JP7200966B2 - 表面性状および塗装耐食性に優れた構造用鋼材および構造物 - Google Patents
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Description
(1)耐食性、特に塗装耐食性の向上には、Cu、NiとともにSnを複合添加することが有効である。これらの元素を複合添加することで優れた耐食性が得られる理由は不明であるが、以下のように推定される。
Cu、Niはさび層を緻密化させ、腐食促進因子である塩化物イオンがさび層を透過して地鉄に到達するのを防止する。Snは地鉄表面近傍においてさび層中に存在し、さび粒子を微細化することによって、腐食促進因子である塩化物イオンがさび層を透過して地鉄に到達するのを防止する。また、鋼材表面においてアノード反応を抑制する。ただし、これらの効果は単独含有では不十分であり、これらの元素を複合含有することによる相乗効果により、腐食抑制効果が大きく向上する。
(2)表面性状の観点から本発明者らが鋭意検討した結果、合金元素濃化層中のCu、Ni、Snの濃度が適切な範囲にある場合に、良好なスケール密着性とスケール剥離後の適切な表面凹凸が得られる。この理由は不明であるが、以下のように推定される。
Cu、Ni、Snの濃化層により粒界酸化が進行すること、および、Cuの液相生成により粒界が浸潤されることで表面に凹凸が形成される。一方、濃化層によりFeのスケール側への拡散が阻害されることで表面に凹凸が形成されるのが抑制されるものの、濃化層の効果が強すぎると、濃化層が不連続になった場合に局所的なスケール成長が進み、結果的に表面の凹凸の形成が促進される場合もある。なお、スケール密着性は表面の凹凸に起因するアンカー効果に強く影響を受ける。スケール剥離後の表面の凹凸が小さすぎるとアンカー効果が得られず、良好なスケール密着性が得られない。また、表面の凹凸が大きすぎると、塗装後の表面に凹凸が残存し、外観を損なう。
(3)スケール剥離後の表面凹凸は、以下の製造条件に強く影響される。
1.圧延仕上げ温度:圧延仕上げ温度が低いとスケールの生成量が減少し、生成する合金濃化層中のCu、Ni、Snの濃度が減少し、表面の凹凸が小さくなる。
2.圧延時のデスケーリング回数:圧延時のデスケーリングにより、圧延途中に生成するスケールを除去することで、均一なスケールが生成し、その結果連続的な濃化層が生成することにより、適切な表面凹凸が形成する。
3.高温での圧延の総時間:高温での圧延の総時間が長すぎるとスケールの生成量が増加し、生成する合金濃化層中のCu、Ni、Snの濃度が過度に増大し、表面の凹凸が大きくなる。
[1]質量%で、
C:0.030%超え、0.200%以下、
Si:0.05%以上、1.00%以下、
Mn:0.20%以上、2.00%以下、
P:0.003%以上、0.030%以下、
S:0.0001%以上、0.0100%以下、
Al:0.001%以上、0.100%以下、
Cu:0.03%以上、0.50%以下、
Ni:0.03%以上、0.50%以下、
Sn:0.005%以上、0.200%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、
鋼材表面から1mmの部分に存在するCu、Ni、Snの濃化量の合計が0.15%以上10.0%以下であることを特徴とする表面性状および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
[2]さらに、質量%で、
Mo:0.03%以上、2.00%以下、
W:0.03%以上、2.00%以下、
Co:0.010%以上、1.000%以下、
Sb:0.005%以上、0.200%以下
から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする[1]に記載の表面性状および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
[3]さらに、質量%で、
Ti:0.001%以上、0.050%以下、
V:0.005%以上、0.200%以下、
Nb:0.005%以上、0.200%以下、
Zr:0.005%以上、0.200%以下から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする[1]または[2]に記載の表面性状および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
