JP6733203B2 - 電気光学装置、電子機器 - Google Patents

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本発明は、電気光学装置、電子機器に関するものである。
電気光学装置の一例として、有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescence)素子を用いた画素が素子基板の表示領域にマトリックス状に配置された有機EL装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
具体的に、特許文献1における有機EL素子は、駆動用基板の側から順に積層された、反射層としての機能も兼ねた陽極、絶縁膜、有機層及び陰極を有して構成され、表示領域に設けられた保護膜によって封止されている。
特開2007−234610号公報
特許文献1においては、有機EL素子上に保護膜を成膜した後に、素子基板の表示領域及び外部接続領域(素子基板の表示領域以外の領域)に保護膜を形成し、該保護膜に対して、封止用基板をマスクとする異方性エッチングを行うことによって、外部接続領域上の保護膜を除去している。
しかしながら、封止用基板は一般的なフォトリソマスクと違ってマスクの厚さが1mm程度もあり、マスクとなる封止用基板近傍の数十μmの膜厚を有する保護膜を十分にエッチングすることができないという問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、封止用基板をマスクとして保護膜を充分にエッチングすることのできる、電気光学装置、電子機器を提供することを目的の一つとしている。
本発明の一態様における電気光学装置は、複数の発光素子がマトリックス状に配列された表示領域と、前記表示領域の外側に配置された実装端子と、を含む素子基板と、前記複数の発光素子を封止し、前記素子基板の面法線方向から見て、前記実装端子と重なる領域に開口部を有する封止膜と、前記素子基板に前記封止膜を介して配置され、厚さが1mm以上である封止用基板と、を備え、前記素子基板の面法線方向から見て、前記封止用基板と前記実装端子との間の距離が、前記封止用基板の厚さ寸法以上である。
これによれば、封止用基板と実装端子との距離が封止用基板の厚さ寸法以上、離れているため、製造過程において、封止用基板をマスクにして封止膜のエッチングを行う際、実装端子を覆っていた封止膜をエッチングによって十分に取り除くことができる。
本発明の一態様における電気光学装置において、前記素子基板の前記実装端子が配置された側の一辺と、前記実装端子との間の距離が、前記封止用基板の厚さ寸法の1/2以上である構成としてもよい。
これによれば、マザー基板を用いて電気光学装置を複数同時に製造する場合であっても、実装端子を覆っていた封止膜をエッチングによって十分に取り除くことができる。
本発明の一態様における電気光学装置において、前記発光素子は、陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極の間に挟持される発光層と、を有し、前記陰極は、前記素子基板の面法線方向から見て、前記実装端子と前記封止用基板との間に設けられたデータ線駆動回路を覆い、前記封止用基板は前記陰極の一部を覆っている構成としてもよい。
これによれば、封止膜から露出した陰極の一部を介して、データ線駆動回路の熱を放熱させることができる。これにより、電気光学装置を適正な温度で動作させることができる。
本発明の一態様における電子機器は、上記の電気光学装置を備えている。
これによれば、封止用基板を用いたエッチングによって製造した電気光学装置を備えているため、優れた表示品質を有するとともに、高い生産性を有した電子機器を得ることができる。
電気光学装置の製造方法は、素子基板上に複数の発光素子と複数の実装端子とを形成する工程と、前記複数の発光素子及び前記複数の実装端子を覆うように封止膜を形成する工程と、前記封止膜を介して前記素子基板上に封止用基板を配置する工程と、前記封止用基板をマスクとして、前記実装端子の少なくとも一部を露出させるように前記封止膜をエッチングする工程と、を有し、前記複数の実装端子を形成する工程において、前記素子基板の面法線方向から見て、前記封止用基板と前記実装端子との間の距離が、前記封止用基板の厚さ寸法以上となるように形成する。
また、電気光学装置の製造方法は、前記複数の実装端子を形成する工程において、前記素子基板の面法線方向から見て、前記素子基板の前記複数の実装端子が配列された一辺と、前記実装端子との間の距離が、前記封止用基板の厚さ寸法の1/2以上となるように形成する。
また、電気光学装置の製造方法は、マザー基板を用いる場合は、前記実装端子を形成する工程において、前記マザー基板の面法線から見て水平方向に各素子基板形成領域の前記表示領域が存在し、垂直方向に各素子基板形成領域の前記端子領域が存在する場合に、垂直方向で隣り合う一方の前記素子基板形成領域の前記実装端子と、垂直方向で隣り合う他の前記素子基板形成領域との間のスクライブラインとの間の距離が、前記封止用基板の厚さ寸法の1/2以上となるように形成する。
また、電気光学装置の製造方法は、前記発光素子を形成する工程において、前記端子領域に設けられたデータ線駆動回路を覆うように陰極を形成し、前記封止膜をエッチングする工程において、前記陰極の一部を露出させる。
第1実施形態に係る有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図。 (a)は、第1実施形態に係る有機EL装置の構成を示す概略平面図、図2(b)は、図2(a)の一部を拡大して示す図。 図2(a)のA−A線に沿った有機EL装置の構造を示す概略断面図。 図2(a)のB−B線に沿った有機EL装置の構造を示す概略断面図。 有機EL装置の製造方法を示すフローチャート。 (a)〜(c)は有機EL装置の製造方法を示す概略断面図。 (d)〜(e)は有機EL装置の製造方法を示す概略断面図。 封止用基板と実装端子との距離を示す断面図。 封止用基板からの実装端子の距離[mm]と、エッチングレート[Å/sec]との関係を示す図。 複数の素子基板が面付け(レイアウト)され、封止用基板をそれぞれに配置したマザー基板を示す概略平面図。 第2実施形態の有機EL装置の構成を示す概略断面図。 電子機器としてのヘッドマウントディスプレイを示す概略図。
以下に、本発明を具体化した実施形態について図面を用いて説明する。なお、使用する図面は、説明する部分を明確に認識し読み手の理解を促進できるよう、適宜拡大または縮小して表示している。
また、以下の実施形態の説明において、例えば「基板上に」との記載がある場合、基板の上に接するように配置されている場合、または基板の上に他の構成物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を含むものとする。
(第1実施形態)
<有機EL装置>
本実施形態における有機EL装置について説明する。
図1は、第1実施形態に係る有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
