JP6337581B2 - 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス装置、及び電子機器 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス装置、及び電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP6337581B2
JP6337581B2 JP2014079187A JP2014079187A JP6337581B2 JP 6337581 B2 JP6337581 B2 JP 6337581B2 JP 2014079187 A JP2014079187 A JP 2014079187A JP 2014079187 A JP2014079187 A JP 2014079187A JP 6337581 B2 JP6337581 B2 JP 6337581B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
organic
pixel
sub
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014079187A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015201326A (ja
Inventor
正憲 岩▲崎▼
正憲 岩▲崎▼
野澤 陵一
陵一 野澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2014079187A priority Critical patent/JP6337581B2/ja
Publication of JP2015201326A publication Critical patent/JP2015201326A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6337581B2 publication Critical patent/JP6337581B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、当該製造方法で製造した有機エレクトロルミネッセンス装置、及び当該有機エレクトロルミネッセンス装置を搭載した電子機器に関する。
例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子を有する素子基板にカラーフィルター層が形成された有機エレクトロルミネッセンス装置が提案されている(特許文献1)。
特許文献1の有機エレクトロルミネッセンス装置は、有機エレクトロルミネッセンス素子が形成された素子基板と、当該素子基板に対向配置された封止基板とが、樹脂層(シール層、充填層など)で接着された構成を有している。有機エレクトロルミネッセンス素子は、封止層(保護膜、ガスバリア層など)で被覆され、当該封止層の上にカラーフィルター層が形成されている。カラーフィルター層は、青色の着色層、緑色の着色層、赤色の着色層を有し、有機エレクトロルミネッセンス素子で発した光の色純度を高めている。封止層は、有機エレクトロルミネッセンス素子への酸素や水分の侵入を防止する。つまり、封止層によって有機エレクトロルミネッセンス素子への水分などの侵入が抑制されるので、封止層の上にカラーフィルター層を形成することができる。
特許文献1の有機エレクトロルミネッセンス装置では、カラーフィルター層を素子基板に形成するので、カラーフィルター層を封止基板に形成する場合と比べて、カラーフィルター層を有機エレクトロルミネッセンス素子に近接して配置することができ、有機エレクトロルミネッセンス素子で発せられた光の取り出し効率を向上させることができる。
特開2008−66216号公報
特許文献1の有機エレクトロルミネッセンス装置では、カラーフィルター層を、有機エレクトロルミネッセンス素子が劣化しないように低温で形成する必要がある。このため、カラーフィルター層を低温で形成すると、カラーフィルター層を高温で形成する場合と比べて、カラーフィルター層と接着層との接着強度が弱くなり、カラーフィルター層と接着層とが剥がれやすいという課題があった。
また、カラーフィルター層を形成する工程では、少なくとも青色の着色層、緑色の着色層、及び赤色の着色層を形成する必要があり、カラーフィルター層を形成する工程が長くなり、生産性が悪いという課題があった。
さらに、有機エレクトロルミネッセンス素子と着色層とを組み合わせると、取り出される光の色純度を向上させることができるものの、着色層がない場合に比べて輝度が低下するという課題もあった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る有機エレクトロルミネッセンス装置は、第1基板と、前記第1基板に設けられた、第1有機エレクトロルミネッセンス素子及び第2有機エレクトロルミネッセンス素子と、前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子及び前記第2有機エレクトロルミネッセンス素子に積層された封止層と、前記封止層に積層されたカラーフィルターと、を有し、前記カラーフィルターは、前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なり、且つ前記第2有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重ならないように設けられていることを特徴とする。
カラーフィルターは、第1有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なり、且つ第2有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重ならないように設けられている。すなわち、第1有機エレクトロルミネッセンス素子にはカラーフィルターが形成され、第2有機エレクトロルミネッセンス素子にはカラーフィルターが形成されていない。従って、第2有機エレクトロルミネッセンス素子にカラーフィルターを形成する場合と比べて、カラーフィルターを形成する工程が簡素化され、カラーフィルターを形成する工程の生産性を高めることができる。
[適用例2]上記適用例に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置において、接着層と、第2基板とをさらに備え、前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なる領域では、前記第2基板は前記接着層を介して前記カラーフィルターに接着され、前記第2有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なる領域では、前記第2基板は前記接着層を介して前記封止層に接着されることが好ましい。
接着層は、カラーフィルターに接着されている部分と、封止層に接着されている部分とによって、第1基板に接着されている。例えば、カラーフィルターと接着層との接着強度が弱くなったとしても、接着層は封止層に接着されている部分を有しているので、接着層がカラーフィルター層だけに接着されている場合と比べて、接着層と第1基板との接着強度を強くすることができる。
[適用例3]上記適用例に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置において、前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なる領域と、前記第2有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なる領域との間に、前記封止層上に形成された透明層をさらに備えることが好ましい。
第1有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なる領域と、第2有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なる領域との間に、封止層上に形成された透明層を設けると、第1有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なる領域には封止層と透明層とで囲まれた第1の凹部が形成され、第2有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なる領域には封止層と透明層とで囲まれた第2の凹部が形成される。
第1の凹部はカラーフィルターを形成するための容器となり、第1の凹部にカラーフィルターを充填することによって、第1有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なる領域にカラーフィルターを安定して形成することができる。また、カラーフィルターの側面の少なくとも一部を透明層により保護できる。さらに、第2の凹部は接着層を充填する容器となり、第2の凹部に充填された接着層のアンカー効果によって、接着層と封止層との接着強度を強くするようにしてもよい。
[適用例4]上記適用例に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置において、前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子は、絶縁膜で覆われ前記絶縁膜に設けられた第1の開口で露出された第1の画素電極を有し、前記第2有機エレクトロルミネッセンス素子は、前記絶縁膜で覆われ前記絶縁膜に設けられた第2の開口で露出された第2の画素電極を有し、前記カラーフィルターは、前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なる領域と、前記第2有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なる領域との間に、第1の端部を有し、前記絶縁膜は、前記第1の端部に隣り合い前記第2の開口の一部をなす第2の端部を有し、前記カラーフィルターの膜厚は、前記第1の端部と前記第2の端部との間の寸法以上であることが好ましい。
カラーフィルターの膜厚は、第1基板から第2基板に向かう方向におけるカラーフィルターの寸法に相当する。第1の端部と第2の端部との間の寸法は、第1基板から第2基板に向かう方向と直交する方向における、カラーフィルターと第2の端部との離間距離に対応する。
カラーフィルターの膜厚を、第1の端部と第2の端部との間の寸法以上に設定すると、カラーフィルターの頂部及び第2の端部を結ぶ線と、第1基板から第2基板に向かう方向と直交する方向とがなす角度は、45度よりも大きくなる。つまり、カラーフィルターの頂部及び第2の端部を結ぶ線と、第1基板から第2基板に向かう方向とがなす角度は、45度よりも小さくなる。
よって、第1基板から第2基板に向かう方向に対してなす角度が45度よりも小さい光は、カラーフィルターの頂部の上(カラーフィルターの外側)を通過して第2の端部に入射するようになる。第1基板から第2基板に向かう方向に対してなす角度が45度以上の光は、カラーフィルターの頂部の下(カラーフィルターの内側)を通過して第2の端部に入射するようになる。
よって、第1基板から第2基板に向かう方向に対してなす角度が45度以上の光は、カラーフィルターの中(内部)を通過し、カラーフィルターの光吸収によって輝度が弱められて、第2の端部に入射するようになる。従って、第1基板から第2基板に向かう方向に対してなす角度が45度以上の光が、第2の端部に入射し、第2の端部で反射されることによる影響を小さくすることができる。
[適用例5]上記適用例に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置において、前記第2有機エレクトロルミネッセンス素子は、前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子よりも発光面積が小さいことが好ましい。
