JP6507545B2 - 有機エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、電子機器 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、電子機器に関するものである。
従来の小型高精細の有機エレクトロルミネッセンス装置では、視野角特性の向上のため、有機エレクトロルミネッセンス素子の封止層上にフォトリソグラフィーによってカラーフィルターが直接形成されている(例えば、特許文献1)。また、有機エレクトロルミネッセンス素子の保護のために、カラーフィルター上には接着材を介して保護ガラスが貼り合わされた構造になっている。
特開2008−66216号公報
しかしながら、有機エレクトロルミネッセンス素子は耐熱性が低いため、封止層およびカラーフィルターを低温で形成しなければならない。そのため、封止層及びカラーフィルターを十分に硬化させることができず、封止層とカラーフィルターとの密着性を得ることが難しい。このため、カラーフィルターと封止層との界面で剥離が生じるという問題あった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、カラーフィルターと封止層との密着性を向上させて表示不良の発生を防止した有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法を提供するとともに、小型且つ表示信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス装置および電子機器を提供することを目的の一つとしている。
本発明の一態様における有機エレクトロルミネッセンス装置においては、第1基板の素子形成領域に形成された有機エレクトロルミネッセンス素子と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に積層された封止層と、前記封止層に積層された、少なくとも前記素子形成領域に設けられた第1カラーフィルターと、前記第1カラーフィルターの外側に配置された第2カラーフィルターと、を有するカラーフィルターと、少なくとも前記第1カラーフィルター上に設けられる第2基板と、前記第1カラーフィルターと前記第2基板との間に設けられた絶縁材料からなる接着層と、を備え、前記第1カラーフィルターと前記第2カラーフィルターとの間の少なくとも一部に設けられた間隙部において前記封止層と前記接着層とが接していることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、第1カラーフィルターと第2カラーフィルターとの間に間隙部があることで、第2カラーフィルターの周縁部分において封止層との間に剥離が生じた場合でも、上記間隙部において剥離の進行が止まるため、第1カラーフィルターと封止層との密着性を確保することができる。これにより、表示不良の発生を防止することができ、信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス装置を提供できる。
本発明の一態様における有機エレクトロルミネッセンス装置においては、少なくとも前記第1カラーフィルター上に設けられる第2基板と、前記第1カラーフィルターと前記第2基板との間に設けられた接着層と、を備え、前記間隙部において前記封止層に前記接着層が接する構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、間隙部においては、カラーフィルターを介在することなく、封止層が接着層と接着される。したがって、間隙部が設けられていなく、封止層と接着層との間にカラーフィルターを介在する場合と比して、上記態様を採用することで有機エレクトロルミネッセンス装置の機械的強度を高めることができる。
本発明の一態様における有機エレクトロルミネッセンス装置は、前記間隙部は、前記第1基板の法線方向から見て前記第2基板と重なる構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、間隙部における封止性が向上し、第1カラーフィルターと封止層との密着性を確保することができる。
本発明の一態様における有機エレクトロルミネッセンス装置は、前記間隙部は、前記素子形成領域の周囲を囲んで設けられている構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、素子形成領域(第1カラーフィルター)の周囲、例えば全周を囲んで間隙部を形成しておくことにより、第2カラーフィルターの周囲のどこから剥離が生じたとしても間隙部によって剥離を止めることができるので、第1カラーフィルターと封止層との密着性を確保することができる。
本発明の一態様における有機エレクトロルミネッセンス装置は、矩形をなす前記第1基板の一辺に沿って外部接続端子が設けられ、前記間隙部は、前記第1基板における前記外部接続端子側の辺を除いた他の3辺に沿って設けられている構成としてもよい。
本発明の一態様においても、第2カラーフィルターと封止層との間に剥離が生じても間隙部によってその剥離を止めることができるので、第1カラーフィルターと封止層との密着性を確保することができる。例えば、必ずしも素子形成領域の全周に間隙部を設けなくてもよく、剥離の生じやすい部分に間隙部を設けておくことでも効果が得られる。
本発明の一態様における有機エレクトロルミネッセンス装置は、前記接着層の側面の少なくとも一部が前記第1基板の側面と同一平面上にある構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、小型の有機エレクトロルミネッセンス装置が実現できる。また、カラーフィルター及び封止層の側面が接着層によって覆われた構成となり、カラーフィルターと封止層との界面からの剥離をより防止することができる。
本発明の一態様における有機エレクトロルミネッセンス装置は、前記第1基板上の前記素子形成領域の外側に、前記封止層と同一材料からなる下地層と、前記下地層上に積層された第3カラーフィルターと、をさらに備え、前記封止層と前記下地層との間から前記第1基板上に形成された外部接続端子が露出している構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、製造時に、第1カラーフィルター、第2カラーフィルターおよび第3カラーフィルターをマスクとして封止層をパターニングすることで得ることが可能である。外部接続端子が下地層と封止層との間に存在するため、外部接続端子の表面に傷が付くことが防止され、外部端子との接続不良等を防止できる。
本発明の一態様における有機エレクトロルミネッセンス装置は、前記封止層は複数の封止膜で構成されており、前記複数の封止膜のうち前記第1カラーフィルターと接する封止膜は無機化合物からなる構成としてもよい。
本発明の一態様によれば、第1カラーフィルター及び接着層に対する封止層との密着性を向上させることができる。
本発明の一態様における有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、第1基板の素子形成領域に有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程と、前記有機エレクトロルミネッセンス素子上に封止層を形成する工程と、前記素子形成領域の前記封止層上に第1カラーフィルターを形成するとともに前記第1カラーフィルターの外側に第2カラーフィルターを形成する工程と、少なくとも前記第1カラーフィルター上に絶縁材料からなる接着層を介して第2基板を接着する工程と、を有し、前記第1カラーフィルター及び前記第2カラーフィルターを形成する工程において前記第1カラーフィルターと前記第2カラーフィルターとの間の少なくとも一部に間隙部を形成し、前記第2基板を接着する工程において、前記間隙部内に前記接着層を充填させることを特徴とする。

本発明の一態様によれば、第1カラーフィルターと第2カラーフィルターとの間に間隙部を形成することによって、第2カラーフィルターと封止層との間に剥離が生じた場合でも、間隙部において剥離の進行が止まるため、第1カラーフィルターと封止層との密着性を確保することができる。これにより、表示不良の発生を防止することができ、信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス装置を提供することができる。
