JP6492403B2 - 有機el装置、有機el装置の製造方法、電子機器 - Google Patents

有機el装置、有機el装置の製造方法、電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、有機EL装置、有機EL装置の製造方法、電子機器に関するものである。
発光素子としての有機EL素子は、LED(Light Emitting Diode)に比べて小型化、薄型化が可能であることから、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)や電子ビューファインダー(EVF)などのマイクロディスプレイへの応用が注目されている。
マイクロディスプレイなどにおいてカラー表示を実現する手段として、白色発光が得られる有機EL素子(有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、以下「OLED」という)素子)と、サブ画素のR,G,Bの各色に対応したカラーフィルターと、を組み合わせる構成が考えられている。
一般に、OLEDディスプレイの製造方法として、真空蒸着法およびインクジェット法がある。真空蒸着法は、白色OLEDとカラーフィルターとを組み合わせた方法と、サブ画素に対応して選択的に蒸着させる方法(RGB選択蒸着法)と、に大別されるが、特にマイクロディスプレイは画素が微細であるがゆえに、インクジェット法およびRGB選択蒸着法は実現が極めて困難である。
特許文献1には、複数の有機EL素子を封止する封止膜上にカラーフィルターを直接形成することが記載されている。素子基板側にカラーフィルターを設けるオンチップタイプを採用することで、微細な画素構造であっても良好にカラーフィルターを形成することができる。
特開2001−126864号公報
上記特許文献1の構成によれば、有機EL素子からの光のうち、正面方向(表示面側)に向かう光はカラーフィルターを透過し、正面以外の方向へ向かう他の光(迷光)はカラーフィルターによって吸収される。光吸収体であるカラーフィルターを設けることで迷光によるコントラストの低下を防ぐことはできるが、カラーフィルターを設けない場合に比べてディスプレイ全体での輝度は低下してしまう。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、迷光によるコントラストの低下を抑えつつ高い輝度を確保することによって、良好な表示を行うことが可能な有機EL装置、有機EL装置の製造方法、電子機器を提供することを目的の一つとしている。
本発明の一形態における有機EL装置は、基板と、前記基板上に設けられ且つ有機発光層を有する有機EL素子と、前記有機EL素子に積層された封止層と、前記封止層に積層されたカラーフィルターと、を備え、前記カラーフィルターは、画素の周縁部の少なくとも一部が前記画素の中央部分に比して厚くなっており、前記カラーフィルターの厚い部分は、前記封止層に接して設けられていることを特徴とする。
これによれば、画素の中央部分のカラーフィルターの膜厚が薄くなっているため、有機EL素子から放射された光がカラーフィルターにおいて吸収されるのを抑えることができ、多くの光を透過させるカラーフィルターとなる。これにより、高い輝度を確保することができる。また、画素の中央部分に比して厚くなっている周縁部の一部分において、有機EL素子から画素周囲に逃げる光(迷光)を効果的に吸収することができる。よって、迷光によるコントラストの低下を効果的に抑えつつ高い輝度を確保することができるので、良好な表示を行うことができる。
また、前記カラーフィルターは、第1の方向に沿って設けられた同色のカラーフィルターを有し、前記カラーフィルターの厚い部分は、前記第1の方向において隣り合う画素との間に設けられている構成としてもよい。
ここで、第1の方向に沿って並ぶ第1画素及び第2画素を有し、同色のカラーフィルターは、平面視で第1画素及び第2画素と重なるように設けられており、カラーフィルターの厚い部分は、第1画素と第2画素との間に設けられている。
これによれば、第1の方向に逃げる光(迷光)を当該迷光と同じ色のカラーフィルターの厚い部分において、迷光に対する光吸収性特性を維持することができる。
また、前記カラーフィルターは、前記第1の方向とは交差する第2の方向に並ぶ異色のカラーフィルターを有し、前記カラーフィルターの厚い部分は、前記第2の方向において隣り合う画素との間に設けられている構成としてもよい。
ここで、第2の方向に沿って並ぶ第1画素及び第3画素を有し、異色のカラーフィルターのうち第1カラーフィルターは第1画素と平面視で重なり、異色のカラーフィルターのうち第2カラーフィルターは第3画素と平面視で重なり、前記カラーフィルターの厚い部分は、第1画素と第3画素との間に設けられている。
これによれば、第2の方向に逃げる光(迷光)を当該迷光とは異なる色のカラーフィルターにおいて効率よく吸収することができる。
また、前記周縁部の少なくとも一部に、前記第1の方向に沿って前記カラーフィルターの薄い部分が設けられている構成としてもよい。
これによれば、画素内でカラーフィルターの薄い部分が増えるので、カラーフィルターを透過する光が多くなり輝度が向上する。
本発明の一態様における有機EL装置は、基板と、前記基板に設けられ且つ有機発光層を有する有機EL素子と、前記有機EL素子に積層された封止層と、前記封止層に積層されたカラーフィルターと、前記封止層の上層において発光領域に平面視で少なくとも一部が重なるように形成され、前記カラーフィルターと前記封止層との間に設けられた透明層と、を備え、前記カラーフィルターの少なくとも一部および前記透明層は、前記封止層と接して設けられており、第1の方向に沿って同色の前記カラーフィルターが配列されるとともに、前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って異色の前記カラーフィルターが配列されており、前記透明層は、前記第1の方向または前記第2の方向に延在する複数の部位を有し、前記複数の部位は、前記第2の方向に沿って延在することで前記異色のカラーフィルター間に跨って形成されるとともに前記第1の方向に沿って所定の間隔をおいて配列される、あるいは、前記第1の方向に沿って延在することで前記同色のカラーフィルター間に跨って形成されるとともに前記第2の方向に沿って所定の間隔をおいて配列される、ことを特徴とする。
これによれば、透明層を設けることによって封止層上に積層されるカラーフィルターの膜厚を部分的に薄くすることができる。本発明では、発光領域に平面視で少なくとも一部が重なるように透明層を設けているため、発光領域上のカラーフィルターの膜厚が部分的に薄くなっている。これにより、発光領域におけるカラーフィルターを透過する光が多くなり、画素の輝度が高められる。また、封止層上の透明層が形成された領域以外の領域におけるカラーフィルターの膜厚が厚くなっているため、この膜厚部分で迷光を吸収することができる。
また、前記透明層は、前記カラーフィルターと前記封止層との間に設けられている構成としてもよい。
これによれば、カラーフィルターと封止層との間に透明層を設けることにより、透明層の側面部分だけカラーフィルターの接触面積が増えるので、封止層に対するカラーフィルターの接着力が向上する。
また、前記透明層は、前記カラーフィルターと同じ材料を主とした、光透過性有する感光性樹脂材料からなる構成としてもよい。
これによれば、透明層とカラーフィルターとにおける主たる構成材料が同じ感光性樹脂材料であるため、透明層とカラーフィルターとの密着性を高めることができる。また、透明層をフォトリソグラフィー法により形成できるので、画素が高精細になっても、それに対応して有効な透明層を形成できる。
また、前記透明層は、光透過性有する誘電体無機材料からなる構成としてもよい。
これによれば、封止層が無機材料から構成されていた場合には、誘電体無機材料を用いることによって、封止層に対してより優れた密着性を有する透明層を形成することができる。
また、前記有機発光層と前記基板との間に光路長調整層及び第1反射層を有し、前記有機発光層と前記封止層との間に第2反射層を有し、前記有機EL素子からの光は、前記第1反射層と前記第2反射層との間で共振して出力される構成としてもよい。
これによれば、有機EL素子から出力される光の強度が増大するため、発光効率が向上する。
また、前記透明層は、平面視で前記有機EL素子の前記発光領域内に形成されている構成としてもよい。
これによれば、発光領域(画素)ごとに透明層が設けられる構成となるため、発光領域の周囲ではカラーフィルターの膜厚が厚くなっている。これにより、カラーフィルターの薄い部分で発光領域における輝度を高めつつ、カラーフィルターの厚い部分で発光領域の周囲に逃げた迷光を効率よく吸収することが可能となる。
