JP2016046126A - 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】封止層の水分や酸素などに対するバリア性を高め、有機EL素子の劣化を抑制すること。【解決手段】有機EL素子30と、有機EL素子30を覆い、有機EL素子30の側から第1封止層35と中間層36と第2封止層37とが順に配置された封止層34と、を含む画素18がX方向及びY方向に複数配置された有機EL装置1の製造方法であって、第2封止層37を形成する工程は、第1無機化合物膜37aを形成する工程と、第1無機化合物膜37aにエッチング処理を施し、第1無機化合物膜37aをエッチングする工程と、エッチングされた第1無機化合物膜37aの上に第2無機化合物膜37bを形成する工程と、を含むことを特徴とする。【選択図】図6

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス装置は、自発光型の表示装置であり、例えば液晶装置などの非発光型の表示装置と比べて、光源としてのバックライトが不要となるため薄型化や軽量化の点で有利であり、ヘッドマウントディスプレイなどのマイクロディスプレイへの応用が期待されている。有機エレクトロルミネッセンス装置の発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子は、水分や酸素などによって劣化するので、封止層で覆われ、水分や酸素などの侵入が抑制されている。
有機エレクトロルミネッセンス素子に異物が付着した状態で封止層を形成すると、当該異物によって封止層に隙間などの欠陥が生じ、当該欠陥が水分や酸素が侵入する経路となる。例えば、特許文献1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法では、封止層を第1封止膜と第2封止膜とで構成し、第1封止膜を形成した後に第1封止膜にエッチング処理(ドライエッチングやウェットエッチング)を施し、第2封止膜を形成する。仮に、異物が付着した状態で第1封止膜を形成すると、異物が付着した部分で第1封止膜が膨らみ、第1封止膜に隙間が生じる。第1封止膜にエッチング処理を施すと、異物が付着した部分の第1封止膜の表面が平坦になる。平坦になった第1封止膜の表面の上に、塗布法で第2封止膜を形成する。第2封止膜の前駆体である塗布液を第1封止膜の隙間の中に流し込み、第1封止膜の隙間を埋める第2封止膜を形成する。その結果、第1封止膜の隙間は第2封止膜で密封され、水分や酸素が侵入する経路が遮断される。
特開2007−66580号公報
しかしながら、特許文献1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法では、第1封止膜にドライエッチングやウェットエッチングを施した際に、第1封止膜の薄い部分から侵入した物質により有機エレクトロルミネッセンス素子が劣化するおそれがあった。さらに、特許文献1に記載のように塗布法で第2封止膜を形成すると、塗布液の溶媒が第1封止膜の隙間から侵入し、有機エレクトロルミネッセンス素子が劣化するおそれがあった。すなわち、封止膜を形成する際に有機エレクトロルミネッセンス素子が劣化するおそれがあった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法は、発光素子と、前記発光素子を覆い、前記発光素子の側から第1封止層と中間層と第2封止層とが順に配置された封止層と、を含む有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法であって、前記第2封止層を形成する工程は、第1無機化合物膜を形成する工程と、前記第1無機化合物膜にエッチング処理を施す工程と、エッチングされた前記第1無機化合物膜の上に第2無機化合物膜を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本適用例では、有機エレクトロルミネッセンス素子が第1封止膜(第1封止層)及び中間層で保護された状態で、第2封止膜(第2封止層)を形成する。よって、本適用例では、第2封止膜を形成する際に有機エレクトロルミネッセンス素子が劣化するおそれがあるという従来技術の課題が抑制される。
さらに、本適用例では、中間層を覆う第1無機化合物膜を形成し、第1無機化合物膜にエッチング処理を施した後に、第2無機化合物膜を形成することで、水分や酸素などの侵入を抑制するバリア性に優れた第2封止層を形成する。
仮に、中間層の上に異物が付着し、異物を覆うように第1無機化合物膜を形成すると、第1無機化合物膜の表面に異物に起因する凸部が形成される。さらに、異物が付着した部分では、第1無機化合物膜の結晶に歪みが生じ、第1無機化合物膜に、例えば凸部の周縁部から異物に至るクラックが生じる。すなわち、平面視で凸部の内側に、第1無機化合物膜のクラックが生じる。
第1無機化合物膜の膜厚が大きくなると、異物に起因する凸部の形状が徐々に変化し、第1無機化合物膜の膜厚が小さい場合と比べて、凸部はなだらかな傾斜を有するようになる。続いて、第1無機化合物膜にエッチング処理を施すと、第1無機化合物膜の表面がなだらかに傾斜した凸部を有する状態で、第1無機化合物膜の膜厚を小さくすることができる。さらに、第1無機化合物膜のクラックが生じた部分は、平面視でなだらかに傾斜した凸部の内側に配置される。
続いて、なだらかに傾斜した凸部を有する第1無機化合物膜の表面を覆う第2無機化合物膜を形成する。凸部はなだらかに傾斜しているので、凸部を覆う部分で第2無機化合物膜の結晶の歪みが小さくなり、第2無機化合物膜にクラックなどの欠陥が生じにくくなる。さらに、第1無機化合物膜のクラックが生じた部分は、なだらかに傾斜した凸部の中に配置されるので、第1無機化合物膜のクラックも第2無機化合物膜で覆われる(塞がれる)。
よって、中間層の上に異物が付着した場合であっても、異物に起因する第1無機化合物膜のクラックを塞ぎ、クラックなどの欠陥の発生が抑制された第2無機化合物膜を形成することができる。すなわち、水分や酸素などに対する優れたバリア性を有する第2無機化合物膜を形成することができる。従って、本適用例では、第2無機化合物膜(封止層)が、水分や酸素などに対して優れたバリア性を有するバリア膜となり、水分や酸素などの侵入による発光素子の劣化を抑制し、有機エレクトロルミネッセンス装置の信頼性を高めることができる。
[適用例2]上記適用例に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、前記第1無機化合物膜を形成する工程及び前記第2無機化合物膜を形成する工程では、イオンプレーティング法で前記第1無機化合物膜及び前記第2無機化合物膜を形成することが好ましい。
イオンプレーティング法は、蒸発粒子を電圧で加速しながら高エネルギーで成膜するので、蒸着法やスパッタ法などの成膜方法と比べて、密着性や結晶性に優れた緻密な膜を、低温で形成することができる。よって、イオンプレーティング法で形成された第1無機化合物膜及び第2無機化合物膜は、密着性や結晶性に優れた緻密な膜であるので、水分や酸素などに対して優れたバリア性を有する。さらに、イオンプレーティング法では、蒸着法やスパッタ法などの成膜方法と比べて、第1無機化合物膜及び第2無機化合物膜を低温で形成することができるので、発光素子に対する熱的ダメージを小さくすることができる。
