JP2016143605A - 発光装置の製造方法、発光装置、及び電子機器 - Google Patents

発光装置の製造方法、発光装置、及び電子機器 Download PDF

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深川 剛史
Takashi Fukagawa
剛史 深川
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Abstract

【課題】表示に寄与しない非発光領域の広がりを抑制し、発光装置の狭額縁化を図ること。【解決手段】基材11の表示領域E1に設けられた有機EL素子30と、少なくとも有機EL素子30を覆う封止層34と、表示領域E1を囲むように設けられた第1の樹脂41と、第1の樹脂41で囲まれた領域の内側に配置された対向基板40と、基材11と対向基板40とを接着し、第1の樹脂41で囲まれた領域の内側に配置された第2の樹脂42と、を含むことを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、発光装置の製造方法、当該製造方法で製造された発光装置、及び当該発光装
置が搭載された電子機器に関する。
発光装置の一例である有機エレクトロルミネッセンス(以降、有機ELと称す)装置は
、自発光型の表示装置であり、例えば液晶装置などの非発光型の表示装置と比べて、光源
としてのバックライトが不要となるため薄型化や軽量化の点で有利であり、電子ビューフ
ァインダーなどのマイクロディスプレイへの応用が期待されている。
発光装置として、例えば特許文献1に記載の有機EL装置が提案されている。特許文献
1の有機EL装置は、有機EL素子を有する素子基板と、素子基板に対向配置された封止
基板と、素子基板と封止基板との間に配置され両基板を固定する周辺シール層と、周辺シ
ール層で囲まれた領域の内側に充填(密封)された充填層とを含み、有機EL素子は電極
保護層と有機緩衝層とガスバリア層とからなる封止層で覆われ、ガスバリア層は有機緩衝
層よりも広く、有機緩衝層の周辺端部は周辺シール層の幅内に配置されている。
周辺シール層の幅内に有機緩衝層の周辺端部が配置され、有機シール層の周辺端部を覆
うガスバリア層は周辺シール層によって補強されているので、当該周辺端部における応力
集中によってガスバリア層にクラックや剥離などの損傷が生じにくい。よって、表示に寄
与しない領域(非発光領域)を狭くしてもガスバリア層の損傷が抑制されるので、有機E
L装置の狭額縁化を図ることができる。
特開2008−59867号公報
特許文献1に記載の有機EL装置では、減圧された環境で、素子基板と封止基板と周辺
シール層とで囲まれた領域の内側に充填層を充填し、素子基板と封止基板とを貼り合せた
後に、減圧された環境から大気圧の環境に変化させて、周辺シール層と充填層とを硬化さ
せる。このとき、素子基板と封止基板と周辺シール層とで囲まれた領域の内側の充填層は
減圧された環境にあり、素子基板と封止基板と周辺シール層とで囲まれた領域の外側は大
気圧の環境にあるので、充填層は、減圧された環境と大気圧の環境との圧力差に相当する
強い圧力が作用し、素子基板と封止基板とで押圧される。
周辺シール層は、充填層と同じ強い圧力が作用し、素子基板と封止基板とで押圧され、
周辺シール層が押し広げられるおそれがあった。さらに、充填層が素子基板と対向基板と
で強く押圧されると、周辺シール層を突き破り、充填層が素子基板と封止基板と周辺シー
ル層とで囲まれた領域の外側にはみ出すおそれもあった。
従って、周辺シール層が押し広げられたり、充填層がはみ出したりすると、表示に寄与
しない領域(非発光領域)が広くなるので、有機EL装置の狭額縁化が阻害されるという
課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の
形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る発光装置の製造方法は、第1基板の素子領域に発光素子が
設けられた発光装置の製造方法であって、少なくとも発光素子を覆うように、封止層を形
成する工程と、前記素子領域を囲むように、第1の樹脂を塗布する工程と、前記第1の樹
脂を硬化する工程と、前記第1の樹脂で囲まれた領域の内側に第2の樹脂を塗布する工程
と、前記第2の樹脂を介して第2基板を前記第1基板に貼り合せる工程と、前記第2の樹
脂を硬化する工程と、を有することを特徴とする。
本実施形態では、第1の樹脂を硬化させ第1の樹脂の強度を高めた後に、第2の樹脂を
塗布する工程や第2基板を貼り合せる工程が処理されているので、仮に両工程で第1の樹
脂に外力が作用しても、第1の樹脂は変形しにくい。よって、第2基板を貼りあわせ第1
の樹脂及び第2の樹脂を硬化させる際に、第1の樹脂が押圧され押し広げられるという公
知技術の課題を解消し、公知技術と比べて第1の樹脂の幅を小さくすることができる。
第1の樹脂で囲まれた領域の内側に第2の樹脂が配置されているので、第2基板を貼り
合せる工程で第2の樹脂が押圧され、第2基板の端部からはみ出しても、第2の樹脂は第
1の樹脂で囲まれた領域の内側にとどまり、第1の樹脂で囲まれた領域の外側にはみ出さ
ない。よって、公知技術と比べて、第2の樹脂の広がり(はみ出し)の影響を小さくする
ことができる。
従って、本実施形態は、公知技術と比べて、第1の樹脂の幅を小さくし、第2の樹脂の
広がり(はみ出し)の影響を小さくすることができるので、表示に寄与しない領域を狭く
し、発光装置の小型化を図ることができる。
[適用例2]上記適用例に係る発光装置の製造方法は、前記第1の樹脂の頂部は、前記
第2の樹脂の頂部よりも高い位置に形成されていることが好ましい。
第1の樹脂の頂部を第2の樹脂の頂部よりも高くすることで、第2の樹脂が押し広げら
れた際に、第2の樹脂が第1の樹脂を乗り越えて、第1の樹脂で囲まれた領域の外側に広
がるおそれを抑制することができる。
[適用例3]上記適用例に係る発光装置の製造方法は、前記第2基板は、前記第1の樹
脂で囲まれた領域の内側に配置されていることが好ましい。
第2基板は、第1の樹脂で囲まれた領域の内側に配置されている。すなわち、第1の樹
脂は、第1基板と第2基板との間に配置されておらず、第1基板と第2基板とから押圧さ
れ第1の樹脂が押し広げられるおそれはない。よって、第1の樹脂が押し広げられるおそ
れがあるという公知技術の課題を解決することができる。
[適用例4]上記適用例に係る発光装置の製造方法は、前記第1の樹脂は、光硬化性樹
脂であり、前記光硬化性樹脂の粘度は、10000〜1000000mPasの範囲であ
ることが好ましい。
光硬化性樹脂の粘度は、10000〜1000000mPasと高粘度であり、当該光
硬化性樹脂は流動しにくい。よって、当該光硬化性樹脂を使用して、細い幅の第1の樹脂
を形成することができる。
例えば、高粘度の熱硬化性樹脂を使用して第1の樹脂を形成すると、熱硬化性樹脂を硬
化させる熱処理によって熱硬化性樹脂が軟化し(流動し)、第1の樹脂の幅が広くなりや
すい。第1の樹脂は光硬化性樹脂であり、当該光硬化性樹脂を硬化させる光照射では第1
の樹脂の軟化は生じにくいので、第1の樹脂の幅は広くなりにくい。従って、高粘度の光
硬化性樹脂を使用して第1の樹脂を形成すると、熱硬化性樹脂を使用して第1の樹脂を形
成する場合と比べて、細い幅の第1の樹脂を形成することができる。
[適用例5]上記適用例に係る発光装置の製造方法は、前記封止層は、前記発光素子の
側に配置された第1無機封止層と、第2無機封止層と、前記第1無機封止層と前記第2無
機封止層とで挟まれた有機封止層と、を有し、前記有機封止層は前記第1の樹脂で囲まれ
た領域の内側に配置されている、または前記有機封止層の端部は平面視で前記第1の樹脂
と重なるように配置されていることが好ましい。
有機封止層が第1の樹脂で囲まれた領域の内側に配置されると、有機封止層は第2の樹
脂と対向基板とで保護され、有機封止層に外力が作用しにくい。または、有機封止層の端
部が平面視で第1の樹脂と重なると、有機封止層は第1の樹脂と第2の樹脂と対向基板と
で保護され、有機封止層に外力が作用しにくい。
従って、有機封止層に外力が作用し、有機封止層が変形し、有機封止層の上に形成され
た第2無機封止層にクラックなどの欠陥が生じるというおそれを抑制することができる。