また、前記カラーフィルターのうち第1のカラーフィルター膜は、平面視で第1の方向に延在し、前記透明層は、前記第1の方向に交差する第2の方向に少なくとも延在し、前記透明層の前記第1の方向に沿う幅は、前記発光領域の前記第1の方向に沿う幅よりも狭くなっている構成としてもよい。
これによれば、第1のカラーフィルター膜の膜厚が厚い部分が第1の方向に多く存在するため、第1の方向へ向かう迷光を効率よく吸収できる。
また、前記透明層は、前記第1の方向に沿う部位をさらに有し、前記部位は、前記第2の方向で隣り合う発光領域どうしの間に配置されている構成としてもよい。
ここで、第2方向に隣り合う第1発光領域と第2発光領域とを有し、透明層の第1の方向に沿う部位は、第1発光領域と第2発光領域との間に配置されている。
これによれば、平面視において格子状を成す透明層となり、第2の方向に沿う透明層を複数備えたストライプ状(スジ状)の構成に比べて、透明層と封止層との接着面積が増えるので、透明層の封止層に対する密着性をさらに向上させることができる。
また、第1の方向に沿う部位が、第2の方向で隣り合う発光領域どうしの間に配置されているため、製造プロセスの例えば現像液の影響を受けて、封止層上からカラーフィルターが剥離する等の不具合が生じるのを防ぐことができる。
また、前記発光領域は前記第2の方向より前記第1の方向に長い形状を有しており、前記第2の方向に沿ってカラーフィルターの薄い部分が設けられている構成としてもよい。
これによれば、透明層の幅を発光領域の長手方向に沿って広くすることができるので製造が容易になり、発光領域における輝度も向上する。
本発明の一態様における有機EL装置の製造方法は、基板と、前記基板上に設けられ且つ有機発光層を有する有機EL素子と、前記有機EL素子に積層された封止層と、前記封止層に積層されたカラーフィルターと、を備えた有機EL装置の製造方法であって、前記カラーフィルターを形成する際、画素の周縁部の少なくとも一部が前記画素の中央部分に比して厚くなるとともに、前記厚い部分が前記封止層に接するように形成することを特徴とする。
これによれば、画素中央部分の膜厚が薄くなるようにカラーフィルターを形成することによって、有機EL素子から放射された光がカラーフィルターにおいて吸収されるのを抑えることができ、多くの光を透過させるカラーフィルターとなる。これにより、高い輝度を確保することができる。また、画素の中央部分に比して周縁部の一部分の膜厚が厚くなるようにカラーフィルターを形成することによって、有機EL素子から画素周囲に逃げる光(迷光)を効果的に吸収することができる。これにより、迷光によるコントラストの低下を効果的に抑えつつ高い輝度を確保することができるので、良好な表示を行うことが可能となる。
本発明の一態様における有機EL装置の製造方法は、基板と、前記基板上に設けられ且つ有機発光層を有する有機EL素子と、前記有機EL素子に積層された封止層と、前記封止層に積層されたカラーフィルターと、を備えた有機EL装置の製造方法であって、前記封止層の上層において発光領域に平面視で少なくとも一部が重なるとともに、前記カラーフィルターの少なくとも一部とともに前記封止層に接するように透明層を形成する透明層形成工程を含み、前記透明層形成工程では、同色の前記カラーフィルターが配列される第1の方向に沿って前記透明層を形成するとともに、前記第1の方向に直交する第2の方向に配列される異色の前記カラーフィルター間に跨るように前記透明層を形成する、あるいは、前記第1の方向に沿って配列される前記同色のカラーフィルター間に跨るように前記第2の方向に沿って複数の前記透明層を形成することを特徴とする。
これによれば、透明層を設けることによって封止層上に積層されるカラーフィルターの膜厚を部分的に薄くすることができる。本発明では、発光領域に平面視で少なくとも一部が重なるように透明層を形成するため、発光領域上のカラーフィルターの膜厚を部分的に薄くすることができる。これにより、発光領域におけるカラーフィルターを透過する光が多くなり、画素の輝度が高められる。また、カラーフィルターの膜厚が厚い部を形成することで、有機EL素子から画素周囲に逃げる光(迷光)を効果的に吸収することができる。これにより、迷光によるコントラストの低下を効果的に抑えつつ高い輝度を確保することができるので、良好な表示を行うことができる。
本発明の電子機器は、上記の有機EL装置を備えたことを特徴とする。
これによれば、コントラストが良好で高い輝度の画像表示が可能とされた本発明の有機EL装置を備えているので、高品質な電子機器が得られる。
第1実施形態の有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図。 第1実施形態の有機EL装置の構成を示す概略平面図。 サブ画素の配置を示す概略平面図。 図3のA− A’線に沿ったサブ画素の構造を示す概略断面図。 (A)はサブ画素ごとの透明層の配置を示す図、(B)は図5(A)のB−B’線に沿った断面図。 第1実施形態の有機EL装置の製造方法を示すフローチャート。 (A)〜(E)は、第1実施形態の有機EL装置の製造工程を示す部分断面図。 有機EL素子から射出された光の光路を示す図。 透明層の有無による緑色のサブ画素内での光の透過率の違いを調べた結果を示す図。 第2実施形態の有機EL装置の概略構成を示す平面図。 図10におけるC−C’線に沿う断面図。 第3実施形態の有機EL装置の概略構成を示す平面図。 図12におけるD−D’線に沿う断面図。 第3実施形態における透明層の変形例を示す図。 第4実施形態の有機EL装置の概略構成を示す断面図。 第5実施形態の有機EL装置の概略構成を示す断面図。 第6実施形態の有機EL装置の概略構成を示す断面図。 電子機器としてのヘッドマウントディスプレイを示す概略図。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載され、特別な記載がなければ、
基板の上に接するように配置される場合、または基板の上に他の構成物を介して配置され
る場合、または基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置
される場合を含んでいるものとする。
[第1実施形態]
<有機EL装置>
まず、本実施形態の有機EL装置について、図1〜図4を参照して説明する。図1は、第1実施形態の有機EL装置の電気的な構成を示す等価回路図、図2は第1実施形態の有機EL装置の構成を示す概略平面図、図3は、サブ画素の配置を示す概略平面図、図4は、図3のA− A’線に沿ったサブ画素の構造を示す概略断面図である。図5(A)は、サブ画素ごとの透明層の配置を示す図であり、図5(B)は、図5(A)のB−B’線に沿った断面図である。
図1に示すように、本実施形態の有機EL装置100は、互いに交差する複数の走査線12及び複数のデータ線13と、電源線14とを有している。複数の走査線12が接続される走査線駆動回路16と、複数のデータ線13が接続されるデータ線駆動回路15とを有している。また、複数の走査線12と複数のデータ線13との各交差部に対応してマトリックス状に配置された発光画素である複数のサブ画素18を有している。
サブ画素18は、発光素子としての有機EL素子30と、有機EL素子30の駆動を制御する画素回路20とを有している。
有機EL素子30は、反射層(第1反射層)25と、陽極としての画素電極31と、陰極としての共通電極(第2反射層)33と、画素電極31と共通電極33との間に設けられた有機発光層38と、を少なくとも有している。このような有機EL素子30は電気的にダイオードとして表記することができる。
なお、画素電極31がサブ画素18毎に形成されており、共通電極33は複数のサブ画素18に亘る共通陰極として形成されている。また、後述のように、有機発光層38及び共通電極33は複数のサブ画素18に亘って連続して設けられており、有機発光層38及び共通電極33はサブ画素18毎に区分はないが、便宜上、サブ画素18毎に有機EL素子30が設けられていると説明している。
さらに、反射層(第1反射層)25は、複数のサブ画素18に亘って連続して形成してもよいし、サブ画素18毎に形成してもよい。
画素回路20は、スイッチング用トランジスター21と、蓄積容量22と、駆動用トランジスター23とを含んでいる。2つのトランジスター21,23は、例えばnチャネル型もしくはpチャネル型の薄膜トランジスター(TFT;Thin Film Transistor)やMOSトランジスターを用いて構成することができる。
