JP4790423B2 - 耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼及びこれを用いた船舶バラストタンクの防食方法 - Google Patents

耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼及びこれを用いた船舶バラストタンクの防食方法 Download PDF

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本発明は、耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼、特に、船舶バラストタンクの腐食環境で優れた耐食性を示す耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼、及びこの溶接構造用鋼を用いた船舶バラストタンクの防食方法に関する。
船舶のバラストタンクは、海水を含む高温多湿の腐食環境となるため、鋼構造部分に対して一般に電気防食とエポキシ系樹脂による防食を併用している。しかし、海水を積まない場合は電気防食が作用しないこと、部材のコーナー部など塗膜厚が不均一となるところから腐食が就航後数年で不可避的に始まること、等の理由で、従来の変性エポキシ系塗料(400μm厚さ)と電気防食を組み合わせても、防食寿命が10年前後しか得られないという問題点があった。
このような船舶バラストタンクの高防食化、高寿命化を図るため、従来においては次のような技術が提案、開示されている。
特許文献1では、塗膜の機械的特性や組成を改善し、塗膜の防食性能を向上させるとした発明が開示されている。また、特許文献2乃至特許文献4では、特定の合金元素に規定し、船舶バラストタンクの環境での塗膜の耐久性向上や鋼材の耐食性に優れた耐海水鋼に関する発明が各種提案されている。
また、船舶バラストタンクの防食方法として、特許文献5には、鋼中Cr量を0.2〜5%に制御する等、耐食性改善元素を添加すると共に、船舶バラストタンク内の酸素濃度を大気中の0.5倍以下に低減することにより塗装工程の省略が可能な防食方法に関する発明が開示されている。また、特許文献6には、船舶バラストタンク内空間部の湿潤空気を乾燥空気と置換するか、船舶バラストタンク内空間部の湿潤空気中の水分を除去することにより、船舶バラストタンク内空間部の相対湿度を60%以下に保持する防食方法に関する発明が開示されている。この防食方法によれば、バラストタンク内の上部鋼板等が結露に伴う水膜あるいは水滴で覆われることが少なくなり、ほぼ乾燥状態にすることで腐食速度を低減させることが可能となる。
特開2003−171611号公報 特開2002−266052号公報 特開2005−171332号公報 特開2005−220394号公報 特開平07−034270号公報 特開平08−216979号公報
しかし、特許文献1に記載の発明をはじめとした塗料・樹脂の高耐久化は、コストの上昇や徹底した塗装施工管理が不可欠であるほか、塗膜の欠陥部からは不可避的に腐食が進展するという問題点があった。また、特許文献2に記載の耐食鋼に関する発明は、スクラッチ周囲のさびに起因した塗膜膨れ面積の低減には効果があるとされるが、電気防食を併用した場合は、普通鋼との差がみられなくなるという問題点があった。また、特許文献3で開示された発明でのNi添加鋼とジンクリッチプライマーの併用は、特に船舶バラストタンクの没水部においては、特許文献2に記載の発明と同様に電気防食を併用した場合は、普通鋼との差がみられなくなるという問題点があった。また、特許文献4で開示された耐食鋼に関する発明も同様に耐食性はやや向上するものの、高合金添加系でもその効果は不十分で、むしろ合金コスト高や溶接性の低下という問題点があった。
また、特許文献5で開示された船舶バラストタンクの防食方法に関する発明は、特定のCr添加鋼を構成材料として使用すると共に、内部の酸素ガス濃度を大気中での値に対する比率にして0.5以下とすることを特徴とするため、大型船舶では膨大な設備投資が必要となるという問題点があった。また、特許文献6で開示された船舶バラストタンクの防食方法に関する発明も、設備コストや環境保全コストが高いという課題のほか、VLCC等の大型船舶の複数のバラストタンクを雰囲気制御することは非常に難しいという問題点があった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、各種合金元素を大量に添加することなく、従来の塗料、電気防食との併用下でも船舶バラストタンクなどにおける耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼およびそれを用いた船舶バラストタンクの防食方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼を船舶バラストタンクの環境下における鋼材の腐食機構について鋭意研究し、次の1)〜6)の知見を得た。
