JP6504377B2 - 重合体 - Google Patents

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Description

本発明は、重合体、液晶表示素子の製造において用いられる液晶配向処理剤、この液晶配向処理剤から得られる液晶配向膜およびこの液晶配向膜を使用した液晶表示素子に関するものである。
従来のTN(Twisted Nematic)モードの液晶表示素子に比べて視野角特性に優れる液晶表示素子として、広視野角が得られるMVA(Multi−domain Vertical Alignment)モードが知られている。MVAモードでは、負の誘電率異方性を有する液晶、液晶を垂直に配向させる液晶配向膜、更に液晶の配向方向を制御する配向制御用の構造物が用いられている。そして、電圧が印加された際、液晶は、配向制御用の構造物に沿って、垂直な方向に傾斜する。しかしながら、MVAモードでは、配向制御用の構造物の突起が、画素内に形成されているため、TNモード等に比べて開口率が低くなり、バックライトからの光透過率が低下してしまう。
この問題に対して、高い光透過率で、更に液晶の応答速度を早くするために、ポリマーを用いて、駆動時の液晶の配向方向を制御する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、液晶に熱や紫外線照射により重合する重合性化合物(モノマーともいわれる)を混合した液晶材料を用いる。この方法では、基板間に電圧を印加して液晶分子を傾斜させた状態下、熱や紫外線照射によりモノマーを重合させてポリマーを形成させる(以上の方法をPSA化処理ともいう)。これにより、電圧無印加でも所定の傾斜角(プレチルト角ともいう)を持つ液晶層が得られ、高い光透過率で、更に液晶の応答速度が早い液晶表示素子を得ることができる。
特開2003−149647号公報
液晶表示素子の作製には、液晶配向膜が形成された基板2枚の間(セルギャップ)に、液晶を充填する工程が必要である。これまで、液晶の充填には大気圧と真空の圧力差を利用して2枚の基板間に液晶を充填する真空注入方式が一般的であった。しかしながら、現在では、生産効率の向上を目的に、液晶滴下方式(ODF(One Drop Fill)方式)が、液晶の充填方法として用いられている。
ODF方式では、液晶を直接液晶配向膜上に滴下するため、液晶滴下時に液晶配向膜に物理的なストレスがかかることや、パネル全域に液晶を充填する必要上、液晶の滴下点を増やす必要がある。そのため、液晶滴下部や液晶の液滴が隣接する液滴と接する部分に、滴下跡や格子ムラといった、いわゆる配向ムラが発生し、これを液晶表示素子とした場合に、配向ムラ起因の表示ムラが発生する問題があった。
また、液晶表示素子を構成するバックライトの照射によって液晶表示素子が加熱されると、プレチルト角が変化してしまい表示不良が発生するという問題もある。このため、熱に対する高い安定性が要求されている。
そこで本発明は、液晶配向膜の配向ムラを改善でき、且つプレチルト角の耐熱性に優れた重合体を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を行った結果、特定構造を有するテトラカルボン酸二無水物を有するテトラカルボン酸成分と特定構造を有するジアミン化合物を有するジアミン成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体および該ポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドから選ばれる少なくとも1種の重合体を含有する液晶配向処理剤が、上記の目的を達成するために極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の要旨を有するものである。
(1)下記の式[1]で示されるテトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸成分と下記の式[2]で示される側鎖を有するジアミン化合物を含むジアミン成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体および該ポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドから選ばれる少なくとも1種の重合体を含有することを特徴とする液晶配向処理剤。
Figure 0006504377
Figure 0006504377
(式[2]中、Yは単結合、−(CH−(aは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−または−OCO−を示し、Yは単結合または−(CH−(bは1〜15の整数である)を示し、Yは単結合、−(CH−(cは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−または−OCO−を示し、Yはベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基、またはステロイド骨格を有する炭素数17〜51の2価の有機基を示し、前記環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよく、Yはベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基を示し、これらの環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよく、nは0〜4の整数を示し、Yは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシル基または炭素数1〜18のフッ素含有アルコキシル基を示す)。
(2)前記テトラカルボン酸成分は、下記の式[3]で示されるテトラカルボン酸無水物を含むことを特徴とする上記(1)に記載の液晶配向処理剤。
Figure 0006504377
(式[3]中、Zは下記の式[3a]〜式[3j]から選ばれる少なくとも1種の4価の基である)。
Figure 0006504377
(式[3a]中、Z〜Zは水素原子、メチル基、塩素原子またはベンゼン環を示し、それぞれ同じであっても異なってもよく、式[3g]中、ZおよびZは水素原子またはメチル基を示し、それぞれ同じであっても異なってもよい)。
(3)液晶配向処理剤中の溶媒として、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンまたはγ−ブチロラクトンを含有することを特徴とする上記(1)または上記(2)に記載の液晶配向処理剤。
(4)液晶配向処理剤中の溶媒として、下記の式[D−1]〜式[D−3]で示される溶媒から選ばれる溶媒を含有する上記(1)〜上記(3)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
Figure 0006504377
(式[D−1]中、Dは炭素数1〜3のアルキル基を示し、式[D−2]中、Dは炭素数1〜3のアルキル基を示し、式[D−3]中、Dは炭素数1〜4のアルキル基を示す)。
(5)上記(1)〜上記(4)に記載の液晶配向処理剤を用いて得られることを特徴とする液晶配向膜。
(6)上記(1)〜上記(4)に記載の液晶配向処理剤を用いて、インクジェット法にて得られることを特徴とする液晶配向膜。
(7)上記(5)または上記(6)に記載の液晶配向膜を有することを特徴とする液晶表示素子。
(8)電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線および熱の少なくとも一方により重合する重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性化合物を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子に用いられることを特徴とする上記(5)または上記(6)に記載の液晶配向膜。
(9)上記(8)に記載の液晶配向膜を有することを特徴とする液晶表示素子。
(10)電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線および熱の少なくとも一方により重合する重合性基を含む液晶配向膜を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性基を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子に用いられることを特徴とする上記(5)または上記(6)に記載の液晶配向膜。
(11)上記(10)に記載の液晶配向膜を有することを特徴とする液晶表示素子。
(12)下記の式[1]で示されるテトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸成分と下記の式[2]で示される側鎖を有するジアミン化合物を含むジアミン成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体および該ポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドから選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする重合体。
Figure 0006504377
Figure 0006504377
(式[2]中、Yは単結合、−(CH−(aは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−または−OCO−を示し、Yは単結合または−(CH−(bは1〜15の整数である)を示し、Yは単結合、−(CH−(cは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−または−OCO−を示し、Yはベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基、またはステロイド骨格を有する炭素数17〜51の2価の有機基を示し、前記環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよく、Yはベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基を示し、これらの環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよく、nは0〜4の整数を示し、Yは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシル基または炭素数1〜18のフッ素含有アルコキシル基を示す)。
本発明によれば、特定構造を有するテトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸成分と特定構造の側鎖を有するジアミン化合物を含むジアミン成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体および該ポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドから選ばれる少なくとも1種の重合体を含有する液晶配向処理剤を用いることにより、ODF方式で作製された液晶表示素子に発生する配向ムラを改善することができる。特に、PSAモードを採用した場合では、液晶表示素子に含まれる重合性化合物の分散性を均一にすることができ、配向ムラをより改善することができる。また、本発明の液晶配向処理剤を用いることにより、プレチルト角の耐熱性が優れたものとすることができる。したがって、本発明の重合体から得られた、液晶配向膜を有する液晶表示素子は、配向ムラに伴う配向欠陥が無く、また、耐熱性が優れているため、信頼性が高い液晶表示素子となる。
本発明の重合体から得られる液晶配向処理剤(以下、単に「本発明の液晶配向処理剤」ともいう)は、下記の式[1]で示されるテトラカルボン酸二無水物(特定テトラカルボン酸二無水物ともいう)を含むテトラカルボン酸成分と、下記の式[2]で示される側鎖を有するジアミン化合物(特定側鎖型ジアミン化合物ともいう)を含むジアミン成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体および該ポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドから選ばれる少なくとも1種の重合体(特定重合体ともいう)を含有するものである。
ここで、ポリイミド前駆体とは、ポリアミド酸(ポリアミック酸ともいわれる)またはポリアミド酸アルキルエステルを言う。ポリイミド前駆体は、テトラカルボン酸成分(例えば、テトラカルボン酸化合物、テトラカルボン酸二無水物、ジカルボン酸ジハライド化合物、ジカルボン酸ジアルキルエステル化合物、ジアルキルエステルジハライド化合物)と分子内に1級または2級のアミノ基を2個有するジアミン化合物であるジアミン成分との反応によって得られ、ポリイミドはこのポリアミド酸を脱水閉環(イミド化)させる、あるいはポリアミド酸アルキルエステルを加熱閉環(イミド化)させることにより得られる。かかるポリアミド酸、ポリアミド酸アルキルエステル及びポリイミドのいずれも本発明の液晶配向剤に含有させる特定重合体として有用である。
<特定テトラカルボン酸二無水物>
本発明の液晶配向処理剤が含有する重合体の原料であるテトラカルボン酸成分が含む特定テトラカルボン酸二無水物は、下記の式[1]で示されるテトラカルボン酸二無水物である。
Figure 0006504377
式[1]で示されるテトラカルボン酸二無水物は、全テトラカルボン酸成分中の20モル%〜100モル%であることが好ましい。なかでも、30モル%〜70モル%であることが好ましい。特に好ましいのは、30モル%〜50モル%である。
<その他テトラカルボン酸化合物>
本発明においては、本発明の効果を損なわない限りにおいて、特定テトラカルボン酸二無水物以外のその他のテトラカルボン酸化合物(その他テトラカルボン酸化合物ともいう)を、テトラカルボン酸成分として併用することができる。
なかでも、下記の式[3]で示されるテトラカルボン酸二無水物やそのテトラカルボン酸誘導体であるテトラカルボン酸化合物およびジカルボン酸ジハライド化合物(すべてを総称してその他テトラカルボン酸化合物ともいう)を用いることが好ましい。
Figure 0006504377
(式[3]中、Zは下記の式[3a]〜式[3j]から選ばれる構造の基である。)
Figure 0006504377
式[3a]中、Z〜Zは水素原子、メチル基、塩素原子またはベンゼン環を示し、それぞれ同じであっても異なってもよい。
式[3g]中、ZおよびZは水素原子またはメチル基を示し、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
