JP6501374B1 - ドリル - Google Patents

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Abstract

【課題】ドリル貫通の際に、穿孔している被削材の孔内周部から亀裂が発生したり、被削材が変形したりする虞が少なく、且つデラミネーションが生じる虞の少ないドリルを提供する。
【解決手段】本発明に係るドリルは、回転軸対称に形成された2つの切刃を有し、各切刃が、ドリル先端からドリル外周側に向けて形成され、曲線を含む形状となる主切刃を有するドリルであって、前記主切刃よりドリル先端側に形成され、曲線を含む形状となるシンニング切刃と、前記シンニング切刃よりドリル外周側に形成され、曲線を含む形状となるU字形切刃とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ドリルに関し、特にハンドドリルやボール盤等を使用して穴をあける際に好適に使用されるドリルに関する。
近年、マシニングセンター等の工作機械に使用されるドリルについては、無人で加工を行うことができる工作機械である全自動機が主流となってきていることから、全自動機に対応するドリルが数多く開発され販売されている。
しかし、ハンドドリルやボール盤等の穴あけ時に作業者の力が必要な装置に使用されるドリルについては、積極的な研究開発が行われることがなく、数十年に亘って同じ様な形状のドリルが用いられているのが現状である。
ハンドドリルやボール盤等で使用されるドリルは、作業者の腕の力を利用して穴あけを行うため、切削抵抗が大きいと穴あけが困難となる。
しかし、このようなドリルについては、ドリル自体の強度や剛性を確保することが先決であると考えられており、加えてドリルを購入した作業者が自分の好みにドリルを研磨して使用していたという実状もあって、ドリルメーカーにおいて切削抵抗を低減させるための研究は殆どなされていなかった。
本出願人は下記特許文献1において、高硬度の鋼板を使用した自動車の車体のスポット溶接部を剥離するために好適に用いられるドリルを提案している。
このドリルは、回転軸対称に2枚の切刃を有し、先端部にシンニングが施されているドリルであって、チゼル幅が0.05mm〜0.3mmであり且つシンニングがドリル先端側から見た場合において両切刃の刃先を結んだ直線に対して1°〜4°傾いた角度で施されているものである。
このドリルによれば、チゼル幅が狭く且つシンニングの傾斜角が角度1°〜4°で形成されていることにより、切削時のスラスト抵抗が小さく、作業者が加える力が少なくて済む。
しかしながら、このドリルは、高硬度の鋼板に対応するためにシンニングにより形成されるすくい角を90°より大きく設定している。
そのため、中心部の切削力が弱く、ハンドドリルでの穴あけ作業時においてワークが中心から外周刃にかかるまでの間はかなりの力が必要となる。
また、チゼル幅が非常に狭いために、使用時に先端が欠けてしまう虞があり、特に粉末高速度鋼を材料とするドリルでは、脆くなるために一層先端が欠け易くなる。
そこで、本出願人は下記特許文献2において、切削抵抗を大幅に低減することができ、ハンドドリルやボール盤等を使用した人力による穴あけ作業を容易に行うことが可能であるドリルを提案している。
このドリルは、回転軸対称に2枚の切刃を有し、先端部にシンニングが施されているドリルであって、主切刃により形成されたすくい角θと、シンニング切刃により形成されたすくい角θとがチゼルの直下を除いて、θ>θ>0°を満たすものである。
特開2006−88267号公報 特開2012−192514号公報
特許文献2に記載のドリル(101)は、シンニング切刃(103)から開始された穿孔時の切削が主切刃(104)に掛かる際に、すくい角の変動があり、緩やかなすくいによって安定した切削が行なわれていたものが、主切刃(104)の内側エッジ部(105)に掛かった途端にすくい角が急激に大きくなり、ドリル外周側に進むに従ってさらに増大し、外周部(106)では捩れ角と同じになる(図17参照)。
この結果、ドリル貫通の際に、薄い板やアクリル等の被削材では、穿孔している被削材の孔内周部から亀裂が発生したり、被削材が変形したりすることがしばしば起こるという問題があった。
この現象は、例えば炭素繊維強化プラスチック(以下CFRP)の様に積層された被削材の場合、孔貫通時の層間剥離現象(デラミネーション)を誘引し、図17の従来のドリルでCFRPを穿孔すると、デラミネーションが生じるという問題があった。
上記問題は、ドリルの捩れ角(=すくい角/外周部)が30°前後の一般的なドリルでは起こり得ることである。
この現象は、ドリルの捩れ角を緩やかにすることで解消されるものの、切屑の排出等の別の問題が発生し、ドリル自体の切れ味が低下する虞もあり、単に捩れ角を緩やかにするだけではこれらの問題を解決することはできない。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ドリルの主切刃部分にU字状の溝を入れることで上記問題を解消できることを見出した。
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、ドリル貫通の際に、穿孔している被削材の孔内周部から亀裂が発生したり、被削材が変形したりする虞が少なく、且つデラミネーションが生じる虞の少ないドリルを提供するものである。
