JP6501043B1 - 構造用鋼材および構造物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、大気腐食環境下、特には飛来塩分量の多い海上や海岸近傍などの厳しい腐食環境下で使用する場合にも塗装頻度を低減することが可能であり、かつ、一次防錆性も良好である、優れた塗装耐食性と、橋梁などの大型で複雑な構造物に用いる場合の優れた耐ラメラテア性とを有する、構造用鋼材を提供することを目的とする。
本発明の構造用鋼材は、所定の成分組成を有し、かつSn偏析度を20以下としたものである。

Description

本発明は、主に橋梁などの陸上かつ屋外の大気腐食環境下、特には飛来塩分量の多い海上や海岸などの厳しい腐食環境下で使用される構造物に適用される鋼材に関する。
橋梁などの屋外で用いられる鋼構造物は、通常、何らかの防食処理を施して用いられる。例えば、飛来塩分量が少ない環境では、耐候性鋼が多く用いられている。
ここで、耐候性鋼は、大気暴露環境で使用する場合に、Cu、P、Cr、Niなどの合金元素が濃化した保護性の高いさび層で表面が覆われ、これによって、腐食速度を大きく低下させた鋼材である。このような耐候性鋼を使用した橋梁は、飛来塩分量が少ない環境では、無塗装のまま数十年間の供用に耐え得ることが知られている。
一方、海上や海岸近傍などの飛来塩分量の多い環境では、耐候性鋼において保護性の高いさび層が形成され難く、耐候性鋼を無塗装のまま使用することは困難である。このため、海上や海岸近傍などの飛来塩分量の多い環境では、普通、鋼材に塗装などの防食処理を施した鋼材が用いられている。
しかしながら、塗装鋼材では、時間の経過による塗膜の劣化やさびの発生、塗膜の膨れ等により、定期的な塗り替えなどの補修が必要となる。塗り替えに伴う塗装作業は、高所での作業となることが多く、作業自体が困難であるとともに、作業にかかる人件費も必要となる。このため、塗装鋼材を使用する場合には、構造物のメンテナンスコストが増大し、ひいてはライフサイクルコストが増大するという問題がある。
さらに、構造物を製作するまでの期間、鋼材を保管している間に腐食が生じることを防止する目的で、一般的にジンクリッチプライマーなどの防錆処理(一次防錆処理)が行われる。しかしながら、鋼材の保管期間が長くなった場合や鋼材の保管場所が海から近く飛来塩分量が多い場合などには、上記の防錆処理を行っていても腐食が進行する場合がある。
以上のことから、塗り替え塗装の周期の延長、すなわち、塗装頻度の低減を可能として、構造物のメンテナンスコストを抑制でき、さらには一次防錆性も向上させた、耐食性に優れた鋼材、特には塗装耐食性に優れた構造用鋼材の開発が望まれている。
耐食性に優れた鋼材に関する技術として、例えば、特許文献1には、
「質量%で、C:0.001〜0.15%、Si:2.5%以下、Mn:0.5%超、2.5%以下、P:0.03%未満、S:0.005%以下、Cu:0.05〜1.0%、Ni:0.01〜0.5%、Cr:0.01〜3.0%、Al:0.003〜2.5%、およびN:0.001〜0.1%、さらにSnおよび/またはSb:0.03〜0.50%を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、Ni/Cu質量比が0.5以下である組成を有することを特徴とする、海浜耐候性に優れた鋼材。」
が開示されている。
特許文献2には、
「質量%で、C:0.001〜0.15%、Si:2.5%以下、Mn:0.5%を超え2.5%以下、P:0.03%未満、S:0.005%以下、Cu:0.05%未満、Ni:0.05%未満、Cr:0.01〜3.0%、Al:0.003〜0.1%、N:0.001〜0.1%およびSn:0.03〜0.50%を含有し、残部がFeおよび不純物からなり、Cu/Sn比が1以下である組成を有するスラブの表面温度を1050〜1200℃に加熱した後、900℃以上の温度域で全圧下量のうち70%以上の圧延を行い、かつ、800℃以上の温度域で圧延を終了したのち、冷却することを特徴とする耐食性およびZ方向の靭性に優れた鋼材の製造方法。」
が開示されている。
特許文献3には、
「質量%で、C:0.01〜0.2%、Si: 0.01〜1.0%、Mn: 0.05〜3.0%、P: 0.05%以下、S: 0.01%以下、Sn: 0.01〜0.5%、Cr:1.0%を超え13.0%以下、Al: 0.1%以下を含有し、残部Feおよび不純物からなり、かつ、Sn中の固溶Snの割合が95.0%以上であることを特徴とする、耐食性に優れた鋼材。」
が開示されている。
特許文献4には、
「質量%で、C: 0.01〜0.2%、Si: 0.01〜1.0%、Mn: 0.05〜3.0%、P: 0.05%以下、S: 0.01%以下、Sn: 0.01〜0.5%、Al: 0.1%以下を含有し、残部Feおよび不純物からなり、かつ、Sn中の固溶Snの割合が95.0%以上であることを特徴とする、耐食性に優れた鋼材。」
が開示されている。
特許文献5には、
「化学組成が、質量%で、C:0.01〜0.20%、Si:0.01〜1.00%、Mn:0.05〜3.00%、Sn:0.01〜0.50%、O:0.0001〜0.0100%、Cu:0〜0.10%未満、Cr:0〜0.10%未満、Mo:0〜0.050%未満、W:0〜0.050%未満、Cu+Cr:0〜0.10%未満、Mo+W:0〜0.050%未満、Sb:0〜0.05%未満、Ni:0〜0.05%、Nb:0〜0.050%、V:0〜0.050%、Ti:0〜0.020%、Al:0〜0.100%、