本発明の一態様における有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程において、複数の前記第1基板の形成領域を有するアレイ基板上に、前記第1基板の形成領域ごとに前記有機エレクトロルミネッセンス素子を形成し、前記第1基板の形成領域の間の分断領域で前記アレイ基板を前記第1基板の形成領域ごとに分断する工程をさらに有する製造方法としてもよい。
本発明の一態様によれば、有機EL装置の量産が可能である。
本発明の一態様における有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、少なくとも前記第1カラーフィルター上に接着層を介して第2基板を接着する工程をさらに有し、前記分断領域にまで前記接着層が達した状態で前記アレイ基板を分断する製造方法としてもよい。
本発明によれば、アレイ基板を分断して複数の第1基板を形成する際、接着層と重なる位置でアレイ基板を分断することによって、接着層が存在しない部分で分断するよりも第1基材の切り出しの大きさを小さくすることができる。これにより、有機エレクトロルミネッセンス装置の小型化を実現することができる。
本発明の一態様における有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、前記間隙部内に前記接着層を充填させる製造方法としてもよい。
本発明の一態様によれば、第2基板を貼り合わせるための接着層が間隙部内に存在するため、間隙部から露出する封止層が外気に晒されることが防止され、封止層と第1カラーフィルターとの剥離を防止することができる。
本発明の一態様における有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、前記第1カラーフィルター、前記第2カラーフィルター及び前記封止層は、110℃以下の温度で形成される製造方法としてもよい。
本発明の一態様によれば、110℃以下の低温で形成することにより、有機エレクトロルミネッセンス素子の劣化を防止することができる。
本発明の一態様における電子機器は、上記の有機エレクトロルミネッセンス装置を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様によれば、小型且つ信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス装置を備えた電子機器を提供することができる。
第1実施形態における有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図。 第1実施形態における有機EL装置の構成を示す概略平面図。 第1実施形態におけるサブ画素の配置を示す概略平面図。 第1実施形態における図3のA−A’線に沿ったサブ画素の構造を示す概略断面図。 第1実施形態におけるサブ画素における凸部と着色層との配置を示す概略平面図。 第1実施形態における有機EL装置のX方向に沿う断面図。 第1実施形態における有機EL装置のY方向に沿う断面図。 第1実施形態における有機EL装置の平面図。 第1実施形態の有機EL装置の製造方法を示すフローチャート。 (a)、(b)は、第1実施形態の有機EL装置の製造工程を示す概略断面図。 (a)〜(e)は、第1実施形態の有機EL装置の製造工程を示す概略断面図。 (a)、(b)は、第1実施形態の有機EL装置の製造工程を示す概略断面図。 (a)〜(g)は、第1実施形態の有機EL装置の製造工程を示す概略断面図。 第2実施形態の有機EL装置におけるカラーフィルターの形成領域を示す平面図。 第2実施形態の有機EL装置の全体構成を示す断面図。 (a)〜(c)は、第2実施形態の有機EL装置の製造工程を示す概略断面図、(b)は、(a)に示す接合体を90度回転させた図。 第3実施形態の有機EL装置における透明接着層の形成領域を示す平面図。 第3実施形態の有機EL装置の全体構成を示す断面図。 (a)〜(d)は、第3実施形態の有機EL装置の製造工程を示す概略断面図、(b)、(d)は、(a)、(c)に示す接合体を90度回転させた図。 第4実施形態の有機EL装置の全体構成を示す平面図。 第4実施形態の有機EL装置の全体構成を示す断面図。 第4実施形態の有機EL装置の製造工程を示す概略断面図 第4実施形態の有機EL装置の製造工程を示す概略断面図。 間隙部の変形例を示す平面図。 電子機器としてのヘッドマウントディスプレイを示す概略図。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
[第1実施形態]
先ず、第1実施形態における有機エレクトロルミネッセンス装置(以下、有機EL装置100と称す)の構造について、図1〜図13を参照して説明する。
図1は、第1実施形態における有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図、図2は、有機EL装置の構成を示す概略平面図、図3は、サブ画素の配置を示す概略平面図、図4は、図3のA−A’線に沿ったサブ画素の構造を示す概略断面図、図5は、サブ画素における凸部と着色層との配置を示す概略平面図、図6は、有機EL装置のX方向に沿う断面図、図7は、有機EL装置のY方向に沿う断面図、図8は、有機EL装置の平面図である。なお、図8においては、対向基板41、透明接着層(接着層)42及びFPC43の図示は省略してある。
図1に示すように、有機EL装置100は、互いに交差する複数の走査線12及び複数のデータ線13と、電源線14とを有している。複数の走査線12が接続される走査線駆動回路16と、複数のデータ線13が接続されるデータ線駆動回路15とを有している。また、複数の走査線12と複数のデータ線13との各交差部に対応してマトリックス状に配置された発光画素である複数のサブ画素18を有している。
サブ画素18は、発光素子としての有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)30と、有機EL素子30の駆動を制御する画素回路20とを有している。
有機EL素子30は、陽極としての画素電極31と、陰極としての対向電極33と、画素電極31と対向電極33との間に設けられた機能層32とを有している。このような有機EL素子30は電気的にダイオードとして表記することができる。なお、詳しくは後述するが、画素電極31がサブ画素18毎に形成されており、対向電極33は複数のサブ画素18に亘る共通陰極として形成されている。したがって、機能層32及び対向電極33は複数のサブ画素18に亘って連続して設けられており、機能層32及び対向電極33はサブ画素18毎に区分はないが、便宜上、サブ画素18毎に有機EL素子30が設けられていると説明している。
画素回路20は、スイッチング用トランジスター21と、蓄積容量22と、駆動用トランジスター23とを含んでいる。2つのトランジスター21,23は、例えばnチャネル型もしくはpチャネル型の薄膜トランジスター(TFT;Thin Film Transistor)やMOSトランジスターを用いて構成することができる。
スイッチング用トランジスター21のゲートは走査線12に接続され、ソースまたはドレインのうち一方がデータ線13に接続され、ソースまたはドレインのうち他方が駆動用トランジスター23のゲートに接続されている。
駆動用トランジスター23のソースまたはドレインのうち一方が有機EL素子30の画素電極31に接続され、ソースまたはドレインのうち他方が電源線14に接続されている。駆動用トランジスター23のゲートと電源線14との間に蓄積容量22が接続されている。
走査線12が駆動されてスイッチング用トランジスター21がオン状態になると、そのときにデータ線13から供給される画像信号に基づく電位がスイッチング用トランジスター21を介して蓄積容量22に保持される。該蓄積容量22の電位すなわち駆動用トランジスター23のゲート電位に応じて、駆動用トランジスター23のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用トランジスター23がオン状態になると、電源線14から駆動用トランジスター23を介して画素電極31と対向電極33とに挟まれた機能層32にゲート電位に応じた量の電流が流れる。有機EL素子30は、機能層32を流れる電流量に応じて発光する。
図2に示すように、有機EL装置100は素子基板10を有している。素子基板10には、表示領域E0(図中、一点鎖線で表示)と、表示領域E0の外側に非表示領域E3とが設けられている。表示領域E0は、発光に寄与する実表示領域E1(図中、二点鎖線で表示)と、実表示領域E1を囲むダミー領域E2とを有している。実表示領域E1は、本発明における素子形成領域に対応する。