第2有機エレクトロルミネッセンス素子を第1有機エレクトロルミネッセンス素子よりも発光面積を小さくする。すなわち、第1有機エレクトロルミネッセンス素子を第2有機エレクトロルミネッセンス素子よりも発光面積を大きくすると、例えば第1有機エレクトロルミネッセンス素子が第2有機エレクトロルミネッセンス素子と同じ発光面積である場合と比べて、第1有機エレクトロルミネッセンス素子への電流負荷(例えば、電流密度)を小さくすることができる。
[適用例6]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置を備えていることを特徴とする。
上記適用例に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置は、第2有機エレクトロルミネッセンス素子にカラーフィルターを形成する場合と比べて、第1基板と接着層との接着強度が強くなり、第1基板が接着層から剥がれにくくなり、有機エレクトロルミネッセンス装置の信頼性を高めることができる。従って、上記適用例に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置を備えた電子機器の信頼性を高めることができる。例えば、ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、デジタルカメラの電子ビューファインダー、携帯型情報端末、ナビゲーターなどの表示部を有する電子機器に、上記適用例に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置を適用することができる。
[適用例7]本適用例に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、第1基板に、第1有機エレクトロルミネッセンス素子及び第2有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程と、前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子及び前記第2有機エレクトロルミネッセンス素子に封止層を積層する工程と、前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なり、且つ前記第2有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重ならないように、前記封止層上にカラーフィルターを積層する工程と、を有することを特徴とする。
第1有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なり、且つ第2有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重ならないようにカラーフィルターを形成する。すなわち、第1有機エレクトロルミネッセンス素子の側にカラーフィルターを形成し、第2有機エレクトロルミネッセンス素子の側にカラーフィルターを形成しない。従って、第2有機エレクトロルミネッセンス素子の側にカラーフィルターを形成する場合と比べて、カラーフィルターを形成する工程が簡素化され、カラーフィルターを形成する工程の生産性を高めることができる。
[適用例8]上記適用例に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なる領域では、接着層を介して第2基板を前記カラーフィルターに接着し、前記第2有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なる領域では、前記接着層を介して前記第2基板を前記封止層に接着する工程をさらに備えていることが好ましい。
第2基板は、接着層を介して、第1基板のカラーフィルターが形成されている部分、及び第1基板の封止層が形成されている部分に接着されている。例えば、第1基板のカラーフィルターが形成されている部分と接着層との接着強度が弱くなったとしても、接着層は、第1基板の封止層が形成されている部分に接着されているので、第1基板のカラーフィルターが形成されている部分だけに接着されている場合と比べて、第2基板と第1基板との接着強度を強くすることができる。
[適用例9]上記適用例に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、前記カラーフィルター及び前記封止層は、110℃以下の温度で形成されることが好ましい。
カラーフィルター及び封止層を、110℃以下の低温で形成することによって、有機発光層の劣化(熱劣化)を抑制することができる。
実施形態1に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の概要を示す概略平面図。 実施形態1に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の電気的な構成を示す等価回路図。 サブ画素の構成要素の状態を示す概略平面図。 図3のB−B線に沿った有機エレクトロルミネッセンス装置の概略断面図。 カラーフィルター層の状態を示す概略平面図。 図1のA−A線に沿った有機エレクトロルミネッセンス装置の概略断面図。 (a)は図3の破線で囲まれた領域Cの概略断面図、(b)は図3の破線で囲まれた領域Dの概略断面図。 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法を示す工程フロー。 図8に示す工程フローの各工程を経た後の状態を示す概略断面図。 図8に示す工程フローの各工程を経た後の状態を示す概略断面図。 実施形態2に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の構造を示す概略断面図。 実施形態2に係るカラーフィルター層の状態を示す概略平面図。 実施形態3に係るカラーフィルター層の状態を示す概略平面図。 実施形態4に係るカラーフィルター層の状態を示す概略平面図。 実施形態5に係る有機エレクトロルミネッセンス装置のサブ画素の配置状態を示す概略平面図。 カラーフィルター層に配置された隔壁の状態を示す概略平面図。 カラーフィルター層に配置された着色層の状態を示す概略平面図。 実施形態6に係るヘッドマウントディスプレイの概略図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の各図においては、各層や各部位を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部位の縮尺を実際とは異ならせしめてある。
(実施形態1)
「有機エレクトロルミネッセンス装置の概要」
実施形態1に係る有機エレクトロルミネッセンス(以降、ELと称す)装置100は、後述するヘッドマウントディスプレイの表示部に好適な自発光型のマイクロディスプレイである。
図1は、本実施形態に係る有機EL装置の概要を示す概略平面図である。図2は、本実施形態に係る有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る有機EL装置100の概要について、説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る有機EL装置100は、素子基板10と、保護基板40とを有している。両基板は、後述する接着層42(図4参照)によって接着されている。
なお、素子基板10は本発明における「第1基板」の一例である。保護基板40は、本発明における「第2基板」の一例である。
素子基板10は、青色光を発するサブ画素18Bと、緑色の光を発するサブ画素18Gと、赤色の光を発するサブ画素18Rとが配列された表示領域Eを有している。有機EL装置100では、サブ画素18Bとサブ画素18Gとサブ画素18Rとからなる画素19が表示単位となって、フルカラーの表示が提供される。
以降の説明では、サブ画素18B、サブ画素18G、及びサブ画素18Rを、サブ画素18と称する場合がある。
素子基板10の第1辺に沿って、複数の外部接続用端子103が配列されている。複数の外部接続用端子103と表示領域Eとの間には、データ線駆動回路15が設けられている。該第1辺と直交し互いに対向する他の第2辺、第3辺と表示領域Eとの間には、走査線駆動回路16が設けられている。
保護基板40は、素子基板10よりも小さく、外部接続用端子103が露出されるように配置されている。保護基板40は、透光性の絶縁基板であり、例えば石英基板やガラス基板などを使用することができる。本実施形態において、保護基板40の光透過率は好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。保護基板40は、表示領域Eに配置された後述する有機EL素子30(図2参照)が傷つかないように保護する役割を有し、表示領域Eよりも広く設けられている。
以降、当該第1辺に沿った方向をX方向とする。当該第1辺と直交し互いに対向する他の2辺(第2辺、第3辺)に沿った方向をY方向とする。素子基板10から保護基板40に向かう方向をZ方向とする。また、Z方向に沿って保護基板40側から見ることを平面視と呼ぶ。
表示領域Eには、カラーフィルター層36が設けられている。カラーフィルター層36は、青色の光を透過する着色層36B(以降、青色の着色層36Bと称す)と、赤色の光を透過する着色層36R(以降、赤色の着色層36Rと称す)と、後述する隔壁37(図4参照)とを有している。着色層36Bは、サブ画素18Bに配置され、Y方向に延びたストライプ形状をなしている。赤色の着色層36Rは、サブ画素18Rに配置され、Y方向に延びたストライプ形状をなしている。
なお、青色の着色層36Bは、本発明における「カラーフィルター」の一例である。
図2に示すように、有機EL装置100は、互いに交差する走査線12及びデータ線13と、電源線14とを有している。走査線12は走査線駆動回路16に電気的に接続され、データ線13はデータ線駆動回路15に電気的に接続されている。また、走査線12とデータ線13とで区画された領域にサブ画素18を有している。
サブ画素18は、有機EL素子30と、有機EL素子30の駆動を制御する画素回路20とを有している。
有機EL素子30は、画素電極31と、発光機能層32と、対向電極33とで構成される。画素電極31は、発光機能層に32に正孔を供給する陽極として機能する。対向電極33は、発光機能層32に電子を供給する陰極として機能する。画素電極31から供給される正孔と、対向電極33から供給される電子とが発光機能層32の中で結合し、発光機能層32が白色に発光する。
有機EL素子30は、サブ画素18Bに配置された第1有機EL素子30Bと、サブ画素18Gに配置された第2有機EL素子30Gと、サブ画素18Rに配置された第3有機EL素子30Rとで構成される。
画素回路20は、スイッチング用トランジスター21と、容量22と、駆動用トランジスター23とを含んでいる。2つのトランジスター21,23は、例えばnチャネル型もしくはpチャネル型トランジスターを用いて構成することができる。
スイッチング用トランジスター21のゲートは、走査線12に電気的に接続されている。スイッチング用トランジスター21のソースは、データ線13に電気的に接続されている。スイッチング用トランジスター21のドレインは、駆動用トランジスター23のゲートに電気的に接続されている。
駆動用トランジスター23のドレインは、有機EL素子30の画素電極31に電気的に接続されている。駆動用トランジスター23のソースは、電源線14に電気的に接続されている。駆動用トランジスター23のゲートと電源線14との間には、容量22が電気的に接続されている。
走査線12が駆動されてスイッチング用トランジスター21がオン状態になったタイミングで、データ線13から供給される画像信号に基づく電位がスイッチング用トランジスター21を介して容量22に保持される。容量22の電位すなわち駆動用トランジスター23のゲート電位に応じて、駆動用トランジスター23のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用トランジスター23がオン状態になると、駆動用トランジスター23を介して、電源線14から有機EL素子30にゲート電位に応じた量の電流が流れる。有機EL素子30は、発光機能層32に流れる電流量に応じて発光する。