[4]さらに、質量%で、
B:0.0001%以上、0.0050%以下を含有することを特徴とする[1]~[3]のいずれかに記載の表面性状および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
[5]さらに、質量%で、
Ca:0.0001%以上、0.0100%以下、
Mg:0.0001%以上、0.0100%以下から選ばれる1種または2種を含有することを特徴とする[1]~[4]のいずれかに記載の表面性状および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
[6]前記構造用鋼材の表面に、塗膜を有することを特徴とする[1]~[5]のいずれかに記載の表面性状および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
[7]前記塗膜が防食下地として無機ジンクリッチペイントを有し、下塗りとしてエポキシ樹脂塗料を有し、中塗りとしてふっ素樹脂上塗り用中塗り塗料を有し、上塗りとしてふっ素樹脂塗料上塗りを有することを特徴とする[6]に記載の表面性状および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
[8][1]~[7]のいずれかに記載の構造用鋼材を用いた表面性状および塗装耐食性に優れた構造物。
[9]前記構造物が橋梁であることを特徴とする[8]に記載の表面性状および塗装耐食性に優れた構造物。
Cは、鋼材の強度を上昇させる元素である。このため、Cは、構造用鋼としての所定の強度を確保するため、0.030%を超えて含有させる必要がある。一方、C含有量が0.200%を超えると、溶接性および靭性が劣化する。したがって、C含有量は0.030%超え、0.200%以下とする。好ましくは、0.040%以上である。また、好ましくは、0.180%以下である。
Siは製鋼時の脱酸に必要な元素である。このような効果は、Si含有量が0.05%以上で得られる。一方、Si含有量が1.00%を超えると、靭性および溶接性が著しく劣化する。したがって、Si添加の効果を得るための含有量は0.05%以上、1.00%以下である。好ましくは0.10%以上である。また、好ましくは0.65%以下である。より好ましくは0.55%以下である。
Mnは、鋼材の強度を上昇させる元素である。このため、Mnは、構造用鋼としての所定の強度を確保するため、0.20%以上含有させる必要がある。一方、Mn含有量が2.00%を超えると、靭性および溶接性が劣化するとともに合金コストが増大する。したがって、Mn含有量は0.20%以上、2.00%以下とする。好ましくは0.50%以上である。また、好ましくは1.75%以下である。
Pは、鋼材の塗装耐食性の向上に寄与する元素である。このような効果を得る観点から、Pは0.003%以上含有させる必要がある。一方、P含有量が0.030%を超えると、溶接性が劣化する。したがって、P含有量は0.003%以上、0.030%以下とする。
Sは、溶接性および靭性を劣化させる元素である。このため、S含有量は0.0100%以下とする必要がある。ただし、S含有量を0.0001%未満にしようとすると、生産コストが増大する。したがって、S含有量は0.0001%以上、0.0100%以下とする。
Alは、製鋼時の脱酸に必要な元素である。このような効果を得るため、Alは0.001%以上含有させる必要がある。一方、Al含有量が0.100%を超えると、溶接性に悪影響を及ぼす。したがって、Al含有量は0.001%以上、0.100%以下とする。好ましくは0.005%以上、より好ましくは0.010%以上である。また、好ましくは0.050%未満、より好ましくは0.030%未満である。
Cuは、本発明の鋼材において重要な元素であり、さび層のさび粒を微細化することで緻密なさび層を形成し、腐食促進因子である酸素や塩化物イオンの地鉄への透過を抑制する効果を有する。また、地鉄表面に濃化することにより、粒界酸化を促進し、表面の凹凸形成を促進する。これらの効果は、Cu含有量が0.03%以上で得られる。一方、Cu含有量が0.50%を超えると、合金コストの上昇を招く。したがって、Cu含有量は0.03%以上、0.50%以下とする。好ましくは、0.04%以上、0.40%以下、より好ましくは、0.05%以上、0.30%以下である。