実表示領域E1には、発光画素としてのサブ画素18がマトリックス状に配置されている。サブ画素18は、前述したように発光素子としての有機EL素子30を備えており、スイッチング用トランジスター21及び駆動用トランジスター23の動作に伴って、青(B)、緑(G)、赤(R)のうちいずれかの色の発光が得られる構成となっている。
ここでは、同色の発光が得られるサブ画素18が第1の方向に配列され、異なる色の発光が得られるサブ画素18が第1の方向に対して交差(直交)する第2の方向に配列された、所謂ストライプ方式のサブ画素18の配置となっている。以降、上記第1の方向をY方向とし、上記第2の方向をX方向として説明する。なお、素子基板10におけるサブ画素18の配置はストライプ方式に限定されず、モザイク方式、デルタ方式であってもよい。
ダミー領域E2には、主として各サブ画素18の有機EL素子30を発光させるための周辺回路が設けられている。例えば、図2に示すように、X方向において実表示領域E1を挟んだ位置にY方向に延在して一対の走査線駆動回路16が設けられている。一対の走査線駆動回路16の間で実表示領域E1に沿った位置に検査回路17が設けられている。
素子基板10のX方向に平行な一辺部(図中の下方の辺部)に、外部駆動回路との電気的な接続を図るためのフレキシブル回路基板(FPC)43が接続されている。FPC43には、FPC43の配線を介して素子基板10側の周辺回路と接続される駆動用IC44が実装されている。駆動用IC44は前述したデータ線駆動回路15を含むものであり、素子基板10側のデータ線13や電源線14は、FPC43を介して駆動用IC44に電気的に接続されている。
表示領域E0と素子基板10の外縁との間、つまり非表示領域E3には、例えば各サブ画素18の有機EL素子30の対向電極33に電位を与えるための配線29、外部接続端子40などが形成されている。
外部接続端子40は、矩形をなす基材11の一辺に沿って設けられている。外部接続端子40には、FPC43が接続される。
配線29は、外部接続端子40が形成された基材11の一辺側を除いて、表示領域E0を囲むように素子基板10に設けられている。
次に、図3を参照してサブ画素18の平面的な配置、とりわけ画素電極31の平面的な配置について説明する。
図3に示すように、青(B)の発光が得られるサブ画素18B、緑(G)の発光が得られるサブ画素18G、赤(R)の発光が得られるサブ画素18RがX方向に順に配列されている。同色の発光が得られるサブ画素18はY方向に隣り合って配列されている。X方向に配列された3つのサブ画素18B,18G,18Rを1つの画素19として表示がなされる構成になっている。X方向におけるサブ画素18B,18G,18Rの配置ピッチは5μm未満である。X方向に0.5μm〜1.0μmの間隔をおいてサブ画素18B,18G,18Rが配置されている。Y方向におけるサブ画素18B,18G,18Rの配置ピッチはおよそ10μm未満である。
サブ画素18における画素電極31は略矩形状であって、長手方向がY方向に沿って配置されている。有機EL素子30から放出される発光色に応じて画素電極31をそれぞれ画素電極31B,31G,31Rと呼ぶこともある。各画素電極31B,31G,31Rの外縁を覆って絶縁膜27が形成されている。これによって、各画素電極31B,31G,31R上に開口部27aが形成され、開口部27a内において画素電極31B,31G,31Rのそれぞれが露出している。開口部27aの平面形状もまた略矩形状となっている。
なお、図3では、異なる色のサブ画素18B,18G,18Rの配置は、X方向において左側から青(B)、緑(G)、赤(R)の順になっているが、これに限定されるものではない。例えば、X方向において、左側から赤(R)、緑(G)、青(B)の順であってもよい。
次に、図4を参照してサブ画素18B,18G,18Rの構造について説明する。
図4に示すように、有機EL装置100は、本発明における第1基板としての基材11と、基材(第1基板)11上に順に形成された反射層25、透明層26、有機EL素子層38を有する。基材11は、矩形状であっても正方形状であっても構わない。
有機EL素子層38は、画素電極31B,31G,31R、機能層32、共通陰極である対向電極33を有し、サブ画素18B,18G,18Rごとに形成された有機EL素子30を複数含む。
有機EL素子層38上には、対向電極33を覆う封止層(封止層)34と、封止層34上に形成されたカラーフィルター36とが順に形成されている。さらに、カラーフィルター36を保護するために、透明接着層42を介して配置された対向基板(第2基板)41を有する。素子基板10は基材11からカラーフィルター36までを含むものである。
なお、図4では、素子基板10における画素回路20の駆動用トランジスター23などの構成について、図示を省略した。
有機EL装置100は、機能層32から発した光がカラーフィルター36を透過して対向基板41側から取り出されるトップエミッション方式が採用されている。したがって、基材11は透明な例えばガラスなどの基板だけでなく、不透明な例えばシリコンやセラミックスなどの基板を用いることができる。対向基板41は透明な例えばガラスなどの基板である。
基材11上に形成される反射層25は、Al(アルミニウム)やAg(銀)、あるいはこれらの光反射性を有する金属の合金を用いることができる。反射層25の光反射率は好ましくは40%以上、より好ましくは80%以上である。
透明層26は、後に形成される画素電極31と反射層25との電気的な絶縁を図るものであって、例えばSiOx(酸化シリコン)などの無機絶縁膜を用いることができる。
サブ画素18B,18G,18Rに対応して、透明層26上に設けられた画素電極31B,31G,31Rは、例えばITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc
Oxide)などの透明導電膜からなり、互いに膜厚が異なっている。具体的には、青(B)、緑(G)、赤(R)の順に膜厚が厚くなっている。画素電極31の光透過率は好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上である。
機能層32は白色光が得られる有機発光層を含み、サブ画素18B,18G,18Rに跨って共通に形成されている。なお、白色光は、青(B)、緑(G)、赤(R)の発光が得られる有機発光層を組み合わせることにより実現できる。また、青(B)と黄(Y)の発光が得られる有機発光層を組み合わせても擬似白色光を得ることができる。
機能層32を覆う対向電極33は、例えばMgAg(マグネシウム銀)合金からなり、光透過性と光反射性とを兼ね備えるように膜厚が制御されている。対向電極33の光透過率は好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、対向電極33の光反射率は好ましくは20%以上、より好ましくは50%以上である。
有機EL素子層38を覆う封止層34は、対向電極33側から第1封止膜(封止膜)34a、平坦化膜(封止膜)34b、第2封止膜(封止膜)34cが順に積層された構造となっている。なお、封止層34のガスバリア性としては、有機EL素子30を大気中の酸素および水等から保護することが可能な程度であれば特に限定されないが、酸素透過率が0.01cc/m/day以下であることが好ましく、水蒸気透過率が7×10−3g/m/day以下、中でも5×10−4g/m/day以下、特に5×10−6g/m/day以下であることが好ましい。封止層34の光の透過率は、サブ画素18R,18B,18Gの射出光に対し80%以上であることが好ましい。
第1封止膜34aと第2封止膜34cとは、無機化合物を用いて形成されている。無機化合物としては、水分や酸素などを通し難い、例えばSiOx(酸化シリコン)、SiNx(窒化シリコン)、SiOxNy(酸窒化シリコン)、AlxOy(酸化アルミニウム)などが挙げられる。第1封止膜34a及び第2封止膜34cを形成する方法としては真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッター法、CVD法などが挙げられる。有機EL素子30に熱などのダメージを与え難い点で、真空蒸着法やイオンプレーティング法を採用することが望ましい。第1封止膜34a及び第2封止膜34cの膜厚は、成膜時にクラックなどが生じ難く、且つ透明性が得られるように、50nm〜1000nm、好ましくは200nm〜400nmとなっている。