請求項1に係る発明は、回転軸対称に形成された2つの切刃を有し、
各切刃が、ドリル先端からドリル外周側に向けて形成され、ドリル先端側から見たとき曲線を含む形状となる主切刃を有するドリルであって、
前記主切刃よりドリル先端側に形成され、ドリル先端側から見たとき曲線を含む形状となるシンニング切刃と、
前記シンニング切刃よりドリル外周側に形成され、ドリル先端側から見たとき曲線を含む形状となるU字形切刃と
回転軸対称に形成された2つの逃げ面とを有し、
前記逃げ面には、ドリル先端側から見たとき曲線を含む形状となる背溝が形成されることで、第一マージン部、及び、当該第一マージン部のヒール側となる第二マージン部が形成されており、
前記第二マージン部には、第二マージン部切刃が形成されており、
前記主切刃の外周及び前記第二マージン部切刃の外周には、複数の外周溝が形成されており、
前記複数の外周溝の各溝は、前記主切刃の外周に設けられた溝と前記第二マージン部切刃の外周に設けられた溝が前記ドリルの長手方向において交互になるように配置されていることを特徴とするドリルに関する。
請求項2に係る発明は、前記U字形切刃は、ドリル外周部に接して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のドリルに関する。
請求項3に係る発明は、前記U字形切刃は、前記シンニング切刃と隣接するとともに半径方向外周側に並ぶように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のドリルに関する。
請求項1に係る発明によれば、ドリルが、主切刃よりドリル先端側に形成され、曲線を含む形状となるシンニング切刃と、シンニング切刃よりドリル外周側に形成され、曲線を含む形状となるU字形切刃とを有することにより、ステンレス等の鋼系材料の切削は元より、薄板や軟らかい材質や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に対する切削においても、切削抵抗を大幅に低減することができ、ハンドドリルや手動のボール盤等を使用して穴あけ作業を容易に行うことが可能なドリルを提供することができる。また、切削抵抗が低減されることで、穴あけ精度が向上し、穴あけ時間が短縮するため作業効率が向上する。さらにドリルの寿命を大幅に延ばすことも可能となる。
すなわち、ドリル貫通の際に、穿孔している被削材の孔内周部から亀裂が発生したり、薄板が変形したりする虞がなく、且つデラミネーションを誘引する虞のないドリルとすることができる。
また、請求項1に係る発明によれば、回転軸対称に形成された2つの逃げ面を有し、逃げ面には、ドリル先端側から見たとき曲線を含む形状となる背溝が形成されることで、第一マージン部、及び、第一マージン部のヒール側となる第二マージン部を有することにより、ドリル貫通の際に、穿孔している被削材の孔内周部からの亀裂の発生や、薄板の変形をより容易に防止でき、且つデラミネーションをより容易に防止できる。
加えて、請求項1に係る発明によれば、第二マージン部には、第二マージン部切刃が形成されているため、切削時の僅かな弾性変形によって切除し難い部分を切除することができ、より容易にデラミネーションを防止できる。
さらに、請求項1に係る発明によれば、主切刃の外周及び第二マージン部切刃の外周には、複数の外周溝が形成されているため、切削時の発熱を抑えることができ、切削時の発熱による加工穴の変形や被削物の材質の変性を防止することができる。
請求項2に係る発明によれば、U字形切刃は、ドリル外周部に接して形成されているため、切削力の向上と、切削抵抗の削減とを図ることができる。加えて、ドリルの摩耗を進行し難くすることができ、ドリルの寿命を大幅に延ばすことができる。
請求項3に係る発明によれば、U字形切刃は、シンニング切刃と隣接するとともに半径方向外周側に並ぶように形成されているため、切削力の向上と、切削抵抗の削減とを図ることができる。加えて、ドリルの摩耗を進行し難くすることができ、ドリルの寿命を大幅に延ばすことができる。
第一実施形態に係るドリルの上面図(ドリルを先端側から見た図)である。 第一実施形態に係るドリルの正面図(側面図)である。 第二実施形態に係るドリルの上面図(ドリルを先端側から見た図)である。 第二実施形態に係るドリルの正面図(側面図)である。 第三実施形態に係るドリルの上面図(ドリルを先端側から見た図)である。 第三実施形態に係るドリルの正面図(側面図)である。 第四実施形態に係るドリルの上面図(ドリルを先端側から見た図)である。 第四実施形態に係るドリルの正面図(側面図)である。 第五実施形態に係るドリルの上面図(ドリルを先端側から見た図)である。 第五実施形態に係るドリルの正面図(側面図)である。 第六実施形態に係るドリルの上面図(ドリルを先端側から見た図)である。 第六実施形態に係るドリルの正面図(側面図)である。 第七実施形態に係るドリルの上面図(ドリルを先端側から見た図)である。 第七実施形態に係るドリルの正面図(側面図)である。 第七実施形態に係るドリルの正面図(側面図)の要部拡大図である。 第七実施形態のその他の例に係るドリルの正面図(側面図)である。 従来のドリルの正面図(側面図)である。