Ca:0〜0.0100%未満、Mg:0〜0.0100%、REM:0〜0.0100%、P:0.05%以下、S:0.01%以下、残部:Feおよび不純物であり; フェライトである軟質組織と、パーライト、ベーナイト、およびマルテンサイトである硬質組織とを有し;前記軟質組織中のSn濃度に対する前記硬質組織中のSn濃度の比であるSn濃度比が1.2以上6.0未満である;ことを特徴とする鋼材。」
が開示されている。
特開2006−118011号公報 特開2010−7109号公報 特開2013−166992号公報 特開2012−255184号公報 特許第5839151号公報
WES3008−1999
しかしながら、Cr等の耐食性を向上させる成分を多量に含有させると、耐食性以外の性能が劣化する場合がある。
例えば、特許文献1〜3の技術において、Crの含有量を増加させると、合金コストの増大とともに、鋼材の靱性の劣化を招く。
また、近年、橋梁などの構造物では、ラメラテアが発生する危険性が指摘されている。ここで、ラメラテアとは、十字継手、T継手、角継手などの板厚方向に引張応力を受ける溶接継手において、引張応力によって鋼板表面に平行な方向に、鋼材内部においてき裂が進展し、割れが発生する現象である。
このようなラメラテアの発生に関し、例えば、非特許文献1では、板厚方向の絞り値と鋼中のS量の関係が示されており、鋼中のS量を低減することで、板厚方向の絞り値が向上し、ひいては耐ラメラテア性が向上することが開示されている。
しかしながら、近年の構造物の大型化や複雑化に伴い、このような大型化および複雑化した構造物では、その構成部材において、拘束条件の厳しい溶接継手により、板厚方向により大きな引張応力を受けることが多くなっている。
このような場合、鋼中のS量を低減するだけでは、必ずしも十分な耐ラメラテア性が得られるとは言えない。また、特許文献1〜5に開示されるような、耐食性を改善する目的で添加した種々の元素が耐ラメラテア性に及ぼす影響については明らかになっていない。このため、特許文献1〜5に開示される耐食性を向上させた鋼材を上記のような大型で複雑な構造物に適用する場合には、ラメラテアの発生が懸念される。
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたものであって、大気腐食環境下、特には飛来塩分量の多い海上や海岸近傍などの厳しい腐食環境下で使用する場合にも塗装頻度を低減することが可能であり、かつ、一次防錆性も良好である、優れた塗装耐食性と、橋梁などの大型で複雑な構造物に用いる場合の優れた耐ラメラテア性とを有する、構造用鋼材を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記の構造用鋼材を用いてなる構造物を提供することを目的とする。
さて、発明者らは、上記課題の解決に向けて鋭意研究を重ね、以下の知見を得た。
(1)耐食性、特に塗装耐食性の向上には、Snとともに、Cu、Ni、W、SbおよびSiのうちから選んだ1種または2種以上を複合添加することが有効である。
(2)一方、耐ラメラテア性の観点からは、鋼中のS量を低減するとともに、Snを低減することが有効である。
(3)このように、塗装耐食性の向上の観点からはSnの添加が有効であるものの、耐ラメラテア性の観点からは、Snを低減することが有効である。そこで、発明者らは、上記の知見を基に、さらに耐食性と耐ラメラテア性とを両立すべく検討を重ねた。
その結果、
(4)Snの中心偏析を抑制して、Snを鋼材全体に極力拡散させてやれば、Snを所定量含有していても優れた耐ラメラテア性が得られる、すなわち、塗装耐食性の向上の観点からSn量を適正に調整しつつ、Snの中心偏析を抑制して、Snを鋼材全体に拡散させてやれば、塗装耐食性と耐ラメラテア性とを両立することができる、
との知見を得た。
(5)また、板厚方向において所定以上の濃度となるSn偏析部の厚みを極力抑制することにより、一層、耐ラメラテア性が向上し、
(6)さらに、S量に応じてSn量を厳密に制御することにより、一層、耐ラメラテア性が向上する、
との知見を得た。
本発明は、上記の知見に基づき、さらに検討を重ねて完成させたものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.質量%で、
C:0.020%以上、0.200%以下、
Mn:0.20%以上、2.00%以下、
P:0.003%以上、0.030%以下、
S:0.0001%以上、0.0100%以下、
Al:0.001%以上、0.100%以下および
Sn:0.005%以上、0.200%以下
を含有するとともに、
Cu:0.010%以上、0.50%以下、
Ni:0.010%以上、0.50%以下、
W:0.005%以上、1.000%以下、
Sb:0.005%以上、0.200%以下および
Si:0.05%以上、1.00%以下
から選ばれる1種または2種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有し、
Sn偏析度が20以下である、構造用鋼材。
ここで、Sn偏析度は、次式(1)により定義される。
[Sn偏析度]=[Sn偏析部のSn濃度]/[平均のSn濃度]---(1)
2.Sn偏析部の板厚方向の厚みが50μm以下である、前記1に記載の構造用鋼材。
3.次式(2)で定義されるST値が1.50以下である、前記1または2に記載の構造用鋼材。
ST=10000×[%S]×[%Sn]---(2)
ここで[%S]および[%Sn]はそれぞれ、前記成分組成におけるSおよびSnの含有量(質量%)である。
4.前記成分組成が、さらに、質量%で、
Mo:0.500%以下および
Co:1.00%以下