[適用例3]上記適用例に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、前記第1無機化合物膜にエッチング処理を施す工程では、異方性エッチングを用いることが好ましい。
中間層に異物が付着し、異物を覆うように第1無機化合物膜を形成すると、第1無機化合物膜の表面に異物に起因する凸部が形成される。第1無機化合物膜の膜厚が大きくなると、異物に起因する凸部の形状が徐々に変化し、第1無機化合物膜の膜厚が小さい場合と比べて、凸部はなだらかな傾斜を有するようになる。
第1無機化合物膜を厚く形成した後に異方性エッチングを施すと、第1無機化合物膜を均一に処理することができる。その結果、第1無機化合物膜の表面の形状を維持しつつ、第1無機化合物膜が薄膜化される。よって、第1無機化合物膜の膜厚が小さい場合であっても、異物に起因する表面凹凸を小さくすることができる。異物に起因する表面凹凸を小さくすることで、当該表面凹凸を覆う第2無機化合物膜に欠陥が生じにくくすることができる。
[適用例4]上記適用例に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、画素が第1の方向及び前記第1の方向と交差する第2の方向に複数配置されており、前記画素の面積が40μm2以下であることが好ましい。
上記適用例に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法では、異物に起因する凸部が緩やかな傾斜を有するように第1無機化合物膜を薄膜化した後に、第1無機化合物膜を覆う第2無機化合物膜を形成するので、第2無機化合物膜に欠陥が生じにくくなり、第2無機化合物膜の水分や酸素などに対するバリア性を高めることができる。すなわち、封止層を薄膜化しつつ、異物の影響を抑制し、水分や酸素などに対して優れたバリア性を有する封止層を形成することができる。
画素の面積が小さくなり、画素が微細化されると、有機エレクトロルミネッセンス装置は異物の悪影響を受けやすい。上記適用例に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法では、異物の悪影響を受けないように封止層を形成し、封止層が異物の悪影響を受けにくいので、異物の影響を受けやすい画素の面積が40μm2以下であるマイクロディスプレイ用途の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造に好適である。
[適用例5]上記適用例に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法において、前記封止層を覆うカラーフィルターをさらに有し、前記画素の前記第1の方向の寸法が、前記画素の前記第2の方向の寸法と同じ、または前記画素の前記第2の方向の寸法よりも小さい場合、前記発光素子と前記カラーフィルターとの間の距離が前記第1の方向の寸法の2倍以下となるように、前記第2封止層を形成することが好ましい。
上記適用例に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置は、複数配置された画素のそれぞれにカラーフィルターを有し、カラーフィルターと発光素子との間に封止層が配置される。例えば、赤色の光を発する画素に赤色のカラーフィルターを設けると、発光素子の光が赤色のカラーフィルターを通過するので、赤色の光の色純度を高めることができる。緑色の光を発する画素に緑色のカラーフィルターを設けると、発光素子の光が緑色のカラーフィルターを通過するので、緑色の光の色純度を高めることができる。青色の光を発する画素に青色のカラーフィルターを設けると、発光素子の光が青色のカラーフィルターを通過し、青色の光の色純度を高めることができる。
一の画素の発光素子からは、第1の方向及び第2の方向に対する法線方向の光、及び当該法線方向に交差する方向(斜め方向)の光が発せられる。斜め方向の光と法線方向とがなす角度が小さい場合、一の画素の発光素子で発せられた斜め方向の光は、一の画素のカラーフィルター(例えば、赤色のカラーフィルター)を通過する。斜め方向の光と法線方向とがなす角度が大きくなると、一の画素の発光素子で発せられた斜め方向の光は、一の画素に隣り合う画素のカラーフィルター(例えば、緑色のカラーフィルター)を通過するようになる。
以降、一の画素の発光素子で発せられる斜め方向の光を、斜め方向の光と称す。一の画素のカラーフィルターを、同じ画素のカラーフィルターと称す。一の画素に隣り合う画素のカラーフィルターを、隣の画素のカラーフィルターと称す。
観察者が、同じ画素のカラーフィルターを通過する斜め方向の光を観察すると、同じ画素のカラーフィルターによって斜め方向の光の色純度が高められ、高品位の表示を観察することができる。観察者が、隣の画素のカラーフィルターを通過する斜め方向の光を観察すると、隣の画素のカラーフィルターによって斜め方向の光の色純度が悪くなり、低品位の表示を観察することになる。
以降、高品位の表示を観察することができる観察者の視線方向と法線方向とがなす角度の最大値を、視野角と称す。
カラーフィルターと発光素子との間の距離が大きくなると、カラーフィルターと発光素子との間の距離が小さい場合と比べて、高品位の表示を観察することができる視野角が小さくなる。カラーフィルターと発光素子との間の距離が小さくなると、カラーフィルターと発光素子との間の距離が大きい場合と比べて、高品位の表示を観察することができる視野角が大きくなる。このため、カラーフィルターと発光素子との間の距離は、小さい方が好ましい。
詳しくは、画素の第1の方向の寸法が、画素の第2の方向の寸法と同じ、または画素の第2の方向の寸法よりも小さい場合に、発光素子とカラーフィルターとの間の距離は、画素の第1の方向の寸法の2倍以下であることが好ましい。かかる構成を有する有機エレクトロルミネッセンス装置は、例えばヘッドマウントディスプレイの表示部に好適に適用させることができる。
従って、発光素子とカラーフィルターとの間の距離が、画素の第1の方向の寸法の2倍以下となるように、第2封止層を形成することが好ましい。
実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の概要を示す概略平面図。 実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の電気的な構成を示す等価回路図。 画素の構成を示す概略平面図。 図3のA−A’線に沿った有機エレクトロルミネッセンス装置の概略断面図。 実施形態と比べて封止層の膜厚が大きい有機エレクトロルミネッセンス装置の概略断面図。 実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法を示す工程フロー。 図6に示す工程フローの主要な工程を経た後の状態を示す概略断面図。 図6に示す工程フローの主要な工程を経た後の状態を示す概略断面図。 ステップS3における酸窒化シリコンの堆積状態を示す模式図。 ステップS4を処理する前後の第1無機化合物膜の表面の状態を示す模式図。 ステップS5を経た後の異物が付着した部分の状態を示す模式図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の各図においては、各層や各部位を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部位の縮尺を実際とは異ならせしめてある。