以下、本発明に係るドリルの好適な実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
<第一実施形態>
図1は、第一実施形態に係るドリルの上面図(ドリルを先端側から見た図)、図2は、第一実施形態に係るドリルの正面図(側面図)である。
第一実施形態に係るドリル(1)は、鉛直方向に中心軸を有する直径φの略円柱体を呈している。
ドリル(1)の材質としては、例えばJIS・SKH40(粉末ハイス鋼)や超硬合金等が挙げられ、ドリル(1)の硬度は、JIS・SKH40の場合はHRC66〜68であることが好ましく、超硬合金の場合はHRA90程度であることが好ましい。
ドリル(1)の上半部は、回転軸対称に形成された2つの切刃を有し、先端部に2つの略U字状のシンニングが施されている。
尚、シンニングとは、ドリルの心厚部に切れ刃を形成する研磨のことを指す。シンニングによりチゼルの心厚だけを少し落とし、負のすくい角として切れ刃を形成することができる。
ドリル(1)の上半部には、切削孔が曲がって形成されないように案内の役割を担うマージン部(M)が形成されていることが望ましい。
マージン部(M)が形成されることにより、曲線を含む形状となる背溝(BC)が形成される。
ドリル(1)の下半部は、ハンドドリルやボール盤等に取付け取外し可能となるように形成されている。
各切刃は、ドリル先端側から見たとき、ドリル中央部に形成されたチゼル(2)のチゼルエッジ(2E)からドリル外周側に向けて曲線を含む形状に延びるシンニング切刃(3)と、シンニング切刃(3)の端部(3E)からドリル外周部(O)まで延びる主切刃(4)と、シンニング切刃(3)よりドリル外周側に形成されて曲線を含む形状となるU字形切刃(5)とからなる。
なお、図示例において、主切刃(4)は、U字形切刃(5)の端部(5E)からドリル外周部(O)(すなわち、ドリル径(6))まで直線状に延びているが、曲線状に延びていてもよいし、直線状部分と曲線状部分とを含む線状に延びていてもよい。これは本発明の全ての実施形態に共通する。
また、主切刃(4)は鉛直方向に対してすくい角θを有するように形成されている。
尚、図1および図2中の符号(7)は、逃げ面を指す。
チゼル(2)のチゼル幅(2W)は、ハンドドリル等の人力で被削材に押し付けるドリルの場合であっても、容易に被削材を切れるようにするために小さく設定されていることが好ましい。
具体的には、ドリル直径φの10%以下に設定されていることが好ましい。
例えば、ドリル直径φが2mm〜13mmの場合、チゼル幅(2W)はドリル直径の増減に応じて0.1mm〜1.3mmの範囲で増減させて設定される。
第一実施形態に係るドリル(1)において、鉛直方向に対する主切刃(4)の捩れ角δは10°〜30°を満たすように設定されており、より好ましくは18°に設定されている。
捩れ角δが10°未満、あるいは30°を超えるように設定すると、切屑を排出し難くなり、ドリルの切れ味が低下するため好ましくない。
捩れ角を10°〜30°を満たすように設定すると、切屑の排出を容易にでき且つドリルの切れ味を向上させることができる。
それゆえに、捩れ角δは18°前後に設定することが好ましい。
シンニング切刃(3)は、切屑排出溝(8)の捩れ方向に沿うように傾斜させて設けることが望ましい。
ドリル先端部に施されたシンニング面(3S)は、略U字状となっており、シンニング面(3S)が鉛直方向に対して傾斜角3γを有し、δ≦3γを満たし、さらにシンニング面(3S)の傾斜角3γは、15°〜40°の範囲(例えば25°)に設定されていることが好ましい。
また、シンニング切刃(3)は鉛直方向に対してすくい角θを有するように形成されている。
U字形切刃(5)は、シンニング切刃(3)と同様に、切屑排出溝(8)の捩れ方向に沿うように傾斜させて設けることが望ましい。
第一実施形態に係るドリル(1)において、U字形切刃(5)はシンニング切刃(3)に接した状態で設けられる。
先端部に施されたU字形切刃の面(5S)は、略U字状となっており、U字形切刃の面(5S)が鉛直方向に対して傾斜角5γを有し、δ≦5γを満たし、さらにU字形切刃の面(5S)の傾斜角5γは、15°〜40°の範囲(例えば25°)に設定されていることが好ましい。
また、U字形切刃(5)は鉛直方向に対してすくい角θを有するように形成されている。
U字形切刃(5)をシンニング切刃(3)に接した状態で設けることにより、切削時に生じる急激なすくい角の増加を防ぐことができる。
第一実施形態に係るドリル(1)において、シンニング切刃(3)のすくい角θは、0°以上で主切刃(4)のすくい角θより小さく、U字形切刃(5)のすくい角θは、シンニング切刃(3)のすくい角θと同等あるいは少し大きく設定することが望ましい。
すなわち、これらのすくい角の関係は、θ>θ≧θ>0°となる。
但し、チゼル(2)の直下のみでθ≒0°(ほぼ0°に近いθ<0°)となる。
また、主切刃(4)により形成された刃先角αと、シンニング切刃(3)により形成された刃先角αとは、α≦α<90°を満たすことが望ましい。
主切刃(4)はドリル外周寄りに残っているため、主切刃(4)のすくい角θは捩れ角δとほぼ同等となり、被削材が比較的厚い場合、例えば金属等の場合、第一実施形態に係るドリル(1)は特に好結果を得ることができる。