式[3]に示される構造中、Zは、合成の容易さやポリマーを製造する際の重合反応のし易さの点から、式[3a]、式[3c]、式[3d]、式[3e]、式[3f]または式[3g]で示される構造が好ましい。より好ましいのは、式[3a]、式[3e]、式[3f]または式[3g]で示される構造であり、特に好ましいのは、式[3e]、式[3f]または式[3g]である。
本発明の液晶配向処理剤が含有する特定重合体(以下、単に「本発明の特定重合体」ともいう)におけるテトラカルボン酸成分は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、特定テトラカルボン酸二無水物およびその他テトラカルボン酸化合物以外のテトラカルボン酸化合物を用いることもできる。
その具体例としては、以下に示すテトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸化合物またはジカルボン酸ジハライド化合物が挙げられる。
すなわち、ピロメリット酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸、1,2,5,6−アントラセンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン、2,3,4,5−ピリジンテトラカルボン酸、2,6−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ピリジン、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸または1,3−ジフェニル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸が挙げられる。
その他のテトラカルボン酸化合物および上記テトラカルボン酸化合物は、本発明の特定重合体の溶媒への溶解性や液晶配向処理剤の塗布性、液晶配向膜とした場合における液晶の配向性、電圧保持率、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類または2種類以上を混合して使用することもできる。
<特定側鎖ジアミン化合物>
本発明の液晶配向処理剤が含有する重合体の原料であるジアミン成分が含む特定側鎖ジアミン化合物は、下記の式[2]で示される側鎖を有するジアミン化合物である。なお、本明細書において、ジアミン化合物の側鎖とは、2つのアミノ基を結ぶ構造から枝分かれした構造を意味する。
Figure 0006504377
式[2]で示される側鎖を有するジアミン化合物は、全ジアミン成分中の20モル%〜70モル%であることが好ましい。なかでも、20モル%〜50モル%であることが好ましい。特に好ましいのは、20モル%〜40モル%である。
式[2]中、Yは単結合、−(CH−(aは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−または−OCO−を示す。なかでも、原料の入手性や合成の容易さの点から、単結合、−(CH−(aは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−または−COO−が好ましい。より好ましいのは、単結合、−(CH−(aは1〜10の整数である)、−O−、−CHO−または−COO−である。
式[2]中、Yは単結合または−(CH−(bは1〜15の整数である)を示す。なかでも、単結合または−(CH−(bは1〜10の整数である)が好ましい。
式[2]中、Yは単結合、−(CH−(cは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−、−COO−または−OCO−を示す。なかでも、合成の容易さの点から、単結合、−(CH−(cは1〜15の整数である)、−O−、−CHO−または−COO−が好ましい。より好ましいのは、単結合、−(CH−(cは1〜10の整数である)、−O−、−CHO−または−COO−である。
式[2]中、Yはベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基であり、これらの環状基上の任意の水素原子は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよい。さらに、Yは、ステロイド骨格を有する炭素数17〜51の有機基から選ばれる2価の有機基であってもよい。なかでも、合成の容易さの点から、ベンゼン環、シクロへキサン環またはステロイド骨格を有する炭素数17〜51の有機基が好ましい。
式[2]中、Yはベンゼン環、シクロヘキサン環または複素環から選ばれる2価の環状基を示し、これらの環状基上の任意の水素原子が、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜3のフッ素含有アルコキシル基またはフッ素原子で置換されていてもよい。なかでも、ベンゼン環またはシクロへキサン環が好ましい。
式[2]中、nは0〜4の整数を示す。なかでも、原料の入手性や合成の容易さの点から、0〜3が好ましい。より好ましいのは、0〜2である。
式[2]中、Yは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシル基または炭素数1〜18のフッ素含有アルコキシル基を示す。なかでも、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜10のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシル基または炭素数1〜10のフッ素含有アルコキシル基が好ましい。より好ましくは、炭素数1〜12のアルキル基または炭素数1〜12のアルコキシル基である。特に好ましくは、炭素数1〜9のアルキル基または炭素数1〜9のアルコキシル基である。
式[2]におけるY、Y、Y、Y、Y、Yおよびnの好ましい組み合わせとしては、国際公開公報WO2011/132751の13頁〜34頁の表6〜表47に掲載される(2−1)〜(2−629)と同じ組み合わせが挙げられる。なお、国際公開公報の各表では、本発明におけるY〜Yが、Y1〜Y6として示されているが、Y1〜Y6は、Y〜Yと読み替えるものとする。また、ステロイド骨格を有する炭素数12〜25の有機基は、ステロイド骨格を有する炭素数17〜51の有機基と読み替えるものとする。
式[2]で示される側鎖を有するジアミン化合物の具体例としては、下記の式[2b−1]〜式[2b−31]で示されるジアミン化合物が挙げられる。
Figure 0006504377
(式[2b−1]〜式[2b−3]中、Rは−O−、−OCH−、−CHO−、−COOCH−またはCHOCO−を示し、Rは炭素数1〜22のアルキル基、アルコキシ基、フッ素含有アルキル基またはフッ素含有アルコキシ基を示す)。
Figure 0006504377
(式[2b−4]〜式[2b−6]中、Rは−COO−、−OCO−、−COOCH−、−CHOCO−、−CHO−、−OCH−または−CH−を示し、Rは炭素数1〜22のアルキル基、アルコキシ基、フッ素含有アルキル基またはフッ素含有アルコキシ基を示す)。
Figure 0006504377
(式[2b−7]および式[2b−8]中、Rは−COO−、−OCO−、−COOCH−、−CHOCO−、−CHO−、−OCH−、−CH−または−O−であり、Rはフッ素基、シアノ基、トリフルオロメタン基、ニトロ基、アゾ基、ホルミル基、アセチル基、アセトキシ基または水酸基である)。
Figure 0006504377
(式[2b−9]および式[2b−10]中、Rは炭素数3〜12のアルキル基を示す。なお、1,4−シクロヘキシレンのシス−トランス異性は、それぞれトランス異性体が好ましい)。
Figure 0006504377
(式[2b−11]および式[2b−12]中、Rは炭素数3〜12のアルキル基を示す。なお、1,4−シクロヘキシレンのシス−トランス異性は、それぞれトランス異性体が好ましい)。
Figure 0006504377
(式[2b−13]中、Bはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数3〜20のアルキル基を示し、Bは1,4−シクロへキシレン基または1,4−フェニレン基を示し、Bは酸素原子または−COO−*(但し、「*」を付した結合手がBと結合する)を示し、Bは酸素原子または−COO−*(但し、「*」を付した結合手が(CH)aと結合する)を示す。また、aは0または1の整数を示し、aは2〜10の整数を示し、aは0または1の整数を示す)。
Figure 0006504377
Figure 0006504377
Figure 0006504377
Figure 0006504377
Figure 0006504377
Figure 0006504377
Figure 0006504377
Figure 0006504377
Figure 0006504377
式[2]で示される側鎖を有するジアミン化合物を用いた液晶配向処理剤は、液晶配向膜にした場合に、液晶のプレチルト角を高くすることができる。その際、これらの効果を高めることを目的に、上記ジアミン化合物の中でも、式[2b−1]〜式[2b−13]または式[2b−22]〜[2b−31]で示されるジアミン化合物を用いることが好ましい。より好ましいのは、式[2b−1]〜式[2b−12]または式[2b−22]〜式[2b−29]で示されるジアミン化合物である。また、よりこれらの効果を高めるため、これらジアミン化合物は、ジアミン成分全体の5モル%以上80モル%以下であることが好ましい。より好ましくは、液晶配向処理剤の塗布性や液晶配向膜としての電気特性の点から、これらジアミン化合物は、ジアミン成分全体の5モル%以上60モル%以下である。
前記式[2]で示される側鎖を有するジアミン化合物は、特定重合体の溶媒への溶解性や液晶配向処理剤の塗布性、液晶配向膜にした場合における液晶の配向性、電圧保持率、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類または2種類以上を混合して使用することができる。
<その他ジアミン成分>
本発明の液晶配向処理剤が含有する特定重合体を作製するためのジアミン成分としては、式[2]で示される側鎖を有するジアミン化合物に加えて、公知のジアミン化合物を用いることができる。
なかでも、下記の式[4a]で示される構造を有するジアミン化合物を用いることが好ましい。
Figure 0006504377
式[4a]中、aは0〜4の整数を示す。なかでも、原料の入手性や合成の容易さの点から、0または1の整数が好ましい。
式[4a]で示される構造を有するジアミン化合物として、具体的には、下記の式[4a−1]で示されるジアミン化合物が挙げられる。
Figure 0006504377
式[4a−1]中、aは0〜4の整数を示す。なかでも、原料の入手性や合成の容易さの点から、0または1が好ましい。
式[4a−1]中、nは1〜4の整数を示す。なかでも、合成の容易さの点から1が好ましい。
前記式[4a]で示されるジアミン化合物を製造する方法は特に限定されないが、好ましい方法としては、下記に示すものが挙げられる。一例として、式[4a−1]で示されるジアミン化合物は、下記の式[4a−A]で示されるジニトロ体化合物を合成し、さらにそのニトロ基を還元してアミノ基に変換することで得られる。
Figure 0006504377
(式[4a−A]中、aは0〜4の整数を示し、nは1〜4の整数を示す)。
式[4a−A]で示されるジニトロ体化合物のジニトロ基を還元する方法には、特に制限はなく、通常、酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはアルコール系溶剤などの溶媒中、パラジウム−炭素、酸化白金、ラネーニッケル、白金黒、ロジウム−アルミナまたは硫化白金炭素などを触媒として用いて、水素ガス、ヒドラジンまたは塩化水素下で反応させる方法がある。
前記式[4a]で示されるジアミン化合物としては、さらに、下記の式[4a−2]〜式[4a−5]で示されるジアミン化合物も挙げられる。
Figure 0006504377
式[4a−2]中、Aは単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−または−N(CH)CO−を示す。なかでも、合成の容易さの点から、単結合、−CH−、−C(CH−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−COO−または−OCO−が好ましい。より好ましいのは、単結合、−CH−、−C(CH−、−O−、−CO−、−NH−または−N(CH)−である。
式[4a−2]中、mおよびmはそれぞれ0〜4の整数を示し、かつm+mは1〜4の整数を示す。なかでも、m+mが1または2が好ましい。
式[4a−3]中、mおよびmはそれぞれ1〜5の整数を示す。なかでも、合成の容易さの点から、1または2が好ましい。
式[4a−4]中、Aは炭素数1〜5の直鎖または分岐アルキル基を示す。なかでも、炭素数1〜3の直鎖アルキル基が好ましい。
式[4a−4]中、mは1〜5の整数を示す。なかでも、1または2が好ましい。
式[4a−5]中、Aは単結合、−CH−、−C−、−C(CH−、−CF−、−C(CF−、−O−、−CO−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−または−N(CH)CO−を示す。なかでも、単結合、−CH−、−C(CH−、−O−、−CO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−または−OCO−が好ましい。より好ましいのは、−O−、−CO−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCH−、−COO−または−OCO−である。
式[4a−5]中、mは1〜4の整数を示す。なかでも、合成の容易さの点から、1が好ましい。
前記式[4a−1]〜式[4a−5]で示されるジアミン化合物は、全ジアミン成分中の30モル%〜80モル%であることが好ましく、より好ましくは、50モル%〜80モル%であることが好ましい。
前記式[4a−1]〜式[4a−5]で示されるジアミン化合物は、特定重合体の溶媒への溶解性や液晶配向処理剤の塗布性、液晶配向膜にした場合における液晶の配向性、電圧保持率、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類または2種類以上を混合して使用することができる。
本発明の液晶配向処理剤が含有する特定重合体を作製するためのジアミン成分としては、下記の式[4b]で示されるジアミン化合物を用いることも好ましい。
Figure 0006504377
式[4b]中、Yは下記の式[4b−1]、式[4b−2]、式[4b−3]、または式[4b−4]から選ばれる少なくとも1つの1価の基を示し、mは0〜4の整数を示し、−(Y)は置換基Yがm個あることを示す。
Figure 0006504377
式[4b−1]中、aは0〜4の整数を示す。なかでも、原料の入手性や合成の容易さの点から、0または1の整数が好ましい。