図2(a)は、第1実施形態に係る有機EL装置の構成を示す概略平面図である。図2(b)は、図2(a)の一部を拡大して示す図である。なお、図2(a)及び図2(b)においては発明の理解を容易にするため、製図法上、実線であらわすべきところを破線で、もしくは破線で表すべきところを実線で表記している場合がある。
図1に示すように、本実施形態に係る有機EL装置(電気光学装置)100は、互いに交差する複数の走査線12と複数のデータ線13、および電源線14とを有している。複数の走査線12は走査線駆動回路15に接続されており、複数のデータ線13はデータ線駆動回路16に接続されている。複数の走査線12と複数のデータ線13との各交差部に対応して、マトリックス状に複数のサブ画素18が配置されている。
サブ画素18には、発光素子である有機EL素子(発光素子)30と、有機EL素子30の駆動を制御するための画素回路20とを含んでいる。
有機EL素子30は、陽極として機能する画素電極(陽極)31と、陰極として機能する共通電極33と、画素電極31と共通電極(陰極)33との間に設けられた発光体となる有機発光層を含む機能層32とで構成されている。このような有機EL素子30は電気的にダイオードとして表記することができる。
画素回路20は、スイッチング用トランジスター21と、蓄積容量22と、駆動用トランジスター23とを有している。スイッチング用トランジスター21と、駆動用トランジスター23とは、例えば、nチャネル型もしくはpチャネル型の薄膜トランジスター(TFT:Thin Film Transistor)やMOSトランジスターを用いて構成することができる。
スイッチング用トランジスター21のゲートは走査線12に接続され、ソースまたはドレインのうち一方がデータ線13に接続され、ソースまたはドレインのうち他方が駆動用トランジスター23のゲートに接続されている。駆動用トランジスター23のうちソースまたはドレインの一方が有機EL素子30の画素電極31と接続され、ソースまたはドレインの他方が電源線14と接続されている。駆動用トランジスター23のゲートと電源線14との間に蓄積容量22が接続されている。
走査線駆動回路15から走査線12を経由して、制御信号がスイッチング用トランジスター21に供給されると、ゲートはオンの状態となる。そして、データ線駆動回路16からデータ線13を経由して供給される画像信号に基づく電位が、スイッチング用トランジスター21を介して蓄積容量22に保持される。蓄積容量22に保持された電位つまり駆動用トランジスター23のゲート電位に対応して、駆動用トランジスター23のゲートのオン、オフ状態が決まる。駆動用トランジスター23のゲートがオンの状態になると、電源線14から駆動用トランジスター23を介して画素電極31と共通電極33とに挟まれた機能層32に電流が流れる。有機EL素子30は機能層32を流れる電流の大きさに応じて発光する。
なお、画素回路20の構成は、これに限定されない。例えば、画素電極31と駆動用トランジスター23との間に設けられ、画素電極31と駆動用トランジスター23との間の導通を制御する発光制御用トランジスターを備えていても良い。
有機EL装置100は、素子基板10と、素子基板10に対向するように配置された封止用基板41とを有している。素子基板10には、表示領域E1(図中、破線で表示)と、表示領域E1の外側にダミー領域E2(図中、2点鎖線で表示)とが設けられている。ダミー領域E2の外部は非表示領域となっている。
表示領域E1には、サブ画素18がマトリックス状に配置されている。前述したように、サブ画素18は発光素子である有機EL素子30を備えており、スイッチング用トランジスター21および駆動用トランジスター23の動作に伴って、赤(R),緑(G),青(B)のうちいずれかの色の発光が得られる。ここでは、赤色に発光する画素をサブ画素18R、緑色に発光する画素をサブ画素18G、青色に発光する画素をサブ画素18Bとしている。以降、サブ画素18R,18G,18Bをまとめてサブ画素18と表現する場合もある。
本実施形態では、同色の発光が得られるサブ画素18が図面上において垂直方向に配置され、異なる色の発光が得られるサブ画素18が、水平方向に配置されている。このようなサブ画素18の配置はストライプ方式といわれている。以降、異なる色の発光が得られるサブ画素18が配列した方向をX方向とし、同色の発光が得られるサブ画素18が配列した方向をY方向として説明する。
X方向のサブ画素18の配列について、図中R,G,Bとしているが、これに拘るものではなく、複数の組み合わせを用いることができる。また、サブ画素18の配列はストライプ方式に限定されず、モザイク方式、デルタ方式であっても良い。
ダミー領域E2には、主として各サブ画素18の有機EL素子30を発光させるための周辺回路が設けられている。例えば、図2に示すように、X方向において表示領域E1を挟んだ位置にY方向に延在して、一対の走査線駆動回路15が設けられている。一対の走査線駆動回路15の間で表示領域E1に沿った位置に、検査回路17が設けられている。
素子基板10には、一対の走査線駆動回路15に沿ったY方向と、検査回路17に沿ったX方向とに延在して、ダミー領域E2を囲むように配置された配線層29を有している。有機EL素子30の共通電極33は、複数の有機EL素子30すなわち複数のサブ画素18に亘って、共通陰極として形成されている。また、共通電極33は、表示領域E1から非表示領域に至るように形成され、非表示領域において上記の配線層29と電気的に接続されている。
素子基板10は、封止用基板41よりも大きく、封止用基板41からY方向にはみ出た一辺部(図中、素子基板10の下方の端部と、ダミー領域E2との間の辺部;以降、端子領域11tと呼ぶ)に、外部駆動回路との電気的な接続を図るための複数の実装端子101がX方向に配列している。複数の実装端子101には、フレキシブル回路基板(以下、FPC)105が接続されている。FPC105には、駆動用IC110が実装されている。
駆動用IC110は、前述したデータ線駆動回路16を含むものである。FPC105は、駆動用IC110の入力側に配線を介して接続される入力端子102と、駆動用IC110の出力側に配線を介して接続される出力端子(図示省略)とを有している。
素子基板10側のデータ線13や電源線14は、実装端子101及びFPC105を介して、駆動用IC110に電気的に接続されている。走査線駆動回路15や検査回路17に接続された配線は、実装端子101とFPC105を介して駆動用IC110に電気的に接続されている。共通陰極としての共通電極33もまた配線層29及び実装端子101、並びにFPC105を介して駆動用IC110に電気的に接続されている。
したがって、端子領域11tに配列した複数の実装端子101のいずれかに、駆動用IC110からの制御信号や駆動用電位(VDD)などが供給される。すなわち実装端子101とFPC105側の出力端子との電気的な接続信頼性を確保することは、有機EL装置100の動作に大きく寄与するものとなる。
素子基板10側の複数の実装端子101と、FPC105側の出力端子とを電気的に接続する方法は、公知の方法を用いることができ、例えば熱可塑性の異方性導電フィルムを用いる方法や熱硬化型の異方性接着剤を用いる方法が挙げられる。
