JP2006088267A - ドリル - Google Patents
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Abstract
【課題】 自動車の車体のスポット溶接剥離用ドリルとして好適に用いることができ、特にHRC30以上の高硬度の鋼板にも対応することが可能であるドリルを提供すること。
【解決手段】 回転軸対称に形成された2枚の切刃を有し、先端部にシンニングが施されてなるドリルであって、チゼル幅が0.05〜0.3mmであり且つ前記シンニングがドリル先端側から見た場合において両切刃の刃先を結んだ直線に対して1〜4°傾いた角度で施されてなるドリルとする。
【選択図】 図1
【解決手段】 回転軸対称に形成された2枚の切刃を有し、先端部にシンニングが施されてなるドリルであって、チゼル幅が0.05〜0.3mmであり且つ前記シンニングがドリル先端側から見た場合において両切刃の刃先を結んだ直線に対して1〜4°傾いた角度で施されてなるドリルとする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、自動車の車体のスポット溶接部を剥離するために好適に用いられるドリルに関し、特に高硬度の鋼板に対応することができるドリルに関するものである。
自動車の車体を構成する部品の殆どはスポット溶接によって接合されている。
そのため、車体修理業界においては、車体のパネル交換の際にスポット溶接部を剥離する作業が必要となり、このスポット溶接部を剥離するための専用のドリルが数多く市販されている。
そのため、車体修理業界においては、車体のパネル交換の際にスポット溶接部を剥離する作業が必要となり、このスポット溶接部を剥離するための専用のドリルが数多く市販されている。
しかし、近年、衝突安全ボディの採用によって、極めて硬い鋼板が車体に用いられるようになり、従来のドリルでは対応できなくなっている。
すなわち、従来のボディに用いられていた鋼板がHRC20以下であったのに対し、衝突安全ボディに採用されている超高張力鋼と呼ばれる鋼板はHRC30〜35であって、更に一部にはHRC40〜45程度に達するホットスタンプ材と呼ばれる焼入れ鋼板が使用されており、従来のドリルではこのような高硬度の鋼板に対応することができなかった。
すなわち、従来のボディに用いられていた鋼板がHRC20以下であったのに対し、衝突安全ボディに採用されている超高張力鋼と呼ばれる鋼板はHRC30〜35であって、更に一部にはHRC40〜45程度に達するホットスタンプ材と呼ばれる焼入れ鋼板が使用されており、従来のドリルではこのような高硬度の鋼板に対応することができなかった。
スポット溶接の剥離作業は、エアー駆動又は電動式のハンドドリルを作業者が手で持って行うものであり、ボール盤での穴あけのようにテコの原理が使えないため、ドリル刃先の切れ味が直接作業工数に反映されるものである。
そのため、上記したような高硬度の鋼板に対するスポット溶接剥離作業において、従来のドリルを用いた場合、非常に大きな力を必要とする上に、刃先がすぐに摩耗してドリルを何度も交換しなければならないため、非常に作業効率が悪かった。
そのため、上記したような高硬度の鋼板に対するスポット溶接剥離作業において、従来のドリルを用いた場合、非常に大きな力を必要とする上に、刃先がすぐに摩耗してドリルを何度も交換しなければならないため、非常に作業効率が悪かった。
上述の如き従来のドリルの問題点を解決するための手段として、例えばドリル自体の材質を高硬度化するという方法が考えられ、例えば下記特許文献1においては、超硬合金からなるスポット溶接剥離用ドリルが提案されている。
しかしながら、超硬合金からなるドリルは、ハンドドリルを用いるスポット溶接剥離作業においては非常に欠け易いという大きな問題があった。
しかしながら、超硬合金からなるドリルは、ハンドドリルを用いるスポット溶接剥離作業においては非常に欠け易いという大きな問題があった。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、自動車の車体のスポット溶接剥離用ドリルとして好適に用いられるドリルであって、特にHRC30以上の高硬度の鋼板にも対応することが可能であるドリルを提供するものである。