1) 特定の合金を複合添加した鋼材の表面に無機ジンクリッチプライマーを塗布すると、鋼材の腐食減量が著しく抑制される。その効果は、無機ジンクリッチプライマーが腐食消費された後も、長期間発現する。
2) 上記1)と同様の効果は、無機ジンクリッチプライマーだけでなく、海水中の浸漬電位が基材よりも卑な金属の被覆層、例えば、めっき、溶射、金属粉末の無機プライマーでも発現する。
3) 上記1)および2)と同様の効果は、金属被覆層上にさらに重防食塗装を施しても、地鉄面までスクラッチを入れた場所での腐食抑制に有効である。
4) 上記効果1)〜3)は、外部犠牲陽極または外部電源で電気防食を併用すると、さらに防食効果が高まる。
さらに、特定の合金を添加した鋼材と基材より卑な金属の被覆層とを組み合わせると、船舶バラストタンク環境で優れた耐食性効果を示し、さらに電気防食下でより一層の効果が発現する理由を鋭意研究した結果、以下の知見を得た。
5)金属被覆層の腐食で生成した腐食生成物の下で、基材に添加した特定の合金元素がFeとともに溶解しさび層を形成する。金属被覆層と基材との間の電池作用に伴い、海水から地鉄腐食部へMgが多量に供給され、鉄さび層に取り込まれる。一方、腐食を加速させ、または鉄さびの保護性を低下させる攻撃性の塩化物イオン(Cl)は、鉄さび上に沈着した金属被覆層の腐食生成物中にトラップされる。それらのプロセスの結果、スクラッチ部など地鉄が露出した部分では、鉄の腐食が当初進むが、極めて厳しい海水環境にも関わらず、金属被覆層の腐食生成物の下層は低Cl・高Mg濃度環境となり、保護性の極めて高い鉄さび層が熟成するミクロ環境が形成される。その結果、腐食速度が急激に抑制される。
図1に、本発明鋼と比較鋼の腐食量の経時変化の代表例を示す。いずれも無機ジンクリチプライマーを15μm塗布し、スクラッチ疵をいれて、実施例で後述する船舶バラストタンクの環境を模擬した腐食試験で評価した結果である。この図1において、横軸は試験時間を表し、縦軸は腐食減量を表している。比較鋼の腐食減量は、試験時間に対してほぼ直線的に増加しているのに対して本発明鋼の腐食曲線は試験開始直後は比較鋼と同等の傾向を示すのに対し、ある時期からその増加が抑えられているのがわかる。この腐食抑制効果が、上述した保護性さび層の形成によるものと考えられる。
図1中の本発明例B22の試験途中の試験片を1枚取り出し、錆層断面の元素分布を調査した結果を図2に示す。上記に述べたように、錆層は、上層がZnの腐食生成物層、下層が鉄さび層(Fe系の腐食生成物層)の2層構造をとり、上層にClの濃縮、下層に海水由来のMgおよび基材由来のCrが濃縮し、攻撃性のClの濃度が低く抑えられているのが明らかである。
6) 電気防食は、海水が張ってある期間は期待どおりの作用、効果を示すが、船舶バラストタンクが空の期間は電気防食の効果がなく、高温多湿環境下で船舶バラストタンクの腐食が進展する。基材より卑な金属の被覆層と電気防食とを併用すると、張水時に鉄さび中へのMgの濃縮を促進させる効果がある。従って、鉄さび層の保護性をより一層高める効果がある。
本発明者らは、上記の知見から、鋼材中にCu、Crを添加し、基材より海水中での浸漬電位が低い金属を主成分とした被覆層を形成させると、船舶バラストタンクの環境で、被覆層の腐食生成物を上層とし、地鉄の腐食生成物を下層とした二層構造の腐食生成物の保護性が極めて向上することで、地鉄の腐食速度が著しく低減することを見出した。
本発明は、以上の知見を基になされたもので、その要旨とするところは、以下の通りである。
(1) 質量%で、C:0.03〜0.2%、Si:0.01〜2.5%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.03%以下、S:0.03%以下、Al:0.02〜0.3%を含有し、さらに、Cu:0.01〜2.0%、Cr:0.01〜3.5%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を基材とし、該基材の一部または全部の外表面に、ZnまたはZn合金を主成分とする、厚さ0.5〜500μmの被覆層を有することを特徴とする、耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。