(有機EL装置の構造)
次に、有機EL装置100の構造について、図3及び図4を参照して説明する。
図3は、図2(a)のA−A線に沿った有機EL装置100の構造を示す概略断面図である。図4は、図2(a)のB−B線に沿った有機EL装置100の構造を示す概略断面図である。
ここで、図3は表示領域E1におけるサブ画素18の構造を示し、図4は端子領域11tの構造を示すものである。ここで以下に述べる基材11は本発明でいう素子基板に相当する。
図3に示すように、有機EL装置100は、基材11と、基材11上に順に形成された、画素回路20と、有機EL素子30と、複数の有機EL素子30を封止する封止層34と、カラーフィルター36とを含む素子基板10を備えている。また、素子基板10に対して対向して配置された封止用基板41を備えている。
封止用基板41は、例えば石英ガラスなどの可視光領域に対して透明な基板からなり、素子基板10において封止層34上に形成されたカラーフィルター36を保護すべく、充填剤42を介して素子基板10に対向して配置されている。
サブ画素18R,18G,18Bの機能層32からの発光は、後述する反射層25で反射されると共に、カラーフィルター36を通過して封止用基板41の側から取り出される。すなわち、有機EL装置100はトップエミッション型の発光装置である。
基材11は、有機EL装置100がトップエミッション型のため、石英ガラスなどの透明基板のみならず、シリコン(Si)やセラミックスなどの不透明な基板を用いることができる。以降、基材11として石英ガラスを用い、画素回路20に薄膜トランジスターを用いた場合を例に説明する。
第1絶縁膜11aは、基材11の表面を覆って形成される。第1絶縁膜11a上には、画素回路20における例えば駆動用トランジスター23の半導体層23aが形成される。半導体層23aを覆ってゲート絶縁膜として機能する第2絶縁膜11bが形成される。第2絶縁膜11bを介して半導体層23aのチャネル領域と対向する位置に、ゲート電極23gが形成される。ゲート電極23gを覆って第1層間絶縁膜24が300nm〜2μmの膜厚で形成される。第1層間絶縁膜24は、画素回路20の駆動用トランジスター23などを覆うことによって生じた表面の凹凸を無くすように平坦化処理が施される。
半導体層23aのソース領域23sとドレイン領域23dとにそれぞれ対応して、第2絶縁膜11bと第1層間絶縁膜24とを貫通するコンタクトホールが形成される。これらのコンタクトホールを埋めるようにして導電膜が形成され、パターニングされて駆動用トランジスター23に接続される電極や配線が形成される。
また、上記導電膜は、光反射性があり、例えばアルミニウム(Al)、あるいはアルミニウム(Al)と銀(Ag)や銅(Cu)との合金などを用いて形成される。これをパターニングすることによって、サブ画素18ごとに独立した反射層25が形成される。本実施形態において、反射層25の光反射率は好ましくは40%以上、より好ましくは80%以上である。図3では図示を省略したが、画素回路20におけるスイッチング用トランジスター21や蓄積容量22も、基材11上に形成される。
反射層25と第1層間絶縁膜24とを覆って10nm〜2μmの膜厚で第2層間絶縁膜26が形成される。また、後に画素電極31と駆動用トランジスター23とを電気的に接続させるためのコンタクトホールが第2層間絶縁膜26を貫通して形成される。第1絶縁膜11a、第2絶縁膜11b、第1層間絶縁膜24、第2層間絶縁膜26を構成する材料としては、例えばシリコン酸化物やシリコン窒化物、あるいはシリコン酸窒化物を用いることができる。
第2層間絶縁膜26に形成されたコンタクトホールを埋めるように、第2層間絶縁膜26を覆って導電膜が成膜される。この導電膜をパターニングすることによって画素電極31(31R,31G,31B)が形成される。画素電極31(31R,31G,31B)は、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜を用いて形成される。本実施形態において、画素電極31の光透過率は好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上である。なお、サブ画素18ごとに反射層25を設けない場合は、画素電極31(31R,31G,31B)を光反射性のアルミニウム(Al)やその合金を用いて形成してもよい。
各画素電極31R,31G,31Bの外縁部を覆って隔壁28が形成される。これによって各画素電極31R,31G,31B上に開口部28aが形成される。隔壁28は例えばアクリル系の感光性樹脂を用いて、1μm程度の高さで各画素電極31R,31G,31Bをそれぞれ区画するように形成される。
なお、本実施形態では、各画素電極31R,31G,31Bを互いに絶縁された状態とするために感光性樹脂からなる隔壁28を形成したが、酸化シリコンなどの無機絶縁材料を用いて各画素電極31R,31G,31Bを区画してもよい。
機能層32は、各画素電極31R,31G,31Bに接するように、真空蒸着法などの気相プロセスを用いて形成され、隔壁28の表面も機能層32で覆われる。なお、隔壁28で区画された領域に機能層32が形成されればよいので、機能層32は隔壁28のすべての表面を覆う必要はない。よって、隔壁28の頂部は機能層32で覆われていなくてもよい。
機能層32は、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、電子注入層を有する。本実施形態では、画素電極31に対して、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、電子注入層を、それぞれ気相プロセスを用いて成膜し、順に積層することによって機能層32が形成されている。
なお、機能層32の層構成は、これに限定されず、キャリアである正孔や電子の移動を制御する中間層をさら含んでも良いし、例えば有機発光層に電子輸送層の機能を持たせて、層数を減らすこともできる。
有機発光層は、白色発光が得られる構成であればよく、例えば、赤色の発光が得られる有機発光層と、緑色の発光が得られる有機発光層と、青色の発光が得られる有機発光層とを組み合わせた構成を採用することができる。
機能層32を覆って共通陰極としての共通電極33が形成される。共通電極33は、例えばMgとAgとの合金を光透過性と光反射性とが得られる程度の膜厚(例えば10nm〜30nm)で成膜することによって形成される。本実施形態において、共通電極33の光透過率は好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、共通電極33の光反射率は好ましくは20%以上、より好ましくは50%以上である。これによって、複数の有機EL素子30ができあがる。
共通電極33を光透過性と光反射性とを有する状態に形成することによって、サブ画素18R,18G,18Bごとの反射層25と共通電極33との間で光共振器を構成してもよい。光共振器は、サブ画素18R,18G,18Bごとに、反射層25と共通電極33との間の光学的距離を異ならせることにより、特定の共振波長の光が取り出されるものである。これによって、各サブ画素18R,18G,18Bからの発光の色純度を高めることができる。