請求項1に係る発明は、回転軸対称に形成された2枚の切刃を有し、先端部にシンニングが施されてなるドリルであって、チゼル幅が0.05〜0.3mmであり且つ前記シンニングがドリル先端側から見た場合において両切刃の刃先を結んだ直線に対して1〜4°傾いた角度で施されてなることを特徴とするドリルに関する。
請求項2に係る発明は、前記切刃は、刃先先端角が178〜186°に設定されてなるとともに、外周部に面取りが施されてなることを特徴とする請求項1記載のドリルに関する。
請求項2に係る発明は、前記切刃は、刃先先端角が178〜186°に設定されてなるとともに、外周部に面取りが施されてなることを特徴とする請求項1記載のドリルに関する。
請求項3に係る発明は、心厚がドリル直径の30%以上とされてなることを特徴とする請求項1又は2記載のドリルに関する。
請求項4に係る発明は、高速度鋼又は工具鋼からなることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のドリルに関する。
請求項5に係る発明は、粉末高速度鋼からなることを特徴とする請求項4記載のドリルに関する。
請求項4に係る発明は、高速度鋼又は工具鋼からなることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のドリルに関する。
請求項5に係る発明は、粉末高速度鋼からなることを特徴とする請求項4記載のドリルに関する。
請求項1に係る発明によれば、チゼル幅が0.05〜0.3mmと狭く且つドリル先端側から見た場合において両方の切刃の刃先を結んだ直線に対して1〜4°傾いた角度でシンニングが施されていることにより、切削時のスラスト抵抗が小さく、作業者が加える力が少なくて済み、しかも切削抵抗による欠けが生じにくく、HRC30以上の高硬度の鋼板であってもハンドドリルによるスポット溶接の剥離作業を楽に行うことができる。
また、チゼルエッジ部にかかる力が低減されることで、チゼルエッジ部の摩耗を少なくすることができ、ドリルの寿命を大幅に延ばすことができる。
また、チゼルエッジ部にかかる力が低減されることで、チゼルエッジ部の摩耗を少なくすることができ、ドリルの寿命を大幅に延ばすことができる。
請求項2に係る発明によれば、刃先先端角が178〜186°に設定されてなるとともに、外周部に面取りが施されているので、薄板への穴あけが容易となってバリの発生や穴の歪みを防ぐことができるとともに、刃先外周部の欠けが生じ難くなり、更には刃先1点に力が集中しなくなるため、刃先の摩耗が抑えられ、刃先寿命を延ばすことができる。
請求項3に係る発明によれば、心厚がドリル直径の30%以上とされているので、充分な強度を有することができ、使用時の折損を防ぐことができる。
請求項4に係る発明によれば、高速度鋼又は工具鋼からなるので、ハンドドリルを用いてのスポット溶接剥離作業に使用しても欠け難いドリルとなる。
請求項5に係る発明によれば、粉末高速度鋼からなるので、ハンドドリルを用いてのスポット溶接剥離作業に使用しても欠けにくく、更にHRC45程度の高硬度の鋼板に対しての適用も可能なドリルとなる。
請求項4に係る発明によれば、高速度鋼又は工具鋼からなるので、ハンドドリルを用いてのスポット溶接剥離作業に使用しても欠け難いドリルとなる。
請求項5に係る発明によれば、粉末高速度鋼からなるので、ハンドドリルを用いてのスポット溶接剥離作業に使用しても欠けにくく、更にHRC45程度の高硬度の鋼板に対しての適用も可能なドリルとなる。
以下、本発明に係るドリルの好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明に係るドリルの第一実施形態を示す図、図2は本発明に係るドリルの第二実施形態を示す図であって、それぞれ(a)は上面図(ドリルを先端側から見た図)、(b)は正面図である。
本発明に係るドリルは、図示の如く、回転軸対称に形成された2枚の切刃(1)を有し、先端部にシンニング(2)が施されてなるドリルであって、特に、図3に示すようなハンドドリル(H)を用いた自動車車体(B)のスポット溶接部(S)の剥離作業に好適に用いられるものである。
図1は本発明に係るドリルの第一実施形態を示す図、図2は本発明に係るドリルの第二実施形態を示す図であって、それぞれ(a)は上面図(ドリルを先端側から見た図)、(b)は正面図である。
本発明に係るドリルは、図示の如く、回転軸対称に形成された2枚の切刃(1)を有し、先端部にシンニング(2)が施されてなるドリルであって、特に、図3に示すようなハンドドリル(H)を用いた自動車車体(B)のスポット溶接部(S)の剥離作業に好適に用いられるものである。