「サブ画素の概要」
図3は、サブ画素の構成要素の状態を示す概略平面図である。図3には、サブ画素18の構成要素のうち反射層25と、画素電極31と、絶縁膜28(図4参照)の開口28CTとが図示され、他の構成要素の図示は省略されている。
また、後述のように、画素電極31はサブ画素18毎に設けられ、発光機能層32及び対向電極33は複数のサブ画素18に亘って連続して設けられている。そして、発光機能層32及び対向電極33はサブ画素18毎に区分はないが、便宜上、サブ画素18毎に有機EL素子30が設けられていると説明している。さらに、反射層(第1反射層)25は、複数のサブ画素18に亘って連続して形成してもよいし、サブ画素18毎に形成してもよい。
次に、図3を参照してサブ画素18の概要(構成要素の状態)を説明する。
詳細は後述するが、反射層25、画素電極31、及び絶縁膜28は、この順でZ方向に配置されている(図4参照)。
図3に示すように、反射層25は、サブ画素18B、サブ画素18G、及びサブ画素18Rに跨って配置されている。つまり、反射層25は表示領域Eの全体に配置されている。反射層25は、サブ画素18B、サブ画素18G、及びサブ画素18Rのそれぞれに開口25CTを有している。
なお、反射層25は、電源線14の一部をなす。
サブ画素18のそれぞれに島状の画素電極31が配置されている。詳しくは、サブ画素18Bには画素電極31Bが配置され、サブ画素18Gには画素電極31Gが配置され、サブ画素18Rには画素電極31Rが配置されている。画素電極31は、平面視で反射層25の開口25CTと重なるように配置されている。図示を省略するが、反射層25の開口25CTの内側には、画素電極31と駆動用トランジスター23とを電気的に接続するためのコンタクト部が設けられている。
なお、画素電極31Bは本発明における「第1の画素電極」の一例であり、画素電極31Gは本発明における「第2の画素電極」の一例である。
画素電極31の周縁部を覆うように、絶縁膜28が設けられている。絶縁膜28には、画素電極31を露出させる開口28CTが形成されている。詳しくは、サブ画素18Bには画素電極31Bを露出する開口28BCTが形成され、サブ画素18Gには画素電極31Gを露出する開口28GCTが形成され、サブ画素18Rには画素電極31Rを露出する開口28RCTが形成されている。
なお、開口28BCTは本発明における「第1の開口」の一例であり、開口28GCTは本発明における「第2の開口」の一例である。また、開口28CTは、開口28BCT、開口28GCT、及び開口28RCTの総称である。
さらに、開口28GCTは、サブ画素18Bに近い側に配置されたY方向に沿った端部G1と、サブ画素18Rに近い側に配置されたY方向に沿った端部G2とを有している。
なお、端部G1は、本発明における「第2の端部」の一例である。
詳細は後述するが、開口28CTで露出された画素電極31の上に発光機能層32と対向電極33とが順に積層され、有機EL素子30が形成されている(図4参照)。詳しくは、サブ画素18Bには、開口28BCTで露出された画素電極31Bの上に発光機能層32と対向電極33とが順に積層され、第1有機EL素子30Bが形成されている。サブ画素18Gには、開口28GCTで露出された画素電極31Gの上に発光機能層32と対向電極33とが順に積層され、第2有機EL素子30Gが形成されている。サブ画素18Rには、開口28RCTで露出された画素電極31Rの上に発光機能層32と対向電極33とが順に積層され、第3有機EL素子30Rが形成されている。
開口28CTで露出された画素電極31から発光機能層32に正孔が供給されて、発光機能層32(有機EL素子30)が発光する。すなわち、開口28CTが設けられた領域は、有機EL素子30が形成される領域であり、発光機能層32が発光する発光領域V1となる。
絶縁膜28で覆われた領域では、画素電極31から発光機能層32への正孔の供給が抑制され、発光機能層32の発光が抑制される。すなわち、絶縁膜28が設けられた領域が、発光機能層32の発光が抑制された発光抑制領域V2となる。
「有機EL装置の断面構造」
図4は、図3のB−B線に沿った有機EL装置の概略断面図である。図5は、図3に対応する図であり、カラーフィルター層の状態を示す概略平面図である。
図5には、カラーフィルター層36の形成位置を明確にするために、反射層25の開口25CT及び絶縁膜28の開口28CTも図示されている。
次に、図4及び図5を参照して、有機EL装置100の断面構造を説明する。
図4に示すように、有機EL装置100では、素子基板10と、接着層42と、保護基板40とが、Z方向に順に積層されている。
素子基板10は、基板11と、基板11にZ方向に順に積層された反射層25と、光学的距離調整層26と、有機EL素子30と、封止層34と、カラーフィルター層36とを有している。
基板11は、例えばシリコンからなる基板に、走査線12、データ線13、電源線14、データ線駆動回路15、走査線駆動回路16、スイッチング用トランジスター21、容量22、駆動用トランジスター23(図2参照)などが、公知技術によって形成されたトランジスター基板である。
なお、基板11の母材は、シリコンに限定されず、例えば石英やガラスなどの透光性を有する絶縁基板であってもよい。
反射層25は、発光機能層32で発した光を反射する一対の反射層の中の一方の反射層である。反射層25は、反射率の高い材料によって形成され、複数のサブ画素18に跨って配置されている。反射層25の形成材料としては、例えばアルミニウムや銀などを使用することができる。本実施形態において、反射層25の光反射率は好ましくは40%以上、より好ましくは80%以上である。
光学的距離調整層26は、第1絶縁膜26a、第2絶縁膜26b、及び第3絶縁膜26cで構成される。第1絶縁膜26aは、反射層25の上に設けられ、サブ画素18Bとサブ画素18Gとサブ画素18Rとに配置されている。第2絶縁膜26bは、第1絶縁膜26aの上に設けられ、サブ画素18Gとサブ画素18Rとに配置されている。第3絶縁膜26cは、第2絶縁膜26bの上に設けられ、サブ画素18Rに配置されている。
すなわち、サブ画素18Bの光学的距離調整層26は第1絶縁膜26aで構成され、サブ画素18Gの光学的距離調整層26は第1絶縁膜26aと第2絶縁膜26bとで構成され、サブ画素18Rの光学的距離調整層26は第1絶縁膜26aと第2絶縁膜26bと第3絶縁膜26cとで構成されている。その結果、光学的距離調整層26の膜厚は、サブ画素18B、サブ画素18G、サブ画素18Rの順に大きくなっている。
上述したように、有機EL素子30は、Z方向に順に積層された画素電極31と、発光機能層32と、対向電極33とで構成される。
画素電極31は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの光透過性材料で構成され、サブ画素18毎に島状に形成されている。本実施形態において、画素電極31の光透過率は好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上である。
発光機能層32は、表示領域Eの全域を覆うように配置されている。発光機能層32は、Z方向に順に積層された正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、及び電子輸送層などを有している。有機発光層は、赤色、緑色、及び青色の光成分を有する光を発する。有機発光層は、単層で構成してもよいし、複数の層(例えば、青色で発光する青色発光層と、赤色及び緑色を含む光を発する黄色発光層)で構成してもよい。
対向電極33は、表示領域Eの全域を覆うように配置されている。対向電極33は、例えばマグネシウムと銀との合金などで構成され、光透過性と光反射性とを有している。対向電極33は、発光機能層32で発した光を反射する一対の反射層の中の他方の反射層である。本実施形態において、対向電極33の光透過率は好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、対向電極33の光反射率は好ましくは20%以上、より好ましくは50%以上である。
絶縁膜28は、例えば酸化シリコンで構成され、画素電極31の周縁部を覆うように配置されている。上述したように、絶縁膜28は、画素電極31を露出する開口28CTを有し、開口28CTが設けられた領域は発光機能層32が発光する発光領域V1(有機EL素子30が形成された領域)となり、絶縁膜28が設けられた領域は発光機能層32の発光が抑制された発光抑制領域V2となる。
封止層34は、Z方向に順に積層された第1封止層34aと、平坦化層34bと、第2封止層34cとで構成されている。なお、封止層34のガスバリア性としては、有機EL素子30を大気中の酸素および水等から保護することが可能な程度であれば特に限定されないが、酸素透過度が0.01cc/m2/day以下であることが好ましく、水蒸気透過度が7×10−3g/m2/day以下、中でも5×10−4g/m2/day以下、特に5×10−6g/m2/day以下であることが好ましい。封止層34の光の透過率は、対向電極33からの射出光に対し80%以上であることが好ましい。封止層34は、有機EL素子30を覆い、素子基板10の略全面に設けられている。なお、封止層34には、外部接続用端子103(図1参照)を露出させる開口(図示省略)が設けられている。
第1封止層34a及び第2封止層34cは、例えば公知技術のプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて形成されたシリコン酸窒化物で構成され、水分や酸素に対して高いバリア性を有している。
平坦化層34bは、例えばエポキシ系樹脂や塗布型の無機材料(シリコン酸化物など)などで構成されている。平坦化層34bは、第1封止層34aの欠陥(ピンホール、クラック)や異物などを被覆し、平坦な面を形成する。
図4及び図5に示すように、第2封止層34cの上にカラーフィルター層36が設けられている。カラーフィルター層36は、青色の着色層36Bと、赤色の着色層36Rと、隔壁37とで構成される。
隔壁37は、透光性材料(例えば、アクリル樹脂)で構成され、透光性を有している。隔壁37は、例えば、カラーフィルター層36から着色材料を除いた材料であり、カラーフィルター層36の主材料は同じものを用いている。また、隔壁37の光の透過率は、対向電極33からの射出光に対し80%以上であることが好ましい。隔壁37は、発光抑制領域V2の第2封止層34cの上に配置され、Y方向に延びたストライプ形状をなしている。詳しくは、隔壁37は、第1有機EL素子30B(開口28BCT)と平面視重なる領域と第2有機EL素子30G(開口28GCT)と平面視重なる領域との間、第2有機EL素子30G(開口28GCT)と平面視重なる領域と第3有機EL素子30R(開口28RCT)と平面視重なる領域との間、及び第1有機EL素子30B(開口28BCT)と平面視重なる領域と第3有機EL素子30R(開口28RCT)と平面視重なる領域との間の第2封止層34cの上に配置されている。図4のように、隔壁37は、青色の着色層36Bの側面の少なくとも一部や赤色の着色層36Rの側面の少なくとも一部と接するように設けられている。そして、隔壁37は、青色の着色層36Bや赤色の着色層36Rの少なくとも一部を保護するように構成してもよい。
なお、隔壁37は、本発明における「透明層」の一例である。
青色の着色層36Bは、サブ画素18Bに配置され、平面視で隔壁37の一部を覆うように形成されている。青色の着色層36Bは、第1有機EL素子30B(開口28BCT)と平面視重なり、Y方向に延びたストライプ形状をなしている。また、青色の着色層36Bは、サブ画素18Gの側にY方向に沿った端部B1を有している。
なお、端部B1は、本発明における「第1の端部」の一例である。
赤色の着色層36Rは、サブ画素18Rに配置され、平面視で隔壁37の一部を覆うように形成されている。赤色の着色層36Rは、第3有機EL素子30R(開口28RCT))と平面視重なり、Y方向に延びたストライプ形状をなしている。また、赤色の着色層36Rは、サブ画素18Gの側にY方向に沿った端部R1を有している。