逃げ面(7)は、水平面に対して逃げ角βを有し、逃げ角βは0°<β<10°を満たすように設定されていることが好ましい。より好ましくは0°<β≦6°を満たすように設定されている。
以上のように、シンニング切刃(3)と主切刃(4)とU字形切刃(5)とを有する第一実施形態に係るドリル(1)は、ステンレス等の鋼系材料の切削は元より、薄板や軟らかい材質や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に対する切削においても、切削抵抗を大幅に低減することができ、ハンドドリルや手動のボール盤等を使用して穴あけ作業を容易に行うことが可能なドリルを提供することができる。
また、切削抵抗が低減されることで、穴あけ精度が向上し、穴あけ時間が短縮するため作業効率が向上する。さらにドリルの寿命を大幅に延ばすことも可能となる。
<第二実施形態>
図3は、第二実施形態に係るドリルの上面図(ドリルを先端側から見た図)、図4は、第二実施形態に係るドリルの正面図(側面図)である。
なお、図3及び図4において、図1及び図2に示すドリルと同じ構成要素については同じ符号を付している。
第二実施形態に係るドリル(11)では、U字形切刃(5)はドリル外周部(O)近傍に(すなわち、ドリル外周部(O)に接して)設けられている。
U字形切刃(5)は外周切刃(CE)に繋がっており、U字形切刃(5)を設けたことにより外周切刃(CE)は鋭くなるが、すくい角はU字形切刃(5)から残された部分(RP)以外は緩やかになる。
U字形切刃(5)をドリル外周部(O)に接した状態で設けることにより、被削材の穿孔時に、ドリル外周に進むにつれて急激に増加するすくい角の増加を防ぐことができる。
第二実施形態に係るドリル(11)において、シンニング切刃(3)のすくい角θは、0°以上で主切刃(4)のすくい角θより小さく、U字形切刃(5)のすくい角θは、シンニング切刃(3)と同等あるいは少し大きく設定することが望ましい。
すなわち、これらのすくい角の関係は、θ>θ≧θ>0°となる。
第二実施形態に係るドリル(11)において、外周切刃(CE)は、回転方向に対して鋭い形状が形成されるが、U字形切刃(5)のすくい角θは緩やかで、外周切刃(CE)に達すると捩れ角δと一致したすくい角となる。
第二実施形態に係るドリル(11)は上記構成を備えることにより、特にCFRPの加工時により好ましい結果を得ることができる。
より具体的には、上記形状により、ドリル外周部(O)で炭素繊維を切り除く作用が生まれること、及びドリル外周部(O)を除く切刃のすくい角が緩やかになること等により、ドリル(11)の切削力が大幅に向上すると共に、被削材の孔貫通部付近に於いて炭素繊維の毛羽立ち、デラミネーション等のCFRP等の被削材の穿孔時の問題が解消される。
なお、第二実施形態に係るドリル(11)は、上記した構成及びU字形切刃の面(5S)の傾斜角5γ以外は第一実施形態に係るドリル(1)と同じ構成を具備している。
U字形切刃の面(5S)の傾斜角5γは外周切刃に干渉しない様、δ>5γに設定する。
以上のように、シンニング切刃(3)と主切刃(4)とU字形切刃(5)とを有する第二実施形態に係るドリル(11)は、ステンレス等の鋼系材料の切削は元より、薄板や軟らかい材質や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に対する切削においても、切削抵抗を大幅に低減することができ、ハンドドリルや手動のボール盤等を使用して穴あけ作業を容易に行うことが可能なドリルを提供することができる。
また、切削抵抗が低減されることで、穴あけ精度が向上し、穴あけ時間が短縮するため作業効率が向上する。さらにドリルの寿命を大幅に延ばすことも可能となる。
<第三実施形態>
図5は、第三実施形態に係るドリルの上面図(ドリルを先端側から見た図)、図6は、第三実施形態に係るドリルの正面図(側面図)である。
なお、図5及び図6において、図1及び図2に示すドリルと同じ構成要素については同じ符号を付している。
第三実施形態に係るドリル(21)では、U字形切刃(5)は、シンニング切刃(3)に隣接するとともに半径方向外周側に並ぶように形成されている。すなわち、U字形切刃(5)は、主切刃(4)全体に設けられている。
U字形切刃(5)は外周切刃(CE)とシンニング切刃(3)に接しており、外周切刃(CE)は鋭くなるが、主切刃(4)と入れ替わったU字形切刃(5)のすくい角θは緩やかになる。
U字形切刃(5)を主切刃(4)全体に設けることにより、すくい角の急激な増加を防ぐことができる。
第三実施形態に係るドリル(21)において、シンニング切刃(3)のすくい角θは、0°以上で主切刃(4)のすくい角θより小さく、U字形切刃(5)のすくい角θは、シンニング切刃と同等あるいは少し大きく設定することが望ましい。
すなわち、これらのすくい角の関係は、θ>θ≧θ>0°となる。
第三実施形態に係るドリル(21)において、外周切刃(CE)から溝部にかけてすくいが形成されている部分(U字形切刃(5)から残された部分(RP))のすくい角は、概ね捩れ角δと一致する。
第三実施形態に係るドリル(21)は上記構成を備えることにより、特にCFRPの加工時により好ましい結果を得ることができる。