(実施形態)
「有機エレクトロルミネッセンス装置の概要」
図1は、本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス(以降、有機ELと称す)の概要を示す概略平面図である。図2は、本実施形態に係る有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る有機EL装置1の概要について、説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る有機EL装置1は、素子基板10と、素子基板10に対向配置された対向基板40とを有している。両基板は、後述する接着剤層42(図4参照)によって接着されている。
素子基板10は、青色の光を発する画素18Bと、緑色の光を発する画素18Gと、赤色の光を発する画素18Rとが、マトリックス状に配置された表示領域Eを有している。
以降の説明では、画素18B、画素18G、及び画素18Rを、画素18と称する場合がある。
素子基板10の第1辺に沿って、複数の外部接続用端子103が配置されている。複数の外部接続用端子103と表示領域Eとの間には、データ線駆動回路15が設けられている。該第1辺と直交し互いに対向する他の2辺(第2辺、第3辺)と表示領域Eとの間には、走査線駆動回路16が設けられている。
以降、素子基板10の第1辺に沿った方向をX方向とする。当該第1辺と直交し互いに対向する他の2辺(第2辺、第3辺)に沿った方向をY方向とする。素子基板10から対向基板40に向かう方向をZ方向とする。また、Z方向に沿って対向基板40の側から見ることを平面視と呼ぶ。
なお、X方向は、本発明における「第1の方向」の一例である。Y方向は、本発明における「第2の方向」の一例である。
対向基板40は、透光性のガラス基板であり、素子基板10よりも小さく、素子基板10に対向配置されている。対向基板40は、表示領域Eを覆い、表示領域Eに配置されている有機EL素子30(図2参照)が傷つかないように保護している。
なお、対向基板40は、透光性の絶縁基板であればよく、上述したガラス基板の他に、例えば石英基板や透光性を有する樹脂基板などを使用することができる。
表示領域Eには、画素18がX方向及びY方向に複数配置されている。さらに、Y方向には、同じ色の光を発する画素18が配置されている。つまり、青色の光を発する画素18B、緑色の光を発する画素18G、及び赤色の光を発する画素18Rは、それぞれY方向に繰り返し配置されている。X方向には、異なる色の光を発する画素18が、青色(B)、緑色(G)、赤色(R)の順に繰り返し配置されている。
有機EL装置1では、X方向に配置された画素18Bと画素18Gと画素18Rとが表示単位19となって、フルカラーの表示が提供される。
図1では図示を省略するが、青色の光を発する画素18Bには青色の光を透過する青色の着色層39B(図4参照)が設けられ、緑色の光を発する画素18Gには緑色の光を透過する緑色の着色層39G(図4参照)が設けられ、赤色の光を発する画素18Rには赤色の光を透過する赤色の着色層39R(図4参照)が設けられている。青色の着色層39Bと緑色の着色層39Gと赤色の着色層39Rとは、それぞれY方向に延びたストライプ形状をなしている。
図2に示すように、有機EL装置1は、互いに交差する複数の走査線12及び複数のデータ線13と、複数のデータ線13のそれぞれに対して並列する複数の電源線14とを有している。走査線12は走査線駆動回路16に接続され、データ線13はデータ線駆動回路15に接続されている。また、複数の走査線12と複数のデータ線13との各交差部に対応してマトリックス状に配置された複数の画素18を有している。
画素18は、有機EL素子30と、有機EL素子30の駆動を制御する画素回路20とを有している。
有機EL素子30は、画素電極31と、発光機能層32と、対向電極33とを有している。画素電極31は、発光機能層32に正孔を供給する陽極として機能する。対向電極33は、発光機能層32に電子を供給する陰極として機能する。画素電極31から供給される正孔と、対向電極33から供給される電子とが発光機能層32で結合し、発光機能層32が白色に発光する。
なお、有機EL素子30は、本発明における「発光素子」の一例である。
画素回路20は、スイッチング用トランジスター21と、蓄積容量22と、駆動用トランジスター23とを含んでいる。2つのトランジスター21,23は、例えばnチャネル型もしくはpチャネル型トランジスターを用いて構成することができる。
スイッチング用トランジスター21のゲートは、走査線12に接続されている。スイッチング用トランジスター21のソースまたはドレインのうち一方は、データ線13に接続されている。スイッチング用トランジスター21のソースまたはドレインのうち他方は、駆動用トランジスター23のゲートに接続されている。
駆動用トランジスター23のソースまたはドレインのうち一方は、有機EL素子30の画素電極31に接続されている。駆動用トランジスター23のソースまたはドレインのうち他方は、電源線14に接続されている。駆動用トランジスター23のゲートと電源線14との間には、蓄積容量22が接続されている。
走査線12が駆動されてスイッチング用トランジスター21がオン状態になると、データ線13から供給される画像信号に基づく電位がスイッチング用トランジスター21を介して蓄積容量22に保持される。蓄積容量22の電位すなわち駆動用トランジスター23のゲート電位に応じて、駆動用トランジスター23のオン・オフ状態が決まる。そして、電源線14から駆動用トランジスター23を介して、画素電極31と対向電極33とで挟まれた発光機能層32に、ゲート電位に応じた量の電流が流れる。有機EL素子30から発せられる光の輝度は、発光機能層32に流れる電流密度によって変化する。
「画素の概要」
図3は、画素の構成を示す概略平面図である。図3では、画素18の構成要素のうち、画素電極31と絶縁膜28とが図示され、他の構成要素の図示は省略されている。なお、画素18の境界が、図中の二点鎖線で示されている。
次に、図3を参照して画素18の概要について説明する。
図3に示すように、画素18の形状は、X方向と比べてY方向に長くなった長方形である。画素18のX方向の寸法X1、すなわち表示領域Eにおける画素18のX方向の繰り返しピッチは、概略2.5μmである。画素18のY方向の寸法Y1、すなわち表示領域Eにおける画素18のY方向の繰り返しピッチは、概略7.5μmである。よって、画素18の面積は概略18.75μm2である。
なお、画素18のX方向の寸法X1は、本発明における「画素の第1の方向の寸法」の一例である。画素18のY方向の寸法Y1は、本発明における「画素の第2の方向の寸法」の一例である。
表示単位19は、X方向に配置された画素18Bと画素18Gと画素18Rとで構成される。よって、表示単位19のX方向の寸法は、画素18のX方向のX1の3倍、つまり概略7.5μmである。表示単位19のY方向の寸法は、画素18のY方向のY1、つまり概略7.5μmである。よって、表示単位19の形状は、正方形である。