[適用例6]上記適用例に係る発光装置の製造方法は、前記第1基板の端と前記第1の
樹脂との間に、端子が形成される端子領域を有し、前記第2の樹脂を硬化する工程の後に
、前記端子を露出させる工程を有することが好ましい。
第2の樹脂を硬化する工程の後では、表示領域の発光素子や封止層は、第1の樹脂と第
2の樹脂と第2基板とで保護されているので、第2の樹脂を硬化する工程の後に端子を露
出させる工程を設けると、表示領域の発光素子や封止層に悪影響を及ぼさずに、端子を露
出させることができる。
[適用例7]上記適用例に係る発光装置の製造方法は、前記封止層を形成する工程と前
記第1の樹脂を塗布する工程との間に、カラーフィルターを形成する工程を有し、前記カ
ラーフィルターと前記第2基板とは、前記第2の樹脂を介して貼り合わされていることが
好ましい。
第1基板の封止層と第2の樹脂との間にカラーフィルターを設けると、発光素子で発し
た光を、カラーフィルターの中を通過させ、第2基板の側から射出させ、カラーフィルタ
ーによって発光素子で発した光の色純度を高めることができる。
[適用例8]上記適用例に係る発光装置の製造方法は、前記第1基板は複数の素子領域
を有し、前記複数の素子領域のそれぞれに第2基板を貼り合せることが好ましい。
第1基板を複数の素子領域が多面付けされたマザー基板とし、複数の素子領域のそれぞ
れに単体の第2基板を貼り合せるチップマウント方式で、第1基板と第2基板とを貼り合
せると、一つの素子領域が設けられた第1基板と単体の第2基板とを貼りわせる方式と比
べて、貼り合せ工程の生産性を高めることができる。
[適用例9]上記適用例に係る発光装置の製造方法は、大気圧の環境で、前記第2基板
を貼り合せることが好ましい。
第2基板は、大気圧の環境で第1基板に貼り合わされているので、公知技術における減
圧された環境と大気圧の環境との圧力差に相当する強い圧力が充填層(第2の樹脂)に作
用し、第2の樹脂が広がるというおそれを抑制することができる。
[適用例10]上記適用例に係る発光装置の製造方法は、前記第1基板の母材は不透明
基板であることが好ましい。
例えば、第1基板の母材をシリコンなどの半導体基板(不透明基板)で構成することに
よって、第1基板の母材を石英などの透明基板で構成する場合と比べて、第1基板により
高性能なトランジスターを形成することができる。
[適用例11]本適用例に係る発光装置は、第1基板の素子領域に設けられた発光素子
と、少なくとも前記発光素子を覆う封止層と、前記素子領域を囲むように設けられた第1
の樹脂と、前記第1の樹脂で囲まれた領域の内側に配置された第2基板と、前記第1基板
と前記第2基板とを接着し、前記第1の樹脂で囲まれた領域の内側に配置された第2の樹
脂と、を含むことを特徴とする。
第2の基板は、第1の樹脂で囲まれた領域の内側に配置され、第1の樹脂は、第1基板
と第2基板とで挟まれていない。第1の樹脂は第1基板と第2基板とで押圧されないので
、第1基板と第2基板とからの押圧で第1の樹脂が押し広げられるという公知技術の課題
を抑制し、公知技術と比べて第1の樹脂の幅を小さくすることができる。さらに、第2の
樹脂は、第1の樹脂で囲まれた領域の内側に配置され、第1の樹脂で囲まれた領域の外側
への広がり(はみ出し)が抑制されている。
従って、本実施形態は、公知技術と比べて、第1の樹脂の幅を小さくし、第2の樹脂の
広がり(はみ出し)の影響を小さくすることができるので、表示に寄与しない領域を狭く
し、発光装置の狭額縁化を図ることができる。
[適用例12]上記適用例に係る発光装置は、前記封止層は、前記発光素子の側から順
に配置された第1無機封止層と、有機封止層と、第2無機封止層と、を含み、前記有機封
止層は前記第1の樹脂で囲まれた領域の内側に配置されている、または前記有機封止層の
端部は平面視で前記第1の樹脂と重なるように配置されていることが好ましい。
有機封止層は、第1の樹脂で囲まれた領域の内側に配置され、第2の樹脂と対向基板と
で保護され、外力が作用しにくい。または、有機封止層の端部は、平面視で第1の樹脂と
重なり、有機封止層は、第1の樹脂と第2の樹脂と対向基板とで保護され、外力が作用し
にくい。従って、有機封止層に外力が作用し、有機封止層が変形し、有機封止層の上に形
成された第2無機封止層(バリア層)にクラックなどの欠陥が生じにくくなる。
[適用例13]上記適用例に係る発光装置は、前記第1の樹脂の幅は、1mm以下であ
ることが好ましい。
第1基板と第2基板とによる押圧で、第1の樹脂が押し広げられるおそれがないので、
第1の樹脂の幅を小さくすることができる。よって、第1の樹脂の幅を1mm以下とし、
発光装置を狭額縁化することができる。
[適用例14]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載の発光装置を備えている
ことを特徴とする。
上記適用例に記載の発光装置は、狭額縁化を図り、発光装置の外形寸法を小さくし、発
光装置をコンパクトにすることができる。従って、上記適用例に記載の発光装置が適用さ
れた電子機器もコンパクトにすることができる。例えば、ヘッドマウントディスプレイ、
ヘッドアップディスプレイ、デジタルカメラの電子ビューファインダー、携帯型情報端末
、ナビゲーターなどの表示部を有する電子機器に、上記適用例に記載の発光装置を適用す
ることができる。
実施形態1に係る有機EL装置の概要を示す概略平面図。 実施形態1に係る有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図。 サブ画素の構成を示す概略平面図。 図1のA−A’線に沿った有機EL装置の構造を示す概略断面図。 図1のB−B’線に沿った有機EL装置の構造を示す概略断面図。 実施形態1に係る有機EL装置の製造方法を示す工程フロー。 複数の素子基板が多面付けされたマザー基板の状態を示す図。 図6に示す工程フローの主要な工程を経た後の状態を示す概略断面図。 実施形態2に係る有機EL装置の概要を示す概略断面図。 実施形態2に係る有機EL装置の製造方法を示す工程フロー。 図10に示す工程フローの主要な工程を経た後の状態を示す概略断面図。 ヘッドマウントディスプレイの概略図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。かかる実施形態は、本発
明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の
範囲内で任意に変更可能である。また、以下の各図においては、各層や各部位を図面上で
認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部位の縮尺を実際とは異ならせしめてある
(実施形態1)
「有機EL装置の概要」
実施形態1に係る有機EL装置1は、本発明における「発光装置」の一例であり、後述
するヘッドマウントディスプレイの表示部に好適な自発光型のマイクロディスプレイであ
る。
図1は、本実施形態に係る有機EL装置の概要を示す概略平面図である。図2は、本実
施形態に係る有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る有機EL装置1の概要について、説
明する。
図1に示すように、本実施形態に係る有機EL装置1は、素子基板10と、素子基板1
0に対向配置された対向基板40とを有している。両基板は、後述する第2の樹脂42(
図4参照)によって接着されている。
なお、対向基板40は、本発明における「第2基板」の一例である。
素子基板10は、青色の光を発するサブ画素18Bと、緑色の光を発するサブ画素18
Gと、赤色の光を発するサブ画素18Rとからなる画素19が、マトリックス状に配列さ
れた表示領域E1を有している。
なお、表示領域E1は、本発明における「素子領域」の一例である。以降の説明では、
サブ画素18B、サブ画素18G、及びサブ画素18Rを、サブ画素18と称する場合が
ある。
表示領域E1を囲むように、第1の樹脂41が設けられている。第1の樹脂41は額縁
形状を有し、第1の樹脂41の幅は概略1mm以下である。第1の樹脂41は、表示に寄
与しない非発光領域に設けられ、第1の樹脂41の幅を概略1mm以下と小さくすること
によって、表示に寄与しない非発光領域の寸法を小さくしている。すなわち、有機EL装