本発明に係るドリルでは、先端部にシンニング(2)が施されていることによって、チゼル幅(D)が0.05〜0.3mmと非常に小さくなっている。
本発明において、チゼル幅をこの範囲に設定する理由は、作業者の腕力に依存するハンドドリルでの使用においては、チゼル幅を0.3mm超とすると、切削に要する力が大きくなって、作業者の腕にかかる負担が大きくなると同時に、チゼルエッジ(3)が摩耗してしまい切れなくなり、0.05mm未満とすると、強度が無くなって刃先が欠けてしまうおそれがあり、いずれの場合も好ましくないためである。
本発明において、チゼル幅をこの範囲に設定する理由は、作業者の腕力に依存するハンドドリルでの使用においては、チゼル幅を0.3mm超とすると、切削に要する力が大きくなって、作業者の腕にかかる負担が大きくなると同時に、チゼルエッジ(3)が摩耗してしまい切れなくなり、0.05mm未満とすると、強度が無くなって刃先が欠けてしまうおそれがあり、いずれの場合も好ましくないためである。
チゼル幅を0.05〜0.3mmに設定することにより、上記した弊害を防止することができるとともに、切削時のスラスト抵抗が小さくなるために、作業者がスポット溶接剥離作業時に加える力が小さくて済み、非常に楽に作業を行うことができるようになる。また、チゼルエッジ部に加わる力が低減され、この部分の摩耗を少なくすることができるようになる。
但し、単にチゼル幅を小さくしただけでは、切削抵抗に耐えられずに先端部が簡単に欠けてしまうようになるという大きな問題がある。
そこで、本発明においては、チゼル幅を小さくすることに加えて、シンニングの角度を従来のドリルとは大きく異なる角度に設定することで、単にチゼル幅を小さくした場合に生じる問題点を解消した。
そこで、本発明においては、チゼル幅を小さくすることに加えて、シンニングの角度を従来のドリルとは大きく異なる角度に設定することで、単にチゼル幅を小さくした場合に生じる問題点を解消した。
具体的には、本発明に係るドリルにおいては、ドリル先端側から見た場合において両方の切刃の刃先を結んだ直線に対して1〜4°(より好ましくは1〜2°)傾いた角度でシンニングが施されている。
この角度について図1を参照してより詳しく説明すると、左右の切刃の刃先を結んだ直線(A)と、シンニング部分(2)のドリル回転方向における後端線の延長線(B)のなす角度(α)が、1〜4°の範囲にあるということである。
この角度について図1を参照してより詳しく説明すると、左右の切刃の刃先を結んだ直線(A)と、シンニング部分(2)のドリル回転方向における後端線の延長線(B)のなす角度(α)が、1〜4°の範囲にあるということである。
このような角度でシンニングを施すことにより、刃先からシンニング部分及びチゼル部分が略一直線となり、切削抵抗が極めて小さくなる。従って、専ら作業者の腕の力に依存するハンドドリルでの作業となるスポット溶接剥離作業においても、切削が非常に容易に行えるようになる。
従来のシンニングが施されたドリルは、シンニング角が30°程度とされているのが一般的であるが、シンニング角は30°のままでチゼル幅のみを0.2mmと小さくしたドリルでホットスタンプ材に穴あけを試みたところ、切削抵抗が大きくなり、作業者の腕の力に依存するハンドドリルでは全く切れない状態であった。
また、シンニング角を0°として、刃先とシンニング部分が完全に一直線となるようにした場合、シンニングが外周にまで及び、切刃にすくい角が無くなってしまうことになるが、スポット溶接の剥離作業においては、すくい角が無くなると切れ味が極端に低下し、ハンドドリルでの作業が困難となる。
尚、本発明において、上記したシンニングによって削り取られる面((b)図において斜線を施した部分)の傾斜角は、0±2°の範囲とされる。
また、シンニング深さ((a)図に符号Fで表わす)は、+0.2mm〜−0.1mmの範囲とされる。
シンニング深さとは、シンニングによって削り取られた結果、中心部に残った幅を数値で表わしたものであって、+の数値が大きくなるにつれて浅くなり、−の数値が大きくなるにつれて深くなり、深すぎると先端部が欠け易くなる。
また、シンニング深さ((a)図に符号Fで表わす)は、+0.2mm〜−0.1mmの範囲とされる。
シンニング深さとは、シンニングによって削り取られた結果、中心部に残った幅を数値で表わしたものであって、+の数値が大きくなるにつれて浅くなり、−の数値が大きくなるにつれて深くなり、深すぎると先端部が欠け易くなる。