Niは、本発明の鋼材において重要な元素であり、さび層のさび粒を微細化することで緻密なさび層を形成し、腐食促進因子である酸素や塩化物イオンの地鉄への透過を抑制する効果を有する。また、地鉄表面に濃化することにより、粒界酸化を促進し、表面の凹凸形成を促進する。これらの効果は、Ni含有量が0.03%以上で得られる。一方、Ni含有量が0.50%を超えると、合金コストの上昇を招く。したがって、Ni含有量は0.03%以上、0.50%以下とする。好ましくは、0.04%以上、0.40%以下、より好ましくは、0.05%以上、0.30%以下である。
Snは、本発明の鋼材において重要な元素であり、地鉄表面近傍においてさび層中に存在し、さび粒子を微細化することによって、腐食促進因子である塩化物イオンがさび層を透過して地鉄に到達するのを防止する。また、Snは、鋼材表面においてアノード反応を抑制する。また、地鉄表面に濃化することにより、粒界酸化を促進し、表面の凹凸形成を促進する。これらの効果を十分に得るためには、Sn含有量が0.005%以上とする必要がある。一方、Sn含有量が0.200%を超えると鋼の延性や靭性の劣化を招く。したがって、Sn含有量は0.005%以上、0.200%以下とする。好ましくは0.010%以上、0.100%以下、より好ましくは0.020%以上、0.050%未満である。
Moは鋼材のアノード反応に伴って溶出し、さび層中にMoO4 2-が分布することで、腐食促進因子である塩化物イオンがさび層を透過して地鉄に到達するのを静電的に防止する。また、鋼材表面にMoを含む化合物が沈殿することで、鋼材のアノード反応を抑制する。これらの効果を十分に得るためには、Moを0.03%以上含有させる必要がある。しかしながら、Mo含有量が2.00%を超えると、合金コストの上昇を招く。したがって、Moを含有する場合、Mo含有量は0.03%以上、2.00%以下とする。好ましくは、0.05%以上、1.00%以下、より好ましくは、0.10%以上、0.75%以下である。
Wはアノード反応に伴って溶出し、さび層中にWO4 2-として分布することによって、腐食促進因子の塩化物イオンがさび層を透過して地鉄に到達するのを静電的に防止する。さらに、鋼材表面にWを含む化合物が沈殿することで、鋼材のアノード反応を抑制する。さらに、錆粒子の微細化により塩化物イオンなどの腐食促進因子の透過を抑制し、アノード反応、カソード反応を防止する。これらの効果を十分に得るためには、Wを0.03%以上含有させる必要がある。一方、W含有量が2.00%を超えると、合金コスト上昇を招く。したがって、Wを含有する場合、W含有量は0.03%以上、2.00%以下とする。好ましくは、0.04%以上、1.00%以下、より好ましくは、0.05%以上、0.75%以下である。
Coは、さび層全体に分布し、さび粒を微細化することで緻密なさび層を形成し、これにより鋼材の耐候性を向上させる効果を有する。これらの効果を得るためには、Coを0.010%以上含有させる必要がある。しかしながら、Co含有量が1.000%を超えると、合金コストの上昇を招く。したがって、Coを含有する場合、Co含有量は0.010%以上、1.000%以下とする。好ましくは0.03%以上、0.50%以下、より好ましくは0.10%以上、0.35%以下である。
Sbは、地鉄表面近傍においてさび層中に存在し、さび粒子を微細化することによって、腐食促進因子である塩化物イオンがさび層を透過して地鉄に到達するのを防止する。また、Sbは、鋼材表面においてアノード反応を抑制する。これらの効果を十分に得るためには、Sb含有量が0.005%以上とする必要がある。一方、Sb含有量が0.200%を超えると鋼の延性や靭性の劣化を招く。したがって、Sb含有量は0.005%以上、0.200%以下とする。好ましくは0.010%以上0.100%以下、より好ましくは0.020%以上、0.050%未満である。
Tiは、微量の添加で常温強度を高める元素である。これらの効果を得るためには、Tiを0.001%以上含有させる必要がある。しかしながら、Ti含有量が0.050%を超えると、靭性の劣化を招くおそれがある。したがって、Tiを含有する場合、Ti含有量は0.001%以上、0.050%以下とする。好ましくは0.005%以上、0.030%以下である。
Vは、微量の添加で常温強度を高める元素である。これらの効果を得るためには、Vを0.005%以上含有させる必要がある。しかしながら、V含有量が0.200%を超えると、その効果が飽和する。したがって、Vを含有する場合、V含有量は0.005%以上、0.200%以下とする。好ましくは0.010%以上、0.100%である。