上述したように、有機EL装置1は、例えばヘッドマウントディスプレイの表示部に好適な自発光型のマイクロディスプレイである。ヘッドマウントディスプレイの軽量化やコンパクト化を図るためには、画素18の面積が40μm2以下であることが好ましい。さらに、画素18の面積が小さくなり、画素18が微細化されると、画素18が異物の悪影響を受けやすい。なお、詳細は後述するが、本実施形態に係る製造方法は、封止層34(図4参照)が異物の悪影響を受けにくく、画素18の面積が40μm2以下であるマイクロディスプレイ用途の有機EL装置1の製造に好適である。
画素18には、画素電極31と絶縁膜28とが配置されている。画素電極31は、光透過性(透光性)を有し、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透光性材料で構成され、画素18毎に島状に配置されている。絶縁膜28は、例えば酸化シリコンで構成され、画素電極31と発光機能層32との間に配置されている(図4参照)。絶縁膜28は、画素電極31の周縁部を覆い、画素電極31を露出する開口28CTを有している。
開口28CTが設けられた領域では、画素電極31と発光機能層32とが接し、画素電極31から発光機能層32に正孔が供給され、発光機能層32が発光する。つまり、開口28CTが設けられた領域が、発光機能層32が発光する発光領域となる。絶縁膜28が設けられた領域では、画素電極31から発光機能層32への正孔の供給が抑制され、発光機能層32の発光が抑制される。
「有機EL装置の断面構造」
図4は、図3のA−A’線に沿った有機EL装置の概略断面図である。以下に、図4を参照して有機EL装置1の断面構造を説明する。
図4に示すように、有機EL装置1では、素子基板10と、接着剤層42と、対向基板40とが、Z方向に順に配置されている。
素子基板10は、基材11と、基材11にZ方向に順に積層された反射層25と、光学的距離調整層26と、有機EL素子30と、封止層34と、カラーフィルター39とを有している。
基材11の母材は、例えばシリコンからなる不透明基板である。基材11は、走査線12、データ線13、電源線14、データ線駆動回路15、走査線駆動回路16、スイッチング用トランジスター21、蓄積容量22、駆動用トランジスター23(図2参照)などが形成された半導体基板である。
なお、基材11の母材は、上述したシリコンなどの不透明基板に限定されず、例えば石英やガラスなどの透明基板であってもよい。
反射層25は、発光機能層32で発せられた光を反射する一対の反射層の中の一方の反射層である。反射層25は、反射率の高い材料によって形成され、複数の画素18に跨って配置されている。反射層25の構成材料としては、例えばアルミニウムや銀などを使用することができる。本実施形態において、反射層25の光反射率は好ましくは40%以上、より好ましくは80%以上である。
光学的距離調整層26は、第1絶縁膜26aと、第2絶縁膜26bと、第3絶縁膜26cとで構成される。第1絶縁膜26aは、反射層25の上に設けられ、画素18Bと画素18Gと画素18Rとに配置されている。第2絶縁膜26bは、第1絶縁膜26aの上に設けられ、画素18Gと画素18Rとに配置されている。第3絶縁膜26cは、第2絶縁膜26bの上に設けられ、画素18Rに配置されている。その結果、光学的距離調整層26の膜厚は、画素18B、画素18G、画素18Rの順に大きくなっている。
有機EL素子30は、Z方向に順に積層された画素電極31と、発光機能層32と、対向電極33とを有し、表示領域Eに配置されている。
画素電極31は、透光性を有し、表示領域Eに配置されている。上述したように、画素電極31の周縁部は絶縁膜28で覆われ、絶縁膜28の開口28CTが発光領域となる。本実施形態において、画素電極31の光透過率は好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上である。
発光機能層32は、透光性を有し、画素電極31を覆い、表示領域Eよりも広く配置されている。発光機能層32は、Z方向に順に積層された正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、及び電子輸送層などを有している。有機発光層は、赤色、緑色、及び青色の光成分を有する光を発する。有機発光層は、単層で構成してもよいし、複数の層(例えば、青色で発光する青色発光層と、赤色及び緑色を含む光を発する黄色発光層)で構成してもよい。
対向電極33は、発光機能層32を覆い、発光機能層32よりも広く配置されている。対向電極33は、例えばMgとAgとの合金などで構成され、光透過性と光反射性とを有している。対向電極33の膜厚は、概略10〜30nmである。対向電極33を概略10〜30nmに薄膜化することで、光反射性の機能に加えて光透過性の機能を付与することができる。本実施形態において、対向電極33の光透過率は好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、対向電極33の光反射率は好ましくは20%以上、より好ましくは50%以上である。
対向電極33は、発光機能層32で発せられた光を反射する一対の反射層の中の他方の反射層である。
封止層34は、Z方向に順に積層された第1封止層35と、中間層36と、第2封止層37とで構成され、有機EL素子30を覆い、素子基板10の略全面に設けられている。なお、封止層34には、外部接続用端子103を露出させる開口(図示省略)が設けられている。封止層34の光の透過率は、サブ画素18R,18B,18Gの射出光に対し80%以上であることが好ましい。
すなわち、画素18は、有機EL素子30と、有機EL素子30の側から第1封止層35と中間層36と第2封止層37とが順に配置された封止層34を有する。
第1封止層35は、第1無機化合物膜であり、例えば酸窒化シリコンで構成されている。第1封止層35は、対向電極33(有機EL素子30)を覆うように、素子基板10の略全面に設けられている。
中間層36は、平面視で対向電極33と重なり、例えば対向電極33よりも広く設けられている。さらに、中間層36は、第1封止層35及び第2封止層37よりも狭く、平面視で第1封止層35及び第2封止層37の内側に配置されている。中間層36は、例えばエポキシ系樹脂で構成されている。
第2封止層37は、中間層36の側に設けられた第1無機化合物膜37aと、第2無機化合物膜37bとで構成される。第1無機化合物膜37a及び第2無機化合物膜37bは、酸窒化シリコンで構成されている。第2封止層37は、中間層36を覆い、素子基板10の略全面に設けられている。詳細は後述するが、第2封止層37は、クラックなどの欠陥が抑制され、水分や酸素などに対する優れたバリア性を有している。すなわち、第2封止層37は、有機EL素子30への水分や酸素などの侵入を抑制するバリア層である。なお、第2封止層37のバリア性としては、有機EL素子30を大気中の酸素および水等から保護することが可能な程度であれば特に限定されないが、酸素透過率が0.01cc/m2/day以下であることが好ましく、水蒸気透過率が7×10-3g/m2/day以下、中でも5×10-4g/m2/day以下、特に5×10-6g/m2/day以下であることが好ましい。
カラーフィルター39は、封止層34の上に配置され、青色の着色層39Bと、緑色の着色層39Gと、赤色の着色層39Rとを有している。青色の着色層39Bは、例えば青色の色材を含むアクリル樹脂で構成され、平面視で画素18Bの開口28CT(発光領域)と重なるように設けられている。緑色の着色層39Gは、例えば緑色の色材を含むアクリル樹脂で構成され、平面視で画素18Gの開口28CT(発光領域)と重なるように設けられている。赤色の着色層39Rは、例えば赤色の色材を含むアクリル樹脂で構成され、平面視で画素18Rの開口28CT(発光領域)と重なるように設けられている。