置1の狭額縁化が図られている。
素子基板10の第1辺に沿って、複数の外部接続用端子103が配列されている。複数
の外部接続用端子103が設けられた素子基板10の第1辺の端と、第1の樹脂41との
間の領域が、端子領域E2となる。つまり、後述する基材11(図5参照)と、第1の樹
脂41との間の領域が、端子領域E2となる。
複数の外部接続用端子103と表示領域E1との間には、データ線駆動回路15が設け
られている。該第1辺と直交し互いに対向する他の第2辺、第3辺と表示領域E1との間
には、走査線駆動回路16が設けられている。
以降、素子基板10の第1辺に沿った方向をX方向とする。当該第1辺と直交し互いに
対向する他の2辺(第2辺、第3辺)に沿った方向をY方向とする。素子基板10から対
向基板40に向かう方向をZ方向とする。また、Z方向に沿って対向基板40の側から見
ることを平面視と呼ぶ。
対向基板40は、透光性のガラス基板であり、素子基板10に対向配置されている。対
向基板40は、素子基板10よりも小さく、第1の樹脂41で囲まれた領域の内側に配置
されている。対向基板40の端は、第1の樹脂41と表示領域E1との間に配置されてい
る。対向基板40は、表示領域E1を覆い、表示領域E1に配置されている有機EL素子
30(図2参照)が傷つかないように保護している。
なお、対向基板40は、透光性の絶縁基板であればよく、上述したガラス基板の他に、
例えば石英基板や透光性を有する樹脂などを使用することができる。
図1では図示を省略するが、サブ画素18Bには青色の光を透過する青色の着色層36
B(図4参照)が設けられ、サブ画素18Gには緑色の光を透過する緑色の着色層36G
(図4参照)が設けられ、サブ画素18Rには赤色の光を透過する赤色の着色層36R(
図4参照)が設けられている。
サブ画素18Bとサブ画素18Gとサブ画素18Rとは、それぞれY方向に沿って配置
されている。青色の着色層36Bと緑色の着色層36Gと赤色の着色層36Rとは、それ
ぞれY方向に延びたストライプ形状をなし、表示領域E1及び端子領域E2に配置されて
いる。
図2に示すように、有機EL装置1は、互いに交差する複数の走査線12及び複数のデ
ータ線13と、複数のデータ線13のそれぞれに対して並列する複数の電源線14とを有
している。走査線12は走査線駆動回路16に接続され、データ線13はデータ線駆動回
路15に接続されている。また、複数の走査線12と複数のデータ線13との各交差部に
対応してマトリックス状に配置された複数のサブ画素18を有している。
サブ画素18は、有機EL素子30と、有機EL素子30の駆動を制御する画素回路2
0とを有している。
有機EL素子30は、画素電極31と、発光機能層32と、対向電極33とを有してい
る。画素電極31は、発光機能層32に正孔を供給する陽極として機能する。対向電極3
3は、発光機能層32に電子を供給する陰極として機能する。画素電極31から供給され
る正孔と、対向電極33から供給される電子とが発光機能層32で結合し、発光機能層3
2が白色に発光する。
なお、有機EL素子30は、本発明における「発光素子」の一例である。
画素回路20は、スイッチング用トランジスター21と、蓄積容量22と、駆動用トラ
ンジスター23とを含んでいる。2つのトランジスター21,23は、例えばnチャネル
型もしくはpチャネル型トランジスターを用いて構成することができる。
スイッチング用トランジスター21のゲートは、走査線12に接続されている。スイッ
チング用トランジスター21のソースまたはドレインのうち一方は、データ線13に接続
されている。スイッチング用トランジスター21のソースまたはドレインのうち他方は、
駆動用トランジスター23のゲートに接続されている。
駆動用トランジスター23のソースまたはドレインのうち一方は、有機EL素子30の
画素電極31に接続されている。駆動用トランジスター23のソースまたはドレインのう
ち他方は、電源線14に接続されている。駆動用トランジスター23のゲートと電源線1
4との間には、蓄積容量22が接続されている。
走査線12が駆動されてスイッチング用トランジスター21がオン状態になると、その
ときにデータ線13から供給される画像信号に基づく電位がスイッチング用トランジスタ
ー21を介して蓄積容量22に保持される。蓄積容量22の電位すなわち駆動用トランジ
スター23のゲート電位に応じて、駆動用トランジスター23のオン・オフ状態が決まる
。そして、駆動用トランジスター23がオン状態になると、電源線14から駆動用トラン
ジスター23を介して、画素電極31と対向電極33とで挟まれた発光機能層32に、ゲ
ート電位に応じた量の電流が流れる。有機EL素子30から発せられる光の輝度は、発光
機能層32に流れる電流密度によって変化する。
「サブ画素の概要」
図3は、サブ画素の構成を示す概略平面図である。図3では、サブ画素18の構成要素
のうち、画素電極31及び絶縁膜28が図示され、他の構成要素の図示は省略されている

次に、図3を参照してサブ画素18の概要について説明する。
図3に示すように、サブ画素18には、画素電極31及び絶縁膜28が配置されている
。画素電極31は、光透過性を有し、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透光性材
料で構成され、サブ画素18毎に島状に配置されている。
絶縁膜28は、例えばシリコン酸化物で構成され、画素電極31と発光機能層32との
間に配置されている(図4参照)。絶縁膜28は、画素電極31の周縁部を覆い、画素電
極31を露出する開口28CTを有している。
開口28CTが設けられた領域では、画素電極31と発光機能層32とが接し、画素電
極31から発光機能層32に正孔が供給され、発光機能層32が発光する。つまり、開口
28CTが設けられた領域が、発光機能層32が発光する発光領域となる。絶縁膜28が
設けられた領域では、画素電極31から発光機能層32への正孔の供給が抑制され、発光
機能層32の発光が抑制される。
「有機EL装置の断面構造」
図4は、図1のA−A’線に沿った有機EL装置の構造を示す概略断面図である。図5
は、図1のB−B’線に沿った有機EL装置の構造を示す概略断面図である。なお、図5
は、サブ画素18R(青色の着色層36B)が配置された部分の概略断面図である。
次に、図4及び図5を参照して、有機EL装置1の断面構造を説明する。
図4に示すように、有機EL装置1では、素子基板10と、第2の樹脂42と、対向基
板40とが、Z方向に順に積層されている。
素子基板10は、基材11と、基材11にZ方向に順に積層された反射層25と、光学
的距離調整層26と、有機EL素子30と、封止層34と、カラーフィルター36とを有
している。
なお、基材11は、本発明における「第1基板」の一例である。
基材11の母材は、例えばシリコンからなる不透明基板である。基材11は、走査線1
2、データ線13、電源線14、データ線駆動回路15、走査線駆動回路16、スイッチ
ング用トランジスター21、蓄積容量22、駆動用トランジスター23(図2参照)など
が、公知技術によって形成された半導体基板である。さらに、基材11は、半導体層や複
数の導電層や複数の絶縁層などを有し、データ線駆動回路15や走査線駆動回路16やト
ランジスター21,23などは、同じ工程で形成されている。
なお、基材11の母材は、上述したシリコンなどの不透明基板に限定されず、例えば石
英やガラスなどの透明基板であってもよい。
基材11の母材をシリコン(不透明基板)とすることによって、基材11の母材を石英
(透明基板)とする場合と比べて、半導体層の移動度を大きくし、データ線駆動回路15
や走査線駆動回路16や画素回路20(図2参照)を構成するトランジスターの高性能化
を図ることができる。
反射層25は、発光機能層32で発した光を反射する一対の反射層の中の一方の反射層
である。反射層25は、反射率の高い材料によって形成され、複数のサブ画素18に跨っ
て配置されている。反射層25の構成材料としては、例えばアルミニウムや銀などを使用
することができる。
光学的距離調整層26は、第1絶縁膜26a、第2絶縁膜26b、及び第3絶縁膜26
cで構成される。第1絶縁膜26aは、反射層25の上に設けられ、サブ画素18Bとサ