から選ばれる1種または2種を含有する、前記1乃至3のいずれか一項に記載の構造用鋼材。
5.前記成分組成が、さらに、質量%で、
Ti:0.050%以下、
V:0.200%以下、
Nb:0.200%以下および
Zr:0.100%以下、
から選ばれる1種または2種以上を含有する、前記1乃至4のいずれか一項に記載の構造用鋼材。
6.前記成分組成が、さらに、質量%で、
B:0.0050%以下を含有する、前記1乃至5のいずれか一項に記載の構造用鋼材。
7.前記成分組成が、さらに、質量%で、
Ca:0.0100%以下および
Mg:0.0100%以下、
から選ばれる1種または2種を含有する、前記1乃至6のいずれか一項に記載の構造用鋼材。
8.表面に塗膜を有する、前記1乃至7のいずれか一項に記載の構造用鋼材。
9.前記塗膜が、防食下地層、下塗り層、中塗り層および上塗り層を有し、
該防食下地層が無機ジンクリッチペイント、該下塗り層がエポキシ樹脂塗料、該中塗り層がふっ素樹脂上塗り塗料用の中塗り塗料、該上塗り層がふっ素樹脂上塗り塗料をそれぞれ用いてなる、前記8に記載の構造用鋼材。
10.表面にジンクリッチプライマー層を有する、前記1乃至7のいずれか一項に記載の構造用鋼材。
11.前記1乃至10のいずれか一項に記載の構造用鋼材を用いてなる、構造物。
12.橋梁である、前記11に記載の構造物。
本発明によれば、大気腐食環境下、特には飛来塩分量の多い海上や海岸近傍などの厳しい腐食環境下で使用する場合であっても、塗り替え周期を延長して塗装頻度を低減することが可能であり、かつ耐ラメラテア性にも優れる構造用鋼材を得ることができる。
そして、本発明の構造用鋼材を、橋梁などの屋外の大気腐食環境下、特には飛来塩分量の多い海上や海岸近傍などの厳しい腐食環境下で使用される橋梁などの構造物に用いることにより、かような構造物のメンテナンスコスト、ひいてはライフサイクルコストを低減することが可能となり、さらには、ラメラテアの発生を有効に防止して、大型で複雑な構造物についても高い安全性を確保することが可能となる。
以下、本発明を具体的に説明する。まず、本発明の構造用鋼材の一実施形態における成分組成について説明する。なお、成分組成における元素の含有量の単位はいずれも「質量%」であるが、以下、特に断らない限り単に「%」で示す。
C:0.020%以上、0.200%以下
Cは、鋼材の強度を上昇させる元素である。このため、Cは、構造用鋼としての所定の強度を確保するため、0.020%以上含有させる必要がある。一方、C含有量が0.200%を超えると、溶接性および靭性が劣化する。したがって、C含有量は0.020%以上、0.200%以下とする。好ましくは、0.040%以上である。また、好ましくは、0.180%以下である。
Mn:0.20%以上、2.00%以下
Mnは、鋼材の強度を上昇させる元素である。このため、Mnは、構造用鋼としての所定の強度を確保するため、0.20%以上含有させる必要がある。一方、Mn含有量が2.00%を超えると、靭性および溶接性が劣化する。したがって、Mn含有量は0.20%以上、2.00%以下とする。好ましくは0.75%以上である。また、好ましくは1.80%以下である。
P:0.003%以上、0.030%以下
Pは、鋼材の塗装耐食性の向上に寄与する元素である。このような効果を得る観点から、Pは0.003%以上含有させる必要がある。一方、P含有量が0.030%を超えると、溶接性が劣化する。したがって、P含有量は0.003%以上、0.030%以下とする。
S:0.0001%以上、0.0100%以下
Sは、耐ラメラテア性に関与する重要な元素である。すなわち、S量が増大すると粗大なMnSが形成され、これがラメラテアの起点となる。このため、S含有量は0.0100%以下とする必要がある。ただし、S含有量を0.0001%未満にしようとすると、生産コストが増大する。したがって、S含有量は0.0001%以上、0.0100%以下とする。好ましくは0.0080%以下、より好ましくは0.0060%以下である。
Al:0.001%以上、0.100%以下
Alは、製鋼時の脱酸に必要な元素である。このような効果を得るため、Alは0.001%以上含有させる必要がある。一方、Al含有量が0.100%を超えると、溶接性に悪影響を及ぼす。したがって、Al含有量は0.001%以上、0.100%以下とする。好ましくは0.005%以上、より好ましくは0.010%以上である。また、好ましくは0.050%未満、より好ましくは0.030%未満である。
Sn:0.005%以上、0.200%以下
Snは、塗膜の耐久性を向上させる効果を有するとともに、耐ラメラテア性に関与する重要な元素、換言すれば、塗装耐食性を向上させる一方で、耐ラメラテア性を低下させる元素である。
すなわち、Snは、地鉄表面近傍においてさび層中に存在し、さび粒子を微細化することによって、腐食促進因子である塩化物イオンがさび層を透過して地鉄に到達するのを防止する。また、Snは、鋼材表面においてアノード反応を抑制する。これらの効果を十分に得るためには、Sn含有量を0.005%以上とする必要がある。好ましくは0.010%以上、より好ましくは0.020%以上である。
しかしながら、Snは板厚中心部に偏析しやすく、このようなSn偏析部では、硬度が高く、脆化した組織が生成し、当該組織が破壊の起点となって、耐ラメラテア性を劣化させる。したがって、耐ラメラテア性の確保の観点から、Snの含有量は0.200%以下とする。好ましくは0.100%以下、より好ましくは0.050%未満である。