より具体的には、上記形状により、ドリル外周部(O)で炭素繊維を切り除く作用が生まれること、及び、ドリル外周部(O)を除く切刃のすくい角が緩やかになること等により、ドリル(21)の切削力が大幅に向上すると共に、孔貫通部付近に於いて炭素繊維の毛羽立ち、デラミネーション等のCFRP等の被削材の穿孔時の問題が解消される。
なお、第三実施形態に係るドリル(21)は、上記した構成以外は第一実施形態に係るドリル(1)と同じ構成を具備している。
以上のように、シンニング切刃(3)と主切刃(4)全体に設けられたU字形切刃(5)とを有する第三実施形態に係るドリル(21)は、ステンレス等の鋼系材料の切削は元より、薄板や軟らかい材質や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に対する切削においても、切削抵抗を大幅に低減することができ、ハンドドリルや手動のボール盤等を使用して穴あけ作業を容易に行うことが可能なドリルを提供することができる。
また、切削抵抗が低減されることで、穴あけ精度が向上し、穴あけ時間が短縮するため作業効率が向上する。さらにドリルの寿命を大幅に延ばすことも可能となる。
<第四実施形態>
図7は、第四実施形態に係るドリルの上面図(ドリルを先端側から見た図)、図8は、第四実施形態に係るドリルの正面図(側面図)である。
なお、図7及び図8において、図1及び図2に示すドリルと同じ構成要素については同じ符号を付している。
第四実施形態に係るドリル(31)では、第一実施形態に係るドリルと同様に、U字形切刃(5)がシンニング切刃(3)に接した状態で設けられている。
第四実施形態に係るドリル(31)は、回転軸対称に形成された2つの逃げ面(7)を有し、2つの逃げ面(7)にはそれぞれ曲線を含む形状となる背溝(BC)が形成されている。
これにより、ドリル外周部(O)をダブルマージン形状(すなわち、第一マージン部(M1)と第二マージン部(M2)が設けられている)とし、ヒール側に配した第二マージン部(M2)にも切刃(第二マージン部切刃(M2C))を設け、実質4枚刃形状とすることで、CFRP等の被削物の穿孔時におけるデラミネーションの発生をより容易に防止することができる。
なお、図7〜図8に示す如く、第一マージン部(M1)および第二マージン部(M2)には、被削物との不必要な摩擦を避けるために、第一マージン逃げ部(M17)および第二マージン逃げ部(M27)が設けられていることが望ましい。
なお、第四実施形態に係るドリル(31)は、上記した構成以外は第一実施形態に係るドリル(1)と同じ構成を具備している。
以上のように、シンニング切刃(3)と主切刃(4)とU字形切刃(5)とを有し、ダブルマージン形状である第四実施形態に係るドリル(31)は、ステンレス等の鋼系材料の切削は元より、薄板や軟らかい材質や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に対する切削においても、切削抵抗を大幅に低減することができ、ハンドドリルや手動のボール盤等を使用して穴あけ作業を容易に行うことが可能なドリルを提供することができる。
また、切削抵抗が低減されることで、穴あけ精度が向上し、穴あけ時間が短縮するため作業効率が向上する。さらにドリルの寿命を大幅に延ばすことも可能となる。
<第五実施形態>
図9は、第五実施形態に係るドリルの上面図(ドリルを先端側から見た図)、図10は、第五実施形態に係るドリルの正面図(側面図)である。
なお、図9及び図10において、図7及び図8に示すドリルと同じ構成要素については同じ符号を付している。
第五実施形態に係るドリル(41)では、第二実施形態に係るドリルと同様に、U字形切刃(5)はドリル外周部(O)に接した状態で設けられている。
U字形切刃(5)は外周切刃(CE)に繋がっており、U字形切刃(5)を設けたことにより外周切刃(CE)は鋭くなるが、すくい角はU字形切刃(5)から残された部分(RP)以外は緩やかになる。
U字形切刃(5)をドリル外周部(O)に接した状態で設けることにより、被削材の穿孔時に、ドリル外周に進むにつれて急激に増加するすくい角の増加を防ぐことができる。
第五実施形態に係るドリル(41)では、ドリル外周部(O)をダブルマージン形状(すなわち、第一マージン部(M1)と第二マージン部(M2)が設けられている)とし、ヒール側に配した第二マージン部(M2)にも切刃(第二マージン部切刃(M2C))を設け、実質4枚刃形状とすることで、CFRP等の被削物の穿孔時におけるデラミネーションの発生をより容易に防止することができる。
なお、図9〜図10に示す如く、第一マージン部(M1)および第二マージン部(M2)には、被削物との不必要な摩擦を避けるために、第一マージン逃げ部(M17)および第二マージン逃げ部(M27)が設けられていることが望ましい。
第五実施形態に係るドリル(41)において、シンニング切刃(3)のすくい角θは、0°以上で主切刃(4)のすくい角θより小さく、U字形切刃(5)のすくい角θは、シンニング切刃(3)と同等あるいは少し大きく設定することが望ましい。
すなわち、これらのすくい角の関係は、θ>θ≧θ>0°となる。
第五実施形態に係るドリル(41)では、外周切刃(CE)により切削された部分を、第二マージン部切刃(M2C)が続いて切削を行なうことで、切削時の僅かな弾性変形によって切除できない部分を切除することができ、デラミネーション等のCFRP等の被削物の穿孔時に生じる問題を解消することができる。
