光性を評価した。
(評価基準)
◎:ΔYIが1.0未満である場合
○:ΔYIが1.0以上3.0未満である場合
×:ΔYIが3.0以上である場合
<透明性>
後述する実施例、比較例において作製した厚さ1mmの硬化物を測定用サンプルとして用い、日本電色工業株式会社製ヘーズメーターNDH 5000W(商品名)を用いて、「JIS K7105:プラスチックの光学的特性試験方法」に準じて、全光線透過率を測定した。得られた全光線透過率に基づいて、下記評価基準により、透明性を評価した。
(評価基準)
◎:全光線透過率が95%以上である場合
○:全光線透過率が85%以上95%未満である場合
×:全光線透過率が85%未満である場合
<線膨張係数>
後述する実施例、比較例において作製した厚さ1mmの硬化物を測定用サンプルとして用い、セイコーインスツルメンツ社製TMA/SS120(商品名)を用いて、JIS K7197に基づき応力:40gf/cm2、昇温速度:5℃/分、雰囲気:空気にて、線膨張係数を測定した。線膨張係数の評価基準を以下に示す。
(評価基準)
◎:150℃における線膨張係数が150未満である場合
○:150℃における線膨張係数が150以上180未満である場合
×:150℃における線膨張係数が180以上である場合
[実施例1]
<オルガノポリシロキサン(A1)の製造>
撹拌装置、温度計、還流冷却器を取り付けた0.5Lの3つ口フラスコに、下記成分を添加し、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら80℃に加温した。
(a)成分 :1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン15g(0.06モル)
(b1)成分:ビニルトリメトキシシラン3.7g(0.03モル)
(b2)成分:ジメチルフェニルビニルシラン28.34(0.18モル)
(c)成分 :3−ブテニルメタクリレート14g(0.1モル)
溶媒 :トルエン216g
重合禁止剤 :ハイドロキノンモノメチルエーテル0.05g
その後、塩化白金酸のイソプロパノール溶液を、白金金属が、付加反応生成物であるオルガノポリシロキサンの重量に対して20ppmとなる量添加した。ヒドロシリル化反応の開始を確認した後、この反応系を保温、水冷又は空冷によって55〜65℃に保ちながら、72時間攪拌した。なお、「付加反応生成物であるオルガノポリシロキサンの重量」とは、(a)成分に対して(b1)成分及び(b2)成分がすべて反応し、かつ残る反応点に対し(c)成分が反応した場合のオルガノポリシロキサンの重量をいう。
反応開始から72時間経過後のフラスコ内容物の分析を行ったところ、SiH基の反応率は95%であった。その後、活性炭処理し、揮発成分を留去して、下記一般式(15)で表されるオルガノポリシロキサン(A1)51gを得た。得られたオルガノポリシロキサン(A1)の不飽和結合含有基の官能基当量は1083g/molであり、GPC測定から算出した重量平均分子量は800であり、25℃における粘度は37mPa・sであった。また、ICP/MSにより残存するヒドロシリル化反応触媒量を測定したところ、得られたオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.0002質量部であった。
29Si NMR測定の結果、構成単位に相当する次に示すピークが観察された。
F1:−19.9ppm
M1:−41.5ppm
M2: −1.2ppm
S :−34.6ppm
構成単位F1と構成単位M1の比率(a/b)は、2.0であった。
構成単位F1と構成単位Sの比率(d/a)は、0.05であった。
<硬化性樹脂組成物及び硬化物の製造と特性評価>
オルガノポリシロキサン(A1)100質量部に、コロイダルシリカ(E1)のメチルエチルケトン分散液(日産化学工業製、商品名:MEK−ST、平均粒径:15nm、30質量%溶液)をコロイダルシリカ換算で100質量部混合し、50℃で12時間撹拌した。その後、揮発成分を留去して硬化性樹脂組成物を得た。
得られた硬化性樹脂組成物100質量部に、熱ラジカル発生剤としてtert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート(化薬アクゾ社製、商品名:トリゴノックス121−50E、50質量%溶液)2.5質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌し、その後、脱泡した。
この硬化性樹脂組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で4時間、更に150℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の特性の評価結果を下記表1に示す。
[実施例2]
<硬化性樹脂組成物及び硬化物の製造と特性評価>
オルガノポリシロキサン(A1)100質量部に、硫酸バリウム(E2)(堺化学工業製、商品名:BARIFINE−40、平均粒径:10nm)をメタノールに分散させたものを、硫酸バリウム換算で100質量部混合し、50℃で12時間撹拌した。その後、揮発成分を留去して硬化性樹脂組成物を得た。