スイッチング用トランジスター21のゲートは走査線12に接続され、ソースまたはドレインのうち一方がデータ線13に接続され、ソースまたはドレインのうち他方が駆動用トランジスター23のゲートに接続されている。
駆動用トランジスター23のソースまたはドレインのうち一方が有機EL素子30の画素電極31に接続され、ソースまたはドレインのうち他方が電源線14に接続されている。駆動用トランジスター23のゲートと電源線14との間に蓄積容量22が接続されている。
走査線12が駆動されてスイッチング用トランジスター21がオン状態になると、そのときにデータ線13から供給される画像信号に基づく電位がスイッチング用トランジスター21を介して蓄積容量22に保持される。該蓄積容量22の電位すなわち駆動用トランジスター23のゲート電位に応じて、駆動用トランジスター23のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用トランジスター23がオン状態になると、電源線14から駆動用トランジスター23を介して画素電極31と共通電極33とに挟まれた有機発光層38にゲート電位に応じた量の電流が流れる。有機EL素子30は、有機発光層38を流れる電流量に応じて発光する。
図2に示すように、有機EL装置100は平面視矩形状の素子基板10を有している。素子基板10には、表示領域E0(図中、一点鎖線で表示)と、表示領域E0の外側に非表示領域E3とが設けられている。表示領域E0は、実表示領域E1(図中、二点鎖線で表示)と、実表示領域E1を囲むダミー領域E2とを有している。
実表示領域E1には、発光画素としてのサブ画素18がマトリックス状に配置されている。サブ画素18は、前述したように発光素子としての有機EL素子30を備えており、スイッチング用トランジスター21及び駆動用トランジスター23の動作に伴って、赤(R)、緑(G)、青(B)のうちいずれかの色の発光が得られる構成となっている。
本実施形態では、同色の発光が得られるサブ画素18が第1の方向に配列し、異なる色の発光が得られるサブ画素18が第1の方向に対して交差(直交)する第2の方向に配列した、所謂ストライプ方式のサブ画素18の配置となっている。以降、上記第1の方向をY方向とし、上記第2の方向をX方向として説明する。なお、素子基板10におけるサブ画素18の配置はストライプ方式に限定されず、モザイク方式、デルタ方式であってもよい。
ダミー領域E2には、主として各サブ画素18の有機EL素子30を発光させるための周辺回路が設けられている。例えば、図2に示すように、X方向(第2の方向)において実表示領域E1を挟んだ位置にY方向(第1の方向)に延在して一対の走査線駆動回路16が設けられている。一対の走査線駆動回路16の間で実表示領域E1に沿った位置に検査回路17が設けられている。
素子基板10のX方向に平行な一辺部(図中の下方の辺部)に、外部駆動回路との電気的な接続を図るためのフレキシブル回路基板43が接続されている。フレキシブル回路基板43には、フレキシブル回路基板43の配線を介して素子基板10側の周辺回路と接続される駆動用IC44が実装されている。駆動用IC44は前述したデータ線駆動回路15を含むものであり、素子基板10側のデータ線13や電源線14は、フレキシブル回路基板43を介して駆動用IC44に電気的に接続されている。
表示領域E0と素子基板10の外縁との間、つまり非表示領域E3には、例えば各サブ画素18の有機EL素子30の共通電極33に電位を与えるための配線29などが形成されている。配線29は、フレキシブル回路基板43が接続される素子基板10の辺部を除いて、表示領域E0を囲むように素子基板10に設けられている。
次に、図3を参照して、サブ画素の平面的な配置について説明する。
図3に示すように、赤(R)の発光が得られるサブ画素18R、緑(G)の発光が得られるサブ画素18G、青(B)の発光が得られるサブ画素18BがX方向に順に配列している。同色の発光が得られるサブ画素18は、Y方向に隣り合って配列している。X方向に配列した3つのサブ画素18R、18G、18Bを1つの画素19として表示がなされる構成になっている。X方向におけるサブ画素18R、18G、18Bの配置ピッチは、およそ10μm未満である。
サブ画素18における有機EL素子30(発光領域24)は平面視において略矩形状を呈し、長手方向がY方向に沿って配置されている。放出される発光色に応じて有機EL素子30をそれぞれ有機EL素子30R、30G、30Bと呼ぶこともある。
なお、図3では、異なる色のサブ画素18R,18G,18Bの配置は、X方向において左側から赤(R)、緑(G)、青(B)の順になっているが、これに限定されるものではない。例えば、X方向において左側から青(B)、緑(G)、赤(R)の順に配置されていてもよい。
次に、図4及び図5を参照して、サブ画素18R,18G,18Bの構造について説明する。なお、図4では、素子基板10における画素回路の駆動用トランジスターなどの構成についての図示を省略した。
図4に示すように、有機EL装置100は、素子基板10と対向基板41とが充填層28を介して対向配置された構成を成す。
素子基板10は、素子基材(基板)11と、赤(R)、緑(G)、青(B)のサブ画素18R,18G,18Bごとに設けられた複数の有機EL素子30、カラーフィルター層(カラーフィルター)36、透明層40、素子基材11の表面を封止する封止層34を主として構成されている。
素子基材11の一面11a上には、絶縁層27によってサブ画素18R,18G,18Bごとに区画された領域に、反射層25、光路長調整層39、画素電極31がこの順で積層されている。光路長調整層39及び画素電極31の各々は、平面視における反射層25と重なる領域に形成されている。各色の有機EL素子30R,30G,30Bは、上記した反射層25、光路長調整層39及び画素電極31と、サブ画素18R,18G,18Bに共通して各画素電極31上に順に積層された有機発光層38および共通電極33と、によって構成されている。
本実施形態の有機EL装置100は、トップエミッション構造を有していることから、有機EL素子30の発光光が共通電極33側から射出するように、画素電極31と素子基材11との間に、各サブ画素18R,18G,18Bに対応する反射層(第1反射層)25が複数設けられている。
反射層25は、素子基材11の一面11a上にサブ画素18R,18G,18Bごとにパターン形成されたものであり、光反射率の高い材料により形成されている。反射層25の形成材料として、例えば、アルミニウム、銀、あるいは、これら光反射性を有する金属の合金などが挙げられる。反射層25は、有機EL素子30の発光光のうち、画素電極31を透過して素子基材11側に射出される光を反射して共通電極33側へと反射させる。反射層25の表面には光路長調整層39が積層されている。本実施形態において、反射層25の光反射率は好ましくは40%以上、より好ましくは80%以上である。
光路長調整層39は、各サブ画素18R,18G,18Bの共振構造の共振波長を規定する光透過性の膜体であり、珪素化合物(典型的には窒化珪素や酸化珪素)等の光透過性の絶縁材料で形成される。光路長調整層39の膜厚は、サブ画素18R,18G,18Bごとに異なる。
光路長調整層39は、複数の透明樹脂膜を積層した積層構造であってもよいし、単層構造であってもよい。例えば、サブ画素18Rでは3層の樹脂膜を積層し、サブ画素18Gでは2層の樹脂膜を積層し、サブ画素18Bでは1層の樹脂膜を形成することで、サブ画素18R,18G,18Bにおける光路長調整層39の膜厚を異ならせることができる。これにより、共振器の光路長が各々相互に異なるため、各色のサブ画素18R,18G,18Bの有機EL素子30R,30G,30Bより射出される波長は相互に異なる。光路長調整層39の表面上には画素電極31が形成されている。
画素電極31は、例えばITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの光透過性を有した導電材料で形成される。本実施形態において、画素電極31の光透過率は好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上である。画素電極31の周縁部に乗り上げるようにして絶縁層27が形成されている。したがって、絶縁層27は、サブ画素18R,18G,18Bごとに形成された画素電極31の周囲を平面視で取り囲むように形成されている。
絶縁層27は、図4のように、各色のサブ画素18に開口27R,27G,27Bを有している。各色に対応する開口27R,27G,27Bは、いずれも平面視における画素電極31の表面積よりも小さい開口面積を有している。絶縁層27に形成された各開口27R,27G,27Bの開口面積に応じて、各サブ画素18R,18B,18Gの発光領域24が形成されている。したがって、絶縁層27に形成された各開口27R,27G,27Bが発光領域24の面積を規定している。