ブ画素18Gとサブ画素18Rとに配置されている。第2絶縁膜26bは、第1絶縁膜2
6aの上に設けられ、サブ画素18Gとサブ画素18Rとに配置されている。第3絶縁膜
26cは、第2絶縁膜26bの上に設けられ、サブ画素18Rに配置されている。その結
果、光学的距離調整層26の膜厚は、サブ画素18B、サブ画素18G、サブ画素18R
の順に大きくなっている。
有機EL素子30は、Z方向に順に積層された画素電極31と、発光機能層32と、対
向電極33とを有し、表示領域E1に配置されている。
画素電極31は、例えばITOで構成され、透光性を有し、表示領域E1に配置されて
いる。上述したように、画素電極31の周縁部は絶縁膜28で覆われ、絶縁膜28の開口
28CTが発光領域となる。
発光機能層32は、透光性を有し、画素電極31を覆い、表示領域E1よりも広く配置
されている。発光機能層32は、Z方向に順に積層された正孔注入層、正孔輸送層、有機
発光層、及び電子輸送層などを有している。有機発光層は、赤色、緑色、及び青色の光成
分を有する光を発する。有機発光層は、単層で構成してもよいし、複数の層(例えば、青
色で発光する青色発光層と、赤色及び緑色を含む光を発する黄色発光層)で構成してもよ
い。
対向電極33は、発光機能層32を覆い、発光機能層32よりも広く配置されている。
対向電極33は、例えばMgとAgとの合金などで構成され、光透過性と光反射性とを有
している。対向電極33は、発光機能層32で発した光を反射する一対の反射層の中の他
方の反射層である。
封止層34は、Z方向に順に積層された第1無機封止層34aと、有機封止層34bと
、第2無機封止層34cとで構成され、有機EL素子30を覆い、素子基板10の略全面
に設けられている。なお、封止層34には、外部接続用端子103を露出させる開口10
4が設けられている(図5参照)。
第1無機封止層34aは、例えば公知技術のプラズマCVD(Chemical Vapor Deposit
ion)法などの方法で形成されたシリコン酸窒化物で構成される。第1無機封止層34a
は、対向電極33(有機EL素子30)を覆うように、素子基板10の略全面に設けられ
ている。シリコン酸窒化物は、水分や酸素に対して高いバリア性を有している。
第1無機封止層34aが形成される下地膜(絶縁膜28、対向電極33)には、開口2
8CT、有機EL素子30(画素電極31、発光機能層32、対向電極33)などに起因
する微小な凹凸が存在する。このため、第1無機封止層34aを無欠陥で形成することが
難しく、第1無機封止層34aだけで、有機EL素子30への水分や酸素の侵入を抑制す
ることが難しい。
有機封止層34bは、平面視で対向電極33と重なり、対向電極33よりも広く設けら
れている。有機封止層34bの端部は、平面視で第1の樹脂41と重なるように設けられ
ている。有機封止層34bは、例えばエポキシ系樹脂や塗布型の無機材料(例えば、シリ
コン酸化物)などで構成されている。有機封止層34bは、第1無機封止層34aの欠陥
(ピンホール、クラック)や異物などを被覆し、平坦な面を形成する。さらに、有機封止
層34bの端部は、第1無機封止層34aの表面に対してなだらかに傾斜している(低テ
ーパーに傾斜している)。
第2無機封止層34cは、例えば公知技術のプラズマCVD法などの方法で形成された
シリコン酸窒化物で構成され、水分や酸素に対して高いバリア性を有している。第2無機
封止層34cは、有機封止層34bを覆い、素子基板10の略全面に設けられている。有
機封止層34bの端部は、第1無機封止層34aの表面に対して低テーパーに傾斜してい
るので、第2無機封止層34cが有機封止層34bの端部を覆っても、例えば応力集中な
どの影響が軽減され、第2無機封止層34cに欠陥が生じにくい。さらに、第2無機封止
層34cは、有機封止層34bの平坦な面の上に形成されるので、欠陥が生じにくい。よ
って、有機封止層34bを覆うように第2無機封止層34cを形成することによって、水
分や酸素に対するバリア性に優れた第2無機封止層34cを形成することができる。
カラーフィルター36は、封止層34の上に配置され、青色の着色層36Bと、緑色の
着色層36Gと、赤色の着色層36Rと、凸部37とを有している。
青色の着色層36Bは、例えば青色の色材を含むアクリル樹脂で構成され、平面視でサ
ブ画素18Bの開口28CT(発光領域)と重なるように設けられている。緑色の着色層
36Gは、例えば緑色の色材を含むアクリル樹脂で構成され、平面視でサブ画素18Gの
開口28CT(発光領域)と重なるように設けられている。赤色の着色層36Rは、例え
ば赤色の色材を含むアクリル樹脂で構成され、平面視でサブ画素18Rの開口28CT(
発光領域)と重なるように設けられている。
凸部37は、例えば色材を含まないアクリル樹脂であり、着色層36B,36G,36
Rと同じ主材料で構成される。凸部37は、青色の着色層36Bと緑色の着色層36Gと
が隣り合う部分に配置され、青色の着色層36Bと緑色の着色層36Gとの混色を抑制す
る。凸部37は、緑色の着色層36Gと赤色の着色層36Rとが隣り合う部分に配置され
、緑色の着色層36Gと赤色の着色層36Rとの混色を抑制する。凸部37は、赤色の着
色層36Rと青色の着色層36Bとが隣り合う部分に配置され、赤色の着色層36Rと青
色の着色層36Bとの混色を抑制する。
なお、端子領域E2にもカラーフィルター36が配置されている。端子領域E2のカラ
ーフィルター36には、外部接続用端子103を露出させる開口104が設けられている
(図5参照)。
カラーフィルター36の上には、第1の樹脂41と第2の樹脂42とが配置されている

第1の樹脂41は、例えばアクリル樹脂やエポキシ樹脂であり、光硬化性樹脂を硬化さ
せて形成される。第1の樹脂41は、対向基板40と素子基板10との間の領域に配置さ
れている。つまり、第1の樹脂41は、表示領域E1や対向基板40を囲むように配置さ
れている。
第2の樹脂42は、例えばアクリル樹脂やエポキシ樹脂であり、光硬化性樹脂または熱
硬化性樹脂を硬化させて形成される。第2の樹脂42は、第1の樹脂41で囲まれた領域
の内側に配置されている。第1の樹脂41の頂部41aは、第2の樹脂42の頂部42a
よりも高い位置に配置されている。よって、第2の樹脂42は、第1の樹脂41の頂部4
1aを乗り越えて、第1の樹脂41で囲まれた領域の外側にはみ出しにくくなっている。
なお、第1の樹脂41の頂部41aとは、Z方向において第1の樹脂41が最も高くな
った部分である。第2の樹脂42の頂部42aとは、Z方向において第2の樹脂42が最
も高くなった部分である。
対向基板40は、第1の樹脂41で囲まれた領域の内側に配置され、第2の樹脂42を
介してカラーフィルター36(素子基板10)に接着されている。
詳細は後述するが、対向基板40を、第2の樹脂42を挟んで素子基板10に貼り合せ
る際に、余分な第2の樹脂42が対向基板40の端部からはみ出す。第1の樹脂41は、
対向基板40の端部からはみ出した第2の樹脂42の広がりを制限する(抑制する)土手
の役割を有している。対向基板40を囲むように第1の樹脂41を設けることによって、
第2の樹脂42の広がりが小さくなり、表示に寄与しない非発光領域の寸法(表示領域E
1の外縁と素子基板10の端部との間の寸法)を小さくし、有機EL装置1の狭額縁化を
図ることができる。
図5に示すように、素子基板10のY(−)方向側の端部と第1の樹脂41との間の領
域(端子領域E2)に、外部接続用端子103が設けられている。外部接続用端子103
は、例えばITOで構成されている。上述したように、基材11は、複数の導電層や複数
の絶縁層などを有し、これら複数の導電層や複数の絶縁層による立体配線によって、外部
接続用端子103と、データ線駆動回路15及び走査線駆動回路16とが電気的に接続さ
れている。外部接続用端子103は、カラーフィルター36と封止層34と絶縁膜28と
を貫く開口104によって、露出している。
第1の樹脂41は、外部接続用端子103と対向基板40との間に配置されている。上
述したように、第1の樹脂41は、対向基板40からはみ出した第2の樹脂42の広がり
を制限するので、非発光領域の寸法(表示領域E1の外縁と素子基板10の端部との間の
寸法)を小さくし、有機EL装置1の狭額縁化を図ることができる。
「光共振構造」