本発明に係るドリルは、刃先先端角(β)が170〜190°の範囲、より好ましくは178〜186°の範囲に設定されている。
このような範囲に設定することで、薄板への穴あけが容易となり、スポット溶接剥離作業に適したものとなる。
このような範囲に設定することで、薄板への穴あけが容易となり、スポット溶接剥離作業に適したものとなる。
しかし、このような範囲の刃先先端角を採用した場合、ドリル外周部の切刃角度は90°前後と非常に鋭くなり、外周部の刃先が欠け易くなる。
そのため、第二実施形態のドリルではこれを防止するために、外周部に面取り(4)を施している。尚、第一実施形態と第二実施形態の相違点は面取りの有無のみであり、他の構成は同じである。
そのため、第二実施形態のドリルではこれを防止するために、外周部に面取り(4)を施している。尚、第一実施形態と第二実施形態の相違点は面取りの有無のみであり、他の構成は同じである。
面取り(4)の幅はドリルの径によって異なるが、例えば0.1〜0.3mmの範囲とされる。
このような面取りを施すことによって、外周部の刃先が欠け難くなるだけでなく、切削時に加わる力が分散されて刃先1点に集中しなくなり、刃先寿命を大幅に延ばすことができるようになる。
また、スポット溶接部は必ず窪んだ状態にあるため、刃先外周部が暴れる(大きくぶれる)ことがあったが、面取りを施すことで暴れが解消され、作業効率を向上させることが可能となる。
このような面取りを施すことによって、外周部の刃先が欠け難くなるだけでなく、切削時に加わる力が分散されて刃先1点に集中しなくなり、刃先寿命を大幅に延ばすことができるようになる。
また、スポット溶接部は必ず窪んだ状態にあるため、刃先外周部が暴れる(大きくぶれる)ことがあったが、面取りを施すことで暴れが解消され、作業効率を向上させることが可能となる。
中心部(突出部)は、先端角(γ)が90〜120°に設定されており、幅(w)については角度と直径に応じて2〜3.5mmに設定される。
心厚(d)は、ドリル直径の30%以上、好ましくは30〜40%とされ、例えば33%程度に設定される。
従来のシンニング形状のドリルでは、心厚を1〜1.5mm程度に極力薄くする必要があったが、本発明に係るドリルでは、上記したシンニング形状及びチゼル幅を採用したことにより、心厚をドリル直径の30〜40%程度とすることができ、充分な強度を有するようになる。
従来のシンニング形状のドリルでは、心厚を1〜1.5mm程度に極力薄くする必要があったが、本発明に係るドリルでは、上記したシンニング形状及びチゼル幅を採用したことにより、心厚をドリル直径の30〜40%程度とすることができ、充分な強度を有するようになる。
本発明に係るドリルの材質としては、ハンドドリルでの使用による欠け難さを考慮して高速度鋼(ハイス)もしくは炭素工具鋼や合金工具鋼等の工具鋼が好適に用いられる。但し、超硬合金等の一般にドリルに用いられている他の材質を採用することも可能である。
高速度鋼としては、粉末成形後に焼結された高速度鋼(通称、粉末ハイス)又はコバルトを含んだ高速度鋼(通称、コバルトハイス)が好適に用いられ、特に硬度HRC45の鋼板への穴あけが可能である粉末ハイスがより好適に用いられる。
高速度鋼としては、粉末成形後に焼結された高速度鋼(通称、粉末ハイス)又はコバルトを含んだ高速度鋼(通称、コバルトハイス)が好適に用いられ、特に硬度HRC45の鋼板への穴あけが可能である粉末ハイスがより好適に用いられる。
本発明に係るドリルの外径は、車体のスポット溶接部の直径が凡そ6〜10mmの範囲であることから、通常は6.5〜10.2mm程度の範囲に設定すればよい。但し、スポット溶接部の直径が上記範囲を超えて変動した場合、ドリル径をスポット溶接部直径に比例して変化させることが可能であり、必ずしも上記範囲に限定されるものではない。
以下、本発明に係るドリルの実施例及び比較例を示すことにより、本発明の効果をより明確なものとする。但し、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例)
直径8.2mmのドリルを、表1に示す寸法を有する図2に示した形状のドリルに成形し、これを実施例のドリルとした。
(実施例)
直径8.2mmのドリルを、表1に示す寸法を有する図2に示した形状のドリルに成形し、これを実施例のドリルとした。
(比較例)
比較例として、表2に示す寸法を有する従来形のドリルを用いた。