平坦化膜34bは、透明性を有し、例えば、熱または紫外線硬化型のエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂のいずれかの樹脂材料を用いて形成することができる。また、塗布型の無機化合物(酸化シリコンなど)を用いて形成してもよい。平坦化膜34bは、複数の有機EL素子30が形成された有機EL素子層38を覆った第1封止膜34aに積層して形成されている。第1封止膜34aの表面は、厚みが異なる画素電極31B,31G,31Rの影響を受けて凹凸が生ずるので、凹凸を緩和するため、1μm〜5μmの膜厚で平坦化膜34bを形成することが好ましい。これによって、封止層34上に形成されるカラーフィルター36が凹凸の影響を受け難くなる。
平坦化膜34bを覆う第2封止膜34cは、前述した無機化合物を用いて形成されている。封止層34の最上膜を無機化合物からなる膜とすることで、第1カラーフィルター136A及び透明接着層42に対する封止層34との密着性を向上させることができる。
なお、本実施形態では封止層34が3層構造となっているが、これに限られることはない。
カラーフィルター36は、封止層34の上に、フォトリソグラフィー法で形成された青(B)、緑(G)、赤(R)の着色層36B,36G,36Rを含んで構成されている。
着色層36B,36G,36Rは、サブ画素18B,18G,18Rに対応して形成され、封止層34上において、異なる色のサブ画素18B,18G,18Rの着色層36B,36G,36Rの間に凸部35が設けられている。封止層34上における凸部35の高さは、着色層36B,36G,36Rの膜厚と略等しい。
有機EL装置100は、反射層25と対向電極33との間で光共振器が構成されている。サブ画素18B,18G,18Rごとの画素電極31B,31G,31Rの膜厚が異なることにより、それぞれの光共振器における光学的な距離が異なっている。これにより、サブ画素18B,18G,18Rのそれぞれにおいて各色に対応した共振波長の光が得られる構成となっている。
なお、光共振器における光学的な距離の調整方法は、これに限定されず、例えばサブ画素18B,18G,18Rごとに、基材11上における透明層26の膜厚や透明層26を構成する材料を異ならせてもよい。
このように、サブ画素18R,18B,18Gの機能層32は白色光を放射するが、反射層25と対向電極33との間の光学的な距離が異なるため、対向電極33から放出される光のスペクトルが異なる。機能層32の内部発光スペクトルは同じであると解釈できるが、共振構造を用いて放出される光のスペクトルが異なるため、便宜上、サブ画素18は異なる波長領域の光を射出する。すなわち、サブ画素18は赤(R)、緑(G)、青(B)のうちいずれかの色の発光が得られる。
各サブ画素18B,18G,18Rの光共振器から発せられた共振光は、各着色層36B,36G,36Rを透過して透明な対向基板41側から射出される。カラーフィルター36が封止層34上に形成されているため、カラーフィルター36が対向基板41側に形成される場合に比べて、サブ画素18B,18G,18R間での光漏れによる混色が低減される。このようなサブ画素18B,18G,18Rの構造は、サブ画素18B,18G,18Rの平面的な大きさが小さくなる、つまり高精細になるほど混色を効果的に低減できる。
次に、封止層34上における凸部35と着色層36B,36G,36Rとの関係について、図5を参照して説明する。
図5に示すように、有機EL装置100のカラーフィルター36は、Y方向に同色の着色層が延在して配置されている。つまり、青(B)の着色層36Bは、Y方向に配列する複数のサブ画素18B(画素電極31B)に跨ってストライプ状に配置されている。同様に、緑(G)の着色層36Gは、Y方向に配列する複数のサブ画素18G(画素電極31G)に跨ってストライプ状に配置されている。赤(R)の着色層36Rは、Y方向に配列する複数のサブ画素18R(画素電極31R)に跨ってストライプ状に配置されている。各着色層36B,36G,36Rの境界は、X方向に配列する隣り合うサブ画素18の画素電極31の間のほぼ中央に位置している。
異なる色の着色層36B,36G,36Rの間には、これらの着色層36B,36G,36Rをそれぞれ区分するように、封止層34上に凸部35が配置されている。したがって、封止層34上において凸部35もY方向に延在するようにストライプ状に配置されている。
図4に示したように凸部35の断面形状は台形であって、凸部35の底面は図5に示すように、隣り合うサブ画素18の画素電極31間に位置している。
なお、各画素電極31の外縁は、絶縁膜27により被覆され、絶縁膜27に設けられた開口部27aにおいて画素電極31は機能層32と接している。サブ画素18において開口部27aが実質的に発光に寄与する領域であるため、凸部35の底面が開口部27a以外の画素電極31と重なるように凸部35を形成してもよい。
光透過性の凸部35は、着色材料を含まない感光性樹脂材料を用いてフォトリソグラフィー法で形成されている。すなわち、凸部35と着色層36B,36G,36Rの主材料は同じである。封止層34上における凸部35の幅はおよそ0.5μm〜1.0μm(好ましくは底面の幅が0.7μm、頭頂部35aの幅が0.5μm)、高さはおよそ1.1μmである。凸部35の高さは、着色層36B,36G,36Rの平均膜厚と略等しくなっている。
なお、着色層36B,36G,36Rの膜厚については、例えば、ホワイトバランスを考慮し、それぞれ異ならせても良い。
なお、凸部35は、図5に示すようにY方向に延在したストライプ状に配置されることに限定されない。例えば、各サブ画素18の画素電極31における開口部27aを囲むように、X方向とY方向とに延在して格子状に配置されていてもよい。また、着色層36R,36G,36Bによって凸部35の頭頂部の少なくとも一部が覆われた構成を採用しても良い。
次に、図6〜図8を参照してカラーフィルターの形成領域について説明する。
図6〜図8では、基材11上における上における画素回路20を構成する駆動用トランジスター23などや反射層25、透明層26、画素電極31の表示を省略しており、有機EL素子30も簡略化して図示している。なお、図8では、透明接着層42及びFPC43の図示を省略している。
図6及び図7に示すように、基材11上において、対向電極33は、有機EL素子層38の側端部を覆うように形成されている。対向電極33は、コンタクト部50を介して基材11に設けられた不図示の配線や回路に電気的に接続されている。
対向電極33の上面および側端部を覆うように第1封止膜34aが形成されている。平坦化膜34bは、第1封止膜34aを覆うように基材11上に形成されている。第2封止膜34cは、平坦化膜34bの上面および側端部を覆うように第1封止膜34a上に形成されている。この封止層34によって、有機EL素子層38及び対向電極33が封止されている。
カラーフィルター36は、封止層34上に形成されている。カラーフィルター36は、発光領域として機能する実表示領域E1を含む表示領域E0と、表示領域E0の外側の非表示領域E3とに形成されている。カラーフィルター36は、形成領域が異なる第1カラーフィルター136Aと第2カラーフィルター136Bとを有している。第1カラーフィルター136Aは表示領域E0に形成されており、第2カラーフィルター136Bは表示領域E0の外側の非表示領域E3に形成されている。
実表示領域E1は、有機EL素子30が形成された素子形成領域1Aに対応する領域である。本実施形態においては、少なくとも実表示領域E1の全体に第1カラーフィルター136Aを設けるようにする。
図8に示すように、第1カラーフィルター136Aは平面視矩形状を呈する。また、第2カラーフィルター136Bは、第1カラーフィルター136Aの外周を全て囲む平面視枠状を呈する。
第1カラーフィルター136Aと第2カラーフィルター136Bとの間には、間隙部37が設けられている。間隙部37は、非表示領域E3に存在するように形成される。間隙部37は、平面視において実表示領域E1の周囲を全て囲むように存在し、実表示領域E1に形成された第2カラーフィルター136Bの4辺に沿って枠状に形成されている。間隙部37からは封止層34の一部が露出している。間隙部37の大きさ、いわゆる第1カラーフィルター136A及び第2カラーフィルター136Bの間隔は、適宜設定される。