また、青色の着色層39Bと緑色の着色層39Gとの境界は、画素18Bと画素18Gとの境界に配置される。緑色の着色層39Gと赤色の着色層39Rとの境界は、画素18Gと画素18Rとの境界に配置される。赤の着色層39Rと青色の着色層39Bとの境界は、画素18Rと画素18Bとの境界に配置される。
カラーフィルター39の上には、接着剤層42と、対向基板40とが順に配置されている。接着剤層42は、例えばアクリル樹脂やエポキシ系樹脂であり、対向基板40とカラーフィルター39(素子基板10)とを接着する。
「光共振構造」
発光領域(開口28CTが設けられた領域)では、反射層25と、光学的距離調整層26と、画素電極31と、発光機能層32と、対向電極33とが、Z方向に順に積層されている。発光機能層32で発せられた光は、反射層25と対向電極33との間で繰り返し反射され、反射層25と対向電極33との間の光学的距離に対応する特定波長(共振波長)の光の強度が増幅され、対向基板40の側から表示光としてZ方向に射出される。
詳しくは、光学的距離調整層26は、反射層25と対向電極33との間の光学的距離を調整する役割を有している。画素18Bでは、共振波長(輝度が最大となるピーク波長)が470nmとなるように、光学的距離調整層26の膜厚が設定されている。画素18Gでは、共振波長が540nmとなるように、光学的距離調整層26の膜厚が設定されている。画素18Rでは、共振波長が610nmとなるように、光学的距離調整層26の膜厚が設定されている。
このように、有機EL装置1は光共振構造を有し、画素18Bから470nmをピーク波長とする青色の光が発せられ、画素18Gから540nmをピーク波長とする緑色の光が発せられ、画素18Rから610nmをピーク波長とする赤色の光が発せられる。
画素18Bで発せられる470nmをピーク波長とする青色の光、画素18Gで発せられる540nmをピーク波長とする緑色の光、画素18Rで発せられる610nmをピーク波長とする赤色の光は、それぞれカラーフィルター39(着色層39B,39G,39R)を通過して、対向基板40の側から表示光としてZ方向に射出される。つまり、有機EL装置1は、トップエミッション構造を有し、カラーフィルター39(着色層39B,39G,39R)は、表示光の色純度を高める役割を有している。
「有機EL素子で発せられた光の表示への影響」
図5は、図4に対応する図であり、本実施形態と比べて封止層の膜厚が大きい有機EL装置の概略断面図である。すなわち、図5に示す有機EL装置2は、図4に示す有機EL装置1と比べて封止層34の膜厚が大きく、他の構成は有機EL装置2と有機EL装置1とで同じである。
図4における光L1,L2,L3,L4は、画素18Gの発光領域で発せられた緑色の光であり、光L1,L2,L3,L4の進行方向が矢印で示されている。光L1は、画素18Gの発光領域(開口28CT)のX(+)方向側の端から発せられ、緑色の着色層39GのX(+)方向側の端(緑色の着色層39Gと赤色の着色層39Rとの境界)を通過する。光L3は、画素18Gの発光領域(開口28CT)のX(+)方向側の端から発せられ、赤色の着色層39Rを通過する。光L2,L4は、画素18Gの発光領域(開口28CT)のX(−)方向側の端から発せられ、緑色の着色層39Gを通過する。
図5における光L5は、画素18Gの発光領域で発せられた緑色の光であり、光L5の進行方向が矢印で示されている。詳しくは、光L5は、画素18Gの発光領域(開口28CT)のX(+)方向側の端から発せられ、緑色の着色層39GのX(+)方向側の端(緑色の着色層39Gと赤色の着色層39Rとの境界)を通過する。すなわち、光L5は、図4における光L1に対応する。
以下に、図4及び図5を参照して、画素18Gの発光領域で発せられた緑色の光を例に、有機EL素子30で発せられた光の表示への影響を説明する。
図4に示すように、光L1,L2は、位置P1の観察者Mの眼に入射する。すなわち、光L1を観察する位置が位置P1である。光L3,L4は、位置P2の観察者Mの眼に入射する。位置P2は、位置P1に対してX(+)方向側に位置する。
位置P1において、画素18Gの発光領域のX(+)方向側の端から発せられた緑色の光L1は、緑色の着色層39Gを通過し、観察者Mの眼に入射する。画素18Gの発光領域のX(−)方向側の端から発せられた緑色の光L2は、緑色の着色層39Gを通過し、観察者Mの眼に入射する。すなわち、画素18Gの発光領域で発せられた緑色の光は、全て緑色の着色層39Gを通過し、色純度が高められるので、観察者Mは高品位の表示を観察することができる。なお、光L1とZ方向とがなす角度はθ1である。
位置P2において、位置P2は位置P1に対してX(+)方向側に位置するので、画素18Gの発光領域のX(+)方向側の端から発せられた緑色の光L3は、赤色の着色層39Rを通過し、観察者Mの眼に入射する。画素18Gの発光領域のX(−)方向側の端から発せられた緑色のL4は、緑色の着色層39Gを通過し、観察者Mの眼に入射する。すなわち、画素18Gの発光領域で発せられた緑色の光の一部が、緑色と異なる色の着色層を通過するので、緑色の光の色純度が悪くなり、観察者Mは低品位の表示を観察することになる。なお、光L3とZ方向とがなす角度はθ2であり、光L1とZ方向となす角度θ1よりも大きい。
よって、画素18Gの発光領域のX(+)方向側の端から発せられた緑色の光と、Z方向とがなす角度が、光L1とZ方向とがなす角度θ1以下である場合、画素18Gで発せられた緑色の光は、全て緑色の着色層39Gを通過し、色純度が高められ、高品位の表示が提供される。一方、画素18Gの発光領域のX(+)方向側の端から発せられた緑色の光と、Z方向とがなす角度が、光L1とZ方向とがなす角度θ1よりも大きくなると、画素18Gで発せられた緑色の光の一部が、緑色と異なる色の着色層を通過し、低品位の表示が提供される。
すなわち、光L1とZ方向とがなす角度θ1は、高品位の表示が提供される、画素18Gで発せられた光とZ方向とがなす角度の最大角である。以降、高いコントラストの表示が提供される、画素18Gで発せられた光とZ方向とがなす角度の最大角を、視野角と称す。図4では、高いコントラストの表示が提供される視野角は、θ1である。
換言すれば、観察者Mの視線方向とZ方向とがなす角度が、視野角θ1以下である場合、観察者Mは高品位の表示を観察することができる。観察者Mの視線方向とZ方向とがなす角度が、視野角θ1よりも大きくなると、観察者Mは低品位の表示を観察することになる。
図5に示すように、画素18Gの発光領域のX(+)方向側の端から発せられた緑色の光L5は、緑色の着色層39Gを通過し、観察者Mの眼に入射する。つまり、光L5とZ方向とがなす角度θ3が、高品位の表示が提供される視野角となる。
有機EL装置2では、観察者Mの視線方向とZ方向とがなす角度が、視野角θ3以下である場合、観察者Mは高品位の表示を観察することができる。観察者Mの視線方向とZ方向とがなす角度が、視野角θ3よりも大きくなると、観察者Mは低品位の表示を観察することになる。
図4及び図5に示すように、有機EL素子30とカラーフィルター39との間の距離が大きい有機EL装置2の視野角θ3は、有機EL素子30とカラーフィルター39との間の距離が小さい有機EL装置1における視野角θ1よりも小さい。よって、有機EL素子30とカラーフィルター39との間の距離が大きくなると視野角が小さくなり、有機EL素子30とカラーフィルター39との間の距離が小さくなると視野角が大きくなる。