比較例として、表2に示す寸法を有する従来形のドリルを用いた。
(比較試験1)
実施例及び比較例のドリルをハンドドリルに装着して、硬さHRC45、厚さ2.3mmのホットスタンプ材に対して、貫通穴を開ける作業を行った。尚、ハンドドリルとしては、圧縮空気(6〜7kg/cm2)を駆動源とし、無負荷回転数が1800rpmのものを用いた。
その結果、実施例のドリルでは14穴を開けることができたが、比較例のドリルではチゼルエッジ部が1穴で摩耗してしまい、大きい力を加えても空回りするだけで、全く切れない状態となった。
実施例及び比較例のドリルをハンドドリルに装着して、硬さHRC45、厚さ2.3mmのホットスタンプ材に対して、貫通穴を開ける作業を行った。尚、ハンドドリルとしては、圧縮空気(6〜7kg/cm2)を駆動源とし、無負荷回転数が1800rpmのものを用いた。
その結果、実施例のドリルでは14穴を開けることができたが、比較例のドリルではチゼルエッジ部が1穴で摩耗してしまい、大きい力を加えても空回りするだけで、全く切れない状態となった。
(比較試験2)
実施例及び比較例のドリルを、比較試験1と同じハンドドリルに装着して、硬さHRC35、厚さ1.3mmの超高張力鋼に対して、貫通穴を開ける作業を行った。
実施例のドリルでは87穴を開けることができた段階で、刃先全体が摩耗したため、まだ切れる状態であったが試験を中止した。
比較例のドリルではチゼルエッジ部分が最初に摩耗し、切削に要する力は実施例のドリルに比べて最初から大きかったが、穴あけをすすめるにつれて更に大きくなり、21穴を開けた時点で殆ど切れない状態となった。
実施例及び比較例のドリルを、比較試験1と同じハンドドリルに装着して、硬さHRC35、厚さ1.3mmの超高張力鋼に対して、貫通穴を開ける作業を行った。
実施例のドリルでは87穴を開けることができた段階で、刃先全体が摩耗したため、まだ切れる状態であったが試験を中止した。
比較例のドリルではチゼルエッジ部分が最初に摩耗し、切削に要する力は実施例のドリルに比べて最初から大きかったが、穴あけをすすめるにつれて更に大きくなり、21穴を開けた時点で殆ど切れない状態となった。
上記比較試験1及び2の結果から、実施例、即ち本発明に係るドリルによれば、従来のドリルでは不可能であった、超高張力鋼やホットスタンプ材などの高硬度の鋼板に対するスポット溶接の剥離作業を良好に行うことができることが確認された。
本発明は、衝突安全ボディを採用した自動車の車体のスポット溶接部を剥離するために特に好適に用いられる。
1 切刃
2 シンニング
3 チゼルエッジ
4 面取り
D チゼル幅
d 心厚
F シンニング深さ
w 中心部の幅
α シンニング角
β 刃先先端角
γ 中心部の先端角
2 シンニング
3 チゼルエッジ
4 面取り
D チゼル幅
d 心厚
F シンニング深さ
w 中心部の幅
α シンニング角
β 刃先先端角
γ 中心部の先端角
Claims (5)
- 回転軸対称に形成された2枚の切刃を有し、先端部にシンニングが施されてなるドリルであって、チゼル幅が0.05〜0.3mmであり且つ前記シンニングがドリル先端側から見た場合において両切刃の刃先を結んだ直線に対して1〜4°傾いた角度で施されてなることを特徴とするドリル。
- 前記切刃は、刃先先端角が178〜186°に設定されてなるとともに、外周部に面取りが施されてなることを特徴とする請求項1記載のドリル。
- 心厚がドリル直径の30%以上とされてなることを特徴とする請求項1又は2記載のドリル。
- 高速度鋼又は工具鋼からなることを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のドリル。
- 粉末高速度鋼からなることを特徴とする請求項4記載のドリル。
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JP2004276557A JP2006088267A (ja) | 2004-09-24 | 2004-09-24 | ドリル |
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- 2004-09-24 JP JP2004276557A patent/JP2006088267A/ja active Pending
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