発光領域(開口28CTが設けられた領域)では、光反射性を有する反射層25と、光
学的距離調整層26と、画素電極31と、発光機能層32と、対向電極33とが、Z方向
に順に積層されている。発光機能層32で発した光は、反射層25と対向電極33との間
で繰り返し反射され、反射層25と対向電極33との間の光学的距離に対応する特定波長
(共振波長)の光の強度が増幅され、対向基板40の側から表示光としてZ方向に射出さ
れる。
詳しくは、光学的距離調整層26は、反射層25と対向電極33との間の光学的距離を
調整する役割を有している。サブ画素18Bでは、共振波長(輝度が最大となるピーク波
長)が470nmとなるように、光学的距離調整層26の膜厚が設定されている。サブ画
素18Gでは、共振波長が540nmとなるように、光学的距離調整層26の膜厚が設定
されている。サブ画素18Rでは、共振波長が610nmとなるように、光学的距離調整
層26の膜厚が設定されている。
このように、有機EL装置1は共振構造を有し、サブ画素18Bから470nmをピー
ク波長とする青色の光が発せられ、サブ画素18Gから540nmをピーク波長とする緑
色の光が発せられ、サブ画素18Rから610nmをピーク波長とする赤色の光が発せら
れる。
サブ画素18Bで発せられる470nmをピーク波長とする青色の光、サブ画素18G
で発せられる540nmをピーク波長とする緑色の光、サブ画素18Rで発せられる61
0nmをピーク波長とする赤色の光は、それぞれカラーフィルター36(着色層36B、
36G,36R)を通過して、対向基板40の側から表示光としてZ方向に射出される。
つまり、有機EL装置1は、トップエミッション構造を有し、カラーフィルター36(着
色層36B、36G,36R)は、表示光の色純度をさらに高める役割を有している。
「有機EL装置の特徴」
公知技術(特開2008−59867号公報)の素子基板は、本実施形態の素子基板1
0に該当し、以降符号を附さずに素子基板と称す。公知技術の封止基板は、本実施形態の
対向基板40に該当し、以降符号を附さずに対向基板と称す。
公知技術では、第1の樹脂は、素子基板と対向基板とで挟まれ、押圧され、押し広げら
れ、第1の樹脂の幅が大きくなる。
本実施形態では、第1の樹脂41は、素子基板10と対向基板40とで挟まれておらず
、素子基板10と対向基板40とで押圧されない。よって、本実施形態では、公知技術と
比べて、第1の樹脂41の幅を小さくすることができる。詳しくは、第1の樹脂41の幅
を1mm以下と小さくすることができる。
公知技術では、第2の樹脂は、第1の樹脂と素子基板と対向基板とで囲まれた領域の中
に密封されている。例えば、第2の樹脂が流動性を有する(第2の樹脂が未硬化である)
場合に、第2の樹脂が素子基板と対向基板とで強く押圧されると、第2の樹脂が第1の樹
脂を突き破り、第1の樹脂で囲まれた領域の外側に流動する(はみ出す)おそれがある。
本実施形態では、第2の樹脂42は、第1の樹脂41と素子基板10と対向基板40と
で囲まれた領域の中に密封されていない。つまり、第1の樹脂41と対向基板40との間
に隙間を有し、隙間を有する空隙に第2の樹脂42が配置(充填)されている。よって、
例えば素子基板10と対向基板40とで第2の樹脂42が押圧されると、第2の樹脂42
が流動し、第2の樹脂42に圧力(内圧)が蓄積しないので、第2の樹脂42が第1の樹
脂41を突き破ることはない。よって、公知技術における第2の樹脂が第1の樹脂を突き
破り、第1の樹脂で囲まれた領域の外側に流動するというおそれを抑制することができる
さらに、素子基板10と対向基板40とによる押圧で第2の樹脂42が流動した場合に
、第2の樹脂42が第1の樹脂41で囲まれた領域の外側に流動しないように、第1の樹
脂41の頂部41aは第2の樹脂42の頂部42aよりも高い位置に設けられている。よっ
て、本実施形態では、第2の樹脂42が第1の樹脂41で囲まれた領域の外側に流動し、
表示に寄与しない非発光領域が広くなるおそれを抑制することができる。
従って、本実施形態は、公知技術と比べて、表示に寄与しない非発光領域を狭くし、有
機EL装置1の狭額縁化を図ることができる。
さらに、有機材料で構成される有機封止層34bは、無機材料で構成される第2無機封
止層34cと比べて剛性に劣り、変形しやすい。一方、無機材料で構成される第2無機封
止層34cは、有機材料で構成される有機封止層34bと比べて剛性に優れ、水分や酸素
の侵入を抑制する優れた性質を有している。しかしながら、第2無機封止層34cは、応
力に弱く、例えば有機封止層34bが変形すると、有機封止層34bの上に形成されてい
る第2無機封止層34cに応力が加わり、クラックなどの欠陥が生じ、水や酸素に対する
バリア性が劣化するおそれがある。
本実施形態では、有機封止層34bは、平面視で第1の樹脂41、第2の樹脂42、及
び対向基板40の少なくとも一つと重なり、第1の樹脂41、第2の樹脂42、及び対向
基板40の少なくとも一つで保護され、有機封止層34bに外力が作用しにくくなってい
る。よって、有機封止層34bが変形しにくく、有機封止層34bの上に形成されている
第2無機封止層34cにクラックなどの欠陥が生じにくい。さらに、有機封止層34bの
端部は低テーパーに傾斜しているので、第2無機封止層34cが有機封止層34bの端部
を覆っても、例えば応力集中などの影響が軽減され、第2無機封止層34cに欠陥が生じ
にくい。
従って、第1の樹脂41の幅を1mm以下に小さくし、有機EL装置1を狭額縁化した
場合において、第2無機封止層34cに欠陥が生じにくく、水や酸素に対するバリア性の
劣化を抑制することができる。従って、本実施形態1に係る有機EL装置1は、高い信頼
性を有する。
「有機EL装置の製造方法」
図6は、本実施形態に係る有機EL装置の製造方法を示す工程フローである。図7は、
複数の素子基板が多面付けされたマザー基板の状態を示す図である。図8は、図5に対応
する図であり、図6に示す工程フローの主要な工程を経た後の状態を示す概略断面図であ
る。
以下に、図6乃至図8を参照して、有機EL装置1の製造方法の概要を説明する。
図6に示すように、本実施形態に係る有機EL装置1の製造方法は、第1無機封止層3
4aを形成する工程(ステップS1)と、有機封止層34bを形成する工程(ステップS
2)と、第2無機封止層34cを形成する工程(ステップS3)と、カラーフィルター3
6を形成する工程(ステップS4)と、第1の樹脂41を塗布する工程(ステップS5)
と、第1の樹脂41を硬化する工程(ステップS6)と、第2の樹脂42を塗布する工程
(ステップS7)と、素子基板10に対向基板40を貼り合せる工程(ステップS8)と
、第2の樹脂42を硬化する工程(ステップS9)と、封止層34をエッチングする工程
(ステップS10)と、を含んでいる。
なお、ステップS1〜ステップS3は、本発明における「封止層を形成する工程」の一
例である。ステップS10は、本発明における「端子を露出させる工程」の一例である。
図7に示すように、ステップS1〜ステップS10は、複数の素子基板10(表示領域
E1)が多面付けされたマザー基板9の状態で処理されている。ステップS1〜ステップ
S10を経た後に、マザー基板9を分断線SLに沿って分断し、単体の有機EL装置1に
分割している。
ステップS1では、例えば公知技術のプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)
法などを用いてシリコン酸窒化物を素子基板10の略全面に堆積し、対向電極33(有機
EL素子30)を覆う第1無機封止層34aを形成する。第1無機封止層34aの膜厚は
、概略200nm〜400nmである。第1無機封止層34aは、対向電極33(有機E
L素子30)の表面凹凸の影響を緩和し、次の工程で形成する有機封止層34bの下地膜
として機能し、有機封止層34bの密着性を高める。
第1無機封止層34aは、有機EL素子30が設けられた領域、及び有機EL素子30
が設けられていない領域(絶縁膜28が形成された領域)に形成される。有機EL素子3
0が設けられた領域の第1無機封止層34aは、下地膜の有機EL素子30が表面凹凸を
有するため、欠陥が生じやすく、水や酸素に対するバリア性に劣る。有機EL素子30が
設けられていない領域(絶縁膜28が形成された領域)の第1無機封止層34aは、下地