式[4b−2]中、Yは炭素数8〜22のアルキル基を示す。
式[4b−3]中、YおよびYはそれぞれ独立して炭素数1〜12の炭化水素基を示す。
式[4b−4]中、Y10は炭素数1〜8のアルキル基を示す。
前記式[4b]で示されるジアミン化合物を製造する方法は特に限定されないが、好ましい方法としては、下記に示すものが挙げられる。
一例として、式[4b]で示されるジアミン化合物は、下記の式[4b−A]で示されるジニトロ体化合物を合成し、さらにそのニトロ基を還元してアミノ基に変換することで得られる。
Figure 0006504377
(式[4b−A]中、Yは前記式[4b−1]、式[4b−2]、式[4b−3]または式[4b−4]から選ばれる少なくとも1つの構造の置換基を示し、mは0〜4の整数を示す)。
式[4b−A]で示されるジニトロ体化合物のジニトロ基を還元する方法には、特に制限はなく、通常、酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはアルコール系溶剤などの溶媒中、パラジウム−炭素、酸化白金、ラネーニッケル、白金黒、ロジウム−アルミナまたは硫化白金炭素などを触媒として用いて、水素ガス、ヒドラジンまたは塩化水素下で反応させる方法がある。
下記に、前記式[4b]で示されるジアミン化合物の具体的な構造を挙げるが、これらの例に限定されるものではない。
すなわち、式[4b]で示されるジアミン化合物としては、m−フェニレンジアミン、2,4−ジメチル−m−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノベンジルアルコール、2,4−ジアミノベンジルアルコール、4,6−ジアミノレゾルシノールの他に、下記の式[4b−6]〜[4b−15]で示される構造のジアミン化合物を挙げることができる。
Figure 0006504377
(式[4b−6]〜式[4b−9]中、Aは、炭素数1〜22のアルキル基またはフッ素含有アルキル基を示す)。
Figure 0006504377
Figure 0006504377
本発明の液晶配向処理剤が含有する特定重合体を作製するためのジアミン成分としては、式[4a−1]〜式[4a−5]で示されるジアミン化合物および式[4b]で示されるジアミン化合物以外のジアミン化合物(その他ジアミン化合物ともいう)をジアミン成分として用いることができる。下記に、その具体例を挙げるが、これらの例に限定されるものではない。
例えば、4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジフルオロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−トリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジアミノビフェニル、2,3’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン、2,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2’−ジアミノジフェニルエーテル、2,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−スルホニルジアニリン、3,3’−スルホニルジアニリン、ビス(4−アミノフェニル)シラン、ビス(3−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(4−アミノフェニル)シラン、ジメチル−ビス(3−アミノフェニル)シラン、4,4’−チオジアニリン、3,3’−チオジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルアミン、3,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2’−ジアミノジフェニルアミン、2,3’−ジアミノジフェニルアミン、N−メチル(4,4’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(3,3’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(3,4’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(2,2’−ジアミノジフェニル)アミン、N−メチル(2,3’−ジアミノジフェニル)アミン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ジアミノナフタレン、2,2’−ジアミノベンゾフェノン、2,3’−ジアミノベンゾフェノン、1,5−ジアミノナフタレン、1,6−ジアミノナフタレン、1,7−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、2,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、2,8−ジアミノナフタレン、1,2−ビス(4−アミノフェニル)エタン、1,2−ビス(3−アミノフェニル)エタン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ブタン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ブタン、ビス(3,5−ジエチル−4−アミノフェニル)メタン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、4,4’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,4’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3’−[1,4−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、3,3’−[1,3−フェニレンビス(メチレン)]ジアニリン、1,4−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(4−アミノフェニル)メタノン]、1,3−フェニレンビス[(3−アミノフェニル)メタノン]、1,4−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,4−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(4−アミノベンゾエート)、1,3−フェニレンビス(3−アミノベンゾエート)、ビス(4−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(3−アミノフェニル)テレフタレート、ビス(4−アミノフェニル)イソフタレート、ビス(3−アミノフェニル)イソフタレート、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,3−フェニレン)ビス(4−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,4−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N’−(1,3−フェニレン)ビス(3−アミノベンズアミド)、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−ビス(3−アミノフェニル)テレフタルアミド、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)イソフタルアミド、N,N’−ビス(3−アミノフェニル)イソフタルアミド、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ブタン、1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、1,5−ビス(3−アミノフェノキシ)ペンタン、1,6−ビス(4−アミノフェノキシ)へキサン、1,6−ビス(3−アミノフェノキシ)へキサン、1,7−ビス(4−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,7−(3−アミノフェノキシ)ヘプタン、1,8−ビス(4−アミノフェノキシ)オクタン、1,8−ビス(3−アミノフェノキシ)オクタン、1,9−ビス(4−アミノフェノキシ)ノナン、1,9−ビス(3−アミノフェノキシ)ノナン、1,10−ビス(4−アミノフェノキシ)デカン、1,10−ビス(3−アミノフェノキシ)デカン、1,11−ビス(4−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,11−ビス(3−アミノフェノキシ)ウンデカン、1,12−ビス(4−アミノフェノキシ)ドデカン、1,12−ビス(3−アミノフェノキシ)ドデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノへキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカンまたは1,12−ジアミノドデカンなどが挙げられる。
また、その他ジアミン化合物として、ジアミン側鎖にアルキル基、フッ素含有アルキル基、芳香環、脂肪族環または複素環を有するもの、さらに、これらからなる大環状置換体を有するものなども、本発明の効果を損なわない限り、用いることができる。具体的には、下記の式[DA1]〜[DA13]で示されるジアミン化合物を例示することができる。
Figure 0006504377
Figure 0006504377
Figure 0006504377
(式[DA1]〜式[DA6]中、Aは−COO−、−OCO−、−CONH−、−NHCO−、−CH−、−O−、−CO−または−NH−を示し、Aは炭素数1〜22の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数1〜22の直鎖状もしくは分岐状のフッ素含有アルキル基を示す)。
Figure 0006504377
(式[DA7]中、pは1〜10の整数を示す)。
Figure 0006504377
Figure 0006504377
(式[DA10]中、mは0〜3の整数を示し、式[DA13]中、nは1〜5の整数を示す)。
さらに、本発明の効果を損なわない限りにおいて、下記の式[DA14]で示されるジアミン化合物を用いることもできる。
Figure 0006504377
(式[DA14]中、Aは−O−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−CHO−、−OCO−、−CON(CH)−または−N(CH)CO−より選ばれる2価の有機基であり、Aは単結合、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、非芳香族環式炭化水素基または芳香族炭化水素基であり、Aは単結合、−O−、−NH−、−N(CH)−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OCO−、−CON(CH)−、−N(CH)CO−または−O(CH−(mは1〜5の整数である)より選ばれ、Aは窒素含有芳香族複素環であり、nは1〜4の整数である)。
加えて、その他ジアミン化合物として、下記の式[DA15]および式[DA16]で示されるジアミン化合物を用いることもできる。
Figure 0006504377
その他ジアミン化合物としては、下記の式[DA17]で示されるジアミン化合物を用いることもできる。
Figure 0006504377
(式[DA17]中、X、Xはそれぞれ独立して、H原子、メチル基、エチル基を示し、mは1〜3の整数を示す)。
下記に、式[DA17]で示されるジアミン化合物の具体的な構造を挙げるが、これらの例に限定されるものではない。
すなわち、式[DA17]で示されるジアミン化合物としては、下記の式[DA17−1]〜[DA17−6]で示される構造のジアミン化合物を挙げることができる。
Figure 0006504377
Figure 0006504377
上記のその他ジアミン化合物は、本発明の特定重合体の溶媒への溶解性や液晶配向処理剤の塗布性、液晶配向膜とした場合における液晶の配向性、電圧保持率、蓄積電荷などの特性に応じて、1種類または2種類以上を混合して使用することもできる。
<特定重合体>
本発明の液晶配向剤が含有する特定重合体は、前記式[1]で示されるテトラカルボン酸二無水物を含む前記テトラカルボン酸成分と、前記式[2]で示される側鎖を有するジアミン化合物を含む上記ジアミン成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体および該ポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドから選ばれる少なくとも1種の重合体である。
前記式[1]で示されるテトラカルボン酸二無水物を含む前記テトラカルボン酸成分と、前記式[2]で示される側鎖を有するジアミン化合物を含む前記ジアミン成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体は、例えば下記の式[A]で示される構造である。
Figure 0006504377
(式[A]中、Rはテトラカルボン酸成分に由来する4価の有機基であり、Rはジアミン成分に由来する2価の有機基であり、AおよびAは水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を示し、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、AおよびAは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基またはアセチル基を示し、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、nは正の整数を示す)。
本発明の液晶配向処理剤が含有する特定重合体は、下記の式[B]で示されるテトラカルボン酸成分と下記の式[C]で示されるジアミン化合物を原料とすることで比較的簡便に得られるという理由から、下記の式[D]で示される繰り返し単位の構造式からなるポリアミド酸または該ポリアミド酸をイミド化させたポリイミドが好ましい。
Figure 0006504377
(式[B]および式[C]中、RおよびRは式[A]で定義したものと同意義である)。
Figure 0006504377
(式[D]中、RおよびRは式[A]で定義したものと同意義である)。
また、通常の合成手法で、上記で得られた式[D]の重合体に、式[A]で示されるAおよびAの炭素数1〜8のアルキル基、および式[A]で示されるAおよびAの炭素数1〜5のアルキル基またはアセチル基を導入することもできる。