得られた硬化性樹脂組成物100質量部に、熱ラジカル発生剤としてtert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート(化薬アクゾ社製、商品名:トリゴノックス121−50E、50質量%溶液)2.5質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌し、脱泡した。
この硬化性樹脂組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で4時間、更に150℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の特性の評価結果を下記表1に示す。
[実施例3]
<不飽和結合含有基を有するオルガノポリシロキサン(A2)の製造>
撹拌装置、温度計、還流冷却器を取り付けた0.5Lの3つ口フラスコに、下記成分を添加し、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら80℃に加温した。
(a)成分 :1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン20g(0.08モル)
(b1)成分:ビニルトリメトキシシラン4.9g(0.03モル)
(b2)成分:ビニルトリメチルシラン23.3g(0.2モル)
(c)成分 :3−ブテニルメタクリレート19g(0.1モル)
溶媒 :トルエン230g
重合禁止剤 :ハイドロキノンモノメチルエーテル0.05g
その後、塩化白金酸のイソプロパノール溶液を、白金金属が、付加反応生成物であるオルガノポリシロキサンの重量に対して20ppmとなる量添加した。ヒドロシリル化反応の開始を確認した後、この反応系を保温、水冷又は空冷によって55〜65℃に保ちながら、72時間攪拌した。
反応開始から72時間経過後のフラスコ内容物の分析を行ったところ、SiH基の反応率は96%であった。その後、活性炭処理し、揮発成分を留去して、下記一般式(16)で表されるオルガノポリシロキサン(A2)53gを得た。得られたオルガノポリシロキサン(A2)の不飽和結合含有基の官能基当量は867g/molであり、GPC測定から算出した重量平均分子量は700であり、25℃における粘度は29mPa・sであった。また、ICP/MSにより残存するヒドロシリル化反応触媒量を測定したところ、得られたオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.0003質量部であった。
29Si NMR測定の結果、構成単位に相当する次に示すピークが観察された。
F1:−20.0ppm
M1:−41.5ppm
M2: 3.1ppm
S :−34.6ppm
構成単位F1と構成単位M1の比率(a/b)は、2.0であった。
構成単位F1と構成単位Sの比率(d/a)は、0.04であった。
<硬化性樹脂組成物及び硬化物の製造と特性評価>
オルガノポリシロキサン(A2)100質量部に、コロイダルシリカ(E1)のメチルエチルケトン分散液(日産化学工業製、商品名:MEK−ST、平均粒径:15nm、30質量%溶液)をコロイダルシリカ換算で100質量部混合し、50℃で12時間撹拌した。その後、揮発成分を留去して硬化性樹脂組成物を得た。
得られた硬化性樹脂組成物100質量部に、熱ラジカル発生剤としてtert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート(化薬アクゾ社製、商品名:トリゴノックス121−50E、50質量%溶液)2.5質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌し、脱泡した。
この硬化性樹脂組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で4時間、更に150℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の特性の評価結果を下記表1に示す。
[実施例4]
<オルガノポリシロキサン(B1)の製造>
撹拌装置、温度計、還流冷却器を取り付けた0.5Lの3つ口フラスコに、下記成分を添加し、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら80℃に加温した。
(a)成分:1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン15g(0.06モル)
(c)成分:3−ブテニルメタクリレート70g(0.5モル)
溶媒 :トルエン200g
重合禁止剤:ハイドロキノンモノメチルエーテル0.05g
その後、塩化白金酸のイソプロパノール溶液を、白金金属が、付加反応生成物であるオルガノポリシロキサンの重量に対して20ppmとなる量添加した。ヒドロシリル化反応の開始を確認した後、この反応系を保温、水冷又は空冷によって55〜65℃に保ちながら、72時間攪拌した。
反応開始から72時間経過後のフラスコ内容物の分析を行ったところ、SiH基の反応率は99%であった。その後、活性炭処理し、揮発成分を留去して、下記一般式(17)で表されるオルガノポリシロキサン(B1)44gを得た。得られたオルガノポリシロキサン(B1)の不飽和結合含有基の官能基当量は200g/molであり、GPC測定から算出した重量平均分子量は600であり、25℃における粘度は20mPa・sであった。また、ICP/MSにより残存するヒドロシリル化反応触媒量を測定したところ、得られたオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.0003質量部であった。