上述したように、有機EL装置1は、ヘッドマウントディスプレイの表示部に好適なマイクロディスプレイである。有機EL装置1における視野角θ1が小さい場合、ヘッドマウントディスプレイの装着状態によって観察者Mの視線方向が変化すると、観察者Mが低品位の表示を観察するおそれが生じる。よって、ヘッドマウントディスプレイの装着状態によって観察者Mの視線方向が変化しても、観察者Mが低品位の表示を観察しないように、有機EL装置1の視野角θ1を大きくする必要がある。
従って、有機EL装置1をヘッドマウントディスプレイの表示部に好適に適用させるためには、有機EL素子30とカラーフィルター39との間の距離を小さくし、有機EL装置1の視野角θ1を大きくする必要がある。詳しくは、有機EL素子30とカラーフィルター39との間の距離を、画素18のX方向の寸法X1の2倍以下に設定する必要がある。仮に、有機EL素子30とカラーフィルター39との間の距離が、画素18のX方向の寸法X1の2倍よりも大きくなると、ヘッドマウントディスプレイの装着状態によって観察者Mの視線方向が変化すると、観察者Mが低品位の表示を観察するおそれが生じる。
このように、有機EL装置1をヘッドマウントディスプレイの表示部に適用させる場合、有機EL素子30とカラーフィルター39との間の距離は、画素18のX方向の寸法X1の2倍以下であることが好ましい。詳しくは、画素18のX方向の寸法X1が、画素18のY方向の寸法Y1と同じ、または画素18のY方向の寸法Y1よりも小さい場合、有機EL素子30の発光部(発光機能層32)とカラーフィルター39との間の距離は、画素18のX方向の寸法X1の2倍以下であることが好ましい。
本実施形態では、画素18のX方向の寸法X1は2.5μm(2500nm)であるので、有機EL素子30の発光部(発光機能層32)とカラーフィルター39との間の距離は、5μm(5000nm)以下になっている。詳しくは、画素18Bにおける有機EL素子30の発光部(発光機能層32)とカラーフィルター39(青色の着色層39B)との間の距離HB(図4参照)、画素18Gにおける有機EL素子30の発光部(発光機能層32)とカラーフィルター39(緑色の着色層39G)との間の距離HB(図4参照)、及び画素18Rにおける有機EL素子30の発光部(発光機能層32)とカラーフィルター39(赤色の着色層39R)との間の距離HR(図4参照)は、全て5μm(5000nm)以下になっている。
さらに、有機EL素子30の発光部(発光機能層32)とカラーフィルター39との間の距離が画素18のX方向の寸法X1の2倍以下であれば、有機EL装置1を、上述したヘッドマウントディスプレイの表示部の他に、例えばエレクトロビューファインダーの表示部に好適に適用させることができる。
「有機EL装置の製造方法」
図6は、本実施形態に係る有機EL装置の製造方法を示す工程フローである。図7及び図8は、図4に対応する図であり、図6に示す工程フローの主要な工程を経た後の状態を示す概略断面図である。図9は、ステップS3における酸窒化シリコンの堆積状態を示す模式図である。図10は、ステップS4を処理する前後の第1無機化合物膜の表面の状態を示す模式図である。図11は、ステップS5を経た後の異物が付着した部分の状態を示す模式図である。
図7乃至図11では、図4における基材11と反射層25と光学的距離調整層26(第1絶縁膜26a、第2絶縁膜26b、第3絶縁膜26c)とが、基材11aとして図示されている。つまり、基材11aは、基材11と反射層25と光学的距離調整層26とを含む。
図9における矢印は、酸窒化シリコンの堆積方向を示している。図中の二点鎖線は、堆積途中の酸窒化シリコン(第1無機化合物膜37a)の表面F1の状態を示している。図中の実線はステップS3を経た後の第1無機化合物膜37aの表面F1の状態を示している。
図10における二点鎖線は、ステップS4を処理する前の第1無機化合物膜37aの表面F1の状態を示している。図中の実線は、ステップS4を経た後の第1無機化合物膜37aの表面F1の状態を示している。図中の矢印は、第1無機化合物膜37aのエッチング方向を示している。
以下に、図6乃至図11を参照して、有機EL装置1の製造方法の概要を説明する。
図6に示すように、本実施形態に係る有機EL装置1の製造方法は、第1封止層35を形成する工程(ステップS1)と、中間層36を形成する工程(ステップS2)と、第1無機化合物膜37aを形成する工程(ステップS3)と、第1無機化合物膜37aにエッチング処理を施す工程(ステップS4)と、第2無機化合物膜37bを形成する工程(ステップS5)と、カラーフィルター39を形成する工程(ステップS6)とを含む。
なお、第2封止層37は、ステップS3と、ステップS4と、ステップS5とを経て形成される。つまり、第2封止層37を形成する工程は、ステップS3と、ステップS4と、ステップS5とを含み、本実施形態に係る有機EL装置1の製造方法の特徴部分をなす。
図7(a)に示すように、ステップS1では、例えばプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて、酸窒化シリコンを素子基板10の略全面に堆積し、対向電極33(有機EL素子30)を覆う第1封止層35を形成する。第1封止層35の膜厚は、概略200〜400nmである。第1封止層35は、次の工程(中間層36を形成する工程)で有機EL素子30(対向電極33、発光機能層32)が劣化しないように、有機EL素子30(対向電極33、発光機能層32)を保護する役割を有している。
第1封止層35は、プラズマCVD法の他に、例えば真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、イオンビーム法、CVD法などの方法で形成することができる。
図7(b)に示すように、ステップS2では、例えばディスペンサーやスクリーン印刷などの方法を用いてエポキシ系樹脂を塗布し、エポキシ系樹脂を硬化させ、中間層36を形成する。中間層36の膜厚は、第1封止層35の膜厚よりも大きく、概略1000〜3000nmである。第1封止層35の上に異物が付着すると、当該エポキシ系樹脂は、異物を覆い、流動し、平坦な面を形成する。第1封止層35がクラックやピンホールなどの欠陥を有していると、当該エポキシ系樹脂は、第1封止層35の欠陥を覆い(塞ぎ)、流動し、平坦な面を形成する。このように、中間層36は、第1封止層35の上に付着した異物や第1封止層35の欠陥を覆い、平坦な面を形成し、中間層36の上に形成する第2封止層37に欠陥が生じにくくする。
さらに、有機EL素子30(対向電極33、発光機能層32)は、第1封止層35で覆われ保護されているので、ステップS2が有機EL素子30に悪影響を及ぼすことはない。例えば、ステップS2で使用するエポキシ系樹脂の溶剤が有機EL素子30に悪影響を及ぼすことはない。
図7(c)に示すように、ステップS3では、イオンプレーティング法を用いて酸窒化シリコンを堆積し、第1無機化合物膜37aを形成する。第1無機化合物膜37aの膜厚は、概略2000〜4000nmである。