なお、本実施形態においては、第1カラーフィルター136Aと第2カラーフィルター136Bとを完全に分離するようにして間隙部37が設けられているが、これらの間の少なくとも一部に間隙部37が設けられていてもよい。つまり、第1カラーフィルター136Aと第2カラーフィルター136Bとが部分的に繋がるように間隙部37を設けてもよい。
また、本実施形態では、実表示領域E1を含む表示領域E0の全体に第1カラーフィルター136Aが設けられているが、これに限らず、一部が非表示領域E3にはみ出すように第1カラーフィルター136Aを設けてもよい。少なくとも、第1カラーフィルター136Aが実表示領域E1の全体に形成され、間隙部37が非表示領域E3に形成されていればよい。
有機EL装置100は、図6及び図7に示したように、カラーフィルター36上に透明接着層42を介して設けられた対向基板41を備えている。対向基板41は、間隙部37と平面視で重なるように配置され、基材11の法線方向から見て間隙部37と対向基板41とが重なっている。透明接着層42は、間隙部37を通じて封止層34に接している。つまり、間隙部37には透明接着層42が充填されている。
このように、間隙部37上を対向基板41で覆うことによって間隙部37における封止性が向上する。さらに、透明接着層42が間隙部37内に充填されていることで、間隙部37から露出する封止層34が外気に晒されることが防止される。このため、封止層34と第1カラーフィルター136Aとの密着性を確保することができ、これらの剥離を防ぐことができる。
なお、図6及び図7においては、カラーフィルター36の表面の一部が透明接着層42から露出した図示となっているがこれに限定されるものではない。製造時にカラーフィルター36上に透明接着層42を介して保護ガラス60を貼り合わせるために透明接着層42を塗布する際、ここでは、基材11上に流れ落ちない程度の量で塗布することとしている。そのため、カラーフィルター36が部分的に露出することもあるが、露出させなくてもよい。また、対向基板41の大きさも図示したものに限られず、カラーフィルター36の全面を覆う大きさを有していてもよい。
次に、第1実施形態の有機EL装置の製造方法について説明する。
図9は、第1実施形態の有機EL装置の製造方法を示すフローチャート、図10(a)、図10(b)は、第1実施形態の有機EL装置の製造工程を示す概略断面図である。なお、図10(b)は、素子形成領域1Aを拡大して示す図である。図11(a)〜(e)は、第1実施形態の有機EL装置の製造工程を示す概略断面図であって、いずれも素子形成領域1Aを拡大して示す図である。図12(a)、(b)は、第1実施形態の有機EL装置の製造工程を示す概略断面図である。図13(a)〜(g)は、第1実施形態の有機EL装置の製造工程を示す概略断面図である。なお、図13においては、有機EL素子層の図示を省略している。
本実施形態の有機EL装置100の製造方法は、図9に示すように、有機EL素子層形成工程(ステップS1)と、封止層形成工程(ステップS2)と、カラーフィルター形成工程(ステップS3)と、透明接着層形成工程(ステップS4)と、保護ガラスの貼り合せ工程(ステップS5)と、分断・個片化工程(ステップS6)と、を備えている。保護ガラス60は、対向基板41を形成するための母材である。
ここでは、複数の有機EL装置100を量産すべく、大判のアレイ基板1を用意した。アレイ基板1上には、有機EL装置100の主構成部材である基材11を取り出すための基材形成領域1Bが多数設けられている。基材形成領域1Bは、本発明における第1基材の形成領域に対応する。
先ず、図9の有機EL素子層形成工程(ステップS1)では、図10(a)に示すように、アレイ基板1上における基材形成領域1Bごとに有機EL素子層38及び外部接続端子40をそれぞれ形成する。本実施形態では、有機EL素子層38を表示領域E0に対応する素子形成領域1Aに形成し、外部接続端子40を素子形成領域1Aの近傍に形成する。有機EL素子層38は、複数の有機EL素子30を含む。
なお、アレイ基板1上に外部接続端子40や有機EL素子30を形成する方法には、公知の方法を採用することができる。これにより、アレイ基板1の素子形成領域1Aには、図10(b)に示すように、画素電極31(31R,31G,31B)、機能層32、対向電極33を含む有機EL素子30が形成される。
なお、以下では、基材形成領域1B(素子形成領域1A)に着目した断面工程図に基づいて説明する。
図9の封止層形成工程(ステップS2)では、図11(a)に示すように、まず、対向電極33を覆う第1封止膜34aを素子形成領域1Aごとに形成する。第1封止膜34aを形成する方法としては、例えばシリコンの酸化物を真空蒸着する方法が挙げられる。第1封止膜34aの膜厚はおよそ200nm〜400nmである。
次に、第1封止膜34aを覆う平坦化膜34bを形成する。平坦化膜34bの形成方法としては、例えば、透明性を有するエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂の溶媒とを含む溶液を用い、印刷法やスピンコート法で該溶液を塗布して乾燥することにより、エポキシ樹脂からなる平坦化膜34bを形成する。平坦化膜34bの膜厚は1μm〜5μmが好ましく、この場合、3μmとした。
ここでは、有機材料からなる平坦化膜34bの乾燥時の温度を110℃以下に設定して、有機EL素子30の劣化を防止する。
なお、平坦化膜34bは、エポキシ樹脂などの有機材料を用いて形成することに限定されず、前述したように、塗布型の無機化合物を印刷法により塗布し、これを乾燥・焼成することによって、平坦化膜34bとして膜厚がおよそ3μmの酸化シリコン膜を形成してもよい。
続いて、平坦化膜34bを覆う第2封止膜34cを形成する。第2封止膜34cの形成方法は、第1封止膜34aと同じであって、例えばシリコンの酸化物を真空蒸着する方法が挙げられる。第2封止膜34cの膜厚もおよそ200nm〜400nmである。そして、ステップS3へ進む。
図9のカラーフィルター形成工程(ステップS3)において、カラーフィルター36はフォトリソ工程により形成される。
まず、図11(b)に示すように、素子形成領域1Aごとに形成された封止層34上に凸部35を形成する。凸部35の形成方法としては、着色材料を含まない感光性樹脂材料をスピンコート法を用いて塗布してプレベークすることにより、膜厚がおよそ1μm程度の感光性樹脂層を形成する。感光性樹脂材料はポジタイプでもネガタイプでもよい。フォトリソグラフィー法を用いて、感光性樹脂層を露光・現像することにより、封止層34上に凸部35を形成する。基材11上における凸部35の形成位置は、隣り合う異なる色のサブ画素18B,18G,18Rに対応する画素電極31B,31G,31Rの間である。
そして、図11(c)に示すように、凸部35が形成された封止層34の表面に、緑色の着色材料を含む感光性樹脂材料をスピンコート法により塗布して、ベークすることで乾燥させて第1感光性樹脂層50gを形成する。第1感光性樹脂層50gを露光・現像することにより、図11(d)に示すように、画素電極31Gの上方に位置する凸部35間を埋める着色層36Gを形成する。
次に、着色層36Gが形成された封止層34の表面に、青色の着色材料を含む感光性樹脂材料をスピンコート法により塗布して、ベークすることで乾燥させて第2感光性樹脂層を形成する。この第2感光性樹脂層を露光・現像することにより、着色層36Bを形成する。
次に、着色層36Bと着色層36Gとが形成された封止層34の表面に、赤色の着色材料を含む感光性樹脂材料をスピンコート法により塗布して、ベークすることで乾燥させて第3感光性樹脂層を形成する。この第3感光性樹脂層を露光・現像することにより、着色層36Rを形成する。
これにより、図11(e)に示すように、画素電極31Bの上方に位置する凸部35間に着色層36Bが形成され、画素電極31Gの上方に位置する凸部35間に着色層36Gが形成され、画素電極31Rの上方に位置する凸部35間に着色層36Rが形成される。
平坦化膜34bの下層に形成されている有機EL素子30は、有機材料からなる機能層32を含んでいる。そのため、着色層36R、36G、36Bの乾燥時の温度を110℃以下に設定して、機能層32の劣化を防止する。
さらにカラーフィルター形成工程では、図12(a)に示すように、素子形成領域1Aごとに形成したカラーフィルター36をそれぞれパターニングすることによって、各カラーフィルター36に間隙部37を形成する。間隙部37を形成すると同時に、表示領域E0に第1カラーフィルター136Aが形成され、非表示領域E3に第2カラーフィルター136Bが形成される。このとき、間隙部37が非表示領域E3に位置するように形成する。