上記光学的距離は、光共振器を構成する反射層25と共通電極33との間に挟まれた各種の機能膜の屈折率と膜厚との積の合計として求められる。したがって、上記光学的距離をサブ画素18R,18G,18Bごとに異ならせる方法としては、画素電極31R,31G,31Bの膜厚を異ならせる方法や、反射層25と画素電極31R,31G,31Bとの間の第2層間絶縁膜26の膜厚を異ならせる方法がある。上記のように有機EL素子30が共振構造を有する場合、有機EL素子30から発せられた光は、共通電極33から後述の封止層34側に出射される光であり、機能層32の内部で発せられる光のスペクトルとは異なるスペクトルの光である。
共通電極33上には、水や酸素などが浸入しないように、複数の有機EL素子30を覆う封止層34が形成される。本実施形態の封止層34は、共通電極33側から順に、第1封止膜(封止膜)34a、緩衝膜34b、第2封止膜(封止膜)34cが積層されたものである。
なお、封止層34のガスバリア性としては、有機EL素子30を大気中の酸素および水等から保護することが可能な程度であれば特に限定されないが、酸素透過度が0.01cc/m2/day以下であることが好ましく、水蒸気透過度が7×10−3g/m2/day以下、中でも5×10−4g/m2/day以下、特に5×10−6g/m2/day以下であることが好ましい。封止層34の光の透過率は、共通電極33からの射出光に対し80%以上であることが好ましい。
第1封止膜34a及び第2封止膜34cとしては、光透過性を有すると共に優れたガスバリア性を有する無機材料である例えば、シリコン酸化膜(SiO)、シリコン窒化膜(Si)、シリコン酸窒化膜(SiO)およびこれらを主成分としたものが好ましい。
第1封止膜34a及び第2封止膜34cの形成方法としては、真空蒸着法、スパッタ法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、イオンプレーティング法などを挙げることができる。第1封止膜34aや第2封止膜34cの膜厚を厚くするほど、高いガスバリア性を実現できるが、その一方で膜の膨張や収縮によって生じる膜応力によりクラックが生じ易い。したがって、それぞれ200nm〜1000nm程度の膜厚に制御することが好ましい。本実施形態では緩衝膜34bを挟んで、第1封止膜34aと第2封止膜34cとを重ねることで高いガスバリア性を実現している。
緩衝膜34bは、熱安定性に優れた例えばエポキシ系樹脂や塗布型の無機材料(酸化シリコンなど)を用いて形成することができる。また、緩衝膜34bをスクリーンなどの印刷法や定量吐出法などにより塗布形成すれば、緩衝膜34bの表面を平坦化することができる。つまり、緩衝膜34bは第1封止膜34aの表面の凹凸を緩和する平坦化層としても機能させることができる。
図4に示すように、端子領域11tにおける封止層34の端部は、第1封止膜34aと第2封止膜34cとで主に構成されており、表示領域E1のように第1封止膜34aと第2封止膜34cとで緩衝膜34bを挟んだ構成になっていない。表示領域E1においては画素回路20や有機EL素子30などの構造物により、少なからず凹凸が生じてしまうため、緩衝膜34bを挟むことにより凹凸を緩和させる必要がある。他方で、ダミー領域E2においては有機EL素子30等が存在しないために、下地の凹凸をそれほど考慮しなくても良いからである。
また、封止層34の上記端部は、直接外部と接触するため水分等の影響を受けやすい。そのため、第1封止膜34a、第2封止膜34cのみの構成であるほうが、より高いガスバリア性を実現できる。さらに、第1封止膜34aと第2封止膜34cとは同じ材料で構成することができるため、お互いの密着性も良く、ガスバリア性をさらに高めることができる。
封止層34上には、図3に示すように、各色のサブ画素18R,18G,18Bに対応した着色層36R,36G,36Bが形成される。着色層36R,36G,36Bで構成されるカラーフィルター36の形成方法としては、各色に対応した染料や顔料などの色材が溶剤に分散された感光性樹脂を塗布して感光性樹脂層を形成し、これをフォトリソグラフィー法で露光・現像して形成する方法が挙げられる。着色層36R,36G,36Bの膜厚は、どの色も同じでもよいし、少なくとも1色を他の色と異ならせてもよい。いずれにしても、有機EL素子30からの発光が各着色層(36R、36G、36B)を通過した際に、適度な色度やホワイトバランスが得られるような膜厚が設定される。
本実施形態におけるカラーフィルター36は、異なる色の着色層36R,36G,36B間においてY方向に延在して、異なる色の着色層36R,36G,36Bを区分するストライプ状の絶縁層35を含むものである。絶縁層35は、色材を含まない感光性樹脂材料からなる。絶縁層35の断面形状は台形に限定されるものではないが、封止層34に接する底面のX方向の長さは、画素電極31間の寸法と同程度の0.5μm〜1μmであることが望ましい。絶縁層35は表示領域E1及びダミー領域E2に亘り、形成されている。サブ画素20Bの有機EL素子30から発せられた光は青色の着色層36Bを透過し、緑色の着色層36G及び赤色の着色層36Rにて遮光される。同様に、サブ画素20Gの有機EL素子30から発せられた光は緑色の着色層36Gを透過し、青色の着色層36B及び赤色の着色層36Rにて遮光され、サブ画素20Rの有機EL素子30から発せられた光は赤色の着色層36Rを透過し、青色の着色層36B及び緑色の着色層36Gにて遮光される。したがって、各有機EL素子30の位置とカラーフィルター36の各着色層の位置により、有機EL装置100から取り出される光の方向が規定される。
なお、図4では着色層36G(カラーフィルター36)を表示領域E1までとしているがこれに拘るものでは無く、ダミー領域E2(端子領域11tと封止用基板41との境界)まで覆いかぶせる構成であってもよい。この構成によれば、後の充填剤42を塗布して形成する工程において、充填剤42は、互いに濡れ性の異なる、着色層36G(カラーフィルター36)と第2封止膜34cとの双方に接することがなくなり、着色層36G(カラーフィルター36)の面のみに塗布することができる。つまり、充填剤42の塗布性を良くすることができる。
素子基板10と封止用基板41とは、図3及び図4に示すように間隔をおいて対向して配置され、当該間隔に充填剤42が塗布される。充填剤42の機能としては、封止用基板41及び素子基板10に対して濡れ性および接着性が良好であるとともに、有機EL素子30からの発光に対して透明であることが必要とされる。よって、充填剤42としては、例えばウレタン系、アクリル系、エポキシ系、ポリオレフィン系などの樹脂材料を挙げることができる。充填剤42の厚みは、例えば10μm〜100μmである。
(素子基板10の端子領域11tとその周辺の構造)
実装端子101は、図4に示すように、素子基板10の端子領域11tにおいて、画素電極31と同様に、第2層間絶縁膜26上に形成されている。また、第2層間絶縁膜26に形成されたコンタクトホール26a内の導電膜を介して、第1層間絶縁膜24上に形成された配線層103と接続されている。