膜の絶縁膜28が表面凹凸を有していないため平坦であり、欠陥が生じにくく、水や酸素
に対するバリア性に優れる。
ステップS2では、スクリーン印刷法や、ディスペンサーを用いた定量吐出法などの方
法で、例えば光透過性を有するエポキシ樹脂を第1無機封止層34aの上に塗布する。平
面視で対向電極33(有機EL素子30)と重なり、対向電極33(有機EL素子30)
よりも広く、エポキシ樹脂を塗布する。エポキシ樹脂は、流動性を有するので、例えば第
1無機封止層34aの上に異物がある場合、エポキシ樹脂は、異物を被覆し、流動し、平
坦な面を形成する。さらに、エポキシ樹脂は、当該流動によって、端部で第1無機封止層
34aの表面に対して低テーパーに傾斜するようになる。
さらに、エポキシ樹脂を硬化させて有機封止層34bを形成する。有機封止層34bは
、低テーパーに傾斜した端部と、平坦な面とを有する。また、有機封止層34bの膜厚は
、第1無機封止層34aの膜厚よりも大きく、概略1000nm〜5000nmである。
このように、ステップS2によって、第1無機封止層34aの欠陥(ピンホール、クラ
ック)や異物などが被覆された平坦な面と、低テーパーに傾斜した端部とを有する有機封
止層34bを形成する。また、有機封止層34bの周辺(有機封止層34bと基材11の
端部との間)には、第1無機封止層34aが配置されている。
図8(a)に示すように、ステップS3では、例えば公知技術のプラズマCVD法など
を用いてシリコン酸窒化物を素子基板10の略全面に堆積し、有機封止層34bや第1無
機封止層34aを覆う第2無機封止層34cを形成し、第1無機封止層34aと有機封止
層34bと第2無機封止層34cとで構成される封止層34を形成する。第2無機封止層
34cの膜厚は、概略300nm〜700nmである。プラズマCVD法などの方法で形
成されたシリコン酸窒化物は、水分や酸素に対して高いバリア性を有している。
有機封止層34bを覆う第2無機封止層34cは、有機封止層34bが低テーパーに傾
斜した端部と平坦な面とを有しているため、クラックなどの欠陥が生じにくく、水分や酸
素に対して優れたバリア性を有する。さらに、第1無機封止層34aを覆う第2無機封止
層34cは、第1無機封止層34aが平坦であるため、欠陥が生じにくく、水や酸素に対
して優れたバリア性を有する。
端子領域E2において、外部接続用端子103は、絶縁膜28と第1無機封止層34a
と第2無機封止層34cとで覆われている。
図8(b)に示すように、ステップS4では封止層34の上にカラーフィルター36を
形成する。
ステップS4では、公知技術のフォトリソグラフィー法で、色材を含まない感光性樹脂
層(アクリル樹脂)を露光・現像し、焼成して凸部37を形成する(図示省略)。続いて
、緑(G)の色材を含む感光性樹脂を、露光・現像し、焼成して、サブ画素18Gに緑色
の着色層36Gを形成する(図示省略)。続いて、青(B)の色材を含む感光性樹脂を、
露光・現像し、焼成して、サブ画素18Bに青色の着色層36Bを形成する。最後に、赤
(R)の色材を含む感光性樹脂を、露光・現像し、焼成して、サブ画素18Rに赤色の着
色層36Rを形成する(図示省略)。
凸部37は、着色層36R,36G,36Bの境界部分に形成され、着色層36R,3
6G,36Bの境界部分における異なる色材の混色を抑制する。
カラーフィルター36(着色層36R,36G,36B、凸部37)は、端子領域E2
にも形成されている。端子領域E2に形成されたカラーフィルター36には、外部接続用
端子103に対応する位置に開口104が形成されている。開口104が設けられた領域
の外部接続用端子103の上には、絶縁膜28と第1無機封止層34aと第2無機封止層
34cとが、Z方向に順に積層されている。
ステップS5では、後述するステップS7で使用する光硬化性樹脂(第2の樹脂42)
よりも高粘度の光硬化性樹脂、例えば粘度が概略10000〜100000mPasであ
る光硬化性樹脂を、スクリーン印刷法やディスペンサーを用いた定量吐出法などの方法で
塗布し、表示領域E1を囲み、幅が概略1mm以下である第1の樹脂41を形成する。ま
た、ステップS5では、マザー基板9に多面付けされた複数の素子基板10のそれぞれに
、表示領域E1を囲む第1の樹脂41を形成する。
第1の樹脂41は、光硬化性樹脂であり、例えばアクリル樹脂やエポキシ樹脂などを使
用することができる。光硬化性樹脂の粘度は、概略10000〜100000mPasと
高粘度であるので、第1の樹脂41は流動しにくく、形状が変化しにくい。よって、細い
幅(線幅)の第1の樹脂41を形成することができる。
図8(c)に示すように、ステップS6では、ステップS5で塗布された第1の樹脂4
1に光(紫外線)を照射し、第1の樹脂41を硬化させる。第1の樹脂41の幅は、概略
1mm以下である。なお、有機EL装置1の狭額縁化のためには、第1の樹脂41の幅は
小さい方が好ましく、第1の樹脂41の幅は、概略0.05〜0.5mmであることが好
ましい。また、第1の樹脂41の高さ(Z方向の寸法)は、概略10〜100μmである
例えば、熱硬化性樹脂を用いて第1の樹脂41を形成する場合、熱硬化性樹脂を硬化さ
せる熱処理によって、熱硬化性樹脂が軟化(流動)するので、細い幅の第1の樹脂41を
形成することが難しい。光硬化性樹脂は、硬化させる熱処理が不要であり、光照射によっ
て早く硬化するので、熱硬化性樹脂と比べて硬化時に形状変形が生じにくい。従って、光
硬化性樹脂を使用することによって、熱硬化性樹脂を使用する場合と比べて、細い幅の第
1の樹脂41を形成することができる。
図8(d)に示すように、ステップS7では、ステップS5で使用する光硬化性樹脂(
第1の樹脂41)よりも低粘度の光硬化性樹脂を、例えばディスペンサーを用いて、第1
の樹脂41で囲まれた領域の内側に塗布し、第2の樹脂42を形成する。ステップS7で
使用する光硬化性樹脂の粘度は、概略10〜10000mPasである。ステップS6で
は、マザー基板9に多面付けされた複数の素子基板10のそれぞれに、第1の樹脂41で
囲まれた領域の内側に第2の樹脂42を形成する。
ステップS7では、光硬化性樹脂の他に、熱硬化性樹脂を使用することができる。また
、第2の樹脂42は、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂などを
使用することができる。エポキシ樹脂はガラス基板(対向基板40)との接着強度が大き
いので、第2の樹脂42にエポキシ樹脂を使用することが好ましい。
図8(e)に示すように、ステップS8では、第1の樹脂41で囲まれた領域の内側に
配置されるように対向基板40の位置を調整し、対向基板40をカラーフィルター36(
素子基板10)に貼り合せる。すなわち、対向基板40が第1の樹脂41で囲まれた領域
の内側に配置されるように、対向基板40の貼り合せ位置を調整し、対向基板40を素子
基板10に貼り合せる。
なお、ステップS8では、マザー基板9に多面付けされた複数の素子基板10のそれぞ
れに、単体の対向基板40を貼り合せるというチップマウント方式で、対向基板40を素
子基板10に貼り合せる。
例えば、複数の素子基板10が形成されたマザー基板9と、複数の対向基板40が形成
されたマザー基板とを貼り合せる大板貼り合せ方式では、素子基板10及び対向基板40
の両方を分割する必要がある。対向基板40は素子基板10よりも小さいため、マザー基
板において対向基板40と隣り合う対向基板との間に、不必要なダミー基板が配置される
ことになり、ダミー基板を切り離して対向基板40と隣り合う対向基板と分割する必要が
ある。ところが、有機EL装置1を狭額縁化すると、当該ダミー基板の寸法が小さくなり
、当該ダミー基板を切り離すことが難しくなる。
よって、有機EL装置1を狭額縁化すると、ステップS8は、大板貼り合せ方式よりも
チップマウント方式の方が好ましい。さらに、チップマウント方式は、単体の素子基板1
0と単体の対向基板40とを貼り合せる方式よりも、貼り合せ工程の生産性に優れている
対向基板40を素子基板10に貼り合せると、第2の樹脂42は対向基板40と素子基
板10とで押圧され、Z方向と交差する方向に広がり、対向基板40の端部からはみ出す
。ステップS7では、対向基板40の端部からはみ出す第2の樹脂42の量が小さくなる