サブ画素18Gには、発光抑制領域V2に隔壁37が設けられ、発光領域V1(第2有機EL素子30G)に着色層が設けられていない。換言すれば、青色の着色層36B及び赤色の着色層36Rは、第2有機EL素子30Gと平面視重ならないように設けられている。
さらに、サブ画素18Gには、隔壁37と第2封止層34cとで囲まれた凹部C2が形成されている。
図4に示すように、素子基板10と保護基板40との間に、接着層42が配置されている。接着層42は、素子基板10と保護基板40とを接着する役割を有し、例えばエポキシ樹脂やアクリル樹脂などで構成される。
サブ画素18Bにおいて、第1有機EL素子30Bと平面視重なる領域では、保護基板40は接着層42を介して着色層36Bに接着されている。サブ画素18Rにおいて、第3有機EL素子30Rと平面視重なる領域では、保護基板40は接着層42を介して着色層36Rに接着されている。
サブ画素18Gにおいて、第2有機EL素子30Gと平面視重なる領域では、保護基板40は接着層42を介して第2封止層34cに接着されている。詳しくは、サブ画素18Gでは、隔壁37と第2封止層34cとで囲まれた凹部C2の中に接着層42が充填され、保護基板40と第2封止層34cとが接着されている。
詳細は後述するが、カラーフィルター層36は、有機EL素子30の熱劣化を抑制するために、110℃以下の低温で形成された樹脂(例えば、アクリル樹脂)である。カラーフィルター層36が110℃以下の低い温度で形成される場合、カラーフィルター層36が110℃よりも高い温度で形成される場合と比べて、カラーフィルター層36と接着層42との接着強度が弱くなる。さらに、第2封止層34c(封止層34)も、有機EL素子30の熱劣化を抑制するために、110℃以下の低温で形成されている。第2封止層34cは、無機材料(例えば、シリコン酸窒化物)で構成され、樹脂で構成されるカラーフィルター層36と比べて、接着層42との接着強度が強い。
サブ画素18Gでは、接着層42が無機材料で構成された部分(第2封止層34c)に接着されているので、接着層42が全て樹脂で構成された部分(カラーフィルター層36)に接着されている場合と比べて、素子基板10と接着層42との接着強度を強くすることができる。
さらに、サブ画素18Gでは、接着層42が隔壁37と第2封止層34cとで囲まれた凹部C2の中に充填されているので、凹部C2の中に充填された接着層42のアンカー効果によって、凹部C2の中に接着層42を充填しない場合と比べて、素子基板10と接着層42との接着強度を強くすることができる。
さらに、サブ画素18Gに形成された凹部C2によって、素子基板10と接着層42との接触面積(接着面積)が大きくなるので、凹部C2が形成されていない場合と比べて、素子基板10と接着層42との接着強度を強くすることができる。
このように、サブ画素18Gに着色層を形成しないことによって、サブ画素18Gに着色層を形成する場合と比べて、素子基板10と接着層42との接着強度を強くし、素子基板10と接着層42とを剥がれにくくすることができる。
「光共振構造」
発光領域V1では、光反射性を有する反射層25と、光学的距離調整層26と、画素電極31と、発光機能層32と、対向電極33とが、Z方向に順に積層されている。発光機能層32で発した光は、反射層25と対向電極33との間で繰り返し反射され、反射層25と対向電極33との間の光学的距離に対応する特定波長(共振波長)の光の強度が増幅され、表示光として保護基板40からZ方向に射出される。
光学的距離調整層26は、反射層25と対向電極33との間の光学的距離を調整する役割を有している。サブ画素18Bでは、共振波長(輝度が最大となるピーク波長)が例えば470nmとなるように、光学的距離調整層26の膜厚が設定されている。サブ画素18Gでは、共振波長が例えば540nmとなるように、光学的距離調整層26の膜厚が設定されている。サブ画素18Rでは、共振波長が例えば610nmとなるように、光学的距離調整層26の膜厚が設定されている。
その結果、サブ画素18Bから470nmをピーク波長とする青色の光が発せられ、サブ画素18Gから540nmをピーク波長とする緑色の光が発せられ、サブ画素18Rから610nmをピーク波長とする赤色の光が発せられる。換言すれば、有機EL装置100は、特定波長の光の強度を増幅する光共振構造を有し、サブ画素18Bでは発光機能層32が発する白色の光から青色の光成分を取り出し、サブ画素18Gでは発光機能層32が発する白色の光から緑色の光成分を取り出し、サブ画素18Rでは発光機能層32が発する白色の光から赤色の光成分を取り出している。
サブ画素18Gでは、光共振構造によって着色層を設けなくても色純度に優れた緑色の光を発することができる。さらに、サブ画素18Gでは、着色層が設けられていないので、着色層を設ける場合と比べてサブ画素18Gで発せられる輝度を高めることができる。
サブ画素18Bでは、光共振構造及び青色の着色層36Bを組み合わせることによってサブ画素18Bで発せられる青色の光の色純度を高めている。サブ画素18Rでは、光共振構造及び赤色の着色層36Rを組み合わせることによってサブ画素18Rで発せられる赤色の光の色純度を高めている。
「好ましい着色層の膜厚」
図6は、図1のA−A線に沿った有機EL装置の概略断面図であり、有機EL素子で発せられた光の状態が模式的に示されている。図7(a)は、図3の破線で囲まれた領域Cの概略断面図である。図7(b)は、図3の破線で囲まれた領域Dの概略断面図である。
なお、図6では、素子基板10の構成要素のうち反射層25と有機EL素子30と封止層34とが図示され、素子基板10の他の構成要素の図示が省略されている。図7では、素子基板10が図示され、接着層42及び保護基板40の図示が省略されている。
図6に示すように、有機EL素子30で発せられた光L1の大部分は、光L2(屈折光)として保護基板40から大気71の側に射出され、有機EL素子30で発せられた光L1の一部は保護基板40と大気71との界面で反射され、光L3(反射光)として素子基板10の側に向かう。
光L1とZ方向とがなす角度をθ1、光L2とZ方向とがなす角度をθ2、保護基板40の屈折率をn1、大気71の屈折率をn2とすると、スネルの法則によって以下に示す式(1)が成り立つ。
n1sinθ1=n2sinθ2…(1)
式(1)より、光L1とZ方向とがなす角度θ1は、以下に示す式(2)で表される。
θ1=sin-1((n2sinθ2)/n1)…(2)
光L2とZ方向とがなす角度θ2が90度よりも大きくなる条件は、光L1が大気71の側に射出されない条件、つまり光L1が保護基板40と大気71との界面で全反射される条件に該当する。すなわち、式(2)において角度θ2が90度である場合の角度θ1は、保護基板40と大気71との界面で光L1の全反射が生じる臨界角αとなる。
保護基板40の屈折率n1(概略1.4〜1.5)、大気71の屈折率n2(概略1)、及び全反射が生じる場合の角度θ2(90度)を式(2)に代入すると、保護基板40と大気71との界面で光L1の全反射が生じる臨界角αを求めることができる。本実施形態における臨界角αは、概略45度である。
光L1とZ方向とがなす角度θ1が臨界角α(概略45度)である場合、光L1は保護基板40と大気71との界面で全反射され、光L3(反射光)として素子基板10の側に向かう。
すなわち、角度θ1が臨界角αよりも小さい場合、有機EL素子30で発せられた光L1の一部が、保護基板40と大気71との界面で反射され、素子基板10の側に向かう。角度θ1が臨界角αである場合、有機EL素子30で発せられた光L1は、保護基板40と大気71との界面で全反射され、素子基板10の側に向かう。角度θ1が臨界角αよりも大きい場合、有機EL素子30で発せられた光L1は、保護基板40と大気71との界面で全反射され、素子基板10の側に向かう。
このため、角度θ1が臨界角αよりも小さい場合と比べて、角度θ1が臨界角αと同じまたは臨界角αより大きい場合に、素子基板10の側に向かう光L3(反射光)の輝度が極めて大きくなる。
なお、光L1とZ方向とがなす角度θ1と、光L3とZ方向とがなす角度は同じである。例えば、角度θ1が臨界角α(45度)である場合Z方向となす角度が臨界角α(45度)の光L3が素子基板10の側に向かい、角度θ1が70度である場合Z方向となす角度が70度の光L3が素子基板10の側に向かう。
保護基板40と大気71との界面で反射された光L3が、絶縁膜28の開口28CTの端部に入射すると、絶縁膜28の開口28CTの端部で反射され、Z方向の側に向かい、表示に悪影響を及ぼす恐れがある。
詳しくは、角度θ1が臨界角αと同じまたは臨界角αより大きい場合の光L3は、角度θ1が臨界角αより小さい場合の光L3よりも輝度が格段に大きいので、角度θ1が臨界角αと同じまたは臨界角αより大きい場合の光L3が、絶縁膜28の開口28CTの端部に入射すると、絶縁膜28の開口28CTの端部で反射され、表示に悪影響を及ぼす恐れがある。
サブ画素18B及びサブ画素18Rでは、絶縁膜28の開口28CTの端部が着色層36B,36Rで覆われている。保護基板40と大気71との界面で反射された光L3は、着色層36B,36Rの中を通過し、光の輝度が弱められて絶縁膜28の開口28CTの端部に入射するので、表示に悪影響を及ぼす恐れは少ない。
サブ画素18Gでは、絶縁膜28の開口28CTの端部が着色層で覆われていないので、サブ画素18B及びサブ画素18Rと比べて、保護基板40と大気71との界面で反射された光L3の輝度が高くなるので、当該光L3が絶縁膜28の開口28CTの端部に入射すると表示に悪影響を及ぼす恐れがある。つまり、サブ画素18Gにおいて、角度θ1が臨界角αと同じまたは臨界角αより大きい場合の光L3は、絶縁膜28の開口28CTの端部に入射すると表示に悪影響を及ぼす恐れがある。
本実施形態では、サブ画素18Gにおける光L3の表示への悪影響を小さくするように、青色の着色層36B及び赤色の着色層36Rの膜厚が設定されている。以下に、図7を参照してその詳細を説明する。
図7では、Z方向となす角度θ1が臨界角α(概略45度)である場合に、保護基板40と大気71との界面で反射された光に符号L3Aを附している。Z方向となす角度θ1が臨界角α(概略45度)よりも大きい場合に、保護基板40と大気71との界面で反射された光に符号L3Bを附している。
つまり、図7において、光L3AとZ方向とがなす角度は概略45度であり、光L3BとZ方向とがなす角度は概略45よりも大きい。
図7(a)に示すように、サブ画素18Bとサブ画素18Gとの境界には隔壁37が配置され、さらにサブ画素18Bの側に青色の着色層36Bが隔壁37の一部を覆うように配置されている。光L3A及び光L3Bが、青色の着色層36Bの中を通過して、開口28GCTの端部G1に入射するようにすると、光L3A及び光L3Bの輝度が弱められ、絶縁膜28の開口28CTの端部G1で反射された光が、表示に悪影響を及ぼす恐れが少なくなる。
光L3AとZ方向とがなす角度は臨界角α(概略45度)であるので、青色の着色層36Bの膜厚(Z方向寸法)BD1を、青色の着色層36Bの端部B1と開口28GCTの端部G1との間隔(X方向寸法)BD2よりも大きくすると、光L3Aは、青色の着色層36Bの中を通過して、開口28GCTの端部G1に入射するようになる。さらに、青色の着色層36Bの膜厚(Z方向寸法)BD1が、青色の着色層36Bの端部B1と開口28GCTの端部G1との間隔(X方向寸法)BD2よりも大きい条件では、Z方向となす角度が臨界角α(概略45度)よりも大きい光L3Bも、青色の着色層36Bの中を通過して、開口28GCTの端部G1に入射するようになる。
よって、光L3A及び光L3Bは、青色の着色層36Bで吸収され、絶縁膜28の開口28CTの端部G1に入射する光L3A及び光L3Bの輝度が弱められているので、絶縁膜28の開口28CTの端部G1で反射された光が、表示に悪影響を及ぼす恐れが少なくなる。
従って、本実施形態では、青色の着色層36Bの膜厚BD1は、青色の着色層36Bの端部B1と開口28GCTの端部G1との間隔BD2よりも大きくなっている。すなわち、青色の着色層36Bの膜厚BD1は、青色の着色層36Bの端部B1と開口28GCTの端部G1との間隔BD2よりも大きいほうが好ましい。