また、鋼材の塗装耐食性を向上させる観点から、Snとともに、Cu、Ni、W、SbおよびSiのうちから選んだ1種または2種以上を複合添加することが必要である。すなわち、上述したように、Snは塗装耐食性を向上させるが、耐ラメラテア性の観点から多量に含有させることはできない。このため、良好な耐ラメラテア性を確保しつつ、鋼材の塗装耐食性を向上させる観点から、Snとともに、Cu、Ni、W、SbおよびSiのうちから選んだ1種または2種以上を複合添加することが必要である。
Cu:0.010%以上、0.50%以下
Cuは、さび層のさび粒を微細化することで緻密なさび層を形成し、腐食促進因子である酸素や塩化物イオンの地鉄への透過を抑制する効果を有する。このような効果は、Cu含有量が0.010%以上で得られる。一方、Cu含有量が0.50%を超えると、合金コストの上昇を招く。したがって、Cu添加の効果を得るための含有量は0.010%以上、0.50%以下である。好ましくは0.030%以上、より好ましくは0.040%以上、さらに好ましくは0.050%以上である。また、好ましくは0.40%以下、より好ましくは0.30%以下、さらに好ましくは0.25%以下である。
Ni:0.010%以上、0.50%以下
Niは、さび層のさび粒を微細化することで緻密なさび層を形成し、腐食促進因子である酸素や塩化物イオンの地鉄への透過を抑制する効果を有する。このような効果は、Ni含有量が0.010%以上で得られる。一方、Ni含有量が0.50%を超えると、合金コストの上昇を招く。したがって、Ni添加の効果を得るための含有量は0.010%以上、0.50%以下である。好ましくは0.030%以上、より好ましくは0.040%以上、さらに好ましくは0.050%以上である。また、好ましくは0.40%未満、より好ましくは0.30%以下、さらに好ましくは0.15%以下である。
W:0.005%以上、1.000%以下
Wは、鋼材のアノード反応に伴って溶出し、さび層中にWO 2−として分布することによって、腐食促進因子の塩化物イオンがさび層を透過して地鉄に到達するのを静電的に防止する。さらに、鋼材表面にWを含む化合物が沈殿することで、鋼材のアノード反応を抑制する。このような効果は、W含有量が0.005%以上で得られる。一方、W含有量が1.000%を超えると、合金コスト上昇を招く。したがって、W添加の効果を得るための含有量は0.005%以上、1.000%以下である。好ましくは0.010%以上、より好ましくは0.030%以上、さらに好ましくは0.050%以上である。また、好ましくは0.700%以下、より好ましくは0.500%以下、さらに好ましくは0.300%以下である。
Sb:0.005%以上、0.200%以下
Sbは、地鉄表面近傍においてさび層中に存在し、さび粒子を微細化することで腐食促進因子である塩化物イオンがさび層を透過して地鉄に到達するのを抑制する。また、Sbは、鋼材表面においてアノード反応を抑制する。このような効果は、Sb含有量が0.005%以上で得られる。一方、Sb含有量が0.200%を超えると、鋼の延性や靭性の劣化を招く。したがって、Sb添加の効果を得るための含有量は0.005%以上、0.200%以下である。好ましくは0.010%以上、より好ましくは0.020%以上である。また、好ましくは0.150%以下、より好ましくは0.100%以下である。
Si:0.05%以上、1.00%以下
Siは、さび層全体のさび粒を微細化して緻密なさび層を形成し、鋼材の塗装耐食性を向上させる効果を有する。また、Siは製鋼時の脱酸に必要な元素である。このような効果は、Si含有量が0.05%以上で得られる。一方、Si含有量が1.00%を超えると、靭性および溶接性が著しく劣化する。したがって、Si添加の効果を得るための含有量は0.05%以上、1.00%以下である。好ましくは0.15%以上である。また、好ましくは0.80%以下である。
さらに、鋼材の塗装耐食性を一層向上させる観点からは、Si含有量は0.40%以上、0.60%以下とすることがより好ましい。
以上、基本成分について説明したが、必要に応じて、以下に述べる元素を適宜含有させることができる。
Mo:0.500%以下
Moは、鋼材のアノード反応に伴って溶出し、さび層中にMoO 2−が分布することで、腐食促進因子である塩化物イオンがさび層を透過して地鉄に到達するのを抑制する。また、鋼材表面にMoを含む化合物が沈殿することで、鋼材のアノード反応を抑制する。しかしながら、Mo含有量が0.500%を超えると、合金コストの上昇を招く。したがって、Moを含有する場合、Mo含有量は0.500%以下とする。なお、上記の効果を得るためには、好ましくはMo含有量が0.005%以上である。
Co:1.00%以下
Coは、さび層全体に分布し、さび粒を微細化することで緻密なさび層を形成し、これにより鋼材の耐候性を向上させる効果を有する。しかしながら、Co含有量が1.00%を超えると、合金コストの上昇を招く。したがって、Coを含有する場合、Co含有量は1.00%以下とする。好ましくは0.50%以下、より好ましくは0.35%以下である。なお、上記の効果を得るためには、好ましくはCo含有量が0.01%以上であり、より好ましくは0.03%以上、さらに好ましくは0.10%以上である。
Ti:0.050%以下
Tiは、強度を高める元素である。しかしながら、Ti含有量が0.050%を超えると、靭性の劣化を招くおそれがある。したがって、Tiを含有する場合、Ti含有量は0.050%以下とする。より好ましくは0.030%以下である。なお、上記の効果を得るためには、好ましくはTi含有量が0.001%以上であり、より好ましくは0.005%以上である。
V:0.200%以下