図4では、基材11上における画素回路20や画素回路20に接続される信号配線、走査線駆動回路15などの周辺回路の構成について図示を省略しているが、複数の実装端子101のそれぞれは、これらの回路や信号配線に対して配線層103を通じて電気的に接続されている。
配線層103は、第1層間絶縁膜24上に形成された導電膜を利用して、反射層25と一緒にパターニングされていることが好ましいが、反射層25と異なる構成の材料で形成されていてもよい。
また、実装端子101は、第2層間絶縁膜26上に形成された導電膜を利用して、画素電極31と一緒にパターニングされていることが好ましいが、画素電極31と異なる構成の材料で形成されていてもよい。実装端子101は前述したようなFPC105との接続のみならず(図2(a))、ワイヤーボンディングなどで実装してもよい。実装端子101は、実装方法との相性と、のちの封止膜エッチング工程におけるフッ素系のエッチングガスを用いたドライエッチングに対する耐久性に鑑みて、アルミニウム(Al)や酸化インジウムスズ(ITO)などを用いるとよい。
いずれの端子構成であっても実装端子101は、第2層間絶縁膜26の上面で、例えば封止層34、充填剤42、その他の部材と干渉することなく露出した状態を保持しているので、外部との電気的接続を良好に行うことができる。
本実施形態における封止用基板41の厚さTは、0.5mm〜1.5mmである。図2(b)及び図4に示すように、素子基板10の面法線方向から見て封止用基板41と実装端子101との間の距離L1が、封止用基板41の厚さ寸法以上となっており、T≦L1の関係を満たしている。つまり、素子基板10の面法線方向から見て、素子基板10の一面上で、封止用基板41の端部(実装端子101側の端部)41aと重なる位置から、封止用基板41の厚さ寸法以上の距離をおいて実装端子101が配置されている。
また、実装端子101と、素子基板10における実装端子101が配列された側の一辺11Aと、の間の距離L2が、封止用基板41の厚さ寸法の1/2以上となっている(T/2≦L2)。
<有機EL装置の製造方法>
次に、本実施形態の有機EL装置の製造方法について図5〜図7を参照して、本発明の特徴部分である、高い接続信頼性を有する実装端子101の形成方法を詳しく説明する。
図5は有機EL装置100の製造方法を示すフローチャート、図6(a)〜(c)および図7(d)〜(e)は有機EL装置100の製造方法を示す概略断面図である。なお、図6および図7は、図4に対応した領域の概略断面図である。
図5に示すように、本実施形態の有機EL装置100の製造方法は、封止層形成工程(ステップS1)と、カラーフィルター形成工程(ステップS2)と、充填剤塗布工程(ステップS3)と、基板貼り合せ工程(ステップS4)と、封止膜エッチング工程(ステップS5)と、アッシング工程(ステップS6)とを含んでいる。
なお、基材11上に画素回路20、反射層25、有機EL素子30、その他周辺回路、信号配線などを形成する方法は、公知の成膜技術、穴埋め技術、平坦化技術その他付随するプロセスを採用することができる。
<封止層形成工程(ステップS1)>
図6(a)に示すように、まず、共通電極33と端子領域11t(実装端子101)とを覆う第1封止膜34aを形成する。第1封止膜34aを形成する方法としては、例えばシリコン酸化膜(SiO)、シリコン窒化膜(Si)やシリコン酸窒化物(SiO)を真空蒸着法、スパッタ法、CVD法、イオンプレーティング法などで成膜する方法が挙げられる。第1封止膜34aの膜厚はおよそ200nm〜1000nmの範囲であることが望ましく、この場合、400nmとした。
次に、第1封止膜34aを覆う緩衝膜34bを形成する。緩衝膜34bは、端子領域11tと封止用基板41との境界に掛からず、ダミー領域E2に収まるように形成することが望ましい。緩衝膜34bの形成方法としては、例えば、透明性を有するエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂の溶媒とを含む溶液を用い、印刷法や定量吐出法で該溶液を塗布し、乾燥させることにより、エポキシ樹脂からなる緩衝膜34bを形成する。緩衝膜34bの膜厚は1μm〜5μmが好ましく、より好ましくは1.5μm〜2.0μmである。この場合、2μmとした。
なお、緩衝膜34bは、エポキシ樹脂などの有機材料を用いて形成することに限定されない。例えば、塗布型の無機材料を印刷法により塗布し、これを乾燥・焼成することによって、膜厚がおよそ2μmの酸化シリコン膜を、緩衝膜34bとして形成してもよい。
続いて、緩衝膜34bを覆う第2封止膜34cを形成する。第2封止膜34cの形成方法は、第1封止膜34aと同じであって、例えばシリコン酸化膜(SiO)、シリコン窒化膜(Si)やシリコン酸窒化物(SiO)を真空蒸着法、スパッタ法、CVD法、イオンプレーティング法などで成膜する方法が挙げられる。第2封止膜34cの膜厚もおよそ200nm〜1000nmの範囲であることが望ましく、この場合は800nmとした。そして、ステップS2へ進む。
<カラーフィルター形成工程(ステップS2)>
図6(a)に示すように、まず、色材を含まない感光性樹脂材料をスピンコート法などを用いて基材11の全面に亘って塗布して感光性樹脂層を形成し、この感光性樹脂層を露光・現像することで、画素の間でY方向に延在するストライプ状の絶縁層35を形成する。この際、基材11上に形成された実装端子101と平面視で重なる領域に開口部37をパターン形成する。
次に、絶縁層35を覆って、例えば、緑の色材を含む感光性樹脂をスピンコート法で塗布して乾燥させることにより色材を含む感光性樹脂層を形成する。続いて、該感光性樹脂層を露光・現像することにより緑(G)の着色層36Gを形成する。本実施形態においては、適度な光学特性を得られるよう、着色層36Gの膜厚を1.0μm〜2.0μmの範囲とした。また、図示はしないが、赤および青についても同様に各色の色材を含む感光性樹脂を塗布し、露光現像を行い、着色層36R、36Bを形成する。すなわち、使用するカラーフィルターの色数に応じた回数分、塗布〜露光現像処理を行う必要がある。
続いて、ステップS3へ進む。
<充填剤塗布工程(ステップS3)>
図6(b)に示すように、着色層36G(36)を覆うように充填剤42を塗布する。充填剤42には、有機EL素子30から発せられる光の透過性およびカラーフィルター36と封止用基板41との接着性を考慮して熱硬化型のエポキシ系樹脂が使用されている。その他、たとえばウレタン系、アクリル系、ポリオレフィン系などの樹脂材料でも同様の効果が得られる。充填剤42は、緩衝膜34bの効果により例えば有機EL素子30などの構造物の凹凸が低減されているため、カラーフィルター36や第2封止膜34cの表面上を流動性よく塗布することができる。なお、最終的な充填剤42の厚みはおよそ10〜100μmである。続いて、ステップS4に進む。
<封止基板貼り合わせ工程(ステップS4)>
図6(b)にて充填剤42が塗布された基材11に対して、封止用基板41を所定の位置に例えば真空吸引等で対向して配置する(図6(c))。封止用基板41には光透過性やハンドリング性、後の封止膜エッチング工程による反応生成物の影響を考慮して、石英ガラスが使用されている。封止用基板41の厚みは0.5mm〜1.2mmが好適である。本実施形態においては1.2mmの基板を用いている。