同様に、図7(b)に示すように、赤色の着色層36Rの膜厚(Z方向寸法)RD1を、赤色の着色層36Rの端部R1と開口28GCTの端部G2との間隔(X方向寸法)BD2よりも大きくすると、光L3Aは、赤色の着色層36Rの中を通過して、開口28GCTの端部G2に入射するようになる。さらに、赤色の着色層36Rの膜厚(Z方向寸法)BD1が、赤色の着色層36Rの端部R1と開口28GCTの端部G2との間隔(X方向寸法)RD2よりも大きい条件では、Z方向となす角度が臨界角α(概略45度)よりも大きい光L3Bも、赤色の着色層36Rの中を通過して、開口28GCTの端部G2に入射するようになる。
よって、光L3A及び光L3Bは、赤色の着色層36Rで吸収され、絶縁膜28の開口28CTの端部G2に入射する光L3A及び光L3Bの輝度が弱められているので、絶縁膜28の開口28CTの端部G2で反射された光が、表示に悪影響を及ぼす恐れが少なくなる。
従って、本実施形態では、赤色の着色層36Rの膜厚RD1は、赤色の着色層36Rの端部R1と開口28GCTの端部G2との間隔RD2よりも大きくなっている。すなわち、赤色の着色層36Rの膜厚RD1は、赤色の着色層36Rの端部R1と開口28GCTの端部G2との間隔RD2よりも大きいほうが好ましい。
「有機EL装置の製造方法」
図8は、有機EL装置の製造方法を示す工程フローである。図9及び図10は、図8に示す工程フローの各工程を経た後の状態を示す概略断面図である。
以下に、図8乃至図10を参照して、有機EL装置100の製造方法の概要を説明する。
図8に示すように、有機EL装置100の製造方法は、画素電極31を形成する工程(ステップS1)と、絶縁膜28を形成する工程(ステップS2)と、発光機能層32を形成する工程(ステップS3)と、対向電極33を形成する工程(ステップS4)と、封止層34を形成する工程(ステップS5)と、隔壁37を形成する工程(ステップS6)と、青色の着色層36Bを形成する工程(ステップS7)と、赤色の着色層36Rを形成する工程(ステップS8)とを含んでいる。
図9(a)に示すように、ステップS1では、例えば公知技術のスパッタ法でITOを堆積し、公知技術のドライエッチングを用いてパターニングすることによって、サブ画素18B、サブ画素18G、及びサブ画素18Rのそれぞれに島状の画素電極31を形成する。
詳しくは、サブ画素18Bでは、第1絶縁膜26aで構成された光学的距離調整層26の上に画素電極31Bを形成する。サブ画素18Gでは、第1絶縁膜26aと第2絶縁膜26bとで構成された光学的距離調整層26の上に画素電極31Gを形成する。サブ画素18Rでは、第1絶縁膜26aと第2絶縁膜26bと第3絶縁膜26cとで構成された光学的距離調整層26の上に画素電極31Rを形成する。
図9(b)に示すように、ステップS2では、例えば公知技術のプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)で酸化シリコンを堆積し、公知技術のドライエッチングを用いてパターニングすることによって、画素電極31の周縁部を覆う絶縁膜28を形成する。絶縁膜28には、サブ画素18Bの画素電極31Bを露出する開口28BCT、サブ画素18Gの画素電極31Gを露出する開口28GCT、及びサブ画素18Rの画素電極31Rを露出する開口28RCTが形成されている。開口28BCT,28GCT,28RCTが設けられた領域が発光領域V1となり、絶縁膜28が設けられた領域が発光抑制領域V2となる。
図9(c)に示すように、ステップS3では、例えば公知技術の蒸着法で正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層などを順に堆積して、発光機能層32を形成する。
図9(d)に示すように、ステップS4では、例えば公知技術のスパッタ法でマグネシウムと銀との合金を堆積し、対向電極33を形成する。マグネシウムと銀との合金を、概略20nm以下に薄膜化することによって、光反射性と光透過性とを兼ね備える対向電極33を形成することができる。
このように、ステップS1〜ステップS4を経て、発光領域V1に画素電極31と発光機能層32と対向電極33とが積層された有機EL素子30を形成する。つまり、ステップS1〜ステップS4によって、サブ画素18Bの発光領域V1に第1有機EL素子30Bを形成し、サブ画素18Gの発光領域V1に第2有機EL素子30Gを形成し、サブ画素18Rの発光領域V1に第3有機EL素子30Rを形成する。
なお、上述したステップS1〜ステップS4は、本発明における「第1有機エレクトロルミネッセンス素子及び第2有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程」の一例である。
図9(e)に示すように、ステップS5では、例えば公知技術のプラズマCVDで酸窒化シリコンを堆積して、有機EL素子30を覆う第1封止層34aを形成する。続いて、エポキシ樹脂または無機材料(シリコン酸化物)などを塗布形成し、焼成して平坦化層34bを形成する。続いて、例えば公知技術のプラズマCVDで酸窒化シリコンを堆積して、第2封止層34cを形成する。
平坦化層34bは、第1封止層34aよりも柔軟な材料で構成され、クラックが生じにくく、厚く形成することができる。例えば、第1封止層34aに欠陥を発生させる異物が存在した場合に、当該異物は平坦化層34bで埋め込まれ(被覆され)、続いて形成する第2封止層34cに悪影響を及ばさないようになる。すなわち、第1封止層34aにピンホールやクラックなどの欠陥が発生したとしても、当該欠陥は平坦化層34bで被覆され、第2封止層34cにピンホールやクラックなどの欠陥が生じにくくなる。
なお、第1封止層34a、平坦化層34b、及び第2封止層34cは、発光機能層32が熱劣化しないように、110℃または110℃よりも低い温度で形成されている。すなわち、第1封止層34a、平坦化層34b、及び第2封止層34cを形成する工程のプロセス温度は、いずれも110℃以下である。
このように、ステップS5は、第1封止層34aと平坦化層34bと第2封止層34cとによって、有機EL素子30(第1有機EL素子30B、第2有機EL素子30G、第3有機EL素子30R)を覆う封止層34を形成する工程である。
図10(a)に示すように、ステップS6では、透明な感光性レジスト、詳しくは増感剤などを含む色味を帯びた透光性の感光性レジストを塗布し、これをフォトリソグラフィー法で露光・現像し、焼成して、隔壁37を形成する。
詳しくは、透明な感光性レジストをスピンコート法で塗布し、乾燥することにより、透明な感光性樹脂層を形成する。透明な感光性樹脂層は、例えばネガ型の感光性のアクリル系樹脂で構成され、光が照射された(露光された)領域が不溶化する。透明な感光性樹脂層は、後述する青色の着色層36B及び赤色の着色層36Rを形成する工程で使用する感光性樹脂層と、同じ材料で構成されている。隔壁37を形成する領域に光を照射し(露光し)、例えば現像液をノズルから吐出し、未露光の感光性樹脂層を除去する。続いて、例えば純水をノズルから吐出し、不溶化した感光性樹脂層を洗浄した後に焼成し、硬化させて、隔壁37を形成する。なお、隔壁37は、発光機能層32が熱劣化しないように、110℃または110℃よりも低い温度で焼成されている。つまり、隔壁37を形成する工程のプロセス温度は、110℃以下である。
隔壁37は、発光抑制領域V2に形成される。つまり、サブ画素18Bとサブ画素18Gとの境界、サブ画素18Gとサブ画素18Rとの境界、及びサブ画素18Bとサブ画素18Rとの境界のそれぞれに、Y方向に延びたストライプ形状の隔壁37を形成する。その結果、サブ画素18Bには、隔壁37と第2封止層34cとで囲まれた凹部C1が形成され、サブ画素18Gには、隔壁37と第2封止層34cとで囲まれた凹部C2が形成され、サブ画素18Rには、隔壁37と第2封止層34cとで囲まれた凹部C3が形成される。
凹部C1及び凹部C3は、後工程で使用する感光性レジストを充填するための容器(セル)となる。凹部C1及び凹部C3の深さ(Z方向寸法)を調整することによって、後工程で形成する青色の着色層36B及び赤色の着色層36Rの膜厚の均一性を高めることができる。
図10(b)に示すようにステップS7では、青色の色材(例えば、顔料)を含む感光性レジストを塗布し、仮焼成して青色の感光性樹脂層を形成し、これをフォトリソグラフィー法で露光・現像し、焼成して、第1有機EL素子30Bと平面視重なる青色の着色層36Bを第2封止層34c(封止層34)の上に形成する。
詳しくは、青色の色材を含む感光性レジストをスピンコート法で塗布し、乾燥することにより、青色の感光性樹脂層を形成する。青色の感光性樹脂層は、例えばネガ型の感光性のアクリル系樹脂で構成され、光が照射された(露光された)部分が不溶化する。青色の着色層36Bを形成する領域に光を照射し(露光し)、例えば現像液をノズルから吐出し、未露光の感光性樹脂層を除去する。続いて、例えば純水をノズルから吐出し、不溶化した感光性樹脂層を洗浄した後に焼成し、硬化させて、所定の形状の青色の着色層36Bを形成する。なお、青色の着色層36Bは、発光機能層32が熱劣化しないように、110℃または110℃よりも低い温度で形成(焼成)されている。つまり、青色の着色層36Bを形成する工程のプロセス温度は、110℃以下である。
図10(c)に示すようにステップS8では、赤色の色材(例えば、顔料)を含む感光性レジストを塗布し、仮焼成して赤色の感光性樹脂層を形成し、これをフォトリソグラフィー法で露光・現像し、焼成して、第3有機EL素子30Rと平面視重なる赤色の着色層36Rを第2封止層34c(封止層34)の上に形成する。
詳しくは、赤色の色材を含む感光性レジストをスピンコート法で塗布し、乾燥することにより、赤色の感光性樹脂層を形成する。赤色の感光性樹脂層は、例えばネガ型の感光性のアクリル系樹脂で構成され、光が照射された(露光された)部分が不溶化する。赤色の着色層36Rを形成する領域に光を照射し(露光し)、例えば現像液をノズルから吐出し、未露光の感光性樹脂層を除去する。続いて、例えば純水をノズルから吐出し、不溶化した感光性樹脂層を洗浄した後に焼成し、硬化させて、所定の形状の赤色の着色層36Rを形成する。なお、赤色の着色層36Rは、発光機能層32が熱劣化しないように、110℃または110℃よりも低い温度で形成(焼成)されている。つまり、赤色の着色層36Rを形成する工程のプロセス温度は、110℃以下である。
ステップS6及びステップS7を経て、第1有機EL素子30Bと平面視重なり、且つ第2有機EL素子30Gと平面視重ならないように、青色の着色層36Bを形成する。つまり、ステップS6及びステップS7は、本発明における「カラーフィルターを積層する工程」の一例である。
さらに、ステップS8を経て、第3有機EL素子30Rと平面視重なり、且つ第2有機EL素子30Gと平面視重ならないように、赤色の着色層36Rを形成する。
本実施形態の製造方法では、第2有機EL素子30Gと平面視重なる着色層(例えば緑色の着色層)を形成していないので、例えば着色層を形成する場合と比べて、着色層を形成する工程の数が1工程少なくなるので、カラーフィルター層36の生産性を高め、カラーフィルター層36の製造コストを抑制することができる。
さらに、図示を省略するが、本実施形態の製造方法は、素子基板10と保護基板40との間にエポキシ樹脂やアクリル樹脂などで構成される接着剤を配置し、これを硬化させて接着層42を形成し、接着層42によって素子基板10と保護基板40とを接着する工程を含む。この素子基板10と保護基板40とを接着する工程によって、第1有機EL素子30Bと平面視重なる領域で接着層42を介して保護基板40を着色層36Bに接着し、第2有機EL素子30Gと平面視重なる領域で接着層42を介して保護基板40を封止層34(第2封止層34c)に接着し、第3有機EL素子30Rと平面視重なる領域で接着層42を介して保護基板40を着色層36Rに接着する。
以上述べたように、本実施形態では、以下の効果を得ることができる。
(1)サブ画素18Gでは、接着層42が無機材料で構成された部分(第2封止層34c)に接着されているので、接着層42が全て樹脂で構成された部分(カラーフィルター層36)に接着されている場合と比べて、素子基板10と接着層42との接着強度を強くすることができる。