<特定重合体の製造方法>
本発明において、特定重合体は、上記ジアミン成分と上記テトラカルボン酸成分とを反応させて得られる。具体的には、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分とを重縮合させてポリアミド酸を得る方法、テトラカルボン酸とジアミン成分とを脱水重縮合反応させてポリアミド酸を得る方法またはジカルボン酸ジハライドとジアミン成分とを重縮合させてポリアミド酸を得る方法が用いられる。
ポリアミド酸アルキルエステルを得るには、カルボン酸基をジアルキルエステル化したテトラカルボン酸とジアミン成分とを重縮合させる方法、カルボン酸基をジアルキルエステル化したジカルボン酸ジハライドとジアミン成分とを重縮合させる方法またはポリアミド酸のカルボキシル基をエステルに変換する方法が用いられる。
ポリイミドを得るには、前記のポリアミド酸またはポリアミド酸アルキルエステルを閉環させてポリイミドとする方法が用いられる。
ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との反応は、通常、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを有機溶媒中で行う。その際に用いる有機溶媒としては、生成したポリイミド前駆体が溶解するものであれば特に限定されない。下記に、反応に用いる有機溶媒の具体例を挙げるが、これらの例に限定されるものではない。
例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドンまたはγ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンまたは下記の式[D−1]〜式[D−3]で示される溶媒などが挙げられる。
Figure 0006504377
(式[D−1]中、Dは炭素数1〜3のアルキル基を示し、式[D−2]中、Dは炭素数1〜3のアルキル基を示し、式[D−3]中、Dは炭素数1〜4のアルキル基を示す)。
これらは単独で使用しても、混合して使用してもよい。さらに、ポリイミド前駆体を溶解させない溶媒であっても、生成したポリイミド前駆体が析出しない範囲で、上記溶媒に混合して使用してもよい。また、有機溶媒中の水分は重合反応を阻害し、さらには生成したポリイミド前駆体を加水分解させる原因となるので、有機溶媒は脱水乾燥させたものを用いることが好ましい。
ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを有機溶媒中で反応させる際には、ジアミン成分を有機溶媒に分散あるいは溶解させた溶液を攪拌させ、テトラカルボン酸成分をそのまま、または有機溶媒に分散あるいは溶解させて添加する方法、逆にテトラカルボン酸成分を有機溶媒に分散、あるいは溶解させた溶液にジアミン成分を添加する方法、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを交互に添加する方法などが挙げられ、これらのいずれの方法を用いてもよい。また、ジアミン成分またはテトラカルボン酸成分を、それぞれ複数種用いて反応させる場合は、あらかじめ混合した状態で反応させてもよく、個別に順次反応させてもよく、さらに個別に反応させた低分子量体を混合反応させ重合体としてもよい。その際の重合温度は−20℃〜150℃の任意の温度を選択することができるが、好ましくは−5℃〜100℃の範囲である。また、反応は任意の濃度で行うことができるが、濃度が低すぎると高分子量の重合体を得ることが難しくなり、濃度が高すぎると反応液の粘性が高くなり過ぎて均一な攪拌が困難となる。そのため、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%である。反応初期は高濃度で行い、その後、有機溶媒を追加することができる。
ポリイミド前駆体の重合反応においては、ジアミン成分の合計モル数とテトラカルボン酸成分の合計モル数の比は0.8〜1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応同様、このモル比が1.0に近いほど生成するポリイミド前駆体の分子量は大きくなる。
本発明のポリイミドは前記のポリイミド前駆体を閉環させて得られるポリイミドであり、このポリイミドにおいては、アミド酸基の閉環率(イミド化率ともいう)は必ずしも100%である必要はなく、用途や目的に応じて任意に調整することができる。
ポリイミド前駆体をイミド化させる方法としては、ポリイミド前駆体の溶液をそのまま加熱する熱イミド化またはポリイミド前駆体の溶液に触媒を添加する触媒イミド化が挙げられる。
ポリイミド前駆体を溶液中で熱イミド化させる場合の温度は、100℃〜400℃、好ましくは120℃〜250℃であり、イミド化反応により生成する水を系外に除きながら行う方が好ましい。
ポリイミド前駆体の触媒イミド化は、ポリイミド前駆体の溶液に、塩基性触媒と酸無水物とを添加し、−20〜250℃、好ましくは0〜180℃で攪拌することにより行うことができる。塩基性触媒の量はアミド酸基の0.5〜30モル倍、好ましくは2〜20モル倍であり、酸無水物の量はアミド酸基の1〜50モル倍、好ましくは3〜30モル倍である。塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミンまたはトリオクチルアミンなどを挙げることができ、中でもピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。酸無水物としては、無水酢酸、無水トリメリット酸または無水ピロメリット酸などを挙げることができ、中でも無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。触媒イミド化によるイミド化率は、触媒量と反応温度、反応時間を調節することにより制御することができる。
ポリイミド前駆体またはポリイミドの反応溶液から、生成したポリイミド前駆体またはポリイミドを回収する場合には、反応溶液を溶媒に投入して沈殿させればよい。沈殿に用いる溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、ヘキサン、ブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、ベンゼン、水などを挙げることができる。溶媒に投入して沈殿させたポリマーは濾過して回収した後、常圧あるいは減圧下で、常温あるいは加熱して乾燥することができる。また、沈殿回収した重合体を、有機溶媒に再溶解させ、再沈殿回収する操作を2〜10回繰り返すと、重合体中の不純物を少なくすることができる。この際の溶媒として、例えば、アルコール類、ケトン類または炭化水素などが挙げられ、これらの内から選ばれる3種類以上の溶媒を用いると、より一層精製の効率が上がるので好ましい。
本発明の液晶配向処理剤が含有する特定重合体の分子量は、そこから得られる液晶配向膜の強度、液晶配向膜形成時の作業性および塗膜性を考慮した場合、GPC(Gel Permeation Chromatography)法で測定した重量平均分子量で5,000〜1,000,000とするのが好ましく、より好ましくは、10,000〜150,000である。
<液晶配向処理剤>
本発明の液晶配向処理剤は、液晶配向膜を形成するための塗布溶液であり、重合体成分および溶媒を含有し、重合体被膜を形成するための塗布溶液である。
そして、上述したように、本発明の液晶配向処理剤は、重合体成分として、上記特定重合体、すなわち、上述の式[1]で示されるテトラカルボン酸二無水物を含むテトラカルボン酸成分と上述の式[2]で示される側鎖を有するジアミン化合物を含むジアミン成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体および該ポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドから選ばれる少なくとも1種の重合体を含有するものであり、液晶滴下時における液晶配向膜への物理的なストレスが軽減される構造を有し、疎水性が高い構造を有するためか、後述する実施例に示すように、本発明の液晶配向処理剤を用いて得られる液晶配向膜を具備する液晶表示素子は、配向ムラが改善され、且つ、プレチルト角の耐熱性に優れたものとすることができる。
詳述すると、液晶表示素子の配向ムラは、ODF方式による液晶滴下時に、液晶配向膜に物理的なストレスがかかり、液晶の垂直配向性が低下することで発生すると考えられる。また、液晶配向膜表面に付着した吸着水や不純物が、ODF工程において滴下された液晶により掃き寄せられ、液晶滴下部や液晶の液滴同士が接する部分で吸着水や不純物の量が異なることなどにより、発生すると考えられる。ここで、ODF方式とは、液晶を直接基板上に形成された液晶配向膜に滴下することを言う。
本発明の液晶配向処理剤が含有する上記特定重合体は、主鎖に式[1]で示されるテトラカルボン酸二無水物に由来するメチレン基を有するため、フレキシブル(柔軟)であり、液晶配向処理剤を基板に塗布した際に、特定重合体が塗膜(ひいては液晶配向膜)の表層(すなわち基板とは反対側)に移行し易い。そして、この特定重合体は、式[2]で示される側鎖を有するジアミン化合物に由来する式[2]で示される側鎖を有するため、塗膜や液晶配向膜の表層において式[2]で示される側鎖の密度が高くなる。このように、特定重合体が表層に移行し、且つ、表層の式[2]で示される側鎖の密度が高くなることにより、液晶滴下時における液晶配向膜への物理的なストレスが軽減される。
そして、特定重合体が表層に移行し且つ表層の式[2]で示される側鎖の密度が高くなることにより、液晶配向膜の疎水性が高くなる。さらに、式[1]で示されるテトラカルボン酸二無水物を用いることにより液晶配向処理剤を基板に塗布した後焼成する際に生じる熱イミド化が進行し易くなり、液晶配向膜の疎水性が高くなる。このように、疎水性が高いものであるため、液晶滴下部などにおける吸着水や不純物の量を均一にすることができる。
この結果、ODF方式で発生する配向ムラの改善を実現することができると推測される。
特に、PSAモードにおいては、ODF方式によりモノマー(重合性化合物)を含む液晶を液晶配向膜上に滴下すると、液晶が濡れ拡がる際に、モノマーの分離現象(クロマト現象ともいう)が起こり、この状態でPSA化処理を行うと、液晶のプレチルト角が異なる領域が発生し、配向ムラを生じ易い。ここで、PSAとは、基板に対して垂直に配向している液晶分子を電界によって応答させる方式(垂直配向方式)の液晶表示素子のうち、あらかじめ液晶組成物中に重合性化合物を添加したものを言う。また、重合性化合物とは、活性エネルギー線および熱の少なくとも一方により重合する化合物を言う。
このようなPSAモードの場合においても、本発明の液晶配向処理剤によれば、疎水性が高いものであるため、モノマーの分散性を均一にすることができ、プレチルト角のバラツキを抑制でき、配向ムラを改善することができる。
また、特定重合体が表層に移行し且つ表層の式[2]で示される側鎖の密度が高くなることにより、式[2]で示される側鎖が安定して、プレチルト角の耐熱性が良好になったと推測される。
そして、本発明の液晶配向処理剤は、印刷性に優れたものであり、はじきや膜厚ムラのない均一な塗膜を得ることができる。
このような本発明の液晶配向処理剤を用いて作製された液晶配向膜を有する液晶表示素子は、配向ムラに伴う配向欠陥が無く、また、プレチルト角の熱安定性に優れているため、表示品位の優れた信頼性の高い液晶表示素子となる。
本発明の液晶配向処理剤における、すべての重合体成分は、すべてが特定重合体であってもよく、それ以外の他の重合体が混合されていても良い。その際、それ以外の他の重合体の含有量は、特定重合体の0.5質量%〜15質量%、好ましくは1質量%〜10質量%である。それ以外の他の重合体としては、前記式[1]で示されるテトラカルボン酸二無水物を用いていないポリイミド前駆体またはポリイミドが挙げられる。さらには、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、ポリスチレン、ポリアミドまたはポリシロキサンなどが挙げられる。
本発明の液晶配向処理剤中の固形分濃度は、形成する液晶配向膜の厚みの設定によって適宜変更することができるが、0.5〜10質量%とすることが好ましく、1〜8質量%とすることがより好ましい。固形分濃度が0.5質量%未満では均一で欠陥のない塗膜を形成させることが困難となり、10質量%よりも多いと溶液の保存安定性が悪くなる場合がある。ここで言う固形分とは、液晶配向処理剤から溶媒を除いた成分を言い、上記した特定重合体や、それ以外の他の重合体、後述する各種の添加剤を意味する。
本発明の液晶配向処理剤中の有機溶媒は、塗布により均一な液晶配向膜を形成するという観点から、有機溶媒の含有量が70〜99.9質量%であることが好ましい。この含有量は、目的とする液晶配向膜の膜厚によって適宜変更することができる。
本発明の液晶配向処理剤に用いる有機溶媒は、特定重合体を溶解させる有機溶媒(良溶媒ともいう)であれば特に限定されない。下記に、良溶媒の具体例を挙げるが、これらの例に限定されるものではない。
例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンまたは4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどである。なかでも、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンまたは上述した前記式[D−1]〜式[D−3]で示される溶媒などを挙げることができる。これらは単独で使用しても、混合して使用してもよい。
なかでも、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンを用いることが好ましい。さらには、特定重合体の溶媒への溶解性が高い場合は、前記式[D−1]〜式[D−3]で示される溶媒を用いることが好ましい。
本発明の液晶配向処理剤における良溶媒は、液晶配向処理剤に含まれる溶媒全体の10〜100質量%であることが好ましい。なかでも、20〜90質量%が好ましい。より好ましいのは、30〜80質量%である。
本発明の液晶配向処理剤は、本発明の効果を損なわない限り、液晶配向処理剤を塗布した際の液晶配向膜の塗膜性や表面平滑性を向上させる有機溶媒(貧溶媒ともいう)を用いることができる。下記に、貧溶媒の具体例を挙げるが、これらの例に限定されるものではない。