イオンプレーティング法は、例えばガスプラズマを利用して蒸発粒子の一部をイオンもしくは励起粒子とし、活性化して蒸着する成膜方法である。本実施形態では、蒸着材料(酸化シリコン)に電子ビームを照射し、酸化シリコンを蒸発、イオン化する。蒸発、イオン化した粒子(酸化シリコン)に電圧を印加して加速すると共に、窒素を含む反応ガスのプラズマ中で窒素と結合させて酸窒化シリコンを形成し、当該酸窒化シリコンを中間層36の上に堆積し、第1無機化合物膜37aを形成する。
イオンプレーティング法では、蒸発粒子を電圧で加速しながら高エネルギーで成膜するので、蒸着法やスパッタ法などの成膜方法と比べて、密着性や結晶性に優れた緻密な膜を、低温で形成(堆積)することができる。従って、イオンプレーティング法で形成された酸窒化シリコン(第1無機化合物膜37a)は、緻密で結晶性に優れた緻密な膜であるので、水分や酸素などに対して優れたバリア性を有する。さらに、イオンプレーティング法によって、酸窒化シリコン(第1無機化合物膜37a)を低温で形成(堆積)することができるので、有機EL素子30への熱的ダメージが抑制される。
図9に示すように、ステップS3では、中間層36の上に異物51が付着すると、酸窒化シリコンが異物51を覆いつつZ(+)方向に堆積し、酸窒化シリコン(第1無機化合物膜37a)の表面F1は、二点鎖線で示された状態を経て、実線で示された状態になる。
第1無機化合物膜37aの表面F1は、異物51が付着していない部分ではX方向に沿って配置され、異物51を覆う部分ではZ方向に膨らんで配置される。つまり、第1無機化合物膜37aの表面F1は、X方向に沿った部分と、Z方向に膨らんだ部分とを有する。X方向に沿った部分とZ方向に膨らんだ部分とでは、第1無機化合物膜37a(酸窒化シリコン)の結晶状態が異なるため、X方向に沿った部分とZ方向に膨らんだ部分との境界で、第1無機化合物膜37aに結晶の歪みが生じる。この第1無機化合物膜37aの結晶が歪んだ部分で、クラックCが生じる。すなわち、図中の二点鎖線で示すX方向に沿った部分とZ方向に膨らんだ部分との境界に沿って、クラックCが生じる。クラックCが水分や酸素などが侵入する経路となり、第1無機化合物膜37aの水分や酸素などに対するバリア性が著しく低下する。
第1無機化合物膜37aの異物51を覆う部分では、第1無機化合物膜37aの表面F1に異物51に起因する凸部52が形成される。第1無機化合物膜37aの膜厚が大きくなると、異物51に起因する凸部52の曲率が徐々に小さくなる。すなわち、第1無機化合物膜37aの膜厚が大きくなると、異物51に起因する凸部52は、平面視でX方向に広がり、X方向に対して緩やかに傾斜するようになる。
なお、クラックCは、平面視で凸部52の内側に配置される。
図7(d)に示すように、ステップS4では、第1無機化合物膜37aに異方性エッチングを施し、第1無機化合物膜37aをZ(−)方向に概略500〜3000nmエッチングし、概略1000〜2000nmの第1無機化合物膜37aを形成する。
例えば、フッ素を含む反応ガスまたは塩素を含む反応ガスを用いたRIE(Reactive Ionic Etching)装置などの容量結合型ドライエッチング装置によって、第1無機化合物膜37aに異方性エッチングを施し、第1無機化合物膜37aをZ(−)方向にエッチングすることができる。容量結合型ドライエッチング装置の他に、誘電結合型ドライエッチング装置(例えば、Inductive Coupled Plasmaドライエッチング装置)や電磁波入射型ドライエッチング装置(例えば、電子サイクロトロン共鳴式ドライエッチング装置)などを用いて、第1無機化合物膜37aに異方性エッチングを施すことができる。
図10に示すように、ステップS4では、第1無機化合物膜37aにZ(−)方向の異方性エッチングを施すと、第1無機化合物膜37aはZ(−)方向に均一にエッチングされるので、図中の二点鎖線で示された表面F1の形状が、図中の実線で示された表面F1の形状に転写される。その結果、第1無機化合物膜37aの膜厚を小さくしても、異物51に起因する第1無機化合物膜37aの凸部52の曲率は大きくならず、第1無機化合物膜37aの表面F1は、異方性エッチングを施す前と同じX方向に対して緩やかに傾斜した凸部52を有する。さらに、クラックCは、平面視でX方向に対して緩やかに傾斜した凸部52の内側に配置される。
仮に、ステップS3の酸窒化シリコンの堆積だけで第1無機化合物膜37aを形成すると、第1無機化合物膜37aの膜厚が小さい場合、異物51に起因する凸部52は、X方向に対して急激な傾斜(大きい段差)を有する。
本実施形態では、ステップS3で第1無機化合物膜37aを厚く形成し、ステップS4の異方性エッチングで第1無機化合物膜37aをZ(−)方向にエッチングしているので、第1無機化合物膜37aの膜厚が小さい場合であっても、異物51に起因する凸部52は、X方向に対して緩やかな傾斜(小さい段差)を有するようになる。
例えば、フッ素を含む反応ガスを用いたRIE装置を用いて、ステップS4の異方性エッチングを施すと、第1無機化合物膜37aと第2無機化合物膜37bとの間(第1無機化合物膜37aの表面F1)に微量のフッ素が残量する。例えば、塩素を含む反応ガスを用いたRIE装置を用いて、ステップS4の異方性エッチングを施すと、第1無機化合物膜37aと第2無機化合物膜37bとの間(第1無機化合物膜37aの表面F1)に微量の塩素が残量する。
第1無機化合物膜37aと第2無機化合物膜37bとの間に残留するフッ素や塩素は微量であるので、第2封止層37の光学特性(例えば、透過率)に悪影響を及ぼすことはない。
なお、異物51に起因する凸部52を、X方向に対して緩やかな傾斜させるためには、ステップS4における第1無機化合物膜37aのエッチング量は、500nm以上であることが好ましく、さらに1000nm以上であることがより好ましい。
図8(a)に示すように、ステップS5では、イオンプレーティング法を用いて酸窒化シリコンを堆積し、第2無機化合物膜37bを形成する。第2無機化合物膜37bの膜厚は、概略1000〜2000nmである。ステップS5を経て、第1無機化合物膜37aと第2無機化合物膜37bとで構成される第2封止層37を形成する。
図11に示すように、ステップS5では、異物51を覆う部分の第1無機化合物膜37aは、X方向に対して緩やかに傾斜した凸部52と、平面視で凸部52の内側に配置されたクラックCとを有する。
第2無機化合物膜37bの表面F2には、緩やかに傾斜した第1無機化合物膜37aの凸部52を覆い、凸部52に起因する凸部53が形成される。第1無機化合物膜37aの凸部52は、X方向に対して緩やかな傾斜(小さい段差)を有しているので、第2無機化合物膜37bの凸部53は、X方向に対して緩やかな傾斜(小さい段差)を有する。
第2無機化合物膜37bの表面F2は、X方向に沿った部分と、Z方向に膨らんだ部分(凸部53)とを有する。凸部53は緩やかに傾斜しているので、X方向に沿った部分とZ方向に膨らんだ部分との境界における、第2無機化合物膜37bの結晶の歪みが小さくなり、第2無機化合物膜37bにクラックなどの欠陥が生じにくくなる。
第1無機化合物膜37aのクラックCは、緩やかに傾斜した部分(凸部52)に配置されるので、第2無機化合物膜37bで覆われる。すなわち、第1無機化合物膜37aのクラックCは、第2無機化合物膜37bによって塞がれ、さらに第2無機化合物膜37bに新たなクラックが生じることはない。