対向して配置された封止用基板41を所定の押し圧で加圧し、基材11と封止用基板41とに挟まれて、いまだ固化していない充填剤42を平面視でまんべんなく押し広げる。この際、封止用基板41の端部(端子領域11tとの境界面)から充填剤42がはみ出て端子領域11tにかかり、実装端子101まで覆ってしまうことも懸念される。したがって、充填剤42の塗布量の調整、封止用基板41の平面積、加圧の程度により、充填剤42が端子領域11tにはみ出さないように管理することが好ましい。ちなみに、充填剤42の内部に気泡の残りがあると表示不良を引き起こす可能性もあるので、真空(大気圧以下)雰囲気の元で押し圧作業を行うことがより好ましい。
上記作業の後、充填剤42の硬化条件となる温度および時間にて充填剤42を固化し、素子基板10と封止用基板41とを接着する。なお、封止用基板41を加圧することにより充填剤42を平面的に延在させるため、前述したステップS3にて充填剤42を表示領域E1全体に塗布することは特に求めない。
<封止膜エッチング工程(ステップS5)>
次に、図7(d)に示すように、絶縁層35をエッチングマスクとして開口部37内の第1封止膜34a及び第2封止膜34cをエッチングにより除去し、実装端子101を露出させる。エッチング方法は、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよい。この際、封止用基板41によって、エッチングによるダメージから有機EL素子30及びカラーフィルター36を保護することができる。
ここでは、絶縁層35だけでなく、封止用基板41もエッチングマスクとして機能する。封止用基板41及び絶縁層35をマスクとして実装端子101上の第1封止膜34a及び第2封止膜34cをエッチングする。そのため本実施形態では、第1封止膜34a及び第2封止膜34cと同時に、第2封止膜34c上に積層されている絶縁層35の一部もエッチングにより除去される。
本工程では、絶縁層35の開口部37内におけるエッチング対象の封止膜34a,34cをエッチングするが、フォトレジストである絶縁層35も同時にエッチングされる。実装端子101の表面を確実に露出させるために、少し長めにエッチング処理をした場合、端子領域11tにおける封止膜34a,34c上の絶縁層35は殆どなくなっている可能性がある。しかしながら、感光性樹脂である絶縁層35がなくなると、実装端子101以外の領域に設けられた封止膜34a,34c、つまり、端子領域11t上に本来残しておくべき封止膜34a,34cがエッチングされてしまう。そこで、封止膜エッチング工程では絶縁層35がある程度残るようなエッチング条件で処理を行う。しかしながら、端子領域11tに残る絶縁層35は僅かであるため、エッチング処理後の様子を示す図7(e)での図示は省略する。
シリコン酸化膜(SiO)、シリコン窒化膜(Si)およびシリコン酸窒化膜(SiO)などの無機膜からなる第1封止膜34a及び第2封止膜34cを選択的にエッチングする方法として、CHF(三フッ化メタン)、CF(四フッ化炭素)、NF(三フッ化窒素)、SF(六フッ化硫黄)などのフッ素系処理ガスを用いたドライエッチングが挙げられる。
ドライエッチングは、所定のガス流量、チャンバー圧力のもと高周波電圧を印加することにより行われる。ガス種に応じたプラズマ粒子(図7(d)の矢印50)が封止膜(34a,34c)や封止用基板41などに照射されることで、プラズマ粒子と被照射物である封止膜(34a、34c)などとが化学反応を起こし揮発性物質を生成することにより、被照射物を削り取る。
端子領域11t(実装端子101)では、第1封止膜34aと第2封止膜34cとが重なっている。そして、これら封止膜(34a,34c)は、共にシリコン酸化膜(SiO)、シリコン窒化膜(Si)やシリコン酸窒化膜(SiO)のいずれかであり、SiまたはSiOを主成分としている。よって、同種のエッチングガスで第1封止膜34aと第2封止膜34cとを一括除去することが可能となる。
本実施形態において、封止膜(34a,34c)の膜厚はおよそ1200nm(第1封止膜34aの厚み:400nm+第2封止膜34cの厚み:800nm)である。一方、封止用基板41の厚みは1.2mmである。よって、封止用基板41は、実装端子101上の封止膜(34a,34c)を除去するために十分な厚みを有し、封止膜エッチング工程でのマスクとして機能している。なお、絶縁層35の膜厚はおよそ1000nmである。
封止膜エッチング工程では、所望の封止膜パターンを形成するために、所定の電力を印加してエッチングガスをプラズマ化し、バイアス電力を素子基板10に印加することによってエッチングを行う。
しかしながら、素子基板10の表面上と、封止用基板41の表面上とでは、プラズマに対する基板バイアスのかかり方が違うため、封止用基板41上で高さのある部分の近くはエッチングされにくい。
そこで本実施形態では、素子基板10の面法線方向から見て、封止用基板41の端部41aから、封止用基板41の厚さ寸法以上離して実装端子101を配置した。高さのある封止用基板41から距離をおき、端子領域11tにおいて、プラズマ中にシースが均一に形成される領域に実装端子101を配置することによって、実装端子101上の第1封止膜34a及び第2封止膜34cを安定してエッチングすることができる。これにより、封止用基板41の厚さが1mm以上あったとしても、実装端子101上の封止層34に対して十分なエッチングレートを確保することができる。
ここで、封止用基板41と実装端子101との距離によるエッチングレートの違いについて述べる。
図8は、封止用基板と実装端子との距離を示す断面図であって、封止用基板、素子基板、実装端子を中心に記載し、その他の構成要素の記載を省略している。
図9は、封止用基板からの実装端子の距離[mm]と、エッチングレート[Å/sec]との関係を示す図である。表1に、封止用基板41と実装端子101の距離ごとのエッチングレートを示す。また、表2に、エッチング処理の条件を示す。
Figure 0006733203
Figure 0006733203
エッチング処理条件
・処理ガス:CF(四フッ化炭素)
・ガス流量:80sccm
・RF_POWER:200W
・チャンバーの内部圧力:25Pa
図8及び図9に示すように、封止用基板41から実装端子101が離れるほど第1封止膜34a及び第2封止膜34cに対するエッチングレートが高くなっていることが分かる。具体的に表1からも分かるように、封止用基板41と実装端子101との距離L1が、封止用基板41の厚さT(1.2mm)以上のときと、厚さT以下のときとでは、第1封止膜34a及び第2封止膜34cに対するエッチングレートの差が大きい。距離L1が封止用基板41の厚さ寸法以上になると、封止層34に対するエッチングレートが各段に高くなっている。よって、封止用基板41の厚さTと、封止用基板41と実装端子101との距離L1との関係がT<L1の関係であることが好ましい。距離L1が大きくなるほどエッチングレートが高くなっていることから、少なくともT≦Lの関係を満たしていればよい。
実装端子101には先に述べたようにアルミニウム(Al)や酸化インジウムスズ(ITO)が使用されている。よって、開口部37内の封止膜(34a,34c)を除去した後には、実装端子101自体が良好なエッチングストップ材となり、実装端子101は封止膜エッチング工程に対して保護される。