29Si NMR測定の結果、構成単位に相当する次に示すピークが観察された。
F1:−19.9ppm
<硬化性樹脂組成物及び硬化物の製造と特性評価>
オルガノポリシロキサン(A1)50質量部、オルガノポリシロキサン(B1)50質量部に、コロイダルシリカ(E1)のメチルエチルケトン分散液(日産化学工業製、商品名:MEK−ST、平均粒径:15nm、30質量%溶液)をコロイダルシリカ換算で100質量部混合し、50℃で12時間撹拌した。その後、揮発成分を留去して硬化性樹脂組成物を得た。
得られた硬化性樹脂組成物100質量部に、熱ラジカル発生剤としてtert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート(化薬アクゾ社製、商品名:トリゴノックス121−50E、50質量%溶液)2.5質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌し、脱泡した。
この硬化性樹脂組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で4時間、更に150℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の特性の評価結果を下記表1に示す。
[実施例5]
<オルガノポリシロキサン(B2)>
不飽和結合含有基含有オルガノポリシロキサン(B2)は、下記一般式(18)で示される信越化学社製X−22−164Bを用いた。
<硬化性樹脂組成物及び硬化物の製造と特性評価>
オルガノポリシロキサン(A1)50質量部、オルガノポリシロキサン(B2)50質量部に、コロイダルシリカ(E1)のメチルエチルケトン分散液(日産化学工業製、商品名:MEK−ST、平均粒径:15nm、30質量%溶液)をコロイダルシリカ換算で100質量部混合し、50℃で12時間撹拌した。その後、揮発成分を留去して硬化性樹脂組成物を得た。
得られた硬化性樹脂組成物100質量部に、熱ラジカル発生剤としてtert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート(化薬アクゾ社製、商品名:トリゴノックス121−50E、50質量%溶液)2.5質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌し、脱泡した。
この硬化性樹脂組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で4時間、更に150℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の特性の評価結果を下記表1に示す。
[実施例6]
<硬化性樹脂組成物及び硬化物の製造と特性評価>
オルガノポリシロキサン(A1)100質量部に、コロイダルシリカ(E1)のメチルエチルケトン分散液(日産化学工業製、商品名:MEK−ST、平均粒径:15nm、30質量%溶液)をコロイダルシリカ換算で10質量部混合し、50℃で12時間撹拌した。その後、揮発成分を留去して硬化性樹脂組成物を得た。
得られた硬化性樹脂組成物100質量部に、熱ラジカル発生剤としてtert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート(化薬アクゾ社製、商品名:トリゴノックス121−50E、50質量%溶液)2.5質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌し、脱泡した。
この硬化性樹脂組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で4時間、更に150℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の特性の評価結果を下記表1に示す。
[実施例7]
<硬化性樹脂組成物及び硬化物の製造と特性評価>
オルガノポリシロキサン(A1)100質量部に、コロイダルシリカ(E1)のメチルエチルケトン分散液(日産化学工業製、商品名:MEK−ST、平均粒径:15nm、30質量%溶液)をコロイダルシリカ換算で200質量部混合し、50℃で12時間撹拌した。その後、揮発成分を留去して硬化性樹脂組成物を得た。
得られた硬化性樹脂組成物100質量部に、熱ラジカル発生剤としてtert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート(化薬アクゾ社製、商品名:トリゴノックス121−50E、50質量%溶液)2.5質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌し、脱泡した。
この硬化性樹脂組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で4時間、更に150℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の特性の評価結果を下記表1に示す。
[比較例1]
<硬化性樹脂組成物及び硬化物の製造と特性評価>