(2)質量%で、Al:0.027〜0.3%を含有することを特徴とする、上記(1)に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。
(3) 前記基材の鋼が、さらに、質量%で、Ni:0.01〜5.5%、Mo:0.01〜2.5%、Sb:0.01〜0.3%の1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。
) 前記基材の鋼が、さらに、質量%で、Nb:0.002〜0.2%、V:0.005〜0.5%、Ti:0.002〜0.2%、B:0.0002〜0.005%の1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。
(5) 前記基材の鋼が、さらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.01%、Y:0.0001〜0.1%、La:0.005〜0.1%、Ce:0.005〜0.1%の1種または2種以上を含有することを特徴とする、上記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。
(6) 下記式(1)で示す、炭素当量Ceq.が0.6%以下であることを特徴とする、上記(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。
Ceq.=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5・・・式(1)
) 前記被覆層が、ZnまたはZn合金の連続しためっき層で形成され、その厚さが1〜100μmであることを特徴とする、上記(1)乃至()のいずれか1項に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。

) 前記被覆層が、ZnまたはZn合金の粒子の溶射による積層で形成され、その厚さが10〜500μmであることを特徴とする、上記(1)乃至()のいずれか1項に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。
) 前記被覆層が、ZnまたはZn合金の粒子を40%以上含有し、残部がシリケートおよび不可避的不純物からなるプライマー層で形成され、その厚さが5〜100μmであることを特徴とする、上記(1)乃至()のいずれか1項に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。
10) 前記ZnまたはZn合金が、質量%で、Mg:0.05〜10%、In:0.05〜10%の1種または2種を含有することを特徴とする、上記(1)乃至()のいずれか1項に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。
11) 前記被覆層の上にさらに有機樹脂塗膜層を有し、その厚さが20〜1000μmであることを特徴とする、上記(1)乃至(10)のいずれか1項に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。
12) 船舶バラストタンク内部の一部または全ての構造部材を、上記(1)乃至(11)のいずれか1項に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼で構成することを特徴とする、船舶バラストタンクの防食方法。
13) 犠牲陽極式または流電陽極式によって電気防食することを特徴とする、上記(12)に記載の船舶バラストタンクの防食方法。
本発明鋼ならびに本発明の船舶バラストタンクの防食方法を適用すれば、従来の船舶バラストタンクの建造方法、防食方法(塗装や電気防食)、維持管理基準を変更することなく、船舶バラストタンクの防食寿命を向上させ、補修塗装や腐食部材の切り替えといった大規模修繕の保守費用を大幅に低減することができるため、産業上の寄与は極めて大きい。
本発明は、前述の課題を克服し、目的を達成するもので、これを実施するための最良の形態を以下に説明する。
先ず、本発明にかかわる成分元素とその化学成分を限定した理由について説明をする。以下、組成における質量%は、単に%と記載する。
C :0.03〜0.2%