例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、1,2−ブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、3−エトキシブチルアセタート、1−メチルペンチルアセタート、2−エチルブチルアセタート、2−エチルヘキシルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、2−(メトキシメトキシ)エタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、フルフリルアルコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、1−(ブトキシエトキシ)プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセタート、ジエチレングリコールアセタート、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステルまたは上述した前記式[D−1]〜式[D−3]で示される溶媒などを挙げることができる。
なかでも、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピレングリコールモノブチルエーテルまたはエチレングリコールモノブチルエーテル、または上述した前記式[D−1]〜式[D−3]で示される溶媒を用いることが好ましい。
これら貧溶媒は、液晶配向処理剤に含まれる有機溶媒全体の1〜70質量%であることが好ましい。なかでも、1〜60質量%が好ましい。より好ましいのは5〜60質量%である。
本発明の液晶配向処理剤には、本発明の効果を損なわない限り、エポキシ基、イソシアネート基、オキセタン基またはシクロカーボネート基を有する架橋性化合物、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基および低級アルコキシアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有する架橋性化合物、または重合性不飽和結合を有する架橋性化合物を含有させることもできる。これらの置換基や重合性不飽和結合は、架橋性化合物中に2個以上有する必要がある。
エポキシ基またはイソシアネート基を有する架橋性化合物としては、例えば、ビスフェノールアセトングリシジルエーテル、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラグリシジルアミノジフェニレン、テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビス(アミノエチル)シクロヘキサン、テトラフェニルグリシジルエーテルエタン、トリフェニルグリシジルエーテルエタン、ビスフェノールヘキサフルオロアセトジグリシジルエーテル、1,3−ビス(1−(2,3−エポキシプロポキシ)−1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロメチル)ベンゼン、4,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)オクタフルオロビフェニル、トリグリシジル−p−アミノフェノール、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、2−(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)−2−(4−(1,1−ビス(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)エチル)フェニル)プロパンまたは1,3−ビス(4−(1−(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)−1−(4−(1−(4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチル)フェノキシ)−2−プロパノールなどが挙げられる。
オキセタン基を有する架橋性化合物は、下記の式[4]で示すオキセタン基を少なくとも2個有する架橋性化合物である。
Figure 0006504377
具体的には、国際公開公報WO2011/132751の58頁〜59頁に掲載される式[4a]〜式[4k]で示される架橋性化合物が挙げられる。
シクロカーボネート基を有する架橋性化合物は、下記の式[5]で示されるシクロカーボネート基を少なくとも2個有する架橋性化合物である。
Figure 0006504377
具体的には、国際公開公報WO2011/132751の76頁〜82頁に掲載される式[5−1]〜式[5−42]で示される架橋性化合物が挙げられる。
ヒドロキシル基およびアルコキシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有する架橋性化合物としては、例えば、ヒドロキシル基またはアルコキシル基を有するアミノ樹脂、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、グリコールウリル−ホルムアルデヒド樹脂、スクシニルアミド−ホルムアルデヒド樹脂またはエチレン尿素−ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。具体的には、アミノ基の水素原子がメチロール基またはアルコキシメチル基またはその両方で置換されたメラミン誘導体、ベンゾグアナミン誘導体、またはグリコールウリルを用いることができる。このメラミン誘導体またはベンゾグアナミン誘導体は、2量体または3量体として存在することも可能である。これらはトリアジン環1個当たり、メチロール基またはアルコキシメチル基を平均3個以上6個以下有するものが好ましい。
このようなメラミン誘導体またはベンゾグアナミン誘導体の例としては、市販品のトリアジン環1個当たりメトキシメチル基が平均3.7個置換されているMX−750、トリアジン環1個当たりメトキシメチル基が平均5.8個置換されているMW−30(以上、三和ケミカル社製)やサイメル300、301、303、350、370、771、325、327、703、712などのメトキシメチル化メラミン、サイメル235、236、238、212、253、254などのメトキシメチル化ブトキシメチル化メラミン、サイメル506、508などのブトキシメチル化メラミン、サイメル1141のようなカルボキシル基含有メトキシメチル化イソブトキシメチル化メラミン、サイメル1123のようなメトキシメチル化エトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1123−10のようなメトキシメチル化ブトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1128のようなブトキシメチル化ベンゾグアナミン、サイメル1125−80のようなカルボキシル基含有メトキシメチル化エトキシメチル化ベンゾグアナミン(以上、三井サイアナミド社製)が挙げられる。また、グリコールウリルの例として、サイメル1170のようなブトキシメチル化グリコールウリル、サイメル1172のようなメチロール化グリコールウリル等、パウダーリンク1174のようなメトキシメチロール化グリコールウリル等が挙げられる。
ヒドロキシル基またはアルコキシル基を有するベンゼンまたはフェノール性化合物としては、例えば、1,3,5−トリス(メトキシメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(イソプロポキシメチル)ベンゼン、1,4−ビス(sec−ブトキシメチル)ベンゼンまたは2,6−ジヒドロキシメチル−p−tert−ブチルフェノール等が挙げられる。
より具体的には、国際公開公報WO2011/132751の62頁〜66頁に掲載される、式[6−1]〜式[6−48]で示される架橋性化合物が挙げられる。
重合性不飽和結合を有する架橋性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパンまたはグリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート等の重合性不飽和基を分子内に3個有する架橋性化合物、さらに、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイドビスフェノール型ジ(メタ)アクリレート、1,6−へキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレートまたはヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどの重合性不飽和基を分子内に2個有する架橋性化合物、加えて、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルリン酸エステルまたはN−メチロール(メタ)アクリルアミド等の重合性不飽和基を分子内に1個有する架橋性化合物が挙げられる。
加えて、下記の式[7]で示される化合物を用いることもできる。
Figure 0006504377
(式[7]中、Eはシクロヘキサン環、ビシクロヘキサン環、ベンゼン環、ビフェニル環、ターフェニル環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環またはフェナントレン環からからなる群から選ばれる基を示し、Eは下記の式[7a]または式[7b]から選ばれる基を示し、nは1〜4の整数を示す)。
Figure 0006504377
上記化合物は架橋性化合物の一例であり、これらに限定されるものではない。また、本発明の液晶配向処理剤に用いる架橋性化合物は、1種類であってもよく、2種類以上組み合わせてもよい。
本発明の液晶配向処理剤における、架橋性化合物の含有量は、すべての重合体成分100質量部に対して、0.1〜150質量部であることが好ましい。架橋反応が進行し目的の効果を発現させるためには、すべての重合体成分100質量部に対して0.1〜100質量部がより好ましく、特に、1〜50質量部が最も好ましい。
本発明の液晶配向処理剤を用いて液晶配向膜とした際、液晶配向膜中の電荷移動を促進し、該液晶配向膜を用いた液晶セルの電荷抜けを促進させる化合物として、国際公開公報WO2011/132751の69頁〜73頁に掲載される、式[M1]〜式[M156]で示される窒素含有複素環アミン化合物を添加することが好ましい。このアミン化合物は、組成物に直接添加しても構わないが、適当な溶媒で濃度0.1質量%〜10質量%、好ましくは1質量%〜7質量%の溶液にしてから添加することが好ましい。この溶媒としては、上述した特定重合体を溶解させる有機溶媒であれば特に限定されない。
本発明の液晶配向処理剤は、本発明の効果を損なわない限り、液晶配向処理剤を塗布した際の液晶配向膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物を用いることができる。さらに、液晶配向膜と基板との密着性を向上させる化合物などを用いることもできる。
液晶配向膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノ二オン系界面活性剤などが挙げられる。
より具体的には、例えば、エフトップEF301、EF303、EF352(以上、トーケムプロダクツ社製)、メガファックF171、F173、R−30(以上、大日本インキ社製)、フロラードFC430、FC431(以上、住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(以上、旭硝子社製)などが挙げられる。これらの界面活性剤の使用割合は、液晶配向処理剤に含有されるすべての重合体成分100質量部に対して、好ましくは0.01〜2質量部、より好ましくは0.01〜1質量部である。
液晶配向膜と基板との密着性を向上させる化合物の具体例としては、以下に示す官能性シラン含有化合物やエポキシ基含有化合物が挙げられる。
例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンまたはN,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。
これら基板との密着させる化合物を使用する場合は、液晶配向処理剤に含有されるすべての重合体成分100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜20質量部である。0.1質量部未満であると密着性向上の効果は期待できず、30質量部よりも多くなると液晶配向処理剤の保存安定性が悪くなる場合がある。
本発明の液晶配向処理剤には、上記の貧溶媒、架橋性化合物、液晶配向膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物および基板との密着させる化合物の他に、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、液晶配向膜の誘電率や導電性などの電気特性を変化させる目的の誘電体や導電物質を添加してもよい。
<液晶配向膜・液晶表示素子>
本発明の液晶配向処理剤は、基板上に塗布、焼成した後、ラビング処理や光照射などで配向処理をして、液晶配向膜として用いることができる。また、垂直配向用途などの場合では配向処理なしでも液晶配向膜として用いることができる。この際に用いる基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板の他、アクリル基板やポリカーボネート基板などのプラスチック基板なども用いることができる。プロセスの簡素化の観点からは、液晶駆動のためのITO電極などが形成された基板を用いることが好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならばシリコンウェハなどの不透明な基板も使用でき、この場合の電極としてはアルミなどの光を反射する材料も使用できる。
液晶配向処理剤の塗布方法は、特に限定されないが、工業的には、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷またはインクジェット法などで行う方法が一般的である。その他の塗布方法としては、ディップ法、ロールコータ法、スリットコータ法、スピンナー法またはスプレー法などがあり、目的に応じてこれらを用いてもよい。
液晶配向処理剤を基板上に塗布した後は、ホットプレート、熱循環型オーブンまたはIR(赤外線)型オーブンなどの加熱手段により、液晶配向処理剤に用いる溶媒に応じて、30〜300℃、好ましくは30〜250℃の温度で溶媒を蒸発させて液晶配向膜とすることができる。焼成後の液晶配向膜の厚みは、厚すぎると液晶表示素子の消費電力の面で不利となり、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、好ましくは5〜300nm、より好ましくは10〜100nmである。液晶を水平配向や傾斜配向させる場合は、焼成後の液晶配向膜をラビングまたは偏光紫外線照射などで処理する。