(2)サブ画素18Gに形成された凹部C2の中に充填された接着層42のアンカー効果によって、サブ画素18Gに凹部C2が形成されていない場合と比べて、素子基板10と接着層42との接着強度を強くすることができる。
(3)サブ画素18Gに形成された凹部C2によって、素子基板10と接着層42との接触面積(接着面積)が大きくなるので、サブ画素18Gに凹部C2が形成されていない場合と比べて、素子基板10と接着層42との接着強度を強くすることができる。
(4)サブ画素18Gには緑色の着色層が形成されていなく、緑色の着色層を形成する場合と比べて着色層を形成する工程の数が1工程少なくなるので、カラーフィルター層36の生産性を高め、カラーフィルター層36の製造コストを抑制することができる。
(5)封止層34及びカラーフィルター層36は、110℃以下で形成されているので、発光機能層32(有機EL素子30)の熱劣化を抑制することができる。
(6)サブ画素18Gには着色層が形成されていないので、第2有機EL素子30Gで発せられた光は着色層によって減衰(吸収)されず、着色層を形成する場合と比べて、第2有機EL素子30Gで発せられた緑色の光の輝度を高めることができる。
(7)青色の着色層36Bの膜厚BD1は、青色の着色層36Bの端部B1と開口28GCTの端部G1との間隔BD2よりも大きく、光L3A及び光L3Bは、青色の着色層36Bの中を通過し輝度が弱められて開口28GCTの端部G1に入射するので、絶縁膜28の開口28GCTの端部G1で反射された光が、表示に悪影響を及ぼす恐れが少なくなる。
(8)赤色の着色層36Rの膜厚RD1は、赤色の着色層36Rの端部R1と開口28GCTの端部G2との間隔RD2よりも大きく、光L3A及び光L3Bは、赤色の着色層36Rの中を通過し輝度が弱められて開口28GCTの端部G2に入射するので、絶縁膜28の開口28GCTの端部G2で反射された光が、表示に悪影響を及ぼす恐れが少なくなる。
(実施形態2)
図11は、図4に対応する図であり、実施形態2に係る有機EL装置の構造を示す概略断面図である。図12は、図5に対応する図であり、本実施形態に係るカラーフィルター層の状態を示す概略平面図である。
本実施形態の有機EL装置200では、開口28CTの面積、つまり有機EL素子30が形成された領域の面積が、サブ画素18B、サブ画素18R、及びサブ画素18Gの順に小さくなっている。この点が、本実施形態の有機EL装置200と実施形態1の有機EL装置100との主な相違点である。
以下に、図11及び図12を参照して、本実施形態に係る有機EL装置200の概要を、実施形態1との相違点を中心に説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
図11及び図12に示すように、サブ画素18のX方向の寸法は、サブ画素18B、サブ画素18R、サブ画素18Gの順に小さくなっている。サブ画素18のY方向の寸法は、サブ画素18B、サブ画素18G、及びサブ画素18Rで、それぞれ同じである。従って、サブ画素18の面積は、サブ画素18B、サブ画素18R、サブ画素18Gの順に小さくなっている。
さらに、開口28CTのX方向の寸法は、サブ画素18B、サブ画素18R、サブ画素18Gの順に小さくなっている。開口28CTのY方向の寸法は、サブ画素18B、サブ画素18G、及びサブ画素18Rで、それぞれ同じである。従って、開口28CTの面積は、サブ画素18B、サブ画素18R、サブ画素18Gの順に小さくなっている。
開口28CTに有機EL素子30が形成されるので、第1有機EL素子30B、第3有機EL素子30R、第2有機EL素子30Gの順に、有機EL素子30の発光面積が小さくなっている。
さらに、サブ画素18Bの面積、開口28BCTの面積、及び第1有機EL素子30Bの面積(発光面積)は、実施形態1と比べて、本実施形態の方が大きい。サブ画素18Rの面積、開口28RCTの面積、及び第3有機EL素子30Rの面積(発光面積)も、実施形態1と比べて、本実施形態の方が大きい。サブ画素18Gの面積、開口28GCTの面積、及び第2有機EL素子30Gの面積(発光面積)は、実施形態1と比べて、本実施形態の方が小さい。
サブ画素18Bには、Y方向に延びたストライプ形状をなした青色の着色層36Bが配置され、サブ画素18Rには、Y方向に延びたストライプ形状をなした赤色の着色層36Rが配置されている。サブ画素18Gには、着色層が配置されていなく、隔壁37と第2封止層34cとで囲まれた凹部C2が形成されている。
サブ画素18Bにおいて、第1有機EL素子30Bと平面視重なる領域では、保護基板40は青色の接着層42を介して着色層36Bに接着されている。サブ画素18Rにおいて、第3有機EL素子30Rと平面視重なる領域では、保護基板40は青色の接着層42を介して着色層36Rに接着されている。
サブ画素18Gにおいて、第2有機EL素子30Gと平面視重なる領域では、保護基板40は接着層42を介して第2封止層34cに接着されている。詳しくは、接着層42がサブ画素18Gの37と第2封止層34cとで形成された凹部C2に充填されて、保護基板40は接着層42を介して第2封止層34cに接着されている。
本実施形態では、上述した実施形態1の(1)乃至(8)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(1)実施形態1と比べて、サブ画素18B及び第1有機EL素子30Bの面積、並びにサブ画素18R及び第3有機EL素子30Rの面積は大きいので、サブ画素18B及びサブ画素18Rで発せられる光の輝度を高めることができる。一方、サブ画素18Gの面積は、サブ画素18B及びサブ画素18Rの面積よりも小さいが、サブ画素18Gには着色層が形成されていなく着色層による光の吸収がないため、サブ画素18Gでは、サブ画素18B及びサブ画素18Rと同等の輝度の光を発することができる。
従って、実施形態1と比べてより明るい表示を得ることができる。
(2)サブ画素18B及び第1有機EL素子30Bの面積、並びにサブ画素18R及び第3有機EL素子30Rの面積は、実施形態1と比べて大きいので、サブ画素18B及びサブ画素18Rで実施形態1と同じ輝度の光を発する場合、第1有機EL素子30B及び第3有機EL素子30Rへの電流負荷(例えば電流密度)を、実施形態1と比べて小さくすることができる。
実施形態1と比べて、第1有機EL素子30B及び第3有機EL素子30Rの発光機能層32の電流負荷(例えば電流密度)を小さくすることで、第1有機EL素子30B及び第3有機EL素子30Rの劣化や、第1有機EL素子30B及び第3有機EL素子30Rの発熱を抑制することができる。
このように、有機EL素子30の劣化を抑制するためには、当該有機EL素子30の面積を、他の色を発する有機EL素子30の面積よりも大きくし、且つ着色層を形成しない構成が好ましい。
例えば、第1有機EL素子30Bの劣化が大きいのであれば、第1有機EL素子30Bの面積を、第2有機EL素子30G及び第3有機EL素子30Rの面積よりも大きくし、且つ第1有機EL素子30Bに着色層を形成しない構成が好ましい。かかる構成によって、第1有機EL素子30Bへの電流付加を小さくし、第1有機EL素子30Bの劣化を抑制することができる。
(実施形態3)
図13は、図5に対応する図であり、実施形態3に係るカラーフィルター層の状態を示す概略平面図である。
図13では、青色の着色層36B、赤色の着色層36R、反射層25の開口25CT、及び絶縁膜28の開口28CT(有機EL素子30が形成される領域)が図示され、隔壁37の図示が省略されている。さらに、赤色の着色層36Rは、図中で太い破線で図示されている。
本実施形態では、青色の着色層36Bの形状が実施形態1と異なり、他の構成は実施形態1と同じである。
以下に、図13を参照して、本実施形態に係る有機EL装置のカラーフィルター層36の概要を、実施形態1との相違点を中心に説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
図13に示すように、青色の着色層36Bは、第1有機EL素子30B(開口28BCT)と平面視重なるY方向に延びた青色の着色層36B1と、開口25CTと平面視重なるX方向に延びた青色の着色層36B2とで構成される。
Y方向に延びた青色の着色層36B1は、実施形態1の青色の着色層36Bと同じである。すなわち、実施形態1の青色の着色層36Bに、X方向に延びた青色の着色層36B2を付加して、本実施形態の青色の着色層36Bが構成される。
X方向に延びた青色の着色層36B2は、サブ画素18Gの開口25CTやサブ画素18Rの開口25CTを覆うように配置され、第2有機EL素子30G(開口28GCT)や第3有機EL素子30R(開口28RCT)と平面視で重ならないように配置されている。このため、サブ画素18Gやサブ画素18Rに青色の着色層36B2を配置しても、第2有機EL素子30Gや第3有機EL素子30Rで発せれられた光は、青色の着色層36B2による影響を受けない。
サブ画素18Rには赤色の着色層36Rが配置されているので、サブ画素18Rの開口25CTには、青色の着色層36B2と着色層36とが順に積層されている。
本実施形態では、サブ画素18Bの開口25CT及びサブ画素18Gの開口25CTは、平面視で青色の着色層36B2で覆われている。サブ画素18Rの25の開口25CTは、平面視で青色の着色層36B2と赤色の着色層36Rとで覆われている。
実施形態1では、サブ画素18Gの開口25CTは着色層で覆われていなく、この点も本実施形態と実施形態1との相違点である。
上述したように、開口25CTの内側に、画素電極31とトランジスター23とを電気的に接続するためのコンタクト部が設けられている。つまり、開口25CTの内側に、画素電極31とトランジスター23とを電気的に接続するための構成要素、例えばコンタクホール、コンタクトホールの中に充填された導電材料、コンタクトホールと平面視で重なる中継電極などが配置されている。このため、開口25CTの内側には、画素電極31とトランジスター23とを電気的に接続するための構成要素に起因する様々な凹凸(段差)や、他の構成要素(例えば、対向電極33)との間の電界などが存在し、発光機能層32で意図しない光が生じる恐れや、保護基板40と大気71との界面で反射された光L3Aや光L3Bによる表示への悪影響が生じる恐れがある。
本実施形態では、画素電極31とトランジスター23とを電気的に接続するためのコンタクト部(開口25CT)は、青色の着色層36B2及び赤色の着色層36Rの少なくとも一方で覆われているので、発光機能層32で意図しない光が生じたとしても、当該意図しない光は、青色の着色層36B2及び赤色の着色層36Rの少なくとも一方で吸収されるので、表示への悪影響を小さくすることができる。同様に、開口25CTに入射する保護基板40と大気71との界面で反射された光L3Aや光L3Bも、青色の着色層36B2及び赤色の着色層36Rの少なくとも一方で吸収されるので、表示への悪影響を小さくすることができる。
(実施形態4)
図14は、図13に対応する図であり、実施形態4に係るカラーフィルター層の状態を示す概略平面図である。図14では、本実施形態に係るカラーフィルター層36の特徴を明確にするために、赤色の着色層36R、反射層25の開口25CT、及び絶縁膜28の開口28CT(有機EL素子30が形成された領域)が図示されている。さらに、本実施形態と実施形態3とでは、青色の着色層36B及び隔壁37は同じであるので、図14では図示が省略されている。
本実施形態では、赤色の着色層36Rの形状が実施形態3と異なり、他の構成は実施形態3と同じである。
以下に、図14を参照して、本実施形態に係る有機EL装置のカラーフィルター層36の概要を、実施形態3との相違点を中心に説明する。なお、実施形態3と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
図14に示すように、赤色の着色層36Rは、第3有機EL素子30R(開口28RCT)と平面視重なるY方向に延びた赤色の着色層36R1と、開口25CTと平面視重なるX方向に延びた赤色の着色層36R2とで構成される。