Cは、強度を確保するために必須の元素であり、高強度の構造用鋼を得るためには少なくとも0.03%が必要である。一方、0.2%を超えて過剰に含有させると溶接性や継手靭性の劣化等も生じ、溶接構造物用鋼として好ましくないため、0.03〜0.2%を限定範囲とした。溶接施工性の観点からは、Cは0.18%以下がより好ましい。特に、船舶用途の溶接構造用鋼としては、0.05〜0.15%がより好ましい。また、Cは、耐海水腐食性をやや低下させる元素であり、耐食性の観点からは、0.15%以下が好ましい。
Si:0.01〜2.5%
Siは、脱酸効果を発揮させるためには、0.01%以上必要である。また、Siは、耐全面腐食性向上に効果があり、また、耐局部腐食性向上にもわずかながら効果がある元素である。このような効果を発現させるためには、0.1%以上含有させることが好ましい。一方、Siを過度に含有させると、熱延スケールの固着(熱延時のスケール剥離性の低下)を招き、スケール起因の疵が増加するため、本発明においては上限を2.5%とする。特に、耐食性とともに溶接性や母材及び継手靭性への要求が厳しい鋼の場合は、上限を0.5%とすることが好ましい。
Mn:0.1〜2.0%
Mnは、鋼の強度確保のために0.1%以上必要である。一方、2.0%超になると、溶接性の劣化や、粒界脆化感受性を高めて好ましくないため、本発明においてはMnの範囲を0.1〜2.0%に限定する。なお、C、Mnは耐食性にほとんど影響を及ぼさない元素であるため、特に溶接構造用途で、炭素当量を限定する場合にはC、Mn量で調整することが可能である。
P :0.03%以下
Pは、鋼中に不可避不純物として含有する元素であり、意図的に添加する元素ではない。このPの含有量が0.03%を超えると、溶接性を劣化させるため、0.03%以下に限定する。特に、0.015%以下にした場合に、溶接性に良好な影響を及ぼすため0.015%以下が好ましい。さらに、製造コストは上がるが、溶接施工性に優れ、かつ、耐食性に優れた鋼を得るには、Pを0.005%以下にするのがより好ましい。
S :0.03%以下
Sも、鋼中に存在する不可避不純物元素であり、0.03%を超えると耐海水性を阻害する傾向がある。さらに機械的性質、特に延性を著しく劣化させるため、0.03%を上限とする。Sの含有量は耐食性や機械的性質に対して少ないほど好ましく、0.010%以下が好ましい。耐食性を十分向上させる場合、より好ましくは0.005%以下である。
Al:0.01〜0.3%
Alは海水由来のMgと共存することで、地鉄の腐食生成物の保護性を向上させる。また、Alは固溶Nと結合してAlNとして析出し、母材の加熱オーステナイト粒径微細化に対して有効に作用する元素である。ただし、これらの効果を発揮するためにはAlを0.01%以上含有する必要がある。一方、このAlを0.3%を超えて過剰に含有すると、粗大な酸化物を形成して延性及び靭性を劣化させるため、0.01〜0.3%の範囲に限定する必要がある。十分な耐食性向上効果を得るには、0.02%以上の添加が好ましい。また、耐食性向上効果は0.1%を超えて添加してもほぼ飽和するので、0.1%以下が好ましい。
Cu、Crは、耐食性上、添加が不可欠である。
Cu:0.01〜2.0%
Cuは、0.01%以上含有させると、海水由来のMgと共存することで、地鉄の腐食生成物の保護性を向上させる。2.0%を超えて含有させると、鋼片の表面割れの助長、継手靭性の劣化等、悪影響も顕在化するため、本発明では上限を2.0%とする。0.5%を超えて添加しても耐食性の向上はほぼ飽和するので、船舶バラストタンクなどで十分な耐食性と製造性との両立を図る場合は0.05〜0.35%が好ましい。
Cr:0.01〜3.5%
Crは、0.01%以上含有させると、Cuと同じく、海水由来のMgと共存することで、地鉄の腐食生成物の保護性を向上させる効果がある。また、強化元素であり、強度調整のために必要に応じて添加することは可能である。Crの過剰な添加は溶接性の低下や製造コスト上昇を招くので上限を3.5%とした。
耐海水腐食性はCr添加量の増加とともに、すなわち、0.01%、0.1%、0.3%、0.5%、1%、2%、3%の順に向上するが、逆順で溶接性が低下する。従って、現状の高能率の造船工程で要求される溶接性と耐食性との両立を図る場合は、0.1〜1.0%が好ましい。より好ましくは0.3〜0.7%である。
Ni:0.01〜5.5%