ように、第2の樹脂42の塗布量が設定されている。さらに、対向基板40の周囲には、
第1の樹脂41が形成されているので、第2の樹脂42は第1の樹脂41で囲まれた領域
の内側に留まる。詳しくは、対向基板40の端部からはみ出した第2の樹脂42が、第1
の樹脂41で囲まれた領域の外側に流動しないように、第1の樹脂41の頂部41aは、
第2の樹脂42の頂部42aよりも高い位置に配置されていので、第2の樹脂42は第1
の樹脂41で囲まれた領域の内側に留まる。
なお、対向基板40の端部からはみ出す第2の樹脂42の量を小さくするためには、な
るべく弱い力で押圧して、対向基板40を素子基板10に貼り合せることが好ましい。例
えば、対向基板40の自重だけで、対向基板40を素子基板10に貼り合せることが好ま
しい。
さらに、ステップS8では、大気圧の環境で、対向基板40が素子基板10に貼り合わ
されている。一方、公知技術では、減圧された環境で、対向基板が素子基板に貼り合わさ
れている。この点も本実施形態と公知技術との相違点である。
図8(e)に示すように、ステップS9では、紫外線照射や熱処理などで第2の樹脂4
2を硬化させ、第2の樹脂42によって対向基板40とカラーフィルター36(素子基板
10)とを接着(固定)する。
公知技術では、減圧された環境から大気圧の環境に変化させて、第2の樹脂を硬化させ
ている。減圧された環境から大気圧の環境に変化させると、第1の樹脂で囲まれた領域の
内側(第2の樹脂が充填された領域)は減圧された環境にあり、第1の樹脂で囲まれた領
域の外側は大気圧の環境にあるため、これら圧力差に起因する強い圧力が第2の樹脂に作
用し、第2の樹脂が、第1の樹脂を突き破り、第1の樹脂で囲まれた領域の外側に流動す
るおそれがあった。
本実施形態では、ステップS8は大気圧の環境で処理されているので、ステップS9で
は減圧された環境からから大気の環境に変化させる必要がないため、公知技術のような強
い圧力が第2の樹脂42に作用しない。従って、第2の樹脂42が、第1の樹脂41を突
き破り、第1の樹脂41で囲まれた領域の外側に流動するおそれはない。
図8(e)に示すように、ステップS10では、例えばフッ素系ガスを用いたドライエ
ッチング処理を施し、外部接続用端子103を露出させる。つまり、ステップS10では
、例えばフッ素系ガスを用いたドライエッチング処理によって、開口104で露出した部
分の第2無機封止層34c(酸窒化シリコン)と第1無機封止層34a(酸窒化シリコン
)と絶縁膜28(シリコン酸化物)とを順にエッチング除去し、外部接続用端子103を
露出させる。
なお、ステップS10では、フッ素系ガスを用いたドライエッチング処理の他に、例え
ばフッ素系エッチャントによるウエットエッチング処理を施して、外部接続用端子103
を露出させてもよい。
さらに、ステップS10を経た後に分断線SLに沿ってマザー基板9を分断し、単体の
有機EL装置1に分割する。
このように、本実施形態に係る製造方法によれば、高粘度の光硬化性樹脂を使用して第
1の樹脂41を塗布し、光(紫外線)を照射して早く硬化させることによって、例えば高
粘度の熱硬化性樹脂を使用して第1の樹脂41を形成する場合と比べて、細い幅の第1の
樹脂41を形成することができる。
対向基板40を素子基板10に貼り合せた際に、対向基板40の端部からはみ出す第2
の樹脂42の量が小さくなるように、ステップS7における第2の樹脂42の塗布量が設
定されている。さらに、対向基板40の端部からはみ出した第2の樹脂42が、第1の樹
脂41で囲まれた領域の外側に流動しないように、第1の樹脂41の頂部41aは、第2
の樹脂42の頂部42aよりも高い位置に配置されている。さらに、大気圧の環境でステ
ップS8,S9が処理され、第2の樹脂が、第1の樹脂を突き破り、第1の樹脂で囲まれ
た領域の外側に流動するおそれが抑制されている。このように、第2の樹脂42は、第1
の樹脂41で囲まれた領域の内側にとどまり、第1の樹脂41で囲まれた領域の外側に流
動し、表示に寄与しない非発光領域が広くなるおそれを抑制することができる。
従って、本実施形態に係る製造方法では、表示に寄与しない非発光領域を狭くし、有機
EL装置1を狭額縁化することができる。
(実施形態2)
図9は、図5に対応する図であり、実施形態2に係る有機EL装置の概要を示す概略断
面図である。図10は、本実施形態に係る有機EL装置の製造方法を示す工程フローであ
る。図11は、図8に対応する図であり、図10に示す工程フローの主要な工程を経た後
の状態を示す概略断面図である。
本実施形態に係る有機EL装置2は、端子領域E2を除き、実施形態1の有機EL装置
1と同じ構成を有し、狭額縁化が図られている。
以下に、図9乃至図11を参照して、本実施形態に係る有機EL装置2の概要を、実施
形態1との相違点を中心に説明する。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同
一の符号を附し、重複する説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態に係る有機EL装置2では、端子領域E2の封止層34
とカラーフィルター36と絶縁膜28とが削除され、外部接続用端子103の全体が露出
している。実施形態1では、絶縁膜28とカラーフィルター36と封止層34とは、外部
接続用端子103の周縁部を覆い、絶縁膜28とカラーフィルター36と封止層34とを
貫く開口104によって、外部接続用端子103が露出している。この点が、本実施形態
に係る有機EL装置2と、実施形態1に係る有機EL装置1との相違点である。
「有機EL装置の製造方法」
図10に示すように、本実施形態に係る製造方法は、第1無機封止層34aを形成する
工程(ステップS1)と、有機封止層34bを形成する工程(ステップS2)と、第2無
機封止層34cを形成する工程(ステップS3)と、カラーフィルターを形成する工程(
ステップS4)と、第1の樹脂41を塗布する工程(ステップS5)と、第1の樹脂41
を硬化する工程(ステップS6)と、第2の樹脂42を塗布する工程(ステップS7)と
、素子基板10に対向基板40を貼り合せる工程(ステップS8)と、第2の樹脂42を
硬化する工程(ステップS9)と、カラーフィルター36及び封止層34をエッチングす
る工程(ステップS11)と、を含んでいる。
ステップS1と、ステップS2と、ステップS3と、ステップS5と、ステップS6と
、ステップS7と、ステップS8と、ステップS9とは、実施形態1に係る有機EL装置
1の製造方法と同じであるので、説明を省略する。
図11(a)に示すように、ステップS4のカラーフィルター36を形成する工程では
、外部接続用端子103は、絶縁膜28とカラーフィルター36とで覆われている。つま
り、カラーフィルター36には、実施形態1における開口104が設けられていない。
図11(b)に示すように、ステップS5〜ステップS9を経て、基材11と、有機E
L素子30と、封止層34と、カラーフィルター36と、第2の樹脂42と、対向基板4
0とがZ方向に積層され、基材11と対向基板40との間に第1の樹脂41が配置された
有機EL装置2を形成する。当該有機EL装置2では、外部接続用端子103の上に、絶
縁膜28と、封止層34(第1無機封止層34a、第2無機封止層34c)と、カラーフ
ィルター36とが順に積層されている。
図11(c)に示すように、ステップS11では、対向基板40と第1の樹脂41と第
2の樹脂42とをエッチングマスクとして、例えばフッ素系ガスを用いたドライエッチン
グ処理を施し、端子領域E2のカラーフィルター36と、第2無機封止層34cと、第1
無機封止層34aと、絶縁膜28とを順にエッチング除去し、外部接続用端子103の全
体を露出させる。
実施形態1では、カラーフィルター36に開口104が形成されている状態で、第1の
樹脂41を塗布し、第1の樹脂41を硬化させている(図8(c)参照)。このため、狭
額縁化のために開口104と第1の樹脂41(表示領域E1)との間の距離を小さくしす
ぎると、ステップS5において第1の樹脂41の塗布位置が変動した場合に、開口104
の中に第1の樹脂41が充填されるおそれがある。仮に、開口104の中に第1の樹脂4
1が充填されると、第1の樹脂41が流動して開口104を塞ぎ、ステップS10の工程
において外部接続用端子103を露出させることが難しくなる。