Nbは、微量の添加で常温強度を高める元素である。これらの効果を得るためには、Nbを0.005%以上含有する必要がある。しかしながら、Nb含有量が0.200%を超えると、靭性の劣化を招くおそれがある。したがって、Nbを含有する場合、Nb含有量は0.005%以上、0.200%以下とする。好ましくは、0.010%以上、0.05%以下である。
Zrは、微量の添加で常温強度を高める元素である。これらの効果を得るためには、Zrを0.005%以上含有する必要がある。しかしながら、Zr含有量が0.200%を超えると、その効果が飽和する。したがって、Zr含有量は0.005%以上、0.200%以下とする。好ましくは0.010%以上0.100%以下である。
Bは、強度を高める元素である。この効果を得るためには0.0001%以上含有させる必要がある。しかしながら、B含有量が0.0050%を超えると靭性の劣化を招くおそれがある。したがって、Bを含有する場合、B含有量は0.0001%以上、0.0050%以下とする。好ましくは0.0005%以上、0.0025以下である。
Caは、鋼中のSを固定し、溶接熱影響部の靭性を向上させる元素である。この効果を得るためには、0.0001%以上含有させる必要がある。しかしながら、Ca含有量が0.0100%を超えると、鋼中の介在物の量が増加し、かえって靭性の劣化を招く。したがって、Caを含有する場合、Ca含有量は0.0001%以上、0.0100%以下とする。なお、好ましくはCa含有量が0.0005%以上、0.0080%以下である。
Mgは、鋼中のSを固定し、溶接熱影響部の靭性を向上させる元素である。この効果を得るためには、0.0001%以上含有させる必要がある。しかしながら、Mg含有量が0.0100%を超えると、鋼中の介在物の量が増加し、かえって靭性の劣化を招く。したがって、Mgを含有する場合、Mg含有量は0.0001%以上、0.0100%以下とする。なお、好ましくは0.0005%以上、00080%以下である。
また、熱間圧延時のデスケーリング回数を5回以上とすることが好ましい。熱間圧延時のデスケーリング回数を5回以上とすることで、熱間圧延途中に生成するスケールを除去し、最終的なスケール生成量を減少させ、表面の凹凸を小さくする。
850℃以上での熱間圧延を行う総時間は20分以下が好ましい。850℃以上の高温での熱間圧延の総時間が長いと、スケールの生成を過度に促進し、生成する合金濃化層中のCu、Ni、Snの濃度が過度に高くなり、表面の凹凸が大きくなる。
各鋼材から、100mm×100mmのサンプルを採取し、10.5%HCl+100g/LFeCl2+2g/LFeCl3+0.06%イビットの酸洗溶液中で、90℃、12分間酸洗して表面のスケールを除去したのち、JIS B0601(2001)に従い、触針式表面粗さ測定器で表面の粗さRaを測定した。なお、Raが0.5μm以上、2.5μm以下であれば、表面性状に優れる。
各鋼材から70mm×50mmの試験片を採取した。この試験片の表面に、JIS Z 0313(2004)に規定される除錆度Saが2.5となるようショットブラストを施し、アセトン中での超音波脱脂を5分間行い、風乾した。ついで、試験片の片面を塗装面とし、防食下地として無機ジンクリッチペイント(関西ペイント株式会社製 SDジンク1500A、厚さ:75μm)を塗布し、ついでミストコートとしてエポキシ樹脂塗料(関西ペイント株式会社製 エポマリン下塗ミストコート用)を塗布し、ついで下塗りとしてエポキシ樹脂塗料(関西ペイント株式会社製 エポマリンHB(K)、厚さ:120μm)を塗布し、ついで中塗りとしてふっ素樹脂上塗り塗料用の中塗り塗料(関西ペイント株式会社製 セラテクトF中塗塗料、厚さ:30μm)を塗布し、ついで上塗りとしてふっ素樹脂塗料上塗り塗料(関西ペイント株式会社製 セラテクトF上塗塗料、厚さ:25μm)を塗布し、防食下地層、下塗り層(ミストコートにより形成された塗膜も含む)、中塗り層および上塗り層からなる塗膜を形成した。なお、試験片の試験面以外の面は、溶剤型のエポキシ樹脂塗料にてシールし、さらにシリコン系のシール剤にて被覆した。塗装後、試験片に形成した塗膜の中央部に、地鉄に到達するように幅:1mm、長さ:40mmの直線のカットを入れ、初期欠陥を設けた。ついで、ISO 16539 2013に準拠し、以下に示す条件にて腐食試験を実施した。