本発明の重合体を含む液晶表示素子(以下、単に「本発明の液晶表示素子」ともいう)は、上記した手法により、本発明の液晶配向処理剤から液晶配向膜付き基板を得た後、公知の方法で液晶セルを作製して液晶表示素子としたものである。一例を挙げるならば、対向するように配置された2枚の基板と、基板間に設けられた液晶層と、基板と液晶層との間に設けられ本発明の液晶配向処理剤により形成された上記液晶配向膜とを有する液晶セルを具備する液晶表示素子である。このような本発明の液晶表示素子としては、垂直配向(VA:Vertical Alignment)方式や、水平配向(IPS:In−Plane Switching)方式、ツイストネマティック(TN:Twisted Nematic)方式、OCB配向(OCB:Optically Compensated Bend)方式等、種々のものが挙げられ、また、PSA(Polymer Sustained Alignment)方式等の方式でもよい。なお、液晶配向膜は、2枚の基板のうち、少なくとも一方に設けられていればよい。
液晶セルの作製方法としては、液晶配向膜の形成された一対の基板を用意し、片方の基板の液晶配向膜上にスペーサーを散布し、液晶配向膜面が内側になるようにして、もう片方の基板を貼り合わせ、液晶を減圧注入して封止する方法、または、スペーサーを散布した液晶配向膜面に液晶を滴下した後に基板を貼り合わせて封止を行う方法などが例示できる。このようODF方式では配向ムラが発生し易いが、本発明の液晶配向処理剤を用いることにより、ODF方式であっても配向ムラの発生を抑制することができる。
PSA方式の液晶表示素子を製造する場合、液晶セルの液晶配向膜や液晶層に電圧を印加しながら紫外線を照射する工程を有する。なお、PSA方式の液晶表示素子は、液晶に、活性エネルギー線および熱の少なくとも一方により重合する重合性化合物を混合した液晶材料(液晶組成物)を用い、液晶セルに電圧を印加しながら紫外線を照射することにより得られるものである。
重合性化合物としては、例えば、下記式(III)で表されるような2つの末端のそれぞれに光重合する基を有する重合性化合物、下記式(IV)で表されるような光重合する基を有する末端と光架橋する基を有する末端を持つ重合性化合物や、下記式(V)で表されるような2つの末端のそれぞれに光架橋する基を有する重合性化合物が挙げられる。なお、下記式(III)〜(V)において、R12はHまたは炭素数1〜4のアルキル基であり、Zは炭素数1〜12のアルキル基または炭素数1〜12のアルコキシル基によって置換されていてもよい二価の芳香環もしくは複素環であり、Zは一価の芳香環または複素環であり、当該一価の芳香環または複素環は炭素数1〜12のアルキル基および炭素数1〜12のアルコキシル基から選ばれる1種以上の置換基によって置換されていてもよく、Qは二価の有機基である。Qは、フェニレン基(−C−)、ビフェニレン基(−C−C−)やシクロヘキシレン基(−C10−)等の環構造を有していることが好ましい。液晶との相互作用が大きくなりやすいためである。
Figure 0006504377
Figure 0006504377
Figure 0006504377
式(III)で表される重合性化合物の具体例としては、下記の重合性化合物が挙げられる。式中、Vは、単結合又は−R19O−で表されR19は直鎖もしくは分岐の炭素数1〜10のアルキレン基であり、好ましくは、−R19O−で表されR19は直鎖もしくは分岐の炭素数2〜6のアルキレン基である。また、Wは、単結合又は−OR20−で表されR20は直鎖もしくは分岐の炭素数1〜10のアルキレン基であり、好ましくは、−OR20−で表されR20は直鎖もしくは分岐の炭素数2〜6のアルキレン基である。なお、V及びWは同一の構造でも異なっていてもよいが、同一であると合成が容易である。
Figure 0006504377
また、式(III)で表される重合性化合物のその他の具体例としては、下記式の重合性化合物が挙げられる。
Figure 0006504377
(式中、Vは、単結合又は−R19O−で表されR19は直鎖もしくは分岐の炭素数1〜10のアルキレン基であり、好ましくは、−R19O−で表されR19は直鎖もしくは分岐の炭素数2〜6のアルキレン基である。また、Wは、単結合又は−OR20−で表されR20は直鎖もしくは分岐の炭素数1〜10のアルキレン基であり、好ましくは、−OR20−で表されR20は直鎖もしくは分岐の炭素数2〜6のアルキレン基である。V及びWは同一の構造でも異なっていてもよいが、同一であると合成が容易である。また、R12はHまたは炭素数1〜4のアルキル基である。)
このような重合性化合物の製造方法は特に限定されず、例えば、下記式(1)で表される重合性化合物は、有機合成化学における手法を組み合わせることによって合成することができる。例えば、下記反応式で表されるタラガ等がP.Talaga,M.Schaeffer,C.Benezra and J.L.Stampf,Synthesis,530(1990)で提案する方法により、SnCl2を用いて2−(ブロモメチル)アクリル酸(2−(bromomethyl)propenoic acid)と、アルデヒドまたはケトンとを反応させて、合成することができる。なお、Amberlyst 15は、ロームアンドハース社製の強酸性イオン交換樹脂である。
Figure 0006504377
Figure 0006504377
(式中、R’は一価の有機基を表す。)
また、2−(ブロモメチル)アクリル酸は、下記反応式で表されるラマラーン等がK.Ramarajan,K.Kamalingam,D.J.O' Donnell and K.D.Berlin, Organic Synthesis,vol.61,56-59(1983)で提案する方法で合成することができる。
Figure 0006504377
具体的な合成例としては、Vが−RO−、Wが−OR−でRとRが同一である上記式(1)で表される重合性化合物を合成する場合は、下記反応式で示される2つの方法が挙げられる。
Figure 0006504377
Figure 0006504377
また、R19とR20が異なる上記式(1)で表される重合性化合物を合成する場合は、下記反応式で示される方法が挙げられる。
Figure 0006504377
そして、V及びWが単結合である上記式(1)で表される重合性化合物を合成する場合は、下記反応式で示される方法が挙げられる。
Figure 0006504377
液晶配向膜や液晶層に電圧を印加しながら紫外線を照射することにより液晶セルを作製する工程(PSA化処理)は、例えば基板上に設置されている電極間に電圧をかけることで液晶配向膜及び液晶層に電界を印加し、この電界を保持したまま紫外線を照射する方法が挙げられる。ここで、電極間にかける電圧としては例えば5〜30Vp−p、好ましくは5〜20Vp−pである。紫外線の照射量は、例えば1〜60J、好ましくは40J以下であり、紫外線照射量が少ないほうが、液晶表示素子を構成する部材の破壊により生じる信頼性低下を抑制でき、かつ紫外線照射時間を減らせることで製造効率が上がるので好適である。また、照射する紫外線の波長は、例えば、200nm〜400nmである。
このように、液晶配向膜や液晶層に電圧を印加しながら紫外線を照射すると、重合性化合物が反応して重合体を形成し、この重合体により液晶分子が傾く方向が記憶されることで、得られる液晶表示素子の応答速度を速くすることができる。
PSA方式では、ODF方式によりモノマー(重合性化合物)を含む液晶を液晶配向膜上に滴下すると、液晶が濡れ拡がる際に、モノマーの分離現象が起こり、この状態でPSA化処理を行うと、液晶のプレチルト角が異なる領域が発生し、配向ムラを生じ易いが、本発明の液晶表示素子においては、上記本発明の液晶配向処理剤を用いているため、配向ムラが抑制されたものとなる。
上記では、液晶配向膜を形成する液晶に重合性化合物を含有させて作製されたPSA方式の液晶表示素子について説明したが、本発明の液晶表示素子は、液晶配向処理剤に活性エネルギー線および熱の少なくとも一方により重合する重合性基を含む成分を含有させて作製されたものであってもよい(SC−PVA方式)。活性エネルギー線および熱の少なくとも一方により重合する重合性基を含む成分は、上記PSA方式と同様な重合性化合物や、活性エネルギー線および熱の少なくとも一方により重合する重合性基を含む重合体である。このようなSC−PVA方式の場合は、上記PSA方式と同様に、液晶セルの液晶配向膜や液晶層に電圧を印加しながら紫外線を照射する工程を有する。このように、液晶配向膜や液晶層に電圧を印加しながら紫外線を照射すると、重合性化合物や重合性基を含む重合体が反応して重合体を形成する等し、これにより液晶分子が傾く方向が記憶されることで、得られる液晶表示素子の応答速度を速くすることができる。
このような本発明の液晶配向処理剤を用いて作製された液晶配向膜を有する液晶表示素子は、配向ムラに伴う配向欠陥が無く、且つ、プレチルト角の熱安定性に優れているため、表示品位の優れた信頼性の高い液晶表示素子となる。特に、大画面で高精細の液晶テレビなどに好適に利用できるものである。
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、これらに限定されるものではない。
合成例、実施例1〜15および比較例1〜5で用いる略語は、以下の通りである。
<テトラカルボン酸成分>
(特定テトラカルボン酸二無水物)
A1:下記の式[A1]で示されるテトラカルボン酸二無水物
Figure 0006504377
(その他テトラカルボン酸二無水物)
A2:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(下記の式[A2]で示されるテトラカルボン酸二無水物)
A3:ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物(下記の式[A3]で示されるテトラカルボン酸二無水物)
A4:下記の式[A4]で示されるテトラカルボン酸二無水物
A5:下記の式[A5]で示されるテトラカルボン酸二無水物
Figure 0006504377
<ジアミン成分>
(側鎖ジアミン化合物)
B1:1,3−ジアミノ−4−〔4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロへキシル)フェノキシ〕ベンゼン(下記の式[B1]で示されるジアミン化合物)
B2:1,3−ジアミノ−5−〔4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロへキシル)フェノキシメチル〕ベンゼン(下記の式[B2]で示されるジアミン化合物)
B3:1,3−ジアミノ−4−{4−〔トランス−4−(トランス−4−n−ペンチルシクロへキシル)シクロへキシル〕フェノキシ}ベンゼン(下記の式[B3]で示されるジアミン化合物)
B4:1,3−ジアミノ−5−{4−〔4−(トランス−4−n−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル〕フェノキシメチル}ベンゼン(下記の式[B4]で示されるジアミン化合物)
B5:下記の式[B5]で示される特定側鎖型ジアミン化合物
Figure 0006504377
Figure 0006504377
Figure 0006504377
(その他ジアミン化合物)
C1:m−フェニレンジアミン(下記の式[C1]で示されるジアミン化合物)
C2:p−フェニレンジアミン(下記の式[C2]で示されるジアミン化合物)
C3:3,5−ジアミノ安息香酸(下記の式[C3]で示されるジアミン化合物)
C4:下記の式[C4]で示されるジアミン化合物
C5:下記の式[C5]で示されるジアミン化合物
C6:1,3−ジアミノ−4−オクタデシルオキシベンゼン(下記の式[C6]で示されるジアミン化合物)
Figure 0006504377
<架橋性化合物>
D1:YH−434L(東都化成製)(エポキシ系架橋性化合物)
D2:OXT−221(東亜合成製)(オキセタン系架橋性化合物)
D3:下記の式で示される架橋性化合物(ヒドロキシル化フェノール系架橋性化合物)
Figure 0006504377
<有機溶媒>
(極性溶媒)
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
NEP:N−エチル−2−ピロリドン
G−BL:γ−ブチロラクトン
(その他の有機溶媒)
BCS:2−ブトキシエタノール
PB:プロピレングリコールモノブチルエーテル
<ポリイミド前駆体およびポリイミドの分子量測定>
合成例におけるポリイミド前駆体およびポリイミドの分子量は、常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(GPC−101)(昭和電工社製)、カラム(KD−803,KD−805)(Shodex社製)を用いて、以下のようにして測定した。
カラム温度:50℃
溶離液:N,N’−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム一水和物(LiBr・HO)が30mmol/L(リットル)、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量;約900,000、150,000、100,000、および30,000)(東ソー社製)およびポリエチレングリコール(分子量;約12,000、4,000、および1,000)(ポリマーラボラトリー社製)。
<ポリイミドのイミド化率の測定>
合成例におけるポリイミドのイミド化率は次のようにして測定した。ポリイミド粉末20mgをNMR(核磁気共鳴)サンプル管(NMRサンプリングチューブスタンダード,φ5(草野科学社製))に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6,0.05質量%TMS(テトラメチルシラン)混合品)(0.53ml)を添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液をNMR測定機(JNW−ECA500)(日本電子データム社製)にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5ppm〜10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
上記式において、xはアミド酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
合成例1〜15のポリアミド酸およびポリイミドを表1に示す。
<合成例1>
A1(3.44g,16.2mmol)、B1(3.70g,9.73mmol)、C1(2.45g,22.7mmol)をNMP(28.1g)中で混合し、40℃で5時間反応させた後、A2(3.18g,16.2mmol)とNMP(23.0g)を加え、40℃で6時間反応させ、固形分濃度が、20.0質量%のポリアミド酸溶液(A)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は11,500、重量平均分子量は38,600であった。
<合成例2>