なお、第五実施形態に係るドリル(41)は、上記した構成以外は第二実施形態に係るドリル(11)と同じ構成を具備している。
U字形切刃の面(5S)の傾斜角5γは外周切刃に干渉しない様、δ>5γに設定する。
第五実施形態に係るドリル(41)において、外周切刃(CE)は、回転方向に対して鋭い形状が形成されるが、U字形切刃(5)のすくい角θは緩やかで、外周切刃(CE)に達すると捩れ角δと一致したすくい角となる。
第五実施形態に係るドリル(41)は上記構成を備えることにより、特にCFRPの加工時により好ましい結果を得ることができる。
より具体的には、上記形状により、ドリル外周部(O)で炭素繊維を切り除く作用が生まれること、及びドリル外周部(O)を除く切刃のすくい角が緩やかになること等により、ドリル(41)の切削力が大幅に向上すると共に、被削材の孔貫通部付近に於いて炭素繊維の毛羽立ち、デラミネーション等のCFRP等の被削材の穿孔時の問題が解消される。
以上のように、シンニング切刃(3)と主切刃(4)とU字形切刃(5)とを有し、ダブルマージン形状である第五実施形態に係るドリル(41)は、ステンレス等の鋼系材料の切削は元より、薄板や軟らかい材質や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に対する切削においても、切削抵抗を大幅に低減することができ、ハンドドリルや手動のボール盤等を使用して穴あけ作業を容易に行うことが可能なドリルを提供することができる。
また、切削抵抗が低減されることで、穴あけ精度が向上し、穴あけ時間が短縮するため作業効率が向上する。さらにドリルの寿命を大幅に延ばすことも可能となる。
<第六実施形態>
図11は、第六実施形態に係るドリルの上面図(ドリルを先端側から見た図)、図12は、第六実施形態に係るドリルの正面図(側面図)である。
なお、図11及び図12において、図7及び図8に示すドリルと同じ構成要素については同じ符号を付している。
第六実施形態に係るドリル(51)では、第三実施形態に係るドリルと同様に、U字形切刃(5)は、シンニング切刃(3)と隣接するとともに半径方向外周側に並ぶように形成されている。すなわち、U字形切刃(5)は、主切刃(4)全体に設けられている。
第六実施形態に係るドリル(51)では、ドリル外周部(O)をダブルマージン形状(すなわち、第一マージン部(M1)と第二マージン部(M2)が設けられている)とし、ヒール側に配した第二マージン部(M2)にも切刃(第二マージン部切刃(M2C))を設け、実質4枚刃形状とすることで、CFRP等の被削物の穿孔時におけるデラミネーションの発生をより容易に防止することができる。
なお、図11〜図12に示す如く、第一マージン部(M1)および第二マージン部(M2)には、被削物との不必要な摩擦を避けるために、第一マージン逃げ部(M17)および第二マージン逃げ部(M27)が設けられていることが望ましい。
第六実施形態に係るドリル(51)では、外周切刃(CE)により切削された部分を、第二マージン部切刃(M2C)が続いて切削を行なうことで、切削時の僅かな弾性変形によって切除できない部分を切除することができ、デラミネーション現象等のCFRP等の被削物の穿孔時に生じる問題を解消することができる。
なお、第六実施形態に係るドリル(51)は、上記した構成以外は第三実施形態に係るドリル(1)と同じ構成を具備している。
以上のように、シンニング切刃(3)と主切刃(4)全体に設けられたU字形切刃(5)とを有し、ダブルマージン形状である第六実施形態に係るドリル(51)は、ステンレス等の鋼系材料の切削は元より、薄板や軟らかい材質や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に対する切削においても、切削抵抗を大幅に低減することができ、ハンドドリルや手動のボール盤等を使用して穴あけ作業を容易に行うことが可能なドリルを提供することができる。
また、切削抵抗が低減されることで、穴あけ精度が向上し、穴あけ時間が短縮するため作業効率が向上する。さらにドリルの寿命を大幅に延ばすことも可能となる。
<第七実施形態>
図13は、第七実施形態に係るドリルの上面図(ドリルを先端側から見た図)、図14は、第七実施形態に係るドリルの正面図(側面図)、図15は、第七実施形態に係るドリルの正面図(側面図)の要部拡大図である。
なお、図13〜図15において、図7及び図8に示すドリルと同じ構成要素については同じ符号を付している。
第七実施形態に係るドリル(61)では、第五実施形態に係るドリルと同様に、U字形切刃(5)はドリル外周部(O)に接した状態で設けられている。
第七実施形態に係るドリル(61)では、ドリル外周部をダブルマージン形状(すなわち、第一マージン部(M1)と第二マージン部(M2)が設けられている)とし、ヒール側に配した第二マージン部(M2)にも切刃(第二マージン部切刃(M2C))を設け、実質4枚刃形状とすることで、CFRP等の被削物の穿孔時におけるデラミネーションの発生をより容易に防止することができる。