図9の保護ガラスの貼り合せ工程(ステップS5)では、図12(b)に示すように、カラーフィルター36の表面を覆うように接着材を塗布して透明接着層42を形成する。そして、透明接着層42が塗布されたアレイ基板1に対して保護ガラス60を所定の位置に対向配置して、例えば保護ガラス60をアレイ基板1側に押圧する。
これにより、透明接着層42を介してアレイ基板1と保護ガラス60とを貼り合わせる。透明接着層42は、例えば熱硬化型のエポキシ樹脂である。透明接着層42の厚みはおよそ10μm〜100μmである。保護ガラス60を貼り合せた後、ステップS6へと進む。
ここで、透明接着層42を介してアレイ基板1と保護ガラス60とを貼り合わせた形態を接合体61とする。
続いて、図9の分断・個片化工程(ステップS6)について、図13(a)〜(g)を参照しながら説明する。分断・個片化工程(ステップS6)では、保護ガラス60とアレイ基板1とが貼り付けられた上記接合体61を切断することで個片化して、有機EL装置100のベース体100Aを複数製造する。
まず、図13(a)に示すように、アレイ基板1に形成された外部接続端子40の一端側において、保護ガラス60に切目60aを入れ、該切目60aに沿って折曲力を加えて保護ガラス60を分断する。
続いて、図13(b)に示すように、保護ガラス60における外部接続端子40の他端側をダイシングブレード62により切断し、図13(c)に示すように、ロボットハンドにより切断したガラスを取り除く。
続いて、接合体61の法線を軸として接合体61を90度回転させ、図13(d)に示すように、スペーサ部材65を避けるように保護ガラス60をダイシングブレード62により切断する。
続いて、図13(e)に示すように、接合体61を90度回転させ、外部接続端子40の他端側においてアレイ基板1をダイシングブレード62により切断する。
続いて、図13(f)に示すように、接合体61を再度90度回転させ、切断済みの保護ガラス60の隙間(不図示)からダイシングブレード62を挿入することで、スクライブライン(分断領域)SLに沿ってアレイ基板1を切断する。
以上により、図13(g)に示すように、接合体61から複数のベース体100Aを形成する。この後に、ベース体100Aの外部接続端子40に図2に示したFPC43を実装して、有機EL装置100が完成する。
ここで、有機EL装置100を製造する際、上述した分断・個片化工程における分断時の衝撃で、切目60aの近くの封止層34とカラーフィルター36との界面で剥離が生じる場合がある。その状態で熱衝撃試験等を行うと、カラーフィルター36と封止層34との熱膨張差によるストレスによって、界面の剥離が進行して表示不良を発生させてしまうおそれがあった。本実施形態の基材11は、4辺を切り出されることで得られる。そのため、4辺全てにおいてカラーフィルター36と封止層34との剥離が生じかねない。
本実施形態の有機EL装置100は、第1カラーフィルター136Aと第2カラーフィルター136Bとの間に環状の間隙部37が形成されたカラーフィルター36を備えている。第1カラーフィルター136Aの周囲を囲んで間隙部37を形成しておくことにより、第1カラーフィルター136Aの周囲からの剥離を効果的に防止することが可能である。
すなわち、有機EL装置100の周縁部分におけるカラーフィルター36と封止層34との界面、つまり、第2カラーフィルター136Bと封止層34との界面で剥離が生じたとしても、間隙部37において剥離の進行を止めることができる。そのため、表示領域E0に形成されている第1カラーフィルター136Aには第2カラーフィルター136Bにおける剥離の影響が及ぶことがなく、封止層34と第1カラーフィルター136Aとの密着性を確保することができる。
よって本実施形態によれば、表示不良の発生を防止することができ、信頼性の高い有機EL装置100を提供することができる。
なお、本実施形態の効果は、製造時の分断に起因して生じる剥離に限られず、これ以外に経年劣化等によって生じる剥離等にも有効である。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態の有機EL装置について説明する。
図14は、第2実施形態の有機EL装置200におけるカラーフィルター46の形成領域を示す平面図である。なお、図14においては、透明接着層42及びFPC43の図示を省略している。図15は、第2実施形態の有機EL装置200の全体構成を示す断面図である。図16(a)〜(c)は、第2実施形態の有機EL装置200の製造工程を示す概略断面図である。なお、図16(b)は、図16(a)に示す接合体61を、接合体61の法線を軸として90度回転させた図である。
以下に示す有機EL装置200の基本構成は、上記第1実施形態と略同様であるが、間隙部の形状において異なる。よって、以下の説明では、間隙部の形状について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1〜図13と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
図14に示すように、本実施形態の有機EL装置200は、第1カラーフィルター46A、第2カラーフィルター46B及び連結カラーフィルター46Cを含むカラーフィルター46を備えている。カラーフィルター46には間隙部47が設けられている。
カラーフィルター46は、図15に示すように封止層34上に形成されている。カラーフィルター46は上述した3つの部位を有しており、図14及び図15に示すように、表示領域E0に形成された第1カラーフィルター46Aと、表示領域E0の外側の非表示領域E3に形成された第2カラーフィルター46B及び連結カラーフィルター46Cとにより構成されている。連結カラーフィルター46Cは、外部接続端子40側において当該外部接続端子40に沿う部位であり、第1カラーフィルター46Aと第2カラーフィルター46Bとを繋いでいる。
間隙部47は、表示領域E0の外側であって、第1カラーフィルター46Aと第2カラーフィルター46Bとの間に設けられ、表示領域E0の3方位を部分的に囲むように存在する。具体的には、基材11における外部接続端子40が形成されている辺11bを除いた他の3つの辺11aに沿って間隙部47が設けられている。
本実施形態の有機EL装置200では、表示領域E0の外部接続端子40側以外の周囲を部分的に囲むようにして形成された間隙部47を有するカラーフィルター46を備えている。本実施形態においても、先の実施形態と同様の効果を得ることができる。つまり、第2カラーフィルター46Bと封止層34との間で剥離が生じた場合にも、間隙部47において剥離の進行を止めることができるので、第1カラーフィルター46Aと封止層34との密着性を確保することができる。
先の実施形態のように、表示領域E0に形成された第1カラーフィルター46Aの全周に間隙部47が設けられていなくても、カラーフィルター46の周縁部分で生じた剥離の多くを間隙部47において止めることが可能である。
これにより、表示不良の発生を防止することができ、信頼性の高い有機EL装置200を提供することができる。
また、先の実施形態では、製造時にアレイ基板1を分断して基材11を形成する際に4辺を切り出すことで基材11を得ているが、例えば、3辺を切り出すことで基材11を得ることができる場合にも本実施形態は有効である。
例えば、基材11の4辺のうち、3つの辺11aは製造時に分断処理が施された箇所であり、残りの辺11bは分断処理が施されずに済んだ箇所とする。図16(a)〜(c)に示すように、アレイ基板1に設定された複数の基材形成領域1Bのうち、アレイ基板1の側縁に位置する基材形成領域1Cの場合、アレイ基板1の辺1bを基材11の辺11bとして利用することができる。製造時に分断されずに済んだ辺11b側には、分断時の衝撃による影響がほとんどないため、必ずしも間隙部47を設けなくてもよい。
このように、基材形成領域1Cのうち少なくとも分断処理が施されるスクライブラインSLに沿って間隙部47を設けることで、分断時の衝撃によって、カラーフィルター46と封止層34との界面で剥離が生じたとしても、間隙部47において剥離の進行を止めることができる。そのため、表示領域E0に形成されている第1カラーフィルター46Aには第2カラーフィルター46Bにおける剥離の影響が及ぶことがなく、封止層34と第1カラーフィルター46Aとの密着性が確保され、良好な表示を得ることができる。
よって、本実施形態によれば、表示信頼性の高い有機EL装置200を提供することができる。