本実施形態では、カラーフィルター36は開口104を有していないので、第1の樹脂
41が開口104を塞ぎ、外部接続用端子103を露出させることが難しくなるというお
それを抑制することができる。さらに、外部接続用端子103の全体を露出させ、外部接
続用端子103の周縁部に余分な段差を有していない方が、外部接続用端子103を例え
ばフレキシブル回路基板などに安定して電気的に接続させることができる。
(実施形態3)
「電子機器」
図12は、電子機器の一例としてのヘッドマウントディスプレイの概略図である。
図12に示すように、ヘッドマウントディスプレイ1000は、左右の目に対応して設
けられた2つの表示部1001を有している。観察者Mはヘッドマウントディスプレイ1
000を眼鏡のように頭部に装着することにより、表示部1001に表示された文字や画
像などを見ることができる。例えば、左右の表示部1001に視差を考慮した画像を表示
すれば、立体的な映像を見て楽しむこともできる。
表示部1001には、上記実施形態に係る有機EL装置1及び有機EL装置2のいずれ
かが搭載されている。有機EL装置1及び有機EL装置2は、狭額縁化され、コンパクト
化されている。従って、表示部1001に上記実施形態に係る有機EL装置1及び有機E
L装置2のいずれかを搭載することによって、表示部1001の寸法を小さくし、ヘッド
マウントディスプレイ1000のコンパクト化や軽量化を実現することができる。
なお、上記実施形態に係る有機EL装置1や有機EL装置2が搭載される電子機器は、
ヘッドマウントディスプレイ1000に限定されない。例えば、ヘッドアップディスプレ
イや、デジタルカメラの電子ビューファインダー、携帯型情報端末、ナビゲーターなどの
表示部を有する電子機器に搭載してもよい。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み
取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を
伴う有機EL装置及び当該有機EL装置が搭載された電子機器もまた本発明の技術的範囲
に含まれる。
上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。
(変形例1)
実施形態1に係る有機EL装置1の発光機能層32は、有機材料で構成された有機発光
層を含んでいた。発光機能層32は、有機材料を含むことに限定されず、無機材料で構成
されていてもよい。すなわち、本発明に係る発光装置は、有機EL素子を含む有機EL装
置に限定されず、無機EL素子を含む無機EL装置であってもよい。
(変形例2)
実施形態1に係る有機EL装置1では、有機封止層34bの端部は、平面視で第1の樹
脂41と重なるように配置されていた。有機封止層34bの端部は、第1の樹脂41で囲
まれた領域の内側に配置されていてもよい。すなわち、有機封止層34bに外力が作用し
ないように、有機封止層34bが、第1の樹脂41で囲まれた領域の内側に配置され、第
1の樹脂41、第2の樹脂42、及び対向基板40の少なくとも一つで保護されている構
成であってもよい。
1,2…有機EL装置、9…マザー基板、10…素子基板、11…基材、18,18B
,18G,18R…サブ画素、19…画素、25…反射層、26…光学的距離調整層、2
6a…第1絶縁膜、26b…第2絶縁膜、26c…第3絶縁膜、28…絶縁膜、28CT
…開口、30…有機EL素子、31…画素電極、32…発光機能層、33…対向電極、3
4…封止層、34a…第1無機封止層、34b…有機封止層、34c…第2無機封止層、
36…カラーフィルター、36B…青色の着色層、36G…緑色の着色層、36R…赤色
の着色層、37…凸部、40…対向基板、41…第1の樹脂、42…第2の樹脂、103
…外部接続用端子、104…開口、E1…発光領域、E2…端子領域。

Claims (14)

  1. 第1基板の素子領域に発光素子が設けられた発光装置の製造方法であって、
    少なくとも発光素子を覆うように、封止層を形成する工程と、
    前記素子領域を囲むように、第1の樹脂を塗布する工程と、
    前記第1の樹脂を硬化する工程と、
    前記第1の樹脂で囲まれた領域の内側に第2の樹脂を塗布する工程と、
    前記第2の樹脂を介して第2基板を前記第1基板に貼り合せる工程と、
    前記第2の樹脂を硬化する工程と、
    を有することを特徴とする発光装置の製造方法。
  2. 前記第1の樹脂の頂部は、前記第2の樹脂の頂部よりも高い位置に形成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の発光装置の製造方法。
  3. 前記第2基板は、前記第1の樹脂で囲まれた領域の内側に配置されていることを特徴と
    する請求項1または2に記載の発光装置の製造方法。
  4. 前記第1の樹脂は、光硬化性樹脂であり、
    前記光硬化性樹脂の粘度は、10000〜1000000mPasの範囲であることを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
  5. 前記封止層は、前記発光素子の側に配置された第1無機封止層と、第2無機封止層と、
    前記第1無機封止層と前記第2無機封止層とで挟まれた有機封止層と、を有し、
    前記有機封止層は前記第1の樹脂で囲まれた領域の内側に配置されている、または前記
    有機封止層の端部は平面視で前記第1の樹脂と重なるように配置されていることを特徴と
    する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
  6. 前記第1基板の端と前記第1の樹脂との間に、端子が形成される端子領域を有し、
    前記第2の樹脂を硬化する工程の後に、前記端子を露出させる工程を有することを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
  7. 前記封止層を形成する工程と前記第1の樹脂を塗布する工程との間に、カラーフィルタ
    ーを形成する工程を有し、
    前記カラーフィルターと前記第2基板とは、前記第2の樹脂を介して貼り合わされてい
    ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
  8. 前記第1基板は複数の素子領域を有し、前記複数の素子領域のそれぞれに第2基板を貼
    り合せることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の発光装置の製造方法。
  9. 大気圧の環境で、前記第2基板を貼り合せることを特徴とする請求項1乃至8のいずれ
    か1項に記載の発光装置の製造方法。
  10. 前記第1基板の母材は不透明基板であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1
    項に記載の発光装置の製造方法。
  11. 第1基板の素子領域に設けられた発光素子と、
    少なくとも前記発光素子を覆う封止層と、
    前記素子領域を囲むように設けられた第1の樹脂と、
    前記第1の樹脂で囲まれた領域の内側に配置された第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板とを接着し、前記第1の樹脂で囲まれた領域の内側に配置
    された第2の樹脂と、
    を含むことを特徴とする発光装置。
  12. 前記封止層は、前記発光素子の側から順に配置された第1無機封止層と、有機封止層と
    、第2無機封止層と、を含み、
    前記有機封止層は前記第1の樹脂で囲まれた領域の内側に配置されている、または前記
    有機封止層の端部は平面視で前記第1の樹脂と重なるように配置されていることを特徴と
    する請求項11に記載の発光装置。
  13. 前記第1の樹脂の幅は、1mm以下であることを特徴とする請求項11または12に記
    載の発光装置。
  14. 請求項11乃至13のいずれか1項に記載の発光装置を備えていることを特徴とする電
    子機器。
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