このように、ステップS3及びステップS4によって、第1無機化合物膜37aの異物51に起因する凸部52の傾斜を緩やかにし、ステップS5によって緩やかな傾斜を有する凸部52の上に酸窒化シリコンを堆積することによって、クラックなどの欠陥が抑制された第2無機化合物膜37bを形成することができる。さらに、第1無機化合物膜37aのクラックCを、第2無機化合物膜37bで塞ぐことができる。
第2無機化合物膜37bは、イオンプレーティング法を用いて形成された密着性や結晶性に優れた緻密な膜(酸窒化シリコン)であり、酸素や水分に対して優れたバリア性を有する。さらに、第2無機化合物膜37bは、クラックなどの欠陥が抑制されているので、水分や酸素などに対して優れたバリア性を有する。
よって、第1無機化合物膜37aと第2無機化合物膜37bとで構成される第2封止層37も、水分や酸素などに対して優れたバリア性を有する。従って、第2封止層37によって有機EL素子30への水分や酸素などの侵入が抑制され、有機EL素子30の劣化を抑制し、有機EL装置1の信頼性を高めることができる。
図8(b)に示すように、ステップS6では、第2無機化合物膜37b(第2封止層37)の上にカラーフィルター39を形成する。詳しくは、フォトリソグラフィー法で、緑(G)の色材を含む感光性樹脂を、露光し、現像し、焼成し、画素18Gに緑色の着色層39Gを形成する。続いて、青(B)の色材を含む感光性樹脂を、露光し、現像し、焼成し、画素18Bに青色の着色層39Bを形成する。最後に、赤(R)の色材を含む感光性樹脂を、露光し、現像し、焼成し、画素18Rに赤色の着色層39Rを形成する。
上述したように、有機EL装置1をヘッドマウントディスプレイの表示部に適用させる場合、有機EL素子30の発光部(発光機能層32)とカラーフィルター39との間の距離は、画素18のX方向の寸法X1の2倍以下であることが好ましい。画素18のX方向の寸法X1は2.5μm(2500nm)であるので、有機EL素子30の発光部(発光機能層32)とカラーフィルター39との間の距離は5000nm以下であることが好ましい。
本実施形態では、有機EL素子30の発光部(発光機能層32)とカラーフィルター39との間の距離が、画素18のX方向の寸法X1の2倍以下となるように、第2封止層37(第1無機化合物膜37a、第2無機化合物膜37b)を形成している。
詳しくは、有機EL素子30の発光部(発光機能層32)とカラーフィルター39との間には、対向電極33と第1封止層35と中間層36と第2封止層37(第1無機化合物膜37a、第2無機化合物膜37b)とが配置されている。本実施形態では、対向電極33と第1封止層35と中間層36と第2封止層37(第1無機化合物膜37a、第2無機化合物膜37b)との総膜厚が、画素18のX方向の寸法X1の2倍(5000nm)以下となるように、ステップS3及びステップS4によって第1無機化合物膜37aを形成し、ステップS5によって第2無機化合物膜37bを形成している。
なお、第1無機化合物膜37aの膜厚は、第2無機化合物膜37bと同じ、または第2無機化合物膜37bよりも小さくてもよい。第1無機化合物膜37aの膜厚は、第2無機化合物膜37bと同じ、または第2無機化合物膜37bよりも大きくてもよい。
要は、対向電極33と第1封止層35と中間層36と第2封止層37(第1無機化合物膜37a、第2無機化合物膜37b)との総膜厚が、画素18のX方向の寸法X1の2倍(5000nm)以下となるように、第1無機化合物膜37a及び第2無機化合物膜37bを形成することが重要である。
さらに、本実施形態に係る製造方法では、ステップS3〜ステップS5によって異物の悪影響が抑制された第2封止層37(第1無機化合物膜37a、第2無機化合物膜37b)を形成することができるので、第2封止層37が水分や酸素などの侵入を抑制するバリア層となり、水分や酸素などによる有機EL素子30の劣化を抑制し、有機EL装置1の信頼性を高めることができる。
上述したように、画素18の面積が40μm2以下であるマイクロディスプレイ用途の有機EL装置1では、画素18の面積が小さくなり、画素18が微細化されると、画素18が異物の悪影響を受けやすい。本実施形態に係る製造方法では、第2封止層37(封止層34)が異物の悪影響を受けにくいので、画素18の面積が40μm2以下であるマイクロディスプレイ用途の有機EL装置1の製造に好適である。
上記実施形態のステップS4では、第1無機化合物膜37aに異方性エッチングを施したが、これに限定されない。ステップS4では、等方性エッチングを用いてもよい。ステップS4は、反応性ガスを用いたエッチングであることが好ましい。
1,2…有機EL装置、10…素子基板、11,11a…基材、12…走査線、13…データ線、14…電源線、15…データ線駆動回路、16…走査線駆動回路、18,18B,18G,18R…画素、19…表示単位、20…画素回路、21…スイッチング用トランジスター、22…蓄積容量、23…駆動用トランジスター、25…反射層、26…光学的距離調整層、26a…第1絶縁膜、26b…第2絶縁膜、26c…第3絶縁膜、28…絶縁膜、28CT…開口、30…有機EL素子、31…画素電極、32…発光機能層、33…対向電極、34…封止層、35…第1封止層、36…中間層、37…第2封止層、37a…第1無機化合物膜、37b…第2無機化合物膜、39…カラーフィルター、39B…青色の着色層、39G…緑色の着色層、39R…赤色の着色層、40…対向基板、42…接着剤層。

Claims (5)

  1. 発光素子と、
    前記発光素子を覆い、前記発光素子の側から第1封止層と中間層と第2封止層とが順に配置された封止層と、
    を含む有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法であって、
    前記第2封止層を形成する工程は、
    第1無機化合物膜を形成する工程と、
    前記第1無機化合物膜にエッチング処理を施す工程と、
    エッチングされた前記第1無機化合物膜の上に第2無機化合物膜を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  2. 前記第1無機化合物膜を形成する工程及び前記第2無機化合物膜を形成する工程では、イオンプレーティング法で前記第1無機化合物膜及び前記第2無機化合物膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  3. 前記第1無機化合物膜にエッチング処理を施す工程では、異方性エッチングを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  4. 画素が第1の方向及び前記第1の方向と交差する第2の方向に複数配置されており、
    前記画素の面積が40μm2以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
  5. 前記封止層を覆うカラーフィルターをさらに有し、
    前記画素の前記第1の方向の寸法が、前記画素の前記第2の方向の寸法と同じ、または前記画素の前記第2の方向の寸法よりも小さい場合、
    前記発光素子と前記カラーフィルターとの間の距離が前記第1の方向の寸法の2倍以下となるように、前記第2封止層を形成することを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法。
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