Niは、Cu、Crと同じく、0.01%以上含有させると、海水由来のMgと共存することで、地鉄の腐食生成物の保護性を向上させる。また、母材やHAZ靭性の向上に有効な元素であり、0.1%以上含有させることによって初めて靭性向上や耐食性向上効果が明確に発現する。一方5.5%を超えて過剰に含有させることは、高価な元素であり、経済的に不適当であるのと、溶接性の劣化を招くため、本発明においては、Niを含有させる場合には0.1〜5.5%に含有量を限定する。耐食性、溶接性、経済性の観点からは、0.2〜0.6%が好ましい。
Mo:0.01〜2.5
oは、Cu、Cr、Niと同じく、0.01%以上含有させると、海水由来のMgと共存することで、地鉄の腐食生成物の保護性を向上させる。一方、2.5%を超えて含有させると溶接性や靭性を劣化させるため、2.5%以下に限定する。高価な元素なので、耐食性、溶接性、経済性の観点からは、0.02〜0.1%が好ましい。
Sb:0.01〜0.3
bは、0.01%以上含有させることによって、耐食性を向上させる効果を有するため、含有させる場合の下限は0.01%とするが、0.3%を超えて過剰に含有させても効果が飽和するため、他の特性への悪影響の懸念もあり、経済性も考慮して、上限を0.3%とする。耐食性および靭性のバランスを考慮すると、0.01〜0.15%がより好ましい。
発明においては、さらに、諸特性の向上等を目的として、以下の元素を選択的に添加するようにしてもよい。
Nb:0.002〜0.2%、V:0.005〜0.5%、Ti:0.002〜0.2%、B:0.0002〜0.005%
Nb、V、Ti、Bは、微量で鋼の強度を高めるのに有効な元素であり、主に強度調整のために必要に応じて含有させる。各々効果を発現するためには、Nbは0.002%以上、Vは0.005%以上、Tiは0.002%以上、Bは0.0002%以上含有させる必要がある。一方、Nbは0.2%超、Vは0.5%超、Tiは0.2%超、Bは0.005%超で、靭性劣化が顕著となるため、好ましくない。従って、必要に応じて、Nb、V、Ti、Bを含有させる場合は、Nbは0.002〜0.2%、Vは0.005〜0.5%、Tiは0.002〜0.2%、Bは0.0002〜0.005%に限定する。
Mg:0.0001〜0.01%、Ca:0.0005〜0.01%、Y:0.0001〜0.1%、La:0.005〜0.1%、Ce:0.005〜0.1%
Mg、Ca、Y、La、Ceは、介在物の形態制御や、それによる延性特性の向上に有効であり、また、大入熱溶接継手の熱影響部(HAZ)靭性向上にも有効であり、さらに、不純物Sを固定することによるスラッジ生成抑制効果も弱いながらあるため、必要に応じて含有させる。本発明における各元素の含有量は、効果が発現する下限から下限値が決定され、各々、Mgは0.0001%、Caは0.0005%、Yは0.0001%、Laは0.005%、Ceは0.005%を下限値とする。一方、本発明における各元素の上限値は、介在物が粗大化して、機械的性質、特に延性と靭性に悪影響を及ぼすか否かで決定され、この観点から各々の上限値を、Mg、Caは0.01%、Y、La、Ceは0.1%とする。なお、Mg、Caは、0.0005%以上添加すると、地鉄のさび層の保護性を高めるので、0.0005〜0.1%がより好ましい。
Nは、本発明で特に限定しないが、固溶状態では延性、靭性に悪影響を及ぼすため、好ましくないが、V、AlやTiと結びついて窒化物を形成し、オーステナイト粒微細化や析出強化に有効に働くため、微量であれば機械的特性向上に有効である。また、工業的に鋼中のNを完全に除去することは不可能であり、必要以上に低減することは製造工程に過大な負荷をかけるため好ましくない。そのため、延性、靭性への悪影響が許容できる範囲で、かつ、工業的に制御が可能で、製造工程への負荷が許容できる範囲として下限は0.001%が好ましい。また、Nは、耐食性をやや向上させる効果があるが、過剰に含有すると固溶Nが増加し、延性や靭性に悪影響を及ぼす可能性があるため、許容できる範囲として上限は0.01%が好ましい。
また、溶接性、溶接継手靭性を特段に考慮する必要がある場合は、式(1)で示す、炭素当量(Ceq.)を0.6%以下とするのが好ましい。
Ceq.=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5・・・式(1)
式(1)は炭素当量式で、式(1)の炭素当量が0.6%以下であれば、溶接による熱影響部の硬化が抑制され、耐低温割れ性や溶接熱影響部(HAZ)靭性が確実に向上する。溶接性に優れた鋼の場合、より好ましくは0.4%以下が好ましい。式(1)の炭素当量が0.6%を超えて過大となると、成分の組み合わせによっては、耐低温割れ性やHAZ靭性の劣化、さらにはHAZの対応力腐食割れ特性の劣化も招く恐れがある。炭素当量の下限は、特に定めることなく本発明の効果を得ることができるが、0〜−40℃の低温域で優れた靭性を得るためには、炭素当量の下限は0.36%とすることが好ましい。