Vは、強度を高める元素である。しかしながら、V含有量が0.200%を超えると、その効果が飽和する。したがって、Vを含有する場合、V含有量は0.200%以下とする。なお、上記の効果を得るためには、好ましくはV含有量が0.005%以上である。
Nb:0.200%以下
Nbは、強度を高める元素である。しかしながら、Nb含有量が0.200%を超えると、靭性の劣化を招くおそれがある。したがって、Nbを含有する場合、Nb含有量は0.200%以下とする。なお、上記の効果を得るためには、好ましくはNb含有量が0.005%以上である。
Zr:0.100%以下
Zrは、強度を高める元素である。しかしながら、Zr含有量が0.100%を超えると、その効果が飽和する。したがって、Zrを含有する場合、Zr含有量は0.100%以下とする。なお、上記のような効果を得るためには、好ましくはZr含有量が0.005%以上である。
B:0.0050%以下
Bは、強度を高める元素である。しかしながら、B含有量が0.0050%を超えると、靭性の劣化を招くおそれがある。したがって、Bを含有する場合、B含有量は0.0050%以下とする。なお、上記の効果を得るためには、好ましくはB含有量が0.0001%以上である。
Ca:0.0100%以下
Caは、鋼中のSを固定し、溶接熱影響部の靭性を向上させる元素である。しかしながら、Ca含有量が0.0100%を超えると、鋼中の介在物の量が増加し、かえって靭性の劣化を招く。したがって、Caを含有する場合、Ca含有量は0.0100%以下とする。なお、上記の効果を得るためには、好ましくはCa含有量が0.0001%以上である。
Mg:0.0100%以下
Mgは、鋼中のSを固定し、溶接熱影響部の靭性を向上させる元素である。しかしながら、Mg含有量が0.0100%を超えると、鋼中の介在物の量が増加し、かえって靭性の劣化を招く。したがって、Mgを含有する場合、Mg含有量は0.0100%以下とする。なお、上記の効果を得るためには、好ましくはMg含有量が0.0001%以上である。
上記以外の成分は、Feおよび不可避的不純物である。なお、不可避的不純物としては、NやO(酸素)が挙げられ、N:0.010%以下、O:0.010%以下であれば許容できる。
また、本発明の構造用鋼材では、Sn偏析度を次のように制御することが極めて重要である。
Sn偏析度:20以下
上述したように、Snは板厚中心部に偏析しやすい。このようにSnが偏析した部分(以下、Sn偏析部ともいう)では、硬度が高く、脆化した組織が生成し、当該組織が破壊の起点となって、その結果、鋼板の耐ラメラテア性を低下させる。よって、優れた耐ラメラテア性を確保するためには、Snの中心偏析を抑制する、換言すれば次式(1)により定義されるSn偏析度を低減することが重要である。このため、Sn偏析度は20以下とする。好ましくは18以下である。より好ましくは15以下である。さらに好ましくは12以下である。Sn偏析は少ない方が好ましいため、下限については特に限定されるものではないが、好ましくは1であり、より好ましくは5である。
[Sn偏析度]=[Sn偏析部のSn濃度]/[平均のSn濃度]---(1)
ここで、Sn偏析度は、より具体的には、鋼材の圧延方向と平行に切断した断面(鋼材表面に垂直な断面)において、電子線マイクロアナライザ(以下、EPMAと示す)の線分析により得られる平均のSn濃度に対する、Sn偏析部の最大Sn濃度の比である。
すなわち、鋼材の厚さをt(mm)、幅(鋼材の圧延方向および厚さ方向と直角の方向)をW(mm)としたとき、まず、鋼材の圧延方向と平行に切断した断面(鋼材表面に垂直な断面)の鋼材の厚さ方向:(0.5±0.1)×t、圧延方向:15mmの面領域(すなわち、鋼材の厚さ方向の中心位置を包含する面領域)において、ビーム径:20μm、ピッチ:20μmの条件で、SnのEPMA面分析を実施する。なお、SnのEPMA面分析は、1/4×W、1/2×Wおよび3/4×Wの位置の3つの断面視野にて実施する。
ついで、上記EPMA面分析から各断面視野においてSn濃度が最も高い位置を選択し、当該位置においてそれぞれ、鋼材の厚さ方向にビーム径:5μm、ピッチ:5μmの条件で、SnのEPMA線分析を実施する。なお、EPMA線分析の実施にあたっては、鋼材の表裏面からそれぞれ25μmまでの領域は除外する。
ついで、測定ラインごとにSn濃度(質量濃度)の最大値を求め、これらの平均値をSn偏析部のSn濃度(質量濃度)とする。そして、このSn偏析部のSn濃度を、測定ラインの全測定値の算術平均値である平均のSn濃度(質量濃度)で除した値を、Sn偏析度とする。
Sn偏析部の板厚方向の厚み:50μm以下
また、Sn偏析部の板厚方向の厚みを極力抑制することにより、一層、耐ラメラテア性が向上する。このため、Sn偏析部の厚み:50μm以下とすることが好ましい。より好ましくは40μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。なお、下限については特に限定されず、0μmであってもよい。
なお、ここでいうSn偏析部は、上記したEPMA線分析より得られる、平均のSn濃度(質量濃度)に対するSn濃度(質量濃度)の比が、5以上となる領域である。
また、Sn偏析部の厚みは、上記測定ライン毎に得られる上記領域における板厚方向の厚みを、平均することにより求めたものである。
ST値:1.50以下
また、次式(2)で定義されるST値を1.50以下とすることにより、耐ラメラテア性を一層向上することができる。さらに好ましくは1.20以下である。下限については特に限定されるものではないが、0.0000005程度である。
ST=10000×[%S]×[%Sn]---(2)
ここで[%S]および[%Sn]はそれぞれ、前記成分組成におけるSおよびSnの含有量(質量%)である。