なお、実装端子101と封止用基板41との位置する高さの違いから、一概に材質のみではエッチングレートが決まらないこともある。
<アッシング工程(ステップS6)>
次に、封止膜エッチング工程の後、実装端子101の表面を含む素子基板10上に残留した有機物等を除去する。アッシング工程を行うことで、有機樹脂である絶縁層35の残差を除去し、FPC105との接続に良好な実装端子101の表面状態を実現できる。アッシング条件を表2に示す。
アッシング処理条件
・処理ガス:O(酸素)、Ar(アルゴン)
・ガス流量:20sccm
・RF_POWER:200W
・チャンバーの内部圧力:30Pa
上記のプロセスで素子基板10の端子領域11t(実装端子101)を露出して表面処理したのち(図7(e))、図2(a)に示すように実装端子101にFPC105を実装して、有機EL装置100が完成する。
以上、上記第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
実装端子101を覆う第1封止膜34aと第2封止膜34cとをエッチングする際に、封止用基板41をエッチングマスクとして用いている。本実施形態では、素子基板10上における実装端子101の位置を封止用基板41から所定距離(封止用基板41の厚さ寸法)以上ほど離すことによって、封止膜エッチング工程において、端子領域11tに存在する第1封止膜34a及び第2封止膜34cのエッチングを安定して行うことができ、実装端子101の表面を確実に露出させることができる。このように、エッチングマスクとして用いる封止用基板41が1mmを超える厚さを有していても、封止膜エッチング工程を安定して行うことができる。
これにより、実装端子101と、FPC105側の出力端子との接続信頼性を高めることができ、表示品質に優れた有機EL装置100を提供することができる。
さらに、本実施形態では封止用基板41をマスクとしたエッチングを行っているため、マスキングは不要になり、製造工程が簡略化され、高い生産性を有している。
また、上記有機EL装置100の製造方法は、1つの有機EL装置100を単位として説明したが、実際には、有機EL装置100における有機ELパネル(FPC105が実装される前の状態)を複数同時に形成することが考えられる。以降、マザー基板を用いた例について説明する。
図10は複数の素子基板10が面付け(レイアウト)され、封止用基板41をそれぞれに配置したマザー基板を示す概略平面図である。
図10に示すように、マザー基板11Wは、ウェハー状の例えば石英ガラス基板であって、大きさは例えば直径200mm〜300mmであり、外周の一部を切り欠くことによって面方位を表すオリフラが設けられている。オリフラを基準として、X方向とY方向およびこれらに直交する方向をZ方向としている。最終的に有機EL装置100として小片化する際のスクライブラインをSLとしている。なお、本実施形態の有機EL装置100は、トップエミッション型であることから、前述したように、素子基板10の基材11は、透明な石英ガラス基板のみならず、不透明な例えばシリコン基板を用いることができる。つまり、マザー基板11Wとしてシリコンウエハーを用いることもできる。
マザー基板11Wにおいて、複数の素子基板形成領域11Rが設定されており、複数の基材11がマトリックス状に面付けされた状態で素子基板10が形成される。ここで、マザー基板11W上には、その面法線から見たときに、各素子基板形成領域11Rの表示領域E1どうしがX方向で隣り合うとともに、各素子基板形成領域11Rの端子領域11tどうしがX方向で隣り合うように存在し、Y方向に各素子基板形成領域11Rの表示領域E1と端子領域11tとが交互に存在している。
この場合、複数の素子基板形成領域11Rのそれぞれに実装端子101を形成する工程において、Y方向で隣り合う一方の素子基板形成領域11Rの実装端子101と、Y方向で隣り合う他の素子基板形成領域11Rとの間のスクライブラインSL1、すなわちX方向に延在するスクライブラインSL1と、の間の距離L1が、封止用基板41の厚さ寸法の1/2以上となるように、実装端子101を形成する。
複数の有機EL素子30が形成された素子基板10について、封止層形成工程(ステップS1)にて封止層34が形成される。
続いて、ステップS2のカラーフィルター形成工程にて、絶縁層35、カラーフィルター36(着色層36R,36G,36B)が形成される。続いて、できあがった状態の素子基板10のそれぞれに対して、充填剤塗布工程(ステップS3)にて、充填剤42が塗布される。
基板貼り合わせ工程(ステップS4)では封止用基板41を素子基板10にアライメントしながら重ね合せる。封止用基板41は、端子領域11t(実装端子101)に覆いかぶらないように配置されている(図10(a)〜(c))。そして、熱硬化型である充填剤42を加熱し硬化させることにより、素子基板10と封止用基板41とを貼り合せる。
封止膜エッチング工程(ステップS5)にて、封止用基板41(絶縁層35)をマスクとして、実装端子101上を覆う封止膜(34a,34c)をエッチングして部分的に取り除く。なお、ここでも封止膜(34a,34c)のエッチングと同時に、封止膜(34a,34c)を覆う端子領域11t上の絶縁層35もエッチングされる。
上述したように、垂直方向(Y方向)で隣り合う素子基板形成領域11Rの間のスクライブラインSL1と、スクライブラインSL1よりもY方向+側(図中上位側)に存在する素子基板形成領域11Rの実装端子101との距離L2が封止用基板41の厚さ寸法の1/2以上離れているため、各素子基板形成領域11Rの実装端子101上に存在する封止膜(34a,34c)を、エッチングによって十分に取り除くことができる。
また、実装端子101を覆う封止膜(34a,34c)だけではなく、スクライブラインSL1及びスクライブラインSL2上の封止膜(34a,34c)も除去されるよう、エッチングマスクである絶縁層35をパターン形成しておくことが望ましい。
その後に、隣り合う素子基板10の間の仮想のスクライブラインに沿って、マザー基板11Wを切断することにより、小片化された個々の有機EL装置100を取り出す。スクライブラインSL1、SL2上の封止膜(34a,34c)は、封止膜エッチング工程で除去されているため、マザー基板11Wの切断において、例えば切断ブレードの回転により封止膜(34a,34c)を巻き込むことが少ない。よって、素子基板10の外縁側の封止膜(34a,34c)にクラックや剥がれの生ずることを低減することができるため、良好なガスバリア性を保つことができる。ちなみに、切断方法としては、超硬チップやダイヤモンドチップを使ったスジ入れスクライブ法やダイヤモンドブレードを使ったダイシング法が挙げられる。
なお、マザー基板11Wを用いた有機EL装置100の製造方法は、素子基板10側だけに限定されない。すなわち、素子基板10が面付けされたマザー基板11Wと、封止用基板41が面付けされた封止用マザー基板とを貼り合せて、切断する方法にも適用できる。