次に金属被覆層の要件について限定理由を述べる。
(1)被覆金属の実施態様
海水中において基材よりも浸漬電位が低いことで、基材を犠牲防食することに加え、金属被覆層の腐食生成物層が基材の腐食生成物層すなわち地鉄のさび層上に堆積し、2層構造を形成することで本発明の優れた耐食性が発現する。基材よりも浸漬電位が高いと、基材が金属被覆層を犠牲防食することになり、局部腐食の加速や上記効果が得られないので、被覆に供される金属の要件としては、海水中での浸漬電位が基材よりも低い金属であることを限定要件とした。
金属の実施態様としては、Zn、およびこれを主体とする合金を使用することができる。また、被覆のプロセスは該金属が基材に充分に固着されていればその製造プロセスを限定するものではない。用途やコスト等を考慮した上で適宜選択すれば良く、溶融めっき、電着めっき、溶融塩電解めっき、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、溶射、塗装等を使用することができ、それらを併用することも可能である。また、本発明の被覆の前後にいかなる処理を選択したとしてもそれをもって本発明の範囲を逸脱するものではない。
Zn合金とは、合金成分のうち最大量を占める成分がZnである合金すなわちZn基合金であり、一般にZn基合金に含有される0.01〜0.3%程度のAl等の合金成分および不純物成分を含んでよい
(2)金属被覆層の厚さ
本発明においては、本発明に係る鋼が使用される場合において、少なくとも腐食環境に曝される面を、海水中で基材よりも浸漬電位が低い金属で被覆するものである。期待防食寿命10年以上を得るには0.5μmの被覆層厚さが必要である。一方、500μmを超える厚さまで被覆しても、もはやその効果は飽和しているのに対して、生産性を低下させて徒にコストを上昇させるだけであるから、被覆層の厚さは0.5〜500μmに限定した。
前記金属被覆層を、海水中における浸漬電位が基材よりも卑なる金属の連続しためっき層で形成する場合は、その厚さが1μm未満では耐食性向上効果が乏しく、100μmを超えると割れなどの欠陥が生じやすくなるので、その範囲を1〜100μmに限定した。また、前記金属被覆層を、海水中における浸漬電位が基材よりも卑なる金属粒子の溶射で形成する場合は、10μm未満では均一で欠陥の少ない皮膜を得るのが難しく、500μmを超えると割れや剥離が顕著になるので、その範囲を10〜500μmに限定した。
前記金属被覆層を、シリケートと金属Zn粉末を主成分とする無機ジンクリッチプライマーに代表されるような、海水中における浸漬電位が基材よりも卑なる金属粉末含有のプライマーを塗布することで形成する場合は、5μm未満では均一な金属被覆層を形成するのが難しく、100μmを超えて塗布しても防食効果は飽和するので、5〜100μmに限定した。
以上が、金属被覆層の限定要件であるが、さらに、これらの被覆金属中にMg、Inの1種以上を含有させることで、耐食性がさらに向上することを見いだしている。これらの元素の耐食性理由については不明点が多いが、それぞれ質量%で0.05%未満では効果が顕著ではなく、一方15%を越えて添加しても効果が飽和するばかりか経済性、製造性を損なうことから、これらのそれぞれの元素の添加量は0.05〜15%とした。
また、上記被覆の実施様態としては、コイル、板、棒、ケーブル、穿孔鋼管等の鋼材の一般的な形状とした後に、本発明の被覆を行うことはもちろんのこと、被覆後の本発明鋼をプレスやロール成形等で所定の形状に成形し、さらに加工・溶接して製品として製造しても良いし、本発明の基材成分を有する鋼板で船体ブロックを製作した後に金属被覆を施してもよい。さらに、本発明の被覆を施す前に鋼材を上述したようなプロセスによって目的の形状とした後に本発明の表面被覆処理を施すことも可能であり、その他のプロセスも含めて本発明で限定する組成および処理条件の組み合わせを有する鋼は、いずれも本発明の対象とするところであって、コストや既存製造設備の制約等によって最適な製品製造工程を選択することができ、どの製造工程を選択したとしてもそれをもって本発明の範囲を逸脱するものではない。以上の本発明において提案する鋼は、海水が関与する腐食環境一般に適用することができる。
(3)電気防食との併用