Y方向に延びた赤色の着色層36R1は、実施形態3の赤色の着色層36R及び実施形態1の赤色の着色層36Rと同じである。すなわち、実施形態3の赤色の着色層36Rに、X方向に延びた赤色の着色層36R2を付加して、本実施形態の赤色の着色層36Rが構成される。
赤色の着色層36R2は、サブ画素18Bの開口25CTやサブ画素18Gの開口25CTを覆うように配置され、第1有機EL素子30B(開口28BCT)や第2有機EL素子30G(開口28GCT)と平面視で重ならないように配置されているので、第1有機EL素子30Bや第2有機EL素子30Gで発せれられた光は、赤色の着色層36R2による影響を受けない。
図示を省略するが、サブ画素18Bの開口25CT、サブ画素18Gの開口25CT、及びサブ画素18Rの開口25CTは、X方向に延びた青色の着色層36B2が配置されているので、サブ画素18Bの開口25CT、サブ画素18Gの開口25CT、及びサブ画素18Rの開口25CTには、青色の着色層36B2と赤色の着色層36R2とが順に配置されている。
本実施形態では、サブ画素18Bの開口25CT及びサブ画素18Gの開口25CTに、青色の着色層36B2と赤色の着色層36R2とが配置されている。実施形態3では、サブ画素18Bの開口25CT及びサブ画素18Gの開口25CTに、青色の着色層36B2が配置されている。この点が、本実施形態と実施形態3との相違点である。
本実施形態では、サブ画素18Bの開口25CTの内側や、サブ画素18Gの開口25CTの内側で意図しない光が生じた場合、当該意図しない光は、青色の着色層36B2及び赤色の着色層36R2の両方で吸収されるので、実施形態3と比べて、当該意図しない光の表示への悪影響をより強く抑制することができる。同様に、開口25CTに入射する保護基板40と大気71との界面で反射された光L3Aや光L3Bも、青色の着色層36B及び赤色の着色層36Rの両方で吸収されるので、実施形態3と比べて、表示への悪影響をより強く抑制することができる。
(実施形態5)
図15は、実施形態5に係る有機EL装置のサブ画素の配置状態を示す概略平面図である。図16は、図15に対応する図であり、カラーフィルター層に配置された隔壁の状態を示す概略平面図である。図17は、図15に対応する図であり、カラーフィルター層に配置された着色層の状態を示す概略平面図である。
本実施形態では、サブ画素18及びカラーフィルター層36の形状や配置状態が実施形態1と異なり、他の構成は実施形態1と同じである。
以下に、図15乃至図17を参照して、本実施形態に係る有機EL装置の概要を、実施形態1との相違点を中心に説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を附し、重複する説明を省略する。
図15に示すように、サブ画素18GのX方向の寸法は、サブ画素18B及びサブ画素18RのX方向の寸法よりも小さく、サブ画素18GのY方向の寸法は、サブ画素18B及びサブ画素18RのY方向の寸法と同じである。つまり、サブ画素18Gの面積は、サブ画素18B及びサブ画素18Rの面積のそれぞれよりも小さい。サブ画素18Bの面積及びサブ画素18Rの面積は、同じである。
サブ画素18Gは、Y方向に沿って配列されている。サブ画素18B及びサブ画素18Rは、Y方向に沿って交互に配列されている。また、X方向には、Y方向に沿って配列されたサブ画素18Gと、Y方向に交互に配列されたサブ画素18B及びサブ画素18Rとが、交互に配列されている。
本実施形態に係る有機EL装置では、Y方向に配列された二つのサブ画素18Gと、当該二つのサブ画素18Gに隣り合うサブ画素18B及びサブ画素18Rとが表示単位(画素19)となって、フルカラーの表示が提供される。
緑色の光を発するサブ画素18Gは、青色の光を発するサブ画素18Bや赤色の光を発するサブ画素18Rと比べて、高精細化が図られている。本実施形態に係る有機EL装置では、緑色の光を発するサブ画素18Gの精細度を高めることによって、疑似的に表示の解像度を向上させることができる。
図16に示すように、隔壁37は、Y方向に沿ったサブ画素18Gの輪郭(サブ画素18Gとサブ画素18Bとの境界、及びサブ画素18Gとサブ画素18Rとの境界)に跨るY方向に延びた部分と、X方向に沿ったサブ画素18Bとサブ画素18Rとの境界に跨るX方向に延びた部分とで構成される。その結果、一対のY方向に延びた部分の隔壁37の内側に、第2有機EL素子30Gが配置され、隔壁37で囲まれた領域の内側に、第1有機EL素子30B及び第3有機EL素子30Rが配置されている。
図17に示すように、サブ画素18Gには、緑色の光を透過する着色層36G(以降、緑色の着色層と称す)が設けられている。詳しくは、サブ画素18Gには、第2有機EL素子30Gに平面視重なり、Y方向に延びたストライプ形状をなした緑色の着色層36Gが設けられている。サブ画素18Rには、平面視で第3有機EL素子30Rに平面視重なり、島状の(矩形状の)赤色の着色層36Rが設けられている。また、図示を省略するが、緑色の着色層36G及び赤色の着色層36Rは、隔壁37の一部を覆うように配置されている。
サブ画素18Bには、着色層が形成されていない。また、サブ画素18Bには、隔壁37と第2封止層34cとで囲まれた凹部C1が形成されている。
本実施形態では、サブ画素18Bは、光共振構造によって取り出される光成分の色純度が優れているので、着色層を設けなくても色純度に優れた青色の光を発することができる。さらに、サブ画素18Bでは、着色層が設けられていないので、着色層を設ける場合と比べてサブ画素18Bで発せられる輝度を高めることができる。
サブ画素18Gでは、光共振構造及び緑色の着色層36Gを組み合わせることによってサブ画素18Gで発せられる緑色の光の色純度を高めている。サブ画素18Rでは、光共振構造及び赤色の着色層36Rを組み合わせることによってサブ画素18Rで発せられる赤色の光の色純度を高めている。
サブ画素18Bにおいて、第1有機EL素子30Bと平面視重なる領域では、保護基板40は接着層42を介して第2封止層34cに接着されている。詳しくは、サブ画素18Bでは、隔壁37と第2封止層34cとで囲まれた凹部C1の中に接着層42が充填され、保護基板40と第2封止層34cとが接着されている。
サブ画素18Gにおいて、第2有機EL素子30Gと平面視重なる領域では、保護基板40は接着層42を介して着色層36Gに接着されている。サブ画素18Rにおいて、第3有機EL素子30Rと平面視重なる領域では、保護基板40は接着層42を介して着色層36Rに接着されている。
かかる構成によっても、以下に示す効果を得ることができる。
(1)サブ画素18Bでは、接着層42が無機材料で構成された部分(第2封止層34c)に接着されているので、接着層42が全て樹脂で構成された部分(カラーフィルター層36)に接着されている場合と比べて、素子基板10と接着層42との接着強度を強くすることができる。
(2)サブ画素18Bに形成された凹部C1の中に充填された接着層42のアンカー効果によって、サブ画素18Bに凹部C1が形成されていない場合と比べて、素子基板10と接着層42との接着強度を強くすることができる。
(3)サブ画素18Bに形成された凹部C1によって、素子基板10と接着層42との接触面積(接着面積)が大きくなるので、サブ画素18Bに凹部C1が形成されていない場合と比べて、素子基板10と接着層42との接着強度を強くすることができる。
(4)サブ画素18Bには青色の着色層が形成されていなく、青色の着色層を形成する場合と比べて着色層を形成する工程の数が1工程少なくなるので、カラーフィルター層36の生産性を高め、カラーフィルター層36の製造コストを抑制することができる。
(5)サブ画素18Bには着色層が形成されていないので、第1有機EL素子30Bで発せられた光は着色層によって減衰(吸収)されず、着色層を形成する場合と比べて、第1有機EL素子30Bで発せられた青色の光の輝度を高めることができる。
(実施形態6)
「電子機器」
図18は、電子機器の一例としてのヘッドマウントディスプレイの概略図である。
図18に示すように、ヘッドマウントディスプレイ1000は、左右の目に対応して設けられた2つの表示部1001を有している。観察者Mはヘッドマウントディスプレイ1000を眼鏡のように頭部に装着することにより、表示部1001に表示された文字や画像などを見ることができる。例えば、左右の表示部1001に視差を考慮した画像を表示すれば、立体的な映像を見て楽しむこともできる。
表示部1001には、上述した実施形態1乃至実施形態5に係る有機EL装置のいずれかが搭載されている。上記実施形態では、カラーフィルター層36を構成する青色の着色層36Bまたは緑色の着色層36Gのいずれかが省略され、素子基板10と接着層42との接着強度が強くなり、有機EL装置の信頼性が高められている。従って、表示部1001に上記実施形態に係る有機EL装置を搭載することによって、高信頼性のヘッドマウントディスプレイ1000を提供することができる。
なお、上述した実施形態1乃至実施形態5に係る有機EL装置のいずれかが搭載された電子機器は、ヘッドマウントディスプレイ1000に限定されない。例えば、ヘッドアップディスプレイや、デジタルカメラの電子ビューファインダー、携帯型情報端末、ナビゲーターなどの表示部を有する電子機器に搭載してもよい。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う有機発光装置及び当該有機発光装置が搭載された電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)
実施形態1では、青色の着色層、緑色の着色層、及び赤色の着色層のうち緑色の着色層が省略されていた。実施形態5では、青色の着色層、緑色の着色層、及び赤色の着色層のうち青色の着色層が省略されていた。
青色の着色層、緑色の着色層、及び赤色の着色層のうち省略する着色層は、上述した1層の着色層に限定されず、2層の着色層を省略する構成であってもよい。
また、4種類以上の着色層を有する場合には、3層以上の着色層を省略する構成であってもよい。
なお、省略するサブ画素18の着色層は、以下に示す(1)乃至(5)のうち少なくとも一つに基づいて選択される。
(1)光共振構造によって取り出される光成分の色純度が優れているサブ画素18の着色層。
(2)有機EL素子30(発光機能層32)の発光寿命が短いサブ画素18の着色層。
(3)有機EL素子30(発光機能層32)で発せられる光の輝度を高める必要があるサブ画素18の着色層。
(4)有機EL素子30(発光機能層32)に流す電流密度を小さくする必要があるサブ画素18の着色層。
(5)有機EL素子30(発光機能層32)で発せられる熱を小さくする必要があるサブ画素18の着色層。
(変形例2)
実施形態1乃至実施形態5に係るカラーフィルター層36は、隔壁37を有していたが、カラーフィルター層36は隔壁37を有していなくてもよい。
(変形例3)
実施形態1乃至実施形態5に係るカラーフィルター層36は、光共振構造を有していたが、光共振構造を有していない構成であってもよい。例えば、第1有機EL素子30Bの発光機能層32に青色の光を発する有機発光層を配置し、第2有機EL素子30Gの発光機能層32に緑色の光を発する有機発光層を配置し、第3有機EL素子30Rの発光機能層32に赤色の光を発する有機発光層を配置する構成であってもよい。
10…素子基板、11…基板、12…走査線、13…データ線、14…電源線、15…データ線駆動回路、16…走査線駆動回路、18,18B,18G,18R…サブ画素、19…画素、20…画素回路、21…スイッチング用トランジスター、22…容量、23…駆動用トランジスター、25…反射層、26…光学的距離調整層、26a…第1絶縁膜、26b…第2絶縁膜、26c…第3絶縁膜、28…絶縁膜、28BCT,28GCT,28RCT…開口、30…有機EL素子、30B…第1有機EL素子、30G…第2有機EL素子、30R…第3有機EL素子、31…画素電極、32…発光機能層、33…対向電極、34…封止層、34a…第1封止層、34b…平坦化層、34c…第2封止層、36…カラーフィルター、36B…青色の着色層、36G…緑色の着色層、36R…赤色の着色層、37…隔壁、40…保護基板、42…接着層、100,200…有機EL装置。

Claims (9)

  1. 第1基板と、