なお、図13〜図14に示す如く、第一マージン部(M1)および第二マージン部(M2)には、被削物との不必要な摩擦を避けるために、第一マージン逃げ部(M17)および第二マージン逃げ部(M27)が設けられていることが望ましい。
第七実施形態に係るドリル(61)では、特にCFRPに対する穿孔時の発熱の抑制を目的として、ドリル先端部寄りの外周部に溝(外周溝(9))が設けられている。
外周溝(9)は、外周切刃(CE)と第二マージン部切刃(M2C)の両方あるいは片方に設けられ、外周溝(9)の各溝の位置は外周切刃(CE)に設けられた溝と第二マージン部切刃(M2C)に設けられた溝がドリル長手方向において交互になるように配置されることが望ましい。
外周切刃(CE)と第二マージン部切刃(M2C)の両方あるいは片方に外周溝(9)を設けることにより、被削材の穿孔時の発熱を抑えることが可能となり、穿孔時の発熱による加工孔の変形やCFRP等の被削物の材質の変化などの問題を解消することができる。
上記の通り、第七実施形態に係るドリル(61)には、穿孔時の発熱を抑制するための外周溝(9)が設けられているため、第七実施形態に係るドリル(61)を用いて被削材を穿孔した後においても、ドリル(61)は高温にならず手で直接触れることができる程度しか発熱しない。
特に外周切刃(CE)と第二マージン部切刃(M2C)の両方に設けた場合に効力を発揮し、効果が顕著に現れる。結果として長寿命とデラミネーションの発生を抑えることが可能となる。
外周溝(9)を設けた部分によって凡その切削が為された後に外周溝を設けない外周切刃(CE)と第二マージン部切刃(M2C)が追随して穴を仕上げる形となり、外周溝(9)による発熱抑制効果と外周溝を設けない外周切刃(CE)と第二マージン部切刃(M2C)の鋭利な切刃による仕上げ効果により、長寿命の実現とデラミネーションの発生を抑えることとなる。
外周溝(9)を設ける範囲は、ドリル先端部の外周部(O)よりドリル径相当の長さ乃至ドリル径の1/2程度の範囲内に設定する事が有効であり、外周溝(9)の各溝の形状は被削物に接触する側(9A)を水平とし、逆側(9B)を傾斜形状とすることが望ましい(図15参照)。
傾斜の好適な例として、ドリルの長手方向を垂直とした場合に水平より30°〜40°程度とする。
但しこの傾斜は外周溝(9)により外周切刃(CE)の強度が不足するため、折損防止を目的として設定したものであり、水平としても良い。
溝底部のコーナー(9C)に適切な円弧(R)を設けることで、ドリルの折損を防止することができる。
外周溝(9)の深さは凡そドリル径の5%〜10%とし、ドリル径に応じて調整する(例えば比較的大きいサイズドリル径の場合は小さめに、ドリル径が小径の場合は大きめに設定などに調整する)。
なお、外周溝(9)の範囲を前述のようにドリル径相当の長さ乃至ドリル径の1/2としたものの、穿孔する深さが深い場合にはドリル径相当の長さ以上とすることで発熱を抑えることができる。
第七実施形態に係るドリル(61)についてはCFRPに対する切削性能及び、ドリル穿孔に係る寿命延伸のため、ドリルの先端部から外周切刃部に掛けてダイヤモンドコーティングを施すことにより、穿孔穴品質(デラミネーション防止)と穿孔寿命が大幅に改善される。
なお、図13〜15において、外周溝(9)の形成によりU字形切刃(5)の形状が一部欠けた形状となっているが、例えば図16に示す如く、U字形切刃(5)のドリル(61)の長手方向の長さを短くし、U字形切刃(5)が外周溝(9)によって欠けないように設けてもよい。
さらに、本実施形態において、U字形切刃(5)の形状は特に限定されず、上記した第一実施例〜第六実施例に係るドリルが備えるU字形切刃(5)の形状であればいかなる形状であっても良い。
なお、第七実施形態に係るドリル(61)は、上記した構成以外は第五実施形態に係るドリル(41)と同じ構成を具備している。
以上のように、シシンニング切刃(3)と主切刃(4)とU字形切刃(5)とを有し、ダブルマージン形状であり、外周切刃(CE)と第二マージン部切刃(M2C)の両方あるいは片方に外周溝(9)を有する第七実施形態に係るドリル(61)は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に対する切削において、切削抵抗を大幅に低減することができ、ハンドドリルや手動のボール盤、更に機械加工用のマシニングセンター等を使用して穴あけ作業を容易に行うことが可能なドリルを提供することができる。
また、切削抵抗が低減されることで、穴あけ精度が向上し、穴あけ時間が短縮するため作業効率が向上する。さらにドリルの寿命を大幅に延ばすことも可能となる。
以下、本発明に係るドリルの実施例及び比較例のドリルについての試験結果を示すことにより、本発明の効果をより明確なものとする。但し、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<試験1:アクリル板に対する切削試験>
実施例1〜6および比較例1を用いてアクリル板の切削試験を実施した。
被削材は、アクリル板・厚さ5mm×100mm×100mmを用いた。
実施例1〜6および比較例1には以下のドリルを用いた。
実施例1:第一実施形態のドリル、ドリル径8mm、材質SKH55相当
実施例2:第二実施形態のドリル、ドリル径8mm、材質SKH55相当
実施例3:第三実施形態のドリル、ドリル径8mm、材質SKH55相当