本発明鋼は電気防食と併用することで、さらに耐食性が向上する。この効果は、特に船舶バラストタンクなど、使用期間中に電気防食が原理上利かない期間、すなわち船舶バラストタンク内が空の期間を有する用途で顕著に発現する。電気防食の方法は、ZnやAl合金などの犠牲金属を電気的に接続する流電陽極方式、外部電源と不活性アノードによって強制的に電気を流すことで防食する外部電源方式のいずれもでもよい。船舶バラストタンクの場合、使用開始から流電陽極方式で電気防食するのが好ましい。
以下に、本発明の効果を実施例によりさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
表1に示す合金組成の鋼を溶製、鋳造し、板厚10mmまで熱間圧延、熱処理後、この熱延鋼板を基材とした。
この基材から9mm×100mm×200mmの暴露試験片を採取し、該試験片表面をショットブラスト後、表2に示した金属被覆のうち一種をそれぞれの試験片に施した。
その後、カッターナイフで、試験片の地鉄表面まで達する80mm長さのスクラッチを付加した。そして、これらの試験片を、「30℃の海水中浸漬7日間」と「30℃、相対湿度99%、45℃の湿潤雰囲気中への暴露7日間」のサイクルのバラストタンク内を模擬したサイクル腐食試験に供試した。一部の試験片については10mm×10mm×5mmに切断した犠牲アノード合金(ZAP)をリード線で結び付け、「電気防食あり」の条件とした。最長約3年間、80サイクルまで腐食試験を継続した後、塗膜、金属被覆層および腐食生成物を除去して基材の相対腐食減量および相対最大板厚減少量を測定し、耐食性を評価した。ここで、相対腐食減量とは、表3に示す比較例C1の腐食減量(mg/cm)を100としたときの腐食減量の相対値であり、相対最大板厚減少量とは、比較例C1の最大板厚減少量(mm)を100としたときの最大板厚減少量の相対値である。
[1]塗装なしでの試験結果
表3に腐食試験に供試した試験片の仕様一覧と腐食試験結果を示す。
実施例のうち、本発明の要件を満足している本発明例B22〜B28、B32、B34〜B53、B63〜B65は全て、相対腐食減量および相対最大板厚減少量が、比較例の試験片番号C1と比較して、いずれも20%未満まで大幅に低減しており、優れた耐海水腐食性を有していることが、表3の結果から明らかである。
また、本発明例B23とB36、B24とB39、B25とB42、B26とB45、B27とB48、B28とB51、B32とB63とをそれぞれ比較すると、電気防食を併用することで、さらに相対腐食減量および相対最大板厚減少量が低減することが明らかである。
一方、比較例C1〜C12は、本発明の要件を満足していないため、本発明に比べて耐食性が劣っている。
比較例C1〜C8は、基材の化学成分が本発明の範囲外であるので、本発明の限定要件である金属被覆を施しても、相対腐食減量または相対最大板厚減少量の低減効果は高々50%に満たない。
比較例C9およびC10は、基材の化学成分が本発明の範囲内であるが、本発明で限定した金属被覆を有していないので、耐食性が劣っている。
比較例C11は、基材の化学成分が本発明の範囲内で、金属被覆を有しているが、海水中での浸漬電位が基材よりも高い金属のため、本発明の範囲外であり、その結果、耐食性が劣っている。
[2]重防食塗装ありでの試験結果
表4に腐食試験に供試した試験片の仕様一覧と腐食試験結果を示す。
実施例のうち、本発明の要件を満足している本発明例D17〜D23、D27、D29〜49、D59〜D61は全て、相対腐食減量および相対最大板厚減少量が、比較例の試験片番号E1と比較して、いずれも20%未満まで大幅に低減しており、優れた耐海水腐食性を有していることが、表4の結果から明らかである。
また、本発明例D17とD29、D18とD32、D19とD35、D20とD38、D21とD41、D22とD44、D23とD47およびD27とD59とをそれぞれ比較すると、電気防食を併用することで、さらに腐食減量および最大板厚減少量が低減することが明らかである。
一方、比較例E1〜E7は、本発明の要件を満足していないため、本発明に比べて耐食性が劣っている。
比較例E1〜E3は、基材の化学成分が本発明の範囲外であるので、本発明の限定要件である金属被覆を施しても、腐食減量または最大板厚減少量の低減効果は高々50%に満たない。
比較例E4は、基材が本発明の範囲内であるが、本発明で限定した金属被覆を有していないので、耐食性が劣っている。
比較例E5〜E7は電気防食下であるが、基材または金属被覆層が本発明の範囲外なので、耐食性が劣っている。
以上の実施例から、本発明によれば、バラストタンクなどの海水腐食環境において優れた耐食性を示すことが明白である。