開口27R,27G,27Bは、同じ開口面積になるようにしてもよいし、異なる面積となるようにしてもよい。例えば、開口27Rの開口面積<開口27Gの開口面積<開口27Bの開口面積となるように、開口面積を異ならせてもよい。また、反射層25と共通電極33との間の反射によって共振する光の波長が短い色の画素ほど開口面積が大きくしてもよい。
各開口27R,27G,27Bから露出する画素電極31の表面及び絶縁層27に接して有機発光層38が形成されている。言い換えると、絶縁層27及び各開口27R,27G,27Bから露出する画素電極31の表面を覆うようにして有機発光層38が形成されている。したがって、発光領域24において、画素電極31から有機発光層38にキャリア(正孔や電子)が注入され、絶縁層27と有機発光層38が重なる領域では、画素電極31と共通電極33との間で有機発光層38を介して流れる電流は絶縁層27により抑制され、理想的には電流は遮断される。
有機発光層38は、少なくとも実表示領域E1の全域に形成され、複数の画素19(サブ画素18R,18G,18B)に亘って連続して設けられている。
有機発光層38は、画素電極31側から、例えば、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、発光層(EML)、電子輸送層などの、有機層からなる各機能層が順に積層されたものであり、積層された複数の機能層の総厚が、各色の各サブ画素18R,18B,18Gにおいて略同じである。
有機発光層38は、電流の供給により白色光を放射する。本実施形態において、白色光は、青色の波長域と緑色の波長域と赤色の波長域とにわたるスペクトルを有する光であり、可視光の波長域内に少なくとも2個のピークが観測される。
なお、白色光は、青(B)、緑(G)、赤(R)の発光が得られる有機発光層を組み合わせることによっても実現できる。また、青(B)と黄(Y)の発光が得られる有機発光層を組み合わせても擬似白色光を得ることができる。
このように、サブ画素18R,18B,18Gの有機発光層38は白色光を放射するが、上述のように、反射層(第1反射層)25と共通電極(第2反射層)33との光学距離が異なり共振波長がサブ画素18毎に異なるため、共通電極(第2反射層)33から放出される光のスペクトルが異なる。有機発光層38の内部発光スペクトルは同じであると解釈できるが、共振構造を用いて放出される光のスペクトルが異なるため、便宜上、サブ画素18は異なる波長領域の光を射出する、すなわち、サブ画素18は赤(R)、緑(G)、青(B)のうちいずれかの色の発光が得られると説明している。
さらに、本実施形態において、同色の発光が得られるサブ画素18、あるいは、異なる色の発光が得られるサブ画素18とは、共振構造を用いて放出される光のスペクトルに応じて説明したものである。
有機発光層38の表面上には、有機EL素子30の陰極として機能する共通電極33が形成されている。
共通電極33は、複数の画素19(サブ画素18R,18B,18G)に亘って有機発光層38の全域に形成され、配線29を介して電源電位が供給される端子に電気的に接続されている。共通電極33は、表面に到達した光の一部を透過するとともに残りを反射する性質(半透過反射性)の半透過反射層として機能する。本実施形態において、共通電極33の光透過率は好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上であり、共通電極33の光反射率は好ましくは20%以上、より好ましくは50%以上である。
例えば、銀やマグネシウムを含有する合金等の光反射性の導電材料を充分に薄い膜に形成することで半透過反射性を有する共通電極33が形成される。有機発光層38が発する白色光は、反射層25と共通電極33との間で往復し、特定の共振波長の成分が選択的に増幅されたうえで共通電極33を透過して観察側(素子基材11とは反対側)に射出される。すなわち、反射層25と共通電極33との間で有機発光層38からの射出光を共振させる共振構造が形成される。
前述の光路長調整層39は、共振構造の共振波長(表示色)をサブ画素18の表示色毎に個別に設定するための要素である。具体的には、共振構造を構成する反射層25と共通電極33との間の光路長(光学的距離)を光路長調整層39の膜厚に応じて適宜に調整することで各サブ画素18R,18B,18Gの射出光のスペクトルが表示色毎に異なるように設定される。
封止層34は、共通電極33の表面全域に形成されている。封止層34は、素子基材11上に形成された各構成要素を封止することにより外気や水分の侵入を防止する膜体である。封止層34は、光透過性を有しており、封止層34の光の透過率は、サブ画素18R,18B,18Gの射出光に対して80%以上であることが好ましい。封止層34は、少なくとも1層の無機材料を用いて形成される。
本実施形態の封止層34は単一材料で構成されているが、複数の無機材料を積層した構成、または無機材料と有機材料を積層した構成であってもよいし、2つの無機材料層とこの2つの無機材料層どうしの間に設けられた有機材料層から構成してもよい。
封止層34を2つの無機材料層とこの2つの無機材料層どうしの間に設けられた有機材料層とから構成する場合には、共通電極33側の無機材料層の凹凸よりもカラーフィルター層36側の無機材料層の凹凸が小さくなるように、有機材料層を形成することが好ましい。
また、有機材料層は共通電極33の表面全域を覆い、有機材料層形成領域の外側で2つの無機材料層同士が接し、2つの無機材料層により有機材料層を囲むように構成してもよい。
なお、封止層34のガスバリア性としては、有機EL素子30を大気中の酸素および水等から保護することが可能な程度であれば特に限定されないが、酸素透過率が0.01cc/m/day以下であることが好ましく、水蒸気透過率が7×10−3g/m/day以下、中でも5×10−4g/m/day以下、特に5×10−6g/m/day以下であることが好ましい。
封止層34及び共通電極33は、後述のカラーフィルター層36と有機発光層38との間に形成されるため、封止層34の膜厚は有機EL装置100の視野角特性に影響する。例えば、封止層34の膜厚が所定以上の場合、本来、赤色フィルター36Rを透過すべきサブ画素18Rからの光が緑色フィルター36Gを透過するおそれがある。例えば、X方向におけるサブ画素18R、18G、18Bの配置ピッチがおよそ10μm未満であるマイクロディスプレイの場合、封止層34の膜厚は、200nm〜5000nmであることが好ましい。封止層34の膜厚が200nm未満の場合、有機EL素子30を大気中の酸素および水等から十分保護できない可能性があり、封止層34の膜厚が5000nmよりも厚い場合には、視野角特性に影響するおそれがある。
封止層34に用いる無機材料としては、水分や酸素などを通し難い、例えばSiOx(酸化シリコン)、SiNx(窒化シリコン)、SiOxNy(酸窒化シリコン)、AlxOy(酸化アルミニウム)などが挙げられる。封止層34を形成する方法としては真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッター法、CVD法などが挙げられる。有機EL素子30に熱などのダメージを与え難い点で、真空蒸着法やイオンプレーティング法を採用することが望ましい。無機材料層により封止層34を構成する場合、無機材料層の膜厚は、成膜時にクラックなどが生じ難く、且つ透明性が得られるように、50nm〜 1000nm、好ましくは200nm〜 400nmとなっている。
封止層34に用いる有機材料としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
封止層34の表面上には、カラーフィルター層36と複数の透明層40とが積層されている。
複数の透明層40は、各色に対応するサブ画素18R,18B,18Gの配列に合わせて形成されたものであって、断面が矩形状とされた凸状物からなる。各透明層40は、図5(A)に示すように平面視略矩形状を呈し、発光領域24に平面視で少なくとも一部が重なるように配置されている。本実施形態では、透明層40の全体が発光領域24に平面視で重なるように透明層40が配置されている。透明層40の平面視における長手方向の幅及び短手方向の幅は、発光領域24のそれぞれよりも狭い。
なお、透明層40の断面形状は矩形状に限られず、台形状であっても構わない。この場合は、透明層40は、封止層34に接する透明層40の底面(光入射面)の面積が、底面に対向する上面(光射出面)の面積よりも大きいことが好ましい。