なお、図14に示したように、連結カラーフィルター46Cの短手方向における幅Wは、できるだけ小さい寸法であることが望ましい。つまり、間隙部37をできるだけ基材11の辺11aに沿って延在させることによって、周縁側の剥離の影響が内部に進行するのを間隙部37においてより効果的に防止することができる。
また、本実施形態においては、基材11における外部接続端子40が形成されている辺11bを除いた他の3つの辺11aに沿って間隙部47を設けたが、これに限らず、辺11bに沿って部分的に間隙部47を設けてもよい。また、他の3つの辺11aのいずれか一辺を除いて間隙部47を設けてもよい。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態の有機EL装置について説明する。
図17は、第3実施形態の有機EL装置300における透明接着層(接着層)48の形成領域を示す平面図である。なお、図17においてはFPC43の図示を省略している。図18は、第3実施形態の有機EL装置300の全体構成を示す断面図である。図19(a)〜(d)は、第3実施形態の有機EL装置300の製造工程を示す概略断面図である。なお、図19(b)、(d)は、(a)、(c)に示す接合体61を90度回転させた図である。
以下に示す有機EL装置300の基本構成は、上記第2実施形態と略同様であるが、透明接着層48の形成領域において異なる。よって、以下の説明では、透明接着層48について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1〜図13と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
図17及び図18に示すように、本実施形態の有機EL装置300は、カラーフィルター46の上面と側面の一部とを覆うように形成された透明接着層48を備えている。透明接着層48は、基材11上に形成された外部接続端子40を露出させるようにして、その周辺が平面視で基材11の3つの辺11aと重なるように形成されている。
具体的には、カラーフィルター46における外部接続端子40側の側面4b以外の3つの側面4aが透明接着層48により覆われている。さらに、その下層にある封止層34においても、図18に示すように、外部接続端子40側の側面134b以外の3つの側面134aも透明接着層48により覆われている。
本実施形態では、図18に示すように、透明接着層48の膜厚方向(Z方向)における側面48Aの少なくとも一部が基材11の側面11Aと同一平面上にある。透明接着層48は、封止層34及びカラーフィルター46の周方向における側面の一部を覆っている。
本実施形態の有機EL装置300の製造方法では、保護ガラス60の貼り合せ工程を行うにあたり、先ず、図17及び図19(a)に示すように、カラーフィルター46の上面4c及び3つの側面4aを覆うとともに、アレイ基板1のスクライブライン(分断領域)SLにかかるように接着材を塗布する。このようにして、上記した透明接着層48の母材となる接着層49を素子形成領域1Aごとに形成する。ここでは、外部接続端子40にだけ接着材が掛からないように気を付ければよい。
その後、この接着層49を介して保護ガラス60をアレイ基板1上に貼り合せる。
次に、図19(b)、(c)に示すように、接合体61の保護ガラス60をダイシングブレード62により切断し、ロボットハンドにより切断したガラスを取り除く。保護ガラス60を切断し終えると、続けてダイシングブレード62により、スクライブラインSLに沿ってアレイ基板1を切断する。この際、スクライブラインSL上にある接着層49も同時に切断することになる。このようにして、複数のベース体300Aを形成する。この後、ベース体300Aの外部接続端子40に図2に示したFPC43を実装することで本実施形態の有機EL装置300が完成する。
上述したように、アレイ基板1の分断と同時に接着層49を切断することによって、分断によって得られた基材11の側面11Aと透明接着層48の側面48Aとが同一平面となる。以前は、対向基板41を貼り合せる際に接着層が基材11上に達するような場合には、接着層を避けるようにしてアレイ基板1を分断していたが、アレイ基板1上に達した接着層とともにアレイ基板1を分断することによって、接着層が存在しない部分で分断するよりも基材11の切り出しの大きさを小さくすることができる。基材11を小さくすることができれば、有機EL装置300の小型化を実現することができる。
また、本実施形態によれば、アレイ基板1のスクライブラインSLを気にすることなく接着材を塗布することができるため、塗布作業が容易になる。
なお、本実施形態の透明接着層48の構成は、上記各実施形態にも応用することが可能である。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態の有機EL装置について説明する。
図20は、第4実施形態の有機EL装置400の全体構成を示す平面図である。なお、図20においては、透明接着層42及びFPC43の図示を省略している。図21は、第4実施形態の有機EL装置400の全体構成を示す断面図である。図22及び図23は、第4実施形態の有機EL装置400の製造工程を示す概略断面図である。
以下に示す有機EL装置400の基本構成は、上記第1実施形態と略同様であるが、封止層とカラーフィルターの構造において異なる。よって、以下の説明では、封止層及びカラーフィルターの構造について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1〜図13と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
図20及び図21に示すように、有機EL装置400は、基材11上に、有機EL素子層38、封止層34、カラーフィルター56が順に形成されており、このカラーフィルター56を保護するために、透明接着層42を介して対向基板41が配置されている。本実施形態の有機EL装置400は、封止層34に連続する下地層45と、下地層45上に積層されカラーフィルター56に連続するダミーフィルター(第3カラーフィルター)39と、をさらに備えている。カラーフィルター56及び下地層45を貫通する開口からは、基材11上に形成された外部接続端子40が露出している。
下地層45は、封止層34の第1封止膜34aと第2封止膜34cとから構成されている。
カラーフィルター56は、図20に示すように、表示領域E0に形成された第1カラーフィルター56Aと、非表示領域E3に第1カラーフィルター56Aの周囲を囲むようにして形成された第2カラーフィルター56Bと、を有する。第1カラーフィルター56Aと第2カラーフィルター56Bとの間には、枠状の間隙部37が設けられている。
ダミーフィルター39は、カラーフィルター56に連続し、非表示領域E3の第2カラーフィルター56Bとは異なる領域に形成されている。具体的には、第2カラーフィルター56Bとの間で外部接続端子40を露出させるように形成されている。
本実施形態の有機EL装置400は、カラーフィルター56及びダミーフィルター39をマスクにして封止層34および下地層45をエッチングすることで得られたものである。
有機EL装置400を製造するには、先ず、図22(a)に示すように、基材形成領域1Bごとに有機EL素子30及び外部接続端子40が形成されたアレイ基板1上に、これら複数の有機EL素子30及び複数の外部接続端子40を覆う封止層形成膜340を形成する。ここでは、基材形成領域1Bごとではなく、アレイ基板1の表面全体に封止層形成膜340を形成する。
その後、封止層形成膜340の表面にカラーフィルター形成膜360を形成する。
次に、カラーフィルター形成膜360を露光・現像し、図22(b)に示すように基材形成領域1B毎にカラーフィルター56及びダミーフィルター39を形成する。この際、間隙部37と、外部接続端子40の大きさに対応する開口57と、が形成される
次に、カラーフィルター56をマスクとして利用し、封止層形成膜340をパターニングする。これにより、図22(c)に示すように、表示領域E0に封止層34を形成するとともに非表示領域E3に下地層45を形成する。また、このように開口57を介したエッチングによって封止層形成膜340の膜厚を貫通させることで、外部接続端子40を露出させる開口52を形成する。
ここで、間隙部37の大きさは、開口57の大きさに比べると小さい。このため、開口57の部分に比べて間隙部37の部分では封止層形成膜340のエッチングが進まず、封止層形成膜340の一部が残ることも考えられる。