オルガノポリシロキサン(B1)100質量部に、コロイダルシリカ(E1)のメチルエチルケトン分散液(日産化学工業製、商品名:MEK−ST、平均粒径:15nm、30質量%溶液)をコロイダルシリカ換算で100質量部混合し、50℃で12時間撹拌した。その後、揮発成分を留去して硬化性樹脂組成物を得た。
得られた硬化性樹脂組成物100質量部に、熱ラジカル発生剤としてtert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート(化薬アクゾ社製、商品名:トリゴノックス121−50E、50質量%溶液)2.5質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌し、脱泡した。
この硬化性樹脂組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で4時間、更に150℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の特性の評価結果を下記表1に示す。
[比較例2]
<硬化性樹脂組成物及び硬化物の製造と特性評価>
オルガノポリシロキサン(B2)100質量部に、コロイダルシリカ(E1)のメチルエチルケトン分散液(日産化学工業製、商品名:MEK−ST、平均粒径:15nm、30質量%溶液)をコロイダルシリカ換算で100質量部混合し、50℃で12時間撹拌した。その後、揮発成分を留去して硬化性樹脂組成物を得た。
得られた硬化性樹脂組成物100質量部に、熱ラジカル発生剤としてtert−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノアート(化薬アクゾ社製、商品名:トリゴノックス121−50E、50質量%溶液)2.5質量部を窒素下にて混合し、全体が均一になるまで撹拌し、脱泡した。
この硬化性樹脂組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で4時間、更に150℃で1時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の特性の評価結果を下記表1に示す。
[比較例3]
<硬化性樹脂組成物(C1)>
硬化性樹脂組成物(C1)は、光半導体封止材用硬化性樹脂として市販されている、信越化学製KER−2500を用いた。
<硬化性樹脂組成物及び硬化物の製造と特性評価>
市販のKER−2500AとKER−2500Bを100質量部ずつ混合し、全体が均一になるまで撹拌し、その後、脱泡して硬化性樹脂組成物を得た。
この硬化性樹脂組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で1時間、更に150℃で5時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の特性の評価結果を下記表1に示す。
[比較例4]
<硬化性樹脂組成物(C2)>
硬化性樹脂組成物(C2)は、光半導体封止材用硬化性樹脂として市販されている、信越化学製ASP−1010を用いた。
<硬化性樹脂組成物及び硬化物の製造と特性評価>
市販のASP−1010A(商品名、信越化学製)とASP−1010B(商品名、信越化学製)を100質量部ずつ混合し、全体が均一になるまで撹拌し、その後、脱泡して硬化性樹脂組成物を得た。
この硬化性樹脂組成物をSUS316製の型枠に流し込み、100℃で1時間、更に150℃で5時間硬化反応を行い、硬化物を得た。得られた硬化物の特性の評価結果を下記表1に示す。
1分子中に1つ以上の不飽和結合含有基を含み、前記一般式(1)〜(2)で表される構成単位F1、M1の組み合わせの構成単位を有する、オルガノポリシロキサンが得られた。構成単位F1からなる架橋構造を形成する部位と、構成単位M1を含むシロキサンからなる部位を、分子構造中に局部的に有することにより、無機粒子を均一に分散することができた。
また、実施例1〜7によれば、耐光性、透明性、及び低線膨張率のいずれの点でも、特に光半導体用途において要求されるレベルを十分に満足する透明な硬化物を形成することが可能なオルガノポリシロキサン及びそれを用いた硬化性樹脂組成物が得られた。
比較例1〜4は、上述した本実施形態の構成を具備していないため、耐光性、透明性、及び低線膨張率のうちの所定の特性や、これらの特性バランスの観点から、実用上、十分な特性が得られなかった。
本発明のオルガノポリシロキサン及びそれを用いた硬化性樹脂組成物は、光半導体用封止材、光半導体用ダイボンド材として、産業上の利用可能性を有している。

Claims (26)

  1. 下記一般式(1)で表される構成単位F1と、下記一般式(2)で表される構成単位M1と、下記一般式(3)で表される構成単位M2と、を、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位として有する、オルガノポリシロキサン(I)100質量部と、
    無機粒子10〜200質量部と、を含有する、
    硬化性樹脂組成物。
    (上記一般式(1)中、R1炭素数1〜10のアルキル基炭素数3〜10のシクロアルキル基アリール基、或いはアラルキル基を示し、R2は、炭素数2〜10の、不飽和鎖状炭化水素基、シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基、エーテル結合含有不飽和炭化水素基、又は不飽和脂肪酸エステル基である不飽和結合含有基を示し、Xは、−(CH 2 2 −、−(CH 2 3 −、−(CH 2 4 −、−(CH 2 5 −、−(CH 2 6 −、−(CH 2 7 −、−(CH 2 8 −、−(CH 2 9 −、−(CH 2 10 −、−CH(CH 3 )CH 2 −、又は−C(CH 3 2 を示し、aは1以上の整数を示す。)