    前記第1基板に設けられた、第1有機エレクトロルミネッセンス素子及び第2有機エレクトロルミネッセンス素子と、
    前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子及び前記第2有機エレクトロルミネッセンス素子に積層された封止層と、
    前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なる領域と、前記第2有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なる領域との間の発光抑制領域で、前記封止層に積層された隔壁と、
    平面視において前記隔壁の間で前記封止層に積層されたカラーフィルターと、
    接着層と、
    第2基板と、
    を有し、
    前記第2有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なる領域と、当該領域に隣接する前記発光抑制領域では、前記第2基板は前記接着層を介して前記封止層と前記隔壁に接着されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置。
  2. 前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なる領域では、前記第2基板は前記接着層を介して前記カラーフィルターに接着されることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  3. 前記隔壁は透明層であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  4. 前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子は、絶縁膜で覆われ前記絶縁膜に設けられた第1の開口で露出された第1の画素電極を有し、
    前記第2有機エレクトロルミネッセンス素子は、前記絶縁膜で覆われ前記絶縁膜に設けられた第2の開口で露出された第2の画素電極を有し、
    前記カラーフィルターは、前記隔壁の前記封止層と逆側に第1の端部を有し、
    前記絶縁膜は、前記第1の端部に隣り合い前記第2の開口の一部をなす第2の端部を有し、
    前記カラーフィルターの膜厚は、前記第1の端部と前記第2の端部との間の寸法以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  5. 前記第2有機エレクトロルミネッセンス素子は、前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子よりも発光面積が小さいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置を備えていることを特徴とする電子機器。
  7. 第1基板に、第1有機エレクトロルミネッセンス素子及び第2有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する工程と、
    前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子及び前記第2有機エレクトロルミネッセンス素子に封止層を積層する工程と、
    前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なる領域と、前記第2有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なる領域との間の発光抑制領域で、前記封止層に隔壁を積層する工程と、
    前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なり、且つ前記第2有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重ならないように、平面視で前記隔壁の間に前記封止層上にカラーフィルターを積層する工程と、
    前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なる領域では、接着層を介して第2基板を前記カラーフィルターに接着し、前記第2有機エレクトロルミネッセンス素子と平面視重なる領域と前記発光抑制領域では、前記接着層を介して前記第2基板を前記封止層と前記隔壁に接着する工程と、を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  8. 前記第2有機エレクトロルミネッセンス素子は、前記第1有機エレクトロルミネッセンス素子よりも発光面積が小さいことを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  9. 前記カラーフィルター及び前記封止層は、110℃以下の温度で形成されることを特徴とする請求項7または8に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
JP2014079187A 2014-04-08 2014-04-08 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス装置、及び電子機器 Active JP6337581B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014079187A JP6337581B2 (ja) 2014-04-08 2014-04-08 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス装置、及び電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014079187A JP6337581B2 (ja) 2014-04-08 2014-04-08 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス装置、及び電子機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015201326A JP2015201326A (ja) 2015-11-12
JP6337581B2 true JP6337581B2 (ja) 2018-06-06

Family

ID=54552409

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014079187A Active JP6337581B2 (ja) 2014-04-08 2014-04-08 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス装置、及び電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6337581B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017182892A (ja) 2016-03-28 2017-10-05 セイコーエプソン株式会社 発光素子、発光装置、及び電子機器
JP6504206B2 (ja) 2017-06-30 2019-04-24 セイコーエプソン株式会社 電気光学装置、および電子機器
JP6642604B2 (ja) * 2018-03-01 2020-02-05 セイコーエプソン株式会社 電気光学装置、電気光学装置の製造方法、電子機器
KR20200083745A (ko) * 2018-12-28 2020-07-09 삼성디스플레이 주식회사 표시 장치

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4736284B2 (ja) * 2001-09-10 2011-07-27 ソニー株式会社 表示装置およびその製造方法
DE10393383T5 (de) * 2003-06-13 2006-05-11 Fuji Electric Holdings Co., Ltd. Organische EL-Anzeige
CN102577610B (zh) * 2009-11-10 2015-04-08 松下电器产业株式会社 有机电致发光显示装置
JP6135062B2 (ja) * 2012-08-07 2017-05-31 セイコーエプソン株式会社 発光装置、発光装置の製造方法、電子機器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015201326A (ja) 2015-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6318676B2 (ja) 有機発光装置の製造方法、有機発光装置、及び電子機器
US11026301B2 (en) Organic EL device, method of manufacturing organic EL device, and electronic apparatus
JP6331276B2 (ja) 電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電子機器
CN106328674B (zh) 有机el装置、有机el装置的制造方法以及电子设备
US10153330B2 (en) Electro-optical device and electronic apparatus having an evaluation pattern
JP6696143B2 (ja) 有機el装置、有機el装置の製造方法、電子機器
JP6187051B2 (ja) 電気光学装置、電気光学装置の製造方法、電子機器
JP2015056335A (ja) 電気光学装置、電子機器及び電気光学装置の製造方法
JP6337581B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス装置、及び電子機器
JP6318478B2 (ja) 有機el装置、有機el装置の製造方法、及び電子機器
JP6507545B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、電子機器
JP2015005386A (ja) 電気光学装置及び電子機器
JP2016046126A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法
JP2016219199A (ja) 有機el装置の製造方法
JP2017010750A (ja) 有機el装置、有機el装置の製造方法、及び電子機器
JP2015197996A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス装置、及び電子機器
JP2015198032A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160617

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20160628

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170306

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180309

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20180309

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180410

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180423

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6337581

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150