本発明例B22のバラストタンク環境での腐食減量−時間曲線を示す図である。 本発明例B22の試験途中での錆層断面の元素分布を示す写真である。

Claims (13)

  1. 質量%で、
    C :0.03〜0.2%、
    Si:0.01〜2.5%、
    Mn:0.1〜2.0%、
    P :0.03%以下、
    S :0.03%以下、
    Al:0.02〜0.3%
    を含有し、さらに、
    Cu:0.01〜2.0%、
    Cr:0.01〜3.5%
    を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を基材とし、該基材の一部または全部の外表面に、ZnまたはZn合金を主成分とする、厚さ0.5〜500μmの被覆層を有することを特徴とする、耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。
  2. 質量%で、
    Al:0.027〜0.3%
    を含有することを特徴とする、請求項1に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。
  3. 前記基材の鋼が、さらに、質量%で、
    Ni:0.01〜5.5%、
    Mo:0.01〜2.5%、
    Sb:0.01〜0.3%
    の1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。
  4. 前記基材の鋼が、さらに、質量%で、
    Nb:0.002〜0.2%、
    V :0.005〜0.5%、
    Ti:0.002〜0.2%、
    B :0.0002〜0.005%
    の1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。
  5. 前記基材の鋼が、さらに、質量%で
    a:0.0005〜0.01%、
    Y :0.0001〜0.1%、
    La:0.005〜0.1%、
    Ce:0.005〜0.1%
    の1種または2種以上を含有することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。
  6. 下記式(1)で示す、炭素当量Ceq.が0.6%以下であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。
    Ceq.=C+Mn/6+(Cu+Ni)/15+(Cr+Mo+V)/5・・・式(1)
  7. 前記被覆層が、ZnまたはZn合金の連続しためっき層で形成され、その厚さが1〜100μmであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。
  8. 前記被覆層が、ZnまたはZn合金の粒子の溶射による積層で形成され、その厚さが10〜500μmであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。
  9. 前記被覆層が、ZnまたはZn合金の粒子を40%以上含有し、残部がシリケートおよび不可避的不純物からなるプライマー層で形成され、その厚さが5〜100μmであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。
  10. 前記ZnまたはZn合金が、質量%で、
    Mg:0.05〜15%、
    In:0.05〜15%
    の1種または2種を含有することを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。
  11. 前記被覆層の上にさらに有機樹脂塗膜層を有し、その厚さが20〜1000μmであることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼。
  12. 船舶バラストタンク内部の一部または全ての構造部材を、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の耐海水腐食性に優れた溶接構造用鋼で構成することを特徴とする、船舶バラストタンクの防食方法。
  13. 犠牲陽極式または流電陽極式によって電気防食することを特徴とする、請求項12に記載の船舶バラストタンクの防食方法。
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