    (上記一般式(2)中、R1及びR3は、各々独立して炭素数1〜10のアルキル基炭素数3〜10のシクロアルキル基アリール基、或いはアラルキル基を示し、Yは、−(CH 2 2 −、−(CH 2 3 −、−(CH 2 4 −、−(CH 2 5 −、−(CH 2 6 −、−(CH 2 7 −、−(CH 2 8 −、−(CH 2 9 −、−(CH 2 10 −、−CH(CH 3 )CH 2 −、又は−C(CH 3 2 を示し、nは、1〜3の整数を示し、bは1以上の整数を示す。)
    (上記一般式(3)中、R1及びR4は、各々独立して炭素数1〜10のアルキル基炭素数3〜10のシクロアルキル基アリール基、或いはアラルキル基を示し、Zは、−(CH 2 2 −、−(CH 2 3 −、−(CH 2 4 −、−(CH 2 5 −、−(CH 2 6 −、−(CH 2 7 −、−(CH 2 8 −、−(CH 2 9 −、−(CH 2 10 −、−CH(CH 3 )CH 2 −、又は−C(CH 3 2 を示し、cは1以上の整数を示す。)
  2. 前記bに対する前記aの比率(a/b)が、0.010以上5.0以下である、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記cに対する前記aの比率(a/c)が、0.0010以上3.0以下である、請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記無機粒子の平均粒径が、0.1〜100nmである、請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記無機粒子が、シリカ、酸化銅、酸化亜鉛、酸化インジウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、過塩素酸カリウム、シアン化カリウム、硝酸ナトリウム、臭化ナトリウム、シアン化ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、フッ化バリウム、塩化バリウム、リン酸水素バリウム、硫化バリウム、フッ化ソーダ、フッ化カルシウム、フッ化ランタン、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、合成石英、炭酸ストロンチウム、フッ化ストロンチウム、酸化セリウム、酸化ハフニウム、五酸化ニオブ、五酸化タンタル、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化ベリリウム、カオリンクレー、タルク、珪酸マグネシウム、セリサイト、ワラスナイト、及びマイカからなる群より選ばれる1種以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 前記R2が、アクリロキシ基又はメタアクリロキシ基である、請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 下記一般式(4)で表される構成単位Sを、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位としてさらに有する、請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
    (上記一般式(4)中、R1炭素数1〜10のアルキル基炭素数3〜10のシクロアルキル基アリール基、或いはアラルキル基を示し、dは1以上の整数を示す。)
  8. 前記aに対する前記dの比率(d/a)が、0.10以下である、請求項7に記載の硬化性樹脂組成物。
  9. 前記オルガノポリシロキサン(I)が、前記R2を含有する構成単位として、前記一般式(1)で表される構成単位F1のみを含有する、請求項1〜8のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  10. 前記R1が、炭素数1〜10のアルキル基である、請求項1〜9のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  11. 前記R1が、メチル基である、請求項1〜10のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  12. 前記R2で表される不飽和結合含有基の官能基当量が、20〜10000g/molである、請求項1〜11のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  13. 前記オルガノポリシロキサン(I)の重量平均分子量が、500〜1000000であり、
    前記オルガノポリシロキサン(I)の25℃における粘度が、1.0〜1000000mPa・sである、請求項1〜12のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  14. 下記一般式(5)で表される構成単位F1'と、下記一般式(6)で表される構成単位T'と、を環状オルガノポリシロキサンを構成する単位として有するオルガノポリシロキサン(II)0.10〜100質量部をさらに含有する、