すなわち、試験片表面の人工海塩の付着量が6.0g/m2となるように、人工海塩を純水で所定の濃度に希釈した溶液をスプレーし、試験片に人工海塩を付着させた。ついで、この試験片を用いて、条件1(温度:60℃、相対湿度:35%、保持時間:3時間)から条件2(温度:40℃、相対湿度:95%、保持時間:3時間)および条件2から条件1への各移行時間を1時間とする、合計8時間のサイクルを1サイクルとして、これを1200サイクル繰り返す腐食試験を実施した。なお、人工海塩の付着は、週に1回とした。そして、腐食試験終了後、塗装における初期欠陥部からの膨れ面積(以下、塗装膨れ面積という)を測定し、塗装耐食性を評価した。なお、塗装膨れ面積が500mm2以下であれば、塗装耐食性に優れると判断した。
Claims (9)
- 質量%で、
C:0.030%超え、0.200%以下、
Si:0.05%以上、1.00%以下、
Mn:0.20%以上、2.00%以下、
P:0.003%以上、0.030%以下、
S:0.0001%以上、0.0100%以下、
Al:0.001%以上、0.100%以下、
Cu:0.03%以上、0.50%以下、
Ni:0.03%以上、0.50%以下、
Sn:0.005%以上、0.200%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、
鋼材の地鉄表面から1mmの部分に存在するCu、Ni、Snの濃化量の合計が10.0%以下であることを特徴とする表面性状および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。 - さらに、質量%で、
Mo:0.03%以上、2.00%以下、
W:0.03%以上、2.00%以下、
Co:0.010%以上、1.000%、
Sb:0.005%以上、0.200%以下から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の表面性状および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。 - さらに、質量%で、
Ti:0.001%以上、0.050%以下、
V:0.005%以上、0.200%以下、
Nb:0.005%以上、0.200%以下、
Zr:0.005%以上、0.200%以下から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の表面性状および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。 - さらに、質量%で、
B:0.0001%以上、0.0050%以下を含有することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の表面性状および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。 - さらに、質量%で、
Ca:0.0001%以上、0.0100%以下、
Mg:0.0001%以上、0.0100%以下から選ばれる1種または2種を含有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の表面性状および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。 - 前記構造用鋼材の表面に、塗膜を有することを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の表面性状および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
- 前記塗膜が防食下地として無機ジンクリッチペイントを有し、下塗りとしてエポキシ樹脂塗料を有し、中塗りとしてふっ素樹脂上塗り塗料用の中塗り塗料を有し、上塗りとしてふっ素樹脂上塗り塗料を有することを特徴とする請求項6に記載の表面性状および塗装耐食性に優れた構造用鋼材。
- 請求項1~7のいずれか一項に記載の構造用鋼材を用いた表面性状および塗装耐食性に優れた構造物。
- 前記構造物が橋梁であることを特徴とする請求項8に記載の表面性状および塗装耐食性に優れた構造物。
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