透明層40は、カラーフィルター層36と同じ材料を主とした、光透過性を有する感光性樹脂材料からなる。すなわち、透明層40は、カラーフィルター層36から着色材料を除いた材料であり、カラーフィルター層36の主材料は同じものを用いている。また、透明層40の光の透過率は、サブ画素18R,18B,18Gの射出光に対して80%以上であることが好ましい。透明層40の主たる構成材料がカラーフィルター層36と同じ感光性樹脂材料のため、透明層40とカラーフィルター層36との密着性を高めることができる。また、透明層40をフォトリソグラフィー法により形成できるので、高精細の画素構造であってもこれに対応して有効な透明層40を形成することができる。また、現像性及び耐熱性に優れた感光性材料を用いることにより、微細なパターン形成が可能であるとともに、経時的な樹脂着色もないため、高い光透過性を維持することができる。
なお、透明層40の形成材料は感光性樹脂材料に限らず、誘電体無機材料を用いてもよい。誘電体無機材料としては、例えば、CrOx(酸化クロム)、SiOxNy(酸化窒化シリコン)、AlOx(酸化アルミニウム)、TaOx(酸化タンタル)、TiOx(酸化チタン)が挙げられる。誘電体無機材料を用いて透明層40を形成すれば、無機材料から成る封止層34に対して高い密着性を有する透明層40を形成することができる。また、封止層34と透明層40との接合界面における光の損失を低減させることができる。
封止層34上における各透明層40の高さは、カラーフィルター層36の平均膜厚よりも低い(小さい)。複数の透明層40は、図5(B)に示すように、各々の表面全体がカラーフィルター層36によって覆われている。
カラーフィルター層36は、フォトリソグラフィー法によりサブ画素18R,18B,18Gの配列に合わせて形成された赤色フィルター(第1のカラーフィルター膜)36R、緑色フィルター(第2のカラーフィルター膜)36G、青色フィルター(第3のカラーフィルター膜)36Bを有する。赤色フィルター36R、緑色フィルター36G、青色フィルター36Bは、各サブ画素18R,18G,18Bの各発光領域24内に配置された透明層40を覆っている。すなわち封止層34上に設けられた透明層40によって、各フィルター36R,36G,36Bは、サブ画素18R,18G,18Bの中央部分の膜厚が、サブ画素18R,18G,18Bの周縁部分の膜厚よりも薄くなっている。
よって、本実施形態の各フィルター36R,36G,36Bは、透明層40上の薄膜部分36aと、透明層40の周囲を囲む厚膜部分36bと、を有した構成となっている。
このような構成をなす素子基板10(カラーフィルター層36)上には、充填層28を介して対向基板41が配置されている。
充填層28は、素子基材11と対向基板41との間に設けられている。そして、素子基材11のカラーフィルター層36は充填層28を介して対向基板41と接着している。本実施形態において、充填層28は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などの有機材料により構成されている。
なお、素子基板10と対向基板41とは、素子基板10及び対向基板41のいずれか一方の基板の周縁部に沿って配置されたシール材を介して貼り合わせてもよい。この場合、充填層28は、窒素ガスやアルゴンカス等の不活性ガスにより構成してもよいし、空気であってもよい。
対向基板41は透明基板からなり、その材料は特に限定されるものではないが、従来の有機EL装置で使用される光透過性を有する基板が用いられる。また、対向基板41の光の透過率は、サブ画素18R,18B,18Gの射出光に対して80%以上であることが好ましい。例えば、透明無機ガラス基板、各種透明プラスチック基板、各種透明フィルム等が挙げられる。
以上が本実施形態の有機EL装置100の具体的な構造である。
本実施形態の有機EL装置100は、サブ画素18R,18G,18Bそれぞれで共振長を変更した構造(マイクロキャビティー構造)の有機EL素子30R,30G,30Bを備えている。本実施形態においては、反射層25と共通電極33との間で光共振器が構成されている。サブ画素18B,18G,18Rごとに光路長調整層39R,39G,39Bの膜厚を異ならせることにより、それぞれの光共振器における光学的な距離が違ってくる。これにより、サブ画素18B,18G,18RのそれぞれにおいてRGBの各色に対応した共振波長の光が得られる構成となっている。
このように有機EL素子30からの光は、反射層25と共通電極33との間で共振して出力されるため、所定波長領域での光の強度が増大する。したがって、有機EL素子30へ供給される電流に対する所定波長領域での光強度、すなわち、電流から輝度への変換効率が向上する。
なお、光共振器における光学的な距離の調整方法は、これに限定されず、例えばサブ画素18B,18G,18Rごとに、素子基材11上における画素電極31の膜厚を異ならせてもよい。
各有機EL素子30から射出された光(共振後の光)は、赤色フィルター36R、緑色フィルター36G、青色フィルター36Bによってそれぞれフィルタリングされ、対向基板41側から射出される。各発光領域24の明るさに応じた色の光が各フィルター36R,36G,36Bから射出されることによって、それぞれ各サブ画素18R,18G,18Bを形成してカラー画像が表示される。
(有機EL装置の製造方法)
次に、本実施形態の有機EL装置の製造方法について説明する。
図6は、第1実施形態の有機EL装置の製造方法を示すフローチャートである。図7(A)〜(E)は、第1実施形態の有機EL装置の製造工程を示す部分断面図である。
なお、素子基材11上に画素回路や有機EL素子などを形成する方法は、公知の方法を採用することができる。したがって、以降、本発明の特徴部分を含む、ステップS1〜 ステップS3を重点的に説明する。
図6の封止層形成工程(ステップS1)では、図7(A)に示すように、共通電極33を覆うようにして封止層34を形成する。封止層34を形成する方法としては、例えばシリコンの酸化物を真空蒸着する方法、エポキシ樹脂やアクリル樹脂をスクリーン印刷により印刷する方法、エポキシ樹脂やアクリル樹脂を真空蒸着するする方法が挙げられる。封止層34の膜厚はおよそ200nm〜5000nmである。
続けて、図6の透明層形成工程(ステップS2)では、図7(A)に示すように、封止層34上に複数の透明層40を形成する。透明層40の形成方法としては、着色材料を含まない感光性樹脂材料をスピンコート法により塗布してベークすることにより、膜厚がおよそ1μm程度の感光性樹脂層を形成する。感光性樹脂材料はポジタイプでもネガタイプでもよい。フォトリソグラフィー法を用いて、感光性樹脂層を露光・現像することにより、図7(A)に示すように、封止層34上に複数の透明層40を形成する。露光及び現像条件を調整して、各サブ画素18R,18G,18B内に透明層40を形成するとともに、平面視における全体が発光領域24と重なるように透明層40を形成する。
図6のカラーフィルター形成工程(ステップS3)では、まず、透明層40が形成された封止層34の表面に、赤色の着色材料を含む感光性樹脂材料をスピンコート法により塗布して感光性樹脂層を形成する。この感光性樹脂層を露光・現像することにより、図7(B)に示すように、サブ画素18Rに赤色フィルター36Rを形成する。
次に、透明層40と赤色フィルター36Rが形成された封止層34の表面に、緑色の着色材料を含む感光性樹脂材料をスピンコート法により塗布して、感光性樹脂層を形成する。この感光性樹脂層を露光・現像することにより、図7(C)に示すように、サブ画素18Gに緑色フィルター36Gを形成する。
次に、透明層40、赤色フィルター36R及び緑色フィルター36Gが形成された封止層34の表面に、青色の着色材料を含む感光性樹脂材料をスピンコート法により塗布して、感光性樹脂層を形成する。この感光性樹脂層を露光・現像することにより、図7(D)に示すように、サブ画素18Bに青色フィルター36Bを形成する。
このようにして、複数の透明層40を覆うカラーフィルター層36を封止層34上に形成する。なお、カラーフィルター形成工程における赤色フィルター36R、緑色フィルター36G及び青色フィルター36Bの形成順は変更してもよい。
次に、図6の基板貼り合せ工程(ステップS4)では、素子基材11および対向基板41のいずれか一方にディスペンス法などで充填層28となる材料を塗布し、図7(E)に示すように素子基材11のカラーフィルター層36と対向基板41とが充填層28を介して貼り合わせられる。なお、周縁部にシール材(不図示)を形成する場合は、缶封止法のように充填層を塗布せず貼り合わせてもよい。