    請求項1〜13のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
    (上記一般式(5)中、R1'炭素数1〜10のアルキル基炭素数3〜10のシクロアルキル基アリール基、或いはアラルキル基を示し、R2'は、炭素数2〜10の、不飽和鎖状炭化水素基、シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基、エーテル結合含有不飽和炭化水素基、又は不飽和脂肪酸エステル基である不飽和結合含有基を示し、X'は、−(CH 2 2 −、−(CH 2 3 −、−(CH 2 4 −、−(CH 2 5 −、−(CH 2 6 −、−(CH 2 7 −、−(CH 2 8 −、−(CH 2 9 −、−(CH 2 10 −、−CH(CH 3 )CH 2 −、又は−C(CH 3 2 を示し、eは1以上の整数を示す。)
    (上記一般式(6)中、R1'炭素数1〜10のアルキル基炭素数3〜10のシクロアルキル基アリール基、或いはアラルキル基を示し、fは0以上の整数を示し、e及びfの合計は、3〜20の整数を示す。)
  15. 前記R1'が、炭素数1〜10のアルキル基である、請求項14に記載の硬化性樹脂組成物。
  16. 前記R1'が、メチル基である、請求項14又は15に記載の硬化性樹脂組成物。
  17. 前記R2'が、アクリロキシ基又はメタアクリロキシ基である、請求項14〜16のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  18. 前記R2及び前記R2'で表される不飽和結合含有基の総官能基当量が、20〜10000g/molである、請求項14〜17のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  19. 前記オルガノポリシロキサン(II)の重量平均分子量が、500〜1000000であり、
    前記オルガノポリシロキサン(II)の25℃における粘度が、1.0〜1000000mPa・sである、請求項14〜18のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  20. 熱ラジカル発生剤をさらに含有し、
    該熱ラジカル発生剤の含有量が、前記オルガノポリシロキサン(I)及び前記オルガノポリシロキサン(II)の合計100質量部に対して、0.50〜10質量部である、請求項1〜19のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  21. ヒドロシリル化反応触媒をさらに含有し、
    該ヒドロシリル化反応触媒の含有量が、前記オルガノポリシロキサン(I)及び前記オルガノポリシロキサン(II)の合計100質量部に対して、0.0010質量部以下である、請求項1〜20のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  22. 下記一般式(7)で表される構成単位を、環状オルガノポリシロキサンを構成する単位として有するハイドロジェンポリシロキサン(a)と、
    (上記一般式(7)中、R1''炭素数1〜10のアルキル基炭素数3〜10のシクロアルキル基アリール基、或いはアラルキル基を示し、jは1以上の整数を示す。)
    ケイ素原子に直接結合したビニル基を1個有し、ケイ素原子に直接結合した加水分解性基を1個以上含有するオルガノシロキサン(b1)と、
    ケイ素原子に直接結合したビニル基を1個有し、ケイ素原子に直接結合した加水分解性基を有しないオルガノシロキサン(b2)と、
    不飽和鎖状炭化水素基、シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基、エーテル結合含有不飽和炭化水素基、又は不飽和脂肪酸エステル基である不飽和結合含有基を2個以上有する有機化合物(c)と、を、
    ヒドロシリル化反応触媒(d)の存在下で付加反応させて、オルガノポリシロキサンを得る付加反応工程と、
    前記オルガノポリシロキサンと、無機粒子(e)と、を混合する混合工程と、を有する、
    硬化性樹脂組成物の製造方法。
  23. 前記ハイドロジェンポリシロキサン(a)は、下記一般式(8)で表される構成単位をさらに有する、請求項22に記載の硬化性樹脂組成物の製造方法。
    (上記一般式(8)中、R1''は、各々独立して炭素数1〜10のアルキル基炭素数3〜10のシクロアルキル基アリール基、或いはアラルキル基を示し、kは0以上の整数を示し、j+kは3〜20の整数である。)
  24. 請求項1〜21のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を含む、光半導体用封止材。
  25. 請求項1〜21のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を含む、光半導体用ダイボンド材。
  26. 請求項24に記載の光半導体用封止材を成形した、光半導体パッケージ。
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