また、本発明の一実施形態の構造用鋼材は、鋼材表面を塗装して使用される。ここで、鋼材表面の塗膜としては、特に限定するものではないが、例えば、防食下地層、下塗り層、中塗り層および上塗り層をこの順に有する塗膜が挙げられる。
なお、防食下地層は無機ジンクリッチペイント(例えば、SDジンク1500)、下塗り層はエポキシ樹脂塗料(例えば、エポマリンHB(K))、中塗り層はふっ素樹脂上塗り塗料用の中塗り塗料(例えば、セラテクトF中塗)、上塗り層はふっ素樹脂上塗り塗料(例えば、セラテクトF(K)上塗)を用いて形成することが好ましい。
また、製品出荷時には、一次防錆を目的として、鋼材の表面にジンクリッチプライマー層を形成することが好ましい。
なお、ジンクリッチプライマー層とは、JIS K 5552(2002)で規定されるジンクリッチプライマーを用いて形成されたプライマー層である。
次に、上記した構造用鋼材の一実施形態に係る製造方法を説明する。
すなわち、上記した成分組成に調製した鋼を、転炉や電気炉、真空脱ガス等、公知の精錬プロセスを用いて溶製し、連続鋳造法あるいは造塊−分塊圧延法で鋼素材(スラブ)とし、ついでこの鋼素材を必要に応じて再加熱してから熱間圧延することにより、鋼板または形鋼等とすることで製造する。
なお、鋼材の厚さは特に限定されるものではないが、好ましくは2〜100mmである。より好ましくは3mm以上、さらに好ましくは4mm以上である。また、より好ましくは80mm以下、さらに好ましくは60mm以下である。
ただし、上述したように、優れた耐ラメラテア特性を得るには、Snの中心偏析を抑制する、具体的には、Sn偏析度を20以下に制御することが極めて重要である。ここで、Sn偏析度は、成分組成が同じであっても、製造条件によって大きく変化する。このため、Snの中心偏析を抑制するには、製造条件、特には、鋳造条件および熱間圧延を適正に制御することが重要である。
すなわち、連続鋳造の場合、未凝固層を有する凝固末期の鋳片を、凝固収縮量と熱収縮量との和に相当する程度の圧下総量及び圧下速度で、圧下ロール群によって徐々に圧下しながら鋳造する軽圧下法を行うことが好ましい。
そして、この場合、鋳造速度(引抜速度)は、0.50〜2.80m/minとすることが好ましい。
ここで、鋳造速度が0.50m/min未満では、操業効率が悪くなる。また、鋳片が軽圧下帯に到達する前に凝固が完了してしまい、未凝固層での圧下が十分に行えず、軽圧下法によるSnの偏析抑制効果が十分得られず、Snの中心偏析が促される。より好ましくは0.70m/min以上、さらに好ましくは0.80m/min以上である。
一方、鋳造速度が2.80m/minを超えると、表面温度ムラが生じ、また鋳片内部への溶鋼供給が不十分になって、Snの中心偏析が促される。また、完全に凝固が完了する位置が軽圧下帯を過ぎた位置となり、やはり軽圧下法によるSnの偏析抑制効果が十分得られず、Snの中心偏析が促される。より好ましくは2.50m/min以下、さらに好ましくは1.20m/min以下である。
また、上記の鋼素材を所望の寸法形状に熱間圧延する際には、1000℃〜1350℃の温度に加熱することが好ましい。すなわち、加熱温度が高いほど中心偏析部のSnの拡散が促されるため、耐ラメラテア性を確保する観点からは有利となる。このような観点から、加熱温度は1000℃以上とすることが好ましい。ただし、加熱温度が1350℃を超えると、表面痕が発生したり、スケールロスや燃料原単位が増加したりする。よって、加熱温度の上限は1350℃とすることが好ましい。
さらに、上記加熱温度において、鋼素材(スラブ)表層と中心部の温度差が50℃以下となるように均熱することが好ましい。これにより、中心偏析部におけるSnの拡散が十分に促される。このため、上記加熱温度における均熱時間を30min以上とすることが好ましい。より好ましくは60min以上である。さらに好ましくは90min以上である。なお、上限については特に限定されるものではないが、1000minとすることが好ましい。
なお、鋼素材の温度が、もともと1000〜1350℃の範囲の場合でかつ、その温度範囲に30min以上保持されていた場合には、加熱せずに、そのまま熱間圧延に供してもよい。また、熱間圧延後に得られた熱延板に、再加熱処理、酸洗、冷間圧延を施し、所定板厚の冷延板としてもよい。
また、熱間圧延では、圧下比を3.0以上とすることが好ましい。圧下比を3.0以上とすることにより、板厚方向におけるSn偏析部の厚みが薄くなる。より好ましくは3.2以上、さらに好ましくは4.0以上である。圧下比の上限は、好ましくは60程度である。また、仕上圧延終了温度は650℃以上とすることが好ましい。仕上圧延終了温度が650℃未満では、変形抵抗の増大により圧延荷重が増加し、圧延の実施が困難となる。仕上圧延終了温度の上限は、好ましくは950℃である。
なお、熱間圧延後の冷却は、空冷、加速冷却のいずれの方法でもよいが、より高い強度を得たい場合には、加速冷却を行うことが好ましい。
ここで、加速冷却を行う場合には、冷却速度を2〜100℃/s、冷却停止温度を700〜400℃とするのが好ましい。すなわち、冷却速度が2℃/s未満、および/または冷却停止温度が700℃超では、加速冷却の効果が小さく、十分な高強度化が達成されない場合がある。また、設備能力の観点からは、冷却速度が100℃/s以下とすることが好ましい。さらに、冷却停止温度が400℃未満では、鋼材の靭性が低下したり、鋼材の形状に歪が発生する場合がある。なお、冷却停止温度を400℃未満とする場合には、後工程において400℃〜700℃の温度域で焼戻し熱処理を施すことが好ましい。