このようにして、本実施形態の有機EL装置100を製造する。
上述した本実施形態の有機EL装置100は、例えば、シースルー型のヘッドマウントディスプレイ(HMD)に応用することができる。HMDのように画素構造が微細な装置においては、上述したように、素子基板10側にカラーフィルター層36を備えるオンチップタイプを採用することで、高精細で微細な画素構造でも効率よく製造することが可能となる。
上述した本実施形態の有機EL装置100は、図8に示すように微小共振器構造の有機EL素子30を複数備えている。反射層25と共通電極33との干渉効果により、有機発光層38のからの光L1を正面方向(対向基板41側)から射出させることができる。有機発光層38からの光L1に指向性を持たせることができるため、発光効率を高めることができる。
ところが、正面方向の光L1以外の角度に射出される光L2も存在するため、この光L2が、対向基板41と空気との間の界面と半透過反射膜から成る共通電極33との間で反射を繰り返して迷光となり、異なる画素部分から取り出されてしまうことがある。
以前の構成では、有機EL素子からの光が反射を繰り返す部材間(本実施形態の場合は対向基板41と反射層25との間)に光吸収体であるカラーフィルター層を配置することによって有機EL装置内で迷光を吸収させていた。しかしながら、カラーフィルター層は画素内で一定の膜厚で形成されるため、表示全体での輝度低下が懸念されていた。
例えば、HMDのように非常に高い輝度を確保することが求められる場合、カラーフィルター層による輝度低下は有機EL素子の寿命の低迷の一因となる。とは言え、カラーフィルター層を備えない構成にした場合には、有機EL装置内での迷光が問題となる。迷光が起因するコントラスト低下が問題となるため、カラーフィルター層が必要になる。
そこで本実施形態では、カラーフィルター層36を設けても表示画像の輝度をできるだけ高めることができるように、サブ画素18B,18G,18Rにおけるカラーフィルター層36(赤色フィルター36R、緑色フィルター36G、青色フィルター36B)の膜厚を部分的に薄くする構成とした。
上述の通り本実施形態では、カラーフィルター層36(赤色フィルター36R、緑色フィルター36G、青色フィルター36B)と封止層34との間であって、サブ画素18B,18G,18Rの発光領域24内にそれぞれ透明層40を配置することで、赤色フィルター36R、緑色フィルター36G、青色フィルター36Bの膜厚が部分的に薄くなるようにしている。透明層40が存在することによって形成される、赤色フィルター36R、緑色フィルター36G、青色フィルター36Bの各薄膜部分(中央部分)36aは、サブ画素18R,18G,18Bにおける中央部分であって、平面視で発光領域24と重なっている。そのため、有機EL素子30から射出された光が薄膜部分36aにおいて、輝度が大幅に低下することはない。
また、発光領域24(サブ画素18R,18G,18B)に平面視で重なるように透明層40が設けられているため、透明層40が存在しない発光領域24の周囲(隣り合うサブ画素18どうしの間)ではカラーフィルター層36の膜厚が厚くなっている。そのため、この厚膜部分36bにおいて発光領域24の周囲に逃げた迷光を効率よく吸収することが可能となる。これにより、迷光に対する良好な光吸収特性を維持することができ、迷光が生じない。
なお、薄膜部分36aにおいても僅かながら迷光を吸収できるため、混色等が防止されて色再現性を高められる。また、光L2は、正面方向の光L1とは共振構造の共振長が相違するため、光L2のスペクトルは光L1とは異なる。カラーフィルター層36を適宜選択することで、カラーフィルター層36における光L1の透過率を向上させ、光L2の透過率を低減させてもよい。
ここで、サブ画素18R,18G,18B内において、透明層40が存在する部分と透明層40が存在しない部分とにおける光の透過率の違いについて述べる。図9に、透明層40の有無による緑色のサブ画素18G内での光の透過率の違いを調べた結果を示す。図9に示すように、緑色フィルター36Gにおいて透明層40が存在しない厚膜部分36bでは、緑色の波長領域における光の透過率が0.8以下であった。これに対し、緑色フィルター36Gにおいて透明層40が存在する薄膜部分36aでは、緑色の波長領域における光の透過率が0.9以上となり、高い透過率となった。このように、緑色フィルター36Gでは、透明層40の存在によって膜厚が薄くなったことにより、緑色の波長領域における光の透過率がおよそ20%増加した。
このように、各フィルター36R,36G,36Bの各薄膜部分36aでは有機EL素子30からの光を十分に透過させている。そのため本実施形態では、各サブ画素18R,18G,18Bの発光領域24において高い輝度を確保することができる。
このように、本実施形態の構成によれば、有機EL装置100内での迷光が生じるのを防いで迷光によるコントラストの低下を効果的に抑えつつ、カラーフィルター層36を備えた場合でも高い輝度を確保することができる。これにより、高品質で信頼性の高い有機EL装置100を提供することができる。
さらに、各サブ画素18R,18G,18Bに凸状の透明層40を設けることで、赤色フィルター36R、緑色フィルター36G、青色フィルター36Bが底面だけで封止層34に接着されていた構成に比べて、封止層34に対する赤色フィルター36R、緑色フィルター36G、青色フィルター36Bの接着力を高めることができる。
赤色フィルター36R、緑色フィルター36G、青色フィルター36Bは、フォトリソグラフィー法を用いて露光・現像を経て形成される。このため、現像液によって、先に形成したフィルターの封止層34に対する接着力が弱まって封止層34上から剥がれてしまうおそれがあった。
本実施形態では、封止層34上に透明層40を設けたことで透明層40の側面部分の密着面積が増えるので、各フィルター36R,36G,36Bの接着構造が3次元構造になっている。そのため、透明層40に対する赤色フィルター36R、緑色フィルター36G、青色フィルター36Bの接着力、ひいては封止層34に対する接着力が高められ、上述した剥離等の心配をなくすことができる。
また、カラーフィルター層36と同じ感光性樹脂材料を用いて透明層40を形成することによって、カラーフィルター層36と透明層40との密着性が高められ、結果的に封止層34とカラーフィルター層36との密着性が確保される。
なお、本実施形態では、平面視において透明層40の全域が発光領域24の少なくとも一部に重なるように構成したが、これに限られることはない。例えば、平面視において透明層40の一部が発光領域24と部分的に重なるように構成してもよい。また、本実施形態では発光領域24内に透明層40を形成しており、発光領域24よりも透明層40の形成領域の方が小さくなっているが、発光領域24の全域に透明層40を形成してもよい。つまり、平面視において発光領域24の全体に重なるように透明層40を形成しても構わない。
透明層40の形成面積については、装置構成に応じて適宜設定する。サブ画素18R,18G,18B(発光領域24)内で透明層40の形成面積が大きいほど輝度が向上するが、透明層40の形成面積を広くとりすぎると平坦部分が多くなって、カラーフィルター層36を透明層40上に形成した際にカラーフィルター層36が不均一な膜厚になってしまう。このため、カラーフィルター層36の成膜具合との兼ね合いから透明層40の形成面積を決定してもよい。
以下に示す各実施形態の有機EL装置の基本構成は、上記第1実施形態と略同様であるが、透明層の構成においてそれぞれ異なる。よって、以下の説明では、透明層の構成について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1〜図5と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の有機EL装置の構成について説明する。
図10は、第2実施形態の有機EL装置の概略構成を示す平面図である。図11は、図10におけるC−C’線に沿う断面図である。
図10及び図11に示すように、本実施形態の有機EL装置200は、異なる色のサブ画素18に共通する複数の透明層51を備えている。
複数の透明層51は、素子基材11の一方向(X方向)に直線状に細長く延在し、素子基材11の他方向(Y方向)に互いに所定の間隔をおいて配列されている。各透明層51は、長手方向及び短手方向に直交する断面形状がそれぞれ矩形をなす。平面視における透明層51の短手方向の長さ(幅寸法)は、発光領域24の長手方向の長さよりも短い寸法とされている。なお、透明層51の幅寸法は、上記した長さに限られず、例えば発光領域24の短手方向長さと同じ寸法に設定してもよい。