合成例1で得られた固形分濃度が20.0質量%のポリアミド酸溶液(A)(15.0g)に、NMPを加えて6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.33g)、ピリジン(1.21g)を加え、40℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(350ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(B)を得た。このポリイミドのイミド化率は52%であり、数平均分子量は10,980、重量平均分子量は33,200であった。
<合成例3>
A1(3.31g,15.6mmol)、B1(3.56g,9.36mmol)、C4(2.67g,21.8mmol)をNMP(27.7g)中で混合し、40℃で5時間反応させた後、A2(3.06g,15.6mmol)とNMP(22.7g)を加え、40℃で6時間反応させ、固形分濃度が、20.0質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(20.5g)に、NMPを加えて6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.32g)、ピリジン(1.21g)を加え、40℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(350ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(C)を得た。このポリイミドのイミド化率は72%であり、数平均分子量は11,800、重量平均分子量は32,400であった。
<合成例4>
A1(2.59g,12.2mmol)、B3(3.70g,8.56mmol)、C2(1.72g,15.9mmol)をNMP(24.4g)中で混合し、40℃で5時間反応させた後、A3(3.06g,12.2mmol)とNMP(19.9g)を加え、50℃で5時間反応させ、固形分濃度が20.0質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(15.0g)に、NMPを加えて6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.03g)、ピリジン(1.04g)を加え、40℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(350ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(D)を得た。このポリイミドのイミド化率は51%であり、数平均分子量は12,100、重量平均分子量は35,200であった。
<合成例5>
A1(1.98g,9.35mmol)、B2(4.61g,9.35mmol)、C3(2.13g,14.0mmol)をNMP(25.2g)中で混合し、40℃で5時間反応させた後、A2(2.75g,14.0mmol)とNMP(20.7g)を加え、40℃で6時間反応させ、固形分濃度が20.0質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(15.1g)に、NMPを加えて6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.04g)、ピリジン(1.05g)を加え、40℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(350ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(E)を得た。このポリイミドのイミド化率は70%であり、数平均分子量は13,000、重量平均分子量は34,200であった。
<合成例6>
A1(1.34g,6.29mmol)、B4(2.81g,6.29mmol)、C4(1.79g,14.7mmol)をNMP(19.4g)中で混合し、40℃で5時間反応させた後、A2(2.88g,14.7mmol)とNMP(15.9g)を加え、40℃で6時間反応させ、固形分濃度が20.0質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(15.0g)に、NMPを加えて6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(1.01g)、ピリジン(0.79g)を加え、40℃で1.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(350ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(F)を得た。このポリイミドのイミド化率は52%であり、数平均分子量は14,200、重量平均分子量は35,100であった。
<合成例7>
A1(1.40g,6.60mmol)、B5(3.79g,7.70mmol)、C3(1.84g,12.1mmol)をNMP(22.1g)中で混合し、40℃で5時間反応させた後、A2(3.02g,15.4mmol)とNMP(18.1g)を加え、40℃で6時間反応させ、固形分濃度が20.0質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(15.0g)に、NMPを加えて6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.01g)、ピリジン(1.04g)を加え、40℃で2.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(350ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(G)を得た。このポリイミドのイミド化率は53%であり、数平均分子量は10,800、重量平均分子量は31,100であった。
<合成例8>
A1(2.54g,12.0mmol)、B1(4.56g,12.0mmol)、C2(1.94g,18.0mmol)をNMP(28.7g)中で混合し、40℃で5時間反応させた後、A4(4.03g,18.0mmol)とNMP(28.7g)を加え、40℃で8時間反応させ、固形分濃度が20.0質量%のポリアミド酸溶液(H)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は12,900、重量平均分子量は36,300であった。
<合成例9>
A1(3.22g,15.2mmol)、B5(4.99g,10.1mmol)、C5(5.51g,40.5mmol)をNMP(40.0g)中で混合し、40℃で5時間反応させた後、A4(7.94g,35.4mmol)とNMP(32.7g)を加え、40℃で時間反応させ、固形分濃度が、20.0質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(15.0g)に、NMPを加えて6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.15g)、ピリジン(1.11g)を加え、40℃で1.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(350ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(I)を得た。このポリイミドのイミド化率は50%であり、数平均分子量は12,200、重量平均分子量は33,700であった。
<合成例10>
A1(2.98g,14.1mmol)、B3(6.08g,14.1mmol)、C4(4.00g,32.8mmol)をNMP(50.4g)中で混合し、40℃で5時間反応させた後、A5(9.84g,32.8mmol)とNMP(41.2g)を加え、40℃で8時間反応させ、固形分濃度が、20.0質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(15.0g)に、NMPを加えて6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(1.88g)、ピリジン(1.00g)を加え、40℃で2時間反応させた。この反応溶液をメタノール(350ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(J)を得た。このポリイミドのイミド化率は74%であり、数平均分子量は11,500、重量平均分子量は35,600であった。
<合成例11>
A1(3.40g,16.0mmol)、C6(3.62g,9.61mmol)、C1(2.42g,22.4mmol)をNMP(19.8g)中で混合し、40℃で5時間反応させた後、A2(3.14g,16.0mmol)とNMP(16.2g)を加え、40℃で6時間反応させ、固形分濃度が20.0質量%のポリアミド酸溶液(K)を得た。このポリアミド酸の数平均分子量は12,100、重量平均分子量は32,000であった。
<合成例12>
A1(3.30g,15.6mmol)、C6(3.51g,9.33mmol)、C4(2.66g,21.8mmol)をNMP(19.8g)中で混合し、40℃で5時間反応させた後、A2(3.05g,15.6mmol)とNMP(16.2g)を加え、40℃で6時間反応させ、固形分濃度が20.0質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(15.0g)に、NMPを加えて6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.28g)、ピリジン(1.17g)を加え、40℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(350ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(L)を得た。このポリイミドのイミド化率は73%であり、数平均分子量は12,000、重量平均分子量は29,100であった。
<合成例13>
A2(3.53g,18.0mmol)、B1(2.05g,5.40mmol)、C1(1.36g,12.6mmol)をNMP(30.1g)中で混合し、40℃で8時間反応させ、固形分濃度が20.0質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(15.0g)に、NMPを加えて6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(1.59g)、ピリジン(0.74g)を加え、40℃で2.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(350ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(M)を得た。このポリイミドのイミド化率は50%であり、数平均分子量は14,700、重量平均分子量は40,100であった。
<合成例14>
A3(1.51g,6.05mmol)、B4(2.70g,6.05mmol)、C4(1.73g,14.1mmol)をNMP(19.2g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、A2(2.77g,14.1mmol)とNMP(19.2g)を加え、40℃で6時間反応させ、固形分濃度が、20.0質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(15.0g)に、NMPを加えて6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(2.15g)、ピリジン(1.11g)を加え、40℃で2.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(350ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(N)を得た。このポリイミドのイミド化率は53%であり、数平均分子量は13,800、重量平均分子量は37,700であった。
<合成例15>
A3(3.43g,13.7mmol)、B3(4.15g,9.60mmol)、C2(1.93g,17.8mmol)をNMP(26.8g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、A2(2.69g,13.7mmol)とNMP(22.0g)を加え、40℃で6時間反応させ、固形分濃度が、20.0質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(15.0g)に、NMPを加えて6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.57g)、ピリジン(1.66g)を加え、50℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(350ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、60℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(O)を得た。このポリイミドのイミド化率は52%であり、数平均分子量は15,600、重量平均分子量は32,700であった。
<実施例1>
合成例1で得られた固形分濃度20.0質量%のポリアミド酸溶液(A)(9.03g)、NMP(8.91g)およびBCS(12.0g)を、25℃にて6時間混合して、液晶配向処理剤(1)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<実施例2>
合成例2で得られたポリイミド粉末(B)(1.80g)、NMP(2.72g)、NEP(9.03g)およびBCS(16.5g)を、25℃にて8時間混合して、液晶配向処理剤(2)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<実施例3>
合成例3で得られたポリイミド粉末(C)(1.80g)、NEP(13.2g)、BCS(7.50g)およびPB(7.53g)を、25℃にて8時間混合して、液晶配向処理剤(3)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<実施例4>
合成例4で得られたポリイミド粉末(D)(1.81g)、NMP(7.41g)、NEP(9.10g)、BCS(6.00g)およびPB(6.04g)を、25℃にて8時間混合して、液晶配向処理剤(4)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<実施例5>
合成例5で得られたポリイミド粉末(E)(1.79g)、NMP(4.20g)、NEP(11.9g)およびPB(11.9g)を、25℃にて8時間混合して、液晶配向処理剤(5)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<実施例6>