表1に示す成分組成になる鋼(残部はFeおよび不可避的不純物である)を溶製し、表2に示す条件の連続鋳造により、鋼スラブとした。なお、連続鋳造は、軽圧下法により行った。ついで、これらの鋼スラブを、表2に示す条件で、再加熱後、均熱し、ついで熱間圧延を施し、種々の鋼板を得た。なお、熱間圧延後の冷却は、室温までの空冷とした。
そして、上記した方法により、得られた鋼板においてSn偏析度およびSn偏析部の厚みを求めた。結果を表2に併記する。
なお、Sn偏析度が5未満の場合には、表2中のSn偏析度およびSn偏析部の厚みの欄の記載をいずれも「−」としている。
(1)塗装耐食性の評価
また、上記のようにして得られた鋼板について、以下の要領で、塗装耐食性の評価を実施した。
すなわち、上記のようにして得た鋼板から70mm×50mm×5mmの試験片を採取した。この試験片の表面に、JIS Z 0313(2004)に規定される除錆度Saが2.5となるようショットブラストを施し、アセトン中での超音波脱脂を5分間行い、風乾した。ついで、試験片の片面を塗装面とし、防食下地として無機ジンクリッチペイント(関西ペイント株式会社製 SDジンク1500A、厚さ:75μm)を塗布し、ついでミストコートとしてエポキシ樹脂塗料(関西ペイント株式会社製 エポマリン下塗ミストコート用)を塗布し、ついで下塗りとしてエポキシ樹脂塗料(関西ペイント株式会社製
エポマリンHB(K)、厚さ:120μm)を塗布し、ついで中塗りとしてふっ素樹脂上塗り塗料用の中塗り塗料(関西ペイント株式会社製 セラテクトF中塗塗料、厚さ:30μm)を塗布し、ついで上塗りとしてふっ素樹脂塗料上塗り塗料(関西ペイント株式会社製 セラテクトF上塗塗料、厚さ:25μm)を塗布し、防食下地層、下塗り層(ミストコートにより形成された塗膜も含む)、中塗り層および上塗り層からなる塗膜を形成した。なお、試験片の他方の片面と端面は、溶剤型のエポキシ樹脂塗料にてシールし、さらにシリコン系のシール剤にて被覆した。
塗装後、試験片に形成した塗膜の中央部に、地鉄に到達するように幅:1mm、長さ:40mmの直線のカットを入れ、初期欠陥を設けた。ついで、ISO 16539 2013に準拠し、以下に示す条件にて腐食試験を実施した。
すなわち、試験片表面の人工海塩の付着量が6.0g/mとなるように、人工海塩を純水で所定の濃度に希釈した溶液をスプレーし、試験片に人工海塩を付着させた。ついで、この試験片を用いて、(条件1.温度:60℃、相対湿度:35%、保持時間:3時間)、(条件2.温度:40℃、相対湿度:95%、保持時間:3時間)、条件1から条件2および条件2から条件1への各移行時間を1時間とする、合計8時間のサイクルを1サイクルとして、これを1200サイクル繰り返す腐食試験を実施した。なお、人工海塩の付着は、週に1回とした。
そして、腐食試験終了後、塗装における初期欠陥部からの膨れ幅(以下、塗装膨れ幅という)を測定し、塗装耐食性を評価した。ここで、塗装膨れ幅は、上記の初期欠陥の幅方向の塗装膨れ幅(両側の合計の膨れ幅)の平均値であり、具体的には、上記の初期欠陥を長さ方向に等間隔に10箇所の位置での幅方向の塗装膨れ幅(両側の合計の膨れ幅)を求め、これらを平均したものである。なお、塗装膨れ幅が12.0mm以下であれば、塗装耐食性に優れると判断した。
ここで、塗装膨れ幅が12.0mm以下であれば塗装耐食性に優れると判断した理由は以下のとおりである。
すなわち、通常、新設橋梁向けの塗装であるC5系塗装を普通鋼に適用した場合、マイルドな腐食環境(一般的な大気腐食環境)において、その塗装の寿命は50年程度とされている。一方、海上や海岸などの厳しい腐食環境では、塗装の寿命は30年程度とされている。ここで、例えば、海上や海岸などの厳しい腐食環境において塗装の寿命を30年から50年へ延長するためには、塗膜欠陥を通じた鋼の腐食に伴う塗装の膨れの進展を抑制する必要がある。ここで、(a)塗装膨れ面積が暴露期間の一次式で表され、(b)さらに、膨れ形状はピンホールなどを起点とする円または矩形であり、塗装膨れ面積は塗装膨れ幅の2乗に比例する、と仮定すると、所定の環境における一定時間曝露した後の塗装膨れ面積が、普通鋼を同様の条件で曝露した場合の塗装膨れ面積の60%以下(塗装膨れ幅で言えば、77.5%以下程度)、より安全側にみると56.25%以下(塗装膨れ幅で言えば、75%以下程度)になれば、塗装の寿命が30年から50年へ延長されるものと考えることができる。
ここで、普通鋼にC5系塗装を施して上記の腐食試験を行うと、塗装膨れ幅が16.0mmとなったため、その75%に相当する塗装膨れ幅:12.0mmである場合に、塗装耐食性に優れると判断した。
また、次の要領で各鋼板の一次防錆性の評価を行った。
すなわち、JIS K 5552(2002):「ジンクリッチプライマー」に記載される耐塩水噴霧性の試験に準拠して、ブラスト処理を施した試験片に、乾燥膜厚が20μmとなるようにジンクリッチプライマー(関西ペイント株式会社製 SDジンク1000)を塗布し、乾燥後、これらの試験片を用いて塩水噴霧試験を行った。
そして、目視によりジンクリッチプライマー層に赤錆が認められるまでの日数を測定し、以下の評価基準により、一次防錆性を評価した。
なお、本評価では、ジンクリッチプライマー層の下地となる鋼板の一次防錆性を評価するため、試験期間を、JIS K 5552(2002)で規定される試験期間よりも長くした。
A(合格、極めて優れる):赤錆が認められるまでの日数が120日以上
B(合格、特に優れる):赤錆が認められるまでの日数が90日以上120日未満
C(合格、優れる):赤錆が認められるまでの日数が60日以上90日未満