カラーフィルター層36は、Y方向に互いに所定の間隔をおいて配列された複数の透明層51を覆うようにして封止層34上に形成されている。このため、Y方向で隣り合う同色のサブ画素18どうし間に、カラーフィルター層36の膜厚が厚くなっている部分(厚膜部分36b)が多く存在する。詳細には、Y方向で隣り合う透明層51どうしの間にカラーフィルター層36の厚膜部分36bが存在している。よって、迷光は、当該迷光と同じ色のフィルター36R,36G,36Bの厚膜部分36bにおいてそれぞれ効率よく吸収されることとなる。
また、光L2は、正面方向の光L1とは共振構造の共振長が相違するため、光L2のスペクトルは光L1とは異なる。カラーフィルター層36を適宜選択することで、カラーフィルター層36における光L1の透過率を向上させ、光L2の透過率を低減させてもよい。
本実施形態では、サブ画素18R,18G,18Bごとに透明層を設けるのではなく、複数のサブ画素18R,18G,18B、すなわち異なる色のサブ画素18R,18G,18B(複数の画素19)に共通する透明層51を備えることとした。このため、微細なサブ画素一つ一つに対して透明層を形成するよりも、透明層51の製造が容易になる。
また、第1実施形態と比して、封止層34に対する透明層51の密着面積が増えるので、封止層34と透明層51との密着性を高めることができ強固な有機EL装置200を提供できる。
また、透明層51の幅(短手方向の幅)を発光領域24の長手方向に沿って広くすることで、カラーフィルター層36の薄膜部分36aを発光領域24の長手方向に広く確保することができ、発光領域24の輝度も向上する。
なお、本実施形態では、Y方向に間隔をおいて複数の透明層51を配置する構成(横ストライプ構成)としたが、X方向に間隔をおいて複数の透明層を配置する構成(縦ストライプ構成)としてもよい。この場合、X方向で隣り合う異なる色のサブ画素18R,18G,18B(透明層)どうしの間にカラーフィルター層36の厚膜部分36bが多く存在する。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の有機EL装置の構成について説明する。
図12は、第3実施形態の有機EL装置の概略構成を示す平面図である。図13は、図12におけるD−D’線に沿う断面図である。
本実施形態の有機EL装置300は、図12に示すように平面視で格子状に形成された透明層61を備えている。透明層61は、X方向に延在する複数の第1部分61aと、これら複数の第1部分61aに直交してY方向に延在する複数の第2部分(第1の方向に沿う部位)61bと、を有する。透明層61は、複数の第1部分61aが、これらに交差する複数の第2部分61bによって互いに連結された構成となっている。
第1部分61aの幅(短手方向の長さ)は、発光領域24の長手方向よりも短い寸法とされている。一方、第2部分61bの幅(短手方向の長さ)は、第1部分61aの幅(短手方向の長さ)よりも狭い(短い)。
第2部分61bは、図13に示すように、色の異なるサブ画素18R,18G,18B間に配置され、隣り合うサブ画素18R,18G,18Bどうしの側縁部分を覆うようにして形成されている。
カラーフィルター層36は、透明層61上に形成される薄膜部分36aと、封止層34の表面のうち透明層61が形成された領域以外の領域に形成される厚膜部分36bと、を有する。封止層34の表面上に直接形成される厚膜部分36bは、同色のサブ画素18どうしの間に多く存在し、その周囲が透明層61によって囲まれている。
ここで、例えば各フィルター36R,36G,36Bをネガレジストで形成すると、各フィルター36R,36G,36Bの断面形状が逆テーパー形状になる。この場合には、製造プロセスにおいて、現像液がフィルター36R,36G,36Bと封止層34との界面に浸透して、各フィルター36R,36G,36Bと封止層34との密着性が悪くなる可能性がある。
上述した本実施形態の有機EL装置300は、色の異なるサブ画素18R,18G,18Bどうしの間の領域に透明層61の第2部分61bを形成してあるため、各フィルター36R,36G,36Bの製造時に使用される現像液が、フィルター36R,36G,36Bと封止層34との界面に浸透(他のサブ画素領域に浸入)するのを防ぐことができる。その結果、例えば、先に形成しておいたフィルター36Rが、後に形成するフィルター36Gの現像液の影響を受けて剥離する等の不具合が生じるのを避けることができる。
これにより、製品不良が大幅に削減されて歩留まりが向上する。
本実施形態では、複数の第1部分61a及び複数の第2部分61bにより平面視において格子状を成す透明層61を備えている。このため、X方向に延在する第1部分61aのみを複数備えたストライプ状(スジ状)の構成に比べて、封止層34に対する透明層61の密着面積が増えるので、封止層34と透明層61との密着性を高めることができる。また、透明層61が封止層34に接する面積が増えるとともに、カラーフィルター層36が透明層61に接する面積も増えるため、封止層34に対するカラーフィルター層36の接着力も高められる。
なお、透明層61の構成は上記した構成に限られず、例えば、素子基材11上における透明層61の第2部分61bの配置位置を変えても構わない。図14に示すように、平面視において各第2部分61bが発光領域24に重なるように配置しても構わない。これにより、発光領域24における各フィルター36R,36G,36Bの膜厚を薄膜化できる領域が広がるので、各サブ画素18R,18G,18Bの輝度をさらに高めることができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態の有機EL装置の構成について説明する。
図15は、第4実施形態の有機EL装置の概略構成を示す断面図である。
本実施形態の有機EL装置400は、図15に示すように、封止層34と複数の透明層40とが一体に形成された透明封止層35を備えている。透明封止層35の形成方法としては、光透過性を有する封止層34をドライエッチングすることで一面側に複数の透明層40を一度に形成することで得る方法がある。また、複数の透明層40に対応する凹凸面を有する金型を用いて得ることも可能であり、封止層34と複数の透明層40とを別工程で形成する場合よりも製造工程を短縮することができる。また、封止層34と複数の透明層40とを一体に形成することで、封止層34上から透明層40が剥離する心配もなくせるため、製品性能も向上する。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態の有機EL装置の構成について説明する。
図16は、第5実施形態の有機EL装置の概略構成を示す断面図である。
本実施形態の有機EL装置500は、図16に示すように、サブ画素18R,18G,18Bごとに開口136aを有したカラーフィルター層36を備えている。カラーフィルター層36の複数の開口136aは、サブ画素18R,18G,18B内に設けられた透明層40にそれぞれ対応している。各開口136aからは透明層40の上面40aの略全体が露出している。つまり、透明層40上にはカラーフィルター層36が存在しない構成となっている。本発明において、カラーフィルター層36は、サブ画素18の周縁部の少なくとも一部がサブ画素18の中央部分に比して厚くなっていることを特徴としているが、サブ画素18の中央部分にカラーフィルター層36がない場合も権利範囲に含まれる。
開口136aは、その開口面積と透明層40の上面40aの面積とが等しくなるように形成されているが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルター層36は、透明層40の上面40aを部分的に露出させる開口を有していてもよい。
本実施形態の構成によれば、透明層40の少なくとも一部の上にはカラーフィルター層36が存在しない構成のため、有機EL素子30から正面方向(対向基板41側)へ向かう光L1は、カラーフィルター層36を透過することなく対向基板41側から射出される。このため、有機EL素子30から直上へ射出された光L1がカラーフィルター層36において吸収されることがなく、有機EL素子30の本来の高輝度を確保することが可能である。
これにより、サブ画素18R,18G,18B(各発光領域24)における輝度をさらに高めることが可能である。
なお、有機EL素子30からの発光光のうち発光領域24(図3)の周囲へ逃げる光L2、すなわち隣のサブ画素18へ向かう光L2は、複数の透明層40の周囲を取り囲むカラーフィルター層36によって吸収される。このため、装置内の迷光が光漏れとして表示に現れるのを防ぐことができる。