実施例4:第四実施形態のドリル、ドリル径8mm、材質SKH55相当
実施例5:第五実施形態のドリル、ドリル径8mm、材質SKH55相当
実施例6:第六実施形態のドリル、ドリル径8mm、材質SKH55相当
比較例1:図17の従来型ドリル、ドリル径8mm、材質SKH55相当
実施例1〜6および比較例1のドリルを用いてアクリル板を切削し、ドリルがアクリル板を貫通するまでにアクリル板に損傷が生じるか否かを確認した。各ドリルにつき試験を3回繰り返した。
ケーティーエス社製、ATM−12型エアードリル・無負荷回転数1,200RPMを使用して、万力で垂直方向に固定したアクリル板に対し、作業者が略直角方向に切削・穿孔した。
切削・穿孔試験の結果を表1および表2に示す。
以上の様に、本発明に係る実施例1〜6のドリルは、アクリル板を割ることなく穿孔することができた。
一方、比較例1のドリルは、穿孔した穴周辺に割れが発生してアクリル板に破損が生じ、アクリル板を穿孔することができなかった。
また、表2より、本発明に係る実施例1〜6のドリルは、穿孔した穴の面粗度が良いことがわかる。特に、U字形切刃を外周切刃に接する様に設けた場合(実施例2、3、5、6)、より安定した切削が可能になり、穿孔した穴の面粗度をさらに向上できることがわかった。
一方、比較例1のドリルは、穿孔した穴周辺に割れが発生してアクリル板に破損が生じたため、アクリル板を穿孔することができなかった。
<試験2:航空機グレードのCFRPに対する切削試験>
実施例7および比較例2を用いて航空機グレードのCFRP(厚さ約10mm)の切削試験を実施した。
被削材は、航空機グレードのCFRP(厚さ実測10.5mm)を用いた。
実施例7および比較例2には以下のドリルを用いた。
実施例7:第七実施形態のドリル、超硬合金+ダイヤモンドコーティング、ドリル径8.0mm
比較例2:マコトロイ製コーティングRドリル、超硬合金+ダイヤモンドコーティング、ドリル径5.6mm
実施例7および比較例2のドリルを用いてCFRPを切削した。各ドリルにつき試験を3回繰り返した。
大鳥機構製、NCフライスにて6,000RPM、送り0.03mm/rev.条件を使用してCFRPを切削・穿孔した。
本発明に係る実施例7のドリルを用いた場合、CFRP(厚さ約10mm)に対し、3,000穴貫通後、デラミネーションは一切発生していなかった(目視により確認)。
一方、比較例2を用いた場合、1,000穴貫通後、ドリルの外周部切刃の摩耗が激しく、目視によるデラミネーションは確認できなかったが、穿孔を中止した。
これらの結果より、本発明に係る実施例7のドリルは、航空機グレードのCFRPに対して、デラミネーションを一切発生させずに安定した切削が可能であることがわかった。
一般的にドリル径が大きいドリルはデラミネーションを起こしやすいが、この試験においては、比較例よりもドリル径の大きい実施例7を用いてもデラミネーションは起こらなかった。
本発明に係るドリルは、ハンドドリルやボール盤等を使用して穴あけ作業に用いられるドリルとして好適に使用され、殊に航空機等に使用される炭素繊維強化プラスチック(CFRP)に対して好適に使用される。
1 ドリル
2 チゼル
2E チゼルエッジ
2W チゼル幅
3 シンニング切刃
3E シンニング切刃の端部
3S シンニング面
4 主切刃
5 U字形切刃
5E U字形切刃の端部
5S U字形切刃の面
6 ドリル径
7 逃げ面
8 切屑排出溝
9 外周溝
CE 外周切刃
M1 第一マージン部
M2 第二マージン部
O ドリル外周部
RP U字形切刃から残された部分

Claims (3)

  1. 回転軸対称に形成された2つの切刃を有し、
    各切刃が、ドリル先端からドリル外周側に向けて形成され、ドリル先端側から見たとき曲線を含む形状となる主切刃を有するドリルであって、
    前記主切刃よりドリル先端側に形成され、ドリル先端側から見たとき曲線を含む形状となるシンニング切刃と、
    前記シンニング切刃よりドリル外周側に形成され、ドリル先端側から見たとき曲線を含む形状となるU字形切刃と
    回転軸対称に形成された2つの逃げ面とを有し、
    前記逃げ面には、ドリル先端側から見たとき曲線を含む形状となる背溝が形成されることで、第一マージン部、及び、当該第一マージン部のヒール側となる第二マージン部が形成されており、
    前記第二マージン部には、第二マージン部切刃が形成されており、
    前記主切刃の外周及び前記第二マージン部切刃の外周には、複数の外周溝が形成されており、
    前記複数の外周溝の各溝は、前記主切刃の外周に設けられた溝と前記第二マージン部切刃の外周に設けられた溝が前記ドリルの長手方向において交互になるように配置されていることを特徴とするドリル。
  2. 前記U字形切刃は、ドリル外周部に接して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のドリル。
  3. 前記U字形切刃は、前記シンニング切刃と隣接するとともに半径方向外周側に並ぶように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のドリル。
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