次に、図23(a)に示すように、カラーフィルター56を覆うようにして透明接着層42を形成した後、これら透明接着層42を介して保護ガラス60をアレイ基板1上に貼り合せる。
その後、ダイシングブレードによって保護ガラス60を切断して、図23(b)に示すように、素子形成領域1Aごとに対向基板41を形成する。
続けて、ダイシングブレードにより、スクライブラインSLに沿ってアレイ基板1を切断する。このようにして、図23(c)に示すような複数のベース体400Aを形成する。
この後、ベース体400Aの外部接続端子40に、図2に示したFPC43を実装することで本実施形態の有機EL装置400が完成する。
本実施形態の有機EL装置400によれば、アレイ基板1における第1基板の取り個数を増やすためにアレイ基板1の表面全体に亘って封止層34を形成した場合であっても、カラーフィルター56及びダミーフィルター39をエッチングマスクとして利用して封止層34をパターニングし、外部接続端子40を露出させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。各実施形態の構成を適宜組み合わせてもよい。
例えば図24に示すように、第1カラーフィルター136Aと第2カラーフィルター136Bとの間に、これらの境界に沿って間隙部37と接続部51が交互に複数設けられていてもよい。
(電子機器)
次に、本実施形態の電子機器について、図25を参照して説明する。図25は、電子機器としてのヘッドマウントディスプレイを示す概略図である。
図25に示すように、本実施形態の電子機器としてのヘッドマウントディスプレイ(HMD:電子機器)1300は、左右の目に対応して設けられた2つの表示部1301を有している。観察者Mはヘッドマウントディスプレイ1300を眼鏡のように頭部に装着することにより、表示部1301に表示された文字や画像などを見ることができる。例えば、左右の表示部1301に視差を考慮した画像を表示すれば、立体的な映像を見て楽しむこともできる。
表示部1301には、上記した各実施形態の有機EL装置100,200,300,400のうちのいずれかが搭載されている。したがって、優れた表示品質を有すると共に、コストパフォーマンスに優れ小型で軽量なヘッドマウントディスプレイ1300を提供することができる。
ヘッドマウントディスプレイ1300は、2つの表示部1301を有することに限定されず、左右のいずれかに対応させた1つの表示部1301を備える構成としてもよい。
なお、上記各実施形態における有機EL装置100,200,300、400が搭載される電子機器は、ヘッドマウントディスプレイ1300に限定されない。例えば、パーソナルコンピューターや携帯型情報端末、ナビゲーター、ビューワー、ヘッドアップディスプレイなどの表示部を有する電子機器が挙げられる。
1…アレイ基板、1A…素子形成領域、11…基材(第1基板)、11A…基板の側面、30…有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)、34…封止層(封止層)、34a…第1封止膜(封止膜)、34b…平坦化膜(封止膜)、34c…第2封止膜(封止膜)、36,46,56…カラーフィルター、46A,56A,136A…第1カラーフィルター、46B,56B,136B…第2カラーフィルター、37,47…間隙部、39…ダミーフィルター(第3カラーフィルター)、40…外部接続端子、41…対向基板(第2基板)、42,48…透明接着層(接着層)、48A…接着層の側面、45…下地層、SL…スクライブライン(分断領域)

Claims (12)

  1. 第1基板の素子形成領域に形成された有機エレクトロルミネッセンス素子と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子に積層された封止層と、
    前記封止層に積層された、少なくとも前記素子形成領域に設けられた第1カラーフィルターと、前記第1カラーフィルターの外側に配置された第2カラーフィルターと、を有するカラーフィルターと、
    少なくとも前記第1カラーフィルター上に設けられる第2基板と、
    前記第1カラーフィルターと前記第2基板との間に設けられた絶縁材料からなる接着層と、を備え、
    前記第1カラーフィルターと前記第2カラーフィルターとの間の少なくとも一部に設けられた間隙部において前記封止層と前記接着層とが接していることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  2. 前記間隙部は、前記第1基板の法線方向から見て前記第2基板と重なる、
    請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  3. 前記間隙部は、前記素子形成領域の周囲を囲んで設けられている、
    請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  4. 矩形をなす前記第1基板の一辺に沿って外部接続端子が設けられ、
    前記間隙部は、前記第1基板における前記外部接続端子側の辺を除いた他の3辺に沿って設けられている、
    請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  5. 前記接着層の側面の少なくとも一部が前記第1基板の側面と同一平面上にある、
    請求項1からのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  6. 前記第1基板上の前記素子形成領域の外側に、前記封止層と同一材料からなる下地層と、前記下地層上に積層された第3カラーフィルターと、をさらに備え、
    前記封止層と前記下地層との間から前記第1基板上に形成された外部接続端子が露出している、
    請求項1からのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  7. 前記封止層は複数の封止膜で構成されており、前記複数の封止膜のうち前記第1カラーフィルターと接する封止膜は無機化合物で構成されてなる、
    請求項1からのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  8. 第1基板の素子形成領域に有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子上に封止層を形成する工程と、
    前記素子形成領域の前記封止層上に第1カラーフィルターを形成するとともに前記第1
    カラーフィルターの外側に第2カラーフィルターを形成する工程と、
    少なくとも前記第1カラーフィルター上に絶縁材料からなる接着層を介して第2基板を接着する工程と、を有し、
    前記第1カラーフィルター及び前記第2カラーフィルターを形成する工程において前記第1カラーフィルターと前記第2カラーフィルターとの間の少なくとも一部に間隙部を形成し、
    前記第2基板を接着する工程において、前記間隙部内に前記接着層を充填させることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  9. 前記有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程において、
    複数の前記第1基板の形成領域を有するアレイ基板上に、前記第1基板の形成領域ごとに前記有機エレクトロルミネッセンス素子を形成し、
    前記第1基板の形成領域の間の分断領域で前記アレイ基板を前記第1基板の形成領域ごとに分断する工程をさらに有する、
    請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  10. 記分断領域にまで前記接着層が達した状態で前記アレイ基板を分断する、
    請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  11. 前記第1カラーフィルター、前記第2カラーフィルター及び前記封止層は、110℃以下の温度で形成される、
    請求項から10のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  12. 上記請求項1からのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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