D(合格):赤錆が認められるまでの日数が30日以上60日未満
E(不合格):赤錆が認められるまでの日数が30日未満
さらに、以下の要領で、耐ラメラテア性の評価を行った。
(2)耐ラメラテア性の評価
JIS G 3199に準拠して、上記のようにして得られた鋼板について、鋼板の板厚方向(Z方向)の引張試験を実施し、絞り値を算出した。そして、算出した絞り値に基づき、以下の基準で耐ラメラテア性を評価した。
A(合格、極めて優れる):85%以上
B(合格、特に優れる):75%以上85%未満
C(合格、優れる):65%以上75%未満
D(合格):35%以上65%未満
E(不合格):35%未満
(1)および(2)の評価結果を表2に併記する。
Figure 0006501043
Figure 0006501043
Figure 0006501043
Figure 0006501043
表2に示したとおり、発明例はいずれも、優れた塗装耐食性と耐ラメラテア性とを兼ね備えている。
これに対し、比較例では、塗装耐食性および耐ラメラテア性の少なくとも一方について、十分な特性が得られていない。

Claims (12)

  1. 質量%で、
    C:0.020%以上、0.200%以下、
    Mn:0.20%以上、2.00%以下、
    P:0.003%以上、0.030%以下、
    S:0.0001%以上、0.0100%以下、
    Al:0.001%以上、0.100%以下および
    Sn:0.005%以上、0.200%以下
    を含有するとともに、
    Cu:0.010%以上、0.50%以下、
    Ni:0.010%以上、0.50%以下、
    W:0.005%以上、1.000%以下、
    Sb:0.005%以上、0.200%以下および
    Si:0.05%以上、1.00%以下
    から選ばれる1種または2種以上を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなる成分組成を有し、
    Sn偏析度が20以下である、構造用鋼材。
    ここで、Sn偏析度は、次式(1)により定義される。
    [Sn偏析度]=[Sn偏析部のSn濃度]/[平均のSn濃度]---(1)
    式中、[Sn偏析部のSn濃度]は、鋼材の圧延方向と平行に切断した断面(鋼材表面に垂直な断面)において、電子線マイクロアナライザの線分析により得られる測定ラインごとのSn濃度(質量濃度)の最大値を、平均した値である。また、上記電子線マイクロアナライザの線分析は、上記鋼材の圧延方向と平行に切断した断面(鋼材表面に垂直な断面)における電子線マイクロアナライザの面分析により、Sn濃度が最も高い位置を選択して実施するものとする。
  2. Sn偏析部の板厚方向の厚みが50μm以下である、請求項1に記載の構造用鋼材。
    ここで、Sn偏析部は、前記電子線マイクロアナライザの線分析により得られる、平均のSn濃度(質量濃度)に対するSn濃度(質量濃度)の比が、5以上となる領域である。
  3. 次式(2)で定義されるST値が1.50以下である、請求項1または2に記載の構造用鋼材。
    ST=10000×[%S]×[%Sn]---(2)
    ここで[%S]および[%Sn]はそれぞれ、前記成分組成におけるSおよびSnの含有量(質量%)である。
  4. 前記成分組成が、さらに、質量%で、
    Mo:0.500%以下および
    Co:1.00%以下
    から選ばれる1種または2種を含有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の構造用鋼材。
  5. 前記成分組成が、さらに、質量%で、
    Ti:0.050%以下、
    V:0.200%以下、
    Nb:0.200%以下および
    Zr:0.100%以下、
    から選ばれる1種または2種以上を含有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の構造用鋼材。
  6. 前記成分組成が、さらに、質量%で、
    B:0.0050%以下を含有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の構造用鋼材。
  7. 前記成分組成が、さらに、質量%で、
    Ca:0.0100%以下および
    Mg:0.0100%以下、
    から選ばれる1種または2種を含有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の構造用鋼材。
  8. 表面に塗膜を有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の構造用鋼材。
  9. 前記塗膜が、防食下地層、下塗り層、中塗り層および上塗り層を有し、
    該防食下地層が無機ジンクリッチペイント、該下塗り層がエポキシ樹脂塗料、該中塗り層がふっ素樹脂上塗り塗料用の中塗り塗料、該上塗り層がふっ素樹脂上塗り塗料をそれぞれ用いてなる、請求項8に記載の構造用鋼材。
  10. 表面にジンクリッチプライマー層を有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の構造用鋼材。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の構造用鋼材を用いてなる、構造物。
  12. 橋梁である、請求項11に記載の構造物。
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