合成例6で得られたポリイミド粉末(F)(1.80g)、NEP(7.20g)、G−BL(9.06g)およびBCS(12.0g)を、25℃にて8時間混合して、液晶配向処理剤(6)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<実施例7>
合成例7で得られたポリイミド粉末(G)(1.80g)、NEP(13.2g)、G−BL(6.02g)、BCS(6.01g)およびPB(3.00g)を、25℃にて8時間混合して、液晶配向処理剤(7)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<実施例8>
合成例8で得られた固形分濃度20.0質量%のポリアミド酸溶液(H)(9.00g)、G−BL(9.00g)、BCS(6.04g)およびPB(6.00g)を、25℃にて6時間混合して、液晶配向処理剤(8)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<実施例9>
合成例9で得られたポリイミド粉末(I)(1.80g)、NMP(14.7g)およびBCS(13.5g)を、25℃にて8時間混合して、液晶配向処理剤(9)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<実施例10>
合成例10で得られたポリイミド粉末(J)(1.80g)、NMP(1.22g)、NEP(12.0g)、BCS(9.01g)およびPB(6.00g)を、25℃にて8時間混合して、液晶配向処理剤(10)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<実施例11>
合成例2で得られたポリイミド粉末(B)(1.80g)、NMP(1.23g)、NEP(12.0g)、BCS(9.02g)、PB(6.03g)およびD1(0.05g)を、25℃にて8時間混合して、液晶配向処理剤(11)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<実施例12>
合成例3で得られたポリイミド粉末(C)(1.80g)、G−BL(19.2g)、BCS(9.01g)およびD2(0.05g)を、25℃にて8時間混合して、液晶配向処理剤(12)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<実施例13>
合成例3で得られたポリイミド粉末(C)(1.80g)、NMP(8.70g)、G−BL(9.00g)、BCS(9.01g)、PB(9.00g)およびD3(0.05g)を、25℃にて8時間混合して、液晶配向処理剤(13)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<実施例14>
合成例2で得られたポリイミド粉末(B)(1.05g)、NMP(2.00g)、G−BL(9.02g)、BCS(9.02g)およびPB(9.02g)を、25℃にて8時間混合して、液晶配向処理剤(14)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<実施例15>
合成例3で得られたポリイミド粉末(C)(1.06g)、NMP(5.01g)、NEP(9.10g)、BCS(7.60g)およびPB(7.60g)を、25℃にて8時間混合して、液晶配向処理剤(15)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<比較例1>
合成例11で得られた固形分濃度19.9質量%のポリアミド酸溶液(K)(9.03g)、NMP(9.30g)およびBCS(12.2g)を、25℃にて6時間混合して、液晶配向処理剤(16)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<比較例2>
合成例12で得られたポリイミド粉末(L)(1.80g)、NEP(13.2g)、BCS(7.52g)およびPB(7.50g)を、25℃にて8時間混合して、液晶配向処理剤(17)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<比較例3>
合成例13で得られたポリイミド粉末(M)(1.80g)、NMP(2.71g)NEP(9.00g)およびBCS(16.5g)を、25℃にて8時間混合して、液晶配向処理剤(18)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<比較例4>
合成例14で得られたポリイミド粉末(N)(1.80g)、NEP(7.25g)、G−BL(9.06g)およびBCS(12.0g)を、25℃にて8時間混合して、液晶配向処理剤(19)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
<比較例5>
合成例15で得られたポリイミド粉末(O)(1.80g)、NMP(7.19g)、NEP(9.00g)、BCS(6.00g)およびPB(5.99g)を、25℃にて8時間混合して、液晶配向処理剤(20)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
実施例1〜15および比較例1〜5で得られた液晶配向処理剤を用い、「液晶セルの作製(通常セル)」、「プレチルト角の熱耐性の評価(通常セル)」、「電気特性(電圧保持率)の評価(通常セル)」、「液晶セルの作製およびモノマーの分散性の評価(PSAセル)」を行った。その条件は、下記のとおりである。
<液晶セルの作製およびプレチルト角(垂直配向性)の熱耐性の評価(通常セル)>
実施例1〜15および比較例1〜5で得られた液晶配向処理剤を、30×40mmITO電極付き基板のITO面にスピンコートし、ホットプレート上にて80℃で5分間、熱循環型クリーンオーブン中にて230℃で30分間加熱処理をして膜厚100nmの液晶配向膜(ポリイミド膜)付きの基板を得た。
得られたポリイミド膜面を、ロール径120mmのラビング装置を用いて、ロール回転数300rpm、ロール進行速度20mm/sec、押し込み量0.2mmの条件で、レーヨン布でラビング処理して、液晶配向膜付き基板を得た。
このラビング処理後の液晶配向膜付き基板を2枚用意し、液晶配向膜面を内側にして40μmのスペーサーを挟み、ラビング方向が逆向きになるようにして組み合わせ、シール剤で周囲を接着して空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−2003(メルク・ジャパン社製)を注入し、注入口を封止して、アンチパラレル配向のネマティック液晶セルを得た。
上記で作製した液晶セルのプレチルト角を測定した。またこの液晶セルを、熱循環型オーブン中にて120℃で24時間加熱した後、プレチルト角を測定した。なお、チルト測定装置(ELSICON社製 モデルPAS−301)を用いて行った。結果を表2に示す。
<液晶セルの作製および電気特性の評価(通常セル)>
実施例1〜5、比較例3及び5で得られた液晶配向処理剤を、30×40mmITO電極付き基板のITO面にスピンコートし、ホットプレート上にて80℃で5分間、熱循環型クリーンオーブン中にて230℃で30分間加熱処理をして膜厚100nmのポリイミド液晶配向膜付きの基板を得た。
得られた液晶配向膜付きの基板を2枚用意し、液晶配向膜面を内側にして6μmのスペーサーを挟んで組み合わせ、シール剤で周囲を接着して空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、MLC−6608(メルク・ジャパン製)を注入し、注入口を封止して、ネマティック液晶セルを得た。
上記で作製した液晶セルに、80℃の温度下で1Vの電圧を60μm印加し、16.67ms後、および50ms後の電圧を測定し、電圧がどのくらい保持できているかを電圧保持率(VHR)として計算した。なお、測定は、VHR−1電圧保持率測定装置(東陽テクニカ製)を使用し、Voltage:±1V、Pulse Width:60μs、Flame Period:16.67ms又は50msの設定で行った。電圧保持率の測定が終了した液晶セルに、365nm換算で50J/cmの紫外線を照射した後、上記と同様の条件にて、電圧保持率の測定を行った。なお、紫外線照射は、卓上型UV硬化装置(HCT3B28HEX−1)(センライト製(SEN LIGHT CORPORATION))を用いて行った。結果を表3に示す。
<液晶セルの作製およびモノマー分散性の評価(PSAセル)>
実施例1〜8、実施例12〜15および比較例1〜5で得られた液晶配向処理剤を細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、−15℃にて48時間保管した溶液を用いて、モノマー分散性の評価(PSAセル)を行った。この溶液を、純水およびイソプロピルアルコール(IPA)にて洗浄した中心に10×10mmのパターン間隔20μmのITO電極付き基板(縦40mm×横30mm、厚さ0.7mm)と中心に10×40mmのITO電極付き基板(縦40mm×横30mm、厚さ0.7mm)のITO面にスピンコートし、ホットプレート上にて100℃で5分間加熱処理をして膜厚が100nmのポリイミド塗膜を得た。塗膜面を純水にて洗浄した後、熱循環型クリーンオーブン中にて100℃で15分間加熱処理をして、液晶配向膜付き基板を得た。
この液晶配向膜付き基板の液晶配向膜面上に、4μmのスペーサーを固着させ、ネマティック液晶(MLC−6608)(メルク・ジャパン社製)に、下記の式で示される重合性化合物(モノマーともいわれる)(1)を、ネマティック液晶(MLC−6608)の100質量%に対して重合性化合物(1)を0.7質量%混合した液晶を1点滴下し、パネルを張り合わせて、シール剤で周囲を接着してモノマー分散性評価用の液晶セルを得た。
Figure 0006504377
Figure 0006504377
液晶セル中に存在するモノマーが存在する箇所は抵抗が低下するため、得られた液晶セルに交流5Vの電圧を印加することで、液晶セル内のモノマーの分散領域は黒く表示される。電圧印加の際に発生する黒表示の円の大きさを測定することで、モノマーの分散性が評価できる。電圧印加の際に発生する黒表示の円の直径の測定した結果を表2に示す。
また、実施例9〜11で得られた液晶配向処理剤について、重合性化合物(1)のかわりに重合性化合物(2)を用いた以外は、上記と同様にして、モノマーの分散性の評価を行った。
<液晶配向処理剤のインクジェット塗布性の評価>
本発明の実施例14で得られた液晶配向処理剤(14)及び実施例15で得られた液晶配向処理剤(15)を細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、インクジェット塗布性の評価を行った。インクジェット塗布機には、HIS−200(日立プラントテクノロジー社製)を用いた。塗布は、純水およびIPAにて洗浄を行ったITO(酸化インジウムスズ)蒸着基板上に、塗布面積が70×70mm、ノズルピッチが0.423mm、スキャンピッチが0.5mm、塗布速度が40mm/秒、塗布から仮乾燥までの時間が60秒、仮乾燥がホットプレート上にて70℃で5分間の条件で行った。この結果、いずれの実施例とも、得られた液晶配向膜上に、はじきやピンホールは見られず、均一に塗布された液晶配向膜が得られた。
上記の結果からわかるように、実施例1〜実施例15の液晶配向処理剤から得られた液晶配向膜は、比較例1〜比較例5の液晶配向処理剤から得られた液晶配向膜に比べて、モノマーの分散が広い。したがって、実施例1〜15は、疎水性が高く、配向ムラが少ないと言える。なお、実施例3とB1の代わりにC6を用いた以外は実施例3と同様である比較例2とを比較すると、実施例3はモノマーの分散性が非常に広いと言える。また、液晶配向性の評価において、実施例1〜実施例15の液晶配向処理剤から得られた液晶配向膜は、比較例1〜比較例5の液晶配向処理剤から得られた液晶配向膜に比べて、プレチルト角の加熱前後での変化が小さく、プレチルト角の耐熱性に優れているといえる。
そして、特定テトラカルボン酸二無水物を含まない比較例3〜比較例5または特定側鎖型ジアミン化合物を含まない比較例1、比較例2は、モノマーの拡がりが狭く、プレチルト角の耐熱性も悪かった。
また、表3からわかるように、実施例の液晶配向処理剤から得られた液晶セルは、紫外線に曝された後であっても、電圧保持率の低下が小さい。具体的には、例えば、実施例1とA1とを用いない以外は実施例1と同様の構成である比較例3との比較、または、実施例4とA1の代わりにA3を用いた以外は実施例4と同様である比較例5との比較である。このように、本発明の液晶配向処理剤を用いることにより、電圧保持率が光耐性に優れている液晶表示素子とすることができる。これは、本発明の液晶配向処理剤は[1]で示されるテトラカルボン酸二無水物を原料とする重合体(ポリイミドやポリイミド前駆体)を含有するため、液晶配向膜を形成する際の焼成において、[1]で示されるテトラカルボン酸二無水物に由来する構造が重合体を架橋等することにより重合体分子間でもイミド化が生じるため、電圧保持率が光耐性に優れているものと推測される。
Figure 0006504377
Figure 0006504377
Figure 0006504377
本発明の液晶配向処理剤は、配向ムラが改善され、且つプレチルト角の耐熱性に優れた液晶配向膜を得ることができる。よって、本発明の液晶配向処理剤から得られた液晶配向膜を有する液晶表示素子は、信頼性に優れたものとなり、大画面で高精細の液晶テレビなどに好適に利用でき、TN素子、STN素子、TFT液晶素子、特に垂直配向型の液晶表示素子に有用である。

Claims (1)

  1. 下記の式[1]で示されるテトラカルボン酸二無水物と下記の式(A2)及び(A4)で示されるテトラカルボン酸無水物の少なくとも一方とを含むテトラカルボン酸成分と下記の式[2b−11]および式[2b−12]で示されるジアミン化合物を含むジアミン成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体、および該ポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドから選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする重合体。
    Figure 0006504377
    Figure 0006504377
    Figure 0006504377
    (式[2b−11]および式[2b−12]中、R は炭素数3〜12のアルキル基を示す。なお、1,4-シクロヘキシレンのシス−トランス異性は、それぞれトランス異性体が好ましい。)
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