このように、マザー基板を用いて複数の有機EL装置100を一度に製造する場合であっても、素子基板形成領域11RのスクライブラインSL1(完成後の素子基板10の一辺11Aに相当)から、封止用基板41の厚さ寸法の1/2以上離れた位置に実装端子101を設けておくことにより、各素子基板形成領域11Rにおける実装端子101上の封止層34のエッチングを安定して行うことができる。これにより、実装端子101の表面を確実に露出させることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態の有機EL装置について説明する。
以下に示す本実施形態の電気光学装置の基本構成は、上記第1実施形態と略同様であるが、陰極の形成範囲において異なる。よって、以下の説明では、第1実施形態と異なる点について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1〜図4と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
図11は、第2実施形態の有機EL装置の構成を示す概略断面図である。
図11に示すように、本実施形態の有機EL装置(電気光学装置)200では、有機EL素子30の陰極として機能する共通電極33がデータ線駆動回路16の上方を覆うようにして形成されている。共通電極33は、素子基板10の面法線方向から見てデータ線駆動回路16の全体を覆う範囲に形成されていてもよいし、データ線駆動回路16の一部を覆うように形成されていてもよい。そして、この共通電極33は封止層34により覆われている。すなわち、本実施形態においては、封止用基板41によって共通電極33の一部が覆われておらず、共通電極33の端部33Aが封止層34を介して外気に露出した状態となっている。このような構成によれば、封止用基板41と実装端子101との間の領域に、データ線駆動回路16等の駆動回路の配置のため有効に活用できる。
本実施形態の構成によれば、共通電極33の一部を封止用基板41で封止せずに露出させておくことにより、データ線駆動回路16の消費電力が増加して発熱量が増した場合でも、共通電極33の端部33Aを介して放熱させることができる。データ線駆動回路16だけでなく、他の制御回路を覆うように共通電極33の形成範囲を広げてもよい。集積回路で発生した熱を効率よく逃がすことができるため、集積回路の温度上昇を抑制して、有機EL装置を適正な温度で動作させることができる。また、熱によって構成に歪み等が生じるのを防ぐことができる。これによれば、封止用基板41と実装端子101との間の領域を放熱のため有効に活用できる。
本実施形態の有機EL装置200を製造する場合には、有機EL素子30を形成する工程において、端子領域11tに設けられたデータ線駆動回路16上を覆うように共通電極(陰極)33を形成する。また、素子基板10上に封止用基板41を配置する工程において、封止用基板41によって覆われていない共通電極33の端部33Aを露出させるように、絶縁層35、封止膜(34a,34c)のエッチングを行う。
[第3実施形態]
次に、本発明に係る電子機器の実施形態について説明する。
図12は、電子機器としてのヘッドマウントディスプレイ(HMD)を示す概略図である。
図12に示すように、本実施形態の電子機器としてのヘッドマウントディスプレイ(電子機器)1000は、左右の目に対応して設けられた2つの表示部1001を有している。観察者Mはヘッドマウントディスプレイ1000を眼鏡のように頭部に装着することにより、表示部1001に表示された文字や画像などを見ることができる。例えば、左右の表示部1001に視差を考慮した画像を表示すれば、立体的な映像を見て楽しむこともできる。
表示部1001には、上記第1実施形態の有機EL装置100(または上記第2実施形態の有機EL装置200)が搭載されている。したがって、優れた表示品質を有すると共に、高い生産性を有しているのでコストパフォーマンスに優れ小型で軽量なヘッドマウントディスプレイ1000を提供することができる。
ヘッドマウントディスプレイ1000は、2つの表示部1001を有することに限定されず、左右のいずれかに対応させた1つの表示部1001を備える構成としてもよい。
なお、上記有機EL装置100または上記有機EL装置200が搭載される電子機器は、ヘッドマウントディスプレイ1000に限定されない。例えば、パーソナルコンピューターや携帯型情報端末、ナビゲーター、ビューワー、ヘッドアップディスプレイなどの表示部を有する電子機器が挙げられる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。各実施形態の構成を適宜組み合わせてもよい。
(変形例)
例えば、上記第1〜第2実施形態においては、赤(R)、緑(G)、青(B)の色表現をするためカラーフィルター36を用いた有機EL装置100,200について記載したが、これに拘るものでは無い。例えば、3原色(R,G,B)の発光をする有機EL素子30を用いたRGB塗り分け方式、青(B)発光から蛍光体の色変換層を通して赤(R)、緑(G)の発光を得る色変換方式など、その他の多様な色表現方法を有する有機EL装置に本発明を適用することが可能である。
10…素子基板、101…実装端子、11A…素子基板の一辺、11R…素子基板形成領域、11t…端子領域、11W…マザー基板、13…データ線、16…データ線駆動回路、30…有機EL素子(発光素子)、31…画素電極(陽極)、33…共通電極(陰極)、34…第1封止膜(封止膜)、34…第2封止膜(封止膜)、41…封止用基板、100,200…有機EL装置(電気光学装置)、1000…ヘッドマウントディスプレイ(電子機器)、E1…表示領域、L1…封止用基板と実装端子との距離、L2…素子基板の一辺と実装端子との距離、SL1,SL2…スクライブライン、T…封止用基板の厚さ

Claims (4)

  1. 複数の発光素子がマトリックス状に配列された表示領域と、前記表示領域の外側に配置された実装端子と、を含む素子基板と、
    前記複数の発光素子を封止し、前記素子基板の面法線方向から見て、前記実装端子と重なる領域に開口部を有する封止膜と、
    前記素子基板に前記封止膜を介して配置され、厚さが1mm以上である封止用基板と、を備え、
    前記素子基板の面法線方向から見て、前記封止用基板と前記実装端子との間の距離が、前記封止用基板の厚さ寸法以上である、電気光学装置。
  2. 前記素子基板の前記実装端子が配置された側の一辺と、前記実装端子との間の距離が、前記封止用基板の厚さ寸法の1/2以上である、請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記発光素子は、陽極と、陰極と、前記陽極および前記陰極の間に挟持される発光層と、を有し、
    前記陰極は、前記素子基板の面法線方向から見て、前記実装端子と前記封止用基板との間に設けられたデータ線駆動回路を覆い、
    前記封止用基板は前記陰極の一部を覆っている、請求項1に記載の電気光学装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えた、電子機器。
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