[第6実施形態]
図17は、第6実施形態の有機EL装置の概略構成を示す断面図である。
本実施形態の有機EL装置600は、図17に示すように、表面が凹凸状とされたカラーフィルター層36を備えている。カラーフィルター層36は、サブ画素18R,18G,18Bごとに形成された凹部136bを複数有している。凹部136bを設けたことで、カラーフィルター層36の底面側に薄膜部分36aが形成される。薄膜部分36aの形成面積は、発光領域24(図3)に対応している。
本実施形態の構成によれば、有機EL素子30から正面方向(対向基板41側)へ向かって射出された光L1はカラーフィルター層36の薄膜部分36aを透過するため、輝度低下が抑えられる。また、有機EL素子30からの発光光のうち発光領域24(図3)の周囲へ逃げる光L2、すなわち隣のサブ画素18へ向かう光L2は、薄膜部分36a以外の膜厚が薄くなっていない厚膜部分36bにおいて吸収される。これにより、高い輝度を確保しつつ迷光によるコントラストの低下を防ぐことが可能である。
また、本実施形態におけるカラーフィルター層36は、例えば、所定の透過率を有する半透過性のハーフトーンマスクを用いてカラーフィルター層36の一面に凹凸を形成することで製造することができる。薄膜部分36aを形成する領域と、厚膜部分36bを形成する領域とで、フォトリソグラフィー法における露光量を異ならせることで形成される。例えば、ネガ型の感光材料でカラーフィルター層36を形成する場合には、厚膜部分36bを形成する領域と比して、薄膜部分36aを形成する領域の露光量を多くしてもよい。
本実施形態は透明層を備えない構成ため、構成要素の削減に伴うコスト低減が図れる。
[第7実施形態]
(電子機器)
次に、本実施形態の電子機器について、図18を用いて説明する。
図18は、電子機器としてのヘッドマウントディスプレイを示す概略図である。
図18に示すように、本実施形態の電子機器としてのヘッドマウントディスプレイ(HMD)1000は、左右の眼に対応して設けられた2つの表示部1001を有している。観察者Mは、ヘッドマウントディスプレイ(電子機器)1000を眼鏡のように頭部に装着することにより、表示部1001に表示された文字や画像などを読み取ることができる。例えば、左右の表示部1001に視差を考慮した画像を表示すれば、立体的な映像を見て楽しむこともできる。
表示部1001には、上記各実施形態におけるいずれかの有機EL装置が搭載されている。したがって、高輝度で優れた表示品質を有するとともに、コストパフォーマンスに優れ小型で軽量なヘッドマウントディスプレイ1000を提供することができる。
ヘッドマウントディスプレイ1000は、2つの表示部1001を有することに限定されず、左右のいずれかに対応させた1つの表示部1001を備える構成としてもよい。
なお、上記各実施形態におけるいずれかの有機EL装置が搭載される電子機器は、ヘッドマウントディスプレイ1000に限定されない。例えば、パーソナルコンピューターや携帯型情報端末、ナビゲーター、ビューワー、ヘッドアップディスプレイなどの表示部を有する電子機器が挙げられる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。各実施形態の構成を適宜組み合わせてもよい。
例えば、上記各実施形態における有機EL装置において、実表示領域E1に設けられる発光画素は、赤(R)、緑(G)、青(B)の発光に対応したサブ画素18R,18G,18Bに限られない。例えば、上記3色以外の黄(Y)の発光が得られるサブ画素を備えてもよい。これにより、色再現性をさらに高めることが可能となる。
また、例えば、上記各実施形態におけるカラーフィルター層36においては、サブ画素18R,18G,18Bの周縁部の少なくとも一部がサブ画素18R,18G,18Bの中央部分に比して厚くなっているが、サブ画素18R,18G,18Bの周縁部全体の膜厚が厚くなっていてもよい。
また、上記各実施形態において、全てのサブ画素18の発光領域の少なくとも一部に重なるように、カラーフィルター層36の薄膜部分36aを設けたが、これに限られない。例えば、一部のサブ画素18には薄膜部分36aを設けない構成であってもよく、例えば、サブ画素18Gに薄膜部分36aを設け、サブ画素18R,18Bには薄膜部分36aを設けない構成であってもよい。
19…画素、24…発光領域、25…反射層、30…有機EL素子、34…封止層、36…カラーフィルター層(カラーフィルター)、36R…赤色フィルター(第1のカラーフィルター膜)、36G…緑色フィルター(第1のカラーフィルター膜)、36B…青色フィルター(第1のカラーフィルター膜)、38…有機発光層、40,51,61…透明層、61a…第2部分(第1の方向に沿う部位)、L1,L2…光、100,200,300,400,500,600…有機EL装置

Claims (8)

  1. 基板と、
    前記基板に設けられ且つ有機発光層を有する有機EL素子と、
    前記有機EL素子に積層された封止層と、
    前記封止層に積層されたカラーフィルターと、
    前記封止層の上層において発光領域に平面視で少なくとも一部が重なるように形成され、前記カラーフィルターと前記封止層との間に設けられた透明層と、を備え、
    前記カラーフィルターの少なくとも一部および前記透明層は、前記封止層と接して設けられており、
    第1の方向に沿って同色の前記カラーフィルターが配列されるとともに、前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って異色の前記カラーフィルターが配列されており、
    前記透明層は、前記第1の方向または前記第2の方向に延在する複数の部位を有し、
    前記複数の部位は、前記第2の方向に沿って延在することで前記異色のカラーフィルター間に跨って形成されるとともに前記第1の方向に沿って所定の間隔をおいて配列される、あるいは、前記第1の方向に沿って延在することで前記同色のカラーフィルター間に跨って形成されるとともに前記第2の方向に沿って所定の間隔をおいて配列される、
    ことを特徴とする有機EL装置。
  2. 前記透明層は、前記カラーフィルターと同じ材料を主とした、光透過性有する感光性樹脂材料からなる請求項に記載の有機EL装置。
  3. 前記透明層は、光透過性有する誘電体無機材料からなる請求項に記載の有機EL装置。
  4. 前記有機発光層と前記基板との間に光路長調整層及び第1反射層を有し、
    前記有機発光層と前記封止層との間に第2反射層を有し、
    前記有機EL素子からの光は、前記第1反射層と前記第2反射層との間で共振して出力される請求項からのいずれか一項に記載の有機EL装置。
  5. 前記発光領域は前記第2の方向より前記第1の方向に長い形状を有しており、
    前記透明層の前記第1の方向に沿う幅は、前記発光領域の前記第1の方向に沿う幅よりも狭くなっている請求項からのいずれか一項に記載の有機EL装置。
  6. 前記複数の部位は、前記第2の方向に沿って延在することで前記異色のカラーフィルター間に跨って形成されるとともに、前記第1の方向に沿って所定の間隔をおいて配列されており、
    前記透明層は、前記第1の方向に沿って延びる第2の部位をさらに有し、
    前記第2の部位は、前記第2の方向で隣り合う発光領域どうしの間に配置されている請求項5に記載の有機EL装置。
  7. 基板と、前記基板上に設けられ且つ有機発光層を有する有機EL素子と、前記有機EL素子に積層された封止層と、前記封止層に積層されたカラーフィルターと、を備えた有機EL装置の製造方法であって、
    前記封止層の上層において発光領域に平面視で少なくとも一部が重なるとともに、前記カラーフィルターの少なくとも一部とともに前記封止層に接するように透明層を形成する透明層形成工程を含み、
    前記透明層形成工程では、同色の前記カラーフィルターが配列される第1の方向に沿って前記透明層を形成するとともに、前記第1の方向に直交する第2の方向に配列される異色の前記カラーフィルター間に跨るように前記透明層を形成する、あるいは、前記第1の方向に沿って配列される前記同色のカラーフィルター間に跨るように前記第2の方向に沿って複数の前記透明層を形成することを特徴とする有機EL装置の製造方法。
  8. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の有機EL装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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